前回:【喫茶『アイドル』】笑みながら 見る和の心 凛として
95: 2014/02/10(月) 18:35:18.19 ID:aaoBKyNH0
店主「女性に年齢を聞くことが失礼なこと、というのは暗黙の了解で、大体の人が心得ていることよね」

店主「でもだからと言って、自分の予想で相手の年齢を思い込んでしまうのも駄目。難しいところね」

店主「まあ私は女だし? 全く遠慮もなく歳は聞くし、聞かれても正直に答えるけどね。どっかの誰かと違って」

――8th & 9th person 『大人のレディ(自称)と可愛いレディ(自称)』

店主「舞い上がりぃぃぃぃぃ揺れ落ちるぅぅううううう!」

早苗「肩の向こうにぃ、あぁなたあああぁぁぁぁ……」

二人「「山がぁぁぁぁあぁ燃えるうぅぅぅ」」

~♪

店主「……ふぅ、やりきったわ」

早苗「久しぶりに熱唱した気がするわ」

店主「忘年会かと」

早苗「年明けて一ヶ月しか経ってないけどね。まあ、雪かき終わりのお疲れ様会ってことで」

店主「助かったわ、早苗さんが手伝ってくれて。店の前はやっておいたけど、店の周り全部は回れなかったから」

早苗「いつもこのお店には世話になってるから、このくらいのお手伝いは当然よ」

店主「ありがたい。じゃあ、なんか飲み物一杯くらいはサービスしようかな」

早苗「お? じゃあ、熱燗……」

店主「早苗さん酒癖悪いから駄目」

早苗「あるにはあるのね……。じゃあ、無難にカフェオレでも貰おうかしら。熱いのをね」

店主「はい、カフェオレ一つ。私の分も作っちゃおう」

早苗「はー、外が寒かったから店の中は天国ね……雪かきは腰に負担が……ってまだ歳じゃないわよ!」

店主「早苗さんが歳だったら私も近いもんじゃない」

早苗「ま、まだ私はお姉さんだから……」

店主「この店ではお客が28だろうが50だろうが私がお姉さんなのよ」

早苗「成程、お・ね・え・さ・ん?」

店主「あ、やっぱなしで」

早苗「なんでよ」

店主「ガチで妹みたいに見える」

早苗「身長でかいからって調子に乗るんじゃないわよ?」

店主「いやいやまさか。はい、カフェオレ」

早苗「どうも。ん、美味し熱っ!」

店主「そりゃ熱いわ」

カランカラン
ぷちます!(12) (電撃コミックスEX)

96: 2014/02/10(月) 18:49:31.51 ID:aaoBKyNH0
真「おっ邪魔しまーっす!」

店主「あら、いらっしゃい。……ん? そちらは?」

このみ「はじめましてー、馬場このみです」

店主「765プロの後輩の子?」

真「先月入ったばかりなんですよ」

店主「成程。さ、カウンターへどうぞー」

真「マスター、僕はジンジャーティーで」

このみ「じゃあ私はミルクティー」

店主「はい、ジンジャーティーと紅茶M一つずつ」

真「ふぅー、外は寒くて大変で……ん?」

早苗「……あれ、キミは」

真「片桐さん!?」

早苗「早苗で良いってば。久しぶり」

このみ「知り合い?」

真「ええ、まあ……」

早苗「中々に良い試合だったわ。婦警時代もあそこまで白熱した試合はないかも」

店主「真ちゃんと早苗さんはどういった関係なの?」

真「この間、『芸能人スポーツ選手権』って番組に出たんですけど、格闘技部門で僕が出場して……」

早苗「運が悪かったわね、生憎私は有段者だから。空手じゃそうそう負けないわ」

このみ「真ちゃんが負けたの!?」

真「結構頑張ったのになぁ……」

店主「早苗さんはこう見えて元婦警だからね、そりゃ強いのも当然だわ」

早苗「抵抗したコンビニ強盗を投げ飛ばしたこともあるわよ?」

このみ「なんて恐ろしい……」

真「空手だったから良い線まで行けたけど、ほかの競技なら瞬きする間に負けてたかもしれない」

店主「否定出来ないわね」

97: 2014/02/10(月) 19:40:30.33 ID:aaoBKyNH0
店主「ん? そういえば、さっきから聞いてる感じだと……このみちゃんって真ちゃんより年上?」

真「はい。やっぱり初対面だと分かりませんよね」

このみ「これでも24よ」

早苗「24!? 冗談、どう見たって小学生って感じなのに」

このみ「貴女だって似たようなもんじゃない!」143

早苗「私だって28よ! それに私の方が圧倒的に背が高いわ!」152

真(10センチは違うかな……)159

店主(二人とも私から見れば変わんないんだよなぁ……)172

このみ「ほら! 保険証!」

早苗「……24ね」

このみ「ほらぁ!」

真「早苗さんは警官だった話で疑いようもないけどね」

早苗「悪い事したら捕まえる……というか、シバく♪」

真「逃げられる気がしない」

店主「勝ち目がないわね」

このみ「……ん? でも、警察って身長制限あった筈じゃあ……」

店主「ああ、警察の身長制限って、格闘技の大会実績とかで免除されるから」

早苗「そそ。空手、柔道、合気道……大会成績の自慢話なら二時間は余裕で出来るわよ?」

真「今更だけど、スポーツ選手権のスタッフはなんで早苗さんの出場を認めたんだろう」

店主「真ちゃんならイケると思ったんじゃない?」

真「買いかぶりすぎですよ! あ、そういえばこの間プロデューサーが取ってきた仕事も……」

店主「また男っぽい仕事だったの?」

このみ「なに、プロデューサーへの文句? 私もこの間プロデューサーが取ってきた仕事に納得がいかないわ!」

真「プロデューサーってば――」
このみ「プロデューサーったら――」

真「特撮ヒーロー劇場版のメイン敵役の仕事取ってきたんですよ!?」
このみ「小学生向けのランドセルモデルの仕事取ってきたのよ!」

早苗「……コメントしづらいわね」

店主「とりあえず、真ちゃんから詳しく」

98: 2014/02/10(月) 19:50:54.09 ID:aaoBKyNH0
真「特撮ヒーローの」

店主「うん」

真「劇場版の」

店主「うん」

真「敵役」

店主「嫌なの?」

真「生身アクションにも自信ありますし、良いんですけど……僕のやる敵って、設定上性別不明っていう微妙なラインで……」

店主「……完全な男役よりはグレードアップしたんじゃないかな?」

真「いえ、これで上映されてから、見た人が皆男として認識したらどうしようかと……」

店主「ふぁ、ファンシーなイメージも広まってるから大丈夫よ、きっと」

早苗「でも私との試合中はものすごい男らしかったけどね」

真「うぐっ」

早苗「生身アクションがあるなら、少し工夫しないと男にしか見えないんじゃあ……」

真「うぅ……せめて僕のやる役の次くらいに出番のある女幹部の方が良かった……」

店主(女幹部のセクシー衣装は、ちょっと真ちゃんには似合わない気がするなあ)

このみ「それなら私だってひどい話よ……」

店主「このみちゃんは……ランドセル、だっけ」

このみ「説明を聞いた時、プロデューサーは確かにグラビア撮影の仕事だって言ってた、言ってたはずなのに……」

このみ「現場に行けば渡されたのは私立小学校っぽい制服と赤いランドセル! あれのどこがグラビア撮影よ!」

早苗「うちのプロデューサーよりもひどいわね……私ならシメてるわ」

真「早苗さん、プロデューサー氏んじゃいますって」

このみ「真ちゃんのバーサーカーコンボ(アッパー→正拳突き→のしかかり→まこちースペシャルVer.真)を受けても無事なんだから大丈夫よ」

このみ「この私のセクシーな大人の魅力を分からないなんて、一回シメられてしまえばいいわ」

店主「怒り心頭に発する、って感じね」

99: 2014/02/10(月) 20:00:42.95 ID:aaoBKyNH0
店主「っていうか、セクシーな大人の魅力、ねぇ……」

このみ「?」

店主「」チラッ

真「」ストーン

このみ「」ストーン

早苗「」ポヨン

店主「…………」チラッ

店主「」ストーン

店主「多分一番大人の魅力溢れてるのは早苗さんじゃないかな」

早苗「え? な、何よ突然」

真「……ああ、そうですね。身長に対して凄すぎますよね」

店主「私なんかその逆を行っているというのに」

このみ「くっ……私には大人の魅力が無いっていうの?」

店主「それはまあ……『適材適所』としか」

このみ「えー……」

真「なんかこのやりとり前も見たことある気が……」

早苗「そうなの? ……そうだ、ついでだから私もお仕事の相談しちゃおっかな」

店主「そういうお店じゃないんだけどね。まあ、お姉さんが聞いてあげましょう。この店で私は皆のお姉さんだからね」

早苗「じゃあ、お言葉に甘えて、お・ね・え・さ・ん」

店主「なんだい妹よ」

早苗「私の方が年上だってば!」

早苗「……ぶっちゃけて言うと、」

早苗「私も大人っぽい仕事が欲しいの!」

店主「それは……頑張ってとしか」

早苗「なんで私の相談は前の二人より適当なの!?」

店主「だって、早苗さんなら頑張ればそういう仕事来そうだもん」

このみ「遠回しに私には来ないって言われた気がする」

真(口に出しては言わないけど、あのプロデューサーの感じだとその通りな気がするなあ)

100: 2014/02/10(月) 20:12:49.38 ID:aaoBKyNH0
早苗「Boo,役に立たないお姉さんね」

店主「だって、アドバイスしようがないもの。やろうと思えばいつだって出来そうだし」

早苗「そうかしら? まあ、それなら帰り次第プロデューサーに相談ね」

真「僕もプロデューサー相談したら女の子っぽい仕事増えるかなー」グデー

このみ「私はどうしたらいいのかしらー」グデー

早苗「……そういえば、今ふと思ったんだけど」

このみ「?」

早苗「このみちゃんって、うちの事務所の事務員にどことなく似てるのよね……」

店主「事務員? そういえば、CGプロの事務員の人ってどんな感じなのか知らないわね」

早苗「うーん、見た目はこのみちゃんがおっきくなった感じで、」

このみ「私これ以上大きくなれるかな……」

真「ああ、さっきのマスターの一言でこのみ師匠がネガティブに」

早苗「あと、性格面は一言で表すなら守銭奴かな!」

店主「事務員としては非常に優秀で、これこそまさに『適材適所』って感じね」

早苗「よくプロデューサーに栄養ドリンク売りつけて金巻き上げてるわ」

店主「前言撤回、事務員よりもセールスウーマンの方が向いてるんじゃないかな」

早苗「私もそう思うわ」

このみ「私と似てるのか……直接あったら体入れ替わったりしないかな」

真「このみ師匠の思考までトリップし始めましたよ! マスター!」

店主「私のせいなの!?」

このみ「良いもん……いつか絶対にセクシーな衣装で撮影してやるわ! むきー!」キー!

真「ぼ、僕だって絶対にフリフリの衣装で踊る仕事をしてやるーっ!」ギャオーン!

早苗「二人とも、ここお店の中だから」

店主「お客さん居ないけどね」

102: 2014/02/10(月) 20:28:23.92 ID:aaoBKyNH0
店主「……っと、うちの店で雄叫びを上げた二人だけど……この後、意外な形でこの願いは叶うのよ」

店主「まずこのみちゃんは、なんとどういう因果か、早苗ちゃんと共演することになったのよ」

店主「その番組の名は『ミニマム・ビューティー』、背の低い女の子を対象にし、身長155センチ未満の子がファッションショー形式でコーディネートを魅せていく番組よ」

店主「このみちゃんは念願の仕事だったらしいけど……流石にジャガーのコートはどうかと思うわ、このみちゃん」

店主「……まあ、早苗さんのボディコンよりはマシかしら。本当にアレ全国の背の低い女の子が参考にできるのかしら」

店主「で、真ちゃんの方はというと、なんと映画のシナリオが変更されて、序盤は主人公側に味方する女戦士、終盤は主人公を裏切りラスボスとしての正体を現すという役に」

店主「結果、真ちゃんは映画の前半部分だけだけど、フリフリ衣装で踊って(戦って)たらしいわ。人生何が起こるか分からないわね」

店主「そういえば、そう……人生は何が起こるか分からないけど、人生が終わった後に何があるかは、それよりも分からないわね。って、『あの子』が言ってたわ、ふふ」

Next→『古都生まれのTさん』

103: 2014/02/10(月) 20:30:29.71 ID:aaoBKyNH0
今日の分はこれで。
因みに、この後このみさんは、年長者の風格を持っていることに気づいた765Pによってセクシー路線も増えたとかなんとか。やったねこのみさん、コアなファンが増えるよ!

次回は、もはやタイトルがネタバレ。次回の主役は、CG一人なのか、それともCG765で二人なのか、もう一人どこかにいるのか……

104: 2014/02/10(月) 21:56:00.75 ID:ylBPXCym0
乙です

まこちースペシャルVer.真って、まこちーに伝授でもされたのか?ww

引用: 「アイドルの集う喫茶『アイドル』」