穂乃果「でもイタズラは失敗かあ。イメトレしてきたのに」ﾜｼﾜｼ

ことり「あはは……」

穂乃果「よーし。じゃあ次は海未ちゃん！　海未ちゃんにイタズラしに行こう！」

ことり「あっ、穂乃果ちゃん。せっかくだから仮装して行かない？　実は衣装も作っておいたの」

穂乃果「おお！　さっすがことりちゃん！」

ことり「ではでは早速着替えましてー……海未ちゃんちへれっつごー♪」

穂乃果「おーっ！」

――園田家　前――


穂乃果「海未ちゃんちに来たよ！」

ことり「はああああ♡　穂乃果ちゃんの悪魔コス、すっごく可愛いよぉ！」ﾔｰﾝ

穂乃果「えへへ///　そうかな？」ﾃﾚﾃﾚ

ことり「持ち前の純粋さもあって、まさに小悪魔って感じ！」

穂乃果「ありがとう！　ところで、ことりちゃんのそれは……」

ことり「スパ●ダーマンだよっ」

穂乃果「……」

ことり「お母さんがDVD借りててね。一緒に観てたらハマっちゃって～」ﾔﾝﾔﾝ

穂乃果「そ、そうなんだー……」

ことり「結構本格的でしょ～？」

穂乃果（これ、顔まで完璧に隠れてるのに、ぴったぴたのタイツにことりちゃんのナイスなボデーラインがまったく隠れていなくて……）

穂乃果（……やば///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ことり「穂乃果ちゃん？」

穂乃果「……はっ！　そ、そんなことより、海未ちゃんにイタズラしなくちゃ！」

ことり「あくまで目的はイタズラなんだね……」

穂乃果「うひひ。今度こそ、希ちゃん直伝わしわしMAXだよ！」

ことり（大丈夫かなあ）

穂乃果「さあ、海未ちゃんっ！　トリッ――」ｶﾞﾗｯ

海未「悪霊退散ッッッ！！！！！」ﾋﾞｼﾋﾞｼｯ

穂乃果「！！？？？　痛ッ！！　いったッ！！？？？」

ことり「わっ！？」

海未「このッ！　悪霊ッ！　悪霊退散ッ！！　……って、なんだ穂乃果ですか」

穂乃果「」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

海未「大丈夫ですか？」

穂乃果「‥…うぅ、ひどい、ひどいよ海未ちゃん。いきなり……なにこれ、アメ？　アメ投げつけてくるなんて」ｸﾞｽﾝ

海未「すみません。家の前からよからぬ気配を感じたもので」

穂乃果「ハロウィンなのに、これじゃまるで節分の豆まきじゃん……いや豆よりエグいよこれ」ｸﾞｽﾞｯ

海未「いきなり悪霊が現れたので、つい」

穂乃果「悪霊じゃなくて悪魔だよ！　……じゃなくて穂乃果だよ！！！」

ことり「まあまあ、最初に仕掛けたのは穂乃果ちゃんなんだし、ここはお互い様ってことで……」

海未「ええと、ところでことり……？　なんですかその格好は」

ことり「ことりじゃありません！　ことりはスパ●ダーマンです！」ﾌﾌﾝ

穂乃果「最近ハマってるんだって」

海未「はあ」

海未（しかし、この格好……）ﾁﾗｯ

穂乃果（うん。海未ちゃん、言わずともわかるよ）ﾁﾗｯ

ほのうみ（（……すごく工口い））

ことり「？」ﾁｭﾝﾁｭﾝ

ことり「でも、海未ちゃんからもお菓子貰っちゃったし、イタズラはまた失敗だね」

穂乃果「貰ったと言うより、『くらった』んだけどねー」ｱﾒﾋﾛｲ

ことり「あはは……」

穂乃果「海未ちゃんならお菓子用意してないと思ったんだけどなあ。穂乃果の仕返し大作戦が……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

海未「」ﾋﾟｸｯ

穂乃果「ハロウィンを口実に日頃の鬼レッスンで溜め込んだ恨みつらみを晴らそうと思ってたのにぃ……」

海未「……ほう」

ことり（あっ）

海未「ところで穂乃果」

穂乃果「んー何？　今アメ拾うのに忙しいんだけど」ﾋｮｲ

海未「そんなことより、トリックオアトリートです」

穂乃果「……うん？」

海未「お菓子をくれなきゃ、イタズラしちゃいますよ？」ﾆｺｯ

穂乃果「へっ？」

海未「さあ」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

穂乃果「……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

海未「どうしたのです？　まさか、自分から仕掛けておきながらお菓子を用意していないと？」

穂乃果「え！？　えーっと……はい、アメ」

海未「それは私が今さっき投げたヤツです」

穂乃果「……ダメ？」

海未「……イタズラを執行します」ｶﾞｻｺﾞｿ

穂乃果「ちょ、ちょっと待って！？」ｱｾｱｾ

海未「覚悟して下さい」ｶﾏｴ

穂乃果「えっなにそれ弓！？　引いちゃうのっ？　弓引いちゃうの！？」

海未「安心して下さい。おもちゃですので、ほら、先端も吸盤です」

穂乃果「いやこわいから！　海未ちゃん構えが本気すぎてこわいから！」

海未「悪魔狩りの時間です」ｸﾞｸﾞｯ

穂乃果「ひぃぃっ！？」

ことり「う、海未ちゃん落ち着いて！　お菓子ならあるから、ね？」ｱｾｱｾ

穂乃果「そうだった！　ほら、海未ちゃんこれ！　美味しそうなマカロンでしょ！」ｽｯ

海未「おお、確かに可愛らしくて――って、これはことりが用意したものではありませんか？」

穂乃果「ふたりで持ってきたんだから、セーフだよ！　ね！」

ことり「海未ちゃん、ね？」

海未「……まあ、そういうことにしておきましょう」ﾊｧ

穂乃果「助かった……」ﾎｯ

海未「せっかくですので、ふたりとも上がっていきますか？　ことりのお菓子もありますし、お茶をご用意します」

穂乃果「やったー！」

ことり「ありがとう、海未ちゃん！」

海未「どうぞ」ｺﾄｯ

ことり「海未ちゃん、ありがとう」

穂乃果「いやあ、この時期にこの格好はさすがに冷えるねえ」ｽﾞｽﾞｯ

ことり「穂乃果ちゃん、おばさんくさいよ？」

海未「しかし、まさかふたりが仮装までして来るとは思いませんでしたよ」

穂乃果「この衣装、ことりちゃんが作ったんだよ」

海未「そうでしたか。さすがは衣装担当ですね」

ことり「えへへ」

海未「ですが、その衣装担当がまさかスパ●ダーマンで来るとは……」

穂乃果「ホントだよ……ねえ、そろそろマスクくらい取ったら？」

ことり「ん、それもそうだね」ﾇｷﾞｯ

ことり「……ふぅ。全身タイツって意外と蒸れるんだねえ」ﾌｧｻｯ

ほのうみ（（……色っぽい））

穂乃果「穂乃果、クモは嫌いだけど、これはちょっとやばいね」

海未「はい。こんなクモになら、ネバネバの糸で緊縛プレイというのも悪くありませんね」

穂乃果「海未ちゃんきもちわるいよ」

海未「……すみません」

ことり「ところで、海未ちゃんも今日はハロウィンに備えてたんだね」

海未「いえ？　最近よく乾燥するので飴を常備しているのです」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

穂乃果「うっ、今は凶器にしか見えない」

ことり「不運だったね」

穂乃果「まったくだよ……今日は仮装して、いっぱいお菓子食べて、いっぱいイタズラするはずだったのにー！」

海未「ハロウィンをなんだと思っているんですか……」

ことり「あはは……」

穂乃果「でもでも、このお祭り感？　楽しみたいじゃん！」

海未「まったく高校生にもなって……」

穂乃果「いやいや海未ちゃん、渋谷のハロウィンとか知らない？　大人でもスゴいからね今」

海未「私はああいうタイプの大人は苦手ですけどね」

ことり「小さい頃は仮装パレードとかやってたよね」

穂乃果「そう、それ！　ずっと羨ましかったんだよねー」

海未「行ったことないんでしたっけ？」

穂乃果「うん。ほら、うちはこの時期すごく忙しいし……」

海未「ああ、そうでしたね」

ことり「今日はお手伝いは？」

穂乃果「やってるよ！　雪穂が！」

海未「……雪穂にはあとでお菓子を差し入れましょう」

穂乃果「えー！？　なんで雪穂ばっかり！」

海未「……要ります？」ｶﾏｴ

穂乃果「待ってごめん、アメ持たないでこわい」

海未「しかし、穂乃果も毎年穂むらで頑張っていたわけですし、今年くらいは大目に見ても良いのかもしれませんね」

穂乃果「海未ちゃん……！」ﾊﾟｱｱ

海未「季節のイベントを楽しむ、ということ自体は私も嫌いではありませんし」

ことり「よかったね、穂乃果ちゃん♪」

穂乃果「うん！　よーしっ、今日はハロウィンパーティだー！」

海未「ふふっ。あ、どうせなら夕食もうちでどうでしょう？　今からならお母様に――」

ことり「あっ待って海未ちゃん！」

海未「はい？」

ことり「これからハロウィンパーティなんだから……はいこれ！　海未ちゃんの衣装！」

海未「……へっ？」

ことり「まずは仮装しないと！　ねっ？」

海未「い、いえっ、私は結構です！　仮装なんてしなくてもパーティはできるでしょう！？」ｱｾｱｾ

ことり「え～でもぉ……ねぇ？」ﾁﾗｯ

穂乃果「穂乃果もことりちゃんも、ちゃんと仮装してきたんだからあ……」ﾁﾗｯ

ことほの「「海未ちゃんだけ私服なのはおかしい！」」

海未「おかしいのはあなた達の格好です！」

穂乃果「もう！　ことりちゃんがせっかく用意してくれたんだよ？」

ことり「海未ちゃあん」ｳﾙｳﾙ

海未「うぅ……そ、それでも私は着ません！　絶対に！」ﾀﾞｯ

穂乃果「あっ逃げた！」

ことり「まかせて！」ﾋｭﾝｯ

海未「！？　ちょ、縄！？　なぜ縄なんて持ってるんですか！？？」

ことり「うふふ。こういう展開は想定してたからね」

海未「ちょっ、嫌です！　放してください～～！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

ことり「だーめ♡　海未ちゃん、もう逃さないよぉ？」ﾌﾌﾌ

海未「」ｿﾞｸｯ

穂乃果「念願の緊縛プレイだね」

海未「や、やめてください～～～～～～～！！！！！」

海未「……ぐすん」

ことり「やーんっ！　海未ちゃん、か・わ・い・い～！」

穂乃果「海未ちゃんは天使の衣装なんだね！」

海未「なぜです……なぜ私まで……」

ことり「すっごく似合ってるよ！」

海未「スカートの丈が短すぎます！　それにおへそまで……うぅ」ｵﾅｶｶｸｼ

穂乃果「癒やし要素の足りない海未ちゃんにはぴったりな衣装だね」ﾆｼｼ

海未「……穂～乃～果～！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

穂乃果「ちょっやめっ！　また弓なの！？　なんでまだ持ってるの！？」

海未「天使には付き物かと」

穂乃果「悪魔だよ！　悪魔のようなしつこさだよ！」

ことり「海未ちゃん、海未ちゃん。せっかくのパーティだよ？」ﾂﾝﾂﾝ

海未「う……すみません。しかし、ハロウィンの仮装と言えばもっとこう、お化けとかそういう……」

穂乃果「もー海未ちゃんはぐちぐちうるさいよ！　そんなに可愛いのにさあ！」

ことり「そーだそーだ！　そんなに可愛いくせに！」

海未「なっ///　やめてください！///」ｶｱｱ

穂乃果「天使！　リアル天使！　可愛すぎかこのやろー！」やいのやいの

ことり「そーだそーだ！　らぶあろーしゅーとしやがれこのやろー！」やいのやいの

海未「やめてくださいッ！！！///」

海未「と、とにかく！　皆着替えたことですし」←天使

穂乃果「今度こそ、パーティ始めよっか！」←悪魔

ことり「うん♪」←スパ●ダーマン

ほのうみ「「……」」





ほのうみ（（　……なんかシュール！！！　））

ことり「？」ﾁｭﾝﾁｭﾝ

ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ

穂乃果「いやあ、美味しいねえ。やっぱりことりちゃんのお菓子は最高だよお」

ことり「あっお菓子全部なくなっちゃったね」

海未「まったく‥…夕食前ですよ？」

穂乃果「大丈夫！　このくらいの間食、穂乃果にとっては朝飯前だよ！」

海未「ややこしい自慢ですね」

ことり「あっそうだ。実はふたりのために『特別な』マカロンも作ってきたんだ～」ｺﾞｿｺﾞｿ

穂乃果「えっ！　なになに！？」

ことり「じゃーん！　はい、穂乃果ちゃんと海未ちゃん、ひとつづつどうぞ♪」

穂乃果「わーい！」

海未「さっきのパンプキン味より、いっそう鮮やかな黄色ですね」

穂乃果「どういう特別なの？」

ことり「うふふ。それは食べてからの、お・た・の・し・み♡」

穂乃果「じゃあさっそく、いただきまーす！」ﾊﾟｸｯ

海未「いただきます」ﾊﾟｸｯ

もぐもぐもぐ……

ほのうみ「「ｺﾞﾌｯｯｯｯｯｯ！！！？？？？？？」」

穂乃果「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ……うっ、おぇっ」

海未「んぶっ……ｹﾞﾌﾝｯ……えっふ……」

ことり「うふふっ♡　イタズラ大成功～～～♪」ﾙﾝﾙﾝ

穂乃果「ちょっ、ことりちゃん、これぇ……」

海未「『からし味』、ですか……？」

ことり「あったり～♪」ｴﾍﾍ

穂乃果「そういえば、ｺﾞﾎｯ、穂乃果たち……」

海未「ことりにはお菓子、ｺﾞﾌｯ、あげていませんでしたね……」ﾅﾐﾀﾞﾒ

ことり「やっぱり、ひとりくらいはイタズラ成功させないと～、ね？」

ほのうみ「「～～～～～～っ」」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ほのうみ「「こ　と　り　（ち　ゃ　ん）～～～～～～！！！！！！！！」」





ちゅん(・8・)ちゅん

やっぱりことほのうみがナンバーワン