1: 2020/01/27(月) 21:45:17 ID:t1gL2Z8C0.net
原始時代――

男「ぐぅ、ぐぅ、ぐぅ……」

男「もう食えないよぉ~……」

男「……ん」

男「やべっ! 寝すぎた! もう日が昇ってんじゃん!」ガバッ

男(豆食って……)バリボリ

男(すぐ出かけ――)

男「おっと、石斧持ってかなきゃ!」サッ

タタタタタッ
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)

3: 2020/01/27(月) 21:49:07 ID:t1gL2Z8C0.net
男「おはようございまーす!」

女上司「まったくもう……日はとっくに昇ってるわよ?」

男「すみません!」

男(相変わらず胸が大きい……)チラッ

女上司「コラッ、どこ見てるの!」

男「す、すみませんっ!」

6: 2020/01/27(月) 21:52:21 ID:t1gL2Z8C0.net
先輩「いつもいつも遅刻しやがって。新人も入ったってのに示しがつかねえだろ」

男「すみません……」

先輩「それに武器は相変わらずそのシケた石斧かぁ?」

先輩「やっぱ今時、リーチのある石槍だぜ。お前も槍にしろって!」

男「俺はこの石斧が一番いいんですよ!」

先輩「へっ、足手まといになんじゃねえぞ」

10: 2020/01/27(月) 21:55:22 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「コラッ、喧嘩しないの。私たちの仕事はマンモスを倒すことなんだから!」

女上司「さあ、マンモス狩りに行くわよ!」

先輩「はいっ!」

男「はい!」

新米「僕も頑張ります!」

男「ああ、ただし無理しないようにな」

11: 2020/01/27(月) 21:58:19 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「あれね……」



マンモス「……」ズンズン



女上司「そこまで大きいマンモスじゃないわね」

先輩「あれならさほど苦戦せずにいけそうっすね」

女上司「だけど油断しちゃダメよ」

男「……」

新米「ドキドキします……」

13: 2020/01/27(月) 22:01:35.119 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「いくわよ! セオリー通り、背後から囲んで攻撃するわ!」ダッ

先輩「はいっ!」ダッ

新米「は、はい!」タッ

男「……」

男(今日は遅刻しちゃったし、先輩は見返したいし、新米にはいいとこ見せたい)

男(なにより女上司さんを振り向かせたい――)

14: 2020/01/27(月) 22:05:19.586 ID:t1gL2Z8C0.net
男「俺だってやれることを証明してやる!」ダッ

マンモス「パオォォォォン!」ブウンッ

バチンッ!

男「げぶっ!」



女上司「男君!」

新米「ああっ!」

先輩「ちっ、正面から突っ込みやがって……何やってやがる!」

15: 2020/01/27(月) 22:08:21.635 ID:t1gL2Z8C0.net
先輩「うおりゃ!」グサッ!

新米「だっ!」ザクッ!

マンモス「パオオッ!」

女上司「はあっ!」ピョーンッ

先輩「すげえ跳躍力だ!」

女上司「頭上を取ったわ……てやっ! てやっ! せやぁっ!」ザクッ! ザクッ! ザクッ!

マンモス「パオォォォ……」

ズズゥン…

17: 2020/01/27(月) 22:12:38.718 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「大丈夫?」

男「斧でガードしてましたから……」

女上司「コラッ、マンモス狩りでは油断しちゃダメっていったでしょ!」

男「す、すみません……」

先輩「ったくよぉ~、新米のがよっぽど役に立ってたぜ!」

男「うう……」ガクッ

女上司「気持ちを切り替えなさい。ちょっとここで休みましょ」

女上司「新米君は、他にマンモスがいないか見てきてくれる?」

新米「分かりました!」

18: 2020/01/27(月) 22:15:11.056 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「手柄を立てたい気持ちは分かるわ。だけど焦っちゃダメ」

男「はい……」

女上司「大丈夫よ。あなたはやれる人なんだから」

男「そうでしょうか……」

女上司「そうよ。自信を持って」

男「ありがとうございます」

19: 2020/01/27(月) 22:18:25.160 ID:t1gL2Z8C0.net
男「ところで、一度聞きたかったんですけど」

女上司「ん?」

男「どうしてあなたは狩りを? 普通、狩りは男の仕事なのに……」

女上司「んー、なんでだろ」

女上司「女でも男の仕事をやれるんだってことを証明したかったからかな?」

女上司「ほら私って、負けず嫌いだから……」

男(遠い未来の女性が言いそうなことを、今の時代から考えてるなんてすごいなぁ)

21: 2020/01/27(月) 22:21:32.374 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「だけどなかなか難しいわね。どうしても女は男に腕力では劣るし……」

女上司「きっとみんな、女のくせにだなんて思ってるんじゃない?」

男「そんなことありませんよ!」

男「俺だって先輩だって新米だって、みんなあなたを尊敬してるんですから!」

女上司「ふふ、ありがとう」

新米「あのっ! 報告です!」タタタッ

女上司「どうしたの?」

新米「マンモスがいました! ものすごく大きいのが……!」

23: 2020/01/27(月) 22:25:39.101 ID:t1gL2Z8C0.net
大マンモス「バオォォォォォン!!!」ズシンズシン…



先輩「で、でけえ……!」

新米「でしょう? こんなの初めて見ました!」

男「どうしますか……!?」

女上司「もちろんいくわ」

女上司「あれを仕留めれば、私たちの集落は当分食糧に困らなくて済むもの」

24: 2020/01/27(月) 22:28:28.232 ID:t1gL2Z8C0.net
先輩(風下から近づいて……)コソコソ…

先輩「てぇやぁぁぁっ!」ザクッ!

大マンモス「!」

先輩「オラッ! オラッ!」グサッ! ドスッ!

大マンモス「バオオン!」

先輩「くそっ、ビクともしねえ!」

大マンモス「バオォォォォォン!」ブオンッ

バシィッ!

先輩「うぎゃあっ!」

25: 2020/01/27(月) 22:31:32.212 ID:t1gL2Z8C0.net
男「先輩が……!」

女上司「私が行くわ!」ダッ

女上司「だああああっ!」ドシュッ!

大マンモス「バオッ!」

大マンモス「バオォォォォォン!」シュルルルルッ

ギュッ!

女上司「きゃああっ!」



男「鼻に捕まった!」

新米「ひ、ひいいい……!」

26: 2020/01/27(月) 22:35:18 ID:t1gL2Z8C0.net
グググ…

女上司「あ、ぐぅぅぅ……あ、ああっ……」ミシミシ…



新米「どうしましょう!? このままじゃ絞め殺されちゃいます!」

男「お前は回り込んで、後ろからマンモスを攻撃してくれ」

新米「先輩は?」

男「俺は……真正面から突っ込む!」

新米「無茶ですよ! さっきだってそれやって失敗したじゃないですか!」

男「だけどマンモスの顔面を狙わなきゃ、あの人は助けられない!」

27: 2020/01/27(月) 22:38:29 ID:t1gL2Z8C0.net
男「うおおおおおおおおおおっ!!!」ブオンッ

バキッ!

大マンモス「バオッ!?」

女上司「男君……!?」

男「だりゃあっ! うりゃあっ! でりゃあっ!」

ドカッ! バキッ! ガンッ!



先輩「うぐ……。あいつ……なかなか、やるじゃねえか……」

28: 2020/01/27(月) 22:41:19 ID:t1gL2Z8C0.net
男「女上司さんを……はなせぇ! はなせぇ!」ブオンッ

ドゴォッ!

大マンモス「バオオッ!」

女上司「きゃっ!」ドサッ

男「待ってて下さい……。すぐ仕留めてきますから」

女上司「うん……」ドキッ

30: 2020/01/27(月) 22:44:34 ID:t1gL2Z8C0.net
新米(後ろからも援護を!)グサッ! グサッ!

大マンモス「バオッ……!?」

男(よし、後ろに注意が向いた!)

男(頭に飛び乗って……)バッ

男「ドタマかち割ってやる!」

男「どっせぇい!」ブオオンッ

ドゴンッ!

大マンモス「バオオッ!」

31: 2020/01/27(月) 22:47:21.545 ID:t1gL2Z8C0.net
男「オラァッ!」

ドガッ!

男「もういっちょう! もういっちょう! もういっちょう!」

ドカッ! ガッ! ドカッ!

男「くたば……れぇい!!!」

ドカァンッ!

大マンモス「バオオ……オ……オォ……ン……」ズズン…

男「ハァハァ……や、やった……!」

男「やったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

33: 2020/01/27(月) 22:50:32.367 ID:t1gL2Z8C0.net
男「へへ……どんなもんですか」

先輩「へっ、認めざるをえねえな……」

新米「かっこよかったです!」

女上司「やっぱりあなたはやればできる子だったわね」

男「ありがとうございます!」

女上司「さあ、人を集めてマンモスを持ち帰るわよ!」

オーッ!!!

35: 2020/01/27(月) 22:53:42.303 ID:t1gL2Z8C0.net
……

女上司「マンモス肉、おいしかったわね」

男「ええ、自分で仕留めた肉の味は格別でしたよ」

女上司「今日の戦いぶりは本当にすごかったわ。まさに……豪傑って感じだったもの」

男「褒めすぎですよ……」

女上司「私……あなたに惚れちゃったかも」

男「え……!」

女上司「今の時代、男の価値はなんたって強さよ。あなたにはその強さがある」

女上司「二人ともお肉を食べてたっぷり精力ついたし……いいでしょ?」ギュッ

男「は、はいっ……」

36: 2020/01/27(月) 22:55:42.713 ID:t1gL2Z8C0.net
女上司「ハァ、ハァ、ハァ……!」

女上司「どうやら……私も油断してたようね」

女上司「あなたがこんな立派なマンモスを持ってたなんて……!」

男「いやぁ、どうも」パオーン







おわり

37: 2020/01/27(月) 22:58:20 ID:hHW488BKr.net

パオーンじゃねえよww

引用: 原始人女上司「コラッ、マンモス狩りでは油断しちゃダメっていったでしょ!」