1: 2024/01/20(土) 17:25:52.584 ID:NIxN/fjn0.net
フェルン「フリーレン様、それはどのような魔法なのでございますか?」

フリーレン「どうやら、耳で聞いた音を距離や方向ごと記録できる魔法みたいだね」

フェルン「それはなかなか便利そうでございますね」

フリーレン「そうだね。一度実験しておこうか。とりあえずフェルンに魔法を掛けておいたよ」

フェルン「……えっ、私の耳で記録するのでございますか?」

フリーレン「そうだよ」

フェルン「こういうのは普通、自分の耳で記録するものではないのですか?」

フリーレン「それもできるみたいだけど、自分の聴いた音を他人に伝えるよりも、他人の聴いた音を自分が追体験するのが目的の魔法らしいんだ」

フェルン「はぁ……」

2: 2024/01/20(土) 17:26:53.700 ID:NIxN/fjn0.net
フリーレン「とりあえず、喋りながらフェルンの周りを回ってみようかな」グルグル

フェルン「あの、私はどうすれば……」

フリーレン「フェルンはできるだけじっとしてて。一緒に動いたら意味ないから」

フェルン「……なんだかムズムズします」

フリーレン「よし、次はーーこんなのはどうかな」ボソッ

フェルン「……フリーレン様、耳元がくすぐったいです」

フリーレン「囁き声とかも、ちゃんと記録されるといいね。……ふーっ」

フェルン「ひぁ…っ!な、何をなさるのでございますか!?」

フリーレン「風音とかはどうかなって。あとはーー」

フェルン「もう終わりです。やめてください」

フリーレン「何言ってるの?まだまだこれからーーフェルン、もしかして怒ってる?」

フェルン「……知りません」ムッス-

フリーレン「ごめん……。とりあえず魔法切っちゃうから」

3: 2024/01/20(土) 17:27:58.846 ID:NIxN/fjn0.net
フェルン「……もう切れたんですか?」

フリーレン「うん。音はとりあえずこの石に記録したから、再生したいときはこれに魔力を込めれば……おお」

フェルン「どんな感じですか?」

フリーレン「なんだか変な感じだね。今、ちょうど私が私の周りを回っているよ」

フェルン「先程の私の耳の感覚を、フリーレン様が今、追体験していると考えて良いのでしょうか」

フリーレン「そういうこーーおわっ、急に近付いてきたよ。なんだこいつ……って、私か」

フェルン「自業自得でございますよ」

フリーレン「ごめんて。でも、自分を客観視するのはなかなか面白ーーうひっ」

フェルン「……いい気味でございますね」

フリーレン「……フェルン、あとでパフェ奢ってあげるから許して」

5: 2024/01/20(土) 17:29:18.761 ID:NIxN/fjn0.net
フェルン「それより、私もその魔法を試してみたいのですが」

フリーレン「えっ?ああ、そうだね……。じゃあ今度は私が……」

シュタルク「おーい、こっちの買い出しも終わったぜ。フリーレンはまた余計なもの買ってないよな?」

フリーレン「シュタルク、ちょうど良かった」

フェルン「え……」

シュタルク「……何?なんか怖いんだけど」

フリーレン「私は魔導書でも読んでるから」

フェルン「フリーレン様」

フリーレン「シュタルク、あとは頼んだよ」

シュタルク「え!俺なんかした!?」

6: 2024/01/20(土) 17:30:52.100 ID:NIxN/fjn0.net
フェルン「はぁ……あの、シュタルク様」

シュタルク「はいぃ!」

フェルン「試したい魔法があるのですが……」

シュタルク「俺で試すってこと!?すごく怖い!」

フェルン「いえ、危ない魔法ではありません。シュタルク様の耳で聞いた音を記録して、私も聞けるようになる魔法です」

シュタルク「なんだ……。そんなことならお安い御用だぜ」

フェルン「ありがとうございます。ーーこれで、シュタルク様の聞いた音がしばらく記録されます」

シュタルク「へー。何にも変わらないように見えるけどな」

フェルン「右。左。右。左ーー」

シュタルク「……何してんの?」

フェルン「音の距離や方向も記録してくれるそうなので、実験でございます」

シュタルク「高性能だな。……じゃあさ、内緒話とかしたらそれもわかんの?」

フェルン「……」ズボッ

シュタルク「うぉわっ!耳に指突っ込むのやめてぇ!」

フェルン「……えOち」

シュタルク「え?なんか言った?」

8: 2024/01/20(土) 17:32:10.911 ID:NIxN/fjn0.net
フェルン「シュタルク様、ご苦労様でした。今の音はこちらの葉っぱに記録しました」

シュタルク「ふーん。じゃあ早速聴いてみろよ」

フェルン「はい。ーー私の声」

シュタルク「成功か。良かったな」

フェルン「左右から私の声が聞こえます」

シュタルク「さっきのやつね……」

フェルン「……っ」

シュタルク「ん?どうした?」

フェルン「……なんでもありません」

シュタルク「あ、さっき耳に指突っ込んだやつだろ!へへ、フェルンが悪いんだぜ」

フェルン「……」

9: 2024/01/20(土) 17:33:32.853 ID:NIxN/fjn0.net
シュタルク「えっ?あ、いや……ごめんなさい……」

フェルン「……いえ、私の方こそ、すみませんでした」

シュタルク「……え?」

フェルン「耳に触れられるの、シュタルク様も怖かったですよね?私も、さっきフリーレン様にやられて、知っていたのに」

シュタルク「……フェルンは大袈裟だなぁ。俺はちっとも気にしてないぜ」

フェルン「優しいのですね、シュタルク様」

シュタルク「そんな小さいこと気にしてもしょうがないって。晩御飯でも食べに行こうぜ。俺もうお腹ペコペコだよ」

フェルン「小さいこと……」

シュタルク「……どうした?え、怒ってる?……なんで?」

フェルン「怒ってません」ムッス-

シュタルク「怒ってるよね!?なんでだよぉー。俺が悪かったなら謝るからさぁー」

フェルン「知りません」

10: 2024/01/20(土) 17:33:46.789 ID:NIxN/fjn0.net
おわり

11: 2024/01/20(土) 17:35:26.571 ID:fXifPqz20.net

引用: フリーレン「両耳で録音する魔法(バイノ-ラル)……?」