675: ◆zvY2y1UzWw 2016/01/29(金) 02:07:08.07 ID:l35uEx/h0
676: 2016/01/29(金) 02:08:14.00 ID:l35uEx/h0
2日続けて事件が起こったにもかかわらず、相変わらず学園祭は賑わっている。
適当に露店を巡りつつ、地図を片手に李衣菜と奈緒は会話を交わしていた。
李衣菜「リンゴ飴美味しい?」
奈緒「うん、飴とりんごが口の中で混ざっておいしい」バリバリ
李衣菜「…バリバリいくね」
奈緒「飴ってそうやって食べるもんだろー?飴先に舐めたらただのリンゴだし…」
李衣菜「そう言われればそうなんだけど…あー、次どこ行く?今ココだから…近い飲食系の店はメイド喫茶だけど」
奈緒「メ、メイド喫茶かぁ…やっぱりそこはちょっと…」
李衣菜「行きたくないの?」
奈緒「……恥ずかしいし…」
李衣菜「恥ずかしい…?」
奈緒「だって!メイド喫茶って『お帰りなさいませご主人様❤』『今からオムライスに魔法をかけますねぇ❤』とか言われるんだぞ!?」
李衣菜「…それが恥ずかしいの?奈緒ああいうの好きでしょ?」
奈緒「いやいやいやいや違うから」
李衣菜「違うんだ…」
奈緒「違うんだってー…アニメとああいうのは違うっていうかー…李衣菜にわかる表現だとロックとメタルくらい違うんじゃないかな」
李衣菜「……そ、そうなんだー」
奈緒「だろー?」
李衣菜「でもさ、一切興味が無いってワケじゃないでしょ?」
奈緒「そっ、そんなわけないだろ!?別に行きたいなんて少しも思ってないしっ!」
李衣菜「はいはい」
奈緒「はいはいじゃないー!」
適当に露店を巡りつつ、地図を片手に李衣菜と奈緒は会話を交わしていた。
李衣菜「リンゴ飴美味しい?」
奈緒「うん、飴とりんごが口の中で混ざっておいしい」バリバリ
李衣菜「…バリバリいくね」
奈緒「飴ってそうやって食べるもんだろー?飴先に舐めたらただのリンゴだし…」
李衣菜「そう言われればそうなんだけど…あー、次どこ行く?今ココだから…近い飲食系の店はメイド喫茶だけど」
奈緒「メ、メイド喫茶かぁ…やっぱりそこはちょっと…」
李衣菜「行きたくないの?」
奈緒「……恥ずかしいし…」
李衣菜「恥ずかしい…?」
奈緒「だって!メイド喫茶って『お帰りなさいませご主人様❤』『今からオムライスに魔法をかけますねぇ❤』とか言われるんだぞ!?」
李衣菜「…それが恥ずかしいの?奈緒ああいうの好きでしょ?」
奈緒「いやいやいやいや違うから」
李衣菜「違うんだ…」
奈緒「違うんだってー…アニメとああいうのは違うっていうかー…李衣菜にわかる表現だとロックとメタルくらい違うんじゃないかな」
李衣菜「……そ、そうなんだー」
奈緒「だろー?」
李衣菜「でもさ、一切興味が無いってワケじゃないでしょ?」
奈緒「そっ、そんなわけないだろ!?別に行きたいなんて少しも思ってないしっ!」
李衣菜「はいはい」
奈緒「はいはいじゃないー!」
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
677: 2016/01/29(金) 02:09:30.19 ID:l35uEx/h0
「きゃあああ!!」
メイド喫茶が見える場所で行くか行かないかグダグダと問答を繰り返してると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴に人々は足を止め、何事かと周囲を見渡す。もちろん二人も一瞬で顔を見合わせていた。
奈緒「李衣菜!」
李衣菜「今のは…向こうからだね」
声の下方向から蜘蛛の子を散らすように逃げ出す人々を躱しながら悲鳴の聞こえた方へ向かうと、ベンチが置かれている木のそばに黒い異形…カースと、倒れている少女が見えた。
カース自体はそこまで大きくもなく、獣型というわけでもない。それほど強敵ではないように思えた。
しかし、その姿をはっきり視認すると、普段見るカースとは少々雰囲気が違うように感じられた。
カースの核を覆う黒い部分は流動体のような動きと不浄を感じさせる色から泥と例えられることが多い。
しかし、このカースは比喩ではなくそのまま黒い泥が沼から人の形をして起き上がったような…そんな奇怪な印象を与える姿をしていた。
特に奈緒はそのカースの発する異様な何かを察知し、少し声を震わせながら李衣菜に伝える。
奈緒「り、李衣菜…こいつ、普通のカースと違う…!何か変だっ…!」
李衣菜「…少なくとも今までこんな見た目のやつはいなかったよね」
メイド喫茶が見える場所で行くか行かないかグダグダと問答を繰り返してると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴に人々は足を止め、何事かと周囲を見渡す。もちろん二人も一瞬で顔を見合わせていた。
奈緒「李衣菜!」
李衣菜「今のは…向こうからだね」
声の下方向から蜘蛛の子を散らすように逃げ出す人々を躱しながら悲鳴の聞こえた方へ向かうと、ベンチが置かれている木のそばに黒い異形…カースと、倒れている少女が見えた。
カース自体はそこまで大きくもなく、獣型というわけでもない。それほど強敵ではないように思えた。
しかし、その姿をはっきり視認すると、普段見るカースとは少々雰囲気が違うように感じられた。
カースの核を覆う黒い部分は流動体のような動きと不浄を感じさせる色から泥と例えられることが多い。
しかし、このカースは比喩ではなくそのまま黒い泥が沼から人の形をして起き上がったような…そんな奇怪な印象を与える姿をしていた。
特に奈緒はそのカースの発する異様な何かを察知し、少し声を震わせながら李衣菜に伝える。
奈緒「り、李衣菜…こいつ、普通のカースと違う…!何か変だっ…!」
李衣菜「…少なくとも今までこんな見た目のやつはいなかったよね」
678: 2016/01/29(金) 02:11:52.58 ID:l35uEx/h0
『ア”…ア”…』
こちらに気づいたカースが伸ばした腕からぽたりぽたりと黒い泥を滴らせながら近寄ってくる。速度こそ遅いものの、不気味としか言いようが無い。
奈緒「そうじゃないんだ!なんか…、近寄るだけでヘンになりそうだ…!」
李衣菜「…奈緒がそこまで言うなら、かなりやばそうなんだけど…もしかしてこれ怠惰のカース?精神干渉系?」
奈緒「わかんない!でも少なくとも怠惰よりやばそうだ、触らないほうが良いと思う!」
李衣菜「触らないほうが良いって言われても武器は家だし…」
奈緒「だ、だってぇ…」
『オあ…!』
李衣菜「…まぁ、私にはコレが一応あるけどね、あの女の子も早急に助けなきゃだし」
ボルトを隠していた帽子を取ると、頭から延長コード付きのボルトを取り外し、程良い長さに調整する。
李衣菜「よーいっ…」
ボルトをぐるぐると振り回し、遠心力のままにカースに叩きつけた。
李衣菜「しょっと!」
『あ”……あ”ー…』
叩きつけた衝撃によってぐちゃっと音を立ててカースの形は崩れる。
李衣菜「…うわ…ちょっとこれは…」
口では狼狽えてるように装いつつも、露出した核を視認するとすかさずそこに再びボルトを叩きつけた。
緑色のその核は、奈緒には普段見かけるものよりも濁っているように見えた。
『いあ”…!?』
核は砕け散り不浄の泥も消滅する。それを確認すると奈緒はすぐさま倒れていた少女に駆け寄った。
奈緒「おい、大丈夫か…って…あれ、みく!?」
猫の耳と尾、そしてメイド服。間違いなくそれは前川みくだった。
こちらに気づいたカースが伸ばした腕からぽたりぽたりと黒い泥を滴らせながら近寄ってくる。速度こそ遅いものの、不気味としか言いようが無い。
奈緒「そうじゃないんだ!なんか…、近寄るだけでヘンになりそうだ…!」
李衣菜「…奈緒がそこまで言うなら、かなりやばそうなんだけど…もしかしてこれ怠惰のカース?精神干渉系?」
奈緒「わかんない!でも少なくとも怠惰よりやばそうだ、触らないほうが良いと思う!」
李衣菜「触らないほうが良いって言われても武器は家だし…」
奈緒「だ、だってぇ…」
『オあ…!』
李衣菜「…まぁ、私にはコレが一応あるけどね、あの女の子も早急に助けなきゃだし」
ボルトを隠していた帽子を取ると、頭から延長コード付きのボルトを取り外し、程良い長さに調整する。
李衣菜「よーいっ…」
ボルトをぐるぐると振り回し、遠心力のままにカースに叩きつけた。
李衣菜「しょっと!」
『あ”……あ”ー…』
叩きつけた衝撃によってぐちゃっと音を立ててカースの形は崩れる。
李衣菜「…うわ…ちょっとこれは…」
口では狼狽えてるように装いつつも、露出した核を視認するとすかさずそこに再びボルトを叩きつけた。
緑色のその核は、奈緒には普段見かけるものよりも濁っているように見えた。
『いあ”…!?』
核は砕け散り不浄の泥も消滅する。それを確認すると奈緒はすぐさま倒れていた少女に駆け寄った。
奈緒「おい、大丈夫か…って…あれ、みく!?」
猫の耳と尾、そしてメイド服。間違いなくそれは前川みくだった。
679: 2016/01/29(金) 02:14:32.97 ID:l35uEx/h0
李衣菜「その子、知り合い?」
ボルトを頭にはめ、帽子をかぶり直した李衣菜が、横から問う。
奈緒「うん、前に色々あって知り合った子なんだけど…」
みく「おさ、おさかな…かかかか…」
李衣菜「…大丈夫…じゃなさそうだね」
うつ伏せに倒れていた彼女をとりあえず仰向きに寝かせるように体勢を変えてやると、虚ろな目でよくわからないことを言い続けている。
みく「くるにゃぁ…さかかかか…かっ、かつうぉ…」
奈緒「おい、しっかりしろ!魚なんていないだろ!」
李衣菜「うーん…とりあえず見えるところに怪我は無いね…」
奈緒「それ以前に正気を失ってるよ!?」
李衣菜「そうだけど、あのカースがどういうカースか手がかりがないかなぁって。外傷は無いから…」
みく「にゃぁぁぁ…」
奈緒「幻覚か何かかはわかんないけど…こういう感じで精神に干渉するのは初めて見るよな?症状が今までの七つのカテゴリーには当てはまらなそうだし」
李衣菜「そうだね…偶然生まれた個体ならまだしも、同じ力を持ったカースがいたらヤバイだろうし…戻らないならこの子を検査しなきゃなんじゃないかな…」
みく「にゃっ、にゃああああ!!」
李衣菜「!」
二人で話していると突然、寝かせていたみくが飛び起き、叫びながら李衣菜に跳びかかった。
みく「ふーっ!ふーっ!」
李衣菜「お、落ち着きなよ…」
目を見れば明らかにまだ正気ではない。狂乱のあまり全てが敵にでも見えているのだろうか。
素早く対処した方がいいと機械的なほど冷静に判断した李衣菜は、微弱な威力の放電をみくに行った。
李衣菜「…ちょっと、ビリっとするよ」
みく「にゃぁぁ!?」
ボルトを頭にはめ、帽子をかぶり直した李衣菜が、横から問う。
奈緒「うん、前に色々あって知り合った子なんだけど…」
みく「おさ、おさかな…かかかか…」
李衣菜「…大丈夫…じゃなさそうだね」
うつ伏せに倒れていた彼女をとりあえず仰向きに寝かせるように体勢を変えてやると、虚ろな目でよくわからないことを言い続けている。
みく「くるにゃぁ…さかかかか…かっ、かつうぉ…」
奈緒「おい、しっかりしろ!魚なんていないだろ!」
李衣菜「うーん…とりあえず見えるところに怪我は無いね…」
奈緒「それ以前に正気を失ってるよ!?」
李衣菜「そうだけど、あのカースがどういうカースか手がかりがないかなぁって。外傷は無いから…」
みく「にゃぁぁぁ…」
奈緒「幻覚か何かかはわかんないけど…こういう感じで精神に干渉するのは初めて見るよな?症状が今までの七つのカテゴリーには当てはまらなそうだし」
李衣菜「そうだね…偶然生まれた個体ならまだしも、同じ力を持ったカースがいたらヤバイだろうし…戻らないならこの子を検査しなきゃなんじゃないかな…」
みく「にゃっ、にゃああああ!!」
李衣菜「!」
二人で話していると突然、寝かせていたみくが飛び起き、叫びながら李衣菜に跳びかかった。
みく「ふーっ!ふーっ!」
李衣菜「お、落ち着きなよ…」
目を見れば明らかにまだ正気ではない。狂乱のあまり全てが敵にでも見えているのだろうか。
素早く対処した方がいいと機械的なほど冷静に判断した李衣菜は、微弱な威力の放電をみくに行った。
李衣菜「…ちょっと、ビリっとするよ」
みく「にゃぁぁ!?」
680: 2016/01/29(金) 02:16:22.77 ID:l35uEx/h0
奈緒「ちょ、ちょっと李衣菜!?」
李衣菜「いやぁ…なんかこれしかないかなって」
李衣菜に倒れこむように気を失ったみくを今度は壁により掛かるように寝かせ、少しして彼女は目を開いた。
みく「うう…みくは一体何を…?」
奈緒「あ…みく、大丈夫か?カースの影響は感じないし…正気に戻ったんだな?」
みく「…奈緒チャン?えっと、隣の子は…」
奈緒「ああ、こっちは多田李衣菜、あたしの…友達。ところでさっきは何があったんだ?」
みく「えっと…みくは確か…お店の呼び込みをしていて……そうにゃ、女の子がカースに襲われていて、トロそうな奴だったし少しこっちに気をそらそうとして…」
奈緒「攻撃したのか?」
みく「うん、ちょっとひっかいてすぐに逃げれば十分だと思ったんだけど…」
李衣菜「…それで攻撃したらこうなってた…って感じ?」
みく「…そういう感じにゃ」
李衣菜「いやぁ…なんかこれしかないかなって」
李衣菜に倒れこむように気を失ったみくを今度は壁により掛かるように寝かせ、少しして彼女は目を開いた。
みく「うう…みくは一体何を…?」
奈緒「あ…みく、大丈夫か?カースの影響は感じないし…正気に戻ったんだな?」
みく「…奈緒チャン?えっと、隣の子は…」
奈緒「ああ、こっちは多田李衣菜、あたしの…友達。ところでさっきは何があったんだ?」
みく「えっと…みくは確か…お店の呼び込みをしていて……そうにゃ、女の子がカースに襲われていて、トロそうな奴だったし少しこっちに気をそらそうとして…」
奈緒「攻撃したのか?」
みく「うん、ちょっとひっかいてすぐに逃げれば十分だと思ったんだけど…」
李衣菜「…それで攻撃したらこうなってた…って感じ?」
みく「…そういう感じにゃ」
681: 2016/01/29(金) 02:19:07.40 ID:l35uEx/h0
奈緒「そうだ、身体は大丈夫か?違和感とかは?」
みく「まだちょっとくらくらしてるけど…違和感も無いし問題なさそうにゃ」
奈緒「よかった…」
李衣菜「でも、結構心配になるレベルでおかしくなっていたから…一応気をつけてね、もうカースの影響は無さそうだけど」
みく「えっ、何、みく何かヤバイ感じだったの?」
奈緒「…なんというか…意味分かんないこと言ったりしてた」
李衣菜「ちょっと私に襲いかかったりもしたよね」
みく「そ、それは…ごめんにゃ」
李衣菜「あ…いや、こっちもみくちゃんに手荒なことしちゃったし。…とりあえず無事なら良かった。私たちもう行かなきゃ」
奈緒「そうだなー…もうちょっと話していたかったけど、用事ができちゃったし。調べなきゃなぁ」
みく「急用?……まぁみくも呼び込みの途中ではあったけど…」
李衣菜「同じようなカースがいるかもしれないし、気をつけて。とにかく近づかないほうが良いよ」
みく「それは十分身を持って知ったにゃ…」
奈緒「じゃああたし達もう行くから!また今度あったらゆっくり話そうな!」
みく「う、うん、二人も気をつけてね」
みく(……李衣菜チャン、だっけ?なんか奈緒チャンとはまた違う感じでミョーな雰囲気の子にゃ…)
みく「まだちょっとくらくらしてるけど…違和感も無いし問題なさそうにゃ」
奈緒「よかった…」
李衣菜「でも、結構心配になるレベルでおかしくなっていたから…一応気をつけてね、もうカースの影響は無さそうだけど」
みく「えっ、何、みく何かヤバイ感じだったの?」
奈緒「…なんというか…意味分かんないこと言ったりしてた」
李衣菜「ちょっと私に襲いかかったりもしたよね」
みく「そ、それは…ごめんにゃ」
李衣菜「あ…いや、こっちもみくちゃんに手荒なことしちゃったし。…とりあえず無事なら良かった。私たちもう行かなきゃ」
奈緒「そうだなー…もうちょっと話していたかったけど、用事ができちゃったし。調べなきゃなぁ」
みく「急用?……まぁみくも呼び込みの途中ではあったけど…」
李衣菜「同じようなカースがいるかもしれないし、気をつけて。とにかく近づかないほうが良いよ」
みく「それは十分身を持って知ったにゃ…」
奈緒「じゃああたし達もう行くから!また今度あったらゆっくり話そうな!」
みく「う、うん、二人も気をつけてね」
みく(……李衣菜チャン、だっけ?なんか奈緒チャンとはまた違う感じでミョーな雰囲気の子にゃ…)
682: 2016/01/29(金) 02:25:31.12 ID:l35uEx/h0
そんな出来事とほぼ同時刻。屋台で買った食べ物を機嫌良さそうに持ち歩くあずきと涼がいた。
あずき「もう3日目だけど、涼さん…おっきいライブで歌うって大変じゃない?毎日ここに来て、歌って…」
涼「まぁ、大変っちゃ大変かな…でも、この学園祭で歌えるってのは結構名誉なことなんだ、それならその期待に答えなきゃだし」
眠り草『そうは言っても、事件で潰されちゃ期待も何もないでござる。来ただけ損でござる。メイド喫茶は別として、メイド喫茶は別として!!!』
涼「そう力説されても刀背負ってメイド喫茶なんて行かないからな?」
眠り草『殺生な!鬼!悪魔!』
あずき「でも、そうだねぇ、昨日も一昨日もいろいろあったし…今日は落ち着いて歌えるといいよね…あれ、あそこ…何?」
涼「どうした?」
あずきが指で示した方に視線を向けると、黒い泥の塊がいくつかうごめいているのが見えた。
それは子供に擬態したカース…AMC、そして妙な…ゾンビめいた雰囲気を感じるドロドロとしたカースだった。
『ヒィィ!』『助ケテ!』
『ア”…、アー…』
『イヤダァァァ!』
おそらくはAMCが狂信を感染させようと接触したのだろうが、逆に精神汚染を受けてしまったようだ。
不安定なエネルギーによって姿を保てなくなり悲鳴を上げながら擬態が不完全なモノになっていく。
それは下手なホラーよりも背筋が冷える光景だった。
あずき「もう3日目だけど、涼さん…おっきいライブで歌うって大変じゃない?毎日ここに来て、歌って…」
涼「まぁ、大変っちゃ大変かな…でも、この学園祭で歌えるってのは結構名誉なことなんだ、それならその期待に答えなきゃだし」
眠り草『そうは言っても、事件で潰されちゃ期待も何もないでござる。来ただけ損でござる。メイド喫茶は別として、メイド喫茶は別として!!!』
涼「そう力説されても刀背負ってメイド喫茶なんて行かないからな?」
眠り草『殺生な!鬼!悪魔!』
あずき「でも、そうだねぇ、昨日も一昨日もいろいろあったし…今日は落ち着いて歌えるといいよね…あれ、あそこ…何?」
涼「どうした?」
あずきが指で示した方に視線を向けると、黒い泥の塊がいくつかうごめいているのが見えた。
それは子供に擬態したカース…AMC、そして妙な…ゾンビめいた雰囲気を感じるドロドロとしたカースだった。
『ヒィィ!』『助ケテ!』
『ア”…、アー…』
『イヤダァァァ!』
おそらくはAMCが狂信を感染させようと接触したのだろうが、逆に精神汚染を受けてしまったようだ。
不安定なエネルギーによって姿を保てなくなり悲鳴を上げながら擬態が不完全なモノになっていく。
それは下手なホラーよりも背筋が冷える光景だった。
683: 2016/01/29(金) 02:27:22.59 ID:l35uEx/h0
あずき「カースがカースを襲ってる!?」
涼「…カースが近くにいるなんて聞いてないんだけど…」
眠り草『ヤッベー☆メイド喫茶のこと考えてたからカースの気配を察知し忘れたでござるぅ☆』
涼「コイツ…」
眠り草『ヒエッ、すみません…し、しかし、あれらはカースにしては何か気配が妙でござるな、何かしらの力の影響を受けているようでござるよ!よ!』
あずき「何かしらって?」
眠り草『専門外でござる』
あずき「そっかー、とりあえず向こうがお互いに集中してるならさっさと通り過ぎたほうが良さそうだね…」
涼「そう、だな…」
眠り草『…なにか来るでござる』
涼「へっ?」
眠り草の言葉を聞いたと同時に壁…いや、壁と床の境から、煙が吹き出していた。
その場に居た者の注意がその煙に向いた瞬間、そこから狼のような…狼男のような、「何か」が飛び出してきたのだ。
絶句した刹那、その獣はその場にいたカースをまとめて粉砕し、周囲にカースがいないのを確認すると再び煙とともに壁と床の境に消えてしまった。
それはあまりにも素早く、力強く、静かな嵐のようだった。
涼「…カースが近くにいるなんて聞いてないんだけど…」
眠り草『ヤッベー☆メイド喫茶のこと考えてたからカースの気配を察知し忘れたでござるぅ☆』
涼「コイツ…」
眠り草『ヒエッ、すみません…し、しかし、あれらはカースにしては何か気配が妙でござるな、何かしらの力の影響を受けているようでござるよ!よ!』
あずき「何かしらって?」
眠り草『専門外でござる』
あずき「そっかー、とりあえず向こうがお互いに集中してるならさっさと通り過ぎたほうが良さそうだね…」
涼「そう、だな…」
眠り草『…なにか来るでござる』
涼「へっ?」
眠り草の言葉を聞いたと同時に壁…いや、壁と床の境から、煙が吹き出していた。
その場に居た者の注意がその煙に向いた瞬間、そこから狼のような…狼男のような、「何か」が飛び出してきたのだ。
絶句した刹那、その獣はその場にいたカースをまとめて粉砕し、周囲にカースがいないのを確認すると再び煙とともに壁と床の境に消えてしまった。
それはあまりにも素早く、力強く、静かな嵐のようだった。
684: 2016/01/29(金) 02:28:33.25 ID:l35uEx/h0
あずき「…なにあれ」
眠り草『カースでござるな』
涼「…やけに素早いカースだったな」
眠り草『ワープできるカースなんて拙者も初めて見たでござるよ』
あずき「うーん…カースってカースを攻撃するものなの?」
眠り草『えーっと、まぁありえなくはないでござるけども』
涼「こっちが襲われないならまぁいいけど、カースがまだ校舎に残ってるのはちょっと…不安かな」
あずき「昨日のが残っちゃったのかなぁ…気をつけないとね」
妙なカースの出現と異変。それに気づいた者は少なく、そして異変に気づいても何が起きているのかわからない。
訪れた人々は何も知らぬまま、事件へと巻き込まれていた。
眠り草『カースでござるな』
涼「…やけに素早いカースだったな」
眠り草『ワープできるカースなんて拙者も初めて見たでござるよ』
あずき「うーん…カースってカースを攻撃するものなの?」
眠り草『えーっと、まぁありえなくはないでござるけども』
涼「こっちが襲われないならまぁいいけど、カースがまだ校舎に残ってるのはちょっと…不安かな」
あずき「昨日のが残っちゃったのかなぁ…気をつけないとね」
妙なカースの出現と異変。それに気づいた者は少なく、そして異変に気づいても何が起きているのかわからない。
訪れた人々は何も知らぬまま、事件へと巻き込まれていた。
685: 2016/01/29(金) 02:29:18.41 ID:l35uEx/h0
日菜子「…王子様、大変なことになってますねぇ?」
日菜子「『屍食教典儀』がこんなことになるなんて、流石に日菜子にも予想外でしたよぉ」
学園の裏山で、少女がふわふわと浮かぶ暗闇に話しかけながら学園祭の人の流れを見つめている。何かを探すように。
日菜子「『ナコト写本』がカースと結合したモノは害を与えるモノにはなりませんでしたけど…」
日菜子「『屍食教典儀』は存在そのものが邪悪な魔道書…それがカースと結びついて悪影響を与えないはずないですもんねぇ…実際、人の多いこの場所に現れたのもそういう事でしょうし」
彼女からはいつもの笑顔が消えていた。冷静に、人々の動きを見ている。…そして蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人々の動きを見つけた。
日菜子「むふ、名付けるなら『退廃の屍獣』…という感じでしょうかねぇ…以前からここに住み着いていた『孤高の猟獣』が探しまわってるみたいです」
日菜子「…日菜子、今日こそ普通に楽しみたくて来ていたんですよぉ…きっとこの混沌が悪い気か何かの流れを運んでしまって…あっ、コレは日菜子の妄想ですけどぉ…♪」
日菜子「いえ、いいんですよぉ…見失ったあのカースの悪影響を日菜子の友達が受けてしまったらと思うと放置なんてしておけませんし…」
日菜子「わかってますよぉ、昨日と同じようにしますからぁ…」
いつの間にか彼女は仮面を付け、その手には白銀の槍が握られている。
ニコ「…むふ、準備はバッチリですねぇ、行きましょう王子様♪」
そしてゆったりと一歩を踏み出した。
日菜子「『屍食教典儀』がこんなことになるなんて、流石に日菜子にも予想外でしたよぉ」
学園の裏山で、少女がふわふわと浮かぶ暗闇に話しかけながら学園祭の人の流れを見つめている。何かを探すように。
日菜子「『ナコト写本』がカースと結合したモノは害を与えるモノにはなりませんでしたけど…」
日菜子「『屍食教典儀』は存在そのものが邪悪な魔道書…それがカースと結びついて悪影響を与えないはずないですもんねぇ…実際、人の多いこの場所に現れたのもそういう事でしょうし」
彼女からはいつもの笑顔が消えていた。冷静に、人々の動きを見ている。…そして蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人々の動きを見つけた。
日菜子「むふ、名付けるなら『退廃の屍獣』…という感じでしょうかねぇ…以前からここに住み着いていた『孤高の猟獣』が探しまわってるみたいです」
日菜子「…日菜子、今日こそ普通に楽しみたくて来ていたんですよぉ…きっとこの混沌が悪い気か何かの流れを運んでしまって…あっ、コレは日菜子の妄想ですけどぉ…♪」
日菜子「いえ、いいんですよぉ…見失ったあのカースの悪影響を日菜子の友達が受けてしまったらと思うと放置なんてしておけませんし…」
日菜子「わかってますよぉ、昨日と同じようにしますからぁ…」
いつの間にか彼女は仮面を付け、その手には白銀の槍が握られている。
ニコ「…むふ、準備はバッチリですねぇ、行きましょう王子様♪」
そしてゆったりと一歩を踏み出した。
686: 2016/01/29(金) 02:30:31.15 ID:l35uEx/h0
イベント・魔道書事件開始
ボスカース
・『退廃の屍獣』
暴食・色欲・怠惰の核に魔導書『屍食教典儀』が干渉して生まれた『退廃』のカース。
巨大な山羊のような姿をしており、ドロッとした人型カースを生み出す能力を持つ。
また配下のカース共々、体を構成する泥に触れると精神汚染を引き起こし、同じカースでさえ正気を失ってしまう。
精神汚染をばらまき、同類を増やすために京華学院を襲う。
また、特殊な事に核同士や魔導書は融合しておらず、更に核は一つでも残っていると他の核を再生させる。
エクストラカース
・『孤高の猟獣』
傲慢・強欲・怠惰の核に魔導書『ナコト写本』が結合し生まれた『孤高』のカース。
成人男性程の狼の様な姿で、以前からたびたび京華学院で目撃されていた。
特に何かする訳でもなく近寄っても危害を加える素振りを見せなかったため、京華学院の研究対象として半ば放置されていた。
物質の鋭角から鋭角への瞬間移動能力と高度な追跡能力に加え『孤高』ゆえの何者にも屈しない精神力を持っている。
基本的に屍獣とその配下のみを標的にしている。
別名『京華の魔獣』。
ボスカース
・『退廃の屍獣』
暴食・色欲・怠惰の核に魔導書『屍食教典儀』が干渉して生まれた『退廃』のカース。
巨大な山羊のような姿をしており、ドロッとした人型カースを生み出す能力を持つ。
また配下のカース共々、体を構成する泥に触れると精神汚染を引き起こし、同じカースでさえ正気を失ってしまう。
精神汚染をばらまき、同類を増やすために京華学院を襲う。
また、特殊な事に核同士や魔導書は融合しておらず、更に核は一つでも残っていると他の核を再生させる。
エクストラカース
・『孤高の猟獣』
傲慢・強欲・怠惰の核に魔導書『ナコト写本』が結合し生まれた『孤高』のカース。
成人男性程の狼の様な姿で、以前からたびたび京華学院で目撃されていた。
特に何かする訳でもなく近寄っても危害を加える素振りを見せなかったため、京華学院の研究対象として半ば放置されていた。
物質の鋭角から鋭角への瞬間移動能力と高度な追跡能力に加え『孤高』ゆえの何者にも屈しない精神力を持っている。
基本的に屍獣とその配下のみを標的にしている。
別名『京華の魔獣』。
687: 2016/01/29(金) 02:31:04.81 ID:l35uEx/h0
・魔導書事件の大まかな流れ。
1:人の多い所に行こうとする屍獣や手下を迎撃・撃退する。
2:その際、ニコ(仮面の少女)または猟獣の片方もしくは両方が参戦してくれる。
3:撃破すれば魔導書を確定ドロップ。要らない場合はニコが引き取ってくれます。
4:猟獣を倒そうとすると逃げる他、下手するとニコも一緒に襲いかかってきます。
5:ちなみに猟獣は学院内ではわりと受け入れられてます。
「ナコト写本」
旧き魔道書の一つにして時と空間に関する記述が記された一冊。
並みの人間では、手にする事さえ不可能な程の力を秘めた魔道書であると共に、「窮極の門」と呼ばれる物を開くための暗号が記されているとも言われる。
記された秘術も時間や空間に関する物が多い。
「屍食教典儀」
旧き魔道書の一冊であり、闇に生きる者達が行った背徳的行為に関する記述を残す書物。
その内容は、正常な感性を持つ人間にとっては到底受け入れられるものではなく、まさしく邪悪の一端である。
また、使用者の精神を退廃的に蝕む為、扱う際には自分を強く保つ必要がある。
秘術は主に闇や土を操る術が書かれている。
※専用スレの◆UCaKi7reYU氏の投稿から引用、改変させていただきました。
1:人の多い所に行こうとする屍獣や手下を迎撃・撃退する。
2:その際、ニコ(仮面の少女)または猟獣の片方もしくは両方が参戦してくれる。
3:撃破すれば魔導書を確定ドロップ。要らない場合はニコが引き取ってくれます。
4:猟獣を倒そうとすると逃げる他、下手するとニコも一緒に襲いかかってきます。
5:ちなみに猟獣は学院内ではわりと受け入れられてます。
「ナコト写本」
旧き魔道書の一つにして時と空間に関する記述が記された一冊。
並みの人間では、手にする事さえ不可能な程の力を秘めた魔道書であると共に、「窮極の門」と呼ばれる物を開くための暗号が記されているとも言われる。
記された秘術も時間や空間に関する物が多い。
「屍食教典儀」
旧き魔道書の一冊であり、闇に生きる者達が行った背徳的行為に関する記述を残す書物。
その内容は、正常な感性を持つ人間にとっては到底受け入れられるものではなく、まさしく邪悪の一端である。
また、使用者の精神を退廃的に蝕む為、扱う際には自分を強く保つ必要がある。
秘術は主に闇や土を操る術が書かれている。
※専用スレの◆UCaKi7reYU氏の投稿から引用、改変させていただきました。
688: 2016/01/29(金) 02:32:17.46 ID:l35uEx/h0
以上です
開始宣言にボスカースを登場させないプレイング
久々の投稿だけどもやっぱり投稿すると書いている時より短く感じる…
開始宣言にボスカースを登場させないプレイング
久々の投稿だけどもやっぱり投稿すると書いている時より短く感じる…
689: 2016/01/30(土) 00:31:15.59 ID:bQHNqKiZ0
>>688
おつかれさまですっ
投稿すると書いている時より短く感じる・・・・・・あると思いますw
結構長く書いちゃったなって思っても、実際に投稿してみるとあれ?ってなったり・・・・・・。
3日目のボス+エクストラ登場ですなー
3日目はこっちはユウキのわらしべイベントもあるから、それと絡ませ・・・・・・たら大変なことになるねw
んー、ちょっと本編が煮詰まっちゃったし書いてみるか
おつかれさまですっ
投稿すると書いている時より短く感じる・・・・・・あると思いますw
結構長く書いちゃったなって思っても、実際に投稿してみるとあれ?ってなったり・・・・・・。
3日目のボス+エクストラ登場ですなー
3日目はこっちはユウキのわらしべイベントもあるから、それと絡ませ・・・・・・たら大変なことになるねw
んー、ちょっと本編が煮詰まっちゃったし書いてみるか
【次回に続く・・・】
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