1: 2014/01/16(木) 19:53:03.97 ID:XvyTtJTm0
店主「いらっしゃい、ここは喫茶『アイドル』。私の経営する、閑古鳥と物好きの憩いの場よ」

店主「25で上司に辞表を投げつけた私が始めたこの喫茶店。最近、あるお客さんのお陰で……」

店主「お店にアイドルが来るようになりました」

――case1 菊地真

真「こんにちはー!」

店主「はい、いらっしゃい。カウンターへどうぞ」

真「アプリコットティー下さい」

店主「はい。アプリコットティー一つ」

店主「そうだ、今月号入ったよ」

真「! 本当ですか? じゃあ、読ませてもらいまーす、っと!」

ぷちます!(12) (電撃コミックスEX)

2: 2014/01/16(木) 20:02:24.09 ID:XvyTtJTm0
店主(彼女の名前は菊地真。ボーイッシュ系アイドルで、世の女性から絶大な人気を誇る女性アイドルだ)

店主(しかし、その実態は……)

真「ふわぁぁぁあああ! 今月も良いところで引くんですね!」

店主(少女漫画大好き、超乙女な女子高生が目の前に居た)

店主「真ちゃんはその漫画本当に好きね」

真「はい! こう、キュンキュンッとするというか……良いですよね、こういうの」

店主「まあ気持ちはわかるわ。私も十年くらい前女子高生だった頃は毎月ワクワクしてたし。はい、アプリコットティー」

真「あ、ありがとうございます」

店主「でも相変わらず仕事はアレなのね」

真「……そうなんですよ。聞いて下さいよ!」

店主「はいお姉さんが聞いてあげます」

真「またプロデューサーが男性服のモデルの仕事取ってきたんですよ! どう思います?」

店主「んー、『適材適所』としか」

真「えー……」

4: 2014/01/16(木) 20:14:08.21 ID:XvyTtJTm0
店主(彼女はどうやら「女の子らしくなりたい」と思っているらしい)

店主(私に言わせてみれば中身は完全に乙女なんだけど、世間が求める『菊地真』はやっぱりイケメンなんだろうか)

真「ボクはもっと、ふりふりフリルでキャピキャピした服とか着たいのになー」

店主「その、プロデューサーさん? に言ってみたら?」

真「言った結果がこれですよー」

店主「やっぱり世の女性達は『イケメン! 菊地真』を望んでるんだね……」

真「マスターもそう思ってるんですか?」

店主(何故かうちの店にくる客は私をマスターと呼ぶ。年下の女の子にくらい名前で呼ばれたいんだけどなぁ)

店主「別に私は別に別に。私が興味あるのは歌だし、真ちゃんが可愛い格好したいならするべきだと思うし」

真「歌かぁ……でも歌だって」

店主「『迷走mind』、特撮のテーマ曲みたいでカッコ良かったね」

真「やっぱり格好良いイメージじゃないですか! やっぱりボク可愛いイメージないのかなぁ……これじゃあなんの為にアイドルになったんだか」

店主(イケメン目指した結果女に仕立てあげられた子も居るし、アイドル業界って怖いのね)

店主「でも……」

真「?」

店主「『チアリングレター』、あれはどっちかというと可愛かったんじゃない?」

5: 2014/01/16(木) 20:24:48.90 ID:XvyTtJTm0
店主「確かに、世の女性ファンは真ちゃんの格好良いところを見たいのかもしれない」

店主「でも私がこうして見てる真ちゃんみたいな、『悩める乙女』って一面もある」

店主「真ちゃんは十分可愛い。ただ、それを上回って格好良いって話なんじゃない?」

真「か、かわい……。そう言われると、うーん……悪い気はしませんけど、でもやっぱり格好良いボクしか見てもらえてないような気がして」

店主「それはね、多分見せ方の問題」

真「見せ方?」

店主「真ちゃん、いつも自分の可愛いところどうやってアピールしてる?」

真「へ? そりゃあ、こう、こうして」グッキュッ



真「きゃっぴぴぴぴーん! まっこまっこr」
店主「それだよっ!」クワッ



真「なんで止めるんですか!」

店主「そんなの真ちゃんじゃないもん。それこそ誰も望んでないよ」

真「ひどい! やっぱりマスターも格好良いボクの方が似合ってるとか言うんですか!」

店主「いやそうは言ってない」

真「じゃあなんだって言うんですかー」プクー

店主「それ」

真「へっ?」

店主「今の今の」

真「これ?」プクー

店主「それ」

6: 2014/01/16(木) 20:33:45.82 ID:XvyTtJTm0
店主「真ちゃんは、わざとらしくする必要なんか全く無いんじゃないかな」

店主「今みたいな自然な仕草が一番可愛い」

真「そ、そうですか?」テレテレ

店主「そもそも私が真ちゃんの可愛さに気づいたのだって、うちの店に来て自然体を見せてくれたからだしね」

店主「特に雪歩ちゃんと一緒に居るときは二人共いい顔してるよ。これぞ女子高生! ってね」

店主「……はぁ、私もこんな女子高生になりたかった」

真「マスター?」

店主「は、いけないいけない」コホン

店主「つまりそういうこと。真ちゃんは自然体が一番可愛いってこと」

店主「例えば、ラジオ番組とか出てるんでしょ? そういう場で自然体で居れば、文字通り自然に『可愛い菊地真』も見てもらえるようになるはず」

真「成程……」

店主「多分プロデューサーさんも、真ちゃんの暴走が怖くて可愛い系の仕事が取れないんじゃ……?」

真「まさかそんな……。とにかく、こうしちゃいられない! プロデューサーに相談してみます」

店主「それがいいと思うよ。良い結果報告を待ってます。あ、出来れば出演するラジオとか教えて欲しいかなーって」

真「あ、じゃあメモ置いていきますね!」カキカキ

真「じゃあ、ありがとうございました。紅茶美味しかったです」

店主「ありがとう。お代210円です」

真「はい」

店主「またのお越しを」

真「また来ます!」カランカラン

店主「…………」

7: 2014/01/16(木) 20:42:00.70 ID:XvyTtJTm0
店主「その後、真ちゃんは同じ事務所の子のラジオ番組にゲスト出演し、『素の自分』を見え隠れさせながらトークに参加したようで」

店主「そのラジオ番組の受け持ってた子のファンを通じて男性ファンが増え、ついには冠番組を受け持ったとか」

店主「その名も『菊地真のファンシータイム』。多分少女趣味って意味で名前が付けられたんだろうけど、真ちゃんてきには、『やっと叶った幻想』ってところかな」

店主「名前といえば、うちの店の名前。うちにくるアイドルたちは皆して『Idol』だと思ってるけど」

店主「実は『idle』の方なんだよね。まあ、なんでもいいですけれど?」

Next→「喫茶『アイドル』に集うアイドルたち」―case2 如月千早

8: 2014/01/16(木) 20:42:36.56 ID:XvyTtJTm0
今日の分はこれで。
明日か週末には続きをば。

9: 2014/01/16(木) 21:06:02.51 ID:QxRapGI30
おっつーん 続き楽しみです

引用: 「喫茶『アイドル』に集うアイドルたち」