360: 2016/02/20(土) 06:10:53.87 ID:mN72ykib.net

361: 2016/02/20(土) 18:25:18.52 ID:wlj7bSCU.net
>>357
番外編4

穂乃果「あれー?おかしいなー」

ことり「穂乃果ちゃん…」

海未「穂乃果、もうやめにしませんか?」

穂乃果「うーん…でも、この辺にあるはずなんだけど…」

ことり「そんなにおいしいお店だったの?」

穂乃果「うん!この間お父さんと食べに行ったんだけどね、エビみたいな味がするお肉がすごくおいしかったんだ!」

海未「エビみたいな味?エビではないのですか?」

穂乃果「うん、エビじゃなくて…なんだったかな?確か、髪型みたいな名前のフライだったんだけど…」

海未「髪型みたいな名前?あまりおいしくなさそうですが…」

穂乃果「それがおいしいんだよ!パーマ…じゃなくて、ポニーテール…でもなくてええっと…」

ことり「あはは…」

海未「穂乃果、もう諦めましょうよ。そもそもここはどこなんですか?」

穂乃果「そう…だよね…知らないところに来ちゃった、ここどこなんだろう…」

ことり「あっ、この町、北川町っていうみたいだよ」

海未「北川町…」

穂乃果「二人ともごめんね、付き合わせちゃって」

海未「それは構いませんが、お昼はどうしますか?」

穂乃果「どうしよっか…?」

ことり「あっ、あそこにたこやきの屋台があるよ」

穂乃果「たこやき!いいかもね!」

海未「行ってみましょうか」

362: 2016/02/20(土) 18:42:57.89 ID:wlj7bSCU.net
たこやき屋

穂乃果「すみませーん」

店主「……」

穂乃果「たこやき一つください!」

店主「……」ニコニコ

穂乃果「?あのー、たこやきがほしいんですけど…」

店主「……」ニヤニヤ

穂乃果「……ひっ」

店主「……」ニヤニヤ

穂乃果「ご、ごめんなさい…なんでもありません」

海未「穂乃果、もう行きましょう!」

店主「……」ニヤニヤ

穂乃果「失礼しましたー!」ササササッ

363: 2016/02/20(土) 18:55:32.84 ID:wlj7bSCU.net
ことり「…なんだったんだろう?」

穂乃果「びっくりしちゃった…怖かったよ」

海未「…穂乃果、ことり、この町…なんだか怪しくありませんか?」

ことり「怪しい…?」

海未「はい、どこを見ても…」チラッ

通行人「……」ブルブル

通行人2「……ひっ」ブルブル

通行人3「あぁ……」ブルブル

海未「みんな何かにおびえているような…」

ことり「そう言われると…」

穂乃果「私も怖くなってきたよ…」

海未「早く帰りましょう……」

364: 2016/02/20(土) 19:06:09.39 ID:wlj7bSCU.net
路地裏

穂乃果「ここを抜ければもう駅に着…」

町人1「おいあんた!どこ見て歩いてんだ!」

町人2「はぁ?そっちがぶつかってきたんでしょ?」

ことり「けっ、ケンカ…?」

海未「回り道して…」

町人1「なんだよ!あんたたちも私を狙ってるのか!」

穂乃果「えっ?私たちは…」

町人2「うるさい!このぉ!」タタッ

穂乃果「ひっ…」ブルッ

海未「逃げましょう!」

タタタタッ

365: 2016/02/20(土) 19:23:14.87 ID:wlj7bSCU.net
駅前

穂乃果「はぁ…はぁ」

ことり「はぁ…はぁ」

海未「……やはり、何かおかしいです…」

ことり「うん、早く帰りたいよ…電車まだかな?」

穂乃果「はぁ…ちょ…ちょっと疲れて喉渇いちゃった…はぁ」

穂乃果「…ジュース買うね」

自動販売機「」

ピッ ガシャーン

ガチャ

穂乃果「……」ゴクゴク

海未「穂乃果、大丈夫ですか?」

穂乃果「……」

海未「…穂乃果?」

穂乃果「……」ガクッ

海未「穂乃果!どうしました!?」

穂乃果「さわらないで!」

海未「えっ?」

366: 2016/02/20(土) 19:29:45.12 ID:wlj7bSCU.net
穂乃果「今…私に何をしようとしたの」

ことり「穂乃果ちゃん?」

海未「私は何も…」

穂乃果「違う!海未ちゃんは私を襲おうとしたんだ!来るな来るな来るな!」ジタバタ

海未「ほ、穂乃果!落ち着いてください!」

穂乃果「うるさい!うるさい!うるさぁい!」ジタバタ

穂乃果「あぁぁああ!!」バタバタ

海未「穂乃果…」

穂乃果「…うっ」バタン

穂乃果「……」

海未「穂乃果?穂乃果!しっかりしてください!」

ことり「穂乃果ちゃん!」



―――

367: 2016/02/20(土) 19:36:35.22 ID:wlj7bSCU.net
西木野病院

真姫「大丈夫、穂乃果に異常はないわ」

ことり「よかった…」

真姫「もうすぐ目が覚めると思うわよ。そしたら、いつもの穂乃果に戻っているはずだから…」

海未「穂乃果…」

ことり「ねえ真姫ちゃん…穂乃果ちゃんはどうしちゃったの?」

真姫「それは…私にもよくわかってないの。ただ、昨日から同じ症状の人が何人かここに運ばれて来てる…」

ことり「そうなんだ…」

真姫「そして、その人たちはみんな決まって…」

穂乃果「うぅっ…」

海未「穂乃果…?穂乃果!」

穂乃果「う、海未ちゃん?」

海未「よかった…気が付いたんですね」

369: 2016/02/20(土) 19:47:11.29 ID:wlj7bSCU.net
穂乃果「あれ…ここどこ?エビみたいなフライは…?」

ことり「穂乃果ちゃん?」

海未「何言ってるんですか、心配したんですよ?」

穂乃果「え、ええっと…私、何かした?」

海未「全くあなたは…」

真姫「海未、穂乃果は悪くないの。運ばれてきた人たちはみんな、直前の記憶を失っていてね…」

海未「そう…なんですか」

穂乃果「あれ、私どうして病院のベットに…」

ことり「真姫ちゃん、これって…」

真姫「ええ、間違いないわね」

海未「何が間違いないんですか?」

真姫「…海未、穂乃果」

海未、穂乃果「?」

真姫「ゆっくり休んでね」ピッカー

370: 2016/02/20(土) 19:50:30.94 ID:wlj7bSCU.net
穂乃果、海未「……」スヤスヤ

ことり「二人の記憶を消したの?」

真姫「ええ、怖い思いをしたみたいだから」

ことり「じゃあ…行こっか」

真姫「ダメよ、あなたを連れていくわけにはいかない」

ことり「どうして…」

真姫「確かめたいことがあるの。今回の相手は…厄介そうだからね」

ことり「……」

真姫「だからことりは…穂乃果と海未についててあげて」

ことり「……うん」

371: 2016/02/20(土) 19:54:38.27 ID:wlj7bSCU.net


北川町

真姫「ここが…」

通行人1「…」ギロッ

通行人2「……」ブルブル

真姫「…ひどい町ね」

真姫「とにかく、色々調べないと…」



駅前

真姫「穂乃果はここで急におかしくなった…」

真姫(なに?何が原因なの?)

真姫(ことりと海未は無事で、穂乃果だけがおかしくなった理由、それは…)

自動販売機「」

真姫「この自動販売機で飲み物を買ったこと」

ピッ ゴトン 

真姫(これは…)




372: 2016/02/20(土) 20:00:39.41 ID:wlj7bSCU.net
駅前 カフェ

真姫(間違いない…原因はあの自販機の飲み物)

真姫(だとしたら、飲み物を補充しに来る業者がいるはず…)

真姫(張り込みを続けるしかないわね…)

店員「お待たせしましたーフレッシュトマトティーです」

真姫「……」ゴクゴク

真姫「おいしい…」

真姫(それにしても、エイリアンは何の目的であんなものを…)

町人1「あなた今私の財布を盗もうとしたでしょ!」

町人2「そっちこそ!」

保育士「はーい、みんなで手をつなぎましょうねー」

子ども1「えー、どうしよっかなー」ニコニコ

保育士「先生の言うことが聞けないの?」

子ども1「えっ?」

保育士「やっぱりそうなのね!あなたたちも!私なんかいなくなればいいと思ってるんでしょ!」

子どもたち「ひっ…」

子ども1「先生が怖いよ!」

373: 2016/02/20(土) 20:05:35.77 ID:wlj7bSCU.net
真姫(まさか…)

真姫「まさかエイリアンの目的って…」

トラック「」ブォォォン キキーッ

真姫「来た…!」タタタッ

タクシー「」キキーッ

タクシー運転手「どちらまで?」

真姫「前の車を追って!」



アパート前

真姫「こんなところに…今回の事件の犯人が…」

真姫「行くしかないわね…」


―――

374: 2016/02/20(土) 20:10:08.62 ID:wlj7bSCU.net
アパート内

真姫「……」スタスタ

真姫「……」スタスタ

ドア「」ガチャー

エイリアン「…」

真姫「っ…」

エイリアン「ようこそ改造人間マキダー、我々は君の来るのを待っていたんだ」

真姫「何ですって?」

エイリアン「まあ座り給え、お茶でも飲みながら話をしようじゃないか」

真姫「くっ……」スッ

エイリアン「歓迎するよ、なんならお友達もよんだらどうだい?」

真姫「…あなたの企みは全部わかってる。大人しく降伏しなさい」

375: 2016/02/20(土) 20:12:49.88 ID:wlj7bSCU.net
エイリアン「はっはっは、我々の実験は十分成功したのさ」

真姫「実験…?」

エイリアン「ドリンクに仕込んだ赤い結晶体が人類の頭脳を狂わせるのに十分効力があることがわかったんだ。あれを飲めば周りの人間がすべて敵に見えるようになる」

エイリアン「教えてやろう、我々は人類が互いにルールを守り、信頼し合ってることに目を付けたんだ。地球を侵略するのに暴力を振るう必要はない。
人間同士の信頼感を失くすればいい。人間たちは互いに敵視し、傷つけあい、やがて自滅していく。どうだ、いい考えだろう」

真姫「そんな…そんなことさせない!」

エイリアン「そう、君が怖かったんだ。だから君には消えてもらおう。邪魔だからな」

真姫「なっ…」

バリア「」ガシャーン

真姫「閉じ込められた!?」

エイリアン「さらばだ」サササッ

真姫「くっ…」ガンガン

バリア「」カキーン

時限爆弾「」カチカチ

真姫「こんな…こんなところで」

ドッカーン



――

376: 2016/02/20(土) 20:15:55.22 ID:wlj7bSCU.net
エイリアン「はっはっは、これで邪魔者は消えた」

マキダー「甘いわね…」

エイリアン「な、なぜ…あのバリアはどうやっても破れないはず…。一体どうやって…」

マキダー「……」

マキダー「そんなこと、私が知るわけないでしょ!」

エイリアン「なっ……」

マキダー「とにかく、あなたは許せない…」

ドゴォ

エイリアン「ギャアァァ」

マキダー「頭はよくても…調子に乗りすぎたみたいね。無様なこと」バキィ

エイリアン「ギャァアア」

マキダー「トドメよ…」

マキダー「アルテルフスラッガー」シュッ

ビュンビュンビュン スパッ

エイ/リアン「」

ドッカーン



―――

377: 2016/02/20(土) 20:18:56.84 ID:wlj7bSCU.net
穂乃果「にこちゃん!エビみたいな味がするフライを食べに行こうよ!」

にこ「エビみたいな味?エビじゃないの?」

穂乃果「エビじゃないの!気になるでしょ?」

にこ「まあ…」

海未「にこ…やめた方がいいですよ」

穂乃果「なんで!?おいしかったよね?」

海未「味は…まぁ、しかし見た目が…」

穂乃果「えー、かわいいじゃん!」

海未「あれがかわいいんですか…?」

にこ「なんか気になってきたわね…」

ことり「よかったー、穂乃果ちゃんも海未ちゃんも元気になって」

真姫「そうね……」



エイリアンの地球侵略作戦はこうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心ください。このお話は遠い未来の物語なのです。
え?なぜですって
我々は人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから



「真姫ちゃんと幻覚宇宙人」 おわり

379: 2016/02/20(土) 20:25:06.42 ID:wlj7bSCU.net
「狙われた街」はもともと完成されたお話なのでストーリーをなぞっただけになっちゃいましたね

380: 2016/02/20(土) 21:35:11.01 ID:wlj7bSCU.net
第8話「新戦士登場!?」



人気のない路地裏

マキダー「くっ……」

ことり「真姫ちゃん!」

エイリアン「グワァァァ」ダッダッダッ

マキダー「逃がさないわよ!」

エイリアン「…!?」

人影「……」スタスタ

ことり「大変だ!誰かいるよ!」

マキダー「まずいわね…」

海未「……」スタスタ

マキダー「海未!?なんでこんなところに……」

エイリアン「ハゥァ」

ピッカー

海未「うわぁぁー」

ことり「海未ちゃん!」



=====

381: 2016/02/20(土) 21:42:07.91 ID:wlj7bSCU.net
海未「……うぅっ」

海未「あれ、私はこんなところで何を……」

海未(トレーニングをしていて人気のない路地裏に来たところまでは覚えているのですが……)

海未「…それ以降のことは何も思い出せませんね」

海未「私はどうしてしまったんでしょう……」



次の日

花陽「海未ちゃん、少しいいかな?」

海未「どうしました?」

花陽「相談があるんだけど……二人だけでお話しできない?」

海未「二人だけで……?わかりました」

382: 2016/02/20(土) 21:45:41.24 ID:wlj7bSCU.net
花陽「ねえ海未ちゃん、今から私が言うこと聞いて、笑わないって約束してくれる?」

海未「もちろんですよ。花陽からの相談で笑うなんてありえません」

花陽「…ありがとう海未ちゃん」

海未「それで、話というのは?」

花陽「うん、実はね…」

海未「はい…」

花陽「海未ちゃんにね」

海未「……?」

花陽「海未ちゃんに…克己復礼大和撫子ウミトリアンになって欲しいんです!」

海未「……はい?」

花陽「あ、ありがとう!」

海未「ちっ、違います!今の『はい』は了解ではなく疑問の『はい』です!」

花陽「あっ、そうだよね……やっぱり駄目だよね」

海未「ちょっと待ってください!もう少し詳しく説明してもらわないと何が何だか……」

383: 2016/02/20(土) 21:47:43.76 ID:wlj7bSCU.net
花陽「そ、そうだよね。克己復礼大和撫子ウミトリアンっていうのは音ノ木坂の平和を守るヒーローなんだ」

海未「ヒーローですか?」

花陽「うん、今音ノ木坂には危険が迫ってるんだけど…それを救えるのはウミトリアンしかいないんだ」

海未「なんだか話が抽象的すぎてよくわからないのですが……」

花陽「ごめんね、実は私もよくわかってないんだ」

海未「花陽も?というより、そもそも花陽はどうして…ウミトリアンになる人を探しているんですか?」

花陽「聞いてくれるの?」

海未「聞きましょう」

花陽「あれは先週のことだったんだけど…。デパートの炊飯器コーナーを見てたら、突然神様が現れて……」

384: 2016/02/20(土) 21:49:37.82 ID:wlj7bSCU.net
~~

神様「こんにちは」

花陽「ど、どちら様ですか?」

神様「神様です」

花陽「そ、そうですか」

神様「いきなりですが、あなたは克己復礼大和撫子ウミトリアンになるべき人間を一週間以内に見つけなければなりません」

花陽「え、ええっ!?」

神様「ウミトリアンというのは音ノ木坂の平和を守るヒーローです。音ノ木坂には今、危険が迫っているのです」

花陽「ちょ、ちょっと待ってください!」

神様「見つけることができなかった場合、あなたは一生お米が食べられません」

花陽「そんなぁ!?」

~~

385: 2016/02/20(土) 21:56:05.15 ID:wlj7bSCU.net
花陽「ってことがあったんだけど」

海未「意味がわかりません!」

花陽「……」グスグス

海未「花陽?」

花陽「私もわからないよ…でも、神様の言ってたことは多分本当なんだ。だって、あの日から一回もお米が食べれてないんだもん……」

海未「一回も……?」

花陽「うん、お米を食べようとすると、必ず何かに邪魔されちゃって……」ウルウル

海未(花陽のあの顔、冗談ではなさそうです。こんなに悩んでいる花陽を見捨てることなんてできません。ですが……)

海未「花陽、ひとつ聞いていいですか?」

花陽「なに?」

海未「どうして私をウミトリアンに選んだんですか?」

花陽「それはね……」

海未「それは……?」

386: 2016/02/20(土) 21:58:36.57 ID:wlj7bSCU.net
花陽「海未ちゃんならできると思ったんだ。海未ちゃんって私と違って頭もよくて、運動神経もよくて」

海未「……」

花陽「かわいくてかっこよくてしっかりしてて……」

海未「そんなことありませんよ」

花陽「ううん、海未ちゃんはすごいよ」

海未「…ありがとうございます」

海未(少しでも花陽を疑った私が間違っていました。花陽が変なことを考えるわけがありませんでしたね。その花陽が困っているんですから、見逃すわけにはいきません)

海未「花陽、私決めました。克己復礼大和撫子ウミトリアンになります!」

花陽「海未ちゃん!本当に……いいの?」

海未「もちろんです。だからもう泣かないでください」

387: 2016/02/20(土) 22:00:14.54 ID:wlj7bSCU.net
花陽「海未ちゃん、本当にありがとう……はいこれ」スッ

海未「何ですかこれ?」

花陽「ウミトリアンに変身するための携帯電話、Uフォンだよ」

海未「これがですか…?」

花陽「早速変身してみようよ!変身コード4・0・5を押して、ウミトリアンって言って!」

海未「大和撫子という割にやけに近代的なんですね…」

花陽「時代だからね。さぁ、早く変身してみようよ!」

海未「はい……」ピッ、ピッ、ピッ

海未「ウミトリアン!」

ピカァァー

海未「うぁぁぁあああ」

ウミトリアン「……」バーン

388: 2016/02/20(土) 22:04:13.55 ID:wlj7bSCU.net
花陽「やった、やったよ海未ちゃん!」

ウミトリアン「…やったね花陽ちゃん!」

花陽「花陽…ちゃん?」

ウミトリアン「あっ、かよちんって呼んだ方がよかった?」

花陽「???海未ちゃん?」

ウミトリアン「ダメだよかよちん。今の海未はウミトリアンなんだから。海未ちゃんって呼ばれたら正体がばれちゃうよー」

花陽「あっ、ごめんね…」

ウミトリアン「もうー、かよちんはドジなんだからー」

花陽(海未ちゃん……変身したら性格も変わっちゃったのかな)

ウミトリアン「それより、私は何をしたらいいのかな?」

花陽「うーん、音ノ木坂の平和を守るために……パトロールでもしてみる?」

ウミトリアン「そうだね!行ってきまーす!」タタタタタッ

花陽「行っちゃった……」

花陽(大丈夫かな……?)



――

389: 2016/02/20(土) 22:05:45.72 ID:wlj7bSCU.net
次の日

花陽「海未ちゃん、おはよう」

海未「……おはようございます」

花陽「昨日あれからどうなったの?」

海未「…すぐにわかると思います」

花陽「?」



練習前 部室

凛「ねえねえ真姫ちゃん、克己復礼大和撫子ウミトリアンのうわさ知ってる?」

真姫「克己復礼大和撫子ウミトリアン?」

花陽「ウミトリアン……なんで凛ちゃんがウミトリアンのことを知ってるの?」

凛「えっ?なんでって…みんな言ってるよ?ウミトリアンに助けてもらったって。かよちんもその話を聞いたの?」

花陽「みんなが……?」

390: 2016/02/20(土) 22:09:48.87 ID:wlj7bSCU.net
花陽「……」ジーッ

海未「……」

花陽(海未ちゃん……何したんだろう?)

真姫「なにそれ?ウミトリアンなんて本当にいるの?」

希「…いるよ」

ことり「希ちゃん?」

希「実は、ウチと絵里ちもウミトリアンに助けられたんよ」

凛「ええっ!?二人ともウミトリアンに会ったの?」

絵里「ええ、家のベランダにできたハチの巣を駆除してもらったわ」

凛「そんなことまでしてくれるの?!」

絵里「50匹以上のハチを手刀で切り裂きながら巣を駆除してくれたわ。おまけに取れたてのローヤルゼリーをごちそうしてくれたのよ!お肌にいいからって」

凛「すごい!ウミトリアンって武闘派でありながら美容にも関心のある完璧超人なんだね!」

391: 2016/02/20(土) 22:14:11.92 ID:wlj7bSCU.net
花陽「希ちゃんは?」

希「うーんとね、ウチ、昨日家の鍵を落としちゃったんやけど……。それで困ってたらウミトリアンが来てくれて、一緒に鍵を探してくれて、すぐに見つかったんよ」

ことり「へえー…結局鍵はどこにあったの?」

希「絵里ちのポケットの中」

穂乃果「なんでそんなところに!?」

凛「絵里ちゃんもしかして、希ちゃんの家に泥棒に入ろうとして…」

絵里「人聞きの悪いこと言わないでよ!」

希「というか、絵里ちがウチの家の合鍵を持ってるだけなんやけどね」

絵里「そうよ、3つ予備があるの」

穂乃果、凛「なーんだ、それなら安心だね」

ことり(うん…?)

にこ「実は私も…」

凛「にこちゃんもウミトリアンに会ったの?」

にこ「え、ええ……」

にこ(言えない…妹たちを焼肉に連れて行ったらお金が足りなくて、ウミトリアンに100円貸してもらったなんて……)

392: 2016/02/20(土) 22:16:58.25 ID:wlj7bSCU.net
真姫「克己復礼大和撫子ウミトリアンって…ずいぶん庶民派ヒーローなのね」

花陽「で、でも、いい人には間違いない……」チラッ

海未「……」

花陽「……よね?」



穂乃果「違うよ」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ウミトリアンはいい人なんかじゃないよ!悪魔だよ!」

凛「穂乃果ちゃん、どういうこと?」

絵里「そうよ、どうしてウミトリアンが悪魔だなんて……」

穂乃果「その理由を聞いてくれる?」

絵里「聞かなくてもいい?」

穂乃果「聞かないの?」

絵里「もちろん聞くわよ」

穂乃果「それでこそ絵里ちゃんだよ!」

絵里「さあ、早く話を聞かせて」

393: 2016/02/20(土) 22:20:35.97 ID:wlj7bSCU.net
穂乃果「えっとね、私が漫画を読んでたらウミトリアンが急に部屋に入ってきて…」

絵里「そ、それは怖いわね…」

希「それでどうなったの?まさか、襲われちゃったとか…?」

穂乃果「そんなんじゃないよ!もっとひどいことをされたんだよ……」

希「もっとひどいこと…?」

花陽「……」ゴクッ

穂乃果「ウミトリアンに宿題をやらされたんだよ!」

にこ「はぁ!?」

穂乃果「せっかく見たいテレビがあったのに……無理やり宿題をやらされて」

ことり「で、でも穂乃果ちゃん、そのおかげで今日のテストはよくできたんだよね?」

穂乃果「うん!」

にこ「じゃあいいじゃない」

穂乃果「そうだね!」

真姫「はぁ…真面目に聞いて損した」

394: 2016/02/20(土) 22:22:20.33 ID:wlj7bSCU.net
凛「それにしても穂乃果ちゃんに宿題をやらせるなんて、ウミトリアンって海未ちゃんみたいだね」

花陽「!!」

にこ「というか、克己復礼大和撫子ウミトリアンの正体は海未だったりして」

凛「そうなの海未ちゃん!」

海未「…そんなわけないじゃないですか」

にこ「まあ、それはそうよね。ウミトリアンって海未と違ってなんかこう…かわいらしい感じだったし」

穂乃果「そうかなあ、海未ちゃんもかわいいと思うけど」

にこ「別に、海未がかわいくないって言ってるわけじゃないのよ?ただ……」

絵里「ウミトリアンはもっとこう…いかにもって感じのキャラだったわね」

にこ「そうそう、このにこにーにも負けないぐらいのキャラだったわ」

真姫「やめてよ、にこちゃんと比べられるなんて、ウミトリアンが可哀想だわ」

にこ「どういう意味よそれ!」

395: 2016/02/20(土) 22:26:14.76 ID:wlj7bSCU.net
真姫「それにしても、ウミトリアンって一体何者なのかしらね」

希「おっ、真姫ちゃんも気になるん?」

真姫「そうね」

にこ、希「!?」

凛「真姫ちゃんがやけに素直だにゃ!?」

真姫「なによ、悪い?」

凛「悪くないけど…そんなにウミトリアンのことが気になるの?」

真姫「そうね、ウミトリアンの正体が気になるの…」

絵里「私は誰でしょ♪ 知りたくなったでしょう♪ ならば恋かも♪」

絵里「真姫ちゃんは、ウミトリアンに恋してたりしてー」ニヤッ

真姫「かもね」

絵里、にこ、希「!?」

凛「ま、真姫ちゃんがおかしいにゃあー!!」

396: 2016/02/20(土) 22:29:25.06 ID:wlj7bSCU.net
海未「……」ジーッ

花陽(海未ちゃんから視線を感じる…)

海未「すみません、トイレに行ってきます」

花陽(一緒に行った方がいいのかな?)

花陽「私も行くね」



トイレ

花陽「海未ちゃんすごいね、一日でこんなに噂が広がるなんて……」

海未「……」

花陽「海未ちゃん?」

海未「花陽……」

花陽「…どうしたの?」

海未「ウミトリアンを……辞めさせてください」ガクッ

397: 2016/02/20(土) 22:31:26.83 ID:wlj7bSCU.net
花陽「え、ええっー!?」

海未「もうダメです!私には無理だったんです!あんな恥ずかしいこと……」

花陽「そんなことないと思うけど……。海未ちゃん、結構ノリノリだったよ」

海未「実は、変身している間は意識がなかったんです。普段の私は眠ってしまって、心の奥底からもう一人の私が出てきたというか……」

海未「とにかく!あれは私ではありません!なんですかあれ!あの衣装もあの言動も!私にはあんな恥ずかしい事はできませんから!」

花陽「…海未ちゃん、変身が解けてから一気に恥ずかしさがこみ上げてきちゃったんだね」

海未「……」

花陽「でも海未ちゃん、大丈夫だよ。だって、だれも海未ちゃんが克己復礼大和撫子ウミトリアンだって知らないんだよ?」

海未「それはそうですが……」

花陽「だからウミトリアンの間だけ、海未ちゃんもはじけてみればいいんじゃないかな?きっと、海未ちゃんならできると思うから…」

海未「むぅ……まあ、花陽の言うことを信じてみます」

花陽「ありがとう」

海未「いえ、それより平和を守るというのはあれでよかったんでしょうか?困ってる人を助けてみたりはしましたけど」

花陽「うん、そのことなんだけど……」



398: 2016/02/20(土) 22:33:27.72 ID:wlj7bSCU.net
海未「ええ!?まだお米を食べられていないのですか?」

花陽「うん……」

海未「どういうことでしょう?私がウミトリアンになったんですから、花陽はお米を食べられるはずでは…」

花陽「ごめんね。せっかく海未ちゃんに頑張ってもらったのに…」

海未「いえ、しかしどうしましょう?このままでは花陽が……」

花陽「海未ちゃん、考えてみたんだけど…平和を守るっていうのは人助けとは違うんじゃないかな?例えば敵と戦うとか……」

海未「敵と戦う……?」

ピピピッ

海未「これは!?」

花陽「Uフォンが反応してる!もしかして本当に……」

399: 2016/02/20(土) 22:36:49.51 ID:wlj7bSCU.net
部室

穂乃果「海未ちゃんと花陽ちゃん…遅くない?」

にこ「遅いわね…何してんのかしら」

真姫「ねえ、ちょっと外していい?衣装のことで、ことりと少し話したいことがあるの」

ことり「…真姫ちゃん?」

絵里「ここじゃダメなの?」

真姫「新曲の衣装のことだから、ピアノがあった方がいいのよ」

絵里「そう、行ってらっしゃい」

凛「海未ちゃんとかよちんに続いて、真姫ちゃんとことりちゃんまで……」

希「また二人いなくなるなんて!」

凛「このまま二人ずつ減っていって…最後には絵里ちゃん一人に……」

希「絵里ち、ごめんな……ウチはもう」グタッ

凛「希、私を残して行っちゃうなんて……認められないわぁ」

絵里「なによそれ!私の真似のつもり!?」

凛「違うよ」

絵里「なーんだ、安心した」

真姫「ことり、行くわよ」

ことり「はーい」

400: 2016/02/20(土) 22:39:37.52 ID:wlj7bSCU.net
音楽室

ことり「真姫ちゃん、話ってなに?」

真姫「わかってるでしょ?克己復礼大和撫子ウミトリアンのことよ」

ことり「真姫ちゃんはウミトリアンが悪者だって思ってるの?」

真姫「さあね。でも、怪しいとは思ってるわ」

ことり「うーん、そうかなぁ?」

真姫「結構ある手口なのよ。偽善者ぶったエイリアンが都知事になったり総理大臣になったりね。そして、侵略者にとって住みよい世界を内側から作っていく。今度の件もその可能性があると思ってるわ」

ことり「そ、それはないんじゃないかな……」

真姫「とにかく、ウミトリアンの正体を突き止めるわよ」



校舎裏

海未「な、なんですかこれは……」

キラキラキラキラ

花陽「きっと、アワサル空間への入り口だよ」

海未「何ですかそれ?」

花陽「魔空空間みたいなものだよ」

海未「だから何ですかそれ!」

花陽「海未ちゃん、そんなこと言ってる場合じゃないよ!この中にはきっと、異次元帝国アワサルの凶悪怪人に襲われている人たちがいるから、早く助けないと!」

海未「っ……花陽、急にどうしたんですか!?」

花陽「早く行こう!」

海未「花陽の様子がおかしいです……」

401: 2016/02/20(土) 22:41:13.19 ID:wlj7bSCU.net
アワサル空間

シェフ1「うわぁぁぁ」

丸い物体「」ビュンビュン

シェフ2「きゃぁああ」

海未「あれは……何でしょう?白くて丸い物体が人を襲っていますが…」

花陽「襲われてるのは…この近くのイタリアンレストランの従業員さんたちだね」

海未「そもそもここは一体……ん?ここ、独特なにおいがしますね。悪いにおいではありませんが……」

花陽「丸い…イタリアン…におい…そうだ!」

海未「花陽?」

花陽「海未ちゃん!あのレストランの特徴は知ってる?」

海未「はい、確かお客さんに新鮮な食材を提供することに力を入れていて……」

花陽「それだよ!それがモッツアレラチーズの逆鱗に触れちゃったんだ!」

海未「どういうことですか?」

チーズ「それは私が説明してもいいかな……?」

花陽「チーズさん!」

402: 2016/02/20(土) 22:46:17.66 ID:wlj7bSCU.net
チーズ「うん、私はイタリア生まれのモッツアレラチーズ。昨日イタリアから来たばかりなんだ。こんな私だけど、日本でおいしく食べてもらうために頑張ろうって、そう思ってたんだけど…」

海未(このモッツアレラチーズ、少し花陽に似ているような……)

チーズ「日本に来てびっくりしちゃって…」

チーズ「エエッ!?まだ深夜2時なのにモウシコマレチャウノォ!?」

花陽「そっか……イタリアと日本の時差は8時間!イタリアの深夜2時は日本ではちょうどランチタイムの仕込みの時間なんだ!」

チーズ「おいしく食べてもらおうと思ってたのに…日本の人たちの好みに合うチーズになろうって……!それなのに日本の気候に慣れる時間もなく私はピザにされちゃったの…このお店では新鮮さが売りだからって」

チーズ「それで、本来の味を出せなかった私は自信を無くしてイタリアに帰りたくなっちゃって……」

花陽「時差ボケ……それが原因だったんだね!」

海未「なんとかわいそうなチーズなんでしょう……」

チーズ「そうなんです!時差ボケしてホームシックにかかった私たちモッツアレラチーズの怨霊は、チーズに体内時計を調節する時間を与えない愚かな日本人シェフたちに復讐することを決めたんです!」

海未「花陽、どうします?このチーズを見逃してあげても……」

花陽「時差ボケを理由に日本人シェフに復讐しようとするなんて…チーズの風上にも置けません!」

海未「そうですか?」

花陽「私、小泉花陽はお米に泣き落とされることはあっても、チーズに泣き落とされることはありません!」

海未「なるほど」

403: 2016/02/20(土) 22:50:14.19 ID:wlj7bSCU.net
チーズ「そんな……」ガガガガッ

怪人「グァァ」

花陽「あっ、チーズが合体して怪人になった!海未ちゃん、早く退治しよう!」

海未「……はい」

怪人「グワッァァ」

海未(くっ…怪人というだけありますね。恐ろしい……)

海未「しかし、私がやらなければ……」

海未「4・0・5……ウミトリアン!」

ウミトリアン「……」

花陽「よしっ!」

ウミトリアン「……は」

花陽「…は?」

404: 2016/02/20(土) 22:52:30.77 ID:wlj7bSCU.net
ウミトリアン「破廉恥です!//」ガクッ

花陽「ええっ!?ウミトリアン、どうしちゃったの?」

ウミトリアン「やはり私には無理です…こんな格好で怪人と戦うなんて!」

花陽「ウミトリアンになったのに性格が海未ちゃんのままだ……」

花陽(きっと、恥ずかしさのせいで完全な変身ができなかったんだ。海未ちゃんのままでも怪人と戦えるのかな……?)

花陽「海未ちゃん!ウミトリアンの武器は弓だよ!弓矢をイメージして!」

ウミトリアン(弓矢…それならいつもの稽古をイメージすれば……)

花陽「必殺技はラブアローシュートだよ!」

ウミトリアン「……」

花陽「ラブアローシュートって叫んで!」

ウミトリアン「……できません」

花陽「海未ちゃん!?」

ウミトリアン「私には…できません」グタッ

怪人「ガァ」

花陽「海未ちゃん!と、とりあえず逃げよう!捕まって!」

タッタッタッ

405: 2016/02/20(土) 22:54:43.56 ID:wlj7bSCU.net
西木野家

真姫「……」ジーッ

ことり「……」モグモグ

真姫「……」ジーッ

ことり「ふぁー……」モグモグ゙

真姫「ことり、食べてないでしっかりやってよ」

ことり「うーん……真姫ちゃん、もうこんなこと辞めない?」

真姫「ダメよ、ウミトリアンの正体を暴かなきゃ」

ことり「でも……」

真姫「ウミトリアンは困っている人のところに来るんだから、こうしてればきっと来るはずよ」

ことり「でも…こんなお芝居にウミトリアンが引っかかるかな?」

真姫「助けてーウミトリアン!私監禁されてるの!」

ことり「ぐへへ、助けを呼んだって無駄だよぉ」

ことり「……」

ことり(今一番困ってるのは……私?)

406: 2016/02/20(土) 22:56:05.62 ID:wlj7bSCU.net
校舎裏

花陽「…はぁ…はぁ」

花陽「海未ちゃん、大丈夫?」

海未「花陽…すみません」

花陽「海未ちゃんが謝ることじゃないよ。でも、昨日はちゃんと変身できたのにどうしたの?」

海未「私がいけないんです。私が恥ずかしいと思ったから……」

花陽(やっぱり……)

花陽「海未ちゃん、変身するのは嫌?」

海未「……」

花陽「ごめんね、私が無理やり頼んだせいでこんなことになっちゃって」

海未「いえ……」

花陽「最初はね、にこちゃんに克己復礼大和撫子ウミトリアンになってもらおうと思ってたんだ。にこちゃんなら喜んでやってくれそうだから」

海未「それならなぜ私に……?」

花陽「海未ちゃん、本当のことを言うとね」

海未「……なんでしょう?」

花陽「見ちゃったんだ。海未ちゃんがラブアローシュートの練習してるところ」

海未「っ!?」

407: 2016/02/20(土) 22:58:04.59 ID:wlj7bSCU.net
花陽「それでね、海未ちゃんももしかして憧れてるのかなと思ったんだ。魔法少女に」

海未「そんなわけないじゃないですか!あんな恥ずかしいこと!」

花陽「そうだよね……ごめんね。私が早とちりしちゃったせいでこんなことに巻き込んじゃって」

海未「……」

花陽「でも海未ちゃん、もし少しでも憧れてるなら、魔法少女をやってみたいと思ってるなら……」

花陽「ウミトリアンになってみてほしいんだ」

海未「……」

花陽「ごめんね、変なこと言って」

海未「いえ……」

花陽「私は自分がアイドルになれるなんて思ってなかった。私ってダメダメだし……」

海未「……そんなことありませんよ」

花陽「だけど、今はアイドルをやれて本当によかったって思ってるんだ。凛ちゃんたちのおかげで夢がかなった。私一人だったら踏み出せなかった…」

花陽「μ’sのメンバーにしてください、なんて絶対言えなかった……」

海未「……」

408: 2016/02/20(土) 23:00:39.95 ID:wlj7bSCU.net
花陽「だから、今度は私が…海未ちゃんの背中を押してあげられたらって思って」

海未「……」

花陽「海未ちゃんは私と違ってカッコよくて、勉強も運動もできて、私のあこがれだけど……」

花陽「恥ずかしがり屋なところは私と同じなのかも……って」

花陽「でも、もしかしたらそのうち…恥ずかしさがクセになるかもしれないよ?」

海未「……」

花陽「余計なお世話だったかな……?」

海未「…いえ、ありがとうございます」

花陽「海未ちゃん……」

海未「花陽、あなたは本当にやさしいですね」

花陽「…そんなことないよ」

海未「いいえ、あなたは努力家で誠実で、誰よりも優しいんです」

花陽「そんな、海未ちゃんに比べたら私なんか……」

海未「自信を持ってください。私はあなたの強さを知っていますから…」

花陽「海未ちゃん……」

海未「あなたの気持ち、無駄にはしません!」

海未「行きますよ!」

海未「4・0・5!ウミトリアン!」

409: 2016/02/20(土) 23:04:10.22 ID:wlj7bSCU.net
アワサル空間

怪人1「グァァ」

怪人2「ゴォォォ」

怪人3「ダァ」

ウミトリアン「…行ってきます」

花陽「海未ちゃん、大丈夫?」

ウミトリアン「海未ちゃん?誰のこと?私は…ウミトリアン…だよっ!」

花陽「…大丈夫そうだね!」

ウミトリアン「行くよっ!」

ウミトリアン「ばぁぁん!」シュパーン

怪人1「ギャァァァ」ドカーン

花陽「怪人を一撃で!?やっぱり、海未ちゃんはすごいなぁ…」

ウミトリアン「ばぁあん!」シュパーン

怪人3「ギャァァ」ドカーン

ウミトリアン「ばぁぁん!」シュパーン

怪人2「シュゥゥ」ガリガリ

バリア「」カキーン

花陽「弾かれちゃった!?」

410: 2016/02/20(土) 23:06:39.43 ID:wlj7bSCU.net
ウミトリアン「あれ?」

シュパーン シュパーン

バリア「」カキーン カキーン

ウミトリアン「うーん…当たらないよー!」

花陽「ウミトリアン…頑張って!」

ウミトリアン「かよちん……!」

花陽「ウミトリアンならできるよ!だって……ウミトリアンは私のあこがれのヒーローなんだもん!」

ウミトリアン「…そうだよ…あきらめちゃダメなんだ!」

ウミトリアン「みんなのハート、打ち抜くぞぉー!」

怪人2「」ピタッ

ウミトリアン「ラブアロー……」

ウミトリアン「シュウトォーー!」シュパパパパーン

バリア「」ギギギギ

バリーン

怪人2「ギャアアアア」ドカーン

花陽「やったぁ!」



―――

411: 2016/02/20(土) 23:09:56.93 ID:wlj7bSCU.net
校舎裏

海未「花陽…やりましたよ」

花陽「海未ちゃん…すごかったよ」

海未「ふふっ、これで花陽もお米が食べられますね」

花陽「……」パクパク

花陽「おいしい…おいしい」グスグス

海未「もう、泣かないでくださいよ」

花陽「海未ちゃん、あの、あのね……」

海未「どうしました?」

花陽「よかったら、その……」

海未「?」

花陽「これからも……かよちんって呼んでほしいな…//」

海未「……頑張ります」

412: 2016/02/20(土) 23:11:29.97 ID:wlj7bSCU.net
ガサガサ

ことり「あれ、海未ちゃんと花陽ちゃん」

真姫「どうしたの?こんなところで」

海未「あっ、うーんと、なんでもないよ?」

真姫「?海未、話し方が……」

ことり「海未ちゃんどうしちゃったの!?」

海未「な、なんでもありません……」

真姫「それより、この辺りで克己復礼大和撫子ウミトリアンを見なかった?」

海未「ウミトリアンですか?」

真姫「そう、絶対この辺りにウミトリアンがいるってことりが言ってるんだけど……」

ことり「うん…そんな気がするんだ」

花陽「どうしてウミトリアンを探してるの?」

真姫「もちろんウミトリアンの正体を突き止めるためよ!」

花陽「そ、そうなんだ」

413: 2016/02/20(土) 23:12:18.71 ID:wlj7bSCU.net
真姫「絶対に正体を暴いてやるんだから!行くわよことり」

ことり「はーい」

タッタッタッ

花陽「行っちゃった……」

海未「忙しく…なりそうですね」

花陽「うん……」

海未「これからもよろしくお願いします……かっ」

海未「かよちん……//」

花陽「…うん!」



====

414: 2016/02/20(土) 23:15:39.40 ID:wlj7bSCU.net
西木野家

海未「……」スヤスヤ

ことり「……」

真姫「……」

海未「ぐふふっ……」ニコニコ

真姫「幸せそうな顔してるわね…」

ことり「そうだね」

真姫「どんな夢見てるのかしらね…?」

ことり「ね……」

真姫「ま、寝かしといてあげましょ」

ことり「起こしてあげないの?」

真姫「海未はエイリアンの出した光を浴びたでしょ?あれを浴びると3時間は寝たままなのよ」

ことり「そうなんだ……」

415: 2016/02/20(土) 23:17:22.27 ID:wlj7bSCU.net
真姫「特に害はないから安心して」

ことり「よかった…」

海未「うへへ……」

真姫「ことり、あなたはもう帰っていいわよ」

ことり「えっ?でも海未ちゃんを放っておけないし…」

真姫「にこちゃんと約束があるんでしょ」

ことり「うん!スイーツを食べに行くんだ!ケーキとクレープとシュークリームとタルトとパフェとスムージーと……」

真姫「どれだけ食べるのよ?」

ことり「えへへ……楽しみだなぁ」

真姫「だったらにこちゃんを待たせちゃかわいそうでしょ。海未は私が見ておくから…」

ことり「…うん、真姫ちゃんありがとう!」

ことり「行ってきまーす!」タタタタッ

416: 2016/02/20(土) 23:20:58.87 ID:wlj7bSCU.net
真姫「…楽しそうね」

真姫「それにしても……」

海未「……」スヤスヤ

海未「……やったよぉ」スヤスヤ

真姫「よく寝てる…」

海未「……えへへ」スヤスヤ

海未「かよちん……」ニコニコ



海未「かよちーん、新しいラブアローができたよー!」



つづく

430: 2016/02/22(月) 21:03:52.80 ID:qxLb8T2Z.net
第9話「ありがとう」



屋上

海未「1 2 3 4!」

絵里「……」キレキレ

にこ「……」

花陽「……」シュッシュッ

ダッダッダッ

海未「はい!そこまで」

穂乃果「ふぅー、疲れたー」

真姫「穂乃果、毎日同じこと言ってない?」

穂乃果「いいじゃん!毎日疲れるんだもん!」

希「確かに……。穂乃果ちゃん、最近は一段と気合が入ってるもんね」

穂乃果「当たり前だよ!だって、もうすぐラブライブ最終予選なんだから」

真姫「ふふ…そうね」

431: 2016/02/22(月) 21:05:56.76 ID:qxLb8T2Z.net
絵里「……」チラッ

にこ「…」コクッ

絵里「…みんな、ちょっと聞いて。次のセンターのことなんだけど……」

絵里「花陽に頼もうと思ってるの」

花陽「ええっ!?私!?」

凛「かよちん!やったね!」

ことり「よかったねー」

花陽「ど、どうして私がっ…」

絵里「みんなで話し合ったのよ。センターを誰にするかね」

希「そしたら満場一致で花陽ちゃんやったんよ」

海未「期待してます」

穂乃果「花陽ちゃんならできるよ!」

真姫「がんばってね」

花陽「で、でも…」

絵里「初めてのセンター、不安はあるでしょうけど、私たちがサポートするから」

穂乃果「そうだよ花陽ちゃん!」

にこ「そ、あんたはセンターとしての自覚をもって、堂々としてればいいのよ」

花陽「センターとしての自覚……」ピーン

凛「か、かよちんが緊張しすぎて固まっっちゃったにゃあー!」

432: 2016/02/22(月) 21:08:23.83 ID:qxLb8T2Z.net
穂乃果「すごい…フランスパンみたいだよ!」

ことり「そ、その例えはよくわからないかも…」

真姫「ちょっと、にこちゃんが余計なこと言うから!」

にこ「私のせいなの!?」

希「もうー、にこっちはいっつもカッコつけて失敗するんやから」

にこ「それどういう意味よ!」

穂乃果「花陽ちゃーん、大丈夫ー?」

花陽「大じょうぁぁっぁああ!!」

凛「話し方までおかしくなっちゃったっにゃったった!」

真姫「凛!あなたまでおかしくなってるわよ」

ダレカタスケテー ニコッ ファイトダヨ! コウナッタラウチノスピリチュアルパワーデ

海未「絵里…どうします?」

絵里「ちょっとプレッシャーをかけすぎちゃったかしら……」

433: 2016/02/22(月) 21:10:30.22 ID:qxLb8T2Z.net
部室

花陽「みんな…ごめんね」

絵里「花陽が謝ることないわよ」

希「そうそう、全部にこっちが悪いんやから」

にこ「希、あんたね!……」チラッ

花陽「……」ウルウル

にこ「…そうね、私が悪かったわ」

真姫「あら、優しいのね」

にこ「悪い?」

真姫「全然」

海未「花陽、まだ時間はあります。ゆっくり練習していきましょう」

花陽「はい……」

凛「かよちん!頑張ろうね!」

花陽「凛ちゃん……」

434: 2016/02/22(月) 21:14:10.71 ID:qxLb8T2Z.net
穂乃果「ねえみんな!この後どうする?どっか食べに行かない?」

希「いいやん!」

真姫「悪いけど、私は先に帰るわ」

穂乃果「そっか…」

海未「ことりも用事があるんでしたっけ?」

ことり「うん…」

穂乃果「じゃあ、また今度にしようか」

ことり「いいよ、私たちは」

真姫「そうね、みんなで行ってきたらいいわ」

絵里「それは二人に悪いから…」

真姫「そんなの気にすることないでしょ、じゃ」

ことり「ばいばーい」

穂乃果「二人ともまたねー」

435: 2016/02/22(月) 21:15:25.59 ID:qxLb8T2Z.net
帰り道

真姫「ことり、行くわよ」

ことり「うん!」

真姫「じゃあまず、今回のエイリアンの特徴だけど…」

ことり「……」ニコニコ

真姫「なんで笑ってるのよ?」

ことり「…うれしいんだ」

真姫「なにが?」

ことり「真姫ちゃんが私を誘ってくれて」

真姫「……」

ことり「前はいっつも置いて行かれちゃって、私がお願いしないと連れて行ってくれなかったのに…今では真姫ちゃんの方から私を誘ってくれる。それがうれしいんだ」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃん、私たち友達だよね?」

真姫「…バカなこと言ってないでさっさと行くわよ。多分、今回のエイリアンは強敵だから」

ことり「…うん」

真姫「それと…」

ことり「……」

真姫「あんまり当たり前のこと言うんじゃないわよ」

ことり「…うん!」

436: 2016/02/22(月) 21:18:21.92 ID:qxLb8T2Z.net
住宅街

ことり「このアパートにエイリアンがいるの?」

真姫「ええ、間違いないわ。ことりはここで待ってて」

ことり「ええっ?」

真姫「ことり、よく聞いて。今回のエイリアンは今までとは違う……人の心を壊すことを楽しむ凶悪な宇宙人よ。だから、そんな奴らの前にあなたを連れていくわけにはいかないの」

ことり「……」

真姫「大人しく待ってること、いいわね」

ことり「うん……」

真姫「じゃ……」タタタタッ

ことり(真姫ちゃん…なんでわざわざ私を連れてきてくれたんだろう。ここにいたって、私にできることは何もないのに……)



―――

437: 2016/02/22(月) 21:22:32.08 ID:qxLb8T2Z.net
部室

希「どーも、希です」

凛「凛です」

希、凛「二人合わせて……」

希、凛「……」

海未「いや、なんでそこで黙っちゃうんですか!なんか言ってくださいよ!」

希「ということで」

希、凛、海未「3人合わせてlily whiteでーす」

穂乃果「いえーい」パチパチパチ

にこ「って、なんで漫才してんのよ!ご飯食べに行くんじゃなかったの!?」

花陽「あはは……」

438: 2016/02/22(月) 21:23:41.40 ID:qxLb8T2Z.net
希「よかった…花陽ちゃんの緊張もほぐれたみたいやね」

凛「今なんて言ったの?」

希「え?花陽ちゃんの緊張も…」

凛「凛は1cm伸びたよ」

希「うらやましいなー、ウチは成長期が早かったから2年前から伸びてない……って、それは身長!」

凛「真姫ちゃんのお父さん?」

希「なに、急患?し、心肺停止だって!?急いでオペの準備だ、手の空いてるものはすぐに……って、それは院長!」

凛「バーベキューとかで使うよね」

希「そうそう!これ使って焼いた焼き鳥はおいしいんよ、もうね、香りが違うんだよね、うーん上質な炭の香り……って、それは備長炭!」

海未「凛、希」

希、凛「……」

海未「いい加減にしないと怒りますよ……」

希、凛「…はい」

ガチャ

「みんな!ちょっといいかしら」

439: 2016/02/22(月) 21:25:47.91 ID:qxLb8T2Z.net
アパート

ドア「」バーン

真姫「そこまでよ!……」

真姫「……いない?」

真姫「一足遅かったってわけ……ん?」

封筒「」

ベリッ

真姫「これは……!」タタタタッ



ことり「真姫ちゃん!そんなに急いでどうしたの!?」

真姫「花陽が…花陽が危ないのよ!」

手紙『標的 小泉花陽』

440: 2016/02/22(月) 21:29:04.73 ID:qxLb8T2Z.net
部室

ガチャ

真姫「花陽っ!」

花陽「ま、真姫ちゃん!?どうしたの…?」

真姫「よかった……大丈夫?」

花陽「え?うん…大丈夫だよ」

海未「真姫、突然どうしました?」

真姫「あっ…なんでもないわよ」

海未「真姫…?」

真姫「いいでしょ別に!急に花陽が心配になったの!」

にこ「なんかよくわからないけど……」

絵里「でも、ちょうどよかった」

真姫「え?」

希「今、理事長からイベントのお誘いを受けてたんよ」

ことり「お母さん?」

441: 2016/02/22(月) 21:30:26.13 ID:qxLb8T2Z.net
理事長「そうなの、今度の祝日に奥多摩の方で町おこしのイベントがあるんだけどね。そこの市長さんとは古い付き合いで…私に連絡してきたのよ。ぜひμ’sにゲスト参加してほしいって……」

穂乃果「すごいよねー」

理事長「こんなに急な話、どうしたものかと思って…」

絵里「みんなはどう思う?私はいい機会だと思うんだけど……」

にこ「そうね。最終予選前の最後の機会になりそうだし」

凛「凛もやりたいー!」

理事長「そう言ってもらえると嬉しいわ。ただ、一つ条件があってね……」

ことり「どうかしたの?」

理事長「こんなこと、あなた達に頼むのも変な話なんだけど……」

ことり「なに?」

理事長「そこの市長さんが小泉さんのファンらしくて……小泉さんにセンターをやって欲しいらしいんだけど…大丈夫?」

花陽「わ、私!?」

真姫「なにそれ?そんなことってある?」

にこ「センター指名ってねぇ……」

442: 2016/02/22(月) 21:33:28.74 ID:qxLb8T2Z.net
絵里「…理事長、それで大丈夫です!」

花陽「絵里ちゃん!?」

理事長「いいの?」

絵里「大丈夫です!」

理事長「そう?それなら市長さんに伝えておくわね」バタン

花陽「絵里ちゃん?む、無理だよ私なんかが…」

希「絵里ち、勝手に決めて大丈夫なん?花陽ちゃんの実力は十分やと思うけど、時間もないし……」

絵里「花陽、よく聞いて?私はあなたがセンターを務められるって信じてる」

花陽「私が……?」

絵里「それに、花陽は一度センターをやっておいた方がいいと思うの。あなたが自信を持つことが私たち全員のパフォーマンスにつながるから……」

花陽「うん……」

真姫「…ことり」ボソッ

ことり「なに?」

443: 2016/02/22(月) 21:34:30.34 ID:qxLb8T2Z.net
真姫「このイベント、エイリアンの罠かもしれないわね」ヒソヒソ

ことり「どういうこと?」

真姫「だっておかしくない?いくら花陽のファンだからってセンターにしろだなんて。それにあのエイリアンはゲーム感覚で人を襲うの。だからこのイベントも、さっきの手紙も、私にたたきつけてきた挑戦状かもしれない」

ことり「だったら、イベントは断った方がよかったんじゃ…?」

真姫「いいえ、奴らが花陽を狙ってることは間違いない。でも、私は花陽とずっと一緒にいられるわけじゃない。だから…正面から迎え撃ってあげるのよ」

ことり「真姫ちゃん、もしかして……」

真姫「みんな聞いて!」

希「真姫ちゃん?」

真姫「このイベント、絶対に成功させせたいでしょ?」

にこ「そりゃそうよ」

真姫「でもイベントまで時間がない」

にこ「……?」

真姫「会場の近くにうちの別荘があるのよ」

穂乃果「ってことは…」

凛「もしかして…」

真姫「そう……」

真姫「合宿よ!」



―――

444: 2016/02/22(月) 21:37:24.04 ID:qxLb8T2Z.net
ライブ二日前 合宿初日

電車

ガタンゴトン

海未「……」スヤスヤ

穂乃果「ふっふっふ…」

凛「うへへへ…」

穂乃果「凛ちゃん、わかってるよね」

凛「もちろんだよ穂乃果ちゃん」

穂乃果「さーて、何をしてあげよっかなー…」ニヤニヤ

凛「ここに油性ペンがあるんだけど…」ニヤニヤ

穂乃果「だったらこうするしかないよねー…」

希「…面白いことになりそうやね」

真姫「懲りないわね…」

海未「……」スヤスヤ

ことり「やめておいた方がいいんじゃ……」

穂乃果「平気平気、海未ちゃんよく眠ってるから…」

海未「…誰がですか」

凛「だから海未ちゃんが……えっ」

海未「何をしようとしているのですか?」

穂乃果、凛「あっ」

445: 2016/02/22(月) 21:39:24.55 ID:qxLb8T2Z.net
合宿場

穂乃果「よーし、練習だー!」

凛「そうだよ!凛たちは遊びに来たんじゃない!ライブを成功させるために来たんだから!」

海未「はい、いい心がけですね」

穂乃果、凛「……」ビクビク

絵里「もう、穂乃果と凛は相変わらずなんだから」

希「ところで絵里ち、この辺りはスピリチュアル界でも有名な心霊スポットなんやけど……」

絵里「えっ?」

希「出るんよ。森に置き去りにされた小さな子供の霊が」

絵里「じょ、冗談でしょ……?そうよね真姫?」

真姫「さあ…どうかしらね。私は見たことあるけど」

絵里「ほら、真姫だってこう言って……えっ?」

希「声をかけられても振り向いたらあかんよ。もし振り返ってしまったら……」

「えーりちゃん」

絵里「えっ……」ガクガク

446: 2016/02/22(月) 21:40:57.68 ID:qxLb8T2Z.net
「ねえねえ、こっちをみてー」

絵里「うそ……」

「こっちをみてー」

絵里「ああ……」

「コッチヲミロー!」

絵里「ああああ!!」ブルブル



にこ「にっこにっこにー!」

希「にこっちの変な顔を見ることになるよ」

にこ「どこが変な顔よ!最高にキュートでしょ!」

希「はいはい。にこっちはかわいいねー」

真姫「気持ち悪い…」

にこ「あんたたちね!」

絵里「お化け……にこ。にこ……幽霊」

希「まずい!絵里ちが呪文みたいなん唱えだした!」

にこ「あんたがやりすぎるからいけないのよ!」

海未「絵里たちまでふざけて……」

447: 2016/02/22(月) 21:44:10.90 ID:qxLb8T2Z.net
海未「はぁ…まともなのはことりとかよちんだけみたいですね」

花陽「えっ?」

ことり「海未ちゃん!?」

海未「…あっ、花陽!花陽です!//」

花陽「えへへ……。海未ちゃんからそう呼ばれると…嬉しいな」

海未「花陽!」

ことり「ねえ海未ちゃん、いつの間にそんなにかよちんと仲良くなったの?」

海未「花陽です!かよちんなんて言ってません!」

花陽「そう…だよね。海未ちゃんが私のことかよちんなんて呼ぶはずないよね……ごめんね。勘違いしちゃって」ガックシ

ことり「花陽ちゃんが落ち込んじゃったよ?」

海未「あっ、違います!かよちんと呼びました……//」

花陽「本当…?」

海未「違いました!呼んでません!」

ことり「海未ちゃーん……」

穂乃果「あっ!凛ちゃん、ソフトクリームが売ってるよ!」

凛「こういうところのアイスっておいしいんだよねー!」

穂乃果、凛「いただきまーす!」パクパク

448: 2016/02/22(月) 21:46:37.90 ID:qxLb8T2Z.net


ステージ

絵里「さあ、気を取り直して真面目に練習しましょう」

希、にこ、真姫「はい……」

真姫「なんで私まで怒られなくちゃいけないの?」

希「真姫ちゃんも嘘ついたやん?幽霊を見たなんて」

真姫「あれは本当の話よ」

にこ「えー、真姫ちゃん嘘つきー!」

真姫「嘘なんかじゃ……」チラッ

絵里「……」ガクガク

真姫「そうよ、嘘。幽霊なんているはずないでしょ」

絵里「やっぱりね!そんなことだと思った」



凛「かよちん、頑張ろうね」

花陽「…うん!」

穂乃果「よーし」

海未「行きますよ!」

449: 2016/02/22(月) 21:47:27.95 ID:qxLb8T2Z.net
♪♪♪♪♪

花陽「♪~~」

花陽「」キレキレ

絵里(やっぱり、今の花陽はすごいわね。努力の成果が一気に現れたって感じかしら)

絵里(本当に、初めて会った時とは別人みたい……)

花陽「」キレキレ

花陽「……」

『センターとしての自覚をもって』

花陽(センターとしての…自覚)ピーン

絵里(……花陽?)

花陽「」カチンコチン

凛「かよちん?また固まっちゃったの?」

450: 2016/02/22(月) 21:50:01.02 ID:qxLb8T2Z.net
♪♪~~~

花陽「あっ!」

海未「花陽、遅れてます!」

花陽「うっ!」ギクシャク

海未「動きが固い!」

花陽「……」♪ ボソボソ

海未「声が小さい!」

花陽「ごっ…ごめんなさい」

海未「あっ、あまり気にしないでくださいね…」

花陽「みんな…ごめんね」

絵里「花陽のあがり症を直すのは、思ってたより難しいかもね……」

花陽(やっぱり、私なんかがセンターじゃダメだよ……)

451: 2016/02/22(月) 21:54:01.24 ID:qxLb8T2Z.net
夕食

穂乃果「おおー!カレーだぁ!」

ことり「おいしそう!」

海未「ふふっ、私と絵里で作りましたからね」

絵里「さあ、召し上がれ」

にこ「スープはにこが作ったのよ!味わって食べなさい!」

「「「いただきまーす!」」」

花陽「はぁ……」

凛「かよちん、食べないの?」

花陽「うん……食欲がなくて」

凛「かよちん……」

452: 2016/02/22(月) 21:54:36.92 ID:qxLb8T2Z.net
凛「」パクパクパクパク

花陽「凛ちゃん?」

凛「」パクパクパクパク

凛「うーん!白米はおいしいにゃー!」

花陽「えっ…?」

凛「ごに飯と書いてご飯!白米があってご飯が始まる!」

凛「いつもかよちんが言ってることだよ。ご飯ってこんなにおいしいんだよ?食べないともったいないよ」

花陽「凛ちゃん…」

凛「一緒に食べよう?」

花陽「……うん!」

花陽「いただきまーす!」モグモグ

453: 2016/02/22(月) 21:58:05.38 ID:qxLb8T2Z.net
お風呂

花陽「ふぅ……」

~~

『遅れてます!』

『動きが硬い!』

『声が小さい!』

~~

花陽「はぁ……」

ガラガラ

希「やあ花陽ちゃん」

花陽「希ちゃん……」

海未「お疲れ様です。花陽」

花陽「海未ちゃん……」

454: 2016/02/22(月) 21:58:46.10 ID:qxLb8T2Z.net
海未「いいお風呂ですね。疲れが取れます」

花陽「そう……だね」

希「あんまり元気ないみたいやね…」

花陽「うん……」

希「そういうときはスピリチュアルパワーの出番!」

希「今から花陽ちゃんにパワーをあげよう!うーーー!」

希「とりゃああぁああ」バシャ!

花陽「わっ!」ベシャ

希「とりゃああ!」バシャバシャ

海未「やめてください希!どうして花陽の顔に水をかけるんです!」

希「とりゃぁぁ!」バシャ

海未「うっ」ベシャ

希「ダメやよ花陽ちゃん。海未ちゃんの顔に水かけたりなんかしたら」

花陽「わ、私じゃないよ!?」

455: 2016/02/22(月) 22:02:06.67 ID:qxLb8T2Z.net
希「とりゃああ」バシャバシャ

海未「いい加減に……ふごぉっ」ベシャベシャ

希「とりゃああ!」バッシャーン

海未「もう許しません……」ピキピキ

希「まっ、まずいっ……!」

海未「花陽、離れていてください……」ゴゴゴゴッ

花陽「は、はい!」

希「ああっ……」ブルブル

海未「園田家秘伝奥義……!」

ガラガラ

真姫「やめなさい」

海未、希「あっ」

456: 2016/02/22(月) 22:03:51.51 ID:qxLb8T2Z.net
真姫「そんなことしてると追い出すわよ。裸のままね」

海未、希「……すみませんでした」

真姫「いい、常識を考えてね?」

海未、希「はい……」

真姫「じゃ、ごゆっくり」

ガラガラ

海未「希!何するんですか!」

希「いや、花陽ちゃんにパワーを送ろうと思って……」

海未「嘘をつかないでください。あなたが遊びたかっただけでしょう?」

希「海未ちゃんひどくない?」

花陽「ふふっ……」

海未「花陽?」

花陽「ありがとう!希ちゃんと海未ちゃんのパワー、もらったよ!」

海未「花陽…」

希「花陽ちゃん…」

花陽「…私ね、自信なかったんだ。せっかくみんなが期待してくれるのに、その分だけ不安になっちゃって。期待を裏切っちゃったらどうしよう…って」

海未、希「ふふっ…」

花陽「海未ちゃん?希ちゃん?」

海未「私はあなたを信じています。知ってますよ、あなたの強さは。花陽ならきっとできます」

希「花陽ちゃん、そんなこと気にしなくていいんよ。だってみんな、花陽ちゃんのことが大好きなんやからね!」

花陽「二人とも……ありがとう!」

457: 2016/02/22(月) 22:05:28.79 ID:qxLb8T2Z.net


寝室

穂乃果「ことりちゃーん!花陽ちゃーん!」

ことり「あはは……穂乃果ちゃん元気だね」

穂乃果「だってこの3人で一緒に寝られるんだもん!なんかうれしくて」

花陽「えへへ……」

ことり「穂乃果ちゃん必氏だったもんねー」

花陽「えっ?…どういうこと?」

穂乃果「ふっふっふ、実は絵里ちゃんにお願いして花陽ちゃんと同じ部屋にしてもらったのです!」

花陽「どうして私と……?」

穂乃果「少しでも…花陽ちゃんの力になりたくて」

花陽「穂乃果ちゃん…?」

穂乃果「私、今まで何回もセンターやってきたからセンターのことはよくわかってるよ!何でも聞いて!」

花陽「穂乃果ちゃん…」

ことり「花陽ちゃん、聞きたいことはある?」

花陽「ええっと……じゃあ、穂乃果ちゃんは緊張したときどうしてるの?」

穂乃果「緊張……緊張かぁ。私バカだから、そういう時は何も考えないようにしてるんだ!花陽ちゃんもやってみてよ!」

458: 2016/02/22(月) 22:08:31.29 ID:qxLb8T2Z.net
花陽「あはは……穂乃果ちゃんはすごいね。私には真似できないかも…」

穂乃果「くぅー、花陽ちゃんの役に立てなくて悔しいよ!」

穂乃果「ことりちゃん!何かいい方法ないかな?」

ことり「うーん…そういうときはかわいいもののことを考えてみたら?」

花陽「かわいいもの?」

ことり「例えばアルパカさん♪そうするとね、頭の中のアルパカさんたちが緊張の元を食べてくれるんだぁー」

花陽「それも…ちょっと私には真似できないかな……」

ことり「がーん…」

穂乃果「私たち、何の役にも立てなかったね…」

ことり「そうだね…」

花陽「そんなことないよ。二人に話を聞いてもらえてとってもうれしかったから……」

穂乃果、ことり「花陽ちゃん……」

花陽「二人ともありがとう!」

穂乃果「…これで少しは恩返しができたかな」

ことり「うん!」

花陽「…恩返し?」

穂乃果「気にしないで!」

花陽「……?」


―――

459: 2016/02/22(月) 22:10:19.28 ID:qxLb8T2Z.net
翌朝

穂乃果「おはよー」

花陽「おはよう穂乃果ちゃん」

穂乃果「ことりちゃんは?」

花陽「真姫ちゃんと話があるって、先に行ったよ」

穂乃果「そうなんだ。私たちも行こっか」



ことり「昨日は出なかったね、エイリアン」

真姫「そうね」

ことり「勘違いだったのかな?このイベントがエイリアンの仕掛けた罠だったなんて」

真姫「まだわからないわね、私たちを油断させる作戦かもしれないし」

真姫「とにかく花陽から目を離さないようにしましょう」

ことり「うん」


――

460: 2016/02/22(月) 22:12:01.71 ID:qxLb8T2Z.net
ことり「お待たせー」

絵里「全員そろったわね。ステージに行きましょうか」

海未「明日はイベント本番です。今日は気合を入れていきますよ」

「「「おぉー!」」」

にこ「あれ?穂乃果と凛は?」

絵里「またあの二人…?」

穂乃果「見て!イリオモテヤマネコだよ!かわいいー」ナデナデ

凛「かわいいね」

穂乃果「凛ちゃんも触ってみなよ!」

凛「えっ、でも凛は猫アレルギーだから……」

にこ「ホントにイリオモテヤマネコなの?」

真姫「天然記念物がこんなところにいるはずないでしょ」

461: 2016/02/22(月) 22:13:11.26 ID:qxLb8T2Z.net
穂乃果「イリオモテヤマネコじゃないんだ……」

凛「だったら大丈夫だね」

凛「にゃぁぁぁっくしょん!」

穂乃果「どうしてくしゃみが!?イリオモテヤマネコじゃないのに?!」

真姫「いや、イリオモテヤマネコじゃなくても猫は猫でしょ!」

凛「にゃぁぁぁっくしょん!」

真姫「凛?」

凛「にゃっくしょん!にゃっくしょん!」

絵里「猫アレルギーってこんなにひどいものなの?」

真姫「違う……」

真姫「凛、あなた風邪引いてるのね」

花陽「凛ちゃん……」

462: 2016/02/22(月) 22:14:32.19 ID:qxLb8T2Z.net
凛「え、そんなことにゃぁっくしょん!」

希「あの様子だと練習は……」

にこ「何してんのよ……体調管理ぐらいアイドルならできて当然よ?」

凛「凛は大丈夫だよ?」

絵里「ダメ、無理してライブ中に倒れた人がいること忘れたの?」

穂乃果「うっ!……ごめんなさい」

海未「明日のためにも今日はゆっくり休んでいてください」

凛「うん……」

真姫「はぁ…凛は一応病院に連れていくから。みんなは先にステージに行ってて」

ことり「真姫ちゃん、だったら私が凛ちゃんを…」

真姫「ことりは病院の場所がわからないでしょ」

真姫「何かあったらすぐに呼んで」ヒソヒソ

ことり「うん……」



―――

463: 2016/02/22(月) 22:20:19.24 ID:qxLb8T2Z.net
ステージ

絵里「じゃあ、一曲通してみましょう」

海未「行きますよ!」

♪♪♪~~~

ダダッダン

花陽(みんなが私を励ましてくれた)

花陽(みんなの期待に…応えなきゃ…)



~~

絵里「花陽には『…』のセンターをやってもらおうと思ってるの」

花陽「でもその曲は……」

絵里「花陽がセンターをやるならこの曲だと思うの」

にこ「あんたならできるわよ」

絵里「頑張りましょうね」

~~

464: 2016/02/22(月) 22:21:12.41 ID:qxLb8T2Z.net
花陽(そうだよ!できる!私だってできる!)

タンタタッ

希(うん、いつもの実力が出せてるね)

にこ(これなら大丈夫そうね)

??「」ピシュン

花陽「えっ…」

花陽「ああっ!」ズルッ

ドテッ

にこ「花陽…どうしたの」

海未「大丈夫ですか?」

花陽「私…失敗ばっかりして…」

花陽「ごめん……ごめんねっ!」グスグス

花陽「ちょっと…トイレに行ってくる」タタタッ

絵里「花陽……」

ことり(違う……今のは花陽ちゃんが失敗したんじゃない)

ことり「エイリアンの仕業だ…」

ことり「花陽ちゃん待って!私も行く」


―――

465: 2016/02/22(月) 22:22:32.00 ID:qxLb8T2Z.net
トイレ

ことり「うん、多分そうだよ」

ことり「花陽ちゃんが狙われた」

ことり「今一緒だよ、うん」

ことり「急いでね」

ピッ

ことり「ふぅ……」



トイレの外

花陽「はぁ……」

真姫「花陽」

花陽「真姫ちゃん……」

真姫「少し話があるの」

花陽「うん……」



466: 2016/02/22(月) 22:23:35.74 ID:qxLb8T2Z.net
ことり「あれ?花陽ちゃん?」

ことり「…どこ行くんだろう……あれ?真姫ちゃんも一緒だ!」

ことり「おーい、真姫ちゃーん!花陽ちゃーん!」

真姫「先に戻っててー」

ことり「?」



真姫「この辺りでいいかしら」

花陽「真姫ちゃん、話って何?」

真姫「花陽、あなたは私の大切な友達よ」

花陽「うん……?ありがとう」

真姫「だからね、私の言うことを聞いてほしい」

真姫「あなた、μ’sをやめた方がいいわよ」

花陽「……えっ?」

467: 2016/02/22(月) 22:26:19.42 ID:qxLb8T2Z.net
真姫「気づいてないの?あなた、ルックスもスタイルも歌も踊りもひどすぎるわ。私たち8人と比べ物にならないくらいにね」

花陽「……うん」

真姫「あなたのせいでμ’s全体の評判が落ちてるの。私はあなたのことを大切な友達だと思ってる……だけど、他のみんなはそうじゃない」

真姫「このままだと、あなたを追い出すためにあの人たちが何をするかわからない」

真姫「そうなる前に、自分からμ’sをやめてほしいの。そうすればあなたは傷つかなくて済むから……」

花陽「……」

真姫「わかった?今すぐにμ’sを辞めてくれる?」

花陽「…ちょっと……考えさせて」スタスタ

真姫「…」ニヤッ



―――

花陽「……はぁ、はぁ」グスグス

花陽「わかってたのに……私が足を引っ張ってるって。でもっ!」

花陽「直接言われると、辛いなぁ……」ポロポロ

花陽「うぅ……」グスグス

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「穂乃果ちゃん……」

468: 2016/02/22(月) 22:27:42.14 ID:qxLb8T2Z.net
ステージ

真姫「……」タタタッ

にこ「あっ、来たわね」

希「真姫ちゃん、早かったね」

真姫「ことり…花陽は?」

ことり「えっ、真姫ちゃんと一緒じゃなかったの…?」

真姫「私と……!まずい!」

ことり「真姫ちゃん…もしかして!」

真姫「そいつがエイリアンよ!」

穂乃果「エイリアン?なんの話をしてるの?」

ことり「ごめん……私のせいで!私がちゃんと花陽ちゃんを見てなかったから!」

真姫「今はそんなこと言ってる場合じゃないわ!」タタタッ

虫エイリアンの大群「グァァ」ブーン

にこ「なにアレ!?虫!?」

希「大きすぎる…50cmはあるよ!」

469: 2016/02/22(月) 22:29:52.72 ID:qxLb8T2Z.net
ブーン ブーン

真姫「私を花陽のところに行かせないつもり?……ふざけないでよ!」

真姫「超新星!」

マキダー「こんなもんで……私を止められると思わないでよ!」

マキダー「ハァ!」バシィーン

虫エイリアンの大群「」ドカーン

ギュイン

真姫「っ…」タタタッ

絵里「真姫!どこ行くのよ!エイリアンって!?それに今のは何?どういうことなの!」

にこ「そうよ!説明しなさい!」

希「真姫ちゃん……」

真姫「ことり!説明しといて!」

ことり「えっ……いいの?」

真姫「時間がないのよ!花陽を探さなきゃいけないんだから!」

470: 2016/02/22(月) 22:32:28.05 ID:qxLb8T2Z.net


穂乃果「私、どうして花陽ちゃんなんかをμ’sに誘っちゃったんだろうね」

花陽「そう……だね」

穂乃果「あっ!でも、花陽ちゃんのおかげで凛ちゃんと真姫ちゃんがμ’sに入ってくれたんだ!あの二人はμ’sに欠かせないもんね!お手柄だよ花陽ちゃん!」

花陽「うん……」

穂乃果「じゃあ花陽ちゃんの役目はもう終わったんだね。今のμ’sに花陽ちゃんはいらない。そうだよね?」

花陽「……っ!」タタタッ

穂乃果「あー、逃げちゃうんだー」クスクス



花陽「…はぁ……はぁ」グスグス

にこ「あんた、アイドルに向いてないわよ」

ことり「花陽ちゃんってかわいくないね」

471: 2016/02/22(月) 22:34:43.99 ID:qxLb8T2Z.net
花陽「はぁ…グスッ…はぁ」フラフラ

海未「あなたは最低です!」バシィン

海未「みんなに迷惑をかけて、何とも思わないのですか!」

絵里「あなたはクビ、今すぐμ’sを辞めてね。先輩命令よ」

花陽「…はぁ……うぉえっ」グスグス

希「μ’sは8人や。花陽ちゃんを抜いて」

花陽「……うぉえっ、おぇっ」コケッ

ドン

凛「かーよちん」

花陽「あぁぁぁあ!!!」

凛「かよちん!?どうしたの?」

花陽「ごめんなさい!ごめんなさい!」バンバン

凛「かよちん!しっかりして!」

花陽「凛ちゃん……凛ちゃん」

凛(かよちんがおかしくなってる……)

凛「かよちん!何があったの!?」

472: 2016/02/22(月) 22:38:34.60 ID:qxLb8T2Z.net


真姫「はぁ…はぁ」タタタタッ

真姫(花陽……!)

エイリアン「グァ」ブーン

真姫「邪魔!」

エイリアン「ギャァァ!」ドカーン

真姫「…」タタタタタッ



……


凛「そんなことあるわけないじゃん!みんながかよちんの悪口を言うなんて!」

凛「多分あれだよ!こってる現代ってやつだよ!」

花陽「……?もしかしてドッペルゲンガーのこと?」

凛「そうそうそれそれ」

花陽「あはは……それより凛ちゃん、どうしてここにいるの?」

凛「なんかね、かよちんが凛を呼んでる気がしたんだ。それで急いで走ってきたんだよ?」

花陽「凛ちゃん……」

凛「そんなことより!かよちんは自分のことがわからないの?」

花陽「えっ?」

473: 2016/02/22(月) 22:40:21.26 ID:qxLb8T2Z.net
凛「凛知ってるよ。かよちんはね、とってもすごいんだよ」

花陽「でも……私は何もできなくて」

凛「もう!そればっかり言って」

花陽「……」

凛「かよちんはみんなのこと大好きだよね?かよちんがみんなを好きなのと同じくらい、みんなもかよちんが大好きなんだよ!」

凛「みんながかよちんのこと、何もできないなんて言ったことある?」

凛「みんなから言われたこと、思い出して!」

凛「信じてみてよ!みんなのことを!」

花陽「信じる……みんなを」

―――

474: 2016/02/22(月) 22:42:46.85 ID:qxLb8T2Z.net
穂乃果「あっ花陽ちゃん、まだ壊れてなかったんだ。ダメだよ凛ちゃん、余計なことしちゃ」

凛「これが…穂乃果ちゃんのドッペルゲンガー」

穂乃果「花陽ちゃんみたいなダメな人が、どうして今までμ’sにいられたのか私にはわからないよ。出て行って、早く」

花陽「……あなたは絶対に許しません」

穂乃果「あっ、怒っちゃった?図星?でもね、花陽ちゃんが悪いんだよ?あなたなんかがμ’sで踊ろうとしたことがね……」

花陽「私……?そんなことはどうでもいいんです!」

穂乃果「?」

花陽「穂乃果ちゃんの……穂乃果ちゃんのっ!」

花陽「ほのまげはどこにいっちゃったのぉぉ!」

凛「!?そういえばまげがない!」

穂乃果「は?」

475: 2016/02/22(月) 22:46:13.05 ID:qxLb8T2Z.net
花陽「大体おかしいんですよ!絵里ちゃんは絶対先輩なんて言わないし、真姫ちゃんはもっとツリ目!海未ちゃんのビンタはそんなに鈍らでもない!もっと鋭い音がしたよ!
それにことりちゃんのトサカの生え方が変だし、にこちゃんは左右の髪の長さが違うの!」

花陽「どうしてそんなこともわからないのぉぉぉぉ!!」

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

花陽「あなたにμ’sを語る資格はありません!」

花陽「そんな完成度の低い中途半端なモノマネで私は騙せません!」

花陽「だって私は……」

花陽「ずっとずっと、他の誰よりもμ’sのファンだったから……」

花陽「みんなは私の憧れ。穂乃果ちゃんたちの初めてのライブを見た時からずっと……。だけど今は……みんなと同じステージに立てるんだ」

花陽「私もμ’sの一員だから……」

花陽「希ちゃんは9人の女神に倣ってμ’sという名前を付けてくれたんです。μ’sが8人でいいわけない!あなたなんかにμ’sをバカにしてほしくない!」

花陽「みんなが私を信じてくれました。私はできる!あなたに何と言われようと、私はセンターで踊って見せます!」


476: 2016/02/22(月) 22:48:35.51 ID:qxLb8T2Z.net
穂乃果「……っ」

穂乃果「うるさい、うるさいよ!」

穂乃果「もう見られないじゃん、花陽ちゃんの心が壊れるところ……」

穂乃果「」ベリベリ

エイリアン「グギャアアア」

凛「なにアレ!?」

エイリアン「グァ」

花陽「わっ!」

凛「かよちん危ない!」ササッ

凛「うっ…」ドン

花陽「凛ちゃん!」

エイリアン「グァ」

花陽「わっ…!」ドカッ

花陽「大丈夫…ちょっと擦りむいただけ」

エイリアン「グアァァ」ギラーン

花陽「わあぁー!」

エイリアン「」ピタッ

真姫「私の友達に…何をしてるのかしら」

花陽「……真姫ちゃん!」

凛「うぅ……」

477: 2016/02/22(月) 22:50:30.52 ID:qxLb8T2Z.net
真姫「花陽、よっぽど辛かったのね。目が腫れてるわよ」

花陽「……怖かったよ」グスグス

真姫「もう泣かないで、私がいるから」

花陽「うん……」

真姫「……」ギュッ

真姫「超新星」

シュン

マキダー「」ドカッ

エイリアン「ギャァァァァ」

マキダー「よくもこんなことしてくれたわね」バキッ

エイリアン「ギャッァァァ」

マキダー「不思議ね。私、すごい怒ってるのに……」

バチィィン

マキダー「びっくりするほど冷静なの」

ボッコォォ

マキダー「こんなに怒りに燃えてるのにね」

エイリアン「ギャァァァア」

マキダー「冷たいやけどを教えてあげる」

マキダー「ボルカニックトリトン」



ドッカーーーン



―――――

478: 2016/02/22(月) 22:52:30.83 ID:qxLb8T2Z.net
真姫「……」

花陽「真姫ちゃん……」

真姫「花陽、よく頑張ったわね。やっぱりあなたはすごいのよ……」

凛「うぅっ」

真姫「凛、大丈夫?」

凛「……真姫ちゃん?真姫ちゃーん!」

真姫「凛、ありがとね。あなたのおかげよ、花陽が無事だったのは」

凛「うん……」

真姫「さ、みんなのところに戻りましょ」

花陽「でも真姫ちゃん、あの偽物の穂乃果ちゃんってなんだったの?それと…真姫ちゃんのことも……」

真姫「…あとで話すわ。みんなと一緒にね」



―――

479: 2016/02/22(月) 22:53:51.49 ID:qxLb8T2Z.net
ステージ

ことり「……あっ!」

ことり「真姫ちゃん!」

真姫「ただいま」

花陽「みんな……」

穂乃果「花陽ちゃん!大丈夫だったの!?」

花陽「うん、凛ちゃんと真姫ちゃんとみんなが助けてくれたから……」

にこ「凛、ありがと」

凛「えへへ……」

絵里「真姫、ことりから少し話を聞かせてもらったんだけど…」

海未「いろいろと…驚きました」

希「真姫ちゃん、とんでもないことやってたんやね…」

真姫「みんな、後で話すから今はライブに集中しましょう。花陽の初めてのセンターなんだからね」

花陽「真姫ちゃん……」

480: 2016/02/22(月) 22:58:57.97 ID:qxLb8T2Z.net
――

ライブ本番前

花陽「……ふぅ」ドキドキ

ことり「よかったね、無事にライブができそうで」

真姫「…そうね」

ことり「でも、イベントが中止にならなくてよかった。エイリアンを倒したからイベントもなくなっちゃうのかと思ってたよ」

真姫「ああ、このイベントもあの市長さんも……エイリアンとは何の関係もなかったの。あの人はただの熱狂的な花陽のファンよ」

ことり「えー……」

真姫「見る目あるじゃない」

ことり「……そうだね!」

絵里「そろそろね……」



―――――

『続いて、はるばる音ノ木坂学院からのゲスト、μ’sの皆さんです』

穂乃果「こんにちは!μ’sです!私たちはスクールアイドルというものをやっています」

穂乃果「今から歌う曲は私たちの始まりの曲です!聞いてください!」

♪「I say…… Hey,hey,hey start dash!」

花陽(絵里ちゃん、にこちゃん……)

481: 2016/02/22(月) 23:01:27.15 ID:qxLb8T2Z.net
~~

絵里「花陽には『スタートダッシュ』のセンターをやって欲しいの」

花陽「でも……どうして?」

絵里「思い出してみて?穂乃果たち3人が初めてやったライブ」

絵里「あの講堂のライブで初めに来たお客さんはあなただった」

にこ「あんたがいなかったら…穂乃果たちは踊れなかったかもしれない。アイドルを諦めてたかもしれない」

絵里「μ’sがあるのはあなたのおかげなのよ」

花陽「私が……?」

にこ「それに、あんたにとっても特別な曲なんじゃないの?」

花陽「……」

~~

花陽(そっか、恩返しってそういうことだったんだね、穂乃果ちゃん)

花陽(でも穂乃果ちゃん、お礼を言わなきゃいけないのは私の方なんだ。あのライブを見なかったら私は夢を叶えられなかった。自分がアイドルをやりたいなんて思えなかった。この曲はμ’sの始まりの曲だけど……私の始まりの曲でもあるんだ)

花陽(だから、ありがとう穂乃果ちゃん)

花陽(穂乃果ちゃんだけじゃない、ことりちゃんも海未ちゃんも、真姫ちゃんも凛ちゃんもにこちゃんも、希ちゃんも絵里ちゃんも)

花陽(みんなみんな、ありがとう!)

♪「I say…… Hey,hey,hey start dash!」



――

482: 2016/02/22(月) 23:03:29.01 ID:qxLb8T2Z.net
……


絵里「花陽、お疲れ様」

にこ「まあ、よくやったわね」

花陽「どうだった……かな?」

凛「もっちろん…」

「「「最高のライブだったよ!!」」」



花陽「……えへへ!」




つづく

503: 2016/02/26(金) 09:31:16.16 ID:7GbnWrME.net
ウミトリアンは結構お気に入りなんでいつかまた書くかもしれないです
今日中には第10話が書けそうなんでもう少し待っててください

ついでに今更なんですが第4話のニクート星人は
nikooto→otonoki で音ノ木のアナグラムのつもりでした
nikootoをニクートと読むのは無理がありましたね
別れの言葉「ミョジャフィ」も「またね」を鎧武のオーバーロード語に変換したつもりだったんですが
正しくはミョジャフィじゃなくてミョジョフィでした

507: 2016/02/26(金) 20:43:35.27 ID:7GbnWrME.net
第10話 「ラブライブ」



穂乃果「真姫ちゃん!パンチだ!」

マキダー「ハァ!」ドカッ

海未「相手をよく見て!キックしてください!」

マキダー「フンッ!」バキッ

絵里「今よ!必殺技!」

マキダー「エクシードサターン…」

マキダー「イヤァァア!」バシィィン

エイリアン「ギャァァ」ドカーン

花陽「やっ…」

「「「やったー!!!」」」

真姫「…うるさい」

508: 2016/02/26(金) 20:45:06.51 ID:7GbnWrME.net
穂乃果「見た見た?私のおかげで勝てたんだよ?パンチだ!って」

海未「違います。私の指示が的確だったんです」

絵里「何言ってるのよ。トドメを刺したのは私よ?」

にこ「いや、あんたたちは何もしてないでしょ」

凛「真姫ちゃんカッコよかったにゃー!」

ワーキャー ワーワー

ことり「…」ニコニコ

希「…」ニヤニヤ

真姫「はぁ…どうしてこんなことになっちゃったのかしら」



―――

509: 2016/02/26(金) 20:48:50.49 ID:7GbnWrME.net
~~~

合宿後 帰りの電車

穂乃果「ええーーっ!?じゃあ真姫ちゃんは改造人間で!」

凛「エイリアンと戦ってて!」

にこ「エイリアンの存在を隠すためにみんなの記憶を消してたってことなの!?」

真姫「…そうよ」

にこ「で、でもそんな話信じられるわけ…」

真姫「またなの?」

にこ「え?」

ことり「にこちゃんは…この話を聞くのは2回目なんだよ?」

にこ「えっ…え?」

真姫「悪かったわね。あなたの記憶も消させてもらったの」

にこ「ちょ…うそでしょ?」

ことり「ごめんねにこちゃん」

にこ「……」

絵里「ねえ真姫、もしかして私たちも…」

真姫「そうね」

510: 2016/02/26(金) 20:53:53.36 ID:7GbnWrME.net
ことり「絵里ちゃんも希ちゃんも、穂乃果ちゃんも海未ちゃんもエイリアンを見ちゃって、その時に真姫ちゃんに記憶を消されちゃったんだ」

絵里、希、穂乃果、海未「!?」

絵里「ちょっと…信じられないわね」

希「スピリチュアルやね…」

穂乃果「私もなんだ?全然わかんなかったなー、記憶が消されてたなんて」

凛「凛たちは消されてないんだ!よかったー」

花陽「うん、そうだね」

海未「ですが……ことりはエイリアンのことを知っていたんですか?」

にこ「そうよことり!私たちには隠してたってわけ?」

ことり「えっ…あの……」

真姫「…私が口止めしたのよ。ことりを責めないで。ことりには色々と助けてもらってたの」

にこ「そう……ことり、悪かったわね」

ことり「ううん、私は……」

511: 2016/02/26(金) 20:59:20.97 ID:7GbnWrME.net
真姫「ごめんなさい、今までみんなを騙してて。私にみんなと一緒にいる資格なんてない……私は普通の人間じゃないんだから」

花陽、凛「真姫ちゃん……」

絵里「ねえ、真姫はこれからどうするつもりなの?」

希「まさか…μ’sを辞めるなんて言うんやないやろうね?」

真姫「……」

にこ「普通の人間じゃない?関係ないわよ!」

海未「真姫は真姫です」

凛「凛たちは真姫ちゃんとずっと一緒だよ!」

花陽「私たちも真姫ちゃんの力になりたい…」

穂乃果「よーしっ!真姫ちゃんと一緒に戦おう!」

「「「おおー!!」」」

真姫「みんな……」

512: 2016/02/26(金) 21:00:56.67 ID:7GbnWrME.net
ことり「よかったね真姫ちゃん」

真姫「……そうね」

絵里「待って、まだ肝心なことを答えてもらってないわ」

真姫「…なに?」

絵里「どうして真姫がことりを選んだかってことよ」

ことり「えっ?」

希「気になるやん?ことりちゃんの何が真姫ちゃんを引き付けたのか…」

真姫「はぁ…?」

にこ「そうよ!穂乃果や凛は別として、私たちには秘密を教えてくれたってよかったんじゃないの?」

凛「にこちゃんひどい!」

穂乃果「真姫ちゃん!私たちはダメなの?」

絵里「真姫!」

にこ「真姫!」

真姫「……はぁ」

513: 2016/02/26(金) 21:03:34.90 ID:7GbnWrME.net
真姫「…じゃあ教えてあげるわよ」

7人「…」ドキドキ

真姫「まず穂乃果、凛、あなた達には隠し事は無理」

穂乃果、凛「うっ」

真姫「次に花陽、あなたは危険なことに巻き込みたくない」

花陽「えへへ…ありがとう真姫ちゃん」

真姫「にこちゃんは……ダメ。とにかくダメなの。でしゃばりだし」

にこ「なんでよ!?」

真姫「海未もダメ。エイリアンと戦うために変な修行をやらされそうだし」

海未「どういう意味ですか!?」

真姫「希は面倒だし……」

希「言ってくれるやん…」

真姫「絵里は……」

絵里「……」ドキドキ

真姫「特に理由はないわ」

絵里「え!?私だけ何もないの?うそでしょ!?」

真姫「じゃああれ、暗いところが苦手だから。エイリアンは夜にも出るし」

絵里「なんか適当な気がするんだけど…」

514: 2016/02/26(金) 21:09:01.60 ID:7GbnWrME.net
真姫「そういうわけで残ったのがことりだったのよ」

真姫「ことりは留学を隠してたし、口が軽いわけでもないし、にこちゃんみたいに出しゃばりでもなければ希みたいに面倒でもないから」

にこ「いや……ねぇ」

絵里「なんか、私たちがダメっていうより……」

希「真姫ちゃんがことりちゃんのことを信頼してるだけなんやないの?」

穂乃果「そうなの真姫ちゃん?」

真姫「……ま、ことりはμ’sで一番まともだからね」

ことり「そうかな?」

真姫「……そういうことにしといて」

ことり「はーい」

真姫「はい、この話はもう終わり。そろそろ音ノ木坂に着くわよ」

穂乃果「じゃあ、帰ったら早速準備しなきゃね」

真姫「何の準備よ?」

穂乃果「エイリアン退治のだよ!」



~~

515: 2016/02/26(金) 21:11:27.62 ID:7GbnWrME.net
―――

花陽「真姫ちゃんお疲れさま。はい、お水」

真姫「ありがとう……」

絵里「今回は強敵だったわね」

真姫「別に、そんなことないわよ」

絵里「そうなの?それにしても真姫はすごいわね、もう10体もエイリアンを倒してるじゃない」

穂乃果「この調子ならもっともっと倒せそうだね!」

にこ「目指せ100体ってとこね」

真姫「バカね、エイリアンをたくさん倒してるってことはそれだけエイリアンの数が増えてるってことよ」

真姫「奴ら……前より本格的に侵略を進めてるみたいね」

ことり「……」

海未「くっ…私ももっと鍛えなければ……」

凛「海未ちゃん、気になってたんだけど…背中のそれ、なに?」

海未「これですか?うちの道場の家宝です」

凛「こっ……これ」

516: 2016/02/26(金) 21:15:09.23 ID:7GbnWrME.net
刀「」キラーン

凛「真剣じゃん!」

海未「はい、エイリアンなど刀の錆にしてみせます」

凛「う、海未ちゃん怖いよ…」

絵里「海未…警察に捕まるわよ」

希「園田師匠!ウチにも剣術を教えてください!」

絵里「希!?」

海未「私の修業は甘いものではありませんよ」

希「構いません!ウチはやって見せます!」

海未「わかりました。ついて来てください」

穂乃果「私もやる!やるったらやる!」

凛「凛もやる!」

海未「よろしい!武道の基本は己に打ち勝つこと、すなわち克己!まずは自分自身の限界を知るのです!腕立て伏せ300セット!」

希、穂乃果、凛「はい!」ブンブン

海未「甘い!」

希、穂乃果、凛「はいー!!」

にこ「何してんのよあいつら……」

517: 2016/02/26(金) 21:18:27.49 ID:7GbnWrME.net
真姫「そんなことしたって無駄よ。普通の人間はエイリアンと戦えないから」

希「…無駄じゃないんよ」ブンブン

真姫「えっ?」

希「例え戦えなくても真姫ちゃんのために何かしたい、みんなそう思ってるんよ。だから無駄じゃない、真姫ちゃんが少しでも喜んでくれたらね」ブンブン

真姫「どうして私が喜ぶのよ…?」

海未「3人とも!ペースが落ちてますよ!」

穂乃果「もう無理ー!海未ちゃんの鬼!悪魔!」

凛「ポエマー!妄想魔!」

海未「あなたたちが修行してほしいと言ってきたのでしょう!?どうして私が非難されるのですか?」

穂乃果「やっぱり海未ちゃんはダメだね。」

凛「うん、変な修行を押し付けて来るよ」

海未「どうしてですかー!?」

518: 2016/02/26(金) 21:20:16.16 ID:7GbnWrME.net
真姫「…ふふっ」

希「ほらね……」ニヤニヤ

真姫「うっ、別に私は……」

ことり「真姫ちゃん、やっぱり前より楽しそうだよ」

真姫「……」

ことり「本当は寂しかったんじゃない?みんなにエイリアンのことを言えなくて」ニコニコ

真姫「そ、そんなことっ…!」

ことり「海未ちゃーん、私にも修行をつけてー」

海未「えっ、ことりにですか?」

穂乃果「ことりちゃんやめた方がいいよ」

ことり「大丈夫♪」

真姫「……」

519: 2016/02/26(金) 21:26:59.70 ID:7GbnWrME.net
――

次の日 学校 

凛「今日も練習行っくにゃー!」

絵里「まあ、真姫のこととかいろいろあるけど……」

にこ「それはそれとして!もうラブライブ最終予選まで時間がないんだから!」

海未「気を引き締めて行きましょう!」

「「「おぉー!」」」

タタンタンッ

希「♪~~~」

穂乃果「♪~~~」

海未「♪~~~」

花陽「……」キレッキレッ

絵里「花陽はやっぱりすごいわね。この間のイベントで自信もついたみたいだし」

希「絵里ちの作戦は大成功やったってことやね」

穂乃果「私のソロはどうだった?」

海未「バッチリでした」

穂乃果「やったー!」

凛「凛は、凛は?」

海未「凛のダンスもよかったですよ」

凛「やったー!」

520: 2016/02/26(金) 21:28:56.34 ID:7GbnWrME.net
にこ「みんな、フォーメーションの練習、行くわよ!」

タタンタタタッ

真姫「……」フラフラ

ドンッ

絵里「……」

真姫「あっ…ごめんなさい」

花陽「真姫ちゃん?どうかしたの?」

絵里「真姫、気にしないで。もう一回行きましょう」

♪♪~~~

真姫(頑張らなきゃ……)

ダダッダン

真姫「ふぅ…」

凛「……」

真姫「どうだった…?」

絵里「うん、今のはいい感じだったんじゃないかしら」

にこ「そうね、まだ完璧とは言えないけど」

海未「今日はここまでにしておきましょう。お疲れさまでした」

ことり「……」

―――

521: 2016/02/26(金) 21:31:01.28 ID:7GbnWrME.net
次の日

絵里「穂乃果、ちょっとずれてるわよ」

穂乃果「はい!」

海未「にこ、キレが落ちてます」

にこ「うっ…」



また次の日

希「ことりちゃん、ここはこうした方がいいんやない?」

ことり「うーん…そうだね!」

花陽「凛ちゃん、そこの歌はもう少し切ない感じでやってみたら…?」

凛「…うん!さすがかよちん!」

穂乃果「よーっし…」

ダダッダン

絵里「うん!大分仕上がってきたわね!」

522: 2016/02/26(金) 21:34:10.03 ID:7GbnWrME.net
―――

数日後 部室

にこ「とうとうこの日が来ちゃったわね……」

凛「うん…」

穂乃果「明日…何もかも決まっちゃうんだね」

花陽「私たち…勝てるかな?」

にこ「勝てるかじゃないのよ、勝つのよ!」

花陽「にこちゃん…うん!」

真姫「……」

絵里「みんなの思いを乗せたこの曲で……」

海未「そうですよ。きっと、この曲なら最高のライブができます」

穂乃果「みんなで、心を込めて作った曲だからね」

真姫「……」クラッ

523: 2016/02/26(金) 21:36:14.65 ID:7GbnWrME.net
希「真姫ちゃん!?大丈夫?」

真姫「平気よ…ちょっと貧血みたいで」

凛「貧血?大丈夫?」

真姫「大丈夫って言ってるでしょ」

花陽「でも…」

真姫「ちょっと…緊張しただけだから」

にこ「ふふっ、あんたでも緊張なんてするのね」

絵里「それはそうよ。真姫だって人間なんだから」

にこ「そうね、人間だもんね」

真姫「……」

凛「よーし!真姫ちゃんの緊張をほぐすために一発芸大会をしよう!」

穂乃果「いえーい!」

凛「まずは海未ちゃん!サイダー一気飲みして!」

海未「どうして私がっ!?それに、私はサイダーが苦手なんです!」

凛「そっか!じゃあコーラでもいいよ」

海未「結局炭酸じゃないですか!?」

524: 2016/02/26(金) 21:40:02.67 ID:7GbnWrME.net
希「二人とも、漫才やっとる場合やないよ」

海未「希……」

凛「じゃあ何をする場合なの?」

希「ことりちゃんの手品を見る場合なのだー!」

海未「!?」

ことり「はーい、ことりにおまかせー」

花陽「ことりちゃんの手品、すごいんだよ!」

凛「へえー」

ことり「にこちゃん、ちょっと手伝ってくれる?」

にこ「私が?まあいいけど」

ことり「うん、これからにこちゃんに呪文をかけちゃいます」

にこ「呪文?」

ことり「にこちゃんと言えば?」

にこ「にっこにっこにー!でしょ?」

ことり「そう!その『にっこにっこにー!』がもっとかわいくなっちゃうんです!」

にこ「えー?ホントなのー?」

ことり「ホントホント!信じて?」

にこ「じゃあ…お願いするけど」

525: 2016/02/26(金) 21:42:42.44 ID:7GbnWrME.net
ことり「じゃあいくよ!かわいくなぁれ、かわいくなぁれ……キタ!」

にこ「にっこにっこにー!」

絵里「何も変わってないじゃない」

穂乃果「待って!様子がおかしいよ」

にこ「にっこにっこにー!にっこにっこにー!」

にこ「にっこ……にっこ…っこっこ」

にこ「っこ…っこ……っこ…っこっこっこ」

にこ「コケー!」

「「「!?」」」

にこ「コケーココッコ!! コケーコッコッコココーーーー!!!!!」バサバサ

にこ「コケーッコッココッココ コッコココココ コッココッココー!!!!」バサバサ

にこ「クッエエエエッェエエエーーー!!!!!!」

ことり「はい、にこちゃんがニワトリさんになっちゃいましたー」

凛「ニワトリってかわいいの?」

花陽「うーん、どうかな…?」

絵里「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」

穂乃果「これもう手品じゃないよ!催眠術だよ!?」

526: 2016/02/26(金) 21:45:58.75 ID:7GbnWrME.net
にこ「コケー!」

海未「ことり!にこを元に戻してください!」

ことり「はーい」スッ

にこ「……にっこにっこにー」

希「あぁ…残念やね」

海未「何が残念なんですか!?」

真姫「…ふふっ」

凛「真姫ちゃん……」

真姫「みんなありがとね」

「「「真姫(ちゃん)……」」」

真姫「それに私、本当は元から緊張なんてしてなかったから」

穂乃果「またまたー」

絵里「まあいいじゃない。それじゃあ、最後の練習を始めましょ」



―――

527: 2016/02/26(金) 21:47:01.37 ID:7GbnWrME.net
屋上

♪♪~~~

真姫(すごい……不思議な気持ち)

真姫(μ’sのみんなといると…楽しいのよね)

真姫(すごく幸せで……だから、だからこそ守りたい)

真姫(エイリアンなんかに、みんなの夢を邪魔させない!)

真姫(私たちならきっと勝てる。A-riseにだって勝てる!)

真姫(明日は……絶対に)



―――

528: 2016/02/26(金) 21:51:56.91 ID:7GbnWrME.net
夜 西木野家前

真姫「ふぅ…」ガチャ

ことり「…真姫ちゃん、一人でどこ行くの?」

真姫「ことり……うちの前で何してるのよ」

ことり「ごめん、私知ってたんだ。真姫ちゃんは緊張してたわけじゃない、疲れてたんだって」

ことり「本当は体がボロボロなんだよね。ずっと戦ってたせいで」

ことり「みんなに隠して、毎晩一人でたくさんのエイリアンと戦ってたせいで……」

真姫「ことり……」

ことり「どうしてこんなことしたの?」

真姫「わかってるでしょ、エイリアンを倒しつくすためよ。明日はラブライブの最終予選よ?」

真姫「もしライブ前にエイリアンが現れたら……私はどうしたらいいかわからない。ライブを抜け出すわけにはいかないから。私のせいでラブライブに出られないなんてことになったら……」

真姫「でも、襲われる人を見捨てることもできない。誰かの笑顔を見捨てることはできないの。だって、アイドルは人を笑顔にさせる仕事なんだからね」

真姫「だから…明日のためにも!明日絶対ライブを成功させるためにも、戦わなくちゃいけないの!」

ことり「……真姫ちゃんの気持ちはわかったよ。でもそれ、私たちに隠れて戦ってた理由にはならないよね?」

真姫「みんなには…ライブに備えてほしいから」

希「それはないんやないの?」

真姫「希……」

529: 2016/02/26(金) 21:53:41.94 ID:7GbnWrME.net
ことり「希ちゃんも気づいてたんだ。真姫ちゃんが隠れて戦ってたこと」

真姫「……」

希「真姫ちゃん、ウチの話聞いてくれる?」

真姫「……いいわよ」

希「あのね、ウチ、本当はアイドルをやりたかったわけじゃないのかもしれない」

真姫「…そんなこと言うとにこちゃんに怒られるわよ」

希「ふふっ…そうやね」

希「でも、ウチはそれでもいいと思ってる。ウチにとって重要なことはアイドルってことじゃない。この9人で一緒に何かができるってことなんよ」

希「この9人で笑って、泣いて、目標に向かってみんなで頑張って。楽しいことも辛いことも一緒に経験して。それがウチの夢だったんよ」

希「別にアイドルじゃなくても、野球でもバスケでもテニスでも何でもよかったのかもしれない」

希「みんなで一緒にいたいんよ……」

真姫「希……」

希「だから真姫ちゃん一人で苦しい戦いをするのは嫌、ウチも、みんなも一緒に戦おうよ!」

希「ね!みんな?」

真姫「みんな…?」

穂乃果、海未、花陽、凛、にこ、絵里「……」ズラーッ

真姫「あなたたち……」

ことり「一緒に行こっ!」



――――

530: 2016/02/26(金) 21:57:22.26 ID:7GbnWrME.net
高架下

マキダー「ハルバードマーキュリー!」

マキダー「フェニックスマーズ!」

マキダー「フルスロットルジュピター!」

エイリアン「ギャァァァ」ドカーン

絵里「真姫ーカッコいいわよー!!」

マキダー「もっと褒めなさい!」

穂乃果「真姫ちゃーん!」

凛「真姫ちゃんカッコいいにゃぁ!!」

マキダー「まだまだ足りないわよ!」

ことり「ほら、海未ちゃんもにこちゃんも」

海未、にこ「ええっ?」

にこ「仕方ないわねー」

にこ「真姫!さいっこうにカッコいいわよ!」

海未「カッコいいですよー!」

マキダー「ふふっ、そうでしょ?」

マキダー「この私の、『知性溢れるこの美貌』見せてあげるわ!」

マキダー「イリュージョンヴィーナス!」

キラキラキラキラ

531: 2016/02/26(金) 21:59:02.35 ID:7GbnWrME.net
………
……

真姫「ふぅ……」

ことり「真姫ちゃんすごかったよ!」

真姫「まあね」

海未「…少し遅くなってしまいましたね。明日に備えて早く帰りましょうか」

希「そうやね」

凛「真姫ちゃんまたねー」

花陽「また明日!」

真姫「……待って」ギュッ

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「今日はもう遅いし…その……」

にこ「なによ?」

真姫「うちに……泊っていかない?」

「「「真姫(ちゃん)……」」」



穂乃果「初めからそのつもりだよ!」

絵里「いや、それはおかしいでしょ」

532: 2016/02/26(金) 22:01:36.54 ID:7GbnWrME.net
西木野家

「「「こんばんはー!」」」

真姫母「あらあら、お友達がたくさん」

花陽「おじゃまします」

真姫母「小泉さん、お久しぶり」

花陽「お久しぶりです…」

真姫母「ありがとうね、真姫ちゃんと仲良くしてくれて。いつも真姫ちゃんがあなたのことを褒めてるのよ。すごくいい子だって」

花陽「……あ、そんな//」

真姫「ママ!あっち行っててよ!//」

真姫母「そうね、じゃあみなさんゆっくりしていってね」

「「「はーい」」」

533: 2016/02/26(金) 22:04:21.50 ID:7GbnWrME.net


真姫「みんな、晩御飯はもう食べた?」

海未「一応食べてきたのですが…」

凛「真姫ちゃんを応援してたら…」

穂乃果「お腹空いちゃったね」

真姫「そう思って、軽いものを用意してもらったの。はいこれ、寒かったし体も冷えちゃったでしょ?」

花陽「これは…」

絵里「トマトスープ?」

真姫「そ、ミネストローネよ。食べてみて」

「「「いただきます」」」モグモグ

希「こ、これは…」

にこ「すごい……」

凛「おいしーい!!!!」

ことり「本当においしい…どうしたらこんなにおいしくなるの?」

534: 2016/02/26(金) 22:06:11.26 ID:7GbnWrME.net
真姫「ふふっ、知らないでしょ?トマト料理で大事なのはトマトに汗をかかせることなのよ。水分が多すぎるとトマト本来の味がボケてしまうの。料理する前に余分な水分を出してあげることで、トマトは本来の味を発揮するからね…」

希「真姫ちゃん…物知りやね」

真姫「まあね」

にこ「でも、これは料理人に作ってもらったんでしょ?」

真姫「そうだけど?」

にこ「やっぱりね…」

真姫「なによ?」

にこ「口だけってことよ。えらそうなこと言っといて、結局自分では何にもできないんじゃないのー?」

真姫「…できないわけないでしょ!見てなさい!」

包丁「」ギラーン

ことり「うわぁぁ!真姫ちゃん危ないよ!」

にこ「ちょ…それ振り回さないで!ホントに危ないから!ごめん、からかって悪かったから!」



―――

536: 2016/02/26(金) 22:07:54.63 ID:7GbnWrME.net
ことり「みんな、ちょっといい?」

凛「どうしたの?」

ことり「みんなに渡したいものがあるんだ。これ…」スッ

海未「これは……お守りですか?」

ことり「うん、みんなのために作ったんだ」

穂乃果「あっ、これもしかして私たちの顔?」

ことり「うん、これが穂乃果ちゃんで、これが希ちゃんでこれが凛ちゃんで…」

花陽「すごい、そっくり!」

ことり「えへへ…明日は頑張ろうね!」

にこ「ことり……ありがとね」

絵里「この裏の文字は何?…『の』?」

真姫「『の』?私のとは違うの?」

ことり「うん、一人一人違う文字が書いてあって…合わせると言葉になるようにしたんだ」

希「μ’sは9人や…ってことやね」

ことり「うん!」

穂乃果「すごいよことりちゃん!」

海未「いい言葉ですね……」

ことり「私たちはずっと一緒だよ。9人で力を合わせて頑張ろうね!約束だよ!」

穂乃果「うん!約束だね!」

537: 2016/02/26(金) 22:11:50.42 ID:7GbnWrME.net
翌朝

真姫「ふぅ……」

海未「おはようございます、真姫」

真姫「海未、さすが早いわね」

海未「いえ、普段に比べれば遅いくらいですよ。昨日の疲れは取れましたか?」

真姫「ええ、バッチリよ」

海未「ふふっ、期待しています」

真姫「そういえば…穂乃果と凛は?」

海未「ああ、あの2人でしたら……」チラッ

真姫「?」

穂乃果「真姫ちゃーん見てみてー!!」

凛「真姫ちゃーん!」

真姫「外にいるの?……!」ガラッ

パラパラパラパラ

真姫「雪……」

海未「全くあの二人は子どものようにはしゃいで…」

真姫「雪……ね。神様が私たちを応援してくれてるのかしら」

海未「はい、私たちの曲にふさわしいきれいな雪景色です」

真姫「Snow halation……」

539: 2016/02/26(金) 22:16:36.45 ID:7GbnWrME.net
――

ライブ前 控室

絵里「みんな、今日がすべてを決める決戦の日よ。全力を出し切りましょう!」

「「「おおー!!」」」

ことり「真姫ちゃん、大丈夫そう?」

真姫「ええ、今のところはエイリアンの出る気配はないわ」

ことり「ふぅ…よかった」

真姫「心配しないで、私は全力でライブをするから…」

ことり「…うん!」

絵里「それでね、みんなに言っておきたいことがあるの…」

穂乃果「なになに?」

540: 2016/02/26(金) 22:22:14.31 ID:7GbnWrME.net
絵里「こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど……私、今日のライブは勝ち負けにこだわらなくてもいいと思う」

にこ「絵里!あんた…」

希「まあまあ、話は最後まで聞かんと」

絵里「ごめんなさい、別に負けていいって言ってるわけじゃないの。ただ、勝ち負けよりももっと大切なことがあると思うの」

絵里「思い出してみて?私たちは学校を廃校から救うためにスクールアイドルを始めた。最初はうまくいかないことばっかりだったと思う。私も穂乃果たちにひどいことをしてきたしね」

穂乃果「絵里ちゃん……」

絵里「でもね、いつからか私たちの目的が変わったと思うの。学校を救うための手段だったアイドル活動が、いつの間にか私たちにとってかけがえのないものになっていった。もっと歌いたい、もっと踊りたい。スクールアイドルってこんなに楽しいものなんだって」

絵里「今日のライブは……そんな私たちの思いをぶつけたい。今までやってきたことすべてを出し切りたい!A-riseよりよかったか悪かったじゃない、悔いのないように、私たちが納得できる最高のライブがしたいの!」

541: 2016/02/26(金) 22:23:53.14 ID:7GbnWrME.net
花陽「絵里…ちゃん」

凛「うぅ、絵里ちゃんの言う通りだよ……」

海未「確かに……私たちが今この場で、ラブライブ最終予選という最高のステージでライブができる、それだけでいいのかもしれませんね……」

穂乃果「…そうだよ!やろうよ!私たちの全てを懸けて!」

にこ「……」

希「ね?最後まで聞いてよかったでしょ?」

にこ「……うっ」

希「にこっち?」

にこ「うぁー!絵里ぃーーー!!」

希「どうしたん!?」

にこ「ごめんー!あんたがそんなに私たちのことを考えてくれてたなんて知らなかったのぉー」ウルウル

絵里「ダメ……まだ泣いちゃ……泣かなっ…」ウルウル

希「二人とも……意外と緊張してたみたいやね」

穂乃果「これが、もしかしたら私たちの最後のステージになるかもしれないんだもんね…」

にこ「穂乃果ぁ、最後なんて言っちゃダメよぉー…」

真姫「最後…そうね。ラブライブが終わったらもう私たちがライブをする機会なんて……」

希「絵里ち、にこっち、本番前なんやからもう泣いたらあかんよ」

絵里、にこ「うん……」

穂乃果「みんな…行こう!!」



―――

542: 2016/02/26(金) 22:29:06.68 ID:7GbnWrME.net
ライブ直前

ワー キャー

真姫「……」

真姫(こうして目を閉じると色々なことを思い出すわね……)

真姫(音楽室で初めて穂乃果と会って、曲を作って、花陽と凛と一緒にμ’sに入って)

真姫(にこちゃんと絵里と希も一緒になって……)

真姫(みんなの言う通り…このライブには私たちの全てがかかってる)

真姫(絶対に、絶対に成功させたい……!)

真姫(本当は私がアイドルなんてやっていいのか不安だった。だって私、改造人間だし)

真姫(だけど、みんなが私を必要としてくれた。私も…その思いに答えたい!)

キャー キャー!

真姫(ふふっ、すごい歓声。さすが最終予選ね)

キャー!キャー!

真姫(本当にすごい……まるで悲鳴みたいね)

真姫「悲鳴……?」

543: 2016/02/26(金) 22:32:11.93 ID:7GbnWrME.net
エイリアンの大群「グォォォァ」ズバッ

ビッシャー

観客1「うぁぁぁあ!」ザクッ

観客2「きゃあぁぁ!」グサッ

観客3「いやぁぁ!」ドバッ

真姫「どうして…どうしてあんな数のエイリアンが?昨日あんなに倒したのよ?この辺りにはもうエイリアンがいるはずないのに……」

宇宙船「」ゴトッ

真姫「宇宙船?今地球に来たっていうの?よりによって……よりによってこんなときに!」

ことり「…真姫ちゃん!戦って!」

真姫「もちろん……っ」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「うそ……」

544: 2016/02/26(金) 22:35:17.12 ID:7GbnWrME.net
エイリアン1「グギャアアア」バキッ

真姫(今わかったわ……このエイリアン、昨日倒した奴の仲間)

エイリアン2「グァァ」ゴキッ

真姫(こいつらは…今日偶然ここに来たわけでも、ラブライブ最終予選を狙ったわけでもない……)

ことり「真姫ちゃん!?どうしたの!?」

真姫(…私だ、私に復讐に来たんだ……)

エイリアン3「グォォ」バキッ

花陽「やめて!ステージが……ステージがこわれちゃうよぉぉぉ!」グスグス

真姫(私が余計なことをしたから……)

エイリアン4「グアァ」

海未「どうして…どうしてこんなことに…」

真姫(私が昨日エイリアンを倒したから……)

希「ウチの夢を……壊さないでよぉぉぉ!」グスグス

真姫(私がここにいたから……)

545: 2016/02/26(金) 22:37:40.03 ID:7GbnWrME.net
エイリアン5「ゲェア」

にこ「私たちの……ライブゥゥ!!」グスグス

真姫(全部…私のせいなの?)

絵里「やめて…こんな……こんなのいやよぉぉぉ!」グスグス

真姫(私が…みんなの夢を壊したの?)

ことり「真姫ちゃん!」

真姫(私が……私さえいなければこんなことには!)

ことり「真姫ちゃん!」

バシィィン

真姫「……ことり」

ことり「しっかりして!真姫ちゃんがそんなで、誰がみんなを守るの!」

真姫「……そうね」

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「超新星」

マキダー「……」ドカッ

エイリアン1「ギャアアア!」ドカーン

546: 2016/02/26(金) 22:40:20.32 ID:7GbnWrME.net
マキダー「……」

『今日のライブは勝ち負けにこだわらなくてもいいと思うの』

穂乃果「……」ガクッ

エイリアン2「ギャアアア!」ドカーン

マキダー「……」

『もっと歌いたい、もっと踊りたい。スクールアイドルってこんなに楽しいものなんだって』

凛「いやだぁあぁ!!」グスグス

エイリアン3「ギャアアア!」ドカーン

マキダー「……」バキッ

『悔いのないように、私たちが納得できる最高のライブがしたいの!』

絵里「あ……あぁ」ボロボロ

エイリアン4「ギャアアア!」ドカーン

マキダー「……」

『ラブライブ最終予選という最高のステージでライブができる、それだけでいいのかもしれませんね……』

マキダー「うぁぁあぁあああ!!!」

エイリアン5「ギャアアア!」ドカーン

『これが、もしかしたら私たちの最後のステージになるかもしれないんだね……』

マキダー「させない…これが最後だなんて、絶対に……!」

547: 2016/02/26(金) 22:43:21.97 ID:7GbnWrME.net
………
……

真姫「……」

倒れた観客たち「」

壊れたステージ「」

エイリアンの残骸「」

8人「……」ガクッ

真姫「…穂乃果」

穂乃果「真姫……ちゃん」

真姫「こんなことになったのは…全部私のせいなの」

穂乃果「そんなこと……ないよ」

真姫「そんなことあるの。だから責任は私がとるわ」

穂乃果「責任……?」

真姫「私は……μ’sをやめる」

548: 2016/02/26(金) 22:45:16.87 ID:7GbnWrME.net
ことり「……真姫ちゃん!」

穂乃果「真姫ちゃん、それはおかしいよ……」

真姫「おかしくなんかないわよ。だって、改造人間なんかがアイドルをやる方がよっぽどおかしいんだから」

ことり「やめてよ真姫ちゃん!どうしてそんなこと言うの!?」

真姫「ことり、悪かったわね……あなたには色々迷惑をかけたかも」

ことり「今はそんなことどうでもいいよ!待ってよ真姫ちゃん!」

真姫「最後に言っておくわ。みんな、今までありがとう」

真姫「私はみんなのこと……忘れないから」

ピッカー

ことり「えっ?」



真姫(さよなら、みんな)

真姫(さよなら……ことり)

549: 2016/02/26(金) 22:46:50.93 ID:7GbnWrME.net


ことり「あれ…私は……?」

真姫「……」スタスタ

ことり「あっ!あのっ!」

真姫「何か用ですか?」

ことり「え、ええっと……」

真姫「……」

ことり「…すみません、なんでもありません…」

真姫「そう……?じゃあね…」スタスタ

ことり「今の人……」

ことり「誰だっけ?」



つづく

550: 2016/02/26(金) 22:50:14.24 ID:7GbnWrME.net
つづきは明日

557: 2016/02/27(土) 20:54:41.61 ID:gGvTsQgG.net
11話 「みんなとの約束」



絵里「それじゃあ、ラブライブ最終予選の再試合が決まったことを祝して」

「「「かんぱーい!」」」

凛「花陽、乾杯禁止」

花陽「ええっ!?」

絵里「それ私の真似?っていうか私そんなこと言ってないわよ!?先輩禁止よ!」

凛「じゃあ、希ちゃんは巫女さんのお手伝い辞めなきゃね」

希「そうやね」

凛、希「参拝禁止!」

絵里「参拝じゃなくて先輩よ!先輩禁止!」

凛「そっか、先輩……うぅ」バタッ

希「凛ちゃん?凛ちゃん!」

凛「」

希「脈が……ない」

凛、希「心肺停止!」

絵里「いい加減にしてくれる?」

凛、希「はーい」

558: 2016/02/27(土) 20:55:46.15 ID:gGvTsQgG.net
にこ「そんなことより!今はラブライブの話をするべきでしょ!」

海未「そうですね、どうなることかと思いましたが……」

希「さすがに…あんなことがあったら日程を変えるしかないやん?」

穂乃果「まさかライブ前に隕石が降ってくるなんて思わなかったよねー」

ことり「そうそう、びっくりしちゃった」

凛「あんなことがあっちゃうとね……」

にこ「なんか…あまりにもありえなくて笑っちゃうわよね…」

花陽「でも、近くにいた人たちは大丈夫だったのかな?」

希「怪我した人はいたけど、みんな命に別状はなかったんやって」

花陽「よかった……」

にこ「まあ、盛り上がってたところに水を差された気はするけど……」

絵里「気持ちを切り替えて頑張りましょう!」

「「「おおー!」」」

559: 2016/02/27(土) 20:59:08.01 ID:gGvTsQgG.net
ことり「あっ、私マカロンを作ってきたんだけど、みんなで食べよう?」

穂乃果「さすがことりちゃん!」

ことり「はい、どうぞ」スッ

海未「ありがとうございます」

凛「ありがとうことりちゃん」

穂乃果「あれ…一個余ったよ?」

ことり「余っちゃった?おかしいなー…ピッタリ9人分作ってきたのに……」

穂乃果「9人分?」

ことり「…あっ!」

にこ「ったく、何言ってんのよ」

ことり「そうだよね!μ’sは8人だもんね!」

560: 2016/02/27(土) 21:02:19.79 ID:gGvTsQgG.net
―――

森の中

エイリアン「グアァァ」

マキダー「ハァ!」

エイリアン「ギャァァ」ドカーン

真姫「ふぅ……」

真姫(これでよかった……)

真姫(私はもう、みんなといるわけにはいかない…)

真姫(違う、最初から一緒にいちゃいけなかった)

真姫(所詮私は改造人間。人間であって人間でないんだから)

真姫(私が夢なんか見ちゃいけなかった。アイドルなんてやっちゃダメだった)

真姫(私は戦う…一人で)

お守り「」ギュッ

真姫「大丈夫、あなたたちならきっと…ラブライブで優勝できる」

真姫「みんなのこと……応援してるから」

561: 2016/02/27(土) 21:04:18.79 ID:gGvTsQgG.net


海未「珍しいですね。穂乃果ならともかくことりがそんな間違いをするなんて」

穂乃果「海未ちゃん!私だって数くらい数えられるよ」

ことり「えへへ…間違えちゃった」

希「まあ、μ’sが9人いるっていうのは間違ってないかもしれんけどね…」

絵里「えっ!?」

希「ほら、よく考えてみて。この部屋、8人で使うにはちょっと広くない……?」

穂乃果「そういえば…ちょうど1人分くらい空いてるような……」

絵里「!」

希「ウチたちが知らないだけで、本当はもう一人、いつもこの部室に…」

絵里「」ガクガク

希「なんてことあるわけないよね」

にこ「当たり前でしょ」

絵里「ふぅ…」

ことり「もう……一人?」

562: 2016/02/27(土) 21:06:18.93 ID:gGvTsQgG.net
海未「ことり、どうかしましたか?」

ことり「あっ、えっと…希ちゃん」

希「うん?なに?」

ことり「μ’sって……どういう意味だっけ?」

穂乃果「ことりちゃん忘れちゃったの!?」

ことり「うん……ごめんね」

希「別にええよ」

希「μ’sっていうのはギリシャ神話の9人の歌の女神のことで、このグループが9人で道を切り開けるようにってことで名前をつけたんよ」

ことり「私たち8人なのに?」

にこ「9人目はもちろんファンの人よ」

希「サッカーとかでもよく言うやん?12人目の選手はサポーターやって」

ことり「そう……だよね」

穂乃果「ことりちゃん、さっきからどうしたの?なんか変だよ?」

海未「ことり、何か悩みがあるなら言ってください」

ことり「うーん、そういうわけじゃないんだけど……」

563: 2016/02/27(土) 21:07:44.38 ID:gGvTsQgG.net
にこ「……」ガサゴソ

花陽「にこちゃん?何してるの?」

にこ「いや、私のロッカーになんか変なノートが入ってるのよ」

凛「変なノート?」

にこ「これ、誰の?」

絵里「私じゃないわよ」

希「ウチでもない」

にこ「あれー?どっかから紛れこんだのかしら?」

穂乃果「中を見てみたら?何かわかるかも」

にこ「そうね……うん?」ペラペラ

ことり「どうしたの?」

にこ「このノート……私たちの曲が書いてあるのよ」

絵里「曲?」

にこ「ほら、見て…」

凛「ホントだ、凛たちの曲……」

にこ「でも…いくつか知らない曲もあるわね」

穂乃果「あれ、この曲……」

にこ「知ってるの?」

穂乃果「うーん、知ってるような……」

564: 2016/02/27(土) 21:10:12.99 ID:gGvTsQgG.net
にこ「まあいいわ、とにかく続きを見てみましょう……えっ!?」ペラペラ

海未「何でしょうこれ……」

花陽「私たちのことについて書いてあるよ!」

ことり「えっ?」

『穂乃果、あなたは本当に楽しそうに歌うのよね。あなたの歌と踊りは見てる人を幸せにする。でも、自分が楽しくなりすぎて細かいところを忘れないように気を付けてね』

『絵里、あなたは歌もダンスも完璧よ。でも、みんなをまとめようとして気を張りすぎてしまうことがある。あなたが思っているよりみんなは強いのよ?みんなを信じて、頑張りすぎないでね』

穂乃果「これって…」

絵里「私たちへのメッセージ…?」

花陽「でも……誰が書いたのかな?」

凛「ファンの人…とかかな?」

海未「いくらファンの方でも…私たちのことに詳しすぎます」

希「ウチたちのことをずっと見てないとこんなことは……」

凛「あっ、ここ見て!表紙に何か書いてあるよ」

にこ「えっ?」

凛「ほら、小さく『ありがとう』って……」

花陽「ありがとう……?」

565: 2016/02/27(土) 21:11:42.04 ID:gGvTsQgG.net
にこ「ちょっと…気味が悪くない?」

希「やっぱり……ウチたちは誰かに見られてた?」

絵里「これ…怖くない?」

穂乃果「うん…もしかしてストーカーとかかな……」

にこ「かもしれないわね。こんな不気味なノート…捨てちゃいましょうか」

ことり「やめて!」バン

穂乃果「ことりちゃん!?」

花陽「どうしたの?」

ことり「あっ……ごめん」

にこ「ごめん、私も…これは捨てちゃいけない気がしてきた。どうしてかはわからないけど……」

海未「まあ、悪いことが書いてあるわけでもないですしね…」

希「そうやね。もしかしたら……神様からのお告げかもしれんよ?」

絵里「神様…そうね、そういうことにしましょう」

穂乃果「じゃあ……練習しよっか」

566: 2016/02/27(土) 21:13:55.35 ID:gGvTsQgG.net
――

屋上

海未「ではストレッチから」

凛「かよちん、一緒にやろう?」

花陽「あっ、私はことりちゃんと」

ことり「ごめんね」

凛「じゃあ希ちゃん!」

希「ウチは絵里ちと」

凛「しょうがない、にこちゃん!」

にこ「なによその言い方!それに、私は穂乃果とやるから」

凛「あれ?じゃあ凛はあまり?」

海未「私を……忘れているのですか」

凛「あっ、海未ちゃん!」

567: 2016/02/27(土) 21:15:35.27 ID:gGvTsQgG.net
絵里「もう凛、余るはずないでしょ?9人なんだから」

希「絵里ち、8人。9人だったら1人余るよ?」

絵里「あっ…ごめん」

にこ「絵里までそんなこと言ってるの?」

穂乃果「もう、みんなおかしいよ」

ことり「ホントに……おかしいのかな」

穂乃果「えっ?」

ことり「変なこと言うけど、私たち本当は9人だったんじゃ…」

穂乃果「……」

ことり「なんて、そんなことあるはずない……よね」

穂乃果「そう……だよね」

海未「練習を始めましょうか……」

568: 2016/02/27(土) 21:20:27.98 ID:gGvTsQgG.net
――

海未「1 2 3 4」パンパン

穂乃果「♪~~~」

希「♪~~~」

凛「」シュッシュッ

花陽「」キレキレ

ダダッダン!



穂乃果「ふぅ……」

花陽「どうだった…かな」

にこ「まあ、悪くはないけど…」

絵里「何かが……足りない?」

穂乃果「…うん、私もそう思う」

海未「もう一度…行きましょう」

パンパン

ダダッダン!

花陽「どうかな…?」

凛「やっぱり…」

希「足りない…何かが」

絵里「正直…今のままでA-RISEに勝てるとは思えない」

穂乃果「…私たちの実力ってこんなものだったのかな……」

穂乃果「違う!みんな思い出して!あの雪の日のことを!」

穂乃果「結局ライブはできなかったけど……あのときの私たちはもっとすごかったはずだよ!絶対A-riseにだって勝てるよ!頑張ろうよ!」

にこ「そうね…よし!行くわよ!」

569: 2016/02/27(土) 21:22:26.97 ID:gGvTsQgG.net
………

穂乃果「ふぅ」

海未「お疲れさまでした」

絵里「だいぶ良くなってきたわね」

にこ「この調子で行きましょ」

希「じゃ、そろそろ帰ろっか」

凛「かよちーん、ラーメン食べに行こう?」

花陽「いいよ!どうせなら3人で行こうよ」

凛「3人?にこちゃんも誘うの?」

花陽「あっ、にこちゃんじゃなくて……あれ?」

凛「かよちん?」

花陽「ごめん、二人で行こう?」

凛「うん……」

570: 2016/02/27(土) 21:24:29.24 ID:gGvTsQgG.net
絵里「……」

希「絵里ち…何考えとるん?」

絵里「希、にこ、ちょっといい?」

にこ「…いいわよ」

絵里「私、やっぱりこのままじゃA-RISEに勝てないと思うの…」

にこ、希「……」

絵里「みんなも言ってたけど…何かが足りない。二人は何が足りないのかわかる?」

希「ウチには…わかるような、わからないような……」

にこ「何かが足りないっていうなら、一人一人がもっと努力してその穴を埋めればいいだけの話よ」

にこ「あいつがいなくたって……って、私何言ってるのかしら。あいつって誰よ」

希「にこっち……」

絵里「希、にこ、やっぱり私たち……」



―――

571: 2016/02/27(土) 21:25:25.63 ID:gGvTsQgG.net
穂乃果「ことりちゃん、久しぶりに3人でお出かけしない?」

ことり「私は……ごめん、今日は帰るね。疲れてるみたいだから」

穂乃果「ことりちゃん…」

海未「お大事に…」

ことり「じゃあね」

スタスタ

穂乃果「海未ちゃん、どう思う?」

海未「そうですね……」

穂乃果「やっぱり何かおかしくない?」

海未「はい、私も違和感が……」

絵里「穂乃果、海未!」

海未「絵里?」

絵里「ことりは?」

穂乃果「もう帰っちゃったよ」

絵里「そう…とりあえず二人に話があるの」

572: 2016/02/27(土) 21:29:23.98 ID:gGvTsQgG.net
―――

南家

ことり「…ただいまー」

理事長「お帰りなさい」

ことり「……」タタタッ

理事長「ことり?」



ことりの部屋

ことり「……」バタン

ことり「はぁ……」

ことり(私、やっぱりおかしいのかな?)

ことり(μ’sの9人目のメンバーなんて…いないのかな)

ことり「はぁ……」ジーッ

μ’sの写真「」

ことり「そう……だよね。写真にも8人しか映ってないし」

写真「」

ことり「私、穂乃果ちゃん、海未ちゃん、「」ちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん、にこちゃん、希ちゃん、絵里ちゃん」

ことり「うん、やっぱり9人……9人?」

ことり「」ゴシゴシ

ことり「おかしい…よね。8人しか映ってないはずなのに……」

573: 2016/02/27(土) 21:31:51.35 ID:gGvTsQgG.net
写真「」ボヤァー

ことり「でも……いる。やっぱりもう一人いる。目に見えないけど絶対いる!」

ことり「そこにいるはずなのに、顔も名前もわからない…あなたは…誰なの?」

ことり「そうだ!」

タタタッ

ことり「お母さーん!」

理事長「どうしたの?」

ことり「この写真に写ってる人の名前、全員わかる?」

理事長「当たり前でしょ、理事長なんだから」

ことり「教えて!」

理事長「え?」

ことり「いいから!」

理事長「そう……?えっと、穂乃果ちゃんと海未ちゃんと、凛ちゃんと花陽ちゃんと……「」ちゃんと」

ことり「えっ?今なんて言ったの?」

理事長「…「」ちゃん?」

ことり「えっ?」

理事長「だから、「」ちゃんよ」

ことり「……ありがとう」

理事長「ことり……」

ことり(わからない…どうしてわからないの?あなたは誰なの?)

575: 2016/02/27(土) 21:34:14.58 ID:gGvTsQgG.net
――

ことりの部屋

ことり「……」ガサゴソ

ことり(きっとある……絶対何か手がかりが)

ノート「」ボトッ

ことり「このノート…何だろう?さっきまではなかったような……」

ことり「ううん、多分ずっとあった。でも私には見えてなかったんだ。写真の中のあの子みたいに…。名前も聞こえない、目にも見えない、どういうことなんだろう…?」

ことり「中を見てみようかな……」ペラペラ

ノート『「」ちゃんは私を助けてくれたヒーロー』

ことり「何だろうこれ……私が書いたのかな?でも、これだけじゃ何もわからないよ……。あっ、まだ続きがある…」

576: 2016/02/27(土) 21:38:39.63 ID:gGvTsQgG.net
『今日は「」ちゃんと「」を倒しに行って、その後神田明神にお参りに行きました。「」ちゃんの気持ちが聞けてうれしかったな』

『今日は「」ちゃんのおかげで穂乃果ちゃんが助かりました。私は何もできなかったんだけど、穂乃果ちゃんも海未ちゃんも「」ちゃんも、私にありがとうって言ってくれてうれしかったなぁ』

『今日の絵里ちゃんは絵里ちゃんじゃなかったらしいです。「」ちゃん一人で全部解決しちゃったんだって。私も連れて行ってほしかったなぁ……』

『今日は「」ちゃんと絵里ちゃんと一緒に希ちゃんの家に行きました!「」ちゃんカッコよかったなぁ。「」ちゃんの熱い言葉は、私だけが知ってる秘密です♪』

『今日は「」ちゃんと一緒にクレーンゲームをしました。少しは「」ちゃんの役に立てたかな♪』

『今日はにこちゃんと「」ちゃんがケンカしちゃった……。でも、二人ならきっと仲直りできるよね!』

『今日は「」ちゃんの家で海未ちゃんがぐっすり眠ってました』

『今日は合宿!花陽ちゃんすごかったなぁ……。そして遂に、「」ちゃんがみんなに秘密を打ち明けてくれました!よかったぁー!隠し事って辛いんだよ?』

577: 2016/02/27(土) 21:44:03.53 ID:gGvTsQgG.net
『明日はラブライブ最終予選!今日のことは書きません。過去を振り返るのはもう終わりです♪明日は「」ちゃんと一緒に、9人で最高のライブをして見せます!』

ことり「……」ポロポロ

ことり「わからない……わからないよ」ペラッ

『来週は「」ちゃんとお買い物に行って、来月はみんなで初詣に行きます。なんて、未来のことなんてわからないよね。でも私は決めました♪9人はずっと一緒です。だから、お守りにもあのメッセージを込めたんだ♪』

ことり「ここに書いてあること全部……思い出せない」グスッ

ことり「こんなに大事なことを…どうして思い出せないの…?」

ことり「次が…最後のページ……」

ことり「……!」

578: 2016/02/27(土) 21:44:49.49 ID:gGvTsQgG.net
ザーーーッ

理事長「ことりー、雨が降ってきちゃったみたい。悪いんだけど洗濯物を取り込んでくれる?」

ことり「」ダダダッ

ガチャ

理事長「ことり?どこ行くの?」

ことり「…っ!」ダダッダダ



『ねえ私、絶対「」ちゃんのこと忘れちゃダメだよ。もし忘れちゃったら……思い出してね。諦めちゃダメだよ?絶対思い出せるから。私が「」ちゃんのこと忘れちゃうわけないからね♪♪』

579: 2016/02/27(土) 21:46:47.51 ID:gGvTsQgG.net
ザーーーッ

ショッピングモール

ことり「はぁ……はぁ」タタタッ

『あなた達を救いに来た……スーパーヒーローってところかしらね』

ことり(誰……誰なの?)

ビチャビチャ



ゲームセンター

ことり「……」チラッ

クレーンゲーム「」

『クレーンゲーム……できないの?』

『…できないわけないでしょ!』



住宅街

ことり「はぁ……はぁ」タタタッ バシャバシャ

『なんで笑ってるのよ』

『うれしいんだ、「」ちゃんが私を誘ってくれて』

580: 2016/02/27(土) 21:48:21.72 ID:gGvTsQgG.net
ハンバーガー屋

ことり「はぁ……はぁ」

『そんなことより練習場所でしょ?教室とか借りられないの?』

『うん、前に先生に頼んだんだけど、ちゃんとした部活じゃないと許可できないって』

『この人たちダメかも』



カフェ

『私、何もないから』

『少なくとも、2年の中では一番まともね』

『ううん、私はただ、二人について行ってるだけだよ』



ことり「はぁ……はぁ」ビチョビチョ

亜里沙「ことりさん?」

雪穂「ことりちゃん!?どうしたの?」

581: 2016/02/27(土) 21:50:21.62 ID:gGvTsQgG.net
ことり「なんでも……ない」

雪穂「本当?そんなに濡れて…風邪引いちゃうよ?」

亜里沙「大丈夫ですか…?」

ことり「亜里沙ちゃん…」

亜里沙「?」

ことり「μ’sって全員で何人だかわかる?」

亜里沙「クイズですか?もちろんわかりますよ。μ’sは全部で8人!」

亜里沙「穂乃果さんとことりさんと海未さんと、「」さんと凛さんと花陽さんと、にこさんと希さんとお姉ちゃんで8人!」

雪穂「えっ?今なんかおかしくなかった?」

亜里沙「あれ?」

ことり「……ありがとう」フラフラ

雪穂「ちょっ、ことりちゃん!?」

582: 2016/02/27(土) 21:51:58.17 ID:gGvTsQgG.net
―――

ラーメン屋

凛「うーん、やっぱりここのラーメンはおいしいにゃー」

花陽「そうだね」

凛「でも……」

花陽「凛ちゃん?」

凛「前食べたときは、もっとおいしかったような…」

花陽「あれ?ここ、前にも来たことあったかな…?」

凛「えっ?なかったっけ……」

『凛、そんなに食べると太るわよ』

凛「!?」バンッ

花陽「凛ちゃん!?どうしたの、急に立ち上がって……」

『花陽、いつもありがとね』

花陽「!?」バンッ

凛「かよちんだって……」

花陽「ねえ凛ちゃん」

凛「かよちん!」

凛、花陽「凛(私)たち、やっぱり9人だったんだ!!」

583: 2016/02/27(土) 21:53:24.72 ID:gGvTsQgG.net
ことり「はぁ…うっ、はぁ」フラフラ

凛「あれ…ことりちゃんだ!」

花陽「傘も差さないで……どうしたんだろう」

凛「おーい、ことりちゃーん!」

ことり「はぁ…グスッ…はぁ」クラクラ ポロポロ

花陽「ことりちゃん……泣いてる?」

凛「かよちん!追いかけよう!」

花陽「うん!」

584: 2016/02/27(土) 21:56:26.89 ID:gGvTsQgG.net
神田明神

『大声で呼ばないで』

『「」ちゃん!』

『別に私は……』

ことり「はぁ……はぁ」タタタッ



学校

ことり「グスッ……はぁ」タタタッ

『おはようことり』

『おはよう「」ちゃん!』



中庭

ことり「はぁ…はぁ」

『なに勝手にナレーションかぶせてるの!』

『ちょっと止めて』

『ことり先輩も!』

『頑張っているかね?』

『撮らないで!』

585: 2016/02/27(土) 21:58:13.71 ID:gGvTsQgG.net
音楽室

『ことり、何しに来たのよ』

『えへへ、「」ちゃんのピアノが聞きたくて』



生徒会室

『どう考えても、答えは見えているわ』

『じゃあ、直接理事長に頼んでみるとか』

『でしょ、なんとかなるわよ、親族もいることだし』



部室

ことり「はぁ……はぁ」タタタッ

ドア「」バーン

絵里「ことり?」

穂乃果「ことりちゃん……?」

海未「どうしたのですか!そんなに濡れて!」

586: 2016/02/27(土) 21:59:28.22 ID:gGvTsQgG.net
ことり「……」

『あっちは福岡のスクールアイドルね』

『私は海未先輩を説得した方がいいと思うけど』

『そういう曲、なくはないわね』

『そうはいっても、現実は厳しいわよ』

『ことりの歌詞、期待してるわ』

『ことり、次の曲はこんな感じなんだけど……衣装はどう?』

ことり「……っ!」

ダダダダッ

にこ「ことり!どこ行くの!」

穂乃果「ことりちゃん!」

穂乃果のスマホ「」プルルルル

穂乃果「何!?今忙しいの!」

雪穂「もしもし、今ことりちゃんと一緒?」

穂乃果「ことりちゃんのこと何か知ってるの!?」

雪穂「急にμ’sが何人かって聞いて来て…様子がおかしかったから……」

穂乃果「μ’sが……何人か?」



―――

587: 2016/02/27(土) 22:01:45.24 ID:gGvTsQgG.net


街はずれ

ワーー キャー!

マキダー「ハァ!」ドン

エイリアン1「」ドカーン

エイリアン2「」ドカーン

マキダー「くっ……どういうことなの?」

エイリアン3「グァァ!」

マキダー「ヤアッ」ドカッ

エイリアン3「」ドカーン

エイリアンの大群「」ワラワラ

マキダー「…エイリアンの数が多すぎる!」

隕石「」ヒューー 

ドーン

マキダー「まさかあれが……」

マキダー「隕石に乗せて…エイリアンを地球に送り込んでるの!?」

隕石の大群「」ヒューー 

ドカーン

マキダー「まずい…あんな数のエイリアンが目覚めたら……!」

588: 2016/02/27(土) 22:04:09.40 ID:gGvTsQgG.net
――――

屋上

ことり「はぁ……はぁ」

『そのせいね、最近』

『出待ち!?』

『でも、本当にライブなんてできるの?』

『何が気に入らないのよ!はっきり言って!』

『凛、くっつかないでよ』

『にこちゃんに言われたくないけど』

ことり「あぁ……そっか」フラフラ

絵里「ことり!大丈夫!?」

穂乃果「ことりちゃん!しっかりして!」

ガチャ

凛、花陽「ことりちゃん!」

希「凛ちゃん、花陽ちゃんも……!」

ことり「はぁ…うっ」ガクッ

ことり(なんで…忘れて…たんだろう……)

589: 2016/02/27(土) 22:05:25.34 ID:gGvTsQgG.net
『お断りします』

『泣いてなんかないわよ』

『それで、二人は?二人はどうするの?』

『え?どうするって、え?』

ことり(思い…出し…たよ……)

『西木野さんっていうんだけど』

『私たちは曲を作りましょ』

『ことりはこっちで衣装を決めて』

真姫『ことり』ニコニコ

ことり「……真姫ちゃん」バタンッ

ことり「」

海未「ことりぃぃいいーー!!」



――――――

590: 2016/02/27(土) 22:10:14.06 ID:gGvTsQgG.net


エイリアンの大群「」ワラワラ

マキダー「ハァ!」

マキダー「ダァ!」

マキダー「セイ!」

エイリアンたち「」ドカーン

マキダー(このままじゃ……キリがない。でも!)

マキダー「あなたたちなんかに負けない!この私が、全員まとめて相手してあげるわぁ!!」





====

ことり「ねえ真姫ちゃん」

真姫「なに?」

ことり「……なんでもない」

真姫「なに?言いなさいよ?」

ことり「うーん、じゃあ、真姫ちゃんが約束してくれたら教えてあげる」

真姫「約束?」

ことり「うん、これからもずっと一緒にいるって」

真姫「…わかったわ、約束する」

ことり「約束、破ったらお仕置きしちゃうよ?」

真姫「いいわよ別に」

591: 2016/02/27(土) 22:11:44.77 ID:gGvTsQgG.net


「……ちゃん!ことりちゃん!」

ことり「うぅ……」

穂乃果「よかった……ことりちゃーん!」ダキッ

ことり(夢…?あれ、私……)

海未「ことりぃ!」

ことり「ひっ!」

凛「怒っちゃダメー!」

海未「心配……したんですよ」ダキッ

ことり「海未ちゃん……」

にこ「うぅ、よかったわねー…」

ことり「それより…私行かなくちゃ……!」

穂乃果「行くってどこに!?」

ことり「それはもちろん真姫ちゃんの……」

絵里「待ってことり、あなたが眠っている間に大変なことになったの」

ことり「大変な……こと?」

592: 2016/02/27(土) 22:13:47.27 ID:gGvTsQgG.net
――

マキダー「ハァ!」

エイリアン「」ドカーン

真姫「くっ……」ガクッ

真姫「はぁ、はぁ」

真姫(そろそろ…限界かしら)

真姫(でも…エイリアンはもうほとんど倒したはず……)

エイリアン「グワァ」ブン

真姫「まだいたの…?超新……」

こころ「いやぁぁ!!」

真姫(あれは……こころちゃん!?)

真姫「間に……あって」フラフラ

グサァ



―――

593: 2016/02/27(土) 22:15:36.93 ID:gGvTsQgG.net
ことり「そんな……町中にエイリアンが?」

絵里「ええ、こんな状況でそんな状態のあなたを外に出すわけにはいかない」

希「学校の中なら安全ってわけでもないけど…」

にこ「少なくとも、外よりはましね」

ことり「でも、でも……」

凛「大丈夫だよことりちゃん」

ことり「凛ちゃん……」

花陽「心配しなくても、エイリアンはきっとあの人が倒してくれるから」

ことり「あの人?」

穂乃果「赤い髪の…改造人間がいるんだって」

海未「エイリアンを何体も倒して、町の人たちを助けているらしいです」

ことり「…真姫ちゃんだ!」

穂乃果「…真姫……ちゃん」

凛「ことりちゃんは改造人間のこと知ってるの?」

ことり「うん!」

594: 2016/02/27(土) 22:17:06.07 ID:gGvTsQgG.net
にこ「どういうことなの?」

ことり「私だけじゃない!みんなも知ってるはずだよ、真姫ちゃんのこと!」

絵里「私たちが……まさか!?」

ことり「うん!真姫ちゃんはμ’sのメンバーだもん!」

「「「えっ!?」」」

海未「そうでしたか…やはり、もう一人……」

希「μ’sは……やっぱり9人やったんやね」

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「真姫ちゃんのことを教えて!きっと…私たちも思い出すから!」

花陽「私も……知りたい」

凛「凛も!」

ことり「うん♪真姫ちゃんはね、とっても歌が上手で、ピアノも上手で、作曲もできて……」

…………
………

595: 2016/02/27(土) 22:18:31.27 ID:gGvTsQgG.net
――

絵里「そんな…真姫」

凛「どうして……どうして凛たち」

にこ「真姫のことを忘れてたのよぉ!!」

海未「すべて…思い出しました」

花陽「真姫ちゃん、ひどいよ……」

希「真姫ちゃん…みんな一緒に戦おうって言ったのに……」

穂乃果「……行こう」

ことり「うん!」

穂乃果「真姫ちゃんのところに行こう!行って、真姫ちゃんと一緒に戦おう!」

海未「…そうですね。ここにいてもどうしようもありませんしね」

絵里「そうね!行きましょう!」

ヒデコ「待って穂乃果!」

596: 2016/02/27(土) 22:21:31.81 ID:gGvTsQgG.net
穂乃果「ヒデコ!?どうしたの?」

ミカ「外はエイリアンがいてすっごく危ないんだよ?」

フミコ「みんなここに避難してきてるのに…」

ヒデコ「穂乃果に何かあったら私たちは…」

穂乃果「3人とも…心配してくれてありがとう」

穂乃果「それでも、私たちは行きたいの。真姫ちゃんを一人にはさせない。大切な友達だから……」

ヒデコ、フミコ、ミカ「穂乃果……」

穂乃果「そうだ!3人にお願いがあるんだ!」

ヒデコ、フミコ、ミカ「?」



海未「しかしどうします?真姫の場所はわかりませんし……手分けして真姫を探すのも却って危険ですし……」

にこ「そうよね……」

「私に任せて!」

597: 2016/02/27(土) 22:22:31.42 ID:gGvTsQgG.net
―――――



真姫「はぁ……うっ」ポタポタ

こころ「あぁ……」ウルウル

真姫「よかった、怪我はないみたいね」

こころ「ですがあなたは…血がそんなに」

真姫「私は大丈夫よ、スーパーヒーローなんだから」

こころ「スーパー…ヒーロー…?」

真姫「さ、早く逃げなさい」

こころ「……ありがとうございます!この御恩は一生忘れません!」タタタッ

真姫「よかった……」

真姫(にこちゃん…こころちゃんってとってもかわいいわね。顔はあなたそっくりなのに性格は全く反対で、とっても素直で)

真姫(それとも……にこちゃんも小さいころは素直でかわいかったのかしら?)

エイリアン「グォォ!」

真姫(私も…ここまでみたいね。もう一歩も体が動かない)

真姫(せめて、最後にもう一度……)

真姫「みんなに……会いたかったかも」

598: 2016/02/27(土) 22:25:14.55 ID:gGvTsQgG.net
エイリアン「グァァ!」ブン

真姫「さよなら……」



ワゴン車「」ブォォーーーーン

キキーッ ドカンッ

エイリアン「ギャァァァ」ブチブチ

真姫「なに……?ひき逃げ?」

「うちの生徒に……」

ワゴン車「」ガチャ



理事長「何をしようとしてるのかしら」

真姫「……理事長」

599: 2016/02/27(土) 22:30:43.92 ID:gGvTsQgG.net
理事長「西木野さん、大丈夫?」

真姫「理事長、どうしてここに…?それより、どうして私のことを……」

理事長「ごめんなさい……私に記憶制御は効かないのよ、お薬をもらってるから。それに、あなたが普通の人間じゃないことも以前から知っていたの……」

真姫「…どういうことですか?」

理事長「あなたのお母さんのおかげでね」

真姫「ママ……」

理事長「私とあなたのお母さんは古い知り合いでね。あなたのことを頼まれていたのよ。もしもしのときのことを」

真姫「もしも……?」

理事長「あなたがみんなの記憶を消して、一人で戦いに向かったとき」

真姫「っ!?」

600: 2016/02/27(土) 22:31:24.19 ID:gGvTsQgG.net
理事長「あなたのお母さんからは…あなたの意志を尊重するように言われていたの。みんなを巻き込まない、あの子がそう決めたならって」

真姫「そう……ですか」

理事長「でもそんなの知ーらなーい♪」

真姫「はぁ!?」

理事長「だって、あなたのお母さんのお願いなんかより、うちの娘のお願いの方がよっぽどかわいいんだもん」

真姫「娘……まさか」

「「「真姫ちゃん!」」」

穂乃果、絵里、ことり、海未、凛、希、花陽、にこ「……」ズラーッ

真姫「みんな……」

601: 2016/02/27(土) 22:36:00.81 ID:gGvTsQgG.net
にこ「」ダキッ

真姫「にこちゃん……」

にこ「心配……したのよ」

希「真姫ちゃーん!」ダキッ

真姫「希……」

希「ウチ、寂しかったよー!」

花陽「よかった、よかったよぉ」ダキッ

真姫「花陽……」

凛「真姫ちゃん」ダキッ

真姫「凛……」

凛「凛は、凛は怒ってるんだよ!勝手にいなくならないでよ!」

海未「」ダキッ

真姫「海未……」

海未「あなたが無事なら……それだけでいいんです」

穂乃果「真姫ちゃん」ダキッ

真姫「穂乃果……」

穂乃果「これからは……ずっと一緒だよ」

絵里「真姫」ダキッ

真姫「絵里……」

絵里「何も言うことは無いわ……」

真姫「……」

絵里「冗談よ、本当に無事でよかった……」

602: 2016/02/27(土) 22:39:22.87 ID:gGvTsQgG.net
ことり「……」

真姫「ことり……」

ことり「……」

真姫「……」

ことり「初めまして!μ’sの南ことりです♪ちょっとお話良いですかー?」

真姫「!?」

真姫「ことり……なんのつもり?」

ことり「あれ?どこかであったことありますか?」

真姫「そう……なのね。あなたは、あなただけは記憶が……」

ことり「そっか、あなたが真姫ちゃんなんだね!私ね、初めてあった人でも、その人がどんな人かわかっちゃうんだ」

603: 2016/02/27(土) 22:41:15.25 ID:gGvTsQgG.net
ことり「真姫ちゃんって、歌は上手でピアノも上手だけど意地っ張りで面倒くさくて一人が好きなんですって空気を出してるけど本当は人一倍寂しがり屋でみんなから話しかけられたい思ってるけど自分から話しかけることは苦手だし照れ屋さんだから褒められると
本当はすごくうれしいのに別にって言って否定しちゃうところはあるけど素直になりたいとも思っててこの間までは自転車に乗れなかったんだけどそれをみんなに言うのは恥ずかしいから隠れて一人で練習してて……」

真姫「記憶が……違う!」

凛「こ、ことりちゃんもしかして……」

花陽「怒ってる……?」

604: 2016/02/27(土) 22:45:17.62 ID:gGvTsQgG.net
ことり「それで、みんなと仲良くなりたいって思ってるけど仲良くなることが怖いからとりあえず壁を作って様子を見ようとするけど思った以上にみんなが自分のことを気にかけてくれるからどうしたらいいのかわからなくなっちゃって
突っ張ってみようとするけど根はいい子だからそんな態度しか取れない自分のことを申し訳なく思ってるところはあるけどちょっとナルシストなところもあって一番かわいくて歌が上手いのは自分なんじゃないかと思ってるけどそんなことを言ったらみんなに
からかわれるかなーと思ってなかなか言えないけど誰かから真姫ちゃんが一番かわいいって言われたときに心の中では当然よって思ってて」

真姫「…うっ」

穂乃果、海未「…」ビクビク

605: 2016/02/27(土) 22:47:16.56 ID:gGvTsQgG.net
ことり「自分でも自分のことを頭いいと思ってるからみんながふざけて遊んでるのをバカにしたような目で見てるけど本当は仲間に入りたいっていうオーラがみんなにもわかるくらいに出ちゃってるからみんな気づいてないふりして誘ってあげるけど
真姫ちゃんはなんで私もって態度をとるからもうしょうがないなーって思うんだけどそれはそれとして真姫ちゃんはすごく純粋だから子どもみたいなところもあって今でもサンタさんを信じてるっていうのはびっくりしちゃったけど
サンタさんは本当にいるからこれからも信じ続けてほしいんだけど悪い人に騙されたりしないか心配になっちゃうところもあって」

真姫「…ことり」

606: 2016/02/27(土) 22:48:23.18 ID:gGvTsQgG.net
ことり「それなのになにかあったら自分ひとりで何とかしようとするところがあってこの間も一人で責任を取るって言って私たちがラブライブに出られるように色々細工してみんなの記憶を勝手に消して一人で戦うっていう自分勝手なことをして
みんなに心配をかけたのにやっぱり一人じゃ何もできなくて私たちが来なかったら今頃もしかしたら氏んじゃってたかもしれなくてそんなこともわからないなんて……」

真姫「…もういいでしょ!何のつもりよ!」

607: 2016/02/27(土) 22:50:33.65 ID:gGvTsQgG.net
ことり「でも……それでいいんだよ。それが真姫ちゃんなんだよ」ポロポロ

真姫「……」

ことり「私たち、真姫ちゃんのいいところも悪いところもいっぱい知ってるんだよ?真姫ちゃんの考えてることもわかるんだよ?」

ことり「カッコつけなくたっていいんだよ!」

穂乃果「意地っ張りで」

海未「気が強くて熱くなりやすくて」

凛「ちょっと変わってるけど」

花陽「優しくて」

希「面倒くさくて」

にこ「負けず嫌いで」

絵里「でも、本当はとってもいい子で…」

ことり「それが真姫ちゃんなんだよ!」

608: 2016/02/27(土) 22:54:38.37 ID:gGvTsQgG.net
ことり「私たち知ってるよ。真姫ちゃん一人じゃできないことがいっぱいあるって…。だから私たちを頼ってよ!きっと、みんなでやればなんだってできるから!」

ことり「……真姫ちゃん一人で戦うなんて嫌だよ!」

真姫「ことり……」

穂乃果「真姫ちゃん、どうして責任を取ろうなんて思ったの?私たち、最終予選の会場が襲われたことが真姫ちゃんのせいだなんて思ってないよ」

希「真姫ちゃん…ウチたちがラブライブに出られるように色々やってくれてみたいやけど……ウチ、真姫ちゃんなしでラブライブに出れたって全然うれしくない!」

花陽「ラブライブなんて別にいいの!私は真姫ちゃんと一緒にいたいの!」

真姫「穂乃果、希、花陽……」

610: 2016/02/27(土) 22:56:37.73 ID:gGvTsQgG.net
絵里「真姫、聞いて?私、大切なことは何をするかじゃない、誰とするかだと思うの」

真姫「誰と……するか?」

絵里「そう、私は歌うことが好き、踊ることも好き、でも、それはこの9人であってこそなの。この9人で一緒にできるからもっともっと好きになれるの」

凛「そうだよ!真姫ちゃんと一緒に踊るともっと楽しい!真姫ちゃんと一緒に食べるとラーメンはもっとおいしくなるんだよ!」

真姫「絵里、凛……」

にこ「真姫」

真姫「……」

にこ「私はみんなとは違う。あんたがいなくなろうが関係ない。私はアイドルを続ける」

真姫「…うん」

611: 2016/02/27(土) 22:59:09.04 ID:gGvTsQgG.net
にこ「だけど、私はラブライブで優勝したいの。そのためには……あんたが必要なのよ」

真姫「にこちゃん……」

海未「真姫、答えは決まりましたか?」

真姫「海未……」

穂乃果「一緒に…戦おうよ!」

真姫「私は……」

真姫「私は…戦う!みんなと…9人で一緒に!」



理事長「仲間って……いいものですね。西木野さん」

理事長「そんなところにいないで、こっちに来たらいいじゃないですか」

真姫母「そう……ですね」

理事長「娘さんのところに行かなくていいんですか?」

真姫母「私は……真姫ちゃんの好きにさせると決めましたから」

理事長「そういう素直じゃないところ、真姫ちゃんにそっくりですね」

真姫母「……親子ですから」

612: 2016/02/27(土) 23:03:37.78 ID:gGvTsQgG.net
真姫「みんな……ありがとう」

「「「……」」」ニコニコ

真姫「……?」

ことり「真姫ちゃん……と!」

真姫「え?」

ことり「と!……と!」

凛「ち!」

花陽「は!」

真姫「……」

海未「約束、忘れたとは言わせませんよ…」

真姫「もしかして……」スッ

にこ「おっかしいと思ってたのよねー、8人じゃどう並べ替えても言葉にならないし」スッ

絵里「何かが足りないとは思ってたけど……」スッ

希「真姫ちゃんが一番いいところを持ってたんやねー」スッ

海未「ふふっ、真姫がうらやましいです。私は『つ』ですもん」スッ

穂乃果「みんないくよ!」スッ

613: 2016/02/27(土) 23:10:01.65 ID:gGvTsQgG.net
お守り「」

穂乃果「僕!」

希「た!」

凛「ち!」

花陽「は!」

にこ「ひ!」

ことり「と!」

海未「つ!」

絵里「の!」

真姫「光……」



「「「僕たちはひとつの光!」」」

614: 2016/02/27(土) 23:15:09.97 ID:gGvTsQgG.net
―――――



エイリアンの大群「グワァァァ」

真姫「…超新星」

真姫「……」

真姫「もう……変身する力も残ってないのね…」

エイリアン「グォォ」

真姫「…でも」

穂乃果、凛、希、花陽「真姫ちゃん!!」

エイリアン「グァァ」

真姫「みんなが……」

絵里、にこ、海未「真姫!!」

真姫「みんなが一緒だから…」

ことり「…真姫ちゃん」ニコッ

真姫「…負ける気がしないのよぉぉぉ!!」

ダダダッ



つづく

619: 2016/02/27(土) 23:35:19.37 ID:gGvTsQgG.net
予告

真姫「私は絶対に勝つ!」

穂乃果「やった!」

ことり「真姫ちゃん!しっかりして!」

真姫「…全く効いてない」

「グォォォォ」

ことり「真姫ちゃん……ごめんね」

真姫「自爆……私ごとあいつを吹き飛ばす」

ことり「真姫ちゃんがそう決めたなら」

穂乃果「やろうよライブ」

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「みんなの気持ち、伝わったわ」



最終話「きっと叶うよ」

631: 2016/02/29(月) 21:29:11.74 ID:A0YQJlR4.net
最終話「きっと叶うよ」



真姫「はぁああ!」ドカッ

エイリアン1「ギャァア」ドカーン

真姫「せいっ!」バキッ

エイリアン2「」ドカーン

真姫「はぁ…はぁ」

エイリアンの大群「グワァァァ」

真姫「…キリがないわね」

エイリアン3「グォォォ」ブンッ

真姫「だけど……私には見えてる」カキーン

エイリアン3「」ドカーン

穂乃果「いけー!」

凛「パンチだ!」

海未「キックです!」

希「投げ技!」

ことり「がんばってねー!」

絵里「必殺技よ!」

花陽「真姫ちゃーーーん!!」

にこ「信じてるわよ!」

632: 2016/02/29(月) 21:32:02.15 ID:A0YQJlR4.net
真姫「…みんな叫び過ぎよ」

ワー! ダーッ! マキチャーン! ニャー! ワワワワッ!

真姫「何言ってるのか全然わからない……。でも!」バキィ

エイリアン4「」ドカーン

真姫「不思議と力が湧いてくる…」

真姫「みんなの言葉を聞いてると……力が」

エイリアンの大群「ガワァァァァ」

真姫「あなたたちなんかに…絶対に負けない!」

真姫「だぁあああ!!」ビュン

エイリアン5「」ドカーン

エイリアン6「」ドカーン

エイリアン7「」ドカーン

633: 2016/02/29(月) 21:36:56.74 ID:A0YQJlR4.net
真姫「はぁ……はぁ」

エイリアン8「」ドカーン

エイリアン9「」ドカーン

エイリアン10「」ドカーン

エイリアン11「」ドカーン

真姫「まだまだぁ!」

エイリアン12「」ドカーン

エイリアン13「」ドカーン

エイリアン14「」ドカーン

エイリアン15「」ドカーン

エイリアン16「」ドカーン

エイリアン17「」ドカーン

ことり「真姫ちゃん……すごい」

ドッッッカーーーン

……………

…………

634: 2016/02/29(月) 21:40:57.74 ID:A0YQJlR4.net
真姫「…くっ、はぁ…はぁ」

真姫「エイリアンは…全部倒した……。あなたで最後よ!」

ボスエイリアン「グルルルル」ビキビキ

真姫「はぁぁぁ!」

ガキーン

ボスエイリアン「グゥゥ」バキィ

真姫「くっ…さすがにやるわね」

バンッ ガンッ ドーン

穂乃果「私たちにも…何かできないのかな」

凛「見てるだけじゃ……ダメだよ!」

花陽「もっと……もっと真姫ちゃんの力になりたい!」

真姫「ぐぅっ!」

ボスエイリアン「ググゥ」

グサッ

真姫「うぁ…うっ」ポタポタ

635: 2016/02/29(月) 21:43:33.64 ID:A0YQJlR4.net
希「真姫ちゃんが押されてる…」

絵里「まずいわね……」

海未「…こうなったら私が戦います!この刀があれば…」キラーン

ことり「海未ちゃん、ダメだよ」

海未「ことり……」

ことり「私たちがあそこに行ったって…真姫ちゃんの足を引っ張っちゃうから……」

海未「くっ……」

花陽「でも、このままじゃ……」

凛「凛たちにできることなんて……ないのかな」

にこ「……歌うのよ」

凛「…歌?」

636: 2016/02/29(月) 21:46:07.15 ID:A0YQJlR4.net
にこ「あんたたち…なに弱気になってんのよ!」

絵里「にこ……」

にこ「私たちにできること…?そんなの初めからわかってるでしょ!私たちはアイドルなのよ!!」

にこ「穂乃果…アイドルの仕事は何か、言ってみなさいよ!」

穂乃果「…歌って踊って…人を笑顔にさせること」

にこ「わかってるじゃない!だったら悩んでる暇なんてないでしょ!?私たちは私たちのできることをすればいいの!!」

にこ「歌の力で……真姫を助けるのよ!」

希「にこっち…」

穂乃果「…そうだね!みんな、歌おう!」

花陽「でも、どの曲を歌ったら……」

にこ「決まってるでしょ…真姫のために歌うんだから…」

穂乃果「あの曲だね!」




637: 2016/02/29(月) 21:49:39.77 ID:A0YQJlR4.net
ボスエイリアン「グォォォァ」バシッ

真姫「うっ…」

「「「真姫ちゃーん!!!」」」

真姫(みんな……?)

♪『大好きだばんざーい! まけないゆうき』

♪『私たちは今を楽しもう』

真姫「……」

真姫(何よ急に…)

♪「大好きだばんざーい! 頑張れるから」

♪「昨日に手をふって ほら前向いて」

ことり「真姫ちゃーん!私たち、真姫ちゃんのことが大好きだよー!!」

真姫「……ふふっ」

真姫(…恥ずかしいこと言ってくれるわね)

ボスエイリアン「グルルルル」ビュン

真姫「はぁぁぁ!」バァァン

638: 2016/02/29(月) 21:56:39.84 ID:A0YQJlR4.net
ボスエイリアン「グギャッァ」

真姫「だぁぁあああ!」バキィィン

ボスエイリアン「ギャァァ」

穂乃果「やった!」

凛「真姫ちゃんが……」

花陽「エイリアンを押し返した!」

絵里「すごい…これが、歌の力……」

真姫「……」

真姫(…みんなバカね。歌の力でパワーアップ?そんなことあるわけないでしょ)

真姫(私が戦えるのは歌の力なんかじゃない。みんなの力なのよ)

639: 2016/02/29(月) 21:57:23.82 ID:A0YQJlR4.net
真姫(あなたたちみんなの思いが、私に力をくれるの)

真姫「私は一人で戦ってるんじゃない!9人で…みんなと一緒に戦ってるの!」

真姫「だから…私は絶対に勝つ!勝って、またみんなと一緒に歌うのよ!」

真姫「ジェネレーションジアース!」

ボゴォォォォンン

ボスエイリアン「グギャアアアアアアア」

バチバチバチバチバチ

ドッッカーーーーン



―――――

640: 2016/02/29(月) 21:59:51.24 ID:A0YQJlR4.net
人影「……」フラフラ

煙「」モクモクモクモク

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「みんな…」フラフラ

ことり「やった……真姫ちゃんが」

「「「真姫ちゃんが勝ったんだー!!!」」」

真姫「あり…が」クラッ

真姫母「」ダキッ

真姫「ママ……」

真姫母「ごめんなさい…こんなに苦しい思いをさせて」ポロポロ

真姫「……」

真姫母「あなたに……戦いなんてさせるべきじゃなかった」

真姫「……別にいいわよ」

真姫「だって、そのおかげで……」

穂乃果、ことり、海未、凛、花陽、にこ、希、絵里「…」ニコニコ

真姫「…みんなの笑顔が見られたんだから」



――

641: 2016/02/29(月) 22:02:33.66 ID:A0YQJlR4.net
にこ「真姫……あんたは最高のアイドルよ!」

海未「私は感動しました……」ウルウル

真姫「みんな……あっ」ガクッ

絵里「無理しないで、ゆっくり休んで」

希「真姫ちゃん、もう限界なんよ」

真姫「そうね……」

花陽「真姫ちゃん、よかったらおにぎり食べる?」

凛「とってもおいしいよ!」

真姫「ありがとう……」

穂乃果「ほらことりちゃん、何してるの?」

ことり「あのっ、えっと……」

642: 2016/02/29(月) 22:05:11.85 ID:A0YQJlR4.net
真姫「…ことり」

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「真姫ちゃん……私ね、すごく悲しかったんだよ?真姫ちゃんが勝手にいなくなっちゃって……。でも、これからはずっと一緒だよね!」

真姫「……」

ことり「……真姫ちゃん?聞いてる?」

真姫「……」

ことり「眠っちゃったの?」

真姫「……」バタッ

ことり「……違う!真姫ちゃん!しっかりして!」

真姫「」

穂乃果「真姫ちゃん息してないよ!」

ことり「真姫ちゃん!真姫ちゃん!」

643: 2016/02/29(月) 22:07:29.19 ID:A0YQJlR4.net
====

真姫(私……氏んじゃうのね)

真姫(まあ……結構いい人生だったかしら。短かったけど)

真姫(少なくとも……)

『まーきちゃん』

真姫(幸せ……だったわ)

むにゅ

真姫(あれ…何この感触……)

真姫(あったかくて…やわらかくて)

真姫(とろけそう……)

ことりの顔「」バァァアァン

真姫「!?」

644: 2016/02/29(月) 22:10:43.77 ID:A0YQJlR4.net
ことり「すぅーー……ふぅーーーーー」チュー

ことり「すぅーー……ふぅーーーーー」チュー

真姫「げほっ、げほっ」

花陽「ま、真姫ちゃんが……」

凛「生き返ったにゃあぁああああ!!」

ことり「……」チュー

真姫「こ、ことり……もういいから!大丈夫だから!//」

ことり「……//」

希「いやー、衝撃的なシーンやったね……」

にこ「ことりって…大人しいのかと思ってたけど意外と……」

穂乃果「だ・い・た・ん……」

絵里「何言ってるの。ことりの人口呼吸のおかげで真姫が助かったのよ?ことりに感謝しなくちゃ」

海未「破廉恥……ではありません。感動的な…口づけです……」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

645: 2016/02/29(月) 22:14:37.64 ID:A0YQJlR4.net
真姫「……ことり//」

ことり「真姫ちゃん//」



真姫母「南さん…」

理事長「西木野さん…」

真姫母「お互い、娘のすごいところを見ちゃいましたね……」

理事長「そう……ですね」

真姫母「初めて……ですよね?」

理事長「そう……ですね」

真姫母「これからは……家族ぐるみのお付き合いを」

理事長「そう……ですね」

真姫母「式はいつにしますか?」

理事長「女の子同士ですよ!?」

646: 2016/02/29(月) 22:17:45.54 ID:A0YQJlR4.net
真姫「ことり…あのっ、ありがとう……」

ことり「ああーん!恥ずかしいよぉー!!」タタタッ

にこ「すごい速さで逃げていったわね」

絵里「そりゃあ……ねえ」

希「ことりちゃんも乙女やね……」

穂乃果「ことりちゃん、そんな遠くにいないでこっちに来なよ」

ことり「…もう、さっきのことは忘れて!」

凛「あはは、ことりちゃん照れてるー!」

穂乃果「…んっ?」



ガガガガガ

穂乃果「何この音!?」

花陽「…みんな!あれを見て!」

真姫「え?」

647: 2016/02/29(月) 22:20:44.68 ID:A0YQJlR4.net
超巨大隕石「」ゴゴゴゴゴッ

絵里「なに……あれ」

真姫母「まさか……まだ終わってなかったっていうの?」

超巨大隕石「」ガガガガ

にこ「隕石の形が変わって……」

超巨大エイリアン「グギャアアア!!!」

穂乃果「怪獣に…なっちゃった!?」

海未「大きすぎます……」

希「100…いや、200メートルはあるよ!?」

超巨大エイリアン「グァァァ!」

ドッカーン ガッシャーン

「「「うわっぁぁぁぁ!!!」」」

超巨大エイリアン「グアァァァ」ボォォォォォ

山「」ドッカーン

真姫「あんな…あんなのと……」

真姫「どうやって戦えばいいのよ!」

648: 2016/02/29(月) 22:28:26.99 ID:A0YQJlR4.net
超巨大エイリアン「グォォォッォ」

ウァァァァ キャァーー イヤァー

真姫「くっ、行かなきゃ!」スタッ

ことり「真姫ちゃん!?」

絵里「無理よ!そんな体で!」

にこ「あんた氏にたいの!?」

真姫「でも……戦わないわけにはいかない」

真姫母「真姫ちゃん…やめて!あなたがそこまでする必要ないのよ!あなたはもう、普通の人間として生きていけばいいのよ!」

649: 2016/02/29(月) 22:29:03.40 ID:A0YQJlR4.net
真姫「ママ……」

真姫母「だから、みんなと一緒に逃げましょう?」

真姫「…それはできないわ」

真姫母「どうして!?」

真姫「決めたのよ、みんなと一緒に戦うってね。私は…みんなが笑っていられる世界を守りたい!」

真姫「みんな!一緒に戦うわよ!」

穂乃果「うん!」

650: 2016/02/29(月) 22:31:23.09 ID:A0YQJlR4.net
真姫「私にはもうほとんど力が残ってない」

真姫「あいつを倒せるとしたら……この一撃に全てを懸けるしかない」

真姫「みんな、私を信じてくれる?」

「「「もちろん!!」」」

真姫「行くわよ……」クラッ

真姫「あっ」ドタッ

凛「真姫ちゃん、もう走ることも…」

真姫「くっ……」

にこ「肩、貸すわ」ササッ

真姫「にこちゃん……」

651: 2016/02/29(月) 22:33:24.86 ID:A0YQJlR4.net
にこ「一緒に行くわよ!」

真姫「うん!」

タタタタタッ

超巨大エイリアン「グアァア」ボン

ガレキ「」ピューン

にこ「真姫は……私が守る」ガシッ

ドン

にこ「きゃぁ!」バタッ

真姫「にこちゃん!」

652: 2016/02/29(月) 22:36:17.03 ID:A0YQJlR4.net
にこ「私は大丈夫!早く行って!」

真姫「でも……」

絵里「安心して、ここからは…」

花陽「私たちが真姫ちゃんを支えるよ!」

真姫「二人とも……」

絵里「行くわよ!」

花陽「うん!」

タタタタッ

超巨大エイリアン「グォォォ」ブンブン

ドドドーン バキィ ドカーン

ガレキ「」ズラーーッ

倒れた木々「」ズラーーッ

653: 2016/02/29(月) 22:38:31.66 ID:A0YQJlR4.net
絵里「そんな…道が塞がれて」

花陽「これじゃ、怪獣のところに行けないよ…」



海未「諦めないでください!」

真姫「海未……」

海未「3人とも!今こそ修行の成果を見せるときです!」

希、凛、穂乃果「おぉー!!」

海未「木なんて切り倒す!ガレキなんて吹き飛ばす!真姫のために道を作るんです!」

穂乃果「うぁぁ!」ガシガシ

希「とりゃあああ!」バシバシ

凛「やぁぁあああ!」ドカドカ

海未「はぁあああ!」スパッ

真姫「みんな……」

絵里「真姫!行くわよ!」

654: 2016/02/29(月) 22:40:47.31 ID:A0YQJlR4.net
――――

真姫「絵里、花陽、もういいわ」

花陽「真姫ちゃん……」

真姫「下がってて、私の全力を叩き込むから」

絵里、花陽「……わかった!」

真姫「これで……終わりよ」

ことり「真姫ちゃん!いっけええ!」

真姫「ブレイキングザ・サン!」

バババババババッ

超巨大エイリアン「」

ドカアアアアーーン

655: 2016/02/29(月) 22:44:07.18 ID:A0YQJlR4.net
モクモク

超巨大エイリアン「……」ドシン ドシン

超巨大エイリアン「グォォォォ」

真姫「そんな……全く効いてないの?」

超巨大エイリアン「グォォォォ」バチバチ

シューーーー 

ピカー

絵里「まずい、何かするつもりよ!」

穂乃果「怪獣の角の周りに光が集まって…」

希「まさか……ビームとか?」

656: 2016/02/29(月) 22:45:05.78 ID:A0YQJlR4.net
超巨大エイリアン「ガァァァァァァ」

ビーーーーーーッ!!!!

ビル「」バリーン

ガシャーン

凛「ビルが……崩れて」

花陽「ことりちゃん危ない!」

ことり「きゃあーーー!」

真姫「ことり!」タタタタッ

海未「真姫!」

バラバラ ドーン

657: 2016/02/29(月) 22:47:42.64 ID:A0YQJlR4.net
ガレキの下

ことり「うぅ……」

真姫「ことり、大丈夫?」

ことり「真姫ちゃん……ごめんね。何回も助けてもらっちゃって」

真姫「何言ってるのよ。あなただって私を助けてくれたじゃない」

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「ことり、見て?」

ことり「?」

真姫「外が静かになった…あのエイリアンの活動が止まったのね。一時的にだろうけど……多分、さっきのビームで力を使い過ぎたのよ」

ことり「……真姫ちゃん、どうしよう?」

真姫「そうね、私はもう限界を超えてる。今すぐ熱暴走しそうだもの。でも、一つだけあいつを倒す方法がある……」

ことり「なに……?」

658: 2016/02/29(月) 22:51:53.01 ID:A0YQJlR4.net
真姫「自爆…、熱暴走してそのまま……私ごとあいつを吹き飛ばす」

ことり「そんなのダメだよ!」

真姫「ことり、もうこの方法しかないの。あいつが眠っている今のうちに…あいつの中心部を狙って自爆する。心配しないで、私のエネルギーを全部使えばあんなのバラバラに吹き飛ぶから」

ことり「そんなことしたら真姫ちゃんが……」

真姫「そうね」

ことり「どうしてそんなこと言うの!また一人で責任を取るっていうの!?」

真姫「違うわよ」

ことり「違くないよ!ずっとみんな一緒って言ったのに…また勝手にいなくなるつもりなの!」

真姫「違うの…今度は勝手じゃない。もうあなたたちの記憶を消したりなんてしないから」

659: 2016/02/29(月) 22:55:26.71 ID:A0YQJlR4.net
ことり「どうして…」

真姫「わかって、こうするしかないの。こうでもしないとあんな奴は倒せない。これが私の…やりたいことなの」

ことり「でも……」

真姫「今度は前とは違う、あなた達にきちんとお別れを言う。私は天国へ行くけど…私たちは氏んでも一緒よ。天国からあなたたちを応援してる。だから心配しないで」

ことり「……」

真姫「それに、私はもう一回氏んだようなものなのよ。事故にあって…改造人間になったときにね」

真姫「その私が…あなたたちと一緒に歌って、踊ることができた。こんなに幸せなことはないわ…。もう十分なのよ」

真姫「ことり、今までありがとう……」

ことり「そう……だね」

660: 2016/02/29(月) 22:56:58.37 ID:A0YQJlR4.net
真姫「わかってくれたのね」

ことり「真姫ちゃんがそう決めたなら、私も真姫ちゃんを信じる……」

ことり「わけないじゃん!」

真姫「ことり?」

ことり「どうしてわからないの!?私何回も言ったよ!?真姫ちゃんのバカ!」

真姫「なっ……」

ことり「ヤダヤダヤダヤだ!真姫ちゃんがいなくなるなんて嫌だ!」ジタバタ

真姫「ちょっと…ことり?」

ことり「真姫ちゃんのバカ!アホ!わからずや!」ジタバタ

真姫「子どもじゃないんだから……」

ことり「だって…真姫ちゃんがまた自分勝手なことしようとするから……」

真姫「……」

661: 2016/02/29(月) 23:00:01.97 ID:A0YQJlR4.net
ことり「真姫ちゃん前に言ってたよね、私たちの日常を守りたいって」

ことり「穂乃果ちゃんがいて海未ちゃんがいて凛ちゃんがいて、花陽ちゃんがいてにこちゃんがいて希ちゃんがいて、絵里ちゃんがいて真姫ちゃんがいて、9人全員がいて、それで初めて私たちの日常なんだよ!」

ことり「真姫ちゃんがいなくなったらダメなの!みんなが一緒じゃないとダメなの!!」

真姫「ことり……」

662: 2016/02/29(月) 23:00:53.19 ID:A0YQJlR4.net
ことり「だから真姫ちゃん……おねがぁい!♪♪」

ことり「私たちの日常を守って!9人で、笑っていられる日常を!」

真姫「……」

真姫「難しいこと言うわね……」

ことり「…できないの?」

真姫「……できないわけないでしょ」

ことり「…うん!」

バンバン

「真姫ちゃん!ことりちゃん!」

663: 2016/02/29(月) 23:03:33.31 ID:A0YQJlR4.net
ガラッ 

海未「二人とも……無事でよかったです」

真姫「みんな…」

凛「真姫ちゃん、捕まって」

真姫「うぅ…ありがとう」

花陽「ことりちゃんも」

ことり「うん……」

超巨大エイリアン「…」

絵里「今はあのエイリアンの動きは止まってるけど…正直、私たちにどうにかできる相手じゃないかもしれないわね」

希「どうしたらいいんやろう……」

真姫「大丈夫よ」

真姫「大丈夫、ことりと約束したから。私たちの日常を守るってね」

ことり「真姫ちゃん……」

664: 2016/02/29(月) 23:04:27.72 ID:A0YQJlR4.net
凛「真姫ちゃん、何か考えがあるの?」

真姫「何もないわよ」

凛「ないの!?じゃあ、どうするつもりなの…?」

真姫「さあ?それはあなたたちが考えてよ」

花陽「丸投げ!?」

真姫「だって言ってたじゃない、みんなを頼ってって」

真姫「私一人じゃどうにもできない…けど、みんなと一緒なら何とかなるんじゃない?」

「「「真姫ちゃん…」」」

穂乃果「…真姫ちゃん、私に考えがあるんだ」


―――――

666: 2016/02/29(月) 23:10:35.75 ID:A0YQJlR4.net
ワゴン車「」ブオーーーーン

車内

真姫「ねえ、どこに向かってるの?」

穂乃果「…学校だよ」

真姫「学校?どうして学校に…?」

穂乃果「…秘密。ついたらわかるよ」

真姫「…穂乃果、本当に大丈夫なの?今はエイリアンの動きも止まってるけど、いつまた動き出してもおかしくないのよ?」

ことり「真姫ちゃん、穂乃果ちゃんのこと信じてないの?」

真姫「そういうわけじゃないけど……」

667: 2016/02/29(月) 23:11:52.92 ID:A0YQJlR4.net
ことり「だったら穂乃果ちゃんを信じてあげて。私、穂乃果ちゃんを信じてダメだったことなんてないから」

真姫「…わかったわ」

理事長「着いたわ!」

真姫「……!?」

真姫「これは……」

668: 2016/02/29(月) 23:14:05.15 ID:A0YQJlR4.net
校庭

音ノ木坂生「」ズラーーーーーーーーーーッ

ワーキャー キャーキャー

ホノカー エリセンパーイ ニコチャーン

ハナヨチャーン リンチャーン ウミセンパーイ ノゾミチャーン

コトリチャーン マキチャン

ワー キャー キャー

真姫「どういうことなの…?」

穂乃果「驚いた?音ノ木坂の生徒全員に集まってもらったんだ。ヒデコたちに頼んでね」

ヒデコ、フミコ、ミカ「…」グッ

669: 2016/02/29(月) 23:16:01.23 ID:A0YQJlR4.net
真姫「でも……どうしてそんなこと」

絵里「音ノ木坂の言い伝え」

ことり「穂乃果ちゃんが前に話してくれたよね?」

真姫「えっ…?」

『実はこの学校、生きてるらしいんだ』

『この音ノ木坂学院には魂が宿ってるんだ。人を食べちゃうなんてうわさもあって……』

真姫「あの、学校が生きてるっていう話…?でも、あれはただの言い伝えじゃ……」

670: 2016/02/29(月) 23:17:09.37 ID:A0YQJlR4.net
穂乃果「ただの言い伝えじゃない、本当のことだよ」

真姫「……」

穂乃果「私勘違いしてたんだけど、学校は人を襲ってたわけじゃなくて…人を助けてたんだって。この学校を好きな人たちのことを…」

穂乃果「だから信じてみようよ、私たちが守ったこの学校を!信じればきっと、音ノ木坂だって答えてくれる!!」

真姫「学校が…答えてくれる?」

穂乃果「音ノ木坂を目覚めさせる条件はね、生徒全員の心を一つにすることなんだ」

穂乃果「私たちならそれができると思う。歌と、踊りの力で……」

穂乃果「やろうよライブ!みんなを、世界を守るために!!」



―――

671: 2016/02/29(月) 23:20:21.98 ID:A0YQJlR4.net
屋上

真姫「……」

ワーキャー キャー

穂乃果「ここからなら校庭のみんなが見えるね」

真姫「穂乃果……本当に」

穂乃果「真姫ちゃん、真姫ちゃんの願い事って何?」

真姫「何よ急に…」

穂乃果「みんなに向かって叫んでみてよ!」

真姫「…なんでそんなことしなきゃいけないのよ」

穂乃果「いいから、私を信じて!」

真姫「みんなと……一緒にいること」

穂乃果「それを叫んでみてよ」

真姫「っ……みんな聞いて!」

生徒たち「……」ザワザワ

672: 2016/02/29(月) 23:23:19.94 ID:A0YQJlR4.net
真姫「誰も覚えてないと思うけど…私は西木野真姫!μ’sのメンバー!」

ワー キャー

真姫「私は…みんなと一緒にいたい!μ’sの9人で…歌って踊りたい!!」

キャーー マキチャーン カワイイー

真姫「……//」

穂乃果「えへへ…」ニコニコ

真姫「穂乃果、どういうつもりなのよ」

穂乃果「…きっと叶うよ」

穂乃果「言葉にすれば…きっと」

真姫「それって……!」

穂乃果「覚えてるよね?私が真姫ちゃんと一緒に作った曲」

673: 2016/02/29(月) 23:28:12.03 ID:A0YQJlR4.net
『私と一緒に曲を作らない?詞を考えてみたんだけど』

『へえ…よくできてるじゃない』

穂乃果「いやー、やっぱりスーパー穂乃果はすごいね!最初からこうなることがわかってて、このときのために曲を用意してたんだもん」

真姫「穂乃果……」

穂乃果「真姫ちゃん、きっと叶うよ」

真姫「……」

穂乃果「えへへ!」ピース

海未、ことり「ふふっ!」ピース

花陽、凛「うん!」ピース

絵里、希、にこ「ふふっ!」ピース

真姫「……」ピース

674: 2016/02/29(月) 23:30:08.54 ID:A0YQJlR4.net
穂乃果「みんなー!準備はいいー!?」

生徒たち「「「おぉぉーー!!!」」」

穂乃果「一緒に行くよー!!」



「「「1」」」

穂乃果「…」ニコッ

「「「2」」」

ことり「…」ニコッ

「「「3」」」

海未「…」ニコッ

675: 2016/02/29(月) 23:33:50.40 ID:A0YQJlR4.net
「「「4」」」

真姫「…」ニコッ

「「「5」」」

凛「…」ニコッ

「「「6」」」

花陽「…」ニコッ

「「「7」」」

にこ「…」ニコッ

676: 2016/02/29(月) 23:34:29.95 ID:A0YQJlR4.net
「「「8」」」

希「…」ニコッ

「「「9」」」

絵里「…」ニコッ



穂乃果「ミューーーーーーーズ!」

「「「ミュージックーーーーースタート!!!!」」」

678: 2016/02/29(月) 23:44:00.32 ID:A0YQJlR4.net
♪「スキのちからで 飛んで飛んでみようか」

学校「」ゴゴゴゴゴッ

♪「そこになにかが 待っているから」

学校「」ガシャーン ガシャーン

♪「Oh yeah!」

巨大ロボ「」ゴゴゴゴゴ

穂乃果「完全合体、オトノキオー!」」

オトノキオー「」ドーン

にこ「いや、なんにも合体してないし」

穂乃果「いいんだよ!細かいことは気にしなくて」

♪「そうだよ…!」

679: 2016/02/29(月) 23:45:04.92 ID:A0YQJlR4.net
絵里「ていうかどういうことなの!?何で学校が巨大ロボになったの?」

ことり「…そういうものなんだよ」

希「それより……これどうやって動かすん?」

穂乃果「それは気合とかで…」

海未「気合でロボットが動かせるんですか!?」

♪「むずしいことなどわからない」

凛「見て!」

超巨大エイリアン「グォォォ」ズシズシ

凛「怪獣が動き出したよ!」

花陽「でもこっちは……」

オトノキオー「」ピーン

花陽「棒立ちだよぉ!?」

♪「だったら笑顔で語ろうかな」

680: 2016/02/29(月) 23:47:33.94 ID:A0YQJlR4.net
穂乃果「どうしようー!早くしないとやられちゃうよー!」

海未「穂乃果!あなたが弱気でどうするんです!そうです、きっと音声でコントロールするのではないでしょうか」

海未「オトノキオー!前進してください!」

オトノキオー「」ピーン

海未「……」

にこ「全然だめじゃないの!」

♪「ありがとう君に会えたから」

681: 2016/02/29(月) 23:48:56.61 ID:A0YQJlR4.net
超巨大エイリアン「グアァ」ズシズシ

絵里「ああー!エイリアンがこっちに来るー!?」

穂乃果「ひょええーー!」

真姫(どうしてかしら…こんなにピンチなのに……)

真姫(もうすぐ世界が終わるかもしれないっていうのに……)

真姫(みんなといるととっても楽しい)

真姫(みんなと会えて本当によかった……)

♪「本当によかった 楽しい日々だよ」

682: 2016/02/29(月) 23:50:55.05 ID:A0YQJlR4.net
穂乃果「うわー!」

真姫(穂乃果、あなたは本当にμ’sのリーダーよ。あなたを見てると…私も力が湧いてくる)

海未「穂乃果、落ち着いてください!」

真姫(海未……あなたは真面目だけど変なところでスイッチが入っちゃうのよね。ま、そこが良いんだけど)

♪「ほかにも伝えたい想い」

花陽「ど、どうしよう…ロボットを操縦しなきゃ」アタフタ

683: 2016/02/29(月) 23:52:09.15 ID:A0YQJlR4.net
凛「ライオンとかオオカミ?」

希「それは猛獣!」

凛「江戸時代の偉い人…」

希「それは老中!」

凛「とにかくロボットを動かさなきゃ…」

希「それは操縦…あってる!」

にこ「こんな時までふざけてんじゃないわよ!」

絵里「みんなしっかりして!」

真姫「……」

♪「あるような気がしてたけれど」

684: 2016/02/29(月) 23:56:58.22 ID:A0YQJlR4.net
ことり「穂乃果ちゃん、どうしよう…」

穂乃果「そうだ!」

穂乃果「踊ろうか♪」

ことり「そうだね♪」

海未「どうして踊るんですか!?」

穂乃果「うーん、なんかそうしたらいい気がして」

穂乃果「にこちゃんも言ってたよね。私たちにできることは歌って踊ることだって」

絵里「…そうね。穂乃果の言うことを信じてみましょう」

685: 2016/02/29(月) 23:57:49.36 ID:A0YQJlR4.net
穂乃果「そうだよ!」

穂乃果「踊ろうよ♪」

にこ「もっとね♪」

♪「リズムに乗って HEART to HEART to HEART!」

9人「」キレキレ

オトノキオー「…」ズシン ズシン

「「「う、動いたぁー!!」」」

686: 2016/03/01(火) 00:00:57.65 ID:7fRxpQHu.net
穂乃果「よーし、いけぇぇ!」

穂乃果「オトノキパーンチ!」

オトノキオー「オォー」ドシン

超巨大エイリアン「ギャアアアア」

にこ「にこにーキッーーーク!」

オトノキオー「ウゥー」ブゥゥゥン

凛「ちょっとダサくないかにゃ?」

にこ「なんですって!?じゃああんたが技名を考えてみなさいよ!」

凛「海未ちゃんが考えてくれるよ」

海未「どうして私なんですか!?」

超巨大エイリアン「グッァァァ」

希「ほら、早くしないとオトノキオーがやられちゃうよ?」

687: 2016/03/01(火) 00:03:15.14 ID:7fRxpQHu.net
海未「うっ……ラブアロー」

凛「ラブアロー禁止!」

海未「どうしてですか!?」

希「海未ちゃんそればっかりやもんね」

海未「そんなぁ…絵里、代わってください……」

絵里「私!?」

希「おっ、絵里ちのセンスも気になるね」

凛「絵里ちゃん早く早く」

絵里「え、ええっと……ハラショー」

凛、希「ハラショー禁止!」

688: 2016/03/01(火) 00:05:10.23 ID:7fRxpQHu.net
絵里「そんな……」

穂乃果「もういいから!踊ろうよ!」

絵里「そうよ!黙って踊りましょう!!」

希「絵里ち…穂乃果ちゃんのおかげで助かったね」



♪「スキのちからで 飛んで飛んでみようか」

オトノキオー「グォォォ」ドカッ

超巨大エイリアン「ギィィィ」

♪「そこになにかが 待っているから」

穂乃果、ことり、海未「」キレキレ

♪「スキのちからで 飛んで飛んでみたいって」

689: 2016/03/01(火) 00:06:09.27 ID:7fRxpQHu.net
絵里、希、にこ「」キレキレ

♪「言葉にすればそれは叶うよ」

凛、花陽、真姫「」キレキレ

♪「きっと叶うよ!」

♪「大きな声で叫んでみてよ」

穂乃果「オトノキキーーック!」キレキレ

オトノキオー「ウォォォ」ヒューー

ドーン

超巨大エイリアン「ギャアアア」

690: 2016/03/01(火) 00:13:37.26 ID:7fRxpQHu.net
―――

亜里沙「雪穂、あれは何?」

雪穂「いや…私にも何が何だか」

亜里沙「日本の学校はみんな巨大ロボになるの?」

雪穂「ならないよ!?」



――

こころ「あのロボット様…」

こころ「先ほどにっこにっこにーのポーズをしていました…」

こころ「きっとお姉さまのファンなのですね!」

こころ「さすがお姉さま!あんなに大きな方まで虜にしてしまうなんて!」

691: 2016/03/01(火) 00:15:54.64 ID:7fRxpQHu.net


真姫「」キレキレ

真姫(みんなといると本当に、本当に楽しい…)

真姫(ことり、約束は絶対に守って見せるわ。だって私たちは…)

♪「ユメのけしきを」

凛、花陽「みんな一緒!!」

♪「一緒に見よう」

絵里、希、にこ「みんな一緒!!!」

♪「スキのちからで」

穂乃果、海未「みんな一緒!!」

♪「一緒に見よう」

真姫、ことり「みんな一緒!!」

692: 2016/03/01(火) 00:17:34.76 ID:7fRxpQHu.net
♪「スキのちからで 飛んで飛んでみようか」

オトノキオー「オトノキパンチ」ドカッ

♪「そこになにかが 待っているから」

超巨大エイリアン「ギャアァ」

♪「スキのちからで 飛んで飛んでみたいって」

超巨大エイリアン「ゴォォ」シュゥーー

真姫(またビームを打つつもり?)

693: 2016/03/01(火) 00:19:56.91 ID:7fRxpQHu.net
♪「言葉にすれば それは叶うよ」

絵里(ビームなんて打たせない)

にこ(止めて見せる!)

♪「ユメのけしきを みんなみんな見たいと」

オトノキオー「グォォ」ガシッ

超巨大エイリアン「グゥゥゥ」

♪「ずっとまえから 願いをかけてたね」

オトノキオー「ゴォォォォ」ビキビキ

エイリアンの角「」バキィ

694: 2016/03/01(火) 00:21:01.99 ID:7fRxpQHu.net
凛(やった!角が折れた!)

花陽(これでビームは打てないはず…)

♪「ユメのけしきを みんなみんな見たいって」

穂乃果(よしっ!このまま…)

海未(一気に決めましょう!)

希(あとは任せたよ…お二人さん)

♪「言葉にすれば それは叶うよ」

ことり(真姫ちゃん…)

真姫(ええ、一緒に行くわよ)

♪「きっと叶うよ!」

♪「大きな声で叫んでみてよ」

695: 2016/03/01(火) 00:23:18.48 ID:7fRxpQHu.net
「「「私たちは」」」

「「「絶対に」」」

「「「9人で一緒に」」」

「「「勝ーーーーーーーつ!」」」

真姫、ことり「HEART to HAERT!」

オトノキオー「ウォォォオオ」シュゥゥゥ

ビィイーーーーーッ!!!

超巨大エイリアン「ウギャアアアアアアア」

バチバチバチバチバチバチバチ

ドドドドドドドド ドン ドン



ドドドドドッッッッカーーーーーン



――――――

696: 2016/03/01(火) 00:26:02.77 ID:7fRxpQHu.net
真姫「やった……」

「「「やったーーーーー!!!」」」

ことり「真姫ちゃん、本当にやったんだね……」

真姫「ええ、これで私たちは…ずっと一緒よ」

海未「奇跡が……起きたんですね」

穂乃果「まあ、こうなることはスーパー穂乃果には全部わかってたからね!」

「みんな!喜んでいるところ悪いけど…」

凛「こ、この声は……」

ことり「お母さん?」

「残念だけどまだ終わってないわよ!」

ことり「ええっ!?」

697: 2016/03/01(火) 00:29:21.06 ID:7fRxpQHu.net
「真姫ちゃん、聞こえる?」

真姫「ママ!?」

にこ「ていうか、理事長たちは校庭にいたはずでしょ!?どうやって話しかけてきてるのよ!」

理事長「私たちは校内放送を遠隔操作してあなたたちに話しかけているの」

希「なんでこっちの声も聞こえてるん!?」

理事長「それは私が理事長だからよ!」

真姫「意味わかんない!」

理事長「細かいことはいいの、それより、今地球にはあの超巨大エイリアンと同型の隕石がいくつも迫ってきているの」

花陽「そんなぁ!?」

698: 2016/03/01(火) 00:30:34.75 ID:7fRxpQHu.net
凛「せっかく倒したのに……」

海未「あと何体も同じようなものを相手にしなければならないんですか?」

真姫「ママ、隕石の数は!?」

真姫母「ざっと20億」

真姫「20億ぅ!!!?」

希「そ!」

凛「ん!」

希「な!」

凛「に!?」

海未「いくらなんでも多すぎます……」

絵里「そんな数の隕石が降ってきたら……」

凛「地球は終わりだにゃー!」

700: 2016/03/01(火) 00:34:02.44 ID:7fRxpQHu.net
理事長「そうよ!なんとしても、隕石が地球に来る前に破壊して!」

海未「そんな無茶な……」

穂乃果「大丈夫だよ!」

ことり「うん!穂乃果ちゃんの言う通りだよ!私たちならできる!」

海未「しかし穂乃果、どうやって宇宙から来る隕石を破壊するつもりなんですか?」

穂乃果「飛べるよ……」

にこ「はぁ?」

穂乃果「飛べるよ!いつだって飛べる、あの頃のように!」

にこ「あの頃っていつよ!?」

701: 2016/03/01(火) 00:36:47.12 ID:7fRxpQHu.net
穂乃果「オトノキブースター!」

オトノキオー「シュワッ」ビュン

ブォォォォォォ

凛「ホントに飛んでる!」

希「スピリチュアルやね……」

海未「日本が小さく見えます……」

絵里「あの島、本で見たことある!」

希「絵里ち、ちょっと静かにしよっか」

702: 2016/03/01(火) 00:38:15.92 ID:7fRxpQHu.net
花陽「うぅ…」

凛「かよちん、大丈夫?ロボット酔い?」

凛「もう、穂乃果ちゃんの操縦が荒いからだよ!」

穂乃果「ごめんごめん、酔い止め飲む?」

花陽「ありがとう…」

絵里「いやに準備が良いわね…」

真姫「なんか……バカみたいね」

ことり「…そうかな?」

703: 2016/03/01(火) 00:39:46.39 ID:7fRxpQHu.net
真姫「私は今まで必氏になって、命を懸けて戦ってきたっていうのに…」

星「」キラキラ

にこ「とうとう…宇宙まで来ちゃったわね」

絵里「とうっ!」ピョンピョン

希「絵里ち……?」

絵里「希!おかしいわ!宇宙なのに無重力じゃない!」ピョンピョン

希「どうしてしまったん!?頭でも打ったん?こんなの絵里ちじゃない!」

海未「絵里、希、落ち着いてください!」

704: 2016/03/01(火) 00:41:15.58 ID:7fRxpQHu.net
真姫「こんなふざけた人たちに……世界が救われちゃうかもしれないなんて」

真姫「バカバカしくて涙が出るわ…」ポロポロ

ことり「…悲しいの?」

真姫「悲しい……?うれしいのよ!」

ことり「…うん!」

真姫「ことり…」

ことり「真姫ちゃん…」

705: 2016/03/01(火) 00:42:57.56 ID:7fRxpQHu.net
真姫「穂乃果、ここからは私にやらせてもらえる?」

穂乃果「もちろん!」

真姫「みんな、ありがとう」

穂乃果、海未、凛、花陽、にこ、希、絵里「……」ニコニコ

真姫「みんなの気持ち、伝わったわ」

真姫「私たちは…こんなところで終わらない。むしろ…ここから始まるのよ」

706: 2016/03/01(火) 00:44:54.86 ID:7fRxpQHu.net
超巨大隕石の大群「」ゴゴゴゴゴ

真姫「行くわよ!」

真姫「Music S.T.A.R.T!!」

オトノキオー「グォォォ」ブォォォォ

ことり「いっけぇぇぇぇええええ!」





ドッカーン



―――――――

707: 2016/03/01(火) 00:51:30.83 ID:7fRxpQHu.net
………

……

部室

花陽「みんな、お茶が入ったよー」

ことり「ありがとう」

真姫、ことり、絵里「……」ズーッ

真姫、絵里「……平和ね」

ことり「お茶がおいしいね」

真姫「…そうね」

絵里「こんなにのんびりしていていいのかしら……」

真姫「まあ、学校がメチャクチャになっちゃったからね」

ことり「お掃除しなきゃね」

708: 2016/03/01(火) 00:52:24.94 ID:7fRxpQHu.net
真姫、ことり、絵里「……」ズーッ

真姫、ことり、絵里「…平和(だ)ね」

絵里「真姫、あなたのおかげよ。こんなに平和なのは」

真姫「…私じゃない、みんなのおかげよ」

絵里「…そうかもね」

ことり「でも、少し寂しいかな…」

真姫「なんでよ?」

ことり「今思うと少し楽しかったんだ、みんなで真姫ちゃんと一緒に戦ったことが」

絵里「そうね…いい思い出かもしれないわ」

真姫「まあ…そうかもね」

709: 2016/03/01(火) 00:54:16.83 ID:7fRxpQHu.net
ことり「あのまま戦いが続けばよかったかな?」

真姫「そんなわけないでしょ、平和が一番よ、平和が」

真姫、ことり、絵里「……」ズーッ

真姫、ことり、絵里「平和(だ)ね……」

ドア「」ガチャ

穂乃果「大変だよみんな!」

710: 2016/03/01(火) 00:57:18.95 ID:7fRxpQHu.net
絵里「どうしたの?」

穂乃果「海未ちゃんが怖いよ!」

海未「穂乃果!いい加減にしてください!」

真姫、ことり、絵里「……」ズーッ

真姫、ことり、絵里「平和(だ)ね……」

ドア「」ガチャ

穂乃果2「大変だよみんな!」

絵里「うん?」

711: 2016/03/01(火) 00:57:50.66 ID:7fRxpQHu.net
穂乃果3「大変だよ!」

ことり「あれ?」

穂乃果4「大変!」

真姫「は?」

穂乃果たち「「「私がいっぱいいる!!」」」

ことり「なにこれ……?」

絵里「ああ、お茶がおいしいわね」

海未「絵里!しっかりしてください!」

ダレカタスケテー!!

712: 2016/03/01(火) 01:00:52.28 ID:7fRxpQHu.net
真姫「花陽!?」

「うぅぅぅぅーー」

ことり「この声は!?」

穂乃果たち「「窓の外から聞こえたよ!」」

窓「」ガラガラ

巨大な目玉「」ヅォォォ

真姫「ひっ!?」

超巨大にこ「みんな~~」

ことり、穂乃果たち「にこちゃん!」

714: 2016/03/01(火) 01:01:34.42 ID:7fRxpQHu.net
真姫「な、なにがあったのよ!」

にこ「うぅ、軽い出来心だったのよ。ただ、もうちょっと大きくなりたいって思ったら……」

花陽「こんなに大きくなっちゃったのぉ!?」

にこ「あぁぁあ!顔が窓枠に挟まって抜けないぃー!」ジタバタ

真姫「何してるのよ!」

絵里「これは夢よ、そう…夢」

「もう、にこっちはあんぽんたんやね」

715: 2016/03/01(火) 01:03:50.01 ID:7fRxpQHu.net
海未「希!?」

ことり「あれ?希ちゃんの声がしたのに……」

穂乃果たち「「どこにもいないよ!?」」

凛「みんな大変だよ!希ちゃんが……希ちゃんが」

希「」ペラペラ

凛「紙になっちゃったんだよ!」

ことり「えー……」

716: 2016/03/01(火) 01:04:43.27 ID:7fRxpQHu.net
希「こんな私になっちゃったー♪」ペラペラ

希「いやー、よくあるやん?目が覚めたら奥行きがなくなってた!みたいな……」

海未「ありませんよ!」

絵里「もう、何がなんだか……」

花陽「希ちゃん、大丈夫なの…?」

希「大丈夫じゃない!」

凛「大変だっ……!」

717: 2016/03/01(火) 01:07:30.15 ID:7fRxpQHu.net
海未「希…こんな姿になってしまって…。私は、私は…」ポロポロ

希「あの海未ちゃん?ウチのために泣いてくれるのは嬉しいけど…ウチ、今紙なんよ」

海未「はい…」

希「涙でウチの体がにじんでるんやけど…」

海未「そんな…今すぐ乾かします!」

ヒーター「」

希「ちょっ、それはダメ!ウチが燃えるよ!わざっとやってるん!?このままじゃウチ、氏んでしまうよ!?」

718: 2016/03/01(火) 01:09:07.68 ID:7fRxpQHu.net
穂乃果たち「「うぅ…希ちゃん、氏んじゃいやだよ…」」ポロポロ

希「泣かないで!にじむ!体がにじむ!」

絵里「ああ…もう!どうしたらいいのよ!?」



希「助けて真姫ちゃん!」

真姫「うぇぇ!?」

719: 2016/03/01(火) 01:09:54.10 ID:7fRxpQHu.net
海未「真姫!」

超巨大にこ「まき~~~」ジタバタ

花陽「真姫ちゃん!」

凛「真姫ちゃん!」

真姫「うぇぇぇ!?」

絵里「ま~き~」ウルウル

穂乃果たち「「真姫ちゃん!」」

真姫「うぇぇぇ!??」

720: 2016/03/01(火) 01:11:01.10 ID:7fRxpQHu.net
ことり「真姫ちゃん♪」

ことり「おねがい♪♪」

真姫「……」

真姫「もう何なのよ!せっかく平和になったと思ったのに!!」

真姫「超新星!」






フフッ 



おわり

721: 2016/03/01(火) 01:11:40.81 ID:sPQzZkyX.net
おつ

722: 2016/03/01(火) 01:13:13.95 ID:TiWKMJnT.net
おつかれさまでした、たのしかったよー

引用: ことり「改造人間マキダー」