630: 2011/09/20(火) 02:37:55.15 ID:zobJ7Ye60
とある魔術の禁書目録 29巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
631: 2011/09/20(火) 02:39:27.24 ID:zobJ7Ye60
~7日目(日)~

食蜂「…うーん」<チュンチュン

部下「食蜂様、食蜂様?」ユサユサ

食蜂「ん~。あと5分…」ムニャムニャ

部下「ほらっ。今日は貴女さまにとって大切な日なのでしょう!」

食蜂「…はっ!そうでしたわ!!」ガバッ

部下「うおっ!?」ビクゥ

食蜂「い、今は何時です!?」アタフタ

部下「えっと、まだ7時50分ですが…?」

食蜂「そ、そうですか…ふぅー」

部下「まだ時間もありますし、とにかくシャワーでも浴びてみては?」

食蜂「ええ。さっぱりしてから行きませんとね♪」ガチャ

部下「そうですね。…わたくしだって、綺麗にしてから当麻様に会いたいですし」ボソッ

食蜂『ふふふっ。気持ちは一緒ですわね♪』キュイーン

部下「って、聞こえてたのですか!?」

食蜂『ごめんなさいね♪』

部下「むう。もう、食蜂様ったら…」

<シャー

部下「さて、わたくしはどうやってお近づきになりましょうかね…?」

632: 2011/09/20(火) 02:41:13.77 ID:zobJ7Ye60
<ガチャ

食蜂「ふう。大分すっきりしましたわね」スタスタ

部下「そうでしょうね。さて、次はお召し物の準備ですね。…羨ましいな」ボソッ

食蜂「ふふっ。そこはアドバンテージですわね(統括理事長様に感謝しませんと)」

部下「ズルいですぅ…。来年は制服着用義務の無い高校に入ります!」グッ

食蜂「まあ、これはウチが特殊なのですが…」

部下「ですわよね!…かつてはまったく気になりませんでしたのに」

食蜂「それは私も一緒ですわ。恋は女を変える、といったところですか」ガチャ

部下「違いありませんわね」フフッ

食蜂「…さて、今日の服装はっと…」ガサゴソ

部下(うぅぅ…。クローゼットのなかに当麻様が選んでくださった服があるだけで羨ましい…!)

部下(しかし、わたくしでは当麻様に服を選んでもらえる状況へはもっていけませんね…)ハァー

食蜂「…どうしたのです?ため息などついて」

部下「ふぇ?い、いいえ、なんでもありませんっ!ご心配には及びませんので!」

食蜂「でしたら良いのですが…。あっ、それと私、今から着替えますので」

部下「はい?……し、失礼しましたっ!」クルッ

食蜂「そこまで気にする仲でもありませんでしょうに」クスクス

部下(これは恥じらいではありませんっ。見ると嫌でも食蜂様との違いがわかってしまうのです!…主に胸辺りの)ズーン

633: 2011/09/20(火) 02:43:34.83 ID:zobJ7Ye60
食蜂「~♪」シュルシュル

部下(はぁ…。どうしてわたくしのはこのように貧相なのでしょう…。さすがに白井さんほどではありませんが)ペタペタ

食蜂「…はいっ、もういいですよ。って、何をやっているのですか?」キョトン

部下「うえぃっ!?い、今の光景は忘れてくださいっ!!」//

食蜂「うふっ。私を何の能力者だとお思いで?」クスクス

部下「うっ。それもそうですわね…」ズーン

食蜂「まあ、大丈夫ですよ!そんなに気にしなくとも。………多分」ジー

部下「ど、どこ見ておっしゃっているのですかっ!」///

食蜂「まあまあ。世の中には『貧Oは正義ですの』という言葉もあるそうですし」

部下「何てことをおっしゃいますの!?…まあ聞くまでもありませんが、それは誰から伺ったのです?」

食蜂「白井さんに」

部下(あんの変態がァァぁぁぁぁあああああああああああ!!食蜂様に変な言葉教えやがってェェェェェェェェ!!)

食蜂「それよりどうです?この格好は?」バッ

部下「…うわぁ。やはり制服のときとは見違えますわね。制服でも食蜂様は映えますのに、私服だとさらに綺麗ですわ…」

食蜂「ふふふっ。まあ当麻さんに選んでいただきましたからね。似合わないはずはないのですけど」クルリ

部下「いいですわねー。…というか、当麻様って結構センスありますわね」

食蜂「そうですわね。どうも彼は私や美琴、貴女以外にも大勢の綺麗な女性たちと繋がりがあるようですから、そういう面もあるのでしょう」

部下「確か調査した際には、同居中の白いシスターさんにむ、胸の大きな同級生、さらには霧ヶ丘のメガネ巨Oの人、理事会の『ブレイン』の人……」

食蜂「あと生脚へそ出しマーメイド、大人しそうな女の子、十字教のシスター軍団、そして美琴の『妹』約10,000人……。数え上げればキリがありませんしね」

部下「あれ?誰かを忘れているような…?」

食蜂「えっ?いや、さすがに小萌先生は論外でしょう?」

部下「いえそうではなくて、もう一人大事なポジションの方が…?」

食蜂「そうでしたか?えっとぉ…?」


2人「「…分かりませんわね」」



??「……へくしっ。でも誰も。私の噂なんてしていない。ふふふふ」

634: 2011/09/20(火) 02:45:04.69 ID:zobJ7Ye60
食蜂「まあいいですわ。さて、今の時刻は…?」

部下「えっと、8時30分ですわね」

食蜂「そうですか。では、そろそろ出発いたしましょうか」

部下「ええ。いってらっしゃいませ。良い一日を」ノシ

食蜂「分かっていますわ。…さあ、頑張りますわよ操祈」

食蜂「よしっ、行ってきますわ!」ニコッ

部下「ご武運を!……さて、わたくしはあの変態テレポーターでも懲らしめてきますか」ピキキッ


~その頃~

ーーー上条宅ーーーーーーーーーーーー
上条「…むぅ。もう朝か…?」<ピリリリ ピリリリ

上条「昨日は美琴と息抜きするつもりが、後半大分はしゃいだもんなー。意外と疲れちまったぜ」フアーア

上条「さて、今日は一日中ゆっくりとしてるかー!日曜日だしなー。……ってあれ?日曜…?」

上条「ま、まさかー!!」

上条「そ、そういえば今日もだったー!」ワタワタ

禁書「んー。うるさいんだよとうま。そしておはようなんだよ」

上条「おう、おはよう。…ってそうじゃない!急がねえと!」

禁書「とうまー。ごはんー」

上条「冷蔵庫に色々詰めてあるから、それで間に合わせてくれ!」

禁書「わかったんだよ。って、とうま。今日もお出かけなのかな?」

上条「ん?ああ、そうだが」

禁書「……どうせとうまのことだから、また女の子となんだよ」

上条「またとは何だまたとは。まあ、今回はそうだけど」

禁書「…今回も、なんだよー!!」ガオー

上条「えっうそ、何でだァァぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああ!?」<ガブッ

635: 2011/09/20(火) 02:46:18.51 ID:zobJ7Ye60
禁書「…さて、今度は何をやらかしたか聞かせてもらうんだよ」

上条「やらかしたって…。まあ、あながち間違ってはないけどさ」ズキズキ

禁書「……いつものことなんだよ、まったく」ボソッ

上条「なんか言ったか?…別にいっか。実はですね……」


~回想~

上条「…さて、操祈?責任ってのはどう取ればいいんだ?」

食蜂「それはですね……こ、今度の日曜日に予定はあります?」

上条「ん?無いはずだけど…?(御坂との約束は確か土曜だったし)」

食蜂「そうですか!それはそれは…!」

上条「で、日曜日がどうかしたのか?」

食蜂「それはですね…。に、日曜日、私と……デートしてくださいっ!!」バーン

上条「ほうほう。なるほどデートか。……って、あれ?」

食蜂「…」

上条「…」

上条「で、デートォォぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

食蜂「…/////」カァーッ

上条「えOちょおまっ。デートってそんなくぁwせdrftgyふじこlp」

食蜂「……ダメ、ですか…?」ウルッ

上条(そ、そんな表情されたら断れねえだろぉー!てか、断る理由とか元々無いけどな。…あれ?それって変じゃね?)

上条「えっと…つまり、責任を取るというのは…?」

食蜂「ええ。私と一日デートすることですわ♪」

上条「…オッケーだぜ。まあ、そういうことなら付き合うぜ(それで楽しめるんだったら)」

食蜂「つつつつつ、付き合うだなんて……うへへへ」/////

上条「?」

636: 2011/09/20(火) 02:47:23.68 ID:zobJ7Ye60
~現在~

上条「…という訳で、今日に至る」

禁書「りあ充おつなんだよ」

上条「んなっ!?か、上条さんはそんなリア充という存在なんぞからは最も遠い存在であってだなぁ…」

禁書「とうまが言っても説得力がゼロなんだよ」

上条「いや、そんなことないと思うが…。って、そうこうしているうちにもう時間がヤバい!さっさと着替えて行かねえと!!」ダダッ

禁書「はぁー。多分とうまは『でーと』についてそこまで深く考えてないんだよ…」

上条「おおおおおおおおおおおおおおお!!」シュパパパパ

禁書「と、とうまがものすごい勢いで着替えて準備してるんだよ…!」

上条「行ってきます!!」バターン

禁書「…行っちゃったんだよ。ていうか、最近私の扱いが悪いかも…」

スフィンクス「にゃーお(元々このスレだと扱い良くないだろうが…)」


ーーーマンション前ーーーーーーーーーーーー
上条「ふぃー。今は8時45分か。まあ普通の人間なら余裕をもって間に合うんだろうが」

上条「上条さんの場合はそう上手くはいかないのですよ。はぁー」スタスタ

上条「おっ、そういえば昨日ここで浜面たちと出くわしたんだったな」

浜面「ん?」バッタリ

上条「あ」

637: 2011/09/20(火) 02:48:49.54 ID:zobJ7Ye60
浜面「よう、上条じゃねえか。また会ったな」

上条(これはもしや…昨日と同じパターンか?)

浜面「ん?どうしたんだよ?」

上条「い、いやー、何でもありませんことよ」

浜面「そっか。いや、何か調子悪そうだったからよ」ハッハッハ

上条(マズいな…。何とかこの不幸を回避しねえと)ジー

浜面(何だろう。今なんかとても失礼なことを考えられた気がする)

浜面「そ、そういやあの後どうだった?」

上条「は?あの後って?」

浜面「いやだからさ、レストランで別れたあ「超浜面ァァァァァ!!」ぐぼあっ!?」ドーン

上条「うわっ!な、なんだぁ?」

浜面「て、テメェ絹旗!何しやがる!?」ヒリヒリ

絹旗「何しやがるは超こっちのセリフですゥ!どうやら昨日は麦野や滝壺さンと超お楽しみだったそォじゃないですかァ!?」ビシィ

浜面「な、なぜそれを!?ていうかマジギレしてらっしゃる!?」

絹旗「昨晩、私のところに滝壺さンと麦野からのろけメールが超大量に着やがったンですよォォォォ!!」

浜面「ひ、ひえー!ちょ、落ち着け絹旗!!」

絹旗「これが超落ち着いていられる状況ですか!超浜面には罰ゲームとして今から超2人っきりでB~C級映画を見まくりますよ!!」

浜面「ぐはぁっ。これぞ真の罰ゲームか…!」

絹旗「何を言ってるんです?この超美少女の絹旗最愛サマと2人っきりになれるチャンスを浜面は超生かすべきです!!」

浜面「オマエとの映画巡りの段階で超罰ゲームだよ!ん?てか、チャンスって一体…?」

絹旗「! ほ、ほら、超さっさと行きますよ!!」ズルズル

浜面「ぶへっ!?お、おまっ、引きずるんじゃねえぞ!?おーい、また学校でなー」


上条「……これは不幸…ではないよな?」

638: 2011/09/20(火) 02:53:07.35 ID:zobJ7Ye60
上条「…さて、次はこの階段付近でっと」タッタッタッタ

上条「おっ、やっぱりいた」

上条「まあ、おじいちゃん1人くらいならそんなに時間かけなくても……」ジー

老人A「ふぅ~。この老体に大荷物は堪えるのぉ」ゼイゼイ

上条「ん?」

老人B「はぁ、はぁ…。少し休もうかの。あと50段は階段を上らねばならんからのぉ」ゼイゼイ

老人C「…いかん。ここで休んではいつまでたっても目的地まで着かん。まだまだ若いモンには負けんぞ!」ゼイゼイ

上条「あれれ?」

老人D「そうじゃ!ワシら老人が、今のヒョロい若者なんぞに負ける訳にはぁ……いかん!」ゼイゼイ

老人E「たしかに。若いヤツらは本当に情けない!」

老人F「まったく今の若いモンは、家にばかり籠もりおって。ワシらが若いときは遊びといえば野山を走って川で泳いでいたもんじゃ」

上条(おじいちゃん増えとるゥゥゥゥゥゥゥゥ!?)

老人G「上条っ!お前の話は……つまらんっ!!」

上条「余計なお世話だ!」

上条(さすがにマズいな…。こちらは1人に対してあちらは7人。オレだけで相手をするには少々分が悪い)

老人たち「「「米30㎏は…さすがに重い!!」」」

上条「無理すんなジジィ!」
                                                                        オルダーズ
上条(つーか何だよこのおじいちゃんの大量発生は?ま、まさかおじいちゃんのクローンを大量に…?じゃあアイツらは『老人達』か!?)

老人たち「「「さあ、ワシを助けろそこの少年!!」」」

上条「若いモンの文句ばっか言ってる割には弱いのな!?さすがはおじいちゃんだわ!」

上条「くっ、しかしどうする?あんなの放っておいたら後から裁判起こして金巻き上げられそうだ…!」

??「ほう。困っているようだな、上条当麻!!」

上条「あ、アンタは…!」

639: 2011/09/20(火) 02:54:29.08 ID:zobJ7Ye60
??「困ったときはいつでもこのオレ、削板軍覇に言えと前から言っているだろう、上条よ!!」

上条「いや初耳なんですけど」

削板「はははは!!そうかそうか!しかし、なかなか根性のいる状況にいるではないか!?」

上条「ま、まあそうみたいだな」

削板「ふむ。ならば、ここはオレに任せて先に行け!」

上条「い、いいのか?」

削板「ああ。生徒を助けるのが、教師の役目ってヤツだろ?」

上条「ちょ、削板さんかっけえ!まあアンタ実習生だけど!」

老人達「「「ワシを助けろォォォォォォ!!」」」グオー

削板「くっ、いいから先を急げ!オレも…オレも、後で必ず行く!!」

上条「…おう。すまねえ!」ダダッ

削板「ふっ。いいってもんよ」ニッ

上条「…あとで、あとで絶対追いかけてこいよ!約束だからな!!」

削板「…ああ。約束だ」



上条「いや、追いかけてくんなよ!約束だぞ!!」

老人達「「「お前らのコントは…つまらんっ!」」」

上条「やかましいわ!」

640: 2011/09/20(火) 02:56:02.71 ID:zobJ7Ye60
上条「さて、次はこの角で女の子が…」

上条「女の子が…」

上条「可愛い女の子が…?」

上条「…」ポツーン

上条「…先を急ごう」←ちょっと期待してた


上条「えっと、たしかここでは誰にも会わなくて…」ダダッ

姫神「あっ。上条くんだ。これまた奇遇」

上条「よしっ、予定通りだ!」

姫神「」

上条「で、角を曲がったところに…」

結標「あら?また上条くんじゃない。今度はどうしたのかしら?」

上条「そのままスルーが吉で…」

結標「ちょ」

上条「多分この辺に落とし穴があるから…」

垣根「」ニヤニヤ ←上空

上条「とうっ!」←対ビアージオ戦のときの大ジャンプ

垣根「なん……だと…?」バッサバッサ

上条「着いたぁ!」ザザー

上条「さて、操祈は……あそこか。おーい!」スタスタ

食蜂「…時間通りですわね、当麻さん♪」


現在、日曜の午前9時。奇しくも昨日上条当麻と御坂美琴がいた公園に2人は集まった。
                      デート
幻想頃しと心理掌握が交わるとき、物語は始まる―――

649: 2011/09/21(水) 23:11:37.06 ID:br9WDp1n0
ーーー第7学区 いつもの公園ーーーーーーーーーーーー
上条「さて、お恥ずかしながら上条さんはデートというものは初めてでして」

食蜂「それを言うのであれば私も初めての経験ですわ。ふふっ」

上条「いやー、にしてもオレみたいのが相手で本当に良かったのか?」

食蜂「何をおっしゃいます。当麻さんだからこそです」

上条「そ、そうなのか(どういうことなんだろ?)」

食蜂「ええっ(少しは私の思いも伝わりましたかね?)」

上条「そっか。…おっ、そういえばその服、この間オレが選んだヤツじゃん。着てきてくれたんだ」

食蜂「もちろん♪どうです、改めて見てみますと」クルリ


この日食蜂操祈が着てきたのは、先日上条当麻が選んだ3パターンのうちの2番目の服だった。上は青のボーダーシャツに明るい緑系のサマーカーディガンを羽織り
夏らしく爽やかに着こなし、下はベージュのデニムショートパンツに黒のストッキングを履いて少し大人っぽさを演出している。
中学生というよりも大学生よりのファッションなのは衣装担当者の個人的好みだったが、元から大人らしい雰囲気がある彼女にはよく似合っていた。


上条「ふむ。よろしいっ!しかしよく似合ってるモンだ」ウンウン

食蜂「当麻さんのおかげですわ!」

上条「おうっ、どういたしまして!」b

食蜂「…」

上条「…ん?」

食蜂(やはりこちらの意図は伝わりませんか…。あの子の能力ではありませんが、ちゃんと音にして伝えませんといけませんね)

上条「まあ、とりあえず行こうぜ。えっと、まずはどこだっけ?」

食蜂「…あっ、はい。最初は第9学区ですわね」

上条「オッケー。さっ、行くかぁ!」ニッ

食蜂「はいっ!」ニッコリ

食蜂(…今日は一日中楽しんで、そして少しでも当麻さんとの心の距離を縮めますわ!!)グッ


ーーー某所ーーーーーーーーーーーー
定規「へくちっ。……ていうか、いい加減に機嫌直したら?」

垣根「ふーんだ。今日の落とし穴もたーっぷり仕掛けがあったのによー」プイッ

定規(コイツ面倒臭っ!?)

650: 2011/09/21(水) 23:13:10.26 ID:br9WDp1n0
ーーー第7学区 とある歩道ーーーーーーーーーーーー
上条「いやー、それにしても…」

食蜂「? どうかしましたか?」

上条「…いや、やっぱり何でもない」

食蜂「?」

上条(…歩いてるだけでこんな視線を集めるモンなんだな。良し悪しはあれど)チラッ

通行人「「「…」」」ジー チラッ クルッ


以前セブンスミストで自分たちが注目されていたのは、常盤台の制服が一番の要因だと思っていたがそうでもないらしい。連中の目的はあくまで隣りの可愛い少女だ。
そうなると、その可憐な女子中学生と並んで歩いている比較的普通(赤いライン入りのTシャツ+ジーンズ)な自分に嫉妬や怨恨の視線が多く集まるのも納得できる。
前回はある一時を境にその様々な思惑が込められた視線が消えたが、今回はそう甘くないようだ。


上条(うぅぅ…。でもやっぱ居心地悪いなぁ…)ハァ

食蜂「あ、あの当麻さん、本当に何ともないのですか?」

上条「…ん?ああ、ホントに大丈夫だって。心配してくれてサンキューな」

食蜂「い、いえ、当然のことでs……ああ、なるほど。了解しました」キュイーン

通行人「「「」」」キーン

通行人「「「とりあえずデートするわ」」」

上条「?」

食蜂(設定かなり適当ですけど、まあ気にしないことにしましょう…)テクテク

651: 2011/09/21(水) 23:14:56.63 ID:br9WDp1n0
ーーーカエル病院前駅(仮)ーーーーーーーーーーーー

[駅名急募!!]
【この駅の名前が変わります! あなたが考えた駅名を学園都市統括理事長に突き付けてみませんか? 名前を考えるだけの簡単なお仕事です!!】


上条「…何だありゃ?」

食蜂「…さあ?」

上条「まあいっか。さっさと行こうぜ」

食蜂「ええ」

上条「……よっと」ピッ

食蜂「!」クワッ

上条「どうした?今ものすごく驚いた顔してたけど」

食蜂「い、いえ…」

食蜂(当麻さんの携帯電話にもチャージされてますのね、電子マネー…)


ちなみに食蜂操祈嬢の本日の携帯電話は白。上条と(これは本当に偶然に)同じ機種のものである。
さらに言うと『心理掌握』用は今日は持ち合わせていない。今の彼女は時間的にも気持ち的にも完全にフリーなのだ。


ーーー第9学区 区立現代美術館ーーーーーーーーーーーー
上条「ほえー。でっかいなー」

食蜂「ですわね。イメージとしては国立新美術館でしょうかね?」

上条「へぇー。ってことは、学園都市で一番大きい美術館か?」

食蜂「おそらくは。私も詳しくはありませんので」

上条「そっか。それで、今日は何かの展覧会でもやってるのか?」

食蜂「まあ、そういうことになりますね。とにかく中へ入りましょう」テクテク

上条「お、おう」スタスタ

652: 2011/09/21(水) 23:16:01.96 ID:br9WDp1n0
<ウィーン

館員「いらっしゃいませ」ペコリ

上条「どうも」

食蜂「あの、こちらで行われている『世界の現代作家展』の入場券を購入したいのですが…」

館員「はい。えっと、高校生2枚でよろしいですか?」

上条「えっ?あ、あのぉ」

食蜂「私は中学生です。こちらをご覧になればわかりますわ」つ【生徒手帳】キラキラ

館員「はい?……し、失礼しましたっ。常盤台中学の生徒さんでしたか」ペコペコ

食蜂「いえいえ。気にしてなどいませんよ」

館員「はぁ。では中学生400円、高校生600円で合計1000円になります」

食蜂「ええ。少々お待ちくださいな…」ガサゴソ

上条「はい、これで」つ【1000】

食蜂「えっ?」

館員「…はい、ちょうどお預かりします。では入場券とパンフレットです」

上条「どうも。よし、行こうぜ」スタスタ

食蜂「え、ええ…」テクテク

館員「ごゆっくりどうぞー」


館員「…あれ?常盤台って制服着用じゃなかったかしら?」

653: 2011/09/21(水) 23:19:57.72 ID:br9WDp1n0
食蜂「何だかデジャヴでしたわ」

上条「ん?ああ、パフェのときか。まあ2000円くらい気にしなくていいぞ。特に今日はデートなんだし」

食蜂「そ、そうですわね。ではお言葉に甘えて…」///

上条「?」

食蜂「…コホン。か、会場は1階と2階のようですわね。早速回ってみましょう」

上条「おう。…そういえばさ、どうしてここなんだ?」

食蜂「実習の一環ですわ♪」


ーーー1階 彫刻・立体作品展示ーーーーーーーーーーーー
上条「へぇー。すげーな」

食蜂「あっ、当麻さん。ここではあまり騒がないでくださいね」

上条「お、おう。それくらいわかってるって(危ねぇ危ねぇ)」ヒヤヒヤ

食蜂「さあ、じっくり堪能しましょうね」

上条「そう言われてもなぁ…」

食蜂「案外知っている人の作品もあるかもしれませんわよ。何せ『現代作家』の展示ですので」

上条「知り合いに芸術肌の人いたかなぁ……あっ」ジー

食蜂「ん?入ってすぐのところに……クロワッサンにフォーク?の作品が。随分変わったものもありますわね…」

上条(お、おい。意外すぎる人物が…)


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
l【題名:人の怒りは自らを焼くⅢ】    l
l                       l
l ≪アンジェレネ≫ [会員推薦]     l
ーーーーーーーーーーーーーーーーー


上条「一体誰が推薦したんだか…」

食蜂「?」


ーーーイギリス『必要悪の教会』女子寮ーーーーーーーーーーーー
??「くしょん!」

??「あらあら、風邪でもひいたのでございますか?」

??「いいや、そういう訳じゃねえと思うけど…。何かしらね」

??「ええ、あちらに向かう前に体調を整えませんといけないのでございますよ」

??「またお前の話はどっかに…」カーンカーン

654: 2011/09/21(水) 23:22:50.26 ID:br9WDp1n0
ーーー1階 彫刻・立体作品ーーーーーーーーーーーー
上条「…出鼻を挫かれるってこういうことなんだな」

食蜂「? しかし、さすがは世界の作家たち。すごい作品ばかりですわね」キョロキョロ

上条「確かにな。素人の上条さんでもそれくらいはわかるぜ」

食蜂「おっ、こちらは…大きな十字架ですね。やはり宗教的意味が…?」

上条「…コイツ、生きてたんだ。生きててもマトモな待遇じゃないだろうけど」

食蜂「?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l 【題名:十字架はその重きをもって驕りを正す】  l
l                               l
l ≪ビアージオ=ブゾーニ≫  [監獄塔枠]     l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「監獄、とは…。過ちを犯したとしてもその信仰心には偽りはない、というところでしょうか」

上条「ま、まあ信仰心という点では凄まじかったけどな…」

食蜂「ではそもそもなぜ過ちを…?ま、まさかかつての魔女狩りのような悲劇が…!」

上条「うーん。まあ結局魔女狩り専門のところに捕まったからなー」

食蜂「えっ?」

上条「あっ(やばっ、喋りすぎた)」

食蜂「あ、あの当麻さん…?」

上条「よ、よぉーし、次行ってみよー」スタスタ

食蜂「?」

655: 2011/09/21(水) 23:23:41.63 ID:br9WDp1n0
上条「こ、これは…!」

食蜂「まあ、これはお2人とも筋肉の締まったいい身体をしていますね」

上条「た、たしかになー(こ、これはクオリティー高すぎだろ…!)」

656: 2011/09/21(水) 23:28:11.72 ID:br9WDp1n0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l        【題名:聖人Ⅰ】        l
l                          l
l ≪シェリー=クロムウェル≫ [奨励賞]  l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l        【題名:聖人Ⅱ】        l
l                          l
l ≪シェリー=クロムウェル≫ [最高賞]  l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「『聖人Ⅰ』の方は…日本人の方でしょうか?すごく綺麗ですね。心なしかどこかで見たことがあるような…?」

上条(そういやシェリーって芸術家だっけな)

食蜂「髪が長いですわね…。しかも長身ですし、あの長い刀は日本刀…なのでしょうか?」

上条(あれ?シェリーって前に学園都市を攻めてきたよな…。いいのかここに出して)

食蜂「それよりもこの格好です。Tシャツは捲ってへそ出してますし、ジーンズ履いてるのに左足はごっそり切ってあるから太もも露出してますし…」

上条(シェリー自身、学園都市に作品出すのは抵抗があったんじゃないのか?吹っ切れたのか??)

食蜂「これはモデルにでもならない限り一生縁が無い服装でしょうね!」

上条(にしても、見事なまでに神裂火織だなー)←参照:原作4巻表紙

食蜂「こちらの『聖人Ⅱ』の方は……もう圧巻ですわね。男性の隆々しさといいますか、筋肉の逞しさや迫力が伝わってきますわ」

上条(こっちは……どう見ても後方のアックアさんです、本当にありがとうございました)

食蜂「しかも……凄まじい大剣ですわね。3mはあるかもしれません。あれを素で持てる人間などさすがに世の中広しといえど存在しないでしょう」

上条(って、コイツも学園都市攻めてきてんじゃん!?…まあ、原因オレなんだけど)

食蜂「それにしても怖い顔ですわね…。それに……こちらも『聖人Ⅰ』ほどではないですが、なかなか個性的な服ですわ」

上条(でも、最高賞だけあって圧倒的なまでのアックアだなー)←参照:原作18巻後半挿絵

食蜂「…とまあ、どう見ても普通の人間には見えないのですが……もしかしてお2人とも当麻さんのお知り合いの方ですか?」

上条「ん?あ、ああ。(最初のときは)ボコボコにされた」

食蜂「」

上条「でも何やかんやで2人に結構助けられたりして……ってあれ、操祈サン?どうしたのですかそんなに怖い顔して」

食蜂「…彫刻は壊せませんので、代わりにお2人の住所を教えてくださいな。精神的にボコボコにして参りますので」ゴゴゴゴゴ

上条「怖い怖い怖いっっ!!貴女が言うとシャレにならないから!」

666: 2011/09/25(日) 23:08:42.58 ID:J/vIKALi0
こんばんは。ちなみに五巻……表紙:一方さんと打ち止め、内容:一方さんが路上で突然幼女の毛布を奪う となっております。
ちなみにアックアさんの彫像はアスカロン込みで3m以上はあると思います。運ぶの大変だろうね。
では投下。

667: 2011/09/25(日) 23:10:30.03 ID:J/vIKALi0
食蜂「さて、素晴らしいブロンズ像に感銘を受けたところで次は2階へ向かいましょうか」

上条「あ、ああ…」

上条(今度アイツらに会ったら一応注意しとこう)スタスタ

食蜂(見かけたらタタじゃおきませんわ)テクテク


ーーー2階 絵画・平面作品展示ーーーーーーーーーーーー
上条「うおっ。これは凄ぇ…!」

食蜂「圧倒されますわね。さすがは世界の作家たち」

上条「しかし、色んな絵があるモンだなぁ。人物画に風景画、…何だかよく分からん空想画もあるな」

食蜂「どれもこれも素晴らしい絵画ばかりですわね…」ウットリ

上条「俺にはとにかくすごいってことしか分からんが……ん?あれ、これってもしかして…?」

食蜂「ああ、これは私ですね」

上条「ま、マジですか…」

食蜂「題名が『天使の微笑み』って…さすがに照れますわ」テレテレ

上条「こ、こういうのはいいのか…?完全に目立っちゃってるけど」

食蜂「ええ。結構嬉しいものですわよ、慕っている子に自分のことを描いてもらうのは」

上条「そんなもんかなぁー」

??「そんなものでございますわよ、上条さん?」

上条「ん?」クルッ

食蜂「あらっ?」クルッ

??「楽しそうで何よりです、心理掌握様」ペコリ

668: 2011/09/25(日) 23:12:14.96 ID:J/vIKALi0
上条「えっと、こちらの方は…?」

食蜂「はい、こちらは私の派閥の一員で、同級生の美術部員の方ですわ」

美術部員「どうも。心理掌握様がお世話になっています」ペコッ

上条「いやいや、こちらこそお世話になりっぱなしで。…主に勉強面では」

食蜂「ふふっ。徐々に勉強も出来てきていますわよ」ニコッ

上条「さいですか…」

美術部員「…」

食蜂「あら?いかがなさいました?」

美術部員「い、いえ。何でもございませんわ」

食蜂「?」

美術部員(仲がよろしいという噂は本当でしたのね。上条当麻恐るべし!)ジー

上条「?」

食蜂「それにしても奇遇ですわね。貴女もちょうど今こちらに?」

美術部員「! え、ええ!でも、まさか偶然にも心理掌握様に会え」

おばちゃん「あらあら、ようやくモデルさんのご到着かい?この子ったら貴女が来るのを今か今かと待ちわびていたらしくてねぇ。ずっとこの辺をウロチョロしてたのよぉ」

美術部員「」

食蜂「あら、そうでしたの。それは申し訳ないことを…」

美術部員「……////」カーッ

上条(あっ、照れてる。可愛いな)

食蜂「…」ギューッ

上条「イタタッ。あの、一体どうしたのでせう?」

食蜂「…」ゴゴゴゴゴ

上条「なんかごめん」

669: 2011/09/25(日) 23:13:57.34 ID:J/vIKALi0
美術部員「それでわたくし、来年はこの第9学区の高校に進学しようと思うのですが…」

食蜂「…そうですか。貴女がそう決めたのなら良いでしょう」

美術部員「し、しかし、それではわたくしは貴女さまの元から―――っ!」

食蜂「いいのですよ」

美術部員「心理掌握様…」

上条(上条さんは空気ですねわかります)

食蜂「私もずっと派閥に頼ってばかりではいけませんしね。貴女たちも来年からは独り立ちしていくべきですわ」

美術部員「え、ええ…。ですが、それでもわたくしは…!」


食蜂「その代わり、来年からは派閥の一員ではなく友達として、また宜しくお願いしますわね」ニッコリ


美術部員「め、心理掌握様ぁー」ダキッ

食蜂「それまでは派閥の一員として、ですがね♪」ダキッ

上条(イイハナシダナー)

??「百合展開ktkr!」

上条「…そげぶ」ボソッ

??「ぐぼはぁ!?か、カミやん何すんねん!」

上条「美術館ではお静かに」ズルズル ポイッ

??「何でやねーん」ビダーン

上条「ふう。変態は片付いたな」パンッパンッ

美術部員「わ、わたくし、第9学区でも頑張りますわっ!」グスッ

食蜂「この学区は完全に実力主義のようですから、より励まねばなりませんよ。その分優秀なだけ待遇も良いそうですがね」

美術部員「ええ。心理掌握様の名に恥じぬように努めますわ!」

上条(頑張ってくださーい)

670: 2011/09/25(日) 23:15:33.59 ID:J/vIKALi0
上条「…」ポケー

食蜂「…はっ!当麻さんのことを失念してましたわ!」

上条「い、いやー、気にしなくてもいいですよー。すごいイイ話みたいでしたしね」ハハハ

美術部員「す、すいません。少しの間でも心理掌握様を借りてしまいまして」ペコペコ

上条「いやいや、借りるなんてそんな。元々俺の彼女じゃないしな」

食蜂「…」

美術部員(ああ心理掌握様、そんな顔をしないでくださいまし!)

美術部員「…さて、どうなりますかね」

上条「?」

食蜂「!」

美術部員「ではわたくしはこれにて。御機嫌よう、お2人とも」

食蜂「ええ、御機嫌よう」

上条「えと、御機嫌よう?」

美術部員「ふふっ。ではまた」スタスタ

食蜂「では」ニコッ

美術部員「…」スタスタ

美術部員「……女王のこと、よろしくお願いします」ボソッ

上条「えっ」クルッ

美術部員「~♪」

上条「…どういうことだろ?」

食蜂「……ありがとう」ボソッ

上条「??」

671: 2011/09/25(日) 23:18:17.70 ID:J/vIKALi0
食蜂「さて、次の絵ですが…」

上条「……何も言わなくていい」

食蜂「…ええ」


ーーーーーーーーーーーーーーー
l 【題名:私のサーシャちゃん☆】 l
l                    l
l ≪ワシリーサ≫  [ロシア枠]  l
ーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「…これ多分実名ですわよね?本人の許可は取ってあるのでしょうか?」

上条「取ってないだろうな。つーかやっぱりこの格好かよ…」

食蜂「あら?知り合いですか?」

上条「ああ。一応な」

食蜂「この方は……その、大丈夫なのですか?」

上条「…それはどうだろう?」

672: 2011/09/25(日) 23:24:07.65 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「さてこちらは…なんとまあ、原色で統一された絵ですわね」

上条「左から黄色、緑、青、そして赤…。ま、まさかこれは…!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l        【題名:天罰】         l
l                        l
l ≪前方のヴェント≫ [神の右席枠]   l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l      【題名:光の処刑】       l
l                        l
l ≪左方のテッラ≫  [神の右席枠]   l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l      【題名:聖母の慈悲】      l
l                        l
l ≪後方のアックア≫  [神の右席枠]  l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
l       【題名:聖なる右】       l
l                        l
l ≪右方のフィアンマ≫ [神の右席枠] l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食蜂「えっと…皆さんの自画像なのでしょうか?」

上条「ああ。その通りだ」

食蜂「というか、この青い横長の絵の人物は『聖人Ⅱ』の方ですわね」

上条「まあな」

673: 2011/09/25(日) 23:26:04.02 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「えっと、まずこの黄色の絵は…手前の方がヴェントさん、でしょうか?これ本当に女性の見た目なのですかね?」

上条「一応な。俺も未だに疑問だ」

食蜂「しかも上の人は…もしや木原数多?」

上条「へっ、そっちは操祈の知り合いか?」

食蜂「知り合いというか何というか…」

上条「そっか。にしてもアイツが芸術をなぁ…。丸くなったもんだホント」ウンウン

食蜂「結構お上手ですわね。構図も良いですし」←参照:原作13巻前半挿絵(友情出演:木原数多)

上条「さて、次は左方のテッラだが…。コイツ生きてたのか」

食蜂「お亡くなりになった方なのですか?」キョトン

上条「てっきりそう思ってた。まあコイツは…その何というか、どう見ても物凄く悪いヤツだった訳だが」

食蜂「……確かに。人は見た目だけではないとは言いますが、この方は中身も醜悪なのですね」

上条「コイツにもコイツなりの考え方があったんだろうけどさ。…やり方が、な」

食蜂「はぁ。しかしここに作品を出しているということは、それなりに反省されたのでは?」

上条「どうなんだろうな。…まあ、絵の方は本人そっくりだけど」

食蜂「そうなのですか。にしてもカメレオンやインパルスのいt」

上条「それ以上は言うな」←参照:原作14巻カラーページ

食蜂「えっと、次は…この男ですか」

上条「アイツ、そもそも絵とか描くのかよ…。どう見ても体育会系だろ、アレ」

食蜂「でしょうね。…さてこの男、どうしてくれましょうか」ゴゴゴゴゴ

上条「え、えと、操祈サン?どうしたんですそんなコワイ顔なさって」

食蜂「いいえ。何でもありませんわ」ニッコリ

上条「そ、そうか(その綺麗すぎる笑顔が逆に怖いんですが!?)」

674: 2011/09/25(日) 23:30:14.02 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「それにしても、随分たくさんの方が吹き飛ばされていますね。…本当にヒドイ方」ボソッ

上条(天草式の皆さん、あの時はお世話になりました)

食蜂「ですがこの方は絵もお上手なのですわね。器用な方」

上条「確かにな。この中で一番躍動感があるし」←参照:原作16巻カラーページ(友情出演:天草式の皆さん)

食蜂「そして、こちらは…自画像というか、空想画でしょうかね?」

上条「いや、あれでいいんだ。ただの自画像なんだ」

食蜂「? それにしても、なかなか恐ろしい目をしてますわね」

上条「ああ。俺は恐ろしい目にあったがな」

食蜂「…聞き捨てなりませんわね」

上条「い、いやいや違うだって。確かにコイツも悪いことしたし、もはや世界的犯罪者だけどさ」

上条「それを言うなら、俺はここの4人それぞれにボコボコにされたしな!」フンス

食蜂「…」

食蜂「聞き捨てなりませんわ」

上条(ぬおっ!?やべっ、このままじゃ操祈の方がヤバい!)

上条「い、いやね、一応フィアンマ以外はローマ教皇の指示で動いてみたいだったしな!ははっ」

食蜂「…」

食蜂「ならば戦争ですわ」キリッ

上条(なんですとぉ――――――!?)

食蜂「ふふふ。ローマ正教の信徒20億人に、私の能力がどこまで通用しますかね?」ゴゴゴゴゴ

上条(やべー!フィアンマ逃げて逃げてー!)←参照:原作20巻カラーページ

675: 2011/09/25(日) 23:35:01.13 ID:y5VLiGYJ0
食蜂「とりあえず、あの4人は会ってからどうにかするということで」

上条「ゼェゼェ…」←なんとか説得した

食蜂「こちらが最後の作品ですわね」

上条「ん?こ、これは…!」


ーーーーーーーーーーーーーーー
l     【守るべき希望】      l
l                     l
l ≪マタイ=リース≫ [奨励賞]  l
ーーーーーーーーーーーーーーー


上条「…」

食蜂「…」


その絵に惹きこまれた2人はもはや言葉が無かった。明るい色彩が画面の中で形作っているのは、薄汚れた身なりの外国人の少女が楽しそうに笑っている様子だった。
おそらく、ある意味上条当麻よりも大変な思いをして必氏に生き抜いてきたこの少女の満ち足りた笑顔は、この作者こそが誰よりもその姿を願っていたものだったのだろう。
上条当麻には、ようやく彼が本当は何を行いたかったのかわかったような気がした。隣りにいる、食蜂操祈でさえも。


上条「…最後に良いものが見られたな」

食蜂「…ええ」

上条「それじゃ行くか!」

食蜂「はいっ!…ってあれ?もう一作品ありましたわ」

上条「ん?どれどれ…」


ーーーーーーーーーーーーー
l    【最後の希望】     l
l                  l
l ≪一方通行≫ [第一位]  l
ーーーーーーーーーーーーー

上条「…」

食蜂「…」

上食(一方通行ェ…)


同じ少女の絵でも、こちらからは何となくやましさが見て取れた。なんか描いてるところを想像するとゾッとする。
もしかすると、いや本当にあり得なくはない話ではあるのだが、彼が真摯に絵を描いていたとしても、それはそれは何か怖い。
しかし、さすが第一位というべきか、その少女の絵はやたらと上手いのだった。

686: 2011/09/29(木) 22:26:29.26 ID:2GVl6J270

<ウィーン

上条「ふう。なんか色々と驚きはあったけど、来てよかったな」

食蜂「ほ、本当ですか!?」

上条「お、おう。結構楽しかったし」

食蜂「そうでしたか。良かったですわ。正直なところ、こういう場所では当麻さんが退屈してしまうかと思っていまして」

上条「いやいや。お世辞でも何でもないし、こういうのも新鮮で良かったぜ」

上条(正直、何がどうすごいかはよく分からなかったが)

食蜂「これで一安心ですわ」フゥー

上条「安心って大げさな。俺は操祈が行きたいトコなら喜んで行くぞ」

食蜂「そ、それは……ありがとうございます」///

上条(多分デートってこういうモンだろ?)

食蜂(私の行きたいところならば……でしたら…きゃー、私ったら何てことを!)クネクネ

上条「さて、次はどこ行くか?」

食蜂「そうですわね…でしたら、まずは昼食としましょうか」

上条「わかった。えっと、今は…11時20分か。あれ、まだお昼には早くないか?」

食蜂「このようなことはあまり言いたくはないのですが、第9学区は工芸・美術を専門とした場所なので、食事の方も、その…」

上条「…言われてみれば、周りにある飲食店の料理がやたら前衛的だな。味は悪くはないんだろうけど、食べたくはないな」

食蜂「という訳でして、まずはこの学区から脱出いたしましょう」

上条「なるほど。てか脱出って…」

687: 2011/09/29(木) 22:27:44.24 ID:2GVl6J270
上条「でも、意外と客足はあるんだな。『七色カレーの店』って書いてあるのに」

食蜂「物珍しさに釣られている方もいるのでしょうが…。おそらく一番の理由として挙げられるのは感覚的な問題ですわね」

上条「えと、つまり?」

食蜂「慣れですわ」

上条「…人間の環境適応能力ってすごいな。あのチャーハン青いぞ」

食蜂「あの子もいずれああなってしまうのでしょうか…?心配です」

上条「というかこう言っちゃアレだが、常盤台のお嬢様がここで過ごせるのか?」

食蜂「大丈夫ですわ!………たぶん」

上条「まあ学園都市の子だからな。こういうのにも慣れてるだろ!」

食蜂(こういったモノから隔離されているのが『学舎の園』なのですがね…)

食蜂「…そうですわね。あの子の強さを信じましょう!」

<キャー ナンデスノ、コノチャーハンハー!?
<オキャクサマ、オチツイテクダサイ!
<ドンガラガッシャーン

上条「…」

食蜂「…」

上条「…行くか」

食蜂「…ええ」

食蜂(強く、たくましく生きなさい)

上条(美術部員は犠牲になったのだ…)

688: 2011/09/29(木) 22:29:15.93 ID:2GVl6J270
ーーー第15学区 繁華街ーーーーーーーーーーーー
<ワイワイ ガヤガヤ ギャース

上条「…さて、気を取り直して飯にするか!」

食蜂「ええ。どこにしましょうか…?」キョロキョロ

上条「さすがは学園都市最大の繁華街。どこもかしこも繁盛してるな」

食蜂「意外と洒落たお店もありますのね」

上条「ん?やっぱり操祈はああいうトコがいいのか」

食蜂「いいえ。むしろ私は……あっ、アレがいいですわ!」ビシッ

上条「おう。どれどれ……?」チラッ

上条「なん……だと…?」

食蜂「~♪」


ーーーマクロナルハンバーガー ーーーーーーーーーーーー
食蜂「いつの日か必ず訪れたいとは思っていましたが、ようやく現実のものとなりました!」

上条「な、なぜファーストフード店…?」

食蜂「入ろうとするたびに部下や派閥の子たちに止められるのです。何やら体型がどうとか栄養バランスがどうとかで…」

上条「まあ、それは彼女たちが全面的に正しいな」

食蜂「もしかしたら生まれて初めて食すかもしれませんね。もぐもぐ」

上条(すごく喜んでるし、これでよかった…のか?)

食蜂「おいしい♪」パクパク

689: 2011/09/29(木) 22:30:20.47 ID:2GVl6J270
ーーー繁華街ーーーーーーーーーーーー
食蜂「ふぅー。やはり予想通りの美味でしたわ!」

上条「そ、そうなのか…?」

上条(デートでファーストフード店とは、男として情けないぜ…)

食蜂「本当にありがとうございますわ、当麻さん!」

上条「あ、ああ」

食蜂「~♪」テクテク

上条「さて、これからどうする?」

食蜂「せっかくですし、午後はこちらで遊んでいきましょう」

上条「だな。俺もここで遊ぶのは初めてだし」

食蜂「いつもはどちらで遊ばれているのですか?」

上条「ん?ああ、第7学区の地下街とかかな。飲食系は結構変わってるけど、遊ぶのならもってこいな場所だからな」

食蜂「なるほど」ウーム

上条(あれ?どうして悩んでいるのでせう?)

食蜂(今度1人で地下街に潜伏しましょうか…?しかし、派閥の皆が私を1人にしてくださるとは思えませんし)

上条「よし、じゃあ早速回ってみるか!」

食蜂「ええ!」ニコッ

690: 2011/09/29(木) 22:31:37.30 ID:2GVl6J270
ーーー雑貨屋『いざーど』ーーーーーーーーーーーー
店員「ふむ。よく来た」

上条「ありゃ?」

食蜂「どうかなさいました?」

上条「いや、何でもない」

上条(あの店員、どっかで見たことあるような…?)

店員「好きなだけ見て行くがよい」

上条(気のせいだな。どうも口調が引っ掛かるけど)

上条「さて、どれがいいかなー?」キョロキョロ

食蜂(こういうのってデートっぽいわね)//

上条「操祈は何か欲しい物とかあるか?」

食蜂「そうですわね…。髪留めとかは欲しいかもしれませんわね」

上条「ああ。そういや美琴とかも付けているよな」

食蜂「…そこでなぜ美琴の名前が出てくるのですか?」

上条「いや何となくだけど…。何か気に障ったか?」

食蜂「デート中に他の女の子の名前を出すのは厳禁ですわよ♪」

上条「そ、そうだったのか?」

食蜂「当たり前です。これからはちゃんと心がけてくださいね」

上条「え、えっとぉ…」

食蜂「い  い  で  す  か  ?」

上条「はいわかりました」

店員「…」

691: 2011/09/29(木) 22:33:07.67 ID:2GVl6J270
上条「えと、どれがいいかなー?」キョロキョロ

食蜂「…」ジー

上条「おっ、これがいいのか?」

食蜂「い、いえ、そういう訳では…」

上条「そうか。じゃあどうしようかなー?」クルッ

食蜂「…っ」シュン

上条「…冗談だって」ポンッ

食蜂「ふぇ?」チラッ

上条「悪かったな。ちょっと悪戯したくなったんだ」ナデナデ

食蜂「まったく、ヒドイですわ」ジロッ

上条「ごめんごめん。お詫びにコレ、買ってやるからさ」

食蜂「ほ、ホント!?」

上条「おう、これくらいならいいぞ。てか、いつもの口調はどうした?」

食蜂「ハッ。……ではこちらを」サッ

上条「おお、可愛い髪飾りだな」

食蜂「ええ。このお花のデザインが気に入りまして」

上条「ピンクかぁ。いいじゃないか、操祈に似合うと思うぞ」

食蜂「そうですか?う、嬉しいです」///

上条「よしっ、買うか!」

食蜂「ありがとうございます!」

692: 2011/09/29(木) 22:34:08.18 ID:2GVl6J270
上条「すいませーん。コレ、買えますか?」サッ

店員「当然。それは商品なのだからな」

上条「そ、そうですよねー。じゃあコレください」

店員「ふむ。300円いただこう」

食蜂「…?」

上条「はい」つ(300)

店員「必然。お釣りなどない」

上条「当たり前だろそれ」

店員「憮然。持っていけ、商品だ」

上条「売る気あるのかアンタ!?」

食蜂(この人、何か違和感が…?)

店員「…済まないが1ついいか、少年」

上条「? 何ですか?」

店員「以前、私は君に会ったことがあったか?」

上条「…いや、今日が初めてだったと思うけど」

店員「そうか、ならば良いのだ」

上条「本当か?」

店員「全然」

上条「…」

食蜂「当麻さん、他にも見てみますか?」

上条「おう、そうだな」

店員「…」

693: 2011/09/29(木) 22:36:20.49 ID:2GVl6J270
上条「他に目ぼしいモノはっと…」キョロキョロ

食蜂「うーん。私はもう結構ですわ」

上条「そっか。俺も特に欲しいものはないなー。…にしても」

食蜂「どうかしましたか?」

上条「いやさ、ここってアクセサリー売ってるのにドラゴンとか無いよな」<ドンガラガッシャーン

上条「ん?」クルッ

食蜂「あら?」クルッ

店員「ひ、ひぃ!?あわわわわわわあqwせdrftgyふじこlp」ビクビク

上条「」

食蜂「」

上条「…そろそろ行くか」

食蜂「…はい」

店員「うわわわわ怖いお怖いおドラゴンたん怖いお」ガタガタビクビク


ーーー第7学区 窓の無いビルーーーーーーーーーーーー
??「へくしっ。…ほう。この私でも『くしゃみ』というものをするのだな。実に興味深い」

☆『そうなのか。しかし、この2人の絡みもなかなか良いものだな、エイワス』

エイワス「個人的には上琴が至高だ。やはり未だに興味がある」

☆『私にもそんな時代もありますた』

エイワス「なるほど。では君は上食派か」

☆『上条×部下も捨てがたいがね』

エイワス「同感だ。一体この先どうなるのだろうな」

☆『私はどうなろうと全力で支援するがな』



手下(もうやだコイツら…)

694: 2011/09/29(木) 22:38:03.27 ID:2GVl6J270
ーーー第15学区 繁華街ーーーーーーーーーーーー
食蜂「~♪」

上条(嬉しそうだな。買ってよかったぜ)

食蜂「さて、次はどうしましょうか?」

上条「そうだなぁ…」ウーン

食蜂「しかし、このまま街をぶらぶらしているのも悪くありませんわね」テクテク

上条「確かに。こういうのもいいかもな」スタスタ

食蜂「…」

上条「…」

食蜂「…あの当麻さん。私、今とっても幸せです」

上条「ん?そうか。なら良かった」

食蜂「ええ。高校で授業をするのも、実習生の皆さんとお話しするのも、そして……」

食蜂「―――上条当麻さん。貴方に出会い、こうして一緒に過ごすことができたことも」

上条「…そっか。光栄だな、そこまで言ってもらえて」

食蜂「はい。ですからその、これからも…!」<キャー!!

上条「おっ、何か始まったみたいだな」クルッ

食蜂「…」

食蜂(能力使って黙らせましょうかね?)

上条「ん?ま、まさか、アイツは…!」


レポーター「今日は、人気絶頂の一一一さんをここ学園都市第15学区にお招きしてお送りしています!」

一一一「こんにちはー!一一一でーす♪」

ファンたち「「「キャ―――!!一一一!一一一、一一一ェ!」」」

レポーター「どうですかー、この学園都市は?」<キーン

一一一「そうですね。やっぱり科学技術が全然違うことにまず驚きました。こうも差があると『外』に出たときに不安になってしまいますね」

レポーター「そうですかー。恐ろしいまでに平凡なコメントに感謝の意を表します♪」

一一一「気が利かなくてゴメンナサイ」


上条「あれ?何かあのレポーター、様子が変だな??」

食蜂「そうですか?気のせいですわよ」ニコォ

上条(…気のせいだよな。そうだと願おう!)

695: 2011/09/29(木) 22:39:22.77 ID:2GVl6J270
レポーター「まったく空気を読めない見事なトーク力を披露してもらったところでスタジオにお返ししまーす」

一一一(学園都市怖い…)ガタガタ


上条「早くも学園都市の洗礼を受けたんだな。可哀想に」←無理矢理自分を納得させる

食蜂「やはり『外』の人は大変ですわよねー」

上条「だな。…まあ俺の場合、外では大変な思いしかしてないけど」

食蜂「例えば?」

上条「アドリア海にダイブして、アビニョンでは暴動に巻き込まれ、ロンドンでクーデター?」

食蜂「…なんとなく知ってはいましたが、当麻さんって結構トンデモ人間ですか?」

上条「いやいや。上条さんはごく一般的な高校生ですよ」

食蜂「普通氏んでますわよ?そんなに危険な目にあってばかりでは」

上条「意外と頑丈だからな、俺って」ムキッ

食蜂「ふふっ」

上条「ははっ」

テッラ「ハハッ」

上食「「………えっ?」」クルッ

テッラ「いやー、久しぶりですねー。上条当麻」

上条「さ、左方のテッラ…!?」

テッラ「どうもー」

食蜂(さっきのカメレオンかインパルスな人だ)

上条「お、お前、なんでここに…?」

アックア「む?どうしたのであるか、テッラ」ザッ

フィアンマ「おい、俺様を置いて行くな」スッ

ヴェント「科学こわい科学こわい科学こわい…!」ガタガタ

上条「」

食蜂「」

704: 2011/10/05(水) 00:32:13.49 ID:/pbTeY5O0
テッラ「ん?ああ、すみません。置いていってしまいましたかー?」

アックア「この街で勝手に動くのは危険であるぞ、テッラ。…むっ、そこにいるのは…?」

上条「」

フィアンマ「ほう、こうも早く会えるとはな。嬉しい限りだ」

ヴェント「科学こわい科学こわい…」ガクブル

食蜂「」

アックア「…おい、どうしたのだ上条当麻。しっかりするのである」ブンッ!!ブンッ!!

上条「……ハッ。これは一体…って、ちょっストップストップ!!」ガクガク

テッラ「おやおや。意識が戻ったようですねー」

フィアンマ「というかアックア、そろそろやめておけ。お前の力でそこまで揺すると氏んでしまうぞ」

アックア「む?了解したのである」ピタッ

上条「……うぇぷっ。さ、サンキューなフィアンマ。助かったぜ」

フィアンマ「…ふん」プイッ

テッラ「何を照れているんですかー?気持ち悪いですよー」

フィアンマ「な、何でもないぞ。俺様は至って冷静だ」アセアセ

アックア「そこまでは追及していないのである」

上条「?」

フィアンマ「くっ、お前まで俺様にそんな口をきくのか、アックア!」

テッラ「今となっては『神の右席』のリーダーも形無しですからねー」

アックア「その通りである」

フィアンマ「う、うるさいっ!」

食蜂「…」ジー

ヴェント「うぅぅ…」ガタガタ

705: 2011/10/05(水) 00:35:07.22 ID:/pbTeY5O0
上条「で、一体何をしにここに来たんだよ?言っとくけどお前らはここじゃ立派なお尋ね者なんだぞ」

テッラ「は?言ってる意味が分かりませんねー?」

フィアンマ「ああ。俺様たちは今や善良な市民だぞ?」

アックア「特に悪いことをした覚えはないのである」

ヴェント「科学は怖いのである」

アックア「しっかりしろヴェント」パコーン!!

ヴェント「」

上条「いやいやお前らこそ何でそんなに堂々としていられるの!?本当に自覚無しか!」

右席「「「「?」」」」

上条「……いいぜ。そうやって恍けようっていうんならこの上条さんが懇切丁寧に説明してやるぜ」

右席「「「「どうぞどうぞ」」」」つつつつ

上条「…」

食蜂(何なのでしょうこの不思議な感じ。物凄く強いオーラはありますのに、全員頭のネジが緩んでいるような…?)

上条「はぁー…」

アックア「ため息をつかれたのである」

テッラ「心外ですねー」

食蜂(とにかく今は様子見ですわね)キッ

706: 2011/10/05(水) 00:36:22.83 ID:/pbTeY5O0
上条「よっしゃ、じゃあ言うぞ!まずはヴェントぉ!」

ヴェント「ひぃ!?」

上条「…」

ヴェント「…」

上条「…ヴェントさん?」

ヴェント「…ええ」

上条「アンタは去年の9月30日に学園都市の機能をほぼ麻痺させて、俺と無関係の人たちをバッタバッタ薙ぎ倒して…」

ヴェント「薙いではないわよ」

上条「ああ悪い。まあともかく昏睡させて、この街に大ダメージを与えただろ!なんでそう平然としてられるんだ!?」ビシィ

ヴェント「ゴメンナサイ」

上条「は?」

ヴェント「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ科学ゴメンナサイ…」ビクビク

上条「……なあアックア。コイツさっきから様子が変なんだけど、どうしたんだ?」

アックア「実はその『0930事件』以来、科学のことが嫌いとか憎いとか通り越して怖くなってしまったらしくてな。それでこの有り様である」

上条「いや、前にエリザリーナ独立国同盟で会ったときはもっと凛としてたぞ」

アックア「あの時はフィアンマの暴走を止めるのに必氏で発症していなかったそうであるが」

フィアンマ「いやぁ」テレテレ

上条「褒めてねぇ」

フィアンマ「」シュン

上条(コイツ誰だよ)

食蜂(私、完全に空気ですわ)

707: 2011/10/05(水) 00:38:40.63 ID:/pbTeY5O0
上条「…気を取り直して次いくぞ。続いてテッラぁ!」

テッラ「やっと私の出番がきたようです」

上条「4人いるうちの2番手だけどな。そうテメェは……俺の携帯を壊したなぁ!?」

テッラ「説明が面倒になって端折りましたね!?まあ、結果的に貴方の携帯電話を壊してしまいましたがねー」

上条「謝れこの野郎!」

テッラ「いやー、あの後私は貴方のケータイよりもヒドイ目に遭いましたし」

上条「つまり?」

テッラ「テ/ッラになりました」

上条「なんかごめん」

アックア「そういうことであるので」ノシ

テッラ「ああ、そうですか。ではあの時のことは水に流しま……いやねーよ」

アックア「むう。私が水の魔術を使うという点から日本語の言い回しである『水に流す』を使用するとは……やるなテッラ」

テッラ「どこまでボケ倒せば気が済むのですか」

上条「…って、ああもう!神の右席はいつからツッコミ不在の漫才集団になったんだよ!?次いくぞ次ィ!」

アックア「ふむ。次は私であるか」

上条「お前は……お前には殺されかけたけど、命助けてもらったからもういいや」

テッラ「へぇー、アックアは上条当麻の命まで助けていたんですか。さっすが騎士様はお優しい」

アックア「騎士ではない。私は傭兵崩れのごろつきである」キリッ

上条「そういうのいいから。というか、あの時はお世話になりました」ペコペコ

アックア「感謝されるほどのものではない」

食蜂(私はいつまで黙っていなければならないのでしょうか?)

708: 2011/10/05(水) 00:40:15.07 ID:/pbTeY5O0
上条「よし。そして最後にフィアンマぁ!」

フィアンマ「はい!」ビシッ

上条「…な、なんか気味悪いなお前」

フィアンマ「気にすることはない」キリッ

上条「お、おう。そうお前は……お前のことはむしろ心配だ。何せ第3次世界大戦を引き起こした張本人なんだからな」

フィアンマ「」ジーン

アックア「感動しているのである」

テッラ「気持ち悪いですねー」

フィアンマ「う、うるさいっ」

上条「それで?世界を見て回ったのかお前?」

フィアンマ「当然だ。様々な国を見て回っているところだ」

上条「へぇー。それで今日は学園都市ってか。つか、よく来れたな」

フィアンマ「まあ今回は自分たちの作品を見に来たんだがな」

上条「ん?ああ、あの現代作家の展覧会か」

テッラ「そういうことです。いやはや、絵画というものも良いものですねー」

アックア「モデルというのも悪くないものである」

上条「そういやモデルもしてたなお前…」

アックア「ふむ。アレで結構給料も良いのである」

上条「知らねえよ」

食蜂「…」

709: 2011/10/05(水) 00:43:15.20 ID:/pbTeY5O0
テッラ「ところでそちらの女は誰ですかー?貴方のガールフレンドか何かですかねー」

食蜂「が、がーるふれんど…」///

上条「ん?ああ、この子は……?」

テッラ「この子は、何なのですかー?」

上条(あれ、どう説明すればいいんだろ?)

食蜂「え、えと、私はですね……この方の、先生ですわ!」

上条「!」

アックア「なっ、上条当麻の…」

ヴェント「先生…だって?」

テッラ「どう見ても貴方よりも年下……の少女ですねー」

フィアンマ「まさかお前…」

上条「…い、いや違うぞ!別に俺の頭がとんでもなく悪いとかどうしようもなくアホな子とか、そういう訳じゃ…!」

右席「「「「…」」」」ジー

上条「そ、そんな目でこっちを見るなぁ!」

アックア「なるほど。あまり賢そうではないとは思ってはいたが…」

テッラ「まさか年下の女の子に勉強を教えてもらっていたとはねー」

フィアンマ「確か、禁書目録も年下だったな」

ヴェント「アンタって年下趣味なワケ?ちょっと引くんだケド」

上条「違う違う違う!これにはマリアナ海溝よりも深い事情があってだな…」

食蜂「そんなことよりも」

上条「えっ、そんなこと!?何気にヒドッ!」

食蜂「…貴方がたは、当麻さんをボコボコにしたと聞き及んでいるのですが、どうなのですか?」

710: 2011/10/05(水) 00:45:34.01 ID:/pbTeY5O0
上条(ん?…し、しまった!何だかよく分からんが操祈はコイツらに対抗心燃やしてるんだった!)

食蜂「…」ゴゴゴゴゴ

上条(ヤベェどうしよう!?このままだと操祈が危ねぇ!)

ヴェント「あの時はホントすいませんでした」ペコリ

上条(ヴェント謝るの速っ!?)

食蜂「よし、貴女は許しますわ」キリッ

上条(許すのも速っ!?)

食蜂「さて、他の方はどうです?今謝ればこちらとしても寛大な処置で済むのですが」ニコォ

アックア「むう…(ここは素直に謝った方が面倒なことにならなそうである)」

フィアンマ「おいおい(ま、確かにあの時はこの男とかに迷惑をかけてしまったがな)」

テッラ「ハハッ(全然心当たりがありませんねー)」

食蜂「どうします?」

アックア「…上条当麻よ。こちらにも事情があったにせよ…」

食蜂「事情?」ニコニコ

アックア「……あの時は迷惑をかけた。済まなかったのである」

上条「お、おう。だから気にしなくてもいいって」

フィアンマ「次は俺様の番か。俺様は…上手く言葉で言い表すことができないが、あの一撃のおかげでお前に救われたような気がする」

上条「は?いや、別に俺はそこまで立派なことをしたつもりじゃ…」

フィアンマ「それでも言わせてくれ。本当に済まなかった。そして…ありがとう」ボソッ

上条「」ポケー

テッラ「おやおや。一世一代の大告白、といったところですかねー?」

アックア「微笑ましいのである」ウンウン

フィアンマ「黙れっ!くそっ、なぜこの俺様がこんな恥ずかしい台詞を言わねばならんのだ…」

上条(ホント変わったなコイツ)

ヴェント(上条×フィアンマか……あるあr…ねーよ)

食蜂「さて、ようやく最後の1人ですわね。さあ、早く当麻さんに頭を下げて謝罪しなさい!」ビシッ

テッラ「んー?フツーに嫌ですねー」

711: 2011/10/05(水) 00:46:55.12 ID:/pbTeY5O0
食蜂「」

ヴェント(まあ、コイツならそうよね)

アックア(空気を読めない男である)

フィアンマ(何だか面倒なことになってきたな)

上条(ああ、恐れていたことが…)

テッラ「私は生まれてこの方悪いことをした覚えはありませんからねー」


ヴェント「…でもアイツこの間ローマ中で謝ってなかったっけ?アックアとセットだったケド」ヒソヒソ

アックア「ふむ。奴の犯した罪に対する罰だったのだが、犠牲者の親族が何処にいるのかよく分からなかったのでな。とりあえず市内中で謝らせたのである」ヒソヒソ

フィアンマ「お前が無理矢理頭を掴んでジャパニーズお辞儀をさせたせいでテッラはボロボロだったがな」ヒソヒソ

上条「お前らそんなことさせてたのかよ…。まあテッラだから許す」ヒソヒソ

アックア「エドの市中引き回しというものを参考にしたのである」ドヤッ

上条「いや、そういうのじゃないからアレ」ヒソヒソ


食蜂「……ほう。なるほどそうですか」

テッラ「ええ。ではそろそろ失礼しても良いですか?せっかくなので色々回ってみようと思ってましてねー」

食蜂「この私が逃がすとお思いで?」

テッラ「ほほう。何やら自分が特別みたいな言い様ですねー」

食蜂「その通りです。…自己紹介が遅れて申し訳ございませんでした。私は学園都市第5位『心理掌握』、と言えばご理解いただけますか?」

アックア「!」

ヴェント「!」

フィアンマ「…へぇ」

テッラ「…」

712: 2011/10/05(水) 00:48:49.99 ID:/pbTeY5O0
食蜂「…どうです?考えを改める気になりましたか?」

テッラ「いいえまったく。むしろこの私がその程度の理由で自分の意志を曲げなければならないのか尋ねたいくらいですねー」

食蜂「なるほど。その気はないのですね?」

テッラ「何度も同じことを言わせないで欲しいものですがね」

食蜂「…」

テッラ「…」

上条「…あのぉ、2人ともまずは一旦落ち着いて」

食蜂「では……そろそろ良いですか?」

テッラ「こちらはいつでも構いませんよ」

上条「えっ、ちょっと何を…!」

食蜂「…」スッ

アックア(むっ?アレは…リモコン?)

ヴェント(……良い悪意)

食蜂「愚かな貴方には然るべき罰を!」バッ

テッラ「超能力とやらが何かはよく分かりませんが……黙ってさせる訳にはいきませんねー」バッ

上条「っ!小麦粉か!?おいよせ!!」ザッ

テッラ「優先する。―――人体を下位に、小麦粉を上位に」ビュオン!

食蜂「なっ!?」

上条「くそっ!」パキーン

テッラ「やはり厄介ですねー、その右腕は。先に貴方の方から始末してしまいましょうか」

食蜂「くっ…」

上条「ったく、テメェは相変わらずかよ!」

アックア「…おいテッラ。いい加減にしないと」

ヴェント「まあまあ。ここは私に任せなさいって」

アックア「む?(ヴェントの奴、何だか知らんが元に戻ったな…)」

713: 2011/10/05(水) 00:50:07.72 ID:/pbTeY5O0
テッラ「では次の攻撃いきましょうかー」バッ

上条「くっ!」

食蜂「な、何ですかこの力は!?」

テッラ「答える気はありませんねー。…優先する。―――人肉を下位に、小麦粉を上位に」ビュオッ!

上条「またか!同じ手が…」

ヴェント「どいて」ドッコイショ

上条「えっ?」

ヴェント「よいしょー♪」ブオン

<ヒュオー サラサラー

テッラ「…ぐはっ!?」ズバズバズバッ

ヴェント「ハッ。アンタってホント私と相性悪いのねぇ」

上条「」ポケー

食蜂「」ポケー

ヴェント「……おいコラ、何をボサッとしてやがるのよ。さっさとその女の子連れてこの面倒な男から離れな」

上条「…はっ。お、おう。ほら行くぞ」パシッ

食蜂「え、ええ。ってあれ?手をつないでる??」

上条「じゃあなー!」タッタッタ

食蜂「当麻さんの手……うふふっ////」タッタッタ

714: 2011/10/05(水) 00:51:28.24 ID:/pbTeY5O0
<タッタッタッタッタ…

ヴェント「…行っちゃったわね」

フィアンマ「もう少しゆっくり話をしたかったのだがな」

アックア「ふむ。そんなことよりも…」

ヴェント「何よ?言っとくケド、このケガはコイツの自業自得なワケだけど」

フィアンマ「『優先』したとしても所詮小麦粉は小麦粉…。来ると分かってさえいれば対処も容易い。特にヴェントならばな」

ヴェント「風を起こすだけの簡単なオシゴト、ってね」ケラケラ

テッラ「」

アックア「いや、そうではなくてだな。周りを見てみろ」

ヴェント「はぁ?一体どういう……ワ…ケ…?」クルッ

フィアンマ「何がだ?そんなに俺様が目立…って…?」チラッ

<ワイワイ ガヤガヤ ヒソヒソ

通行人「やだー能力者同士の戦いぃ?」「マジあり得ないんですけどー」「つーか倒れてる男っていたk」

アックア「…どうやら派手にやりすぎたようだな」

ヴェント「ひぃ!?科学サイドの集団攻撃ぃ!?」

アックア「いや、科学側の集団を攻撃したのが貴様であろう」

フィアンマ「おいおい。状況は芳しくないな」

風紀委員「ジャッジメントですの!」キリッ

警備員「アンチスキルじゃん!」ジャーン

アックア「とにかく一旦この場から引くぞ。…テッラとヴェントは私が抱えて行くのである。貴様は自分で何とかしろ、フィアンマ」

フィアンマ「ふん。俺様を誰だと思っている?」

ヴェント「そうした方がいいみたいね。…ん?あれ、テッラと誰を抱えるんだっけ?」

アックア「では逃げるのである」ガシッ

フィアンマ「そうしようか」スッ

ヴェント「おいちょ」

<ヒュン

一一一「消えた!?…カガクノマチコワイ」

715: 2011/10/05(水) 00:52:22.11 ID:/pbTeY5O0
~しばらくして~

上条「ぜーぜー…。何とか逃げられたみたいだな」ギュッ

食蜂「///」キュンキュン

上条「ん?どうしたんだ…って、ああ悪い。痛かったか?」

食蜂「い、いいえ。そういう訳では…」///

上条「本当に大丈夫か?…つか、テッラからは逃げ切れたんだし、もう手をつなぐ必要もないか」

食蜂「…えっ?」

上条「じゃあ手を離すぞー」

食蜂「ま、待ってください!」

上条「ん?」

食蜂「今日は……今日だけは、このままで…」//

上条「」

食蜂「ダメ…ですか?」ウルッ

上条「い、いや、俺は構わないけど…」

上条(ヤバい今のはキュンときた)

食蜂「ふふっ。嬉しいですわ」ギュッ

上条「そっか。なら良いんだ」

上条(にしても、さっきも俺のためにあの『神の右席』相手に立ち向かったり、今もこうして手を握ってくれたりして……)



上条(…本当に、良い子だよなー)ニコッ

716: 2011/10/05(水) 00:53:19.51 ID:/pbTeY5O0
食蜂「…」////

上条「さて、これからどうする?まだ色々と回る時間はあるけど」

食蜂「…このまま」

上条「へっ?」

食蜂「このまま、街を歩くだけで……それだけでもう、私は満足です」

上条「…そっか。じゃあこのまま歩いてみるか」

食蜂「はいっ!」ニッコリ

上条「いやー、こういうのもデートっぽくていいな!」

食蜂「ええ!せっかくなので周りの人たちに見せつけてやりましょう」ギュッ

上条「おう!」ニカッ

食蜂「ふふふっ♪」


その後1時間、ずっと手をつないだまま堂々とデートをしたこの2人の存在は、流行の発信地である第15学区から瞬く間にすべての学区へと広がっていった。
曰く、『私服も容姿も可愛い金髪女子中学生とデートをしてやがったごく普通の高校生がいるんだが』だそうだ。
ちなみにその噂が広まったのち、とある不幸な少年がスキルアウトに追われる回数や追うスキルアウトの数が激増したらしいが、それはまた別の話である。

717: 2011/10/05(水) 00:54:41.26 ID:/pbTeY5O0
~デート終了~

ーーー第7学区 いつもの公園ーーーーーーーーーーーー
食蜂「今日は本当に幸せでしたわ!」

上条「おう、そっか。俺も楽しかったぜ」

食蜂「…この髪留め、大事に使わせてもらいますわ」スッ

上条「それはありがたいな。まあ、操祈って基本髪は結わないみたいだし、あまり使わないかもしれないけどな」

食蜂「うーん。それはそうかもですけど…。でもきっと、当麻さんにこれを付けた姿をお見せしますわ!」

上条「わかった。楽しみにしてるぜ」

食蜂「はい♪…では、そろそろお別れの時間ですわね」

上条「そうだな。もう暗くなってきそうだし」

食蜂(…ここで一世一代の大勝負…ですわ!あの男の言葉みたいで少し悔しいですが)

食蜂「…」スゥ

上条「それじゃまた学校で……って操祈?どうして目を閉じているのでせう?」

食蜂「…」ドキドキ

上条「しかもなぜ顔を少し上に向けているのでせう?(これじゃまるで…!)」

食蜂(さあ、当麻さんかもーん!いざお別れのききききっすを…!)ドキドキ

上条「…」ジー

上条「…」ススー

食蜂(来た…!?)ドックンドックン

上条「」ピタッ

上条「」ブンブン

上条「…」ウーン

上条「」ポンッ

食蜂「……ふぇ?」

718: 2011/10/05(水) 00:55:31.60 ID:/pbTeY5O0
上条「…」ナデナデ

食蜂「え、えと、当麻さん?」//

上条「…今日は俺みたいなヤツと付き合ってくれてありがとな」

食蜂「当麻さん…」////

上条「うしっ、それじゃ、また学校でな」ノシ

食蜂「はい!……ってあれ?」

上条「じゃあなー」タッタッタ

食蜂「ご、御機嫌よう…」

<タッタッタッタッタ…

食蜂「…行ってしまわれましたわ。もう、せっかく勇気を出しましたのに」

食蜂「でも、今日の1日は…何物にも代えがたいものでしたね。やはりこれ以上は欲張りなのでしょうか」

食蜂「…いやそれでも、例え欲張りだとしても」


食蜂「私は貴方のことを……必ず…!」


ーーー第7学区 とある歩道ーーーーーーーーーーーー
上条「…ゼーゼーゼー。よしっ、ここならもう操祈も来ないだろ」

上条「にしても、やっぱりあの動きは……間違いなくそういうことだよな。もしかしなくても」

上条「でも、あの時しなかったのは正解だったな。中途半端な気持ちじゃ向こうも迷惑だろうし」

上条「うーん。しかも、昨日の美琴のことも……ああーもう何だかよく分からん!」ガシガシ

上条「…今まで考えてみたこともなかったけど、今度は俺自身のことも考えなきゃいけない…のか?」

上条「しかし、すべて俺の勘違いなんてことも……いや待てよ。仮にそれがすべて本当だとすれば…」


上条「……あれ?これって幸運じゃね?」

719: 2011/10/05(水) 01:02:50.58 ID:/pbTeY5O0
今回分は以上です。ようやく長い長い1週間が(ほぼ)終わりました。1週間を半年以上ってシャレにならねえぞ…!
常盤台二大エースの活躍により、ようやく上条当麻の『鈍感さ』という壁が崩れかかってきました。
この調子でがんばれ美琴!負けるな操祈!そしてもう一人…。

それで、今回ストーリー上の関係で省かざるを得なかった部分を少しだけ書いてから今日はおしまいです。
ではまたノシ

720: 2011/10/05(水) 01:04:14.49 ID:/pbTeY5O0
~都合により割愛したトコ~

上条「…にしても、お前は随分と印象変わったな、ヴェント」

ヴェント「ん?ああ、今はもう『天罰術式』は使ってないからね。あの見た目はもう必要じゃないってワケ」

上条「ふーん。それでスッピンなのか」

ヴェント「スッピンというか、あの状態よりはナチュラルなだけ。私だって人並みに化粧くらいはするケド」

上条「そっか。いやー、女性って化粧1つでここまで変わるモンなんだなー」

ヴェント「そりゃあ、あんだけ濃い…というよりド派手なメイクすれば見た目も変わるわよ」

上条「いやそうじゃなくてさ、ヴェントって結構キレイだったんだなーって」

ヴェント「……は?今なんて?」

上条「だからさ、素のヴェントってキレイだなーと。あの時は色々ありすぎて全然分かんなかったけど、お前って案外美人なんだな」

ヴェント「びじっ、んな!?」カァーッ

上条「いやー、あの時は悪かったなー。一応友達を守るためとはいえ、こんな美人さんを殴っちまうなんて、俺はヒドいヤツだな」

ヴェント「うぅぅ…」///

上条「…あれ?どうしたんだヴェント、熱でもあるのか?」

食蜂「…」ギューッ

上条「イタタタタタタッ!?何をするんですかー!?」

食蜂「…ふんっ」プイッ

上条「?」

ヴェント「…」////

728: 2011/10/08(土) 23:36:28.41 ID:xHsPeeOg0
こんばんは。今日から誰得オマケです。本当はいつも通り一回で全部置いていきたいのですが、生憎風邪を引いてしまいまして…
とりあえずケース1だけ投下します。

729: 2011/10/08(土) 23:38:19.70 ID:xHsPeeOg0
ケース1 シェリー=クロムウェルの場合

ーーーイギリス 『必要悪の教会』女子寮ーーーーーーーーーーーー
シェリー「それじゃ、今から作品制作に入っていくからな。この調子でモデルを頼むわよ」

神裂「…あの、シェリー?言いたいことがあるのですが…」

シェリー「何だ?…そういえばお前、ずっと文句ありそうな顔してたな」

神裂「いえ、モデルに選んでいただいたことは光栄ですし、仕事も苦ではありません。しかし…」

シェリー「ん?歯切れが悪いわね。とにかく言ってみな」

神裂「その、せっかくモデルをするのであれば、私もいつもの格好ではない方が良いかと思うのですが」

シェリー「…あー」

アックア「ふむ。それは私も常々思っていたことである。本当にこのままの服装で大丈夫なのであるか?」

シェリー「…いや、アンタらはそれでいいのよ。普段通りで十分だから」

神ア「「?」」

<コンコン

シェリー「おっと、誰か来たみたいだな。やっぱ休憩してていいぜ。はーい、入っていいわよー」

アンジェレネ「…失礼しまーす」ガチャ

シェリー「おお来たか。…ということは、ついにアレが完成したのか!?」

アンジェレネ「は、はいっ!自分のありのままの感情をぶつけてみました!」

シェリー「そ、そうか!では済まないが早速作品を……いや無粋なことだというのは分かっている!だが、やはり展示される前にどうしても、
     あらゆる方向から観察したいんだ……ッ!」

アンジェレネ「そう言うと思ってここに持って来ました!」ジャーン

シェリー「おおっ!す、素晴らしい出来だ…。よく頑張ったな」ナデナデ

アンジェレネ「え、えへへ…」//


神裂「…やはり、我々もシェリーの素晴らしい作品のモデルとして恥ずかしくない服装をすべきです!このような普段着ではなく!」

アックア「同感である。良い作品を制作するためには優れたモデルが必要であろう」

神裂「分かってくれましたか、同志よ!」ガシッ


シェリー(アイツら、本当に気付いてねえのかよ…。今の格好でも十分変わってるっての)

アンジェレネ「うっわー。神裂さんはいつものこととして、もう1人のモデルさんも変な格好ですねー!」

神裂「」

アックア「」

シェリー(あーあ。言っちまったよ)

730: 2011/10/08(土) 23:40:21.82 ID:xHsPeeOg0
神裂「そんな…。これは私の術式の構成上仕方のないことなので、ここの皆は分かってくれていると思ったのにぃ…」ズーン

アックア「これは『神の右席』時代の名残りであるぞ…。私は青と対応しているからこういう服装であるのに…」ズーン


アンジェレネ「あのぉ、私、変なこと言いましたっけ?」チラッ

シェリー「いいや。アンタは正しいことを言った。アイツらが…ほんのちょっと変わってるだけだ」

アンジェレネ「そんなものでしょうか…」

シェリー「まあ、気にするほどのモンでもねえよ。それより、この作品のことなんだが…」

アンジェレネ「はいっ。今回も私の中にある怒りを表現しました!」

シェリー「やはりそうだったか!ん、ということは、このフォークが螺旋状に刺さっているのは…?」

アンジェレネ「そうですっ。この螺旋は私の心の中で怒りが渦巻いているという意味、さらに空腹のあまり胃の中の粘膜が暴れだして
       さらに自らの怒りを助長させているという意味が込めてあります」

シェリー「なるほど。心の中にある怒りと空腹による胃からの悲鳴をそのフォークで表現したってことか」

アンジェレネ「はい!さらに食物であるパンに突き刺すことで、空腹が原因で私が怒っているということを明確にし、フォークの切っ先は
       私の欲望の方向を表しているのです!!」ババーン

シェリー「な、何だと!?このフォークにはそこまで深い意味が…」

アンジェレネ「どうですか?今回は前の2作品と比べても会心の出来なんですけど」

シェリー「……ああ!私から言うことはもう何もない。よく頑張ったな!!」

アンジェレネ「へへ。シェリーさんにそこまで言ってもらえると嬉しいです…」ニコニコ

シェリー「そうか。私もさらに精進しなきゃいけないな。…ん、もうこんな時間か」チラッ

アンジェレネ「あれ?どこかに出かける予定でもあるんですか?」

シェリー「あー、まあ野暮用でよ。…ちょうどいい。アンタ、少しの間コイツらの相手してくれないか?」

アンジェレネ「え゛」

シェリー「うーんそうだな…。多分1時間くらいで戻ってくるからよ。それまであの聖人2人をお願いね」

アンジェレネ「あの、ちょっとま」

シェリー「んじゃ、よろしくなー」キー バタン

<シーン

アンジェレネ「…」

神裂「」ブツブツ ゴニョゴニョ

アックア「」ブツブツ ゴニョゴニョ

アンジェレネ「どうしてこうなった」

731: 2011/10/08(土) 23:42:58.84 ID:xHsPeeOg0
ーーーロンドン 処刑塔ーーーーーーーーーーーー
ステイル「…それで?何でこの僕があんなクソ野郎に会うためにわざわざ出向かなきゃならないんだい?」

シェリー「しょうがねえだろ。お前と同伴じゃなきゃ入れないんだからよ」

ステイル「仕事でもないのに…」ハァー

シェリー「ん?言っとくけど、アンタにまで給料出す気はないから。欲しけりゃあの女狐のトコに直談判でもしな」

ステイル「そっちの方が僕としては嫌だし、今は君の指示に従っておこうか。ところで…」

シェリー「何だよ」

ステイル「……この馬鹿みたいに重いケースは何だい?いい加減疲れたんだけど」ゼーゼー

シェリー「情けないわね。そんな大男のくせに」

ステイル「僕は……体育会系じゃ……ない…ん……だが」ゲホッゲホッ

シェリー「あーそう。じゃあこの文化系女子に貸してみな。アンタと違ってスイスイ運んでやるからよ」

ステイル「誰が…!というか、君はもう…女の子という……年齢じゃ…ないだろうが」

シェリー「…テメェ。女性に言ってはならねえことを言ったな」ガチャガチャゴソゴソ

ステイル「ん?今何を取り出したんだ?…あれ、シェリーさん?どうしたのそんな危ないモノを持って一体どうするつもりなんだ
     ピッチャー振りかぶってぇ投げtぐはぁっ!?」


ーーー特別監獄塔 第2号室ーーーーーーーーーーーー
シェリー「入るわよー」キー ガターン

ビアージオ「…見ない顔だな。かといってその容貌では新入りでもあるまい」

シェリー「あー、自己紹介くらいした方がいいか?」

ビアージオ「いや結構だ。聞くのも面倒臭いからな」

シェリー「…」

ビアージオ「で、要件は何だ?食事か、それともイギリス清教お得意の拷問か?」

シェリー「別にそういうのじゃないわよ。とりあえずコレ見て」パラッ

ビアージオ「…『世界の現代作家展』だと?こんなものを私に見せて何になるというのだ?」

732: 2011/10/08(土) 23:44:08.07 ID:xHsPeeOg0
シェリー「簡単な話よ。アンタにはこの展覧会に作品を出品してもらうわ」

ビアージオ「…言っている意味が分からないのだが」

シェリー「だから、この展覧会に作品を「そういうことではない」はっ?」

ビアージオ「なぜ私が、ということだよ。そもそも自分の芸術作品など私は持っていないぞ」

シェリー「そりゃそうだろうよ」

ビアージオ「つまりここで作れということか?ふん、どうかしてる」

シェリー「かもな。でも私はアンタの術式に興味があるのよ」

ビアージオ「…続けろ」

シェリー「そうするわ。確かアンタの術って十字架を巨大化されるモンだったよな」

ビアージオ「ほう。詳しく説明しておこうか。これは聖マルガリタが悪竜に飲み込まれたと」

シェリー「あー、そういうのはいいから」

ビアージオ「」シュン

シェリー「さて、私の言いたいことは分かったわね?」

ビアージオ「要するに巨大な十字架を造って異教の猿どもに主の教えを広めればいいのだな」

シェリー「…ま、それでいいわ。その返事は引き受けたと受け取っていいよな?」

ビアージオ「多少面倒だがそういうことなら協力しよう」

シェリー(うーん。本当はコイツがどんなのを造るか興味あるだけってことは黙っとくか)

ビアージオ「それで、その展覧会とやらの会場はどこなのだ?私が行けるはずもないが、一応聞いておこう」

シェリー「あーはいはい。場所は日本…というより学園都市よ。………あっヤベ」

ビアージオ「帰ってくれ」

733: 2011/10/08(土) 23:45:28.81 ID:xHsPeeOg0
シェリー「えっと、ビアージオ=ブゾーニさん?」ソロー

ビアージオ「帰ってくれ」

シェリー「いや、今回は科学とか全然関係ないイベントだし」

ビアージオ「帰ってくれ」

シェリー「巡回展だから、メインはむしろ東京の方だし」

ビアージオ「もう関わりたくない」

シェリー「うーん。どう言えば分かってくれるかね…」

ビアージオ「カガクノマチコワイ」

シェリー「別に超能力者にやられた訳でもねえだろお前」

ビアージオ「」ツーン

シェリー(ヤベェコイツ面倒臭え…。つーかこんな野郎の拗ねてるトコなんざ見たくもねえぞ)

ビアージオ「」イジイジ

シェリー「そうだな…。これを私が言うのも変な話だけどさ」

ビアージオ「?」

シェリー「アンタって今でも熱心なローマ正教の信徒なんだろ?」

ビアージオ「当然だ。貴様らに何をされようともこの信仰心だけは変わることはない」

シェリー「立派な心掛けね。でも結果としてアンタはローマ正教の名に泥を塗った。これも紛れもない事実だぜ」

ビアージオ「」シュン

シェリー「でも、そんなアンタでもローマに対して誠意を表すこともできる。ここまで言えば分かるな?」

ビアージオ「……貴様如きにそこまで言われるのは癪だが、現状は認めねばなるまい」

シェリー「ってことは…」

ビアージオ「ふん。いいだろう。悪くない話だ」

シェリー「交渉成立だな」ニコォ

734: 2011/10/08(土) 23:47:03.65 ID:xHsPeeOg0
ビアージオ「…という訳で早速制作に移りたい訳だが」

シェリー「ん?ああ、手錠のことか。ちょっと待ってな。今ステイルが鍵持ってくるからよ」

ビアージオ「ふん、そうか」

シェリー「あー、一応言っとくけどもし変なことを考えてるんだったら…」

ビアージオ「この私がこれ以上ローマ正教に迷惑をかけるとでも思っているのか?」

シェリー「…ま、大丈夫だとは思うけどよ」

ビアージオ「それにどうせすぐ終わる」

シェリー「は?アンタ何を…」<キー バターン

ステイル「ゼーゼーゼー。話は…済んだか?」ゴトッ

ビアージオ(? 何だあのケースは?)

シェリー「ちょうどいいわ。そいつの手錠の鍵よこせ」スッ

ステイル「?……ほら…これだ」ヒョイ

シェリー「サンキュー」チャリン

ステイル「もう無理…」バタッ

ビアージオ「ふん。見た目と違って貧弱な男だ」

ステイル「うるさい…」<カチャカチャ

シェリー「……はい、外したわよ」

ビアージオ「久々に解放された気がするな。さて、早速で悪いが何か十字架の形をしたモノを持っていないか?」

シェリー「ん?ああ、モチーフか?」

ビアージオ「そうではない。私の術にはとにかく十字架が必要なだけだ。本当はローマ式が望ましいが今回に限ってはイギリス式でも構わん」

シェリー「いや、魔術とか使うなよ。ちゃんと自分で造りなさい」

ビアージオ「……えっ?」

シェリー「そうそう。道具のことだったら一式持ってきたからな。他に必要なモノがあったら遠慮なく言ってちょうだい」

ビアージオ「…おい。まさかこの私にせっせと汗をかきながら彫刻を造れと言うのか?」

シェリー「当たり前だろそんなの」

ビアージオ「」

735: 2011/10/08(土) 23:49:00.68 ID:xHsPeeOg0
ビアージオ(い、いかんぞ。いくらローマ正教のためとはいえ、これは非常に面倒臭い)

ビアージオ(どうにかして魔術を使う方向に持っていかねば…!)

ビアージオ「し、しかし、私はある程度大きいモノを制作したいのだが」

シェリー「だろうな」

ビアージオ「こ、ここまで材料を持ってくるのは大変ではないのかぁ?私がここから出る訳にもいかんしぃ」

ビアージオ(ふっ、これでどうだぁ!)

シェリー「あー、それなら問題無いわ」スッ

ビアージオ(あれ?チョークなど出してどうするのだ??)

シェリー「~♪」カリカリカリ

<ゴゴゴゴゴ

no title

737: 2011/10/08(土) 23:54:29.98 ID:xHsPeeOg0
シェリー「ほれ、これで十分だろ?これくらいの石の直方体がありゃでっかい十字架が作れるだろ」

ビアージオ「」

ビアージオ(ぬおっ!?コイツ、私の魔術は禁じたくせに自分は堂々と使いやがって!つーかデカ!?)

シェリー「…」マキマキ

ビアージオ(こうなったら速攻で魔術を使って……ってあれ?マキマキって何だ?)

シェリー「はい、これでよしっと」

ビアージオ「…何だこれは?腕にテーピング??」

シェリー「それ、ウチのトップ特製で『魔力が練れなくなる』って代物。いやー、さすがは最大主教だわ」

ビアージオ「…嘘…だろ?」

ビアージオ(本当に私の魔術を禁じたというのか!?)

ビアージオ「くっ。そこの赤いの!十字架を貸せ!!」

ステイル「……ういー」ポイッ

ビアージオ「…よし、いくぞ。―――十字架は悪性の拒絶を示す!!」キリッ

<シーン

ビアージオ「…」

シェリー「…」

ビアージオ「―――十字架はその重きをもって驕りを正す!!」キリリッ

<シーン

ビアージオ「」orz

738: 2011/10/08(土) 23:55:48.21 ID:xHsPeeOg0
シェリー「という訳で、もうズルはできねえからな」

ビアージオ「…貴様、私の魔術に興味があるとか言っておきながら…!」

シェリー「まあまあ。とにかく頑張れって。たまに様子見に来てやるからよ。じゃあな」クルッ

ビアージオ「おい!」

シェリー「…何よ?しつこい男は嫌われるぞ」ジトー

ビアージオ「せめてもう少しこの石を小さくしてくれ。これでは作業にならん」

シェリー「けっ。面倒臭いな。…ま、それくらいはやってやるよ」カリカリカリ

<ヒュイーーーン
no title

739: 2011/10/08(土) 23:58:18.33 ID:xHsPeeOg0
シェリー「…ほらよ。後は自分で何とかしな。おいステイル、行くぞ」ズルズル

ステイル「ういー…」

ビアージオ(どうしてこうなった…)


~その夜~

ーーー特別監獄塔 第1号室ーーーーーーーーーーーー
リドヴィア「…さて、今日も主に祈りを捧げましょうか」

リドヴィア「…」<カーンカーンカーン

リドヴィア「…」<カコーンキンッ カコーンキンッ

リドヴィア「…」<ウィーーーン ガコンッ

リドヴィア「……さっきから何の音でしょうか?」<ガガガガガ

リドヴィア「まあ気にしなくても良いでしょう。そろそろ眠りましょうか」<カーンカーンコーン

リドヴィア「お休みなさーい」

リドヴィア「」スヤスヤ

リドヴィア「」スピー

リドヴィア「」<ガガガガガ ウィーーーン

リドヴィア「」<カンカンカンカーン

リドヴィア「」<カコーンキーンカコ

リドヴィア「うるせええええええええええええええええええええええええええ!!」ガバッ

リドヴィア「なぜこんな監獄からやかましい音が鳴り響きますので!?一体何が…?」

リドヴィア「…はっ。も、もしやこれも主に与えられた試練の1つ…!」

リドヴィア「そうと決まれば話は早い。さあ、どんどん音を鳴らしなさい!私の安眠を妨害しなさい!」

リドヴィア「困難は大きければ大きいほど、それを乗り越えたときの喜びが大きくなるというものですからね!!」

リドヴィア「よォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうしっ!!」

リドヴィア「私は決して屈しません!必ず眠りの世界へ行きますわよォォぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

<ブルァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

<ヨォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウシッ!!!



看守「……うるせえ」

740: 2011/10/09(日) 00:02:48.62 ID:8rFJYu1M0
今回は以上です。ビアージオとリドヴィアってなんか仲良そう。すごく何となくだけど。
次回は1週間以内には来ます。あともう少しなんでなるべく早く来ようとは思っています。
ではまたノシ

…風邪ってこんなにキツかったっけ?

743: 2011/10/09(日) 11:01:45.77 ID:KRUlzUzs0

魔術サイドwww

744: 2011/10/12(水) 21:40:48.23 ID:bIQFojvr0
こんばんは。まずは月曜日の時間割から。

8日目(月)
1.古文
2.日本史
3.数Ⅱ
4.英語
5.能力開発
6.能力開発

では投下。咳止まらん…

745: 2011/10/12(水) 21:42:39.43 ID:bIQFojvr0
ケース2 マタイ=リースの場合

マタイ「…」

ヴェント「うーん。最新のファッションかぁ。やっぱりイ工口ー系が欲しいトコよね」パラッパラッ

アックア「む?貴様でも服装のことなど気にするのであるか?」ブンッ!!ブンッ!!

ヴェント「私だって年相応のオンナノコなワケだけど?…つーか室内でメイスの素振りはやめろよ。危ないでしょ」<ヒュオー

マタイ「…」

テッラ「ハハッ。アスカロンでないだけマシというものです。というか、我々の間でファッションなどを気にする必要はないと思いますがねー」

ヴェント「うるさいわね。いいでしょ別に。私が何をしようと私の勝手なワケだし」

フィアンマ「次はどの国行こっかなー」

マタイ「…」

テッラ「そんな強がっても丸わかりですよー。どうせあの幻想頃し絡みでしょうし」

ヴェント「んなっ!?か、カンケイねぇよあんなヤツ!」//

アックア「ふむ。どうもあの少年は行く先々で『ふらぐ』というモノを立てていくらしいが…。月面着地に成功したようなものであろうか?」ゴトッ

マタイ「…」

テッラ「まあ私としてはそんなのはどうでもいいことです。さて、今度は術式でなく小麦粉の研究でもしましょうかねー?」

ヴェント「アンタ、神の右席の次は料理人にでもなるつもり…?」

フィアンマ「月かぁ。悪くない選択肢だな。しかし、あの場所には酸素が無いみたいだし…」

マタイ「…」

アックア「…テッラ。貴様またローマ近郊の市民を使って試験するつもりであるか?」ジャキッ

テッラ「いえいえ。私は敬虔なるローマ正教徒にのみ食事を提供するつもりですが、それが何か?」ニコォ

ヴェント「アンタら、その会話じゃどっちが間違ってるかも分かんないわよ…」

マタイ「…一言いいか」

右席「「「「何(よ、ですかー、であるか、だ)?」」」」

マタイ「貴様ら、なぜ私の家に何事も無かったかのように住み着いているのだ?」

746: 2011/10/12(水) 21:43:30.21 ID:bIQFojvr0
ヴェント「ハァ?」キョトン

テッラ「んー?」キョトン

アックア「むっ?」キョトン

フィアンマ「おや?」キョトン

マタイ「…よくもそんな顔ができるな。正直理解に苦しむ」

ヴェント「いやいや、私が住むっつったら住むの。それが世界の法則ってモンよ。前に言わなかったかしら、ローマ教皇?」

テッラ「今でも我々は一応『神の右席』としての機能は果たしていますからねー。何か文句でもありますか、ローマ教皇?」

アックア「むう。貴方であれば私のようなごろつきも優しく受け入れてくれるだろうと思ったのであるがな、ローマ教皇よ」

フィアンマ「おいおい。穏やかじゃないな。もう俺様たちは戦乱を巻き起こす危険分子ではなく一般人だぞ、ローマ教皇殿」

マタイ「うぅむ。どうも貴様らは勘違いをしているようだがな…」

右席「「「「?」」」」

マタイ「…私はあの大戦以来、既にローマ教皇ではなく貴様らの言うただの一般市民だぞ?」

テッラ「と、言われましてもねー」

ヴェント「ペテロのヤツが教皇じゃ働く気もしないわよ」

アックア「前にも言ったが、我々を監視するという役目に最も相応しいのは貴方である」

フィアンマ「ま、あの状況下にあったにしては上手くやった方だと思うぞ」

マタイ「フィアンマよ、それをヴェントやアックアに言われても文句は言えんが貴様にだけは言われたくない」

フィアンマ「あー、迷惑かけたな。ワロスワロス」ヒラヒラ

マタイ(…コイツ、世界中を回って逆に気でもおかしくなったのか?)

747: 2011/10/12(水) 21:45:23.41 ID:bIQFojvr0
マタイ「くっ。だが勝手に居座ってもらってはこちらとしても困るぞ」

ヴェント「いいじゃない。困難って聞くとやたら元気になる女だっているワケだし」

マタイ「話を逸らすな。あとアレと一緒にしてもらっては困る」

テッラ「そんなのもいましたねー」

アックア「で、要約すると貴方は何を言いたいのであるか?」

フィアンマ「ん?何か俺様たちに言うことでもあるのか?」クルッ

アックア「貴様はもう少し空気を読むことを覚えろフィアンマ」

フィアンマ「」シュン

マタイ「…本題に入っていいか?」

アックア「どうぞ」

マタイ「助かる。まずは皆、これを見てくれ」パラッ

ヴェント「ん?何コレ??」ジー

テッラ「えーっと、『世界の現代作家展』…ですか?」

アックア(あーアレのことであるか)

フィアンマ「……へぇ」

マタイ「そうだ。この展覧会は日本主催で行われる世界的な芸術祭になる。そこで、我がローマ正教からも作品を出そうという話になっている」

ヴェント「日本、ね。もう嫌な予感しかしないわ」

テッラ「まあ、科学サイドとしては芸術を学問と捉えていますからねー。学園都市がこの件に大きく絡んでいても不思議ではありません」

マタイ「…察しの通りだ。このイベントは表面上は日本の首都の東京がメインだが、実際は科学と魔術、双方の歩み寄りもその目的になっている」

フィアンマ「なるほど。今までと違って随分と平和的なものだ。案外世界ってのは強いんだな」

マタイ「信じることより疑うことを選んだ貴様には受け入れがたいのかもしれぬがな」

フィアンマ「…手厳しいな」

アックア「むう。しかし我々にこれを伝えることだけが目的ではあるまい。本題に入ってくれ」

マタイ「うむ。そこで提案なのだが、ローマ正教を代表してこれに作品を出品してくれんか?」

右席「「「「…」」」」

右席「「「「えっ?」」」」

748: 2011/10/12(水) 21:47:55.17 ID:bIQFojvr0
マタイ「ん?何かおかしなことでも言ったか?…ああ、枠のことなら心配ない。ローマ正教用に5つ用意してもらったからな」

ヴェント「…いや、そういう問題じゃないケド」

テッラ「信徒20億人の中から、なぜ我々が選ばれたのですかねー?」

マタイ「決まっているだろう。貴様らがローマ正教の実質トップの位にあるからだ」

フィアンマ「最近の俺様たちは有名無実だと思うがな」

アックア「そもそも『神の右席』は暗部組織であるぞ。そんな我々が堂々と表舞台に出るべきではない」

マタイ「…ふむ。これは困ったな。既に申請しておいてしまったからもう撤回は不可能だろうしな…」

右席「「「「なん……だと…」」」」

マタイ「…」ニコォォォォォ

ヴェント(こ、これは…!何て黒い悪意なの!?まさか、教皇時代の恨みがここにきて顕在化したのか…?)

テッラ(…彼の黒い感情は初めて見ましたねー。当時は派手にやり過ぎましたか)

アックア(むう。私は何も悪いことしていないから、他の連中の八つ当たりみたいである…)

フィアンマ(これはいかんな。俺様の場合は好き勝手やり過ぎたか。そういえばコイツに重症を負わせたのは俺様だったな…)

マタイ「……まあ、いきなりこのようなことを言われても貴様らも困るだろうしな。一応、そう一応念のためではあるが、皆の意思を確認させてもらおう」

右席「「「「…」」」」

マタイ「この依頼、引き受けてくれるかな?」

右席「「「「いいともー」」」」

マタイ「そうかそうか!いやー、私は今とても安心したよ。例え貴様たちがかつて好き勝手暴れて他人様に迷惑をかけた挙句当時のローマ教皇に失礼な態度
   をとったにも拘らず一切反省の様子も無い人物であろうと、さすがに今回ばかりは断るまいと私は信じていたからな!うむ、よろしい!!」

ヴェント(この野郎…!)

テッラ(クソがぁ…!)

フィアンマ(ちぃ…!)


アックア(…なぜ私まで説教をくらっているのだ?)

749: 2011/10/12(水) 21:48:53.69 ID:bIQFojvr0
マタイ「さて、では早速制作に入ってもらおうかな」

ヴェント「は?今からってコト?」

テッラ「我々だって暇ではないのですがねー」

アックア「…むう」

フィアンマ「おいおい。俺様たちは忙しいんだぞ?」

マタイ「……いやはや、雑誌読んだり素振りしたり小麦粉練ったりと、随分暇そうに見えるのだがな」

フィアンマ「おっ、では俺様は違うという訳だ」

マタイ「貴様は論外だろう。ソファーに横たわってボーっとしている者は暇人以外の何物でもない」

フィアンマ「バレたか」テヘッ☆

アックア「しかし、我々は画材など一切所持していないぞ。第一描く場所もない」

ヴェント「そーだそーだ!」

マタイ「ふむ。場所ならここを提供しよう……いやもう既に提供済みだろうがな。私のアトリエで共に作業することになるが、構わないだろう」

テッラ「ええ、それはもう。…おや、つまり貴方も出品するということですかねー?」

マタイ「そういうことだ。本当はローマ正教を代表して教皇が出すのがベストだが、彼も忙しい身だからな。代わりに私が出品することにした」

アックア「なるほど。では貴方に画材を頼めば用意してもらえるのだな?」

マタイ「…貴様らにそこまでするのは少々気が乗らんがまあいい。明日までには準備しておこう」

ヴェント「オッケー。さっすが教皇様ねー♪」

マタイ「どうしてもそう呼びたいなら『元』をつけてくれ。頼むから」<ピンポーン

テッラ「おやおや。どうやら来客のようですよ」

マタイ「ああ、来てくれたようだな。出迎えに行こうか。~♪」スタスタ

ヴェント「あらあら、一体どちら様がいらっしゃったのカナ?」

フィアンマ(なんか随分嬉しそうだな、マタイ=リースのヤツ)

750: 2011/10/12(水) 21:50:25.97 ID:bIQFojvr0
テッラ「それにしても我々『神の右席』が仲良くお絵かきとは、時代も変わりましたねー」

ヴェント「確かにそうよねー。ま、偶にはこういうのも悪くないケド」

フィアンマ「せっかく描くなら何かこう、俺様らしく派手なモノが良いな」

アックア「ふむ。まさかこの私が制作する側に回ることになろうとはな」

ヴェント「何にせよ、画材が無けりゃ何にも出来ないわよ。アイディアだけでもまとめておこうかしら?………えっ、何アレ?」チラッ

テッラ「んー、どうかしましたかー………はっ?」クルッ

アックア「むっ?………む?」チラッ

フィアンマ「………おいおい。そんなのアリかよ」


幼女「ふわー、やっぱり凄い豪邸。こんな場所を汚してしまったらどんな目に遭うか分からないですね」

マタイ「いやいや、心配することは無い。そもそもこちらがお願いしている身だからな」

幼女「確かにそうですけど…」

マタイ「遠慮することはないぞ。何ならこの辺のインテリアの1つや2つくらい持って行ってくれても…」

幼女「やめて」


テッラ「」

アックア「」

フィアンマ「」

ヴェント(あー、そういやあんなガキいたっけ)

アックア「い、一体どういうことなのだ。あのマタイ=リースが自宅に幼女を呼ぶこむなど…!」

フィアンマ「あの野郎……ま、まさかこの俺様がここにいるにも拘らずあの幼女といかがわしい行為に及ぶつもりなのか…!」

テッラ「な、彼はかつてこのローマ正教を率いていた男ですよ!?何ということだ…」

ヴェント(あらら、男どもは盛大に勘違いしちゃってるわね。見てて面白いから訂正はしないケド)

751: 2011/10/12(水) 21:52:25.17 ID:bIQFojvr0
フィアンマ「いやはや、とんでもないモノを目撃してしまったな。これはどうしたものか」

アックア「むう。我々は彼女と知り合いではないからな。迂闊に手出しできないのである」

テッラ「しかし、このまま黙って見過ごす訳にもいきませんしねー」

フィアンマ「……やるか」

アックア「うむ」コクリ

テッラ「当然」コクリ

ヴェント「…あーあ。私しーらないっと」

フィアンマ「…右方のフィアンマ」

アックア「後方のアックア」

テッラ「左方のテッラ」

3人「「「いざ参らん!!」」」ダダッ

ヴェント「いってらっしゃーい☆」フリフリ


<マタイ=リースゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
<ムオッ!? ヨ、ヨセキサマラ!!
<テッラ、ヤッチマウゾ!!
<エエモチロン!!


ヴェント「アラ楽しそう♪かつてのローマ教皇もアレじゃただのアブナイお人よねー」


<ゴブジデスカ。コノクニノオジョウサマヨ。
<ヤメテ
<………エッ?
<ヤメテ
<ナ、ナンデスッテ…?
<ヤメテ
<オイオイ。オレサマガダレカワカッテイ…!
<シネ


ヴェント「…これはヒドイ」

752: 2011/10/12(水) 21:53:31.11 ID:bIQFojvr0
~翌日~

マタイ「くぅ…。なぜ私がこのような目に…」ズキズキ

マタイ「まあ、とりあえずモデルの件には影響が無くて助かったが…」パサッ

マタイ「……この注文で、いいのだよな…?」ジー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マタイ=リースへ

<必要なモノリスト>

前方のヴェント…………黄色の絵の具×100。あとは適当でいいケド。


左方のテッラ……………緑の絵の具×100。他は任せますねー。


後方のアックア…………青の絵の具×100。あとは通常の用具一式で十分である。


右方のフィアンマ………赤の絵の具×100。余計なモノはいらない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マタイ「…余計って何なのだ。余計って」

マタイ「それにしても、この私が護衛もつけずにローマの街を歩ける日が来るとはな。こういう生活も悪くない」

マタイ「……あっ、すいませーん。絵の具をまとめて注文したいのですがー」

753: 2011/10/12(水) 22:21:27.13 ID:bIQFojvr0
平和ってイイナーってとこで誰得おまけも終了。ヴェントを見て得していただければ幸いですが。
フィアンマの心情解釈はあくまで>>1の考えなので、もしかしたら厳密には違うのかも。

ちなみに描写していませんが、学園都市に来た『神の右席』のファッションは、

ヴェント……黄色のワンピース(胸から腹にかけて十字架の刺繍つき)にクリーム色のヒールサンダル。ピアス無しナチュラルメイク。天使。

アックア……白のゴルフウェア(左胸に大きな青い十字架のデザイン)に青のスラックス、スポーツシューズ。アンダーシャツ無し。

フィアンマ…朱色の半袖パーカーをオレンジのタンクトップの上に羽織り、下は赤のチノパン。割とオシャレ。

テッラ………えっと、そうだなー。……もう緑の全身タイツでいいや。


となっております。左方さんの服装分かんねえから皆の想像力で補ってくれ!>>1はこう(↑)なったけど。

次回から通常モードに戻ります。ようやく月曜日に突入。という訳で次は金曜日までに来ます!
ではまたノシ

757: 2011/10/13(木) 03:02:11.86 ID:APSCXLjI0
ヴェントはやっぱり可愛い

758: 2011/10/13(木) 06:21:51.80 ID:kGBzZNXAO
スレタイみてさよならを教えてとのクロスだったのに

乙です



【禁書目録】上条「教育実習?」8日目

引用: 上条「教育実習?」2週目