1: 2012/06/27(水) 21:27:32 ID:UeYvVavg
幼「この魔法陣が完成すれば、もはや我に敵など居なくなる!」

幼「…無限の力が我の物となるのだ!」

幼「クックック…フワーッハッハッハ!」

男「…魔法陣ねぇ」



2: 2012/06/27(水) 21:28:11 ID:UeYvVavg
幼「な、なんだ?男よ。」

男「その無限の力とやらを得て、お前は何になりたいんだ?」

幼「我の事をバカにした者共を、皆頃しに…」

男「…物騒だなぁ」

幼「な、なんだ!男はあやつらの味方をすると言うのか!」

男「そんなつもりはねぇよ」

男「ただ、なぁ…」

3: 2012/06/27(水) 21:28:43 ID:UeYvVavg
幼「な、なんなのだ!はっきりと言ってみろ!」

幼「下僕の癖に、我に意見する事が出来るのならばな!」

男「俺が、幼の事を馬鹿にした奴らの肩を持つ訳がねぇ」

男「それはわかってるだろ?」

幼「…それはこの第三の眼、暗黒竜の魔眼でお見通しだ!」

男「まぁ、わかってくれてるなら、第三の眼でも何でもいいけどさ」

幼「…」

4: 2012/06/27(水) 21:29:31 ID:UeYvVavg
男「これはちょっと方向性違うんじゃね?」

幼「わ、我は、強くならねばならんのだ!」

幼「ち、力を…得ねば…ならない…のだ」

男「無理するなよ、幼」

幼「む、無理なんて…してない…」

男「俺はわかってるから」

幼「…ま、まさか!お、男も魔眼を?」

5: 2012/06/27(水) 21:30:14 ID:UeYvVavg
男「違う!赤ん坊の頃からの付き合いだからだ!」

幼「…」

男「だから、無理して、強くなんかならなくていいよ」

男「幼が前向きな方向で変わるなら、応援する」

男「でも、これは強さじゃなくて、逃げだぞ」

幼「う、うるさい!とにかく!」

幼「この魔法陣の完成には!」

幼「男の血が必要なの!…なのだ!」

6: 2012/06/27(水) 21:30:49 ID:UeYvVavg
男「幼、落ち着け!」

幼「そ、そうしないと、男が、あの女達の味方に…」

幼「あいつらの所に…行っちゃう…」

男「俺はお前の傍に居るだろ?」

幼「ま、マボロシめ!わ、我の眼は誤魔化せぬぞ!」

男「…幼、お前まさか…ヤバイクスリに手を出してるのか?」

幼「え?クスリ?さっきバファリンを飲んだけど…それが何?」

男「…」

7: 2012/06/27(水) 21:31:49 ID:UeYvVavg
幼「とにかく血を!」

男「俺の血で、お前が救われるなら、いくらでもやるよ」

男「…で、どれくらい必要なんだ?」

男「身体中の血か?」

幼「そ、そんなに要らないよ!」

幼「指の先にちょっと傷付けて…」

幼「ちょびっとだけ、この魔法陣に付けてくれれば…いいよ」

8: 2012/06/27(水) 21:32:27 ID:UeYvVavg
男「…これでいいか?」

幼「…う、うん」

男「これでお前は強くなったのか?」

幼「…」

男「何も変わらないだろう?わかったか?」

9: 2012/06/27(水) 21:32:50 ID:UeYvVavg
幼「…じ、呪文を唱えれば…」

男「じゃあ、唱えてみろ!」

幼「…」

男「なんにでも、いくらでも付き合ってやるから!」

幼「…」

男「だから、全部終わったら、元のお前に戻ってくれ、幼!」

幼「…」

10: 2012/06/27(水) 21:33:41 ID:UeYvVavg
1ヶ月前
女A「ねー、幼ってさー」

幼「な、なに?」

女A「前髪鬱陶しくないの?」

女B「確かにかなり長いよねー。目隠れちゃてるもんね」

幼「む、昔から…こうだから」

11: 2012/06/27(水) 21:34:43 ID:UeYvVavg
女C「前髪切ってあげよっか?」

幼「い、いいよ!この長さが丁度良い長さだから…」

女A「えー。でも、幼、髪切ったら絶対可愛くなるってー」

幼「ほ、ほんとに、いいから…」

女B「いいじゃん。私、ハサミ持ってるよ」

女C「前髪だけでも切っちゃおうよ!」

幼「や、やめ…」

12: 2012/06/27(水) 21:35:30 ID:UeYvVavg
女A「ほら、髪の毛上げると可愛い…え?」

女B「え?何、この傷、気持ち悪っ!」

幼「…!」

女C「幼、何なのこの傷?目を閉じた、天津飯みたい」

女B「キャハハ!言い過ぎ!女B!」

幼「うぐっ…ぐすっ…」

女A「これを隠す為に前髪のばしてたの?」

13: 2012/06/27(水) 21:36:01 ID:UeYvVavg
幼「ぐすっ…」

女B「えっ?な、何かごめん…そりゃ髪ものばすよね」

女C「そんな傷があったらね…」

幼「…」
ダッ

女C「幼っ…行っちゃった…」

女A「あんたのせいだよ、女B!」

14: 2012/06/27(水) 21:36:34 ID:UeYvVavg
女B「何よ!最初に幼の髪の話しだしたのも」

女B「傷気持ち悪いって言ったのもアンタじゃん!」

女A「アンタがハサミ持ってるなんて言わなければ!」

女C「ふ、二人とも、やめなよ…」

女B「女C!あんたも同罪だよ!」

女C「何で私まで!あんたら2人が…」




友「…これは、男に報告だな…」

15: 2012/06/27(水) 21:37:51 ID:UeYvVavg



友「…って事が、5限目の休み時間に、あった」

男「で、幼は?」

友「飛び出して行って、帰ってこなかった」

友「たぶん、そのまま帰っちゃったんだと思う」

男「そうか、ありがとう、友」

友「取り敢えず、あのクソ女3人は許さんとして」

友「どうするんだ?男」

男「もちろん幼の家に突撃だ!」

16: 2012/06/27(水) 21:38:33 ID:UeYvVavg



男「幼!居るんだろ!開けろ!」
ガンガンガン

幼「う、うるさい!窓を叩かないで!」

男「昼の事、友から聞いたぞ」

幼「…バレちゃった。額の傷の事…」

17: 2012/06/27(水) 21:39:39 ID:UeYvVavg
男「その傷の事、気にするなとは言えないが」

男「あんなアホ達の言う事は無視しろ!」

幼「…私、強くなるから…」

男「え?何だって?」

幼「私!強くなるからっ!」

18: 2012/06/27(水) 21:40:32 ID:UeYvVavg
男「お、おう…」

幼「だから今日は帰って!」

男「帰ってって言ってもな」

男「幼の部屋の窓、俺の部屋の窓から、手届くからな?」

幼「揚げ足とらないで!」

19: 2012/06/27(水) 21:41:33 ID:UeYvVavg



友「…結局幼ちゃん、学校に来なくなっちゃったな」

男「部屋で何かしてるのは間違いないんだが…」

男「最近は俺の問いかけにも返事しないんだよ」

友「心配だな…」

男「…」

友「修学旅行には来られそうなのか?」

男「さっぱりわからん…」

20: 2012/06/27(水) 21:42:16 ID:UeYvVavg



男「おーい幼」

男「明日から、修学旅行だぞ?」

男「…幼が行かないなら、俺も行かないぞ?」

男「…なぁ、幼、いい加減出てきてくれよ…」

男「もう1ヶ月だぞ?」

男「おじさんもおばさんも心配してるぞ?」

男「…頼むから、返事してくれよ…」

21: 2012/06/27(水) 21:43:07 ID:UeYvVavg



男「幼ー。友のやつから修学旅行の土産貰ったぞー」

男「幼が大好きな、東京ばななだぞー」

男「鳩サブレーもあるぞー…」

男「…おーい…」

22: 2012/06/27(水) 21:44:09 ID:UeYvVavg
ピロリンロン

男「ん?携帯?」

男「お!幼からメールだ!」

男「『今すぐ我が結界(テリトリー)へ来るがよい、忠実なる下僕よ』?」

男「…とりあえず行くか…」

23: 2012/06/27(水) 21:44:46 ID:UeYvVavg



男「で、来てみればこの有様」

幼「…」

男「もう気が済んだか、幼?」

24: 2012/06/27(水) 21:45:27 ID:UeYvVavg
幼「わ、私、どうしていいかわからなくて…」

幼「強くなろうと思って、一生懸命考えて…」

幼「喋り方や考え方も、変えて…」

幼「呪術とかもネットで調べて…」

幼「それで…それで…」

男「…間違ってるってわかったか?」

25: 2012/06/27(水) 21:46:17 ID:UeYvVavg
男「こんな、落書きじゃ、何も変わらない」

幼「…うん」

男「なら、いつもの幼に戻ってくれよ」

幼「…」

男「ほら、東京ばななと鳩サブレー」

男「食べなよ、好物だろ?」

26: 2012/06/27(水) 21:46:54 ID:UeYvVavg
幼「クックック。我への供物か…さすが我が下僕」

男「…おい」

幼「ハッ!わ、我とした事が…」

男「おい、幼!」

幼「クッ…右腕の制御が…」

男「やめろってば、幼!」

27: 2012/06/27(水) 21:48:08 ID:UeYvVavg
幼「うぐっ…モグモグ…静まれ…静まるのだ…」

幼「右手に宿りし、モグモグ、あ、悪魔よ、モグモグ」

男「食べながら喋るのをまずやめろ!」

男「そんで、そのおかしな口調もやめろ!」

幼「人の時間で、1ヶ月も特訓したのだ…モグ」

幼「そう簡単には、パリポリ、やめられん、のだ…ポリポリ」

28: 2012/06/27(水) 21:49:13 ID:UeYvVavg
男「…なら、ショック療法しかないな!」

幼「…ショック療法?」

男「2人で行くぞ!」

幼「え、どこに?」

男「東京への修学旅行!」

幼「え?」

29: 2012/06/27(水) 21:49:56 ID:UeYvVavg



幼「ククク、見よ!男よ!」

男「見てるよ」

幼「この光景!我が支配するに相応しい街と言えるな!」

男「そうか、まだそのキャラを貫くつもりか」

30: 2012/06/27(水) 21:51:46 ID:UeYvVavg
幼「し、しかし、眼前に広がる荒廃した街並みを見ると、心が…」

男「荒廃してないだろ、幼。東京都民に申し訳ないよ」

幼「ふん。げ、下僕の分際で、我に意見するとはな!」

幼「制裁がひ、必要な様だ…な…」

男「はいはい。制裁ね。どんと来いよ」

幼「わ、我を虚仮にしているのか?」

幼「いくら貴様でもゆ、許さんぞ、男!」

31: 2012/06/27(水) 21:52:26 ID:UeYvVavg
男「で?どんな制裁が待ってるんだ?」

幼「ま、窓際まで行って、真下を覗いてこい!」

男「あー、はいはい。お安いご用ですよ」

幼「…」

男「あー、すげーな。街がおもちゃみたいに見えるぜ」

幼「…」

32: 2012/06/27(水) 21:53:22 ID:UeYvVavg
男「幼もこっちに来てみろよー」

幼「フフ。わ、我はこの第三の目、暗黒竜の魔眼で」

幼「この街の全てを既に観ておるのでな!」

幼「このような建造物から観る必要などないのだ!」

男「そうっすか。でもさー、幼」

男「せっかく東京タワーの特別展望まで来たのに」

男「見ておかないともったいないよ」

33: 2012/06/27(水) 21:54:08 ID:UeYvVavg
幼「…クックック。くだらん。こんな薄汚れた街になどに興味は無い!」

男「さっき、支配するに相応しいって言ってたじゃん」

幼「言ってない!」

男「ほらほらー窓際まで行こうぜ、幼」
ガシッ

幼「は、離せ!さもないと…」

男「どうなるんだ?」

34: 2012/06/27(水) 21:55:21 ID:UeYvVavg
幼「うぐっ…静まれ…我が右手よ…」

男「はいはい。右手静まったよね?」
グイグイ

幼「ぎゃーーーや、やめろ!男!やめるのだ!」

男「やめませーん」

幼「ぎゃーーーーゆ、許して!男!」

男「んじゃ、もうその変なキャラ作りやめるか?」

幼「やめる!もうやめるから!」

35: 2012/06/27(水) 21:58:13 ID:UeYvVavg
男「よしよし。それでいいんだよ、幼」

幼「ハァハァ…お、恐ろしい事を…」

男「ん?まだ喋り方がおかしいかな?」

幼「おかしくない!全然おかしくない!」
ヘタッ

男「大丈夫か?幼」

幼「た、高いところ、怖い!怖いよ、男!」

男「ほら、…幼」
ガシッ
ギュッ

36: 2012/06/27(水) 21:58:51 ID:UeYvVavg
幼「えっ?」

男「これで安心出来る…だろ?」

幼「…うん。とっても安心出来る、よ」

男「よし!それじゃ、2人きりの修学旅行はこれで終わりだな」

男「はぁ…荒療治だったけど、やって良かった」

男「やっと俺の幼が戻って来たような気がするよ…」

幼「…私も、やっと振り切れた気がするよ、男」

37: 2012/06/27(水) 21:59:50 ID:MM1Zogrs
幼「ありがとうね」

男「何のこれしき」

幼「…ずっと傍に居てね?」

男「おう、まかせろ。俺は幼の…」

幼「…忠実な下僕だもんね?」

男「…そうか、そんなに窓際まで行きたいのかそうか」

幼「ぎゃーーーー。嘘!嘘です!」



東京タワーに来ていた客達(あそこのリア充、爆発しねーかな)


おわり

38: 2012/06/27(水) 22:00:55 ID:UeYvVavg
これで終わりです
読んでくれた人が居たら嬉しいです

次スレは
幼馴染「あん?何か文句でもあんのか?」男「別に」
ってタイトルでスレ立てると思います

では。

40: 2012/06/27(水) 22:28:13 ID:k5Gy2JMI

44: 2012/06/27(水) 23:23:09 ID:UeYvVavg
みなさん、読んでくれてありがとうございます

>>41
>>43
それはフリですね?フリなんですね?

引用: 幼馴染「ククク、見よ!男よ!」男「見てるよ」