1: 2024/01/18(木) 20:16:04.13 ID:UmT66aUR.net
にこ「花陽、誕生日もうすぐよね。欲しいもの言ってみなさい」

花陽「えっと……嬉しいけど、急に言われても思いつかないよ」

にこ「急?別にそんなことないでしょ。生まれたときから一生変わんない日だし」

にこ「第一、アイドルにとって誕生日ってとっても大事なイベントでもあるんだから。バースデーライブなんて当たり前のようにやるし、ファンも盛大に祝ってくれる日なのよ?」

花陽「た、たしかに……!追ってるアイドルの誕生日を祝えるのってすごく嬉しいもんね!うっかりしてました!」

にこ「でしょー?たとえ芸名使おうが何らかの理由で顔出しNGだろうが、スリーサイズはヒ・ミ・ツ♡だろうが、誕生日を公表しないアイドルなんて滅多にいないわ」

にこ「アンタも大勢に祝われる側になった自覚をしっかり持ちなさい。いつ聞かれても大丈夫なように、常に欲しいものを2つは考えておくこと!」

花陽「それは何か違うような……」

2: 2024/01/18(木) 20:16:48.97 ID:UmT66aUR.net
にこ「で、プレゼントは何が欲しいの?」

花陽「えーっと……お米、とか?」

にこ「そういうんじゃないわよ。本心だとは思うけど、特別感なさすぎるから却下よ」

にこ「年に一回なのよ?毎日食べてる物をプレゼントされても嬉しくないでしょ?」

花陽「毎日食べてるけど、特別な日に食べてもとっても美味しいよ?」

にこ「そ、それはそうだけど、もっとこうなんかあるでしょ。ほら」

花陽「えぇと……じゃあ、ケーキとか」

にこ「いやケーキて。プレゼントというかパーティの料理のリクエストみたいになってるじゃない。それは言われなくても用意するし」

花陽「ご、ごめんなさい……」

3: 2024/01/18(木) 20:18:14.87 ID:UmT66aUR.net
にこ「謝らなくていいの。もっとこう……己の欲に素直になりなさい!食欲以外で!」

花陽「欲に素直に」

にこ「そうよ!大銀河宇宙No.1アイドルがなんでも用意してあげる!何が欲しいの?」

花陽「うーん………あ!」

にこ「思いついた?」

花陽「はい!でも、ほんとにいいのかな……?」

にこ「このにこにーに二言はないわ。なんでもいいわよ」

花陽「じゃあ、ちょっと待っててね。今書くから」

にこ「?」

4: 2024/01/18(木) 20:19:14.07 ID:UmT66aUR.net
花陽「うおおおおおお!!」カキカキカキカキ!




~数分後~

花陽「はぁはぁ……書けました。にこちゃん、受け取って下さい!」サッ

にこ「え?これ、手紙?なんで?」

花陽「へ、返事は当日にお願いします!」ダッ

にこ「ちょ、どこ行くの!?待ちなさい!」



にこ「行っちゃった。というか、今の流れ」

にこ「完っ全に……ラブレターよね!?なんであの子が私に!?」

にこ「ひょっとして、もしかして、花陽が誕生日プレゼントに欲しいのって……//」

5: 2024/01/18(木) 20:20:10.37 ID:UmT66aUR.net
にこ「ないない!」ブンブン

にこ「たしかに、にこは可愛いけど、そんなことあるわけ……」

にこ「いやでも、さっきの花陽の様子……それに、わざわざ手紙なんて用意してくるあたり……」

にこ「いやいやいや!//」ブンブン

にこ「ないってば!あの子は純粋にプレゼントを頼んでるだけなのよ!」



にこ(でも……もしそうだったら、どうしよう?)

にこ(と、とにかく、中身を読んでから考えましょう)ペラッ

6: 2024/01/18(木) 20:20:44.67 ID:UmT66aUR.net
サインください
くださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいくださいください(長すぎるので以下略)




にこ「にこぉ……」

7: 2024/01/18(木) 20:23:11.88 ID:UmT66aUR.net
~それからちょっと経って~

前日、部室


絵里「これは……すごいわね」

希「紙一面に「ください」ってびっしり書いてある」

にこ「全部で238回よ」

絵里「数えたのね」

希「花陽ちゃん、にこっちのサインがよっぽど欲しかったんやね」

にこ「まったく。花陽の全力の「なんでも」がこんな難題だとはねー」

絵里「なにか問題あるの?」

にこ「大アリでしょ。目の前にいるのに、わざわざ手紙で何度も何度も頼むってことは」

希「ただのサインが欲しいんじゃないってこと?」

にこ「そういうこと!」

8: 2024/01/18(木) 20:23:58.83 ID:UmT66aUR.net
絵里「あ!わかったわ!サイン入りの特別なグッズが欲しいのよ!」

希「たとえば?」

絵里「お米」

希「安直すぎん?それに食べたら袋しか残らないよ」

絵里「米粒の方に書くのよ。にこが一つ一つ職人の技で仕上げるから、世界に1つしかない素敵なプレゼントになるわ」

にこ「そんな手の込んだジョークグッズお断りよ!そもそも職人じゃなくてアイドル!」

9: 2024/01/18(木) 20:25:12.32 ID:UmT66aUR.net
にこ「あのね。希と絵里を呼んだのは漫才してもらうためでも、一緒に考えてもらうためでもない。答えはもう出てるから」

希「どういうこと?」

にこ「これからやることを、見届けてもらいたいの」

絵里「見届けるって……サインを書くのよね?私たちが見てなくても、にこなら普段から書いてるでしょう?」

にこ「甘いッ!!誕生日プレゼント用のサインは何味も全然違うのよ」

にこ「にこが途中で投げ出したり、弱音を吐かないように見張っててもらう必要があんの」

絵里「そんな過酷だっけ、サイン……?」

にこ「そうよ。ちょっと待ってなさい、色紙持ってくるから」

10: 2024/01/18(木) 20:26:00.81 ID:UmT66aUR.net
にこ「よいしょっ……と!」ドサァッ!


絵里「これたしか、ちょっと高めの紙質の良いやつね」

希「ずいぶんたくさん持ってきたね。部費で買ったん?」

にこ「自腹に決まってるでしょ!いちいちボケないでよ!これからが大事なんだから!」

にこ「ふぅー……じゃあ、やるわよ!」

絵里「待って。仮に何度か書き直すとしてもよ?いくらなんでも多すぎないかしら」

希「にこっち、まさか、コレ全部!」

にこ「そうよ、そのまさかよ!」

11: 2024/01/18(木) 20:26:59.49 ID:UmT66aUR.net
にこ「花陽は私に、サインが欲しいって238回も頼み込んでるの。少し悩んでからね」

にこ「だったらこっちも、応えてあげないと。同じだけの気持ちを込めて、サインを書いてあげる。それが礼儀でしょ」








にこ「とゆーわけで」


にこ「花陽1人に矢澤にこのサインを238枚プレゼントよーーっっ!!」

絵里「ほとんどいやがらせじゃないのーっっ!!」

12: 2024/01/18(木) 20:28:12.79 ID:UmT66aUR.net
希「こんな大量のサインもらっても、花陽ちゃん困るやん!処分に困るだけやで!?」

絵里「転売されるだけよ!そんなに枚数あったら二束三文よ!?」

にこ「処分とか転売とかなんてこと言うの!特別仕様のサイン超特大セットよ!?ファンにとっては超レアアイテムなのよ!?」

にこ「花陽だってにこにーの1ファン。自分のために、これだけのサインを書いてもらえるなんて幸せじゃない!絶対売ったりしない!」

絵里「それは……そうね……ごめんなさい」

希「ごめんなさい」

13: 2024/01/18(木) 20:30:01.14 ID:UmT66aUR.net
絵里「でもいいのかしら、ホントにこんなことして」

にこ「なによ。ラブライブ決勝が近いのに部長の権限で急に練習休みにして、部室からアイツらを追い出したこと?」

希「それそれ。家で書けばええのに」

にこ「スクールアイドル力をサインに込めるには学校でやるのが一番でしょ!家で書くより、部室で書いた方が魂を込められるの」

にこ「もしこれのせいで負けたのなら……その時は土下座でもなんでもしてやるわよ」

絵里「プレゼントのためにそこまでするのは、ちょっとやりすぎじゃない?」

にこ「年に一度だしこのくらいでいいの。それに、花陽は次の……」

希「次の?」

にこ「なんでもない!ホントに時間がないの!いい加減始めるから見てなさいよ、にこの生き様!」

14: 2024/01/18(木) 20:33:35.07 ID:UmT66aUR.net
にこ「どぅおりゃああ~~っ!!」シュババババッ!!




絵里「最後まで書き切れるのかしら。あんなにたくさん」

希「休まずひとつ1分で書けるとしてもほぼ4時間。加えてアイドルらしからぬ気迫にあのハイペース」

希「いくらにこっちでも体力が持たないんじゃ……」



にこ「」バターン!

絵里「言ったそばから!」

希「フラグ立てちゃったか。大丈夫?わしわしする?」モミッ

にこ「ひゃんっ♡」ビクッ


にこ「って聞きながらするな!!///でも気付けありがと!!」

15: 2024/01/18(木) 20:44:29.63 ID:UmT66aUR.net
にこ「改めて、とぉーりゃああああ~~っ!!」シャシャシャシャッ!



絵里「希、これは見てるだけって訳にはいかない。手伝いましょう」

希「よしきた。ウチはダウンしたときのわしわし、それと希パワーを注入して援護するで。波ああぁ~~っ!!」プシュー!

絵里「私は3人ぶんの飲み物買ってくるわ。長期戦は避けられないもの」

希「えりち、出るならついでにお菓子買ってきて!あとトイレも代わりに行ってきて」

絵里「もう、こぼさないでよ……トイレは自分で行って!」

16: 2024/01/18(木) 20:45:29.86 ID:UmT66aUR.net
~数時間後~

にこ「これでっ……最後よぉーっ!!」シャッ!


サイン238枚「」カンセーイ!

窓の外「夜やで」マックラ



にこ「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……か、書けた……」バタッ

絵里「ハラショー!ほんとにやりきったわね、にこ」

希「にこっち、お疲れ様」

にこ「……ありがと」

絵里「立てる?」

にこ「立てる……って言いたいけど、流石にフラフラするわ。肩を貸してちょうだい」

17: 2024/01/18(木) 20:48:22.86 ID:UmT66aUR.net
希「よし、帰ろっか。お祝いに欠席じゃ本末転倒だよ」

にこ「そうねぇ。早く帰って寝ましょ。じゃ、この238枚を……」

絵里「え?ロッカーに入れるの?」

にこ「持って帰って落としたり汚したりしたらどうするのよ!」

絵里「でも部室に置いたら渡す前にバレるかもよ」

にこ「あ、そうか……確かに」

希「……いや、バレるのはもう問題ないんとちがう?」ガチャッ




花陽「あっ」

にこ「えっ」

18: 2024/01/18(木) 20:52:40.72 ID:UmT66aUR.net
にこ「は、花陽?アンタいつのまに」

希「5分くらい前から覗いとったよ」

にこ「教えなさいよ!!」

希「急いで隠しても手遅れやん?手元狂っても困るし」

花陽「家で自主練するのに使う、練習用のメモを部室に忘れちゃって」

花陽「それで取りに戻ったら、にこちゃんたちが」

花陽「そ、その……部室で……サインを」

にこ「見てたのね」

花陽「ごめんなさい!」

にこ「はぁ……いいわよ別に。見苦しいとこは見せちゃったけど、これ自体は内緒じゃないから」

19: 2024/01/18(木) 20:55:48.03 ID:UmT66aUR.net
にこ「この際だし、今フライングでプレゼントするわね」

にこ「花陽。明日だけど……誕生日おめでとう。これ、欲しがってたにこのサイン」っ238枚

花陽「え?ここ、これ全部私がもらっていいのぉ!?1枚1枚に私の名前と、別々のメッセージが書かれてる!」

にこ「うん。にこにーの全力のサインよ」

花陽「あ、ありがとう……大事にするよ……」グスッ

にこ「なによ泣くほど嬉しい?しょーがないわねー」フフッ

希「良かったね、花陽ちゃん」

花陽「はい、ほんとに嬉しいです……家宝にしますっ。全部、額にいれて飾ります!」ポロポロ

絵里「壁一面にこのサインで埋まりそうね」

20: 2024/01/18(木) 20:59:10.85 ID:UmT66aUR.net
~花陽の誕生日のあと~




ファンレター1「サインくれ」

ファンレター2「サインちょうだいサインちょうだい」

ファンレター3「サインサインサイン」



にこ「……なにこれは」

穂乃果「すごーい!全部にこちゃん宛だ!」

真姫「内容の偏りはともかく……ファンレターには違いないわね」

凛「かよちんがSNSにあげた写真のおかげだにゃ!」

花陽「にこちゃん……!!」キラキラ

にこ「そんな顔されても書かないし、こんなんばっか貰っても嬉しくないわよーっ!!」


おわり

21: 2024/01/18(木) 21:04:18.84 ID:UmT66aUR.net
大量のサインの元ネタ:某でんぢゃらすな老人のマンガ

花陽ちゃんおめでとうニコ

22: 2024/01/18(木) 21:13:05.12 ID:AzTvxB+d.net
おつにこ

引用: にこ「なにがなんでも書くのよっ!」