1: 2024/01/28(日) 22:02:38.23 ID:rZ1qUBpL.net
遥「うっ……うっ……」

彼方「よしよし……まだ彼方ちゃんがいるからね」

遥「おかあさん……おかあさん……」グス

彼方「大丈夫……」

5: 2024/01/28(日) 22:06:53.03 ID:rZ1qUBpL.net
せつ菜「あのっ!彼方さん!」

彼方「おや? せつ菜ちゃん? どうしたの~?」

せつ菜「学校を……やめられるとか……?」

彼方「あはは、耳が早いなぁ……まあ、私が働かないと生活できなくてね~……」

せつ菜「……」

彼方「皆には内緒にしておいてよ。……できればお別れも、言いたくないんだ」

せつ菜「そ、それは……」

彼方「せつ菜ちゃん」

せつ菜「彼方さん……」

彼方「おねがい」

せつ菜「……っ」

せつ菜「はい……」

6: 2024/01/28(日) 22:11:07.35 ID:rZ1qUBpL.net
店長「あ~近江さん、ちょっとお話があるんだけど」

彼方「はい、どうしました?」

店長「先日店休んだよね?なんでなの?」

彼方「えっと……お伝えした通り母の葬儀で……」

店長「その前から結構休んでたよね。困るんだよなあ」

彼方「だからそれはっ、母が体調をどんどん悪くしていたからで、病院にもいけないから、私が……」

店長「言い訳ばっかりでてくるね。やる気ないんじゃない?」

彼方「……っ」

店長「実はさ、最近うちでもセルフレジ導入することになって、こんなにバイトの人いらないんだよね」

彼方「……」

店長「近江さんやる気もないみたいだしさ、やめてくれないかな?」

8: 2024/01/28(日) 22:13:15.68 ID:rZ1qUBpL.net
遥「……ぐす……うぅ……」

彼方「あはは、遥ちゃん。もっといっぱい食べないと大きくなれないよ~」

遥「お母さん……お母さん……」

彼方「……よしよし、大丈夫。お母さんも遥ちゃんが元気いっぱいのほうが嬉しいと思うな

遥「ああああぁ……ぁあ……」

彼方「……遥ちゃん……」



彼方(大丈夫……遥ちゃんは私が絶対に守るから……)

18: 2024/01/28(日) 22:20:59.69 ID:rZ1qUBpL.net
風俗店長「へー、現役女子高生ねぇ……こういう店初めて?」

彼方「はい……その、実は経験もまだ……」

風俗店長「……」ニヤ

風俗店長「うーん、それはちょっと困るんだよなぁ。未成年の子を働かせるのって明確に違法なんだよ」

彼方「そ、そうなんですか……?」

風俗店長「誤魔化せなくもなくはないんだけど……やっぱりリスクがねぇ……」

彼方「……」

風俗店長「でも……いいよ。彼方ちゃんがちゃんと黙っていればまずばれないし。他の店じゃまず駄目なんだけどね」

彼方「! い、いいんですか……?」

風俗店長「うん……でもほかのキャストの目もあるし、同じ待遇ってわけにはいかなくて、その分給料が安かったり、たくさん働いてもらうことになるけど……」

彼方「だ、大丈夫です!頑張りますから!」

風俗店長「そっか、若いねぇ。じゃあ明日からさっそく入ってもらっていいかな?」

風俗店長「あ、経験もまだないって言ってたよね……じゃあ俺がいろいろ教えてあげるから。ついておいで」

彼方「わ、わかりました……」

22: 2024/01/28(日) 22:30:31.37 ID:rZ1qUBpL.net
福祉事務所

彼方「あの……生活保護の申請に来たんですけど……」

事務員「あ~、近江彼方さんですね。母を亡くされた……」

彼方「はい……妹と二人で生活していくとなるとお金の問題があって……」

事務員「う~ん……でも二人とも健康で、まだ若いでしょ」

彼方「そ、そうですが……」

事務員「世の中には君みたいな歳で学校にも行かず働いてる人、けっこういるよ」

彼方「そうなんですか……?」

事務員「こういうのはね、めちゃくちゃ高齢の方とか、障害がある方とかね、そういう人たちのためのシステムだから」

彼方「じゃあ私たちは……」

事務員「働けないわけじゃないし、親戚の人だっているんでしょ?上の人も通してくんないと思うよ。もっと困ってる人がいるんだから、頑張らなきゃだめだよ」

彼方「……はい……」

事務員「じゃあとりあえず今回は申請の意思なしってことで、いいよね」

彼方「……はい」


参考資料
https://dot.asahi.com/articles/-/75450?page=1

31: 2024/01/28(日) 22:46:25.69 ID:rZ1qUBpL.net


…………

風俗店長「ふーん……そんなことがね……、まあ行政厳しいよね」

彼方「遥ちゃんだけは……遥ちゃんだけは学校にいかせてあげたくて」

風俗店長「なるほど……彼方ちゃんは頑張り屋だね」

彼方「母もきっと、くよくよしていることは望んでないと思うんです。だから頑張ろうって……」

風俗店長「はぁ……じゃあおじさんが一肌脱いじゃおうかな」

彼方「……?」

33: 2024/01/28(日) 22:53:03.13 ID:rZ1qUBpL.net
1日後


風俗店長「あ、こんにちは、彼方ちゃん」

彼方「はい、今日から頑張らせていただきます。よろしくお願いします」

風俗店長「あ~、それもういいから(笑)」




風俗店長「あ、この人君のお母さんであってるよね?」

近江母「……」

彼方「えっ……えっと……」

近江母「彼方……」ギュッ

彼方「お母さん……どうして……」ポロポロ

34: 2024/01/28(日) 22:54:38.25 ID:rZ1qUBpL.net
風俗店長「いや~~~、おじさんうっかりで人違いしたらどうしようかと思っちゃったよ」

彼方「えっと……いったいどうして……」

風俗店長「ああおじさん人体錬成できんの!ほんとはやっちゃいけないんだけどね。無免許だし」

近江母「本当になんとお礼を言ったらいいか……」

風俗店長「いや~もうお礼は彼方さんからいただいてるから」

近江母「あら、そうなの……?」

彼方「あ、えっと……はい……///」

風俗店長「それより妹さんいるんでしょ、今日は早く帰ったら?(笑)」

近江母「そうだ、遥……!ごめんなさい、後日ちゃんとお礼に伺います、ほら彼方、お礼もいって」

彼方「ありがとうございます……ありがとうございます……マサキさん……!!」

風俗店長「いいっていいって(笑)あと話に出てたバイト先の店長と事務員はムカついたからぶっ頃して今回の錬成素材にしちゃった(笑)」

彼方「今度妹も一緒にお礼にきます……」

風俗店長「ああ、いつでもおいで」




数時間後

風俗店長「……錬金術の原則は等価交換」

風俗店長「人体錬成の肉体は誰のものでもいい。しかし魂は錬成師の魂で贖わなければいけない」

風俗店長「ま……貧乏風俗店の店長の魂にしては、いい使い道できたろ」


氏神「……」

風俗店長「お、ようやくきやがった。じゃあな彼方ちゃん。地獄でもあの一発は、忘れないぜ」


END

35: 2024/01/28(日) 22:55:07.45 ID:nEibtMvF.net
???????

62: 2024/01/29(月) 06:13:05.98 ID:d9V5FsA3.net
!?!?!?

引用: 彼方「お母さん死んじゃった……」