30: 2007/12/27(木) 20:35:33.91 ID:0Jt8Vstp0
【警告】
ひぐらしをプレイする予定のある者は、
ここから先を読んではいけない。

シリーズ:岸辺露伴は動かない-雛見沢-

最初から
岸辺露伴は動かない-雛見沢-chapter1

前回:岸辺露伴は動かない-雛見沢-chapter5




31: 2007/12/27(木) 20:37:06.78 ID:0Jt8Vstp0
神社から学校までは大した時間は掛からなかった。
もちろん、子供たちはその道のりも楽のしそうにお喋りしていたし、
露伴も雛見沢の無邪気な子供たちと接するのは楽しかった。

沙都子「さぁ、露伴さん、ここが学校ですわーっ!」
露伴「うーん、学校と言うにはちょっと変わった建物だねぇ。
   確かに公共施設っぽいんだが、学校には見えないなぁ。変なゲートもあるし。」
魅音「鋭いねぇ、露伴さん。ここは本来学校じゃないんだよ。
   元々は営林署の建物だったんだけど、一部を間借りして学校にしてるんだ。
   だからこの学校の正式名称は、鹿骨市立興宮小学校雛見沢分校と、同興宮中学校雛見沢分校ってわけ。」
露伴「へぇ、小学校も中学校も一緒なんだね。
   それなら沙都子ちゃんと君らが友達なのも納得ってもんだ。」
レナ「私たちの歳になると、興宮の中学校に行っちゃう子が多くて同じ世代の子は少ないんです。
   圭一君が引っ越してくる前は、魅ぃちゃんと私ふたりっきりだったくらいで。」
露伴「なるほどなー。よかったじゃないか圭一君。
   こんなに可愛い女の子が二人もいて、ライバルがいないんだぜ。」
レナ「わわわわ、ど、どどど、どういう意味かな。かな。」
圭一「ちょ、やめてくださいよ露伴さんー。
   レナはまだしも、魅音なんて男友達みたいなもんなんすからー。
   露伴さんの前だからちょっと猫かぶってるんすよ、こいつー。」
魅音「どうせおじさんは可愛くないですよーだ。」

魅音がそう言ってむくれると、全員で大笑いするのだった。
岸辺露伴は動かない 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

32: 2007/12/27(木) 20:41:45.53 ID:0Jt8Vstp0
その後、魅音の案内で教室へと向かう。鍵はかかっていなかった。
なんとも無用心な学校だ。魅音が言うには、日曜に鍵がかかっているかは五分五分らしい。
営林署の職員さんが最後まで残っているとよくかけ忘れるそうだ。
田舎らしいと言えば田舎らしい。それが雛見沢のいいところなのかもしれない。

教室に入るなり、魅音が指示を出し、机をくっつける。
4つの机をくっつけてその周りを囲むようにに全員で座る形になった。

34: 2007/12/27(木) 20:45:25.89 ID:0Jt8Vstp0
魅音「さーて、本当は明日する予定だったんだけどねぇ。
   まぁいい機会だし、今日やっちゃおうかな。
   それでは、会則に則り、部員の諸君に是非を問いたいっ!
   彼、前原圭一君を新たな部員として我らの部活動に加えたいのだが・・・いかがだろうか!!」
露伴「おいおい、いきなりなんだよ。」
レナ「レナは異議な~し!」
沙都子「をっほっほっほ!貧民風情が私の相手を務められるのかしら!
    それに露伴さんはどうするんでしてっ!?」
梨花「・・・・・・ボクも沙都子も賛成しますですよ。
   露伴も混ぜてあげてほしいのです。」
レナ「うんうん、露伴さんもやろうね。やろうね。」

37: 2007/12/27(木) 20:50:11.97 ID:0Jt8Vstp0
魅音「全会一致!おめでとう前原圭一くん。君に栄えある我が部への入部試験を許可する!
   露伴さんにも特別ゲストとして参加を許可しよう!!」
圭一「順を追って説明しろ!何の部活だ?俺はまだ入るとは言ってないぞ!」
露伴「僕はおもしろそうだからなんでも大丈夫だがね。」
魅音「露伴さんノリいいじゃーん。
   我が部はだね、複雑化する社会に対応するため、活動毎に提案される様々な条件下、
   ・・・時には順境、あるいは逆境からいかにして・・・!!」
レナ「・・・レナは弱いから・・・いじめないでほしいな。仲良くなろうね。」
沙都子「レナは甘えてますわ!弱いものは食い尽くされるのが世の常でございますわー!」
梨花「・・・・・・つまり、みんなでゲームをして遊ぶ部活なのです。にぱ~☆」
露伴「僕はガキだからって手加減しないからな。やるからには勝たせてもらうよ。」

39: 2007/12/27(木) 20:50:57.69 ID:0Jt8Vstp0
魅音「おおっ。露伴さん良い事言うねぇー。
   会則第一条!!狙うは一位のみ!遊びだからなんていういい加減なプレイは許さないッ!!」
沙都子「会則第二条!!そのためにはあらゆる努力をすることが義務付けられておりますのよ!」
梨花「・・・・・・もちろんボクも頑張りますです。」
レナ「レナも弱いけどね、精一杯頑張ってるの。」
露伴「先に言っとくけど、強いほうだと思うよ。僕は。」
圭一「よし、俺も・・・本気でやってやるぜェーーー!!!」

44: 2007/12/27(木) 20:56:25.97 ID:0Jt8Vstp0
露伴「それで、なんのゲームをするんだい?」
魅音「そうだねー。ちょっと待ってよー。」

そう言いながら魅音はロッカーへと向かった。
ロッカーを開けて中を漁り始めた。大分中身は多いようだ。

魅音「難しいゲームは圭ちゃんと露伴さんだけに不利だからね。今日は誰にでもわかるゲームにしよう。
   スタンダードにトランプの・・・ジジ抜きはどうッ?」
露伴「僕はなんでもいいよ。圭一くんの入部試験なんだろ?」
圭一「いいぜ。受けてやるよ!」
魅音「もちろん、罰ゲームありだからね。露伴さんも。
   今回は一位が罰ゲームを決めるっていうので、どう?」
露伴「あぁ、構わないよ。一位になるのは・・・僕だからね。」
圭一「へへっ、入部試験らしいからなぁ。露伴さんには悪いけど、俺が一位を取らせてもらうぜッ!」
沙都子「あーら、圭一さんはビリにならないようにするので精一杯ではありませんことーッ?」
レナ「あはは、私には手加減してほしいな・・・はぅ。」

47: 2007/12/27(木) 20:59:55.16 ID:0Jt8Vstp0
魅音「ほーら、カードは切り終わったよー。
   じゃあ、ジジを抜いてっと。ほら、配るよー。」

魅音は机の中央にジジを抜くと、カードを配りだした。
ジョーカーも抜いてあるようだった。
露伴と圭一以外はそのジジのカードを凝視している。

圭一「このトランプ結構傷物だな・・・もしかして・・・みんなにはその伏せてあるカードがわかる・・・なんてことないよな。」
沙都子「会則第二条ですわー。圭一さんも勝つために最善の努力をなさいませー。」
レナ「いくつかのカードは特徴的だから・・・圭一くんにもすぐ覚えられるよ。」
露伴「へぇ・・・そいつはおもしろそうだな。」

露伴はカードが他人にバレるのも気にせずに、自分のカードの表と裏を眺め、傷を確かめている。
他人のカードもジロジロと見て傷を探しているようだ。

圭一「じょ、上等だぜ!!この程度でハンデになると思うなよ!!!」

51: 2007/12/27(木) 21:03:53.35 ID:0Jt8Vstp0
魅音「くっくっく!圭ちゃんの手札を右から言うぜ?3,4,9,J,Q。
   露伴さんは右から、Q,7,2,9,K。」
露伴「やるね。正解だよ。」
圭一「ぐわああァァァアアッ!!」
梨花「ちなみに、ジジはダイヤのJなのです。」
圭一「うがァァァァアアッ!!」
沙都子「どうカードを入れ換えたって、見え見えですわ!
    あがりですのー!」
圭一「お・・・鬼だ・・・こいつらは鬼だ・・・!
   レナ・・・は・・・鬼じゃないよな・・・?」

53: 2007/12/27(木) 21:08:22.37 ID:0Jt8Vstp0
レナ「ご、ごめんね圭一くん。・・・こっちがハートの3だよね?・・・あがり!」
圭一「おわァァァアァァァアァァアアアッ!!!

   残るは・・・露伴さん・・・・・・
   そうだ・・・露伴さんは、俺と・・・対当なはずだ・・・。」
露伴「レナちゃんがさっき引いたのが3ってことはだ。
   魅音ちゃんが言ってたのは魅音ちゃんから見て右みたいだね。
   すると、これがQなのかな?・・・うん、あがりだ。」
圭一「ヤッダーバァアァァァァアアアアアッ!!!!」

54: 2007/12/27(木) 21:10:34.41 ID:rNzP6UPPO
レナ「・・・レナは弱いから・・・いじめないでほしいな。仲良くなろうね。」
仲良くやろうねの間違い?
沙都子「レナは甘えてますわ!弱いものは食い尽くされるのが世の常でございますわー!」
レナさんだね

58: 2007/12/27(木) 21:16:36.03 ID:0Jt8Vstp0
魅音「やるねー、露伴さん。ポイントは減点制ね。着順がそのままマイナス点。
   トータルで一番少ない人が優勝!」
梨花「・・・では、魅音が1、沙都子が2、ボクが3で、レナが4、露伴が5で、圭一が6なのです。」

梨花がそう言うと、スコアボードを書きこんでいく。

露伴「おっと、減点5はでかいなぁ。じゃあもう、次からは手加減なしでいかせてもらうよ?」
魅音「へぇー。露伴さん自信あるんだ。いいよ、かかっておいで。この私が相手したげるよ。」
沙都子「露伴さん、この私も忘れてはいけませんのよー!!かかって来なさいませ。」

圭一「く・・・露伴さんまで・・・。」
レナ「・・・や、やっぱりさ、綺麗なトランプでやらないと圭一くんに不公平だよ・・・。」
魅音「いいのいいの。圭ちゃんだって男だし。
   それに露伴さんはもう対応しはじめてるしね。」
露伴「対応しはじめてる?この岸辺露伴を舐めてもらっちゃ困るよ・・・。
   フフフ。はやく次のカードを配ってくれ。」

61: 2007/12/27(木) 21:20:22.14 ID:0Jt8Vstp0
次のカードが配られる。

露伴「それじゃあ、魅音ちゃん。
   君から見て右から、5,7,3、Q,K。沙都子ちゃんも同じく右から、A,2,7,10,J,Q。
   ちなみに、7は魅音ちゃんのがダイヤ、沙都子ちゃんのがスペード、
   Qは魅音ちゃんのがクラブで沙都子ちゃんのはスペード、だろ。」
沙都子「な、なんですってぇぇぇぇえー。全部当たってますわっ!!」
魅音「・・・露伴さん、1回で全部覚えたっていうの!?
   それに私の持ってるクラブの5はダイヤのKと区別がつかないはず・・・。
   でも、露伴さんはKはもってない・・・。」
露伴「見分けるのに使えるのは傷だけじゃないぜ?
   今度、どっちが日焼けしてるかよーく見ておきなよ。」
沙都子「露伴さんッ!かっこいいですわぁー!」
レナ「すごいね。すごいね。レナにも教えてほしいな。」
圭一「・・・こんなの勝てるかァァァァァアアアアア!!」

67: 2007/12/27(木) 21:25:38.25 ID:0Jt8Vstp0
ゲームの展開は露伴と魅音の一騎打ちになる。
とは言え、すべてのカードがわかる露伴に魅音は一歩及ばない様子だった。
魅音の焦りを感じ、圭一は考える。いましか自分が一矢報いるチャンスはないと。

魅音「ほら、圭ちゃん隠さない隠さない!・・・これが確かダイヤの2だったよね。
   ・・・あれッ?!・・・圭ちゃん・・・あんた、まさかァッ!?」
沙都子「ダイヤの2を偽装したと言うんですのっ!?あ、味な真似をしまするでございますわぁぁぁああ!!」
露伴「へぇ、僕もダイヤの2かと思ったよ。ちょっと違和感はあったけどね。
   やるじゃないか、圭一君。」

69: 2007/12/27(木) 21:26:38.65 ID:0Jt8Vstp0
圭一「へへへ。まぁ俺のビリはすでに確定してるけど、魅音がこんなにうまく引っ掛るなんて最高だったぜ。
   大満足だ。うぇっへっへっへっ~。」
魅音「むむむ、順位に影響はないとしても、こりゃぁやられたねぇ。屈辱だよ・・・。
   ・・・圭ちゃんはこのあと1位をとってもビリだけど・・・嫌でしょ?」
圭一「当たり前だっ!!」
魅音「じゃあ、チャンスをあげようか。私と一騎打ち。
   圭ちゃんが勝ったら、私と順位を入れ換えてあげるよ。」
圭一「へっ、リベンジってわけか。その話、乗ったぜッ!!!
   負けてから、やっぱなし、なんて言うなよっ!!」
魅音「あたしは100%勝つからね。負けるなんてこと、これっぽちも考えたことないよッ!」

72: 2007/12/27(木) 21:28:11.92 ID:0Jt8Vstp0
圭一と魅音の一騎打ちが始まる。
ルールは単純。魅音が両手に持ったカードのうち、どちらがジョーカーかを当てる。
ただそれだけだった。
圭一はかなり善戦するも、魅音の目論み通り罠に引っかかった。
他のメンバーもわざと演技をして圭一を誘ったようだった。
だが、圭一の善戦ぶりは評価されたらしい。

魅音「部長、園崎魅音の名において。前原圭一。
   あんたの我が部への入部を・・・許可する・・・ッ!!

   これにて決着ッ!!本日の優勝は、特別ゲスト!露伴さん!!
   栄えあるビリは・・・前原圭一ッ!!」

75: 2007/12/27(木) 21:29:56.87 ID:0Jt8Vstp0
レナ「魅ぃちゃんが後ろ手で細工したとき、またやるんだーって思ってどきどきしちゃった!」
沙都子「圭一さんが、正解に触れる直前で止まったときにはかかった!って思いましたわー!!」
梨花「・・・見事にひっかかってくれましたです。」
露伴「僕みたいに全部のカード覚えてれば勝てたのにな。
   まぁ、圭一君には無理だろうけどね。ふふふ。」
圭一「・・・え?ちょっと待て。
   お前ら全員、最初から知っててあんなに真剣に盛り上がってたのか・・・??」
梨花「・・・楽しくなるようにみんなで盛り上げましたですよ。」
圭一「・・・。
   お、お前らみんな鬼だァアアアアアアアア!人でなしィィイーーーッ!!」

78: 2007/12/27(木) 21:30:57.64 ID:0Jt8Vstp0
魅音「さぁさぁ、露伴さん、罰ゲームを決めちゃってよ。
   一位が決めるってことになってたからね。」
露伴「うーん、それじゃあ・・・、
   罰ゲームじゃあないんだが、僕と魅音ちゃんが一騎打ちをするっていうのはどうだい?」
魅音「えっ、そりゃぁ願ってもない申し出だけど・・・、
   露伴さんが負けたら、私が一位で露伴さんがビリになるよ・・・?」
露伴「僕が勝ったら、僕も入部するってことでいいかい?
   入部しちまえば、罰ゲームさせ放題みたいだからな。」
魅音「露伴さんいい趣味してるねー。いいよ、その話乗ったッ!
   誰か異議はあるッ!?」

一同首を横に振り、賛成の意を表しているようだ。

魅音「よしッ!全会一致ィイッ!
   じゃあ、露伴さん、ちょっくら部員で作戦会議するから隣の部屋に行ってくるよ?」
露伴「あぁ、僕を負かす方法を考えてきなよ。ふふふ。」
魅音「全員集合ーッ!!」
露伴以外「おぉぉぉおおおーーーッ!!!」

子供たちは全員で勢いよく教室を飛び出していった。

83: 2007/12/27(木) 21:35:27.00 ID:0Jt8Vstp0
数分後、沙都子を筆頭にゾロゾロと子供達が戻ってきた。

沙都子「露伴さん、覚悟はよろしいですことー?
    流石の露伴さんも、これには一網打尽ですことよーッ!」
露伴「一網打尽っていうのはそういう意味じゃないんだが・・・。
   まぁ、いいや。それで?何をしたらいいんだい?」
魅音「まず最初に言っとくよ、一応入部試験だから、私と一騎打ちというより、
   部員vs露伴さんになるけど、かまわないね?」
露伴「かまわないよ。どうせ魅音ちゃんが罠を考えてるんだろ?」
魅音「何でもお見通しだなぁ、露伴さんは。
   でも、こいつはそうは行かないよ。ふふふふ。」

86: 2007/12/27(木) 21:38:47.01 ID:0Jt8Vstp0
露伴「前置きはもういいから、ルールを説明してくれよ。」
魅音「せっかちさんだなぁー、もう。
   じゃあ説明するけど、一番大切なことを言っておくよ。
   露伴さんはヤリ手だからね。質問は禁止させてもらう。
   これ以降、露伴さんは言葉を発したらそれが解答だと見なす。
   そういうことでいいッ?」
露伴「・・・。」
魅音「これもひっかからないか。今の返事だけ、していいよ。」
露伴「了解した。」
魅音「それじゃあルールの説明だね。
   これから私、レナ、圭ちゃんの3人がそれぞれヒントを言うよ。
   ただし、一人だけ本当の事を言っている。残りの二人は本当の事とは逆の事を言ってる。
   露伴さんには誰がジョーカーを持っているのか当ててもらう。
   簡単だから、わかるよね?オーケーならうなずいて。」

露伴は素直に頷く。

87: 2007/12/27(木) 21:39:52.19 ID:0Jt8Vstp0
沙都子「それでは、ヒント開始ですわぁー!」

魅音「レナがジョーカーを持ってるよ。私は嘘ついてないからねっ。」
レナ「レナが嘘ついてないんだよ?だよ?
   レナはジョーカー持ってないしね☆」
圭一「いーや、レナは嘘つきだぜ。レナがジョーカー持ってるんだからな。」

梨花「以上でヒントは終了しましたです。」
魅音「さぁ、露伴さん、時間は無制限でいいからよーく悩んでねぇ。
   うっひっひっひっひー。」

88: 2007/12/27(木) 21:40:30.39 ID:0Jt8Vstp0
はい、追いつきました。

というわけで、みなさん、僕がTIPSまで書くまでお考えください
答えがわかった人は書かないでくださいね

103: 2007/12/27(木) 21:54:39.49 ID:0Jt8Vstp0
魅音の嫌らしい笑いを露伴の手が遮った。
今日も柔らかそうな達人の手だ。勃起しそう。

露伴がニヤリと笑う。
露伴「魅音ちゃんと圭一君。
   ふたりともジョーカーを持ってる。1枚づつ。」

露伴が答えた瞬間、子供達が凍りついた。

魅音「く・・くくっ・あはははははははは。」

104: 2007/12/27(木) 21:54:51.13 ID:0Jt8Vstp0
露伴「僕が魅音ちゃんか圭一君のどちらかを当てずっぽうで答えたら、もう一人がジョーカーを見せて不正解。
   僕が深読みして沙都子ちゃんか梨花ちゃんを当てたら、そんなズルはしない、とからかう。
   さっきやってたゲームがババ抜きに近いジジ抜きだし、圭一君の勝負のときはジョーカーは1枚だった。
   僕がジョーカーを1枚しかないと思い込むのにはいい条件だ。いい作戦だったと思うよ。」
魅音「ちぇー、やっぱり沙都子と私で一枚づつ持っておくんだったなー。
   冷酷になれなかったのが私の敗因だね。」
露伴「魅音ちゃんが優しい子でよかったよ。」
魅音「そりゃぁ部活のときは褒め言葉にならないよーだ。」

110: 2007/12/27(木) 22:02:44.49 ID:0Jt8Vstp0
魅音「それじゃあ、露伴さん。
   部長、園崎魅音の名において。特別に入部を許可するッ!!
   なお、学校生徒ではないので、特別部員とし、参加可能な場合のみ、参加するものとするッ!!」
沙都子「露伴さん、流石ですわぁー!やりましたわねっ。」
圭一「この作戦なら、露伴さんを見事だませると思ったんだけどなぁ。」
レナ「レナは露伴さんなら正解できるって信じてたよ☆」
梨花「ぱちぱち。露伴、すごいすごいなのです。」
魅音「露伴さん。私の完全なる負けだよ。私がビリになる約束はしてなかったけど。
   一騎打ちで負けて罰ゲームしないわけにはいかないからね。
   私と圭ちゃんに罰ゲームを決めてちょーだい。」

121: 2007/12/27(木) 22:19:57.97 ID:0Jt8Vstp0
露伴「罰ゲームか、何も考えてなかったな。」
   今日はもう、終わりで解散かい?」
沙都子「私と梨花はそろそろ夕飯の買出しに行かなくてはなりませんわ。」
魅音「そうだねぇ。今日はこのくらいで解散にしようか。」
露伴「それじゃあ決まったよ。魅音ちゃんと圭一君が手を繋いで一緒に帰る。
   家の方向、逆だったりする?」
魅音「ちょ、ちょちょ、露伴さーん!
    それのどこが罰ゲームぅッ!?」
圭一「ろ、ろろろ、露伴さん、それは、あの、」
露伴「罰ゲームだと思わないくらいなら、楽でよかったじゃないか。
   じゃあ、それで決定だな。」
レナ「ふぇ・・・二人だけ仲良しずるいな、ずるいな。」
露伴「おっと、レナちゃんも帰り道一緒かい?
   レナちゃんは一緒に手を繋いだらだめだぞ。二人だから意味があるんだからなぁ。」

その後も解散になるギリギリまで、圭一と魅音は口を揃えて文句を言っていた。



132: 2007/12/27(木) 22:30:26.60 ID:0Jt8Vstp0
部屋を片付け、全員で校門の外まで来る。

魅音「それじゃー、ここで解散でっ!」
露伴「ほら、学校から出たんだから手を繋ぎなよ。」
圭一「露伴さん、人に見られたら困りますよぉ。」
露伴「だから罰ゲームになるんじゃないか。いいから繋げって。」
レナ「うふふふ。露伴さんは何でもお見通しなんだね。だね。」
魅音「わーわー、レナが何を言ってるかわからないー。」

沙都子「なんだかさっきから魅音さんの様子が変ですわ。
    一位になれなかったのが相当悔しいのですわねぇ。」
梨花「沙都子もいつかわかる日が来ますですよ。」

そう言って梨花が沙都子の頭を撫でた。

139: 2007/12/27(木) 22:34:52.94 ID:0Jt8Vstp0
沙都子「なんだか馬鹿にされている気がしますわ。」
梨花「そんなことないのですよ、沙都子がいい子いい子なだけなのです。」

圭一「じゃあ・・・魅音・・・。」

そう言って圭一が魅音のほうに手を差し出す。

魅音「う・・・うん・・・。」

魅音が申し訳なさそうに圭一の指を握った。

146: 2007/12/27(木) 22:48:06.33 ID:0Jt8Vstp0
顔を赤くして手を繋ぐ二人に露伴が割り込んできた。

露伴「だめだめ、そんなんじゃあ手を繋いだうちに入らないぜ。
   ほらっ、こうだよ、こう。」

そう言って露伴は二人の手をとり、貝殻にぎりにさせた。

魅音「はわわわわ、あぅ・・あぅ。」
圭一「ちょ、露伴さん、勘弁してくださぃよぉぉぉおお。」

露伴「魅音ちゃんの家に着くまで、このまま帰らないとだめだからな。
   なんたって、罰ゲームなんだからね。レナちゃん、ちゃんと見張っといてくれよ。」
レナ「はーい、了解ですっ。レナもこんな罰ゲームがしたいな。したいな。」
露伴「それは、僕が一位のときにはないな。
   レナちゃんじゃあ圭一君が恥ずかしがらないからね。」
レナ「うーん、じゃあレナが頑張って一位狙っちゃおうかなっ☆」
露伴「本気のレナちゃんと勝負できるのを楽しみにしてるよ。」

148: 2007/12/27(木) 22:49:12.64 ID:0Jt8Vstp0
圭一「レ、レナァー、置いてくぞーっ!
   恥ずかしいんだからさっさと帰るぞっ!」
魅音「はぅぁ・・・あぅ・・・。」

レナ「ふふふ。じゃあ帰るね。
   露伴さん、魅ぃちゃんに気を使ってくれてありがとう。」
露伴「あれ?罰ゲームのつもりだったんだが、
   もしかして・・・そういうことかい?」
レナ「はぅ・・・。レナは知らないよ☆知らないよ☆
   それじゃあ、沙都子ちゃん、梨花ちゃん、露伴さん、さようなら。」
沙都子「また明日ですわーっ!」
梨花「また明日なのです。」

こうして年長組3人は帰って行った。

155: 2007/12/27(木) 23:00:44.05 ID:0Jt8Vstp0
沙都子「さーて、私達は買い物に行きますわ。
    露伴さんはどうなさいますの?」
露伴「よく考えたら、まだ宿を見つけれてないんだよな。
   これから探そうかと思うんだが・・・。」
沙都子「それなら、うちに今晩も泊まっていくといいですわ。
    ねぇ、梨花ぁ?」
梨花「露伴ももう部活の仲間なのです。好きなだけ泊まっていくといいのですよ。にぱー☆」
露伴「そうかい?それじゃあもう一晩お願いしようかな。
   (沙都子ちゃんがいるときに聞けば、大体オーケーが出そうだな)」
沙都子「じゃあ、露伴さん、お買い物に行きますわよ。
    また村をご案内しますわぁー。」

158: 2007/12/27(木) 23:06:14.04 ID:0Jt8Vstp0
露伴「あぁ、買い物ついでにさ、自転車か何かが欲しいんだけど、売ってる店あるかい?
   誰か借りれる人がいればそれが一番なんだが・・・。」
沙都子「自転車屋さんは興宮に行かないとありませんわね。
    うーん、ダム工事現場のゴミ山に行けば捨ててあると思いますけど・・・」
露伴「そりゃあ丁度いい。こっちにいる間だけ使えればいいからさ。
   じゃあそこに拾いに行くことにするよ。」
沙都子「でも、お店とダム現場は別の方向ですわよ。」
露伴「地図は持ってるって言っただろう?一人で行ってくるよ。」
沙都子「うーん。迷子になったら、どこかのおうちに道を聞きなさいませ。
    梨花の友達だと言えばみんな案内してくれるはずですわ。」
梨花「みぃー。村の人はみんな親切なのですよ。
   それより沙都子、そろそろタイムサービスに間に合わなくなるのです。」
沙都子「それはいけませんわッ!それじゃあ露伴さん、私達よりお先にお帰りになったら待っていてくださいましー。」

年下2人は本当に時間がないようで、自転車を取りに走って家に帰っていった。
露伴は一人、ダム工事現場を目指して歩き出すのだった。

159: 2007/12/27(木) 23:06:41.38 ID:0Jt8Vstp0
ちゃぷ11終わりでお願いしたい
TIPSはまだ書いてないっす

174: 2007/12/27(木) 23:48:26.45 ID:0Jt8Vstp0
■TIPS
----羽入の報告----
羽入「ロハーン、待ってくださいなのですよー。」

露伴がダム現場を目指し、歩いていると羽入が走ってきた。

露伴「丁度いいところに来た。いまダム工事現場に行くところだったんだ。
   案内してくれ。」
羽入「ダム工事現場というと、あのゴミ山のことですか?」
露伴「多分そうだ。自転車を調達したくてね。」
羽入「わかりましたです。案内しますです。」

176: 2007/12/27(木) 23:49:14.00 ID:0Jt8Vstp0
露伴「ところで、今日はどこに行ってたんだ?
   朝起きて服を受け取って以来見かけなかったが。」
羽入「今日はお休みしてたのですよ。
   昨日の夜にロハンの服を取りに行って力を使いすぎたのです。
   僕だって疲れたり眠くなったりするのですよ。」
露伴「ふーん。幽霊のわりにめんどくさいんだな。」
羽入「あぅあぅ。ロハンの為に服を取ってきたのにひどいのです。」
露伴「服を持ってこれるくらいなら、車も持ってきて欲しいもんだな。」
羽入「大きいものは無理なのです・・・。あ・・・。」

178: 2007/12/27(木) 23:52:23.69 ID:0Jt8Vstp0
露伴「ん?なんだよ?」
羽入「そういえば、ロハンの車壊されちゃったのです。」
露伴「・・・なんだと・・?どういうことだ。
   ちゃんと説明しろ。」
羽入「僕がロハンの服を取りに行ったらですね、神社に人がいたのです。
   その人たちは僕が見えるのか、僕を追い掛け回したのです。
   それで、急いで車から服を取り出そうとしてたら、石を投げつけてきて・・・。」
露伴「羽入が見えるということはスタンド使い・・・、そいつの特徴は?」

180: 2007/12/27(木) 23:55:18.06 ID:0Jt8Vstp0
羽入「1人じゃないのです。4人いましたです。
   一人は僕くらい小さい背の男。一人は真っ白なコートの男。
   一人はハンバーグみたいなのを頭にのっけた男。
   もう一人は、よく覚えてないのですが、気持ち悪かった気がしますです。」
露伴「康一君に承太郎と仗助か。最後の一人はわからないが・・・、
   最初の3人は僕の仲間だ。」
羽入「仲間・・・ですか?」
露伴「あぁ、ハンバーグのやつは気に入らないが、みんな僕の町に住んでるスタンド使いだ。
   多分、僕が行方不明になったんで調べに来たんだろう。
   君は敵のスタンドか何かかと思われたに違いない。」

186: 2007/12/27(木) 23:57:54.27 ID:0Jt8Vstp0
羽入「あぅあぅ。実体のない世界でよかったのです。
   みんな容赦なく殴ったりしてきたのです。」
露伴「あいつらは僕と違って物騒な能力ばかりだからな。
   承太郎の時を止めるのはすごいが・・・。」
羽入「そういえば、こっちの世界に戻ってくる前に時間が止まってた気がしますですよ。」
露伴「まぁいい。今度あっちの世界に行ってあいつらに会ったら、伝えてくれないか?
   僕は無事でそのうち帰るから気にするなって。」
羽入「あぅあぅ・・・。
   それが・・・だめなのです。彼らがロハンの世界で能力を使ったせいで、
   ロハンの能力の余波をたどることができなくなったのです。
   もうロハンの世界には僕は行けないのです。」

189: 2007/12/27(木) 23:59:42.60 ID:0Jt8Vstp0
露伴「ちッ・・・余計なことをしてくれる連中だ。
   康一君は別にいいけどな・・・。
   それじゃあ、僕はもう元の世界に戻るまでは彼らに連絡できないし、
   物を持ってくることもできないんだな?」
羽入「はい。そういうことになりますです。」
露伴「まぁ、いいか・・・。だいぶ真相がわかってきたしな。」
羽入「本当なのですか?今日何かあったのですか?」
露伴「いや、今日は遊んだだけだが、その間に大分考える暇があった。
   少し聞きたいことはあるが、それを聞き終えれば、真相がわかるかもしれない。」
羽入「聞きたい事というのは僕にですか?」
露伴「あぁ、昨日は祟りの話は聞いたが、学校篭城事件の話を聞いてなくてね。
   それ以外は僕なりに考えがまとまったところさ。」
羽入「すごいのです。教えてくださいなのです。」
露伴「学校篭城事件の話のほうが先だ。
   ゴミ山に着くまで話を聞かせろよ。」
羽入「わかったのです。やっぱりロハンはすごいのです。」


2人はダム工事現場跡へと向かうのだった。

190: 2007/12/28(金) 00:00:48.70 ID:sQJCDal00
さて、TIPS終わりっす
今日はクォリティ低すぎて申し訳ない
なんか風邪っぽいんですよね

風邪なおるまでは、おもしろいものが書けそうにないなら無理にやらないことにします><

35: 2007/12/29(土) 15:02:14.95 ID:vHg/mHq40
【警告】
ひぐらしをプレイする予定のある者は、
ここから先を読んではいけない。

36: 2007/12/29(土) 15:02:46.23 ID:vHg/mHq40
羽入と共にダム建設現場跡に着いた露伴は見覚えのある人影を見つけた。
露伴はその人影が自分の知る少年だと確認すると、ちょいと脅かしてやろうと考える。

露伴が足音を忍ばせて近寄ると、少年は突然振り向いた。

露伴「ぉっと、気づかれちまったか。」
圭一「露伴さん!
   何しに来たんすか?罰ゲームはちゃんと終わりましたよ。」

38: 2007/12/29(土) 15:05:16.41 ID:vHg/mHq40
露伴「偶然だよ。君がいるとは思ってなかったさ。
   それに、いい思いができたんだから、あんまり怒るなよな。」
圭一「いい思いって・・・、からかわないでくださいよ。
   別に魅音と手を繋いだって・・・」
露伴「あんな男みたいなやつじゃあ、いい思いでもなんでもない。
   ってかい?その割には恥ずかしがってたじゃないか。」
圭一「あ、あれは、村の人に見られたら勘違いされると思ったんですよ。」
露伴「ふぅーん。まぁ、そういうことにしといてあげよう。
   でも、女の子と手を繋いで帰れるなんてうらやましいぞ、圭一君。
   ちょっとは感謝してくれよ。」
圭一「ま、まぁ、そりゃ・・・ちょっとは魅音も女の子なのかなって思いましたけど・・・。
   って、いやいや、な、何言ってんだ俺。取り消し、今の取り消しですよ。」
露伴「聞かなかったことにしといてやるよ。ふふふ。」
圭一「露伴さん、絶対ばらしてやるぞって顔してますよ・・・。」

39: 2007/12/29(土) 15:13:11.27 ID:vHg/mHq40
レナ「圭一くーん!しゃべり声が聞こえるけど、誰かいるのーッ?」

ゴミ山の奥からレナの声が聞こえてくる。

圭一「あぁーっ!露伴さんが偶然通りかかったんだってさーッ!」
レナ「そっかー!待たせちゃってごめんねー!もうちょっとだからッ!」

露伴「なんだ、レナちゃんも一緒だったのかい?こんなゴミ山で何やってんだ、彼女は。」
圭一「さぁねぇ。昔、頃して埋めたバラバラ氏体でも確認してるんじゃないすか?」
露伴「レナちゃんが犯人だって言うのかい?圭一君はおもしろいことを言うなぁ。
   残った右腕を確認してるってわけか。ふふふ。」
圭一「・・・え?」



パシャッ
突如シャッターを切る音がした。

43: 2007/12/29(土) 15:21:40.11 ID:vHg/mHq40
圭一「おわっ!」
露伴「おいおい、いきなり許可もなく写真を撮るなんて、こういうのを盗撮って言うんじゃあないか?」
富竹「あはは。すみません。
   いつも野鳥の撮影をしてるもんで、断った試しがないんですよ。
   いやぁ、夕闇に黄昏ながら何かを語り合う少年と青年。いい絵になってたんでね・・・。」
露伴「フンッ、お世辞はいいよ。次は撮影料を請求するからな、富竹さん。」
圭一「富竹・・・さん?」
富竹「いやいや、手厳しいなぁ。
   えっと、そっちの子は初めて会うかな。君は雛見沢の人かい?
   僕は富竹。フリーのカメラマンさ。雛見沢にはたまに来るんだ。」

レナ「圭一くーん!露伴さーん!お待たせー。待ったかな?・・・かな?」

レナがそう言いながらゴミ山から戻ってきた。

44: 2007/12/29(土) 15:27:56.94 ID:vHg/mHq40
富竹「おっと、もう一人いたのかい。こんにちわ、レナちゃん。」
レナ「あ、富竹さん。もう、こんばんわ、だよ。だよ。」

確かにレナが言うとおり、すでに夕日も沈みかけ、夜と言っても差し支えない時間となっていた。

露伴「おっと、もう日が沈んじまうな。さっさと用事を済ませないと。」
レナ「そういえば、露伴さんは何をしに来たのかな?かな?」
露伴「自転車が欲しくてね、雛見沢にいる間だけ使えればいいから、
   ゴミ山に捨ててないか探しに来たわけさ。レナちゃん、使えそうな自転車見かけなかったかい?」
レナ「それなら、レナが見つけたやつをあげるね。
   もし私のが壊れたら使おうかと思ってたやつがあるの。」
露伴「そりゃちょうどいい。そいつをくれよ。どこにあるんだい?」

富竹「それじゃあ、もう暗くなってきましたので、僕はこのへんで。
   またお会いしましょう、露伴さん。レナちゃんも、「圭一くん」も、またね。」
露伴「あぁ、"また"な。」
レナ「またねー☆
   ほら、露伴さん早くしないと暗くなっちゃうよ。こっちこっち。」

富竹が別れを告げ立ち去ると、レナと露伴は圭一を残してゴミ山に消えていった。

46: 2007/12/29(土) 15:36:07.65 ID:vHg/mHq40
無事に自転車を手に入れた露伴は、レナと圭一と途中まで一緒に帰ることにした。

露伴「そういえばレナちゃんは何をしてたんだい?あんなゴミ山で。」
レナ「レナはね、宝探しだよ。かぁーいいものを探すのっ。」
露伴「あのゴミ山でかい?よくわからないな・・・。」
レナ「あのね。あのね。今日はすっごいの見つけたんだよ!
   なんと、ケンタくん人形が捨てたあったのッ♪」
露伴「ケンタくん人形・・・あのケンタくんフライドチキンの前に置いてある、等身大の人形かい?」
レナ「・・・そう。ケンタくん☆
   ・・・はぅ・・・かぁいいよぅ・・・お持ち帰りしたぃ・・・。」

47: 2007/12/29(土) 15:38:57.54 ID:vHg/mHq40
露伴「あれのどこがかわいいんだ・・・。」
圭一「俺もよくわかんないすけど・・・、でもあれはゴミ山だろ?
   お持ち帰りしたきゃしてもいいんじゃないか?」
レナ「他の山の下敷きになってるの。・・・簡単には掘り出せないし・・・。
   あそこ、灯りがないからすぐ暗くなっちゃうし・・・。」
圭一「俺も手伝ってやるよ。今日のうまかった弁当の恩返しってことでさ。」
レナ「・・・はぅ・・・あ、・・・ありがとう・・・。」
露伴「僕も弁当と自転車の恩があるけど、二人のお邪魔はしないことにするよ。」
レナ「はぅ・・・圭一くんと二人っきり・・・はぅ・・・。」
圭一「ろ、露伴さん、もう、すぐからかうのやめてくださいよー。」
露伴「ははは。おっと、僕はこっちだけど、多分この辺でお別れじゃないか?」

気がつくと、ダム建設現場からの細い道を抜け、村の通りまでついていた。

48: 2007/12/29(土) 15:39:35.46 ID:vHg/mHq40
圭一「あぁ、俺らはこっちなんで、それじゃあ、露伴さん。また遊びましょう。」
レナ「また、部活しようね☆」
露伴「あぁ、またね。」
圭一「あ、露伴さん。聞きたいことがあるんですけど・・・今度教えてもらえますか?」
露伴「あぁ、さっきのことかい?別にいいけど。」
レナ「何のことかな?かな?」
露伴「ふふ。女の子には聞かせられない話なんだよ。
   圭一君と僕の秘密さ。」
レナ「はぅ・・・二人だけの秘密・・・はぅ・・・。」
圭一「露伴さんッ!誤解される言い方しないでくださいよ。
   ほら、レナ、置いてくぞーっ!!」

そう言ってレナと圭一は自分たちの帰路へと帰っていった。

50: 2007/12/29(土) 15:40:23.20 ID:vHg/mHq40
羽入「ちゃんと圭一やレナとも仲良くなれましたですね。」
露伴「レナちゃんは、マークしておく必要があるしね。
   圭一君は、大石さんの話だと漫画の主人公にぴったりだと思ってさ。
   取材したかったんだが、まぁ、予想通りにからかい甲斐のある子だったよ。」
羽入「レナも圭一もとってもいい子なのです。あんまりからかっちゃだめなのですよ。」
露伴「うーん、やっぱり、やめられないね。
   ガキをからかうのはさ、カッハッハッハッハーッ!」
羽入「むぅー、露伴はもっと素直になったほうがいいのです。」

羽入と露伴は、古手神社へと向かう。

今日の晩御飯はどっちが作るんだろうな。
帰ったら沙都子ちゃんに何か絵を描いてやろうかな。
露伴は家に着いてからのことに思慮を巡らせた。

雛見沢の子供たちのおかげで、露伴は少し大人になってきたようである。

52: 2007/12/29(土) 15:42:20.17 ID:vHg/mHq40
■TIPS
----露伴のメモ----
羽入からダム現場に行くまでの間に聞いたことをメモしておく

学校篭城事件について

学校篭城事件自体は、僕の知る通り竜宮礼奈が起こした立てこもり事件であり、
オヤシロ様の祟り等とはあまり関係がない

竜宮礼奈が34号文書を手にした
その結果、雛見沢症候群の研究をしている自衛隊を、
なんらかのバイオテロを計画する組織と誤認し、事件を起こしたもののようだ
34号文書を竜宮礼奈に託したとされる、鷹野三四が氏亡したのも、彼女が犯行を決意した背景にはあるようだ

だが、この事件は羽入たちにとっては別の事件として捉えることができるらしい

53: 2007/12/29(土) 15:43:29.14 ID:vHg/mHq40
まず、羽入達にとって、この"竜宮礼奈により立てこもり事件"は常に起きる出来事ではないらしい
彼女達の転生?の経験上、比較的低い確率で起こる事件なのだそうだ
しかし、視点をもうひとつマクロな視点に移すと、かなりの高い確率で起きる事件になる
それは、"雛見沢の少年少女のいづれか、または複数が雛見沢症候群の発症を起こす"というものらしい
学校篭城事件の際に、竜宮礼奈には雛見沢症候群の発症を示す症状が出ていたらしい
また、彼女らの転生の中では、他にも圭一、魅音、詩音が症候群を発症するケースがあるそうだ

ちなみに、詩音というのは魅音の双子の妹らしく、僕は面識がない
彼女らは一卵性双生児のため、羽入達にはどちらが発症して何らかの凶行を行っているのか判断できないそうだ

54: 2007/12/29(土) 15:44:04.53 ID:vHg/mHq40
なぜ彼らが発症することが高確率で起こるのかはわからない
何か他の要因があるのだろうか?
思春期の彼らがもっとも精神的に不安定だということが発症に関与しているのだろうか
または梨花の近くにいるために、何か影響があるのか?
とりあえず、これに関しては僕には考えられないな

55: 2007/12/29(土) 15:44:25.88 ID:vHg/mHq40
結論を端的に書こう
僕は、昭和58年の雛見沢では、
富竹・鷹野・梨花の殺害、竜宮礼奈の学校篭城事件、入江京介の自殺、が起きると思っていた

しかし、実際には、富竹・鷹野・梨花の殺害は起こるが、その他に関しては必ず起こるものではないらしい
入江京介の自殺は、梨花達が知らない出来事らしいので、常に起こるかまったくわからない
そして、篭城事件の代わりに、誰かの雛見沢症候群の発症が起こる
ちなみに症候群の発症は高確率だが、起こらない場合、または梨花たちが気づかない場合もあるそうだ


57: 2007/12/29(土) 15:45:56.05 ID:vHg/mHq40
さて、これらの話を聞いてある意味安心した
篭城事件がただの個別の事件であることが確認できたからだ
これで僕の推理が正しければ、"常に"梨花を殺害する人間が誰なのかはほぼ推測できた
しかし、別の問題も出てきたことになる
羽入の話では、雛見沢症候群を発症した人間に梨花が殺されることもあるらしい
記憶のノイズとやらで推測でしかないらしいが、多分そうなのだろう




僕のしばらくの行動目標が決まった
まずは、梨花を殺害する人間の動機を探ること
殺害する人間の推測はできるが、動機はまったく思い当たらないからな

そして、梨花を生き延びさせること
梨花が発症した人間に殺される等のケースは避けなければならない
逆に言えば、それらのケースを避けていれば梨花を頃す人間は必ず行動に移る
そうすれば、僕の推理が正しいのか確かめることができる

58: 2007/12/29(土) 15:46:40.23 ID:vHg/mHq40
----惨劇の足音?----

レナ「はぅ・・・圭一くんと露伴さんの秘密・・・はぅ・・・」
圭一「あーもう、変なこと想像すんなよなー。
   別にそんなことじゃないんだって。」

そう言いながら、圭一はレナの頭を乱暴に撫でた。

60: 2007/12/29(土) 15:53:12.01 ID:vHg/mHq40
レナ「はぅ・・・。
   でも、女の子には言えない秘密なんだよね。
   魅ぃちゃんに教えてあげよーっと。」
圭一「おいおい、やめてくれよ、魅音にバレたら絶対言うまで聞いてくるもんなー。
   まぁ、別に言ったっていいんだけどさ、露伴さんが言うとおり、女の子が好きそうな話じゃないんだよ。」
レナ「ふーん。
   でも、圭一くんが本当に悩んでるなら、レナに聞いてくれても大丈夫だからね。」
圭一「そんな、悩み事なんかじゃないって。ちょっと気になることがあっただけだよ。」
レナ「気になること?レナが知ってたら教えてあげるよ?」

61: 2007/12/29(土) 15:54:25.13 ID:vHg/mHq40
圭一「うーん。あそこさ・・・、さっきのダムの工事現場。
   あそこで昔、なんかあったのか?」
レナ「ダム工事をやってたんだってね。詳しくは知らないけど・・・はぅ・・・。」
圭一「たとえばさ、工事中になんかあったとか。事故とか。」




レナ「知らない。」




62: 2007/12/29(土) 15:57:47.28 ID:vHg/mHq40
レナ「実はね、去年までよそに住んでたの。」
圭一「え?レナも転校生だったのかい?俺はてっきり・・・」
レナ「だからね、それ以前のことはよく知らないの・・・ごめんね☆」
圭一「あぁ、そうなんだ、じゃあやっぱり露伴さんに聞いてみるよ。
   露伴さん物知りだからなー。」
レナ「そうだね、露伴さんすごいよね。
   魅ぃちゃんが完璧に負けるところなんて久しぶりに見たな。」
圭一「だよなぁー。あの魅音が完璧に負けてたもんなー。
   それに絵を描いてくれたり、ちょっとからかうのが困るけど、また露伴さんと遊びたいぜ。」
レナ「そうだね。レナももっとかぁいいもの描いてもらおーっと。」
圭一「お、レナ、バイクだ、危ないぞ。」

63: 2007/12/29(土) 15:58:10.14 ID:vHg/mHq40
圭一「痛ぇッ!くっそー、こんな砂利道で飛ばすなよなー。」
レナ「圭一くん、大丈夫?」
圭一「あぁ、石が飛んだだけだからよ。全然どーってことないよ。
   さて、もう家だ。レナ、気をつけて帰れよ。」
レナ「うん、じゃあ、また明日。
   待ち合わせに来なかったら迎えに来るからね。」
圭一「わーったよ。ちゃんと起きるって。
   じゃ、またな。」

64: 2007/12/29(土) 15:58:30.24 ID:vHg/mHq40
終わりです

なんだか体調が優れないかもしれません

67: 2007/12/29(土) 16:02:10.75 ID:vHg/mHq40

引用: 岸辺露伴は動かない-雛見沢-