1: 2016/10/11(火) 21:46:38.64 ID:bfFXnPZn.net
元ネタは往年の名作

2: 2016/10/11(火) 21:47:04.53 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉「………」

鞠莉(ヘリコプターで旅行していた最中……)

鞠莉(乱気流に飲み込まれた私は、気づいたらよくわからない島にいた)

鞠莉(自然は豊かだけど、人の気配は全くない)

鞠莉「………」

鞠莉「どうしよう……」

ガサッ

鞠莉「ほわぁあああっ!!!」

鞠莉(な、なんかいるっ!?)

3: 2016/10/11(火) 21:47:40.97 ID:bfFXnPZn.net
曜ッシー「あれ? 珍しい生き物がいるなぁ」

鞠莉「ふぇ?」

曜ッシー「うーん……」

鞠莉(えっと……曜? よね……)

鞠莉(なんかへんなきぐるみ着てるけど)

曜ッシー「すんすん……いい匂いがするけど……」

鞠莉「なっ……///」

曜ッシー「これ、食べられるのかな」ズイッ

鞠莉「ほわぁああっ!?」

曜ッシー「わわっ!! 喋った!!」

4: 2016/10/11(火) 21:48:14.79 ID:bfFXnPZn.net
善ッシー「なによ騒がしいわね!!」ガサッ

曜ッシー「あ、善ッシーちゃん!」

善ッシー「ヨハネよ!! そんなダサい名前で呼ばないでちょうだい!!」

鞠莉(変なきぐるみが増えた!!)

善ッシー「……って何? 食べようとしてたの?」

鞠莉(食べようって……ま、マリー、もしかして食べられちゃうの……?)

鞠莉(って、そんな駄目よ二人共!! 私、まだ果南とも一線を超えてないのに……///)

曜ッシー「うん。煮込むか唐揚げにしようか、ちょっと悩んでた」

鞠莉「物理的に食べるの!?」

善ッシー「うわ!? 喋ったわよこいつ!!」

6: 2016/10/11(火) 21:49:54.96 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉「も、もう! なんなのよここは!!」

曜ッシー「ここはヨッシーアイランドだよ」

鞠莉「ヨッシーアイランド……?」

曜ッシー「そうそう。私達みたいな恐竜がいる島なんだ」

鞠莉「きょ、恐竜ね……ぇ……」

鞠莉(どう見てももっふもふのきぐるみよ……)

善ッシー「にしても、なんでこんなところに来たのよ」

鞠莉「きっと、ヘリコプターが墜落して……」

9: 2016/10/11(火) 21:50:51.85 ID:bfFXnPZn.net
善ッシー「同情するわ。でも、自然界の掟は残酷なの」ジュルリ

鞠莉「へ?」

善ッシー「おとなしく食物連鎖の中に沈み、私達の血肉となりなさい!」

鞠莉「きゃああああああっ!!」

曜ッシー「まって善子ちゃん!!」

善ッシー「善ッシーよ!! じゃなくて、ヨハネよ!!!」

鞠莉(今善子って言ったわよね)

11: 2016/10/11(火) 21:51:28.02 ID:bfFXnPZn.net
曜ッシー「……この子を、元の世界に返してあげよう?」

善ッシー「うわ……出たわよ、このいい子っぷり……」

曜ッシー「このヨッシーアイランドは、色んな凶暴な生物もいるから、一人では脱出はできない」

曜ッシー「だから、私達で手伝ってあげる!!」

鞠莉「曜ッシー……」

12: 2016/10/11(火) 21:52:12.50 ID:bfFXnPZn.net
曜ッシー「曜、でいいよ! えっと……」

鞠莉「私は……マリー、マリーでいいわ」

曜「うん! よろしくね! マリーオ!」

鞠莉「マリー!! オが余計よ!!! オが!!!」

善ッシー「我が名は暗黒堕天龍ヨハネ……天界を追放され、この世界に降り立ったー―」

曜「それで、この子が善子ちゃん」

鞠莉「よろしく! 善子!!」

善子「ヨハネよ!!!!」

13: 2016/10/11(火) 21:54:49.14 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉(なんやかんやで、私はこの二人(二匹?)と共に、元の世界に帰るための旅に出ることになったの)

鞠莉(水色の恐竜曜ッシーと、黒色(本人曰く闇色)の恐竜善ッシー)

鞠莉(奇妙で珍妙な旅道中だけども)

鞠莉(何故かしら……妙に、うれしくて、楽しくて)

鞠莉(――でもそんな旅路が、あんなことになるだなんて)


―――スーパーマリオハラ ヨッシーアイランド―――

14: 2016/10/11(火) 21:55:22.32 ID:bfFXnPZn.net
曜「それじゃ、まずは私の背中に乗って!」

鞠莉「え」

曜「この先は道が過酷だから、そうじゃないと先に進めないし」

曜「それに……私達がついてないと、"連れ去られちゃう"よ」

鞠莉「連れ去られ……?」

曜「見て」


メノ^ノ。 ^リ 「~♪」


鞠莉(あれって……リリー? よね……? なんか雰囲気違うけど……)

曜「あれはメノノリ。マリーのような、この島では珍しい女の子を次々と誘拐して、つがいにしていくんだ」

鞠莉「なにそれこわい」

15: 2016/10/11(火) 21:56:20.08 ID:bfFXnPZn.net
曜「だからマリーには”星のおまもり"を貸してあげる」

鞠莉「なにこれ?」

曜「これがあると、私達から離れてもシャボン玉が、マリーのことを守ってくれるんだ」

曜「ただ、無制限じゃない。いいとこ十数秒しかそのシャボン玉は保たないんだ」

鞠莉「……もし効果が切れたら?」

曜「結論から言うとレOになる」

鞠莉「嫌ぁああああああああああ!!!!!!!!」

曜「だから、私達からはあまり離れないようにねっ!」

鞠莉(ととととととと、とんでもない島に来ちゃったわ……!!)

21: 2016/10/11(火) 22:06:47.01 ID:bfFXnPZn.net
ドゥンドドゥンドドドゥドゥンドゥン

~タマゴを作って 投げろ~

曜「そういえば、私達の能力について説明してなかったね」

鞠莉「力?」

曜「まずはふんばりジャンプ!」バタバタバタ

鞠莉「すごい! 空を飛んでるわ!」

曜「そしてヒップドロップ!」ドズンッ

鞠莉「Wow! すごい破壊力!! さすが、曜のお尻は破壊力バツグンなのね!!」

曜「……///」

鞠莉「あ……ごめん///」

22: 2016/10/11(火) 22:08:19.44 ID:bfFXnPZn.net
曜「後は、タマゴ投げだね。こうやって狙いをすまして……とりゃっ!」ポイッ

鞠莉「すごいわ! まるでSniperみたい!!」

鞠莉「……あれ。タマゴがなくなったらどうやって補充するの?」

曜「目の前に敵がいるね」

花丸ヘイホー「ズラ ズラ ズラ ズラ」

鞠莉(ちっちゃい……)

曜「これを食べちゃいます」ゴクンッ

鞠莉「え」

23: 2016/10/11(火) 22:09:07.94 ID:bfFXnPZn.net
曜「すると」ポンッ

鞠莉「えっ、えっ」

曜「これでタマゴが作れるよ!」

鞠莉「ごめんいまの一連の工程全然見えなかったんだけど」

曜「……気になる?」

鞠莉「もんのすごい気になるわよ!!」

曜「……///」モジモジ

鞠莉(気になるぅううううう!!!!!!!!)

24: 2016/10/11(火) 22:09:38.34 ID:bfFXnPZn.net
曜「なんやかんやでゴールが見えてきたよ!」

鞠莉「あ、善子が待ってるわ」

曜「交代交代で運んでいくんだ。というわけで、善子ちゃーん!」

善子「ヨハネよ!!!」

曜「せーのっ! パス!!」ポイッ

鞠莉「へっ!?」フワッ

善子「ぐはっ!!」ベチャァッ 鞠莉「がばぁっ!?」ゴシャァッ

曜「それじゃ、その次のステージで待ってるからねー!!」

鞠莉「……前途多難だわ」

善子「きゅぅ……」

25: 2016/10/11(火) 22:17:47.15 ID:bfFXnPZn.net
~きょだいワンワンちゅうい~

善子「操作説明は聞いたわよね? それじゃ、とっとと行くわよ!」

鞠莉(なんかすっごいメタなこと言われた)

ッブー

鞠莉「ん? 何の音かしら」

善子「気のせいでしょ」

26: 2016/10/11(火) 22:18:58.05 ID:bfFXnPZn.net
ブッブー

鞠莉「近づいてる……何かが近づいてるわ!!」

善子「だーかーらー!! 気のせいだっ――」

ブッブーデスワアアア!!  ズドドドドドドド

鞠莉「………」

善子「………」

善子「全力で捕まってなさい!! 逃げるわよ!!!」

鞠莉(空から巨大なダイヤの顔が空から巨大なダイヤの顔が空から巨大なダイヤの顔がががが)

ブッブゥーデスワアアアア

よしまり「「ぎゃああああああああああ!!!!!!!」」

27: 2016/10/11(火) 22:26:40.13 ID:bfFXnPZn.net
「ビッグハナマルのとりで」

曜「砦のステージには、中ボスがいるんだ」

鞠莉「ボスキャラとの戦いね!」

曜「そしてここが中ボスの間だっ!!」バーン

花丸「ずらー」

鞠莉(あ……またちっちゃい花丸だわ……)

花丸「ずら……ずら……」

29: 2016/10/11(火) 22:27:38.56 ID:bfFXnPZn.net
リリー「ふふっ……はぁーい❤ 曜ッシーちゃーん♪」

曜「出たな!!」

鞠莉(魔女コスのリリー……ノリノリじゃないの……)

リリー「ふふっ……その子の味方をしたいなら、この子のパンツをずらしてごらんなさい!!」

鞠莉「えっ」

リリー「そーれっ!」ビビビビビ

ビッグハナマル「ず~ら~!」

曜「巨大化した!? でも、タマゴを当てるとパンツをずり下ろせるよ!!」

鞠莉「ちょっとまって!? その撃破方法でいいの!?」

30: 2016/10/11(火) 22:27:55.59 ID:bfFXnPZn.net
曜「とりゃっ! とりゃっ!」ポイポイ

ビッグハナマル「ずら~////」

鞠莉「待った待った待った!!! 絵面が危ない!! 色々と危ないからっっ////」

曜「これで……完全に脱衣だーーーっ!!」

鞠莉「違うゲームになっちゃうから駄目ぇええええっ!!」

リリー「いよっしゃぁ!!!!!」

鞠莉「なんで喜んでるの!?」

曜「とりあえず、これで撃破だね!!」

鞠莉「ああ……なんかフクザツな気分よ……」

32: 2016/10/11(火) 22:38:09.42 ID:bfFXnPZn.net
さわるとふらふらワタボー

善子「ここのステージのワタボーには注意してね」

鞠莉「ワタボー?」

善子「あのふわふわういてる奴よ。触れてもダメージはないけど……」

鞠莉「Oh! Very、Cute!!」

善子「ってバカ!! 触っちゃらめ……」バフッ

鞠莉「!? な、なんか破裂したわよ!?」

善子「ふにゃぁ……❤」

34: 2016/10/11(火) 22:42:14.45 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉「よ、ヨーシコー?……どうしたの……?」

善子「…善子だなんてやらぁ……❤❤ ヨハネ、って呼んでぇ……❤❤」トロォン

鞠莉「ってなに!? うわっ!? さ、酒臭っ!!」

善子「んー……マリーのことたべちゃらめぇ~……?」

鞠莉(まさか……あのワタボーに触れると、恐竜は酔っ払っちゃうの!?)

鞠莉「って、言ってる先から押し倒さないでーーー!!」

善子「はむぅ……❤」

35: 2016/10/11(火) 22:43:06.99 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉「待って待って危ない危ない!!」

善子「なんれぇ……?」

鞠莉「そ、それに……善子が酔っ払っちゃったら!! あのメノノリとかいうのが襲ってきちゃうんじゃ……」

メノ^ノ。 ^リ「………」

メノ^ノ。 ^リ 「続けなさい……続けるのです……」

鞠莉「ちょっとぉおおおお!?」

善子「マリー……///」ハァハァ

鞠莉「起きて!! 起きて起きておーきーてー!!!」

39: 2016/10/11(火) 22:54:23.00 ID:bfFXnPZn.net
善子「……はっ!? なんか意識失ってた!?」

鞠莉「……おはよう」

善子「……? マリーどうしたの。すごいぐったりしてるわよ」

鞠莉「……難関ステージだったわ」

善子「?」

41: 2016/10/11(火) 22:58:30.73 ID:bfFXnPZn.net
ビッグスライムのおしろ

曜「ステージの最後は大ボスがいるんだ」

鞠莉「ビッグスライムっていうわりには、なんかかわいいぷよ○よみたいなのね~♪」

リリー「ふふっ」

曜「また出たな!!」

リリー「マリーちゃんが行きたがってるのはホテル十千万なんだから、素直にこちらにお渡しなさい……」

鞠莉「ラスボスのお城の名前がどう聞いてもアレなホテルなんだけど!?」

リリー「そーれっ」ビビビビビ

ビッグスライム「ぷるぷる」

43: 2016/10/11(火) 23:04:43.38 ID:bfFXnPZn.net
曜「よし!! タマゴでどんどん小さくしていくよ!!」

鞠莉「頑張って!!」

曜「そして出てきたスライムを食べて……タマゴにする!!」

鞠莉「曜! 危ない!!」

曜「わわっ!! ダメージを受けちゃった!!」

鞠莉「っっ!! シャボン玉に包まれてる……!」

44: 2016/10/11(火) 23:07:03.89 ID:bfFXnPZn.net
曜「しまった! 早く回収しないと、メノノリに連れ去られちゃう!!」

メノ^ノ。 ^リ「レズゥ……」

鞠莉「いやぁあああああああ!! 助けてぇえええ!! 早く!! はやくぅううう!!!」オンギャー

曜「本当に赤ちゃんみたい」

鞠莉「ワリとシャレになってないから早くだずげでぇえええええ!!!!!」

※このあとなんとかスライムを撃破しました。

45: 2016/10/11(火) 23:40:35.23 ID:bfFXnPZn.net
~ノコノコとパタパタがいた~

鞠莉「亀がいるわね」

善子「あれはノコノコ。羽が生えてるのがパタパタよ」

鞠莉「あれは食べてタマゴにできないの?」

善子「そうね。でも、甲羅を吐き出すことができるわ」

鞠莉(法則性がよくわからないけど、好き嫌いみたいなものなのかしら……)

46: 2016/10/11(火) 23:41:07.77 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉「……そういえば、あのキラキラとしたシャイニー☆なアイテムは何?」

善子「あ、あれはスーパーシャイニーよ」

鞠莉「スーパーシャイニー!」

善子「何が起きるかは私もわからないから、取ってみれば?」

鞠莉「えっと……スーパーシャイニー!!」ボフンッ

鞠莉「わわっ!! なんかかっこいいマントが!!」

鞠莉「すごい!! 壁を走り回ったりマントで空も飛べるわ!!」

47: 2016/10/11(火) 23:46:05.70 ID:bfFXnPZn.net
鞠莉(なんか善子が卵になっちゃってるけど、これもシャイニーの効果なのかしら)

鞠莉「……あ、時間切れだと元に戻るのね」ボフンッ

鞠莉「………」

鞠莉「……善子がタマゴからもどらないんだけど」

善子「なによぉ……せっかくあんな便利な能力があるんだから、ラクさせてよぉ……」

鞠莉「サボるなーーーっ!!!」

48: 2016/10/11(火) 23:46:31.00 ID:bfFXnPZn.net
~ミットさんとバットくん~


鞠莉「そういえば、このブロックはなーに?」

曜「それはモーフィングブロック。それを押すと、モグラタンクになれるんだ!」

鞠莉「試しに叩いてみましょう! そーれっ!」

曜「モグラタンクに変身するよ!!」

鞠莉「すごい! そしたら、この土壁を掘れるのね!!」

49: 2016/10/11(火) 23:46:45.12 ID:bfFXnPZn.net
曜「んしょ……んしょ……」

鞠莉(普通に着替えるんだ……)

曜「あ、あんまりまじまじ見ないでほしいな////」

鞠莉「あっ、はい」

鞠莉(曜の下着姿……///)

51: 2016/10/12(水) 00:01:48.23 ID:Y78myjuS.net
~びっくりテレサのとりで~


善子「ふふ……おばけなんて、この堕天暗黒魔竜の敵ではないわ……!」

鞠莉「あ、後ろに」

善子「あぎゃああああっ!!!」

鞠莉「なーんちゃって☆」

善子「び、びっくりさせないでよ!! バカマリー!!」

52: 2016/10/12(水) 00:02:12.82 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「……中ボスなんて、誰もいないじゃない」

善子「そうね……」

???「うゅうゅうゅ……」

鞠莉「……」

善子「……」

54: 2016/10/12(水) 00:06:07.70 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「だ~るまさんが……」

善子「ころんだっ!!」

テレサルビィ「うゅっ!?」

鞠莉「……誰も居ないわね」

善子「居ないわね」

55: 2016/10/12(水) 00:06:39.07 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「だったら、ここはクリアしたってことでいいんじゃないの?」

善子「それもそうね」

テレサルビィ「ま、まってください!! そ、そんなことされたらおねえちゃんに怒られ」

よしまり「「ころんだっ!!」」バッ

テレサルビィ「うゅゅ///」

鞠莉「誰もいないじゃない」

善子「誰も居ないわよね」

テレサルビィ「……///」

57: 2016/10/12(水) 00:10:26.15 ID:Y78myjuS.net
リリー「え? 結局顔が合わせられなくてそのまま砦スルーされちゃったの?」

テレサルビィ「はいぃ……」

リリー「……まったく。そんな駄目な子には、お仕置きが必要ね」ガチャ

テレサルビィ「あの……な、なんで鍵閉めたんですか……」

テレサルビィ「なんでこっちに寄ってくるんですか……なんでそんなもの持ってるんですか……!!」

テレサルビィ「ぴ……ぴぎぃいいいいいいーーーーーー!!!!!!!!」

59: 2016/10/12(水) 00:38:48.45 ID:Y78myjuS.net
~かべあなからジュゲム~

鞠莉「そういえば、さっきから雲に乗ったダイヤが追っかけてくるんだけど……」

曜「あれはジュゲムだね」

鞠莉「わわっ! なんかトゲトゲしたもの投げてきたわ!!」

曜「パイポだね」

鞠莉「わわっ! 雷も落としてきたわっ!!」

曜「怒りっぽいのかな? あのジュゲム」

鞠莉「……なんかずいぶんダイヤと共通点がある気がするわ」

61: 2016/10/12(水) 00:42:31.51 ID:Y78myjuS.net
曜「これは車のモーフィングブロックだね」

鞠莉「これを叩いたら、車に変身するの?」

曜「ううん、クルマに乗るんだよ」ブロロロロロ

鞠莉「い、一体どこから車が……」

曜「さ、乗って」

鞠莉「え、ええ」ガチャ

62: 2016/10/12(水) 00:43:05.91 ID:Y78myjuS.net
曜「マリー……しっかり捕まっててね」ガコッ

鞠莉「へ? シートベルトは付けたけど……」

曜「ギア、全速前進!! ヨーソロー!!!」グイィイン

ブロォオオオオオオオオン

鞠莉「きゃああああああああっ!!!」

曜「」ガコッ グッ ギャイッ

キィイイイイイイイイイイイッ

鞠莉「ちょっと曜!? 曜!?」

曜「勝負を決めるのは……この先の5連続ヘアピンカーブ!!」ギャィイイイイッ

鞠莉「頭文字Y!?」

64: 2016/10/12(水) 00:57:54.89 ID:Y78myjuS.net
~ウンババのすむジャングル~

鞠莉「なんか色々ステージを飛ばしてきたけど、ここはジャングルなのね」

善子「水辺の雰囲気は嫌いじゃないわよ」

鞠莉「? なんだか、水辺が盛り上がって……」

カナウンババ「ウンババー!」

鞠莉「きゃああああああっ!?」

善子「カナウンババよ!!」

鞠莉「カナウンババ!?」

65: 2016/10/12(水) 00:58:17.83 ID:Y78myjuS.net
善子「捕まったらそのまま永遠に水底にダイブさせられちゃう!!」

鞠莉「なにそれ素で怖い」

カナウンババ「私も、鞠莉のストーカーだから」

鞠莉「改めて言われてみると怖い台詞だった!!!」

84: 2016/10/12(水) 20:42:05.68 ID:Y78myjuS.net
……その後も私たちは、色んなステージを乗り越えていった。

曜「ああっ! マリーが巨大な蛙に飲み込まれた!!」

鞠莉「嫌ああああ!! 胃液が出て来るぅううううう!!!」

曜「そういえばカエルって異物を飲み込んだら胃袋ごと嘔吐するらしいね」

鞠莉「呑気なこと言ってないで助けてぇえええ!!!」

85: 2016/10/12(水) 20:43:37.06 ID:Y78myjuS.net
善子「あっ! このフラワーを集めると1UPできるのよ!!」

ニセハナマル「偽物ずら」バシッ

善子「ぎゃあああっ!」

鞠莉「ちょっ!? あっ!! シャボン玉っっ!!」

メノ^ノ。 ^リ 「5……4……3……」

鞠莉「善子ぉおおおお!!! 助けてぇえええ!!!!!!」オギャーオギャー

87: 2016/10/12(水) 20:44:26.76 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「なんとか、赤いコインも集めていくわ……!」

曜「この床は、カウントがゼロになると落ちちゃうから気をつけてね!」

鞠莉「くっ……諦めるしかないのね」

ペロンッ

曜「よし! ゲットしたよ!」コイーン

鞠莉「ねえ。今私見てなかったんだけどどうやって手に入れたの、ねえ」

88: 2016/10/12(水) 20:56:42.90 ID:Y78myjuS.net
善子「ボーナスゲームよ!! クリアすればアイテムが貰えるわ!!」

鞠莉「Wow! で、どうすればいいの?」

善子「あのボロドーにスイカのタネをぶつけまくればいいのよ!!」シャクシャクシャク

鞠莉「ボロドー……」

ルビィ「プププププププ」

善子「痛たた!! やったわね!!」プププププププ

プププププププ

鞠莉「痛い!! 痛っ、痛たたた!! 当たってる!! 私に当たってるってばぁ!!!」

89: 2016/10/12(水) 20:58:27.59 ID:Y78myjuS.net
曜「ビッグパックンのおしろだね!」

鞠莉「ビッグパックン……きっと強敵に違いないわ」

曜「……大丈夫みたい、タマゴで一撃で倒せる、楽勝だね!!」

鞠莉「ど、どうしてわかるの!?」

曜「ヤッホー知恵袋で調べた」

鞠莉「ヤッホー知恵袋!?」

90: 2016/10/12(水) 20:59:18.26 ID:Y78myjuS.net
善子「うわあああああ!!」

鞠莉「ひああああああ!!」

善子「マリー!! 私に乗ってないで、自分で走ったら!?」

鞠莉「無理よ!! 私の脚力じゃ絶対逃げられないって!!!」

ビッグワンワン「だーれーがーおーばーさーんーですってー!!!」ガウガウガウガウ!!

善子「ステージ噛み砕きながら迫ってくるんだけどーー!!」

鞠莉「夢に出てくるーーーー!!!」

91: 2016/10/12(水) 21:03:56.89 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「はぁ~……すごい、息が真っ白」

曜「氷の世界だね……」

鞠莉(こういうとき、曜……っていうか、曜ッシーってもふもふしてて温かいわぁ……)

曜「ふふっ」

鞠莉「? どうしたの?」

曜「いや、マリーを載せてるからかな。背中が温かいな、って」

鞠莉「……それはこっちの台詞よ」ギュ

曜「さ、ここから先はツルツル滑るからね。しっかり捕まっててね」

鞠莉「……わかった」

92: 2016/10/12(水) 21:53:17.38 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「あれは……」

善子「ビッグキューちゃんね」

鞠莉「……」

( ・  8  ・ )

鞠莉「ねえ、あれってもしかし」

善子「ビッグキューちゃんよ」

鞠莉「………」

( ・  8  ・ )ちゅんちゅん

鞠莉「ねえ、あれってやっぱり」

善子「ビッグキューちゃんよ!!」

93: 2016/10/12(水) 21:53:50.15 ID:Y78myjuS.net
曜「気をつけてマリー……この洞窟にはボロドーがいっぱい」

いつのまにか花丸「ずら~♪」

曜「いるか………ら………」

曜「………」

曜「!?」

鞠莉「曜ーーー!! ヘルプ!! ヘェーーーールプ!!!」

ルビィ「うゅゅ♪ とっちゃったとっちゃった♪」

曜「か、返してーーーっ!!!」

94: 2016/10/12(水) 23:15:31.11 ID:Y78myjuS.net
善子「ここが最後の砦みたいね」

鞠莉「ビッグカチカチのとりで……ああ、なんか誰が出てくるかわかっちゃったわ……」

善子「何? マリーも未来予知の能力を身に着けたの?」

鞠莉「色々とカチカチで頑固なクラスメートを二人ほど知ってるのよ……」

鞠莉(どーせカチカチカッチンのダイヤか……)

鞠莉(あーの頑固親父の果南か……どっちかなんでしょうね)ギィイイイッ

95: 2016/10/12(水) 23:19:17.32 ID:Y78myjuS.net
ダイかな「「待ってたよ(ですわ)」」

鞠莉「まさかの二人がかりーーーーーっ!?」

善子「へぇ……2対2ってわけ」

鞠莉「え……私カウント入ってるの!?」

善子「……いざという時は盾に」

鞠莉「酷い!!」

96: 2016/10/12(水) 23:27:10.21 ID:Y78myjuS.net
善子「とりあえず! タマゴで足場を崩すわよ!!」

鞠莉「真下はマグマ……落っこちたらひとたまりもないわね」

ダイかな「「とーりゃーっ!!」」

善子「ふんっ! そんなへなちょこな体当たり、あたるもんですか!」

鞠莉(二人羽織みたいになってるから、めっちゃ動きづらそう……)

ダイヤ「ちょっと果南さん!! さっきから私にタイミングを合わせてと!!」

果南「うるさい! 運動神経は私のほうがいいんだから、ダイヤが合わせてよ!」

ダイヤ「なんですってー!?」

果南「何!?」

鞠莉「あわわわ!! ふ、二人共喧嘩しないでーっ!!」

97: 2016/10/12(水) 23:27:47.43 ID:Y78myjuS.net
善子「動きが止まってるわ!! 今のうちに!!」ガラガラガラッ

鞠莉「足場が崩れた!!」

ダイヤ「いやぁああああああ!!!」

果南「うわああああああっ!!!」

鞠莉「ああ……マグマに沈んでいくわ……」

善子「ふっ……完全勝利ね」

鞠莉「そ、そうね。先に進みましょう」

98: 2016/10/12(水) 23:28:24.72 ID:Y78myjuS.net
曜「あ、善子ちゃーん!」

善子「ヨハネ!! もう……はいっ、バトンタッチよ」

鞠莉「そろそろラストが近づいてきたわね……」

曜「…! 善子ちゃん! 危ないっ!!」

善子「だから! 私はヨハネだって……」ガッ

善子「……な、に?」

ダイヤ「逃しませんわ……!」ズズズズ

果南「逃さないよ……!」ズズズズ

99: 2016/10/12(水) 23:29:57.81 ID:Y78myjuS.net
善子「ひぃっ!!」

鞠莉「そんな!! 二人は、さっき倒したはずじゃ……!!」

ダイヤ「どうせならば……」

果南「このまま道連れに……!!」

善子「くっ!! こ、このっ!! 手ェ離しなさいよ!!」

鞠莉(どうしよう……このままじゃ、マグマに引きずり込まれちゃう……!!)

100: 2016/10/12(水) 23:30:41.46 ID:Y78myjuS.net
善子「くっ!! 曜っっ!!!」ポイッ

鞠莉「きゃあっ!!」

曜「うわっとと!!」キャッチ

善子「マリーを頼んだわよ!! ちゃんと、元の世界に送り返すのよ!!」

曜「わ……わかった……!」

鞠莉「ちょっと待って曜!! 善子が!! 善子が!!!」

曜「善子ちゃんから頼まれたんだ!! マリーを、絶対に送り届けるんだって!!」

鞠莉「曜……」

曜「……行くよ!!」

101: 2016/10/12(水) 23:32:52.57 ID:Y78myjuS.net
~いよいよホテル十千万だ~

鞠莉「ここが最後のお城……」

曜「気を引き締めていこう。リリーも……そして、きっと真の大ボスが待ってるから」

鞠莉「善子……無事で居てくれるといいけど……」

曜「大丈夫だよ。常日頃から、タフなのが売りな子だったから」

鞠莉「曜……」

鞠莉「……分かった。よろしくお願いね、曜」

曜「了解! 激しく動くからね、しっかり捕まっててよ!!」

103: 2016/10/12(水) 23:54:07.31 ID:Y78myjuS.net
曜「ここが、ボスの間だね……」

鞠莉「………」

曜「開けるよ」ギギギィイ

リリー「はぁーい❤ わざわざ女の子をここまで連れてきてくれたのね?」

曜「……アナタには用はないよ」

リリー「あら、冷たいのね」

鞠莉「……貴方達のせいで……善子が……!」

リリー「? やだ、怖い目で睨まないでよ」

104: 2016/10/12(水) 23:57:04.66 ID:Y78myjuS.net
鞠莉「絶対に許さない! あんたは、私が直々にぶん殴る!」

リリー「やれるものならやってごらんなさいな」ビビビビ

曜「やられはしないよ!! タマゴ攻撃!!」ポイッ

リリー「きゃっ! やったわね!!」

曜「私も怒ってるんだ!! こてんぱんにしてあげるよ!!」

鞠莉「ええそうよ!! やっちゃえ!! ヨーソローファイヤー!!」

ギャーギャー  ドドドドド

105: 2016/10/12(水) 23:58:43.90 ID:Y78myjuS.net
「……んー……」

リリー「!?」

曜「攻撃が止んだ……?」

鞠莉「待って……なにか聞こえない?」

「うーるーさーいー……!」

リリー「ち、ちちちちち、チカチーお嬢様っ!?」

鞠莉「ちかちー?」

曜「お嬢様?」

106: 2016/10/13(木) 00:00:07.82 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「もーっ! うるさくて眠れないじゃないのーっ!!」

リリー「あわわわわわ……」

鞠莉(なんか、ゴス口リチックなちかっちだわ……)

チカチー「ん。梨子ちゃん、こっちきて」

リリー「あわわ……あわわわわわ」

107: 2016/10/13(木) 00:01:03.72 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「……二度言わなきゃわからないの?」

リリー「は、はいぃいいっ!! 仰せのままにっ!!」

チカチー「……さっきからうるさい梨子ちゃんには、オシオキだよ」グイッ

リリー「あ、あ、あああああ」「

チカチー「ぺしゃんこになっちゃえっ♪」

リリー「あ、あひぃいいいいいっ❤❤❤❤❤❤」

鞠莉「Oh……」

曜「うわぁ……」

108: 2016/10/13(木) 00:01:38.40 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「ん?」

チカチー「その乗り物は何っ!? とってもキラキラしてて楽しそう!!」

曜「ふぇ? わ、私?」

チカチー「わ、私に頂戴っ!!」

鞠莉「はぁ!?」

109: 2016/10/13(木) 00:05:19.49 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「くれないっていうのなら……」

チカチー「無理矢理にでも、うばっちゃうよっ!!」ガオーッ!

曜「うわぁっ!!」バキィッ

鞠莉「きゃあっ!!」ボウンッ

鞠莉(おまもりのシャボン玉……っ!! でも、そんなに長くはもたない……!)

110: 2016/10/13(木) 00:06:12.31 ID:dtaNgOkB.net
曜「くぅっ……!! 待っててマリー! 今すぐ助けるから!」

リリー「くっ!! 行かせはしないわ!!」ビビビビ

10

曜「うわぁああっ!!」ズザザザザ

鞠莉「曜!!!!」

リリー「ふふふっ!! 時間切れまで、貴方の手は彼女に届くことはないわ!!」



曜「ダメだ……こんなところで、倒れちゃ……!!」

チカチー「あは……無理しないほうがいいよ?」

鞠莉「曜!! 曜!!!」

111: 2016/10/13(木) 00:07:39.14 ID:dtaNgOkB.net


曜「善子ちゃんと……約束したんだ!!」

曜「絶対、絶対に!! マリーを元の世界に送り届けるんだって!!」

鞠莉「曜……!!」



リリー「既に満身創痍……そして、星のおまもりの効果も長くは続かない」

リリー「それに、この絶望的な状況。なぜ、諦めない……!?」

112: 2016/10/13(木) 00:08:27.95 ID:dtaNgOkB.net
曜「諦めないっっっ!!!」

曜「私はっっ!! 0にならない限りは、諦めないんだ!!」



曜「マリー!! 待ってて!! 今すぐ行くか――」

鞠莉「曜!! 危ない!!!」

チカチー「駄目だよぉ? ちゃんと私と遊んでくれないとっ!」ブォッ



曜「っっ!! 遊んでる暇はないんだっっ!!」

曜(残り5カウント……! 早く、早くシャボン玉に触れないと!!)

113: 2016/10/13(木) 00:09:42.03 ID:dtaNgOkB.net
リリー「行かせないわ!!」



曜「どいてぇえええええええ!!!!!!」

鞠莉(お願い……神様がいるなら……!)



曜「マリィイイイイイイイイ!!!!!!」

鞠莉(曜を……守ってあげて!!!)

114: 2016/10/13(木) 00:10:51.81 ID:dtaNgOkB.net


チカチー「無駄だって言ってるでしょ!!」

鞠莉「曜!! 逃げてぇええええ!!!!!」

曜「あっ……!!」ガクンッ

チカチー「ふふふ……捕まえたよ、曜ちゃん♪」ガシィ



115: 2016/10/13(木) 00:13:27.94 ID:dtaNgOkB.net
曜「離して!! 離して!!!!! 離してよぉおお!!!!!」

チカチー「残念……♪ 時間切れみたいだね、曜ちゃん」

鞠莉「曜!! 曜ーーーー!!!!」

曜「マリー!! マリー!!!!!」



鞠莉(シャボン玉がっっ!!!)

パンッ

鞠莉「あ……」

曜「ま――――」

曜「マリィイイイイイイイイイッッ!!!!!!!!!」

122: 2016/10/13(木) 20:57:55.99 ID:dtaNgOkB.net
リリー「おまもりが剥がれた……! これで、アナタも私達のもの―――ッッ!!」

鞠莉(そんな……ここまで来たのに……!)

鞠莉(これで……おわり……おしまいなの……!?)

鞠莉(このまま、全部、終わってしまうの……!?)

曜「マリー!! マリー!!!!」

チカチー「ふふふ、っ! ダイジョウブ! 曜ちゃんは、私の新しいおもちゃにしてあげるから!!」

リリー「さあ! 今すぐ、彼女を捉えなさい!!」

メノ^ノ。 ^リ 「レズゥ……」

123: 2016/10/13(木) 20:58:39.09 ID:dtaNgOkB.net
――ネ、見参ッッ!!

ゴォッ

メノ^ノ。 ^リ 「レズッ!?」

鞠莉「きゃあっ!」

チカチー「誰っ!?」

リリー「馬鹿なっ!!」

リリー(空中のマリーをそのままキャッチするだなんて……一体、何者!?)

124: 2016/10/13(木) 21:00:29.86 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「あ……ああ……」

曜「……!!」

鞠莉「よかった……無事だったのね……!!」ギュッ

「ラスボスは一度倒しても、第二形態として蘇るものよ」

鞠莉「馬鹿……ヨハネは敵じゃなくて、ヒーローでしょ……?」

善子「ヒーローなんて、柄じゃないわ」

善子「漆黒の翼を携えし、漆黒の堕天竜こそ、我が二つ名にふさわしい!!」バサァッ

125: 2016/10/13(木) 21:02:42.98 ID:dtaNgOkB.net
リリー「馬鹿な……! あれは、伝説の有翼種……!!」

曜「闇色の、翼……!!」

鞠莉「その姿は……」

善子「あいつらに道連れにされる直前に、なんかキラキラするボールがあってね」

善子「ヤケクソで卵ぶつけてみたら、急に翼が生えてきたのよ!!」

善子「まさに! 最後の切り札ってやつね!!」バサアッ

126: 2016/10/13(木) 21:04:20.18 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「こらーっ! 私のおもちゃを、横取りしちゃだめーっ!!」

善子「何よっ!! 散々迷惑かけてくれちゃって!!」

善子「この、漆黒の堕天龍が奥義……受けてみるがいいわ!!」スーッ

チカチー「ふんだ! タマゴももたない善ッシーに、何ができるっていうの!! 返り討ちにしてあげる!!」

善子「ヨハファイヤー!!」ゴオッ

チカチー「わきゃあああああああっ!!!!!」

曜「火炎放射!!」

鞠莉(なんかイントネーションが某インド人みたいだったけど、気にしちゃ駄目よね!!)

127: 2016/10/13(木) 21:06:47.05 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「あちちちちちち!!!! あついあついあついいいいいいっ!!!」

リリー「お、お、お、お嬢様ぁああああっ!? お、お前たち……お嬢様になんということを……!!」

善子「このヨハネが降臨せし常世に、邪悪の栄えた試しなし!!」

曜「いつもはダークサイドって言ってるのに……」

善子「た、たまには立ち位置が変わるのよ!! そう!! 堕天使だもの!!!」

鞠莉「二人共……無事でよかった……!!」ギュッ

善子「まったく……曜ったら、マリーに心配かけさせてんじゃないわよ」

曜「えへへ……ごめんね」

128: 2016/10/13(木) 21:08:26.31 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「ばたんきゅー……」

リリー「い、今すぐ助太刀しますわ!!」

チカチー「……その必要はないよ、梨子ちゃん」ガシッ

リリー「へ?」

チカチー「ふふふ……いいね。久しぶり。久しぶりだよ。こんなにコケにされたのは」

リリー「ち、ちか……ちゃん?」

チカチー「イってしまった……キレてしまった……っていうべきかな」

チカチー「いいよ。特別に見せてあげるよ」

チカチー「普通怪獣の、本当の姿を」

チカチー「普通怪獣の―――本当の恐ろしさを!!!!」

129: 2016/10/13(木) 21:16:08.87 ID:dtaNgOkB.net
曜「うわ、うわわわわぁああっ!!」

善子「曜!! 鞠莉!! しっかり捕まってなさいよ!!!」

鞠莉「ちちちっちちちち、ちかっちが……」

ようまり「「めっちゃでっかくなったぁーーーー!!!!」」

善子「耳元で叫ぶなぁーーーっ!!!」

130: 2016/10/13(木) 21:18:25.71 ID:dtaNgOkB.net
チカチー「ふふふふふ……ちっちゃいなあ、ちっちゃいなあ、ちっちゃいなぁ」

鞠莉「あわわわわ……な、何十メートルあるのよあのちかっち!?」

曜「な、なんとかここまで逃げてきたけど……うわぁ、塔みたいだ」

善子「ぜーっ……ぜーっ……ふ、ふたりとも……重いのよ……」

鞠莉「……あ、善子の翼が……」

善子「ヨハネよ……どうやら、無制限とはいかないみたいね……」

131: 2016/10/13(木) 21:18:43.20 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「……それで、どうしよう」

曜「どうするもなにも」

善子「倒すしかないでしょ?」

鞠莉「む、無茶よあんな化物!!」

曜「なせばなる! なんとかなるはずだよ!」

鞠莉「でも……」

曜「大丈夫。私と、善子ちゃんと、マリーの3人がいれば」

善子「ヨハネよ」

鞠莉「………そうね」

鞠莉「それじゃ、行くわよ!!! 最終決戦よ!!!」

132: 2016/10/13(木) 21:22:08.64 ID:dtaNgOkB.net
善子「普通の卵じゃ届かない……」

曜「見て! ビッグタマゴが置いてある!!」

鞠莉「これなら、やつにも決定打が与えられる……!」

善子「でも、こんなもんどうやって投げるのよ……」

曜「二人がかりでなら……!!」

善子「とりあえず、いくわよ!!!」

ようよし「「せーのっ!!」」ブンッ

チカチー「どこを狙ってるのかなぁ? 攻撃っていうのはね、こうするんだよっ!!」ゴオッ

133: 2016/10/13(木) 21:22:54.97 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「巨大な火の玉!!」

善子「きゃあっ!!」

曜「うわぁっ!!」

善子「ちょっと! ぜんっぜん見当違いな方向に投げちゃったじゃない!!」

曜「あわわわわ……そんなこと言ってる間にもこっち来てるよ!!」

善子「もう一回! もう一回よ!!」

曜「わかった!! せーのっ!!」

チカチー「あははははは! まぐれあたりを期待してるのかな? 無駄だよっ!!」

134: 2016/10/13(木) 21:26:24.01 ID:dtaNgOkB.net
曜「二人がかりで投げると、どうしても狙いが定まらない……」

善子「と、とりあえずひたすら投げるのよ!! 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる!!」

鞠莉「待って!!」

曜「マリー?」

鞠莉「私が……二人の目になる!!」

善子「私達の……目?」

136: 2016/10/13(木) 21:30:13.25 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「曜!! もうあと半歩下がって!!」

鞠莉「善子!! 投げるとき、足が遊ばないようにね!!」

曜「わかった!!」

善子「ぐ……このビッグタマゴ、持ってるだけでも結構重いんだけど……!」

鞠莉「もう少し……もう少し引きつけて……!」

チカチー「さぁーて……そろそろ、みんな潰しちゃおうかなっ!!」

鞠莉「今よっ!! ファイヤー!!」

ようよし「「とりゃぁあああああっ!!!!」

137: 2016/10/13(木) 21:33:33.24 ID:dtaNgOkB.net
ドギャァッッ!

チカチー「うわぁああああっ!!!」

リリー「ちかちゃん!! ちかちゃああああん!!!」

善子「当たったわ!! モロ顔面に!!」

曜「効いてる!! 効いてるよ!!!」

鞠莉(素ですっごい痛そうで、ちょっと罪悪感が……)

チカチー「うううう~っ!! 痛いよぉ~……いたいよぉ~……!」

リリー「ぐぬぬぬぬ……お、覚えてなさーいっ!!!」

善子「おととい来ることねーっ!!」

鞠莉(まさに負け犬のテンプレート台詞を吐きながら、集まってきた大量のメノノリがちかっちを運んでいった)

138: 2016/10/13(木) 21:35:43.39 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「……やったわね」

曜「うん。マリーのお陰だよ!」

鞠莉「ううん。私はずっと守られてただけ……曜のお陰だよ」

善子「ちょっとぉ! 私はっ!?」

鞠莉「もちろん! ヨハネもよく頑張りました!」

善子「ふふふ……当然よね。貴方も、私の名誉リトルデーモンにしてあげてもいいわよ!?」

鞠莉「あ、それはいいかな……」

善子「なんでよ!!」

139: 2016/10/13(木) 21:38:22.77 ID:dtaNgOkB.net
曜「ここがゴール地点だね」

善子「初の、三人揃ってのゴールね」

鞠莉「ここが、旅の終わりということね……」

鞠莉(長いようで短い旅路)

鞠莉(色んな事もあったけど、私はここの生活が楽しかった)

鞠莉(それが、そろそろ終わりを告げてしまうことを考えると……)

鞠莉(まだ、もう少しだけ。この島に、残っていたいとすら思っていた)

鞠莉「………曜、善子」

140: 2016/10/13(木) 21:40:19.42 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「あのね、二人共。ちょっと話があって……」

曜「それじゃ、マリーとはここでお別れだね」

善子「ええ」

鞠莉「……えっ?」

曜「お疲れ様、マリー。これで、元の世界に帰れるから」

善子「盟約は果たしたわよ。ま、これでお別れってことね」

鞠莉「わわっ!」

突然、身体がシャボン玉に包まれた。

141: 2016/10/13(木) 21:51:30.96 ID:dtaNgOkB.net
曜「それじゃーね! ヨーソロー!!」

善子「今度は墜落しないようになさいよー!!」

鞠莉「えっ……えっ、えっ」

シャボン玉に包まれたまま、少しずつ地面から離れていく。

眼下の二人は笑顔でこちらに手を振っていた。

142: 2016/10/13(木) 21:52:01.82 ID:dtaNgOkB.net
最後に伝えたかった言葉を紡ぐよりも早く、シャボン玉は私達二人を切り離した。

まだ、一緒に居たかった。

もう少し、一緒に笑いあいたかった。

あとちょっとだけ、3人で過ごしていたかった。

色んな思いが、頭の中をぐるぐると回っている。

ただ一つ、私の心に残ったわがままが、胸の奥からこみ上げてきた。

143: 2016/10/13(木) 21:53:07.12 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「嫌……」

鞠莉「嫌よ!!」

そのわがままが、叫び声にのって絞り出された。

鞠莉「待って!! まだ、まだ私は帰りたくないの!!」

衝動的に、シャボン玉を中から引っ掻いてしまった。

しかし、シャボン玉は中から割れることなく、上昇の速度は緩みを見せない。

144: 2016/10/13(木) 21:55:10.15 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「曜! 善子! 助けて!! 助けてよ!! いつもみたいに、このシャボン玉を割っちゃってよ!!!」

叫んでも叫んでも、二人は笑顔でこちらに手を振るばかりだ。

鞠莉「曜!! 善子!! 聞こえてるの!? 助けて!!! 助けてってば!!!!」

どれだけジタバタと喚き散らしても、シャボン玉はびくともしない。

これまでは、なんて頼りなくて儚い防壁なのだろうと思っていたものが、今はあまりにも無慈悲で、分厚すぎる。

145: 2016/10/13(木) 21:59:34.04 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「出して!!! ここから出してよぉ!!! お願いだからぁ!!」

どうして?

今までは、この泣き声が届いていたでしょう?

今までは、すぐに助けに来てくれたでしょう?

どうして、今は私の泣き声が届いてないのー―ー!?

鞠莉「うぁ……ぁああ……ぁあああああっ!!!!!」

赤子のように泣き叫んだ。

グシャグシャになった顔が、シャボン玉の内面に映っていた。

鞠莉「ぁあああああ!!! うわあぁああああっ!!!!」

146: 2016/10/13(木) 22:07:37.24 ID:dtaNgOkB.net
目覚めたときには、自室のベッドの中だった。

いつもと変わらない風景。

いつもと変わらない世界。

でも……自分の視力はいいはずなのに、なぜだろう。

――世界が、ひどく滲んで見えるのは。

鞠莉「………夢、だったのね……」

ぽたり、と。

自分の手の甲に、何かが滴った。

それが自分の涙だと気づくのに、時間はかからなかった。

そしてそれが自分の涙だと気づいてから、世界のにじみは更にひどくなった。

147: 2016/10/13(木) 22:08:02.10 ID:dtaNgOkB.net
この涙は、どうして止まらないのか。

悲しいから?

何故、悲しいの?

悪い夢を見たから?

違う。

あれは、悪い夢じゃない。

あれは、とても楽しい夢だったのだ。

楽しくて、幸せで、満ち足りた夢。

ならば、何故私は悲しいの?

148: 2016/10/13(木) 22:08:36.18 ID:dtaNgOkB.net
それは、気づいてしまったから。

幸せな日々も、やがて終わりがやってくる。

そして、その瞬間。

今まで包まれていた幸せを喪う瞬間にこそ、人は最も悲しみを感じるのだと。

……Aqoursにも、いずれ終わりはやってくる。

それも、遠からぬ未来の話だ。

私は、既に3年生。

学生として浦の星女学院に在校できる期間は、半年程度にすぎない。

149: 2016/10/13(木) 22:10:22.39 ID:dtaNgOkB.net
鞠莉「………終わりに、したくないよ」

思わず、呟いてしまった。

この部屋には、もう誰もいないというのに。

チャラッ

何かが、手の内にあった。

その手に握られていたものは、私が昨晩、ベッドに持ち込んだ覚えのない代物だった。

鞠莉「星の、おまもり……」

150: 2016/10/13(木) 22:21:01.87 ID:dtaNgOkB.net
「だからマリーには”星のおまもり"を貸してあげる」

「これがあると、私達から離れてもシャボン玉が、マリーのことを守ってくれるんだ」

鞠莉「私達から……離れても……」

おまもりを握る手に、思わず力が入った。

鞠莉「そうだ……」

私達の絆は消えない。

たとえ寄せては返す波の流れに、砂浜に刻んだ文字が消されても。

たとえどれだけ遠く離れても、そして、どれだけの時間が流れても。

きっと、ずっと、その軌跡は、私達の心のなかに残ってる。

151: 2016/10/13(木) 22:21:36.76 ID:dtaNgOkB.net
さあ。

まずは、ベッドから起きなければ。

そして、そのまま洗面所に向かって、顔を洗わないと。

泣きはらしたままの顔では、スクールアイドルとして格好がつかない。

それに――


――あの恐竜たちがいない今。学校には、自分の足で歩いていかなければならないのだから。

152: 2016/10/13(木) 22:23:47.78 ID:dtaNgOkB.net

153: 2016/10/13(木) 22:27:42.14 ID:vCWEml9U.net
おつ

引用: SS 鞠莉「ヨッシーアイランド」