735: ◆3QM4YFmpGw 2016/02/04(木) 23:18:53.55 ID:A7LbD25lO
736: 2016/02/04(木) 23:20:21.20 ID:A7LbD25lO
海皇宮。
ヨリコ「すみませんマキノ、貴女には休暇を与えたはずだったのに……」
マキノ「お気になさらないで下さい。人手が足りない今、動ける者が動くだけです」
ヨリコの謝罪に、マキノは涼しい笑顔で返した。
学園祭に赴くはずだった彼女が受けた任務は、GDFが開発していた新型海洋兵器の破壊。
地上に派遣していた斥候からの報告で明らかになったそれは、海底都市破壊用の兵器であった。
高熱のプラズマを発生させて全てを焼き払う『アポロン魚雷』をはじめとした多数の兵器を搭載する予定だった超大型潜水戦艦『ポセイドン』。
しかし、建造が始まる前に極秘ドックをマキノが単独で襲撃、壊滅させた。
そして、ポセイドンやアポロン魚雷の設計図データも全て破棄、海底都市への直接的な危機は去った事になる。
ヨリコ「すみませんマキノ、貴女には休暇を与えたはずだったのに……」
マキノ「お気になさらないで下さい。人手が足りない今、動ける者が動くだけです」
ヨリコの謝罪に、マキノは涼しい笑顔で返した。
学園祭に赴くはずだった彼女が受けた任務は、GDFが開発していた新型海洋兵器の破壊。
地上に派遣していた斥候からの報告で明らかになったそれは、海底都市破壊用の兵器であった。
高熱のプラズマを発生させて全てを焼き払う『アポロン魚雷』をはじめとした多数の兵器を搭載する予定だった超大型潜水戦艦『ポセイドン』。
しかし、建造が始まる前に極秘ドックをマキノが単独で襲撃、壊滅させた。
そして、ポセイドンやアポロン魚雷の設計図データも全て破棄、海底都市への直接的な危機は去った事になる。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
737: 2016/02/04(木) 23:22:11.35 ID:A7LbD25lO
マキノ「あれを捨ておけば、海底都市全域が危機に晒される所でした。……それよりも」
ヨリコ「何か?」
マキノがキッと表情を引き締め、データ記録用のチップを取り出した。
マキノ「ドックの端末から、GDF本部のデータベースへのハッキングを試みました。残念ながら中核に辿り着く前に締め出されてはしまいましたが……」
巫女「収獲はあったようね?」
マキノ「ええ、彼らが『ブラックファイル』と呼ぶデータ……これの複製に成功しました」
取り出した携帯用端末に記録用チップを差し込み、マキノは話を続ける。
マキノ「『ブラックファイル』……人類を脅かす存在の情報をまとめたもので、脅威度の高さでランク分けされています」
壁面にその『ブラックファイル』が次々と写し出されていく。
《妖怪》
脅威度○●●●●
活動範囲が限定的かつ規模も小さい。
現地の退魔士で充分対応出来ている為、脅威とはなり得ないだろう。
《海底都市》
脅威度○○○●●
尖兵のアンドロイドはともかく、戦闘外殻と呼ばれる上位種はやや危険。
本拠地の特定が急がれる。
ヨリコ「なるほど、彼らはここを見つけ出そうと躍起になっているのですね」
巫女「カモフラージュ工作は万全だけれど……念のためにダミーとして電波妨害装置を各地にばら撒いておきましょう」
そこで、マキノが操作を止めた。
マキノ「これです。恐らくこれに関しては、地上だけでなく海底都市にとっても脅威となりうるでしょう」
ヨリコ「これは……」
《七つの災厄》
脅威度○○○○○
通常のカースはおろか、災厄級カースすら及ばない力を秘める。
遭遇した場合は応援の到着を待て。
――――――――――――
――――――――
――――
ヨリコ「何か?」
マキノがキッと表情を引き締め、データ記録用のチップを取り出した。
マキノ「ドックの端末から、GDF本部のデータベースへのハッキングを試みました。残念ながら中核に辿り着く前に締め出されてはしまいましたが……」
巫女「収獲はあったようね?」
マキノ「ええ、彼らが『ブラックファイル』と呼ぶデータ……これの複製に成功しました」
取り出した携帯用端末に記録用チップを差し込み、マキノは話を続ける。
マキノ「『ブラックファイル』……人類を脅かす存在の情報をまとめたもので、脅威度の高さでランク分けされています」
壁面にその『ブラックファイル』が次々と写し出されていく。
《妖怪》
脅威度○●●●●
活動範囲が限定的かつ規模も小さい。
現地の退魔士で充分対応出来ている為、脅威とはなり得ないだろう。
《海底都市》
脅威度○○○●●
尖兵のアンドロイドはともかく、戦闘外殻と呼ばれる上位種はやや危険。
本拠地の特定が急がれる。
ヨリコ「なるほど、彼らはここを見つけ出そうと躍起になっているのですね」
巫女「カモフラージュ工作は万全だけれど……念のためにダミーとして電波妨害装置を各地にばら撒いておきましょう」
そこで、マキノが操作を止めた。
マキノ「これです。恐らくこれに関しては、地上だけでなく海底都市にとっても脅威となりうるでしょう」
ヨリコ「これは……」
《七つの災厄》
脅威度○○○○○
通常のカースはおろか、災厄級カースすら及ばない力を秘める。
遭遇した場合は応援の到着を待て。
――――――――――――
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738: 2016/02/04(木) 23:33:38.43 ID:A7LbD25lO
――――
――――――――
――――――――――――
??「はっ……はっ……!」
深夜、1人の少女が橙に近い茶色のポニーテールを揺らしながら路地裏を走る。
時折後ろを振り向き、何かに怯えた様子だ。
??「……はぁっ……はぁっ……逃げ、きった……?」
少女はゆっくりと路地裏から這い出し、表通りに顔を出す。
しかし、
隊員「いたぞ! この反応……間違いない、《セブン》だ!」
??「!」
隊員「《トゥスロウス》か……じきに応援も到着する、まず俺たちだけで仕掛けるぞ!」
隊員「おう!」
運悪く追手……GDF陸戦部隊に発見されてしまった。
隊員達はライフルを片手に少女に迫る。
――――――――
――――――――――――
??「はっ……はっ……!」
深夜、1人の少女が橙に近い茶色のポニーテールを揺らしながら路地裏を走る。
時折後ろを振り向き、何かに怯えた様子だ。
??「……はぁっ……はぁっ……逃げ、きった……?」
少女はゆっくりと路地裏から這い出し、表通りに顔を出す。
しかし、
隊員「いたぞ! この反応……間違いない、《セブン》だ!」
??「!」
隊員「《トゥスロウス》か……じきに応援も到着する、まず俺たちだけで仕掛けるぞ!」
隊員「おう!」
運悪く追手……GDF陸戦部隊に発見されてしまった。
隊員達はライフルを片手に少女に迫る。
739: 2016/02/04(木) 23:35:27.35 ID:A7LbD25lO
??「っ、仕方ない……!」
少女が両腕を大きく振ると、野球ボールほどの大きさの球が9つ、宙に舞った。
濁った緑色のそれからはどす黒い泥が次々と湧き出し、やがて人の型となって地面に降り立つ。
隊員「チッ、カースを呼ばれたか!」
隊員「構うもんか! 撃て、撃て!」
隊員達はライフルを構えてカースへ向けて掃射した。
『ゥゥグウ……!』
『グァ……!』
顔面に1〜9までの数字を刻まれたカース達が、掃射を受けてよろめく。
隊員「ははっ、大した事ないな!」
隊員「《トゥスロウス》が《セブン》の中でも格下ってのは本当みたいだな! こりゃ応援を待つまでもねえ!!」
隊員「おう、俺たちだけで《セブン》討伐の手柄をいただいちまおうぜ!」
隊員達はライフルを構え直し、少女へ突撃する。
??「…………!」
少女が両腕を大きく振ると、野球ボールほどの大きさの球が9つ、宙に舞った。
濁った緑色のそれからはどす黒い泥が次々と湧き出し、やがて人の型となって地面に降り立つ。
隊員「チッ、カースを呼ばれたか!」
隊員「構うもんか! 撃て、撃て!」
隊員達はライフルを構えてカースへ向けて掃射した。
『ゥゥグウ……!』
『グァ……!』
顔面に1〜9までの数字を刻まれたカース達が、掃射を受けてよろめく。
隊員「ははっ、大した事ないな!」
隊員「《トゥスロウス》が《セブン》の中でも格下ってのは本当みたいだな! こりゃ応援を待つまでもねえ!!」
隊員「おう、俺たちだけで《セブン》討伐の手柄をいただいちまおうぜ!」
隊員達はライフルを構え直し、少女へ突撃する。
??「…………!」
740: 2016/02/04(木) 23:37:53.95 ID:A7LbD25lO
??「アハハ、クセンしてるじゃないか」
突然、紅い光弾が数発降り注いだ。
隊員「ぐぁあ!!」
『ガフゥッ!』
隊員「ごふっ……!!」
光弾に撃たれ、隊員達は次々と地面に倒れ伏す。
少女の生み出したカースも、巻き添えで消滅してしまったようだ。
??「こ、これって……」
隊員「ま、まさか……」
少女と生き残った隊員が空を見上げた。
ビルの屋上に立つ人影が、こちらへ向けて手を振っている。
人影はふいに飛び降り、数十メートルの高さから悠々と着地してみせた。
隊員「せ、《セブン》が2体……それも、《トゥラース》だと……!?」
学ランと学生帽に身を包んだ、赤毛の少年。
その姿を見て、隊員の体は震え、銃を取り落とす。
??「《トゥラース》かあ…そのヨびナ、あんまりスきじゃないんだよね。ん、んんっ」
片言で喋っていた少年は2、3度喉を鳴らすと、今度は打って変わって流暢に喋り始めた。
キッド「俺はさあ、もう自分の名前決めたんだ。『キッド』って、そう気軽に呼んでくれていいよ」
キッドと名乗った少年はにこやかな笑顔で隊員へ人差し指を向け、そこから紅い光弾を再び放った。
隊員「がっ……!?」
生き残った最後の1人だった隊員が倒れるのを見届け、キッドは少女に向き直る。
突然、紅い光弾が数発降り注いだ。
隊員「ぐぁあ!!」
『ガフゥッ!』
隊員「ごふっ……!!」
光弾に撃たれ、隊員達は次々と地面に倒れ伏す。
少女の生み出したカースも、巻き添えで消滅してしまったようだ。
??「こ、これって……」
隊員「ま、まさか……」
少女と生き残った隊員が空を見上げた。
ビルの屋上に立つ人影が、こちらへ向けて手を振っている。
人影はふいに飛び降り、数十メートルの高さから悠々と着地してみせた。
隊員「せ、《セブン》が2体……それも、《トゥラース》だと……!?」
学ランと学生帽に身を包んだ、赤毛の少年。
その姿を見て、隊員の体は震え、銃を取り落とす。
??「《トゥラース》かあ…そのヨびナ、あんまりスきじゃないんだよね。ん、んんっ」
片言で喋っていた少年は2、3度喉を鳴らすと、今度は打って変わって流暢に喋り始めた。
キッド「俺はさあ、もう自分の名前決めたんだ。『キッド』って、そう気軽に呼んでくれていいよ」
キッドと名乗った少年はにこやかな笑顔で隊員へ人差し指を向け、そこから紅い光弾を再び放った。
隊員「がっ……!?」
生き残った最後の1人だった隊員が倒れるのを見届け、キッドは少女に向き直る。
741: 2016/02/04(木) 23:40:56.71 ID:A7LbD25lO
キッド「やっと落ち着いて話が出来るね、スロウス。……あー違うや、えっと……」
智香「智香。……今は、そう名乗ってます……」
少女は智香と名乗り、キッドから2、3歩後ずさった。
キッド「そうそう、智香だったね。……何で逃げるんだい?」
笑顔を崩さず、キッドは智香に近寄る。
キッド「俺らは仲間だろ? 怖がる事ぁ無いよ。現に今だって、人間に襲われてた君を助けたんだぜ?」
智香「……じゃない」
キッド「?」
智香「アタシは……もうカースじゃない! アタシは人間に……人間の智香になるんです!」
そう叫んで智香は今来た路地裏を逆走して逃げ出した。
キッド「あらら……フられちゃった」
キッドは肩を竦めて表通りをしばらく歩いていき、角を曲がった所で人影を見つけた。
みく「にゃふふー、肉まんが美味しいにゃあ……にゃ?」
肉まんを頬張るみくはキッドを見つけ、不思議そうに彼を見つめている。
キッド「お、ちょうどいいや」
みく「どちら様かにゃ? みくに何か用?」
キッド「いやあ、可愛いお嬢さんにちょっとプレゼントってね♪」
キッドが指を鳴らすとビー玉ほどの大きさの赤い光が指先に生まれ、ふよふよと漂ってみくの胸の中へと消えていく。
みく「あっ……、……もうっ、何なのにゃ! いきなり話しかけてきて失礼にゃ! みくもう帰るからっ!!」
突然怒りだしたみくは肉まんを袋に押し込み、ドスドスと音を立てそうな足どりで帰っていってしまった。
智香「智香。……今は、そう名乗ってます……」
少女は智香と名乗り、キッドから2、3歩後ずさった。
キッド「そうそう、智香だったね。……何で逃げるんだい?」
笑顔を崩さず、キッドは智香に近寄る。
キッド「俺らは仲間だろ? 怖がる事ぁ無いよ。現に今だって、人間に襲われてた君を助けたんだぜ?」
智香「……じゃない」
キッド「?」
智香「アタシは……もうカースじゃない! アタシは人間に……人間の智香になるんです!」
そう叫んで智香は今来た路地裏を逆走して逃げ出した。
キッド「あらら……フられちゃった」
キッドは肩を竦めて表通りをしばらく歩いていき、角を曲がった所で人影を見つけた。
みく「にゃふふー、肉まんが美味しいにゃあ……にゃ?」
肉まんを頬張るみくはキッドを見つけ、不思議そうに彼を見つめている。
キッド「お、ちょうどいいや」
みく「どちら様かにゃ? みくに何か用?」
キッド「いやあ、可愛いお嬢さんにちょっとプレゼントってね♪」
キッドが指を鳴らすとビー玉ほどの大きさの赤い光が指先に生まれ、ふよふよと漂ってみくの胸の中へと消えていく。
みく「あっ……、……もうっ、何なのにゃ! いきなり話しかけてきて失礼にゃ! みくもう帰るからっ!!」
突然怒りだしたみくは肉まんを袋に押し込み、ドスドスと音を立てそうな足どりで帰っていってしまった。
742: 2016/02/04(木) 23:43:01.72 ID:A7LbD25lO
そしてみくが視界から消えた時、キッドがゆっくりと吐き出すように喋り出した。
キッド「……おっし、結構種蒔きしたねー。どうよ旦那? 名付けて『憤怒養殖』」
ちらりと隣を見やるキッドの目に映るのは、ポリバケツの上で舌をチロチロさせる小さなトカゲの姿。
『シュルルルルル……』
キッド「そーそー、テキトーに誰彼構わずチョイと怒りの沸点を下げてやってさ、怒りやすくさせんの」
トカゲの言葉を理解しているのか、キッドはポリバケツに肘をかけてトカゲへ語りかける。
キッド「それで生まれた憤怒を俺が埋めた球に溜めて、後で回収するって寸法♪ 俺賢いっしょ?」
『シュルルル……』
キッド「んー? いやいや、後遺症なんか残んないよ。だってそんな所から足がついたらマヌケじゃん。周りからは『アイツなんか短気になったよなー』くらいしか思われないって」
キッド「まあ見てなって。じきに旦那が復活するのに必要な量が溜まるさ」
キッドはにっこりと笑ってトカゲを拾い上げ、夜の闇に消えていった。
――――――――――――
――――――――
――――
キッド「……おっし、結構種蒔きしたねー。どうよ旦那? 名付けて『憤怒養殖』」
ちらりと隣を見やるキッドの目に映るのは、ポリバケツの上で舌をチロチロさせる小さなトカゲの姿。
『シュルルルルル……』
キッド「そーそー、テキトーに誰彼構わずチョイと怒りの沸点を下げてやってさ、怒りやすくさせんの」
トカゲの言葉を理解しているのか、キッドはポリバケツに肘をかけてトカゲへ語りかける。
キッド「それで生まれた憤怒を俺が埋めた球に溜めて、後で回収するって寸法♪ 俺賢いっしょ?」
『シュルルル……』
キッド「んー? いやいや、後遺症なんか残んないよ。だってそんな所から足がついたらマヌケじゃん。周りからは『アイツなんか短気になったよなー』くらいしか思われないって」
キッド「まあ見てなって。じきに旦那が復活するのに必要な量が溜まるさ」
キッドはにっこりと笑ってトカゲを拾い上げ、夜の闇に消えていった。
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743: 2016/02/04(木) 23:44:03.37 ID:A7LbD25lO
――――
――――――――
――――――――――――
隊員「いたぞ、《トゥスロウス》だ!」
隊員「応援を呼んだ奴ら……まさか、アイツにやられたのか!?」
隊員「許さねえ……俺達で仇を取るぞ!」
一方、智香は応援で呼ばれたGDFの陸戦部隊に遭遇していた。
智香「また……!」
智香は再度核を放り投げてカースを生み出す。
人型のカースが9体、隊員達の前に立ちふさがる。
隊員「たかだかカースに怯むな! 撃て、撃て!!」
銃を構えて突撃してくる隊員達へ、智香はゆっくりと両手を振り上げた。そして、
――――――――
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隊員「いたぞ、《トゥスロウス》だ!」
隊員「応援を呼んだ奴ら……まさか、アイツにやられたのか!?」
隊員「許さねえ……俺達で仇を取るぞ!」
一方、智香は応援で呼ばれたGDFの陸戦部隊に遭遇していた。
智香「また……!」
智香は再度核を放り投げてカースを生み出す。
人型のカースが9体、隊員達の前に立ちふさがる。
隊員「たかだかカースに怯むな! 撃て、撃て!!」
銃を構えて突撃してくる隊員達へ、智香はゆっくりと両手を振り上げた。そして、
744: 2016/02/04(木) 23:45:08.64 ID:A7LbD25lO
智香「フレーッ! フレーッ! 『ナ・イ・ン』!!」
突如智香から発された、場違いなほどに爽やかなエール。
それが響いた時、カース達に変化が起こった。
『グォオッ!!』
『フンッ!!』
隊員「な、何だ!? 急にエネルギーが増加した!?」
隊員「まずい、来るぞ!!」
見るからに隆々とした体躯へ変貌を遂げたカース達が、智香へ近づけさせまいと泥の弾丸を吐き出す。
隊員「ぐわっ!?」
隊員「くそっ、これじゃ近付けないぞ!」
9体のカースが次々に吐き出す泥の弾丸は、智香を追う隊員達を見事に足止めしてみせた。
その隙に、路地の奥へ奥へと逃げていく智香。
隊員「しまった、《トゥスロウス》が!?」
智香の姿が完全に見えなくなると、カース達も何処かへと消えていった。
突如智香から発された、場違いなほどに爽やかなエール。
それが響いた時、カース達に変化が起こった。
『グォオッ!!』
『フンッ!!』
隊員「な、何だ!? 急にエネルギーが増加した!?」
隊員「まずい、来るぞ!!」
見るからに隆々とした体躯へ変貌を遂げたカース達が、智香へ近づけさせまいと泥の弾丸を吐き出す。
隊員「ぐわっ!?」
隊員「くそっ、これじゃ近付けないぞ!」
9体のカースが次々に吐き出す泥の弾丸は、智香を追う隊員達を見事に足止めしてみせた。
その隙に、路地の奥へ奥へと逃げていく智香。
隊員「しまった、《トゥスロウス》が!?」
智香の姿が完全に見えなくなると、カース達も何処かへと消えていった。
745: 2016/02/04(木) 23:46:55.83 ID:A7LbD25lO
隊員「くそっ、反応は!?」
隊員「無い……どうやらカースの産み過ぎで、体内のエネルギーが少なくなっているようだ」
隊員「で、レーダーにも引っかからない、か……」
隊員「ともかく捜索を続けよう。《トゥスロウス》は被害報告の少ない個体ではあるもの、放っておくと何があるか分からん」
隊員達は四方へ散り、智香を探し回った。
智香「……はぁっ……はぁっ……」
足音が遠ざかるのを確認して、智香はそっと物陰から顔を出す。
カース……『ナイン』を今日だけで5回も召喚している、その内『力』を使ったのは2回。
流石にエネルギーの底が見え始めてきたが、そのお陰で追っ手を撒けたのは怪我の功名と言うべきか。
智香「今のうちに……どこか、隠れる場所を……」
ふらふらと歩き続ける智香は、やがて小さな廃ビルを見つけた。
智香「ここなら……」
中に人が居ないかを警戒しながら、智香はゆっくりと廃ビルの中へと足を運んでいった。
隊員「無い……どうやらカースの産み過ぎで、体内のエネルギーが少なくなっているようだ」
隊員「で、レーダーにも引っかからない、か……」
隊員「ともかく捜索を続けよう。《トゥスロウス》は被害報告の少ない個体ではあるもの、放っておくと何があるか分からん」
隊員達は四方へ散り、智香を探し回った。
智香「……はぁっ……はぁっ……」
足音が遠ざかるのを確認して、智香はそっと物陰から顔を出す。
カース……『ナイン』を今日だけで5回も召喚している、その内『力』を使ったのは2回。
流石にエネルギーの底が見え始めてきたが、そのお陰で追っ手を撒けたのは怪我の功名と言うべきか。
智香「今のうちに……どこか、隠れる場所を……」
ふらふらと歩き続ける智香は、やがて小さな廃ビルを見つけた。
智香「ここなら……」
中に人が居ないかを警戒しながら、智香はゆっくりと廃ビルの中へと足を運んでいった。
746: 2016/02/04(木) 23:47:43.58 ID:A7LbD25lO
彼女はカースを産み、使役する。
しかし彼女はカースドヒューマンではない。かといって悪魔でもない。
彼女はカースそのもの。
強大な力と知性を得た、7体のカース……その内の1体。
彼らは皆各々の『目的』の為、自由気ままに動く。
智香の『目的』はただ1つ、カースではなく人間になる事。
方法は知らない、有るのかも分からない。
それでも智香は、人間に憧れた。
自分を人間にする方法が有ると信じ、行く当てもなく駆け回る。
彼女に安らぎの日は来るのか。
それはきっと、神でさえも識らない。
続く
しかし彼女はカースドヒューマンではない。かといって悪魔でもない。
彼女はカースそのもの。
強大な力と知性を得た、7体のカース……その内の1体。
彼らは皆各々の『目的』の為、自由気ままに動く。
智香の『目的』はただ1つ、カースではなく人間になる事。
方法は知らない、有るのかも分からない。
それでも智香は、人間に憧れた。
自分を人間にする方法が有ると信じ、行く当てもなく駆け回る。
彼女に安らぎの日は来るのか。
それはきっと、神でさえも識らない。
続く
747: 2016/02/04(木) 23:48:25.65 ID:A7LbD25lO
若林智香
○職業
不明
○属性
カース
○能力
カースの生成、『呪詛声援』
○詳細設定
《七つの災厄》の1体、《トゥスロウス》。
カースの体を持ちながら人間に憧れ、人間になる方法を探している。
GDFやヒーローなどに襲われた際は、カースによる足留めに終始している。
○『呪詛声援』(カースドエール)
智香の固有能力。
「フレー! フレー! ○○!」のフレーズで発動し、対象の身体能力、魔力などを一時的に増大させる事が出来る。
また、その際に対象の肉体のみを意のままに操る事も出来る。
エールが聞こえた相手にしか効果が無い為、例えばGDFに向けてエールを飛ばしてもGDF全体にしか効果は無い。
○ナイン
智香が産みだす9体の人型カース。
カースに襲われた際に敵のカースと区別して『呪詛声援』を使う為に「ナイン」と名付けられている。
○関連設定
《七つの災厄》
○職業
不明
○属性
カース
○能力
カースの生成、『呪詛声援』
○詳細設定
《七つの災厄》の1体、《トゥスロウス》。
カースの体を持ちながら人間に憧れ、人間になる方法を探している。
GDFやヒーローなどに襲われた際は、カースによる足留めに終始している。
○『呪詛声援』(カースドエール)
智香の固有能力。
「フレー! フレー! ○○!」のフレーズで発動し、対象の身体能力、魔力などを一時的に増大させる事が出来る。
また、その際に対象の肉体のみを意のままに操る事も出来る。
エールが聞こえた相手にしか効果が無い為、例えばGDFに向けてエールを飛ばしてもGDF全体にしか効果は無い。
○ナイン
智香が産みだす9体の人型カース。
カースに襲われた際に敵のカースと区別して『呪詛声援』を使う為に「ナイン」と名付けられている。
○関連設定
《七つの災厄》
748: 2016/02/04(木) 23:49:01.83 ID:A7LbD25lO
キッド
○職業
不明
○属性
カース
○能力
カースの生成、光線、憤怒感情の増幅
○詳細設定
《七つの災厄》の1体、《トゥラース》。
外見は学ランと学生帽を身につけたにこやかな笑顔の少年。
『憤怒養殖』やカースを使い、憤怒の感情を集める事に固執している。
憤怒Pの事を「旦那」と呼び慕っているが、彼に作られたわけではない。
○憤怒養殖
キッドが憤怒Pの肉体を蘇らせる為に進めている策。
道行く人に「球」を埋め込み、怒りの沸点を下げて怒りやすくさせる。
その怒りを球に集め、後から回収して回る。
過剰に怪しまれたりしないように、球を抜き取られても後遺症などは残らないとの事。
○職業
不明
○属性
カース
○能力
カースの生成、光線、憤怒感情の増幅
○詳細設定
《七つの災厄》の1体、《トゥラース》。
外見は学ランと学生帽を身につけたにこやかな笑顔の少年。
『憤怒養殖』やカースを使い、憤怒の感情を集める事に固執している。
憤怒Pの事を「旦那」と呼び慕っているが、彼に作られたわけではない。
○憤怒養殖
キッドが憤怒Pの肉体を蘇らせる為に進めている策。
道行く人に「球」を埋め込み、怒りの沸点を下げて怒りやすくさせる。
その怒りを球に集め、後から回収して回る。
過剰に怪しまれたりしないように、球を抜き取られても後遺症などは残らないとの事。
749: 2016/02/04(木) 23:50:22.47 ID:A7LbD25lO
《七つの災厄》
「ザ・セブン・マスターカース」それぞれ7種のカースの中で最も強力な7体、通称『セブン』
外見は人間に近く、高度な知性を持ち、人語を解する。
七罪の悪魔には及ばないものの、それに迫る程の力を持っており、
各個体ごとに名前が付けられて、様々な組織から警戒されている。
GDFでは個体毎に「トゥ○○」(The One Of ○○の略)と呼んでいる。
「ザ・セブン・マスターカース」それぞれ7種のカースの中で最も強力な7体、通称『セブン』
外見は人間に近く、高度な知性を持ち、人語を解する。
七罪の悪魔には及ばないものの、それに迫る程の力を持っており、
各個体ごとに名前が付けられて、様々な組織から警戒されている。
GDFでは個体毎に「トゥ○○」(The One Of ○○の略)と呼んでいる。
750: 2016/02/04(木) 23:53:11.81 ID:A7LbD25lO
○イベント追加情報
みくが少しだけ短気になっています、他にも短気になってる人がいるかも…?
智香がこっそり街を歩いています
以上、《七つの災厄》の設定は没ネタスレから拝借しました
恐らくモバマス創作史上最も暗い智香ちゃんです(白目)
みくにゃんお借りしました
みくが少しだけ短気になっています、他にも短気になってる人がいるかも…?
智香がこっそり街を歩いています
以上、《七つの災厄》の設定は没ネタスレから拝借しました
恐らくモバマス創作史上最も暗い智香ちゃんです(白目)
みくにゃんお借りしました
751: 2016/02/05(金) 02:01:00.91 ID:ko/Gpcxr0
乙でしたー
人間になりたいカース…幸せになってほしいが…
そんでもって憤怒Pとキッドがなにか仕込んでらっしゃる…
…なんかみくにゃん被害受け過ぎなのでは(やった人)
人間になりたいカース…幸せになってほしいが…
そんでもって憤怒Pとキッドがなにか仕込んでらっしゃる…
…なんかみくにゃん被害受け過ぎなのでは(やった人)
【次回に続く・・・】
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