1: 2016/10/25(火) 18:40:39.48 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「――もしも、明日が人生最後の日だったとしたら、みんなは何する?」
ルビィ「人生?」
花丸「最後の日?」
善子「……大丈夫? なんか変なものでも食べたの?」
千歌「酷いよ善子ちゃん!?」
善子「ヨハネよ!!」
ルビィ「人生?」
花丸「最後の日?」
善子「……大丈夫? なんか変なものでも食べたの?」
千歌「酷いよ善子ちゃん!?」
善子「ヨハネよ!!」
2: 2016/10/25(火) 18:41:12.98 ID:zNeCbJSQ.net
ダイヤ「まぁ、千歌さんらしからぬ問いかけと言えば問いかけですね」
果南「でも急にどうしたの?」
梨子「千歌ちゃんのことだから、どうせ漫画かドラマの影響でしょ?」
千歌「あはは……」
梨子「だと思ったわ」
曜「あはは……でもそうだなぁ、なんだろ」
梨子「人生最後の日、ねえ……」
鞠莉「っていうか! まだマリー達って青春真っ只中なんだから! そんな暗いこと考えちゃ駄目駄目よ!」
花丸「た、確かに……」
果南「でも急にどうしたの?」
梨子「千歌ちゃんのことだから、どうせ漫画かドラマの影響でしょ?」
千歌「あはは……」
梨子「だと思ったわ」
曜「あはは……でもそうだなぁ、なんだろ」
梨子「人生最後の日、ねえ……」
鞠莉「っていうか! まだマリー達って青春真っ只中なんだから! そんな暗いこと考えちゃ駄目駄目よ!」
花丸「た、確かに……」
3: 2016/10/25(火) 18:44:06.16 ID:zNeCbJSQ.net
ルビィ「人生最後の日……例えば、重い病気になってるとか、そういう時ですか?」
千歌「ん……まあそんな感じかな」
千歌「明日、自分にとっての世界がなくなっちゃうとか、そんな感じというか……」
梨子「余命宣告を受けた、みたいなものね。でも、そういうのはなんかしっくり来ないわね……」
果南「確かに、「明日、氏にます」なんて、医者から言われるってあんまり想像つかないよね」
梨子「うーん……いざ考えると、まずそういうシチュエーションが浮かばないというか……」
千歌「ん……まあそんな感じかな」
千歌「明日、自分にとっての世界がなくなっちゃうとか、そんな感じというか……」
梨子「余命宣告を受けた、みたいなものね。でも、そういうのはなんかしっくり来ないわね……」
果南「確かに、「明日、氏にます」なんて、医者から言われるってあんまり想像つかないよね」
梨子「うーん……いざ考えると、まずそういうシチュエーションが浮かばないというか……」
5: 2016/10/25(火) 18:44:26.20 ID:zNeCbJSQ.net
ダイヤ「最後の晩餐、といえば、キリストが処刑される前日のことでしたわね」
果南「氏刑囚とかは、そういう日があるだろうね。明確な、氏の前日ってやつ」
善子「世界が破滅を迎える刹那……そう。闇の世界と常世が繋がり、魔界の悪鬼悪霊がこの地上に侵攻して――!」
花丸「善子ちゃんは人生楽しそうだよね」
善子「何よ!! でも、人生最後の日ってそんな感じじゃない?」
曜「流石に、異世界から悪魔が流れ込んでくる終末っていうのはちょっとヤだな……」
果南「氏刑囚とかは、そういう日があるだろうね。明確な、氏の前日ってやつ」
善子「世界が破滅を迎える刹那……そう。闇の世界と常世が繋がり、魔界の悪鬼悪霊がこの地上に侵攻して――!」
花丸「善子ちゃんは人生楽しそうだよね」
善子「何よ!! でも、人生最後の日ってそんな感じじゃない?」
曜「流石に、異世界から悪魔が流れ込んでくる終末っていうのはちょっとヤだな……」
6: 2016/10/25(火) 18:44:59.20 ID:zNeCbJSQ.net
梨子「……でも、明日氏んじゃうっていうんだったら、なるべく悔いは残したくないわね」
ダイヤ「"朝に道を聞かば、夕べに氏すとも可なり"」
鞠莉「?」
花丸「人としての真理を知ることができれば、その日の内に氏んでしまっても構わない」
ダイヤ「流石ですわね。孔子の有名な言葉ですが、人生最後の日については、こういった格言もあるのですわ」
花丸「つまり?」
ダイヤ「そうですわね……確かに、そういったことを知ることができれば、満足に逝くこともできるでしょう」
ダイヤ「もっと砕けた表現をするならば、やるべきことをやったならば、そこで氏んでも悔いはない、と」
ダイヤ「"朝に道を聞かば、夕べに氏すとも可なり"」
鞠莉「?」
花丸「人としての真理を知ることができれば、その日の内に氏んでしまっても構わない」
ダイヤ「流石ですわね。孔子の有名な言葉ですが、人生最後の日については、こういった格言もあるのですわ」
花丸「つまり?」
ダイヤ「そうですわね……確かに、そういったことを知ることができれば、満足に逝くこともできるでしょう」
ダイヤ「もっと砕けた表現をするならば、やるべきことをやったならば、そこで氏んでも悔いはない、と」
7: 2016/10/25(火) 18:45:53.46 ID:zNeCbJSQ.net
ダイヤ「ですが……私は、ルビィを置いて一人先に逝ってしまうのは、どうにも不安で不安で……」
ルビィ「あはは……」
ダイヤ「ルビィがもう少ししっかりしてきたら心置きなく逝けるのですが……」
曜「つまり、ルビィちゃんがしっかりしなければダイヤさんは不氏身?」
ルビィ「が、がんばルビィ!」
ダイヤ「ちょっと! 変なことを吹き込まないでください!」
曜「ひゃっ!」
ルビィ「あはは……」
ダイヤ「ルビィがもう少ししっかりしてきたら心置きなく逝けるのですが……」
曜「つまり、ルビィちゃんがしっかりしなければダイヤさんは不氏身?」
ルビィ「が、がんばルビィ!」
ダイヤ「ちょっと! 変なことを吹き込まないでください!」
曜「ひゃっ!」
8: 2016/10/25(火) 18:46:33.45 ID:zNeCbJSQ.net
果南「でもそうだね……やり残したことかぁ」
梨子「いっぱいあると思うけど、いざ考えるとね……」
果南「この先大人になったら、それこそそんなものいっぱい出てくると思うけど……」
果南「でも、Aqoursを再結成できたって意味では、悔いはないかな?」
鞠莉「ちょっと果南!?」
果南「そりゃ、私たちが卒業するまでは続けたいけどさ」
梨子「いっぱいあると思うけど、いざ考えるとね……」
果南「この先大人になったら、それこそそんなものいっぱい出てくると思うけど……」
果南「でも、Aqoursを再結成できたって意味では、悔いはないかな?」
鞠莉「ちょっと果南!?」
果南「そりゃ、私たちが卒業するまでは続けたいけどさ」
9: 2016/10/25(火) 18:48:17.70 ID:zNeCbJSQ.net
果南「あの日の約束を果たせたって意味では、明日氏んでも、化けて出ることはないかな?」
ダイヤ「まぁ、氏んでもいいかと言われると微妙ですけど、そういった心残りはないですわね」
鞠莉「ダイヤも!」
ダイヤ「ですから、あくまで例えのお話ですってば」
花丸「ルビィちゃんは、最後になにしたい?」
ルビィ「何かな……みんなほど、しっかりしたことは思いつかないけど」
ルビィ「高くて美味しいアイスをお腹いっぱい食べるとか、アイドルのDVDを徹夜で鑑賞会しちゃうとか……」
ルビィ「それくらいかな? あははは……」
ダイヤ「まぁ、氏んでもいいかと言われると微妙ですけど、そういった心残りはないですわね」
鞠莉「ダイヤも!」
ダイヤ「ですから、あくまで例えのお話ですってば」
花丸「ルビィちゃんは、最後になにしたい?」
ルビィ「何かな……みんなほど、しっかりしたことは思いつかないけど」
ルビィ「高くて美味しいアイスをお腹いっぱい食べるとか、アイドルのDVDを徹夜で鑑賞会しちゃうとか……」
ルビィ「それくらいかな? あははは……」
10: 2016/10/25(火) 18:51:05.24 ID:zNeCbJSQ.net
花丸「でも、その気持ちわかるよ。マルも、最後は好きなものをめいっぱい食べたいかな」
花丸「あっ……今読んでる小説の結末が見れないのは、すっごい心残りかも……」
梨子「それは確かに心残りね……」
曜「うん……ずっと連載してる漫画とかあるけど、ああいうのって私達が生きてる間に完結するのかなって思うことあるよね」
果南「どっちかっていうと書いてる人が先に亡くなっちゃうかも、っていう不安だよね」
曜「あはは、そうだね」
花丸「あっ……今読んでる小説の結末が見れないのは、すっごい心残りかも……」
梨子「それは確かに心残りね……」
曜「うん……ずっと連載してる漫画とかあるけど、ああいうのって私達が生きてる間に完結するのかなって思うことあるよね」
果南「どっちかっていうと書いてる人が先に亡くなっちゃうかも、っていう不安だよね」
曜「あはは、そうだね」
11: 2016/10/25(火) 18:51:32.66 ID:zNeCbJSQ.net
曜「でも、やっぱり悩むよね。そりゃ、毎日一生懸命生きてるとは思うけど」
梨子「毎日毎日を、人生最後の日だと思って生き抜くような人は、なかなかいないよね」
ダイヤ「それこそ、歴史上の偉人の生き様に近いでしょうね」
曜「私の命日かー……どうせなら、ものすごい高い崖からの飛び込みに挑戦してみる! とか?」
梨子「曜ちゃんらしい……」
曜「えへへっ。梨子ちゃんは?」
梨子「え? わ、私はー……わ、私も、美味しいもの食べたりとかかな、あはは……」
曜「?」
梨子「毎日毎日を、人生最後の日だと思って生き抜くような人は、なかなかいないよね」
ダイヤ「それこそ、歴史上の偉人の生き様に近いでしょうね」
曜「私の命日かー……どうせなら、ものすごい高い崖からの飛び込みに挑戦してみる! とか?」
梨子「曜ちゃんらしい……」
曜「えへへっ。梨子ちゃんは?」
梨子「え? わ、私はー……わ、私も、美味しいもの食べたりとかかな、あはは……」
曜「?」
12: 2016/10/25(火) 18:51:58.95 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「……」
曜「そういう千歌ちゃんはどうなの? 人生最後の日にやりたいことって」
千歌「私? ああ、私かあ……」
千歌「……思い付かないや」
鞠莉「ちょっとぉ……ちかっちが振った話題でしょ?」
千歌「ごめんごめん。でもそうだね、悔いは残したくないかな」
千歌「最後に好きなことを好きなだけしたい! っていうのもあるけど」
千歌「でも、ダイヤさんが言ったみたいに……やりたかったことがやれたら、もう、それでいいかな」
曜「そういう千歌ちゃんはどうなの? 人生最後の日にやりたいことって」
千歌「私? ああ、私かあ……」
千歌「……思い付かないや」
鞠莉「ちょっとぉ……ちかっちが振った話題でしょ?」
千歌「ごめんごめん。でもそうだね、悔いは残したくないかな」
千歌「最後に好きなことを好きなだけしたい! っていうのもあるけど」
千歌「でも、ダイヤさんが言ったみたいに……やりたかったことがやれたら、もう、それでいいかな」
13: 2016/10/25(火) 18:52:26.03 ID:zNeCbJSQ.net
曜「千歌ちゃん?」
千歌「さ、帰ろっか、みんな」
鞠莉「……そういえばー? みんなって、明日はフリー?」
善子「何よ唐突に。 まぁ、予定は特にないけど……」
花丸「私も特にないかな。ルビィちゃんは?」
ルビィ「私も特にないです」
ダイヤ「私も、買い物に行こうか、と思っていた程度ですわ」
果南「うん、用事は特にないね」
梨子「私も特には……」
曜「この分だと、みんな暇、かな……?」
千歌「さ、帰ろっか、みんな」
鞠莉「……そういえばー? みんなって、明日はフリー?」
善子「何よ唐突に。 まぁ、予定は特にないけど……」
花丸「私も特にないかな。ルビィちゃんは?」
ルビィ「私も特にないです」
ダイヤ「私も、買い物に行こうか、と思っていた程度ですわ」
果南「うん、用事は特にないね」
梨子「私も特には……」
曜「この分だと、みんな暇、かな……?」
15: 2016/10/25(火) 18:55:23.86 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「そうだね。別に、土日に旅館の手伝いとしなきゃってほどでもないし」
鞠莉「だとしたら、明日、合宿しない?」
果南「なんでまた……」
ダイヤ「唐突ですわね……」
鞠莉「もしかしたら明後日が地球最後の日かもしれない!」
鞠莉「そう思ったら、Aqoursが一緒にいられるのは明日だけよ!!」
鞠莉「悠長なことしてられないわ!! 最後の最後に思い出を作るためにも、合宿しなきゃ駄目よ!!」
曜「いやいやいや、別に滅ぶって決まったわけじゃないから」
善子「流石に、ねえ……?」
鞠莉「だとしたら、明日、合宿しない?」
果南「なんでまた……」
ダイヤ「唐突ですわね……」
鞠莉「もしかしたら明後日が地球最後の日かもしれない!」
鞠莉「そう思ったら、Aqoursが一緒にいられるのは明日だけよ!!」
鞠莉「悠長なことしてられないわ!! 最後の最後に思い出を作るためにも、合宿しなきゃ駄目よ!!」
曜「いやいやいや、別に滅ぶって決まったわけじゃないから」
善子「流石に、ねえ……?」
16: 2016/10/25(火) 18:55:49.27 ID:zNeCbJSQ.net
果南「でも、いいんじゃないかな。お泊まり会みたいで♪」
梨子「でも、場所はどうするんですか?」
鞠莉「マリーを誰だと思ってるの? ホテルオハラの収容力を、甘く見ないことね!!」
花丸「ということは……!」
ルビィ「あの高級ホテルで……!」
善子「お泊まり会……!!」
ダイヤ「い、いいんですの? そんな唐突に」
鞠莉「いいもなにも、私が許可するって言ってるの! ザッツ、オールライッ!」
梨子「でも、場所はどうするんですか?」
鞠莉「マリーを誰だと思ってるの? ホテルオハラの収容力を、甘く見ないことね!!」
花丸「ということは……!」
ルビィ「あの高級ホテルで……!」
善子「お泊まり会……!!」
ダイヤ「い、いいんですの? そんな唐突に」
鞠莉「いいもなにも、私が許可するって言ってるの! ザッツ、オールライッ!」
17: 2016/10/25(火) 18:57:31.90 ID:zNeCbJSQ.net
花丸「それじゃ、今晩から急いで準備しなきゃ……!」
ルビィ「な、何持っていけばいいかな……」
善子「ふふっ……暗黒魔会の帳が降りる時、夜魔は闇夜に躍り出るのよ……」
曜「でも、楽しみだね!」
梨子「そうね」
ルビィ「な、何持っていけばいいかな……」
善子「ふふっ……暗黒魔会の帳が降りる時、夜魔は闇夜に躍り出るのよ……」
曜「でも、楽しみだね!」
梨子「そうね」
18: 2016/10/25(火) 18:58:06.74 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「………」
ダイヤ「千歌さん」
千歌「わっ」
果南「何か……あったの?」
千歌「どうしたの? 二人共」
ダイヤ「いえ、何が、というわけではないのですが……」
果南「その……元気がないというよりは、何か、思い詰めてる?」
ダイヤ「そういえば最近、練習のときもよくふらついていたりしていませんでしたか?」
千歌「そ、そうかな?」
果南「……リーダーだからって、我慢しすぎないでよね」
ダイヤ「千歌さん」
千歌「わっ」
果南「何か……あったの?」
千歌「どうしたの? 二人共」
ダイヤ「いえ、何が、というわけではないのですが……」
果南「その……元気がないというよりは、何か、思い詰めてる?」
ダイヤ「そういえば最近、練習のときもよくふらついていたりしていませんでしたか?」
千歌「そ、そうかな?」
果南「……リーダーだからって、我慢しすぎないでよね」
19: 2016/10/25(火) 19:00:09.48 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫だよ」
ダイヤ「言葉にしなくても伝わるものもあります。しかし、しっかりと言葉にすることもまた重要なのですよ」
果南「力になれるかどうかはわからないけど、上級生なんだから、頼って欲しいってのはあるかな」
千歌「うん、ありがとうね、二人共」
ダイヤ「経験者たちからの助言ですわ」
果南「そうそう。重みのある言葉だから」
千歌「あはは……」
ダイヤ「言葉にしなくても伝わるものもあります。しかし、しっかりと言葉にすることもまた重要なのですよ」
果南「力になれるかどうかはわからないけど、上級生なんだから、頼って欲しいってのはあるかな」
千歌「うん、ありがとうね、二人共」
ダイヤ「経験者たちからの助言ですわ」
果南「そうそう。重みのある言葉だから」
千歌「あはは……」
21: 2016/10/25(火) 19:06:28.76 ID:zNeCbJSQ.net
・・・・・・・・・・・・
翌晩
鞠莉「Welcome!! ようこそいらっしゃいませ~、当ホテルへ!!」
よしまるびぃ「「「うわぁ~~~~~っ!!!」」」
ダイヤ「こらこら……あまり他のお客様の迷惑になるようなことは……」
果南「ダイヤがそれを言うかなぁ?」
ダイヤ「おほん……せ、節度を持った行動を心がけるように致しましょうね?」
曜「すごいホテルだねぇ、千歌ちゃん!」
千歌「うん! すごいね!」
梨子「さすが高級リゾートホテル……」
翌晩
鞠莉「Welcome!! ようこそいらっしゃいませ~、当ホテルへ!!」
よしまるびぃ「「「うわぁ~~~~~っ!!!」」」
ダイヤ「こらこら……あまり他のお客様の迷惑になるようなことは……」
果南「ダイヤがそれを言うかなぁ?」
ダイヤ「おほん……せ、節度を持った行動を心がけるように致しましょうね?」
曜「すごいホテルだねぇ、千歌ちゃん!」
千歌「うん! すごいね!」
梨子「さすが高級リゾートホテル……」
22: 2016/10/25(火) 19:06:53.03 ID:zNeCbJSQ.net
鞠莉「そして此処が、私達の部屋よ!」
梨子「い、いいんですか本当に……?」
鞠莉「もちのロン! 正規の方法で宿泊してるんだから、遠慮はNothing!」
曜「普通に生活してたら、めったに泊まれなさそうな部屋だね……」
花丸「うわ~っ! すっごい、きれいな部屋ずら~!!」
善子「ちょっと! ベッドに一番乗りするのは私よ!」
ルビィ「すごい……!」
ダイヤ「さすがは小原家といったところですわね……」
果南「改めて、鞠莉が実はすごい人間だったんだって思うよ……」
鞠莉「それ、褒めてるの?」
梨子「い、いいんですか本当に……?」
鞠莉「もちのロン! 正規の方法で宿泊してるんだから、遠慮はNothing!」
曜「普通に生活してたら、めったに泊まれなさそうな部屋だね……」
花丸「うわ~っ! すっごい、きれいな部屋ずら~!!」
善子「ちょっと! ベッドに一番乗りするのは私よ!」
ルビィ「すごい……!」
ダイヤ「さすがは小原家といったところですわね……」
果南「改めて、鞠莉が実はすごい人間だったんだって思うよ……」
鞠莉「それ、褒めてるの?」
23: 2016/10/25(火) 19:07:57.48 ID:zNeCbJSQ.net
鞠莉「流石に9人を収容するのは無理だから、寝室は3-3-3の3部屋になるわ」
果南「ユニット別? 学年別?」
鞠莉「せっかくだから、ユニット別にしてみようと思うの」
ルビィ「じゃあ、CYaRon!だから」
曜「私と千歌ちゃんと一緒だね」
千歌「だねっ!」
ルビィ「はい!」
果南「ユニット別? 学年別?」
鞠莉「せっかくだから、ユニット別にしてみようと思うの」
ルビィ「じゃあ、CYaRon!だから」
曜「私と千歌ちゃんと一緒だね」
千歌「だねっ!」
ルビィ「はい!」
24: 2016/10/25(火) 19:08:23.79 ID:zNeCbJSQ.net
善子「ふっふっふっ……この龍脈の上に位置するパワースポットならば、我がGuilty Kissの魔力も更なる高みへと……!」
鞠莉「ふふふ……リリー? 今晩は安らかに眠れるとは思わないことね……!」
梨子「あはははは……は……はぁ……」
ダイヤ「というわけで、よろしくお願いしますわ」
花丸「なんだか、お姉ちゃんが二人できたみたいっ♪」
果南「ふふっ。私も、可愛い妹が出来たみたいで楽しいよ」
鞠莉「ふふふ……リリー? 今晩は安らかに眠れるとは思わないことね……!」
梨子「あはははは……は……はぁ……」
ダイヤ「というわけで、よろしくお願いしますわ」
花丸「なんだか、お姉ちゃんが二人できたみたいっ♪」
果南「ふふっ。私も、可愛い妹が出来たみたいで楽しいよ」
25: 2016/10/25(火) 19:13:24.86 ID:zNeCbJSQ.net
鞠莉「でも! 夜はまだ長いのよ!! まずはここでガールズトークに一花咲かせて……」
梨子「が、ガールズトーク?」
善子「修学旅行の夜のアレみたいなものよね」
曜「赤裸々暴露話とか、そういう感じかな?」
花丸「赤裸々……」
ルビィ「暴露……」
ダイヤ「ちょっと皆さん……」
鞠莉「なーによぉ! 花の女子高生なんだから、たまにはそういうのも大事じゃない!!」
梨子「が、ガールズトーク?」
善子「修学旅行の夜のアレみたいなものよね」
曜「赤裸々暴露話とか、そういう感じかな?」
花丸「赤裸々……」
ルビィ「暴露……」
ダイヤ「ちょっと皆さん……」
鞠莉「なーによぉ! 花の女子高生なんだから、たまにはそういうのも大事じゃない!!」
26: 2016/10/25(火) 19:17:23.20 ID:zNeCbJSQ.net
果南「そういうからには、鞠莉にはとっておきのネタがあるんだよね?」
鞠莉「えっと……果南?」
果南「ならば、まずは鞠莉大先輩から面白いネタを振ってもらおうかなぁ」
よしまるびぃ「「「お~っ!!」」」
鞠莉「ちょっと……? 何かしら、その笑顔は……?」
果南「ん~? なんでもないよ~?」
鞠莉「あは……あははは……」
鞠莉「えっと……果南?」
果南「ならば、まずは鞠莉大先輩から面白いネタを振ってもらおうかなぁ」
よしまるびぃ「「「お~っ!!」」」
鞠莉「ちょっと……? 何かしら、その笑顔は……?」
果南「ん~? なんでもないよ~?」
鞠莉「あは……あははは……」
27: 2016/10/25(火) 19:18:39.18 ID:zNeCbJSQ.net
果南「で? ネタは?」
鞠莉「……そ、その前に! ここで重大発表があるの!」
善子「何よ?」
鞠莉「なんと! Aqoursにミニライブの出演依頼が来てるの!」
ダイヤ「ライブの出演依頼?」
鞠莉「イエース! 浦の星女学院スクールアイドル部宛ての、Officialの依頼よ!!」
花丸「はぇ~」
鞠莉「……そ、その前に! ここで重大発表があるの!」
善子「何よ?」
鞠莉「なんと! Aqoursにミニライブの出演依頼が来てるの!」
ダイヤ「ライブの出演依頼?」
鞠莉「イエース! 浦の星女学院スクールアイドル部宛ての、Officialの依頼よ!!」
花丸「はぇ~」
28: 2016/10/25(火) 19:20:17.68 ID:zNeCbJSQ.net
曜「っていうか結構それ大事な話だよね……今の流れがなかったら、もっと先送りにされてたんじゃ……」
鞠莉「そ、そんなことないわよ!?」
梨子「日取りは?」
鞠莉「二週間後!!」
善子「結構すぐじゃないのよ!」
鞠莉「だってぇ! 理事長って、他にも色々書類仕事があって……こう見えても大変なのよ!」
果南「でもまあ、今までの曲でいいんでしょ? それくらいが、緊張感をキープできるベストな期間だと思うよ」
ダイヤ「でしたら、明日から練習プランを少し修正したほうがよいかもしれませんわね」
曜「っていうか結構それ大事な話だよね……今の流れがなかったら、もっと先送りにされてたんじゃ……」
鞠莉「そ、そんなことないわよ!?」
梨子「日取りは?」
鞠莉「二週間後!!」
善子「結構すぐじゃないのよ!」
鞠莉「だってぇ! 理事長って、他にも色々書類仕事があって……こう見えても大変なのよ!」
果南「でもまあ、今までの曲でいいんでしょ? それくらいが、緊張感をキープできるベストな期間だと思うよ」
ダイヤ「でしたら、明日から練習プランを少し修正したほうがよいかもしれませんわね」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
鞠莉「そ、そんなことないわよ!?」
梨子「日取りは?」
鞠莉「二週間後!!」
善子「結構すぐじゃないのよ!」
鞠莉「だってぇ! 理事長って、他にも色々書類仕事があって……こう見えても大変なのよ!」
果南「でもまあ、今までの曲でいいんでしょ? それくらいが、緊張感をキープできるベストな期間だと思うよ」
ダイヤ「でしたら、明日から練習プランを少し修正したほうがよいかもしれませんわね」
曜「っていうか結構それ大事な話だよね……今の流れがなかったら、もっと先送りにされてたんじゃ……」
鞠莉「そ、そんなことないわよ!?」
梨子「日取りは?」
鞠莉「二週間後!!」
善子「結構すぐじゃないのよ!」
鞠莉「だってぇ! 理事長って、他にも色々書類仕事があって……こう見えても大変なのよ!」
果南「でもまあ、今までの曲でいいんでしょ? それくらいが、緊張感をキープできるベストな期間だと思うよ」
ダイヤ「でしたら、明日から練習プランを少し修正したほうがよいかもしれませんわね」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
29: 2016/10/25(火) 19:23:37.34 ID:zNeCbJSQ.net
曜「……千歌ちゃん?」
千歌「ふぇっ?」
曜「さっきから黙ってるけど、どうしたの?」
千歌「あ、いや、なんでもないよ! それより、ライブ! 頑張らないとね!!」
梨子「もしかして……もう、眠いの?」
千歌「そ、そんなことないよ!」
善子「授業中寝てそうなのに」
千歌「善子ちゃん酷い!?」
善子「ヨハネよ!!!」
千歌「ふぇっ?」
曜「さっきから黙ってるけど、どうしたの?」
千歌「あ、いや、なんでもないよ! それより、ライブ! 頑張らないとね!!」
梨子「もしかして……もう、眠いの?」
千歌「そ、そんなことないよ!」
善子「授業中寝てそうなのに」
千歌「善子ちゃん酷い!?」
善子「ヨハネよ!!!」
30: 2016/10/25(火) 19:30:36.02 ID:zNeCbJSQ.net
鞠莉「というわけで、今回の合宿はその作戦会議も兼ねているのでーす!!」
果南「絶対今思いついたでしょ……」
ダイヤ「まぁ、曲目とか衣装とか、いい機会ですから色々決めてしまいましょう」
梨子「そうだね」
善子「よはぁ……ベッドふかふか……」
花丸「ずらぁ……」
ルビィ「ぴぎぃ……」
曜「リラックスしてるなぁ……」
果南「絶対今思いついたでしょ……」
ダイヤ「まぁ、曲目とか衣装とか、いい機会ですから色々決めてしまいましょう」
梨子「そうだね」
善子「よはぁ……ベッドふかふか……」
花丸「ずらぁ……」
ルビィ「ぴぎぃ……」
曜「リラックスしてるなぁ……」
32: 2016/10/25(火) 19:45:13.38 ID:zNeCbJSQ.net
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ダイヤ「それでは、ライブのことについてはこの程度にしておきましょう」
果南「なんだかんだでスイスイ決まったね」
鞠莉「Aqoursの魅力を伝えるためにも、ミニライブだからって手は抜かないわよ!」
梨子「でも、随分遅くなっちゃいましたね」
曜「ま、たまにはいいじゃない♪ こういう夜も」
ダイヤ「それでは、ライブのことについてはこの程度にしておきましょう」
果南「なんだかんだでスイスイ決まったね」
鞠莉「Aqoursの魅力を伝えるためにも、ミニライブだからって手は抜かないわよ!」
梨子「でも、随分遅くなっちゃいましたね」
曜「ま、たまにはいいじゃない♪ こういう夜も」
33: 2016/10/25(火) 19:50:26.39 ID:zNeCbJSQ.net
花丸「そういえば、千歌さん大丈夫?」
千歌「え? 私?」
ルビィ「なんだか、話し合いの最中も元気なさそうでしたけど……」
善子「もしかして、風邪でもひいた?」
千歌「そ、そんなことないよ! 私は元気どころか、むしろそれだけが取り柄だもん!」
善子「言えてるわね」
千歌「フォローしてよぉ!!」
千歌「え? 私?」
ルビィ「なんだか、話し合いの最中も元気なさそうでしたけど……」
善子「もしかして、風邪でもひいた?」
千歌「そ、そんなことないよ! 私は元気どころか、むしろそれだけが取り柄だもん!」
善子「言えてるわね」
千歌「フォローしてよぉ!!」
34: 2016/10/25(火) 19:50:48.69 ID:zNeCbJSQ.net
梨子「千歌ちゃん」
千歌「ん? なあに?」
梨子「……本当に、大丈夫なの?」
千歌「大げさだなあ、大丈夫だって」
梨子「私の気の所為ならいいの」
千歌「梨子ちゃん?」
梨子「でも、今の千歌ちゃんを見ていると、なんだか、ある日急にどこか遠くに行っちゃうんじゃないかって」
梨子「よくわからないけど……まるで、今日が最後の日みたいだって」
梨子「そんな、嫌なことを考えちゃうの」
千歌「ん? なあに?」
梨子「……本当に、大丈夫なの?」
千歌「大げさだなあ、大丈夫だって」
梨子「私の気の所為ならいいの」
千歌「梨子ちゃん?」
梨子「でも、今の千歌ちゃんを見ていると、なんだか、ある日急にどこか遠くに行っちゃうんじゃないかって」
梨子「よくわからないけど……まるで、今日が最後の日みたいだって」
梨子「そんな、嫌なことを考えちゃうの」
35: 2016/10/25(火) 19:51:19.77 ID:zNeCbJSQ.net
梨子「本当、ただの思い過ごしだと思うよ。でも、そんな……」
千歌「心配症だね、梨子ちゃんは」
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「私は、皆に内緒で何処かに行ったりなんてしないよ」
梨子「……うん」
梨子「ごめんね、変なこと言い出して」
千歌「うん。大丈夫だよ」
千歌「心配症だね、梨子ちゃんは」
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「私は、皆に内緒で何処かに行ったりなんてしないよ」
梨子「……うん」
梨子「ごめんね、変なこと言い出して」
千歌「うん。大丈夫だよ」
36: 2016/10/25(火) 20:07:13.72 ID:zNeCbJSQ.net
鞠莉「それじゃ、各自寝室に分かれて後半戦ね!!」
梨子「え……」
善子「ふふふ……リリーにはまだまだ絞り出してもらうわよ……!」
梨子「何を!?」
果南「こらこら。あまりいじめてあげないでよね」
ダイヤ「いいですこと? 大騒ぎして、他のお客様のご迷惑にならないように」
花丸「大丈夫だよー」
ルビィ「うん、大丈夫大丈夫!」
曜「それじゃ、また明日ね」
千歌「うん。みんな、おやすみなさい」
梨子「え……」
善子「ふふふ……リリーにはまだまだ絞り出してもらうわよ……!」
梨子「何を!?」
果南「こらこら。あまりいじめてあげないでよね」
ダイヤ「いいですこと? 大騒ぎして、他のお客様のご迷惑にならないように」
花丸「大丈夫だよー」
ルビィ「うん、大丈夫大丈夫!」
曜「それじゃ、また明日ね」
千歌「うん。みんな、おやすみなさい」
37: 2016/10/25(火) 20:08:34.40 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「………」
曜「………」
ルビィ「すぅ……すぅ……」
千歌「………」
ガチャ
曜「………」
曜「……千歌、ちゃん?」
曜「………」
ルビィ「すぅ……すぅ……」
千歌「………」
ガチャ
曜「………」
曜「……千歌、ちゃん?」
38: 2016/10/25(火) 20:09:01.69 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「………」
千歌(内浦のほうは……もう、真っ暗だね)
キィ
曜「千歌ちゃん」
千歌「どうしたの? 曜ちゃん」
曜「あはは……なかなか寝付けなくてさ」
千歌「曜ちゃんらしくないね」
曜「……それは、お互い様じゃないかな」
千歌「……そうかもね」
千歌(内浦のほうは……もう、真っ暗だね)
キィ
曜「千歌ちゃん」
千歌「どうしたの? 曜ちゃん」
曜「あはは……なかなか寝付けなくてさ」
千歌「曜ちゃんらしくないね」
曜「……それは、お互い様じゃないかな」
千歌「……そうかもね」
39: 2016/10/25(火) 20:12:00.96 ID:zNeCbJSQ.net
曜「さすが鞠莉さんのホテル。こんなベランダもあるんだね」
千歌「すごいよね」
曜「……」
千歌「……」
曜「ねえ、千歌ちゃん」
千歌「なに?」
曜「……本当に、何処にも行かない?」
千歌「……どうしたの、急に」
曜「………」
千歌「すごいよね」
曜「……」
千歌「……」
曜「ねえ、千歌ちゃん」
千歌「なに?」
曜「……本当に、何処にも行かない?」
千歌「……どうしたの、急に」
曜「………」
40: 2016/10/25(火) 20:12:23.86 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「……行かないよ、何処にも」
曜「本当に?」
千歌「……うん」
曜「……ごめんね」
千歌「曜ちゃん?」
曜「ごめんね……なんでだろう」
曜「何気ない、千歌ちゃんの言葉のはずなのに……」
曜「どうしてだろ……なんでか、信じられないんだ……!」
千歌「曜ちゃん……」
曜「本当に?」
千歌「……うん」
曜「……ごめんね」
千歌「曜ちゃん?」
曜「ごめんね……なんでだろう」
曜「何気ない、千歌ちゃんの言葉のはずなのに……」
曜「どうしてだろ……なんでか、信じられないんだ……!」
千歌「曜ちゃん……」
41: 2016/10/25(火) 20:14:42.20 ID:zNeCbJSQ.net
曜「今まで、千歌ちゃんが酷い嘘をついてきたことなんて無かった」
曜「だから、信じたい。千歌ちゃんの言葉を、気持ちを信じたいのに」
曜「今の千歌ちゃんの言葉を……どうしても、信じられないんだ……!」
千歌「曜……ちゃん……」
曜「どうしてかな……なんで、こんなに不安なんだろう……」
曜「……千歌ちゃん、何かを、隠してるの?」
千歌「………」
曜「だから、信じたい。千歌ちゃんの言葉を、気持ちを信じたいのに」
曜「今の千歌ちゃんの言葉を……どうしても、信じられないんだ……!」
千歌「曜……ちゃん……」
曜「どうしてかな……なんで、こんなに不安なんだろう……」
曜「……千歌ちゃん、何かを、隠してるの?」
千歌「………」
42: 2016/10/25(火) 20:15:18.60 ID:zNeCbJSQ.net
曜「……それは、誰にも明かせないことなの?」
千歌「………」
曜「私達……仲間だよね?」
千歌「………」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「ごめんね……」
曜「千歌ちゃんが、そうやって我慢するのは、私達を気遣ってのこと?」
千歌「………」
曜「東京のライブのときだってそうだった……私達を不安にさせないために、わざと平気なふりしてた」
曜「今の千歌ちゃん、何か無理をしてる」
千歌「………」
曜「私達……仲間だよね?」
千歌「………」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「ごめんね……」
曜「千歌ちゃんが、そうやって我慢するのは、私達を気遣ってのこと?」
千歌「………」
曜「東京のライブのときだってそうだった……私達を不安にさせないために、わざと平気なふりしてた」
曜「今の千歌ちゃん、何か無理をしてる」
44: 2016/10/25(火) 20:20:37.89 ID:zNeCbJSQ.net
曜「私達じゃ、千歌ちゃんの力になれないの?」
曜「私は――千歌ちゃんの、その重荷を背負うことを手伝うことはできないの?」
千歌「曜ちゃん……」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「……聞いて、くれるかな」
曜「……うん」
千歌「……」
曜「私は――千歌ちゃんの、その重荷を背負うことを手伝うことはできないの?」
千歌「曜ちゃん……」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「……聞いて、くれるかな」
曜「……うん」
千歌「……」
45: 2016/10/25(火) 20:21:44.33 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「……この前さ。病院で検査してきたんだ」
曜「検査?」
千歌「最近、ちょっとふらつくことが増えた気がして、ちょっとおかしいと思ったんだ」
曜「そういえば……ダンスの時、時々距離感があってない気はしたけど……」
千歌「始めは、視力が下がっちゃったのかなって思ったんだ」
千歌「……確かに、視力も落ちてたんだけど」
千歌「見つかったのは、もっと別のものだったの」
曜「別の、もの……?」
千歌「脳腫瘍だって」
曜「え―――」
曜「検査?」
千歌「最近、ちょっとふらつくことが増えた気がして、ちょっとおかしいと思ったんだ」
曜「そういえば……ダンスの時、時々距離感があってない気はしたけど……」
千歌「始めは、視力が下がっちゃったのかなって思ったんだ」
千歌「……確かに、視力も落ちてたんだけど」
千歌「見つかったのは、もっと別のものだったの」
曜「別の、もの……?」
千歌「脳腫瘍だって」
曜「え―――」
46: 2016/10/25(火) 20:25:50.33 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「幸い、初期の段階らしくて、手術で治るみたいなんだ」
曜「そ、そうなんだ……」
千歌「でもね」
千歌「もしかしたら、一生目が見えなくなるかもしれないって」
曜「目が……見えなく、なる?」
千歌「確率は高くはないらしいけど、手術の時に、もしかしたら、って」
千歌「目の神経が、難しいことになってるとか言ってた」
千歌「びっくりしちゃったよ……まさか、目が見えなくなるかもしれないだなんて」
千歌「そしたらね、目の前が真っ暗になっちゃって」
千歌「あ、まだ見えてるんだよ? でも、そのときは何もかもが真っ暗」
曜「そ、そうなんだ……」
千歌「でもね」
千歌「もしかしたら、一生目が見えなくなるかもしれないって」
曜「目が……見えなく、なる?」
千歌「確率は高くはないらしいけど、手術の時に、もしかしたら、って」
千歌「目の神経が、難しいことになってるとか言ってた」
千歌「びっくりしちゃったよ……まさか、目が見えなくなるかもしれないだなんて」
千歌「そしたらね、目の前が真っ暗になっちゃって」
千歌「あ、まだ見えてるんだよ? でも、そのときは何もかもが真っ暗」
47: 2016/10/25(火) 20:26:19.91 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「気づいたら家に帰ってて、自分の部屋の天井を眺めてた」
千歌「思わず大泣きしちゃった……どうしよう、って」
千歌「手術の段取りはお母さんとかが色々決めてくれたらしくて、なんとか決まったんだ」
千歌「でも……その手術の日を過ぎたら、もしかしたら私は目が見えなくなってるかもしれない」
千歌「そう思うと、もう何も考えられなくなっちゃったの」
曜「そんなことが……」
千歌「思わず大泣きしちゃった……どうしよう、って」
千歌「手術の段取りはお母さんとかが色々決めてくれたらしくて、なんとか決まったんだ」
千歌「でも……その手術の日を過ぎたら、もしかしたら私は目が見えなくなってるかもしれない」
千歌「そう思うと、もう何も考えられなくなっちゃったの」
曜「そんなことが……」
50: 2016/10/25(火) 20:30:34.32 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「試しにね。目を閉じたまま、部屋の中を歩いてみたの」
千歌「目が見えなくても、耳が聞こえる。おしゃべりは出来る。体を動かすことだって出来る」
千歌「そう思ってた」
千歌「でも、真っ暗な世界って、本当に怖いんだ」
千歌「一歩歩くだけでも、何かにぶつかるんじゃ無いかってすごく怖くなって」
千歌「息を潜めて、心臓をドキドキさせながら、ドアに向かって歩いてみたの」
千歌「……何か、前にあるって思って目を開いてみたら」
千歌「ドアじゃなくて、壁だった」
千歌「もしも、外を歩こうとしたら、車とか、溝とか、もっともっと怖いものがあるのに」
千歌「私は、自分の部屋の中でさえ、目が見えない世界に耐えられなかったんだ」
千歌「目が見えなくても、耳が聞こえる。おしゃべりは出来る。体を動かすことだって出来る」
千歌「そう思ってた」
千歌「でも、真っ暗な世界って、本当に怖いんだ」
千歌「一歩歩くだけでも、何かにぶつかるんじゃ無いかってすごく怖くなって」
千歌「息を潜めて、心臓をドキドキさせながら、ドアに向かって歩いてみたの」
千歌「……何か、前にあるって思って目を開いてみたら」
千歌「ドアじゃなくて、壁だった」
千歌「もしも、外を歩こうとしたら、車とか、溝とか、もっともっと怖いものがあるのに」
千歌「私は、自分の部屋の中でさえ、目が見えない世界に耐えられなかったんだ」
51: 2016/10/25(火) 20:56:56.22 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「学校に行くのも、すごく嫌だった」
千歌「みんなに気づかれたらどうしよう、って」
千歌「私の目が見えなくなる、なんてことになったら……Aqoursは、きっとまた大変なことになる」
千歌「せっかく作ったAqoursを、私の手で壊したくなかった」
千歌「でも、いずれわかる日が来ちゃう。その時まで黙っていたほうが、もっとよくないんじゃないかって」
千歌「……考えはまとまらなかった。それでも、足は自然と部室の方に向かっていた」
千歌「みんなに気づかれたらどうしよう、って」
千歌「私の目が見えなくなる、なんてことになったら……Aqoursは、きっとまた大変なことになる」
千歌「せっかく作ったAqoursを、私の手で壊したくなかった」
千歌「でも、いずれわかる日が来ちゃう。その時まで黙っていたほうが、もっとよくないんじゃないかって」
千歌「……考えはまとまらなかった。それでも、足は自然と部室の方に向かっていた」
52: 2016/10/25(火) 20:58:01.23 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「その時は、こう思ってたんだ」
千歌「もうしばらくしたら、私は皆の顔を見ることができなくなっちゃうのかもしれない」
千歌「だから、せめてこの目が見えているうちは、その姿をしっかりと焼き付けたい」
千歌「今日が、最後なのかもしれないから」
千歌「私の中の風景は、もう、思い出しか残らないのかもしれないから」
千歌「一瞬一瞬を、心に焼き付けようって」
千歌「もうしばらくしたら、私は皆の顔を見ることができなくなっちゃうのかもしれない」
千歌「だから、せめてこの目が見えているうちは、その姿をしっかりと焼き付けたい」
千歌「今日が、最後なのかもしれないから」
千歌「私の中の風景は、もう、思い出しか残らないのかもしれないから」
千歌「一瞬一瞬を、心に焼き付けようって」
53: 2016/10/25(火) 20:58:37.14 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「そんなことを考えて、悩んでる内に、だんだん顔が下を向いていった」
千歌「その日は、おはようって元気に言えなかったと思う」
千歌「頑張ったけど、きっと、私は私の悩みを隠せてなかったと思う」
千歌「でもね。そんな私にも、みんなは笑顔でおはようって言ってくれた」
千歌「そしたらね……いつも以上に……これまで以上に、みんながキラキラして見えたの」
千歌「今この瞬間を、一生懸命生きてる」
千歌「何気ない、日常なんだけど、それはとても、すごく輝いてることなんだって、気づけたんだ」
千歌「私の見えてる世界が暗くなったから、みんなの輝きが、すごく眩しく見えた」
千歌「その日は、おはようって元気に言えなかったと思う」
千歌「頑張ったけど、きっと、私は私の悩みを隠せてなかったと思う」
千歌「でもね。そんな私にも、みんなは笑顔でおはようって言ってくれた」
千歌「そしたらね……いつも以上に……これまで以上に、みんながキラキラして見えたの」
千歌「今この瞬間を、一生懸命生きてる」
千歌「何気ない、日常なんだけど、それはとても、すごく輝いてることなんだって、気づけたんだ」
千歌「私の見えてる世界が暗くなったから、みんなの輝きが、すごく眩しく見えた」
55: 2016/10/25(火) 21:02:49.09 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「だから、私は思ったの」
千歌「この輝きを、消し去りたくないって」
千歌「もっと、もっともっと輝いていたい。みんなと一緒に」
千歌「みんなの輝きを、この目で、もっとずっと見届けていたいって、そう思ったんだ」
千歌「そしたら……言えなかった」
千歌「……ううん。言わなくても、なんとかなるって思ったんだ
千歌「奇跡が繋いでくれた私達だから、きっと、またなんとかなるかも、って」
千歌「この輝きを、消し去りたくないって」
千歌「もっと、もっともっと輝いていたい。みんなと一緒に」
千歌「みんなの輝きを、この目で、もっとずっと見届けていたいって、そう思ったんだ」
千歌「そしたら……言えなかった」
千歌「……ううん。言わなくても、なんとかなるって思ったんだ
千歌「奇跡が繋いでくれた私達だから、きっと、またなんとかなるかも、って」
56: 2016/10/25(火) 21:03:19.24 ID:zNeCbJSQ.net
曜「千歌ちゃん……」
千歌「ごめんね。なんだか、変に隠しちゃう形になっちゃって」
千歌「……あ、いや……隠しきれなかったのか……あはは……まいったな」
曜「謝るのは、私の方だよ……!」
曜「私が……千歌ちゃんのこと、そこまで気づけなかったのが……!!」
千歌「……曜ちゃんは、本当にやさしいんだね」
曜「……馬鹿曜だよ、私は」
千歌「そんなことないよ」ギュッ
曜「……泣きたいのは、千歌ちゃんのはずなのに」
千歌「……」
曜「私は……泣いちゃ駄目なのに……!」
千歌「いいんだよ、曜ちゃん」
千歌「ごめんね。なんだか、変に隠しちゃう形になっちゃって」
千歌「……あ、いや……隠しきれなかったのか……あはは……まいったな」
曜「謝るのは、私の方だよ……!」
曜「私が……千歌ちゃんのこと、そこまで気づけなかったのが……!!」
千歌「……曜ちゃんは、本当にやさしいんだね」
曜「……馬鹿曜だよ、私は」
千歌「そんなことないよ」ギュッ
曜「……泣きたいのは、千歌ちゃんのはずなのに」
千歌「……」
曜「私は……泣いちゃ駄目なのに……!」
千歌「いいんだよ、曜ちゃん」
57: 2016/10/25(火) 21:04:19.75 ID:zNeCbJSQ.net
曜「うっ……うぁ……うぁああっ……!」
千歌「………」
曜「千歌ちゃ……千歌ちゃぁん……!」
千歌「大丈夫だよ。手術はちゃんと受けるから、また会えるよ」
曜「でも……っ…!」
千歌「それに、さ。失敗するって決まったわけじゃないんだよ」
千歌「お医者さんもがんばるって言ってたから、きっと大丈夫だよ」
千歌「………」
曜「千歌ちゃ……千歌ちゃぁん……!」
千歌「大丈夫だよ。手術はちゃんと受けるから、また会えるよ」
曜「でも……っ…!」
千歌「それに、さ。失敗するって決まったわけじゃないんだよ」
千歌「お医者さんもがんばるって言ってたから、きっと大丈夫だよ」
58: 2016/10/25(火) 21:13:51.67 ID:zNeCbJSQ.net
曜「でも…でもっ!」
曜「もしかしたら、次に会う時に千歌ちゃんからは私が見えないかもしれない……っ!!」
曜「それどころか、誰も見えないのかもしれないっ!」
曜「そんなこと……嫌だ、嫌だよぉ……!!」
千歌「曜ちゃん」
千歌「これまでの話はさ。全部"もしかしたら"の話なんだから、せめて、暗い未来の話はナシにしよ?」
曜「千歌ちゃん……!」
曜「もしかしたら、次に会う時に千歌ちゃんからは私が見えないかもしれない……っ!!」
曜「それどころか、誰も見えないのかもしれないっ!」
曜「そんなこと……嫌だ、嫌だよぉ……!!」
千歌「曜ちゃん」
千歌「これまでの話はさ。全部"もしかしたら"の話なんだから、せめて、暗い未来の話はナシにしよ?」
曜「千歌ちゃん……!」
59: 2016/10/25(火) 21:16:52.77 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「私たちは、ずっと、輝きを追いかけてきた」
千歌「道のりは簡単じゃなかったけど、道標を見失ったことはなかった」
曜「……光の、道標……」
千歌「昔、船から見た灯台の明かり。覚えてる?」
曜「……うん」
千歌「大丈夫。私たちは、ちゃんと光の方角を目指して歩いてきた」
千歌「きっと、その先にはちゃんと光があるはずだから」
曜「ひかり……」
千歌「道のりは簡単じゃなかったけど、道標を見失ったことはなかった」
曜「……光の、道標……」
千歌「昔、船から見た灯台の明かり。覚えてる?」
曜「……うん」
千歌「大丈夫。私たちは、ちゃんと光の方角を目指して歩いてきた」
千歌「きっと、その先にはちゃんと光があるはずだから」
曜「ひかり……」
60: 2016/10/25(火) 21:17:27.22 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「明日が人生最後の日ってわけじゃない」
千歌「でしょ?」
曜「………」
千歌「明日もまた、きっと普通で」
千歌「でも……特別な日常が待ってる」
千歌「普通なんて、実はあんまり存在しなくて」
千歌「どんなものだって、きっと、特別な何かなんだ」
曜「千歌ちゃん……ついに、普通怪獣、卒業しちゃったね」
千歌「あはは……どうかな? まだ尻尾は生えてるかも」
千歌「でしょ?」
曜「………」
千歌「明日もまた、きっと普通で」
千歌「でも……特別な日常が待ってる」
千歌「普通なんて、実はあんまり存在しなくて」
千歌「どんなものだって、きっと、特別な何かなんだ」
曜「千歌ちゃん……ついに、普通怪獣、卒業しちゃったね」
千歌「あはは……どうかな? まだ尻尾は生えてるかも」
62: 2016/10/25(火) 21:20:07.47 ID:zNeCbJSQ.net
曜「……手術は、いつなの?」
千歌「……ミニライブの前日なんだ」
曜「じゃあ……」
千歌「うん……だから、どう言い出そうかと思ったんだけど」
曜「……大丈夫だよ」
千歌「曜ちゃん……」
千歌「……ミニライブの前日なんだ」
曜「じゃあ……」
千歌「うん……だから、どう言い出そうかと思ったんだけど」
曜「……大丈夫だよ」
千歌「曜ちゃん……」
63: 2016/10/25(火) 21:20:32.84 ID:zNeCbJSQ.net
曜「みんな、信じてるから」
曜「千歌ちゃんが、無事に戻ってくるって、信じてるから!!」
曜「Aqoursの太陽は、病気なんかで燃え尽きたりしないって!!」
千歌「曜ちゃん……」
曜「今回のミニライブは、8人で出ることになっちゃうけど」
曜「それでも! 心は繋がってる! 想いは一つに繋がってる!!」
曜「それに、その先も! その先の先も! その先の先の先も!」
曜「千歌ちゃんを待ってるライブは、まだまだいっぱいあるはずだから!!」
千歌「うん……! 私……わたし……!」
曜「だから……っ!!」
曜「千歌ちゃんが、無事に戻ってくるって、信じてるから!!」
曜「Aqoursの太陽は、病気なんかで燃え尽きたりしないって!!」
千歌「曜ちゃん……」
曜「今回のミニライブは、8人で出ることになっちゃうけど」
曜「それでも! 心は繋がってる! 想いは一つに繋がってる!!」
曜「それに、その先も! その先の先も! その先の先の先も!」
曜「千歌ちゃんを待ってるライブは、まだまだいっぱいあるはずだから!!」
千歌「うん……! 私……わたし……!」
曜「だから……っ!!」
64: 2016/10/25(火) 21:20:57.78 ID:zNeCbJSQ.net
うぇぇ~ん……
千歌「?」
曜「泣き声……?」
千歌「……あっ!」
曜「み、みんな!?」
梨子「何か声が聞こえると思って……」
果南「……気になって、みんな来ちゃったんだよね」
鞠莉「盗み聞きがどうとかなんて……言わせないわよ」
千歌「?」
曜「泣き声……?」
千歌「……あっ!」
曜「み、みんな!?」
梨子「何か声が聞こえると思って……」
果南「……気になって、みんな来ちゃったんだよね」
鞠莉「盗み聞きがどうとかなんて……言わせないわよ」
65: 2016/10/25(火) 21:21:31.03 ID:zNeCbJSQ.net
ダイヤ「千歌さん……」
果南「………」
鞠莉「ちかっち……」
善子「嘘でしょ……いえ、嘘じゃ、ないんだよ、ね……」
ルビィ「うっ……ううっ……!」
千歌「……ごめんね。なかなか言い出せなくて」
花丸「でも……一番辛いのは……千歌さんなのに……!」
梨子「千歌ちゃん……」
果南「………」
鞠莉「ちかっち……」
善子「嘘でしょ……いえ、嘘じゃ、ないんだよ、ね……」
ルビィ「うっ……ううっ……!」
千歌「……ごめんね。なかなか言い出せなくて」
花丸「でも……一番辛いのは……千歌さんなのに……!」
梨子「千歌ちゃん……」
66: 2016/10/25(火) 21:22:49.31 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「……ごめんね、みんなに心配をかけて」
梨子「どうして……謝るの……?」
梨子「一番辛いのは……千歌ちゃんでしょ……!」
千歌「……確かに、辛いといえば辛いかな」
梨子「なのに……どうして、あなたはそんなに強くいられるの……!」
千歌「違う」
梨子「何が違うの!」
千歌「私は、強くなんてないよ」
千歌「みんなが、こうして一緒にいてくれるから」
千歌「みんなと、一緒に過ごしてきたから、諦めないでいられるんだよ」
梨子「どうして……謝るの……?」
梨子「一番辛いのは……千歌ちゃんでしょ……!」
千歌「……確かに、辛いといえば辛いかな」
梨子「なのに……どうして、あなたはそんなに強くいられるの……!」
千歌「違う」
梨子「何が違うの!」
千歌「私は、強くなんてないよ」
千歌「みんなが、こうして一緒にいてくれるから」
千歌「みんなと、一緒に過ごしてきたから、諦めないでいられるんだよ」
67: 2016/10/25(火) 21:30:17.86 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「そう。みんなと一緒に。Aqoursを、ゼロから作り上げてきた私達だから」
曜「………」
梨子「千歌……ちゃ……ん……!」
千歌「ふふっ……初めは、入部をあんなに断られちゃったのにね」
梨子「うっ……ううっ……!」
――桜舞い散るあの場所で 共に語った夢を覚えているだろうか
曜「………」
梨子「千歌……ちゃ……ん……!」
千歌「ふふっ……初めは、入部をあんなに断られちゃったのにね」
梨子「うっ……ううっ……!」
――桜舞い散るあの場所で 共に語った夢を覚えているだろうか
68: 2016/10/25(火) 21:31:08.25 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「曜ちゃんも、ずっと、ずっと一緒に手伝ってくれてたよね」
曜「……千歌ちゃん」
千歌「すごく、助けられてきた。なにもない私だったけど、曜ちゃんがいたから、ここまで来れた」
曜「やめてよ……そんな、そんなこと言うの……!」
千歌「……一緒にAqoursを始めることが出来て、本当に、嬉しかった」
見渡す限りの青空の下 共に笑いあった日々を覚えているだろうか
曜「……千歌ちゃん」
千歌「すごく、助けられてきた。なにもない私だったけど、曜ちゃんがいたから、ここまで来れた」
曜「やめてよ……そんな、そんなこと言うの……!」
千歌「……一緒にAqoursを始めることが出来て、本当に、嬉しかった」
見渡す限りの青空の下 共に笑いあった日々を覚えているだろうか
69: 2016/10/25(火) 21:31:53.18 ID:zNeCbJSQ.net
花丸「でも……だからって、こんなこと……!」
千歌「確かに、すごくショックだったよ。今だって、実はその気持ちはまだ消えてない」
千歌「でも、今ここでみんなの顔を見ることができて、私は力を貰ってるんだ」
千歌「人は、変われる。輝ける。花丸ちゃんも、そのことを教えてくれた一人だよ」
花丸「千歌……さぁ……っ!」
日々は咲き誇る花のように美しく そして儚くて
千歌「確かに、すごくショックだったよ。今だって、実はその気持ちはまだ消えてない」
千歌「でも、今ここでみんなの顔を見ることができて、私は力を貰ってるんだ」
千歌「人は、変われる。輝ける。花丸ちゃんも、そのことを教えてくれた一人だよ」
花丸「千歌……さぁ……っ!」
日々は咲き誇る花のように美しく そして儚くて
70: 2016/10/25(火) 21:33:37.06 ID:zNeCbJSQ.net
善子「……自分の不幸を、恨まないの?」
千歌「病気のことは不幸だと思うけど」
千歌「今この瞬間、この時間が在ることもひっくるめて考えたら――私は、私を恨むことはしないよ」
善子「どうして……そんな、そんなに……!」
千歌「一人じゃないから。私は、私だけだったらゼロだけど」
千歌「私だけじゃない、ゼロじゃないから、絶望なんてしないでいられる」
毎日が善き日であるようにと 精一杯走り抜けた
千歌「病気のことは不幸だと思うけど」
千歌「今この瞬間、この時間が在ることもひっくるめて考えたら――私は、私を恨むことはしないよ」
善子「どうして……そんな、そんなに……!」
千歌「一人じゃないから。私は、私だけだったらゼロだけど」
千歌「私だけじゃない、ゼロじゃないから、絶望なんてしないでいられる」
毎日が善き日であるようにと 精一杯走り抜けた
71: 2016/10/25(火) 21:33:51.91 ID:zNeCbJSQ.net
鞠莉「……マリーが、マリーが、ちかっちの異常に、もっと早く気付けたら……」
千歌「そんなことないですよ。十分、発見は早かったんですから」
鞠莉「でも! ちかっちが……こんな、こんな!」
千歌「鞠莉さんは、私に……私たちに、チャンスを与えてくれました」
千歌「あのチャンスがなかったら、今の私は……この病に立ち向かう私は、きっといなかった」
千歌「鞠莉さんは、今の私を、ずっと前から助けてくれたんです」
鞠莉「ちかっち……!!」
ここは終わりではない ここは始まりなんだと
千歌「そんなことないですよ。十分、発見は早かったんですから」
鞠莉「でも! ちかっちが……こんな、こんな!」
千歌「鞠莉さんは、私に……私たちに、チャンスを与えてくれました」
千歌「あのチャンスがなかったら、今の私は……この病に立ち向かう私は、きっといなかった」
千歌「鞠莉さんは、今の私を、ずっと前から助けてくれたんです」
鞠莉「ちかっち……!!」
ここは終わりではない ここは始まりなんだと
72: 2016/10/25(火) 21:34:38.32 ID:zNeCbJSQ.net
果南「……私たちは、馬鹿だ」
果南「千歌の背負っているものを、私達が背負っていけるだなんて驕っていたんだ……っ!」
千歌「ううん。十分だよ。十分すぎるほど、私の重荷は軽くなった」
千歌「果南ちゃんたちが、一緒に背負ってくれているから」
果南「……千歌」
果てのない世界を どこまでも歩いていけると信じていた
果南「千歌の背負っているものを、私達が背負っていけるだなんて驕っていたんだ……っ!」
千歌「ううん。十分だよ。十分すぎるほど、私の重荷は軽くなった」
千歌「果南ちゃんたちが、一緒に背負ってくれているから」
果南「……千歌」
果てのない世界を どこまでも歩いていけると信じていた
73: 2016/10/25(火) 21:34:51.45 ID:zNeCbJSQ.net
ダイヤ「何も……何も力添えできない自分が、恥ずかしいですわ……!」
千歌「そんなことないです。私は、みんなからとっても大きな力を貰ってる」
千歌「力も、勇気も、想い出も、何もかも」
千歌「これからの未来に立ち向かうだけの、全てをみんなから貰ってるから」
ダイヤ「しかし……!」
千歌「ずっと、ずっと。Aqoursが出来る、その前から、見守ってくれていた」
千歌「そんなダイヤさんには、感謝してもしきれないです」
ダイヤ「千歌さん……!」
胸の中で輝く想い出は まるでダイヤモンドのようで
千歌「そんなことないです。私は、みんなからとっても大きな力を貰ってる」
千歌「力も、勇気も、想い出も、何もかも」
千歌「これからの未来に立ち向かうだけの、全てをみんなから貰ってるから」
ダイヤ「しかし……!」
千歌「ずっと、ずっと。Aqoursが出来る、その前から、見守ってくれていた」
千歌「そんなダイヤさんには、感謝してもしきれないです」
ダイヤ「千歌さん……!」
胸の中で輝く想い出は まるでダイヤモンドのようで
74: 2016/10/25(火) 21:35:23.95 ID:zNeCbJSQ.net
ルビィ「私が……泣いちゃ駄目なのに……! ごめんなさい……ごめんなさいぃ……!」
千歌「ルビィちゃんは優しいもんね。私こそ、急な話を言ってごめんね」
千歌「ルビィちゃんの涙の優しさはみんな知ってるよ。泣かないで、なんて、私が言えたものじゃないけど……」
千歌「でも、またルビィちゃんの笑顔を見せて欲しいんだ」
ルビィ「うぁ……ぁ……が、がんば……あ……っ!!」
胸の中で煌めく想いは ルビーのように熱く輝き
千歌「ルビィちゃんは優しいもんね。私こそ、急な話を言ってごめんね」
千歌「ルビィちゃんの涙の優しさはみんな知ってるよ。泣かないで、なんて、私が言えたものじゃないけど……」
千歌「でも、またルビィちゃんの笑顔を見せて欲しいんだ」
ルビィ「うぁ……ぁ……が、がんば……あ……っ!!」
胸の中で煌めく想いは ルビーのように熱く輝き
75: 2016/10/25(火) 21:35:46.86 ID:zNeCbJSQ.net
千歌「私は、今回のライブには出られないけど」
千歌「必ず……その次の、その先のライブでは、一緒に歌えるように頑張るから」
千歌「また、みんなの笑顔を、みんなの輝きをこの目に焼き付けるために」
千歌「私も―――がんばるから!」
溢れ出す想いは言葉に収まらないから 代わりに千の歌を届けようと
千歌「必ず……その次の、その先のライブでは、一緒に歌えるように頑張るから」
千歌「また、みんなの笑顔を、みんなの輝きをこの目に焼き付けるために」
千歌「私も―――がんばるから!」
溢れ出す想いは言葉に収まらないから 代わりに千の歌を届けようと
76: 2016/10/25(火) 21:37:16.99 ID:zNeCbJSQ.net
梨子「千歌ちゃん……!」
善子「ひっく……な、なによぉ……! わ、私だって……頑張るんだからぁ……!」
花丸「千歌ちゃんに……ぐずっ……みんなの気持ち、届くように……!」
ルビィ「精一杯……歌います……! だ、だからぁ……!」
果南「必ず、必ずだよ……! Aqoursに、帰ってきて……!」
鞠莉「約束を破ったりしたら、Guiltyなんだから……!」
ダイヤ「信じていますわ……奇跡が作り上げてきたAqoursは、今再び奇跡を起こせるものと!」
私たちは 奏でるんだ
善子「ひっく……な、なによぉ……! わ、私だって……頑張るんだからぁ……!」
花丸「千歌ちゃんに……ぐずっ……みんなの気持ち、届くように……!」
ルビィ「精一杯……歌います……! だ、だからぁ……!」
果南「必ず、必ずだよ……! Aqoursに、帰ってきて……!」
鞠莉「約束を破ったりしたら、Guiltyなんだから……!」
ダイヤ「信じていますわ……奇跡が作り上げてきたAqoursは、今再び奇跡を起こせるものと!」
私たちは 奏でるんだ
77: 2016/10/25(火) 21:37:32.07 ID:zNeCbJSQ.net
曜「千歌ちゃん」
千歌「みんな……う、うぅ……」
曜「……千歌ちゃんは、頑張りやさんだよ。ずっと、ずっと頑張ってきたんだ」ギュッ
曜「大丈夫。神様は、千歌ちゃんのことちゃんと見てるから。奇跡なんかじゃなくても、ちゃんと、応えてくれるはずだよ」
千歌「う……うぁ、うわぁああん!!!」
遙かなる海の彼方にまで 私達の歌声を
千歌「みんな……う、うぅ……」
曜「……千歌ちゃんは、頑張りやさんだよ。ずっと、ずっと頑張ってきたんだ」ギュッ
曜「大丈夫。神様は、千歌ちゃんのことちゃんと見てるから。奇跡なんかじゃなくても、ちゃんと、応えてくれるはずだよ」
千歌「う……うぁ、うわぁああん!!!」
遙かなる海の彼方にまで 私達の歌声を
78: 2016/10/25(火) 21:42:47.85 ID:zNeCbJSQ.net
・ ・ ・ ・ ・
曜(それから一週間後、千歌ちゃんは、手術のために入院することになった)
曜(都市部の大きい病院だから、御見舞にはなかなか行けなかったけど)
曜(毎日の連絡は欠かさなかった)
曜(お陰で、メッセージの履歴がとんでもないことになっちゃったみたい)
曜(もちろん、練習は欠かさず頑張った)
曜(そして、あっという間に日々は過ぎていった)
曜(それから一週間後、千歌ちゃんは、手術のために入院することになった)
曜(都市部の大きい病院だから、御見舞にはなかなか行けなかったけど)
曜(毎日の連絡は欠かさなかった)
曜(お陰で、メッセージの履歴がとんでもないことになっちゃったみたい)
曜(もちろん、練習は欠かさず頑張った)
曜(そして、あっという間に日々は過ぎていった)
81: 2016/10/25(火) 22:12:17.76 ID:zNeCbJSQ.net
ミニライブ前日 手術当日
曜「いよいよ今日だね」
千歌『うん、そうだね』
曜「手術は何時から?」
千歌『13時からみたい』
曜「そっか」
千歌『……曜ちゃん』
曜「大丈夫。みんな、応援してるから」
千歌『……ありがとう』
曜「いよいよ今日だね」
千歌『うん、そうだね』
曜「手術は何時から?」
千歌『13時からみたい』
曜「そっか」
千歌『……曜ちゃん』
曜「大丈夫。みんな、応援してるから」
千歌『……ありがとう』
82: 2016/10/25(火) 22:12:47.08 ID:zNeCbJSQ.net
曜「それよりも千歌ちゃん」
千歌『ん?』
曜「ライブは明日なんだから……千歌ちゃんも、頑張って届けてよね」
千歌『……うん……わかったよ……私も……一緒に……!』
曜「うん……一緒に、一緒に歌うんだ……!」
千歌『ありがとう……曜ちゃん……!』
千歌『ん?』
曜「ライブは明日なんだから……千歌ちゃんも、頑張って届けてよね」
千歌『……うん……わかったよ……私も……一緒に……!』
曜「うん……一緒に、一緒に歌うんだ……!」
千歌『ありがとう……曜ちゃん……!』
83: 2016/10/25(火) 22:13:20.51 ID:zNeCbJSQ.net
ミニライブ当日
鞠莉「みんな、準備は大丈夫?」
ダイヤ「いくらミニライブとはいえ、やはり直前は緊張しますわね」
善子「本当? あんまり緊張してなさそうだけど」
花丸「ライブを見てくれる人たちのため……そして、今日はもう一つ」
ルビィ「うん。千歌さんに、勇気を届けるため!」
梨子「離れてても、繋がってる」
果南「今の千歌の気持ちを考えたら、緊張してる自分が、みっともなくなってきちゃうね」
ダイヤ「ふふっ。そうですわね。だからといって、固くなってはなりませんわ」
鞠莉「もちろん! みんなに、笑顔を届けるためのライブだもの!!」
曜「準備はいい? それじゃ、行こう!」
鞠莉「みんな、準備は大丈夫?」
ダイヤ「いくらミニライブとはいえ、やはり直前は緊張しますわね」
善子「本当? あんまり緊張してなさそうだけど」
花丸「ライブを見てくれる人たちのため……そして、今日はもう一つ」
ルビィ「うん。千歌さんに、勇気を届けるため!」
梨子「離れてても、繋がってる」
果南「今の千歌の気持ちを考えたら、緊張してる自分が、みっともなくなってきちゃうね」
ダイヤ「ふふっ。そうですわね。だからといって、固くなってはなりませんわ」
鞠莉「もちろん! みんなに、笑顔を届けるためのライブだもの!!」
曜「準備はいい? それじゃ、行こう!」
84: 2016/10/25(火) 22:16:00.92 ID:zNeCbJSQ.net
果南「……スタート役が居ないと、なんだかやり辛いね」
曜「大丈夫だよ。よーく、耳をすませば……」
曜「ちゃんと、聞こえてくるはずだから」
――――行くよ!
ルビィ「聞こえた……!」
花丸「……うん!」
ダイヤ「ちゃんと、届いているのですね……」
鞠莉「もちろん。だって、私達Aqoursは」
善子「9人揃ってこそ、でしょ?」
梨子「ええ。そうよ!」
曜「大丈夫だよ。よーく、耳をすませば……」
曜「ちゃんと、聞こえてくるはずだから」
――――行くよ!
ルビィ「聞こえた……!」
花丸「……うん!」
ダイヤ「ちゃんと、届いているのですね……」
鞠莉「もちろん。だって、私達Aqoursは」
善子「9人揃ってこそ、でしょ?」
梨子「ええ。そうよ!」
85: 2016/10/25(火) 22:16:20.82 ID:zNeCbJSQ.net
………1!
曜「――2!」
梨子「3!」
花丸「4!」
ルビィ「5!」
善子「6!」
ダイヤ「7!」
果南「8!」
鞠莉「9!」
「Aqours―――!」
曜「――2!」
梨子「3!」
花丸「4!」
ルビィ「5!」
善子「6!」
ダイヤ「7!」
果南「8!」
鞠莉「9!」
「Aqours―――!」
86: 2016/10/25(火) 22:19:27.48 ID:zNeCbJSQ.net
暗闇の世界に 声が聞こえた
そう
私たちは まだ夢に気づいたばかり
だから 一歩踏み出すんだ
扉を 開くために
――未来を照らす光が 私の世界を包み込んだ
そう
私たちは まだ夢に気づいたばかり
だから 一歩踏み出すんだ
扉を 開くために
――未来を照らす光が 私の世界を包み込んだ
87: 2016/10/25(火) 22:19:38.92 ID:zNeCbJSQ.net
「「「「「「「「「 サン、シャイン!! 」」」」」」」」」
88: 2016/10/25(火) 22:20:21.82 ID:zNeCbJSQ.net
おしまいです。
過去作もまたよろしくお願い致します。
今までお付き合い頂きありがとうございました。
過去作もまたよろしくお願い致します。
今までお付き合い頂きありがとうございました。
93: 2016/10/25(火) 22:56:04.97 ID:ulRP77v1.net
おつ
引用: 【SS】 千歌「ラストフレーズ」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります