前回:「喫茶『アイドル』に集うアイドルたち」―case3.5 黒井崇男
45: 2014/01/19(日) 19:19:35.67 ID:rud/mwfo0
店主「子どもは人に迷惑をかけるのが仕事、なんて言った人も居たとか何とか」

店主「そうでなくても、悪戯心なんて子どもなら誰でも少しばかり持ってるもの」

店主「それでも半端な悪戯じゃ大抵許されちゃうのが、子どもの特権ってやつかなあ」

――case4 双海姉妹+α

亜美「おっす→」カランカラン

真美「来ったよ→ん」

店主「はい、いらっしゃ――」

伊織「ちょっと私も居るわよ」

やよい「お邪魔しまーす!」

店主「あり、伊織ちゃんと……えーと」

やよい「はじめまして! 私、高槻やよいって言いますー!」

店主「……! 高槻やよいって、『お料理さしすせそ』の!?」

やよい「知ってるんですか? うっうー! ありがとうございますー!」

亜美「さっきまで一緒に収録だったからそのまま来たんだYO!」

真美「お仕事の後はあま~いものが欲しくなりますなぁ~」

店主「ならティラミスなんてどう? 名前からして、疲れた時には丁度いいし」

亜美「おおー、名前の意味は分からないけど中々良さそうですなー!」

伊織「じゃあ、ティラミス4つ?」

やよい「え、私今そんなにお金持ってないよ……」

店長「どうせ残っても困るし、お茶の一つでも頼んでくれたらそれにサービスで付けるよ」

真美「おおー、太っ腹ですなー」

店長「誰の腹がドラム缶だって?」

伊織「誰も言ってないしアンタそんなに太ってないでしょうが」

店長「そりゃどうも」
ぷちます!(12) (電撃コミックスEX)

46: 2014/01/19(日) 19:37:19.55 ID:rud/mwfo0
店長(彼女たちは、皆765プロのアイドル。本当、雪歩ちゃんは福の神か何か? アイドルがこんなに通う喫茶店も中々無いわよ)

店長(私が案内するまでもなくカウンターに座ったのが双海亜美と双海真美姉妹。ちょっと髪が長いほうが真美ちゃんね)

店長(で、ウサギのぬいぐるみを抱えたお嬢様っぽい、というよりお嬢様の子が水瀬伊織。さっきの亜美ちゃんと同じユニットね)

店長(で、今日初めてうちにきた子が高槻やよい。時々見る料理番組の『お料理さしすせそ』は彼女の冠番組だ)

店長(巷で『口リカルテット』と呼ばれる四人ね。ユニットを越えた四人セットの仕事も多いらしいし、プレイベートでも仲が良いのね)

亜美「じゃあ亜美ミルクティーね!」

真美「じゃあ真美レモンティー!」

伊織「いつもの」

やよい「私は……カルピスで」

店主「はいよー、紅茶M、L一つずつ、オレンジジュース一つ、カルピス一つ。それに、ティラミス四つね」

やよい「てぃらみす? が、なんで疲れた時に丁度いいんですかー?」

店主「いつもなら私が誇らしげに説明するところなんだけど、今日は適任の子がそっちに居るから」

やよい「どうして? 伊織ちゃん」

伊織「なんで私に振るのよ……まあ知ってるけど」

亜美「教えてよーんいおりーん」

真美「真美も知らなーい」

伊織「ええい! あんたらはうっとおしい! ひっつくな!」

伊織「ぉほん、いい? ティラミスは元々イタリア語で「Tirami su!」って言って、『私を元気にして』って意味があるのよ」

店主「だから私は疲れた時は自分でティラミス作って食べてるのよ。まあ、ある意味自己暗示みたいなものだけど、案外元気になるものよ」

やよい「へぇー、イタリア語知ってるなんて凄いね! 伊織ちゃん」

店主「あれ、私は?」

亜美「マスターのはどうせ豆知識っしょ→?」

真美「いおりんのはガチだからね。海外行き慣れてる発言は兄ちゃんを驚かせたかんね」

店主「まあ、私のイタリア語知識は殆ど元上司の受け売りだけどさー」

亜美「ねー、ミルクティーまだー」

真美「真美のレモンティーもー」

伊織「少しは静かにしてなさいよ……」

店主「はい、オレンジジュースとカルピス」

真美「ちょ」

47: 2014/01/19(日) 19:46:12.57 ID:rud/mwfo0
店主「いや、だってジュース類は、ねえ?」

亜美「ふっ、でも紅茶の方がオレンジジュースより大人っぽいし……」

店主「いや、よく分からない」

やよい「私は二人のお茶が出てくるまで待ってるね」

真美「おおっ、ここに天使が居る……!」

伊織「ちょっ、もう飲んじゃったじゃないの」アタフタ

店主「慌てる伊織ちゃんも中々可愛いもんだけどね」

伊織「なっ」

真美「マスター、兄ちゃんと同じ事言ってるー、変態さんだー」

店主「変態とは失礼な。っていうかプロデューサーさん変態呼ばわりされてるのか……」

亜美「前普通に胸触ってきたしね」

店主「変態じゃないの」

伊織「仕事は出来るのにああいうところが惜しいわ……」

やよい「そうなの? 私そういうことされたことないよ?」

亜美「流石の兄ちゃんも天使の前には手が出せなかったか……」

真美「兄ちゃんにもそういう心はあったんだね……」

店主「酷い言われようねプロデューサーさん」

伊織「まあ私と亜美は担当プロデューサーじゃないけどね」

亜美「あっちはあっちで恐いけどね」

伊織「恐ろしさで言ったら段違いね」

真美「二人共、それはりっちゃんに聞かれたらアウトだよね」

店主「765プロって恐ろしいところだね」

48: 2014/01/19(日) 19:55:26.09 ID:rud/mwfo0
店主「はい、ミルクティーとレモンティー。分かってると思うけど熱いから気をつけてね」

真美「大丈夫だYO! 真美たちそんなにおこちゃまじゃ」

亜美「あちっ」

真美「…………」

店主「…………」

亜美「なんだろう、凄く冷たい視線を感じる……視線は冷たいのに舌は熱い」

店主「誰が上手いこと言えと」

伊織「アイドルが舌火傷するとか冗談じゃないわよ」

亜美「マスターが言うの遅いからだよ!」

店主「逆ギレも甚だしいわ」

やよい「マスター……? なんでマスターって呼ばれてるんですか?」

店主「分かんない。いつの間にか皆そう呼んでたから」

店主「雪歩ちゃんは最初の頃名前で呼んでくれてたはずなんだけどな……おかしいなあ……」

伊織「でもマスターって呼び方もまんざらじゃないんでしょ?」

店主「ここが喫茶店じゃなくてバーだったら喜んでたけどね」

亜美「バーだったらママって呼ばれてる気がするな」

店主「私まだそんな年じゃないもん!」

真美「ピヨちゃんとあんまり変わんない気がするけど」

店主「二人はなんなの? 同じ事務所の大人に恨みでもあるの?」

伊織「それが天然よ」

店主「恐ろしい双子……」

やよい「カルピス美味しいですー!」

店主「嬉しいけどそれ作ったの私じゃないから複雑」

真美「これは手作りティラミスに期待ですなぁ」

亜美「ティラミスと契約して亜美たちを元気づけてYO!」

店主「誰が魔法少女か」

49: 2014/01/19(日) 20:03:49.94 ID:rud/mwfo0
店主「という訳ではい、ティラミス。ボロボロするから気をつけてね」

亜美「ほほう、これはこれは」

真美「高級っぽい見た目ですなぁ」

伊織「ん、中々美味しそうじゃない」

やよい「はわっ! てぃらみす? ってケーキだったんですか!」

伊織「何だと思ってたの?」

やよい「……プリン?」

店主「成程、ティラミス風プリン……良いかもしれない」

真美「変な所でマスターが刺激されてるよ」

亜美「やよいっちのじゆーなかんせーの革モノだね」

伊織「それを言うなら賜物でしょうが」

やよい「へぇ~……これがティラミスって言うんだー……」

伊織「……食べないの?」

やよい「え? あ、そうだね! 食べよっか!」

亜美「じゃあ」

真美「いっただっきまぁーす!」

伊織「頂きます」

やよい「頂きます!」

店主「はい、召し上がれ」

亜美「ふむふむ」モグモグ

真美「これはこれは」モグモグ

伊織「美味しいじゃない……ちょっと甘すぎる気がするけど」

やよい「んん~! 美味しいですぅー!」

店主「それは良かった」ニコ

50: 2014/01/19(日) 20:14:50.68 ID:rud/mwfo0
店主「そういえば、私基本的に自分用に作るおやつ類ってティラミスが基本なんだけどね」

亜美「ふむ?」モグモグ

店主「ティラミスって調子に乗って作ると後の方飽きてきてさ、食べきれないってことが割りとあり得るのよ」

真美「まあ確かに、何日も連続で食べるには辛い味ですな」

伊織「元々味が濃いからしょうがないっちゃしょうがないけどね」

やよい「でも食べきれなくて捨てちゃうのはもったいないかなーって……」

店主「で、色々考えた結果、面白い食べ方を思いついたわけよ」

亜美「ほほう?」

真美「真美たちに普通に食べさせておきながら後出しとは感心しませんなー」

店主「まあ余談程度だから。なんならリクエストで今度から出すよ?」

伊織「ふぅん、うちでもティラミスは良く食べるし、聞いておこうかしら」

店主「まあ食べ方って言っても、凍らすだけなんだけどね」

真美「ケーキを凍らすの!?」

店主「食感が変わるだけで結構変わるわねあれ。アイスケーキってあるじゃない? あんな感じ」

やよい「あっ、それだったら私もやったことあります! チーズ蒸しパンを冷凍庫に入れておくとチーズケーキみたいになるんですよ!」

店主「…………」

伊織「…………」

亜美「あり、二人が凍っちったよ」

真美「へんじがない ただのしかばねのようだ」

店主「……ティラミス、余りそうだから持って帰る……? やよいちゃん」

やよい「え、ティラミス貰っても良いんですか? そしたら弟達にも食べさせてあげられます!」

伊織「チーズケーキも、食べたかったらいつでも用意するわよ……」

やよい「えっ、そんな、悪いよ伊織ちゃん」

真美「いつも通りな感じだね」

亜美「いつも兄ちゃんがやってることをマスターがやってるだけだね」

店主「確か奥にタッパーが……」

亜美「あ、これ兄ちゃんみたいに口だけじゃない、ガチだ」

51: 2014/01/19(日) 20:26:42.43 ID:rud/mwfo0
店主「そういえば、四人とも一緒に収録って言ってたけど何の番組だったの?」

やよい「子供番組で使う歌のPVの撮影と、そのCDの宣伝ラジオ生放送です!」

店主「あー生放送だったのかー。知ってたら聞いたのに」

亜美「実は亜美たち四人じゃないんだけどね」

伊織「まさかこんな所で961プロとコラボするなんて思わなかったわ……」

店主「ん? コラボだったんだ」

真美「新曲は『ビジョナリー』って言うんだよ。CD出来たらプレゼントしてあげるYO!」

店主「おお、それは嬉しい。765プロのCDは集め始めるとキリがないね。ほら、そこのCDラックみてよ」

伊織「うわ凄い。デビュー直後の私のCDまである……」

亜美「うわー懐かしい! この頃って真美と二人でやってたんだよね!」

やよい「でもこの間出たばっかりのCDもあるよ」

店主「一部は貰い物だけど、半分以上は自分で揃えたよ。いやあ、カネがかかる」

真美「765プロにハマっただけでよかったね。これがCGプロモーションだったらマスター大破産だよ」

店主「所属アイドル数が桁違いじゃない。あそこと比べたら大体の所は負けるわ」

伊織「それにしても節操のないラインナップね。ジャズにクラシックにアニソンに私達のCD……あ、『プリコグ』もあるじゃない」

亜美「むむ、こちらには『オーバーマスター』もありますぞいおりん隊員」

店主「ジャズは元々の趣味、クラシックは千早ちゃんの影響で、アニソンも趣味ね。あと、ラックには置いてないけど演歌も聴くわよ」

伊織「守備範囲広すぎよ」

真美「そろそろメタルバンドとかに手出しそうだね」

やよい「見て、伊織ちゃん! 私のファーストアルバムもあるよ!」

亜美「やよいっちが楽しそうでなによりだYO」

52: 2014/01/19(日) 20:42:00.98 ID:rud/mwfo0
店主「ん、ところでそろそろ五時回るけど大丈夫? 日も落ちてきたけど」

亜美「んー、まだ大丈夫だけど」

真美「でもそろそろ帰った方がいいかもね」

亜美「そういえば事務所に真美のゲームギア置いてきちゃったよ」

真美「ちょっ、借りたものを忘れるとか最悪っしょ! 取りに行かないと」

店主「渋いなチョイス」

やよい「私もそろそろ帰りますー。今日はタイムセールが六時からだから、帰りにスーパー寄らないと」

伊織「近くまで送りましょうか? あ、でもそうしたら早すぎるわね」

店主「あ、伊織ちゃんが送っていけるなら、先にやよいちゃんの家に行ったらどう? ほら、タイムセールにこれは邪魔だろうし」ドンッ

真美「タッパー一杯に詰まったティラミスとか初めて見たYO」

亜美「圧巻としか言いようがないね」

やよい「本当に貰っていいんですか?」

店主「もちろん」

伊織「じゃあ、一旦やよいの家に行ってからスーパーまで送りましょうか」

やよい「お願いしてもいい? 伊織ちゃん」

伊織「当然よ、伊織ちゃんに任せなさい」

真美「そんなことより真美は事務所に放置されたゲームギアが心配だよ」

亜美「マスター! お勘定!」

店主「うちは飲み屋か。えーと、二人はそれぞれ210円ずつね」

亜美「亜美がまとめて払うから真美はあとで返してね」チャリン

真美「あいあいさー」

店主「はい毎度あり。お釣り80円ね」

伊織「私たちもお願い」

店主「二人とも160円ね」

伊織「一々小銭出すのめんどくさいわね」チャリン

やよい「うっうー! ご馳走様でした!」チャリン

店主「はい、ありがとございました。またのお越しを」

亜美「じゃあ、まったねーん」カランカラン

真美「また来るよー!」

伊織「今度からカード対応にしたら?」

店主「それ誰かにも言われた」

やよい「私もまた来ますね! ティラミスありがとうございますー!」

店主「はい、どういたしまして」

店主「…………」

53: 2014/01/19(日) 20:46:39.19 ID:rud/mwfo0
店主「件の四人が撮影したというPVを見るため、子持ちでもないのにこの歳になって子供番組を見てみたり」

店主「成程あれは可愛いね。コラボしてた子が意外だったけど、そういえば事務所の方針変更からはクールキャラやめたんだっけ」

店主「そういえば、本人のイメージと歌のイメージが一緒じゃない子って案外居るわね。あの子も普段から想像つかない乙女チックな曲歌ってたし」

店主「普段は湯気が怖くてコンタクトだけど、ちょっと真似して……」

店主「私のメガネ、好き? 嫌い? なーんてね!」

Next→「喫茶『アイドル』に集うアイドルたち」―case5 秋月律子+α

54: 2014/01/19(日) 20:48:59.58 ID:rud/mwfo0
今日の分はこれで。
響だと思った? 残念、りっちゃんでした!

どうでもいいけど私が初めてプレイしたアイマスがSP星なので、ワンダリングスターのアイドルには愛着があります。
今は秋月P(自称)だけど。

55: 2014/01/19(日) 21:07:45.79 ID:kMomIkJSo
りっちゃんきたー!これで勝つる!

引用: 「喫茶『アイドル』に集うアイドルたち」