254: ◆6osdZ663So 2015/07/07(火) 20:27:02.31 ID:/Ug4Fbsgo


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ


久しぶりに投下しますー
なんと3ヶ月ぶりである、なんてこったい

時系列は曖昧な感じで

255: 2015/07/07(火) 20:30:28.10 ID:/Ug4Fbsgo



それは、桜の舞う麗らかな公園で、

いつものひなたぼっこの最中のことでした。


美穂「………ん」


気持ちのよい日差しと、午後のまどろみの中に居た私が、


美穂「ふわぁ……」


ふと。目を覚ますと。


ユウキ「おはようございますっ!ハートメールサービスですっ!」

美穂「……ふぇっ?」


そこにはニコニコ笑顔の女の子が居て、

とても元気のよい挨拶をくれたのでした。

----------------------------------------


それは、なんでもないようなとある日のこと。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



256: 2015/07/07(火) 20:31:09.32 ID:/Ug4Fbsgo

美穂「んー??……はーとめーる・さーびすさん?……外国の人??」


私は目を擦りながら、女の子に聞きます。

……

あぅ……その……

い、いかにも頭の動いていないっぽい感じの返事なんですけどね……

うぅ、この時は、本当に寝ぼけてたんです……許してください。


ユウキ「あっ、いえっ!今のは私の名前ではなく……えっと、私の名前はユウキ・オトクラですっ!

     ハートメールサービスと言うのは俗に言うところのお仕事の名前でっ!」

美穂「あぁ……なるほど……うん、なるほど……」


う、うわぁ……ダメだ、寝ぼけてる時の私全然ダメだ……

変なことを聞いちゃったせいで、変なこと説明させちゃってるし……

思い返せば、この時はずっと隙だらけで、恥ずかしいところを見せっぱなしだったと思います……

257: 2015/07/07(火) 20:32:11.76 ID:/Ug4Fbsgo


……

……


美穂「そっか、この辺りでお届け物の配達をしてるんですね」


ようやく私の頭がちゃんと動いてくれるようになったのは、

その女の子、ユウキちゃんのお仕事の事をすっかりと聞き終えた後のことでした。


ユウキ「はいっ!そうなんですっ!」

それはとても嬉しそうな晴れやかな笑顔でした。

なんだか、その顔を見ているだけですっかりと彼女の楽しい気持ちが伝わってきちゃいそうです。


美穂「ふふっ、お仕事楽しそうですねっ」

ユウキ「!」

ユウキ「そ、そう見えますかっ!?」

美穂「…?」

ん?なんだろう、そう言われる事がちょっと意外そう?

……照れ隠しでしょうか?


美穂「はい、そう見えますよ。とっても」

ユウキ「むむむ…」


私がそう言うと、ユウキちゃんはなんだか難しそうに考え込み始めてしまいました。

258: 2015/07/07(火) 20:33:13.25 ID:/Ug4Fbsgo


なので、しばらく様子を伺っていると……


ユウキ「……はっ」

私がじっと見ていることに気づいたようです。


ユウキ「いえっ!もちろんやりがいは感じてるんですっ!!」

彼女は両手のこぶしを胸の前で握り、力強く、私の視線に答えます。

その様子は可愛らしい顔と仕草ながらに、なかなか迫力がありました。

背の高い子だからかもしれません。


ユウキ「荷物を運搬するのも大事なことですしっ!運んだ先でお礼を言われることもありますっ!」

ユウキ「うぅ……だけど、ちょっと複雑でっ……」

美穂「複雑?」

ユウキ「はい、私は『メッセンジャー』ですからっ!」

ユウキ「でもっ……運んでいるのは荷物ばかりで、手紙を送りたいって人が少なくってっ……」

美穂「……なるほど」

ユウキ「あっ!もちろんっ、居ないわけじゃないんですよっ」

ユウキ「この前も小さな女の子が手紙を送りたいって言ってくれて……」


楽しそうに見えた彼女にも、悩みがないわけではなかったようです。

259: 2015/07/07(火) 20:34:15.22 ID:/Ug4Fbsgo



うーん、悩みがありながらもきちんとお仕事をこなす。

それはとても立派なことではないかと思います。

……だけど、出来れば悩まずにいれた方がいいですよね。


ユウキ「出来れば……もう少し、手紙を届けたい人が居てくれたらっ……」

美穂「手紙かー……」


うーん、そう言われてみれば確かに、手紙を書いて送る機会ってあんまり無いのかも?

他に、伝達手段はたくさんありますから……

携帯メールとか……SNSとか……

あ、私の場合、一番多いのは電話だったりするんですけれどね。相手はもちろん卯月ちゃんですっ。

それらに比べれば……手紙を送る頻度はずっと少ないですよね。毎日とはいかないと思います。


だけど…

260: 2015/07/07(火) 20:35:20.87 ID:/Ug4Fbsgo


この時代にも、心の篭った手紙が、きっとあるはずです。


美穂「手紙といえば……」


そう、例えば”あの時の手紙”。


この時私は、ごく最近書いたある一通の手紙の事を思い返していました。

あ、最近と言っても、ヒヨちゃんや、肇ちゃんに出会うよりも前の事ですよ。


…………あの手紙は……”あの人”にちゃんと届いたのでしょうか。


きっと、”あの人”にとってそれは、他の誰かからも同じように貰った、たくさんのうちのたった一通の手紙。

だけど、それは確かに私が”あの人”に向けて……

少し恥ずかしいけれど……この胸の内の思いが届くように……思いを込めて書いた一通で。

えへへ……なんだか思い出すだけでも照れくさいですね。



えっと、その宛先はですねぇ――

261: 2015/07/07(火) 20:36:25.44 ID:/Ug4Fbsgo
――


――


――



テレビ「 ナ ッ ナ で ー す !! キャハッ!!」

テレビ「……って、あ、あれ?も、もしかして…みなさん引いちゃってませんか!?」


美穂「あはは、菜々ちゃんってば」


テレビの中を所狭しと活躍するのは、

この時代の華!アイドルヒーロー!

その名も『ラビッツムーン』!


……とは言え、この日の彼女の姿は悪と戦うヒーローとしてのそれではなく……


テレビに映るステージの上で、精一杯に輝いている彼女の姿は!

紛れもなくっ!歌って踊れる”アイドル”っ!!

そうっ!夢と希望を両耳に引っさげた『安部菜々』ちゃんですっ!!


テレビ「 聞いてくださいっ! メルヘンデビューっ!! 」

「「「「「「「ミミミン!ミミミン!ウーサミン!」」」」」」」


美穂「……わぁっ!」

262: 2015/07/07(火) 20:37:22.89 ID:/Ug4Fbsgo

……


光り輝くステージは本当に瞬く間……。

部屋の時計を見ると結構時間経っちゃってるんですけれど、全然そんな気がしなくって。

楽しい時間は、本当にすぐ過ぎ去っちゃうんですね。

……あーあ、こんなに楽しいのなら私も現地に行ってみたかったけど、

菜々ちゃんも立つステージのチケットはそれはもう大人気で……手に入れられず……悔やまれます……。


テレビ「ゼェ……ゼェ……お、応援……あ、ありがとうございますっ!!」


……?菜々ちゃん、心なしか息切れしてるように見えましたけど……

きっと気のせいですよねっ!


テレビ「……み、みなさんっ!」

テレビ「た、楽しんでっ……ゼェ……くれましたかぁっ!!」


「「「「「 ウォォオオオオオオ!!! 」」」」」」


物凄い歓声。会場、すごく盛り上がってます。


美穂「……!」 ブンブン


私もテンションが上がっちゃってたので、負けじとテレビの前で手を振り上げました。

ご近所に迷惑ですから大きな声は出しませんでしたが……。

263: 2015/07/07(火) 20:38:24.12 ID:/Ug4Fbsgo

テレビ「あ、あははっ!す、すごい歓声ですねぇっ…!」

テレビ「……菜々にも……こんなにもたくさんのファンがっ…いてくれて……ぐずっ」


感極まって……でしょう、菜々ちゃん泣いちゃいました。

テレビの前の私も思わず貰い泣きしてしまったりして……ぐすんっ。


テレビ「すぅー……はぁー…」

テレビ「すぅっ……!」

テレビ「会場のみんなっ!!……それにっテレビの前のみんなの声もっ!ちゃんと聞こえてますからねーっ!!」


「「「「「 FOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!! 」」」」」」


怒号のような喝采!盛り上がってます!盛り上がっています!


美穂「……」

テレビの前のみんなの声……これ生中継だけれど……届くものかな?

……ううん!届いてる!確かにこの思いは届いてるはずです!


美穂「ふ、ふうぅぅ……!!」


あくまで小さくですが……私も歓声をあげました!


テレビ「みんなぁっ!!ありがとぉおっ!!」

264: 2015/07/07(火) 20:39:11.04 ID:/Ug4Fbsgo


……


さて、ステージに立ったアイドルヒーロー達の挨拶をもって

ステージ中継が終わると、菜々ちゃんの所属してる873プロ、

そしてアイドルヒーロー同盟からのお知らせがテレビに表示されます。

グッズの通信販売だったりとか、次回以降に予定しているライブステージ中継の日程だとかですね。

他には……


美穂「……あ」


表示されたのは、こんなテロップ


”アイドルヒーローにファンレターを送ろう!”


”宛先は――同盟事務所の――” 


”アイドル名を忘れずに――”



美穂「…………よしっ」


思い立ったら早いもの。

この後私は、自室に戻るとすぐに引き出しから可愛い熊のキャラクターが描かれた便箋を取り出しました。

机に向き合い筆箱からペンを選び取ると、興奮の勢いのままに、筆を進めます。


届けたいこの気持ちを、メッセージに乗せて――

265: 2015/07/07(火) 20:40:12.25 ID:/Ug4Fbsgo

――

――

――


ユウキ「……あの?」

美穂「……はっ」


ユウキちゃんの一声で、思い耽っていた私は我に帰ります。

……思えば、あの時の手紙、

大興奮の勢いのまま書いたせいで凄い恥ずかしいことばかり書いてた気がする……


ユウキ「顔真っ赤ですよっ?」

美穂「……ちょ、ちょっと思い出し恥ずかしで……」

ユウキ「思い出し恥ずかし……?……そ、それって思い出し笑いみたいな感じですかっ!?」


はい。これが自室のベッドの中なら足を振り回して悶絶しているところです……。

266: 2015/07/07(火) 20:40:59.28 ID:/Ug4Fbsgo


美穂「……あ、えっと手紙でしたよね」


こほん、私の恥ずかしいエピソードはさておいてです。

今はユウキちゃんの悩みでしたよね。

……ええ、露骨に話題を変えてしまいますよ。


美穂「……せっかくだから」


ユウキちゃんのお仕事、『ハートメールサービス』でしたよね

先ほど聞いたお話だと、この辺りであればどんな場所でも届けてくれるそうです。

とは言え、今この場でパッと思いついた送り先はないのですが……

それでも、悩んでいるユウキちゃんの力に、少しでもなれるなら……


美穂「……私も誰かに手紙を書いて、ユウキちゃんに送ってもらおうかな」

ユウキ「!!」

ユウキ「本当ですかっ!?」

267: 2015/07/07(火) 20:41:38.91 ID:/Ug4Fbsgo

ユウキ「わぁっ!!嬉しいですっ!!」

美穂「ふふっ」


やはり晴れやかな笑顔。でも心なしか先ほどよりも明るい。そんな気がします。


……さて、手紙は宛先は……肇ちゃんかなぁ?

一番近くに居るけれど、あえて手紙と言うのもなかなか風情がありそうで


ユウキ「あっ、でもその前にっ」

美穂「?」


ユウキ「手紙があるんですっ!」

美穂「えっ?」

268: 2015/07/07(火) 20:42:29.65 ID:/Ug4Fbsgo

ユウキ「差出人は小さな男の子でしたっ!」

ユウキ「その子から特徴を聞いていたので、あなた宛で間違いないかとっ!」


……あ、なるほど。

ユウキちゃんが私に声をかけてきたのは、私宛のお手紙があったからみたいです。

でも男の子?……知り合いに思い当たるところはないのですが……


ユウキ「間違いないとは思いますけど、名前だけ確認させてくださいねっ」

美穂「えっと、はい」


そう言えば、ユウキちゃんの名前を聞いておきながら、

私、名乗っていませんでしたね……。

寝ぼけたまま失礼なことをしてしまいました……反省です。



ユウキ「えっと……」


ユウキちゃんは1通の手紙を取り出すと、そこに書かれた宛名を読み上げます。

269: 2015/07/07(火) 20:43:20.44 ID:/Ug4Fbsgo


ユウキ「”ひなたん星人”さんっ、ですよねっ!」

美穂「えっ……は、はい……?」


ん?ひ、ひなたん星人宛……?

それってどういう……?


ユウキ「お手紙ですっ!どうぞっ!!」

美穂「……」


……少し疑問に思いながらも、受け取った手紙をおそるおそる開きました。

知り合いに思いあたらない小さな男の子からの手紙……宛名は”ひなたん星人”……

ううーん……検討がつきません……一体何が書かれているのでしょう……?


気になる内容に目を通します。



美穂「……」


美穂「……」


美穂「……」


美穂「え…………」


美穂「こ、これ……」


美穂「ふぁ………っ」

270: 2015/07/07(火) 20:45:33.08 ID:/Ug4Fbsgo




美穂「ふぁぁぁあああああっ!?!??!!!!」







…………後の事は記憶が抜けているのであまりよくは覚えていないのですが、

どうやら私は、まるで、その場から逃げ出すように走り去ったようなのでした。




ユウキ「……???」

ユウキ「い、行ってしまいましたっ?」

ユウキ「……」

ユウキ「…………あ、でも」

ユウキ「あれほど大事に抱えているなら、良い手紙だったんですよねっ?」

ユウキ「えへへっ」

271: 2015/07/07(火) 20:46:12.31 ID:/Ug4Fbsgo


小日向家


ガチャ  ドタドタドタドタ


肇「あ、お帰りなさい。美穂さん、今日は早か……」


美穂「――――っ!!!!」  ゴロゴロゴロゴロ


肇「!?」

母「美穂ー、部屋に戻る前にちゃんと手洗いなさいよー」

肇「……あ、あの……美穂さん凄い勢いで自室に転がっていきましたけど……」

母「うん?ああ、そうね」

母「あれは……発作みたいなものかな」

母「許容容量超えるくらい恥ずかしくなっちゃうと、よくあんな感じになっちゃって」

肇「なるほど………って、えっ?よくあるんですか?」


ドンガラガッシャーン!!


肇「……美穂さんの部屋の方からすごい音が鳴りましたけど……?」

母「演出効果音だから平気よ」

肇「ほ、本当に大丈夫でしょうか?」

272: 2015/07/07(火) 20:46:54.65 ID:/Ug4Fbsgo

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…


肇「……あの、今度は何か凄い勢いで転がってる音が……」

母「ベッドの上で転がりまわってる音ね」

母「うーん……これはたぶん嬉し恥ずかしいってところかな」

母「とっても恥ずかしいけど、とーっても嬉しい……そんな気持ちが爆発してるところね」

肇「おや……美穂さん、外で何か良い事があったのでしょうか?」


マー!!マーー!!


肇「……大変です、プロデューサーくんが悲鳴をあげてます」

母「美穂ー!恥ずかしがるのはいいけど、プロデューサーくん抱きしめて転げまわったら可哀想よー!」


ドタバタバタバタドタ…


肇「……あ、こちらの部屋に戻ってきてますね」

母「……なんだか今日は特に慌しいわね」

273: 2015/07/07(火) 20:47:39.04 ID:/Ug4Fbsgo

ズザザザザ

美穂「どどどどどどどどどどどうし、どうしっ、よよっ!!!!」

肇「美穂さん、落ち着いてください。何を言っているのかさっぱりです」


美穂「こ、ここここれっ!!これ、も、もも、もらっちゃって!!」

肇「それは……お手紙、ですか?」

母「あら、ラブレターでも貰ったの?」

肇「えっ!?そ、そそうなんですか?!お、お相手はっ!?」

美穂「ちちちち、ちがっ!ちがうっ!」


美穂「そうじゃないっ!!そうじゃないけどっこれっ!!」

肇「そうじゃないとしたら……」

母「……果たし状?」

肇「あ、川原で待つと言った感じの…?」

美穂「もっとちがうっ!!」


美穂「そうじゃなくってっ!!私っ!!ふぁっ…!ふぁあっ!」

美穂「ふぁ、ファンレターっ!!貰っちゃったみたいっっ!!」

274: 2015/07/07(火) 20:48:29.28 ID:/Ug4Fbsgo

……


母「あららー、可愛らしい字ねー」

肇「”ひなたんせーじんありがとー”……

  なるほど。どうやら以前に、どこかで助けたことがある子みたいですね」

母「考えてみれば、美穂もヒーローとしての活動、それなりに長いんだし……

  ファンレターの1枚や2枚は貰っても不思議じゃあないわよね」

肇「そうですね。……今まで届いてなかったのはきっと、宛先がわからなかったからなのでしょう」

母「そうねぇ、アイドルヒーローならアイドルヒーロー同盟に送りつければいいのだろうけれど、

  フリーのヒーローだと……確かにそう言うものをどこに送ればいいか困りそうねえ

  まさかうちの住所を公開するわけにもいかないし」



美穂「あうあうぅあうぅう」 プスプスプスプス


肇「……美穂さんが赤面しすぎて発火しそうになってます」

母「ひなたん星人としての活動のおかげで、度胸もついたと思ってたけれど……

  ふふっ、こう言う嬉しいサプライズにはまだ慣れてないみたいね」

275: 2015/07/07(火) 20:49:34.22 ID:/Ug4Fbsgo


……その時の私の気持ちを言い表すとしたら……なんて言えばいいんでしょう?

本当に、嬉しすぎて、

嬉しすぎて、

嬉しすぎて、

それ以外に言葉が思い当たらなかったと言うか。

だって、ファンレターですよ、ファンレター!!!


私は両手で顔を押さえつけていました。全力でです。

そうしないと、ニヤケ面が張り付いて元に戻らなくなっちゃいそうでしたから。

押さえつけた手から感じる自分の顔の温度は、

おそらく、小日向美穂史上でも最高温度に達していたとさえ思います。

276: 2015/07/07(火) 20:51:27.39 ID:/Ug4Fbsgo


美穂「…………お母さん」

母「ん?」

美穂「額縁……額縁って家にあるかな?」

母「えっ、まさか……これ、そんな大げさに飾るつもりなの?」

肇「……美穂さん、落ち着いてください」

母「そうよ、肇ちゃん言ってあげて」

肇「まずは、念入りにラミネート加工からするべきだと思います」

母「おっとぉ」

美穂「!!」

美穂「それだよ肇ちゃんっ!!」

肇「ふふ、エトランゼ勤務で習得した私のラミ技術、実はなかなかのものなんです」

肇「またとない機会なので、ご覧に入れますよ」 ワキワキ

母「ま、まさかのボケ被せね……」


母「……」

母(……ま、それだけ嬉しかったのよね)

277: 2015/07/07(火) 20:53:09.06 ID:/Ug4Fbsgo

母(美穂はもちろん……肇ちゃんだって、美穂の事一番近くで見てくれてた一番のファンなんだもの)

母(だから自分の事のように喜んでくれて……)

母(……それにしてもファンレター……そっか、そうなのよね……美穂にもファンがいて……)


母「……」

美穂「? お母さん?」

母「ぐすっ」

美穂、肇「!!」

肇「ど、どうしました?!」

母「ううん、ちょっとね……私も嬉しくなりすぎちゃったかな……ふふっ」

美穂「……お母さん」

母「よしっ!今日はもう盛大にお祝いしちゃいましょうか!ちょっと張り切ってご馳走つくっちゃうわよ♪」

肇「あ、それなら私もお手伝いします。私も美穂さんのためにすごくお祝いしたい気持ちなので」

美穂「お母さん、肇ちゃん……」

美穂「えへへ……ありがとうっ!」


たった1枚の手紙で、なんだか大げさなことになっちゃいましたね。

けど、そのたった1枚が私にとっては本当に、本当に素敵なことでしたから。


美穂「……ヒーロー、続けてて良かったな」


今日の出会いは、心から、そう思えるような出来事なのでした。


おしまい

278: 2015/07/07(火) 20:56:42.52 ID:/Ug4Fbsgo


と言うわけで小日向ちゃんにファンレターが届くお話。
乙倉ちゃん、菜々さんお借りしましたー

手紙と言えばやはりファンレターですよ
アニメでもキーファクターでしたね
そしてアイドルにはもちろんヒーローにだってファンは付き物。
とはいえ、フリーのヒーロー宛てのファンレターはどこに送ればよいのだぜ?と思い、
この度は、乙倉ちゃんに来てもらおうと言う事になりました

いやーそれにしてもライブステージの様子を普通に生中継できるなんて、
アイドルヒーロー同盟の力はすごいですね!(すっとぼけ)
……この世界ではアイドルヒーローの影響力はこれくらいは普通にあると思ってますまる



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12