1: 2016/10/21(金) 15:34:01.74 ID:XPt173g90.net
にこ「」ズーン

真姫「どうしたの?」

にこ「あ、真姫ちゃんだ、おはよー」ドヨーン

真姫「もう放課後だけどね」

にこ「……はぁ」

真姫「……」

にこ「……はぁ……」

真姫「……ねぇ」

にこ「……ん?」

真姫「何なのよさっきから」

にこ「え?」

真姫「ため息ばっかりじゃない」

にこ「べ、別になんでも……」
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2: 2016/10/21(金) 15:35:02.90 ID:XPt173g90.net
真姫「なんでもないことないでしょう?何なのよ一体、愚痴とか悩みなら話してみなさいよ」

にこ「……真姫ちゃん優しい」

真姫「べ、別に!目の前でため息ばっか吐かれると迷惑なのよ!」

真姫「にこちゃんのことなんかなんとも思ってないからね!勘違いしないでよね!」

にこ「……ぐすっ」

真姫「え!?ちょ、ちょっと!何で泣くのよ!?」

にこ「うぅ、だってぇ」グスグス

真姫「こ、こんなのいつものことじゃないのよ!」

にこ「ご、ごめんね、今日は、ちょっと」グスッ

真姫「わ、悪かったわ、よくわかんないけど」

真姫「その、話してみてよ、相談に乗るわ、ちゃんと」

にこ「うん、ありがと……」

4: 2016/10/21(金) 15:36:13.34 ID:XPt173g90.net
にこ「実はね……」

真姫「こころちゃんが反抗期?」

にこ「……うん」

にこ「昨日の話なんだけどね」

~~~

にこ「ほーら皆ーご飯よー」

ここあ「わーい」

こたろう「ごはんー」

こころ「……」

にこ「ママはお仕事で遅くなるみたいだから、先に食べちゃいましょ」

5: 2016/10/21(金) 15:37:04.09 ID:XPt173g90.net
ここあ「わ、オムライスだー」

こたろう「……」パァァ

にこ「ふふ、冷めないうちに食べるわよ。……いただきます」

ここあ「いっただっきまーす!」

こたろう「いただきますー」

こころ「……いただきます」

ここあ「もぐもぐ……ん、おいしー!」

にこ「そう、良かったわ♪」

こたろう「むぐむぐ」

にこ「あーこたろう、ほら、零してるわよ。ゆっくり食べなさい」

こころ「……もぐ」

にこ「こころ、どう?美味しい?」

こころ「……はい」

にこ「?……どうしたの、元気ないわね?」

こころ「……別に、そんなことないです」

にこ「そ、そう?」

6: 2016/10/21(金) 15:38:28.70 ID:XPt173g90.net
ここあ「ねえねえにこにー!」

にこ「んー?」

ここあ「あのね、今日、公園のそばに、猫がいたんだよー」

にこ「へー、ここらじゃ珍しいわね、野良猫かしら」

ここあ「撫でたかったんだけど、逃げちゃったー」

にこ「人には慣れてないのかしらね。でも、引っかかれたりするかもしれないから、無理に追いかけたりしちゃダメよ?」

ここあ「はーい、可愛かったんだけどなー」

にこ「ふふ、また会えるといいわね」

ここあ「うん!」

にこ「こたろうは何してたのー?」

こたろう「おえかきー」

にこ「あ、あっちのらくがき帳に書いてた奴?後で見せてね」

こたろう「……うん」

にこ「ねぇ、何描いたの?」

こたろう「……みゅーずー」

にこ「え!?μ'sのメンバー描いたの?」

こたろう「……」コクリ

にこ「アンタ段々絵上手くなってるわよね。楽しみだわ」

こたろう「へへ」テレテレ

7: 2016/10/21(金) 15:39:26.32 ID:XPt173g90.net
にこ「こころはお友達のところに遊びに行ってたんだっけ」

こころ「……はい」

にこ「どう、楽しかった?」

こころ「……はい」

にこ「そ、そう?」

こころ「……」

にこ「な、何して遊んだのかなー?」

こころ「……別に」

にこ「そ、そっか」

こころ「……」

ここあ「?」

こたろう「?」

にこ「……ねぇこころ、やっぱり元気ないんじゃない?」

こころ「そんなことありません」

8: 2016/10/21(金) 15:40:40.12 ID:XPt173g90.net
にこ「熱でもあるんじゃないの?ちょっとおでこ貸してごらんなさい」スッ

こころ「っ!やめてください!」パシッ

にこ「!?」

こころ「あ」

ここあ「え、え?」オロオロ

こころ「ごめんなさい、……ごちそうさまでした。お皿、下げます」

にこ「う、うん」

にこ「あの、ごめんね、お姉ちゃん、なんか悪いことしたかな?」

こころ「べっ!……別に、そういうんじゃありません」

にこ「そ、そう?その、何かあったら言ってね」

こころ「……お姉さま」

にこ「!うんうん!何なに?」

9: 2016/10/21(金) 15:42:40.20 ID:XPt173g90.net
こころ「私、お姉さまのことなんて何とも思ってないですから!」

こころ「あんまり馴れ馴れしくされると困ります!」

にこ「」

こころ「お姉さまのことなんて、好きでもなんでもないんです!」

こころ「勘違いしないでください!」ダダダダ

ここあ「あ、ちょっと!……行っちゃった」

こたろう「……にこにー」

ここあ「え?……ってうわぁ!お姉ちゃん!どうしたの!?」

にこ「」ヌケガラ

ここあ「にこにー!」

にこ「」

にこ「ハッ……夢か」

にこ「にこにーったらうっかりうたた寝しちゃったにこ♪」

にこ「ごめんね、今から特製オムライス作るからね、待っててね♪」

ここあ「にこにー……」

こたろう「……もう食べたー」

にこ「……そ、そう、……現実、なのね……」

10: 2016/10/21(金) 15:44:13.99 ID:XPt173g90.net
ここあ「……お姉ちゃん」ウルウル

にこ「だ、大丈夫よ!ちょっとアレよ、機嫌が悪かったのよ!」ウンウン

にこ「ひょっとしたらお友達と喧嘩しちゃったのかな?ここあ、何か聞いてない?」

ここあ「全然。なんか楽しそうだったよ、おうちに帰ってきてからも」

にこ「そうなの……こたろうは何か聞いてないわよね?」

こたろう「……」フルフル

にこ「そうよね……」

ここあ「……けんか?」

にこ「いやいや喧嘩じゃないわよ、アンタ達と喧嘩なんてしないわ」

にこ「……反抗期、ってやつなのかしら」

ここあ「?」

にこ「あぁ、アンタには難しい話だったわね」ナデナデ

ここあ「えへへ、……ねぇにこにー、ここあ、後で聞いてみるよ」

にこ「そうしてもらえるかしら?無理矢理にはダメよ、言いにくいこともあると思うから」

ここあ「よくわかんないけどわかったー」

11: 2016/10/21(金) 15:44:57.95 ID:XPt173g90.net
こたろう「にこにー」クイクイ

にこ「アンタも心配してくれるのね、ありがとう、大丈夫よ」ナデナデ

~~~

真姫「なんか信じられないわね、いい子そうだったのに」

真姫「それで、ここあちゃんは何て?」

にこ「うん……それが」

~~~

ここあ「ねぇどうしたのー?」

こころ「?」

ここあ「お姉ちゃんと喧嘩ー?」

こころ「……ここあにはまだ早いです」

ここあ「どういう意味?」

こころ「わからなくていいんです」

~~~

真姫「……まだ早い?」

にこ「って言ってたらしいわ」

12: 2016/10/21(金) 15:46:03.79 ID:XPt173g90.net
真姫「よくわかんないわね、今朝はどうだったの?」

にこ「……うっ」ウルッ

真姫「つ、辛いのはわかるわ、でもほら、何か手がかりになるかもしれないじゃない?」

にこ「……手がかり?」

真姫「いくら反抗期って言ったって、そう急に態度が変わるとも思えないわ。何か原因があるんじゃないかしら」

にこ「原因……」

真姫「もしかして、言えないだけで何か悩みがあるのかもしれない」

真姫「しっかりしなさいよ、お姉ちゃんなんでしょ?」

にこ「真姫ちゃん……うん!ありがと!」

にこ「そうよね、悲しんでばかりはいられないわ」

真姫「そうよ、こころちゃんが悩んでるんなら、解決できるように助けてあげなきゃ」

にこ「ふふ、今日の真姫ちゃん、なんか優しい」

真姫「べ、別に!///」

真姫「……調子が狂うのよ、いつまでもウジウジしてられると」

にこ「うん、そうね……えぇっと、今朝か……」

13: 2016/10/21(金) 15:47:21.09 ID:XPt173g90.net
真姫「うん、何か言ってたりしなかった?」

にこ「おはようございます、それといただきますとごちそうさま、あといってらっしゃい」

真姫「え?」

にこ「……それだけ」ズーン

真姫「まぁ最低限のことはするのね」

にこ「最低限!?朝のにっこにっこにーもやってくれないし、『今日もお姉さまは素敵です♪』とも言ってくれない!」

にこ「いってらっしゃいのハグも無い!それが最低限ですって!?」

真姫「ちょ、ちょっと待って!落ち着いて落ち着いて」

にこ「ご、ごめんなさい。真姫ちゃんにあたっても仕方ないのにね……」

真姫「……まあ矢澤家の朝の風景については一旦置いておいて」

真姫「お母さんとかは何か言ってなかったの?」

にこ「ママは夜遅く帰ってきて、今朝も早かったから」

にこ「でも普通だったみたい。ここあやこたろうに対しても態度はいつも通り」

にこ「わ、わた、私、だけ……」ウルウル

真姫「あー泣かない泣かない」

にこ「ご、ごめん……」ゴシゴシ

15: 2016/10/21(金) 15:48:56.41 ID:XPt173g90.net
真姫「わかんないわね、反抗期って親に対するものじゃないの?普通」

にこ「……嫌われちゃったのかな」グスッ

真姫「そんなことないわ」

にこ「……真姫ちゃん」

真姫「私には妹もお姉ちゃんもいないし、姉妹のことはよくわからない」

真姫「こころちゃんとだってそんなに話したことがあるわけじゃない」

真姫「でもわかるわ。あの子がにこちゃんのことを嫌うなんて有り得ない」

にこ「そう、かな?」

真姫「ええ、断言してもいいわ」

真姫「信じなさいよ、矢澤にこの妹を。にこにーの大ファンを」

にこ「ぐすっ」

真姫「ほら、また泣かないの」

にこ「うん、……はぁ、でもどうしたのかなぁ」

真姫「……埒が明かないわね」

にこ「真姫ちゃん?」

16: 2016/10/21(金) 15:50:28.38 ID:XPt173g90.net
真姫「行くわよ」ガタッ

にこ「え、行くって?」

真姫「決まってるでしょ、にこちゃんの家」ガシッ

にこ「で、でも、これから練習が」

真姫「そんな顔で練習する気?にこちゃん言ってたでしょ?アイドルは笑顔にさせる仕事だって」

にこ「そ、それは……」

真姫「今のにこちゃんが誰かを笑顔にできるとは思えないわ、違う?」

真姫「まずしなきゃいけないことをする、それだけよ」

にこ「真姫ちゃん……うん!わかった」

真姫「善は急げ、行くわよ!」グイッ

にこ「わわっ、ちょっと引っ張らないでよー」

ガチャ

海未「遅くなってすいません。早速練習を…」

真姫「ごめん!私とにこちゃんはパス!」

海未「え、えぇぇ!?」

にこ「ごめん!詳しくは後で話すー!」

海未「ちょ、ちょっと!真姫!にこ!何処に行くのですか!?」

真姫「笑顔にさせなきゃいけない相手がいるのよ!」タタタタ

ことり「い、行っちゃった」

18: 2016/10/21(金) 15:51:36.59 ID:XPt173g90.net
穂乃果「ほぇ?」ポカーン

海未「事態がまったく飲み込めていない人間が一名」

海未「……いや私たちも似たようなものですね」

ことり「な、なんだったんだろう、急用かな?」

海未「真姫があれだけ慌てていたんですから、かなり急を要することでしょうね」

穂乃果「……はっ!……え、今の真姫ちゃんとにこちゃん?」

海未「……鈍いのですね」

ことり「いいの?」

海未「それはにこのパートです」

ことり「えへへ」

穂乃果「ちょっとぉ、どういうこと?」

海未「こっちが訊きたいです……」

19: 2016/10/21(金) 15:52:54.42 ID:XPt173g90.net
絵里「ちょっとー今にこ達とすれ違ったんだけど」

希「猛スピードで去っていったよ」

穂乃果「あ、絵里ちゃん希ちゃん」

花陽「にこちゃんと真姫ちゃん、手を繋いでました……」

凛「これは怪しいにゃー」

ことり「花陽ちゃんと凛ちゃんも……あ、怪しいって」

希「駆け落ち?」ニヤニヤ

海未「は、破廉恥です!///」

絵里「ま、まあ本当に何か困ったことがあったら、連絡くれるでしょう」

希「いやーわからんよ?二人だけで愛の逃避行かも♪」

ことり「きゃー♪」

花陽「は、はわわわ///」

海未「」プシュー

20: 2016/10/21(金) 15:53:51.70 ID:XPt173g90.net
絵里「希!」

希「あはは、冗談冗談。……うん、急いでるようやったし、メールだけ送っとこうか」

穂乃果「うん、そうだね!電話は出れなさそうだし」

穂乃果「大丈夫、だよね?」

ことり「きっと大丈夫だよ」

海未「そう、ですね」

海未「真姫が言っていました、『笑顔にさせなきゃいけない相手がいる』と」

絵里「真姫が?」

花陽「あ、笑顔にさせる、って」

凛「前ににこちゃんが言ってたよね?」

海未「ええ、きっとアイドルとして、必要なことなのでしょう」

21: 2016/10/21(金) 15:54:49.41 ID:XPt173g90.net
絵里「……実は心配していたのよ」

穂乃果「え?」

希「朝から元気なくてな、にこっち」

ことり「にこちゃんが?」

絵里「何か悩みがあるなら聞くわよ、って言ったんだけど」

希「うん、はぐらかされちゃってな」

絵里「希が悪いのよ?いちいち茶化すから」

希「酷いなー、ちょっとしたスキンシップで緊張を解そうとしただけなのに」

絵里「にこも私達にはなんでもないって言ってたんだけど」

希「強がりなのは明らかやったからね」

穂乃果「うーん、にこちゃんらしいといえばらしいけど」

絵里「ええ、でもやっぱり心配だったから、皆に相談しようと思ってたのよ」

希「でもどうやら、にこっちのお相手は真姫ちゃんだったようやね」

絵里「ふふ、少し妬けるわね♪」

海未「は、破廉恥です///」

凛「おお、二度目のハレンチが」

穂乃果「大盤振る舞いだね」

花陽「ふ、ふたりとも」

22: 2016/10/21(金) 15:56:07.36 ID:XPt173g90.net
絵里「ひとまずメールだけしておいて、連絡を待ちましょう」

6人「はーい」


にこ「ま、真姫ちゃん」ハァハァ

真姫「な、何よ?舌噛むわよ」ハァハァ

にこ「そ、そこまで急ぐことないんじゃないかな?」ゼェゼェ

真姫「……そ、そうね」ゼェゼェ

にこ「あはは、なんで全力ダッシュしてんだか」

真姫「ほんとね」フフ

にこ「ふぅ」

真姫「あ(慌ててたから手、繋ぎっぱなしだった)」パッ

にこ「あっ」

真姫「な、何よ」

にこ「そ、そのまま……」

真姫「はぁ……仕方ないわねぇ」ギュ

にこ「ごめん」

23: 2016/10/21(金) 15:57:07.89 ID:XPt173g90.net
真姫「今日だけよ。……困った先輩ね」

にこ「先輩後輩は無しよ♪」

真姫「まったく……」

にこ「……ありがと」

真姫「ふんっ///」プイッ

にこ「仲直り、出来るかしら」

真姫「そもそも喧嘩でも無いんでしょ?」

にこ「そうだけど」

にこ「……こころはね、すっごくいい子なの」

真姫「うん」

にこ「勿論ここあもこたろうもよ」

真姫「わかってる」

24: 2016/10/21(金) 15:58:21.27 ID:XPt173g90.net
にこ「いっつもお姉さまお姉さまって慕ってくれてね」

にこ「お姉さまみたいな素敵な女性になりたい」

にこ「お姉さまは宇宙一のアイドルです」

にこ「そう言って私のことをキラキラした目で見つめてくれるの」

真姫「にこちゃんのことが大好きなのね」

にこ「家のお手伝いもしてくれるし、わがまま一つ言わなかった」

にこ「ここあやこたろうの面倒もよく見てくれる」

真姫「素敵な妹さんね」

にこ「私には勿体ない妹なのよ」

真姫「お姉ちゃんに憧れてるのよ」

にこ「そうかな?……そうでいてくれるのかな?」

真姫「ええ。きっと大丈夫よ。……ほら、もう着いたわよ、にこちゃん家」

真姫「いるんでしょ?こころちゃん」

にこ「う、うん」

25: 2016/10/21(金) 15:59:52.73 ID:XPt173g90.net
にこ「……自分の家なのに凄く緊張する」

真姫「もう」

にこ「試験の結果をママに見せなきゃいけないときみたいな心境よ」

真姫「?それのどこが緊張するのよ」

にこ「ぐ、わかりあえなかったか」

真姫「いいから早く」グイグイ

にこ「お、押さないでよ、開けるから」ガチャ

にこ「た、ただいまー」

ここあ「あ、お姉ちゃんおかえりー」

こたろう「おかえりー」

ここあ「あれ、お客さん?」

こたろう「みゅーずー」

真姫「あ、こ、こんにちは。西木野真姫です」

ここあ「こんにちは!」ペコリ

こたろう「こんにちはー」

真姫「ふふ、二人とも偉いわね、ちゃんと挨拶できて」

ここあ「へへ」

こたろう「えへー」

26: 2016/10/21(金) 16:01:02.95 ID:XPt173g90.net
真姫「こころちゃん、いる?」

にこ(ビクッ)

ここあ「え、うん。奥にいるけど……」

真姫「そう。ほらにこちゃん」グイグイ

にこ「だ、だから押さないでって」

こころ「あ」

にこ「こころ、た、ただいま」

こころ「……お帰りなさい。μ'sの方と一緒だったんですか」

真姫「西木野真姫よ、こんにちは」

こころ「こんにちは」

にこ「あ、その、こころ?」

こころ「私は」

にこ「え?」

こころ「お姉さまなんて何とも思ってないですから」スタスタ

にこ「」

真姫「に、にこちゃん!しっかり!気を確かに!」

にこ「ふふふ、綺麗な川が見えるにこ」

真姫「戻ってきて!にこちゃん!」

27: 2016/10/21(金) 16:02:00.02 ID:XPt173g90.net
ここあ「にこにー……」

こたろう「……」

真姫「あ、あなたたち……」

真姫「ねぇ、にこちゃん」

にこ「え?」

真姫「私に任せてくれないかしら、こころちゃんのこと」

にこ「で、でも……」

真姫「にこちゃんが直接話すのが一番いいと思うけど、その様子じゃ難しいでしょ?」

にこ「それは……」

真姫「こんなこと赤の他人に任せられないって思われるかもしれない、でも、」

にこ「そんなことない」

にこ「赤の他人なんかじゃない。真姫ちゃんは大切な仲間」

にこ「……お願いしてもいい?」

真姫「……うん。とりあえず、二人っきりで話をさせて」

28: 2016/10/21(金) 16:03:06.92 ID:XPt173g90.net
にこ「わかった。お夕飯の買い物に行って来る」

ここあ「お姉ちゃん……」

にこ「いこ、二人とも」

こたろう「……」コクリ

にこ「真姫ちゃん」

真姫「うん」

にこ「……お願いします」ペコリ

真姫「にこちゃん」

にこ「え?」

真姫「お夕飯、ご馳走になってもいいかしら」

にこ「え……うん!勿論よ!とびっきりのを作るから、楽しみにしてなさい!」

真姫「ええ。いってらっしゃい」

にこ「いってきます」

29: 2016/10/21(金) 16:03:52.37 ID:XPt173g90.net
ここあ「あ、あの……」

真姫「ん?」

ここあ「えっとね、ええと」

真姫「大丈夫、任せて」

ここあ「……うん!」

こたろう「……」ペコ

真姫「うん、わかった」

ガチャ

真姫「さてと」

真姫(『お姉さまなんてなんとも思ってない』か)

真姫「こころちゃん、ちょっといい?」

こころ「……なんですか?」

真姫「にこちゃん達がお夕飯の買い物に出かけちゃったのよ」

真姫「話し相手になってくれない?」

30: 2016/10/21(金) 16:05:04.30 ID:XPt173g90.net
こころ「はぁ……お客様なのにお茶も出さないなんて」

こころ「ちょっと待っててくださいね」カチャカチャ

真姫(しっかりしてるわね)

真姫(いい子なのよね、やっぱり)

こころ「はい、どうぞ」コト

真姫「ありがとう」ズズッ

真姫「美味しいわ」

こころ「……ありがとうございます」

真姫「ねぇ、こころちゃん」

こころ「はい?」

真姫「お姉ちゃんのこと、どう思ってる?」

こころ(ビクッ)

こころ「ど、どうって何のことですか」

真姫「好き?それとも嫌い?」

こころ「……き、嫌いです」

真姫「そう、気が合うわね」

こころ「え?」

真姫「私もね、嫌いなの、にこちゃんのこと」

31: 2016/10/21(金) 16:07:11.14 ID:XPt173g90.net
こころ「え、え?」

真姫「先輩だからって威張っててね」

真姫「背だって小さいし」

真姫「いっつもつっかかってくるし」

真姫「アイドルのことになるとすっごく細かくて口煩いし」

真姫「私はね、にこちゃんのことがだいっ嫌い」

こころ「……」プルプル

真姫「だから気が合うわね、私達」

真姫「こころちゃんの気持ちはわかるわよ」

真姫「嫌よね、あんなお姉ちゃんなんて」

こころ「い」

真姫「?」

こころ「いい加減にしてください!」

こころ「お姉さまはそんな人じゃありません!」

こころ「宇宙一のアイドルで、皆の憧れで、」

こころ「すごく忙しいけど、私たちのことを考えてくれてて!」

こころ「い、いつも、美味しいご飯を作ってくれて、ぐすっ」

こころ「そ、それで、だからぁ、お姉さまは、ひぐっ」

真姫「……嫌いじゃないの?」

こころ「だい”す”き”です”っ”!」

こころ「う、うぇぇぇぇぇ」

32: 2016/10/21(金) 16:08:51.97 ID:XPt173g90.net
真姫「ごめんなさい」ギュ

こころ「ぐすっ……ふぇ?」

真姫「大好きなお姉ちゃんのこと、悪く言ってごめんなさい」ナデナデ

こころ「ぐすっ」

真姫「貴女のお姉ちゃんは、素敵なヒトよ」

こころ「……」

真姫「小さい体でいっつも頑張っててね」

真姫「後輩のこともよく面倒見てくれるし」

真姫「アイドルに対して、ひたむきで、真剣で」

真姫「皆が知らないことも沢山知ってる」

真姫「そんな凄い人なのよ、矢澤にこってヒトは」

真姫(……少し褒め過ぎかしら)

こころ「え、えへへ、そう、ですか」ニコ

真姫(まぁいっか)ナデナデ

33: 2016/10/21(金) 16:10:30.74 ID:XPt173g90.net
真姫「大好きなのよね、お姉ちゃんのこと?」

こころ「そ、それは……」

真姫「悲しいでしょ?嘘を吐かれると」

こころ「……はい」

真姫「ほんとのことを教えて?なんで大好きなお姉ちゃんにあんな態度だったの?」

こころ「ちょっと待っててください」テテテ

こころ「……これ、です」

真姫「漫画?……少女マンガってやつよね、タイトルは……」

『ツンデレ少女の恋~アンタなんかなんとも思ってないんだからね~』

真姫「」

こころ「どうしました?」

真姫「え、あ、あぁ。なんとなくわかった気がするけど、一応聞くわ」

真姫「どういうこと?」

34: 2016/10/21(金) 16:11:56.09 ID:XPt173g90.net
こころ「ツンデレですっ」

真姫「えぇ……」

こころ「ご存知無いんですか?」

こころ「ツンデレっていうのは、大好きな人にすることなんです」

こころ「『何とも思ってないんだからね』『勘違いしないでよね』とか」

こころ「あとは『何見てんのよ』『馴れ馴れしくしないで』『触らないで』」

こころ「そんな風に言うんです」エッヘン

真姫「ドヤ顔してるとこ悪いけど、ほんとにわかってる?ツンデレって」

こころ「とーぜんですっ」

こころ「ほんとは大好きでも、好きって言っちゃいけないんです」

こころ「なるべく話とかしないで、キライなふりをするんです」

真姫「それじゃただのツンじゃない」

こころ「?」

真姫「ああそこまでわかってないのね」

真姫「なんでツンデレなんてする必要あったのよ?」

35: 2016/10/21(金) 16:12:46.46 ID:XPt173g90.net
こころ「友達に聞きました」

こころ「素敵なレディになるためには、ツンデレくらいできなきゃいけないって」

こころ「そしてツンデレをすると、大好きな人とすっごく仲良くなれるんです!」

こころ「お姉さまともっと仲良しになれるんです!」キラキラ

真姫「あぁもうどこから突っ込んだら良いやら」

こころ「西木野さんはツンデレしたこと無いんですか?」

真姫「……真姫でいいわよ、そしてツンデレじゃないわよ」

(真姫ちゃんはツンデレにゃー)

こころ「そうなんですか?」

真姫「……なんか異次元からツッコミが来た気がするけど」

真姫「あのね、とりあえずそのツンデレ?やめなさい」

こころ「で、ですが」

真姫「お姉ちゃん、すっごく悲しい顔してたわよ」

こころ「!」

36: 2016/10/21(金) 16:13:50.88 ID:XPt173g90.net
真姫「さっきだってそうだし、学校でもそうだった」

真姫「こころちゃんに嫌われたんだって言って泣きべそかいてた」

こころ「お、お姉さまが、そんな」

真姫「本当よ。あんなに悲しそうなにこちゃんの顔は見たこと無い」

真姫「普段は私に『もっと笑顔になりなさい』とか言うくせにね」

真姫「こころちゃんのにっこにっこにーが聞けなかった、ハグしてくれなかったなんて言ってた」

こころ「そ、それは……」

真姫「もし逆だったらどう思う?」

真姫「こころちゃんがしたことを、お姉ちゃんにされたら」

こころ「……」

(にこ「こころ?アンタなんてなんとも思ってないわよ」)

(にこ「ちょっと触らないでよ、馴れ馴れしくしないで」)

こころ「ぐすっ」

真姫「あーもう泣かない泣かない」ナデナデ

こころ「わ、私は、間違って?」

真姫「そうね、間違い」

真姫「大好きをそのまま伝えれば良かったのよ」

こころ「そのまま……」

37: 2016/10/21(金) 16:15:02.12 ID:XPt173g90.net
真姫「ツンデレっていうのはね、ズルい大人がすることなの」

真姫「相手の気を引こうと思って、わざと悪いことをする、卑怯なことなのよ」

こころ「ずるい……ひきょう……」

真姫「そう」

真姫「確かにひょっとしたらそれで誰かと仲良くなれたり、『素敵なレディ』って思われることもあるかもしれない」

真姫「でもね、そんなことをしなくたって、仲良くなったり、素敵なレディにはなれるのよ」

こころ「!そうなんですか?」

真姫「ええ」

真姫「大好きな人に『大好き』って伝えるだけでいい」

こころ「!」

真姫「ちゃんと素直に伝えられれば、ずっと仲良しでいられる」

真姫「そんな素直な気持ちを持ったまま大きくなれば、素敵なレディにもなれる」

真姫「だからね、ちゃんと伝えてあげて」

真姫「今のにこちゃんを笑顔に出来るのは、こころちゃんだけよ」

こころ「お姉さまを、笑顔に」

真姫「アイドルは笑顔にさせる仕事って、にこちゃん言ってたわ」

真姫「お姉ちゃんみたいなアイドルになりましょ?」

38: 2016/10/21(金) 16:15:58.65 ID:XPt173g90.net
こころ「アイドル、私が?」

真姫「そうよ。お姉ちゃんみたくなりたいんでしょ?」

こころ「は、はい!」

真姫「まずは一番近くにいるファンを笑顔にさせてあげなきゃ」

こころ「……ひどいこと、たくさん言いました」

真姫「うん」

こころ「しらんぷりとか、しました」

真姫「うん」

こころ「お姉さま、きっとすごく悲しかったと思います」

真姫「そうね」

こころ「笑って、くれるでしょうか?」

真姫「大丈夫」ギュ

こころ「まきさん……」

真姫「あなたは宇宙一のアイドルの妹よ、自信を持ちなさい」

真姫「皆を笑顔に出来る最強のアイドル、矢澤にこの妹」

真姫「一番近くにいて、一番大好きな人を、一番の笑顔にしてあげて」

こころ「……はい」

39: 2016/10/21(金) 16:16:53.53 ID:XPt173g90.net
ガチャ

こころ「!」

にこ「た、ただいまー」

ここあ「ただいまー」

こたろう「……ただいま」

真姫「ほら」トン

こころ「あっ」

にこ「こ、こころ……」

こころ「……」

にこ「あ、あのね……」

こころ「にっこにっこにー!」

40: 2016/10/21(金) 16:18:00.14 ID:XPt173g90.net
にこ「え?」

こころ「にっこにっこにー!」

にこ「え、え?」チラ

真姫(ブイ)ニコ

にこ「!」

こころ「に、にっこにっこにー!」

にこ「にっこにっこにー♪」

こころ「!」

ここあ「!にっこにっこにー♪」

こたろう「にこにこにー」

こころ「に、にっこにっこにー♪」

にこ「ほら、真姫ちゃんも一緒に」

真姫「ヴェェ!?なんで私が!?」

こころあ(ジー)

こたろう「にこにこにー?」

真姫「わ、わかったわよ///」

にっこにっこにー!
ほら、手の角度が違うわよ!
ヴェェ!?
どうですか?
流石我が妹!筋がいいわね!
えへへ///

41: 2016/10/21(金) 16:19:03.51 ID:XPt173g90.net
真姫「な、なんで延々とにっこにっこにーさせられるのよ」ゼェゼェ

ここあ「えへへ、楽しかったー♪」

こたろう「♪」

にこ「ぷっ……あはははは」

こころ「お姉さま……」

にこ「なんかおっかしー。なんで帰宅早々にっこにっこにーよ、あははは」

真姫「にこちゃんが言わないでよね、もう」

にこ「あは、あははは、……ぐす」

こころ「!」

にこ「可笑しすぎて、ぐす、涙出ちゃった、あはは」

こころ「お姉さま!」ダッ

にこ「こころ?」

こころ「ごめんなさい!」ギュ

にこ「こころ……」ギュ

44: 2016/10/21(金) 16:20:29.31 ID:XPt173g90.net
こころ「ひどいこと言って!ひどいことして!」

こころ「ごめんなさい!」

こころ「大好きです!!」

こころ「お姉さまのこと!大好きです!!!」

こころ「だいすきで、ぐすっ……ごべんなさいぃぃぃ」

にこ「大好き」

こころ「……ぅえ?」

にこ「大好きよ、こころ」

こころ「お姉さま……」

ここあ「うぐっ……ひっく」

こたろう「ぐすっ、うぇぇ」

真姫「よしよし、あなた達も偉かったわね」ナデナデ

ここあ「うわーん」ギュ

こたろう「うぅぅぅ」ギュ

にこ「皆大好きよ、大好き」グス

こころ「うぅぅぅ、ぐすっ、ひっく」

真姫「な、なに皆して泣いてるのよ、まったく」グスッ

45: 2016/10/21(金) 16:22:30.87 ID:XPt173g90.net
~~~

にこ「さーて、それじゃあにこにーが腕を振るっちゃいましょうかね」

こころ「お手伝いします、お姉さま♪」

にこ「真姫ちゃんはチビたちの面倒をお願いできる?」

真姫「ええ」

ここあ「こっちこっちー」グイグイ

こたろう「……」グイグイ

真姫「ちょ、ちょっと引っ張らないでったら」

にこ「ふふ、すっかり懐かれちゃって」

こころ「ここあ、こたろう、あんまり迷惑をかけちゃダメですよ」

はーい

にこ「さ、真姫ちゃんが音を上げる前に作っちゃいましょ」

こころ「はい!……あ!これって!」

にこ「ほら、これ洗って」

こころ「はい♪」


にこ「出来たわよー」

真姫「あら、オムライスね、美味しそう」

46: 2016/10/21(金) 16:23:41.29 ID:XPt173g90.net
ここあ「えー」

真姫「?キライなの?」

ここあ「好きだけどー」

こたろう「……食べたー」

ここあ「うん、昨日もオムライスだったよー」

真姫「え、そうなの?」

にこ「まぁまぁ、文句は食べてからよ」

いっただっきまーす

ここあ「はぐっ……!お、美味しい!」

こたろう「はむ……!」

真姫「美味しい……」

ここあ「にこにー!これすっごく美味しい!昨日のよりも!」

こたろう「あむあむ」

真姫「あむっ……昨日のより?」

ここあ「うん!昨日のも美味しかった気がするけど、今日のが美味しい!」

真姫「?」

48: 2016/10/21(金) 16:24:53.79 ID:XPt173g90.net
にこ「ふふっ……そうでしょ。……こころ、どう?」

こころ「えへ、美味しいですっ!」

にこ「良かった。こころが手伝ってくれたお陰よ、ありがと」

こころ「えへへ」

にこ「真姫ちゃん、どう?」

真姫「美味しいわ。……でも、昨日より美味しいってどういうこと?昨日は何か失敗してたの?」

ここあ「昨日のも美味しかったんだよー?」

真姫「?」ウーン

にこ「簡単なことよ。こころと真姫ちゃんが手伝ってくれた分、昨日より美味しくなったの」

真姫「……こころちゃんはともかく、私料理は手伝ってないわよ?」

にこ「皆が笑顔だからね」

にこ「食卓の笑顔が多い方が、料理は美味しくなるのよ」

真姫「……そういうものなの?」

にこ「そういうものよ。だから真姫ちゃん、ありがとう」

真姫「べ、別に……///」

こたろう「むぐむぐ」

にこ「ほら、だからゆっくり食べなさいってば」フキフキ

49: 2016/10/21(金) 16:26:22.85 ID:XPt173g90.net
こころ「真姫さん!」

真姫「なに?」

こころ「美味しいですね!」

真姫「ええ、そうね」ニコ


真姫「まさか泊まることになろうとは……」

にこ「ごめんね、なんかママが喜んじゃって」

真姫「まぁ、着替えとかは家から届けてもらったからいいけど」

にこ「ベッド狭くない?」

真姫「大丈夫よ。私こっちで良かったの?にこちゃんが寝てるベッドなんでしょ?」

にこ「そりゃ当然。私は予備の布団があるからへーき……急だったから親御さん怒ってなかった?」

真姫「全然。……電話越しだけど、ウチのママもなんか喜んでたわ」

にこ「そうなの?」

真姫「μ'sに入る前、花陽がウチに来たことがあったのよ。私が落とした生徒手帳を届けてくれて」

真姫「その時も喜んでたわ。なんかその時みたいな感じ」

にこ「よくわからないけど、そういうものなのかしら?」

真姫「よくわからないわね」

にこまき「ふふっ」

50: 2016/10/21(金) 16:27:42.11 ID:XPt173g90.net
にこ「疲れたでしょ、チビたちの相手は」

真姫「元気ね、あの子達」

にこ「いつにも増してはしゃいでたわ。……おかげでいつもより早くお布団行きだったけど」

にこ「ふふ、すっかり真姫ちゃんに懐いちゃって」

真姫「にこちゃんは凄いわね」

にこ「え?」

真姫「いつもあの子達の面倒見てるんでしょ?」

にこ「ふふ、別に凄くは無いわよ」

真姫「凄いわよ。お料理とか、家の事もやって。勿論μ'sの活動も」

にこ「真姫ちゃんだって凄いじゃない」

にこ「勉強も出来るし、作曲も出来るし、ダンスや歌もすっごく上手いし」

真姫「そ、そんなことないわよ///」

にこ「……なーに褒めあってるんだか」

真姫「まったく、調子狂うわねぇ」

にこ「ま、たまにはね。明日からはきっと元通りよ」

真姫「そうね……」

51: 2016/10/21(金) 16:29:11.26 ID:XPt173g90.net
真姫「あぁ、明日といえば」

にこ「?」

真姫「皆にはちゃんと説明しなさいよ」

にこ「あ、練習サボっちゃったんだっけ」

真姫「皆からメールとか来てたけど、とりあえず解決したってことと、詳しくは明日話すってことしか返信してないから」

にこ「うん、ありがと。ちゃんと私から皆に話すわ」

にこ「ごめんね、真姫ちゃんまで練習サボらせちゃって」

真姫「いいってば。というか私が無理矢理引っ張ってきたんだしね」

にこ「ありがと。でも真姫ちゃんのお陰よ、本当に」

真姫「そんなことないわよ。きっと何もしなくても解決してたとは思うわ」

にこ「そんなことない!……あ、ていうか結局なんだったの?こころの反抗期?は」

真姫「……今更ね」

にこ「い、いやいやだって、元に戻ったから別に原因とかいいかなって思っちゃって」

にこ「嬉しくてつい。わ、忘れてたわけじゃないわよ」

52: 2016/10/21(金) 16:30:19.38 ID:XPt173g90.net
真姫「はいはい。……先に言っておくわ、くだらないわよ」

にこ「え?……そうなの?」

真姫「ツンデレ」

にこ「はぁ?」

真姫「お友達に借りた少女マンガに、ツンデレのヒロインがいたのよ」

真姫「そのマネをしてたみたい」

にこ「え、えぇぇー」

真姫「ま、そのリアクションよね」

真姫「本人はよくわからず、ツンデレ=大好きな人に冷たくするってことだと思ってたみたいだけど」

にこ「ツンだけね」

真姫「ま、その『ツンデレ』をすると、素敵なレディになれて、大好きな人ともっと仲良くなれると思ったらしいわよ」

にこ「こころ……」

真姫「気を引くって意味では成功してたわね」フフ

にこ「やめてよー」

にこ「はぁ……まったくもう、とんだ災難ね」

真姫「そんなんで大丈夫なの?将来」

にこ「え?」

53: 2016/10/21(金) 16:31:35.15 ID:XPt173g90.net
真姫「今回のは違ったけど、いずれは反抗期とか、『お姉さまなんてキライです』みたいな」

にこ「ぐっ、やめてよまだ傷が癒えてないんだから」

真姫「そういうことがある度にそんなに落ち込んでたら身がもたないわよ?」

にこ「まぁ、ね。そんなことがあるかもなぁとは思ってたのよ?」

にこ「でもほら、あんまりにも急だったから」

真姫「はいはい。そういうことにしておくわ」

にこ「今は大好き大好き言ってくれてるけどね、いつまでそうかわからない」

にこ「そりゃ、寂しいけどね。仕方ないって気持ちもある」

真姫「お姉ちゃんも大変ね。……でも羨ましい気持ちもあるわ、私ひとりっこだし」

にこ「うふ♪にこにーのことをお姉ちゃんだと思ってもいいにこ♪」

真姫「どっちかっていうと妹ね」

にこ「ぬゎんでよ!」

真姫「ぷっ」

にこ「ふふっ」

にこ「ありがとう、真姫ちゃん」

真姫「も、もう///いいってば///」

にこ「そろそろ寝よっか」

54: 2016/10/21(金) 16:32:41.97 ID:XPt173g90.net
真姫「ん。……あ、そうだ一つだけ」

にこ「なに?」

真姫「なんでオムライスだったの?昨日もそうだったんでしょ?」

にこ「ん?いや、真姫ちゃんが好きそうだったから。トマト使ってるし。ケチャップだけど」

真姫「……それだけ?」

にこ「半分はね。もう半分は、『昨日作ったから』」

真姫「?」

にこ「喧嘩、っていうのとは違うけど、ちょっと笑顔が足りない食卓だったから、昨日は」

にこ「それがオムライスの味って記憶されちゃ悲しいでしょ?」

にこ「上書きしようと思ったのよ、最高のオムライスの味で」

真姫「わかるようなわからないような」

にこ「ふふっ、真姫ちゃんがきっと何とかしてくれると思ったからね。だからオムライスの材料買ってきたんだし」

にこ「二日連続で悲しいオムライスにはならないって思ってたから」

真姫「ダメだったらどうするつもりだったのよ、まったく」

55: 2016/10/21(金) 16:33:23.57 ID:XPt173g90.net
にこ「大丈夫だったじゃないの、……信じてたわ」

真姫「まったく///」

にこ「それじゃ、今度こそ。……おやすみなさい」

真姫「ん、おやすみなさい」


真姫「ふゎぁ、あれ、ここ?」

真姫(ああ、そういえばにこちゃんちに泊まったんだっけ)

真姫(ええっと、もう起きるべきなのかしら)

真姫(人の家だとどのタイミングで起きたらいいかわからないわね)

真姫(学校には余裕で間に合うと思うけど、うーん)

にこ「あ、真姫ちゃんおはよー」

真姫「お、おはよう」

にこ「今朝ごはん出来るから、顔洗っておいでー」

真姫「あ、わかったわ」

56: 2016/10/21(金) 16:34:08.93 ID:XPt173g90.net
真姫「ふぅ」スタスタ

にこママ「あ、真姫ちゃんおはよう!」

真姫「お、おはようございます」ペコリ

にこママ「ぐっすり眠れた?」

真姫「あ、はい」

にこママ「そっか!良かった良かった」

にこ「ママー時間大丈夫ー?」

にこママ「おっとこんな時間か、それじゃあ行ってくるわねー!」

にこ「はーい」スタスタ

こころあ「いってらっしゃーい」

こたろう「……しゃーい」

にこママ「いってきまーす♪」ギュー

にこ「もう、ママったら」ギュー

こころあ「えへー」ギュー

こたろう「♪」ギュー

にこママ「ほらほら真姫ちゃんも」オイデオイデ

真姫「え、えぇぇ!?」

にこママ「それっ」ギュー

真姫「あ、あぅぅ///」ギュー

にこママ「よし、充電完了!いってきます!」

にこ「はいはい、いってらっしゃーい」フリフリ

真姫「い、いってらっしゃい(なんか恥ずかしい)///」

57: 2016/10/21(金) 16:34:40.94 ID:XPt173g90.net
ここあ「あ、真姫お姉ちゃん、おはよー!」

こころ「おはようございます」ペコリ

こたろう「はよー」

真姫「あ、うん、皆おはよう」

にこ「ほら、朝ごはんよ、食べましょう」

はーい

真姫(なんかいいわね、こういうの)

にこ「ほら、真姫ちゃんも」

真姫「ええ」


放課後

にこ「というわけで、昨日はごめんなさい」ペコリ

真姫「ごめんなさい」ペコリ

58: 2016/10/21(金) 16:35:14.63 ID:XPt173g90.net
海未「あ、いえいえそんな、急に練習を休んだのは問題ですが、事情が事情ですから、仕方ないですよ」

穂乃果「そうそう!気にしなくていいよ!」

ことり「でも良かったね、にこちゃん」

絵里「ええ、これも真姫のおかげね」

希「さっすが真姫ちゃん♪」

真姫「べ、別に!///大したことしてないわよ」

凛「照れてる照れてる~♪」

真姫「照れてないっ!」

にこ「ほんと、真姫ちゃんには感謝してるわ」ニコ

真姫「///」プイッ

花陽「ふふ、良かったです」

希「でも確かに、こころちゃんみたいな子に、『キライですっ』とか言われたらダメージ大きそう」

59: 2016/10/21(金) 16:35:55.29 ID:XPt173g90.net
絵里「ええ、しかも妹ですもんね……」

にこ「そうね、絵里ならわかるでしょ、私の気持ち」

絵里(亜里沙「お姉ちゃんなんてだいっきらい!あっちいって!」)

絵里「がはっ」

花陽「え、絵里ちゃん!?」

絵里「き、キツイわね……」

にこ「絵里」

絵里「にこ」

がしっ

希「いやなんの握手よ」

凛「シスコン同盟にゃ」

穂乃果「うーん」

ことり「穂乃果ちゃん?どうしたの?」

穂乃果「いや、ウチの場合しょっちゅう喧嘩というか、言い合いとかがあるからなぁって」

海未「雪穂はしっかりしてますからね、だらしのない穂乃果にはお説教のひとつもしたくなるでしょう」

穂乃果「もーなんで雪穂の味方なのー?」

海未「当然です」

60: 2016/10/21(金) 16:37:02.35 ID:XPt173g90.net
にこ「アンタんとこはね。でもきっとそれは、喧嘩しても仲直りできるってわかってるからよ」

にこ「もしも相手に嫌われて、仲直りできないんじゃないかってくらいの態度をされたらって考えてみなさいよ」

穂乃果(雪穂「は?お姉ちゃんとかマジでウザいんですけど」)

穂乃果(雪穂「気安く触らないでくれる?馬鹿がうつるわ」)

穂乃果「かはっ」

ことり「穂乃果ちゃん!?」

にこえり「穂乃果」

穂乃果「二人とも……」

がしっ

凛「一人追加にゃー」

花陽「あ、あははは」

61: 2016/10/21(金) 16:37:39.52 ID:XPt173g90.net
海未「ほらほら、じゃれてないで練習しますよ」

穂乃果「はーい」

希「何はともあれ、めでたしめでたしやん♪」

絵里「そうね」

真姫「まったく、人騒がせなんだから」

希「その後、矢澤家に気に入られた真姫ちゃんは、家族ぐるみのお付き合いを始めることとなるのであった」

真姫「変なナレーション入れないで!」


ハッピーエンドね

63: 2016/10/21(金) 16:38:42.31 ID:XPt173g90.net
終わりです
なんか長かった
すみません

64: 2016/10/21(金) 16:38:52.21 ID:BDkzGj6sd.net

これは良いSS

66: 2016/10/21(金) 16:42:15.94 ID:JVYz4HW50.net
矢澤家と真姫のSS本当好き

引用: 【SS】真姫「こころちゃんが反抗期?」 にこ「……うん」