101: ◇lwrr0cP0ps 2012/08/26(日) 12:28:06 ID:PF4ZmH.MO
  憂「トリオ!」



新学期になりました。

今日はお姉ちゃん達が卒業して、私と純ちゃんが軽音部に入部する事になってから初めての部活の日です。

部室に行くと、ティーセットを持っていこうとする斎藤さんと会いました。
入部してくれないかなと思っていたら、さわ子先生の行動に驚いて逃げちゃったけど、上手にお茶をいれる事の出来る子でした。

そんなちょっとした騒動の後、先生から4人いないと廃部になると知らされてみんな驚いています。


梓「あー、先生が余計なことしなかったら斎藤さん入ってくれそうな感じしてたのにー」

憂「また来てくれるといいね」

純「とにかく最低あと一人部員獲得がんばろー!」

梓「うん」

憂「そうだね」

梓「あ、でも、一人だけだと…」


--またさみしい思いさせちゃうかも


梓ちゃんはそう呟くと、とんちゃんの水槽を向いたまま黙ってしまいました。

……梓ちゃんは今、お姉ちゃんや皆さんと過ごした日々を思い出してるのかな?

私や純ちゃんだって、梓ちゃんと2年間一緒に過ごしてきたのに。

そう思うとなんだか悔しくって、衝動的に梓ちゃんの後ろから抱き着いてしまいました。


梓「えっ?う、憂?!」


驚く梓ちゃんを無視して腕を腰にまわします。

私が、私達が。
梓ちゃんの傍に居るよ、そんな気持ちを込めて。

あ、どうしよう。なんだか泣きそう。
けいおん!Shuffle 3巻 (まんがタイムKRコミックス)

102: 2012/08/26(日) 12:29:48 ID:PF4ZmH.MO


梓「うい」

梓ちゃんの小さな肩に顔を埋めていると、優しい声で呼びかけられました。

憂「…なぁに、梓ちゃん?」

顔をあげると、水槽に映る梓ちゃんと目が合いました。

梓「そうだよね。私達は、私達の新しい軽音部を作らないといけないのに…そんな顔させて、ごめん」

梓ちゃんは私の手を掴んで、はにかみながら力強い声でそう言いました。

憂「ううん、そんな事ー」

ないよと、私が話し終える前に、それまで黙っていた純ちゃんが横から私達にぶつかる様に抱き着いてきました。

純「そうだそうだ!しっかりしなよ梓部長!!それに憂も!」

純ちゃんはそう笑いながら梓ちゃんと私の頭をわしゃわしゃにしました。

梓「ちょ、純、やめ!こらっ!」

憂「じ、純ちゃん、何で私まで!?」

純「うははは、なぜなら憂は副部長だから!!」

憂「ええっ?そうなの?!」

純「うん。今決めた」

梓「なんで純が勝手に決めてんのよ!」

そうして三人で揉みくちゃになって、三人でたくさん笑いました。

103: 2012/08/26(日) 12:33:51 ID:PF4ZmH.MO

純「ねえ、梓。さみしくさせちゃうかもって言うけど、そんなこと今から考えてもしょうがないでしょ?」

梓「そ、そうだけど」

純「まあ梓は一人残された気持ちがわかっちゃうから、考えないわけにはいかないだろうけどさ」

梓「…う、うん」

純「じゃあ、一人じゃなくて二人でも三人でも増やせばいーのよ!」

梓「だから、どうやって…!」

純「…それはわかんないけど、私達が楽しそうにやってなきゃダメなんじゃない?」

梓「…あ」

憂「そうだよ、梓ちゃん。私もいつも楽しそうにギー太を弾いてたお姉ちゃんみたいに夢中になれるといいなって、前に三人でしたセッションが楽しかったから入部したんだよ!だから、私達が楽しくしてたらきっと誰か興味持ってくれるよ!」

梓「純、憂…」

純ちゃんのおかげで私も伝えたかったことが言えた気がしました。

純「そうそう。お気楽にいこうって」

梓「…お気楽と楽しくはちょっと違うと思うんだけど」

純「そーゆーとこが固いんだってば」

梓「もー!ちゃんと練習もするんだからね!」

あ、よかった。いつもの梓ちゃんに戻ったみたいです。



純「よーし、新入部員獲得頑張るぞー!」

梓憂「「おー!!」」

梓「って、なんで純が仕切ってんのよ!」

憂「あははは」



これからどんな楽しい軽音部になるのかワクワクします。
いろんな初めての事をみんなで楽しく出来るといいな!

純ちゃん、梓ちゃん、よろしくね!



おしまい!

104: 2012/08/26(日) 16:31:35 ID:xmhWOo760
おつ

引用: 唯「君へのメッセージ」