457: ◆zvY2y1UzWw 2015/09/17(木) 21:52:26.09 ID:1jFEcl5N0


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ


ものすごく久々になったけど学園祭時系列三日目で投下するですよー

458: 2015/09/17(木) 21:58:38.00 ID:1jFEcl5N0
カランカランと、全く客のいない店に客がやってきた合図が響く。

暇をしていただろう店員が、素早くにこやかに近寄った。

「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」

ピィ「二名です」

「かしこまりました、開いているお席にどうぞ」

開いている席、と言われてもどこでも大丈夫なわけで。少々悩んだがピィは窓際の席を選んだ。

ピィ「席はここでいいかな…そういえばこの店で知り合いのお姉さんが働いているって聞いたけど…レジの人とは別の人なのかな?」

千枝「はいっ、あまり覚えてなくて…しばらく会えてなかったんですけど、昨日偶然会って…すごく優しい人なんですよ!」

ピィ「なるほど…それで無料券を貰ったのか」

千枝「でも今日はお店の奥の方にいるのかな…昨日は表でチラシを配っていたんですよ」

ピィ「…隠れた人気店って聞いたはずのこの店もほとんど客が来てないし…確かにチラシを配ることにもなるか…」

千枝「大変なんですね…千枝も、無料券もらってなかったら今日の自由時間、学園祭でお買い物してたと思います」

ピィは今日、千枝に誘われて彼女の自由時間に付き合っていた。

てっきり学園祭の店を一緒に回るのかと思っていたが、こういう場所のほうが静かで疲れなくていいかもしれない。

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それは、なんでもないようなとある日のこと。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



459: 2015/09/17(木) 22:02:58.16 ID:1jFEcl5N0
ピィ「…とりあえずメニューを見ようか。朝ご飯は食べたしデザート系でいいかな」

千枝「はい!えーっと…ピィさんはどれがいいですか?」

ピィ「そうだな……うん、この季節のケーキにしようか。千枝ちゃんは?」

千枝「うーん…この、フルーツロールケーキにしようと思います」

ピィ「わかった、飲み物はどうする?自分はコーヒーでいいかな」

千枝「ええっと…ミ、ミルクティーを…」

ピィ「お、意外だなー、ココアとかかなって思っていたんだけど」

千枝「その、今日は…紅茶の気分だったから…あ、自分のケーキ代は自分で払いますからね!千枝、お小遣いありますから」

ピィ「いいって、そのお小遣いは学園祭を楽しむためにとっておいていいよ。千枝ちゃんが無料券くれたわけだし、これくらい大丈夫だから」

千枝「で、でも…」

ピィ「気にしないで。無料券の分を払ったって思ってくれればいいし…」

千枝「…あの…ピィさんは、他の人と一緒の時もこんな感じなんですか?」

ピィ「え?」

千枝「その…た、例えばですけど、プロダクションの皆さん相手とかにも…こういう風にするのかな…って」

ピィ「ああ、そういう事か……そうだな…男同士の時は場合によるし…最初から奢らせようとする気でいる場合もなくはないけど…」

千枝「あ、あはは…」

ピィ「まぁ、女性と二人きりって時は特に…男ってのは見栄を張りたいんだよ。そういうモノだってことで納得してくれないかな」

千枝「そうなんですか…わかりました。じゃあ千枝、お兄さんに甘えちゃいます。ありがとうございます」

ピィ「よしきた、甘えてくれ」

460: 2015/09/17(木) 22:09:16.30 ID:1jFEcl5N0
場所は変わってカフェマルメターノの厨房。店内をそこから少し緊張しながらきらりは見つめていた。

きらり「…千枝ちゃん、幸せそう…きらりもはぴはぴしちゃうにぃ」

悩んでた彼女の後押しがとりあえず上手く出来て嬉しそうだ。

そこに先程まで暇そうに監視カメラの映像を受信して見ていた夏樹が声をかける。

夏樹「あの女の子が前に聞いた子か…あまり厨房から見つめすぎんなよ?」

きらり「うぇへへ、つい気になっちゃって…気をつけるにぃ」

夏樹「…ま、悩み相談を受けたって聞いたし、気になるのも仕方ないとは思うけどな」

きらり「でもでも、ちゃーんとお仕事に集中しなきゃ☆…だから今のはきらりが悪いよぉ」

夏樹「真面目だねぇ、注意したアタシが言うのもなんだけども」

きらり「学園祭の間は、お店の店員さんいつもより少ないからぁ…そのぶんしっかりしなきゃって思ってたのに…ちょっと失敗☆」

夏樹「…閑古鳥が鳴いてる店に店員そんなに必要ないしなぁ…学園祭恐るべしというか…」

461: 2015/09/17(木) 22:15:07.74 ID:1jFEcl5N0
きらり「でもでも、きらり達は明日はカフェのお仕事お休みだし…学園祭楽しんでもいいよねぇ?」

夏樹「きらりは行く予定なんだなー」

きらり「夏樹ちゃんは?」

夏樹「まだ決めてない、今日は奈緒とだりーが行くみたいだしなぁ…どうすっかな」

きらり「きらりと一緒にいくー?」

夏樹「んー…まぁ予定もないし、行ってもいいか」

きらり「じゃあじゃあ☆夏樹ちゃんと一緒におでかけー?すっごくすっごーくたのしみ!」

夏樹「おいおい…期待しすぎじゃないか?」

きらり「そんなことないよぉ?誰かと一緒だと、楽しいことはもっともっと楽しくなるもん☆奈緒ちゃんと李衣菜ちゃんもきっと楽しんできてくれるにぃ☆」

夏樹「そうだな、流石に3日連続で事件が起き…るわけ…ない…よな!」

きらり「…きらりも、ちょっと心配かも」

夏樹「昨日だって、アタシたちが帰ったあとに色々あったしなぁ、LPさんも忙しいってのに仕事増えたらしいし…」

きらり「…でも、たのすぃ事しちゃいけないってわけじゃないにぃ、何かあるかもしれないけどぉ…休憩と気分転換は大事大事☆お仕事の時に元気じゃなきゃ!」

夏樹「…そうだな。確かにそうだ…LPさんも暇ができたらガス抜きできりゃいいけど。アタシも明日は休みを楽しむかね」

きらり「うん!」

夏樹「でもよ…よくもまぁ、2日連続で事件起きても客が減らないもんだな」

きらり「みんなちょっと慣れちゃってるのかもー?」

夏樹「良くも悪くも、な。……おっと、呼び出しだ」

きらり「はーい☆きらりがいってくゆー!」

夏樹「あっ……はぁ、空いてるし、長話しても問題ないか」

462: 2015/09/17(木) 22:18:20.56 ID:1jFEcl5N0
きらり「おまたせしましたー☆」

千枝「あっ、きらりさん!」

きらり「千枝ちゃん、おひさー☆来てくれてうれすぃなー☆」

ピィ「えっと…この人が?」

千枝「はい、きらりさんです!」

ピィ「どうも、千枝が色々とお世話になったようで…」

きらり「ううん、きらりは千枝ちゃんのお話を聞いて、応援しただけだから…そんなお礼を言われる程の事、してないよぉ」

千枝「でも、会えて良かったです。もう会えないのかなって思ってたから…ここで働いてるなんて思ってもいませんでしたし」

きらり「ごめんねぇ、きらりもちょーっと他のお仕事とかあったから…」

ピィ「他の仕事?」

きらり「…えーっとねぇ、きらりはカフェのお仕事もしてるけど、たまに店長さんの別のお仕事もお手伝いしてて…いつもこの辺りにいるわけじゃないの☆」

千枝「忙しそうですね…あっ、それときらりさんにちょっと聞きたいことがあって…」

きらり「きらりに聞きたいこと…?なぁになぁに?」

千枝「え、えっと…お手紙、書いてみようと思ってて…でもきらりさんがどこにいるのか、知らなかったので…」

きらり「お手紙…?」

千枝「はい、ちょっと書いてみようかなって。どこに送ればいいですか?」

きらり「えっと…お手紙とかはここに送ってくれれば届くはず☆」

千枝「そうなんですか?」

きらり「きらり、ここには結構いるから届けば多分受け取れるし…いなくても預かってくれるから大丈夫!」

千枝「わかりました!そう伝えておきますね!」

きらり「うん☆」

463: 2015/09/17(木) 22:20:50.54 ID:1jFEcl5N0
夏樹(やっぱりあの子と長話して…いや、そろそろ戻ってくるみたいだな)

夏樹(…そういえばだりーも奈緒も別々の方に出て行ったはずだけど…きらりが一緒にって言ったってことは…まぁそういう事だろう)

きらり「なつきちゃーん!注文とってきたよぉ☆季節のケーキとフルーツロールケーキとコーヒーとミルクティーだってー☆」

夏樹「遅いっての…あの子と何を話してたんだ?」

きらり「うーんとね、千枝ちゃんとお兄さんにあいさつしてー…ちょっと質問されたの」

夏樹「質問…?」

きらり「きらり宛に、お手紙を送りたいって言われちゃったんだぁ…ここ宛に送ってもらえばいいよねぇ?」

夏樹「手紙か…まぁ、隠れ家の住所教えるよりはいいと思うけど…」

きらり「うん!きらりもそう思って、そうしてーってお願いしたの☆」

夏樹「それにしても手紙を送りたい、ねぇ…今どきなかなか珍しい子だな」

きらり「うん、でもなんだか特別って感じ!楽しみぃ☆」

夏樹「おいおい、浮かれるよりまず仕事だろ?コーヒーとミルクティーは任せたからな」

きらり「はーい☆」

464: 2015/09/17(木) 22:24:20.86 ID:1jFEcl5N0
学園祭、入り口すぐ近くで、奈緒と李衣菜は鉢合わせていた。

奈緒「来るなら最初から言えよー、まさか別々に行ってばったり会うなんて思ってなかったぞ…」

李衣菜「私もだよー、てっきりいつもどおりアニメ系のお店行ったりDVD借りてくるのかと思ってたから…何も言わずに来ちゃったよ」

奈緒「…まるであたしが休日それしかしてないみたいな言い方だな」

李衣菜「…事実でしょ」

奈緒「うぐ…だってまだDVD制覇してないのは事実だし…」

李衣菜「制覇…って、えっ?」

奈緒「えっ?」

李衣菜「…ま、まぁいいか、奈緒は初めてでしょ?この学園祭」

奈緒「李衣菜は来たことあったっけか?」

李衣菜「中学のときは参加校だったし、高校の時も何度か来たよ」

奈緒「あ…そっか…」

李衣菜「だから一応詳しいかなぁ…、邪魔なら別行動でもいいけど」

奈緒「べ、別に…一緒が嫌ってわけじゃ…ないけど」

李衣菜「そっか、じゃあ一緒に行こっか」

奈緒「…おう」

李衣菜「手つなぐ?迷子にならない?」

奈緒「子供扱いすんな!」

465: 2015/09/17(木) 22:26:28.22 ID:1jFEcl5N0
李衣菜「私は適当に見て回るつもりだったんだけど、奈緒はどこか行きたいところとかあるの?」

奈緒「んー、あたしも特に考えてなかったな」

李衣菜「じゃあ適当にうろついてよっか、それでも楽しいと思うよ」

奈緒「そうするかなー、楽しそうだし…学校って結構見てて楽しいし」

李衣菜「楽しい…?学校が?」

奈緒「学校って、アニメとか映画でよく舞台になるけど…実際に行ったこと無いから、こうして見れるとなんか楽しくてさ」

李衣菜「…」

奈緒「…言っとくけど、別に行きたいとかそういうんじゃないからな。あたしは…もう十分だし」

李衣菜「わかってるわかってる」

奈緒「わかってない!!その言い方は絶対わかってない!!」

李衣菜「はいはい」

奈緒「うー…LPさんに言うなよ?」

李衣菜「うん、それは大丈夫」

奈緒「ならいいけど…」

李衣菜「奈緒はいい子だねーLPさんにワガママ言いたくないんだもんねー」

奈緒「ああもう!!だから!なんで子供扱いするんだよぉ!!」

李衣菜「………」

奈緒「…黙るなって」

李衣菜「…なんとなく?」

奈緒「えー」

466: 2015/09/17(木) 22:31:43.60 ID:1jFEcl5N0
「おー?そこにいるのはー…」

奈緒「ん?」

声の方向に振り返るとアビスカルことライラと、見知らぬ女性がいた。

ライラ「あたりでしたー、昨日ぶりでございますねー」

AP「…どうも」

李衣菜「アビスカル、今日も来てるんだ」

ライラ「ライラさんですよー。…お二人は昨日と雰囲気がちょっと違うでございますね?」

奈緒「お、おう…今日は管理局としてじゃないしな…昨日の格好は仕事着(?)だし」

ライラ「ライラさんと一緒ですねー、ライラさんも、今日はライブまではただのライラさんですよー」

李衣菜「あ、そういえば昨日はライブの予定だったね。どうなるかと思ってたけど…ちゃんとやれるんだ」

ライラ「ところで…その腕のギプスは昨日の怪我でございますか?」

奈緒「えっ、あ、ああ…これはそういうのじゃなくて…」

李衣菜「…ファッション…?の一つだよ、うん。ロックでしょ?」

ライラ「ファッションですかー、斬新でございますねー」

467: 2015/09/17(木) 22:34:35.02 ID:1jFEcl5N0
奈緒「それで…隣の人は?」

AP「……名刺…どうぞ」

自分の事だと気づいたAPは即座に名刺を奈緒と李衣菜に渡す。

奈緒「あ、どうも……『アイドルヒーロー同盟 上層部ボディーガードAP』…?」

李衣菜「…いろいろ突っ込むべきなのかな」

奈緒「たぶんダメだと思う」

ライラ「今日はライラさんと一緒にお出かけなのですよー」

AP「…ライラさまは午後の梨沙さまとのライブにご出演なさるため、それまで自由行動。私はそれの付き添い…いえ、お出かけ…でございます」

李衣菜「ステージのスケジュールとか大丈夫だったんですか?」

AP「…スタジアムホールは…すでに予定が組まれております。同盟としては…仕方ないと判断される、ところでしたが…」

ライラ「ライラさんも聞きましたよー、特別にライブの時間だけ運動場の広い所を一時的に貸してくださるらしいでございますねー」

AP「…はい。そういうことになりました。運動場に模擬店を出してる方には特別席を出すことで、交渉して…ます」

李衣菜「へぇ…それまた大変そうな…」

AP「…全力を尽くしております。…本日は元より予定されていた新人のライブ…加えてレポ=クラリアの正式なお披露目も兼ねていますので」

AP「ああ……ラビッツムーンは体調不良、ナチュラルラヴァースはその付添い。その為昨日の時点で予定されていた、サプライズは…無くなりましたが」

ライラ「昨日は帰ってきてすぐにガルブ達に湿布とか貼ってもらっていたですよー、大変そうだったですねー」

李衣菜「…やっぱり、腰?」

ライラ「そうみたいですねー…そういえば、グランパもたまにゴルフのやり過ぎでああなってましたねー」

AP「…彼女はその後信頼できる医療関係者に任せてあります。……すぐに復帰できるかと」

李衣菜「…人気アイドルヒーローも大変ですね」

ライラ「お二人がいなくても盛り上げられるように、ライラさんたちが頑張るですよー」

468: 2015/09/17(木) 22:38:05.72 ID:1jFEcl5N0
奈緒「…ていうかさ、そういうこと…あたし達に言っていいのか?サプライズとか、体調不良とか…」

AP「……管理局の方に伝えるのは、万が一の場合に備えて、というTP様の意向です。事件が無いとも限りませんので」

李衣菜(…TP…同盟の一番上は一応協力的、ってことでいいのかな。同盟は色々ややこしいからなぁ…)

奈緒「そっか…じゃあ今日はそんな感じってことか」

AP「…私が把握している限りは」

奈緒「ま、事件が起きなきゃそれでいいんだけどなぁ」

李衣菜「ほんとにねー…」

AP「…そろそろ、目的の店に向かうので私達はこれで」

ライラ「そうでしたー、まずオコノミヤキを食べるのですねーお祭りは美味しいものがいっぱいで楽しいと聞きましたー、お二人も色々食べたらいいと思うですよー」

奈緒「んー…予定もないし、それでもいいかなぁ…」

AP「…?………あー…」

李衣菜「…どうかしました?」

AP「…お二人がご希望なさるなら…関係者優待券、を…お渡しすべきとSPが…い、いえ…お渡し、ます…」

李衣菜「…そう言ってくれてる所に悪いけど…遠慮しておきます。私達だと使うかもわからないんで」

奈緒「えっ」

AP「…そう、ですか。了解しました。…では…えっと……失礼します。ライラ様、行きましょう」

ライラ「はいですよー。お二人も、楽しい学園祭になるといいですねー、バイバイですよー」

奈緒「お、おう!じゃあなー…」

469: 2015/09/17(木) 22:39:32.54 ID:1jFEcl5N0
奈緒「…なんで?」

李衣菜「優待券の事?」

奈緒「うん…貰っておいても良かったと思うんだけど」

李衣菜「私もそう思ったけどさー…なんか渡そうとする前にちょっともたついてたのが引っかかって」

奈緒「あー、あれ?なんかあの人のピアスから声が聞こえてたからその声を聞いてたんじゃないか?」

李衣菜「声?」

奈緒「完全には聞き取れなかったけど…『アレを渡しなさい』とか言ってた。合成音っぽかったかな」

李衣菜「…つまり、その声の指示を聞いて動いてたって感じ?」

奈緒「そう思うかもしれないけど…『しっかり大きな声で』とか『はっきり伝えなさい』とかも言っててさー…」

李衣菜「もしかして…警戒するほどじゃなかった?」

奈緒「…あの人話すの苦手そうだったもんな」

李衣菜「…ミスった」

奈緒「今更かよ!」

李衣菜「だって初対面だったら警戒するでしょあの流れは…初対面の人に優待券渡すなんて思わないよー…」

奈緒「気持ちはわかるけど優待券に何のトラップがあると思ったんだよ!」

李衣菜「……えへ」

奈緒「…もうこの件について話すのはやめようか…」

李衣菜「そうだね…」

470: 2015/09/17(木) 22:40:45.83 ID:1jFEcl5N0
奈緒「じゃあこれからの事話そう!えっと、食べあるき提案されたけど…」

李衣菜「奈緒は食べるの好きだよね、いいんじゃない?」

奈緒「…でも」

李衣菜「私に遠慮してる?」

奈緒「そういう訳じゃ…」

李衣菜「いいよいいよ、別に食べれないのはいつものことだし…あ、スイーツ系のは今後の参考にするから、色々味のこと聞きたいかも」

奈緒「そう言ってくれるなら…そうしてもいいかな」

李衣菜「そーそー、色々出店もあるし、後でマルメターノさんの所に行ってもいいよね。ちょっとは顔出しておきたいし」

奈緒「そうだなー、ソーセージも美味しいし…どうしようかな」

李衣菜「地図見て考えたら?私はどこでもいいよ」

奈緒「うーん、一応地図は見たけど…なぁ、コレ…店が多すぎて、逆にどうすればいいのかわかんなくならないか?」

李衣菜「でしょー、この学園祭あるあるらしいからしっかり悩みなよ」

奈緒「あるあるなのか…」

李衣菜「確かねー」

奈緒「うろ覚えかよ!」

李衣菜「そりゃそうだよ。何年前だと…あれ…?」

奈緒「あっ、これダメな話題だ」

471: 2015/09/17(木) 22:44:58.86 ID:1jFEcl5N0
李衣菜「で、決めた?」

奈緒「うん、やっぱり屋内の店から行こうかなーって……あ、れ?」

楽しそうに地図を眺めてた奈緒の手が突然震え、足がフラつき、バランスを崩した。

慌てて李衣菜が支えるが、その時にはもう震えも何も無くなっていた。

李衣菜「ちょ、ちょっと…大丈夫?立ちくらみ?」

奈緒「…違うと思う」

李衣菜「疲れてるんじゃない?」

奈緒「疲れ…ってことはないと思うんだけど。…昨日も妙な感じがしたことはあったけどあれは戦闘中だし…」

李衣菜「うーん、体調不良じゃないなら別の原因があるとは思うけど…」

奈緒「…気にするほどのことでも無いんじゃないか?痛みとかはないし、何かに攻撃された訳でもなさそうだし…」

李衣菜「この世の中にはどんな能力があるか想像もつかないから心配してるの。…恨み買ってもおかしくない職業でしょ、自覚して」

奈緒「お、おう…」

李衣菜「そもそも戦闘中になったってことなら、その敵…白い鎧の子供が近くにいるのかもしれないでしょ」

奈緒「あ、そうだな…なんか頭から抜けてた」

李衣菜「大丈夫?…ま、ほんとに立ちくらみなら拍子抜けして終わりなんだけどね。また同じ感じになったらすぐ言ってよ」

奈緒「わかった、気をつける」

李衣菜「…今日は武器持ってきてないんだよなぁ…何も起こらなきゃいいけど」

奈緒「そもそも持ち歩く必要あるか?夏樹に持ってきてもらったほうが便利だろ?」

李衣菜「急に襲われた時に迎撃したりとかは常に持ってないとできないでしょ…あと、ギターケースに入るからさー、なんかロックかなって」

奈緒「…まぁ、ギターケースに入れてるってのは…かっこいいと思うけど」

李衣菜「でしょ?そういうことだよ…うん」

奈緒「なるほど…?」

472: 2015/09/17(木) 22:46:12.74 ID:1jFEcl5N0
李衣菜「さて、気を取り直して…まずはどこに行くの?メイド喫茶?」

奈緒「あたしはそういうコテコテのオタクじゃないから!そもそも、ああいうのは男が釣られるやつだろ…」

李衣菜「…『猫耳メイド、和装メイド、他各種取り揃え☆特別価格でおまちしておりますにゃん(はぁと)』…だって」

奈緒「…」

李衣菜「行く?」

奈緒「行かない!!」

(多分)つづく

473: 2015/09/17(木) 22:49:33.36 ID:1jFEcl5N0
以上、学園祭3日目開始のお知らせでした。
ものすごく遅くなった…

前日までの流れを汲みつつ、一部キャラの予定を決めさせていただきました
・アイドルヒーロー同盟のライブが午後から運動場にて開催(ラビッツムーン&ナチュラルラヴァースのサプライズ出演は『諸事情』で中止に)
・ネバーディスペアは本日は別行動(よほどの緊急時以外は奈緒と李衣菜のみ学園祭にいます)
・奈緒の目眩の原因は…

千枝ちゃんデートフラグは作中時系列だと回収がものすごく早めになってしまったけど、現実時間でかなり放置した感があるので仕方ないね…千枝ちゃんの行動力がものすごく高いね…
ついでにポストガールフラグに繋げさせていただきました



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12