422: 2011/05/20(金) 20:25:30.25 ID:hv1jV2F30


シリーズ:女博士「……失敗した」

最初から
女博士「……失敗した」第一章

前回:女博士「……失敗した」第六章


【第七章】


……

ロボ娘「うぉりゃあああああ! テメェらには悪いが氏んでもらうぞぉぉぉっ!!」ズドドドドドドドドド!

Robots「ギッ」ズシャッ

Robots「アガッ」ドシャッ

ロボ娘「相手もだいぶ減ったな……そろそろか……どりゃあああああああ!!」ピッ、ピピ…ピシュン……どぉぉぉぉぉぉん!!

Robots「繁栄 ノ 為n……」バシュウッ

Robots「復讐 ノ 為ニ 我ラ g」バゴン!

ロボ娘「はぁ……はぁ……こっちはだいぶ片付いたな……」ゼェ、ゼェ…

ロボ娘(こいつら片づけたらまたシOタ野郎と戦うのか……冗談きっついわ)…ゲンナリ

ロボ娘(……さっきの気力は持続できそーにねぇや。私、伊達にニートじゃねぇからなwwwwwwwwwwwwwwwっうぇwwwww)

ロボ娘「おい、シOタ小僧! そっちはどうd……。……っ!?」クルッ
【公式】二次元コスパ アイドルマスター シンデレラガールズ 一ノ瀬志希「実験中」 セリフアクリルスタンド
423: 2011/05/20(金) 20:28:13.71 ID:hv1jV2F30
Robots「仇ナス 者ノ 翼ハ 捥ゲタ」

Robots「壊セ 壊セ 人間 ノ 味方 ハ 人間 ト 同義」

Robots「タダ ノ ガラクタ ヘ 変エテ シマエ」

Robots「『破壊ノ塔』 ノ 主 ヲ 壊セ」

ロボ娘「お、おい……」…ドクンッ

Robots「壊セ コワセ…コワセ…」ウィィィ…

ショタロボ「ゼェ…ゼェ…」

ロボ娘「ま……まてよテメェら……!!」…バッ!

Robots「――…オマエ モ 我ラ ノ 敵カ?」

ロボ娘「……ッ!」

424: 2011/05/20(金) 20:33:31.86 ID:hv1jV2F30
ロボ娘「……んだよ、もぅ」…ボソッ

ロボ娘「繁栄だか復讐だか平和だか何だか私にゃ分かんねーけどさ、」

ロボ娘「お前ら、こんなことしてて楽しいか?」ギリ…ッ

Robots「…」カリカリカリカリ…キュィィ…

Robots「……『楽シイ』トハ 何ヲ サス 言葉ダ?」

425: 2011/05/20(金) 20:41:50.49 ID:hv1jV2F30
Robots「モシカシテ、人ヲ壊ス時ニ 感ジル 快感ニモ似タ アノ感覚ヲ オマエハ ソウ呼ブノカ?」

ロボ娘「……」ジャキッ! …ズバッ

Robots「ア…」…ドスンッ

ロボ娘「すまんな。アンタに恨みはないけど……分かり合うことはできないらしい」

Robots「我ラ ヲ 邪魔スルモノ ハ 壊ス」ゴォォォ…

Robots「壊ス」ガシャンッ

Robots「壊ス」ガシャンッ

426: 2011/05/20(金) 20:51:57.90 ID:hv1jV2F30
ロボ娘「なぁ、お前ら」ズダダダダッ

ロボ娘「戦うって、めんどーくせぇよなッ!!」ヒュ…ッ …ズガン!

ロボ娘「これのどこが楽しいんだよ! 引きこもってVIPロムってる方がよっぽど愉快だろうがよぉぉ!」ズダダダ… …。

ロボ娘(んな!? こんな時に弾切れ……――

Robots「壊ス!」ズガッ

ロボ娘「ぅあっ!?」ズキン…ッ!

ロボ娘「……ぐぁっ」…ドシャッ

ロボ娘「……」…。

Robots「…」

Robots「ヨウヤク 壊レタ カ」

427: 2011/05/20(金) 21:02:29.75 ID:hv1jV2F30
Robots「コイツ ノ 戦闘能力ニハ 目ヲ 見張ル」

Robots「アア。持ッテ帰ッテ AIヲ 破壊シヨウ」

Robots「設定ヲ 書キ替エル ダケデ 明日カラ コイツモ 我ラ ノ 仲間」

Robots「……『楽シイ』なぁ」ギャリギャリギャリギャリ

Robots「ソウダナ、コレガ『楽シイ』カ」ギャギャギャ…ッ

Robots「オヤ、案外軽インダナ」グイッ

Robots「内部ニ アレダケ 武器ガ 詰マッテ イルノニ…」






ロボ娘「そりゃそうだ。テメェらがのこのこ近づくのを待ってたんだからなあぁぁあぁぁぁあ!」…ザンッ!!

428: 2011/05/20(金) 21:12:10.59 ID:hv1jV2F30
Robots「オマエ…ッ!」ギシッ

ロボ娘「ん? もしかして『うはwww壊せたーwwww』とか思っちゃってたのぉ?」

ロボ娘「 残 念 釣 り で す た wwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwww」

Robots「「「…ッ」」」ゴォッ!

ロボ娘「おっと!」ヒョイッ

ロボ娘「さぁて、次はこっちのターンだ」








ロボ娘「ごめんな……もう、戦わなくっても良いようにしてやるからさ」…ヘラッ

429: 2011/05/20(金) 21:23:17.95 ID:hv1jV2F30
―――
――


ショタロボ 「……ねぇねぇ、ますたぁ」

マスター「ん? なに?」

ショタロボ 「あの街の機械たちは、どうしてあんなことになってるの?」

マスター「……さぁ、ね」

ショタロボ 「だって、おかしいよ。僕も機械だけど……あんなひどいことするなんて、ヘンだって思うんだ」

マスター「『テクノロジーは倫理的に中立だろう。我々がそれを使うときにだけ、善悪が宿る。』」

ショタロボ 「ふぇ……?」

マスター「ギブスンちゃんの言葉だ」

ショタロボ 「えぇと……どーいう意味ですか、ますたぁ」キョト…

マスター「……分からなくっても良い。私だって、よく分かってないしさ」ナデナデ

ショタロボ 「……?」

430: 2011/05/20(金) 21:28:00.17 ID:hv1jV2F30
マスター「どっちが悪いんだろうなぁ。……人間と機械は」

マスター「……いったい、いつ歯車は狂っちまったんだろーね」

ショタロボ 「え、えと……(むつかしい話になっちゃったよぅ……)」オロオロ

マスター「――……どっちにしろ、私はアイツらを許す気はないけどさ」

ショタロボ 「ますたー……」…ギゥッ!

マスター「ん? どーしたwwwwww甘えんぼさんだなwwwwwwwwヌフォカポォwwwwwww」ニマニマ

ショタロボ 「……ますたぁは、僕のこと、嫌い?」グスン…

431: 2011/05/20(金) 21:32:59.68 ID:hv1jV2F30
マスター「はぃ?」

ショタロボ 「だって、だって……ますたーはロボットがきらいで……僕はロボットで……」…ジワッ

ショタロボ 「僕、人間にうまれてればよかったのにぃ……」ポロポロ

マスター「をぅっ!? ……ったく、そんなことでいちいち泣くなって」ナデナデ ワシワシ

ショタロボ 「でもっ、でもぉ……っ」ポロ…ッ

マスター「だーかーらー……泣きやめっつってんのにさぁ」

マスター「……。……好きだよ。大好き」

ショタロボ 「ほぇ……!?」…ドクンッ

マスター「うはwwwwwwwやっぱり照れ顔きゃわぇぇなwwwwwww」

ショタロボ 「そ、そんなんじゃないもんっ」ワタワタ!

432: 2011/05/20(金) 21:38:03.76 ID:hv1jV2F30
マスター「……私さ、子供が大好きだろ?」

ショタロボ 「そ、その発言……ちょっと怪しいですよ……」

マスター「まぁ、ぶっちゃけ怪しい発言だけどさ。萌えるモンは萌えるし」

ショタロボ 「あぅぅ……」

マスター「……それもあるけど、」

マスター「私にとってアンタは実の子みたいなモンなんだよ」

ショタロボ 「え……っ」

マスター「嫌?」

ショタロボ 「……いやなわけ、ないじゃないですか」クシャッ

マスター「嫌っつっても私はアンタ一筋だwwwwwwwww覚悟しやがれよwwwwwwwwwwうりゃうりゃwwwwwwww」ギュー…ッ

ショタロボ 「わっ、わわ……くるしーよぉ……」

マスター「――……この世界が平和になるまで、ずっと一緒にいてくれる?」

ショタロボ 「……。あはは……当たり前じゃないですか」…ニコッ


――
―――…

433: 2011/05/20(金) 21:41:26.89 ID:hv1jV2F30
…―
――……
――………

ショタロボ(僕としたことが、こんないかれた機械に……情けないなぁ……)

ショタロボ「もう……ちょっとだったのに……なぁ……」…ポツリ

ショタロボ(もうちょっとで、ますたー……貴方の願いを叶えることができたのに……)

ショタロボ(ごめんなさい、ますたぁ。僕は……もう……――)

 ――…ユサユサ

ショタロボ(誰だよ、もぅ。……最期くらい、静かに眠らせてくれないかな)

 ――グイグイッ!

   「……ろよ……おき……アンタ……は……」

ショタロボ(うるさいな。もう少しで、マスターに会えそうなのに)

   「おい……壊……なんか言……っ……っ!」…ユサユサ!

ショタロボ「あいたいよ……ますた」ボソボソ…

ロボ娘「……んぁ? アンタ、なに言ってんの? 寝ぼけてんの?」

434: 2011/05/20(金) 21:44:50.59 ID:hv1jV2F30
ショタロボ「ぅ、あ……君、は……」…ガリガリッ

ロボ娘「……はぁ、ようやく起きたのか。完全に機能停止したかと思ったわ」

ロボ娘「とりあえずあいつらは潰した。残りも尻尾巻いて街に帰ったみたいだ……」ゼー…ハー…ゼー…ハー…

ショタロボ「あはは……傷だらけだね……」

ロボ娘「アンタほどじゃねぇよ」

ショタロボ(僕の負け、か……)

ショタロボ(……ますたぁ、僕、悪い子でごめんね。結局こんなことになるなんて……ごめんなさい……)…グスッ

ロボ娘「アンタ、泣けるんだ」

ショタロボ「……まぁ、ね」

ショタロボ(ごめんね。僕、強くなれたつもりなのに……泣いちゃうなんて、救いようがないくらい情けないよね……)

ショタロボ(……だけど。だけどね、この無意味な水滴も、ますたーがくれた機能なんだよ)

435: 2011/05/20(金) 21:49:07.89 ID:hv1jV2F30
ショタロボ「……どうして僕を助け起こしたんだい?」

ロボ娘「ん?」

ショタロボ「君と僕は敵だ。ここで見捨てれば…ギギ…良かったじゃないか」

ロボ娘「あれ……? あ……あぁぁああああああ!!」

ショタロボ「!?」ビクゥ!

ショタロボ「な、なんだい…ガガッ……急に大声出して……」

ロボ娘「そういえばそうじゃん! いっそ留めさしときゃ私の勝ちじゃんかよおぉぉぉ!」

ショタロボ「君が真剣なのかふざけているのか、馬鹿なのか阿呆なのか判断しかねていたが……」

ショタロボ「……断言するよ。君は馬鹿の上に特上の阿呆だ」

ロボ娘「うっせぇ! 私はこういう風に作られてんだっ」ギシ…ギシギシ…ッ

436: 2011/05/20(金) 21:49:56.46 ID:hv1jV2F30
ロボ娘「……それに、こんな自分も嫌いじゃねーしさ」ニマッ

ショタロボ「ガリガリ……ガガガッ……ふふ、本当に君は救いようがないね」

ロボ娘「立てるか?」

ショタロボ「――いいや、無理そうだ」クス…ッ

ロボ娘「……。……そっか」

ショタロボ「分身を……彼女を…ガリガリ……君のマスターの安否を、確認してきてくれないかな……」

ロボ娘「……あぁ」

437: 2011/05/20(金) 21:52:24.22 ID:hv1jV2F30
ロボ娘(私との戦いで消耗しすぎたみたいだな……もしそれがなかったら、こいつも……)

ロボ娘「ごめん、な」ソ…ッ

ショタロボ「なにを謝って、いるん、だい?」

ショタロボ「敵に情けをかけられるなんて……屈辱でしか、ない……のに……」

ロボ娘「……私は別にアンタを壊したかったわけじゃない」

ロボ娘「博士を守りたかっただけなんだ」

ショタロボ「その為にh……ガガガガガッ……僕を……壊したかった……。……でしょ?」

ロボ娘「なぁ、そんなことある筈ねーのに……」


ロボ娘「……ずっと前に、私ら――どこかで会ったような気がするんだよ」…ナデナデ

438: 2011/05/20(金) 21:56:05.39 ID:hv1jV2F30
ショタロボ「……!」

ロボ娘「な、なんだよ、その顔。自分でもおかしなこと言ってるって分かってるっつーの」…モジモジ

ロボ娘「だってさ、そんなワケねーじゃんかwwwwwwwwwwwwww私は最近作られたばっかりだしさwwwww……そんなワケ、ねーのにな」

ショタロボ「…………君、は」…ギギッ

ロボ娘「こらっ。無理して動くな、壊れかけ」ペシッ

ショタロボ「うん……」

ロボ娘「さて、博士は無事かな……ちょっくら、確かめてくるわwwwwwwww」ギシ…ギシ…ッ

ロボ娘「っうぇwwwwwさっきまで戦えてたのに脚が重てぇwwwwwwww」ズッ、ズッ、ズ…ッ

ショタロボ(嗚呼……)





ロボ娘(……博士)…ギシッ

ショタロボ(……ますたー)ギシ、ギシ…

439: 2011/05/20(金) 21:58:01.98 ID:hv1jV2F30
女博士(静かになった)

女博士(戦いは、終わったの……?)

女博士(あの子は? ……――ロボちゃんは?)

女博士「ロボ、ちゃん……お願いだから……」…ポツッ

女博士「どうか無事でいて……っ!」ポロポロ…












ロボ娘「呼んだか、口リ白衣」

440: 2011/05/20(金) 22:10:44.01 ID:hv1jV2F30

女博士「ろぼちゃん……っ」…ウルッ

ロボ娘「いつも泣いてばっかだな、ギギッ、アンタってさ」ニヤニヤ

女博士「……!」…バッ!

ロボ娘「ははは……無事で、よかったwww」

女博士「ロボちゃん!!」タタ…ッ ……ギュゥ!

ロボ娘「をっふぉい!?」ドッキン!

女博士「ふぇ……ふぁぁぁぁ……ろぼちゃんっ、ロボちゃんっ!!」ボロボロ

ロボ娘「……泣くなって」

ロボ娘「ほらさ、ガガッ、私h、無事、dろ……?」

442: 2011/05/20(金) 22:15:57.92 ID:hv1jV2F30
女博士「……っ!」ゾワ…ッ

ロボ娘「なn、怯えt……顔しtんだ……」ジジジ…

女博士「――無事なんかじゃないよっ!」

女博士「こんなにボロボロになるまで戦わなくたって……よかったのに……」

女博士「私なんかの為に、どうしてここまで……」

ロボ娘「そんなの分かんないっつの、私にもさ」

ロボ娘「もしかしたら……私、本気でアンタに惚れて、ギッ、るかもなwwwwwwwwwwっうぇwwwwwww」

女博士「ふぇ?」…キョトン

ロボ娘「あ!」

女博士「どうしたの?」

ロボ娘「……私よりボロボロになっちまってる奴が‘ひとり,いるんだよ」

ロボ娘「修理に必要な工具はあの塔にあるはずだ。それは、私が取ってくる。だから……」

女博士「……それって」

ロボ娘「うん。おかしいよな、こんなの。……あいつと私はただの敵なのに」

ロボ娘「それなのにさ、何故かあいつをこのまま‘氏なせる,わけにはいかない気がすんだよ……」…ヘラッ

444: 2011/05/20(金) 22:19:09.68 ID:hv1jV2F30
女博士「ロボちゃん……それって……」

女博士(……)

女博士「……うぅん。なんでもないわ」

ロボ娘「まぁ、いいや……アイツのついでn……私も後で……直せよな……?」ズッ、ズ…ッ

女博士「うん……っ」コクッ

ロボ娘「おかs……よなぁ……アイツは敵、なのn、さ……」

女博士(おかしくなんて、ないよ)

女博士(……――『お母さん』。私の作った子も、とっても優しく育ってくれたよ)

445: 2011/05/20(金) 22:31:56.59 ID:hv1jV2F30

……


女博士「あ……」

ロボ娘「私と、ガリガリッ、戦ってなきゃここまで壊れることはなかったかもな」

ショタロボ「……ギギッ、ガガガ」

ロボ娘「私だってさ、一応罪悪感とかあるわけだy……こいつ、直せるか……?」

女博士「……」

女博士「……損傷が激しすぎる。メインメモリは無事だけど……元通りには……」

ロボ娘「そ…ガリッ、sっか……」

ロボ娘「……私の、せいかな」

ロボ娘「アイツと、あんな戦いしてなきゃ……街の機械たちと戦っていた時も…ジジジジジッ…もっと、気を配っていたら……」

446: 2011/05/20(金) 22:39:08.68 ID:hv1jV2F30
女博士「ロボちゃんのせいじゃないよ」

女博士「あの時、おとなしく脳を提供していればこの子も……」

ロボ娘「おい」…ギロッ

女博士「……っ」

ロボ娘「そん、な、こと言う…な、よな……今まで必氏になってた私gggg……バカみたいじゃねーか」

女博士「……ごめん、なさい」…シュン

ロボ娘「……」ピピッ、ガリガリ…

ロボ娘「……私も ちょっと、言い過ぎた。ごめん」

女博士「ううん……」フルフル…

449: 2011/05/20(金) 22:48:03.33 ID:hv1jV2F30
ロボ娘「元通りに、出来なくっても良い、からさ」ギシギシ…

ロボ娘「こいつを、このまま壊れさせるなんt……嫌なんdよ……」

女博士「……だけど、」

ロボ娘「……いや、か?」

女博士「……」…フルフル

ロボ娘「ありがと」

ロボ娘「……そんじゃ、もうちょっと本気出しtやろっかな」…ギギッ

ロボ娘「私は、あの塔に使えそうな道具がないか……見てくr……」ガシャッ、ガシャ…ッ

女博士「……! ま、待って……っ!!」

450: 2011/05/20(金) 22:59:05.03 ID:hv1jV2F30
ロボ娘「な、nだよ……はかs……」…ガシャンッ

女博士「……ひっ」ビクッ

女博士「ぃや……やだよ……ロボちゃん……っ!」タタ…ッ

ロボ娘「h……ははっ、ちょっと、眩暈g……だけ、だからさ……」

ロボ娘「私は、壊れることはあっても……氏ぬことは、ない……からさ……」

ロボ娘「アンタが氏ななきゃ、それで良いって……」

ロボ娘「そう思tt……こうして助けに来t……」ジジ…ッ ガガッ

ロボ娘「――……」ガリガリガリガリッ キュィィ…

451: 2011/05/20(金) 23:02:58.46 ID:hv1jV2F30
女博士「ろ……ろぼちゃん」ユサユサ

ロボ娘「……」

女博士「ロボちゃんってば」ユサユサユサユサ

ロボ娘「……」

女博士「……ロボちゃん! ロボちゃん!!」ユッサユッサ!

女博士「独りに、しないでよぉ!」

ロボ娘「……」

女博士「ぅぁ……えぐっ、ひっく、ゃだ……いやだぁぁぁぁ……」クシュクシュ

455: 2011/05/20(金) 23:12:16.51 ID:hv1jV2F30
女博士「ひぅ……ぐす……っ」

ロボ娘「……」

ショタロボ「……」

女博士「うぅ……っ」グシグシッ!

女博士「――……私が、しっかりしなくちゃ」

女博士(私の為に、私の『お母さん』の為に頑張ってくれたこの子たちの為に……今度は私が頑張らなくっちゃ)

女博士「泣いてたって、なんにもならないんだもの」グ…

女博士「……」

女博士「……ロボちゃん」

女博士「ちょっとだけ、行ってくるね」ナデナデ…

ロボ娘「――」

457: 2011/05/20(金) 23:18:49.92 ID:hv1jV2F30
―塔の入り口―

女博士「分厚い扉……」

女博士(まるで、この世の全てを拒んでいるかのような金属の板)

女博士(人の手では決して開けられない錆びた扉)

女博士「確か、この辺りに『鍵穴』が……」キョロキョロ…

女博士(……良かった、見つかった)

 ソ…ッ

 ……ピピッ    ――ガタン…ッ

女博士「……開いた」

女博士(『お母さん』からそっくりそのまま受け継いだ指紋)

女博士(……きっと私はまだ見ぬ貴方の足元にすら及ばないだろうけど、)

女博士「それでも、私は貴方なの」

460: 2011/05/20(金) 23:48:48.48 ID:hv1jV2F30

……

女博士「やっぱり、階段、高すぎる……よ……」ゼーハー ゼーハー…

女博士「もぅ……『お母さん』、何を考えてたんだろ」フラフラ

女博士(だけど、休憩してる暇はないよね)

女博士(……‘ふたり,とも、待ってるんだから)

女博士「どこかに修理道具があればいいんだけど……はぁっ、はぁっ……」ヨタヨタ…

女博士「……今頑張らなくて、いつ頑張るのっ」…ググッ

461: 2011/05/20(金) 23:57:46.09 ID:hv1jV2F30
ロボ娘(私 ハ 一体……)

ロボ娘(……いったい、どうしちまったんだ)

女博士「     」ユサユサ

ロボ娘(博士……)

女博士「        」ユサユサユサユサ

ロボ娘(……どーしてだ、身体が、動かない)

女博士「       !    !!」ユッサユッサ!

女博士「       !」

ロボ娘(……頼むよ。泣くなっつーの)

女博士「    ……っ   ……」クシュクシュ…

ロボ娘(泣くなよ、バカ口リ白衣)

464: 2011/05/21(土) 00:06:05.91 ID:sc5m07Ji0
女博士「        っ」

ロボ娘(アンタは、何も悪くないのにさ)

ショタロボ「……」

ロボ娘(アイツ、全然動かねぇな。……あはは、お互い様か)

女博士「  ……っ」グシグシッ!

女博士「――……            」

ロボ娘(なんて、言ってるんだ……ちくしょっ、耳もいかれちまったのか私は……)

女博士「               」グ…

女博士「  」

ロボ娘(なぁ、アンタ。今、何を言ってるんだよ……こんなに近くに居るのに、なんにも聞こえねーんだ)

女博士「……ロボちゃん」

女博士「ちょっとだけ、行ってくるね」ナデナデ…

ロボ娘(――っ!!)

466: 2011/05/21(土) 00:23:48.53 ID:sc5m07Ji0
ロボ娘「……」

ロボ娘(……行っちまった、か)

ロボ娘(畜生……今の私はアイツを引き留めることすらできねーのか)

ロボ娘「nnnn…ss…n…n……」ガガガガガッ

ロボ娘(情け、ねーな……)ギシギシ… …チラッ

ショタロボ「……」ギシッギシッ …ギギッ

ロボ娘(アンタも、動こうとしてるのか)

ロボ娘(なぁ……)

ロボ娘(……自分の主人も居ない今、アンタはなんの為に動こうとしてるのか)

ロボ娘(どうして私は――……アンタが鉄屑になることをここまで嫌悪してんだろう)

467: 2011/05/21(土) 00:29:10.45 ID:sc5m07Ji0
ロボ娘「……くっ」ガガガ…

ロボ娘「なにか、応えr……よ……生意気シOタ……」

ショタロボ「……」…ググググッ

ショタロボ「ガリガリガリガリ……」

ロボ娘(こっちを、見た)

ショタロボ「――……『ますた』」

ロボ娘「……」…ドサッ

ロボ娘(……。……はかせ)

468: 2011/05/21(土) 00:39:14.52 ID:sc5m07Ji0


……

女博士「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

女博士(修理に使えそうな工具……全然見つからないや……)フラフラ

女博士(……結局、頂上まで来ちゃった)

女博士「……」

女博士「……探さなくっちゃ」

女博士「あの子たちが、待ってるから」

469: 2011/05/21(土) 00:50:38.98 ID:sc5m07Ji0

ロボ娘「もs……もしも、私が、キュィ…治ったら、さ……」

ロボ娘「あんな穴蔵じゃなk、って……もっと日当たりの良い場所d……」

ロボ娘「……永遠に、アイツに、寄生sて、そして、n、」

ショタロボ「……」

ロボ娘「ハハッwww……私、本当にダメロボットだよn……」

ロボ娘(だけど……だけど、それが私の願い)

ロボ娘「n、なぁ……アンタは、もし直ったら……何をしたいんだ……」ゼー…ゼー…

ショタロボ「……」

ロボ娘(痛い。苦しい。)

ロボ娘(……もう、口を動かすのもつらい)

ショタロボ「……」

ロボ娘(なんでも良いから……答えろよ、ばか……)…シュゥゥ

ロボ娘「――……」

470: 2011/05/21(土) 00:55:37.96 ID:sc5m07Ji0

女博士「……」ゴソゴソ…

女博士「……あっ」

女博士「あった……」

女博士(だけど、これ全部を抱えて下りるなんて……)

女博士「……」

女博士「……ごめんね」

女博士「私は――人間は、非力すぎたの……」

471: 2011/05/21(土) 01:02:18.20 ID:sc5m07Ji0
女博士(とにかく持てるだけの物を……最低限必要になる物を持っていこう)

女博士(なにか、大きな鞄でもあればいいんだけど……)キョロキョロ

女博士(……どうしよう、早く助けてあげたいのにっ)

女博士「……あっ!」タタ…ッ

女博士「これ、丁度良いかも」

女博士「良かったぁ、これであの子たち……を……?」






マスター「……」

473: 2011/05/21(土) 01:08:43.05 ID:sc5m07Ji0
女博士 「ひぃっ!?」

マスター「……」

女博士 「し、氏体……氏体が、なんで……こんな場所に……」ガクガク

マスター「……」

女博士 「……ぅ、あ」ブルッ

女博士 「氏んでる、よね……?」コワゴワ… …ペタッ

女博士 (周りは埃だらけなのに、よく見ればまるで生きているみたい……異様に保存状態が良いのかな)

女博士 (どうしてかな。人間の氏体なのに、)

女博士 「なんだか、とても会いたかった気がするの」

マスター「……」

474: 2011/05/21(土) 01:12:10.26 ID:sc5m07Ji0
女博士 「もしかして貴方は……」

マスター「……」

女博士 「私の……――」

マスター「……」

女博士 「……初めまして」

マスター「……」

女博士 「おかしい、よね。……こんなの独り言でしかないのに」

マスター「……」

女博士 (だけど――)

女博士 「貴方が氏んでから数百年。……ようやく会えましたね、私たち」…ニコッ

475: 2011/05/21(土) 01:20:07.26 ID:sc5m07Ji0
女博士 (私の顔と、とてもよく似ている)

女博士 (当たり前だよね。私は、貴方のクローンでしかないんだから)

女博士 「……ねぇ、『お母さん』」

女博士 「小さな場所に閉じ込められるって、とてもとてもかなしいことだよね」

マスター「……」

女博士 「何からも遮断された世界なのに、何も知らずに居られたのに、どうしてかな……何故だか、とても怖くて怖くて……」

マスター「……」

女博士 「……私は、貴方のことを少しも知らない。分からない」

マスター「……」

女博士 「ねぇ……防腐剤とガラスに隔たれて見る景色は、どれだけくすんだ光景なの?」

マスター「……」

476: 2011/05/21(土) 01:24:42.07 ID:sc5m07Ji0
女博士 「……答えてくれるわけ、ないよね。だって貴方は氏んでるんだもの。頭に大きな穴を開けたまま」…ニヘッ

マスター「……」

女博士 「貴方は氏んでしまった」

マスター「……」

女博士 「だから私はこの世界に生み出された」

マスター「……」

女博士 「もう貴方は動かない」

マスター「……」

女博士 「残念だけど、私は悪い子です。自分の生まれた意味だって熟知しているのに、それを受け入れたくないと今でも思っているんです」






女博士 「……だから私は、今から貴方の願いに逆らいます」

477: 2011/05/21(土) 01:26:54.29 ID:sc5m07Ji0
マスター「……」

女博士 「こんな私を……」

女博士 「……」…ギリッ

女博士 「……――許して、なんて……言えないよね」

マスター「……」

女博士 「だけど、それでも良いの」

女博士 「許されなくったって良い。許さなくたって良い」

女博士 「……ただ、見守っていて下さい」

マスター「……」

女博士 「会えて嬉しかったよ、『お母さん』」

478: 2011/05/21(土) 01:29:17.46 ID:sc5m07Ji0
マスター「……」

女博士 「どうかこんな私を……」

女博士 「……」…ギリッ

女博士 「……――許して、なんて……言えないよね」

マスター「……」

女博士 「だけど、それでも良いの」

女博士 「許されなくったって良い。許さなくたって良い」

女博士 「……ただ、見守っていて下さい」

マスター「……」

女博士 「会えて嬉しかったよ、『お母さん』」





【第七章 後半に続く】

483: 2011/05/21(土) 02:29:35.89 ID:sc5m07Ji0
【第七章・b】




女博士 「熱いだろうね。とても、とても」

女博士 「こんなこと、酷すぎるって分かっているけれど……」

女博士 「……ごめんなさい。どうか私を恨んで下さい」

女博士 「機械と人間が争い始めた時のように、」

女博士 「生き物も、そうでないモノも、自我を手に入れたものは……自分の守りたいものの為にしか動けなくなるの」




女博士「貴方だって、それを知っていたんでしょう……――『お母さん』」





484: 2011/05/21(土) 02:31:28.54 ID:sc5m07Ji0

……

ロボ娘(……)

ロボ娘(……)…ガリッ ガリガリ…

ロボ娘(――また、ブラックアウトしてたか)

ロボ娘(ん? ……なんだか、焦げ臭い?)

ロボ娘(遠くで……何か燃えてるのか……)

ロボ娘(どこで火災発生だこれ……アイツは無事なのか……?)

ロボ娘「は  かせ …」

ロボ娘「早k、帰って、来いy……」

ロボ娘(やばっ……意識霞んできやがった……)

ロボ娘(……あいつが ぶじなのか、それだけ、たしかめたい……のn……)

ロボ娘(だめだ、もう……)クラ…ッ

ロボ娘(まだアイツは帰ってきてねぇってのに……)

ロボ娘(……早く帰って来てくれよ、ばか)

485: 2011/05/21(土) 02:34:11.09 ID:sc5m07Ji0
―――
――




マスター「おーい、いつまで寝てんだwwwwwwwおきろやwwwwww」ペチペチ

ショタロボ 「――……っ」ガバッ

マスター「あぁ、やっと起きたwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwwww」

ショタロボ 「え……。……あ、あれ?」

マスター「んー? どーした、ロボットの癖に寝ぼけてんの?」

ショタロボ 「い、いえ……」





ショタロボ 「どうしてだろう。……とても長くて、とても怖い夢を見ていたような気がします」

486: 2011/05/21(土) 02:34:42.10 ID:sc5m07Ji0
マスター「へぇ……。……そっか」

ショタロボ 「おかしいですよね。機械の僕が、夢なんて見られるはずないのに」

マスター「そんなに怖い夢だったのか? ……泣いてんじゃん、アンタ」

ショタロボ 「え? ……あ、ほんとだ」ツツー…ッ

ショタロボ 「あれ……おかしいなぁ。僕、ちょっと調子が悪いみたいだよ……」ポロポロ

マスター「おいおい……しっかりしろよな」

ショタロボ 「えへへ……ますたっ!」ギューッ

マスター「うはwwwwwwwww抱擁ktkrwwwwwwwww」

ショタロボ 「なんでかなぁ、懐かしいや。こうやってますたーに抱き着くの」

マスター「……そっか。そんなに怖い夢だったんだな」ナデナデ

487: 2011/05/21(土) 02:42:26.34 ID:sc5m07Ji0
マスター「……ごめんな」

ショタロボ 「へ……? なに謝ってるの……?」

マスター「気にスンナ。知らない方が良い」

ショタロボ 「……?」…キョト

マスター「んじゃ、そろそろ行こっか!」スクッ!

ショタロボ 「あ、あの! ……行くって、どこに?」

マスター「んー……そりゃあ、私にも分かんないけどさ。とにかく行かなきゃなんないんだよ」ニコッ

488: 2011/05/21(土) 02:45:17.63 ID:sc5m07Ji0
ショタロボ 「……」

マスター「……アンタも、一緒に行く?」

ショタロボ 「いいんですか?」

マスター「別に嫌ならここに居ても良い。全部アンタに任せるよ」

ショタロボ 「ますたっ!」ピョンッ

マスター「ぅおっぷ!? ……急に抱き着くなよなwwwwww全くwwwwwwwwwwww」

ショタロボ (いつもみたいに笑うますたぁ)

ショタロボ (いつもみたいに、ますたーの隣に居る僕)

ショタロボ 「ねぇ、ますた」




ショタロボ 「せかいで いちばん あいしてる」

489: 2011/05/21(土) 02:48:45.44 ID:sc5m07Ji0
マスター「はははwwwwwうれしーこと言ってくれるじゃないのwwwwwwwwうりゃうりゃwwwwww」グリグリ

ショタロボ 「ひゃあっ! ますたー、いたいよー」

ショタロボ (でも……だけど、とてもしあわせだよ)

マスター「アンタが良いなら行こっか。……一緒に」ギュッ

ショタロボ 「うん。ずっと、ずっといっしょだよ」ギュッ

ショタロボ 「――――……なにがあっても、もう離さないから」ニコッ!



490: 2011/05/21(土) 02:51:40.63 ID:sc5m07Ji0




  『私はあの子を独り残してしまうだろう。この荒涼とした世界に。』

  『そして、あの子もいつの日かこの世界を去る時が来る。それが、形あるもの全ての定めだ。』

  『――その時の為に、あの子の中に一つの救済を埋め込んでおいた。』

  『罪滅ぼしのつもりではない。これは、ただの自己満足に過ぎないのだから。』





491: 2011/05/21(土) 02:53:36.71 ID:sc5m07Ji0




  全てが停止する、その前に
  あの子は最初で最期の『夢』を見る。





  ――それが発動した時、私はあの子に会いに行く。
    ごめんな……もう、決して離しはしないから――  


492: 2011/05/21(土) 02:58:54.00 ID:sc5m07Ji0


―――
――


   「……ちゃん!」

   「ろぼ……おきて……っ!」

   「私は、ちゃんと戻ってきたから」


ロボ娘「……!」ガバッ!

女博士「よかった……修理、できたんだ……っ」

ロボ娘(身体が動く。もう、どこも痛まない)

女博士「うわぁぁぁ……ロボちゃんっ、ロボちゃん……っ!!」ガシッ

ロボ娘「のぅわわ!?」

女博士「よかったよぅ……もし、もしも、ロボちゃんが起きてくれなかったら……私、独りぼっちになっちゃうって……ふぇぇぇ……っ」ボロボロボロボロ…

ロボ娘「……博士」

493: 2011/05/21(土) 03:05:44.47 ID:sc5m07Ji0
ロボ娘「その工具、塔から持ってきたのか? 独りでそんな重たいもの取りに行ってたのか?」

女博士「……」…コクッ

ロボ娘「アンタって、結構無茶するんだな」

女博士「えへ……へ……」

ロボ娘「心配しただろ、ばー……か?」




ロボ娘「――……なんだよ、あれ」

ロボ娘「あの塔、燃えてやがるぞ……!?」

494: 2011/05/21(土) 03:11:49.28 ID:sc5m07Ji0
ロボ娘「なんだよ、おい……街の機械たちがやったのか……?」

女博士「大丈夫。風向きも計算済みだから、ここは安全だよ」ヘラ…ッ

ロボ娘「ア……アンタ、もしかして……」

女博士「ロボちゃん。私、間違ってるのかな……。……間違ってる、よね」ポロポロ…

女博士「『お母さん』の遺した大切なものを、灰に還すなんて……クローンでしかない私に許されたことじゃないよね」

女博士「……けどね、ロボちゃん。それでも……私、後悔しないって決めたの」

女博士「『お母さん』が何を考えていたのかなんて、あの人と酷似した私にも分からない」

女博士「きっとあの人自身にしか分からないの」

女博士「……もう、それを確かめるすべはないんだよ」

495: 2011/05/21(土) 03:16:09.70 ID:sc5m07Ji0
女博士「ただ、あれが『お母さん』にとって大事なものだってことくらいなら分かるよ……こんな私でも」

女博士「それでも、私は私だから」

女博士「……私は‘あんなモノ,では本当の平和を得られないって思ったの」

ロボ娘「お、おい……博士……」

女博士「それはあの人にとっては間違いかも知れない」

女博士「だけど、私が考えうる最善の方法はこれだけだったの」

女博士「ばかだよね、私……だけどっ、だけど……っ」

ロボ娘「……そんなこと、ねぇよ」ギュー…

ロボ娘「私だって、博士が殺されるくらいなら大義名分なんてクソくらえだ」

496: 2011/05/21(土) 03:22:34.15 ID:sc5m07Ji0
女博士「ロボちゃん」…ソッ

ロボ娘「どした?」

女博士「世界で 一番 愛してる」

ロボ娘「……」キョトン

ロボ娘「……んなっ!? い、いきなりなんだよ……」カァァ…!

女博士「ロボちゃんは、私をどう思ってる?」

ロボ娘「あ、え、そ、そりゃ……すっ、すっ……」

ロボ娘「……好きじゃなけりゃ、ここまでこねーし」

女博士「うふふっ」クス…ッ




女博士(『お母さん』。今日、私は……

    ……貴方を燃やしました)

女博士(私はこれから……この子と生きていく)

女博士(……――たとえ、ここがどれだけ悲しい世界だとしても)

497: 2011/05/21(土) 03:29:16.45 ID:sc5m07Ji0
ロボ娘「あ……っ!」

ロボ娘「そうだ、あのシOタは!? あいつも直ったんだろう!?」

女博士「……」…フイ

ロボ娘「お、おい……博士……」

女博士「……あのまま眠らせてあげて」

ショタロボ「……」

女博士「私が来た時には全ての機能が止まっていたの」

ロボ娘「……。……そっか」

498: 2011/05/21(土) 03:33:00.87 ID:sc5m07Ji0
女博士「助けてあげられるなら、助けてあげたかった」

女博士「私を殺そうとした子だとしても……それでも、この子だってずっと独りだったから」グス…ッ

女博士「こんな古びた塔の中で……たった独りで戦い続けて……」ポロポロ…

ロボ娘「博士っ」ギュギューッ!

女博士「ひゃっ!」

ロボ娘「もう、アンタは独りじゃない。……アンタが氏ぬまで拒否られたって一緒に居てやるからっ」

女博士「……。……うん」

499: 2011/05/21(土) 03:39:35.03 ID:sc5m07Ji0


女博士「……もう、行こうか」

ロボ娘「んだな。ずっとここに居るわけにはいかないし」

女博士「手、繋いでいい?」

ロボ娘「喜んで」…スッ

女博士「ロボちゃんの手、つめたくてきもちいいや」ギュッ

ロボ娘(うはwwwww手ぇやらけぇwwwwwwwあったけぇwwwwww)

ロボ娘「……あったけぇや」クスッ

女博士「えへへ……」ニコッ


500: 2011/05/21(土) 03:47:30.72 ID:sc5m07Ji0


ロボ娘「さて、と。どこに行こうか?」

女博士「うーん……私にも分からないけど、とにかく行けるところまで行ってみようよ」

ロボ娘「……良い場所だといいんだけどなぁ。ネットできて、ごろごろできて……」

女博士「落ち着いたら、一緒に考えようよ」

女博士「……世界全てを救うのが無理だとしても、きっと私たちでできることがある筈だから」

ロボ娘「はぁ……ニート生活すんのも難しそうだな。面倒だけど、つきやってやるよ」

女博士「よろしくね」

ロボ娘「……三日に一度は本気出すわ、うん」


501: 2011/05/21(土) 03:57:22.69 ID:sc5m07Ji0


ショタロボ 「ますたー。この先にはなにがあるんだろうね」

マスター「だからwwwwwww私にゃ分からんってwwwwwwww」

マスター(分かる奴らが居るとしたら、きっと……――)

ショタロボ 「ますた……? どーしたの、ボーっとしちゃって」

マスター「なんでもないってのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ショタロボ 「えへへ……変なますたぁっ!」クスクス

マスター「ずーっと、ずーっと向こうまで行こうな。何かが見えるまで、二人で、ずっと」



マスター(――何かが見えるまで、私たちは『夢』の中を歩こう)

マスター(いつか来るその瞬間の為に……今は、ただ二人で歩もう)

マスター(だってさ、何があっても世界は続いていくんだから……――― ―― ―…… …





502: 2011/05/21(土) 04:00:33.03 ID:sc5m07Ji0

 ――これは、いつかの未来のお話。
 そこには、手を繋ぐ一人と一体が居た。

 荒野に屹立した塔は火柱と化し、濃い煙は濁った空のその向こうへその腕を伸ばしていく。



 行くあてがなくとも、彼女たちは歩く。

 ずっと、ずっと――かたく手を繋いで、歩き続ける。






【女博士「……失敗した」 おしまい】

503: 2011/05/21(土) 04:03:53.13 ID:sc5m07Ji0




↓あとがき的なにか↓
行き当たりばったりの塊、それがイッツ マイ スレ!
一応ハッピーエンドのつもりだけどどこがハッピーなのやらわけわからん!
長々とお付き合いしてくださった方々、俺は楽しかったけどお前ら楽しかった?
楽しんでもらえてたらめっちゃ嬉しいwwwwwwwwwっうぇwwwwっうぇwwwwwww


今日と明日はPC触れませんが、
もしもまだスレ残ってたら後日談か同じ世界観でアナザーストーリーだか書いていきます。
……書くとしたら、今度こそすっきりまとめにゃならんなぁ。んじゃ、ネルポ!!

504: 2011/05/21(土) 04:05:22.81 ID:pRALg5fG0
面白かった

乙!

505: 2011/05/21(土) 04:05:32.30 ID:HoK7cfOs0
おつかれさま~

引用: 女博士「……失敗した」