1: 2016/10/21(金) 20:06:42.08 ID:FhNOG4xl.net
ようまり

2: 2016/10/21(金) 20:07:40.44 ID:FhNOG4xl.net
部室


ガラガラ
バタン


鞠莉「ハーイ♪みんなシャイニー☆」

千歌「あ!鞠莉さんお疲れ様です!」

梨子「お疲れ様です」

鞠莉「二人とも元気そうねぇ♪でも!挨拶はお疲れ様じゃなくてシャイニー☆よ!」

梨子「あ、はは…」

千歌「そうですね!鞠莉さんシャイニー☆」

鞠莉「よくできました!梨子は次はちゃんと言うのよ♪同じギルキスのメンバーなんだし」

鞠莉「この挨拶に慣れてもらわないと困るわ♪」

梨子「ええ!?」

3: 2016/10/21(金) 20:08:23.39 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「…それでもう一人はどこ?」

千歌「曜ちゃんですか?奥の部屋で筋トレしてると思いますよ!」

鞠莉「そう、じゃあ顔でも見てこようかな♪」


スタスタ


鞠莉「シャイニー☆」

曜「うんしょ、うんしょ…」

曜「ふぅ…あれ、鞠莉ちゃん?」

鞠莉「シャイニー曜、精が出るわね」

4: 2016/10/21(金) 20:08:57.38 ID:FhNOG4xl.net
曜「うん、怠けるとすぐ落ちちゃうから」

曜「今日は早いね、理事長の仕事は無いの?」

鞠莉「ふっふっふっ!マリーは優秀だから昨日パッパと片付けたのデース♪」

曜「おおっすごい!できる女だ!」

鞠莉「まあね♪もっと褒めて褒めて!」

曜「鞠莉ちゃんかっこいいよ!偉い偉い!」

5: 2016/10/21(金) 20:09:33.24 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「クスッ…曜は素直で良い子ね。褒めてって言ったらちゃんと褒めてくれるんだもん」

曜「だって、どれくらい大変なのかは分からないけどたくさんあるんでしょ?お仕事」

曜「それを全部やるなんてすごいよ!」

鞠莉「ありがと♪」

曜「鞠莉ちゃん疲れてない?お仕事終わらせたご褒美にマッサージでもしようか?」

鞠莉「あら、良いの?最近体がやたら重くて」

6: 2016/10/21(金) 20:10:13.01 ID:FhNOG4xl.net
曜「ああ…疲れが溜まってるんだね、無理したら怪我しちゃうからこまめに取らないと」

曜「任せて!私のマッサージは色んな人から評判が良いんだよ~」

鞠莉「期待してるわ♪…で、どんな体勢になれば良い?」

曜「そうだね、とりあえずうつ伏せに…」

鞠莉「OK♪」

鞠莉「っ…と。これで良いかしら」

曜「うん。ちょっと上に乗るね」

7: 2016/10/21(金) 20:10:54.89 ID:FhNOG4xl.net
曜「ふんっ…」グイッグイッ

鞠莉「あああああああ~効くわ~…」

曜「結構固くなってるね…どんだけ無理してたの」

鞠莉「分かんない…最近ケアしてなかったから…あ、もう少し右」

曜「はいはい。あ、ここも…ほぐさないと」ググッ

鞠莉「Ouch‼痛い痛い!」

曜「ちょーっと我慢してね。これほっとくと良くないから」グググッ

鞠莉「Ahーーーー‼」


千歌「二人とも楽しそうだなぁ」ニコニコ

9: 2016/10/21(金) 20:11:39.98 ID:FhNOG4xl.net
……
………
…………


鞠莉「うう…曜の鬼、devil…!」

曜「ごめんごめん、ここまで凝ってたらつい私のマッサージ魂が…」

鞠莉「…まあ良いですけど!軽くなったと思うし!」

曜「それは良かった」

曜「またいつでもやってあげるよ」

鞠莉「本当?凝ったらまた頼むわ!」

曜「うん、いつでも待ってるよ」

10: 2016/10/21(金) 20:12:27.84 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「よっしじゃあ起きるからどいてくれる?」

曜「ああうん、よっと…うわっ!?」ヨロッ

鞠莉「ちょっ、曜!?」


バン‼


曜「っ…危なかった、鞠莉ちゃんの上で転んじゃう所だっ…」

曜「/////////」

鞠莉「あっ…///」

鞠莉(こ、これじゃ、、)


曜(私が押し倒してるみたいじゃん!)

鞠莉(曜に押し倒されてるみたいじゃない!)

11: 2016/10/21(金) 20:12:52.31 ID:FhNOG4xl.net
曜「ご、ごめん…すぐどくね!」ササッ

鞠莉「え、ええ…」


鞠莉(この後の部活は、曜を見るだけで先程のsceneが思い出されて)

鞠莉(とても練習にならなかったの)

12: 2016/10/21(金) 20:13:36.50 ID:FhNOG4xl.net
ホテルオハラ


鞠莉「何で何で何で!」

鞠莉「何で曜の顔ばかり思い出されるの…!」

鞠莉「あの子は年下よ!?そりゃこの間、二人きりで話して少しは親しくなったけど…」

鞠莉「こんなに気になるものなの…?」


曜『危なかった…』


鞠莉「///////」カアア

鞠莉「あの子、可愛いけど、すごく凛々しい顔もしてるのよね…」

鞠莉(そんな曜に、事故とはいえ、押し倒されて…)

鞠莉「…!!」バタバタ

13: 2016/10/21(金) 20:14:19.56 ID:FhNOG4xl.net
翌日


鞠莉(私としたことがろくに寝れなかったわ)

鞠莉(こんなのnot シャイニーね)

鞠莉(気のせいよ気のせい。昨日はビックリしたから頭に残っちゃっただけなんだから)スタスタ


曜「あっ鞠莉ちゃんだ!」


鞠莉「!」ビクッ‼

曜「おはヨーソロー!珍しいね朝に会うなんて」

鞠莉「そ、そうね」

鞠莉(こういう時に限って何で会うの…!)

14: 2016/10/21(金) 20:15:39.87 ID:FhNOG4xl.net
曜「鞠莉ちゃん、大丈夫?目の下暗くなってるよ」

鞠莉「へ、平気よ!昨日遅くまで勉強してただけ!」

曜「そっか…すごいなぁ理事長の仕事だけじゃなくて頭も良いもんね鞠莉ちゃん」

曜「そんな頑張り屋な鞠莉ちゃんにプレゼントです!」スッ

鞠莉「??」

曜「…ま、プレゼントといっても飴なんだけどね」

曜「レモン味の飴。鞠莉ちゃん確か好きだよなぁって」

曜「頭使うなら甘いもの摂った方が良いよ、いつもお疲れ様」ヘヘッ

鞠莉「…」

鞠莉「//////」ボンッ

鞠莉「あり、、がと」

15: 2016/10/21(金) 20:16:25.10 ID:FhNOG4xl.net
授業中


鞠莉「…」ボ-

果南(ね、ね、ダイヤ)

ダイヤ(何ですの、授業中ですわよ)

果南(鞠莉どうしたんだろうって思って)

ダイヤ(確かにいつも授業中にも関わらずイタズラしに来るのに今日は大人しいですわね)

果南(だってほら、窓なんか見て黄昏ちゃってるよ)

16: 2016/10/21(金) 20:17:00.15 ID:FhNOG4xl.net
ダイヤ(いつも私たちが邪険に扱ってるから心配かけさせる作戦とかじゃないですの?)

果南(確かに鞠莉は構ってちゃんな所あるけどさ)

ダイヤ(手に何か持ってますわね)

果南(? 何だろうあれ)

ダイヤ(あの包み、飴ではないですか?)

果南(本当だ)

ダイヤ(どちらにしろ後で話を聞いてみた方が良さそうですわね)

17: 2016/10/21(金) 20:17:32.92 ID:FhNOG4xl.net
昼休み


ダイヤ果南「鞠莉(鞠莉さん)」

鞠莉「なに~?二人とも揃いも揃って…」

ダイヤ「ちょっとお話が」

鞠莉「イ・ヤ。体調悪いから後にして」

果南「そういう訳にはいかないよ」

ダイヤ「良いから行きますわよ」グイッ

18: 2016/10/21(金) 20:18:05.34 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「えっ、なになに!?私なんかしたっ?」

鞠莉「もしかしてこの間プリン食べたのバレた?」

ダイヤ「あっ!どこ探しても無いって思ってたらあなたでしたの!?」

鞠莉「げっ!」ダダッ

ダイヤ「待ちなさい!お説教ですわ!」

果南「あーあ、目的がズレちゃったじゃん」

ダイヤ「追いますわよ!」

果南「はいはい」

19: 2016/10/21(金) 20:18:37.84 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「ハッ…ハッ…!」ダダッ

鞠莉「もー何よあのおばさん、あんなすぐ怒ってたらすぐseniorの仲間入りだっての!」


待ちなさーい!


鞠莉「げっ、まだ追ってきてる!」ダダッ

鞠莉(あの角を曲がって撒くわ!)ダダダッ

20: 2016/10/21(金) 20:19:08.15 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「!」

鞠莉(人影!?)


??「わっ!」

鞠莉「きゃっ!」


ギュッ


鞠莉「!?」

曜「っと…、鞠莉ちゃん、廊下走っちゃダメだよー」

21: 2016/10/21(金) 20:19:41.09 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「よ、曜?」

曜「怪我はない?痛い所も」

鞠莉「だ、大丈夫…」

曜「もう、いきなり飛び出してくるんだもん、私だから受け止められたけど、、」

曜「他の子だったら怪我してたかもだよ」

鞠莉(わ、私、今、曜に抱き締められて…)

鞠莉「/////////」カアア

曜「鞠莉ちゃん大丈夫?聞いてる?」

鞠莉「聞いてる!聞いてるから…///」

22: 2016/10/21(金) 20:20:09.74 ID:FhNOG4xl.net
ダイヤ「あっいましたわ!あそこに!」

果南「誰かと一緒だね、、ってあれは」

ダイヤ「曜さんですわね」

果南「曜だね」

ダイヤ「んまぁ!あんな人前でハグなど破廉恥な」

果南「!! ね、ダイヤ、鞠莉の顔見てみなよ」

23: 2016/10/21(金) 20:20:31.93 ID:FhNOG4xl.net
ダイヤ「…?」ジッ

ダイヤ「ほほう」ニヤ

果南「なるほどね」ニヤニヤ

ダイヤ「そういう事でしたの、案外簡単に謎は解けましたわね」

果南「そうだ!」

24: 2016/10/21(金) 20:21:15.06 ID:FhNOG4xl.net
スタスタ…


ダイヤ「見つけましたわよ鞠莉さん」

果南「もう観念するんだね」

鞠莉「!?」

鞠莉「げっ…こんな時に…」

曜「ダイヤさんと果南ちゃんだ、こんにちはー!」

ダイヤ「こんにちは」

果南「いきなり聞きたいんだけどさ、どうして二人は抱き合ってるの?」

25: 2016/10/21(金) 20:21:58.38 ID:FhNOG4xl.net
曜「あっああこれはね…」

鞠莉「ふ、二人のせいよ…!」

鞠莉「//////」カアア

ダイヤ果南(ニヤニヤ)

ダイヤ「…追いかけてきてあれですけど、プリンの事は水に流しますわ」

鞠莉「…えっ良いの?」

ダイヤ「はい」ニッコリ

果南「その代わり、曜と二人でお昼ご飯食べてきなよ」

鞠莉「!?!?!?」

26: 2016/10/21(金) 20:22:24.83 ID:FhNOG4xl.net
鞠莉「な、な、何言ってるの!?」

果南「曜、すまないけど鞠莉に付き合ってやってくれる?」

曜「うん、全然良いよ!私もお昼食べようとしてた所だし」

ダイヤ「契約成立ですわね」

果南「それじゃ、鞠莉、健闘を祈るよ」

鞠莉「ちょっとちょっと!ダイヤ!果南!」

鞠莉(後で覚えてなさいよ…二人とも…!)

35: 2016/10/21(金) 23:04:59.36 ID:rye0xuzR.net
|c||^.- ^|| 鞠莉さんファイトですわ~!

36: 2016/10/21(金) 23:19:52.32 ID:zwXgFUP4.net
屋上


鞠莉「ごめんね、あいつらが変なお願いして」

曜「ん?変なお願いなんかじゃないよ」

曜「私は鞠莉ちゃんとご飯食べられるの嬉しいし」

鞠莉「/////」

鞠莉(この子、素でこんな事言うわけ??)

曜「お腹減ったー、さ、食べよ食べよ!」パカッ

鞠莉「そ、そうね」パカ

37: 2016/10/21(金) 23:20:36.54 ID:zwXgFUP4.net
曜「鞠莉ちゃんのお弁当、女子力の固まりって感じだね」

鞠莉「そう?…まあ、美容に良いものを摂ろうとは思っているわ」

曜「お金持ちのお弁当ってお重でみっちり詰まってるイメージが強いから何か意外」

鞠莉「それね、よく言われるけどcomicに犯されすぎよ。そんな量を毎日食べてたら太っちゃうわ」

曜「うんうん確かにそうだ」

鞠莉(い、違和感無いわよね!普通に話せてるよね?)

曜「あっ、ねぇねぇそれって」

鞠莉「これ?アサイーよ」

38: 2016/10/21(金) 23:21:14.16 ID:zwXgFUP4.net
曜「これが噂の…美味しい?」

鞠莉「食べてみる?」

曜「うん!」

鞠莉「はい、どうぞ」

曜「むぐっ…もぐもぐ」

曜「ん…味がしない?」

鞠莉「そうなの、アサイーってねそれ単独では味がしないのよ。だから、他の果物やシリアルと一緒に摂るの」

曜「へー、見た目はブルーベリーみたいなのにね」

鞠莉「味はしないけど体には良いんだから!美容は日頃から気を付けないと♪」

39: 2016/10/21(金) 23:22:01.57 ID:zwXgFUP4.net
曜「そっかぁだから鞠莉ちゃんは綺麗なんだね!」

鞠莉「えっ//」

曜「色は白いし、目は大きくて綺麗だし、お人形さんみたいだよ」

鞠莉「…////」

鞠莉(もう止めて!隠せなくなっちゃうから!)

曜「鞠莉ちゃんのお弁当と比べたら私のとか野蛮だもん」

鞠莉「そんな事ないわよ、素敵なお弁当じゃない」

鞠莉「このハンバーグとかすごく美味しそうだわ」

40: 2016/10/21(金) 23:22:40.45 ID:zwXgFUP4.net
曜「おっ、鞠莉ちゃんお目が高い!それね、私が作ったんだ♪」

鞠莉「えっ、曜が?」

曜「うん。好物だからね。お肉から挽いて拘って作るんだよ」

曜「食べてみて!美味しいから」スッ

鞠莉「あっうん」

鞠莉(待って、これって所謂あーんされてるっ?)

鞠莉(ちょっとちょっと!ハードル高いって…/////)

41: 2016/10/21(金) 23:23:12.64 ID:zwXgFUP4.net
曜「…鞠莉ちゃん?」

鞠莉「あ…う…///」

曜「…ははっもしかして恥ずかしがってる?」

鞠莉「…//」コクン

曜「さっき鞠莉ちゃんは私にしてくれたのに」クスッ

鞠莉「するとされるじゃ話が違ってくるの!//」

曜「私しか見てないから良いじゃん、はいどうぞ」

鞠莉「//////////」カアア

鞠莉(あなたに見られるからモンダイなんだってば!)

42: 2016/10/21(金) 23:23:56.14 ID:zwXgFUP4.net
鞠莉(でも、このまま待たせても、badよね、嫌がってるって思われちゃう)

鞠莉「あ…ん///」モグッ

鞠莉「!!」

鞠莉「…美味しい」

曜「ほんと?」

鞠莉「すごく美味しい…冷めてるのにお肉の味もsauceの味もしっかりしてて」

曜「…良かったお口に合ったみたいで」

43: 2016/10/21(金) 23:25:22.23 ID:zwXgFUP4.net
鞠莉「曜は何でも作れるのね、海の家の時もそうだったけど」

曜「まあ、家に人がいないことの方が多いからね。そうせざるを得なかったというか」

鞠莉「そう…」


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン


鞠莉「あっ、予鈴…」

曜「もうこんな時間なんだ、早すぎだよー」

鞠莉「そうね、あっという間だったわ」

鞠莉(私のheartはbreak寸前だけど//)

曜「…鞠莉ちゃんが良ければだけど」

曜「明日も一緒に食べたいな…って//」ヘヘッ

鞠莉「!?」

44: 2016/10/21(金) 23:25:47.28 ID:zwXgFUP4.net
曜「いや、ダメなら良いの!鞠莉ちゃん忙しいだろうし…」

鞠莉「良いわ//」

鞠莉「た、食べましょう、明日も!ここで!」

曜「…!」パアア

曜「うん!楽しみにしてる!」ニコッ

鞠莉「ッ////////」

曜「名残惜しいけど、戻ろうか。授業始まっちゃう」

鞠莉「ウン…//」

45: 2016/10/21(金) 23:26:11.23 ID:zwXgFUP4.net
教室


果南「あ、戻ってきた」ニヤ

ダイヤ「昼食は楽しめましたか鞠莉さん」

鞠莉「//////////」ムム-! 

鞠莉「うっさい!/////」ゲシッ

ダイヤ果南「あはははははははは!」

46: 2016/10/21(金) 23:26:48.49 ID:zwXgFUP4.net
鞠莉(意識し始めるとつい目で追っちゃう)

鞠莉(練習中の真剣な表情や、後輩達に見せる優しい表情)

鞠莉(見れば見るほど曜の新しい魅力に気づいていく)


曜『…!』チラッ

曜『…』ニコッ

鞠莉『…///////』プイッ


鞠莉(私が見つめるせいだけど、曜とよく目が合った)

鞠莉(その度に爽やかな笑顔で返してくれて)

鞠莉(だけど私は反応に困って顔を逸らしてしまうの)

47: 2016/10/21(金) 23:27:14.28 ID:zwXgFUP4.net
果南「青春だねぇ…」ズズッ

ダイヤ「青春ですわ…」ズズッ

鞠莉「うるさーい!shut up!!!!!!!!」ギュウ

果南「はいはい」ナデナデ

ダイヤ「私たちの前では隠さなくて良いのですよ」ナデナデ

48: 2016/10/21(金) 23:28:31.18 ID:zwXgFUP4.net
鞠莉(そう、私は今日、年下の女の子に)

鞠莉(恋に落ちる音を確かに聞いた)

75: 2016/10/22(土) 20:00:19.27 ID:7facLvlP.net
ホテルオハラ



鞠莉(曜の事が好き、それは認めるわ)

鞠莉(でも、私って曜とどうなりたいんだろう)

鞠莉「世間一般だとお付き合いしたいってコトになるのよね…」

鞠莉「曜と付き合ったら…」

76: 2016/10/22(土) 20:01:08.25 ID:7facLvlP.net
鞠莉『ハアッ…ハアッ…』タッタッタッ

鞠莉『まずいまずい…!』

曜『!』

鞠莉『あっ、曜…』

曜『♪』タッタッ

曜『鞠莉ちゃんおはよう!』

鞠莉『ぐ、Good morning…』ハアハア

鞠莉『Sorry、待ち合わせしたのに遅れちゃって…』

曜『ううん、良いんだよ~。私もさっき来たところだし、朝から鞠莉ちゃんといれて嬉しいよ』

77: 2016/10/22(土) 20:01:52.70 ID:7facLvlP.net
曜『…じゃあ、行こう』スッ

鞠莉『えっ…』

曜『手、繋ごうよ…付き合ってるんだし//』エヘヘ

曜『ちょっと遠回りしよう、鞠莉ちゃんと少しでも長くいたいんだ』

鞠莉『ウン//』

鞠莉『でも、人前よ?誰かに見られたりしたら…』

曜『構わないよ。鞠莉ちゃんは私のものだって知らせる事ができるじゃん』

曜『…ね、鞠莉ちゃん』

鞠莉『は、はいぃぃぃ////』

78: 2016/10/22(土) 20:02:41.11 ID:7facLvlP.net
鞠莉(/////////////)バタバタ‼

鞠莉「あぁ、もう…ダメ…//どうかなりそう…」

鞠莉「!」ハッ

鞠莉「…付き合ったらそれ以上も…」

鞠莉「キ、ス…//」


曜『鞠莉ちゃん…』


鞠莉「はあああああああ////////」バンバン

鞠莉「無理!絶対無理!曜の顔が近づいてきたら…」

鞠莉(私、失神しちゃうかも…)

79: 2016/10/22(土) 20:03:13.61 ID:7facLvlP.net
鞠莉「っ…//」

鞠莉(キスなんて挨拶で何度もしてるのに)

鞠莉「曜とは、できないわとても…」

鞠莉(これがLOVE MAGICというのかしら)

鞠莉「…付き合いたいな」

鞠莉(でも、曜は私の事部活の先輩くらいにしか思ってないわよね、きっと)ハア

鞠莉(あの子は人気者だから競争率も高いだろうし…)

80: 2016/10/22(土) 20:03:54.05 ID:7facLvlP.net
鞠莉「付き合えなかったら…」ズキッ

鞠莉「うっ…」

鞠莉(考えるのもつらいけど、、)

鞠莉(普通の人より少し好き、くらいになれれば良いな)

鞠莉「とりあえず好感度を上げなきゃいけないわね」

鞠莉「ウ-ン…」

鞠莉「そういえば…」


プルルルルル


鞠莉「料理長!遅くにごめんなさい、お願いがあるのだけど…」

81: 2016/10/22(土) 20:04:37.42 ID:7facLvlP.net
翌日

昼休み


果南「ダイヤ~鞠莉~ご飯食べよ~」

ダイヤ「そうですわね、どこに行きましょうか」

果南「天気良いから外に行きたいな」

鞠莉「…ごめん、私、約束あるから」

果南ダイヤ「!!」

果南「へぇー敢えて聞くけど誰と?」

ダイヤ「ま、聞くより明らかですけどね、鞠莉さんを見れば」

鞠莉「////////」カアア

82: 2016/10/22(土) 20:05:25.05 ID:7facLvlP.net
鞠莉「うるさい!うるさい!いい気になって…!」

ダイヤ「早く行った方が良いですわよ?昼休みが終わってしまいますわ」

鞠莉「分かってるわよ!」

鞠莉「…あの、二人ともこれ食べてみてもらえる?」

果南「ん?」

83: 2016/10/22(土) 20:06:04.55 ID:7facLvlP.net
ダイヤ「…ハンバーグ?」

鞠莉「作ってみたの…!味、変じゃないか教えて…////」

果南「…あっそっか」

果南「あの子のためかぁ」ニヤニヤ

ダイヤ「健気ですわね、あの鞠莉さんがこんな…」ニヤニヤ

果南「あの鞠莉がねぇ」ニヤニヤ

鞠莉「ムキ-ッ‼」

鞠莉「その顔腹立つ!ぶん殴る!!」

84: 2016/10/22(土) 20:06:40.02 ID:7facLvlP.net
ダイヤ「まあまあ」

ダイヤ「申し訳ないですが私はハンバーグは好まないので果南さんお願いしますわ」

果南「しっかし、鞠莉が料理ねぇ、不安しか無いんだけど」

果南「シャイ煮みたいに変なもの入れてないだろうね?」

鞠莉「だ、大丈夫!…なはず。料理長に聞きながら作ったから…」

果南「どれどれ」パクッ

鞠莉「…」ドキドキ

85: 2016/10/22(土) 20:07:15.27 ID:7facLvlP.net
果南「…! うん、美味しい。大丈夫だと思う」

鞠莉「良かったぁ…」ホッ

ダイヤ「安心して行ってらっしゃい。曜さん待ってますわ」

鞠莉「う、うん!」

鞠莉「私、変じゃないよね?」サッサッ

ダイヤ「大丈夫ですわ。可愛いですわよ」

鞠莉「い、行ってくるわ!」タタタタ

果南「行ってらっしゃーい」フリフリ

ダイヤ「…」ニコニコ

果南「微笑ましくなるね」

ダイヤ「ええ」

90: 2016/10/22(土) 23:40:02.55 ID:R+5wxd2A.net
屋上


鞠莉「////」ドキドキ

鞠莉「本当に変じゃないよね!?」

鞠莉(もう一回ちゃんと確認して…)サッサッ


ガチャ


曜「鞠莉ちゃん、遅いよー」

鞠莉「ご、ごめんっ///」

鞠莉(ッ////// 曜にあっただけなのに、)

鞠莉(心臓が弾けそう…)ドキドキ

91: 2016/10/22(土) 23:40:29.30 ID:R+5wxd2A.net
曜「鞠莉ちゃん?どうかした?」

鞠莉「い、いえいえ!何にも無いわ!」

鞠莉「Lunch食べましょう!ね?」アセアセ

曜「…うん、そうだね!」

曜「いただきまーす」

鞠莉「いただきます…」

92: 2016/10/22(土) 23:41:09.39 ID:R+5wxd2A.net
鞠莉「今日のお弁当はサンドイッチなのね」

曜「うん、パンで挟むだけだから時間かからないし」

曜「お腹にも結構溜まるから良いんだよね♪」

曜「私すぐお腹空いちゃうからさ」

鞠莉「そりゃそうよ、曜はathleteだもの、他の人とは代謝が違うわ」

曜「だからね、お母さんからよく言われるんだ、そんなに食べて男の子がいるみたいだーって」

曜「酷いよね、ほんと」ハハッ

93: 2016/10/22(土) 23:41:57.35 ID:R+5wxd2A.net
鞠莉「それだけたくさん食べてもらえるならお母様も作りがいがありそうね♪」

曜「うん、お母さんも忙しいから作ってもらえるのは嬉しいんだけどね」

曜「少し考えてやってほしいなとは思うよ」

曜「だって見てよ!このサンドイッチの量!」

曜「パン一斤分とかおかしいでしょ!」

鞠莉「確かにvolumyね♪食べきるの大変そう」

94: 2016/10/22(土) 23:42:30.81 ID:R+5wxd2A.net
曜「だから鞠莉ちゃんにもあげます!」

曜「はい、あ~ん」

鞠莉(来たわ!この時が…)

鞠莉(大丈夫!2回目だもの)

鞠莉「あー…ん///」

鞠莉「…/// 美味しいわ…」

曜「…」

鞠莉「…ど、どうしたの?」

鞠莉(わ、私何か変だったかしら!)

95: 2016/10/22(土) 23:43:12.19 ID:R+5wxd2A.net
曜「い、いや。鞠莉ちゃんって可愛いなって思って…」

鞠莉「!?」

鞠莉(えっえっええええええええ////)

曜「だってすっごい恥ずかしがってるんだもん、普段大胆な事色々してるのに」クスクス

曜「何か、意外でさ。可愛いって思ったの」

曜「年上の人にはあまり言うものではないのかもしれないけど、、ごめんね」

鞠莉「そ、そんな事気にしないで!…嬉しい、から///」

96: 2016/10/22(土) 23:44:01.63 ID:R+5wxd2A.net
曜「それなら安心したっ」ニコッ

鞠莉「////」ドキン

曜「それでねー、今日千歌ちゃんがねー」

鞠莉(TVやcomicの内容って嘘だって思ってた)

鞠莉(好きな人から可愛いと言われるだけでこんなに揺さぶられるなんて)

鞠莉(曜がちかっちや梨子の話をしているけれど、とても聞ける状態じゃない)

鞠莉(あっ、そういえばサンドイッチもらった時に、私もハンバーグあげたら良かったじゃない…)

鞠莉(いつ言おう…バカだわ私)

鞠莉(普段なら、転がってるチャンスは逃さないしそう教えられてきたのに)

鞠莉(やっぱり恋愛って人を変にしてしまう)

97: 2016/10/22(土) 23:44:57.53 ID:R+5wxd2A.net
曜「で、その後ーー」

曜「鞠莉ちゃん?大丈夫?」

曜「さっきから食が進んでないみたいだけど…」

鞠莉「だ、大丈夫よ!少し考え事してただけ…」

曜「食べないと勿体ないよ!今日のもすごく美味しそうなのに」

鞠莉「…曜!」

曜「? なーに、鞠莉ちゃん」

98: 2016/10/22(土) 23:45:50.18 ID:R+5wxd2A.net
鞠莉「こ、これ…食べて…//」

曜「…えっ良いの?」

鞠莉「昨日、曜が自分で色々作ってるって言ってたから、私、、曜に作ってあげたくなって…//」

鞠莉(恥ずかしい恥ずかしい///)

曜「…鞠莉ちゃんの手作りなの?」

鞠莉「///」コクン

曜「すっごく嬉しいよ…ありがとう…」

曜「さっそく食べて良い?」

99: 2016/10/22(土) 23:46:24.87 ID:R+5wxd2A.net
鞠莉「どうぞ…//」

曜「いただきます!」パクッ

鞠莉(緊張するっ…!)

曜「うん!うん!」パアア

曜「おいしいーーーーーーー!」

鞠莉「ほ、本当?」

曜「本当だよ!味も柔らかさも焼き加減も最高!…もっと食べて良い?」

鞠莉「あ、、うん」

曜「♪」モグモグ

100: 2016/10/22(土) 23:46:50.97 ID:R+5wxd2A.net
鞠莉(はああああ…)

鞠莉(良かった…不味いって言われたら立ち直れなかったわ…)ホッ

鞠莉(曜は結局作っていったものを全部食べてくれた)

鞠莉(嬉しくて、その場で飛び上がりそうなのを我慢するのが大変だった)

101: 2016/10/22(土) 23:47:28.24 ID:R+5wxd2A.net
曜「ごちそうさまでした!」

曜「…ありがとね鞠莉ちゃん。本当に美味しかった」

鞠莉「その言葉が聞けて作って良かったわ、私も」

曜「何かお返しするよ」

鞠莉「えっ良いわよそんなの!私がやりたくてしただけだし…」

曜「私も一緒だよ、鞠莉ちゃんに何かしたいんだ」

曜「鞠莉ちゃんを考えて何かしたいし、お返ししたい」

鞠莉「そんな…////」

鞠莉(ーーーもうこれ以上惚れさせないで…//)

102: 2016/10/22(土) 23:47:51.94 ID:R+5wxd2A.net
鞠莉「だ、だったら」

曜「?」

鞠莉「これからも、時々、こうしてお昼一緒にしてくれる…?」

曜「…!」

曜「もちろん。鞠莉ちゃんが良ければ!」

鞠莉「うん…///」

103: 2016/10/22(土) 23:48:33.44 ID:R+5wxd2A.net
教室


ダイヤ「あ、帰ってきましたわ」

鞠莉「♪」ルンルン

果南「余程良いことがあったみたいだね」

鞠莉「ただいまぁ~」

ダイヤ「お帰りなさい、どうでしたの?」

鞠莉「えへへ…」パカッ

果南「おおっ良かったじゃん、全部食べてもらえて」

鞠莉「うん…//あっという間に無くなっちゃった」

104: 2016/10/22(土) 23:49:01.28 ID:R+5wxd2A.net
ダイヤ「胃袋を掴む事は成功したみたいですわね」

鞠莉「ちょっちょっと!私はそんなつもりじゃ…」

果南「その調子だよ!頑張れ!」

鞠莉「あ、二人ともあのね…私、これから時々曜とお昼食べる事になったから…」

鞠莉「あまり構ってあげられなくなるかも、寂しいと思うけど許して」

ダイヤ「ああ、全然構わないですわそんな事」

果南「むしろ静かにできて良いから、お土産話だけ頼むよ」

鞠莉「…」

鞠莉(それも何かフクザツ…)

123: 2016/10/24(月) 04:22:06.11 ID:FtFcWi/s.net
放課後


鞠莉「みんなシャイニー☆」


シャイニ-デス、マリサン
オツカレサマデース


鞠莉「ふふっ♪少しずつシャイニーが浸透してきたわね♪」

鞠莉「…」キョロキョロ

ダイヤ「曜さんなら被服室で衣装づくりをされてますわよ」

鞠莉「なっ…!」

ダイヤ「鞠莉さんは分かりやす過ぎです。その調子だと後輩たちにすぐ気付かれるでしょうね」ププッ

鞠莉「あーもう!ありがとおばさん!」

ダイヤ「んまあ!せっかく教えて差し上げましたのに!何ですの!その言い草は!」プンプン

124: 2016/10/24(月) 04:22:29.72 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉(お昼にも会ったのに会いたくて仕方がない)

鞠莉(私、やっぱりおかしいわ)

鞠莉(時間に追われてる訳ではないのに被服室に向かうこの廊下も早足になるんだもの)

125: 2016/10/24(月) 04:23:20.33 ID:FtFcWi/s.net
被服室


鞠莉「すーっはーっ…」

鞠莉(こ、ここにいるのよねっ。ダイヤ嘘ついたりしてないわよね?)


コンコン


曜「はーい」

鞠莉(いたっ…!)

鞠莉「あ、、私、だけど」

曜「その声は、鞠莉ちゃん?」

鞠莉「うん」

曜「入って!」

鞠莉「お邪魔するわ…」ガラガラ

鞠莉(後でダイヤにプリンでも買ってあげよ)

126: 2016/10/24(月) 04:24:30.31 ID:FtFcWi/s.net

……
………


曜「嬉しいな、鞠莉ちゃんが来てくれて」

曜「いつも一人でやるんだけどやっぱり寂しくなる時もあるんだよね~」

曜「でも、どうしてわざわざ来てくれたの?」

鞠莉「えっ?まぁ、そうね、」アセアセ

鞠莉(あなたに会いたくてなんて言えない…///)

鞠莉「よ、曜が衣装作ってる所ってあんまり見たことないなぁって思って」アセアセ

曜「そっか、アイディア出しとかはみんなでやるけど、確かに実際作ってるのは見せたことないかも」

鞠莉「邪魔なら遠慮なく言って。出てけ~って言われたらすぐGo outするから…」

127: 2016/10/24(月) 04:25:30.77 ID:FtFcWi/s.net
曜「そんなことないよ!…時々黙るかもしれないけどごめんね」

鞠莉「良いのよ、私が押し掛けたんだから。構わず続けて」

曜「了解♪あっ、鞠莉ちゃん見てよこれ。新しい衣装の試作ができたんだ♪」

鞠莉「私が見て良いの?」

曜「うん、今日来てくれたから鞠莉ちゃんには特別!」

鞠莉(特別…//)

曜「どう?クリスマスの曲だからそういう雰囲気にしたんだけど」

曜「鞠莉ちゃんはサンタにする予定なんだ♪で、私がトナカイ」

鞠莉「very very cute!…これがトナカイの角?」

曜「そうだよー。こう付けると…」

曜「見て見て!トナカイっぽいでしょ」

128: 2016/10/24(月) 04:26:06.26 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉「可愛いわね♪よく出来てると思うわ♪」

鞠莉「曜がトナカイだったら、プレゼント配り終わるの早そうね」

曜「そうかな?多分海ばかり行きたがると思うよ」

曜「それで、鞠莉ちゃんサンタに怒られるの。hurry up!ってね♪」

鞠莉「寒いのに海に行かされるなら、そう言うわよ」

曜「あははは!確かに。だったら南の島に行けば怒られないかな」

鞠莉「それだとまだマシね♪」

曜「…私がトナカイだったら鞠莉ちゃんを乗せたいな」

129: 2016/10/24(月) 04:26:45.77 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉「へっ?」

曜「だって英語喋れるし、世界のどこでも行けるもん!」

鞠莉「う、うんそうね、、」

鞠莉(大した理由じゃないのに…)

鞠莉(選んでもらえた事が嬉しい…)

曜「あっ、ちょっと待ってね」

曜「…」チクチク

鞠莉(真剣な顔…)

鞠莉(長い睫毛、少しつり上がった綺麗な青の目、、)ジ-

鞠莉(好き…)

130: 2016/10/24(月) 04:27:18.32 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉(曜って好きな人いるのかな…?)

鞠莉(いるとしたら、やっぱりちかっちや梨子なのかな?)ズキッ

鞠莉(嫌…)

鞠莉(でも、あり得るのよね。二人の事であんなに悩んでたんだし)

鞠莉(聞きたい…けど、怖い)

鞠莉「ハァ…」

曜「いたっ!」

鞠莉「!? どうしたの?」

131: 2016/10/24(月) 04:28:04.75 ID:FtFcWi/s.net
曜「ご、ごめん驚かせて。大したことはないんだ。少し深く刺しちゃっただけだから!」

曜「時々こういうことするんだよね…私、こういうところ抜けて「見せて!」

曜「え…」

鞠莉「もう、結構血が出てるじゃない…!小さいケガでも侮れないんだから」

鞠莉「曜の手はmiracleを生み出す手なの。大事にしなきゃダメ!」

鞠莉「ほら、ちゃんと治療してあげるから」

曜「ああ…うん…」

鞠莉(良かった、絆創膏とか持ってきてて)ペタ

鞠莉「…はい、これで大丈夫。ちゃんと後で換えるのよ」

132: 2016/10/24(月) 04:28:42.48 ID:FtFcWi/s.net
曜「…はい//」

鞠莉「!」ハッ

鞠莉(衝動的な事だったけど)

鞠莉(私、曜の指先touchしまくってるううう!?)

鞠莉「ご、ごめんなさい!気安く触って…」

曜「い、良いんだよ!全然!むしろ治療してくれてありがとうだし…//」

鞠莉「//////」カアア

鞠莉「わ、私そろそろ戻るわ…」

曜「そ、そう…またいつでも来てよ」

鞠莉「じゃ、またね…」

133: 2016/10/24(月) 04:29:05.93 ID:FtFcWi/s.net
ガラガラ
バタン


鞠莉(ッーーー//////)バタバタ

134: 2016/10/24(月) 04:29:49.51 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉(それ以来、私は曜と過ごす時間が多くなり)

鞠莉(少しずつ距離を縮めていけた…と思う)

鞠莉(曜を見るとドキドキするのは変わらないけど、以前より落ち着いて接する事ができるようになった)

鞠莉(で、私は今ーー)


鞠莉「よしよし…」ナデナデ

曜「zzzz」

鞠莉「いくら衣装が佳境だからってちゃんと寝なきゃダメでしょう?」

曜「ん…」モゾ

鞠莉(寝顔…//)キュン

曜「…!」パチ

鞠莉「…起きた?」

135: 2016/10/24(月) 04:30:29.11 ID:FtFcWi/s.net
曜「…」ボ-

曜「zzzzzz」

鞠莉(また寝た)

鞠莉「私の膝、いくらでも使って良いから」ナデナデ

曜「すぅ…」

鞠莉(この時間がずっと続けば良いのに)

鞠莉「好き…」

鞠莉(って言えたらな…)

曜「…鞠莉ちゃん好きな人いるの?」

136: 2016/10/24(月) 04:31:09.33 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉「うぇっ?」

曜「今、好きって言うのが聞こえたから」

鞠莉「えっ、えぇっ」ワタワタ

鞠莉(な、起きてたの!?というか、聞こえてたの!?)アワアワ

曜「それって私の知ってる人?」

鞠莉(ど、どうしよう!?まさか逆に聞かれるなんて!しかも本人に!)アワアワ

曜「もしかしてダイヤさんか果南ちゃん?」

鞠莉「うっ、うん!」

曜「…」

曜「そっか」

137: 2016/10/24(月) 04:31:50.26 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉(私、今、何に対してyesと言った?)

曜「応援するよ、どっちの事を好きなのかは分からないけど」

曜「膝枕ありがとう、少し疲れが取れたよ」ニコッ

鞠莉「えっ、ちょっと、まっ…」

曜「先に行っとくよ~」スタスタ


鞠莉「わ、私…もしかして間違った…?」

138: 2016/10/24(月) 04:34:51.96 ID:FtFcWi/s.net
鞠莉(以前より落ち着いてーーと言ったけどあれは嘘だったみたい)

鞠莉(曜からのまさかの質問でパニックを起こして)

鞠莉(挙げ句、誤解を与えてしまった)

鞠莉(訂正しようと思って何度も話そうとしたけれど)

鞠莉(どう訂正したら良いか分からなかった)

鞠莉(好きな人がいないと言うのも違うし、だからと言って曜が好きだと伝える勇気も、正直無い)

鞠莉(時間は待ってくれずますます経過して、訂正するチャンスをすっかり見失ってしまったの)

鞠莉(私がダイヤか果南を好きだと思い込んでる曜は)


曜『幼馴染みの事って話しづらいでしょ?私で良いなら相談に乗るよ』


鞠莉(…と律儀に相談役を買って出て)

鞠莉(私は、それでも本当の事を言えず、ずるずると嘘の恋愛相談を繰り返すのだった)

139: 2016/10/24(月) 04:35:29.11 ID:FtFcWi/s.net
曜「…そうだね、近くにいるからこそ言えない事ってあると思うよ」

鞠莉「やっぱり?言わなきゃって思うんだけどね~」

鞠莉(うう…心臓が痛い…!バカじゃないの、自分で蒔いた種なのに…)

曜「でも、言わないでいたら、いつの間にか他の人の所に行っちゃうかもしれないよ」

鞠莉「う、うん。分かってはいるのよ、言わなきゃって…」


コンコン


曜「はーい」

モブ「あ、あの。渡辺先輩いらっしゃいますか?」

140: 2016/10/24(月) 04:36:25.05 ID:FtFcWi/s.net
曜「いますよ。どうしたの?」

モブ「あっ…その…」

鞠莉(その子の様子からすぐ分かった、告白だ、と)

鞠莉(そして、曜は断ると思った、直感的で根拠も無いけど)

曜「場所、移そうか」

モブ「は、はい…」

鞠莉(慣れてるのね…あの感じ)

鞠莉(面白くない…)ムスッ

鞠莉(でも、あの子が羨ましい。好きな人に自分の気持ちを伝えられる勇気を持っているんだもの)

141: 2016/10/24(月) 04:36:48.13 ID:FtFcWi/s.net
魔が差した、魔が差したのだ

他の人がどうやって好意を伝えるのか知りたかったの


鞠莉(悪趣味だけど…見に行ってみよう)


ここで止めとけば良かったのに

142: 2016/10/24(月) 04:37:18.99 ID:FtFcWi/s.net
校舎裏


モブ「わ、私、渡辺先輩の事が好きです…」

モブ「入学してから、一目惚れで…ずっと好きで…!」

鞠莉(Oh…まさにvest timing)

鞠莉(でも、かっこいいわ、すごく、私より何倍も)

曜「…ごめん、気持ちは嬉しいんだけど」

モブ「分かってます…先輩見てたら分かりますもん」

曜「好きな人がいるんだ」

143: 2016/10/24(月) 04:37:48.55 ID:FtFcWi/s.net
モブ「そうですか…」

鞠莉(!?)

鞠莉(曜に、いるんだ。好きな人)

モブ「…それって高海先輩ですか?」

曜「…うん」


鞠莉「あっ…あぁっ…」ズキッ

144: 2016/10/24(月) 04:38:10.94 ID:FtFcWi/s.net
曜『言わないでいたら、いつの間にか他の人の所に行っちゃうかもしれないよ』


本当にその通りだった

156: 2016/10/25(火) 03:02:22.02 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉「ははは…ウソじゃ、ないよね…」パン‼

鞠莉「っ…!痛い…」

鞠莉(何より、目からは止めどなく涙が流れてきて)

鞠莉(先程起こった事が嘘ではないのだと思わせられた)

鞠莉「…戻らなきゃ」

鞠莉(あの子の対応が終わったら曜は戻ってきてしまう)

鞠莉(私がいなかったら、曜は変に思っちゃうから)

157: 2016/10/25(火) 03:03:11.60 ID:JKxZR8oX.net
被服室


ガラガラ
バタン


鞠莉「っ…!」ポロポロ

鞠莉「グスッ…」

鞠莉(教室に帰ってきた途端、力が抜けてしまって)

鞠莉(すぐ机に突っ伏した)

鞠莉(曜が帰って来ない内に、せめて涙を止めようとしたけれど)

鞠莉(失恋のショックは想像以上に深くて、止めようと思う程、溢れてくる)

鞠莉(お願い、まだ帰って来ないで…)

158: 2016/10/25(火) 03:03:50.56 ID:JKxZR8oX.net
しかし、現実はそう甘い訳でもなく

暫くするとパタパタと駆けてくる音が聞こえてきた

軽やかで小走り気味のその音は、曜特有のものだと

あの子に惚れた私は分かってしまうの

159: 2016/10/25(火) 03:04:31.14 ID:JKxZR8oX.net
ガラガラ


曜「鞠莉ちゃーん、ごめんね。相談の途中だった…」

曜「…あれ?」

曜「寝てるのかな」

鞠莉(こんな顔見せられる訳ないじゃない…)

曜「よしよし」ナデナデ

鞠莉「ッ…!」ポロ

鞠莉(私を撫でる手つきは酷く優しくて)

鞠莉(止まりかけてたのに決壊してしまう)

鞠莉「ヒグッ…グスッ…」

160: 2016/10/25(火) 03:05:20.11 ID:JKxZR8oX.net
曜「…鞠莉ちゃん」

曜「泣いているの?」

鞠莉「…気に、しないで…」

曜「気にするよ」ナデナデ

曜「鞠莉ちゃんの好きな人の事?」

鞠莉「…!」

鞠莉「…」コクン

曜「…鞠莉ちゃんがこんなに泣くくらい好きなんだね」

曜「話ならいつでも聞くよ。鞠莉ちゃんが話したい時で良いから」

161: 2016/10/25(火) 03:06:07.00 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉(あなたの事なのに…)

鞠莉(私の好きな人はあなたなのに…)

鞠莉(誤解を与えてしまった上に曜には好きな人がいたなんて)

鞠莉(checkmateじゃない…)ポロッ

曜「…」ギュウ

鞠莉「…!」

曜「大丈夫、強い気持ちはいつかは伝わるから…」

曜「だから今はたくさん泣きなよ…鞠莉ちゃんが悲しい顔してるのは見たくないよ…」

162: 2016/10/25(火) 03:06:34.64 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉「うぅ…っ…」ポロポロ

鞠莉(曜は強い気持ちは伝わると言ったけど)

鞠莉(こんな状況になった今、伝わることなんてあるんだろうか)

鞠莉(励ましてくれる曜の言葉の一つ一つがまるで刃の様に)

鞠莉(私を深く深く切り裂いた)

163: 2016/10/25(火) 03:07:34.76 ID:JKxZR8oX.net
……
………
…………


鞠莉(顔をあげると曜が冷えたタオルを用意してくれていた)

曜「泣き顔の鞠莉ちゃんも可愛いけど、腫れちゃうから当てた方が良いよ」

鞠莉(フラれたも同然なのに、曜の中に私に対する気持ちは無いのに)

鞠莉(可愛いと言われると嬉しく感じてしまう)

鞠莉「私、今日は帰るわね…」

曜「…うん、分かった」

鞠莉(曜はこれ以上口を開かず私が教室を出ていくのを黙って見ていた)

鞠莉(私も一度も振り向かずにそのまま教室を後にした…)

164: 2016/10/25(火) 03:08:28.25 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉(部屋に帰ってきても、何も手につかなかった)

鞠莉(今日見てしまったあの光景が何度もフラッシュバックしてきて…)

鞠莉(曜は、ちかっちの事が好き)

鞠莉(だから、今まで曜に好きになってもらおうと思ってやっていたことも)

鞠莉(全てがムダだったのね…)

鞠莉(明日から曜とどう接したら良いのかな)

鞠莉(…もう何も考えたくない)

165: 2016/10/25(火) 03:10:29.64 ID:JKxZR8oX.net
自分でも頭は良い方だと思うけど、この問題に対する答えはいくら考えても見つからなかった

私の脳がここまで使い物にならないとは想定外だった

166: 2016/10/25(火) 03:11:02.04 ID:JKxZR8oX.net
翌日


果南「おっはよー…ってええ!?」

ダイヤ「あ、果南さん…」

果南「ね、鞠莉どうしたの?」ヒソッ

ダイヤ「分かりません…朝からあんな感じで…」


鞠莉「…グスッ」


果南ダイヤ「な、泣いてる!?」

果南「とりあえず何があったか聞かなきゃ…」タタタ

ダイヤ「そ、そうですわね!」タタタ

167: 2016/10/25(火) 03:11:28.44 ID:JKxZR8oX.net
ダイヤ「鞠莉さん、何があったんですか?」

果南「…もしかして曜との事?」

鞠莉「ダイヤ…果南…」

鞠莉「うわああああああん…」ギュウ

果南ダイヤ「よしよし…」ナデナデ

168: 2016/10/25(火) 03:12:22.10 ID:JKxZR8oX.net
……
………
…………


果南「一体どうしたのさ、ちょっと前までは楽しそうにしてたのに」

ダイヤ「ここ最近、どこかおかしいと思ってましたが…」

鞠莉「…私が、バカだったの…」

果南「どういう事?」

鞠莉「曜に、好きな人がいるの?って聞かれて、私、パニックになっちゃって…」

鞠莉「果南かダイヤが好きなの?って聞かれてうんって答えちゃって…」

ダイヤ「あらら…」

鞠莉「訂正したいって思ったの、でも、できなかった…」グスッ

169: 2016/10/25(火) 03:13:11.64 ID:JKxZR8oX.net
ダイヤ「そうだったのですか…誤解されたままだと」

鞠莉「…」

鞠莉「でもね、それはもうどうでも良いの」

果南(……)ウーン

果南(いや、これかなり重要な事じゃ…)

鞠莉「曜がね、下級生から告白されてたのを私、つい見ちゃって…」

鞠莉「そしたら、曜はちかっちが好きって…」ポロッ

鞠莉「初めから、私、曜の視界にも入ってなかった…」

果南「えっ、曜は千歌の事が好きなの?」

鞠莉「うん…」

170: 2016/10/25(火) 03:13:45.85 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉「本人が言ってたんだもの、間違いないでしょ…」

ダイヤ「随分、難儀ですわね…」

鞠莉「私、失恋…しちゃった」

果南「鞠莉…」

ダイヤ「鞠莉さん…」

ダイヤ「辛かったですわね」

171: 2016/10/25(火) 03:14:50.43 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉「うん…」

鞠莉「でもね、もっと辛いのは…」

鞠莉「完全にノックアウトされたのに、私、まだ、曜が好きで…!」

鞠莉「気持ちが消えてくれない…」

果南「鞠莉は諦めが悪いもんね」

鞠莉「私、もうどうしたら良いか…」

ダイヤ「…鞠莉さんの好きにしたら良いと思いますわ」

鞠莉「え…」

ダイヤ「諦めた方が楽になるなら諦めれば良いですし、まだ諦めきれないなら気が済むまでしがみつけば良い」

172: 2016/10/25(火) 03:16:07.27 ID:JKxZR8oX.net
果南「…そうだね、そこは鞠莉の自由だよ」

果南「それで、どうする?お昼約束してるのは行くの?」

鞠莉「…」

鞠莉「行くわ」

ダイヤ「辛くないですか?」

鞠莉「辛いけど、私が突然行かないって言ったらあの子を傷付けちゃうでしょう?」

鞠莉「そういうの敏感な子だし、傷付いたとしても発散しないで溜め込んじゃうから…」

鞠莉「好きよ、好きだけど、こんな事になって愚かとしか思えないけど先輩らしくもありたいの」

173: 2016/10/25(火) 03:16:34.68 ID:JKxZR8oX.net
果南「そっか…分かったよ」

ダイヤ「何かあったらすぐに相談するのですよ、あなたも溜め込みがちなんですから」

鞠莉「うん…お世話かけるわね」 

果南「何を今更」

174: 2016/10/25(火) 03:17:17.39 ID:JKxZR8oX.net
鞠莉(傷付く事は分かっている、曜からの言葉が、行為が、優しさが)

鞠莉(全てが私を突き刺すでしょう)

鞠莉(自分がこんな泥沼な恋愛を経験するとは思わなかったし、正直ドラマやそういった話をバカにしていたのに)

鞠莉(今は、そこまで一人のヒトに溺れる人の気持ちが分かる)

鞠莉(好きだから、これだけなの)

鞠莉(恋愛って改めて愚かなものだわ)

221: 2016/10/28(金) 02:28:58.63 ID:g6pgRxJI.net
昼休み

屋上


ガチャ


鞠莉「曜…?」

鞠莉(まだ来てないみたいね)

鞠莉「はぁ…」

鞠莉(昨日の今日で普通にできるかしら…)


??「だーれだ?」

222: 2016/10/28(金) 02:29:30.09 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「!」ドキッ

鞠莉「…誰かしら、ヒントをちょうだい?」

??「えっ、うーんヒントかぁ」

??「そうだね…私は2年生です!」

鞠莉「あら、2年生はたくさんいるわよ?それだけじゃ分からないわ」

??「Aqoursに入っているよ!」

鞠莉「それだと一気に3人に絞られるわね」

??「えー、分かってるくせに…鞠莉ちゃんの意地悪」

鞠莉「もう一つヒントがあれば分かるんだけどな~」

223: 2016/10/28(金) 02:30:10.40 ID:g6pgRxJI.net
??「んー、もう一つ…もう一つ…」

??「あ、そうだ!」

??「鞠莉ちゃんの事を鞠莉ちゃんと呼ぶAqoursの2年生!」

??「これで分かるでしょ?」

鞠莉「そうね、曜しかいないわね」クスッ

曜「えへへ…」

曜「…鞠莉ちゃんようやく笑ってくれた」

鞠莉「え…」

225: 2016/10/28(金) 02:30:45.27 ID:g6pgRxJI.net
曜「昨日の話、あまりしたくないだろうけど、やっぱり心配でさ」

曜「どうしたら鞠莉ちゃんの手助けをできるか考えてたんだ」

鞠莉「そ、そうなの…」

鞠莉(もう、止めてよ…)

曜「これ、良かったら」スッ

鞠莉「…?」

曜「レモンの蜂蜜漬け、鞠莉ちゃんレモン好きだから」

曜「少しでも元気になってほしいと思って、作ったんだけど…」

226: 2016/10/28(金) 02:31:21.65 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「ッ…!」

鞠莉(ダメ…泣きそう…)

曜「鞠莉ちゃん?」

鞠莉「…Thank you!ありがたく頂くわ♪」

曜「…!」パアア

曜「うん!何度も味見したから美味しいよ、きっと」

鞠莉「もぐっ…」

鞠莉「…ん…おいし…」

鞠莉(耐えて…耐えて、私…)

曜「本当?良かった…」ホッ

227: 2016/10/28(金) 02:31:57.07 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「…もう、こういう事は好きな子にやらなきゃ誤解されるわよ?」

曜「!?」

曜「えっ!?」

鞠莉「好きな子、いるんでしょ~?」ツンツン

曜「知ってるの…?」

鞠莉「何となく、ね。曜を見てたらそんな感じがしたの」

曜「………」

曜「…うん。いる」

鞠莉「…」ズキッ

228: 2016/10/28(金) 02:32:46.98 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉(なぜ、私は自分を傷付ける事をしてるのよ…馬鹿みたい…)

曜「なかなか難しくてね…自分から言わなきゃなって思うんだけど」

曜「相手の事を考えたら気持ちを伝えて良いのか分からないんだ…」

鞠莉「曜、あなた自分で言ってたでしょう?」

曜「…?」

鞠莉「言わないでいたら、いつか他の人の所に行っちゃうかもって」

曜「あ…」

鞠莉「上手くいくかは分からない、けど、言わないでいたら何も伝わらないのよ」

鞠莉「後悔するくらいなら当たって砕けなさい!まずはぶつからないとどうにもならないわ」

曜「…」

229: 2016/10/28(金) 02:33:29.63 ID:g6pgRxJI.net
曜「そうだね、鞠莉ちゃんの言うとおりだよ」

曜「でも、、」

鞠莉「…大丈夫よ、曜は素敵な人だもの、めったな事がない限り断るヒトいないわ」

曜「…そう?」

鞠莉「ええ」


ピシッ


曜「…勇気が出たら言ってみようかな」

鞠莉「…それが良いと思う」

曜「うん…」

230: 2016/10/28(金) 02:34:07.74 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉(曜はそれから黙りこんでしまった)

鞠莉(きっとちかっちの事を考えているのでしょう)

鞠莉(好きな人が、目の前で私じゃない他の人の事で悩んでいるということはすごく辛くて、まるで鋭い刃物で心臓を切り刻まれているようで)

鞠莉(今すぐ、その場から逃げ出したかった)

鞠莉(私は、臆病者)

鞠莉(曜に授けたadviceは私自身にも向けた言葉で)

鞠莉(でも、私にはそれを行える勇気もないから、曜に無責任に投げたのだ)

231: 2016/10/28(金) 02:34:40.99 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「じゃ、私、そろそろ行くわね」

曜「え…」

鞠莉「チャイム鳴っちゃうから、いつの間にか時間経ってたみたい」

曜「本当だ…」

曜「今日、全然話せなかったね」

鞠莉「時にはそういう日があっても良いんじゃない?」

鞠莉「それに、可愛い後輩の力になれたなら私は嬉しいわ」

曜「…うん」

232: 2016/10/28(金) 02:35:13.35 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「…」

鞠莉「そんな沈んだ顔してたら、好きな子に振り向いてもらえないわよ~」ギュッ

曜「ま、鞠莉ちゃん…!」

鞠莉(好き…あなたが…)

鞠莉(でも、私は伝えられないから、伝えちゃいけないから)

鞠莉(明るいトーンで話そうとしたのだけど、上手くできそうになくて)

鞠莉(曜に抱きついて誤魔化すのに必氏だった)

233: 2016/10/28(金) 02:36:14.56 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉(このまま何も変わらず時間だけが過ぎていった)

鞠莉(距離をとってしまえば楽になるのに、私に避けられて傷ついてしまう曜の事を考えるとどうしてもできなくて)

鞠莉(心に傷を負いながらも、曜に会える時は会い続けた)

234: 2016/10/28(金) 02:37:01.97 ID:g6pgRxJI.net
そして…


数日後
昼休み


果南「鞠莉ー、今日は?」

鞠莉「あぁ、今日は曜との約束は無いわ」

ダイヤ「では、一緒に昼食をいただけますわね」

鞠莉「そうねぇ、そろそろ私もいなきゃ二人も限界だろうし?」ニヤニヤ

果南「はいはい」

ダイヤ「そういう事にしといてあげますわ」

鞠莉「だー!もう、ほんっと冷たいよね二人は!」

鞠莉「飲み物買ってくる!」スタスタ

果南「私のお茶もよろしくー」

ダイヤ「ミルクティをお願いしますわ」

鞠莉「誰が買ってくるもんですか!」

235: 2016/10/28(金) 02:37:59.45 ID:g6pgRxJI.net
……
………
…………


鞠莉(と言いつつも買っちゃうのよね…)

鞠莉「ま、良いわ。貸しにしといて倍にして返してもらいましょう」スタスタ 

鞠莉「…」キョロ


特に意識はしてなかった

空を飛ぶ鳥を見るように、何となく目が動いただけ


鞠莉「ッ…!」ズキンッ


つい見てしまった中庭

そこには私の想い人がいて

隣にはちかっちがいて 


曜は、顔を真っ赤にしながらちかっちと何かを話していた

236: 2016/10/28(金) 02:39:23.89 ID:g6pgRxJI.net
ピシピシッ…!


鞠莉「…」ボトッ

鞠莉「うまくいったのね」

鞠莉「良かった…じゃない」グスッ

鞠莉「うぅ…」ポロポロ


鞠莉(落とした飲み物も拾わずに)

鞠莉(私は、その場にしゃがんで泣いた)

鞠莉(今まで積み重なった傷が一気に開いて)

鞠莉(溜め込んだ何かが濁流のように流れていった)

237: 2016/10/28(金) 02:40:02.77 ID:g6pgRxJI.net
……
………
…………


ダイヤ「鞠莉さん遅いですわね…」

果南「何かあったのかな」

鞠莉「チャオ~♪遅くなってSorry、Sorry!」

果南「あ、ようやく帰って来た」

鞠莉「もー食堂混んでて!飲み物買うのにも一苦労よ~」

ダイヤ果南「…!」

鞠莉「ほら、マリーは誰よりも優しいから二人のも買ってきてあげたわ!」

鞠莉「これは貸しだからね♪」

238: 2016/10/28(金) 02:40:34.85 ID:g6pgRxJI.net
ダイヤ「…鞠莉さん、何かあった「ダイジョーブよ」

鞠莉「…曜とちかっちが付き合う事になった…かも」

果南「えっ…」

鞠莉「さっき中庭で見たの。初々しくて可愛らしかったわ」

ダイヤ「それは本当ですの?」

鞠莉「曜の顔見たら分かるわよ、だって好きでずっと見てたんだもん」

果南ダイヤ「…」

鞠莉「心配しないで!…ちゃんと切り替えるから」

239: 2016/10/28(金) 02:40:51.69 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉(今すぐは無理だけど、時間という武器がある)

鞠莉(それが、いつかこの恋を風化させてくれる)

240: 2016/10/28(金) 02:41:56.62 ID:g6pgRxJI.net
放課後

部室


ダイヤ「今日は個人練習とします」

ダイヤ「良いですか!基本的に自由とはいえ、サボったりしないこと!」


ハーイ


ダイヤ「えっと、梨子さんがいないようですが…」

千歌「今日は梨子ちゃん、風邪引いちゃって休みですよ!」

ダイヤ「あら、そうなのですか。みなさんも気を付けるように」

ダイヤ「では、練習を開始してください」


鞠莉(私は何をしようかしら)

鞠莉(奥で柔軟でもやろうかな…)


曜「鞠莉ちゃん」

241: 2016/10/28(金) 02:42:42.18 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「!」ビクッ

鞠莉(曜…)

鞠莉「あら、どうしたの?」

鞠莉(意識しちゃダメ…切り替えるんだから…!)

曜「最近、マッサージしてないなって」

曜「鞠莉ちゃん凝りやすいから、したいんだけど…」

鞠莉「い、いいわよ!そんなに体の調子悪くないし!」

鞠莉「ほら、ちかっちが一人でいるわよ?行ってあげなさい!」

曜「…」

曜「…良いから、行くよ」グイッ

鞠莉「!?  ちょ、ちょっと!」

242: 2016/10/28(金) 02:43:25.76 ID:g6pgRxJI.net
……
………
…………


鞠莉「も、もう曜ったらゴウインなんだから!」

鞠莉「そんな事すると嫌われちゃうわよ~?」

曜「…マッサージするからうつぶせになって」

鞠莉「ッ…!」

鞠莉(何で…何で私に関わってくるの…)

鞠莉(あなたにはちかっちがいるでしょ…!)

243: 2016/10/28(金) 02:44:05.32 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「…はい、これで良い?」ストン

曜「うん」

曜「じゃ、始めるね」グッ

鞠莉「っ…/////」

鞠莉(最初にしてもらった時は、曜を意識してなかったから何も思わなかった)

鞠莉(でも、)

鞠莉(好きな人に触られたら…)

鞠莉(意識せざるを得ないじゃない…!)

鞠莉(もう、やだ…!私は、、曜を…)

244: 2016/10/28(金) 02:44:32.85 ID:g6pgRxJI.net
曜「…鞠莉ちゃん、聞きたい事があるんだ」

曜「何かあるの?」

鞠莉「え…」

鞠莉「な、何も特に無いわよ…!」

曜「…質問を変えるね」

曜「私に対して、何かあるんじゃないの」

鞠莉「!!」

245: 2016/10/28(金) 02:45:13.39 ID:g6pgRxJI.net
曜「最近、私と話してても鞠莉ちゃん笑ってくれない」

曜「むしろ辛そうにしてる」

曜「私、何か鞠莉ちゃんにそんな顔をさせる事した?」

鞠莉「ッ…!」


パリン…


鞠莉(あ…私…)



壊れる

246: 2016/10/28(金) 02:45:43.51 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「…」ポロポロ

曜「鞠莉ちゃん…?」

鞠莉「もう、止めて…」

曜「…」

鞠莉「曜といるの、辛い…」 

曜「…!」

曜「どうして…?」

鞠莉「…」グスッ 

曜「答えられないの…?」

247: 2016/10/28(金) 02:46:20.42 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉「ごめん…」ポロポロ

曜「私にこうやって触れられるのも嫌?」

鞠莉「…」

鞠莉「…」コクン

曜「………」

曜「…そう。分かった…」

曜「ごめんね、傷つけちゃって…」

曜「知らない内に鞠莉ちゃんにそんな思いをさせてしまったんだね…」

曜「ごめん…本当に、ごめん…」



スタ…スタ…

248: 2016/10/28(金) 02:46:40.74 ID:g6pgRxJI.net
鞠莉(曜は私の上から降りて、そのまま部屋を出て行った)

鞠莉(一人でいるこの空間は静かで)

鞠莉(さっきの出来事を嫌でも思い出させる)

鞠莉(私の中に残ったものは)

鞠莉(虚無感、それだけだった)

262: 2016/10/30(日) 01:35:32.37 ID:F03mWojN.net
鞠莉(まだ時間は残っていたけれどとても個人練習をする気にはなれなかった)

鞠莉(何とか立ち上がり、壁にもたれる)

鞠莉「ヒグッ…グスッ…!」

鞠莉「あぁ…」ポロポロ

鞠莉(自分から拒絶したのに酷く傷ついている自分がいた)

鞠莉(こんな時に限って曜と過ごした思い出やあの温かい記憶が呼び出されて)

鞠莉(さらに私を追い込んだ)

鞠莉(もう、二度とあんな風に触れ合う事も無いのだろう)

鞠莉「今日は、帰ろ…」

鞠莉(こんな姿を見られたら心配させてしまう)

鞠莉「…」ピッピッ

鞠莉(ダイヤに帰る旨を伝えて、人になるべく会わないように気を付けながら)

鞠莉(私は部室を後にした)

263: 2016/10/30(日) 01:36:37.94 ID:F03mWojN.net
翌日

昼休み


ダイヤ「鞠莉さん、今日は…」

鞠莉「んー?二人と食べるよ?」

果南「ああそうなんだ」

鞠莉「というかね…」

ダイヤ「?」

鞠莉「曜とは完全に終わったから、もう昼休みに会うことも無いわ」

果南「!?」

果南「えっ、何で何で?」

果南「確かに、昨日の曜の様子もおかしかったけど」

鞠莉「昨日色々あったの。それで、おしまいにしたのよ」

264: 2016/10/30(日) 01:37:23.22 ID:F03mWojN.net
ダイヤ「…唐突ですわね」

鞠莉「そうでもしないと、私が堪えられなかったの…」

鞠莉「酷いよね、先輩らしくいたいとか言ったのに、結局自分の事しか考えられなかった」

鞠莉「曜、すごく傷ついてると思うから…頼むわね二人とも」

果南ダイヤ「…」

鞠莉(普段ならここで冗談の一つでも飛ばすんだけど、二人の表情を見たらそんな雰囲気でもなくて)

鞠莉(無言のままただ食事を口に放り続けた)

265: 2016/10/30(日) 01:38:36.49 ID:F03mWojN.net
鞠莉(あれ以来、私と曜の距離は確実に開いてしまった)

鞠莉(話さない事はないけど、目が合う事はない)

鞠莉(曜も私も、どこが適切な距離なのか測りあぐねていた)


鞠莉「あっ…」ドンッ

曜「!  ご、ごめん!」ササッ


鞠莉(曜は私に触れるのを怖れている様で)

鞠莉(なるべく接触をしないように私から逃げる)

鞠莉「ッ…!」

鞠莉(分かっていた事とはいえ、辛い)

鞠莉「ハァ…」


果南ダイヤ「…」

266: 2016/10/30(日) 01:39:17.22 ID:F03mWojN.net
……
………
…………


ダイヤ「千歌さん、ちょっと良いですか?」

千歌「果南ちゃん、ダイヤさん…」

千歌「私も話したいと思ってたんだ」

果南「さすがに千歌も気づいていたか~」

千歌「うん、あの様子を見たらね」

ダイヤ「それで、早速ですが、いくつか確認したいことが…」

267: 2016/10/30(日) 01:40:14.40 ID:F03mWojN.net
……
………
…………


千歌「…ということだと思う」

果南「はぁ…」

ダイヤ「はぁ…」

果南「バカだね」

ダイヤ「本当、二人ともただのバカですわ」

千歌「これは早く気づかせてあげないといけないよ!」

ダイヤ「そうですわね、目を覚まさせないと」

268: 2016/10/30(日) 01:41:09.90 ID:F03mWojN.net
果南「待った、でも私たちが言ったって意味ないよ」

千歌「うん、二人の問題なんだから二人で解決しないとダメだと思う」

ダイヤ「確かに…」

千歌「ね、こういうのはどうかな?」コソッ

果南ダイヤ「…」

果南「良いね」

ダイヤ「これぐらい強引じゃないと」

千歌「じゃあ、実行は明日と言うことで!」

果南「うん」

ダイヤ「ええ」

269: 2016/10/30(日) 01:41:45.85 ID:F03mWojN.net
翌日

部室


鞠莉「シャイニー☆…って」

鞠莉「何?今日、二人だけ?」

果南ダイヤ「…」

鞠莉「ホームルーム終わったらさっさと出てっちゃうんだもん、何で置いていったのよ~」

ダイヤ「鞠莉さん、このままで本当に良いのですか?」

鞠莉「…」

鞠莉「もうその話は終わったはずよ?」

270: 2016/10/30(日) 01:42:28.68 ID:F03mWojN.net
果南「いいや、終わってないね」

ダイヤ「終わったといいながら、ずっと曜さんを気にしているみたいですが?」

鞠莉「ぐっ…!」

鞠莉「あのね、いくら私が完璧超人だからってあんなことがあってすぐ切り替えられるほど人間できてないの」

果南「そこがおかしいよね、普段の鞠莉だったらバカが付くくらい前向きじゃん」

ダイヤ「一日二日では無理だとしても、ここまで引きずる必要は無いのではないですか?」

鞠莉「…!」カチン

271: 2016/10/30(日) 01:43:29.65 ID:F03mWojN.net
鞠莉「黙って聞いてりゃ、好き勝手に…!」

鞠莉「そうね、二人の言う通りよ。今までの私なら、すぐ忘れていたでしょうね…」

鞠莉「でも…!今回は違うの…!だって、本気で好きだったんだもん…!」

鞠莉「そんな、簡単にっ…!できるわけっ…!」

ダイヤ「…だから、終わらせたくないのでしょう?」

果南「ダイヤが最初に言ったじゃない。諦めたくないならしがみつけって」

鞠莉「…!」

鞠莉「もう無理よ…、あれからお互いに避けてるし…」

272: 2016/10/30(日) 01:44:09.31 ID:F03mWojN.net
ダイヤ「無理じゃないですわ、一つだけ方法がありますわ」

果南「というか、これしか無いけどね」

鞠莉「え…?」

ダイヤ「こうするのですわ!」グイッ

鞠莉「!?」


バタン
ガチャン


鞠莉「ちょっ、ちょっとちょっと!ねぇ!何して…!」ドン‼ドン‼

273: 2016/10/30(日) 01:44:57.87 ID:F03mWojN.net
??『わわっ、何、えっ千歌ちゃん!?』

ダイヤ『待ってましたわ!』

果南『こっちだよ!ほらっ』


ガチャ
ドン‼


曜「うわっ!」

鞠莉(曜!?)


バタン
ガチャン


曜「えっ!一体何がっ…」

274: 2016/10/30(日) 01:45:46.76 ID:F03mWojN.net
ダイヤ『愚かな二人、よく聞けですわ!』

ダイヤ『あなた方のここ何日の雰囲気は何ですの!ま~あ良くない良くない』

ダイヤ『このままじゃAqoursの活動にも支障を来しますわ!』

ダイヤ『…だから、今からここで納得するまで話し合いなさい!お互いに知ってる事も知らない事も全てです!』

ダイヤ『納得する答えが出せたらここを開けてあげますわ!』

ダイヤ『じゃ、ファイト!ですわ!』

275: 2016/10/30(日) 01:46:25.90 ID:F03mWojN.net
曜「…」

鞠莉「…」

曜「えっと…」

鞠莉「はぁ!?ダイヤ何言って…!出しなさいよ!こらっ!」ガチャガチャ

鞠莉「Oh my God…、本当に閉めていったわね、あいつ…!」

曜「…鞠莉ちゃん」

鞠莉「!」ドキン

鞠莉(久しぶりに、名前、呼ばれた…)

276: 2016/10/30(日) 01:47:20.39 ID:F03mWojN.net
鞠莉「待って!少しだけ、待って…!」

鞠莉(い、今から、全て話すって…!)

鞠莉(それ、私に告白しろって事っ?曜には相手がいるのにっ…!)

鞠莉(そんなの…、できな…!)ハッ

鞠莉(…そうよ、このままじゃ、何も変わらない)

鞠莉(付き合う、付き合わないじゃなくて…)

鞠莉(このまま腫れ物に触るような関係なのは嫌…!)

鞠莉(とりあえず、話すにしても、心を落ち着けなきゃ…)ス-ハ-

277: 2016/10/30(日) 01:48:21.29 ID:F03mWojN.net
ガサッ


鞠莉「あっ…」

鞠莉(レモンキャンディ…前に曜から貰った…)

鞠莉(まだ大切に持ってたのね)

鞠莉(…私、何を怖れているのかしら)

鞠莉(相手は年下の私と同じ女の子よ)

鞠莉(それに、曜なら、ちゃんと聞いてくれるはず…!)ピリッ


パクッ


鞠莉(うん、すっぱい。…美味しい)

278: 2016/10/30(日) 01:49:18.99 ID:F03mWojN.net
鞠莉「…よし」

鞠莉「曜」

曜「…!」ピクッ‼

鞠莉「聞いてほしいの、私の話」

鞠莉「全て話すわ。だから、お願い…」

曜「…」

曜「そんな怯えた目をしないでよ…」

曜「大丈夫、ちゃんと聞くよ。…聞かせてほしい」

鞠莉「ありがとう…」

280: 2016/10/30(日) 01:50:34.52 ID:F03mWojN.net
鞠莉「それで、ね。最初に謝らせて」

鞠莉「あなたを拒絶する事を言ってごめんなさい」

鞠莉「理由があったとはいえ、そんな事言うべきではなかったわ…」

鞠莉「曜は何も悪くないのに、被害者ぶって…バカみたい、私」

鞠莉「ごめんなさい…!」

曜「…違うよ、謝らないで。私が知らず知らず何かを鞠莉ちゃんにしてたんだ」

曜「鞠莉ちゃんにそう言わせてしまうような事を…」

曜「だから聞きたい。鞠莉ちゃんはどうして私を拒絶しようとしたの?」

鞠莉「!」ドクンッ

281: 2016/10/30(日) 01:51:22.70 ID:F03mWojN.net
鞠莉(ああ、緊張するっ)

鞠莉「あの、ね」

鞠莉「私っ…私…」

鞠莉(怖いっ、何て思われるか…)

曜「…言いづらい?」

鞠莉(ダメっ…ここで言わなかったら、ダイヤ達の気遣いの意味がなくなっちゃう…)

鞠莉「いえ、ちゃんと言うわ」

282: 2016/10/30(日) 01:52:54.50 ID:F03mWojN.net
鞠莉「私」


鞠莉「あなたが好き」


鞠莉「ーー////」カアア

曜「ッ…!」

鞠莉(言った…のよね…)

鞠莉(とりあえず言葉を続けなきゃ…)

鞠莉「でも、曜は千歌っちと付き合ってるでしょう?…だから、この気持ちをどこに持っていけば良いのか分からなくて」

鞠莉「曜は残酷よ。相手がいるのに、私にいつも優しくして…」

鞠莉「そんなの!ますます好きになっちゃうじゃない…!」

283: 2016/10/30(日) 01:53:32.85 ID:F03mWojN.net
鞠莉「だから、私辛くて…曜といたら心が引き裂かれそうで…」 

曜「…!!」

曜「待って、鞠莉ちゃん」

鞠莉「…分かってるわ、曜の返事は」

曜「違うよ!鞠莉ちゃんは誤解してる」

鞠莉「な、にが…?」

曜「私、千歌ちゃんと付き合ってないよ!」

鞠莉「…へ?」

284: 2016/10/30(日) 01:55:02.12 ID:F03mWojN.net
鞠莉「で、でも、曜が告白された時に、千歌っちの事が好きって」

曜「え、あ、あれ見てたの?」

鞠莉「…ごめんなさい」

曜「あー、えっとね。私ね、よく分からないんだけど、人から告白される事がちょこちょこあって…」

曜「少し前に来た人にストーカー紛いの事をされてさ」

曜「好きな人がいないって言ったのが原因だったみたいで、それを千歌ちゃんと梨子ちゃんに相談したんだ」

曜「そしたら、二人とも自分の名前使って良いよって言ってくれたから聞かれた時だけ使わせてもらってるんだ」

鞠莉「なっ…」

鞠莉「で、でも、前に中庭で二人っきりで話してたの見たわ…」

鞠莉「曜が真っ赤になってたから千歌っちに告白したんじゃないかって」

285: 2016/10/30(日) 01:55:32.88 ID:F03mWojN.net
曜「…そうか、それも見られてたんだね」

鞠莉「うっ!」

鞠莉「だ、だって、好きな人はつい目で追っちゃうもん…」

曜「…」

曜「その真相を知りたいなら」

曜「私の話も、、聞いてもらわなきゃいけなくなる…」

鞠莉「…曜?」

296: 2016/10/30(日) 10:30:55.33 ID:Rn6t1/Qm.net
曜「うー、あー…」

曜「ッ…//」

鞠莉「…?」

鞠莉(どうしたのかしら…)

曜「ゴホンッ‼」

曜「ま、鞠莉ちゃん!」

鞠莉「は、はい!」

曜「わ、私っ」

曜「鞠莉ちゃんの事が…好き…です…!」

297: 2016/10/30(日) 10:31:46.21 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉「!?////////」

曜「//////////」

鞠莉「う、うそ…」

曜「私の顔見て察してよっ…//」

鞠莉「本当、なの?」

曜「/////」コクン

曜「だ、だから!あの時千歌ちゃんと一緒にいたのは、鞠莉ちゃんの事で相談してたからであって!」

曜「何度も言うけど私は、千歌ちゃんと付き合ってないよ!」

鞠莉「えっ…ええええええええ!」

299: 2016/10/30(日) 10:33:24.42 ID:Rn6t1/Qm.net
……
………
…………


曜「…本当は早く伝えたかったんだ」

曜「だけど、鞠莉ちゃんに好きな人を聞いた時、果南ちゃんかダイヤさんが好きだって言ってたから言えなくなっちゃって」

曜「鞠莉ちゃんとあの二人が特別仲が良いのも分かってるし、入り込む隙間ないなってさ」

曜「でも、諦められなかった。学年が違うから約束して時間を作らなきゃ鞠莉ちゃんといれないし、それに」

曜「可能性は低くても、少しでもいいから私を好きになって欲しいと思った」

曜「辛かったけど、鞠莉ちゃんの恋愛相談に乗ってたのも全ては下心からだよ」

曜「まあ、結果として私がしたことは鞠莉ちゃんを傷付けちゃったんだけどね…」

鞠莉「…曜」

鞠莉「ごめんなさい、それ、間違いなの」

曜「え?」

300: 2016/10/30(日) 10:34:24.66 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉「私が果南やダイヤをそういう意味で好きだって話」

鞠莉「あの時好きって言ったのは、あなたに対してよ…」

曜「!」

鞠莉「好きな人にいきなり好きな人はいる?って聞かれたから私混乱しちゃって」

鞠莉「頭がはたらかなくなって間違った事、答えちゃったの」

曜「だ、だったらすぐ言ってくれれば…!」

鞠莉「そうしたかったわ。でも、あの時の私は勇気が無くて…」

鞠莉「曜を好きって気持ちは否定したくなかったから、、ごめんなさい」

301: 2016/10/30(日) 10:34:58.59 ID:Rn6t1/Qm.net
曜「な、なんだ…そうだったんだ」

曜「…まとめるとさ」

曜「お互い勘違いしてたって事だよね」

鞠莉「うん…」

曜「はははははっ!バッカだなぁほんと!」

鞠莉「そうね、本当にバカよ私たち」

曜「勘違いのせいで傷ついて、悩んで、お互いを避けたりさ…」

曜「めんどくさ!ははっ!」

302: 2016/10/30(日) 10:35:40.48 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉「もう…今だから笑えるけど、辛かったのよ」

曜「私も」

曜「誤解だったとしても好きな人の恋愛相談とか拒絶されたのは辛かったな…」

鞠莉「あの、一応確認するけど」

鞠莉「曜は、私のこと… 」

曜「好きだよ、そういう意味で」

303: 2016/10/30(日) 10:36:42.12 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉「うん…//」

曜「えへへ//」

曜「…触れて良い?」

鞠莉「…//」コクン

曜「////」ギュウ

鞠莉「あっ…//」ギュッ

鞠莉(曜の体は程よくついた筋肉で柔らかさよりは固さがあって)

鞠莉(私より背丈は低いけれど、大きくて抱き締められてるように感じられた)

鞠莉(壊れかけだった私の心は曜の温かさで包まれて)

鞠莉(何だか泣きそうになった)

304: 2016/10/30(日) 10:37:25.02 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉「曜…」

曜「ん…」

鞠莉(曜の手が私の頬を撫でる)

鞠莉(これは…)

曜「早い…かな」

曜「鞠莉ちゃんのことが好きすぎるから、止まれないんだ」

曜「良い?」

鞠莉「うん、、私も同じ、だから…」

曜「ん…」

鞠莉(鼻先を何度も触れさせ合う)

鞠莉(幸せで、幸せで)

鞠莉(ゆっくりと私たちの間の距離が無くなった)

305: 2016/10/30(日) 10:38:40.02 ID:Rn6t1/Qm.net
曜「チュッ…ンッ…」

鞠莉「ゥンッ…チュッ…」

鞠莉(好き…大好き…)

曜「…ファーストキスってレモンの味がするって本当だったんだ」
 
鞠莉「…だってさっき曜から貰った飴食べたもの」

曜「結構前にあげたやつ?まだ持ってたの?」

鞠莉「好きな人から貰ったものよ?そんな簡単に食べられないわ」 

曜「クスッ…また今度持ってくるよ」

鞠莉「お願い。あの飴気に入っちゃった」

306: 2016/10/30(日) 10:39:21.37 ID:Rn6t1/Qm.net
曜「りょーかいしました!」

曜「あ、私からもお願いがあるんだ」 

鞠莉「あら、何かしら?」

曜「鞠莉ちゃんの、ハンバーグが食べたい」

曜「ずっと鞠莉ちゃんの事は気になってて好意を持ってたんだけど」

曜「完全に落ちたのは、実はあのハンバーグを食べた時なんだよね//」ヘヘ

曜「本当に嬉しかったし、美味しかった…忘れられないくらい」 

307: 2016/10/30(日) 10:40:27.98 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉「////」

鞠莉「OK♪明日、作ってくる」

鞠莉「また、お昼一緒にしよ?」

曜「うん!」

鞠莉「あと!」

鞠莉「今度から他の子に告白されたら私の名前を使うのよ!」

曜「分かってるよ。…というか、」

曜「チュッ」

鞠莉「ンンッ//」

曜「告白されないようにみんなに見せ付けていけば良くない?」

308: 2016/10/30(日) 10:40:59.28 ID:Rn6t1/Qm.net
曜「なーんて…//ちょっとキザ過ぎるね、これ、 恥ずかしい//」

鞠莉「///」ギュッ

鞠莉「もう一回…して」

曜「…!」

曜「喜んで」ギュッ

309: 2016/10/30(日) 10:42:03.77 ID:Rn6t1/Qm.net
……
………
…………


果南「ほーんと、何でこれだけ拗れたのか不思議でならないよ」

千歌「だよね、どう見ても鞠莉さんは曜ちゃんを見てるし、曜ちゃんも鞠莉さんを見てるのに」

千歌「気づかないものなのかなぁ」

ダイヤ「恋は盲目と言いますからねぇ」

ダイヤ「他人の変化には敏感でも、自分に向けられるものには鈍感になるのかもしれません」

果南「あの二人って大胆な所もあるけど、案外自己評価低そうだしね」

千歌「それ分かるかも!」

ダイヤ「結構時間経ちましたわね…流石にあのバカ二人でも進展してると思うのですが」

ダイヤ「様子を見に行きましょうか」スタスタ

果南「えっ、ダイヤ止めときなって!」

果南(これだけ時間経っても出てこないって事は…ねぇ)

310: 2016/10/30(日) 10:42:59.25 ID:Rn6t1/Qm.net
……
………
…………


ガチャ


ダイヤ「愚かなお二方!進捗はいか…」


曜「鞠莉ちゃん…愛してる」チュッ

鞠莉「私も…好きっ…」チュッチュッ


ダイヤ「」

ダイヤ「な、な、な、」

ダイヤ「わ、私はそんな破廉恥な事をしろとは言ってませんわーーーー!!!」ピシャーン


鞠莉「あ、、ダイヤ//」

ダイヤ「こら!二人ともそこに正座しなさい!私は話し合えと言ったんであって、学校でこんないやらしいことっ…」ガミガミ


曜「あらら…」

曜「…」ニコッ

鞠莉「…」クスッ

311: 2016/10/30(日) 10:43:22.70 ID:Rn6t1/Qm.net
鞠莉(曜を見ると参ったなぁという風に困った顔で笑っていた)

鞠莉(本当にね、と私も微笑み返す)

鞠莉(説教しているダイヤも、どこか嬉しそうだった)



おわり

312: 2016/10/30(日) 10:44:02.33 ID:Rn6t1/Qm.net
待たせてすみませんでした

313: 2016/10/30(日) 10:52:46.07 ID:xZ1z6NC+.net
おつ
すばらしい

引用: 曜「すれ違いと」鞠莉「面倒くさい私たち」