1: 2013/09/21(土) 16:30:32.14 ID:9ed4bL5V0

連スレ立て規制の基準がわからないので投稿テスト。説明は>>2以降

夢の中で逢った、ような……

2: 2013/09/21(土) 16:44:03.88 ID:9ed4bL5V0
スレ立てできたようだ。

このスレはPCトラブルによりグダグダになった
【まどマギ】美樹さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」【前編】
【まどマギ】美樹さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」【中編】
【まどマギ】美樹さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」【後編】

および

さやか「終曲!!バイオリン仮面」

の1から8話までの内容をリメイクした物です。
9-13話のリメイクは別スレで行います。

そっ閉じするかどうかのラインはリンク先の文章を触って判断してください。

「旧作リメイクはいいからおまけシナリオを再開してくれ」という方は

さやか「休息!!バイオリン仮面」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379724248/
こちらまでお願いします。


叛逆のネタバレ無し。まどか☆マギカのアニメおよび劇場版+スピンオフ+作者の趣味で構成されてます


3: 2013/09/21(土) 16:52:51.65 ID:9ed4bL5V0
気づいたらあたしは荒れ狂う海のど真ん中の船の中にいた


兵士「王子ーッ!」


兵士「大変だ!王子が海に投げ出された!」



王子「ぐっ・・・あっぷ・・!!」


ザバァンザッパァアアン


さやか「王子様・・・って、恭介!?」


キュゥべえ「事態は一刻・・・いや一国をあらそうよ。剣士サヤキャ」


さやか「キュゥべえ!?」


キュゥべえ「僕は知ってるよ。君が王子に秘めてる内なる想いを」

キュゥべえ「彼を助けて恩人になるチャンスじゃないか」


キュゥべえ「だから僕と契約して魔法少女になってよ!」

さやか「!!」

4: 2013/09/21(土) 16:54:56.71 ID:9ed4bL5V0
さやか「馬鹿にしないでよ!あたしは王子の恩人になりたいから助けるわけじゃない!」


さやか「でも・・・でも・・・」



王子「もう・・・駄目だ・・・沈む・・・」


ゴポゴポ・・・


さやか「恭介!!」


さやか「キュゥべえ!!恭介を助ける力を!あたしを・・・あたしにどんな荒波でも泳げる力をちょうだい!」



キュゥべえ「契約は成立だ」


ピカーッ

5: 2013/09/21(土) 16:56:35.01 ID:9ed4bL5V0
さやか「こ・・・この姿は!?人魚!?」


キュゥべえ「君の願いがその姿を望んだのさ」

キュゥべえ「変身した君はありとあらゆる海を泳ぐ能力を手に入れたのさ」



さやか「恭介待ってて!今助ける!!」


ザップン!



がしっ



さやか「領地であるあの島まで泳ぎきれば・・・!!」

王子(薄れる意識の中)「に・・・人魚・・・!?」



6: 2013/09/21(土) 16:57:17.98 ID:9ed4bL5V0
~~~


さやか「恭介・・・」

さやか「よかった・・・水は飲み込んでないみたいだね・・・」


王子「ん・・」

さやか「やばい!目が覚めちゃう!」

さやか「今あたしの姿を見られるわけにはいかない、とりあえず海へ!」


ザバァン!


???「あ・・・あのお方は・・・」


7: 2013/09/21(土) 16:59:24.24 ID:9ed4bL5V0
~城内~

♪~♪~♪


王子「どうだい?僕のバイオリンは」

隣国をお姫様「すばらしいですわ・・・この曲を・・・わたくしのために弾いてくださるのね」



さやか「・・・」


家臣「陸に打ち上げられた王子様を助けたのがきっかけで仲良くなったんだって」

家臣「元々親同士が決めた仲だったけど、これならうまくいきそうだな」



さやか「それ違うよ・・・」


助けたのはあたし・・・

なのに・・・


さやか「あたし・・・嫌な子だ・・・」



監視塔「!!あ・・・あの大群は!」


8: 2013/09/21(土) 17:04:54.44 ID:9ed4bL5V0
家臣「大変だ!敵国が!敵国が全勢力を持って攻めてきたぞ!」


さやか「なんだって!?」


姫「そ・・・そんな!」


王子「婚礼の儀が決まってこれからっていう時に・・・」


さやか「・・・」


さやか「出るよ!サヤキャ部隊、最前線で指揮をとる!」


王子「サヤキャ!?」


さやか「安心して王子様!あたしがアンタの幸せを守るから!」


さやか(そう・・・これでいいんだ)

さやか(あたしと王子様は幼馴染・・・それ以上にはなれない・・・だって王子様と家臣じゃ・・・)



9: 2013/09/21(土) 17:06:17.36 ID:9ed4bL5V0
~~~


????「こっぴどくやられたね。剣士さん・・・あなたもうすぐ氏ぬよ」

さやか「あなたは・・・?」


????「私の一部になってよ。そうすれば許せない事・・・なんだって壊せるんだ」

????「私はあらゆる呪いの集合体。自分のことを好きになってくれない王子のことなんか呪っちゃえばいいんだよ」


さやか「あたしは・・・あいつを・・・」




10: 2013/09/21(土) 17:10:53.68 ID:9ed4bL5V0
~~~

ガタァン!!


次に気がついたのはベッドの下で古い漫画の様にさかさまで転げ落ちた時


さやか「うぇ!?」


さやか「夢落ち~!?」


オチも古かった


OPバイオリン版「ルミナス」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19650889

11: 2013/09/21(土) 17:32:23.89 ID:9ed4bL5V0
タイトル:九曲!!バイオリン仮面【前編】タキシードの物語





さやか「あたしまどかの事言えないわ~」

まどか「どうしたの?何かあったの?」


さやか「妙な夢を見たんだよね」

仁美「どんな夢を・・・ですか?」



さやか「聞いても笑わないでね・・・」


~~~


仁美「まぁ!それではまるでさやかさんが上条君を想う人魚姫みたいですわね!」


さやか「ちょっと!恭介とはそんなんじゃないって!」

さやか「それに・・・あたし人魚姫って柄じゃないし」


まどか「そうだよね、やっぱりさやかちゃんはいつも笑顔でいるのが似合ってるよ!」


さやか「ところがいつまでも笑ってるわけにもいかなくなったんだよね・・・」

12: 2013/09/21(土) 17:33:29.68 ID:9ed4bL5V0
さやか「恭介の怪我・・・かなり重いみたいなんだ・・・今日にでも深刻な宣告を受けるかもしれないんだ」


仁美「・・・」


まどか「さやかちゃん・・・」


さやか「でもあたしが行ってあげないと!ほぼ毎日お見舞いに来れるのはあたしだけだし!」

まどか「やっぱりさやかちゃん、上条君のこと大好きなんだね」


さやか「だーかーらー!違うって言ってるでしょ!」


仁美「・・・」


さやか「あ、そうだ、二人もたまには来てよ!あいつもいつもとは違う刺激があったほうが暇がつぶせると思うんだ」


仁美「私は・・・習い事があるますので・・・ご遠慮させていただきますわ」

まどか「私は別に構わないよ!」


さやか「ありがとまどか!それじゃあ行こっ」


さやか「じゃあね仁美、またねー」


仁美「ええ・・・ごきげんよう・・・」



さやか「・・・」


13: 2013/09/21(土) 17:34:34.25 ID:9ed4bL5V0
さやか「仁美・・・なんだか様子が変だったな・・・」

さやか「恭介の名前が出るたびに意識してた気がする・・・」


さやか「・・・」



さやか「あの夢の中で・・・王子の恭介とくっついたお姫様・・・仁美に似てたけど・・・」


さやか「まさか・・・ね」



まどか「さやかちゃーん!病院、行くんでしょ?置いて行っちゃうよ!」


さやか「ああ、ごめんまどか!今行くよ!」

14: 2013/09/21(土) 17:49:23.30 ID:9ed4bL5V0

まどか「あれ?上条君に会えなかったの?」

さやか「なんか都合が悪いんだってさ。せっかく来てやったのに失礼しちゃう」


キュゥべえ「二人とも、病院の壁を見て!」

まどかさやか「!!」


さやか「これは・・・」


キュゥべえ「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」


さやか「まどか!マミさんを連れてきて!あたしはコイツを見張ってる!」



~~~


そしてあたしはグリーフシードを見張るため結界の奥へ、
マミさんも遅れてやってきた


マミさんがこちらに向かう途中あの感じ悪い転校生がかち合ったらしい。
なんでも転校生は一方的に手を引けと諭したらしい



ほむら「今回の魔女はあなたでは勝てない。美樹さやかとキュゥべえの安全は保障するわ、手を引いて」


マミ「信用すると思って?」


シュルシュル!!


ぎゅっ


ほむら「リボンで拘束された!!バ・・・バカ!こんな事やってる場合じゃ・・・」


マミ「拘束する刹那、変身したわね。でも無駄よ。さあ、行きましょう鹿目さん」


まどか「は・・・はい・・・」


スタスタ



ほむら「盾の中に・・・手を入れれば・・・日本刀かなにかで・・・拘束を・・・」

ゴソゴソ・・・・


ガシッ(硬い感触)



ほむら「日本刀だわ!これでリボンを切断できる!」


ズボッ



ほむら「え・・・?」


???「日本刀では無い!」

15: 2013/09/21(土) 17:54:48.03 ID:9ed4bL5V0
???「それは、私のバイオリンだ」


ほむら「え・・・?え・・・?え・・・?(誰!?)」


???「そして先ほど君が手を突っ込んだのは盾の中では無く、私のタキシードの社会の窓だ」


ほむら「いやあああああああああああ!!!!チャックが全開になってる!?
そして私の手を入れてる!?へ・・・変態いいいいいい!!!!!!!!!!!!!?」



16: 2013/09/21(土) 18:06:14.70 ID:9ed4bL5V0
バイオリン仮面「私の名前はバイオリン仮面!ほむらさん、
君と同じく一人の少女を助けるためにやってきた「魔法使い」!」



ほむら「・・・!!?・・・
(こ、こいつ・・・私がまどかを助けるためにループを繰り返してる事を 知ってるの!?)

ほむら(そもそも一体何者!?)


ほむら(イレギュラーな登場人物自体は珍しくない・・・問題は魔法少女でもないこいつから魔翌力を感じることなのよ)


ほむら(魔法使い・・・バイオリン仮面・・・)


ほむら(銀髪のストレートヘアー、タキシード、怪しげなハットとマント
・・・そして・・・頭部にバイオリンが印刷された黒いマスク・・・年齢は・・・わかり辛い・・・)

ほむら(10~30代・・・マスクに覆われてない目の部分だけじゃ判断できないわ)



バイオリン仮面「動かないでくれ、ほむらさん。今助ける!」

17: 2013/09/21(土) 18:07:44.10 ID:9ed4bL5V0
バイオリン仮面「シルバー・ストリングス!!」


シュパッ


ほむら(銀色の弦が・・・巴マミの拘束魔法を切り裂いた・・・これが・・・彼の固有魔法!?)


ほむら「あ・・・あなたは一体何者なの?私と同じってどういう意味・・・?」


バイオリン仮面「君と私は良く似てるって事さ」


バイオリン仮面「ホラ、きみがその盾に物量を無視してなんでも収納できるように私の社会の窓も
四次元空間となってるのさ!」

ジィィィー↓


ほむら「・・・・!!」


ほむら「い、いちいちチャックを下げないで!!
同じ原理だってそこからバイオリンが出てきた事から分かったから!」


バイオリン仮面「おっとこんな事をしてる場合じゃない。さあ行こう。 巴さんが危ないんだろ?」


ほむら「え!?」


ほむら(なぜその事を・・・)

18: 2013/09/21(土) 18:10:31.61 ID:9ed4bL5V0
魔力

19: 2013/09/21(土) 18:17:49.85 ID:9ed4bL5V0
ほむら(こいつ・・・巴マミをも知ってる? そして、危機に陥ってることも・・・)

ほむら(ますますわからない。時間軸ごとにイレギュラー・・・それは敵対したり
ギャグでごり押そうとしたり、下心があったりで・・・お茶を濁すキャラばかりだった)

ほむら(この世界で出会った彼は・・・私の運命を変えてくれるの・・・?)


バイオリン仮面「とうっ!」


ビュンッ!


ほむら「待って!」

ほむら「・・・は・・・速い!筋力を魔力強化した私が
追いつけないほどに・・・そうか・・・彼も身体強化を」


ほむら「男性の筋力に魔法の力・・・いいとこ取りね。何者かはわからないけど・・・巴マミを
助けたがってたし、とりあえずは味方と見ていいわね 」


ほむら「・・・」


ほむら「バイオリン・・・置いていったわね。もって行ってあげましょう」

20: 2013/09/21(土) 18:18:44.43 ID:9ed4bL5V0
~お菓子の魔女結界最深部 ~


マミ「ティロ・フィナーレ!!」ドンッ!


シュルシュルシュル・・・ギュッ


さやか「やったぁ!」


お菓子の魔女「・・・・・」モゴモゴモゴモゴ


ベロン!!




マミ「えっ?」




ガブリ



21: 2013/09/21(土) 18:29:23.45 ID:9ed4bL5V0
まどか「はっ・・・!?」


さやか「魔女の体から・・・新しい魔女が出てマミさんに噛み付いて・・・」


まどか「マミさあああああん!!!」


ガツガツガツ・・・・

お菓子の魔女「?」

お菓子の魔女「ナンダコレ・・・オイシクナイゾ・・・カタイ・・・」


バキンバキンバキン


バイオリン仮面「巴マミの頭部ではない!」

バイオリン仮面「それは私のバイオリンケースだ」


まどさや「!?」

22: 2013/09/21(土) 18:30:25.41 ID:9ed4bL5V0
マミ「あれ・・・?私・・・無傷なの・・?たしか魔女に食べられそうになって・・・ 」

マミ「ひゃっ!?あ・・あなた一体誰ですか!? 」


マミ(タキシードの男性に・・・お・・・お姫様抱っこされてる・・・!?)ドキドキ



まどか「マ・・・マミさん!」


さやか「よ・・・よかった・・・無事だったんだ!ってか、アイツ誰!?」


バイオリン仮面「私の名はバイオリン仮面!!」チラッ


さやか(・・・?あたしの方を見た?)


バイオリン仮面「一人の少女を救うため、魔法少女たちをサポートするためにやってきた「魔法使い」!!」


バァーン!!



さやか「バイオリン仮面・・・!? 」

マミ「魔法使い・・・?魔法少女とは違うのかしら・・・?」


マミ(彼が本当の魔法使いなら・・・この状況はいつかノートに書いたあのシチュエーションに似てるわ)ドキドキ


マミ「ちょ、ちょっとキュゥべえ!?どこにいるの?彼のこと説明して!」


さやか「アレ?そういえばアイツどこいった?」


お菓子の魔女「グヌヌヌヌ・・・アタシノショクジノジャマヲシテ・・・・

お菓子の魔女「GAAAAAAAAA!!!」


ズオオオオオオォォォォォ!!


さやか「危ない!マミさんを抱えた仮面の男ごと噛み砕く気だ!」

23: 2013/09/21(土) 18:41:45.92 ID:9ed4bL5V0
バイオリン仮面「・・・」

ひょいっ

バクン!

バクンバクンバクンバクンバクン!

ひょいひょいひょいひょいひょいっ


さやか「マミさんを抱えたままかろうじてよけてる!
でも辛そう!マミさんが重いって意味じゃないけど!」


まどか「だんだんとよける速さが遅くなってるよあれじゃいつかやられちゃう!
マミさんが重いって意味じゃないけど!」


バイオリン仮面(・・・・巴さんを抱えながら勝てる相手じゃないな。
巴さんが重いって意味じゃないけど)


バイオリン仮面「巴さん、鹿目さんとさやかをつれて安全な場所へ避難してくれ」

バイオリン仮面「この魔女は私と遅れてくるほむらさんとで倒す」


さやか「ほむら・・・!?転校生が・・・こっちに向かってきてるって!?」


バイオリン仮面「さぁ、早く!」

マミ「そ・・それが・・・一度拘束した魔女から、別の本体が出てくるなんて
初めての経験で・・・その・・・ショックで腰が抜けて・・・動けないの・・・」


バイオリン仮面「!?」

24: 2013/09/21(土) 18:46:52.59 ID:9ed4bL5V0
お菓子「GAU!」

バクンッ

チッ


まどか「あ、危ない!」

さやか「攻撃がかすった!マミさん!バイオリン仮面から下りて反撃してよ!!」


バイオリン仮面「・・・仕方ないな」

ジィーッ↓


まどか「きゃあああぁ!?下のチャックを下ろした!?」


さやか「あ、あの野郎!ナニをするつもりだ!?」

25: 2013/09/21(土) 18:47:21.74 ID:9ed4bL5V0
バイオリン仮面「さぁ、巴さん。僕の社会の窓に入るんだ!大丈夫!
中は四次元空間だから無理やり突っ込めば体は全部入る!」

グイグイ


マミ「きゃあああああああああああああ!?
な・・・ナニしてるんですか!!やめて!!変態!変態!変態!!」

ジタバタ


さやか「マ・・・マミさんの顔を股間に押し付けようとしている!?
こんな非常時にナニをしてるんだ!」


バイオリン仮面「さあ!さあ!怖がってないで、大丈夫。
中は意外と快適だよ!冷暖房も完備してある!すぐに気持ちよくなれるさ!さあ!」

グイグイグイ


マミ「だめええええええええええええ!!!!!!!
そ・・・そんなモノ押し付けないでええええええええ」


ジタバタジタバタ

26: 2013/09/22(日) 08:07:13.74 ID:aoZ4atB20
ズポッ

まどか「マミさあああああああん!!」

さやか「頭が・・・頭だけ社会の窓にすっぽり入った!!」

さやか「そしてそれ以上入らないように必氏に抵抗している!」


マミ「いやああああ!!やめて!離して!
ど・・・どうしてなの!?頭が抜けない!?」

グイグイ


バイオリン仮面「頭だけ入ったか・・・やはり、このまま戦おう。
巴さん!そのまま中にある長いモノを咥えて!」



マミ「え!?」

まどか「え!?」



さやか「な・・・長いモノ?」
ドキドキ


27: 2013/09/22(日) 08:10:38.68 ID:aoZ4atB20
マミ「な・・・ナニをくわえさせるつもりですか!?そんなの無理に決まってるじゃない!
は・・・早く離してええええええええええ!!」
ジタバタ


バイオリン仮面「その社会の窓は私が許可しなければ出し入れ不可の仕組みなんだ。
腕を出したかったら私の言うとおりにしてくれ」


マミ「い、言うとおりにすれば頭を離してくれるんですね?」

バイオリン仮面「このバイオリン仮面、嘘はつかない!」


さやか「・・・・」じぃーっ

まどか「こんなの絶対おかしいよ!」じぃーっ


お菓子の魔女「・・・・」じぃーっ


マミ「・・・・・///」カァアアアアアアア


ゴソゴソ・・・ぱくっ


マミ「んっ・・・咥え・・・ました・・・」


バイオリン仮面「あぁ・・・次はそれを引っ張り出してくれ・・・」


マミ「・・・・・・///」

マミ「も・・・もう、どうにでもナーレ!!」


マミ「えいっ!!」


ベロンッ!!


まどか「きゃっ」

さやか「な・・・なんて長さなの・・・!?」


お菓子の魔女「・・・ゴクリ」


28: 2013/09/22(日) 08:12:34.69 ID:aoZ4atB20
バイオリン仮面「残念さやか、これはバイオリンの弓だ!!」


まどさやマミシャル「え?」


ほむら「・・・・!!お・・追いついた!」

ほむら「仮面の男!これを!」

ポイッ

ガシッ



バイオリン仮面「私のバイオイリン!聞くが良い!」

30: 2013/09/22(日) 08:38:55.98 ID:aoZ4atB20
バイオリン仮面「一曲!!「人魚姫の祈り」!」

~♪~♪♪~


マミ「この状況で・・バ・・・バイオリンを弾き始めた・・・!?」


♪~♪~♪


まどか「あれ?変態的行動からは想像もつかないようなうまさだよ!」


♪~♪~♪


さやか「でも・・・悲しい曲・・・」

さやか(このこみ上げてくる感じは・・・何?・・・懐かしさが・・・
まるで・・・アイツの演奏を初めて聞いたときの・・・)


さやか(あたしは・・・この曲を聞いたことがある・・・!?)


♪~♪~♪


ほむら「・・・アイツとバイオリンが何かあると思って本能的にバイオリンを渡したら・・・
まさか、ここまで素晴らしい演奏をするなんて・・・」

ポロッポロッ


ほむら「この演奏に魔力は使用してないのに・・・こんなにも人の心を動かすなんて・・・」

ほむら「何故か・・・涙が止まらない・・・」


ほむら「ハッ!いけない!魔女がそばにいるのに!」


♪~♪~♪


お菓子の魔女「・・・・グスン」


ほむら「え?」

31: 2013/09/22(日) 08:49:02.54 ID:aoZ4atB20
お菓子の魔女「アォン!オォン!」ポロッポロッポロッ


ほむら「そ・・・そんな!?魔女が涙を流すなんて・・・」

ほむら「げ・・幻惑の魔法の類じゃない・・・これは紛れも無く「演奏してるだけ」なのに・・・
どうして!?」


バイオリン仮面「ほむらさん!今だ!」


ほむら「!!」ハッ


ほむら「・・・・そりゃっ」ポイッ


お菓子の魔女「オォン・・・オォン!」


ポロポロポロ・・・


パクン

お菓子の魔女「・・・・?」

ゴクリ



ほむら「それは、私の爆弾よ」




ちゅどぉぉぉぉぉん!!


お菓子の魔女「NOOOOOOOOOOOOOO!!」



しゅわしゅわ~



カランカラン・・・・・


まどか「あ・・・グリーフシード」

さやか「結界が・・・解けていく・・・」


マミ「私たち・・・助かったの・・・?」
↓ぺたん



32: 2013/09/22(日) 08:53:50.45 ID:aoZ4atB20
バイオリン仮面「すまない・・・私の演奏では・・・君達を元にもどすことはできないんだ
・・・せめて安らかに・・・」ボソッ



ほむら「・・・・!?」


ほむら(いま、なんと言った!?「元に戻せない」!?・・・ナニを知っている?)

ほむら(この男・・・魔法少女がいずれ魔女になることを知っている!?)



バイオリン仮面「さやか、鹿目さん。ケガは無いかい?」

さやか「あ・・・うん」


さやか(あたしとほむらは名前で呼ぶ・・・一体なんなんだ・・)


バイオリン仮面「立てるかい?巴さん。」


マミ「こ・・・来ないで!!」ジタバタ


バイオリン仮面「どうしたんだ!?まさかどこかケガしてるのかい?」


ほむら「社会の窓が・・・開いてるわよ・・・」カァッ///


バイオリン仮面「おっと。私としたことが」ジーッ↑



さやか「おい転校生!」

ほむら「なにかしら?」

33: 2013/09/22(日) 08:58:23.75 ID:aoZ4atB20
さやか「えっとその・・・マミさんを・・・助けに来てくれたの?」


ほむら「結果的にはそうなっただけよ。でも私は一度巴マミに「退け」と言ったわ。
助けることを提案したのはそこの変態よ。」


さやか「あっ!そうだ。おい変態!お前は一体何者だ!?」


バイオリン仮面「うぐっ・・(ズキッ)あ・・・相変わらずさやかはキツいね」


まどか(さやかちゃんが変態といったら・・・傷ついた!?)


さやか「相変わらず?あたしのこと昔から知ってるような口聞くな!」

さやか「マミさんを助けてくれたことは感謝するけど、お前は転校生より怪しいぞ。
何者か話してもらうわよ!!」


バイオリン仮面「私の名はバイオリン仮面と言ったはずだ。それ以上のことは「今」は話せない。」

バイオリン仮面「魔法使い」・・・その役割は魔法少女のサポート。
私にはこの町の魔法少女を団結させるという使命がある」


さやか「「今」は・・?まぁそれはいいや。魔法少女を団結させるのはなんのために?」

バイオリン仮面「もうじき・・・この町に「ワルプルギスの夜」という強力な魔女が現れる」


マミほむら「!?」


34: 2013/09/22(日) 09:02:19.30 ID:aoZ4atB20
さやか「ピルプルゲルの黄昏・・・?ごめんもう一回言って」


まどか「ほ・・・ほむらちゃん?すごい驚いた顔してるけど・・・どうしたの?」


ほむら「・・・!?」


ほむら(ワルプルギスのことまで知ってる・・・!?)

ほむら(ま・・ますます何者なの!?
ここ数日の私達の動きをストーキングしただけじゃ今日の巴マミの危機は知ることはできても
ワルプルギス襲来・・・未来の情報までは入手できない!)

35: 2013/09/22(日) 09:05:46.07 ID:aoZ4atB20
マミ「・・・・ワルプルギスの夜・・・あの「黒い向かい風」がこの町に・・・?」キリッ

さやか「マ・・・マミさん?おーい。
何の話ですか?・・・診察受けていきます?」


まどか「わかりやすく説明してくれたらそれはとっても嬉しいなって」


ほむら「近いうちにこの町に魔法少女一人では勝てない伝説で語られてる大型魔女がやってくる。」


さやか「転校生?」


ほむら「そいつを倒すために、巴マミと私が手を取り合うべきだとバイオリン仮面は言いたいらしいわ」


36: 2013/09/22(日) 09:07:27.31 ID:aoZ4atB20
マミ「あ・・・暁美さん?・・・あなたはこの仮面の人の言うことを信じるの?
ワルプルギスの夜の出現を予測できた話なんて聞いたことは無いわ」


ほむら「信じる信じないの話じゃなくて、知ってるの」

ほむら「知らないのは私しか知りえないその情報をこの男が何故知っているのかよ。
ワルプルギスの夜は来る。確かな情報はこれだけよ」


マミ「私を・・・2人がかりで陥れようとしてるって事は・・・」


ほむら「信じないのなら勝手になさい。私も出来ればあなたとも
すれ違いたくない。だけど協力が得られないのなら一人でも戦う。それだけよ」


マミ「・・・」



バイオリン仮面「さ、それより今は巴さんを家まで運ばなきゃ。見たところ
腰が抜けてるのは治ってないみたいだね。」


マミ「ええ・・・おかしいわね・・一応基礎的な回復魔法は習得してるのに・・・
さっきからぜんぜん腰が動かないの」


さやか「・・・歳?」

まどか「さ、さやかちゃ」

バイオリン仮面「さやか!」ビシッ

さやか「いてっ!なにすんだコンニャロー!!」


まどか(わ・・・私より早くさやかちゃんにツッコミを入れた・・・!?)


ほむら「おそらく・・・精神的な問題ね。生氏をかけた戦いに文字通り首の皮一枚で繋がった。
そのトラウマが治った腰を治らなかった事にしている」


マミ「私が、魔女を怖がってるとでも?」



さやか(生氏をかけた戦い・・・動かなくなった腰・・・)


まどか「さやかちゃん?なんかすっごい工口オヤジみたいな表情になってるよ!」


37: 2013/09/22(日) 09:10:19.65 ID:aoZ4atB20
さやか「はっ!しまった!あんな戦いの後だから何もかもイヤらしく見える、聞こえる、憧れる!」

まどか「憧れてるだけじゃ手に入らないよ。(上条君の事)」


バイオリン仮面「さやかは放っておいて大丈夫として、巴さん。やはり私が家まで運ぼう」

ダキッ

マミ「きゃっ・・・ま、またお姫様抱っこ・・・///」

さやか「むっ!」イラッ



マミ「・・・・チャ・・・チャックさえ下ろさなければ紳士な方ですのね」ドキドキ

マミ(やっぱり・・・あのシチュエーションに似てるわ・・・)



さやか「エ、工口い手でマミさんに触れるなああああああ!!」

バシッ


マミ「きゃっ!」

バイオリン仮面「ちょ・・・ちょっとさやか!?」

38: 2013/09/22(日) 09:22:31.90 ID:aoZ4atB20
さやか「はぁー、はぁー、なんかムカつく!
あ・・・あんたはどうせマミさんの体に触るのが目的なんでしょ!」

バイオリン仮面「違うよさやか。だけど・・・わかったから・・・私からは巴さんに極力触れない。
というわけで巴さん。悪いけどさやかがヤキモチ妬いちゃうから誰か他の人に頼んでくれないか?」


マミ「えっ・・・ええ」


マミ(ちょ・・・ちょっと残念。とか思ってるのかしら私は・・・)

マミ(それよりも・・・出会って間もない美樹さんがこんなにも私を慕ってくれるなんて・・・
嫉妬してくれるなんて、そっちの方が嬉しいわ!)


まどか(今のは・・・マミさんに触れるな!ってヤキモチには見えなかったけど・・・むしろ・・・)


ほむら「なら、私が運ぶわ」

39: 2013/09/22(日) 09:23:32.13 ID:aoZ4atB20
さやか「ほむっ・・・転校生!?」

ほむら「途中で言い直すのならいっそ呼び捨てにして頂戴」

ほむら「あなた達一般人じゃ二人でも抱えきれないでしょう。魔法少女の事は魔法少女に任せて。」

ヒョイ


マミ「あ・・・暁美さん?」


ほむら「言ったでしょ?できればあなたとは戦いたくない。すれ違いたくないってね」


ほむら「あなたが戦線復帰するまで、私が面倒を見てあげる。そして敵意が無いことを
わかってくれるのなら、ワルプルギス討伐に付き合ってもらうわ」

マミ「あ・・・あの・・その・・ありがとう・・・」


ほむら「お礼ならバイオリン仮面に言いなさい
私一人じゃあなたに警戒されたまま進展も無かったかもしれないから」

40: 2013/09/22(日) 09:24:10.79 ID:aoZ4atB20
まどか「あ・・・そうだ、グリーフシード!マミさん、ほむらちゃん、グリーフシード取り忘れてるよ!」


ほむら「私はいらないわ。今日の戦果はバイオリン仮面のおかげよ。
バイオリン仮面、あなたが拾いなさい。」



バイオリン仮面「私も要らない。というか必要としない。
私達「魔法使い」は魔力の回復にまた別の物を使うのだから」


ほむら「・・・?別の物?」

41: 2013/09/22(日) 09:26:12.43 ID:aoZ4atB20
バイオリン仮面「そう。他の物。意外と君達の身近にある物をつかって私は溜まったものを取り除く」


ほむら「なら・・・それが何か言いなさい。私が用意できるものなら今回のお礼も兼ねて
持ってきてあげるわ。」

バイオリン仮面「正面からおねだりすると断られる物なんだ」


マミ「?」
ほむら「?」

さやか「まさか」

まどか「さやかちゃん、わかるの?」

さやか「あくまで予測、確証が無いからここでは言わない。」


バイオリン仮面「だから、今回の件で君達が少なくとも感謝をしているのであれば、
君達から「それ」が突然無くなる事を許してほしい」

バイオリン仮面「そしてどうか、その行為に目をつぶってほしい」



バイオリン仮面「では、さらばだ!また会おう。魔法少女たち!」バッ

42: 2013/09/22(日) 09:31:32.32 ID:aoZ4atB20
マミ「行ってしまったわ。バイオリン仮面さん。援姦の断りに導かれて・・・」

さやか「マママ・・・マミさん!?ナニいってるんすか!?マジで診察受けていきましょうよ!」


マミ「ハッ!い、いけない。私もバイオリン仮面のせいでえOちな事に興味を持ち始めてる!?」


さやか「母性あふれるマミさんをも思春期女子中学生に変えてしまうとは・・・
バイオリン仮面・・・一体何者なの?」

まどか「マミさんはまだ女子中学生だよ!」

まどか「それとさやかちゃん・・・バイオリン仮面の正体がわからないってそれ本気で言ってるの?」


さやか「え?」

まどか「なんとなく、予想がついたの。でも確証が無いからまだいえないの」

まどか「ここでいう正体っていうのは、ヒーローの変身前・・・つまり普段ナニしてる人かって事なんだけど」


まどか「その憶測の正体の人が・・・さやかちゃんにとっての重要な人物だから・・・」


さやか「あたしにとっても身近な人!?あれだけ変態そうなのって・・・中沢?」


ほむら「なら、私も彼についてわかった事があるわ」

ほむら「ここでいう「わかった」とは彼が何故ワルプルギスについて知っていたかの
可能性を考えた上での憶測よ」


さやか「あ、そういう事でいいのならあたしもわかった事あるよ」


さやか「アイツの魔力浄化にナニが必要かっていう事をアイツの会話からある程度予想できた!」


マミ「えっと・・・わ・・私はその・・・彼の素性・・・ナニも掴めなかったわ・・・
危うく、ナニを咥えさせられそうにはなったけど・・・」


さやか「はーい。マミさーん。病院は目の前ですよー」

43: 2013/09/22(日) 09:42:15.46 ID:aoZ4atB20
マミ「ねぇ、それならお互い予測できたことを情報交換しない?
私は情報の代わりに自宅を提供するわ。彼が本当に信用できる人物か話し合いましょう」


さやか「あぁ~、いいっすね~ソレ」


ほむら「ごめんなさい。私は巴マミ以外にはまだ話せないわ」

まどか「私も、もう暗いから今からお邪魔したらお泊りになっちゃうから・・・
私、お泊りは事前に言っておかなきゃいけないの」


ほむら「私の推理を話すのはバイオリン仮面の正体を探る以前に私の正体を話すことになるの」


ほむら「それほど私と彼には共通点があるのよ。
今はまだその事を同じ魔法少女である巴マミ以外には言えないわ。」


44: 2013/09/22(日) 09:45:00.42 ID:aoZ4atB20
マミ「あ、暁美さん・・・私には話してくれるの?」

ほむら「一人ぼっちがさみしいってだけでしょ?あなた」

ほむら「心配しなくても今日は一緒にいてあげるわ。
それに、あなたの信用を得るために私もある程度自分の事を話さなきゃいけないし」


ほむら「・・・美樹さん、ごめんなさい。あなたが私を警戒してる事はわかってるけど、
今はあなたや鹿目さんにまで私の正体を知られるわけにはいかないの」


ほむら「今日は、鹿目さんのそばにいてあげてくれないかしら?」



さやか「呼び捨てでいいよ、ほむら。うんうん。今はそれで良いんじゃない?」

さやか「ほむらは今日、マミさんを助けてくれた。
そして近いうちにやってくる魔女からあたしたちを守ろうとしてくれてる」

さやか「それだけ解ってるのなら無理にあたしがほむらを詮索する必要は無いよ」


ほむら「さやか・・・」


さやか「それに、隠し事を隠してるって事を隠さずに言ってくれたこと。それが嬉しかった」

さやか「いつかは話してくれる話なんでしょ?だったら今は聞かないであげるよ」


さやか「だから、結果的にアンタがその気が無かったとしても関係ないよ。改めて言わせて!」


さやか「助けてくれて、ありがと」



ほむら「さやか・・・こちらこそ、ありがとう・・・ふふっ」


一同「?」

45: 2013/09/22(日) 10:02:46.84 ID:aoZ4atB20
ほむら「あっ・・・ごめんなさい。なんだか懐かしくて」

ほむら「私も、以前はこうして魔法少女の仲間達と談笑してたものよ」

ほむら「その中にさやかのように思い込みが激しいけど、味方のときはとっても心強い子がいて・・・」


さやか「思い込みが激しいって言うなー!!」


まどか「ほむらちゃん、その仲間の人たちは今どうしてる・・・あっ・・(察し」



さやか「そっか・・・ほむらもつらい目にあってきたんだね・・・」

マミ「大切な仲間や友達が氏んでいくところを・・・何度も見てきたのね」


ほむら「ええそうよ。数えるのも諦めるほどね」

ほむら(他の誰でもないあなた達のことよとは言えないわね)

46: 2013/09/22(日) 10:04:01.75 ID:aoZ4atB20
まどか「じゃあ、さやかちゃんは私の家でお泊りだね。」

さやか「いきなり行って大丈夫かな?」

まどか「さやかちゃんなら大丈夫!きっとママもパパもタツヤも大歓迎だよ!」


ほむら「・・・」じー

さやか「おや?」



ほむら「じゃあ、私達はここで、今日は2人ずつ情報交換をしましょう。
まどかはさやかと。私はマミとそれぞれ話し合う。いいわね。」


まどさや「はーい。」


さやか「ほむらもマミさんもいつかお泊り会しよう!きっと、もっと楽しいはずだから!」


ほむら「・・・さやか?」


47: 2013/09/22(日) 10:05:11.62 ID:aoZ4atB20
さやか「ナニ驚いた顔してんのさ!あたし達はもう友達だよ!」

さやか「あんたの感じ悪い態度も今まで悲しい目にあってきたのなら納得だし」

さやか「ほむらへの考え方を改めたよ。あたしはほむらの味方だから!」


さやか「ほむらがまどかの家に泊まりたそうな顔してるから、提案したんだけど、そうじゃなかった?」


ほむら「いいえ、あなたって鋭いわ」


ほむら「そうね。まどかさえ良ければいつかお邪魔したいわね。もちろん、さやかの家にも」


まどか「うん!私もほむらちゃんの事もっと知りたいな」


まどか「それと、マミさん・・・ごめんなさい。私やっぱり、魔法少女になるのは・・・」


マミ「うん。解ってる。こんなみっともない姿見せちゃったものね」

マミ「氏にかけた姿を目の当たりにしたのだからしょうがないわ・・・
私も今は暁美さんの意見に賛成よ・・・あなた達は魔法少女になるべきじゃ無い」


さやか「あたしは・・・まだ迷ってるかな・・・叶えたい願いがあるから。」


さやか「キュゥべえ!あんたはどうするの?「魔法使い」って何のことかを知ってるのなら
教えて欲しいんだけど・・・」


マミ「いないわね。呼んだらすぐ来るはずなのに・・・さっきから一体どこに?」


~~~


キュゥべえ「「魔法使い」・・・この星がその概念を持つのはまだまだ先だと思ってたけど・・・」

キュゥべえ「バイオリン仮面・・・余計なことをしてくれたね。加えて、母星からの指示・・・
ボクはうかつに動けない」


キュゥべえ「でも一応抵抗はさせてもらうよ。
君達が向かってるその未来は僕にとって望ましいモノでは無いからね」


赤い髪の少女「よおキュゥべえ。見滝原に呼び出して何の用だよ?」

49: 2013/09/23(月) 01:13:06.38 ID:Vpa1ouja0
次の朝

さやか「おはよ仁美」

仁美「おはようございますさやかさん」


仁美「あれ?昨日まどかさんの家でお泊りしたのでは?
まどかさんの姿が見当たりませんが・・・ご一緒に家を出られたのでは無いのですか?」


さやか「まどかなら、恭介のお見舞いだよ」

仁美「えっ!?」

50: 2013/09/23(月) 01:14:45.26 ID:Vpa1ouja0
~昨晩~

まどか「バ、バイオリン仮面の魔力回復アイテムが
女性の下着ってさやかちゃん!そんなわけないでしょ!」

さやか「まどかこそ!バイオリン仮面の正体が恭介ですって!?絶対ありえないわよ!
共通点バイオリンしかないじゃない!」


まどか「じゃあ、明日の朝、私が上条君のお見舞いに行って探ってみる。
ついでにトラップも仕掛けてみるよ!」

さやか「トラップ?」

まどか「さやかちゃんの推理が正しければバイオリン仮面は女性の下着を求めてるんでしょ?」

まどか「上条君の病室にわざとらしく下着を置いていくの。もし下着を上条君が盗めば
さやかちゃんは自分が勃てた推理にしたがってバイオリン仮面が上条君だって認めなきゃいけない。どう?」


さやか「ほぉ・・・面白いじゃんまどか。その勝負受けて勃つよ。
恭介をあんな変態と同一視したこと、絶対謝ってもらうからね!」


さやか「でもなんで朝なの?」

まどか「放課後はさやかちゃんがお見舞いに行くの。それで結果がわかるでしょ?
さやかちゃんが行った時に下着を隠し持ってた場合完全な黒って事。たとえそれが白パンティだとしても。」

さやか「なるほど」

51: 2013/09/23(月) 01:17:52.28 ID:Vpa1ouja0
~回想終了~

さやか「簡単に言えばあたしとまどかはある勝負をしてる。
まずはまどかから恭介に接触して気持ちを探ってみるって事」

さやか「だからまどか、今日はちょっと遅れてくるって。
親御さんや早乙女先生も了承済みだよ」


仁美「さささささ、さやかさん!?そ、それって!まさか・・・」

さやか「仁美?ナニ焦ってるの?」

仁美「さ、さやかさんってほんとバカ!!なんでライバルに塩を送るようなマネを!?
そ、そんなの先に行った人が有利なだけじゃないですか!」


仁美「そんな・・・さやかさんや私だけでは無くまどかさんまで・・・
上条君のことをお慕いしていたなんて・・・」


さやか「え!?」

52: 2013/09/23(月) 01:23:25.57 ID:Vpa1ouja0
仁美「こ、こうしちゃいられないですわ!私もいざ戦場へ!」ダッ!!

さやか「仁美!?か、カバン置いていってるよー!」

さやか「・・・」


さやか「今の発言・・・まさか仁美、恭介のこと・・・」

さやか「・・・・出遅れたかな・・・あたしも行くべきだったのかな?

さやか「でも、まどかもいるのに仁美とあたしで修羅場るってのはどうかねぇ。
恭介も、気が滅入ってそれどころじゃない所をわざわざ騒ぐっていうのは・・・」

さやか「・・・」


さやか「そんなの、言い訳じゃん・・・なにかに理由をつけて逃げてきただけじゃん」

さやか「いままでも・・・そしてこれからも・・・?」

53: 2013/09/23(月) 01:24:12.66 ID:Vpa1ouja0
さやか「・・・」

さやか「もしも、仁美と恭介が付き合うことになったら・・・あたしは、願わなくて済むのかな・・・
昨日のマミさんみたいに、氏にかけてまで戦うことは無い・・・のかな?」

さやか「だってそうだよね・・・あたしが恭介を助けた結果・・・
仁美に取られちゃうんだから・・・」


さやか「・・・・それって、恭介のためじゃないじゃん・・・」

さやか「あたし、腕を治したアイツに自分の事好きになってもらいたいだけじゃん・・・」

さやか「今はっきりわかった。あたし、恭介に夢を叶えて欲しいだけじゃないんだ・・・
恩人になりたかったんだ・・・マミさんの言ってた事、今なら理解できるよ・・・」


さやか「あたし、嫌な子だ・・・」


さやか「今日は学校に行こう。仁美とどうなったかは、お見舞いのときに聞けばいいよね・・・」

54: 2013/09/23(月) 01:26:55.88 ID:Vpa1ouja0
~朝のホームルーム~

モブA「鹿目さんと美樹さんと志筑さんと暁美さんが来てませーん」

早乙女和子「暁美さんは欠席です。鹿目さんは連絡を受けてます」

和子「鹿目さんは上条君のお見舞いに寄ってから登校するそうです。
後の二人は、遅刻ですね・・・」


中沢「・・・!?え?鹿目さん?美樹がじゃなくて、鹿目さんが上条のお見舞いに?」

55: 2013/09/23(月) 01:27:49.49 ID:Vpa1ouja0


さやか「すみません考え事してたら遅くなりました。」

早乙女「おはようございます美樹さん(怒)志筑さんは一緒じゃないんですか?」

さやか「あの・・・サボリです。無断で恭・・・上条君のお見舞いに行きました」

スッ(仁美のカバン)


一同「!?」ザワッ


中沢「あ、あの優等生、お嬢様キャラの志筑さんが・・・サボってまで上条のお見舞いに!?」

中沢「しかも・・・一番そういう事やらかしそうな美樹がちゃんと登校してる!?
い、一体上条の周りでナニが起きているんだ・・・?」


さやか(アレ?そういえばほむらも居ない・・・)

56: 2013/09/23(月) 01:30:58.48 ID:Vpa1ouja0
~病院~

恭介「・・・・」

恭介「朝は良い。お見舞いに誰も来ないから・・・」

恭介「もうこの世にいる価値が無くなった僕を・・・
誰にも見せなくて済む・・・この世界から、逃げていられる」



ガチャ


恭介「さやか?わざわざ朝に来るんだね、君は。」

57: 2013/09/23(月) 01:31:49.17 ID:Vpa1ouja0
パサッ

恭介「その紙袋は・・・そうか、またCDを買ってきたのか・・・?
手が二度と動かなくなった僕へ・・・嫌がらせをしに来たのかい?」

恭介「自分が弾けもしない曲を聞かせて!ありもしない未来に、将来に期待させるだけさせといて!
結局僕をいじめてるだけじゃないか!」


恭介「出て行け!出て行ってくれ!さやか!」


バシッ


まどか「きゃあっ!!」


恭介「・・・!?」

恭介「かかかかか・・・鹿目さん!?」


まどか「ご・・・ごめんなさい・・・怒らせるつもりは無かったんだけど、
さやかちゃんの代わりにお見舞いに来ちゃった。」


まどか「迷惑・・・だったかな・・・?」

58: 2013/09/23(月) 01:35:49.78 ID:Vpa1ouja0
まどか「上条君も朝は誰も来なくてヒマでしょ?だからさやかちゃんと相談して決めたの!
これからは交代交代で朝と放課後にお見舞いしてあげようって。」


恭介「・・・ごめん鹿目さん・・・つくづく自分が嫌になるよ・・・」

恭介「もし今日来てたのがさやかだったら八つ当たりも辞さなかった・・・
そして、その事に謝りもしなかったっただろうって・・・」

恭介「ところで、その紙袋は?」


まどか「お見舞いの品じゃなくてごめんなさい。実は家の洗濯機が壊れちゃって・・・
この後クリーニング屋さんに寄るつもりなの」

まどか「昨日さやかちゃんがうちに泊まったからさやかちゃんの下着も一緒だよ(強調)」


恭介「そっか・・・かっこ悪い勘違いだね・・・僕はまたさやかがCDを買ってきたのかと・・・」


まどか「・・・・あの・・・聞くつもりはなかったんだけど・・・さっき言った事・・・
左手・・・治らないの?」

恭介「・・・」


まどか「ご、ごめんなさい・・・」


恭介「僕の腕はもう、二度と動かない・・・」

恭介「諦めろって・・・「今の」医学じゃ無理だって・・・
ハッキリ言われたのさ・・・」

59: 2013/09/23(月) 01:40:40.77 ID:Vpa1ouja0
恭介「昨日の夕方・・・それを宣告された・・・」

恭介「その後さやかが面会に来てくれたみたいだけど・・・拒絶するしかなかった・・・」

まどか「・・・」

まどか(昨日の夕方・・・バイオリン仮面が現れた時、
上条君はずっとここに居た・・・やっぱり違う・・・)


恭介「さやかも・・・幻滅するよね。」

まどか「えっ?」

60: 2013/09/23(月) 01:41:12.18 ID:Vpa1ouja0
恭介「あの子はいつも僕のバイオリンを聞きに来てくれたからね。
聞けなくなったらガッカリするだろうって」

まどか「それは・・・確かに残念とは思うだろうけど・・・」


恭介「それに・・・鹿目さんを、さやかと間違えて八つ当たりするような男だし・・・」

まどか「上条君?」

恭介「情けない話だけどね・・・宣告を受けたあと・・・僕は氏ぬことばかり考えてたんだ・・・」

まどか「か・・・上条君!!」


恭介「あれ・・・なんでこんな事・・・鹿目さんに言うんだろ・・・鹿目さんはまた、さやかとは
違った話しやすさがあるのかな・・・こんな事さやかにだって言えやしないのに・・・」

ポロポロ・・・


まどか(男の子の・・・本気の涙・・・)

61: 2013/09/23(月) 01:45:18.11 ID:Vpa1ouja0
恭介「ねぇ、鹿目さん・・・バイオリンの弾けなくなった僕に、この世界を生きていく資格はあるのかな?」

恭介「他人には、可笑しい話に聞こえるかもしれないけど、僕にはそれが全てだったんだ・・・
この先、バイオリンの弾けなくなった僕に・・・価値を見出してくれる人なんて・・いるのかな・・・」


まどか(・・・)


まどか(さやかちゃん、ゴメン!)


ギュッ


恭介「!?・・・かかかかかか、鹿目さん!?」

恭介(そっと包み込むどころじゃなくて・・・真剣に抱きついてきた!?)



まどか「上条君、そのままでいいから聞いて。」

恭介「はははは・・・はい!!」

62: 2013/09/23(月) 01:49:43.18 ID:Vpa1ouja0
まどか「私・・・バイオリンの事なんてわからないから、
上条君がどれだけ苦しいかわかってあげられないよ・・・」


まどか「でも解らないからこそ、バイオリンが弾けないことに悲観する上条君を
可笑しいとも思わない」


まどか「それに・・・さやかちゃんは、さやかちゃんだけは絶対に上条君に
幻滅したりしないよ」


まどか「上条君が氏ねば、両親だけじゃなく、クラスメイトのみんな、
特にさやかちゃんが・・・悲しむよ」


まどか「上条君が氏んでも私はさやかちゃんほど悲しんであげられないから・・・」

まどか「でも、さやかちゃんを悲しませる事だけはしないで・・・」


まどか「自分の事がわからなくなったのなら、さやかちゃんに聞いてみて・・・
きっと、さやかちゃんはバイオリンが弾けない上条君も暖かく迎えてくれるから・・・

まどか「ずっと長い間、上条君の傍にいたのだから」


まどか「さやかちゃんにも言えないことがあれば、私に相談してくれてもいいから・・・」

63: 2013/09/23(月) 01:56:10.56 ID:Vpa1ouja0
まどか「小学5年生の頃・・・さやかちゃんと初めて同じクラスになれて・・・」

まどか「いじめられてたわたしを・・・精一杯守ってくれたんだよ」


まどか「きっと大丈夫だよ・・・さやかちゃんならきっと・・・あの時のわたしにしてくれたように
上条君を勇気付けてくれる」


まどか「そんなさやかちゃんの事が・・・わたしは大好きだから・・・」

まどか「だから・・・さやかちゃんを悲しませるようなことだけは・・・
絶対・・・やめて・・・お願いだから・・・」


まどか「ううっ・・・」

ポロポロ・・・


恭介「か、鹿目さん!?」アタフタ

64: 2013/09/23(月) 02:04:38.50 ID:Vpa1ouja0
~学校→(通話中)←巴部屋~

さやか「ほむら、あんたナニしてんのよ。」

ほむら「まだマミの部屋に居るわ。思ったより深刻で、一日勃った今でも歩けないらしいの。」


ほむら「それに、動けないとこを他の魔法少女に狙われたら巴さんでもヤられるわ。
元よりマミが復帰できるまで私も学校を休むつもりだったのよ」


さやか「他の魔法少女・・・縄張りとグリーフシードだけが目当てのヤツ?
マミさんの家を知れるわけ無いから、考えすぎじゃね?」


ほむら「・・・・厄介なヤツがいるのよ。この家を知っててこの町を狙ってる者がね・・・
そいつを確認するまで、私はここから離れられないわ」


さやか「なにそいつ?感じ悪っ」


さやか「じゃあ、あたしが物資とか持っていこうか?
マミさんにつきっきりって言っても、買い物にも行かないわけにはいかないでしょ?」


ほむら「そうね・・・お願いできるかしら」

さやか「オッケー。まかせて!必要なものメールで送りなよ」


ほむら「・・・ありがとう・・・マミが呼んでるから一旦切るわよ」


ピッ


マミ「ま・・・まさか佐倉さんの事まで知ってるなんて、昨日の話は本当のようね・・・」

ほむら「時間遡行・・・これで実証できたかしら?」


マミ「そして、あなたの推理ではバイオリン仮面・・・彼もまたその能力を有してると・・・」

ほむら「でなければ説明がつかないわ。何故彼が、ワルプルギスの夜の襲来を知っているのかを」

ほむら「当面の苦労は、この状態だと魔女を狩りにいけない事・・・、
何故かキュゥべえが呼び出しに応じない事かしら」


ほむら(使用済みグリーフシードの処理ができない・・・)


マミ「もうあんなヤツ知らないわ!私が殺されそうになったときも、姿を隠していたんだもの!」

ほむら「私がアイツを信用してない訳、少しは解ってくれた様ね」

65: 2013/09/23(月) 02:05:10.41 ID:Vpa1ouja0
~学校~

ピッ

さやか「ふぅ・・・あ、まどかからメールが来てる。」


まどか(メール)「件名:クラスのみんなには、ナイショだよ!


本文:さやかちゃん、ゴメン!上条君があまりにもいたたまれなかったから・・つい・・・
上条君の事、抱いちゃった!」


さやか「・・・」



さやか「まどかあああああああああああああああああああああああああああああ!?」

66: 2013/09/23(月) 02:17:54.16 ID:Vpa1ouja0
プルルルルル・・・

さやか「・・・」ゴゴゴゴゴ


ピッ

まどか「あっさやかちゃん!」

さやか「まどか・・・アンタなんてことしてくれたのよ!」

さやか「きょきょきょきょきょ・・・・恭介を
だだだだだだだ・・・抱いた!?やったのか!?やっちまったのか!?」

さやか「攻めたのか!?攻められたのか!?
上なのか!?下なのか!?前なのか!?後ろなのか!?」


さやか「ひ・・・仁美じゃなかった・・・意外な伏兵は・・・ここにいたのかあああ!」

まどか(ひとみちゃん?)

まどか「だからごめんって言ってるじゃん。
上条君泣き出しちゃったから、仕方なくハグしたの」


さやか「ハハハハ・・・ハグゥ~!?」

さやか「ちゅ・・・中立位なのか!?な・・・なんなんだそのプレイは!?
うううううらやまけしから~ん!!・・・・ってハグ?」

まどか「そう。ハグ」



さやか「・・・」


さやか「ああ・・・抱くって・・・そっちの・・・」

67: 2013/09/23(月) 02:18:58.01 ID:Vpa1ouja0
まどか「そっちじゃないほうの抱くってナニかな?さやかちゃん?言ってごらん?」
ニヤニヤ


さやか「ううううう、うるさい!紛らわしいメール送ってきやがって!
あんたもバイオリン仮面に毒されてきてるわよ!」


まどか「そうかもしれないね。
いつもの私だったらハグの方の抱くでも無理だったもん」

まどか「上条君をなだめるためとはいえちょっとアグレッシブになりすぎちゃった」


さやか「ハグの方!?まどか~それはハグじゃない方があるってことだよね~
言ってごらん?」ニヤニヤ


まどか「あ、ごめんこの会話上条君にも聞こえてるよ。まだ病室なの!
花瓶のお水を入れ替えてるからハンズフリーだよ!」


恭介「ははは・・・さやかと結婚する人は毎晩大変そうだね・・・///」


さやか「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」


まどか「私のほうが上手だね、さやかちゃん!」

68: 2013/09/23(月) 02:25:14.62 ID:Vpa1ouja0
まどか「でも、勝負は負けちゃった。」

さやか「え?」

まどか「上条君の腕・・・もう治らないみたいなの。だから・・・」


さやか「!?・・・ごめん。その話は、恭介の聞こえないところで」

~~~


まどか「・・・ってな訳なの。だから・・・バイオリン仮面が上条君って事は絶対無いよ。
だって昨日、上条君は病院にずっといたし、バイオリン仮面は・・・左手を動かしてたし」


さやか「だから言ったでしょ・・・
じゃなくて、今はそれよりも・・・恭介の腕が治らないって・・・」

69: 2013/09/23(月) 02:26:17.85 ID:Vpa1ouja0
まどか「昨日さやかちゃん、面会できなかったでしょ?あの時すでに宣告されてたみたい。
今の医学じゃ絶対無理だって。バイオリンは諦めてくれって・・・」

さやか「恭介が泣いたのって、それが原因だったんだね・・・」

まどか「ごめんね・・・さやかちゃんだったらハグの方の抱くでも・・・
嫌がるのはわかってたけど、まず上条君を落ち着かせる必要があったから・・・」


さやか「アンタは今にも飛び降りそうなアイツを止めてくれたんでしょ?
そこに下心が無いことはわかってるっての」


さやか「ってか・・・なんであたしが嫌がるのよ。恭介の彼女でも無いのに・・・」

まどか「こういう大変なときだからこそ素直になりなよさやかちゃん・・・
上条君のこと好きなのはバレバレだよ・・・」


さやか「うーん・・・まぁ、あれだけ取り乱したところ話しちゃったからね・・・
よし!まどかには認めてやろう!」

さやか「んでもって恭介は鈍感だからアレでも気づいてない!」



まどか「それでね・・・放課後来るさやかちゃんは、絶対CDとか持ってこないで。
私が落ち着かせたけど、すっごい敏感になってるから。

まどか「バイオリンが弾けなくなった自分なんて・・・って思ってるみたいだから、
それを否定できるのは・・・さやかちゃんしかいないから」

まどか「さやかちゃんだけが・・・上条君の新しい道しるべだから・・・」


さやか「・・・それは多分・・・あたしじゃなくても大丈夫」

さやか「もうすぐそっちに仁美が来るはずなんだ。恭介に告白しに」


まどか「えっ?」

71: 2013/09/23(月) 11:58:45.52 ID:Vpa1ouja0
まどか「ひ・・・仁美ちゃんが!?なななな・・・なんで?まだ学校終わってないよ!?」

さやか「あの仁美が家の人や先生に怒られてでも押し通す事なんだよ」

さやか(というか、まだ着いてないの遅くね?)

さやか「仁美はまどかが恭介に告白するものと勘違いしたんだ。だから、覚悟を決めて伝えるはず。」


まどか「さ、さやかちゃんはそれでいいの!?わ、私ならさやかちゃんが来るまで、
仁美ちゃんに告白するのはやめてって言えるよ!上条君が・・・仁美ちゃんと付き合うようになってもいいの!?」


さやか「よくないよ。嫌だよ。でもそれ以上に自分が透けて見えたんだ。
私が契約したがってた理由、覚えてるよね?」


まどか「上条君の手を治す事?」


さやか「昨日マミさんがヤられそうになって戦うのが怖くなった。そして、
もし仁美と恭介が付き合うことになったら、それを願わずに済む。って考えちゃった」

さやか「そしたら結局、あいつのためとか言っておきながら自分が感謝されたいだけだったんだって気づけた。」

まどか「さやかちゃん・・・」

72: 2013/09/23(月) 11:59:27.25 ID:Vpa1ouja0
さやか「誰よりもアイツの夢のことを考えてたつもりで、アイツの指が動かないこの状況を喜んでる自分に気づいた。
毎日お見舞いに行ってるのがあたしだけって状況に甘えてた。そしてそれがずっと続くことさえ望んでた」

さやか「そんな自分が卑しいから、恭介のそばにいる資格なんか・・・無い気がしてきて・・・」


まどか「そんなこと・・・無い・・・」


さやか「だから、なんの疚しさも無い仁美がちゃんと告白したいって言ってるのなら、
それを応援こそすれ、邪魔することなんて出来ないよ。」

まどか「そんなの・・・駄目だよ・・・さやかちゃん・・・
なんで・・・私・・・仁美ちゃんもさやかちゃんも納得行く形で・・・真剣に考えて欲しいだけなのに・・・」

まどか「なんでさやかちゃんだけが辛い役割を被ろうとしてるの・・・?うっ・・・」

さやか「・・・まどかはやっぱり優しいね・・・他人のために泣けるんだもん」

さやか「あたしが泣くとしたら仁美も恭介を好きだと知らないで勝手に契約した後、
自分のバカさ加減に気づいたときとかだろうね。だから・・・」



さやか「ありえない事だとは思うけど、仁美がフラれたらその時こそ恭介の事真剣に考えてくれないかな?」

まどか「さやかちゃん・・・!?」


さやか「あたしは完全に降りるよ。今はまどかや仁美との、そしてほむらやマミさんとの友情の方が
大事なんだ。一般人のあたしでもほむら達のサポートくらいはできるから。」

まどか「さやかちゃん!さやかちゃん!」

さやか「早く学校来なよ、まどか。3時間目には絶対来るって親と先生に約束したんでしょ?」


ピッ

まどか「さやかちゃあん!!!!!」

まどか「うっ・・うっ・・・どうして・・・?どうしてこうなるの・・・?」

まどか「さやかちゃんが考えてるいやらしさなんて・・・
まだまだ純粋な物なのに・・・どうして・・・・」



さやか「ふぅ・・・世話の焼ける親友だな・・・3人とも。」

さやか「親友・・・か。」

さやか「うん、親友だよ。アイツはあたしの親友で・・・アイツを好きになったのもあたしの親友。」

さやか(昨日見た・・・夢のとおりになっちゃったね・・・)


さやか「おめでとう恭介。これからはきっと・・・事故の事なんかチャラになるほど素敵な日々が・・・」

さやか「って・・・アレ?」



さやか「トラップの下着・・・置いたままじゃね?」

73: 2013/09/23(月) 12:02:04.31 ID:Vpa1ouja0
さやか「もしも告白にきた仁美が恭介の病室の下着に気づいたらどうなる?
まどかやあたしの物が混じった下着を・・・」

さやか「仁美は・・・幻滅する・・・?そして、それをあたしも望んでいる・・・?」


さやか「いやいやいやいや、それ以前の問題だよ!仁美にフラれることが問題なんじゃなくて、
恭介があたしとまどかの下着を所持していることが問題なんだ!」


さやか「恐らく・・・そう誤解された日には・・・氏ぬ。恭介が・・・社会的に・・・」

さやか「仁美も思い込みが激しいから・・・ナースコールなり警察なり呼ばれて・・・
結果的に学校にも知れ渡る・・・」


さやか「・・・でも、恭介が「それは鹿目さんの忘れ物で中身は見てなかった」と言えば
どうにでもなる話だよね。実際袋から出したり、手に取ったりしなければいいだけの話だし・・・」


さやか「でも、恭介が絶対に下着に手を出さない保証なんてあるのかな?

74: 2013/09/23(月) 12:02:38.49 ID:Vpa1ouja0
さやか「恭介みたいな鈍感バイオリン一筋馬鹿でも、
一応男の子だし・・・目の前にえOちな物があったら・・・興味を持っちゃうかも・・・」


さやか「ああ!もう!男子との猥談にもっと積極的に絡むべきだった!
基準が解らないよ。中学生男子の標準的な工口スが!」


中沢「おーい、美樹ーいつまで屋上に居るんだ?授業始まるぞー」


さやか「中沢!いいとことに来た!ちょっと意見を聞かせて!」


中沢「へ?」


さやか「もしも・・・もしもだよ・・・
誰も見てないところ、手の届く場所に、女子の下着があったら、どうする?」


中沢「!?」

75: 2013/09/23(月) 12:04:05.92 ID:Vpa1ouja0
中沢「かかかかかか、金ならないぞ!」

さやか「アンタに売るわけじゃないわ!
ってか、金があればあたしの下着買うのかよ・・・」


中沢「値段にもよる・・・ただでくれるのならもちろんもらう。」

さやか「変態!・・・っていうかあたしの下着欲しがるヤツなんかいたんだ。」


中沢「ナニを言ってるんだ美樹?」


中沢「お前、意外に男子人気高いぞ。工口い意味でも、良い意味でも含めてな。」


さやか「え?」

76: 2013/09/23(月) 12:11:02.78 ID:Vpa1ouja0
中沢「今まで志筑さんに人気が集まってるように見えたのは
単に彼氏がいないからだけであって」

さやか「・・・」

中沢「それと同じくらいお前のファンもいた。
まぁ、実際は上条と付き合うようになるんだろうと思って諦めるヤツが多かったけど」


中沢「お前は自分のこと男っぽいとか思ってるかもしれないけど・・・それは話やすいって事の裏返しだし」

中沢「下手に気を使ってしゃべらなきゃならない女子よりよっぽどポイント高いし」

中沢「ナニよりスタイルいいし・・・オカz・・・じゃなくて・・・色んな意味で人気が高い」



さやか「そうだったんだ・・・あたしも隅におけないねぇ!・・・」

さやか(もっと自信を持って恭介に接してればよかったかな・・・)

77: 2013/09/23(月) 12:11:33.14 ID:Vpa1ouja0
中沢「鹿目さんも鹿目さんで、隠れファンがいたし」

中沢「だから今、俺たち彼女欲しい系男子は戦国時代に突入している。
鹿目さん志筑さんが上条の元に行き、お前は何故かあきらめモード」


中沢「鹿目志筑派はただひたすら落ち込み、美樹派は二つの派閥に分かれた。
すなわち「鹿目さんか志筑さんを上条とくっつけて俺が美樹さんの彼氏になる!」派と
「本当に美樹さんの幸せを願うのなら上条と結ばれるべきだ!」派にな。」


さやか「その派閥争いうんぬんはまぁ後で聞くとして・・・仁美は当然で、
あたしやまどかも十分人気が高いってこと?」

中沢「簡単に言えばそう」


さやか「じゃあ・・・一般的な男子は、あたしやまどかの下着欲しがったりするのかな?」

中沢「なぜ下着の話題に転覆するか解らないけど、欲しいんじゃないかな。」


さやか「実は、恭介の病室に・・・下着を置き忘れてて・・・」

中沢「!!」


さやか「恭介が間違いを犯せば・・・仁美に見られてしまう可能性も・・・」



中沢「い、いかん!それはいかんぞ!俺が恭介の勃ち場なら間違いなく下着を握る!
美樹!は・・・はやく病院に行くんだ!そうなった時弁解できるのはもはやお前だけしか居ない!」

78: 2013/09/23(月) 12:13:58.41 ID:Vpa1ouja0
さやか「や、やっぱり行かなきゃだよね・・・」


さやか「でも・・・今から行ったら、もし間違いを犯さなかった場合、仁美とくっついた恭介を目の当たりに
しなきゃいけないのよね・・・」


中沢「大丈夫だ!間違いを犯す可能性のほうが高い!ヒントは俺!
っていうか、そんなこと気にしてる場合じゃねーだろ!警察沙汰になりかねねーから早く行ってやれよ!」

さやか「じ・・・時間が足りないよおおお」


中沢「・・・使え!チャリの鍵だ!」

さやか「な・・・中沢!?」



中沢「気休め程度にしかならないだろうけど、それが俺の気持ちだ」


中沢「俺は美樹ファン穏健派。
つまり、美樹を彼女にしたいとは思ってるができれば上条とくっついてほしい側の人間だったんだ!」

バァーン


さやか「な、なんだってー!!」

79: 2013/09/23(月) 12:14:59.55 ID:Vpa1ouja0
中沢「だから、気にするな。そして、上条と志筑さんがくっついてたとしても、
俺が・・・俺たちが居る!俺たち美樹ファンはな・・・いつでもお前のすべりどめ彼氏になる覚悟は
出来ている!だから思いっきり伝えて来い!」

中沢「たとえ上条がお前を見捨てたとしても、俺たちはお前を見捨てやしない!」


さやか「中沢・・・あんた、なんかカッコイイよ。
自分に正直に生きてる・・・その生き様がね」

さやか「だから、あたしのすべりどめなんて考えんな!
あたしは恭介以外を好きにならないし、あんた達も早くいい人を見つけたほうがいい」


さやか「それじゃ、行ってくる。自転車、ありがたく使わせてもらうね!」


和子「お待ちなさい」

80: 2013/09/23(月) 12:22:47.40 ID:Vpa1ouja0
さやか「さ、早乙女先生!?」

和子「どこへ行くつもりですか美樹さん?授業が始まりますよ?」


さやか「間に合わなくなる前に・・・きょ、恭介に伝えるべき言葉があるんです!」

さやか「だ・・・だから授業には参加できません!ごめんなさい!」


さやか(男子にイヤらしい目で見られてたってのは嫌だけど・・・
そのおかげで自分に自信が持てた・・・だから迷わない!)


さやか(たとえ間に合わなくても・・・あたしは気持ちを伝えるんだ!)


和子「・・・すがすがしいくらい正直に言うのね。少しは嘘や言い訳をしなさい。」

さやか「さ、早乙女先生?」

和子「私も女の子ですからね・・・わからなくは無いのよ。そういうの」

さやか「だから、試したの。もしさやかちゃんが適当に学校を抜け出す言い訳を言ったのなら、
縛ってでも授業を受けさせただろうって。」


さやか「えっと・・・(女の子?)」

81: 2013/09/23(月) 12:24:28.70 ID:Vpa1ouja0
和子「でも、さやかちゃんは正直に話してくれました・・・」

和子「二度と来ることの無い中学二年生の今日という時間を・・・
ただがむしゃらに前をみて生きようとしているわ」



和子「さやかちゃんの今日という時間に比べれば、34歳の私が生きる今日は・・・
35歳の時に訪れる今日とあまり変わらないかもしれません・・・」

和子「だから・・・後悔したくないなら行きなさい。後で
志筑さんと一緒に、たっっっっくさん叱ってあげますからね!!」


さやか「和子先生!ありがと・・・ありがと・・・あたし、絶対伝えるから・・・
たとえフラれたとしても、絶対後悔しないから!」


中沢「美樹・・・がんばれよ!」


和子「ところで中沢くん・・・男子の方も何人か病院付近に向かったようですが・・・」

中沢「ギクッ!」


和子「これは・・・中沢君の言うところの美樹さんファン過激派・・・
つまりはさやかちゃんをモノにしたいと考える男子の仕業と見ていいですよね?」


中沢「えっとそれは・・・その・・」


和子「だったら・・・さやかちゃんファン代表の中沢君にはいない人の分まで
みっちり指導しないといけませんねぇ・・・」


中沢「・・・!!」汗ダラダラ


和子「緊張しなくていいのよ・・・中沢君・・・君と上条君はお気に入りなのよ
いない生徒と上条君の分まで・・・いっぱい指名してあげますから・・・」


中沢「た・・・たすけ・・・」

82: 2013/09/23(月) 12:28:09.33 ID:Vpa1ouja0
~駐輪場~

さやか「中沢のチャリは・・・あったアレだ!」


さやか「よぉし・・・飛ばすわよ!ってあれっ?サドル?ハンドル?どこいった?」


????「中沢の自転車ではない・・・」


バイオリン仮面「それは、私という名の駄馬だ!!」ダバァーン!!!!


さやか「バ・・・バイオリン仮面!?・・・の上に乗ってるあたし!?い、いつの間にィーッ!?」


バイオリン仮面「さぁ、さやか。これがアクセルだ」ドラムスティック(右)


さやか「え?」


バイオリン仮面「これがブレーキだ。(ドラムスティック左)後はわかるな?」



さやか「・・・ま、まさか・・・」

バイオリン仮面「それで思いっきり私の尻をひっぱたくのだ!それだけでこの駄馬は
ものすごいスピードで走らせていただきます!」ハァハァ



さやか「ほんとにほんとにほんとにほんとにほんとにほんとに
変態だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

83: 2013/09/23(月) 12:32:48.07 ID:Vpa1ouja0
パシン!パシン!

バイオリン仮面「あふん!おふん!」

ゴオオオオオオオオオオ!!

さやか「す・・・すごい、あまりにも馬鹿馬鹿しい走り方だけど・・・なんてスピードなの!?
こ、これなら仁美にも追いつける!」


バイオリン仮面「ば・・・馬鹿ではございません!駄馬とお呼びください!あぉん♪」



通行人「やだちょっと・・・なに?あれ?」

通行人「四つんばいのまま女の子を乗せて・・・走ってる!?そして叩かれてよがってる!?」


祖母「懐かしいわね・・・昔をおもいだすわね?お爺ちゃん?」

祖父「こらこら、ゆまの前でそんな事・・・あの時は私たちも若かったからな・・・」


ゆま「おじいちゃん達もおうまさんごっこ好きなんだ。じゃあ帰ったら一緒にやろ?
そういう遊びしたこと無かったから、憧れてるんだ!」

84: 2013/09/23(月) 12:33:27.67 ID:Vpa1ouja0
さやか「めっちゃ見られてる・・・まぁ、そうなるわな・・・・」

バイオリン仮面「人目を気にして、今一番大切な行動を無為にする気かい!?」

さやか「まさか!あたし今、とっても充実してる。後で恥ずかしい行動だったと
思う時がきても後悔の無いように今を生きる!ただそれだけよ!」


パシンパシン!

バイオリン仮面「いいスナップだ!君には魔法少女としての因果とは違う意味で
女王の素質がある!」ハァハァ



男子生徒A「まってくれ!美樹さん!」

男子生徒B「俺たち、ずっと美樹のことが好きだったんだ!」

男子生徒C「ここは行かせない!上条なんかに君を渡してたまるか!」


さやか「!?前方に男子生徒多数!?あ、あぶない!このままじゃブレーキをかけたところで・・・
ぶつかってしまう!」

バイオリン仮面「ならば痛みを快感に変えてやるまでだ!」



バイオリン仮面「二足歩行モード!」

ジャキィン


バイオリン仮面「さやか、今度は普通に抱っこで私の背中にしがみついてくれ!」

さやか「わっ・・・ちょ・・い、意外に広い背中してるね・・・」

さやか(そして何故か、とても懐かしい感じが・・・)ドキドキ


ギュッ


バイオリン仮面「四次元に通じる股間のソレ!(ようこそ!)」ジーッ↓


バイオリン仮面「いでよ!バイオリン!そして、二曲!!「イニシャル:SM」!!」


♪~♪~♪


男子生徒「!?あれ・・・なんだか気分が・・・」

85: 2013/09/23(月) 16:39:08.74 ID:Vpa1ouja0
♪~♪~♪


男子生徒「と、とっても不思議な気分・・・」

男子生徒「僕たちは今無性に・・・・」

男子生徒「「「い・・・痛い目にあいたいッ!!」」」ダバァーン!!


バイオリン仮面「お望みとあらば!」


ドドドドドドド(ラグビーの走り)


男子生徒「!!」


ズドオオオオオオオオン



男子生徒達「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!」


ドゴッ ドゴッ ドゴッ (床に刺さる男子生徒たち) 


ゆま「ひっ!だ・・・大丈夫ですか!!」

祖父「ゆま、そいつらに近寄っちゃ駄目だ!」


男子生徒「///す・・・すんごぉい良いのぉ・・・
最後は放置プレイれすかぁ~まままま、ますます好きになっちゃうなぁ女王さやか様・・・」


ピクンピクン


ゆま「ひいいいいいいいいいい!?」

86: 2013/09/23(月) 16:42:05.68 ID:Vpa1ouja0
~病院前~

さやか「つ、着いた!」


バイオリン仮面「うっ・・・ぐふっ・・・」ガクガク

さやか「バ・・・バイオリン仮面!?」


バイオリン仮面「こ・・・こっちを見ないで、そのまま前を進んでくれさやか・・・
い、今の僕の姿を・・・君に見られたくない・・・」しゅう~

バイオリン仮面「変身が解けかけてるんだ・・・正体を・・・素顔を見られたくない・・・」

さやか「く・・・口調も変わった・・・それが、あなた本人のしゃべりかたなの?」


バイオリン仮面「僕がバイオリン仮面に変身できるのは一日一回だけなんだ・・・
しかも、魔法少女以上に大量の魔力を消費する・・・僕がしてやれるのはここまでなんだ・・・」

バイオリン仮面「 さぁ・・・君は君の未来を掴むんだ・・・」


さやか「わかった。行ってくる。バイオリン仮面・・・ありがとね」


~病室~

恭介「・・・」


紙袋「・・・」


紙袋「あ・け・てっ☆」(幻聴)



恭介「・・・・・・」ゴクリ

87: 2013/09/23(月) 16:44:13.21 ID:Vpa1ouja0
恭介「・・・・!?な、なにを考えてるんだ僕は・・・
さやかや・・・鹿目さんの下着でナニをどうするつもりだ? 」


恭介「昨日までの僕なら人生に悲観してこんな事考えてる余裕は無かったはずなのに・・・
冷静な考えを取り戻したら・・・コレか・・・」

恭介「中学生男子としての本能が、僕の絶望を塗り替えて・・・し、支配してしまう・・・」


~~~


下着さやか「恭介ぇ・・たまにはCDじゃなくて、こういうサービスはどうかな?」

恭介「ささささ、さやか!?な・・なにをしてるんだ?」


まどか「上条君・・・」

恭介「鹿目さん!さ、さやかを止めてくれ!」

まどか「言ったよね。さやかちゃんを悲しませないでって。
今、上条君はさやかちゃんと間違いを犯しそうになってるんだよね?」シュルッ


恭介「かかかっか・・・鹿目さん!?」


下着まどか「そうなる前に、私が受け止めてあげる・・・もういい・・もういいんだよ上条君・・
もう我慢する必要なんて無い!(断言)」

~~~

恭介「・・・!?し、下着が僕に幻覚と幻聴を訴えかけてきてる!?」


さやか(本物)「駄目よ恭介!あたしが・・・あたしが行くまで・・・
そいつの言葉に・・・耳を貸しちゃ・・だめええええええええええええええええ!!」

88: 2013/09/23(月) 16:48:13.70 ID:Vpa1ouja0
さやか「恭介!」


ガチャッ


恭介「さ佐々ささささっしゃあかあさkしゃかsっしゃあ・・・さやか!!」

恭介「なななんあななんあなななん・・・なんでここに!?」



そしてその手には、紙袋が握られていた。



さやか「お・・遅かった・・・」

89: 2013/09/23(月) 16:48:45.93 ID:Vpa1ouja0
さやか「いや、下着を取り出していないから・・・セーフ!?」


恭介「なんで!?なんで!?なんでだよ!!
きょきょきょきょ・・今日は放課後に来るって行ったじゃないか!」

恭介「ががががが・・・学校をサボってまできききき・・・来てもらっても嬉しくないよ!
そそそそそそそ・・そんなのは優しさじゃなくて・・・サボりたい理由じゃないか!」



さやか「落ち着け。恭介」


さやか「・・・・・・」


さやか「見た?」


恭介「ナ、ナニをだい?」

さやか「紙袋の中」


恭介「い、いいや・・・」


さやか「・・・」

恭介「・・・」



さやか「何色だった?」

恭介「縞々では無かった。」


恭介「あっ・・・」


さやか「・・・」


恭介「・・・」

恭介「ごめん、今のなし。」


さやか「うん」

90: 2013/09/23(月) 16:50:21.03 ID:Vpa1ouja0
恭介「「縞々では無かった」じゃなくて「縞々が良かった」・・・?」

さやか「うん」

恭介「さやかは縞々が似合いそう・・・?」

さやか「うん」


恭介「縞々を履いてみる気は、ないか?」

さやか「うん」

さやか「見てるよね」


恭介「見てない」


恭介「だって僕が見たかったのは縞々だもん」


さやか「見てるよね」


恭介「見たいものが見れなかったらそれは見てないも同然なんじゃないかな」

さやか「うん」



さやか「見てるよね」

91: 2013/09/23(月) 16:53:01.87 ID:Vpa1ouja0
恭介「さやかの胸が意外に大きかったという正の事実と
縞パンがなかったという負の事実で差し引き0だから・・・」

さやか「うん」

恭介「ノーカンでいいんじゃないかな」

さやか「だめ」


恭介「さやかのブラを見てテンションあがった後に縞パンが無いことに気づいたんだ」

さやか「うん」

恭介「だから、後味的にはむしろマイナスで・・・」

さやか「うん」


恭介「美味しいものの後に、味気が無い物を食べたような感覚なんだ。」

さやか「焼肉の後のガムって考えればその順番別におかしくないよね。」


恭介「縞パンがない事に気づいた後にさやかのブラを見ていたのなら、
僕も見たという事実を認めよう」


さやか「見つけた順番はどうでもいいのよ」

さやか「見たよね」




恭介「はい・・・」

92: 2013/09/23(月) 16:53:39.23 ID:Vpa1ouja0
さやか「・・・」

恭介「・・・」


恭さや「「ごめんなさい!」」


恭介「え?」

93: 2013/09/23(月) 16:55:01.30 ID:Vpa1ouja0
さやか「か、簡単に言うとね、恭介にさぐりを入れるためにワザと置いた部分もあるんだ」


恭介「え・・・」

さやか「きょ、恭介くらいマジメなヤツだったら、引っかからないと思って安心してた部分もあった」

さやか「で、でも中沢に確認をとったんだ。
そしたら「いくら恭介でもその状況は誘惑されちゃうかもしれない」って」



恭介「あ、あの野郎」


さやか「だから、恭介はナニも悪くないよ!ちょっと興味を持って袋を開けちゃったとしても、
それが普通なんだから!」


バッ


恭介「僕の言い分を認めつつもしっかり没収するんだね。」

94: 2013/09/23(月) 16:55:58.76 ID:Vpa1ouja0
さやか「恭介、この事は黙っててあげるから。
あたしが悪かったの。恭介を試すような真似して・・・ゴメンね?」


恭介「なんだかよくわからないけど・・・僕がやった事はちょっとした間違いだった
ってさやかは考えてくれるのかな?」

さやか「考えるもナニも、恭介が下着を握りやすい状況に誘導したのはあたしだもん」


さやか「本当にゴメンなさい!」


恭介「いいよ。謝らなきゃいけないのは僕のほうだ。
見苦しいところを見せてしまって、本当にゴメン!」↓


さやか「だからさ、恭介」

恭介「うん?」



さやか「シーツの下に隠してる、あたしのブラ、返してもらえるかな?」




恭介「・・・うん」

95: 2013/09/23(月) 17:00:15.97 ID:Vpa1ouja0
さやか「・・・でもまぁ、まどかの下着に手を出さなかったところは褒めてあげるよ。
よくぞ耐え抜いた!まどかの下着でナニしようってのならあたしがぶっ飛ばしてたよ! 」

さやか「まどかを悲しませるヤツ
(およびあたし以外に欲情する恭介)はあたしがゆるさ~ん!!」


恭介「・・・ やっぱり、さやかと鹿目さん仲良いね。」

さやか「え?」

恭介「鹿目さんにも言われたんだ。さやかを悲しませないでくれって」


恭介「泣かれて頼まれた。だから・・・今の僕は、左手のこと・・・
冷静に考えられるようになったんだ」

さやか「恭介・・・」


恭介「鹿目さんから聞いたんだろ?僕の腕はもう二度と動かない。バイオリンは諦めろって言われたのさ」


さやか「うん・・・聞いた」



恭介「そんな僕の左手でも、形さえ残っていれば紙袋から物を取り出すくらいには出来たんだ。」

さやか「今さらっと自白しましたね」

96: 2013/09/23(月) 17:01:02.93 ID:Vpa1ouja0
恭介「日常生活には支障をきたさないらしいし・・・さやかや鹿目さんみたいに
こんな僕でも心配してくれる人がいるって思ったら・・・ 」

恭介「もしかしたら僕が悲観していることは大した事じゃないんじゃないかって・・・
バイオリンが・・・弾けなくなることくらい・・・」ポロポロ・・・


さやか「・・・」

さやか「無理しなくていいよ恭介・・・本当はまだ悲しいんでしょ? 焦らずに傷を癒していこ?
あたしも一緒に祈ってあげるから。恭介の心へ・・・癒しの祈りを」


恭介「ありがとう・・・さやか・・・君は・・・
君のブラにしっかり触れたこんな左手のために・・・祈ってくれるんだね」

恭介「アレ?・・・ちょっとまて・・・会話を戻してみよう・・・」

さやか「うん」


恭介「さやかが仕掛けたって事は・・・
わざわざ縞パンやさやブラの話を持ち出してまで無駄に見苦しく弁解することもなかったんだ」


さやか「そだよ」

97: 2013/09/23(月) 17:02:26.04 ID:Vpa1ouja0
さやか「ま・・・まぁ///恭介の趣向は・・・ちゃんと覚えておいてあげるとして 」

さやか(恭介は縞パン好き・・ね・・・///)

恭介「忘れてよ・・///」



さやか「まどかが縞パン履くのは駄目なの?」

恭介「有りだとは思うけど・・・やっぱりさやかの方が似合うんじゃないかな?」

さやか「へ・・・へぇ・・・」

さやか(や、やっぱり・・・あたし、見込みアリ!?動機がかなりアレだけど・・・)


恭介「実は声が聞こえたんだ・・・下着から、さやかと鹿目さんの「声」が」



さやか「は?」

98: 2013/09/23(月) 17:04:45.22 ID:Vpa1ouja0
恭介「バイオリンを弾いてるときにもあったんだ・・・」

恭介「人生や演奏で行き詰った時、バイオリンから聞こえてくる「声」に傾ける。
すると自然と道は開いていった」


さやか「それの対比が下着っていうのもすごいね」


恭介「下着だけのさやかと鹿目さんが語りかけてきたんだ」

さやか「それは啓示ではなく妄想」


恭介「はじめはさやかと鹿目さん両方の声に耳を傾けるつもりだった。」

さやか「はぁ・・・」


恭介(わかりやすく言えば・・・どうせ幻想の世界なのだから
さやかと鹿目さん両方を相手してしまおうと言う意味だ)


恭介「でも次第に僕の妄想の世界をさやかが支配していった。」

さやか「妄想だと認め・・・え!?」


恭介「気づいたらさやかの事ばかり考えてた」


さやか「きょきょきょきょ・・・恭介!?」

恭介「そして自然にさやブラを独り占めしたいと行動に出していた」


さやか「最後の最後で台無しだよ!」

99: 2013/09/23(月) 17:06:44.61 ID:Vpa1ouja0
恭介「鹿目さんの言われて気づいたことなんだ。
バイオリンを弾けなくなって悲観したとしても、さやかだけは見放さないだろうって」

さやか「もちろんだよ」


恭介「もし間違いを犯していたのなら今、シーツの下は」


さやか「もろちんだよ!!」

100: 2013/09/23(月) 17:08:59.97 ID:Vpa1ouja0
恭介「僕に何があっても絶対に助けてくれた親友。それはさやかだけだったんだ」

さやか「・・・」

恭介「それを思い出したら、さやかの事でいっぱいになった。
こんなに素晴らしい友達が心配してくれてるんだ」

恭介「だから・・・僕もいつまでも落ち込んでられないって」

さやか「・・・違うよ・・・」

恭介「入院中は変な気を使わせてゴメンね。これからはもっと前向きに」

さやか「それは違うよ恭介ぇ・・・えっ・・・」ポロ・・・

恭介「さ、さやか!?なぜ泣き出すんだ・・・!?」


さやか「あたしにとっての恭介は・・・友達じゃない・・・」
ポロポロ・・・

103: 2013/09/24(火) 17:00:37.87 ID:FFx4XHnr0
さやか「あたしだって恭介に助けられたときもあった・・・
小学校の時、足の挫いたあたしをおんぶしてくれたよね・・・」


さやか「あの時は頼りなかったはずの恭介の背中がとても温かくてとても広く感じて・・・」

さやか「でも・・・きっかけはもっと前・・・」

さやか「幼稚園の頃まだ「きょうすけくん」と「さやかちゃん」と呼び合ってた頃」

さやか「初めて招待してくれたコンクールで恭介の演奏を聞いたとき」

さやか「幼稚園生~小学生バイオリニストにオリジナル曲を弾かせるって言う無茶振りコンクールだったけど」


さやか「「きょうすけくん」が作った「祈り」をテーマにした曲・・・それを聞いた時から今まで」


さやか「それは・・・押し隠そうとすればするほど大きくなるもの・・・はちきれそうになるもの」

恭介(おっOいかな)

104: 2013/09/24(火) 17:01:54.96 ID:FFx4XHnr0
さやか「この世界で・・・他の誰よりも」




さやか「恭介が」



さやか「好き」


恭介「・・・」




さやか「大好き」


恭介「!?」

105: 2013/09/24(火) 17:03:52.35 ID:FFx4XHnr0
恭介「・・・」

恭介(今、僕はナニを聞いたんだろう)

恭介(この感動に似た情景を僕は知っている)

恭介(自分が納得のいく演奏が出来たとき、そしてそれが他者にも伝わったとき)


恭介(第一に自分だけでも納得できる演奏を目指していても、他人から認められる事はやっぱり嬉しかった)

恭介(自分以外の誰かからの好意がただ、心地よくて)

恭介(そして、今・・・誰よりも僕のそばに長く居てくれ、心配してくれていた幼馴染が・・・
友達としてではなく、一人の異性として好きだと言ってくれている)


恭介(「大好き」)


恭介(そのシンプルな言葉がただ、嬉しくて心地よくて)





恭介「さ・・・やか・・・」
ウルッ


さやか「きょ・・・恭介!?」

106: 2013/09/24(火) 17:06:38.06 ID:FFx4XHnr0
さやか「ちょ、ちょっと恭介!?なんで泣いてんのよ!?
そんなに迷惑だったのかよ!?失礼すぎるでしょ!!」


恭介「違うんださやか・・・感動の波が一気に押し寄せてきたんだ。
今までさやかと積み重ねてきた日々の数だけ、それも累乗効果で・・・
こんなに嬉しいことは他に無いよ・・・」

さやか「嬉・・しい?」


恭介「うん。CDのお土産よりも綺麗な花よりも何よりも嬉しい。
さやか以外の人に言われてもここまで感動する事は出来なかっただろうって。」


さやか(そっか・・・あたし・・・)

恭介「今この瞬間だけを切り取っていつまでも・・・繰り返していたい」

さやか「そ、そこまで感動してくれたんだ・・・」


恭介「でも・・・なんで?君は僕のバイオリンを聞いて好きになったんだろ?
なんで今の僕のことも好きだといってくれるんだい?」

さやか「たしかに・・・きっかけはバイオリンだよ・・・」

107: 2013/09/24(火) 17:17:51.45 ID:FFx4XHnr0
さやか「でも、関係ないよ。人を好きになるってそういう事。きっかけはあっても理由なんか無い。
後はその気持ちが大きくなり続けるだけだよ」

恭介(やっぱりおっOいと似てる)

さやか「だから、何度でも言うよ。あたしは恭介が好き。」

さやか「バイオリンがすべてだったっていう恭介の気持ちも大事にしたい。
だから・・・支えたい。いつまでも一緒にいたい。
それを失って、傷ついて、壊れそうな心を・・・左手を・・・癒したい。」


さやか「大好きだよ。」


恭介「・・・・・・」


恭介「さやか・・・僕は・・・」

108: 2013/09/24(火) 17:24:30.58 ID:FFx4XHnr0
恭介「僕も・・・君より前からもっていた感情・・・」

恭介「それを・・・恋愛感情だと言えるかもしれない」


さやか「え?」


恭介「覚えているかい?君は幼稚園の先生が読んでくれた人魚姫の物語で泣き出してしまったんだ。」


さやか「え?え?そ、そんなことあったかな?」

109: 2013/09/24(火) 17:25:44.30 ID:FFx4XHnr0
恭介「何故王子様を助けた人魚が報われなかったのか」

恭介「声を失ってまで人間になる覚悟をした人魚姫の最期がなぜ、
「王子様にはすでに婚約者がいたのです」なのか、
なぜ王子様に知られることなく泡にならなければならなかったのか。」


恭介「君はそれを訴えて泣き散らしてた」

さやか「あ、あははははは・・・そんなことしてたんだ・・・あたし・・・は、恥ずかしいね」


恭介「だから僕は考えたんだ。最期は人魚姫が王子様を結ばれるストーリーを。
人魚姫の祈りを知った後・・・王子様が心身ともにたくましいヒーローになって
もう一度だけ同じ時間を繰り返して人魚姫の祈りに応えるストーリーを」


恭介「そうしたイメージからできた曲が初めて君をコンクールに招待した時に聞かせたあの曲だったんだ。」


さやか「え・・・?」

恭介「最初はただ、さやかに・・・「さやかちゃん」に元気になってほしかったんだと思う。」


さやか「きょ・・・恭介・・・それって・・・」

恭介「そうだよ、さやかの言う、きっかけって奴だよ。」

110: 2013/09/24(火) 17:26:58.11 ID:FFx4XHnr0
恭介「あの時は・・・恋心よりももっと純粋な気持ちだったと思う。」


恭介「まだ他の男子達と体格の差がでる時期じゃないからね。僕も将来
たくましいヒーローになれると信じていた」

恭介「表ではプロバイオリニスト、裏では仮面をつけて戦う
変身形態ヒーロー。あの頃の男の子なら誰でも憧れる願望を、僕も持っていた」



恭介「さやかを守れると信じていた」


さやか「恭介・・・」ウルッ

111: 2013/09/24(火) 17:28:42.20 ID:FFx4XHnr0
恭介「でも、時がたつにつれて自分はバイオリン以外は全然駄目だと思い知らされた。
僕が小さい頃憧れてたヒーローとはまったく違うイメージの自分になっていった」


恭介「それでも、バイオリンだけは全てだったから弾き続けた」

恭介「一方で僕が守りたかったお姫様はどちらかというと王子様のイメージへと成長していったけど」

さやか「恭介?」イラッ


恭介「華奢な僕はさやかに守られてばかりで、いつしかヒーローになるのを諦めて」

恭介「僕の中での意識はさやかをお姫様から同性の親友へと変えてしまったけれども」


さやか「恭介エエエエエエエエエエエ!!」(怒り泣き)

112: 2013/09/24(火) 17:31:12.22 ID:FFx4XHnr0
恭介「さやかに異性として好きだと言われて・・・自覚したんだ」

恭介「僕があの時さやかを助けたいって思った気持ちも・・・もしかしたら
あの時から異性としてさやかを好きだったんじゃないかって」


恭介「再びさやかは思い出させてくれた。下着のトラップが卑怯かつ絶妙すぎた。
ブラジャーを独り占めしたいと思ったのは・・・多分そういう事だろう」

恭介「さやかを女性として意識している。それも、独り占めしたいほどに」



恭介「僕はさやかが好きだ」

113: 2013/09/24(火) 17:32:18.17 ID:FFx4XHnr0
さやか「きょ・・・恭介ええ・・・」ポロポロ(うれし泣き)


恭介「そうやっていろいろな表情を見せてくれてる所が好きだ。
お姫様だったり。王子様だったりする所が。」


恭介「違う。思い出したと言った方が良い。」



恭介「さやかの事がずっと好きだった。」


恭介「さやかが僕のことを好きになってくれた時よりも前から」





恭介「僕も大好きだよ」

114: 2013/09/24(火) 17:33:54.62 ID:FFx4XHnr0
さやか「恭介・・・・きょうすけぇ・・・」

ギュッ

恭介「10年近く気づけなくて・・・ごめんね、「さやかちゃん」。」

さやか「ううん。いいの。あだし・・・こんなに幸せでいいのかな?「きょうすけくん」・・・」

恭介「僕も今最高に嬉しい。バイオリンよりも確かなこと。今はっきりわかった」

恭介「自分を粗末にしない。無力だと思わない。バイオリンが弾けなくなったこの体でも・・・
さやかだけは絶対守ってみせる。幸せにしてみせる。その方法がまだ漠然としてるけど」



さやか(あたし・・・ただ伝えるだけでよかったんだ)

115: 2013/09/24(火) 17:36:04.71 ID:FFx4XHnr0
さやか(恭介が一番喜ぶこと・・・CDを持ってきたり、魔法少女として契約して、
腕を治してあげることだと思っていた。恭介本人に確認をとったわけでもないのに、
そう思い込んでいた)


さやか(でも違った。恭介はあたしの気持ちが嬉しいといってくれた。何より勝ると言ってくれた)

さやか(だから・・・はっきり解ったんだ。仮に仁美に先を越されて恭介が仁美を受け入れたとしても、
それはあたしが嫌われた訳じゃないって)


さやか(真剣に自分を愛してくれる人のその気持ちが嬉しいと)

さやか(ちょっとえOちな事にも興味もった恭介だけど、
素直な性格の恭介は自分を真剣に愛してくれる人の気持ちに感動してくれる人なんだと)

116: 2013/09/24(火) 17:37:28.36 ID:FFx4XHnr0
さやか(そりゃ、恭介だって誰でもいいって訳じゃない。
「ただ、なんとなく格好よさそうな人だから」という理由で恭介に告白した女の子も何人かいた。
恭介はそのなんとなくを読み取ってそういう人たちを断ってきたのも知っている)

さやか(仁美は違ってた。お嬢様教育を受けてきた仁美にとって、
授業をサボった事が家の人にバレたら家族会議にもなるだろう)

さやか(その仁美が後で叱られることなどお構い無しに告白すると行動したんだ。
しかも、まどかが先に告白したという思い込みの前提で)




さやか(まどかが先に恭介とくっついてたとしてもフラれる覚悟で伝えに来たんだ。
仁美は仁美で真剣に恭介の事を考えている)


117: 2013/09/24(火) 17:38:25.02 ID:FFx4XHnr0
さやか(ここまで恭介と通じ合った今でも、先に告白されてたら仁美に取られちゃってたと思う)

さやか(ありがとね仁美・・・
あたし、仁美のおかげで素直になれた。自分の本当の願いに気づけた)

さやか(契約する前に仁美の気持ちに気付けて良かった)


さやか(・・・・・・さっきから仁美仁美って繰り返してるけど・・・)


さやか「仁美はどこだあああああああああああああああああああああああああああ!?」ハッ




恭介「さ・・・さやか!?いきなりどうしたんだ?」

118: 2013/09/24(火) 17:39:57.55 ID:FFx4XHnr0
さやか「仁美!!仁美が病院に来てるはずなんだ!いくらあたしの駄馬が速くても
まだ仁美が来てないのは遅すぎる!」

さやか「恭介、仁美に会わなかった!?」


恭介「(駄馬?)ううん。見てないよ。志筑さん学校休んでまで検査を受けに来たのかい?」

さやか「恭介に会いに来る予定だったんだよ。な・・・なにか事件に巻き込まれたんじゃ・・・」


恭介(志筑さんが僕に?何の用だろう?)

恭介「大げさだなさやか。
志筑さんも予定がつかなくなったんだろう。というか授業中だよね?まだ」



さやか「違うの!絶対仁美はここにくる理由があったの。
今恭介にそれを話すわけにはいけないけど・・・あたしにはわかるの!」


さやか「も・・・もしかして・・・恭介、ちょとごめん電話かけさせてもらうよ」

119: 2013/09/24(火) 17:42:35.62 ID:FFx4XHnr0
~巴部屋~

マミ「あら・・・美樹さんから電話だわ」

マミ「もしもし?」

さやか「唐突だけどマミさん!今すぐ聞きたいことがあるんですけど・・・」


さやか「恋愛で悩みを抱える女の子って、(魔女に)狙われやすくなりますか!?」

マミ「え・・・?」

ほむら「・・・!?」

120: 2013/09/24(火) 17:44:14.57 ID:FFx4XHnr0
さやか「い、今病室で・・・きょ、恭介と一緒に居るんですけど・・・仁美が居ないの・・・
もしかして巻き込まれたんじゃないかって・・・」

マミ「お、落ち着いて美樹さん。まるで状況がわからないけわ・・・
だけど答えると恋愛だけじゃなくて悩みを抱える人々は皆、魔女の口付けを受けやすくなる」


さやか「やっぱり!!だとしたら絶対仁美が巻き込まれてるよ!お願いマミさん!ひ、仁美を助けてよ!」


マミ「だ、だから落ち着きなさい。こちらからは状況がつかめないのよ!
だってまだ授業中でしょ?その・・・彼の病室になぜあなたとその仁美さんって子が
一緒に居なくちゃいけないのか状況がまったく掴めないのよ!」


ほむら「さやか、聞こえるかしら。ほむらよ」

121: 2013/09/24(火) 17:44:52.27 ID:FFx4XHnr0
さやか「ほむら!聞いてたんだね!ええっと・・・状況ってのがちょっと説明困難で・・・」


ほむら「いいわ。だいたい予測できるもの。
あなたと志筑仁美になにかあって、授業をサボってでもあなた達二人は上条恭介に
愛の告白をする予定になった。そういう事でしょ?」


マミ「あああああああ、愛の告白~!?///」ポッ


さやか「え・・・?な、なんでほむらがそこまで知ってるのよ・・・
あたしの事はともかく・・・仁美の気持ちまで・・・」

122: 2013/09/24(火) 17:46:36.13 ID:FFx4XHnr0
ほむら「あなたも告白する決心をつけて病室に来たのはいいけど、
いつまで経っても志筑仁美が来ないから魔女に魅入られたのではないかという事ね」


さやか「うん・・・大体あってるよ。経緯を説明したら駄馬が出てきたりでちょっとややこしいんだけどね・・・」


ほむら(駄馬?それよりも・・・美樹さやかがこれ程早く覚悟を決めたループは初めてじゃないかしら。
バイオリン仮面の影響で皆、性の方向にアグレッシブになってるの?)



ほむら「だったら、あなたの考えすぎよ。あなたが告白した瞬間を実は聞いてて敵わないと思って
身を引いたんじゃないかしら?」

123: 2013/09/24(火) 17:47:37.35 ID:FFx4XHnr0
さやか「す、少なくとも仁美にはあたしと同時に病室に到着するくらいの余裕はあったんだ!
あたしの方が後から追いかけたから。」


ほむら「なら何故あなたが先に病室に着けるの?」

さやか「だから、それは駄馬を・・・」


ほむら「いいわ、聞かないであげる。その代わり私が何故ここまで事情通なのかも
今はまだ聞かないでくれると助かるわ。」


さやか「わかった。約束するよ!だから・・・お願いほむら・・・仁美を探して!」



ほむら「・・・・・」

124: 2013/09/24(火) 17:48:14.82 ID:FFx4XHnr0
ほむら「いいかしらさやか。怒らずに聞いて欲しいの。」

ほむら「志筑仁美を見捨てることも出来るのよ。」




さやか「!?」

125: 2013/09/24(火) 17:49:43.15 ID:FFx4XHnr0
ほむら「さっきも言ったように、何故私が事情通なのかは省いて聞きなさい」

さやか「・・・・う、うん」


ほむら「志筑仁美にはあなたとはまた違った「空気の読めなさ」があるわ。
「したたかさ」と言い換えても過言ではない程の」

さやか「・・・具体的には?」


ほむら「あなたがバレンタインの日に上条恭介に告白するつもりで
チョコを持って呼び出したりする。すると志筑仁美は偶然を装って近づいてきてこんなことを言うでしょう」

ほむら「「まぁ!上条君、さやかさん、奇遇ですわね。こんなところでお会いできるなんて、感激ですわ。
あ、そうだわたくし、上条君にお渡しする物があったの~」と」


さやか「・・・」



さやか「具体的すぎィ!」

126: 2013/09/24(火) 17:50:29.68 ID:FFx4XHnr0
さやか「なんでアンタがあたし以上に仁美の事を知ってるのか・・・は聞かない約束だったね。
続けて」

ほむら「今回あなたと上条恭介が早めにくっついたのはいい傾向よ。でもね・・・」


ほむら「それで志筑仁美が諦めると思う?」





さやか「え・・・」

127: 2013/09/24(火) 17:52:17.94 ID:FFx4XHnr0
ほむら「もちろん、あなたと上条恭介の絆を疑うわけじゃないわ」


ほむら「でも、あなただってこの先何かに悩んで落ち込んで、彼に話しかけるのも億劫になる
事があるかもしれない」

さやか「ありえないって!!」


ほむら「そんな所を志筑仁美に狙われたら?
あなたが彼と喧嘩したら「さやかさん以外の誰かに取られるくらいなら私が!」
っていういざという時の行動力が彼女にはあるのよ」


さやか「行動力は今回の件で身に染みてわかったけど・・・」


ほむら「それに魔女に襲われてるというのもあなたの憶測に過ぎないわ」


ほむら「私は他の魔法少女に巴さんが狙われる危険性もあるから
ここを出来れば離れたくないともあなたに説明している」

ほむら「だから、仮にここを動かないで志筑仁美が魔女に
襲われたとしたとしてもあなたに非なんか無いわ」



さやか「え・・・?」

128: 2013/09/24(火) 17:53:05.01 ID:FFx4XHnr0
ほむら「なんならこの電話自体聞かなかったことにしてあげてもいい」


さやか「ちょ・・・ちょっとほむら!? ナニ言ってるのさ!?」


ほむら「自分にとっての幸せが何か、もう一度考えて・・・」


さやか「だからって!!仁美を犠牲にするのは間違ってる!!
ほむら!!あんた・・あんたやっぱり・・・」


マミ「あ・・・暁美さん・・・?あ・・・あなたの事、
少しは信用できる相手だと思ったけど・・・その考え方は・・・」



ほむら「・・・ハッ!?」

129: 2013/09/24(火) 17:54:00.83 ID:FFx4XHnr0
ほむら「ごめんなさい。ちょっと神経を張りすぎていたみたい」

マミさやか「・・・」

ほむら「忘れて」


さやか「ほむら・・・?」


ほむら「忘れて。私が間違ったことを言ったわ。
でも志筑仁美では無く、魔女か使い魔の反応を探しに行く。これでいいかしら」

130: 2013/09/24(火) 17:56:00.99 ID:FFx4XHnr0
さやか「そ、それでいいよ。魔女も使い魔もいないんなら仁美が巻き込まれたって事は無いだろうし・・・」

ほむら「じゃあ家を空けるわ。マミ・・・少しの間だけ一人になるけど、いいかしら?」


マミ「・・・・え・・ええ。佐倉さんだって、私が戦線離脱したって情報をすぐ知るとは
限らないから・・・大丈夫だとは思うけど・・・」

マミ「何より・・・あんな別れ方しちゃったけど・・・彼女が私に危害を加えるような子では無いと・・
今でも信じていたいの」


ほむら「さやか、あなたは彼のそばに居てあげて。私一人で魔力反応がないか探ってみるわ」


さやか「い、いや。あたしも探すよ!仁美に何かあったら絶対後悔するから!」


ほむら「そう・・・なら無茶は絶対しないで。結界や使い魔を見つけたらまず私に連絡して。
そして何より・・・アイツに言い寄られても契約しては駄目よ」

ほむら「あなた自身のためにも・・・彼のためにもならないから」



さやか「う・・・うん。解ってるよ。じゃ、切るよ」

ピッ




ほむら「・・・」

マミ「暁美さん・・・」

131: 2013/09/24(火) 17:56:36.23 ID:FFx4XHnr0
ほむら「ごめんなさい・・・私の事、また少し疑い始めてるかしら?」


マミ「今はいいわ・・・早く、魔女が居ないか探しに行ってあげて」



ほむら「ええ・・・」

132: 2013/09/24(火) 17:57:19.99 ID:FFx4XHnr0
ほむら(・・・今回は久しぶりに協力を得られそうだったからつい緩んでしまったわ・・・)


ほむら(まどかを救うために・・・別の時間軸で何回もまどか以外の誰かを犠牲にしてきたこと・・・
それを繰り返すうちに何も感じなくなって・・・他人にもその考え方を押し付けてしまった)

ほむら(私と違って・・・この時間軸の彼女達には次など無いのに・・・
愛する知人を失ってしまえば、それまでなのに・・・)


ほむら(バイオリン仮面・・・彼がもし私と同じ「繰り返している者」ならば
私の気の緩みや苦しみを理解してくれるのだろうか・・・?)


ほむら(あなたは一体・・・何度繰り返したの?)



(着信音)


ピッ

ほむら「まどか!?」

133: 2013/09/24(火) 17:59:04.67 ID:FFx4XHnr0
まどか「びょ、病院の帰り道で仁美ちゃんと出会ったの!
わたし仁美ちゃんに話があったからついていったの。病院へ向かうものだと思ってたから・・・」


まどか「そしたら全然違う方向に行っちゃって・・・「どこ行くつもりなの!?」って聞いたら
「ここよりももっともっと素晴らしい場所ですわ」って・・・うつろな目で言うの・・・」


まどか「閉め切った工場に、同じ様な目の人たちがたくさん居て・・・
やっぱりおかしいと思って仁美ちゃんに問いつめたら・・・
仁美ちゃんの首筋に・・・魔女の口付けを見つけたの・・・」

ほむら「!!」



まどか「おねがいほむらちゃん・・・仁美ちゃんを・・・助けて!!」



134: 2013/09/24(火) 17:59:45.52 ID:FFx4XHnr0
ほむら「ええ!わかったわ。まどか、深追いしないで、
あなたはいざというとき自分だけでも助かることを考えて!」ピッ


マミ「・・・・魔女がいたの?」


ほむら「ええ、それも志筑仁美が魅入られてるみたい」


マミ「!!」

135: 2013/09/24(火) 18:01:21.17 ID:FFx4XHnr0
ほむら「今回は確実に私のミスだわ。私がもっと早くさやかの言い分を聞いてれば、
こんな事には・・・!」


マミ「は、早くいってあげて!せっかく美樹さんが幸せを掴もうとしてるのに、
間違いが起これば美樹さん、絶対に自分の責任だと背負い込んでしまうわ!」


ほむら「まどかも志筑仁美も絶対助ける。それでさっきの失言を忘れてくれるかしら?」

マミ「・・・解ったわ。
くれぐれも焦りも油断もしないで・・・そしてあなたも絶対無事でいて。」


ほむら「ええ」

ガチャッ


ダダダダダダ・・・・



ほむら「まどかッ!!」


マミ「・・・」

136: 2013/09/24(火) 18:04:27.50 ID:FFx4XHnr0
~巴部屋を覗ける場所~


赤い髪の少女「イレギュラーとやらがマミん家から出て行ったね。
マミとサシになるなら今がチャンスだ」


赤い髪の少女「正義感の塊だったアンタが何故そんな怪しいやつと一緒にいるか、聞かせてもらうよ」




赤い髪の少女「腑抜けた理由を言いやがったら・・・今度こそ・・・!」



138: 2013/09/25(水) 10:34:07.41 ID:udk++bSU0
赤い髪の少女「巴マミとサシになるなら今だね。」


キュゥべえ「佐倉杏子(さくらきょうこ)・・・
本当にマミと事を構える気かい?かつて君達は師弟関係だったろう?」

杏子「場合によってはそうなるね。っつか、お前がけしかけたんじゃねぇか。
あたしはまだマミを潰しちまうとは一言も言ってないぜ?」


キュゥべえ「確かに、マミはあの二人のイレギュラーを信用しきっている。
加えてマミは魔女との戦いで精神的傷害を受けて一時離脱」

キュゥべえ「見滝原は現状暁美ほむらとバイオリン仮面という
二人の得体の知れない変わり者が統治する事態となった」


キュゥべえ「だから気に入らなければ好きにしていい。そう示唆したのは僕だけどね。」


杏子「バイオリン仮面ね、魔法少女でもないのに魔法が使える厄介なヤツなんだろ?
何者なんだい?そいつ」

キュゥべえ「魔法使いさ」


杏子「まんまじゃねーか!だからその魔法使いって一体なんの事だっての!?」

139: 2013/09/25(水) 10:35:56.39 ID:udk++bSU0
キュゥべえ「魔法使いは魔法使いさ。それ以上の事実は無いし詳細は口止めされている」

杏子「誰にだよ?」


キュゥべえ「言えない。2つとも知らないんじゃない。言う事を禁じられている」

キュゥべえ「今僕たちはバイオリン仮面の正体を調査中だ。
なにか解れば君達にも魔法使いが何か教えるつもりだ」


杏子「ふーん・・・ま、アタシはマミほどアンタの事好きじゃないからね。
アンタが隠し事してようがしてまいがどうでもいいよ」

杏子「それよりマミだ。新しい仲間とやらはマミの家にお泊りしちまうほど信用できるヤツなのかい?」


杏子「魔女だけ叩けばいいっていうアタシのやり方を否定したくせに、自分は
寂しいからって得体の知れないやつに心を許しちまうなんてねぇ・・・」


杏子「もし腑抜けた理由で暁美ほむらってヤツとつるんでるならあたしはもう容赦しない。
正義の魔法少女なんて甘い理想だったって認めさせてアンタを潰してやるさ。」


杏子「それが・・・かつて憧れたアンタに対する、せめてものけじめだからさ・・・!!」

140: 2013/09/25(水) 10:37:08.08 ID:udk++bSU0
~病院~

さやか「恭介、ゴメン!仁美がもしかしたら大変な事件に巻き込まれてるかもしれないんだ!
あたし、探してくる!」


恭介「うん。友情を大事にするさやかも好きだよ。だから待てるよ、さやかが戻ってくるまで。」

さやか「///・・・バ・・・バカッ!!こんな時にノロけてる場合じゃないのよ!
本当に仁美の命が危ないかもしれないんだよ!」



ガチャッ



さやか「仁美・・・!!」


ドンッ

さやか「きゃあっ!す・・・すいません大丈夫ですか?あ、あたし急いでるんで・・・」


サングラスのイケメン「さやか!どうしてそんなに慌ててるんだ?
恭介とはどうなったんだ?」

さやか「・・・?え?なんであたしの名前を?どこかでお会いしました?」

141: 2013/09/25(水) 10:38:05.32 ID:udk++bSU0
サングラスのイケメン「あ、そっか。変身前の姿で会うのは初めてだよね。
バイオリン仮面だよ。素顔はまだ秘密だけど、これが変身前なのさ。」


さやか「・・・」


チラッチラッ

(サングラスのスーツ着た長身イケメン)

(爽やかな銀髪ストレートヘアー)

(爽やかな笑顔・・・20代くらい?)




さやか「ええええええええええええええええええええ!?」

142: 2013/09/25(水) 10:39:28.94 ID:udk++bSU0
さやか「あああああああ、あなたが・・・バイオリン仮面なの?」

サングラスのイケメン「そうだよ。イメージ違ったかな?」


さやか「違いすぎるわよ!なんであんな変態からこんな爽やかな大人のお兄さんが出てくるのよ!!」ドキドキ

サングラスのイケメン「バイオリン仮面は変態的潜在能力を引き出すヒーローでもあるからね。
その力の源はあのマスクに隠されてるのさ。」

さやか「そ、それよりも・・・バ、バイオリン仮面!仁美が・・仁美が大変かもしれないのよ!」


モブ患者「バイオリン仮面?」ヒソヒソ

看護士「あの娘・・・患者じゃないみたいだけど・・・これから入院するのかしら・・・」ヒソヒソ


さやか「あっ・・・(恥」

サングラスのイケメン「変身前の僕をバイオリン仮面と呼ぶのはいただけないね。」


サングラスのイケメン「本名も知られたくない。なにか偽名を考えなくては・・・
「竜崎」みたいにさりげないかっこよさがある偽名・・・」




サングラスのイケメン「そうだ!氷室!変身前の僕のことはとりあえず、「氷室」って呼んでよ!」

143: 2013/09/25(水) 10:40:40.53 ID:udk++bSU0
さやか「氷室・・・さん?」ドキドキ

氷室「なんだいさやか。バイオリン仮面の時みたいに呼び捨てでもいいのに。もしかして
大人の男性って意識しちゃったかな?相変わらず可愛いな~さやかは」ニヤニヤ


さやか「なっ・・・!!してないわよ!相変わらずってまた昔から知ってるような口聞いて!
あ・・あたしを口説こうと思っても無駄だからね!ついさっき恭介が「大好き」だって言ってくれたもん!
あたしも大好きだからぜったいぜったいぜったい離れ離れにならないもん!!」

氷室「そ、それは本当かいさやか?そうか。恭介からOKの返事をもらえたんだね。
おめでとうさやか。そして・・・ありがとう。」


さやか「なんでアンタがお礼を言うのよ・・・」


氷室「さて、偽名も決まったし・・・属性チェンジしますか。」

さやか「属性チェンジ?なにそれ」

氷室「ただのイメチェンさ。そこまで気にする必要は無い。」ブゥーン・・・

さやか「わっ・・・髪の色が・・水色に変わった?」

さやか「こ・・・これも魔法の力なの?」

氷室「どちらかというと技術だね。氷のイメージから水色にしてみたけど、似合うかい?」


さやか「あたしと髪の色・・お・・お揃いになったね・・・///」ドキドキ

氷室「そ・・・そうだね///」ドキドキ

144: 2013/09/25(水) 10:41:21.24 ID:udk++bSU0
さやか「ってほんとバカーッ!!なんであたし恭介と結ばれた直後に
他の男の人にときめいてんのよおおおおおおおお!?」ガクガク


さやか「っつーかそれどころじゃないのよ氷室さん!
仁美が・・・仁美が大変なのよ!氷室さんも仁美を探してよ!
あ・・あんた魔法少女と同じ力があるんでしょ!!」



氷室「残念だけど、それはできない」

145: 2013/09/25(水) 10:42:40.80 ID:udk++bSU0
さやか「え・・・?どういう事・・?」


氷室「言ったはずだよ。僕がバイオリン仮面に変身できるのは
一日一回だけだとね。今日は魔女退治じゃなくて青春パートで変身してしまった」

氷室「しかも魔法少女より不便なのは、変身を解くと魔女も使い魔もキュゥべえも認識できなくなる」

氷室「素質を持った少女以下の存在になるのさ」


さやか「そ・・・そうだったんだ・・・」


氷室「だから今の状態の僕が魔女探索にいけば足を引っ張るだけさ。
むしろ結界に取り込まれる可能性のほうが高い」


さやか「じゃ、じゃあやっぱり、あたしだけでも行くよ!
仁美が心配なんだ!!」

氷室「無理しないで!仁美さんが口付けに捕らわれてたら、
絶対自分では追わずにほむらさんに連絡するんだ!」


さやか「わかってるよ!それじゃあね。氷室さん!今日は色々ありがとう!」ダッ


氷室「・・・」

146: 2013/09/25(水) 10:43:46.46 ID:udk++bSU0
氷室「友人を大切にするところも・・・相変わらずだな・・・」


氷室「さてと・・・」


~病室~

恭介「さやかにお礼をしてあげたいけど、今の僕に何が出来るかな?」

恭介「バイオリンが弾けない僕だけど、作曲くらいはできるから・・・」

恭介「でも、パソコンに打ち込んだ音声を聞かせるだけじゃ、やっぱり味気ないよね」



恭介「・・・・あれだけさやかが心配してくれたのに・・・僕はまだ
腕が治ることを望んでしまっているのかな・・・」



ガチャッ



氷室「上条・・・恭介君だね。ちょっと入らせてもらうよ」

恭介「!?ど、どちら様ですか?」

147: 2013/09/25(水) 10:46:02.27 ID:udk++bSU0
恭介「そ、その髪の色・・・さやかの親戚の方ですか?」

氷室「いや、さやかの知り合いであることは間違いないけど、どちらかといえば君に近い」

恭介「え?」


氷室「僕の名前は氷室。君と同じバイオリニストさ」

恭介「そ、そうなんですか・・・どちらかと言えばロックミュージシャンみたいな
雰囲気ですけど・・・ボーカリストだったり、ギタリストだったり。」


恭介「その氷室さんが・・・どうして僕のお見舞いに?」

氷室「・・・君の事を昔から知ってるだけさ。君がバイオリンを弾き始めた頃から、ずっと傍に居た。」

恭介「え・・・!?」


氷室「事故の件・・・残念だったね・・・」

恭介「・・・」

148: 2013/09/25(水) 10:47:04.70 ID:udk++bSU0
恭介「でも・・・もう良いんです。今の僕には、ずっと僕のことを想ってくれる
大切な人が出来ましたから。」

恭介「さやかが傍に居てくれる。今はその喜びのほうが大きいです。それは・・・
残念だ、無念だって気持ちはまだ有りますけど・・・
さやかがいれば・・・いつかは癒える傷ですから・・・」


氷室「・・・そう悲観することも無いさ。バイオリンや音楽に関してもね。」

恭介「・・・?」

氷室「・・・・」


スッ(バイオリン)


恭介「(ズキッ)・・・・それが・・・あなたのバイオリン・・・ですか?」

氷室「やっぱりまだ、バイオリンを見るのは心が痛むかい?」



恭介「い・・・いえ・・・大丈夫です。」

149: 2013/09/25(水) 10:47:49.07 ID:udk++bSU0
氷室「君にとって大変な時期だろうけど、まずは僕の演奏を聞いて欲しい。」

氷室「曲目は・・・「人魚姫の祈り」」

恭介「!!そ、その曲名は・・・!!」



氷室「・・・」


♪~♪~♪

150: 2013/09/25(水) 10:48:45.40 ID:udk++bSU0
♪~♪~♪

恭介「ま・・・間違いない・・・この曲は・・・」

♪~♪~♪

恭介「僕がコンクールでさやかに聞かせてあげた・・・あの曲だ・・・」

♪~♪~♪

恭介「で、でもなんでこんな悲しいアレンジにしたんだろう・・・本来この曲は・・・」

♪~♪~♪




恭介「す・・・すごいよ氷室さん!な、なんて素晴らしい演奏なんだ!
まるで僕が目指してた未来の自分・・・理想像そのものだよ!」

氷室「・・・気に入ってくれたようだね。」



恭介「でも、なんであなたがこの曲を知ってるんです?
ずっと僕のそばに居た・・・ってことはまさかあなたの正体は・・・」

氷室「・・・」

152: 2013/09/26(木) 16:56:23.14 ID:Fuah9fyD0
恭介「あのコンクール会場に居た審査員の方かなにかですか!?」

氷室「・・・」

氷室「まぁ、コンクールの関係者ではあったけどね。」


恭介「すごいや!氷室さんがあのころ僕がさやかに聞かせるためだけに作った
拙い曲を完成品にしてくれたんだ!」

恭介「でも・・・なんで悲しい曲にしちゃったんですか?
この曲は人魚姫と王子様が結ばれるストーリーをイメージしてたのに・・・
これじゃまるで・・・」

氷室「そう。失恋の曲だ」

氷室「だからこの曲のままさやかに聞かせてもあの時の曲だとは気付かなかったよ」

恭介「それは・・・そうでしょうね」


氷室「だけど、君なら・・・この曲を本当の「祈り」に変えることが出来る」


恭介「・・・どういう事です?」

153: 2013/09/26(木) 16:57:26.17 ID:Fuah9fyD0
氷室「僕は・・・大切な人を失ったんだ。
君にとってのさやかを・・・正確には・・・その想いに気付きもせず
お互いすれ違って・・・最後はその人は何も言わずにこの世を去った」

恭介「・・・・そんなことが・・・」

氷室「大切な人を大切だと気付けず・・・傷つけて、追い詰めて・・・
だから・・・僕はこの曲を悲しいものにしか出来なかった。」

恭介「・・・」

氷室「でも、君なら・・・この曲を完成させられる!!
避けようの無い嘆きも悲しみも・・・君なら覆せる」

恭介「え・・・?」


氷室「だから僕と結託して、作曲家になってよ!」

154: 2013/09/26(木) 16:58:30.42 ID:Fuah9fyD0
恭介「えっ・・・?いや・・その・・いきなりそんなこと言われても・・・」


氷室「もちろん、これは選択肢の一つに過ぎない」

氷室「君は望めば何者にだってなれる。なぜなら僕よりも「若さ」があるからね」

氷室「さっき君は僕の事を「ロックミュージシャン」っぽいといったけど、なんなら君が目指してみるのもいい。」

氷室「知っているかい?ボーカリストとしての発声練習はバイオリンに通じるところがあるんだ。」

氷室「だから中沢あたりとボーイズバンドを組んでみるのもいいさ」


氷室「子供のころ憧れたたくましいヒーローを目指して体を鍛えるのもいいだろう
14歳・・・いや、20歳から鍛えなおしても遅くは無いほどだし」


氷室「というより、君は今まで14歳にしては生き急ぎすぎていた。そうは思わないか?」

155: 2013/09/26(木) 16:59:44.24 ID:Fuah9fyD0
恭介「そうですね・・・さやかが好きだといってくれて・・・少し落ち着いて
視野を見渡せば・・・確かにそうだったかもしれません。」


恭介「僕にはまだまだ無数の未来が残っている・・・そう思うのも悪くないかもしれませんね」


氷室「そうだ。君の未来は何通りも存在するんだ」

氷室「男だからといって働かなくちゃいけないというのも固定観念だ。
鹿目さんのお父さんみたいに専業主夫を目指すのも悪くない」

氷室「さやかが働く場合きっと、声優とか似合うと思うんだ」


恭介「それはちょっと同感ですね」

156: 2013/09/26(木) 17:00:20.14 ID:Fuah9fyD0
氷室「それでももし、バイオリンを弾きたくなったのなら、僕を頼って欲しい。」

恭介「え・・・?」


氷室「君がこの先作るさやかとの素晴らしい未来、素晴らしい楽曲を僕は弾いてみたい」

氷室「僕が君の・・・腕になるよ」


恭介「・・・!?」

恭介「なぜ・・・なぜあなたは見ず知らずの僕に・・・そんな事を言ってくれるんです?」

157: 2013/09/26(木) 17:02:10.97 ID:Fuah9fyD0
氷室「見ず知らずじゃないさ。言っただろ?君を昔から知っていると」

氷室「君の未来に賭けている、きまぐれな投資家だと思ってくれていいさ」


氷室「君は何者にだってなれる。音楽だって・・・諦める必要なんて無い」


恭介「ひ・・・氷室さん・・ううっ・・」ポロッ

恭介「あ・・・すいません。でも・・・涙が止まらないや・・・
今日は・・・泣いてばっかりだな・・・失った物だってあったはずなのに・・・」

恭介「新しく得たものが・・・多すぎて・・・感動がとまらない・・・
でも泣き止まなきゃ・・・男なのに」


氷室「いや、君はそれでいい。泣きたいときは泣けばいい。」

158: 2013/09/26(木) 17:04:03.95 ID:Fuah9fyD0
氷室「自分を大切に想ってくれる人の気持ちにやっと気付いたときに・・・
何も出来なかった自分が情けなさ過ぎて・・・涙さえ出なかった僕のような人間にはなっちゃいけない」

恭介「ひ・・・氷室さん?」


氷室「いいか恭介。君だけは絶対・・・「僕」になってはいけない」


恭介「氷室さん・・・ちょっと意味が解らないですけど・・・
僕なりに今の発言がどういう意味か考えてみます」


恭介「さっそくだけど氷室さん、少し頼まれてくれませんか?」


氷室「うむ。なんだい?」

159: 2013/09/26(木) 17:05:20.79 ID:Fuah9fyD0
~廃工場~

仁美「さぁ、悟りを開くための、神聖な儀式が始まりますわ~」

モブ「・・・」


モブ「おぉぉおおお・・・」


ゾロゾロ・・・

危険薬品「小五」+危険薬品「口リ」 ドボドボ・・・


まどか「やめて!悟りなんて開けないよ!仁美ちゃん!危ないからやめて!
仁美ちゃんのために・・・さやかちゃん達が心配してくれてるのに!!」


仁美「私のため・・・?」ピクッ


仁美「私のためってどういう事ですか!この泥棒猫がッ!!」


ボグッ(腹パン)


まどか「ひ・・・仁美ちゃぁん・・・!?」ピクピク

160: 2013/09/26(木) 17:06:34.36 ID:Fuah9fyD0
仁美「まどかさん・・・私、まどかさんやさやかさんに秘密にしていたことがございますのよ・・・」

仁美「おそらく、叶わないであろう恋・・・私、上条恭介君の事をお慕いしてしまいましたの・・・」

まどか「ゴホッ・・・ゲホッ・・・ひ・・・仁美ちゃん?」


仁美「私、諦めるつもりでいましたのに・・・さやかさんがいつまで経っても自分の気持ちと向き合わないから、
恭介君がいつか・・・別の誰かに取られるんじゃないかと心配になりましたの」

仁美「だから私決めましたの。さやかさん以外の誰かに取られるくらいなら、
私が上条君を捕まえておこうかと・・・それがさやかさんや上条君本人のためにならなくても・・・
他の誰かにさらわれてしまうより・・・マシでしたから・・・」


仁美「ですけど、まどかさん!あなたはそんな私の悩みも知らずに上条君を取ってしまった!
・・・本当に・・・困った子猫ちゃんですこと!」


まどか「ひ・・・仁美ちゃん・・・それ・・・違うよ・・・
わたしはただ、お見舞いに行っただけだよ・・・」

161: 2013/09/26(木) 17:35:48.59 ID:Fuah9fyD0
仁美「もう、よろしいですわ。悟りへの回廊は今開かれました。
あの聖なる液体が混じりあい、充満するとき・・・私たちは悩みなど存在しない世界へと導かれるのですから」


まどか「やめて・・・仁美ちゃん・・・逃げて・・・
ほむらちゃん・・・マミさん・・・さやかちゃん・・・」


まどか「助けて・・・」

162: 2013/09/26(木) 17:36:57.26 ID:Fuah9fyD0
パキィィィィン!! 


仁美「!?」




ほむら「・・・・まどかッ!!」



まどか「ほ・・・ほむらちゃ・・」


163: 2013/09/26(木) 17:37:31.83 ID:Fuah9fyD0
モブ「・・・儀式が・・・」

モブ「・・・窓ガラスを・・・割りやがった・・・」


モブ「許さない」

仁美「許さない」

モブ「許さない許さない許さない許さない許さない」



ザッザッザッ・・・・

164: 2013/09/26(木) 17:38:10.29 ID:Fuah9fyD0
ほむら「まどかッ!!」


ギュッ


まどか「ほ・・・ほむらちゃん・・来てくれたんだね・・・」ガクッ

ほむら「!?まどか・・・?まさか・・・気体を吸ってしまったの!?まどかッ!?」


ほむら「やむを得ないわね・・・」ちゅっ


ちゅうううううううううううううううううう


ズキューン

165: 2013/09/26(木) 17:38:53.98 ID:Fuah9fyD0
ほむら「ぷはっ」

まどか「!?ウェッ!ウェッ!」ゲホゲホ

まどか「ほ・・・ほむらちゃん?今・・・ナニしたの?」

ほむら「良かった・・意識を取り戻してくれたのね・・・」


ほむら「早く逃げなさい!また気絶されると庇いきれないわ。
口付けを受けた人たちは私が引き付けるから!」

まどか「ほ・・・ほむらちゃん、仁美ちゃんを、仁美ちゃんを助けて!」


ほむら「ええ、解ってるわ。約束したもの。必ず助ける!だから早く逃げて!」


まどか「うん!」ダッ


ほむら「さてと・・・」


166: 2013/09/26(木) 17:39:45.58 ID:Fuah9fyD0
ほむら「そこよっ!!」ドンッ(ハンドガン)

???「アハハハ・・・アハハハ・・・」


ハコの魔女「アハハハ!アハ、アハッ・・!!」

しゅううううううう

仁美「・・・」

モブ「・・・」


ドサッドサッドサッ


ほむら「口付けは解けたわね・・・後は・・・」

ハコの魔女「キャハハハ・・・!アハハハハ!」


ほむら「逃がさないわよ!・・・ハッ?」

167: 2013/09/26(木) 17:40:14.02 ID:Fuah9fyD0
ほむら「・・・・・」

まどか(仁美ちゃんを助けて!)

さやか(だからって、仁美を犠牲にするのは間違ってる!)

マミ(暁美さん・・・その考え方は・・・)

ほむら「・・・・・」

(仁美をお姫様抱っこ)


ほむら「・・・逃げられたわね・・・」

168: 2013/09/26(木) 17:54:48.15 ID:Fuah9fyD0
~屋外~

まどか「ほむらちゃん!ひ、仁美ちゃんも一緒だ!」

ほむら「まどか・・・」

まどか「仁美ちゃん・・・仁美ちゃんは、無事なの?」


ほむら「ええ。気絶してるだけ、先程のあなたのように、呼吸してないわけでもないわ」

まどか「えっ!?わ、わたし呼吸してなかったの!?」

ほむら「してなかったわ。有害な気体を少し奥のほうまで吸い込んだみたいで・・・」


まどか「じゃあわたし・・・どうやって意識を・・・や、やっぱりほむらちゃん・・・
あの唇の感触は・・・」

ほむら「///!!ややや・・・やむを得なかったよ!あ、あなたが戸惑うと解っていたけれど・・・
その・・・あの・・・人工呼吸を少々・・・ほ、本当に危ない状態だったんだから!」


まどか「じ・・・じんこうこきゅ・・あ・・・あぅ・・」ぷしゅ~

169: 2013/09/26(木) 17:55:23.21 ID:Fuah9fyD0
ほむら「ごごごご・・ごめんなさい!結果的に・・・初めてを奪ってしまって・・・
ま、まどかだって困惑するよね?初めてが・・・お、女の子同士なんて・・・」


まどか「う、ううん・・・だだだだ・・・大丈夫。お、女の子同士だから・・ノーカンだよ!
ほほほ・・ほむらちゃんはわたしを助けようとしてくれただけだよ!
ほむらちゃんがわたしに気を使う必要なんて無いの!だから、お互い気にしないでいようよ!」


ほむら「ま・・・まどか・・・」

ほむら「///・・・それより、さやかに連絡しなさい。志筑さんを探してあてもなく
走り回ってるはずだから。」


まどか「う・・・うん。」



170: 2013/09/26(木) 17:56:35.65 ID:Fuah9fyD0
さやか「まどか!ほむら!仁美!」

ほむら「さやか・・・」

まどか「さやかちゃん!」


ほむら「ごめんなさい、さやか・・・志筑さんは助けられたけど、魔女は逃がしてしまったわ。」

さやか「・・・・・」

ほむら「あなたの予想通り、志筑さんが狙われていた・・にも関わらず私の対処が遅れたのは・・・」

ギュッ


ほむら「さ・・やか・・・?」

さやか「それでいいんだよ・・・魔女が倒せたかどうかよりも・・・
ありがとう・・・ありがとうほむら・・・仁美を、助けてくれたんだね・・・」

まどか「ありがとう・・・ほむらちゃん。」

ガバッ


ほむら「・・・まどか・・・さやか・・・」ギュッ

171: 2013/09/26(木) 17:57:13.09 ID:Fuah9fyD0
~病室~

氷室「うん。素晴らしいサプライズプレゼントだと思うよ!
きっとさやかも喜ぶよ!」

恭介「本当は自分で演奏してあげたかったんだけどね・・・」

氷室「いつかは聞かせられるさ。君の腕は将来きっと治るから。」


恭介「僕の腕が・・・治る?」

172: 2013/09/26(木) 17:58:00.73 ID:Fuah9fyD0
氷室「今の医学では無理でも絶対に治るときが来る。10年後の未来かもしれない。
でもいいじゃないか。さやか達に聞かせたいだけなら、それでも」

恭介「さやか・・・達?」


氷室「僕は10年後君とさやかとの間に設ける子供の事も含めて言ったんだよ。
いいじゃないか、24歳、楽聖です。きっと君ならいいお父さんに・・・」

恭介「ひっ・・・氷室さん!ナニ言ってるんですか!!そそそ、そんな
子供だなんて、結婚なんて!ま、まだ考えるのは早すぎますよ!!」


氷室「予想通りの反応いや、知っている反応というべきかな。
若いね~。本当はさやかをしっかり女性として意識してるくせに。」


氷室「さて、僕はここで失礼させてもらうよ。サプライズの打ち合わせはまた後日連絡しよう。」

ガサッ


恭介「おい、ちょっと待て」




恭介「なんで下着が入った紙袋を持って帰ろうとしてるんだ?」

173: 2013/09/26(木) 17:58:44.38 ID:Fuah9fyD0
氷室「・・・欲しいからね。」

恭介「欲しいかどうかで言われたら僕だって欲しいよ。」

氷室「溜まった穢れを取り除くのに必要なんだ。」

恭介「溜まってるかどうかで言われたら僕だって溜まってるよ。」

氷室「氏活問題なんだ」



恭介「氏ぬか生きるかで言われたら・・・僕だってイきたいよ?」

174: 2013/09/26(木) 17:59:31.17 ID:Fuah9fyD0
氷室「もらっていくよ。多分さやかも盗られることは想定内だと思ってるし。」

恭介「ふざけるな」

氷室「僕から下着を奪い返すとして、君の足は今動くかい?」

恭介「それは・・・まだ動かないけど・・・」

氷室「なら持ってイっても抵抗できないよね?」


恭介「せめて・・・せめてさやかのブラジャーは置いてってよ!」

氷室「いや、そこは一番重要だろ。」


氷室恭介「「だって縞パンが無いんだから!」」



恭介「え・・・!?」

175: 2013/09/26(木) 18:00:29.28 ID:Fuah9fyD0
氷室「僕も縞パンが大好きだ。でも叶わないならせめてさやブラだけは奪取する。」

氷室「君も言ったじゃないか。新たに得るものと失うものがあるって。
君は今さやブラを失ったとして、得たものすべてをドブに捨てるのかい?」


恭介「それとこれとは話が違う!返せよ!それは・・・それはさやかの物だ・・・!
僕のブラジャーにならないなら・・・せめて本人に返すんだ!」


恭介「お前なんかに奪われてたまるか!返せって言ってるだろ!」


氷室「また会おう恭介。電話番号を置いていく」


ガチャッ


恭介「くそっ・・・なんだったんだよアイツは・・・
僕に希望を与えるつもりか、絶望を与えるつもりか・・・」


恭介「病室から・・・さやかの匂いがするものが・・・消えた・・・」


恭介「さやかぁ・・・早く帰ってきてよ・・・顔が見たいよ・・・」ポロポロ・・・

176: 2013/09/26(木) 18:01:45.56 ID:Fuah9fyD0
ほむら「警察に通報しておいたから工場に残された人達は大丈夫でしょう。
でも志筑さんだけはこちらで預かっておいたほうが良いわ。」

さやか「なんで?」


ほむら「授業中抜け出してまで集団自殺に参加してたなんて、大騒ぎよ。
志筑さんは上条恭介の病室にいたことにする。さやかは目覚め次第口裏を合わせておいて」

さやか「目覚め次第って・・・仁美をどこに置いていくのさ」

ほむら「そうね。マミの部屋が妥当かしらね。あなた達も来て頂戴」


さやか「えっ!?これからまた恭介の病室に戻るつもりだったのに・・・」

177: 2013/09/26(木) 18:02:35.06 ID:Fuah9fyD0
まどか「わたしも・・・3時間目には戻る約束だったから早く学校に戻らなくちゃ・・・
もう4時間目からしか間に合わないけど、また叱られる材料が増えちゃうよぉ・・・」


ほむら「だったら、冴えた手があるわ。志筑さんは上条恭介に告白したけど、
先にさやかが告白していてフラれた事にする。私たちは振られた彼女を慰めていた。
そういう事にしておけば、ある程度言い訳が効くわ」


ほむら「もちろん、志筑さんには後日ちゃんと告白した上で
上条恭介に断ってもらう。これで嘘はついてないと堂々と言えるわ」


178: 2013/09/26(木) 18:03:23.38 ID:Fuah9fyD0
まどか「・・・なんだか仁美ちゃん、踏んだり蹴ったりだね・・・
魔女に巻き込まれた後に、成功しない告白をしなきゃいけないだなんて・・・」

さやか「好きな人と先に結ばれた相手が慰めに来てるって
それどんな嫌がらせだよ・・・逆の立場だったらあたし耐えられないんですけど・・・」


ほむら「仕方ないわよ。上条恭介に二股できる器量が無い限り、
必ずどちらかが不幸になるしかないのよ。それに、さやかが説明しなければ誰がするの?」



さやか「恭介が二人いたら済む話なんだよな。いっそそういう願いで・・・のあっ!?」

ボグッ(腹パン)

179: 2013/09/26(木) 18:04:53.70 ID:Fuah9fyD0
ほむら「冗談でもそういう事は言わないで頂戴。志筑さんには相手が取られても諦めないかもしれない
したたかさがあるけど、あなたはどうかしら?きっと魔女のように絶望を撒き散らすに違いないわ。」

ほむら「だから、今つかめる幸せは掴んでおきなさい。そして、絶対離しては駄目よ。」


ほむら「・・・」


さやか「うう・・・ほむらもバイオリン仮面もなんなんだよー!!
あたしの事見透かしてるような言い方しちゃってさ!!」

さやか「まどか!付き合いの長いアンタがフォロー入れないでナニ黙ってるのさ!」


まどか「ごめんさやかちゃん。わたしも・・・さやかちゃんの場合振られたら
すっごい落ち込んだままになると思う。逆に仁美ちゃんは、案外立ち直り早そうで・・・」


さやか「ムキーッ!いいもん!今はあたしの味方は恭介だけでも!
きっとアイツあたしが来れないって知ったら泣き喚くにきまってるもん!
涙でシーツを湿らしてるの!」


まどか「上条君に限ってそんなこと無いと思うけど・・・」


ほむら「・・・」

180: 2013/09/26(木) 18:05:45.04 ID:Fuah9fyD0
ほむら「・・・」

まどか「ほむらちゃん?どうしたの?」

ほむら「あっ・・・いえ。なんでもないわ。」


ほむら(今ある幸せを絶対離すな・・・か。自分に言い聞かせてるような物ね・・・)

ほむら(まどかやさやかが私の事を信じてくれるその気持ちが心地よくて・・・)

ほむら(できれば、もうやり直したくない・・・この時間軸こそ、本懐を遂げたい・・・)



~巴部屋~

マミ「佐倉さん・・・?」

杏子「久しぶりだね先輩。ちょっと面貸しな・・・話がある」

181: 2013/09/26(木) 18:06:39.91 ID:Fuah9fyD0
さやか「マミさーん?勝手に入りますよー?」

ほむら「寝てるのかしら?合鍵を持ってるから開けるわ。」

ガチャ

まどか「・・・?誰も居ない・・・」


ほむら「!!・・・ッしまった!松葉杖が無い!」

さやか「勝手に出かけたの?でもどこに?」

ほむら「用事事はすべて私に任せろといってあるのに・・・
まさか・・・佐倉杏子がもう動いているというの!?いつもより早いわ!」

まどか「ほむらちゃん?」


さやか「佐倉杏子?だれそれ?」

182: 2013/09/26(木) 18:07:38.61 ID:Fuah9fyD0
~見滝原市都合よく誰も来ない場所~


杏子「松葉杖がなければ歩けない、か。
文字通り腰抜かしたってのはキュゥべえの報告で聞いてるよ」

杏子「ベテランのアンタが一体、どんな怖い目にあったっていうんだか」

マミ「一日で聞きつけてそのまま行動に移すなんてね・・・」

杏子「髪も巻いてないし、服も寝巻きもままだし。
はたからみたらただのオバさんだ。正義の魔法少女とやらはどこにいったのやら」


マミ「(オバ・・・)このままじゃ学校に行けないからこれでいいのよ。
挑発するだけが目的なら、帰りなさい。用件は何かしら?」


杏子「あんたが今組んでる暁美ほむらってヤツが気になってね」

183: 2013/09/26(木) 18:08:25.29 ID:Fuah9fyD0
マミ「なら、本人を訪ねると良いわ。それとも、あなたは
私が仲介しなければ知らない人とお話もできないような困ったお子様なのかしら?」

杏子「な・・・!相変わらずいけすかねぇ奴だな・・・」


杏子「あたしがわかんねぇのはアンタがなんであんな得体の知れない奴と組んでるかって事だ」

マミ「得体の知れない・・・?」


杏子「キュゥべえもアイツと契約した覚えは無いっていうぜ?」

184: 2013/09/26(木) 18:09:22.27 ID:Fuah9fyD0
マミ「それについては答えが出てるわ。昨日動けない私の世話をするため、
暁美さんが泊まってくれたの。キュゥべえがなぜ覚えてないか、納得できる理由を聞かせてもらったわ」

杏子「(やっぱり泊めたのか)・・・なんだよ、その理由って?」

マミ「今の貴方に教える義理は無いわ。」

杏子「むっ」


杏子「じゃあ質問を変えてやる。なぜ組んでるか話しな。またあんたの勝手な
正義感を押し付けるつもりかい?それともただ寂しいだけか?」

マミ「そのどちらでもないわ。協力体制をとっているだけ。
確かに暁美さんの事は少しは信用できる相手と思えてきたけど、
まだ隠していることがありそうだし・・・」


杏子「協力?一人じゃ狩りきれない魔女でも出たのかよ。」

マミ「これから来るのよ。この町にワルプルギスの夜が」


杏子「なん・・・だと・・・!?」

185: 2013/09/26(木) 18:10:10.79 ID:Fuah9fyD0
マミ「だから暁美さんが正体を隠しているかどうかなんて関係ないのよ。
ワルプルギスの夜を倒すことが先決なんだから」

杏子「それも嘘の可能性があんだろ。アイツがアンタをハメようとしてたら?」


マミ「彼女は・・・訳有って未来の情報を知ることが出来るのよ。
あなたの存在も知っていたわ。だからワルプルギスの襲来も事実よ」

杏子「・・・だとしたらその未来予知とやらは嘘だな。そして奴には裏がある」


マミ「え?」

186: 2013/09/26(木) 18:10:37.94 ID:Fuah9fyD0
杏子「今ここであたしがアンタに危害を加えることをアイツは予知できてない!
予知できてたとしても助けに来ていない!」


キュイン!(変身の光)


マミ「・・・やっぱりやり合う気で呼び出したのね・・・
あなたの事はまだ信じていたかったけど!」キュイン!



187: 2013/09/26(木) 18:11:45.41 ID:Fuah9fyD0
杏子「そんな体でナニが出来るんだい?お友達が来るまでの時間稼ぎならさせないよ」

マミ「いいえ、する必要は無いわ。聞き分けの無い後輩をしつけるくらい、これで十分よ」

杏子「認めちまえば命までは取らないでやるぜ?素直に暁美ほむらに騙されてましたってな」


マミ「未来予知ではないわ。彼女の力は・・・だからこの状況を予測できなくてもおかしくは無いの」


杏子「だったらなんなんだよ!なんで会ったことのないあたしの事を知ってるんだよ!
それともあたしの事ちょっと調べたくらいでわかる情報にアンタが踊らされてるだけなんじゃねーのかよ!!」

188: 2013/09/26(木) 18:12:31.60 ID:Fuah9fyD0
マミ「踊らされててワルプルギスの夜が嘘ならそれに越したことは無いわ。
だって襲来が無ければそれは平穏だって事だから。」

杏子「どこまでもお人よしだな・・・だが、アンタは変わっちまったよ。」


杏子「よく知りもしない相手に心を許しちまうなんてね!」


ブンブン!


(杏子、槍を振り回す。マミ、足が動かないのでリボンをバネ状にしてその反動で避ける)

(以下それの応酬)

189: 2013/09/26(木) 18:13:11.89 ID:Fuah9fyD0
杏子「アンタはやっぱり正義の魔法少女なんかじゃない!寂しがって
話し相手が欲しいだけのただの構ってちゃんだよ!!」

杏子「相手が同じ魔法少女なら誰だって構いやしないのさ!そうやって
あたしにした時みたいに偽りの優しさで傷つけるのがオチさ!!」


杏子「この縄張りはアタシのもんだ!アンタもアイツも仮面の男も追い出して、
グリーフシードを独占してやる!」


杏子「ふぅ・・・その体でよく避けるね。それだけはさすがといったところかな」


マミ「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」

190: 2013/09/26(木) 18:14:47.19 ID:Fuah9fyD0
杏子「来なよ。昔世話になったよしみで一発撃たせてやる」


マミ「!!」


杏子「でも撃てなかったり外したりしたら、終わりだと思ったほうがいいぜ?
寂しいだけで暁美ほむらとつるんでましたって言わせるまで攻撃し続ける」

杏子「最後は直々にとどめを刺す。それがあたしがかつて憧れたアンタに対するせめてもの礼儀さ」

杏子「一人の寂しがり屋じゃなく、正義の魔法少女として氏なせてやる。だから撃ってみなよ。
撃てるものならね・・・!!」


マミ「・・・あまりナメないでもらいたいわね・・・」チャッ

(照準をあわせるマミ)

191: 2013/09/26(木) 18:15:40.65 ID:Fuah9fyD0
足腰が動かなくなったマミさんの直立はリボンを松葉杖代わりにしてると思えば。


マミ「・・・」


杏子(マミさんはどこをとってもあたしの理想なんだ)

杏子(みんなの幸せを守る、それがあたしの願いなんだ)

杏子(あたしとマミさんの戦う理由は同じだよね?)

杏子(これからもよろしく!)


杏子「・・・」


杏子(これからは魔女一本に絞ろうよ?)

杏子(この力は自分だけのものにする)

杏子(こんな相棒幻滅だろ?)

杏子(これからはあたしのやりかたで戦うよ)

192: 2013/09/26(木) 18:16:45.53 ID:Fuah9fyD0
杏子「遅いッ!」ビュン


マミ「はっ!?」


(松葉杖リボンを切断)ザギュッ


ドサッ(支えが無くなり倒れるマミ)


杏子「ブッ潰れちまいな!先輩!!」



~~~


マミの部屋で眠る仁美「・・・」

さやか「仁美・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」


タッタッタッ・・・


ほむら「お願い、早まったことをしないで、佐倉杏子!無事でいて、巴マミ!」

195: 2013/09/27(金) 06:53:04.96 ID:z7taOurb0
マミ(私の腰が治らないのは・・・精神的な問題だと暁美さんは言った・・・)

マミ(私が恐れているのは・・・魔女との戦い・・・?いいえ、戦いそのものを
恐れている・・・?)

マミ(それも違うわ。私が恐れているのは・・・戦いじゃない・・・)

マミ(私にとって・・・本当に恐ろしいことは・・)


マミ(私が今気になっている、あの人ならこの状況をどう戦うだろう?)

マミ(佐倉さんも私も傷つかずに済む。そんな方法を彼なら考え付くかもしれない・・・)



マミ(・・・やってみる価値はありそうね。)

196: 2013/09/27(金) 06:53:50.91 ID:z7taOurb0

カチャッ

杏子(銃口を地面に向けた!?一体何のつもりだ!?)


マミ「ティーロ!」バフッ!!

杏子「うわっ!!」

杏子「くそっ!!煙幕か!だがその体で逃げ切れるとでも・・・!?」

ダダダッ・・

杏子「・・・」

杏子「ふーん。どうやらなにが原因か知らないけど、トラウマは乗り越えたみたいだね」


マミ「・・・」(しっかり両の足で直立するマミ)


杏子「完全復活ってわけかい?じゃあ第2ラウンド、始めるよ!」

197: 2013/09/27(金) 06:54:33.31 ID:z7taOurb0
杏子「くそ!!マミの奴うまく逃げたか。」

杏子「まぁいいさ。いくらでも仕掛けられるからね。今日のところは引き下がってやるよ」


ぐぅ~


杏子「・・・」

杏子「腹減ったな」



杏子「あんまんでも食うか」



198: 2013/09/27(金) 06:55:24.52 ID:z7taOurb0
ほかほか

杏子「うおっ、うまそう。」

杏子「いただきま~す」


ガブッ


杏子「あれ?なんか変だぞこのあんまん、弾力がありすぎて噛み切れない」


マミ「あんまんでは無い!!」


マミ「それは私のおっOいよ」

バァァァアアン!!


杏子「!?マ、マミ!!」


マミ「あ・あっ・・・佐倉さん・・・歯を立てちゃぁ・・駄目ぇ・・・」ビクンビクン


杏子「ナニやってんだ!?お前はあああああああああああ!?」

199: 2013/09/27(金) 06:56:15.86 ID:z7taOurb0
マミ「お願い・・・あのころの佐倉さんのように・・・優しくし・・てっ」

杏子「お、おいマミ!離せ!む、胸が口に・・・」フガフガ


通行人A「なんだなんだ」ザワザワ

通行人B「寝姿の女性が別の女の子に乳を押し付けてる!?」

通行人C「あっ・・・(察し)そういう仕事ね。」

キリカ「ズ、ズルイ!私だって織莉子とそんな事したこと無いのに!!」


杏子「見るな、見るなーッ!!」


杏子「だああああああああああ!!(恥)
わかったよ!とりあえずこっち来い!!話合いでやってやる!」


マミ「佐倉さん・・・」

200: 2013/09/27(金) 06:57:21.12 ID:z7taOurb0
路地裏

杏子「ふぅ・・・とりあえず休戦してアンタの言い分を聞いてやる。
ワルプルギスの夜が来るってのは本当かい?」


マミ「ええ。ほぼ間違いないわ。暁美さんから聞いた話でしかないけど」

杏子「んで、あの暁美ほむらって奴と組んでるのは、
そいつを倒すためだけで他意は無いってか。」


マミ「他意・・・ね。」

マミ「本当はあなたが言ったとおりかもしれないわね」


杏子「あ?」

202: 2013/09/28(土) 18:00:12.68 ID:foaDB2+s0
マミ「寂しくて暁美さんを受け入れた。その面もあるかもしれない」

杏子「へぇ、やっぱアンタ誰でも良かったわけだ」


マミ「それだけは違うわ。」

マミ「あなたの事ははあなたの事でずっと心配だったわ」

杏子「な・・・!?今度はあたしを仲間に引き込む気かい?」

杏子「言ったはずだよ。あたしはアンタみたいな正義の味方にはなれないって」

マミ「正義の味方なんかじゃ無いわ」


マミ「独りぼっちになるのが怖くて・・・無理してお姉さんぶってた・・・
私はただの、寂しがり屋の一人の少女よ。あなたの言う通りね」


杏子「!?」

203: 2013/09/28(土) 18:01:17.20 ID:foaDB2+s0
マミ「魔女と戦ったとき、私は氏にかけたわ。頭から食べられそうになったの」

マミ「氏への恐怖が、私の体を動けなくしたと思ってたけど・・・本当に怖がってたことは氏の先にあった」

マミ「それは孤独」

マミ「自分だけがひとりぼっちの闇の世界へと取り込まれる感覚・・・
あの瞬間それがはっきり解った。」

マミ「私は孤独を恐れている・・・でもそれは、私だけじゃなくて誰もが抱えてるものだと思ったの」


マミ「私以外の誰かにも、一人ぼっちなんかにさせちゃいけないって思ったら・・・
自然に体が動いたわ。」


杏子「・・・誰だよそれ・・・」

マミ「あの状況で誰?ってとぼけるのも凄いわね」

204: 2013/09/28(土) 18:02:25.39 ID:foaDB2+s0
マミ「佐倉さんだって独りぼっちになる必要なんか無いわ」

マミ「あなたを悪い人になんかさせちゃいけない。
誰かの命を奪ってしまったらきっとあなたは後戻りできなくなる」

マミ「私をもう一度奮い立たせたのは正義の心なんかじゃないわ。
一人でも多くの、そして自分の孤独を救おうとしてる。単なる自己満足に過ぎないの」

マミ「もちろん親が魔女の手にかかれば明日を孤独で生きる子供達。
それを救うって考えれば正義の味方とも言えなくは無いけどね」


マミ「佐倉さんを助けたい。一人ぼっちにさせない。
そして、私のためにも・・・また一緒に、そばにいてほしい」

マミ「そこに正義があるかどうかなんて、後回しよ」


杏子「・・・」

205: 2013/09/28(土) 18:05:58.41 ID:foaDB2+s0
杏子「それがアンタの本心だとして・・・えらくベラベラとしゃべるんだな。」

マミ「最近出会ったとある人の影響よ。その人は自分の欲望に正直に行動する人で・・・」

マミ「その人ならどうするだろうって思ったら、まずあなたに素直な気持ちを伝えることが大事だと気付けたわ」


杏子「・・・」


マミ「お願い、力を貸してくれないかしら。3人・・・いいえ、バイオリン仮面を含めて4人が協力すれば
ワルプルギスの夜を倒せる確率はそれだけ上がるわ」

マミ「その上でこの町を縄張りにするのならすればいい、私の事が気に入らなければいつでも
仕掛けに来ると良いわ」


206: 2013/09/28(土) 18:08:49.06 ID:foaDB2+s0
杏子「・・・考えさせてもらうよ。とりあえず今日のところは引き下がってやる」

杏子「勘違いするなよ。また気にいらねぇ行動をとりやがったらいつでも潰しに行くからな」


マミ「佐倉さん・・・」


タッタッタッ

ほむら「巴さ!・・・・ん?」


~巴部屋~



さやか「マミさん!ぶ、無事だったの!?」

207: 2013/09/28(土) 18:11:59.14 ID:foaDB2+s0
マミ「ええ、それどころかホラ、完全復活よ。」(もう何も怖くないのポーズ)

ほむら「パジャマのままそれをやるとなかなかシュールね」

まどか「でも、佐倉って人と戦ってたんじゃ?」

ほむら「!そういえばそうよ。佐倉杏子はあなたに危害を加えに来たわけではなかったのね。」


マミ「だから、彼女には腰のリハビリに付き合ってもらってたのよ。
佐倉さん相変わらずテクニシャンだから。おかげで腰から下が絶好調よ」


ほむら「・・・ナニがなんだか。」

さやか(腰のリハビリ・・・突き合う・・・テクニシャン)

さやか(腰から下が絶好調・・・ハッ!!)


さやか「佐倉杏子って・・・マミさんの、その・・・恋人か何か?」


マミ「ふぇっ!?」

まどか「ん」


まどか「言うまでも無く、いやらしい意味じゃないからね。さやかちゃん。」

208: 2013/09/28(土) 18:14:06.81 ID:foaDB2+s0
さやか「い、いや違うよまどか!別に変なこと考えてないって!!
さ、さやかちゃんは天使!人魚姫!いやらしくなんかないぞー。」


まどか「上条君とそんな事してみたいってさやかちゃんが思ってたとしても、
わたしは幻滅しないよ。むしろ、仁美ちゃんのためにも絶対上条君を手放しちゃ駄目だよ。」



さやか「仁美のためにも?」

209: 2013/09/28(土) 18:16:21.02 ID:foaDB2+s0
まどか「仁美ちゃん、すごい悩んでたの・・・
さやかちゃん以外の人に上条君が取られるのが我慢できないって」

さやか「・・・仁美・・・」


まどか「だから、あのままさやかちゃんがナニも行動をとらなかった場合
私が行くしかないって思ってて・・・切羽詰ってたらしいの」


まどか「仁美ちゃんは仁美ちゃんで・・・ものすごく思いつめて、悩んで・・・」

まどか「だから、仁美ちゃんのためにも・・・上条君をしっかり支えてあげてね。さやかちゃん」



さやか「そっか・・・そうだったんだね・・・」


210: 2013/09/28(土) 18:17:55.17 ID:foaDB2+s0
さやか「魔女の口付けを受けちゃうほどに、仁美は悩んでた。
だから無駄にしないよ。仁美の悩みも。あたしは・・・たとえどんなことがあっても
恭介のそばに居て、アイツを支え続ける。」


まどか「うん!」

ほむら「じゃあ、改めてお祝いの言葉を言わせてもらうわ。」

マミ「あなたの勇気がもたらした幸福よ。一生の自慢にしなさい。」


まどかほむらマミ仁美「上条恭介君とのカップル成立おめでとう!!」


さやか「くぅ~wありがとう!」

さやか「って、なんで仁美が!?」

仁美「さやかさん、おめでとうございます」


まどか「目が覚めてたんだね。」

211: 2013/09/30(月) 14:26:22.93 ID:xwiSOaS20
さやか「仁美・・・ごめん」

仁美「・・・何を謝る事があるのです?」


さやか「仁美に先に告白されたら・・とても敵わないって思ってさ。
だから・・・あたしが先に伝えたよ。恭介の事ずっと好きだったから」

さやか「仁美が先に伝えるか、二人一緒に告白してたらまた違った結果になっていたのかも。
って思うとさ、あたしが抜け駆けしたみたいに思えてきて・・・それで、ごめん」


仁美「それはお互い様ですわ。
それに、今回に限っては多分私が先に告白しても敗北してたでしょうし・・・」


さやか「・・・どういう事さ?」

仁美「簡単な話です。さやかさんが恭介君の心を射止めるには
ほんのちょっぴり女性的な所をアピールすればよかったのですから」

仁美「そういう意味では・・・下着のトラップ、お見事でした」


仁美「好きな人の前で中々素直になれないさやかさんが・・・
言葉を介さずそれをアピールするには・・・無言で下着を差し出す・・・
こんな冴えた手は他にありませんから・・・」

212: 2013/09/30(月) 14:27:29.89 ID:xwiSOaS20
さやか「あ・・・ほむらがマミさんを迎えに言ってる時のあたしとまどかの会話・・・」

まどか「その時もうすでに意識はあったんだねー↓」

仁美「ええ。狸寝入りさせてもらいました」てへ


仁美「さやかさん・・・恋する乙女には大きく二種類に分かれるのはご存知ですか?」


さやか「・・・?何ソレ?」

213: 2013/09/30(月) 14:28:34.80 ID:xwiSOaS20
仁美「相手の事に盲目になってしまうタイプと相手の事をなんとなくわかってしまうタイプ」

仁美「さやかさんは前者、私は後者ですわ」


さやか「う・・・まぁあたしの事は否定は出来ないけどさ・・・」


さやか「仁美は恭介のなにが解ったって言うのさ」


仁美「・・・秘めた想い。でしょうか・・・」


214: 2013/09/30(月) 14:30:52.02 ID:xwiSOaS20

仁美「きっと上条君にはさやかさんが好きだという深層心理がありましたけど、
それを思い出さないまま自然にさやかさんを意識しなくなってしまったと、
彼を見ているうちになんとなく解ってしまったんです。」

さやか「・・・当たってる。
恭介は・・・あたしに告白された後、思い出したって言ってた」


仁美「私が勝てるとしたらそれを上条君が思い出す前に先手で動くことでしたけど・・・」

仁美「今回は下着のトラップを敷かれてましたから、先手をすでに取られてたんです」


仁美「ですから、私が先に告白しても勝ち目など無かった。そう思います」

215: 2013/09/30(月) 14:37:56.83 ID:xwiSOaS20
仁美「別に下着でなくとも、ほんのちょっぴりさやかさんが大胆になるだけで、
恭介君の心はさやかさんに捕まれたまま離れないものになったでしょう」


仁美「例えば、強引に唇を奪ってみせたり。」

さやか「!!ちょ、ちょっと仁美!?///」

仁美「自然なパンチラやちょっと胸を触らせてあげるとかでも、簡単に落ちたでしょうね。」

仁美「さやかさん・・・とっても魅力的(意味深)ですもの」


さやか「ひ・・・仁美が壊れた!!」

216: 2013/09/30(月) 14:39:16.24 ID:xwiSOaS20
仁美「ですから、完全敗北ですわ。でもさやかさん、私諦めたわけではないですの」

仁美「さやかさん以外の誰かが上条君を奪うくらいなら、私が奪いますからね」

仁美「さやかさんはしっかり彼を捕まえておいてください。」


さやか「お・・・おぉう、くぅ~、こりゃうかつに恭介と喧嘩なんかできないね・・・」


さやか(そして・・・ほむらの言ってることも当たってたな・・・
本当にあたしが恭介を手放したら全力で奪いに来るよ・・・)


仁美「あらためて祝福させてもらいます。おめでとう。さやかさん」


仁美「ところでここはどなたの家でしょう?私、病院に向かったところまでは覚えてますのに・・・」

ほむら「私が説明するわ」

217: 2013/09/30(月) 14:43:45.89 ID:xwiSOaS20
ほむら「ここは通称巴部屋。そちらの3年生の先輩の巴マミさんが一人暮らしをしているマンションよ」

マミ「そんな通称名乗った覚えは無いわ。相撲部屋みたいな呼び方やめてくれるかしら?」

仁美「あっ、どうも初めまして。志筑仁美と申します」

マミ「巴マミよ。よろしくね」


ほむら「おそらく明日、幻覚か催眠による集団自殺未遂という認識でニュースが発表される」

ほむら「志筑さん。あなたは訳あってその人たちに巻き込まれていたのよ」


仁美「・・・それは・・・怖い話ですわね」

218: 2013/09/30(月) 14:46:06.55 ID:xwiSOaS20
ほむら「だからあなたの身柄だけはここで保護させてもらったわ。
授業を抜け出してまで集団自殺なんて、叱られるだけじゃすまないわ」

ほむら「おそらくこの先、危険な人という認識になるでしょうね」

ほむら「あなたは集団自殺があった時間帯には上条恭介の病室に
さやかと一緒にいた・・・という事にして欲しいの」

ほむら「もちろん、集団幻覚に巻き込まれたことが不安なら後日精密検査を受けると良いわ」


仁美「・・・私はそれで構いませんわ。お気遣いいただいて、ありがとうございます」

ほむら「もっと言えば・・・上条恭介に告白したという事実が欲しいから後日改めて
病室を伺ってほしいのだけれど・・・」

仁美「!」

さやか「ほむら・・・やっぱりそれだけはよそうよ。仁美にとって傷を深くするような事は・・」


仁美「いいえ。やらせていただきますわ」

さやか「・・・仁美!?」

219: 2013/09/30(月) 14:46:57.67 ID:xwiSOaS20
仁美「上条君の口からハッキリとさやかさんが好きだと聞かなければ諦めがつかないですもの。」

仁美「もしかしたら上条君がノロけてさらに
さやかさんとの絆を見せ付けられる結果になるかもしれませんが・・・」


仁美「それが、さやかさんが上条君を好きだと知っていながら
慕ってしまった私の、けじめだと思いますから・・・」

さやか「仁美・・・やっぱあんた強いよ。あたしなんかよりよっぽど。
あたしが勝者でいいのかな。って時々思うよ。」

仁美「コホン・・・それに・・・」

220: 2013/09/30(月) 14:47:38.71 ID:xwiSOaS20
仁美「恭介君に私の気持ちを知ってもらうことで、いつか逆転の目が出るかもしれませんし」

さやか「うぇ!?」


仁美「告白は失敗しても友達から始めていただければ、
恭介君に擦り寄る他の女の子たちから彼を守ることも出来ます」


さやか「やっぱ仁美は仁美だな。したたかさというかすごい根性だよアンタ・・・」

221: 2013/10/01(火) 12:28:30.44 ID:0uvdP+Xf0
まどか「わたしも、あらためて上条君に挨拶していいかな?
友達としてもっと上条君と仲良くなってみたいの」

マミ「あらあら、美樹さんの彼氏はモテる子なのね。」

さやか「なんか複雑だよ。喜んでいいのか焦ればいいのか。
「あたしの彼氏はこんなにかっこいいんだぞー」って自慢していいのか。」


ほむら「焦ってるほうがあなたらしいわ。
上条恭介の前で自爆して恥を晒してしまうところが見てみたいわ。」


222: 2013/10/01(火) 12:29:02.18 ID:0uvdP+Xf0
さやか「ほむら!!このっ!このやろう!!」グリグリ

ほむら「ちょ、さやか!やめ・・やめなさい・・!ヘッドロックは・・」

ほむら「・・・!!さやか、あなた巴さんに負けずとも劣らないモノを持っているわね。」ムニュムニュ

さやか「ほむら!?」

ほむら「これが上条恭介のモノになってしまうって考えたら・・・
少し悔しい気持ちになるわ。男の好きにさせるなんてもったいない」ムニュムニュ

さやか「なななな・・なんでそこで恭介が出てくるのよ!触らせるわけないじゃない!・・・・・まだ(小声)」

まどか「さやかちゃんにセクハラできるなんて、相当レベル高いよほむらちゃん!」


マミ「あらあら、みんな仲が良いのね。マミ姉さん一人は寂しいわ。」

仁美「でしたら、私とお近づきになりませんこと?」

マミ「いいわね。」



さやか「そうだ!今日もお泊まり会しようよ!今日は仁美も一緒にさ!」

223: 2013/10/01(火) 12:30:57.94 ID:0uvdP+Xf0
まどか「そういえば、もう放課後の時間帯だね」

仁美「完全にサボってしまいましたわ。家の者がなんて言うか・・・」

さやか「そういう事、だからこのまま学校終わった体(てい)でお泊まり会に以降ってことで!」


ほむら「・・・昨日宿泊会をした当初の目的を忘れてないかしら」

さやか「情報交換でしょ?わかってるって、そっちもなんとかやるって。」


224: 2013/10/01(火) 12:31:56.84 ID:0uvdP+Xf0
まどか「今日はみんないっぺんに泊まるの?それとも別々?
前もって言ってないからわたしは許可が出るかわからないよ。」

まどか「だから誰か泊まるならまたわたしの家だと思うけど」


まどか「あっ、というか家に電話しづらいな・・・今日のこと多分怒られちゃう・・」

ほむら「なら、私が一緒に謝って行ってあげるわ。」

さやか「じゃあ、まどほむペア決定だね!」


まどか「えっ?わたしと、ほむらちゃん?が、わたしの家に泊まるの?」

ほむら「ささささ、さやか!あ、あなたは来ないの!?」


さやか「昨日と違う組み合わせのほうが面白いじゃん。」

ほむら「でも、鹿目家とお付き合いのあるあなたと違って・・わ、私なんかがいきなり行って
泊めてくれるかしら?」アタフタ


まどか「それよりもまず今日のことパパとママが許してくれるかだよ・・・」


225: 2013/10/01(火) 12:32:26.94 ID:0uvdP+Xf0
さやか「なんなの?あんた達。まだお互いの距離感つかめなくてまごついてる感じ?」

さやか「これを機会に親友になっちゃえばいいんだよ!転校生の歓迎会だって言えば
まどかの両親なら許してくれそうだけどなー」


まどか「ち、違うの。そうじゃなくてね、」

ほむら「先ほどちょっとした事故があって・・・そのお互いふたりきりだと
意識しすぎて顔をあわせづらいというか・・・///」

さやか「なんだそれ?」

仁美「なるほど・・・そういう事ですか。」ニヤリ


さやか「仁美はマミさんと親睦を深めたいって言ってるからあたしは仁美とマミさんについていくよ。」

仁美「お二人の邪魔しちゃ悪いですものね。」ニヤニヤ

まどほむ「///」


さやか「あたし達は誰ん家泊まる?」

226: 2013/10/01(火) 19:13:42.45 ID:0uvdP+Xf0
マミ「私の家はいつでもOKよ。」

仁美「学校をサボってさえいなければ、私の家にご招待したいのですが・・・
ふぅ・・・心が重くて私家に電話する気にもなれませんわ。」

さやか「え!?それってつまり無断外泊するって事?
やめなよ仁美!!連絡なし朝帰りはマジでまずいって!」


仁美「・・・ええ。わかってます。ですがこれを機会にすこし
家庭に逆らってみるのもいいかもしれないと思ってるんです。」

さやか「おぉう・・・不良だねアンタ・・・」

さやか「だったらアタシの家かな。アタシの母さん、そういう仲介はうまいんだ。」

さやか「あたしもいっぱい怒られるかもしれないけど、
仁美の家に母さんから連絡してくれるように頼んでみるよ!」



仁美「さやかさん・・・ありがとうございます・・・」

マミ「美樹さん家でお泊り・・・楽しみだわ。」


さやか「じゃあ家に連絡だね。」

仁美「その前に上条君に今日はもう病室に行けないと伝えるべきなのでは?」


さやか「あ」

227: 2013/10/01(火) 19:15:13.12 ID:0uvdP+Xf0
さやか「恭介ゴメン!やっぱり仁美が事件に巻き込まれてたみたいなんだ!」

さやか「だから今日は仁美についていたいんだ・・・病室に戻るって言ったけど・・ゴメン。」

さやか「えっ・・?えっ・・・あ、うん。うん。」

さやか「それじゃあね恭介。明日の朝また来てあげるから。」ピッ


仁美「どうでした?」

さやか「なんかムカつく・・・あたしがいなくても平気みたい。
機嫌がすごいいいらしいの。」

仁美「離れていても通じ合えるという事では無いでしょうか?」


さやか「あの受け答えはそんな感じじゃなかったけどな・・・
まぁ明日は絶対来て欲しいっていってたから信じてやるけどー」


さやか「それと、まどかゴメン!例の紙袋、仮面のアイツにやっぱり取られたみたい。」

まどか「仮面・・・あっ(察し)」

まどか「さやかちゃんの予想通りアレが必要だったってこと?」

さやか「そうみたい」


仁美「仮面のアイツ・・・誰ですの?」

さやか「ああ、いやぁ、こっちの話。じゃ、行こ。」

228: 2013/10/01(火) 19:16:27.86 ID:0uvdP+Xf0
~病室:恭介発電所~

恭介「新たに得るものと失うもの・・・」

恭介「さやブラを失った僕に氷室さんが残していった新しく得るもの・・・」


恭介「それはボイスレコーダーだった。」ピッ

さやか(レコーダー)『恭介・・・大好きだよ』

恭介「繰り返したいと思っていた時間が・・・今この手に・・・録音してくれてたんだね。
ありがとう氷室さん。」


恭介「さすがにこれを何回も聞いてるところをさやかに見られるのは恥ずかしすぎるよね。」

恭介「だから今日は一人で構わない。もう少しだけ余韻に浸っていたいからね。」ピッ

さやか(レコーダー)『大好きだよ』


恭介「・・・」



恭介「素晴らしい。」



恭介「だけど一つ気になるのはこのレコーダーに印刷された製造年月・・・」


「2031年」


恭介「・・・なんの冗談だろう・・・それともこういう名前のブランドなのかな・・」


恭介「今から20年後・・・だよね。」

229: 2013/10/01(火) 19:17:10.40 ID:0uvdP+Xf0
~夕刻~

巴部屋:無人

美樹ハウス;さやか 仁美 マミ

まど家:まどか ほむら

ほむほーむ:無人

佐倉杏会:杏子

恭介発電所:恭介


そして、町のどこかに・・・氷室。そのまた別のどこかにキュゥべえ。

230: 2013/10/01(火) 19:18:11.66 ID:0uvdP+Xf0
~まど家~

まどか「ママ、パパ、ごめんなさい。わたし、学校サボっちゃいました。」

ほむら「私が振り回したような物です。ごめんなさい。」


詢子「和子から話は聞いてるよ。素直に謝ったから大目に見てやるよ。」

詢子「さやかちゃんと仁美ちゃんのために頑張ったんだってな。
まどかくらいの年にしかできないやんちゃってヤツさ」


詢子「まどかもアタシの中の人・・・もとい若いころに似てきたのかねえ。」ナデナデ


まどか「あの・・ママ?」

詢子「暁美・・・ほむらちゃんだっけ?転校生の。泊まっていくんだろ?
先に風呂に入っちゃいな。」


ほむら「あ、いえ・・その・・・でも先日美樹さんも泊まっていったのに、その・・迷惑では・・・」


詢子「なに言ってんだ。タツヤの遊び相手が増えるのなら、あたしらはいつでも歓迎するさ。」

詢子「それに、いろいろな話、恭介くんがどちらを選んだかとか興味ある。今夜は寝かさないぞー。」

詢子「なんなら徹夜でおしゃべりすっか。明日私も会社休むからさ。」


まどか「それはさすがに・・・わたし達、明日はちゃんと学校行かなきゃだし・・・」

231: 2013/10/01(火) 19:19:39.34 ID:0uvdP+Xf0
~美樹ハウス~

さやかーちゃん「えらく中途半端な時間に帰ってくるのねあんた。
また恭介君とこ?」

さやか「ああ、ううん。学校サボったから。」

さやかーちゃん「ふーんそうなんだ。あたしは知らないよ。あんたがどこに高校にも行けなくなっても。
仁美ちゃんやまどかちゃんと同じ見滝原高校に行きたいなら、ちゃんとやりなよ。」


さやかーちゃん「ところで、仁美ちゃんと・・・そちらの、お姉さんは誰だ?なんでうちに?」


さやかーちゃん「えっ!?中学生!?」

232: 2013/10/01(火) 19:21:41.09 ID:0uvdP+Xf0
~説明中~

仁美「まさか、本当に私の家の者を説得してしまうなんて・・・」

マミ「本当に親子って感じね。話しやすいところとかよく似てるわ。」

さやか「恭介と両思いになったって報告したら、赤飯炊こうとしたのは飛躍しすぎだけどね」


さやかーちゃん「この歳でおばあちゃんかー」

さやか「おい」


~佐倉杏会~

杏子「なーんか、マミのヤツ楽しそうだったな。今日もあの家に誰か集めてんのかな・・・」

杏子「あの頃はマミとあたしだけだったのにな・・・」


杏子「くそ、面白くねー。」ガンッ!


杏子「・・・また後でちょっかいかけてやるか。」


~氷室の一室~

氷室「フォオオオオオオオオ!!」

シュウウウ・・・


氷室「よし、浄化は完了だ。」

氷室「やっぱりさやかの下着が一番僕のソウルジェムと相性がいいらしい。」

氷室「浄化用にさやブラを使用した・・・さやパンは実践用にとっておくか。」

氷室「まどパン、まどブラはどうしよう。浄化用に取っておくのも有りだけど、本人に返したほうがいいかな?」


氷室「ほむらさんへのお土産、という選択肢もありだな。」



~とある場所のキュゥべえ~

キュゥべえ「それぞれの夜・・・か。」

キュゥべえ「バイオリン仮面の正体もわかりかけてきた。
僕は僕の仕事をするだけさ。」

233: 2013/10/01(火) 19:22:38.74 ID:0uvdP+Xf0
~まど家風呂~

ちゃぽん

ほむら「ふぅ・・・」

ほむら「そういえば今日は・・・志筑さんの元へ、巴さんの元へと走りっぱなしだったわね。」


ほむら「疲れた体に・・・いつもとは違う他人のお風呂・・・気持ち良いわ。」


まどか「ほむらちゃーん?入るよ?」

ほむら「・・・!?まどかッ!?」ザバッ↑

ほむら「あ・・・」↓ズブズブ


まどか「ママがお客様の背中ぐらい流してあげなさいって。」

ほむら「えっと・・・それはつまり・・ま、まどかの前で裸を見せないといけないわけよね・・・」

まどか「そうだね。///」

まどか「まだ・・・あの事意識してるの?大丈夫だよ!女の子同士なんだから。」


ほむら「それもそうね・・・じゃあ・・・お願いできるかしら・・・」ザバッ↑

234: 2013/10/01(火) 19:23:44.10 ID:0uvdP+Xf0
ほむら(事故的にとは言え・・・私はまどかの唇を奪ってしまった・・・・)

ほむら(かつてないほど私の鼓動は高鳴っているけれど・・・
まどかの方からもう意識していないと言われたとき・・・私は少し残念に思ってしまった・・・)

ほむら(まどかを助けたいと思ったとき・・・その気持ちは友情から来るものだと思っていたけれど・・)


ほむら(もしかしたら私は・・・まどかに・・・)


まどか「ほむらちゃんのお肌すべすべー」ナデナデ

ほむら「ひゃうっ!ま・・・まどか!?」


まどか「それじゃ、湯船に戻って。わたしは自分の体を洗うから。」

ほむら「いいえ、私にさせて頂戴。まどかも私の体を洗ってくれたもの、
私が洗わない道理は無いわ。」

まどか「そっか。じゃあ洗いっこだね。おねがいしていいかな?」


ほむら(・・・何かに理由をつけて・・・私はまどかに触れている。我ながら卑怯ね)

ほむら(まどかを助けたいと思って繰り返した数だけ・・・他のまどかを犠牲にしてきたのに・・・)

ほむら(まどかだけじゃない・・・マミ、さやか、杏子・・・)

ほむら(心が通じ合えそうなこの世界でも・・・失敗すればまた繰り返さなければいけないのかしら)


ほむら「嫌よ・・・」ボソッ

まどか「ほ、ほむらちゃん?」


ほむら「もう・・・繰り返すのは・・・嫌・・・」ポロッポロ・・・

まどか「ほむらちゃん!?」

235: 2013/10/02(水) 17:32:47.37 ID:Qm8muEGk0
まどか「すぅ・・・すぅ・・・」

ほむら「ま・・まどかの寝姿が目の前に・・・」ドキドキ


まどか「ほ・・むらちゃ・・ん」

ほむら「まどかが・・・寝言で私の事を・・・」



まどか「わたし・・・魔女には・・・なりたくない・・・」

ほむら「!?」


まどか「う・・うえっ!?」ガバッ


まどか「なに・・・?今の・・・?」ハァハァ


ほむら「ま・・ど・・か・・・?」


ほむら「まどか!?どうしたのまどか!?」

ほむら「すごい汗よ!まどか!ねえ!」




まどか「また・・・ほむらちゃんが出てくる夢を見た・・・」

まどか「生生しくて・・・肌触りがあって・・・夢じゃない・・・
きっとどこかで・・・経験してきた・・・「何か」が見えたの・・」


まどか「ねぇほむらちゃん・・・もしかして、
時間を繰り返して助けたい友達って・・・わたしの事?」

ほむら「!!・・・そ・・それは・・・」


まどか「じゃあもう一つ・・・こっちだけはちゃんと答えて欲しいことなんだけど・・・」



まどか「魔法少女は・・・魔女・・・になるの?」

236: 2013/10/02(水) 17:36:05.26 ID:Qm8muEGk0
~早朝の見滝原銭湯~


杏子「いつもは忍び込むけど、今日はちゃんと金を払ってやるか。盗んだ金だけどな。邪魔するぜー」



マミ「・・・佐倉さん?」

杏子「げ」

237: 2013/10/02(水) 17:38:18.80 ID:Qm8muEGk0

杏子「な、なんでまた会うんだよ!!マミがなんでここにいるんだよ!!」

さやか「3人だとウチの風呂が狭いからに決まってんじゃん。」

杏子「そ、そうなのか・・・って誰だよ!!」


さやか「あんたこそ!!」


マミ「えっと・・・彼女が佐倉杏子さんよ。志筑さんは話にも聞いてないと思うから、
隣町の私の後輩っていう認識で良いわ。」

238: 2013/10/02(水) 17:39:04.74 ID:Qm8muEGk0
さやか「!?マミさんの腰のリハビリに付き合った子か!!」

さやか「いやーありがとう、ありがとう!最初話を聞いたときは悪い子かと思ったけど、
うちのマミがお世話になりあした!!おかげで体も治って、胸もこんなに立派に・・・」


マミ「胸は関係ないわよね・・・」ピクピク

杏子「おい、軽々しく手を握るな!マミ!なんなんだよコイツは!?
馴れ馴れしいぞ!後輩の教育くらいちゃんとしろっつーの!!」


仁美「さすがさやかさん。私と初対面の時もこんな感じでしたわ。」


239: 2013/10/02(水) 17:39:58.44 ID:Qm8muEGk0
マミ「一時休戦は今日いっぱい有効かしら?」

杏子「・・・ああ、あたしから言い出したことだからな・・・そういう事にしてやんにょ」

さやか「にょ?」

杏子「うるせー!!噛んだだけだ!いちいち突っ込むんじゃねー!」

パシッ(タオル)

さやか「にょーっ!!」


さやか「あたし、美樹さやか。よろしくね。」

杏子「このタイミングで自己紹介かよ!!」

さやか「お、あんたもツッコミとかいけちゃうクチ?」

仁美「そうですわね。さやかさんに近しい物を感じます。」


さや杏「「あたしはこんなに騒がしくねー!!」」


仁美「出会ったばかりで息もピッタリですわね」ニヤニヤ

240: 2013/10/02(水) 17:40:55.83 ID:Qm8muEGk0
マミ「おいで佐倉さん。洗ってあげる」

杏子「な!?ふっざけんな!!あ、あれであたしが昔に戻ったと思ったら大間違いだ!!」

杏子「言っただろ!また気に入らないことしたらぶっ潰すって!!
今だって後輩連れてなあなあでよろしくやってるじゃねーか!!」

杏子「休戦中じゃなかったらとっくに戦闘だ!のぼせあがってるんじゃねー!」


さやか「銭湯だし、のぼせあがりもするよ?」

杏子「だああああああ!!うぜえ!超うぜえ!!なんだコイツ!なんだコイツ!!」


杏子「こんなのでも傍にいてくれるだけ嬉しいってかアンタ!!いったいどんだけ・・・」

さやか「さっきから話聞いてたらあれだね。」




さやか「要するにアンタ、マミさんの事が大好きなんだね。」


杏子「----ッ!?」

さやか「独り占めしたいんでしょ?」ズバッ

241: 2013/10/02(水) 18:14:11.81 ID:Qm8muEGk0
さやか「詳しいことは聞いてないけど昔師弟関係だったんでしょ?」

さやか「昔はマミさんの理解者が自分だけだったから独り占めできたけど・・・」

さやか「今になってあたし達みたいなマミさんの友達ができたのが悔しいんだ。」


杏子「な・・なななな・・・・」カタカタ


さやか「だから悪の(魔法)少女のフリしてマミさんにちょっかいを掛けようとした。
縄張り狙いだとか心にも無いことを言って、マミさんの気を引こうとしたんだね?」


仁美「・・・師弟関係?なんのでしょう?」


マミ「(魔法)少女としての戦いの・・・としか今はいえないわ」

仁美「まぁ!手料理かなにかですわね!」


仁美「この町はたしかに良い食材であふれてますからね。「縄張り」という喩えも納得ですわ。」

242: 2013/10/02(水) 18:15:03.40 ID:Qm8muEGk0
さやか「師弟関係が崩れても心のどこかでマミさんの正義感を理解できるのはあたしだけだー
って考えがあったんだ。だから新しく仲間が出来たマミさんが許せなかった。」

さやか「うんうん。解るよー。あたしも恭介とすれ違ってたままだったら
そうなってたかもしれなかったし。なんであんたの彼女が仁美なのよ!!ってなってたかもしれない」

さやか「何よりマミさんの一番(大事な体の部品)が食べられてたら、
あんたと敵対してたかもしれない。」


仁美「巴さんの一番・・・の得意料理ですか・・・確かに私たちが先に頂いちゃったら
昔のお友達は嫉妬しますわね。」


杏子「だああああ!!ちげーちげー!!ぜってーちげーよ!!」

杏子「あたしは本気でマミを殺(と)りに来たんだ!!」

さやか「うん。マミさんを取るって口に出してるよね。」

杏子「うぜええええええ!じゃあ殺(や)る!だ!!これで聞き間違えようがねーだろ!」



仁美「そ・・・そんな・・・女の子同士で・・ヤるだなんて・・・
禁断の恋の形が・・・ついに最終進化を・・・」

杏子「こいつも残念なヤツかよ!!」


仁美「志筑仁美ですわ。」


杏子「ウザッ」

243: 2013/10/02(水) 18:15:46.31 ID:Qm8muEGk0
仁美「ということは先ほどの一番とは料理ではなく巴さんの初めてを私たちが
頂いたら・・・という話になってしまいますが・・」ハァハァ

仁美「わたくし共は基本ノーマルですから巴さんに思いを伝えるのならどうぞお先に。」

杏子「~~///ッ!?」ザバッ


杏子「帰る!!教育がなってねーマミの後輩の子守なんかまっぴらだ!!」

マミ「ちょっと・・・佐倉さん!?」

さやか「行っちゃった・・・」


仁美「ちょっと洗礼がキツすぎましたかね。」


さやか「あれ?戻ってきた」

杏子「・・・」ちょこん


杏子「体、洗ってないことに気付いた。タダでしてくれるっていうのなら・・・
もらってやる。あたしがお前を利用してる可能性だって有るんだからな。
さっさと・・・しやがれ。マミ・・・さん(小声)」

244: 2013/10/02(水) 18:16:46.24 ID:Qm8muEGk0
マミ「♪~♪~♪」ゴシゴシ

杏子「・・・///」

杏子「マミ・・・また大きくなったよな」ボソッ

マミ「ふぇっ!?」


さやか「え、昔より(胸囲が)幅広くなってるって事・・?」


245: 2013/10/02(水) 18:17:29.48 ID:Qm8muEGk0
さやか(と・・・言う事は・・・あたしもマミさんと同じ中学三年生になれば、
今のマミさんくらいになる可能性が!?きょ、恭介に教えなきゃ!)ドキドキ

さやか(ってあたし、ナニ考えてるの!?純だよ!純な付き合いをするんだよ!
恭介を元のさわやかイケメンに戻すためにも過度なサービスは禁止だよ!)


さやか(ああ、でも教えたい・・・じゃなくて・・・
恭介との絆を絶対に離れない物にするためにこの身体をすべて恭介に・・・
ってどこかで考えてるんだ!!だ、駄目だよあたし。ま、まだ中学生なのに!!)


仁美(ぐぬぬ・・・わたしも小さいほうではないのに・・・あれだけはあれだけは・・
お金だけでは買えない物・・・あれがあれば上条君ももしかして・・・)


マミ(胸の事・・・と好意的に受け取りたいけど・・・
そういえば佐倉さんとお風呂に入ったことなんて無かったし・・・)


マミ(暁美さんが言った巴部屋・・・という表現・・・もしかして私・・・太った?
いいえ、どちらかと言えば、ぽっちゃりしてるのかしら?)


246: 2013/10/06(日) 17:03:43.54 ID:sJ6HH8gR0
杏子(さっきあたしは・・・アレに挟まれてたんだよな・・・)

杏子(マミの体温が直に伝わってきて・・・あのまま眠れたらどんなに幸せだろうって思ってしまった。)

杏子(くそっ・・・あたしはやっぱり素直じゃないだけなのか?マミと仲直りしてーのか?)

杏子(アレ?そういえばあたし肝心な事わすれてた)


杏子「おいマミ!あたしのあんまんどこにやったんだよ!!」

マミ「えっ!?」ビクン


杏子「とぼけるんじゃねーよ!アンタ、あたしが食おうとしたあんまん押しのけて
胸を押し付けてきたじゃねーか!「まるでよりきろうとする相撲取りみたいに」!!」

マミ「うっ・・・」グサッ

杏子「すりかえたあんまんをどこにやったかって話だよ!」

マミ「あ、あの時は・・・私も小腹が空いてたから・・・その・・・」

杏子「・・・この・・・食いしん坊め!」

マミ「うっ・・うっ・・・」グサッグサッ

247: 2013/10/06(日) 17:04:15.42 ID:sJ6HH8gR0
マミ「う・・・うわああああん!!」ポロポロ

杏子「な・・・マミ!?」

さやか「ちょっと!マミさん!?」


マミ「太ってないもん!太ってないもん!」

仁美「え、ええ、太ってませんわ。太ってませんわ。
だから落ち着いてください、巴さん!!」アタフタ



杏子「・・・イメージ狂いすぎだぜ先輩・・・」

248: 2013/10/09(水) 15:53:21.58 ID:D4lQMQaD0
~脱衣所~

マミ「ぐすん」

さやか「駄目だよ杏子、女の子に対して太ってる発言は」

杏子「言ってねー!!マミのヤツが変な意味にばっかり捉えるからだ!」

仁美「一応、形だけでも謝れてみてはいかがですか?」

杏子「ふっざけん・・」

マミ「ぐすん」


杏子「あのな・・マミ・・・」

マミ「なに?」

杏子「ご、ごめんなさ-」

マミ「ん?」ニッコリ



杏子「だああああ!?嘘泣きじゃねえええか!あっぶねええええ!」

杏子「やっぱり今のなし!よく考えれば交戦中だから馴れ合う義理とかねーし!!」

マミ「謝ってくれないの?」ぐすん

杏子「謝らねーよ。」

マミ「ひどいわ!昔はもっと素直な子だったのに!佐倉さんなんて、嫌いよ!!」


杏子「うっ!」ズキッ

249: 2013/10/09(水) 15:54:18.13 ID:D4lQMQaD0
さやか「ほら、嫌いだって言われて傷ついてるじゃん、あんた。」

さやか「本当はマミさんに昔のことも含めて謝りに見滝原に来たんじゃないの?」

杏子「それだけはちげーよ。」

杏子「また仲間内でなぁなぁでやってるなら、自分の考えの甘さを思い知らせに来ただけさ」


さやか「それを世間ではやきもちと言うのだよ、杏子ちゃん!!」ムニュムニュ

杏子「わあっ!?何しやがる!!胸をもむな!」

さやか「可愛いやつめ。この、この!」

杏子「離せ、この・・・おい、マミ!やめさせろ!」


マミ(あら?魔法少女の力なら無理やりひきはがすこともできるんじゃ無くて?)

杏子(それもそうだけど、アンタの連れだろ!アンタがちゃんと教育しとくべき問題だろ!
初対面でこれはねーよ、さすがに!)

仁美「こ・・これは、さやかさんとまどかさんの時にも行われた目と目で通じ合う関係!?」

仁美「加えて、女の子同士の親密なスキンシップ、素晴らしいですわ!」

仁美「女の子同士の禁断の恋の形が5角形にも6角形にもなるのですわね!」


さやか「よし、このさやかちゃんが杏子の友達になってやろう。」

杏子「は?」

250: 2013/10/11(金) 20:07:49.23 ID:NdBW702l0
さやか「杏子がマミさんに素直になるための相談役」

杏子「いらねーよ!」

さやか「じゃあ、杏子とマミさんが仲直りするための仲介役だ!」

杏子「言い方が変わっただけじゃねーか!」

さやか「じゃあ、杏子の弟子だ。」

杏子「は?」


さやか「あたし素質持ちなんだよ?もし契約したらあんたの仲間になってやってもいいかも。
この町を縄張りにしたいのなら戦力は必要だよね?」

杏子「必要だけどいらねー。あたしは馴れ合いたくないっつってるじゃん。」

さやか「ふーん。でも、あたしは諦めないよ。杏子につきまとっていつか本音ってやつを
聞かせてもらうからね!」


杏子「あああ!!もう、勝手にしろ!!調子狂うぜこいつ・・・」

さやか「じゃあ、あたし達もう友達だね!よろしく!」

杏子「・・・はいはい。それでいいよ、もう・・・まったく・・・」


マミ「ふふふっ」

杏子「・・・」

251: 2013/10/11(金) 20:09:45.15 ID:NdBW702l0
マミ「そうだ佐倉さん。はい、私の家のカギ。」

杏子「・・・なんのつもりだよ?」

マミ「寝るだけなら自由に使って構わないわ。今日もお泊まり会をするから、どうせ留守になるもの。」

マミ「食材に手をつけてもいいけど、
ほどほどにね。私がいるときまたもっとおいしい物を作ってあげるから。」


杏子「・・・」

杏子「ふん、よこせよ」ガシッ


マミ「佐倉さん・・・」

杏子「勘違いすんなよ。ただでもらえるもんはもらってやるってだけの話さ。
冷蔵庫の中のモン、全部食われても後悔するんじゃねーぞ。」


さやか「じゃあ、ここでお別れだね。バイバイ杏子。悪いことすんなよー」

仁美「ごきげんよう。また会えるといいですわね。」

マミ「佐倉さん、またいつでもいらっしゃい。稽古でも食事でもなんでも歓迎するわ。」


杏子「・・・」

杏子「バカなやつ、アタシはホテルに忍び込むのが面倒だからカギ受け取っただけなのに。」

杏子「食材だけじゃなく、金目のもん盗られてもしらねーぞ・・・だから・・・」






杏子「早く家に戻って来いよな」ボソッ

252: 2013/10/24(木) 21:00:38.23 ID:w/8J3Uk10
~~~

ワルプルギスの夜「アハハハハ・・・ウフフフ・・」ボロボロ・・・


まどか「ほむらちゃんも・・・氏んじゃったの・・・?」


QB「ワルプルギスの夜と相打ち・・・一個人の魔法少女としては前例の無い戦果だよ
暁美ほむら」


QB「マミが氏んで、さやかが魔女になり杏子が運命を共にした」


QB「そして今、暁美ほむらもまた、破滅の運命に身をゆだねた」


QB「正確には力を使い果たし、絶望し魔女化する直前、自分の手でジェムを砕いた。」


QB「そうそう、氏の直前君宛にことづけがあってね。」


QB「「あなただけでも逃げて。絶対生きて、私の戦いを無駄にしないで」だそうだ。」


まどか「~~ッ!!」ポロポロ

まどか「キュゥべえ、わたし・・・契約するよ・・・
ほむらちゃんは怒るかもしれないけど・・・ほむらちゃんたちが犠牲になったのに・・・
わたしだけが生きてるなんて・・・嫌だよ・・・」


まどか「希望も絶望も一緒に背負ってあげられる・・・それが、本当の友達だと思うから・・」



まどか「だから私の願いは・・・」



まどか「今まで犠牲になったこの町の魔法少女を・・・生き返らせて欲しい」


QB「残念だけど今の君の素質では無理だ。一人生き返らせるのに精一杯だ」


まどか「!?」

253: 2013/10/24(木) 21:01:13.45 ID:w/8J3Uk10
まどか「ねぇ・・・どういう事?キュゥべえ言ったよね・・・?
わたしなら・・・どんな願い事も叶えられるって・・・
宇宙の法則を捻じ曲げる事だって出来るって・・」


キュゥべえ「君にも説明したとおり、君のかつての膨大な因果は暁美ほむらが
何度も時間を繰り返してきたことによる副作用だった。」


キュゥべえ「だが、暁美ほむらが時間を戻せるのは最初の時間軸の世界で僕と契約した
時刻までに限定されている。」


キュゥべえ「その特異点を過ぎた今・・・つまり暁美ほむらが時間遡行の能力をなくした今、
この時間軸は他の平行世界の干渉を受けない独立した未来へと向かい始めた。」


キュゥべえ「加えてワルプルギスの夜を倒し、君も契約していない。
暁美ほむらの本懐は成し遂げられたといっても過言ではない。」


キュゥべえ「簡単に言えば、「鹿目まどかの安否」という目的で暁美ほむらが
平行世界から束ねた因果が全て消失したのさ。」

キュゥべえ「君は因果の特異点では無くなった。」


キュゥべえ「もう、並の素質しかないんだよ。君には・・・」

キュゥべえ「だから、僕ももう無理強いしてでも君と契約したいとは思わない。」


キュゥべえ「それでも僕と契約したいというのなら、誰を蘇生させるか慎重に選んだほうがいい。」

キュゥべえ「もう一度言おう。今の君の素質ではたった一人しか蘇生できない。」


まどか「そ・・んな・・・」ポロポロ・・・

254: 2013/10/24(木) 21:01:50.55 ID:w/8J3Uk10
キュゥべえ「決まったかい?」

まどか「わたしが・・・生き返らせて欲しいのは・・・」


???「ここは・・・私・・・生きているの・・?」

まどか「???ちゃん!」


???「ま・・・ど・・か・・・」

???「!?」


???「まどか!!どうして?どうして魔法少女に!!」


まどか「???ちゃんを、ひとりぼっちにしたくなかったの。
ごめんね・・・でも・・これからはずっと一緒だから・・・」

255: 2013/10/24(木) 21:02:19.24 ID:w/8J3Uk10
~~~


まどか「やっぱり・・・???ちゃんみたいにうまくはいかないね・・・」ピシピシ

???「まどかッ!」


まどか「わたし・・・絶望なんかしてないよ・・・だって契約してから・・・
???ちゃんがずっとそばに居てくれたんだもん・・・すっごく、すっごく
楽しかった・・・」


まどか「でも・・・もう終わりだね・・・今の魔女・・・強かったね・・・」

まどか「今ならあの時の???ちゃんの気持ち・・わかるよ・・・
自分の命を犠牲にして、わたしを助けようとした訳が・・・」


まどか「生き返らせたりしちゃって・・・ごめんね・・・
また・・・???ちゃんを独りぼっちにさせちゃうんだね・・・」

???「まどかッ!?いや・・・いやよ・・・二度と・・二度とあなたを失いたくない!」

???「私もいく!氏ぬときも一緒よ!まどか!」


まどか「だめ。」

まどか「わたしだけわがまま言って・・ズルイよね・・・でも言ったでしょ?
あの時の???ちゃんの気持ちがわかったって・・・」


まどか「あなたに生きていて欲しいの・・・???ちゃんと過ごした日々で・・伝わったの・・
覚えていなくても・・・何度も泣いて、傷だらけになりながらそれでもわたしを救おうとしてくれた・・・
???ちゃんの意志が・・・」

まどか「???ちゃんは・・わたしの最高のともだち・・」


???「まどかッ!!!」


まどか「だから・・・???ちゃんには、
わたしが守りたかった物・・・代わりに守ってあげてくれないかなって・・・」

???「約束するわ!だから・・・だから・・・お願い・・・いかないで・・
わたしを・・・置いていかないで・・・」


まどか「わたし・・・魔女にはなりたくない・・・だから、頼まれてくれるよね?」

???「・・・」ウン


まどか「なんだか・・・前にもこんな事頼んだ気がするね・・・」


まどか「ありがとう・・・大好きだよ・・・ほむらちゃん・・・」

256: 2013/10/24(木) 21:02:51.30 ID:w/8J3Uk10
~現実世界まど家~



まどか「ほむらちゃんは私のために・・・時間を繰り返して・・・」


まどか「私はほむらちゃんのために・・・魔法少女になって・・・
そして魔女になる・・・そんな夢を見たの・・」

ほむら「!?」


まどか「ほむらちゃん、答えて!」

まどか「ほむらちゃんが助けたい友達ってわたし?」

まどか「・・・魔法少女はいずれ・・・」



まどか「魔女になるの?」

257: 2013/10/24(木) 21:07:56.52 ID:w/8J3Uk10
まどか「・・・」モグモグ

ほむら「・・・」モグモグ


詢子「・・・あんた達・・・喧嘩でもしたの?」

まどか「うぇっ!?」ビクッ


ほむら「そ、そういう訳では無いです。わ、私がちょっと
まどかを困らせてしまって・・・」


まどか「わたしはもう平気だよ!ほむらちゃんも気にしないで!」


詢子「ならいいんだけどね・・・」

~通学路~

まどか「・・・」

ほむら「・・・」

258: 2013/10/24(木) 21:09:04.81 ID:w/8J3Uk10
ほむら(・・・まどかの夢の中のインキュベーターは・・・
繰り返すほどに・・・まどかの因果が高くなる・・・と言った。)

ほむら(確かに繰り返すほどに・・・まどかの素質は高くなっていった・・・)

ほむら(私のループが・・・原因で・・・)


まどか「・・・」

ほむら「今日は・・・さやか達は上条君のところに寄ってから学校に来るのよね?」

まどか「えっ!?」

259: 2013/10/24(木) 21:09:48.06 ID:w/8J3Uk10
ほむら「なら、今日は2人きりで登校ね。もっと他愛の無い話をしましょう。」

まどか「そ、そうだね。わたしが見たのはただの夢だった!ただの夢だったんだよ・・・」


ほむら(マミが氏に・・・さやかが契約、魔女化そして杏子と心中・・・)

ほむら(まるで・・・あの時バイオリン仮面が現れてなかったら起こりえる最悪のシナリオね。)

ほむら(バイオリン仮面が現れなかった未来もある・・・そういう事なの?)


~病室:恭介発電所~

恭介「・・・」ソワソワ


さやか「やっほー恭介。要望どおり来てやったぞー」

恭介「さやか!!」


さやか「昨日は戻れなくてごめんね。あのあと仁美達を家に泊めて---」

ギュッ

さやか「・・・きょきょきょきょ・・・きょうすけえええ!?///」


恭介「本物だ・・・本物のさやかだよ・・・本物のさやかのぬくもりだ~。ふふふっ・・・」

260: 2013/10/24(木) 21:10:23.91 ID:w/8J3Uk10
恭介「声だけ聞いてたら少しは落ち着くと思ったんだけどね・・・
やっぱり本物はそれ以上だよ!愛おしいよ、さやか!」


さやか「///あのね・・・恭介・・・話は最後まで・・・聞いてね・・」

さやか「仁美達を泊めたから・・・今日は一緒に来てもらったの・・・」



仁美「///・・・見せ付けてくれますわね・・・」

マミ「///・・初めまして・・上条君。3年の巴マミよ・・・」



恭介「!?」

恭介「あ・・・あ・・・///」カ~ッ↑



恭介「いやあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

261: 2013/10/24(木) 21:14:06.68 ID:w/8J3Uk10
さやか「恭介・・・落ち着いた?」

恭介「うん・・・取り乱してごめんね・・。」


仁美「本当は、二人きりにしてあげたかったのですが・・・私たち
2人それぞれ恭介君に用があって来ましたの。」

マミ「私もよ。初対面だけど・・・どうしても上条君に聞いてみたいことがあって。」


恭介「こ、光栄だなあ・・・さやかの友達までもが、僕のこと気にかけてくれるなんて」


さやか「ひ、仁美?あんた本当に大丈夫なの?逃げ出したって誰も文句言わないよ!?」

仁美「さやかさんとは違うといったでしょ?
ちゃんと自分の気持ちに決着をつけるためにも、伝えますわ。」


仁美「上条恭介君・・・実はわたくし・・・以前よりあなたの事をお慕いしておりました。」


恭介「・・・・」


恭介「はい?」

262: 2013/10/24(木) 21:14:53.78 ID:w/8J3Uk10
仁美「好きです。という意味ですわ。異性として・・・」


恭介「いや・・あの・・その・・・」


恭介「さやか!これは一体・・・!?」


さやか「目をそらさないで!男ならちゃんと返事なさい!」


仁美「もうよろしいですわ・・・
どうしても諦め切れなくて・・・あなたの口からちゃんと
さやかさんが好きと聞きたかったけれど・・・先ほどのやり取りで・・
わたしには入る余地が無いと悟りましたから・・・」


仁美「では・・ごきげんよう。
さやかさんを・・・大切にしてあげてくださいね・・・」


恭介「ちょ、ちょっと待った志筑さん!ぼ、僕の返事はまだ終わってない!」


仁美マミ「え!?」


さやか(え、なにこれ?付き合って一日であたしがフラれるフラグ!?)

263: 2013/10/24(木) 21:15:43.11 ID:w/8J3Uk10
恭介「いや・・・返事というより・・・危なかったというべきかな・・・」

恭介「もう少し・・・僕が自分の気持ちに気付くのが遅かったら・・・
多分志筑さんにOKを出してたと思う・・・」

恭介「そして・・・さやかの気持ちに気付かずに、
「志筑さんと付き合います」という事をノロケて報告していたってね。」


恭介「ほんの・・2日前までは僕の中でのさやかは・・・
本当に家族のような存在だったんだ・・・母親だったり、姉だったり妹だったり・・・」


恭介「だから・・・「こんな僕でも彼女が出来ました」と報告すれば・・・
さやかは安心してくれるんじゃないかって勝手に思ってて・・・」

恭介「実際はそんな事すれば、さやかがただ傷つくだけなのも知らずに・・・
そう行動していたと思う。」


さやか「恭介・・・」

264: 2013/10/24(木) 21:16:19.65 ID:w/8J3Uk10
恭介「自分で言うのもなんだけど、僕は無神経な人間だという自覚もあるし・・・」

恭介「志筑さんへのプレゼント何がいい?って相談をさやかにしていたと思う。」

恭介「だから・・・僕が言える返事は・・・ありがとう。かな・・・」


恭介「志筑さんは・・・さやかが僕に告白できるまで待っててくれたんだね?」


仁美「えっ・・?いや・・それは・・誤解ですわ・・むしろ私は・・・抜け駆けしようと・・」


恭介「結果的にその行動に触発されてさやかが勇気を出してくれたとすれば、
さやかを助けたことになるよね?だから志筑さんの真意は聞かないよ。」


恭介「だから、ありがとうなんだ。さやかを傷つけずにいてくれてありがとう。
さやかの親友でいてくれてありがとう。」


恭介「そして、僕も・・・さやかを傷つけずに済んだ。
だから・・・ありがとう・・・」


恭介「志筑さんに告白してもらって・・・よりさやかを大切だと実感できた。
だから・・・ありがとう・・しか言えないんだ。」


仁美「・・・」


仁美「うっ・・・ううっ・・」ポロポロ・・・


さやか「仁美!?」

マミ「志筑さん!?」

265: 2013/10/24(木) 21:16:53.97 ID:w/8J3Uk10
仁美「ひどいですわ・・・恭介君・・・私を傷つけないように、
優しい言葉をかけてるようで・・・その内容はさやかさんの事ばかりじゃないですか!」


恭介「あ」

さやか「あ・・・ってアンタ、自覚なかったの・・?」


恭介「僕ってホント、無神経」


仁美「自分の事を絶対好きにならない人に恋している・・・
これが・・・本当の失恋というものですのね・・・今、ハッキリと実感しました。」

仁美「でも・・・告白して良かったですわ。」


仁美「恭介君の胸中も伺わずに・・・
私にもチャンスがあると思い込むほど辛いものは無いですもの・・・」

仁美「ですから・・・私から言える言葉も・・・ありがとうなのかもしれませんね・・・」


恭介「志筑さん・・・」

266: 2013/10/24(木) 21:17:57.14 ID:w/8J3Uk10
仁美「さやかさんを、傷つけないでいてくれてありがとう。
抜け駆けしようとした私なんかに・・・気をかけてくれてありがとう。」

仁美「そして・・・きっぱり諦めさせてくれて・・・ありがとう・・・ですわ」


恭介「志筑さん・・・あなたは強い。
だから・・・さやかがいないと折れてしまう僕なんかのそばにいてはいけないよ・・・」

仁美「それも結局はさやかさんが好きだというノロケですわ。」


恭介「あ」

さやか「恭介・・・あんたマジで無神経すぎ・・・
よっしゃ、ビンタや!仁美を泣かせやがってこの、この!」


恭介「なんでビンタやねん!ちょっと・・さやかやめてよ・・・」


マミ「本当に仲がいいのね・・・羨ましいわ。」

マミ(志筑さんと美樹さんの・・・美樹さんと上条君の絆が・・・それぞれね。)


仁美「では私はこれで・・・さやかさんは一時間目を休まれるらしいので・・・
おふたりでごゆっくり・・・(意味深)」


さやか「またねー。恭介は無神経なこと言わないようにきっちり調教(意味深)しとくからさ!」


恭介「ところで・・・3年の巴先輩って・・・さやか部活でも始めるのかい?」


さやか「先輩つーか、まぁ友達だね。」サラッ


マミ「み・・・美樹さん」キュン

267: 2013/10/24(木) 21:44:31.81 ID:w/8J3Uk10
さやか「ちょっとだけ試してみたいことがあってね、来てもらったんだ。」

恭介「試す?ナニを?」


マミ「左手、握らせてもらうわね」ギュッ


恭介(ボクをかあああああああああ!!
他の女の子に惚れないように試すってかあああああ!?)

268: 2013/10/24(木) 21:49:29.66 ID:w/8J3Uk10
マミ「私はちょっとした魔法が使えるのだけれど・・・
といってもおまじない程度に捉えてくれて欲しいんだけれど・・・」

恭介「・・はぁ・・」

恭介(魅惑の魔法とかじゃなくて良かった・・・)


マミ「過度な期待はしないでね・・・
あなたの左手・・・治せるかどうか・・試させてね・・」

(回復魔法の光)


さやか(・・・恭介には・・・見えてないよね・・?)


恭介「・・・すごい!皮膚の外傷がみるみる治っていく!」

恭介(本当に魔法が使えるのかこの人は!?)

恭介(良かった・・・僕が巴さんに惚れないか試そうとしてるわけじゃなかったんだね。)


マミ「さぁ、上条君・・・私の手を握り返してみて。」

恭介「うっ・・・ぐっ・・・」

恭介「ふぅ・・・」


恭介「はぁはぁ・・・」

269: 2013/10/24(木) 21:51:47.68 ID:w/8J3Uk10
恭介「残念ですけど・・・動きません。感覚も・・・無いままです。」


マミ「そう・・・」


さやか「・・・ごめん恭介・・・期待させるだけさせて・・・でも、
試してみたかったんだ。」

恭介「・・・」


恭介「いいよ。さやかが僕を思ってやってくれたことだ。それに・・・」


恭介「僕の演奏が聞きたいのなら・・・聞かせてあげられるんだよ。」

さやか「え?」


恭介「そろそろかな・・・?」

270: 2013/10/24(木) 22:41:00.88 ID:w/8J3Uk10
恭介「巴さんもさぁ・・・屋上・・・で演るんですけど、聞いてかない?僕のバイオリン。」

さやか「え?」

マミ「ど、どういう事・・!?だってあなたの左手は・・・」


恭介「さやかはもちろん来てくれるよね?」

さやか「もちろん!って・・・まだ状況が掴めてないけど・・・」


マミ「私も・・・一限目サボって付き合おうかしら・・・実はまだちょっと上条君に用事があるし・・」

さやか(・・・マミさんの恭介への用事って何だろう・・・?)


恭介「よし!決定だね。じゃあさやか、車椅子押して屋上までお願い」

さやか「う・・うん!」


271: 2013/10/24(木) 22:41:31.77 ID:w/8J3Uk10
~屋上~


氷室「やぁ、さやか、恭介・・・それと・・・巴さんも一緒か・・・」


さやか「ひ、氷室さん!?」

マミ「え?誰?」

さやか「バイオリン仮面!これが変身前の素顔なんすよ!(小声)」


マミ「ええええええええ!?バ、バイオリン仮面!?///」


マミ(ど・・・どうしましょう・・・こんな所で会うなんて思って無かったわ・・)ドキドキ

272: 2013/10/24(木) 22:43:14.72 ID:w/8J3Uk10
恭介の父「やあ。さやかちゃん、久しぶり。」

さやか「おじ様・・・ご無沙汰してます。」


恭介の父「私の事はお義父さんって呼んで欲しいなぁ。
小さい頃じゃれあう二人を見た時からの私の夢だったんだよ。さやかちゃんを娘にするのは。」

恭介の母「ほんとよね・・・結婚はいつになるのかしら・・・
やっと元のさやに納まったって感じよね。」


さやか「さやかちゃんだけに?ってやかましいわ!///
気が早すぎますよ!あたしたち・・まだそんな・・・結婚なんて・・・」

恭介「父さん・・・母さん・・・///さやかが困ってるからやめてあげてよ、それより・・・」


父「ああ・・・挨拶の次は、バイオリンだ・・・」スッ

273: 2013/10/25(金) 12:00:58.89 ID:3N38mMej0
さやか「(ズキッ)そ・・それは・・・恭介の・・バイオリン!?」

父「お前からは処分してくれと頼まれたが・・・本当に持ってきて良かったんだね?」

恭介「うん・・・僕はもう・・・自分の事故・・そしてバイオリン・・・
なによりさやかの気持ちから・・・逃げたりはしないって、決めたから・・・」

さやか「きょ・・・きょうすけぇ・・///」

父「それじゃ氷室さん・・・お願いします。」


氷室「父さん・・・そして、恭介、バイオリン・・お借りします・・・」


さやか「え?」

マミ「ひ・・・氷室さんが弾くの?」


恭介「さやかに聞いて欲しい。さやかに初めて聞かせたあの曲を・・・
昨日徹夜して書き直した。」


恭介「氷室さんのじゃない・・・上条恭介の・・・「人魚姫の祈り」だ。」


氷室「・・・」♪~♪~♪

274: 2013/10/25(金) 12:01:35.61 ID:3N38mMej0
♪~♪~♪

マミ「・・・あの時・・結界で聞いた物と似てる・・・けど全然違うわ・・」

♪~♪~♪

さやか「・・・優しさと力強さのイメージ・・・そうだ・・これはあの時・・・」

~幼稚園回想~

さやか「うう・・うぇぇぇええ・・」グスグス・・

きょうすけ「どうしたの?さやかちゃん?」


さやか「にんぎょひめさん・・・かわいそうだよぉ・・」

きょうすけ「そっか・・・さやかちゃんは、にんぎょひめさんに、しあわせになってほしいんだね。」


きょうすけ「よし!おれにまかせろ!」


きょうすけ「○○○○○かめん、さんじょう!」


園児A「はぁ?なんだそのヒーロー?きいたことねーよ。」

きょうすけ「それはそうだよ、だっておれがかんがえた、ヒーローだもん!」

園児B「なんだそれ、だっせー。ちょうよわそー」


きょうすけ「うるさい!さやかちゃんをいじめるやつはこうだ!」

きょうすけ「ひっさつ!ええと・・・ええと・・・」


園児A「なんだよ?なにかするんじゃなかったのか?」

きょうすけ「バ、バイオリンだ!バイオリンがないと、ひっさつわざはでないんだ!」

きょうすけ「でも、ようちえんにもってくるのは きんしだから、ちからがだせないんだ!」


きょうすけ「バイオリンがあれば・・・おまえらなんかバイオリンビームで・・・」

園児B「だいたいおまえばっかり、さやかちゃんとはなしてて、なまいきなんだよ!」ポカッ

きょうすけ「や、やったなー!くそー!キックだ!バイオリンキーック!」

園児A「ふたりにかつつもりか?おもしれーじゃん。この!この!」ポカポカッ



275: 2013/10/25(金) 12:02:11.75 ID:3N38mMej0

さやか「やめてえええええ!!きょうすけくんをいじめないでええええ!!」


きょうすけ「さ、さやかちゃん!」

園児A園児B「!!」


さやか「ぼうりょくふるうひとは・・・きらいだよ!」


園児AB「さ・・さやかちゃん」ガーン


さやか「きょうすけくん・・・ごめんね・・でもあたし・・わかったよ・・・」

さやか「あたし・・・つよくなるから・・・いつまでもきょうすけくんにまもられてばっかりじゃ、ないから・・・」


きょうすけ「はははは・・かっこわるいとこみられちゃったな・・・」


きょうすけ「そうだ!さやかちゃん、こんどコンクールにきてくれないかな?」

276: 2013/10/25(金) 12:03:54.89 ID:3N38mMej0
さやか「こんくーる?」

きょうすけ「ぼくがえんそうきかせてあげるよ!きっとげんきがでるよ!」

さやか「ありがとう・・・おかあさんにたのんで・・ぜったいいくね!」


きょうすけ「いいよ、チケットあげるよただで!ぜったいみにきてね!」

~コンクール当日~


きょうすけ「25ばん、かみじょうきょうすけ・・・きょくは・・・」

きょうすけ「にんぎょひめのいのり」


♪~♪~♪


審査員「!?」ザワッ・・

審査員A「お、おいどういう事だ!?課題曲と違うぞ!?」

審査員B「人魚姫の祈りという曲・・知ってるか?」

審査員C「い、いや・・・知らない・・・」


審査員A「こ・・・この歳でこの曲を自分で作曲!?素晴らしい才能だ・・・
し・・しかし・・審査は審査だ・・・規約にそって行わねば・・・」


♪~♪・・・ピタッ


さやか「・・・・」

277: 2013/10/25(金) 12:04:28.72 ID:3N38mMej0
さやか「す・・すごい・・」パチパチパチパチ


観客「わあああああああああ」パチパチパチパチパチ

観客「すげええええ!?な、なんだこれ!?本当に子供か!?」パチパチパチパチ

観客「いいぞおおおおおお!!」パチパチパチパチパチ


審査員B「そういうコンクールじゃねーから!騒ぐようなノリじゃねーから!
あくまで幼稚園生バイオリニストの育成のため課題曲を弾かせるコンクールだから!!」



審査員A「25番・・・上条恭介君だね?」

きょうすけ「はい!」

審査員B「残念だけど・・・採点できないよ・・・課題曲じゃなかったからね・・・」

審査員C「君の才能は素晴らしいが・・・ルールを守れないのならどうしようもないよ・・・
今度課題曲の場で自作曲を弾くようなことがあればウチが主催するコンクールはすべて
参加を断らせてもらうからね」


きょうすけ「は・・・はい」しょぼん


~~~

さやか「きょうすけくーん!」

きょうすけ「さやかちゃん・・・」


さやか「しんさいんのひとたちに、よばれてたみたいだけど、どうしたの?」

きょうすけ「ええと・・・それはね・・・」

278: 2013/10/25(金) 12:05:13.64 ID:3N38mMej0
きょうすけ「そ、そう!いっぱいほめられた!かな・・・」

さやか「そうだよね!あんなすごいきょく、つくれるんだもん!
おとなたちもほめないわけないよね!」


きょうすけ「でも、ぼくすごすぎるからなー。おとなたち、
100てんじゃたりないって、ぼくにてんすうつけずにかえOちゃった。」

さやか「そうなんだ・・・きょうすけくん・・・かわいそう・・・」


きょうすけ「それよりさやかちゃんだよ!どうだった?ぼくのえんそう?」

さやか「すごかった!」


きょうすけ「なんてんかな?なんてんかな?」ワクワク


さやか「うーんとね・・・」

279: 2013/10/25(金) 12:05:51.92 ID:3N38mMej0
さやか「38点!」

きょうすけ「さ・・・さんじゅうはってん~!?」ガーン

きょうすけ「そ・・それはてきびしすぎるよ・・・さやかちゃん・・・」


さやか「ちがうのー!100てんよりうえなんだよこのすうじは!
ママがおしえてくれたの!ちゃんといみがあるんだよ!!」


きょうすけ「ははは・・・みちはけわしいね・・・ぼく・・もっとがんばらなきゃだね・・・」

きょうすけ「さやかちゃんは・・・もっとよろこんでくれるとおもってたのに・・・」

さやか「ちがうよーきょうすけくん!すっごいよかったんだよ!おちこまないでよ!」

きょうすけ「それは・・ほんとう?」

さやか「ほんとうだよ!どうやってあのきょくつくったか、きかせてよ!」


きょうすけ「じゃあ、またちがうひに、ぼくのいえにきてよ!
このきょくがどうやってできたか、きかせたりないくらい、いっぱいりゆうがあるんだ!」


さやか「うん!」

280: 2013/10/25(金) 12:06:55.09 ID:3N38mMej0
~上条邸~

さやか「○○○○○かめん?・・・いったいなにものなの?」

きょうすけ「ぼくがかんがえたヒーローだよ!
そのしゅだいうたが、「にんぎょひめのいのり」なんだ!」


さやか「そうなんだ。しょうたいはだれなの?」

きょうすけ「おうじさまだよ!いちどにんぎょひめと、はなればなれになったおうじさまが
おなじじかんを、もういちどだけやりなおすのさ!」


きょうすけ「そして、さいごは、にんぎょひめとおうじさまがけっこんするんだ!」


さやか「すごーい。にんぎょひめさん・・・ゆめがかなったんだね!」


きょうすけ「へへっ。またわらってくれたね!やっぱりさやかちゃんはそっちのほうが・・・」

きょうすけ「か・・かわ・・・」

さやか「きょうすけくん?」


きょうすけ「な・・・なんでもない!!よーし、またひいちゃうぞー。」

♪~♪~♪

281: 2013/10/25(金) 12:52:18.88 ID:3N38mMej0
~回想終了~


さやか「きょうすけくん・・・嘘ばっかり・・・幼稚園児にオリジナル曲弾かせるなんて・・・
そんなコンクールあるわけないじゃん・・・」ポロポロ・・


恭介「そうだよ・・・ただ君の笑顔を取り戻したくて・・・見栄を張っていたんだ・・・
オリジナルのコンクールだったと・・後から嘘をついていたっけ・・」


恭介「こんどはどうかな?何点くらいかな・・・?さやかちゃん?」


さやか「点数なんか・・・つけられないよ・・・
こんどはあたしが・・・100点じゃ足りないくらい満たされてるもん・・・」


さやか「でもごめんね・・・恭介・・・腕を治してあげられなくて・・・ごめんね・・・
あたしがあの頃と変わらない・・・怖がりで弱虫なばっかりに・・・」ポロポロ・・・


マミ「美樹さん・・・」


さやか「本当は自分の腕で・・・あたしに聞かせたかったんだよね・・・」


さやか「あたしが・・・聞きたいって言ったから・・本当は弾けないことが辛くても・・・無理して・・・」


恭介「何を言ってるんだい?さやか?」




恭介「僕は紛れも無く、「自分の腕」で演奏したじゃないか。」


さやか「!!」


氷室「そうだ。まぎれもなくこれは「恭介の腕」だ」

282: 2013/10/25(金) 12:54:32.83 ID:3N38mMej0
恭介「これからは氷室さんが、僕の腕になってくれる・・・だからもう、
さやかが気を使う必要なんか無いよ。」


恭介「入院中は色々持ってきてくれてありがとう。僕はこんなお礼しか出来ないけど・・・」

さやか「うん・・うん・・・これは・・・恭介の曲だよ・・・
あの時聞いた・・・恭介の曲だよ・・・」


さやか「あたし今・・・最高に幸せだよ・・・」


さやか「マミさん・・・あたしの願い事・・・叶ったよ・・」

マミ「私はここにいるわよ!?なぜ空を見上げて言うの!?」


さやか「契約なんか・・・する訳ない。」


マミ「人を故人みたいに扱わないで!こっち見て話して!」




283: 2013/10/25(金) 12:57:36.89 ID:3N38mMej0
~病室:恭介発電所~

恭介「巴さん・・・」

氷室「僕たちに質問ってなんの事だい?」


さやか(マミさんが恭介に用があると言ったときは
もしかしてマミさんも恭介を・・・って思ったけど・・・)

さやか(氷室さんも呼び出してる時点で違うよね。ちょっとホッとした。)


マミ「あの・・ですね・・・客観的に・・・一般男子目線から聞かせて欲しいんですけれど・・」モジモジ


マミ「私の身体・・・どう思います?」


氷室恭介「「え?」」


さやか(えええええええ!?ちょ、ちょっとマミさん、それは・・・
3人、いや・・・あたしをいれて4人でのお誘い!?大胆すぎるでしょあんた!)



恭介「「いや・・あの・・その・・すごくおおき・・」」


マミ「太って・・・無いですよね・・」ウルウル


氷室恭介「「はい?」」


さやか「あ・・・マミさん・・・まだ気にしてたんすね。」

284: 2013/10/25(金) 12:58:33.69 ID:3N38mMej0
マミ「ごめんなさい・・・変なことを聞いて・・・」

マミ「でも、なんだかそういうイメージを持たれてるようで・・・気になって聞いてみたの。」


マミ「そうね・・・美樹さんと比べて太ってるか太ってないかだけでも教えてくれないかしら?」


恭介「あのですね・・・それは・・・」


恭介(どどどど、どうしよう!?そんなことないです!すっごいスタイルもいいし可愛いよ!
って言いたいけど、それはさやかがいる前で他の女の子を褒めるって事だよ!!
ぼ、僕には出来ないよ!どうするんだ・・・どう発言すればいいんだ!?)チラッ


さやか(ええい、恭介!こっちを見るな!アンタ、男でしょ!女の子を泣かせないために
気の利いた一言でもいってあげなさいよ!!)


氷室「ふむ、それは・・・内面的なキャラクターのイメージの違いだね。」


恭介さやか「「え?」」


マミ「内面的な・・・キャラクター?」

285: 2013/10/25(金) 12:59:17.91 ID:3N38mMej0
氷室「逆にさやかが巴さんほどセクシーキャラのイメージが無いのはそういう事だ。」

氷室「二人の間に誤差はあれど、スタイルの差は無いといっても過言ではない。」

さやか「誤差!?主に胸か!?胸って言いたいのかこのやろー!!」ぷるん

恭介「落ち着いてさやか、誤差って言ってるじゃないか。」


恭介(やっぱり、さやかのも・・大きい・・)ドキドキ


氷室「さやかはやんちゃ娘。巴さんはお母さんお姉さんのイメージ。これは・・双方自覚してるかな?」

マミ「お・・お母さん・・」

さやか「はいはい、どうせおてんば人魚ですよ。」


氷室「活発なイメージがある子とお母さんのイメージがある子。
抱きしめる前にどちらがやわらかそうかといえば、後者だ。」


氷室「さやかはさやかで、実は「こんなに女の子らしかったのか」っていう萌えポイントもあるけどね。」

さやか「あの・・その・ありがと。」ドキドキ


さやか(やっぱり・・・なんか、氷室さんの言う事・・心にくる物があるんだよな・・・
恭介のこと好きなはずなのに・・おかしいな・・)


286: 2013/10/25(金) 12:59:53.28 ID:3N38mMej0
氷室「やがて、この「お母さん」のイメージが勝手に暴走して巴さん本人とは別のベクトルに
向かっていく。」

氷室「つまり、一般的なお母さんのイメージ。ふくよかな女性だ。」


氷室「これが先ほどの「やわらかそう」なイメージと同一してしまい・・・
いつのまにか・・・「巴さん」=「ふくよかな女性」のイメージになってしまうんだ。」


マミ「そ・・・そうだったんですか・・・」


氷室「もっと言えば・・・そこまで胸が大きいのなら・・身体ももっと太っていなければ
おかしいはずっていう先入観も含まれるからね。」


マミ「胸・・・が原因の一つでもあるのね・・複雑だわ・・・」

さやか(あれ?マミさん・・・?セクハラスルーしてますよー)


氷室「結論から言えば、太っていない。
胸が大きいのにちゃんとくびれてるのはおかしいとさえ言えるレベルでセクシー、工口いっ!」


マミ「ええええ///いや・・あの・・その・・・」

マミ「あ・・ありがとうございます・・・」

さやか(ありがとうじゃないよ!セクハラだよ!あんた氷室さんに落ちかけてるじゃんかよ!)


氷室「そして、実は巴さん並にセクシーなさやかはもっと評価されるべき。」

さやか「ななななな・・・///・・・あ、あたしがマミさんと同じくらい!?
バ、バカ言ってんじゃないの!!褒めたってナニもしてあげられないわよ!」


さやか(あたしもかよ・・・あたしもセクハラが褒め言葉に感じるほど氷室さんに
落ちかけてる・・・きょ・・恭介、このときめきを止めて・・・)

さやか(恭介が一言、「さやかの身体は僕のものだ!」って言ってくれるだけでいいのよ!
それだけで、あたしはもう何も怖くないのに・・・)


恭介「うっ・・」ポタッポタッ(鼻血) 
さやか「恭介!?」

287: 2013/10/25(金) 18:34:53.71 ID:3N38mMej0
さやか「ほら、恭介・・・じっとしてて」フキフキ

恭介「・・・ごめんさやか・・・改めてさやかを意識したら・・・
興奮しちゃって・・」


恭介「作曲するのに大変で・・・ちゃんと処理して無かったから・・・」

さやか「鼻血を?」

恭介「あ・・・もういいです。詮索しないで。」


マミ「それじゃあ・・・最後に一つだけ聞かせてください。」

氷室「ナニかな?」

マミ「私と美樹さん・・・氷室さんの好みに近いのはどちらですか?」ドキドキ


さやか「え」

288: 2013/10/25(金) 18:38:53.90 ID:3N38mMej0
さやか(マ、マミさん!?それ、完全に氷室さんのこと遠まわしに好きだって言ってるじゃん!)


さやか(あああああ!氷室さんを見つめる目が完全に乙女だよ!ちょっと前のあたしだよ!)

さやか(頼んだよ、氷室さん!さっきみたいに気の利いた答えをいってあげてよ!
ここは嘘でもマミさんと答える場面だよ!!)



氷室「どちらかと言えばさやかだね」キッパリ


マミ「」



さやか(おおおおおおおおおおい!?空気よんでくれえええええええええ!!)


さやか(な、なんだよコイツ!?無神経かつ鈍感だよ!!なんて事してくれたんだ!
迷い無くあたしだって答えやがった!!)


さやか(この感覚・・・覚えがある!恭介!!まさしく氷室さんの無神経さと鈍感さは
恭介の物なんだよ!!)


さやか(・・・あたしも・・・氷室さんを好きかもって想ったのは・・・
恭介に似てたから・・・なんだね・・・ちょっと安心したよ・・・)



マミ「うっ・・うっ・・」ポロポロ・・・


さやか(・・・こっちは、深刻だけど・・・)

289: 2013/10/25(金) 19:15:00.97 ID:3N38mMej0
マミ「・・・」しょぼん

さやか「お、落ち着いてねマミさん・・・あくまで好みの問題だから・・」

さやか「それに・・・あたしが氷室さんを好きになるって事はありえないから・・・
(揺れかけた原因もわかったし・・・)」

さやか「マミさんの努力次第で・・どうにでもなるんだよ!」


さやか「そもそも、氷室さんが早乙女先生みたいに見た目若いだけで30超えてたらどうするのさ!
大学生くらいならギリギリだけど、20歳の差は大きいって!」


マミ「それでも・・・氷室さんのこと、バイオリン仮面のこと、ちょっと素敵な人だなという想いは、変わらないわ。」


さやか「そ、そうだ!きょ、恭介!こっちがあたしの弁当。
こっちがマミさんの弁当。食べてみたいのはどっち?」


恭介「え?」

290: 2013/10/25(金) 19:15:39.41 ID:3N38mMej0
さやか「ちなみに、マミさんは昨日あたしの家に泊まった!
同じ食材で純粋に料理の腕の差が出るお弁当です!!」


恭介「正直に言うと・・・巴さんのお弁当のほうがおいしそうだな。」


マミ「!?」


さやか「マミさん!わかった?こういう事!男が答える回答なんて、
いつでも気まぐれで付き合ってる女の子でも裏切るときがあるの!」


さやか「本当に氷室さんが好きなら、その場その場の受け答えに惑わされてちゃ駄目!
相手の心を芯で捉える覚悟がなきゃ。」


マミ「み・・美樹さん、あ・・・ありがとう・・・少し勇気が出たわ。」


さやか「そして、恭介には悪いけど、マミさんのお弁当じゃなくてあたしが作ったやつ、
食べてってね。」コトッ


恭介「え・・・?」

291: 2013/10/25(金) 19:45:23.63 ID:3N38mMej0
さやか「なによ、やっぱり嫌だった?」


恭介「そ、そんなはず無いだろ!わざわざ僕の分まで作ってくれてたなんて、嬉しいに決まってるじゃないか!」


恭介「早速いただくよ。徹夜してたから病院食はたべそこねてて・・・」カパッ


さやか「そ・・そうなんだ・・・」

マミ「・・・そろそろお邪魔かもね・・私も・・学校へ行くわ。」


さやか「マミさん・・・またね。あたしはもう少し恭介の面倒みてくよ。」

マミ「ええ。学校で会いましょう・・それとももっと遅くなるかしら?」


さやか「マ、マミさん!!///からかうなら、はやく出てってよ!」

バタン


恭介「ごちそうさま」

さやか「はやっ!!もうちょっと味わって食べてよー。感想とか聞きたかったのにー」

さやか(もっといえば・・・「あーん」とか・・・)


恭介「ごめんごめん。言っただろ?ずっと曲を書いていたって。本当言うと早くなにか
食べたくてしょうがなかったんだ。」

さやか「うん。食いっぷりとか見てると・・・そこはさすがに男の子だねって思うよ。」


さやか「それで、どうだった?感想聞かせてよ!」

恭介「うーん・・・正直いうと・・38点なんだよね。」


さやか「うぉおい!手厳しいなオイ!」

さやか「・・・まぁでも・・・料理に関して言えば・・・正直に言ってくれたほうがいいのかな・・」


恭介「もっと正直に言えばさやかが作ってくれるだけで嬉しいんだよ。味なんてどっちでもいい。」

さやか「きょ・・・きょうすけ・・・///」


292: 2013/10/25(金) 19:46:11.93 ID:3N38mMej0
恭介「それでも・・・さやかが上手くなりたいのならいつでも味見させてもらうよ。」

恭介「とはいっても・・・将来的に僕が料理することになるかもしれないんだけどね・・・」


さやか「なんで?」

恭介「バイオリンで食っていく道は諦めたからね。
もしかしたらさやかに働いてもらって専業主夫になるかもしれない。」

恭介「さやかの分の食事も僕が作る事になるかもしれないんだよ」


さやか「あのね・・・///恭介・・それ・・・」

さやか「結婚する前提での話になってるよね・・・///」


恭介「あ」


恭介「ごめん・・・また、無神経だったかな・・・」


さやか「ううん・・すっごい嬉しい。」

さやか「でも言わせて・・・恭介の・・・バカ・・・///」

293: 2013/10/26(土) 14:57:29.33 ID:gYlI6Sbr0
その日の夜


店員「いらっしゃいませー」

杏子「あんまんだ。今残ってる分全部もらうぜ」キョロキョロ

店員「?4つで420円です」

杏子(マミのヤツはいないな・・・さやかや仁美のおっOいも
十分あんまんに擬態できる大きさだけど・・・安心していいかな。)


杏子「500円で払うぜ。ちょっと待ってな」ガサゴソ

杏子「あれ?なんだこの財布?こんなに奥行きあったっけ?」


???「財布では無い!!」


バイオリン仮面「君が手を入れてるそれは、私の社会の窓だ!!」ダバァアアアアアン!!


杏子「うわあああああああああああああ!?」

店員「!?レジに人が寝そべっている!?な、なんなんだコイツはああああああ!?」

294: 2013/10/26(土) 14:58:35.68 ID:gYlI6Sbr0
バイオリン仮面「私の名は、バイオリン仮面!!」

杏子「バ・・・バイオリン仮面!?そうか、あんたが噂のイレギュラーってヤツか!!」


杏子「ってイレギュラーすぎんだろ!!」ズコーッ


店員「け・・・警察・・いや、病院に連絡だ!!」

バイオリン仮面「待ちたまえ。すぐに出て行く。私はこの子が買う分のお金を払いに来たんだ。」ゴソゴソ

杏子「へ、変なところから出そうとしてるんじゃねーよ!!それに余計なお世話だ!」

杏子「ほらよ!500円!釣りはもういらねーぜ!!」


店員「お客さん!それ500円じゃないよ!」

杏子「え?」

バイオリン仮面「それは、私の社会の窓から出したギターピックだ!」

ギターピック「・・・」ほかほか


バイオリン仮面「生温かいだろ?」

杏子「うぎゃああああああ!!き・・きったねえええええええ!!!!!」ペシッ


バイオリン仮面「すまんが君、500円玉が奥のほうに入っててね。私の股間からひっぱりだしてくれないか?」

店員「は・・・はぁ!?」


~~~

店員「ご、ご来店ありがとうございました~」

店員「またのお越しを・・・」


店員「待てません。」


295: 2013/10/26(土) 14:59:09.10 ID:gYlI6Sbr0
バイオリン仮面「さぁ、佐倉杏子。受け取るがいい。それが君のあんまんだ」

杏子「あ・・・あんまんの温かさが変な意味に感じるぜ・・・」


杏子「それより財布だ!あたしの財布をどこにやった!?」

バイオリン仮面「聞くまでも無いと思うがね」ジィー↓


杏子「ズ、ズボンの中!?そ、そんなところに入れてんじゃねーよ!!」

バイオリン仮面「君に手を差し伸べる勇気があるのならいつでもWELCOM!(ようこそ!)」



杏子「ふっざけんな!!」

バイオリン仮面「どうせ盗んだ金だろう?生活費が欲しかったら私の話を聞くがいい。」


杏子「はあ!?」

バイオリン仮面「佐倉杏子、私の事はパパと呼べ!」

296: 2013/10/26(土) 14:59:47.25 ID:gYlI6Sbr0
~帰り道~

杏子「あ、使い魔」

使い魔「ブーン、ブーン!!」

バイオリン仮面「戦わないのか?」

杏子「グリーフシード落とさないやつ相手に戦うなんてゴメンだね。
アンタも手を出すのなら容赦しないよ。適当に人を食わせて魔女にするのさ。」


バイオリン仮面「・・・やはり君はそういう考え方なのか・・・」

バイオリン仮面「私は戦わせてもらうよ。使い魔でも人を殺傷できる能力は十分あるからね。
ほうっておけない。」

バイオリン仮面「だが、私一人では使い魔すら倒す力を持ち合わせてないんだ。
私の力は魔女たちの動きを止めてる間に他の魔法少女にとどめを刺してもらうものだから。」


杏子「だったら、なおさら見逃すしか無いんじゃねーの?
あたしは使い魔を倒すのに力を貸しはしないよ」

バイオリン仮面「そうだろうな・・・ならば、仕方ない・・・」


バイオリン仮面「・・・」ゴソゴソ

杏子「紙袋?ナニが入ってるんだ?」

バイオリン仮面「むん!」バッ


杏子「水色の・・・布!?なんだアレ?」

バイオリン仮面「チェンジ・マスク!!」ピカッ

杏子「水色の布を顔に被った!?でもマスクは変わってないぞ、
バイオリンがプリントされた黒の生地のままだ」


バイオリン仮面「さやか・・・力を貸してくれ」

バイオリン仮面「フォオオオオオオオオオ!!」


297: 2013/10/26(土) 15:00:38.71 ID:gYlI6Sbr0
杏子「!!剣を繰り出した?これがヤツの固有魔法!?」

バイオリン仮面「喰らえ使い魔!スパークエッジ!!」

杏子「ちょっと、ちょっと!ナニしてんのさ!!」ヘンシン!


ガキィン!!(衝突する槍と剣)


バイオリン仮面「!?」

杏子「言っただろ?容赦しないってな。アイツは逃がすんだよ、あたしが決めたことに口を出すのなら、
アンタをパパって呼ぶ話も無しにさせてもらうぜ」

298: 2013/10/26(土) 15:32:24.49 ID:gYlI6Sbr0
~巴部屋~

杏子「ただいまっと。」

バイオリン仮面「お邪魔します」

杏子「言っとくけど、話を聞いてやるためだけに部屋に入れたんだからな。
マミの部屋でナニもすんじゃねーぞ。そうでなくとも男を部屋に入れたなんて知ったら
アイツは卒倒すると思うからな。」

バイオリン仮面(あの使い魔が出た区域は他の魔法少女もいる・・・
あの使い魔が狩られてることを願うしかないな。)


杏子「それで・・?パパと呼べってのはどういう話だよ?」

バイオリン仮面「簡単な話だ。ワルプルギス討伐に向けて、君は私に協力する。
その代わりに私から衣食住すべてを提供してやろうという事だ。」


杏子「その話、本当だろうな?」

バイオリン仮面「もう盗みをしないと誓うのならね。」

杏子「そうか・・・パパっていうのはいわゆる養父の意味かい。
いいぜ、本当の話なら協力してやる。だけどあたしがいい子ちゃんになった訳じゃないからな。」


杏子「わざわざ盗みに行くのが面倒だから施しをくれる者にノッてやってるだけさ。」

バイオリン仮面「それでも構わないさ。君が盗みをしなくなる結果には変わらないからね」

杏子「・・・マミと同等のお人よしかい?アンタ。」


バイオリン仮面「さて、財布を返そうか。当分の生活費を入れておいた。
元々のお金は強奪した物だから警察に届ける。問題ないね?」

杏子「だ!か!ら!財布が生温かいっつーの!くれた金でソッコー新しい財布買うからな!」


299: 2013/10/26(土) 15:33:03.89 ID:gYlI6Sbr0
バイオリン仮面「それとだ杏子、ワルプルギス討伐までの特訓は私が見てやるからな。」

杏子「はぁ!?特訓?必要ねーよ。あたしはマミと別れても一人で生き延びて来たんだ。
あたしの実力が疑わしいのなら実戦で証明してやるぜ?」


バイオリン仮面「だが、君はとある能力を失ったはずだ。」


杏子「!!」


バイオリン仮面「それを取り戻さなければ、いくら体術が素晴らしくても
余計なダメージを受けることは必至だろう。」

杏子「あんな力・・・いらない・・・もう欲しくも無い・・・」

バイオリン仮面「なぜだ?」

杏子「・・・あんたに言う義理はねーよ。」


バイオリン仮面「協力関係を築くために・・・もう少し素直になってもらわなければ困るのだが・・・」

バイオリン仮面「仕方ない・・・聞き出すとしよう!」バッ

杏子「バイオリン!?そんなものどうするつもりだ!?」


バイオリン仮面「3曲!!「萌えか?そこが萌えなのか?」」♪~♪~♪


杏子「おい!?うるせーぞ!ここはマンションだってわ・・すれ・・た・・か・・」

♪~♪~♪

杏子(!?口が・・・思い通りに動かない?いや・・違う・・・勝手に動く・・・!?)

杏子「あたしが・・・能力を手放した理由は・・・」

300: 2013/10/26(土) 17:06:33.93 ID:gYlI6Sbr0
~~~

バイオリン仮面「そんな事があったのか・・・ほむらさんに聞いた話では股聞きだったから、
いまいち詳細が解らなかったよ」

♪~♪~♪

杏子「本当はあたしは・・・マミさんに会いに来ただけだったんだ。」

杏子「それで、もしマミさんが変わらずに優しい笑顔のまま迎えてくれたら・・・ごめんねって言いたくて・・」

杏子「でも・・・あの頃あたしがいた場所に・・・
マミさんの優しさに魅せられた他のヤツがいるって思ったら・・・なんだか寂しくて・・・悔しくて・・・」


杏子「本当は素直に謝れば・・・マミさんなら許してくれるって知ってる・・・でも、
その優しさがかえってあたしを苦しめるんだ・・・」

杏子「だって・・・あたしが・・・あたし自身を許してないから・・・」

杏子「家族を氏なせたあたしは・・・本当は誰からも許されちゃいけないんだ・・・
でも、マミさんはそんなあたしに優しくしようとする・・・それがたまらなく痛い。」


杏子「だから・・・マミさんを攻撃した・・・マミさんさえあたしを悪の魔法少女だと
罵ってくれれば、何もかも自業自得にできる気がして・・・あの頃のあたしを正当化できる気がした。」

杏子「でも本当は・・・違うんだ・・・マミさんはあたしにとって残された最後の家族なんだ。」

杏子「本当はマミさんに否定されることが解決方法じゃないってことも頭では理解できてる・・・
マミさんが友達としてじゃなく・・・家族としてアタシを迎えてくれたとき・・・
あたしは・・・あの時の事を自分で許せる気がするんだ。」


杏子「マミさんはあたしにとっての姉さんだ。でも・・・家族を救えなかったあたしに・・・
またあの暖かさに甘える資格なんか無い気がして・・・」

♪~♪・・・ピタッ


杏子「ハッ!?」


杏子「て、てめえ!?ナニしやがった!!な、なんでアタシの口から・・・デタラメばかり言わせやがるんだ!!」

バイオリン仮面「デタラメでは無い!」



バイオリン仮面「それは君の本心だ!!」


杏子「なん・・・だと・・・?」


【まどマギ】さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」【中編】タキシードの物語

引用: さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」【前編】タキシードの物語