47: 2012/03/31(土) 21:02:31 ID:TrCPCbFA0

前回:唯「けいおん三題噺!」憂「ムギ!棒!和ちゃんの家」

安価以外は安価下ってことで
「人の名前」>>36菖

「品物」>>38腕時計

「場所」>>45 澪の部屋
けいおん!Shuffle 3巻 (まんがタイムKRコミックス)
50: 2012/03/31(土) 21:17:55 ID:hqcqs7Cc0
 梓は時折、私に長文メールを送ってくる。
学校で話す機会があるにも関わらず、だ。
今日も来た。
メール冒頭の話題は、私達が卒業した後の部活に関する事だった。
人数を上手く集められるか、そういった内容だ。

 勿論梓にしてみれば、それだって十分な関心の材料だろう。
けれども、メールの最後の話題が本題のような気さえする。

『律先輩は、澪先輩に釣り合ってないと思います。
もっと、澪先輩の価値観に合う人間、探した方がいいと思います。
それが私であれば、澪先輩に釣り合うよう頑張れるのに。』

 梓のメールの内容は日により違えど、
メールの最後では必ずといっていい程、私への好意を伝えてくる。

 メールだけではなく、プレゼントをもらう事もあった。
私の部屋に飾ってあるこの腕時計も、梓から貰ったものだ。
この腕時計を、私は律が部屋に来る度に隠している。
その行動が示すように、私は律が好きだから、梓の好意に応えてあげる事はできない。

 それを伝えようと思った事は数知れない。
けれど、梓は好意を示すだけで、告白にまでは至っていない。
告白の前に断ってしまう事は、ルール違反のような気がしている。

 梓から貰ったのは腕時計だけでは無い。
菖蒲の押し花の付いた栞も貰った事がある。
こちらは高価では無い為、貰う事に躊躇は無かった。
故に律の前でも隠さないが、梓の前では決して使わない。
応えてあげられない思いに、期待を持たせたくなかったから。

「菖蒲の花言葉、知ってます?
愛、貴女を大切にします、私は燃えている。
そういった言葉なんです」

 梓はこれを渡した時に、そう言っていた。
実は他にも、花言葉はある。
それを教えつつ、梓の想いに婉曲な否を返そうかと思い立った。
それならルール違反とはならないだろう。私が勝手に決めたルールだけれど。
私は携帯を手に取ると、梓へと返信するメールを打ち始めた。

『大丈夫、来年、きっと部員は集まるよ。
そうだ、梓は前に菖蒲の栞をくれて花言葉を教えてくれたけれど、
菖蒲の花言葉は他にあるって知ってたか?
「良き便り」「うれしい便り」「吉報」
要するに、嬉しい手紙やメールに関する事だね。
私も待ってるよ、梓から新入部員が入ったっていう、吉報が届くのを。
梓に必要なのは、新しい出会いだから。
新入部員を含めて、新しい出会いでいい人が見つかるよう、私も協力する。
それ以上の直接的な協力はできないけれど』

 菖蒲の名を持つ大切な友人が、梓にできればいいのに。
それが梓の新しいスタートになるはずだから。
新入部員という形でも構わない。
他に大切な人を見つけて、私への好意を断って、歩んで欲しい。
私は菖蒲にそう願いつつ、メールの返信をタップした。


<FIN>

53: 2012/03/31(土) 21:23:36 ID:G5MY/bcM0

澪「それで、この課題図書を……」

幸「うんうん、じゃあ私は……」

ガチャ

律「澪ーっ!おじゃましまーす!」

澪「本当に邪魔だから帰れ。今、幸と一緒にレポートやってるんだ」

律「それより見てよ!私新しい腕時計買ったんだ!」

律つ?

澪「それ腕時計なんだ……それがどうしたんだ?」

律「唯!」

唯「はーい、昌ちゃん連れてきたよー」

昌「何事だ?」

律「そして、『昌』に 腕時計『草』を乗せると……」


菖「じゃーん!私になりました!」

律「いやー、すごい思い付きっしょ!?を腕時計に見立てて……」

澪「お前ら……昌じゃなくて……晶だぞ」

律・唯・菖「あっ」

晶「騒がしいな。何やってんだ?」

律「唯、お前が連れてきた奴は誰だったんだ」



おわり

56: 2012/03/31(土) 21:25:22 ID:N0N2vTskO
律「ふわあ……ねむい……」

澪「眠いなら自分の部屋に戻れよ、まったく……」

律「みお~、今何時~?」グダー

澪「ん?2時半だな」

律「そうか、もうすぐ菖たちも練習終わって帰ってくるな……ってあれ?澪、何で2時半って分かったんだ?携帯見なかったよな」

澪「何でってそりゃあ……」

澪(律の真後ろに昨日買ってきた時計を置いてるから、なんだけど……)

澪「……腕時計を見たからだよ」

律「腕時計?そんなの着けてないじゃん」

澪「何を言ってるんだ、着けてるよ。昨日買ってきた可愛い時計だぞー」スッ

律「はあ?何言って――」

澪「あ、胸が小さい奴には見えないけどな」

律「なにっ!?」

57: 2012/03/31(土) 21:25:35 ID:o3mI8K/I0
菖「おじゃましまーす」

澪「あ、どうぞ。入って入って」

菖「約束通り服とかアクセとかいっぱい持ってきたよ」ドッチャリ

澪「わああ…ありがとう!」

菖「でもなんで澪ちゃんの部屋でなの?私の部屋でよくない?」

澪「だって…菖の部屋だと着せ替えて遊んでる時に律が入ってきてからかわれそうだし…」

菖「澪ちゃんの部屋でもりっちゃん来そうだけど…。まぁ私はいいけどね!じゃあ早速始めよっか!どれ着たい?」

澪「えーと、これ!」

菖「え…これ下着だよ?」

澪「菖みたいにオシャレするには下着も菖みたいにしないと!だから今日は全身菖ファッションにするんだ!」

菖「」キュン

菖「ふふふ。そういうことならもう好きに着ちゃっていいよ!さっ!どうぞどうぞ!」

澪「じゃ、早速試着してみr…」

ブラ「ミチミチ…バッッツーーーン!!」

ブラ「」

澪「あ…ご、ごめん…」

菖「い、いいよいいよーキニシナイデー…」

澪「じゃあ次はこのシャツを…」グイグイ

シャツ「ミチミチミチミチ…バリーーーーン!」

澪「で、このパンツを合わせて」

パンツ「ビリーーーッ」

澪「それにこの腕時計をつけて…」

時計「バギィッ」

澪「ご、ごめん…」

菖「は、ははは…ダイジョウブダイジョウブ…。まだ私の部屋にあるから…」

澪「本当!?じゃあ菖の部屋に行って持ってくるよ!」タタタ

菖の部屋「ミシッ…メキメキメキ…」

菖の部屋「ドカーーーーーーン!!」

菖「」





58: 2012/03/31(土) 21:26:11 ID:N0N2vTskO
澪「……」

律「……」ゴクリ

ガチャッ

菖「おーい、りっちゃんここにいるのー?昨日話してたレポートを……」

律「……菖!何も言わずに答えてくれ。澪は今、腕時計を着けているように見えるか?」

菖「え?腕時計って、そんなの見えな――」

律「澪は今、胸が小さい奴には見えない腕時計を着けているらしいんだ……」

菖「ええええっ!?」

澪「……」

律「ど、どうだ……見えるか?」

菖「そ、そうだね……見えるような、見えないような……」

律「ふ、ふふふ。わ、私には見えるぜ……つまり、私のほうが菖よりも胸が大き」

菖「あああっ、見えてきた!くっきりと見えるよ!あれでしょ、ブルーの可愛らしい……」

律「そうそう、ブルーを基調としたデジタルの……」

澪「え?ピンクっぽい色だと思うんだけど、本当に見えてるのか?」

菖「ぴ……ピンクね!うん、分かるよ!よく見たらそうだよね!もう、りっちゃんってば見えてるフリしちゃダメだよー」

律「は、はは、ピンクに決まってるよな!いやー、見えてるフリをする菖が可哀相だから合わせてやったんだけどさー」

澪「……」

菖「り、りっちゃん?嘘はダメだよ、見えてないんでしょ?」

律「あ、菖こそ。その慎ましい胸じゃあ到底見ることは出来ないはずだぜ?」

澪(あんな嘘をこんなにあっさり信じるとは思わなかったな……面白いからしばらく放っておこうっと)

終わり

65: 2012/03/31(土) 21:34:00 ID:1acGkafE0

菖「ふんふんふーん♪」

晶「なんだ上機嫌じゃないか」

菖「これを見なさーい!」

晶「……げっ!そ、その手首についてるピカピカしたヤツは!」

菖「じゃんじゃじゃーん!!高級時計ー!!」キラリーン

晶「すげー……高かっただろそれ」

菖「ちっちっち、晶はわかってないなぁ」

晶「はぁ?」

66: 2012/03/31(土) 21:34:34 ID:1acGkafE0

菖「いい?いい女ってのはお買い物しないの」

晶「何言ってんだこいつ」

菖「なぜならー」

晶「なぜなら?」

菖「いい女ってのは群がる男どもからなんでももらえちゃうからですよ!」

晶「……」

晶「こいつ最悪だ!!」

菖「おーほっほっほ!」

68: 2012/03/31(土) 21:35:11 ID:1acGkafE0

菖「とまあ、冗談はここまでにして」

晶「なんだよ冗談かよ……ビビらせやがって」

菖「買ってないのはホントなんだけどね」

  「預かり物なの、コレ」

晶「預かり物?誰からだよ」


「うわぁああああああああああああああああああ!!!!!?」


晶「!?」

69: 2012/03/31(土) 21:36:32 ID:1acGkafE0

菖「あ、澪ちゃんやっほー」

澪「あやややややsどあyっもあややほほほほほ、とけとけとけれれれれれれれもあひょいyhbはくぃお」

晶「何語だよ」

菖「落ち着いて落ち着いて」

澪「はぁ…はぁ……時計!時計なくなった!入学祝いに叔父さんからもらった時計!」

晶「時計ぃ?うーん、私は知らね……」

晶「……」

晶「あ」

70: 2012/03/31(土) 21:37:25 ID:1acGkafE0

菖「澪ちゃん、澪ちゃん。探しものはコイツかな?」キラーン

澪「……これ!これこれ!これ私のだ!」

 「えっ、なんで菖が持ってるの?えっ?あれっ?」

晶「まさかお前盗ん……」

菖「ち、違うよ!実はね~」

71: 2012/03/31(土) 21:38:27 ID:1acGkafE0

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―――――――――――――――――――――――――

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『おおっ?奇遇だね~。りっちゃんも澪ちゃんにノート借りに来たの?』

『ん?いやいや、私は……そだ菖!ちょっとこれ預かってくんない?』

『いいけど……時計?』

『そそ。いや最近な、澪のやつ私の漫画に紅茶こぼしやがってさ、ちょっとした仕返し!』

『ワルですなぁ~』

『言っとくけどそれ本当に大事らしいからぜーったいに壊すなよ?約束だからな?』

『そんなもの盗らなきゃいいのに』

『まーまー。じゃ、私は一足先に逃げるから!あとよろしくな!』

『はいはーい、菖ちゃんにおまかせあーれ!』


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72: 2012/03/31(土) 21:39:01 ID:1acGkafE0


澪「……」ピキピキ

晶(……血管見えてるぞオイ)

菖(oh)

澪「……それで?律は今どこに?」

菖「えーっと……そ、外に逃げるって……」

澪「……」ピキピキ

菖「ムギちゃんの部屋に隠れるって言ってました!」

澪「……そうか、ありがとうな」

菖「い、いえいえどういたしましてぇ~」

―――ズシーン  ―――ズシーン

     ―――ズシーン     ―――ズシーン

晶「魔神かよ……」



<バカリツー!!!

<ギャー!!!

晶「あ、氏んだ」

73: 2012/03/31(土) 21:39:29 ID:1acGkafE0
おわり

引用: 唯「けいおん」澪「SS」律「三題噺」紬「大会」梓「!」