234: 2007/12/25(火) 00:27:55.17 ID:mygTnphE0

241: 2007/12/25(火) 00:31:16.71 ID:mygTnphE0
??「ただいま帰りましたわー。
   梨ぃ花ぁ、この靴はどなたの靴ですのー?」

露伴と梨花がお互い嫌味を言い合っていると、突如声が聞こえた。
沙都子が帰って来たに違いない。
どたどたと階段を登り、部屋へと入ってくる。

沙都子「梨ぃ花ぁ、いるならお返事しなさい・・・
    あら、お客様がいらしたんですか、失礼しましたわ。」
露伴「いや、勝手にお邪魔してすまない。
   僕は岸辺露伴だ。漫画家を目指している。」
沙都子「露伴さんと言いますのね、私は北条沙都子。
    梨花の友達で、一緒に住んでるんですわ。」
岸辺露伴は動かない 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

242: 2007/12/25(火) 00:32:07.42 ID:mygTnphE0
露伴「あぁ、知っているよ。今日泊めてもらう約束をしたからね。」
沙都子「ちょっと梨花ぁ、私に相談もなく決めないでくださいまし。
    梨花と露伴さんはどういったお知り合いですの?」
露伴「あぁ、漫画の取材でね雛見沢を取材してるんだよ。」
梨花「さっき取材してる露伴に会ったのです。
   露伴は泊まるところがなくてかわいそかわいそなのです。
   僕が泊めて上げないと風邪ひいてがくがくぶるぶるなのですよー。にぱー☆」
露伴「(なんだ、このキャラの変わり方は・・・。
    猫をかぶるってレベルじゃないぞ。)」
沙都子「事情はわかりましたわ。
    ですが、知り合ったばかりの殿方を泊めるというのは・・・。」

245: 2007/12/25(火) 00:34:32.08 ID:mygTnphE0
露伴「あぁ、そうだよな。
   これから夜までの間に沙都子ちゃんが僕を信用できなければ追い出してくれてかまわないよ。」
沙都子「いえ、追い出すなんてことはしませんですわよ。
    ただ、梨花が私に相談もせずに決めたのを責めているんでございますわ。」
露伴「まぁまぁ、とりあえず僕も信用してほしいしね。
   なにかお話でもしようよ。」
沙都子「そうですわね。
    雛見沢の外から来た方のお話を聞くのもおもしろそうですわ。
    漫画家さんってことは、なにか漫画描いていますの?」
露伴「いや・・・。僕はまだ見習いでね。
   有名な先生の手伝いとかしかしたことがないんだよ。
   今度雛見沢で取材したことを漫画にして投稿する予定さ。」
沙都子「雛見沢を取材しても面白い漫画なんて描けるんですの?
    もっと外国とかに行ったほうがいいんじゃありませんこと?」
露伴「いやいや、外国もいいけどね。
   こういう田舎の村をテーマにした漫画だって面白いものがかけるはずさ。」

247: 2007/12/25(火) 00:35:20.72 ID:mygTnphE0
沙都子「ふーん、よくわかりませんわねぇ。
    露伴さん絵は上手いんじゃあありませんこと?何か描いて下さいまし。」
露伴「あぁ、いいよ、沙都子ちゃんはどんな漫画とかアニメを見るんだい?」
沙都子「そうですわねぇ。最近だとレディジョージとか見ますわよ。
    男の子向けだとダンバインとかやってますわ。」
露伴「じゃあ両方描いてやるよ。なにか紙と描く物はあるかい?」
沙都子「この落書き帳でよければ使ってくださいまし。
    描く物は私の筆箱の中身なら使ってくださって結構ですわよ。」
露伴「じゃあ、まずはレディジョージかな。
   アベルとジョージィでいいかい?」

そう言うと露伴はあっというまに描き上げてしまう。
とても当時の漫画家が描くとは思えないほど描き込まれた繊細な絵だった。

248: 2007/12/25(火) 00:35:44.56 ID:mygTnphE0
沙都子「まぁ、素敵ですわねぇ。すごく綺麗ですわ。
    もしかして露伴さん、すごい人なのではありませんこと?」
露伴「ふふふ。将来は売れっ子漫画家になるんだよ、僕は。次はダンバインかな。」

そのあとも露伴は何枚も絵を描き、沙都子を喜ばせた。
沙都子はすっかり露伴が気に入ったようで、露伴の肩に抱きつきながら絵を描く様子を見ていた。

羽入「ロハンと沙都子は仲良しになれたのです。
   よかったのですよ。梨花もロハンと仲良くしてくださいなのです。」
梨花「あいつが猫をかぶるのがうまいだけよ。避けたりはしないけど、仲良くするのも無理ね。」
羽入「あぅあぅ。」

266: 2007/12/25(火) 01:08:22.37 ID:mygTnphE0
沙都子が露伴を気に入り、絵を描かせているうちに夕方になっていた。
すでに梨花は夕食の用意を始めていた。
さすがの露伴も子供をあやしながら絵を描くのは疲れたらしい。

露伴「沙都子ちゃん、そろそろ疲れたから休んでもいいかい?」
沙都子「まだまだだめですわよ。もっと可愛い絵を描いて下さいまし。」
露伴「おいおい、もうらくがき帳も鉛筆も大分減ってきちゃったぞ?
   今日はこのくらいで勘弁してくれよ。」
沙都子「んー、まぁ、仕方ありませんわね。
    雛見沢にいる間に私のためにいっぱい絵を描いて下さいまし。」
露伴「あぁ、今日以外で暇なときなら、いつでもいいよ。」

沙都子は露伴の背中から降りると、らくがき帳と筆箱を片付け始めた。

267: 2007/12/25(火) 01:10:16.85 ID:mygTnphE0
沙都子「露伴さんが雛見沢に来たのは今日からですの?」
露伴「あぁ、そうだよ。今日、こっちに来て神社を取材してたら梨花ちゃんと会ったんだよ。」
沙都子「そうなんですの。それじゃあまだまだいるんですわよね?」
露伴「あぁ、まだあと2週間ちょっとはこっちにいようと思うんだ。
   泊まる場所が決まっていないから、そんなに長くいられるかもわからないけどね。」
沙都子「あらあら。大丈夫ですわよ。
    いつまででも私たちの家に泊まっていってくださいまし。
    ねぇ、梨花ぁ?」

沙都子が台所に向かって話しかけるが、梨花は聞こえないフリをした。

269: 2007/12/25(火) 01:12:09.04 ID:mygTnphE0
露伴「いやぁ、僕も沙都子ちゃんと遊べるのはうれしいんだけど、ずっとお邪魔になるのは悪いしね。
   明日は村で泊まれる場所を探してみようと思ってるんだよ。」
沙都子「そうなんですの。残念ですわね。
    それでしたら、明日は日曜日ですから私が村を案内しますわ。
    私の友達に圭一さんという方がいるのですけれど、
    みんなで圭一さんに村を案内することになっているんですわ。
    露伴さんもぜひ来てくださいまし。」
露伴「へぇ、案内してくれるのはありがたいんだが、いいのかい?
   友達みんなで行くなら、僕が混ざると迷惑だろう?」
沙都子「そんなことありませんわ。
    みんな露伴さんが絵を描けば、あっというまに露伴さんの虜ですのよ。
    ぜひ一緒に来てくださいまし。」
露伴「うーん。そう言ってくれるのは嬉しいんだけど。
   梨花ちゃんもそう言うなら行くかなぁ?」
沙都子「もちろんいいですわよね?梨花ぁ!!」

270: 2007/12/25(火) 01:13:48.83 ID:mygTnphE0
梨花「僕も賛成なのです。人数は多いほうが楽しいのですよ。にぱー☆」

さっきは聞こえなかったはずなのに、梨花が返事をしてきた。
沙都子は嬉しそうな顔をして、再び露伴の背中に抱きついた。

沙都子「決まりですわねっ。明日は露伴さんも一緒に遊びますわよぉ!!」
露伴「ははは、わかったよ。案内よろしく頼むよ。」
沙都子「お任せなさいですわ。村中どこでも案内しますわよ。
    裏山だって、露伴さんになら全部ご覧にいれますわぁ。」
露伴「おいおい、僕はあの靴しかないんだぜ。山は遠慮してくれよ。」
沙都子「それもそうですわね。山はまた今度案内しますわ。
    明日は、みんなでお昼を食べる予定ですのよ。
    私の友人のレナさんという方がいましてね・・・」



沙都子はそのあとも嬉しそうに露伴に話し続けるのだった。
沙都子が眠るまで露伴が開放されることはなかった。

271: 2007/12/25(火) 01:14:09.40 ID:mygTnphE0
チャプ9終わりっすよ
TIPS書くのでお待ちください

278: 2007/12/25(火) 01:33:42.82 ID:mygTnphE0
■TIPS
----沙都子の気持ち----


露伴「ふぅ・・・やっと寝たか。」
沙都子を寝付かせるのに露伴はかなり苦労した。
露伴は子供の相手をするのは苦手だったのでその疲労も一際だ。

羽入「ロハン、沙都子と仲良くなれたのですね。」
露伴「仲良くなったってわけじゃない、この子が勝手に懐いてるだけだよ。」

露伴は沙都子と梨花を起こさないようにスタンドで羽入と会話する。

279: 2007/12/25(火) 01:35:14.26 ID:mygTnphE0
露伴「まぁ、子供は嫌いだったけど、懐かれて嫌な気はしないな。」
羽入「沙都子は、多分とても喜んでいるのです。」
露伴「そりゃあ見てればわかるよ。
   やっぱりいつの時代も子供は漫画が好きなんだな。」
羽入「それもあるのですが・・・。
   沙都子は村の大人達に相手にされないのです。」
露伴「ん?どういうことだ?」
羽入「北条家が村の敵と言われていたのは知っていますですか?」
露伴「あぁ、簡単にはね。だけど、この子の両親は氏んだし、おばも殺されたんだろう?
   この子には何も罪はないだろ。」

280: 2007/12/25(火) 01:36:31.86 ID:mygTnphE0
羽入「だけれど、村での北条家の差別は続いているのです。
   村で沙都子に話しかけてくれる大人は、学校の先生と入江や富竹くらいしかいませんのです。」
露伴「それは、知らなかったな。不憫な子だ。」
羽入「はい・・・。そうなのです。
   だから、沙都子は露伴が自分と話をしようと言ってくれて嬉しかったのだと思います。
   沙都子にとって、露伴は初めてできた大人の友達なのだと思います。
   だから、これからも沙都子とは仲良くしてやってほしいのです。」
露伴「僕が友達、ねぇ。
   僕は取材に来たのであって、友達を作りにきたんじゃないぞ?
   それに、真相を暴いてほしいんだろ?」
羽入「わかっているのです。
   だから、暇なときだけでいいのです。
   沙都子と仲良くしてあげて欲しいのです。」
露伴「・・・。」

281: 2007/12/25(火) 01:37:34.33 ID:mygTnphE0
沙都子「むぅ・・・ん・・・にーにー・・・。
    ・・・露伴さんが・・・絵を・・・んぅ・・・。」

露伴「まぁ、その話は覚えとくよ・・・。」
羽入「ありがとうなのです。明日は、村のみんなとも仲良くしてあげて欲しいのです。」
露伴「あぁ、明日は竜宮礼奈や前原圭一と会えるみたいだからな。
   言われなくても仲良くするさ。」
羽入「それじゃあ僕も寝るのです。おやすみなさいなのです。」
露伴「あぁ・・・。」


露伴は沙都子の寝顔を眺めてみる。
こんな子供が、二人で生活してるのか・・・。
大の大人がこんな子供に差別をしてるなんて、僕は好きになれそうにないな、この村。
露伴はそう思いながら沙都子の寝顔を見ていると、意識が遠のいていくのだった。

18: 2007/12/25(火) 21:11:52.83 ID:BedoYNk00
沙都子「露伴さーん、もう朝ですわよー?起きてくださいまし。
    梨花も、起きるんですわよぉー。」

露伴が目を覚ますと、朝食のいい匂いが部屋いっぱいに広がっていた。
狭い家ならでは雰囲気である。

露伴「ん・・・。もう朝か。」

露伴が沙都子に起されると、羽入がそれを嬉しそうに見つめていた。


19: 2007/12/25(火) 21:14:36.35 ID:BedoYNk00
沙都子「さぁさぁ、露伴さん。私の作った朝食を召し上がってくださいまし。
    お口に合うかはわかりませんが、」
露伴「あ、あぁ、ん?パンじゃないのかい?」
沙都子「あら、露伴さん、普段の朝ごはんはパン食ですの?
    行けませんわよ。朝ごはんはしっかりご飯を食べないと、一日元気に過ごすエネルギーが出ませんでしてよ。」
露伴「ちゃんと同じカ口リー取ればどっちでもいいと思うが・・・」
沙都子「んーもぅ、露伴さんは難しいことを言いますわね。
    とりあえず、うちにはご飯しかありませんでしてよ。
    うちに泊まっている間はご飯をお食べなさいませ。」

21: 2007/12/25(火) 21:17:42.95 ID:BedoYNk00
露伴「そんなに怒るなよ。で、僕の分はこれでいいのかい?」
沙都子「えぇ、露伴さんのは多めにしておきましたわ。
    ほーら、梨花ぁ、さっさと起きなさい。今日はお出かけするんですわよー?」

そう言って沙都子は梨花を叩き起こしに行く。
露伴は朝食に手をつけようとした。

沙都子「露伴さん、ちゃんといただきますを言いまして?
    私には聞こえなかった気がしますわよ?」
露伴「あぁ、悪かったよ。いただきます。」
沙都子「はい、ちゃんと言えました、召し上がれでございますわ。」

23: 2007/12/25(火) 21:24:21.09 ID:BedoYNk00
沙都子「露伴さん、どうですの?
    梨花以外に私のお料理を食べさせたことはありませんの。
    お口に合いまして?」
露伴「・・・・・・ぃょ・・・」
沙都子「聞こえませんですわよ?
    露伴さん、正直におっしゃってくださって結構ですからもっと大きい声で言ってくださいまし。」
露伴「美味しいって言ってるんだよ!!
   2度も言わせるな。2度同じことを言うってのは無駄なんだぞ。」
沙都子「そんなに怒らないでくださいまし。
    聞こえなかったから聞いただけですわよ、もう。」

そう言って沙都子は嬉しそうに頬を膨らました。

26: 2007/12/25(火) 21:31:39.66 ID:BedoYNk00
朝食を済まし、着替えて外出する準備を済ませる。

ちなみに露伴の着替えは羽入が夜の間になんとか露伴の世界から持ってきていた。
人間に比べて物なら移動するのが簡単だったようで、数着程度の小さな質量なら移動できたそうだ。
もちろん、僕のスタンドの余波がなければ元の世界を辿ることはできなかったらしいが。


露伴「それで、今日の予定はどうなってるんだい?
   案内してくれるんだろう?」
沙都子「えぇ、案内しますわよ。
    まず午前中は、近くにある診療所と学校をご案内しますわ。
    そのあと、神社に戻ってきて圭一さんたちと合流する予定でしてよ。」
露伴「そうだな、診療所は僕も知っておいたほうがいいかもしれないな。
   (むしろ、この雛見沢で今最も行くべき場所が診療所だからな)」
沙都子「そうですわね。露伴さんもいつ怪我をなさるかわかりませんし、診療所はしっかり覚えてくださいまし。」
梨花「それじゃあ、診療所まで出発なのです。」

露伴たちは診療所へ向けて出発した。

27: 2007/12/25(火) 21:36:05.05 ID:BedoYNk00
診療所にはすぐに到着した。
診療所は小さな村の診療所としては大きいほうなのかもしれない。
だが、とても未知の風土病を研究する施設のようには見えなかった。

沙都子「ここが診療所でしてよ。
    所長の監t・・・、入江先生はいい人ですから、露伴さんでもちゃーんと診てくれますわ。」
梨花「入江先生は、野球チームの監督をしているので、みんなには監督と呼ばれているのです。
   あと、沙都子が大好きなのです。そろそろ沙都子に気づいて出てくるころなのです。」

梨花がそう言うのと同時に、診療所の入り口から白衣の男が飛び出してきた。

29: 2007/12/25(火) 21:40:36.37 ID:BedoYNk00
??「沙都子ちゃーん、今日はどうしたんですかぁ?
   もしかして、ご主人様に会いたくなっちゃったのかなぁー?」
沙都子「監督は私のご主人様ではないですわよ。露伴さんが誤解するようなことはやめてくださいませ。」

沙都子がいかにも不機嫌という顔であしらう。
彼が梨花が氏亡するのと同時に自頃する入江京介のようだ。

入江「露伴さん?おっと、あなたですか?初めてお会いしますね。」
露伴「えぇ、初めまして。岸辺露伴と言います。
   漫画家を目指していまして、雛見沢には取材できました。」
入江「あぁ、富竹さんが言っていた漫画家さんですね。
   お話は聞いていますよ。初めまして、入江京介といいます。
   この診療所で医師をしております。」

40: 2007/12/25(火) 21:50:58.55 ID:BedoYNk00
露伴「立派な診療所ですね。村の方もこれだけ大きな診療所があれば安心でしょう。」
入江「いえいえ、まだまだ私も若輩者でして、毎日が勉強ですよ。
   今日は、どうかされたんですか?」
露伴「いえいえ、体調はいいのですが、沙都子ちゃんたちが村を案内してくれると言ってくれましてね。
   診療所の場所は覚えておこうと思ったんですよ。あと2週間くらいは取材していく予定ですからね。」
入江「なるほど。何かありましたら、万全の体制で治療させていただきますよ。
   もちろん、ご無事を祈ってますけどね。」
露伴「ありがとうございます。やはり旅先での病気や怪我は厄介ですからね。
   できればお世話になりたくないものですよ。」
沙都子「露伴さん、あんまり長話している時間はありませんことよ?
    もう学校にいく時間があるか怪しいですわ、お昼には神社に戻らなくてはなりませんもの。」
露伴「あぁ、そうだね。ごめんよ。
   それでは入江先生、・・・"また"・・・お会いしましょう。」
入江「えぇ、医師としてではなく、個人としてお会いできることを期待していますよ。
   またお会いしましょう。それでは。」

そう言うと入江は沙都子に二言三言話しかけて診療所へと戻っていった。
入江京介。彼も今年の祟りに深く関わっている人物だ。
必ずまた会うことになるだろうと露伴は思った。

83: 2007/12/25(火) 23:05:39.02 ID:BedoYNk00
露伴が入江と無駄話をしたせいで時間がないらしい。露伴の朝の身支度が長かったのもあるそうだが。
沙都子が一度神社に行き、全員で学校を案内することにしようと提案した。
露伴も梨花もそれに素直に従うことにした。

古手神社につくと、3人の子供の姿があった。
一人は弁当を並べ、残りの二人はなにやら話し合っているようだった。
梨花がその二人に近づき話しかける。

梨花「こんにちわです。」
沙都子「何やら騒がしいから来てみれば・・・これは何事ですのーッ!?」
??「見りゃわかるだろ。ランチタイムだ。ビュッフェスタイル・・・って、
   そっちの人は誰だぁ?」

86: 2007/12/25(火) 23:06:57.55 ID:BedoYNk00
露伴「・・・。僕は岸辺露伴。漫画家を目指している。」
沙都子「露伴さんは取材で雛見沢に来ているんでしてよ。
    今、村を案内してきたところですわ。」
梨花「富竹3号なのです。にぱー☆」

??「へぇ、漫画さんか。初めまして、前原圭一と言います。
   よろしく。」
??「あー、私はー、園崎魅音ッ!以後よろしくぅッ!!」
??「はぅ、竜宮レナです。よろしくお願いします。」

88: 2007/12/25(火) 23:08:21.82 ID:BedoYNk00
露伴「あぁ、初めまして。圭一君に魅音ちゃん、それと礼奈ちゃんだね。」
レナ「あれ?レナの本名・・・知ってるのかな?かな?」
露伴「ん?あれ、今、礼奈って言わなかったかい?
   (・・・ちッ、まずったか?)」
魅音「あははは。露伴さん聞き間違えたのかな?
   レナはレナ。本名は礼奈だけど、私たちはそう呼んでる。」
露伴「そうか、すまなかったねレナちゃん。改めてよろしく。」
レナ「はい、よろしくお願いしますっ。」
沙都子「露伴さんもご一緒してよろしいですわね?
    露伴さんは私のお客人ですのよーッ。」
圭一「露伴さんのぶんはあるが、おまえの食うぶんはないッ!」
レナ「大丈夫だよ、ちゃんと沙都子ちゃんのぶんもあるよ・・・」
圭一「ないッ!沙都子のぶんは俺が頂くッ!!」
沙都子「そんなことは許せませんのーッ!!
    露伴さん、二人で圭一さんのぶんを食べつくしますわよッ!!」
露伴「おいおい、食事にはマナーってもんがあってだな。
   あんまり騒ぐもんじゃあないんだぜ。」

しかし、露伴の制止も聞かずに沙都子と圭一は大騒ぎしながら弁当を食い漁る。

89: 2007/12/25(火) 23:09:46.46 ID:BedoYNk00
魅音「いやー、露伴さん。こいつらは言っても聞かないからねぇ。
   それにしても、沙都子と大分仲がいいんですね。」
露伴「昨日からずっと懐かれてね、寝るまで開放してくれなかったんだよ。」
レナ「仲がいいのはいいことですよね。はい、お皿どうぞ。
   魅ぃちゃんと梨花ちゃんも。」
そう言ってレナがお皿と箸を配る。大分多めに持ってきているようだ。
そりゃあこれだけ大騒ぎするなら汚しちまうから代えが必要だよな。

梨花「・・・僕たちも頑張らないと沙都子と圭一にみんな食べられてなくなってしまうです。」
魅音「そうだね。よし!おじさんたちも参戦といくかな!?」
露伴「言っとくが僕はおじさんって年齢じゃあないからな。」
レナ「あはは。魅ぃちゃんの口癖なんだよ。いっぱい食べてね。
   みんなの分、ちゃんとあるから☆」

91: 2007/12/25(火) 23:12:29.65 ID:BedoYNk00
沙都子「をーっほっほっほ!そのハンバーグは渡しませんわァァアアッ!!」
圭一「あばばば!肘は反則だろ沙都子ッ!!」
沙都子「えッ、襟首を掴むのも反則でございますわよー!」

沙都子「あぁぁー。最後のミートボールゥゥゥウウウウウ!!」
圭一「北条沙都子ッ敗れたりィィィィイイイイ!!
   いただきィーーーッ!! パクッ ・・・あれ?」

92: 2007/12/25(火) 23:14:08.14 ID:BedoYNk00
露伴「ふふふ、圭一君、この岸辺露伴が最も好きなことのうちのひとつを教えてやろう。
   勝利を確信した笑みに敗北を叩きつけてやることだ。
   まぁ、箸から箸で取るのはマナー違反なんだがね。」

そう言って露伴はミートボールを食べた。

圭一「くッ、なら俺はこっちの最後の玉子焼きをッ!!
   あれッ、な、ないッ!!!」
沙都子「をーっほっほっほ!ふでひ、わぁひがいははひまひたわ。
    ふぇーいひふぁん、ろぉふぁんふぁんおふぉうどうふぉ ゴクン 読みきれなかったあなたの負けですわよ。」

沙都子が口に玉子焼きを含んだまま勝ち名乗りをあげる。

圭一「くッくッそォォォォォオオオオ!!!」
露伴「沙都子ちゃん、口に入れたまま喋るのはどこの国でも許されないマナーだぞ。」

こうして激しい戦いの幕は閉じられたのだった。

101: 2007/12/25(火) 23:53:39.73 ID:BedoYNk00
水筒のお茶が配られ、皆くつろぎはじめた。
すると自然とは話題は露伴のことに向かう。

圭一「露伴さんは漫画家さんなんだよな?俺たちが知ってる漫画とか描いてたりして。」
露伴「いやぁ、まだ見習いなんだよ。だからお手伝いばっかりさ。」
沙都子「でも露伴さんの絵はすごいんですのよッ!私、あんな綺麗な絵を見たことありませんでしたわ。」
魅音「へぇー、じゃあさ、露伴さんなんか描いてよ。」
レナ「はぅー、かぁいいやつがいいなぁ。」
露伴「あぁ、構わないけど、紙とペンがないぜ?」
沙都子「大丈夫ですわ。こんなこともあろうかと、らくがき帳を持ってきてありますのよ。」

そのとき、ニヤリと魅音が微笑む。

103: 2007/12/25(火) 23:56:49.53 ID:BedoYNk00
魅音「そうだ、いいこと思いついた。
   レナ、デザートは用意してあるよね?」
レナ「うん。ちゃんとリンゴのうさぎさんが用意してあるよー。」
魅音「それじゃあね、これからみんなで絵を描こう。
   お題は露伴さんに決めてもらって、露伴さんに採点してもらう。
   ちなみに、ビリはデザート抜きッ!これでどうッ?」
露伴「僕は構わないが、僕の採点はどうなるんだ?」
魅音「露伴さんに勝てるわけないじゃーん。
   露伴さんは、採点したあとお手本を書いてくれればおっけー。」
圭一「その話乗ったぁぁぁぁあ!!
   今度こそ沙都子を痛い目に合わせてやるぜぇえええ!!」
沙都子「圭一さん。私を甘く見ないでくださいまし。
    昨日露伴さんが絵を描くのをみて修行しておりますわよーっ!
    露伴さんの好みは大体わかってますわ。」
圭一「へっ。俺だって親父が画家だぞ。
   沙都子には悪いが本気を出させてもらうぜっ!」
魅音「レナも梨花ちゃんも、おっけーだね?」
梨花「僕はなんでも大丈夫なのです。」
レナ「んー、自信ないけど、私も大丈夫だよ。」
魅音「よっしゃぁ、それじゃあ露伴さんお題を出してちょーだいっ!」

105: 2007/12/26(水) 00:02:28.99 ID:+6qFz/a90
露伴「うーん。本当なら難しいお題を出したいんだけど、
   まぁ、簡単なやつで、犬と猫を描いてもらおうかな?」

露伴がお題を出したとたん、全員背中を向き合わせて絵を書き出した。
他人に真似されるのを避けようとしているようだ。

露伴がお茶を飲んでくつろいでいると、全員が描き終った様である。

魅音「よし、それじゃあみんな一斉に見せるんだよー?
   いっせーの、せっ!」

107: 2007/12/26(水) 00:04:20.04 ID:+6qFz/a90
魅音が掛け声をかけると、露伴の目の前に5枚の絵が並んだ。
皆、犬と猫を1匹づつ描いたようだったが露伴の目から見て犬と猫は3匹づつしかいなかった。

露伴「えーと、採点基準は僕の判断でいいのかい?」
魅音「うん。露伴さんの好きにしてっ!」

露伴「まぁ、一番は魅音ちゃんかなぁ、絵は得意なのかい?」
魅音「えへへー。一応、婆っちゃに水墨画とか習ってるしねー。」
露伴「へぇ。水墨画かい。ちょっと興味あるな。今度お婆さんを紹介してくれよ。」
魅音「んー、まぁ、機嫌がいいときならね。
   それより、次の順位を発表してよ。」

109: 2007/12/26(水) 00:08:02.35 ID:+6qFz/a90
露伴「あぁ、次はレナちゃんと梨花ちゃん。
   レナちゃんはちょっとデフォルメしすぎてるけど可愛い絵だね。
   梨花ちゃんは逆に古風な絵で、味があるよ。二人が同着ってところかな。」
レナ「ありがとうー。梨花ちゃんも上手だね。私より上手いよ。」
梨花「頑張ったのです。レナのほうも可愛いのですよ。にぱー☆」
魅音「フッフッフ。予想通り、この二人が残ったねぇ。
   露伴さん、コメントをどーぞ。」

露伴「う、うーん。困ったな・・・。
   沙都子ちゃんのは、こっちが猫さんかい?」

111: 2007/12/26(水) 00:10:43.24 ID:+6qFz/a90
沙都子「・・・。そっちは犬さんですわ・・・。」
圭一「ぶわっはっはっはっはっはっ。
   こりゃあ、もう勝負がついたようなもんだなぁ、沙都子ぉ!
   あーっはっはっはっはっ。」

沙都子の目がうるうるし始めた。今にも涙がこぼれてきそうだ。
これはまずい。露伴はそう思い、圭一の犬(と思われる)を指差して言う。

露伴「そ、それより、圭一君のはこっちが猫さんだよな?」
圭一「そーっすよォ。露伴さん流石っすねェーやっぱ見る目がありますよ。
   沙都子ぉ、悪いなー。デザートは俺のものみたいだなー、あーっはっはっはっはっ。」
露伴「(だめだこいつ、はやくなんとかしないと・・・。)」

118: 2007/12/26(水) 00:34:16.97 ID:+6qFz/a90
露伴「それじゃあ順位を・・・。
   ビリは・・・圭一君だ。」
圭一「ちょ、待ってくださいよ。なんで俺がビリなんですか?」
魅音「そうだねー、露伴さん、ちゃんと説明してもらえるぅ?」
露伴「・・・。
   君たちは知らないだろうが、ロシアの画家にニコラ・ド・スタールという人物がいる。
   1955年に亡くなったがね。彼の絵は抽象画でありながら、同時に風景画でもあってそのギリギリのせめぎ合いをテーマに描いている。
   沙都子ちゃんの絵にも同じものを感じた。彼女の絵は、猫の絵と犬の絵としてみればお粗末なものかもしれない。
   しかし、猫と犬の絵としてはかなり評価されるべき作品だ。どちらが猫でどちらが犬なのかわからない。
   そのせめぎ合いに僕は芸術性を感じた。僕の好みがわかると言うだけの事はある。
   ちなみに、圭一君のはどちらが犬か猫かわかるが、ただ下手なだけの絵だ。

   こんなところで、いいかい?」
魅音「へぇー、深いねぇ。流石漫画家さん。こりゃあお手本も期待できるかねぇ。」
圭一「くっそー、俺と沙都子の絵に何の違いがあるって言うんだ・・・。」
沙都子「をーっほっほっほっほっ。言ったはずですわよ、圭一さん。
    露伴さんの好みは知り尽くしていますと。」

露伴は少しだけ圭一に申し訳ないと思いながら、お手本の絵を描くのだった。

125: 2007/12/26(水) 00:47:30.32 ID:+6qFz/a90
一応ここで流れに一区切りがついたので、ここまでをチャプ10にしてもいいかなーと
考えていたところまでかくと、すごい長さになる予感がw

133: 2007/12/26(水) 01:06:13.82 ID:+6qFz/a90
そのあとも露伴はリクエストに答えて沢山の絵を描いた。
沙都子はまるで自分が絵を描いているかのように大威張りして圭一と言い争っていた。
そこに魅音も加わり、泣きそうになった沙都子を庇ってレナが二人を張り倒す。
そんなコントのような展開に露伴も微笑をこぼすのだった。


沙都子「そうですわ。このあと露伴さんを学校に案内したかったんですの。
    みなさんで学校まで案内しませんこと?」
魅音「あー、そりゃいいねぇ。せっかくだしさ、露伴さんも混ぜてゲームでもしようか?」
圭一「ゲームぅ?学校にいくより魅音の家に行ったほうがいいんじゃねーのかぁ?」
沙都子「そういえば圭一さんはまだご存じなかったですわね。
    魅音さんの学校のロッカーにはゲームが沢山入ってますのよ。」
レナ「魅ぃちゃんのロッカーはすごいんだよ。四次元なんだよね。」
圭一「学校にゲーム持ってっていいのかよ。まぁ、魅音らしいけどさ。」
魅音「あはは。まぁ、そういうわけでいっぱいゲームがあるからさ。
   とりあえず学校で遊ぼうよ。ね?露伴さん。」
露伴「まぁ、僕は構わないよ。」
沙都子「それでは皆様、学校に向けて出発ですわよーっ!」
露伴以外「おーーーぅっ!」


やれやれ。まぁ付き合ってやるとするか。
竜宮礼奈に関しては今のところおかしな点はない。もう少し観察してみるのもいいかもしれないな。
それに、今年の祟りまではまだ時間があるしな。

この子たちと遊ぶのも・・・悪くない・・・。

142: 2007/12/26(水) 01:26:38.28 ID:+6qFz/a90
■TIPS
----再び露伴の世界----

露伴が康一に電話をしてから数日。
ついに露伴の携帯が電波が通じなくなった。
ここ数日連絡がとれないことに不審を抱いていた康一はある人物に電話をするのだった。

とうおるるるるる、とうおるるるる、ガチャッ
康一「もしもし、承太郎さんですか?」
承太郎『あぁ、オレだが。久しぶりだな、なんか用かい?』
康一「実は、露伴さんが連絡が取れなくなったんです。
   連絡がとれなくなるまえに「オヤシロ様の祟り」という意味深な言葉を残していて・・・。
   もしかしたらスタンド使いと戦闘になった可能性も考えられるかと・・・。」
承太郎『わかった。露伴のやつが消えた場所はわかってるのか?』
康一「電話があったのは新幹線の中からですが、岐阜のほうに行くと言っていました。
   祟りっていうやつは、雛見沢という地域に関係があるとも言っていました。」
承太郎『・・・わかった。SPW財団で手を回しておく。
    明日からは会社は休んでくれてかまわないから、今すぐ雛見沢に向かってくれるかい?
    仗助のやつも呼んでおいてくれ。俺も今すぐ日本に飛ぶ。』
康一「わかりました。仗助君に連絡してみます。
   また、雛見沢についたら連絡します。」
承太郎『あぁ、わかった。また電話する。』

ガチャッ、プーップーップーッ

承太郎「露伴の野郎はスタンド使いとしてはトップクラスの能力者だ。
    その露伴が行方不明になるとは・・・ヤレヤレだぜ・・・。」

152: 2007/12/26(水) 01:40:05.94 ID:+6qFz/a90
翌日、雛見沢には4人の姿があった。

仗助「おい、康一。本当に露伴はこんな辺鄙なところに行くつッてたのかよォ?」
億泰「あいつもなんつーか物好きだよな、こんな変なところに取材なんてよォー。」
承太郎「雛見沢村、1983年に火山性ガスの発生により住民が全滅した村だ。
    露伴はこの村の「オヤシロ様の祟り」を取材しに来たらしい。」
仗助「村人が全滅ッすかァー?俺そういうホラー系だめなんすよぉ。」
億泰「何?仗助苦手なの?俺はぜんぜんへーきだぜっ!馬鹿だからッ!」
康一「二人ともやめなよぉ。不謹慎だよぉ。」

4人は承太郎に誘導されるままに村の奥へと進んでいく。

157: 2007/12/26(水) 01:50:28.10 ID:+6qFz/a90
承太郎「この奥が露伴の失踪場所だ。
    携帯会社に問い合わせたところ、この地点で電波が消えている。
    もちろん、電池切れなのか他の可能性なのかはわからんがな。」
康一「あっ、車が停めてありますよっ。」
承太郎「・・・。このナンバーは露伴がレンタルしている車だ。
    失踪場所はこの神社で間違いないようだぜ・・・。」

残りの3人の顔つきが一瞬で変わる。
さっきまでのおふざけ気分はどこかに吹き飛んだようだ。

承太郎「とりあえず、神社に行ってみるか。
    もし露伴がやられるほどのスタンドがいるのなら、手に負えないかもしれん。
    自分の身は自分で守れよ。」
仗助「スタープラチナを超えるスタンドがいるッつーんすかァ?」
承太郎「わからん。不意打ちの可能性もあるしな。
    しかし、露伴が真っ向勝負でやられたなら、その可能性もあるかもしれん。」
仗助「こいつァ、吉良んときよりでけぇヤマかもしんないッスねェー。」

158: 2007/12/26(水) 01:54:30.09 ID:+6qFz/a90
4人は神社の社まで辿り着いた。

康一「承太郎さんッ!!
   この社の中の足跡、多分、露伴先生が履いていた靴じゃないでしょうか・・・。
   大きさも一致するし、こんな靴持ってた気がします。」
承太郎「ふむ、扉も壊されているし、社の中で走ったような足跡もある。
    この場所で何かの事件に巻き込まれた可能性は高いな・・・。」



シャンッ
鈴の音がした。

165: 2007/12/26(水) 02:03:42.80 ID:+6qFz/a90
承太郎「何の音だッ!?」
康一「鈴の音ッ?」
仗助「承太郎さんッ、階段を降りていく少女がいたッスよッ!」
億泰「今のは巫女さんだったぜぇー。かぁいい~いっ!!」

承太郎「この神社は無人のはずだぞッ!!追いかけるんだッ!!」

4人が一斉に走り出す。
階段の上から見下ろすと確かに少女が一人、階段を降りていた。
承太郎達に気づいたのか、後ろを振り返った後、走り出した。

億泰「俺の出番だぜぇーっ。ザ・ハンドッ!!
   空間を削り取るッ!!!」

171: 2007/12/26(水) 02:16:45.48 ID:+6qFz/a90
しかし、いくら億泰のザ・ハンドが空間を削り取っても少女は引き寄せられてこない。

億泰「ど、どーいうことだよぉー。俺のスタンドが効かねぇー。」
仗助「康一ィ、あとで治してやっから、勘弁しろよォ?
   クレイジー・ダイヤモンドッ!!ドラァ!!!」

仗助はそう言うと、スタンドで康一を掴み、全力で投げ飛ばす。

康一「あーもう、仗助君ってば、了解くらいとってくれよなぁ。
   だけど・・・これで追いついた・・・射程距離5m以内・・・。
   エコーズACT3・FREEZE(フリーズ)ッ!!」

175: 2007/12/26(水) 02:26:04.94 ID:+6qFz/a90
それでも少女は階段を駆けていく。
康一もなにがなんだかわからない。

康一「Act3!!あの少女を止めろッ!!射程距離から出られるぞッ!!」
ACT3「申し訳ありません。先ほどから・・・やっているのですが・・・。」
康一「な・・僕のスタンドも効かないだと・・・?
   承太郎さんッ!!駄目です!!僕の能力も効きませんッ!!!」

康一は叫びながら草むらに突っ込む。

承太郎「野郎・・・、飛べッ、仗助ッ!!
    こうなったら力ずくで止めるしかないッ!!」

承太郎と仗助はスタンドを使って石段の上から飛び出す。
少女はもう露伴の車に到達しているようだ。露伴の車の中から何かを漁っている。

180: 2007/12/26(水) 02:33:55.41 ID:+6qFz/a90
少女は車のなかに手を入れて漁っているようだ。
少女の手は車の壁を貫通している。

承太郎「鉄板をすり抜けてやがるッ!!スタンドだッ!!
    容赦するなッ仗助ッ!!!」
仗助「承太郎さん、もう俺が手加減してられるレベルじゃあねーッスよ、こいつァ。
   クレイジー・ダイヤモンドッ!ドララララララララァアアーーッ!!!」

仗助のスタンドが石段の石をもぎ取り、投げつける。

ドグシャァアアッ、ゴォゥン、グァッシュワアアアアン!!
露伴の車へ次々と石が突き刺さる。

184: 2007/12/26(水) 02:39:20.94 ID:+6qFz/a90
しかし、少女に命中するはずの石は少女の体をすり抜けていく。

仗助「ま、まじかよォ!!」

承太郎「ヤレヤレ・・・、この距離なら間に合いそうだぜ。
     スタープラチナ・ザ・ワールドッ!!」

承太郎が時を止める。

承太郎「見た目はガキだが・・・容赦しねぇぜ。
     オラァッ!!」

ドグシャァッ!!!

187: 2007/12/26(水) 02:46:25.22 ID:+6qFz/a90
スタープラチナの拳が露伴の車にぶち当たった。
少女の背中から胸をすり抜けている。

承太郎「なっ・・・、スタンドでの直接攻撃が効かないのか。
    くっ・・時は動き出す・・・。」

そう、時は動き出すはずだった。しかし、動き出さない。
承太郎の体が動かなくなる。

承太郎「(こ、こいつ・・・時を止められるのか?)」

スタープラチナの腕は少女の背中をすり抜けたままだ。
その止まった時の中、少女は承太郎のほうを振り返る。

承太郎が目があったと思った瞬間、時が動き出し、少女は消え去っていた。

192: 2007/12/26(水) 02:52:36.62 ID:+6qFz/a90
仗助「承太郎さんッ!消えちまいましたよッ!
   やったんスかぁ?」
承太郎「い・・いや・・。おそらく逃げられた・・・・。」
億泰「おい仗助ェ、捕まったかぁー?」
仗助「いや、逃げられちまったみたいだ。」
承太郎「仗助、はやく康一君を治してやれ。」

仗助はすっかり忘れていたようなジェスチャーをとると、康一を探しに走り出していった。

億泰「承太郎さん、今の子はなんだったんすかねェ。
   すっげーかぁいい子でしたぜぇ。」
承太郎「・・・。
    ヤレヤレだぜ・・・。」

193: 2007/12/26(水) 02:52:46.20 ID:+6qFz/a90
TIPS終わりっす


to be continued...
岸辺露伴は動かない-雛見沢-chapter6

引用: 岸辺露伴は動かない-雛見沢-