1: 2016/07/22(金) 02:11:51.63 ID:wIzUVgGW0
※ウルトラマンオーブの変身アイテム「オーブリング」ネタ
光「何だそれ? 新しい発明か!?」
晶葉「その通り。そら見ろ!」バーン
光「! そ、それは……ウルトラマンオーブの変身アイテム『オーブリング』……」
晶葉「違う。『ヒカルリング』だ」
光「見た目は完全に同じだけど……」
晶葉「形状が一致していても原理が違えば別物なのだ!!」バンッ!!
光「は、はいっ!」ビシッ
晶葉「よろしい。で、このヒカルリングだが――」
光「アタシの名前が入ってるのは何故なんだ?」
晶葉「いいところに目をつけたな」
光「いや普通最初に気付くと思うけど」
2: 2016/07/22(金) 02:12:36.76 ID:wIzUVgGW0
晶葉「これはお前へのプレゼントだ。だから光の名前を入れた」
光「アタシへのプレゼント? 突然どうして」
晶葉「デレステ実装記念だ」
光「でれすて……? 何だ? それ」
晶葉「なに、こちらの話だ。まあ受け取ってくれ」
光「はあ……。……でも、やっぱりかっこいいな! 塗装もDX版より凝ってる!」キラキラ
晶葉「だから別物だと……まぁ別に構わんが」
光「で、これは何をする機械なんだ?」
晶葉「ふふ、よくぞ聞いてくれたな。聞いて驚くなよ?」
光「ふんふん」
晶葉「それは、『ウルトラアイドル・ヒカル』にフュージョンアップするための機械なのだ!!」バアアアン!!!
光「な、なんだってー!!!」ガーーーーーン!!!
3: 2016/07/22(金) 02:13:07.03 ID:wIzUVgGW0
光「……いや、何だよウルトラアイドル・ヒカルって」
晶葉「ふふ……まぁ物は試しだ。この二枚のカードをリングに通してみるが良い」スッ
光「これは……有香さんとゆかりさんのカード……?」
晶葉「そうだ。『アイドルフュージョンカード』。それも私の発明品だぞ」
光「よ、よし。とりあえずやってみるぞ!」
晶葉「うむ。光の好きなクレナイ・ガイの要領でやってみろ!」ビシッ!
光「わかった! ――有香さん!」
『ナカノ ユカ!』ピコーン! オス!
光「ゆかりさん!」
『ミズモト ユカリ!』ピコーン! ダメデスヨPサン…
光「ゆかゆかの力……お借りしますっ!!」バッ!!
『フュージョンアップ!』ピキーーン!!
『ウルトラアイドル・ヒカル ストレートフルート!』
キュピィィィィィン……!!
光「お、おお……!?」
4: 2016/07/22(金) 02:13:40.53 ID:wIzUVgGW0
晶葉「ふふふ。どうだ気分は?」
光「な、何か……体の底から力が湧きあがってくるような感じです……!!」
晶葉「どれ。この瓦を割ってみろ」ドンッ
光「え、ええ!? 無理ですよ、アタシ鍛えてるけど瓦割りできるほどじゃ……」
晶葉「ヒーローに『無理』は禁句だ! いいからやれ!!」
光「ええーー!? ……でも、何だか今ならやれそうな気がします……!」
光「よーし……エイヤーーッ!!」ドゴォッ!!
バキバキバキィィッ!!!
光「!! ……わ、割れた……」
晶葉「ふふふ。そろそろ理解できたか?」
光「……もしかして、有香さんの力がアタシの中に宿ったってことですか……!?」
晶葉「その通り。だがそれだけじゃない。今度はほら、このフルートを吹いてみろ」
光「……! ごくり……わかりました、やってみます……!」スッ
5: 2016/07/22(金) 02:14:10.40 ID:wIzUVgGW0
~~♪ ~~~♪ ~~~~♪
晶葉「ほほう。良い音色じゃないか」
光(す、すごい……フルートなんて今まで一度も触ったことなかったのに、完璧に吹けてる……!!)
光「ゆかりさんの力も――そうか! 有香さんとゆかりさんの力をフュージョンアップしたってことなんですね!」
晶葉「どうだ、私の発明は凄いだろう」
光「すごい……すごすぎです池袋博士!」キラキラ
晶葉「ふふん。変身解除は自分の意思でできる。やってみろ」
光「はい! 押忍!」キィィィィン
光「……どう? 戻ったか?」
晶葉「ストレートフルートモードを解除して敬語が消えた。戻ったな」
6: 2016/07/22(金) 02:14:55.99 ID:wIzUVgGW0
光「あ……でもオーブは融合限界が3分。もしかしてこれも……」
晶葉「いいや、その心配はない。ヒカルリングはその欠点を改良し、制限時間を超越した融合が可能だ!!」バアアアン!!
光「つまり、制限時間はないってことか!?」ガーーーーン!!
晶葉「ああ。ただ、変身者の精神状態によってはそれも揺らぐかもしれん。何しろ実験の試行回数に乏しいものでな」
光「大丈夫! 正義のヒーローの信念は決して揺らがない!」
晶葉「その意気だ。とりあえず開発した残りのカードも渡しておこう」スッ
光「ありがとう! 池袋博士!」
晶葉「ふふっ、礼には及ばんさ」
光「よーし。この力で仕事がんばるぞー!!」
7: 2016/07/22(金) 02:15:26.53 ID:wIzUVgGW0
~事務所~
P「うーーーん……どうしよう、どうしよう……」テクテク ウロウロ
飛鳥「……動揺しすぎだよ、プロデューサー」
P「だけど……」
飛鳥「いざとなればボク独りでも何とかなるさ。――そう、孤独なんて慣れっこだからね」
P「うーん……だけど……」
ガチャッ!
光「おはよう! 南条光の登場だ!!」バーー-ン!!
P「あ、光……」
飛鳥「おはよう。……今日はキミの眩しさが、一層心に沁みるよ」
光「? どうかしたのか?」
P「実はな……」
8: 2016/07/22(金) 02:16:08.40 ID:wIzUVgGW0
光「えっ!? 蘭子ちゃんが風邪で来れない!?」
P「そうなんだ……今日は飛鳥とのラジオ番組の収録があったんだけど……」
光「……そうだ、だったら!」バッ
P「え、何だそれ?」
光「池袋博士の発明!」
P「なるほど博士の発明か」
光「ああ。だからちょっと見ていてくれ! ――蘭子ちゃん!」シュバッ
『カンザキ ランコ!』ピコーン! ヤミニノマレヨ!
光「飛鳥ちゃん!」
『ニノミヤ アスカ!』ピコーン! –-サァ,イコウカ
光「――痛いやつ、頼みますっ!!」バッ!!
『フュージョンアップ!』ピキーーン!!
『ウルトラアイドル・ヒカル ダークイルミネイト!』
キュピィィィィィン……!!
飛鳥「な、何だこの輝きは……!?」
P「光……?!」
9: 2016/07/22(金) 02:16:56.03 ID:wIzUVgGW0
光「――我が名はウルトラアイドル・ヒカル」
P「えっ?」
光「――闇を照らして、闇を導く!」
飛鳥「え……?」
光「其れこそ我が力――ダークイルミネイト!!」バアアアアアン!!
P・飛鳥「「はっ?」」
・
・
・
飛鳥「――やぁ。ボクは飛鳥。二宮飛鳥だ。ラジオ『The Ascension to New World』にようこそ」
飛鳥「突然だが残念なお知らせだ。今日はボクの片翼――蘭子が風邪をひいてこの場所に来られなくなった。堕天使でも風邪をひくと考えると、何だか可愛いね。フフッ」
飛鳥「ということで今日は――彼女の代わりと云っては何だが、ゲストを独りお呼びしよう。さあ、入って」
光「……ラジオの前に群がる迷える子羊達。初めまして」
光「我が名はヒカル。闇を照らして闇を導く者……」
光「今宵は特別に我がキミ達をもてなそう。此の一夜限りの、混沌の囁きで……」
飛鳥「……と、いう事で今日は南条光がゲストだ。――フフッ、キミもまたボクらと同調する素質を持っていたとはね。いつも近くにいたのに、ボクの眼も節穴なものさ」
光「フフッ、宴の始まりぞ! ――さぁ、往こうか!」
10: 2016/07/22(金) 02:17:37.25 ID:wIzUVgGW0
~収録終了後~
光「よし、変身解除!」キィィィィン
P「光、お前どうしたんだ?」
光「これだよ。池袋博士の発明品『ヒカルリング』の力さ!」
P「それで熊本弁がしゃべれるようになったのか?」
光「ああ。これで仕事の幅も広がる!」
光「ヒーローは色んなことができなきゃダメだからな! プロデューサーも協力してくれ!」グッ
P「ふむ……。そうだな、考えとくよ」
11: 2016/07/22(金) 02:18:24.24 ID:wIzUVgGW0
~翌日・事務所~
光「グラビアの撮影?」
P「うん。三人ほど出してほしいって言われたんだけど、ちょっと問題があって」
光「問題?」
P「可愛い担当とかっこいい担当は決まったんだけど、セクシー担当が決まらないんだ」
光「セクシー担当……」
P「昨日、幅が広がったって言ってたから光に声かけてみたんだけど……流石にやめとくか?」
光「いや。ヒーローに『不可能』はない! 確かそういう組み合わせもあったはず……」ゴソゴソ
光「あった! よっし……莉嘉ちゃん!」シュバッ
『ジョウガサキ リカ!』ピコーン! リカダヨー☆
光「――美嘉さん!」
『ジョウガサキ ミカ!』ピコーン! ミカデース★
光「――セクシーなやつ、頼みますっ!!」バッ!!
『フュージョンアップ!』ピキーーン!!
『ウルトラアイドル・ヒカル ファミリアツイン!』
キュピィィィィィン……!!
12: 2016/07/22(金) 02:19:01.40 ID:wIzUVgGW0
光「ハァーイ♪ JCヒカルが、みんなを骨抜きにシ☆チャ★ウ♪」バアアアアアン!!!
P「ぐっ…………!?!?」ビリビリ
P(な……何だこの色気!? これまでの光ではとても考えられない……!!)
光「グラビアのお仕事だっけ? じゃ、行こっか☆★」ギュッ
P「こ、こら! くっつくな!」///
・
・
・
ざわざわ……
カメラマン「ね、ねえプロデューサーさん」
P「はい……」
カメラマン「南条ちゃんってこんな子だったっけ……? 表情とか仕草とか、色気が半端じゃないよ……?」
P「ちょっと色々目覚めたらしくて……」
光「エヘヘッ☆★ なになに、二人でこそこそ話してー♪」
カメラマン「い、いや! 何でもないよ!」///
光「オトナのお話ってヤツ? もー、アタシのことを忘れちゃダ・メ・だ・ぞ☆★」
カメラマン「う、うん……!」パシャパシャ
P(やべえ……)
13: 2016/07/22(金) 02:19:34.21 ID:wIzUVgGW0
~撮影終了後~
光「変身解除っ! ――ふぅ、なかなかハードだったな」キィィィィン
P(何だろう、すごく安心してる自分がいる)
光「プロデューサー! アタシ、これでまたヒーローに近づけたかな!」キラキラ
P(ヒ、ヒーローというより悪女系の敵だった感じが……いや、いやいや)
P「そ、そうだな。これもまたある意味ヒーローだったと思うぞ」
光「そっかぁー……へへっ。よーっし、これからも仕事がんばるぞー!!」グッ!
P(大丈夫かなぁ……)
14: 2016/07/22(金) 02:20:08.72 ID:wIzUVgGW0
~三日後~
光「今日はアイドル球技大会の撮影だったよな! プロデューサー!」
P「う、うん」
光「球技大会……よーっし、こういう時は……」ゴソゴソ
P「またヒカルリングを使うのか?」
光「もちろん! これでもっともっとヒーローに近づくんだ!」
P「……」
光「よし、この組み合わせだ!」シュバッ
光「――友紀さん!」
『ヒメカワ ユキ!』ピコーン! カットバセー!!
光「晴ちゃん!」
『ユウキ ハル!』ピコーン! オーバーヘッドシュート!!
光「ゆきゆきの力、お借りしますっ!!」バッ!!
『フュージョンアップ!』ピキーーン!!
『ウルトラアイドル・ヒカル ボール・フレンズ!』
15: 2016/07/22(金) 02:20:49.03 ID:wIzUVgGW0
キュピィィィィィン……!!
P「こ、今度は何だ……!」
光「…………」
P「ひ、光……?」
光「……フン、何でアタシがアイドルなんかに……」
P「光!?」
光「まぁ今成がキャッチャーするようなもんか……仕方ねーな、ったく」
P「よくわからない表現!」
光「はぁ……終わったらビール奢ってよ、プロデューサー!」
P「未成年だろ!!」
16: 2016/07/22(金) 02:21:29.44 ID:wIzUVgGW0
~球技大会~
実況『さあ始まりましたアイドル球技大会! 最初の種目は野球です!』
友紀「よーっし! しまっていこー!」
「「「おーーっ!!」」」
実況『プレイボール! ピッチャー姫川、振りかぶって第一球を……投げましたっ!』
カキーーン!!
実況『打ったぁーー!! しかしこれはショートゴロ!』
友紀「よし、光ちゃん!」
光「――!」バシィッ!!
友紀「へっ?」
実況『お、おおっとー!? 南条選手、何故かゴロをキック!』
友紀「ちょっと、何してんのー!!」
光「だって、手を使ったらハンド……」
友紀「それはサッカー! これは野球だよ!!」
実況『そうこうしている間にランナーは3塁を回って――今、ホームイーーン!』
友紀「あちゃー……」
光「…………」ポカーン
17: 2016/07/22(金) 02:22:04.72 ID:wIzUVgGW0
実況『さぁ、第二種目はサッカーです! 第一種目ではミス連発だった南条選手、挽回できるか!』
光「す、すまねえみんな……」
友紀「ドンマイドンマイ! 取り返してこー!」
晴「つーかオマエ何かキャラ違くねえ……?」
審判「キックオフ!」ピーーッ!!
光(これはサッカー……手は使っちゃダメ……足だけ、足だけ……!)
友紀「光ちゃん! 来てるよ!」
光「!」ハッ
実況『青チーム、赤チームの陣地に攻め入っていくー!!』
光(足だけ……足だけ……!)
シュパーーン!!
実況『ゴーーール!! キーパーの南条選手、全く動けなかったぞー!?』
晴「おいおい何してる!」
友紀「光ちゃん! キーパーは手使っていいんだよ!」
光「――あっ、そうか……」
P(強引に友紀と晴を混ぜたから頭が混乱してるんだ……)
P(まずい、このままだと……)
18: 2016/07/22(金) 02:22:42.49 ID:wIzUVgGW0
~翌日~
光「はぁ……」
P「そ、そんなに落ち込むなよ光。何もお前のせいだけじゃないだろ」
光「いや……アタシのせいだ。アタシがポカばっかやらかしたから……」
P「でも、番組的には良かったじゃないか。ちょっとドジするアイドルって可愛いもんだしさ」
光「……。それじゃダメなんだ……」
P「光……」
光「アタシが目指してるのはヒーローだから……」
P「…………」
P(……やっぱり、ヒカルリングを使うのを禁止すべきか)
P(でも……)
『プロデューサー! アタシ、これでまたヒーローに近づけたかな!』キラキラ
P(…………)
P(せめて……せめて、ヒカルリングを使わなくても大丈夫な仕事を……)
19: 2016/07/22(金) 02:23:17.64 ID:wIzUVgGW0
~翌日~
バーーーン!!
光「プロデューサー!」
P「ど、どうした突然」
光「夏樹さんたちがバンドメンバーを募集してるって本当!?」
P「あ、ああ。だけど光は楽器できないだろ」
光「大丈夫。これさえあれば……」スッ
P「ひ、光……」
光「心配しないでプロデューサー。もうこの前みたいな失態は繰り返さない……!」
P「…………」
20: 2016/07/22(金) 02:23:52.68 ID:wIzUVgGW0
光「――夏樹さん!」シュバッ
『キムラ ナツキ!』ピコーン! ロックニイクゼ-!
光「李衣菜さん!」
『タダ リイナ!』ピコーン! ロックダネソレ!
光「ロックの力――お借りしますっ!!」バッ!!
『フュージョンアップ!』ピキーーン!!
『ウルトラアイドル・ヒカル ロック・ザ・ビート!』
キュピィィィィィン……!!
21: 2016/07/22(金) 02:24:26.76 ID:wIzUVgGW0
光「――ロックに燃えるぜっ!!」バアアアアン!!
P「そ、そのモードは……楽器を弾けたりするのか?」
光「おいおい、何当たり前のこと言ってんだ? プロデューサーさん」
P「お、おう……」
光「倉庫に確かギター一本あったよな? 初顔と呼吸を合わせんのは難しいが、これもまたロックってもんだろ」ヘヘッ
P「…………」
光「じゃ、行ってくる!」ダッ
P「…………」
P「大丈夫かなぁ……」
22: 2016/07/22(金) 02:25:16.64 ID:wIzUVgGW0
~レッスンルーム~
バアアアアン!!!
夏樹「ん?」
光「――バンドメンバー募集の話を聞いて来た。聴いてくれるかい? アタシのメロディー」
涼「おやおや。威勢のいい奴がやってきたもんだ」
夏樹「それは歓迎するところだけど……光、お前楽器弾けたっけ?」
ギャーーーン!!
光「――それは、自分の目と耳で確かめてくれ」ギュィィィィン
涼「ふっ……いいな」
夏樹「じゃ、聞かせてもらうぜ。オマエのロックを見せてみな!」
光「ああ! 行くぜッ!!」
ギャギャギャギュィィィィィン!!!
夏樹・涼(……ん?)
23: 2016/07/22(金) 02:26:08.86 ID:wIzUVgGW0
ギャアアアアアアアン……
光「――ふぅっ。どうだった? アタシの音は」
夏樹「……オマエ、それ……」
涼「……まるで夏樹が二人いるみたいだった」
光「えっ?」
夏樹「勘違いだったら悪いけど、もしかしてアタシのを参考にしてたりする?」
光「あ……いや、そういうことじゃなくて……」
夏樹「ふぅん……そっか」
涼「じゃあ、何を参考に? いや、影響を受けたアーティスト、か。それは誰だい?」
光「え、えっとー……影響を……」オロオロ
夏樹「おいおい、今度は何だかだりーみたいだな」ハハッ
光「!」ギクッ
24: 2016/07/22(金) 02:26:42.42 ID:wIzUVgGW0
夏樹「……だけど、ひとつ言わせてもらってもいいかな」
光「な、なに?」
夏樹「さっきの演奏……本当にオマエのハートが奏でた音だったか?」
光「……アタシのハート……」
夏樹「だりーはあの通りニワカだしまだまだ下手だけど、音を聴いてみると、芯、みたいなものがあるんだ」
夏樹「『下手だけど上手くなりたい!』とか『ニワカだけどロックが好き!』とか、そんな感じに」
夏樹「それが、オマエの音には感じられない」
光「……そ、そんな! アタシだって――」ガチャッ
ギュィィィィインン……?
光「あ、あれ……? アタシ、どうやって弾いてたんだっけ……?」
25: 2016/07/22(金) 02:27:20.09 ID:wIzUVgGW0
ギュワーーン ギャイイーーン
光「あれ、おかしいな……さっきまで……」
光(――!)
『つまり、制限時間はないってことか!?』
『ああ。ただ、変身者の精神状態によってはそれも揺らぐかもしれん』
光(まさか……融合がもう解除された……?!)
夏樹「……ちょっと厳しいこと言ったかな。だけど、まあ、アタシらのバンドに入るならそこからだな」
涼「厳しいな」
夏樹「涼だって同じこと言うだろ……」
涼「……そうだなぁ。テクは申し分ないんだが」
光「…………」
夏樹「ま、そういうことだ。待ってるぜ、今度は本当のオマエのロックを聴かせてくれよな?」
光「う、うん……」
26: 2016/07/22(金) 02:27:56.91 ID:wIzUVgGW0
ガチャ……
光「ただいま……」キィィィィン
P「どうだった?」
光「……」フルフル
P「……そっか……」
光「…………」
P「…………」
光「…………」
P「……そうだ! 光、お前らしい仕事を探してきたんだ。次はこれやらないか?」
光「アタシらしい仕事……?」
P「ああ。ヒーローショーの司会のお姉さんなんだけど――」
光「アタシらしさって……何だっけ……」
P「えっ……?」
27: 2016/07/22(金) 02:28:50.89 ID:wIzUVgGW0
光「ヒーローになりたいって気持ちで頑張ってきたのに……」
光「それどころか、逆に遠ざかってる……!」
光「信念だけは揺るがないって、そう思ってたのに……」
光「アタシの音は、ハートから来てないんだって……」
光「ヒーローになりたかったアタシって……」
光「南条光って……どういう奴だっけ……」
P「光……」
光「……アタシ、ヒーローにはなれないのかな……」
P「……!」
ぐいっ!
光「わわっ!?」
P「光! 来い!」グイッ
光「ちょ、ちょっと、プロデューサー!?」
28: 2016/07/22(金) 02:29:26.11 ID:wIzUVgGW0
~カラオケ~
光「ど、どこに連れて行くかと思えば……何でカラオケ……」
P「光!!」ガシッ!!
光「!」
P「今、お前らしさを思い出させてやる!!」
光「え……?」
P「この曲と……この曲と、この曲と……」ピポパ
P「よし! 全部歌ってみろ!」
光「え、ええ……!? でも……」
P「ヒーローに『でも』は禁句だ! さあやれ!」
光「わ、わかったよ……」
29: 2016/07/22(金) 02:30:39.80 ID:wIzUVgGW0
―SURPRISE-DRIVE―
光「雨上がりBreak Cloud 隙間から~ 青空が手招き~し~てる~ All right そろそろ行こうか~」
光「サプラーーイズ!! 世界中がドラーーイブ!! フィーリンハーーイ!! 目醒めるような~~!!」
光「始まるーー運命にはーー!! バック~ギアは~な~い~♪」
光「All we need is “DRIVE”!!」
―烈車戦隊トッキュウジャー―
光「果てしない線路の向こう側 輝いているものはなんだろう!?」
光「ドキドーキー経由の列車に乗って~ 確かめに~ 行こう~~!!」
光「さあ走れ! おーれーたーちーのエクスプレーース! Don’t be late! のっりっおくっれに~ご注意~!」
光「ガーターゴートー 夢を~乗せ~♪ 風を~♪ 切って~♪ 進むーー!! どこまでもーーっ!!!」
―Shine your ORB―
光「とーりーもーどーせーひ~か~り~~!!」
光「とーもーにーたーちーあ~が~れ~~!!」
光「今誰も知らない~無限の力呼び醒ませ~~!!」
光「まだ見ぬ あーしたを~~ 追いかーけて~~♪」
光「きーみーをーとーりーも~ど~せ~~!!」
光「ゆーめーにーたーちーあ~が~れ~~!!」
光「今誰も知らない~無限の彼方突き進め~~♪」
光「輝く~オーブを~♪ 手~に~し~て~~♪」
光「どこま~でも行~けるさ~♪ 君と~な~ら行~けるさ~♪」
光「確かな~未来を~これか~ら~も~~♪」
30: 2016/07/22(金) 02:31:48.19 ID:wIzUVgGW0
光「…………」
P「取り戻せたか」
光「……アタシは、人に勇気を与えるヒーローが好き」
P「うん」
光「アタシは、みんなに勇気をあげるヒーローになりたい」
P「うん」
光「これが……これが、アタシの心からの言葉だ!!」
P「完全復活だな」
光「ああ! ……あ、あの、プロデューサー」
P「どうした」
光「……でも、実は、ヒーローも……けっこう悩んだり、苦しんだりすることはあるんだ」
光「そういう時……誰かの一言で目が覚めたり、決心がついたり、迷いが吹っ切れたり……」
光「……今日のプロデューサーは、アタシにとってそんな存在だった」
光「……ありがとう。プロデューサー」
P「ああ。……『どこまでも行けるさ 君となら行けるさ』……だろ?」
光「……うん!」
31: 2016/07/22(金) 02:32:27.90 ID:wIzUVgGW0
~翌日、池袋ラボ~
光「博士。これ、返すよ」
晶葉「せっかく作ったのに……いいのか?」
光「ああ。アタシがヒーローになるために一番大切なこと……それを見つけたからさ!」
晶葉「そうか。それでこそ、みんなのヒーロー南条光だ」
光「ありがとう! それじゃ、そろそろ次の仕事だから!」
晶葉「うむ。頑張って来い!」
光(アタシがヒーローになるために一番大切なこと……それは!)
光(自分の力を信じること!)
光(信じ抜いて、どこまでも突き進むこと!)
光(その信念がアタシを、みんなに勇気を与えるヒーローにしてくれる!)
光「よーーっし! 頑張るぞーー!!」
おわり
32: 2016/07/22(金) 15:18:04.78 ID:Ba4qLJ/QO
いい話だった
引用: 南条光「ヒカルリング?」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります