1: 2012/05/18(金) 10:48:16 ID:VBz76yCU
~嘘つきなマミ~

昔、ある牧場に横柄なマミがおりました。

マミは牧場主である杏子の前ではとても良いマミでしたが、従業員のさやかとまどかに対しては好き放題やっておりました。

2: 2012/05/18(金) 10:49:09 ID:VBz76yCU
さやか「ちょっ、マミさん!小屋に戻りなって!」

マミ「ティロフィナ」バン

チュドーン

さやか「ぎゃあぁぁあ!小屋がぁああ!」

杏子「おらぁ、さやかぁ!今度は何やっt…うぉおおぉ!さやかぁああ!?」

さやか「私じゃない!私じゃない!」

杏子「嘘つけごらぁあ!マミがそんな事するわけねぇだろ!」ゴチン

さやか「うわーん」

マミ「むにゃむにゃ」ゴロゴロ

3: 2012/05/18(金) 10:50:26 ID:HDyu8xsQ
と、始終こんな調子でした。

ある日、杏子がまどかに仕事を与えました。

杏子「マミの飯の世話を頼むな」

まどか「うん。じゃあ、マミさん連れてくね」

まどかは心良く返事をしました。

杏子から貰った仕事です、まどかは張り切ってお気に入りのケーキバイキングに連れて行きました。

4: 2012/05/18(金) 10:51:30 ID:HDyu8xsQ
まどか「マミさん、美味しい?」

マミ「美味しいわ、とても美味しい」

まどか「満足出来たかな?」

マミ「たくさん食べたし、たくさん飲んだわ。もうチョコ一欠片も食べられないし、紅茶一杯飲めないわ」

5: 2012/05/18(金) 12:00:16 ID:A2ygcg.s
まどかは安心して、牧場に戻りました。

まどかが帰って来ると、杏子はマミに聞きました、まどかがきちんと仕事をしたか気になったのです。

杏子「良いもん食えたかい?」

マミ「たくさん…はっ!」

マミは考えました、あまり正直に言って、大食いと思われるのは恥ずかしかったのです。

マミ「全然食べなかったし、飲んでないわ!ケーキは崩れて美味しくないし、茶葉も古くて飲めやしない!」

6: 2012/05/18(金) 12:00:54 ID:A2ygcg.s
杏子はすぐさま、まどかを呼びつけます。

杏子「まどか!ちゃんとした所を紹介してやれよ!」ポカッ

まどか「うぅ…ひどいよマミさん…」

7: 2012/05/18(金) 12:01:58 ID:9Oueo1v.
仕方なく、杏子はさやかに仕事を与えました。

杏子「マミの飯の世話を頼むな」

さやか「え~」

杏子「え~。じゃねぇ」

さやか「…ちぇっ、行くよマミさん」

さやかは渋々返事をしました。

8: 2012/05/18(金) 12:21:08 ID:RVMyQsTY
杏子から怒られるのだけは避けたいさやかは、行き着けのフルーツパーラーに連れて行きました。

さやか「マミさん、どうです?」

マミ「美味しいわ、とても美味しい」

さやか「好きなだけ食べなよ?」

マミ「たくさん食べたし、たくさん飲んだわ。もう葡萄一粒も食べられないし、紅茶一杯飲めないわ」

9: 2012/05/18(金) 12:22:45 ID:f6t4/h/g
さやかはドヤ顔で、牧場に戻りました。

さやかが帰って来ると、杏子はマミに聞きました、さやかがきちんと仕事をしたか気になったのです。

杏子「今度こそ良いもん食えたかい?」

マミ「だから全然食べなかったし、飲んでないわ!苺は潰れて酸っぱいし、茶葉も古くて飲めやしない!」

10: 2012/05/18(金) 12:25:51 ID:9Oueo1v.
杏子はすぐさま、さやかを呼びつけます。

杏子「さやか!てめぇ、いつになったらちゃんと仕事すんだよ!」ガスッ

さやか「うわーん!…力加減が明らかに違う…うわーん!」

こいつらは駄目だ、とうとう杏子は自分で仕事をする事にしました。

11: 2012/05/18(金) 12:46:25 ID:WBhXNboA
杏子「マミ、私が旨い店連れてってやるよ!」

マミ「…」

杏子は、今まで不味い店ばかり紹介したお詫びにと取って置きのフレンチレストランに連れて行きました。

12: 2012/05/18(金) 12:47:45 ID:WBhXNboA
杏子「どうだ?旨いだろ?ジャンジャン頼むからドンドン食えよ?」

マミ「…美味しいわ」

杏子「全然食ってねぇじゃねえか!腹でも痛いのか?」

マミ「そう言う訳じゃないんだけど…」

マミは度重なる暴食で胃袋が限界でした。

マミ「なんだか、食が進まないから先に帰るわね…」

杏子「ちょっと待ちな…食いかけの飯が残ってるぞ」

13: 2012/05/18(金) 12:48:30 ID:h9JxiKwA
杏子の口調は穏やかでしたが、目は笑っていませんでした。

マミ「…食べるわ」

マミはパンパンの胃袋に食事を詰め込みますが、料理は次から次に運ばれてきます。

笑わない杏子の監視の中、黙々と食べ物を流し込む作業が続きます。

薄れゆく意識の中でマミは、二度と嘘はつくまいと、心に誓いましたとさ…

~めでたしめでたし~

14: 2012/05/18(金) 12:49:39 ID:WBhXNboA
マミ「…」

ほむら「どう?」

マミ「何よこれ?」

ほむら「有名でしょ?嘘つきなマミ」

杏子「知らね」

マミ「だいたい、私の大食いやデブ設定は誰発信なのよ!」

まどか「そんな描写、アニメには無いですもんね…」

マミ「誰か解ったら、風穴開けてやるわ!」

さやか「何気に私の扱いが酷い」

杏子「ご飯残したマミが悪いな!」

15: 2012/05/18(金) 19:05:30 ID:v0DRIBqM
~マッチ売りのまどか~

いつか、何処かにある寂れた町に一人の少女がおりました。

少女の名はまどか。

まどかの家はとても貧しく、母が氏んでからというもの収入も無く、父は酒浸りでした。

まどかが稼いだお金も、父の酒代に消える有り様でした。

16: 2012/05/18(金) 19:08:23 ID:A2ygcg.s
クリスマスを明日に控えた、とても寒い夜、まどかはマッチを売っておりました。

まどか「マッチは如何ですか?どなたかマッチを買っていただけませんか?」

このご時世、マッチを買ってくれる人はまばらです。

ある通行人が言いました。

中沢「道の真ん中で立ち止まらないでもらえるかなぁ、邪魔なんだよ!」ドンッ

通行人がまどかを突き飛ばし、マッチは四方に落ちてしまいました。

17: 2012/05/18(金) 19:10:29 ID:A2ygcg.s
まどか「ご、ごめんなさい」

まどかがマッチを拾おうとしたその時、まどかの目の前で通行人が消え去ったのです。

不思議な事に、ばら蒔いた筈のマッチも籠に戻っていました。

パンッ

まどかは神様に感謝し、マッチ売りを再開しました。

18: 2012/05/18(金) 19:15:15 ID:1oqLbKoQ
すると、また別の通行人が言いました。

ショウ「お前なら買ってやるぞ?1セントでなぁ、ハッハッh…

そこまで言うと、またまどかの目の前で通行人は消えたのです。

不思議な事に、マッチが幾つか無くなっており、籠に紙幣が挟んでありました。

パンッ

まどかは神様に深く感謝し、またマッチ売りを再開しました。

19: 2012/05/18(金) 19:30:31 ID:.HqCZ5/Y
まどか「そうか、明日はクリスマス…神様が見守ってくださってるんだ」

それからも不思議な事は起こり続けます。

まどかが悴んだ手足を擦ると、マッチが少し無くなり、目の前に綺麗な靴と手袋が置いてありました。

仁美「キャー!私の足!足が!」

執事「お嬢様ぁぁぁ!?裸足で外に出ては凍傷になりますぞ!」

20: 2012/05/18(金) 19:40:27 ID:nTNtmJaM
まどかのお腹が鳴ると、マッチが少し無くなり、目の前に豪華な食べ物が置いてあるのです。

マミ「QB、テーブルの上の食事をどうしたの…」プルプル

QB「僕じゃ無いよ!急に目の前で消えたんだ!本当だよ!」

21: 2012/05/18(金) 19:41:11 ID:IV/0G8bU
そして雪が強く降り始め、まどかの体が雪に覆われた時、マッチが少し無くなり籠に紙幣が入っておりました。

さらに…

ボゥッ

目の前の家が燃え始めたのです。

杏子「念願の…マイホームが…」

22: 2012/05/18(金) 19:42:00 ID:f6t4/h/g
たしかに暖を取ることは出来ましたが、売っている物が売っている物だったので、まどかは家に戻ることにしました。

まどか「ただいm…パパどうしたの!?」

まどかが家に戻ると、酷く怯えた父親が穴だらけの壁を眺めておりました。

それからと言うもの、父親は酒をピタリとやめ、必氏に働き始めました。

まどかはクリスマス前日の奇跡に感謝し、父親と幸せに暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

23: 2012/05/18(金) 19:45:26 ID:1oqLbKoQ
ほむら「…」

さやか「どおよ?」フフン

ほむら「美樹さやか…あなた…」

ほむら「まどかにマッチ売りなんて辛い役をやらせるなんて…」

マミ「そっち!?」

杏子「やっぱり、神様は偉大だな」

まどか「本当だね、でも杏子ちゃんの家が燃えたのはやり過ぎだよね…」

杏子「きっと、真っ当な金で買った家じゃ無かったのさ…まどかが気にする事じゃ無いよ」

まどか「杏子ちゃん…」

さやか「君達?」

26: 2012/05/18(金) 21:24:27 ID:wR0mvFXs
~杏子と豆の木~

これは、貧しい親子の話。

父が他界し、母一人の畑仕事で貧しく生きる親子がおりました。

子供の杏子は、とても母思いな娘で母の手伝いを懸命にやりました。

母は杏子に言いました。

27: 2012/05/18(金) 21:25:09 ID:h9JxiKwA
マミ「杏子?悪いけれど、このままでは冬は越せないわ…仕方無いから雌牛を出来るだけ高く売って来てくれないかしら?」

杏子「あの雌牛、売っちゃって良いのかい?そりゃ冬は越せるかも知れないけど…」

マミ「良いのよ…頼んだわね」

親子は唯一手元にある雌牛さえも手放す事になりました。

28: 2012/05/18(金) 21:35:21 ID:9JwY8q5w
杏子が雌牛を連れ、町に向かう途中、一人の商人に会いました。

杏子「高く買ってくれないかい?…何なら、麦や種籾とかでもいいんだ」

ほむら「確かに、良い雌牛ね…これと交換でどうかしら?」

商人が示したのは、不思議な形をした種でした。

29: 2012/05/18(金) 21:36:04 ID:AYgH.Ytw
それは大変魅力的な種でしたが、杏子の頭に母の顔がよぎります。

杏子「いやいや、駄目だ!冬どころか、一月も持たねぇよ…」

ほむら「貴女は本当に愚かね佐倉杏子。この種は魔法の種よ?…一晩で天より高く育ち、鍋一杯の豆を作るわ」

杏子「マジか!?そりゃ良いや!」

杏子は雌牛と種を交換する事にしました、そして意気揚々と家に戻ったのです。

30: 2012/05/18(金) 21:43:06 ID:BVPOV1NM
マミ「あらあらご機嫌ね?そんなに高く売れたの?」

杏子「マミ母さん!これを見ろ!」

マミ「種ね」

杏子「種だよ」

マミ「えっ?それ一粒と交換したの?」

杏子「魔法の種なんだ」ニコニコ

マミ「…」

杏子「一晩で天まで育つって」ニコニコ

マミ「そう…母さん仕事に戻るわね…」

そう言うと、母は黙って畑仕事に向かいました。

杏子は種を裏庭に植えてから、母の手伝いをしました。

31: 2012/05/18(金) 21:49:50 ID:UJ23u5kE
そして、次の朝…

あの商人のいった通り、裏庭に巨大な蔓が生えておりました、雲の先まで伸びている長い長い蔓でした。

母は大変驚きました。

杏子は早速、豆を回収するためスルスルと登って行きます。

マミ「あの娘、猿みたいね」

母は落ちやしないか心配です。

32: 2012/05/18(金) 21:50:41 ID:AYgH.Ytw
ある程度登ると、低い位置に雲が引っ掛かっている事に気が付きました。

気になった杏子は雲に向かう事にしました。

雲に着くと、そこにはとても大きな屋敷が見えました。

雲の上の屋敷に興奮した杏子は不法侵入を試みたのです。

杏子「ひゃー!何もかもでかいな…ひゃー!」

それもそのはず、その屋敷には巨人が住んでいたのです。

33: 2012/05/18(金) 21:57:16 ID:vrQIjyWA
巨人はテーブルの上に向かって叫びました。

中沢「おいQB、卵を産め!」

QB「キュププ、今日3度目じゃないか!そんなにポコポコ産めないよ!」

中沢「はーい、じゃあデコぴん行きまーす!」

QB「氏んじゃう!氏んじゃう!…わかったよ産めば良いんだろ産めば!」

グググ…コロン

何とQBが産んだ卵は金の卵だったのです、杏子は生唾を飲みました。

34: 2012/05/18(金) 21:58:45 ID:fhqKXHEk
またも、巨人はテーブルの上に向かって叫びました。

中沢「やい、さやか!眠るから音楽を奏でろ!」

さやか「うぅ…わかりました…」

さやか「…」

さやか「きぃりの立ち込むぅもぉりの奥深くぅー…へぁっ!」

それは、とても美しい歌声でした。

35: 2012/05/18(金) 22:00:05 ID:1LO.V5zU
杏子は巨人が眠った所を見計らって、この二つをかっぱらう事にしました。

さやか「…生ぃきたまま蝋にぃん形の如くぅーうー…へぁっ!へぁっ!」

しかし、巨人は一向に眠りません。それどころか明らかにテンションが上がり始めておりました。

杏子「ロッソ・ファンタズマ!」

36: 2012/05/18(金) 22:04:28 ID:8nnxNA9c
眠り(?)こけた巨人を尻目に杏子はQBとさやかを連れて帰ります。

QB「ここより労働条件が悪くならないなら構わないよ!」

さやか「いやー助かったよー。いつかデコぴんされるんじゃないかって気が気じゃ無くってさー」

杏子達が屋敷を抜けた頃、幻術の有効範囲から外れた巨人は我に返りました。

37: 2012/05/18(金) 22:06:40 ID:8nnxNA9c
中沢「無い?無い!MP3プレーヤーと四次元ア●ルが無くなってる!?」

巨人は凄い形相で追いかけてきました。

杏子達は既に蔦を降り始めていましたが、追い付かれるのは時間の問題です。

中腹まで差し掛かった頃に巨人は蔦を降り始めていました。

40: 2012/05/18(金) 22:13:36 ID:1LO.V5zU
杏子は母にテレパシーを送りました。

杏子(マミ母さん!状況見えてる?)

マミ(見えてます、随分大きなお友だちね?)

杏子(あれ友達じゃ無いよ!敵!敵!)

マミ(敵?杏子!貴女が何か怒らせたんでしょ!?)

杏子(違うよ!)

マミ(まったく杏子は…私も一緒に謝ってあげるから…)

41: 2012/05/18(金) 22:15:32 ID:1LO.V5zU
進展しない会話を続ける間にも巨人は近付いてきます。

杏子「こうなったら…」

杏子(だって…あいつがマミ母さんの事、デブなんて言うからカッとなって…)

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ボシュ

巨人は蔦の上半分と共に欠き消えてしまいました。

蔦を降りた杏子は母に経緯を説明し、三人と一匹は幸せに暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

42: 2012/05/18(金) 22:17:59 ID:1LO.V5zU
ほむら「…」パチパチパチパチ

まどか「てぃひひ、どうだったかな?」

ほむら「最高よ!100点だったわ」パチパチパチパチ

杏子「ちょっ!なんでまどかが私の…わ…技名知ってるんだよ!」///

ほむら「私が教えたのよ」パチパチパチパチ

杏子「ぬわーーっ!!」///

さやか「ぷくく…技に名前付けるなんて、マミさんへの憧れてですかなー?」

杏子「うるせぇ、ロッソ・ファンタズマぶつけんぞ」

ほむら「…」パチパチパチパチ

マミ「私はグラマー、デブ違う…私はグラマー、デブ違う…」ブツブツ

45: 2012/05/18(金) 22:43:27 ID:WkkNMFEc
~キュププイ人形劇~

カラカラカラ…←幕開けの音

まどまど「ホムラチャン?」

キョロキョロ

まどまど「ホムラチャン…」

まどまど「ホムラチャン?ホムラチャン?」

シーン

まどまど「ホムラチャン…」

シーン

まどまど「ホ…ホム…チャ…」グスッ

ほむほむ「マドカ!」ヒョコ

まどまど「ホムラチャン!」

ほむほむ「マドカァー!」ダキッ

46: 2012/05/18(金) 22:45:35 ID:XDNlzQV6


まどまど「ホムラチャン!」テッテッテ

ほむほむ「マドカ?」クル

まどまど「ホムラチャーン!」テッテッテ

テッテッテ

…ズベチャ

ほむほむ「マドカァーーーーーーーーーーー
ーーーー!」ダダダ

まどまど「ホムラチャン…」ジワァ

ダダダ…ズザァ

ほむほむ「マドカ!」ギュ

ナデナデ

まどまど「アワワ」///

ほむほむ「ホム」ナデナデ

47: 2012/05/18(金) 22:46:30 ID:KdcIoNjM


あんあん「ウマウマ」ハグハグ

さやさや「…」ジー

あんあん「ウマウマ」モグモグ

さやさや「…」ジー

あんあん「…」ゴクン

さやさや「…」ジー

あんあん「…」グーキュルル

キョロキョロ

さやさや「…」ポイッ

パシッ

あんあん「サヤカ…」ペリペリ

あんあん「ウマウマ」サクサク

さやさや「…」ジー

48: 2012/05/18(金) 22:47:25 ID:KdcIoNjM


さやさや「アンコ!」

あんあん「キョーコ!」ポカッ

さやさや「アンコ!アンコ!」

あんあん「キョーコ!」ポカポカ

さやさや「アンコ!アンコ!アンコ!」

あんあん「キョ…キョーコ」ブワッ

さやさや「…」ビクッ

あんあん「キョ…コ…」スンスン

さやさや「…」

さやさや「キョーコ」ナデナデ

あんあん「サヤカ…」

さやさや「…」ナデナデ

あんあん「…」///

49: 2012/05/18(金) 22:48:03 ID:XDNlzQV6


マミマミ「ティロ~」グデー

ゴロゴロ

マミマミ「ティロ~」グダー

ゴロゴロ

マミマミ「ティロティロ」ノビー

Qベー「マミ…」

マミマミ「ティロ?」グダー

Qベー「…」トテトテ

Qベー「…」ツンツン

プニプニ

Qベー「キュププ」グニグニ

マミマミ「ティティ…ティロ!」///

50: 2012/05/18(金) 22:48:38 ID:KdcIoNjM


マミマミ「サクラサン!」

あんあん「…」プイ

マミマミ「サクラサン?」

あんあん「…」フン

ゴソゴソ

あんあん「…」チラ

あんあん「!」

マミマミ「ティロ~」パクパク

あんあん「…」ジー

マミマミ「サクラサン?」モグモグ

あんあん「…」ハッ

あんあん「…」プ…プイ

マミマミ「ティロ~」ハグハグ

あんあん「…」ジー

51: 2012/05/18(金) 22:49:18 ID:VBz76yCU


ほむほむ「…」スヤスヤ

まどまど「ホムラチャン!」

まどまど「ホムラチャン?」

ほむほむ「…」スヤスヤ

まどまど「ホムr…」

ほむほむ「…」スピョスピョ

まどまど「ティヒヒ」ナデナデ

ほむほむ「…」

まどまど「…」ウトウト

ほむほむ「…」チラ

まどまど「…」スースー

ほむほむ「ホム」ナデナデ

カラカラカラ…←幕引きの音

~めでたしめでたし~

52: 2012/05/18(金) 22:51:14 ID:VBz76yCU
QB「どうだい?僕の人形さばきは?…本当は話の幕間に入れる予定で書き貯めたんだけど…すっかり忘れてたよ」

まどか「てぃひひ、上手かったよ」パチパチ

ほむら「これよ…」

マミ「これだわ…」

さやか「こう言う事よね…」

QB「何がだい?」

マミ「この人形劇に世間一般のイメージが集約されてるわ」

ほむら「とりあえず、まどか人形は貰うわね…」イソイソ

マミ「そう言う所よ!」

杏子「さやかは食べ物いっぱいくれるって事?」

さやか「あんた、純粋だね…」

53: 2012/05/19(土) 00:18:41 ID:eYvoZcRE
~裸のさやか様~

昔、昔ある所にワガママな女王がおりました。

欲張りで浪費家なその女王の名はさやか。

ある時さやかは、着飾る事がマイブームになっておりました。

そこで国中の服職人を集め、最高の服を用意させる事にしました…一番美しい服を用意した職人を国で抱えると触れたのです。

54: 2012/05/19(土) 00:19:39 ID:NoMo6B8M
それに目をつけたのは、流行らない服職人のほむらとまどかでした。

これで一攫千金を狙おうと考えたのです。

しかし、そこは流行らない服職人、斬新なアイデア等出るはずもありません。

そこで二人は一計を案じることにしました。

55: 2012/05/19(土) 00:20:20 ID:CSXV4b9.
まどか「それ、上手く行くかな?」

ほむら「大丈夫よ、さやか様は思考力に致命的な欠陥がお有りだから」

まどか「うーん、大丈夫かな?怒られないかな?」

ほむら「バレればね…でも安心してまどか、バレないから」

そして、審査締め切りの最終日にほむらとまどかは何も持たずに王宮に出向きました。

56: 2012/05/19(土) 00:23:42 ID:iWa7Kqhg
さやか「何さー!最終日に来たからさぞや凄い物かと期待したのにさー!」

ほむら「え?さやか様のお眼鏡には叶いませんか?」

さやか「何?その着てるヤツ?」

ほむら「い、いえ…此方でございます。」ヒラヒラ

まどか「わわ、ほむらちゃん引っ張らないで!シワになっちゃうよ!」

57: 2012/05/19(土) 00:27:37 ID:oj2wXGyw
勿論ほむらは何も持っておりません、手をヒラヒラさせただけです。

しかし、まどかのアドリブの甲斐もあって、さやかは直ぐに食い付き始めました。

ほむら「実は、この七色に輝く生地なのですが、一つ問題がありまして…」

さやかには何の事だか解りませんでしたが、ほむらは構わず続けます。

ほむら「さやか様には影響が無いと思われますが、酷い嘘つきには見えない生地なのです。」

58: 2012/05/19(土) 00:35:57 ID:Owy8sgO2
さやか「!」

ここでさやかは、全てを理解しました。今、ここに服があるのだと、そしてそれはとても美しい仕立てなのだと。

言われて見れば、うっすらと服が見えているような気さえしたのです。

まどか「やっぱり、さやか様は気に入らないみたいだね…」

ほむら「こればかりは、仕方ないわまどか。かねてより欲しがっていた異国の女王に献上致しましょう…」

さやか「ちょっと待ったー!」ビシッ

59: 2012/05/19(土) 00:42:20 ID:7tBqP5W6
ここで服が見えてないとなれば、さやかは嘘つきとして国中の笑い者になる。

さらには本当に美しい仕立ての服を他人に譲る事も許せなかったさやかは、見えている体で話を薦める事にしました。

さやか「見える!見えるぞよ!なんと美しい服じゃ!」

ほむら「ありがとうございます。寝ずに仕立てた甲斐がありました」フカブカ

さやか「そうであろう、そうであろう。決めた!それを買うぞよ!」

こうして、さやかは酸素と窒素と諸々の化合物に大金を払ったのでした。

60: 2012/05/19(土) 00:52:11 ID:CSXV4b9.
さやかは、すぐに試着し王宮ので働く者に意見を求める事にしました、どんな服なのか知っておきたかったのです。

王宮の者が待つなか、万を辞して登場した
さやかは裸でした。

正確には裸にコルセットという、より刺激的な出で立ちだったのです。

突如、兵達から歓声が上がりました。

61: 2012/05/19(土) 00:53:51 ID:a3ReeW6M
まだ説明もしてないのに、歓声が上がった事で、さやかは服が存在する事を確信します。

さやかが服について詳しく話すと、キョトンとしていた人々も直ぐに服の素晴らしさを語ってくれました。

王宮中の人間の話を聞き、服の詳細をさやかはこっそりとまとめます。

それは、斬新な技法で仕立てられ、七色の生地でとても愛らしく、体のラインを美しく見せ、それでいてボリュームがあり、羽と輪っかと大きなリボンがついており、余分な装飾を省いたシンプルなデザインで、思わず赤面する程の妖艶さと懐かしさを兼ね備えた服でした。

62: 2012/05/19(土) 01:10:44 ID:zRRIZ.w2
さやか「?」

さやか「とにかく、素晴らしい服って事か!くぅー、皆さやかちゃんにメロメロですなぁー!」

調子こいたさやかは、町で開かれるパレードにこの服で出る事にしました。

その噂を聞いたほむらとまどかは、その日の内に荷物をまとめました。

自分達の処罰の事もありましたが、この国は、もう長くないと感じたからです。

64: 2012/05/19(土) 01:24:55 ID:CFxlSs.g
そして、パレード当日。

お触れに服の事が書かれていたため、誰も服の事には触れませんでした。

男は男で、割れんばかりの歓声をさやかに送りました。

さ・や・か!…さ・や・か!
オ・シ・リ!…オ・シ・リ!…
さ・や・か!…さ・や・か!

しかし、パレードも最高潮に達した時、無駄に声のでかい一人の男が空気も読まずに叫んだのでした。

65: 2012/05/19(土) 01:26:11 ID:ufoa6S3E
中沢「うっほう!さやか様、すっぽんぽんじゃあ無いですかぃ!眼福眼福ぅ!」

人々は言葉を失いました。

その男は近所で有名な引き籠りでした…余りの街道の盛り上がりに久しぶりに外に出てきたのです。

人々が静まり返ってしまった事で、さやかもようやく状況を把握しました。

さやか「イヤーーーーーーーーッ!?」///

66: 2012/05/19(土) 01:27:30 ID:zRRIZ.w2
中沢「恥ずかしがる表情がまたそそr…痛っ…えっ?ちょっ…何?皆怖い顔しt…ギャッ…痛い痛い!それは人にぶつける物じゃ無いから…

…それからしばらくして。

さやかの命令で、ほむらとまどかに手配がかかりましたが捕まる事はありませんでした。

さやかの全裸パレードは写真や動画で暫くの間、闇市に出回りましたとさ…

あ、国も隣のシヅキ王国に吸収合併されましたとさ…

~めでたしめでたし~

67: 2012/05/19(土) 01:28:08 ID:zRRIZ.w2
仁美「如何でしたか?」

さやか「めでたくねぇーっ!!」

マミ「いや、そんな事より誰?いつ上がり込んで来たの?」

仁美「志筑仁美と申します」

マミ「これはこれは御丁寧に、巴マミと申します」

さやか「聞けーっ!!」

まどか「私達、あんなに酷い事しないよ?」

ほむら「ね~」

さやか「明日、とりあえず中沢を殴る…」シュッシュッ

杏子「中沢って誰だよ」

マミ「ちょいちょい出てくるわよね…」

73: 2012/05/19(土) 14:49:19 ID:CFxlSs.g
~三匹の子QB~

昔、昔ある所に巧みな連携で少女に契約を迫るQBの兄弟がおりました。

契約は凄まじい数でしたが、雑な説明で契約を迫るので恨みを買う事も多々ありました。

彼らはある日、ついにほむらと言う一人の少女を怒らせました。

彼らはほむらから逃げ惑い、それぞれの拠点に籠りました。

74: 2012/05/19(土) 15:10:30 ID:CFxlSs.g
まず、初めに狙われたのは兄QBでした。

兄QB「キュププ…この高密度な藁で設計されたマイホームはそう簡単には突破されないよ!首筋に藁が触ってムズムズするがいい!」

杏子「おい、雨漏り補修したばっかなんだからあんま暴れんなよ」

ほむら「…」カチャカチャ

75: 2012/05/19(土) 15:11:28 ID:XpAt6rmo
ほむらが準備をしたのは、対戦車ライフルでした。

ほむらの放った弾丸は、あっさりと壁もろともQBの眉間を貫きました。

杏子「頑張って補修したのに…」

キュップイ…パタリ

76: 2012/05/19(土) 15:18:56 ID:XpAt6rmo
次に狙われたのは中QBでした。

中QB「キュププ…木造とはいえ、何層にも重ねた板壁はそうそう貫ける物では無いよ!日本伝統の長寿命工法に感銘を受けるがいい!」

中沢「ねぇ君誰?家に何の用?」

ほむら「…」カチャカチャ

77: 2012/05/19(土) 15:19:31 ID:no52Q9M2
ほむらが準備をしたのは、大量のガソリンでした。

ほむらが放った火種は、たちまちガソリンに引火しQBを蒸し焼きにしました。

中沢「扉が開かない!外から打ち付けられてる!」

キュップイ…パタリ

79: 2012/05/19(土) 15:27:46 ID:XpAt6rmo
最後に狙われたのは弟QBでした。

弟QB「キュププ…なぜ兄達はあれほど旧式の建造物に籠ったのだろうね?訳がわからないよ…」

弟QBが母星から取り寄せた拠点は、壁一面が何かよくわからないメッチャ硬い金属でした。

当然、弾丸も爆弾も通りません、ミサイルさえ通さなかったのです…弟QBは余裕綽々でした。

80: 2012/05/19(土) 15:32:17 ID:ya51Jcc2
暫くしてほむらは少女を一人連れてきました。

ほむらに耳打ちされた少女はこう叫びました。

まどか「困った、困った。誰か願いを叶えてくれないかな?」

弟QB「どうしたんだい、まどか?困り事なら相談に…」

弟QB「…あ」

キュップイ…パタリ

82: 2012/05/19(土) 15:35:36 ID:KpY.dv2I
こうして三匹の子QBは皆、召されてしまいました。

しかし、ほむらの戦いは終わりません…いずれ第4、第5のQBが現れて少女を絶望に陥れるのです。

ほむらは戦い続けるしか無いのです、全てのQBを葬るその時まで…

~めでたしめでたし~

83: 2012/05/19(土) 15:36:48 ID:KpY.dv2I
ほむら「…」

ほむら「似たような話でホムホムと七匹の子QBというのがあるけど、聞く?」

QB「遠慮しておくよ…」

ほむら「ホムホムと七匹の子QBという似たような話があるけど、聞く?」

QB「いらないってば…」

ほむら「あ、そうだ!似た話を思い出したわ。たしか題名が、ホムホムと七匹の子Q…何だったかしら?」

QB「ビィィィイィ!!…わかってるよ!まどかを勧誘するなって事だろ!」

ほむら「そうよ、誓いなさい…」

QB「はいはい誓いまーす、誓いますー。」

ほむら「…」イラッ

84: 2012/05/19(土) 19:25:14 ID:Kgsgu4GA
~ほむらと40人の盗賊~

ほむら「これだけの大所帯に女が一人も考えモノね…」

ほむら「ほら、皆順番に並びなさい…フフフ…焦らなくても私は逃げないから…」

ほむら「?…タイツは履いたまま?…私は構わないけど…」スルスル

※内容に問題があった為、削除致しました。

85: 2012/05/19(土) 19:25:58 ID:gvcTFgKA
~百万回生きたほむら~

百万回繰り返したほむらがおりました。

百万回繰り返す内、ほむらは泣きも笑いもしなくなりました。

百万回繰り返したので、百万人が悲しみ、百万人が笑いかけました。

ほむらは泣きません、笑いません。

86: 2012/05/19(土) 19:28:10 ID:YbWs7H4I
ある時、ほむらは青い髪の人間に邪魔をされました。

青い髪の人間が自分の間違いに気付いた時、ほむらは何も言わず繰り返しました。

青い髪の人間は泣いて後悔しますが、ほむらはもう居ないのです。

ほむらに未練など、ありませんでした。

87: 2012/05/19(土) 19:31:59 ID:iUg2o8qA
ある時、ほむらは赤い髪の人間に命を狙われました。

赤い髪の人間はほむらに命を救われましたが、何も言う事を許さず繰り返しました。

赤い髪の人間はお礼を言おうとしましたが、ほむらはもう居ないのです。

ほむらに未練など、ありませんでした。

88: 2012/05/19(土) 19:41:01 ID:NoMo6B8M
ある時、ほむらは緑の髪の人間と穏やかに過ごしました。

緑の髪の人間が心を開き始めた時、ほむらは人知れず繰り返しました。

緑の髪の人間はほむらの力になろうと誓ったのに、ほむらはもう居ないのです。

ほむらに未練など、ありませんでした。

89: 2012/05/19(土) 19:42:01 ID:iWa7Kqhg
ある時、ほむらは黄色い髪の人間と共に戦いました。

黄色い髪の人間が傷を負いましたが、一人戦ったほむらは一人繰り返しました。

黄色い髪の人間は最後まで共に戦おうとしましたが、ほむらはもう居ないのです。

ほむらに未練など、ありませんでした。

90: 2012/05/19(土) 19:50:55 ID:CSXV4b9.
ある時、ほむらは白い毛の動物の命を奪いました。

白い毛の動物が心を持つ事でほむらに協力してくれましたが、礼も無く繰り返しました。

白い毛の動物は心が傷む事を知りましたが、ほむらはもう居ないのです。

ほむらに未練など、ありませんでした。

91: 2012/05/19(土) 19:59:03 ID:qxidk8U2
ある時、ほむらは誰とも深く関わりませんでした。

誰も理解せず誰にも理解されず、機械の様に繰り返しました。

皆が誰かに守られていると感じていましたが、ほむらはもう居ないのです。

ほむらに未練など、ありませんでした。

92: 2012/05/19(土) 20:00:11 ID:NoMo6B8M
何度繰り返しても、ほむらは未練などありません…目的の達成だけが一番だったのです。

ある時、ほむらは桃色の髪の人間に感謝をされました。

ほむら「礼を言われる事等やっていない、貴方は忠告だけを聞いてなさい」

桃色の髪の人間はニコニコと笑っています、ほむらは笑い方など忘れていました。

ほむら「これは私の傷、貴女が痛い訳では無いでしょう?」

桃色の髪の人間はワンワンと泣いています、ほむらは泣き方など忘れていました。

93: 2012/05/19(土) 20:11:23 ID:iWa7Kqhg
そうして、その世界で、ついにほむらは目的を達成しました。

けれど、笑いません、泣きません。

桃色の髪の人間が何をやっても何を話しても、ほむらは小さく「そう」と返すだけです。

桃色の髪の人間が何をやっても何を話しても、ほむらは繰り返さない生き方を知らないのです。

94: 2012/05/19(土) 20:12:44 ID:CSXV4b9.
でも、それでも…

ほむらは解らないなりに考えた事を、桃色の髪の人間に言いました。

ほむら「そばに居ても良いかしら?」

まどか「勿論だよ!」

その言葉で、その笑顔で、繰り返さない世界が色を帯び現実になりました。

95: 2012/05/19(土) 20:19:49 ID:g0D/5Les
ほむらは堪らず泣きました。

夜が来て、朝になり。

また夜が来て、朝になり。

ほむらは百万回も泣きました。

桃色の髪の人間はそれを止める事はしませんでした。

静かにほむらの隣にいました。

それは、とても幸せな涙でした。

~めでたしめでたし~

96: 2012/05/19(土) 20:20:31 ID:BqfiRorI
マミ「…どうかしら?」チラッ

シーン

QB「僕に聞いてるのかい?」

マミ「他の皆は?」キョロキョロ

QB「買い出しに出掛けたよ?」

マミ「…」



まどか「抜けちゃって良かったのかな…」

ほむら「良いのよ。あの話は色々駄目な気がするから…」

まどか「?」

杏子「これも買って!買って!」ユサユサ

さやか「だーっ!もう…どれか一つだけだって!」

98: 2012/05/19(土) 21:20:43 ID:iWa7Kqhg
~金のマミ銀のマミ~

ある時、正直者の杏子は熱心に仕事をしていました。

しかし、うっかり大事な商売道具のマミを泉に落としてしまったのです。

杏子「ぎゃあぁぁ!マミー!」

するとどうでしょう、突如泉が光りだし女神が現れたのです。

99: 2012/05/19(土) 21:25:36 ID:iWa7Kqhg
まど神「杏子ちゃんが落としたのはこの物言わぬ清楚な金のマミですか?」

杏子「違うよ?結構喋るよ?」

そのマミは大変美しいマミでしたが、杏子は正直に答えます。

100: 2012/05/19(土) 21:26:50 ID:CSXV4b9.
まど神「では杏子ちゃんが落としたのはこの聡明で冷静な銀のマミですか?」

杏子「違うよ?すぐテンパるよ?」

そのマミは大変凛々しいマミでしたが、杏子は正直に答えます。

101: 2012/05/19(土) 21:30:26 ID:24NxVUsw
まど神「では杏子ちゃんが落としたのは使い古されたボロボロの、このマミですか?」

杏子「それだ!それが私のマミだ!」

そのマミは複雑な表情でしたが、杏子は正直に答えます。

102: 2012/05/19(土) 21:34:23 ID:ya51Jcc2
まど神「てぃひひ、杏子ちゃんは正直者だね!全部あげるよ!」

杏子は3つのマミを貰うと、嬉しそうに仕事に戻りました。

その話を聞いた同業者は、すぐさま泉に向かいました。

最初に来た中沢が乱暴にマミを投げ入れると、同じように女神が出てきました。

103: 2012/05/19(土) 21:39:21 ID:24NxVUsw
まど神「中沢君が落としたのはこの物言わぬ清楚な金のマミですか?」

中沢「あれ、意外とそうかも?それだったかも!?」

美しいマミを手に入れようと、中沢は白々しく答えます。

まど神「ぶぶー!中沢君、嘘はダメだよ!」

そう言うと女神は中沢をひっぱたき、何も渡さず消えて行きました。

104: 2012/05/19(土) 22:00:13 ID:RNVPdlwY
次に来た仁美がマミを投げ入れると、また同じように女神が出てきました。

まど神「仁美ちゃんが落としたのはこの物言わぬ清楚な金のマミですか?」

仁美「違いますわ、けれどそれを売って頂こうと思い、マミを投げ入れましたの」

まど神「え゙?」

105: 2012/05/19(土) 22:00:50 ID:ZwksgFyM
仁美「話によると銀のマミもあるとか…セットの提示額を教えて頂けます?」

仁美の真剣な態度に、まど神は苦笑いしました。

まど神「きちんと対価を支払う考え方は偉いけど、その為にマミを捨てるのは感心しないよ…」

そう言うと女神は使い古されたボロボロのマミを返して消えて行きました。

106: 2012/05/19(土) 22:11:28 ID:lyNs0Lh2
最後に来たほむらがマミを投げ入れると、また同じように女神が出てきました。

まど神「ほむらちゃんが落としたのはこの物言わぬ清楚な金のマミですか?」

ほむら「私と結婚して下さい!」

まど神「えっ?」

ほむら「私と結婚して下さい!」

まど神「えっ?えっ?」///

107: 2012/05/19(土) 22:12:22 ID:XpAt6rmo
ほむら「駄目かしら?正直に答えたのだけど…」シュン

まど神「あわわ…そ、その為に首が取れて壊れてるとは言え、マミを捨てるのは感心しないよ?駄目だよ?」

ほむら「そうね…貴女の言う通りだわ…失礼するわね、ごめんなさい…」トボトボ

まど神「ほむらちゃん!」

108: 2012/05/19(土) 22:13:22 ID:XpAt6rmo
ほむら「?」

まど神「その…友達から…なら…」///

ほむら「まど神様ーーーーーっ!」ダキッ

こうして、女神とほむらは幸せに暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

109: 2012/05/19(土) 22:15:41 ID:XpAt6rmo
ほむら「まどかを女神に据えるなんて、さやかにしては上出来ね…」

マミ「…」

さやか「まさかほむらに誉められるとは…照れますなー」

マミ「…」

ほむら「ただ、私は常にこの方向性なのね…」

マミ「…」

まどか「私は少し恥ずかしかったよ…」

マミ「…」

QB「キュップイ、僕は出番無しかい?」

マミ「…」

117: 2012/05/20(日) 20:07:21 ID:RoLpT8sA
~まどか姫と天邪鬼~

昔、昔ある所に心優しい老夫婦がおりました。

老夫婦の家の庭には古い瓜の木がありましたがある時、瓜の木に不思議な桃色の瓜が実りました。

和子「これは何かしらね?はい、お爺さん!」

中沢「えっ?えーと、不思議な瓜ですね…」

和子「その通りですね、では収穫してみましょう!」

118: 2012/05/20(日) 20:14:55 ID:zIWqVHY6
老夫婦が瓜をもぎ取ると、瓜の中からとても可愛らしい赤子が現れたのです。

子宝に恵まなかった老夫婦は、赤子をまどか姫と名付け大切に大切に育てました。

まどか姫はすくすくと育ち、美しい娘になりました。

美しいだけでなく器量もあったまどか姫は、たちまち評判になり、機織りの姿を見に来る者まで現れました。

119: 2012/05/20(日) 20:31:33 ID:A415LxO6
ほむら「まどか姫はなんて綺麗な声で歌うのかしら…」

ほむら「いやまったく!それに機織りの姿まで美しいと来た!」

ほむら「家のむすm…息子に嫁いでくれたらどんなに良いか…」

ほむら「ほんに可愛らしい娘じゃ…可愛らしいのぅ、孫に欲しいのぅ」

120: 2012/05/20(日) 20:33:50 ID:siPzEMRE
そんなある日、この辺り一帯を納める上條家から輿入れの話がまどか姫に来ました。

上條家からの呼び状を受け、まずは老夫婦だけで行く事にしました。

老夫婦は内心喜びましたが、まどか姫の気持ちを一番に思い何も強制しませんでした。

121: 2012/05/20(日) 20:44:33 ID:cBAjD1po
まどか姫「輿入れをお受けすべきかな?」

中沢「まどか姫が決める事だから、儂らを気にする必要は無いよ?」

和子「そうよ、娘の将来にまで口を出す様な男に嫁いだ覚えはありませんから…まどか姫が幸せなら私達夫婦も幸せよ?」

まどか姫「母様…父様…」

123: 2012/05/20(日) 20:52:22 ID:3pmR/wTw
翌日、老夫婦は上條家へ向かいました。数日家を空けるので、まどか姫に用心するよう伝えたのです。

中沢「知らない者が来たら、けして戸を開けてはいけないよ…」

和子「お爺さんの言う通りです。まどか姫に何かあれば私達は…」

まどか姫「大丈夫だよ、父様母様こそ気を付けていってきてね!」

124: 2012/05/20(日) 20:57:13 ID:zIWqVHY6
老夫婦を見送るまどか姫を遠くで見ていたものがおりました。

青髪の天邪鬼です、天邪鬼は上條家の跡取り上條恭介を慕っておりました。

それだけに、輿入れを望まれたまどか姫が許せなかったのです。

さやか「恭介が愛して良いのは私だけなのに…」ギリギリ

125: 2012/05/20(日) 21:04:07 ID:SQlZVZuo
そんな天邪鬼に睨まれるまどか姫を遠くで見ていたものがおりました。

全国まどか姫の幸せを願う会(まどか会)、会長のほむらです。

まえまえから天邪鬼の動向を危険視し、会員と共に100人態勢で張り込みを続けていたのです。

ほむら「あいつ、まどか姫に何かしようもんなら…」ギリギリ

126: 2012/05/20(日) 21:08:07 ID:hqjElRHc
そんなまどか会の連中をさらに遠くで見ていたものがおりました。

それは上條恭介です。

まどか会の連中が町に入ってからと言うもの、治安は悪化する一方、当の会長は部下の品性に目もくれない。

取り締まれない上條家の信用も、日に日に失墜していったのです。

そこでどうにかして、規制せねばと私兵500人態勢で監視を続けておりました。

恭介「あいつら、町の平和を乱そうもんなら…」ギリギリ

127: 2012/05/20(日) 21:17:13 ID:hqjElRHc
そんな背景をまるで知らない天邪鬼はアホみたいな顔でまどか姫の元へ向かいました…

それにあわせて、まどか会と上條兵も動きます。

ゾロゾロゾロ

天邪鬼はまどか姫の家につきました。

ドンドン

128: 2012/05/20(日) 21:26:58 ID:uHhdBozE
まどか姫「誰…かな?」

さやか「あ・け・ろ!あ・け・ろ!」

ドンドンドンドン

まどか姫「ひっ!…ごめんなさい、知らない者は入れるなって…」

さやか「私、天邪鬼!これで知ったな!…さあ、い・れ・ろ!い・れ・ろ!」

ドンドンドンドン

129: 2012/05/20(日) 21:33:24 ID:RJpMgYxI
まどか姫「ひっ!」

さやか「指一本だけでも!…指一本入れてくれたら満足するかr…なんだお前ら!?ちょっ…卑怯だz…この!」

まどか姫「?」

ほむら「まどか姫、もう安心よ貴女に危害を加える者はって…誰よ貴方達!くっ…何なのこの数!?」

まどか姫「??」

130: 2012/05/20(日) 21:36:56 ID:9dILZg5M
まどか姫は扉を開けませんでしたが、周りの騒ぎはドンドン大きくなります。

状況が解らないまどか姫は、遂に興味を押さえきれず扉を開けました。

するとそこは、天邪鬼を取り押さえる屈強な男達と、彼らに槍を向け威嚇する兵士が一触即発の状態でした。

その周囲では既に小競り合いが始まっています。

131: 2012/05/20(日) 21:47:22 ID:n10u2DP2
ヤイノヤイノ

まどか姫「…」

まどか姫「うん」

ピシャ

それからと言うもの、まどか姫が家から出る事はなくなり、何処にも嫁ぐことはありませんでした。

晩年まで老夫婦と静かに暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

132: 2012/05/20(日) 21:51:04 ID:siPzEMRE
中沢「皆さんいかがでしたか?私、中沢と申します」

マミ「丁寧な挨拶は感心するけど…」

マミ「男が突然上がり込むのは、流石に無いわ」グイグイ

中沢「あれ?こっち玄関じゃなくてベランダ…」

QB「そんなに高さは無いから安心だよ」

ドンッ

中沢「ギャワァァアアァァ…」ヒュー

ほむら「自分の欲望がにじみ出てたわね」

さやか「ちょっと中沢殴りに行ってきますね…」スタスタ

マミ「…殴るなら落とさなきゃ良かったかしら?」

135: 2012/05/20(日) 22:50:08 ID:755IRZsg
~桃雪姫~

昔ある国に、美しさに自信のある妃がおりました。

今日も今日とて、美しさに磨きをかけ兵士や鏡に感想を聞いておりました。

マミ「まぁ、冷静に考えれば。私より綺麗な人なんているはず無いのだけれど…ねぇ?」

136: 2012/05/20(日) 22:52:24 ID:cmcWxU2Q
妃は兵士に聞きました。

中沢「勿論でございます。個人的にも大好きです!」

妃は兵士の言葉だけでは満足せず、魔法の鏡に話しかけました。

マミ「鏡よ鏡。今日も私は美しい?」

中沢(裏声)「勿論でございます!この鏡、個人的にも大好きです!」

138: 2012/05/20(日) 23:01:35 ID:SVEPlLjI
妃は続けて質問します。

マミ「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだぁーれ?」

中沢(裏声)「…妃様?一概に美しいと言われましても、土地や時代で美しさの基準と言うものは、変化します。なので妃様が一番と言ったとしても矛j…

マミ「だっしゃぁ!!」バキッ

中沢「直接!?」グハッ

139: 2012/05/20(日) 23:14:39 ID:hqjElRHc
マミはもう一度聞きました。

マミ「鏡よ鏡。この国の基準で一番美しいのはだぁーれ?」

中沢(裏声)「…それは南の森にすむ桃雪姫です…性格、容姿共に◎の断トツお嫁さん候補です。ちなみに妃様は<一晩を共に過ごしたい>部門<魅力ある乳>部門では一位に輝いておりm…

マミ「だっしゃぁ!!」メキッ

中沢「うぉるとっ!?」ゴキン

140: 2012/05/20(日) 23:24:22 ID:ASh1xF5Y
マミ「桃雪姫ぇ?源氏名みたいな名前の癖に良い度胸じゃない!目にもの見せてやるわ!」

妃は、桃雪姫を亡き者にしようと企みます。

桃雪姫を毒頃する事に決めた妃は、餌付けした小飼の魔女に始末を頼みました。

杏子「任しときな!この毒リンゴでお陀仏だ!」

そう言って魔女は森に向かい、桃雪姫の元へ向かったのです。

141: 2012/05/20(日) 23:35:52 ID:6nlsEn1E
桃雪姫は森で七人の小人と楽しく暮らしていました。

杏子「いやー、道に迷っちゃってね…」

桃雪姫「てぃひひ、そうだったんだね…ここを真っ直ぐいけばお城が見えて来ますよ」

杏子「助かったよ!お礼と言っちゃなんだけど…食うかい?」

桃雪姫「ありがとう。じゃあ、一つ貰うね」

桃雪姫は毒リンゴを食べてしまいました。

142: 2012/05/20(日) 23:38:07 ID:6nlsEn1E
シャリシャリ

しかも、あまりに美味しそうに食べるので魔女も一緒にリンゴを食べることにしました。

桃雪姫「ご飯は皆で食べた方が美味しいもんね?」シャリシャリ

杏子「だな!」シャリシャリ

143: 2012/05/20(日) 23:40:07 ID:UVAytVpc
様子を見にきた小人の一人が発見した時、二人は眠り、いくら揺すっても目覚めることはありませんでした。

小人は仲間をよび桃雪姫を運ぶ事にしました…魔女もよく見ると可愛かったので連れていきました。

小人達は相談します。

144: 2012/05/20(日) 23:49:33 ID:cBAjD1po
QB(怒)「只でさえ狭いのに、何でまた連れて帰るんだよ!」

QB(困)「そんな事言われても…あー、でも今なら捨てても…でもこの娘も可愛いし…」

QB(泣)「食われないかな?…起きたら食われないかな?」

QB(食)「このリンゴうめぇ…まじうm…」シャリシャリ

パタリ

145: 2012/05/20(日) 23:51:07 ID:PjEyPlcU
QB(怒)「只でさえ狭いのに、何でまた連れて帰るんだよ!」

QB(困)「そんな事言われても…あー、でも今なら捨てても…でもこの娘も可愛いし…」

QB(泣)「食われないかな?…起きたら食われないかな?」

QB(食)「このリンゴうめぇ…まじうm…」シャリシャリ

パタリ

146: 2012/05/20(日) 23:56:58 ID:cBAjD1po
小人達は原因が毒リンゴである事がわかり、残ったリンゴの解析を始めました。

QB(誠)「どうにか、解毒薬を作って飲ませたけどこれだけじゃ効果は無いよ」

QB(馬)「何が必要なのー?」シャリシャリ

QB(誠)「あとは人間の唾液だね…ただしただ唾液を流し込むだけじゃ駄目だ」

パタリ

147: 2012/05/20(日) 23:58:27 ID:Aft6JsIU
QB(怒)「回りくどいんだよ!早く言えよ!」

QB(誠)「唾液に一定のホルモン分泌が必要なんだよ、すなわちこの二人に性的な興奮を覚える人じゃないと駄目だね」

QB(笑)「まぁ、こんだけ美人なら誰でも興奮出来るだろ?」キュップップ

QB(泣)「じゃ、じゃあ誰でも良いから近くの村で募ろう?」

QB(困)「とんでも無いのが集まりそうだけど…」

148: 2012/05/21(月) 00:10:30 ID:XoYL94BA
小人達がそんな会議をしていると、森に二人の若者が入ってきました。

それは妃の話をたまたま聞き、心配になって様子を見にきた王女様でした。

王子様は森の案内役として森に詳しい狩人を雇っていたのです。

ほむら「この先なの?急がないと、桃雪姫とかいう娘が大変な目にあってしまうわ!」

さやか「まぁ、一緒にいる小人達は当てにならないし、急いだ方が良いかもね」

149: 2012/05/21(月) 00:11:41 ID:LBder65.
ガサッ

QB(泣)「あ…狩人…」

さやか「あれ、泣き虫じゃん」

QB(泣)「あぁ、ついに殺されるのか…」

さやか「殺さないっての」ペシ

QB(泣)「キュプアァァ!狩人に殴られたー!殺されるー!」スタコラ

王女と狩人は逃げた小人を追って家に着きました。

150: 2012/05/21(月) 00:24:32 ID:5ywwF/NQ
そして小人に経緯を聞いて、眠る二人を見つけたのです。

ほむら「女神…」

さやか「え?何か言った?」

ほむら「キ…キスすれば目覚めるのかしら?」

QB(誠)「その通りだけど、おそらく君では無理d…」

ほむら「そう言うことなら仕方ないわね…氏んでしまっては困るから仕方なく私がキスするわ!」

さやか「…」

151: 2012/05/21(月) 00:38:34 ID:gybHeCNY
ほむら「あ、そうだ…さやか」

さやか「何?」

ほむら「赤毛の方はあなたがやりなさい」

さやか「えーーっ!」///

私のファーストは、このタイミングじゃないと狩人はごねます。

ほむら「うちの、兵舎に裸で放り込まれたいの?」

王女が権力を振りかざすと、狩人は快く魔女にキスする事を決めました。

152: 2012/05/21(月) 00:40:08 ID:on86.scY
さやか「うー、なんか魔女の唇見てたら、どんどん恥ずかしくなって来たんだけd…」

ほむら「…」ブッチュー

さやか「…」

命を助ける為に躊躇わない王女を見て、狩人も覚悟を決めました。

さやか「…」チラ

杏子「…」スヤスヤ

さやか「…」///

153: 2012/05/21(月) 00:51:33 ID:9uI12RcI
さやか「…」スー…ハー…

さやか「…」チュ

さやか「…」///

ほむら「…」ブッチューーーー

桃雪姫「…んむ?」

するとどうでしょう桃雪姫と魔女が目を覚ましたのです。

QB(誠)「あれ?性的な興奮が無いと効果がないはずなのに…」

それは、二人の命を助けたいという純粋な想いが生んだ奇跡でした。

154: 2012/05/21(月) 00:52:19 ID:ExGezlPQ
杏子「ん…あれ?ここは?」キョロキョロ

さやか「…」///

杏子「誰?…顔紅いけど大丈夫か?」

ほむら「…」ブッチューー

まどか「んむむ!むー!?」///

これがきっかけで、桃雪姫と魔女と狩人と王女は仲良くなり、四人は仲良く幸せに暮らしましたとさ…

155: 2012/05/21(月) 00:52:56 ID:Bp4x.vyQ
ほむら「…」ブッチューーーーーー

まどか「んんっ…ふむっ」///

ほむら「…」レロ

まどか「!?!?」///

~めでたしめでたし~

156: 2012/05/21(月) 00:55:59 ID:ExGezlPQ
仁美「…ふぅ」

QB「自分で喋って、自分で満足するんだね…訳がわからないよ」

まどか「…」///

ほむら「まどかが興奮しているわ…」

まどか「し、してないよ!」///

杏子「あ…あんなキスしたら、子供出来ちゃうだろ!」///

さやか「え!?」

杏子「ん?」

マミ「さすがに問題だわ…」ハァ

164: 2012/05/21(月) 19:16:04 ID:QIwbL0vU
~人魚姫~

いつかの時代、どこかの国のお話。

その国の王子はとても海が好きで、隙を見ては浜辺で遊んでおりました。

自分で泳げる年になると、家来の目を盗んで沖まで行くようになったのです。

家族も家来も、何故王子がそこまで海を好むのか不思議でした。

王子には一つだけ秘密がありました。

165: 2012/05/21(月) 19:29:18 ID:LBder65.
王子「大分、沖まで来ちゃったな…流れが速いから注意しないと…」

人魚姫「何ぃ?もしかして王子は怖いのかなぁー?ウリウリー!」グリグリ

王子「わっ!溺れちゃうよ!」

人魚姫「大丈夫だよ!何かあったら私が岸まで運ぶから!この人魚姫ちゃんにドーンと身を委ねなさい!」ケラケラ

王子「じゃあ、そうしようかな…」トプン

人魚姫「ちょっ!ちょっと!」ザブン

166: 2012/05/21(月) 19:30:18 ID:LBder65.
幼い頃に海で出会ってから、王子と人魚姫はこうして内緒で遊んでおりました。

人間が人魚を拐う事件があり、以降人間と人魚が会うこと禁じられていた為、二人は誰にも言えませんでした。

それでも人魚姫も王子も、この幸せな日々が続くと信じていました。

しかし…ある日を境に王子は現れなくなりました。

167: 2012/05/21(月) 19:42:18 ID:XoYL94BA
人魚姫がいくら待っても、王子が浜に来る事はありませんでした。

人魚姫「王子…何かあったのかな…それとも、もう私と遊ぶの飽きちゃった…かな…」

人魚姫は海の城に戻ります。

姉H「あら人魚姫?どうしたの泣きそうな顔して…」

人魚姫「何もないよ?私がそんな繊細に見える?」ハッハッハ

姉H「貴女ほど分かりやすい人も、中々居ないわよ…大方、あの人間と喧嘩でもしたのでしょう?」

人魚姫「な…なな、何で王子の事を!?」

168: 2012/05/21(月) 19:43:06 ID:XoYL94BA
姉H「貴女は本当に愚かね…私達の尾行にも気付かないなんて」

人魚姫「うぉい!ナチュラルに尾行すんじゃないよ!」

姉M「でも安心して!お父様は知らないわ!」ニョキ

人魚姫「わっ!姉さん、いきなり出てこないでよ!」

姉K「一応、私も居るからな…」

姉M「で?で?…あの男の子と何があったの?」ワクワク

人魚姫「実は…」

人魚姫は事の有り様を姉達に話しました、なんだかんだ真剣に聞いてくれたので、人魚姫の心は幾分楽になりました。

169: 2012/05/21(月) 19:54:59 ID:5ywwF/NQ
人魚姫「ま、やっぱり王子も人間同士遊ぶ方が楽しいだろうしね…これで良かったんだよ」ハッハッハ

姉M「…」

姉H「…まったく、そんなに気になるなら、魔法使いに聞いてみたら?…状況くらいはわかるんじゃない?」

姉K「確かに…人魚姫をほっとく位だからさぞや大事でもあるんだろうさ…」チッ

人魚姫と姉達は城お抱えの魔法使いのもとに向かいました。

しかし、魔法使いでも王子の近況を知る事は叶いません…が、落ち込む人魚姫を見て一つの提案をしたのです。

170: 2012/05/21(月) 20:06:53 ID:zyBF27UE
魔法使い「キュp…コホン、人魚姫が直接見に行くと言う手があるよ?」

人魚姫「どう言う事?」

魔法使い「人間になる魔法を使うのさ」

人魚姫「そんなのあるの?…だったら早く言ってよー!」

魔法使い「本来、用途が無い代物だしね…それに…」

魔法使いは魔法の制約と契約について話しました。

制約は魔法が使えるのは一度だけというもの、いつでも人魚に戻れる代わりに二度と人間にはなれない。

契約は想い人との繋がり、想いが相互関係にあるかぎり魔法が維持されるというもの。

171: 2012/05/21(月) 20:08:31 ID:5ywwF/NQ
そして最後に…

魔法使い「代償について、話さなきゃならない」

姉H「嫌な響きね…」

魔法使い「君が人間になると容姿はまったくの別物になる。さらに、人間で無い事がばれたら魔法は解けてしまうんだ。」

姉M「あぁ、良かった…氏んだり、泡になったりでは無いのね…」

魔法使い「そうでも無いよ、陸で魔法が解けてしまったら人魚は生きていけないしね」

人魚姫「…」

魔法使い「因みに、愛が実れば魔法はより強いモノになるんだ!そしたら代償も軽減されるから、その後正体を明かせばいいよ!」

姉H「そこは人魚姫の手管ね…」

172: 2012/05/21(月) 20:14:08 ID:5ywwF/NQ
自分にそこまでの自信が持てない人魚姫は悩ますが、どうしても王子の様子が気になった為に魔法を掛けて貰う事に決めました。

魔法使い「じゃあ、魔法を掛けるよ?」

人魚姫「どんと来い!」

姉K「人間のまま口説きおとして一緒になっちゃいな!」

魔法使い「レナニトヒ、レナニトヒ、カヤサー!!」

すると人魚姫は見る見る人間になって行くのです。姉達は息を飲みます。

姉H「あれ?…ちょっと…」

173: 2012/05/21(月) 20:14:41 ID:zyBF27UE
そして人魚姫は人間に…

人魚姫「ゴバァァア!」ボゴボゴォ

魔法使い「あ、いっけね。ここ海底だったよ」

姉M「キャー!!」ガシッ

姉H「やっぱり!人魚姫?人魚姫!?」ガシッ

姉達が必氏に陸に運び、どうにか一命をとりとめた人魚姫は王子の元へ向かいます。

174: 2012/05/21(月) 20:28:13 ID:4lhTYTl.
人魚姫が王子の住む城に行くと、なにやら物々しい雰囲気で近付けませんでした。

仕方なく、町人に王子の事を聞くことにしたのです。

人魚姫は王子の様子を見にきた旨を伝えると、町人は悲しそうに言いました。

王子が事故にあい、両足が動かなくなったと言うのです、さらに、事故は人魚姫が王子を待っていたあの日に起きたと事を知りました。

それを聞いた人魚姫は、もう一度城へ向かいました。

175: 2012/05/21(月) 20:29:00 ID:LRqx.Tfg
今度は使用人であると嘘をつき、城へ入り込み王子を探します。

人魚姫「お…王子…」

王子「おや?…新しい給仕さんかな?」

人魚姫「あ、うぅ…ご…めな…さ…」ポロポロ

王子「ど…どうしたんだい?急に…」

足の動かない王子をみてただただ謝ろうとする人魚姫を王子はやさしく諭しました。

何故泣いてるのか王子は聞きますが、人魚姫は、本当の事を言えず誤魔化すしかありません。

176: 2012/05/21(月) 20:40:46 ID:bWjuFbtc
コンコン

ノックと共に王子の部屋に美しい女性が入ってきました。エメラルドの髪と讃えられる貴族の娘でした。

聞けば、事故の時たまたま懐抱して以来、こうして懇意にしているとの事でした。

しばらく三人で話していると、貴族は人魚姫を外に連れ出します。

貴族「貴女に一つ、お聞きしたい事があります」

人魚姫「何…かな?」

貴族「そう構えずに…王子の友人についてです」

177: 2012/05/21(月) 20:47:24 ID:QIwbL0vU
王子は貴族を話し相手に、友人の話をよくするそうでした。

貴族は友人との約束を守れなかったと後悔する王子を見て、力になりたいのだと人魚姫に言いました。

貴族「聞いても、友人の事は教えて頂けなくて…貴女は仲が良いみたいですし、何かご存じかと…」

人魚姫「ごめんなさい…私、ここに来て日が浅いので…」

貴族「そう…」

王子は私を忘れてはいなかった、私を恨んではいなかった。

少しでも王子を疑った罪悪感は消えませんでしたが、人魚姫は心の中で安心しました。

178: 2012/05/21(月) 20:57:32 ID:lbC.LCXY
貴族「もう1つ、伺いたいのですが…」

人魚姫「?」

貴族「人魚を見たことはありますか?」

人魚姫は驚きました、自分の正体がばれたのかと思ったのです。

人魚姫「な、なんでそんな事聞くのさ?」

貴族「貴女も解っていると思いますが、王子の足はこのままでは一生動く事は無いでしょう…」

人魚姫「…」

179: 2012/05/21(月) 21:04:54 ID:n24N72nU
貴族「ですが、魔力を湛えた人魚の血肉があれば王子の足を再生させる事が出来るかも知れません」

人魚姫「でも人魚との接触は禁じられていて…」

貴族「存じております、その魔力ゆえに人魚の乱獲を禁じる為のモノです」

人魚姫「だったら!」

貴族「私はそれでも王子に歩いて頂きたいのです…王子の心からの笑顔を見たいのです。…貴女は違いますか?」

人魚姫は再び王子の元に向かいました。

180: 2012/05/21(月) 21:14:08 ID:3Wb7ahQU
王子「内緒話は終わったかい?」

人魚姫「…うん」

王子「ハハ、君は何処と無く僕の友達に似てるよ…」

人魚姫「王子は…また歩きたい、よね?」

王子「そうだね、やり残した事が沢山あるから…だから、皆に何と言われても歩くのを諦めたりはしないよ」

人魚姫「王子は王子だもんね」

王子「立場じゃなく、個人としての責任がある」

人魚姫「そっか…」

人魚姫はその言葉を聞くと、王子の部屋から出て行きました。

181: 2012/05/21(月) 21:18:56 ID:.1kLutzQ
そして、王子にけして言わない事を条件に人魚の血肉を渡すと貴族と約束するのです。

貴族が指定された浜辺に行くと、人魚姫が待っておりました。

その姿は人間ではなく人魚でした。

人魚姫はナイフで体の一部を切り取ると貴族に渡し、何も言わずに海に消えました。

183: 2012/05/21(月) 21:28:41 ID:pmpKsNXY
フラフラと戻ってきた人魚姫をみて姉達は激怒しました。

姉K「なんで先に相談しねぇんだよ!」

姉H「相談すれば、反対するからでしょう?…でも、これは余りに愚かよ?」

姉M「と、とりあえず、傷を癒さないと!」

しばらくたっても、人魚姫の傷は完全には癒えませんでした。

長く泳ぐ事が出来なくなった人魚姫は、もうあの浜辺に行くことも無くなりました。

それどころか姉達がいくら言っても、城をでる事すらしません。

184: 2012/05/21(月) 21:41:27 ID:gybHeCNY
人魚姫「いいんだよ、あの貴族は本当に王子を慕ってるし…私はもう二度と人間にはなれない…」

姉達は言いました。

姉M「そんな事じゃ無いでしょう?…貴女は元気な王子を見たかったんじゃ無いの?」

人魚姫「でも、王子が浜辺にいるかもわからないし、自力で行く力ももう…」

姉K「そんなの私らが運んでやるよ!あんたの長所は深く考えない事だろうが!」

人魚姫「だって…王子が気付いたら?私の傷に…私説明できない…そんな事知ったら王子は…」ポロ

185: 2012/05/21(月) 21:43:40 ID:5ywwF/NQ
姉H「ねぇ人魚姫…確かに立場や世界が、人を隔てる事はあるわ。でもね、私が思うに貴女達はそれに当てはまらない。…あとは貴女の勇気だけだと思うの…」

人魚姫「勇気?」

姉H「そう、勇気。誰しも不確かな未来は恐ろしいものだわ…」

姉K「私の妹だろ!王子が来るまで待つ位の根性見せなよ!」

姉M「どうする?…人魚姫」

186: 2012/05/21(月) 21:50:04 ID:on86.scY


姉M「ここからは一人で、ね?」

人魚姫「うん、運んでくれてありがと…行ってくる」

人魚姫はゆっくりと浜辺に向かっていき、恐る恐る水面に顔を出しました。

砂浜には、一つ佇む影がありました。

人魚姫「…」

人魚姫「…久しぶり」

王子「うん」

187: 2012/05/21(月) 21:54:33 ID:k3nJ.zBI
人魚姫「何やってたのさ…」

王子「ごめん、本当にごめん。言い訳にしかならないけど少しバタバタしててね」

人魚姫「そっか…まだ泳げないの?」

王子「…ふふっ。うん、まだ万全じゃ無いからね」

人魚姫は少し安心しました、潜ることが無いなら傷を見られずに住みます。

静かな時間が過ぎました、二人は他愛のない会話をします。

そして日も沈み始めた頃、人魚姫はついに言ったのです。

188: 2012/05/21(月) 21:57:51 ID:mbzEEPWg
人魚姫「私ね…」

王子「?」

人魚姫「私…」

王子「…」

人魚姫「王子が…好き…ずっと、ずっと好きだったよ」

王子「…」

人魚姫「私は、王子が好き…です」

王子「ごめん…」

人魚姫「…」

189: 2012/05/21(月) 22:04:32 ID:Bp4x.vyQ
王子「その台詞は、本来僕から言うべき言葉なのに…」

人魚姫「え?…あの…」

王子「人魚姫に会えない日々の中で、僕は自分の心を知ったんだ…」

王子「人魚姫、一緒になろう」

人魚姫「あの…私…でも…人間じゃ…」ポロ

王子「人魚姫は、僕が人魚でも人間でもなかったら、嫌いになったかい?」

人魚姫「…ック。本当に…私…ヒック」ポロポロ

王子「また、一緒に泳ごう?僕は、人魚姫といる時が一番幸せだったから…」

人魚姫「エヘヘ…グス…王子らしくない台詞だね…」ポロポロ

王子「そうかな?…たとえ何があっても支え続けるから、この僕にドーンと身を委ねなさい!」

人魚姫「それ…私の台詞…でも嬉しいよ…」ポロポロ

王子「…」

人魚姫「じゃあ、そうしよう…かな…」

王子「うん、ありがとう」ギュ

190: 2012/05/21(月) 22:09:01 ID:4lhTYTl.
二人が抱き合う様を、姉達は遠くで見ておりました。

姉H「長かったわ…でも姉さんは気付いてたのよね?」チラ

姉M「私が浜辺にいった時、緑の髪の娘に言われたのよ、傷が治ったら王子が来るって…」

姉K「あいつら、色んな人に世話かけてるな…」ニヤニヤ

二人の事は公にはなりませんでしたが、様々な人に祝福され人魚姫は生涯幸せに暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

191: 2012/05/21(月) 22:10:27 ID:bWjuFbtc
まどか「てぃひひ」パタン

ほむら「どうしたの、まどか?嬉しそうに絵本なんて読んじゃって」

マミ「人魚姫ね、懐かしいわ。ちょっとご都合主義だけど…」

杏子「良いんじゃねぇ?お伽噺なんだから、何一つ救われないのは寂しいもんな…」

まどか「そうだよね!」

さやか「…なんか、既視感ある話だね、何がって訳じゃないけど」パラパラ

ほむら「…」

192: 2012/05/21(月) 22:28:03 ID:.lTs8.bo
~杏子と葡萄~

ある穏やかな日。

杏子は食べ物を探していました。

すると道の先に大きな葡萄の木を見つけました。

杏子は葡萄が大好きです、人目も憚らずよだれが止まりません。

葡萄の木に近付くと、意外と距離があることに気付きました、すなわち葡萄の木が尋常じゃなくデカかったのです。

193: 2012/05/21(月) 22:33:04 ID:pW2hi0y6
杏子は木の真下まで来て、葡萄の房めがけてジャンプします。

杏子「…届かない」

一生懸命、ジャンプしますが葡萄にありつく事が出来ません。

杏子「…腹減った」

彼女が狐か何かなら諦めたでしょうが、杏子は人間です、葡萄を諦めきれません。

194: 2012/05/21(月) 22:47:41 ID:ExGezlPQ
道端に長い棒を見つけた杏子はそれで突く事にしました。

杏子「らぁぁああ!」ブン

バチュ

一番低い位置にあった葡萄は弾け飛びました。

杏子「…」

杏子「甘い甘い」ペロペロ

とりあえず、棒の先を舐めながら次の手を考えます。

195: 2012/05/21(月) 22:50:34 ID:gorFReGw
考えていると、ちょうどタイミングよくさやかが通りかかりました。

さやか「何やってんの?」

杏子「あの葡萄が食べたい」

さやか「店で買えば?」

杏子「バカ!」ガスッ

さやか「何すんのさ!?」ジワァ

杏子「私はあの葡萄が食べたいんだ!買った葡萄に浪漫なんてあるか!」

さやか「うわーん!杏子がよくわかんない理屈でぶったー!」スタコラ

196: 2012/05/21(月) 22:57:22 ID:lbC.LCXY
杏子はとりあえず、棒高跳びの要領でもぎ取ろうとしました。

杏子「らぁぁああ!」ザクッ

ベキッ

長い棒はへし折れました。

杏子「…」

杏子「宮本武蔵」ブンブン

とりあえず二刀流の真似事をして、次の手を考えます。

197: 2012/05/21(月) 23:04:15 ID:LBder65.
考えていると、今度はマミが通りかかりました。

マミ「何してるの佐倉さん?」

杏子「葡萄食べたい」

マミ「ごめんなさい、家に葡萄は無いのよね…」

杏子「そっか」

マミ「マスカットならあったはずだけど、食べに来る?」

杏子「食べたい」

杏子はこうしてマスカットにありつく事が出来ました。

一部始終を見ていたほむらが葡萄を食べなから呟きます。

ほむら「変身しなさいよ…」モグモグ

~めでたしめでたし~

199: 2012/05/21(月) 23:12:32 ID:n24N72nU
まどか「終わりだよ!」

ほむら「まどかが可愛かったわ」パチパチ

まどか「出てないよ?」

杏子「葡萄食べたい」

マミ「無いわよ?」

杏子「…」

マミ「マスカットも無いわよ?」

杏子「騙された!」ガーン

200: 2012/05/22(火) 00:07:06 ID:pD19vDmc
~泣いた赤毛鬼~

昔、昔ある山に赤毛の杏子と青毛のさやかと言う、二匹の鬼がいました。

杏子の方はとてもやんちゃで、しょっちゅう人里に降りては悪戯をしてました。

鬼といっても人間の見た目に角が生えてる程度だったので畏れられてはいませんでしたが、度重なる悪戯で信用は地に落ちていました。

一方のさやかも明るい鬼でしたが、特に人里にでる事もなく、野山を駆けていました。

たまに山に入った人間に出会うくらいだったので、認知度も低かったのです。

201: 2012/05/22(火) 00:14:37 ID:XQ833bVQ
ある日、杏子はさやかに相談します。

杏子「悪戯も飽きてきたから、人間と仲良くしたい!」

さやか「仲良くするのに飽きたら?」

杏子「悪戯する!」

さやか「自分で考えろ!」

そうは言っても、何だかんだで杏子思いなさやかはどうにか杏子が受け入れられないか考えてみる事にしました。

202: 2012/05/22(火) 00:22:28 ID:iL.b9zPQ
さやかは人間が杏子に持っているイメージを知っておこうと、聞き込みの為、フードで変装して人里に降りたのです。

村で顔に<學天則>と書かれた愉快なお姉さんを見つけました、聞いてみます。

マミ「赤毛鬼!あの娘ったら寝てる私の顔に草の汁で落書きしたのよ!3ヶ月は落ちないわ!」キィー!

學天則はとても怒っていました。

さやかは悲しくなりました。

204: 2012/05/22(火) 00:29:27 ID:iL.b9zPQ
次に髪が空にむかって伸びている不思議な美女を見つけました、聞いてみます。

ほむら「this way…follow me…」

よく見ると髪はかっちかちに固まっています、this wayに着いていくと、そこは彼女の家でした。

家の中はボンドが撒き散らされています、そして指差す先には赤い毛が落ちていました。

ゴゴゴゴ…

さやかはまた悲しくなりました。

205: 2012/05/22(火) 00:35:15 ID:DodQR7ZY
さらに肥溜めから顔だけ出して笑っている陽気な若者を見つけました、聞いてみます。

中沢「落とし穴に落ちたとたんに、上からウンコが流れてきた…赤毛鬼が爆笑してた、ハハハ」

さやかは、少年の頭を鷲掴み、引っ張り上げました。

中沢「ハハハ…ハハハハハハ…赤毛鬼の奴ぅ…」

それから何人に聞いても、同じ様な反応でした。

206: 2012/05/22(火) 00:45:27 ID:qRL9hmGo
さやかは、これはもう駄目だなと思いましたが、もし赤毛鬼が心から謝ったら許してくれるか聞いたのです。

マミ「顔に好きなだけ落書きさせてくれたら許してあげるわ…」

ほむら「first comes rock…rock、rock、rock…」

中沢「ハハハ…許す?…ハハハハハハ」

さやかはガッカリして帰ろうとしました。

207: 2012/05/22(火) 00:53:12 ID:iL.b9zPQ
しかし、突然村人に袖を掴まれ、フードを奪われてしまったのです。

マミ「やはり貴女も鬼だったのね…」

ほむら「…」ゴゴゴゴ…

中沢「ハハハ…肥溜めは意外に温かいんだよ?」

さやか「ひぃっ!」

さやかはみるみる血の気が引いていきます。

208: 2012/05/22(火) 01:07:13 ID:OGaR4Fnc
マミ「なんてね?」ニコ

さやか「へっ?」

マミ「貴女は貴女。彼女は彼女。わざわざそんな事を調べに降りてくるなんて、貴女は友達思いなのね…」

ほむら「貴女に免じて、誠心誠意謝るなら許してやらないでも無いわ」

中沢「許したい気持ちはあるけれど、心の中の鬼がどうするかだね」

さやかは村人に感謝し山へ戻り、事の次第を杏子に話します。

209: 2012/05/22(火) 01:24:29 ID:1HzLFP6w
杏子「あぁー、こないだの話ね…」

さやか「そう!ちゃんと謝れば許してくれるってさ!」

杏子「それなんだけど…なんか、もう…いいや」

さやか「はい?」

杏子「悪戯してる方が、性に合うって言うかさ…だから、もういいや」

さやか「バカーーッ!怖かったのにーっ!」ウワーン

さやかは泣きながら山を降りてしまいました。

210: 2012/05/22(火) 01:25:38 ID:pD19vDmc
杏子はどうせしばらくしたら戻るだろうと、新しい悪戯を考える事にしました。

しかし、いくら待ってもさやかが戻ってくる事はありませんでした。

ウホウホ

心配になった杏子は悪戯ついでにさやかの様子を探ることにしたのです。

杏子「あいつ、馴染んでやがる…」

さやかは村人と仲良く過ごしておりました。

211: 2012/05/22(火) 01:27:40 ID:pD19vDmc
杏子「まぁ、酷い目にあってないなら良っか…」

中沢「なんだあれ?なんでバナn…うわぁぁあ!」ズボッ

杏子「あ、誰か掛かった」

ウホッ

中沢「イギャヤァアア!ゴリラが!穴にゴリラが!」

杏子「アハハハハ!」

212: 2012/05/22(火) 01:37:00 ID:qRL9hmGo
悪戯も成功し杏子は山に戻りました。

ですが話を聞いてくれるさやかは居ません。

だんだん杏子は寂しくなってきました。

日も沈み、まだまださやかは帰ってきません。

杏子「あれ?もう村で暮らすのかな…」

杏子「うー…」ジタジタ

213: 2012/05/22(火) 01:38:08 ID:pgiIoxFg
杏子「私達はたった二人の鬼なんだぞ!」

杏子「さやかの裏切り者ーっ!」ジタジタ

杏子「…」

杏子「寂しい…」グスン

さやか「あんた何泣いてんの?」

杏子「さやか!さやかーっ!」ガバッ

さやか「何々?何なのさ…村の人に夕飯よばれてたんだけど?」

杏子「うぅー…言ってけよ…」グスグス

214: 2012/05/22(火) 01:40:09 ID:qRL9hmGo
もう寂しいのが嫌な杏子は、次の日さやかに連れられ村人に泣きながら謝りました。

村人達は杏子を許し優しく迎えてくれました…ゴリラ恐怖症の若者以外は。

杏子も悪戯をしなくなり、村人も鬼も仲良く幸せに暮らしましたとさ…

若者は一人静かに笑っておりましたとさ…

~めでたしめでたし~

215: 2012/05/22(火) 01:43:09 ID:qRL9hmGo
マミ「おしまい」

杏子「私はそんなに寂しがりじゃねぇ!」

マミ「あら、そうだったかしら?」

ほむら「貴女結構寂しがりよね…」

さやか「へぇー、杏子ってばそうなんだー」

杏子「んなわけあるかー!」

まどか「てぃひひ、杏子ちゃん可愛い」ナデナデ

杏子「撫でんな!」

220: 2012/05/22(火) 19:24:36 ID:pD19vDmc
~ほむすびコ口リン~

ある日、まどかはピクニックで近くの山へ向かいました。

頂上まで行くと、調度お昼時です。

さっそく、まどかはお昼を食べる事にしました。

早起きして作ったお握りを頬張ります。

まどか「てぃひひ、美味しいや」

221: 2012/05/22(火) 19:31:02 ID:NNenwThY
次のお握りに手を伸ばした時、まどかは誤ってお握りを落としてしまいました。

まどかはお握りを拾おうと追いかけますが、お握りは坂道をコロコロと転がり大きな穴に落ちてしまいました。

まどか「あぅ、私のお握り…」

まどかがショックを受けていると、穴の底から楽しい歌が聞こえてきました。

ほむすびコ口リン、スットントン♪

ほむすびコ口リン、スットントン♪

222: 2012/05/22(火) 19:39:53 ID:U7H.NcOk
とても愉快で綺麗な歌声にまどかは楽しくなり、持っていたお握りを全て穴に落としたのです。

まどかはこの穴がとても気に入り、次の日もお握りをを沢山持って行きました。

待ちに待ったお昼時。

まどかは次々お握りを投げ入れます。

ほむすびコ口リン、スットントン♪

ほむすびコ口リン、スットントン♪

223: 2012/05/22(火) 19:52:00 ID:mwsYaC2o
昨日と同じく、綺麗な声で歌が始まりました。

お握りを全て投げ入れた後、どうしても中の様子が気になったまどかは自らも穴に飛び込みました。

コロコロコロリン…コロコロリン

まどかは驚きました、穴の先には沢山のほむらがいたのです。

ホムホム…ホムホムホムホム

数匹のほむらがまどかに近付いてきました。

224: 2012/05/22(火) 19:53:02 ID:U7H.NcOk
ほむら「まどか!美味しいおむすびを落としてくれてありがとう!」

ほむら「今日は私達がごちそうするわ!」

そう言うと、ほむら達は歌いながら餅つきを始めたのです。

ほむほむペッタン、ペッタンコ♪

お餅をペッタン、ペッタンコ♪

まどかはとても楽しかったのですが、高度な自虐ネタの可能性もはらんでいたので、そこまではしゃぎませんでした。

225: 2012/05/22(火) 19:58:31 ID:iL.b9zPQ
ほむらの搗いたお餅はとても柔らかく、まどかは大満足です。

幸せそうなまどかを見てほむら達も大満足です。

その後も、ほむら達による寸劇や踊りなどまどかが飽きることはありません。

まどかが帰るとき、ほむら達は名残惜しそうに、お土産を渡しました。

226: 2012/05/22(火) 19:59:11 ID:iL.b9zPQ
望んだ物がなんでも出てくる葛籠だと言うのです。

さっそく、まどかは家に戻り、葛籠を使うことにしました。

葛籠から、歌が聞こえてきます。

ほむすびコ口リン、スットントン♪

~めでたしめでたし~

227: 2012/05/22(火) 20:02:45 ID:OGaR4Fnc
マミ「あれ?」

杏子「どうした?」

マミ「原作とあまり変わらなかったわ…」

さやか「二人の配役が自然すぎんだよね」

まどか「ほむすびコ口リン、スットントン♪」

ほむら「ほむすびコ口リン、スットントン♪」

QB「ほむほむペッタン、ペッタンコ♪」

パンッ

230: 2012/05/22(火) 20:33:59 ID:VvUL/8YE
トップだけならマミ=さやか>>杏子>>まどか=ほむら

アンダーも併せると
マミ>さやか>>杏子>>まどか>ほむら

織莉子はマミとさやかの間くらい
キリカはさやかくらい

231: 2012/05/22(火) 20:37:01 ID:FmAGp4Is
~パンを踏んださやか~

昔、昔ある所に貧しい家に生まれたさやかと言う娘がおりました。

さやかはとても美人でしたが、貧しい暮らしの中で心まで貧しくなっていました。

さやかは、容姿と努力の甲斐あって貴族に奉公しておりました。

働き始めて一年、主人がさやかに暇を与えます。

232: 2012/05/22(火) 20:43:20 ID:ttdd6KzE
仁美「さやかさんはよく働くし、外出の要求も無いですわ。そろそろ里帰りしてみてはいかがですか?」

さやか「はぁ、ありがとうございます」

さやかは貧しくみすぼらしい実家が大嫌いでしたが、見違えた自分の姿を見せつけるため帰る事にしたのです。

さやか「あのけちなワカメが服をくれるなんてね!真面目気取る甲斐があるってもんだわ!」

233: 2012/05/22(火) 20:48:29 ID:SNYKygUM
しかし、いざ実家が見えてくるとそこで必氏に働く母親が見えました。

そのあまりの汚なさ、必氏さに幻滅し、さやかはそのまま踵を反しました。

さらに一年がたち、また主人に暇をもらいます。

主人は新品の靴と焼きたてのパンをさやかに持たせました。

さやか「いやー、まさか今年も何かくれるとは!こりゃワカメの人間性を再評価しないと駄目だね!」

234: 2012/05/22(火) 20:55:06 ID:mwsYaC2o
しかし、今度は実家までの道に泥濘が出来ていたのです。

新品の靴を汚したくないさやかは泥濘にパンをなげ、それを踏んで泥濘を越えようとしました。

さやか「ひゃっほぅ!ブレッドステーップ…な、なんぞ!?」

さやかがパンを踏むと、パンとさやかはズブズブと泥濘に飲まれてしまったのです。

中沢「見た見た!僕見た!パンを踏んだ罰当たりが泥濘に吸い込まれてったよ!ひゃー!」

一部始終を目撃した中沢は街中の人間に言いふらしました。

236: 2012/05/22(火) 21:01:46 ID:FmAGp4Is
一方、さやかは堕ちた先でめっちゃ土下座をしていました。

目の前の人がやたら怖いのです。

杏子「で?」イライラ

さやか「パンを踏みました」

杏子「理由は?」イライラ

さやか「靴を…汚したくなかったので…」

杏子「で、結果は?」イライラ

さやか「全身汚れて裸足です」

杏子「何でだと思う?」イライラ

さやか「パンを踏んだからです」

こんな感じでかれこれ1週間は過ぎていました。

237: 2012/05/22(火) 21:12:58 ID:NQcxd7Zo
その頃になると、街中がさやかの悪評で溢れかえっていました。

そんな中、一人の少女まどかが言いました。

まどか「確かにその人は酷い事をしたけど、たった一度の過ちでそうも蔑み貶めるのは可哀想だよ…」

中沢「許せるわけ無いだろうが!お前は食うに困って無いからそんな事が言えるんだ!」

まどか「そうかもしれないけど…」

食うに困って無い中沢から怒鳴られ、まどかは、ならば自分だけでもとさやかに祈りを捧げる様になりました。

238: 2012/05/22(火) 21:24:48 ID:AzJUUt5c
当のさやかはヘッドホンから流れる、地上でのさやかの評価を大音量で聞かされていました。

さやか「なにさーっ!」

とうとうさやかもぶちギレます。

さやか「パン踏んだくらいで何でこんな目に遭うのさ!理不尽だよ!」バシッ

杏子「なっ!そういう事言うからだろうが!刑期伸ばすからな!」ポカッ

さやか「うるさーい!知るかー!もーっ!」ポコッ

239: 2012/05/22(火) 21:32:40 ID:pgiIoxFg
二人が殴りあいの喧嘩を始めたその時です。

ヘッドホンから、罵詈雑言以外の小さな声が聞こえました。

まどか「さやかちゃんが過ちを許されます様に」

さやか「バーカ!くたくたの槍なんか持ってダッセーの!」ポカポカ

杏子「なんだと!バカって言った奴がバカなんだぞ!」ポカポカ

二人は喧嘩に夢中で、まどかの台詞など耳に入っていませんが、タイミングはここしか無いと感じた神様は、気にせず現れました。

240: 2012/05/22(火) 21:39:44 ID:iL.b9zPQ
マミ「おぉ、何と心優しいムスm…」

さやか「バカバーカ!何度でも言ってやるバーカバーカ!」ポカポカ

杏子「くそ青毛が!平家蟹みてぇな顔しやがって」ポカポカ

マミ「とりあえず落ち着きなs…」

さやか「蟹は美味しいんだから馬鹿にすんな!」ポカポカ

杏子「だったらパンは不味いってのかよ!」ポカポカ

241: 2012/05/22(火) 21:47:27 ID:DHHVDg8I
マミ「…」

マミ「二人とも鳥になれ」ティロヒナーレ

こうして鳥になった二人は、贖罪云々の前にまず静かに生きる事を矯正されたのでした。

杏子「私、何もしてないのに…」

さやか「何もしない事も罪なのよ」ポン

杏子「…」イラッ

~めでたしめでたし~

242: 2012/05/22(火) 21:50:59 ID:DHHVDg8I
ほむら「何が言いたいか解る?」

杏子「パンはおいしい」

さやか「私の才能が羨ましい」

マミ「何この二人…」

ほむら「冷静に行動しないと痛い目を見るってことよ…」

仁美「とりあえず、暁美さんと美樹さんには私のニックネームについて聞きたい事がありますわ」

ほむら「…」

さやか「…」

243: 2012/05/22(火) 22:21:44 ID:ERnAgXbw
~長靴を履いたマミ~

ある時、粉引き小屋の男が息を引き取りました。

男には3人の子供がいましたが、特に資産家でも無かったので残されたものは粉引き小屋と一頭のロバと一匹のマミだけでした。

二人の兄はマミなど、なんの役に立つものかと、早々に粉引き小屋とロバを受け取り末子にマミを押し付けました。

末子のほむらは優しく、感謝を忘れぬ若者で自分にも父の形見が送られた事を素直に喜びました。

244: 2012/05/22(火) 22:25:46 ID:FyKp2/.I
ほむら「今日からは私の家族よ、仲良くやりましょう」

マミ「ご主人様…」

ですが、元々裕福でない家庭の末子です。

明日もわからぬ状況にほむらは内心困り果てておりました。

マミ「ご主人様?一つお願いがあるのだけれど?」

ほむら「なにかしら?」

245: 2012/05/22(火) 22:30:10 ID:DodQR7ZY
マミ「ご主人様は二人の兄と違って、いつも優しくしてくれたわ…だから恩返しがしたいの!…何もいわず長靴と布袋を用意してくれないかしら?」

ほむら「…わかったわ、でもあまりむちゃしちゃ駄目よ…」

ほむらはマミの為に新品の長靴と丈夫な布袋を用意しました。

247: 2012/05/22(火) 22:37:13 ID:At/yS/Fo
早速マミは布袋を森の柵にくくりつけます。

そして、森のウサギ達を柵に追いやります。

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ボシュ

森は半壊、人々の叫び声が響き、森じゅうのありとあらゆる生き物が柵に向かって一目散に逃げて行きます。

248: 2012/05/22(火) 22:43:55 ID:xuacIQro
サイズの小さなウサギは柵の間をすり抜けようと次々布袋に収まりました。

布袋一杯のウサギを担ぐと、マミは大公の元にいきました。

大公はウサギが大好物だったからです。

沢山のウサギをみた大公はとても喜びました。

249: 2012/05/22(火) 22:50:09 ID:i9YOwpXI
マミ「こちらは、ほむら公爵から大公様への贈り物です」

恭介「それはそれは、一度礼に赴かないとね。案内を頼めるかい?」

マミ「勿論、ほむら公爵もお喜びになります」

こうしてマミは大公を案内する事になりました。

250: 2012/05/22(火) 22:53:10 ID:87Lm5SHw
粉引き小屋の近くまで来た所でマミは大公に休憩を促し、ほむらの元へ向かいました。

ほむら「マミ!なにやってたの!…てっきり巻き込まれたかと…森で大きな爆発があってこの辺りは大騒ぎよ?」

マミ「ご主人様!今は森の事はどうでもいいから、すぐに裸で川に溺れて!」

ほむら「はは裸で!?なんでなんで!?」

マミ「すぐに助けが来るから、そしたら…えーと…そう!森の怪物に襲われたと言ってね!」

そう言うとほむらをひんむき、川に投げました。

254: 2012/05/23(水) 00:03:47 ID:CCeslBG6
マミ「大公様!大変です!」

恭介「うん、何か森も凄いことになってるね…」

マミ「それもなのですが、ほむら公爵が川で溺れているのです!」

恭介「な、なんだってーっ!」

ほむらは助けられるまでに一時間程かかった為、意外と普通に溺れてました。

ハァー イイオユダッタ

ようやく助け出されると、ほむらは森の化け物に襲われた旨を説明しました。

255: 2012/05/23(水) 00:10:21 ID:YN3aol7s
マミ「住人から化け物の話を聞いて、ご主人様は退治しようと向かったのです。ご主人様の腕を考えれば、相手は手負いでしょうから私が様子を見てきます」

そう言うと、マミは馬車を出て行きました。

大公はほむらが裸だった為、一度城に戻る事にしたのです。

ほむらはよくわからないまま、公爵に相応しい服を貰い、手厚く懐抱されました。

256: 2012/05/23(水) 00:15:22 ID:IYzoqPo.
一方のマミは広大な農場で働く者達に話しかけます。

マミ「ここの持ち主は誰かしら?」

杏子「あの城にいる魔法使いさ…私達は家族を人質に取られて、働かされてるんだよ…」

マミ「もう少ししたら、馬車がくるはずだから、この土地の事を聞かれたらほむら公爵の土地だと説明してちょうだい」

杏子「そんな事したら、私の家族が!」

マミ「安心して、かならず助けるし魔法使いも何とかするわ!」

そう言ってマミは魔法使いの城に向かいました。

257: 2012/05/23(水) 00:22:20 ID:OJQcilrg
QB「キュップイ!僕の城に来るなんて変わった奴だね…」

マミ「貴方が素晴らしい腕の魔法使いと噂に聞いて来たのよ」

QB「まぁ、魔法知識に関して僕に並ぶ者はいないだろうね」フフン

マミ「私を弟子にしてくれないかしら?」

QB「雑用してくれるなら構わないよ」

マミ「本当!?だったら一度貴方の魔法を見てみたいわ、誰もが震え上がるような化け物になれるかしら?」

QB「お安い御用さ!」

そう言うと魔法使いの体は見る見る大きくなり巨大な竜に変化しました。

258: 2012/05/23(水) 00:27:33 ID:slgBMS.g
QB「どんなもんだい!凄いものだr…その筒なに?」

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ボシュ

マミが魔法使いを森に捨てた頃、馬車も近くまで来ておりました。

259: 2012/05/23(水) 00:35:22 ID:4vRlXU.M
ほむら「あぁ!マミじゃない!本当に貴女何したのよ!?」ヒソヒソ

マミ「お似合いよ、ご主人様!」ヒソヒソ

恭介「化け物はどうなった?」

マミ「もうじき見えて参りますよ、大公様」

馬車が森を抜け、視界が開けると竜のまま絶命した魔法使いが見えてきました。

260: 2012/05/23(水) 00:36:39 ID:OJQcilrg
マミ「ご主人様の一撃が致命傷だったみたいで発見した時は既に…」

恭介「…」アングリ

恭介「…ほむら公爵、君は凄いね」

ほむら「へっ?えぇ…まぁ」

さらに行くと豊かな農場が見えてきました。

261: 2012/05/23(水) 00:40:06 ID:OJQcilrg
マミが様子を伺うと、家族の再会は済んでいたみたいです。

恭介「ここは随分豊かな土地だね…誰が領主なんだい?」

杏子「あぁ!あの城に住んでるほむら公爵様の土地だよ!」

指差す先には不自然な穴の空いた広大な城が見えます。

大公は関心しきりでした。

262: 2012/05/23(水) 00:44:54 ID:OJQcilrg
広大な土地と城に、武闘の心得まであるほむらをいたく気に入りました。

ほむらが城に入ると、魔法使いに働かされていた者たちが歓迎をします。

人望がある事もわかり安心した大公は、度々ほむらに目をかけてくれる様になったのです。

こうして、公爵となったほむらは人望厚く、感謝を忘れない立派な領主になりましたとさ…

~めでたしめでたし~

263: 2012/05/23(水) 00:48:28 ID:4vRlXU.M
まどか「やっぱり、マミさんはかっこよくなくちゃ!」

マミ「鹿目さん!」ウルウル

さやか「大公の后は誰だったの?」

仁美「自信が無いから心配になるのですわ…」フフン

さやか「無駄な希望を抱かせないようにの配慮だけど?」ハハン

杏子「こいつら怖い」

ほむら「…」

ほむら「長靴は?」

269: 2012/05/23(水) 19:40:24 ID:MEnGVCKw
~QBの恩返し~

QB達を頃す、大変恐ろしいほむらが町を歩いておりました。

今宵も服は赤く染まっております。

そこに運悪く通りかかったQBがあっさりと捕まってしまいました。

QBは必氏に命乞いをするのです。

270: 2012/05/23(水) 19:46:08 ID:oW9VqzgQ
QB「僕を見逃してくれるなら、君に何かあった時、必ず助けに行く!約束する!」

ストレスも貯まって無かったほむらは、QBを見逃してあげる事にしました。

QB「ありがとう!本当にありがとう!」

QBは深々と頭を下げ、いなくなりました。

271: 2012/05/23(水) 19:48:28 ID:vyiXuv4k
しばらくしてほむらは、高笑いする化物と戦っておりました。

化物はとても強く、ほむらは追い詰められてしまったのです。

QB「お困りのようだね?」

ほむら「貴方はあの時の…」

272: 2012/05/23(水) 19:49:57 ID:vyiXuv4k
QBの区別はつきませんでしたが、ほむらは空気を読んでくれました。

QB「その通りさ!助けにきたよ!」

そう言うと、化物に立ちはだかったのです。

ほむら「QB…あなた…」

273: 2012/05/23(水) 19:54:03 ID:4vRlXU.M
QB「あ…と言っても、戦うのは彼女だけどね」

まどか「てぃひひ、契約したよ!」

ほむら「ノォォォオオオォォーーーーッ!!」

パンッ

動かないQBを見て、ほむらは思います。

QBなんて助けるもんじゃ無い。

274: 2012/05/23(水) 19:54:41 ID:4vRlXU.M
~めでたしめでたし~

275: 2012/05/23(水) 19:57:49 ID:OJQcilrg
さやか「ジャジャーン!」キメッ

ほむら「…」

ほむら「笑えないわ」

QB「僕も笑えないね…」

まどか「ま、まぁお伽噺なんだし…私はほむらちゃんを悲しませる様な事はしないよ?」

ほむら「まどかぁーっ」ダキッ

QB「いやはや、まったく笑えない」

276: 2012/05/23(水) 20:24:18 ID:lYyFGZak
~錫の中沢~

昔、昔ある家に錫を溶かして作った兵隊人形がありました。

その中で一回り小さい兵隊がおり、その兵隊は中沢と呼ばれておりました。

中沢は最後に余った錫で作られたため、錫が足りずこんな体だったのです。

ある日、中沢はテーブルに置かれていたバレリーナ人形のマミに一目惚れします。

277: 2012/05/23(水) 20:28:32 ID:YN3aol7s
小さい中沢にとって、彼女はインパクトが凄かったからです。

中沢「あの娘はお乳が凄いことになっているなぁ…バレリーナとしては致命的だ。僕も兵隊らしい体格じゃないし、致命的な者同士で話もあうだろう」

そうして、バレリーナを眺め、野次を飛ばす日々が続いたのです。

279: 2012/05/23(水) 20:37:16 ID:OJQcilrg
そんなある日、家の子供が中沢を外に投げ飛ばしてしまいました。

中沢「イッヒャアアア!落ちる!落ちてる!」

コロン

中沢「うっふぅ、体が錫で助かった…ん?」

後ろを振り向くと猫がおりました。

280: 2012/05/23(水) 20:45:12 ID:4vRlXU.M
ほむら「貴方、今4階から落ちてきたわね?」ゴロゴロ

中沢「はぁ」

ほむら「頑丈で何よりだわ、耳毛鼠に逃げられてむしゃくしゃしてた所だから殴らせニャさい」ゴッ

中沢「ガキ大将かy…」メコッ

中沢は吹き飛ばされ、排水溝に落ちてしまいました。

281: 2012/05/23(水) 20:48:37 ID:06WweZmw
排水は流れが速く、錫なので泳げませんし、サイズが小さい為どんどん流されます。

中沢「速い速い!流れがh…ごばぁ!氏ぬって!氏ぬってば!」ブクブク

中沢は川にたどり着きました。

流れが弱くなったので流される事は無くなりましたが、ゆっくりと沈んで行くのです。

そんな中沢に近付いてくる者がおりました。

282: 2012/05/23(水) 20:56:21 ID:Cg5/XXQ.
目についたものは何でも口にいれると評判の魚でした。

杏子「なんだありゃ!食い物か?」

中沢「おいおい、まさか狙ってないよね?狙われてないよね?」

杏子「いっただきー」バクッ

中沢「ぉぉおお!はい喰われました!今喰われましたよ!」

杏子「固い」

魚の腹に収まってからというもの、真っ暗で何が起きているのかもわかりません。

魚の尋常ならざる胃液がゆっくりと中沢を溶かしてゆくだけでした。

283: 2012/05/23(水) 21:03:27 ID:8RO8Y33I
中沢「はかない…せめて最後くらいはあのお乳の中で氏にたかった…」

中沢が諦めかけていたその時、急に光が差し込んで来たのです。

魚は釣られ、人家まで運ばれた事を中沢は理解しました。

中沢が取り出されると、見覚えのある景色が広がっています。

そこは中沢の住んでいた家でした、家の奥さんはとりあえず中沢をテーブルに置いたのです。

284: 2012/05/23(水) 21:08:04 ID:s68UGXAM
そこには、あのマミが置いてありました。

マミ「あら?貴方…」

中沢「ご存知でしたか!あの窓際に飾られていた兵隊です!」

マミ「やっぱり!毎日、私の胸を眺めて、詰ってた変態じゃない!」

強い口調と至近距離のマミのボリュームに興奮した中沢は苛烈なスキンシップを図ります。

285: 2012/05/23(水) 21:11:47 ID:s68UGXAM
中沢「お乳が…舐めたいです…」ブワッ

マミ「許可するわけ無いでしょう!自分の顎でも撫でてなさい!」

中沢「またまたぁ…見られたくなきゃ、その物騒なモノを隠してくださいよ!」

マミ「こういう風に作られたんだから仕方ないじゃない!」

中沢「さぞや、変態に作られたんでしょうなぁ…服を縫われる時は興奮しましたか?」ウヘヘ

マミ「…」ブチッ

286: 2012/05/23(水) 21:16:23 ID:AlpZbGWg
マミは腰のリボンを巧みに操ると中沢を縛り上げそのまま暖炉に投げ飛ばしてしまいました。

中沢「うほっ…緊縛とはマニアックで…なつっ…ぁあっつっ!ヤバイヤバイ!マジでやばい!」

そのまま中沢は溶けてしまい、下劣な言葉を喋る事も無くなりました。

後日、家の主人が暖炉の煤払いをしたところ、割れたハートの形の錫が見つかりましたとさ…

~めでたしめでたし~

287: 2012/05/23(水) 21:19:38 ID:rkUhz1c.
さやか「中沢を主人公にしてみたよ」

ほむら「中沢君はそう言う趣味なのね…」

さやか「じゃない?…知らないけど」

マミ「…私だって好きで大きくなったわけでは無いんだけど…」

ほむら「その台詞は特定の人を最も傷付けるから言わない方が良いわ…」

杏子「ほむらは何で泣きそうなんだ?…え?まどかも!?」

まどか「…」

ほむら「好きで…小さいわけじゃ…」

マミ「ごめんなさい」

289: 2012/05/23(水) 21:54:12 ID:p5cDV2Oo
~雪ほむら~

ある北国のお話。

一人孤独に暮らしていたまどかと言う少女がおりました。

引っ込み思案で友達らしい友達もいませんでした。

子供達が楽しく遊ぶ様を家の中で見ているばかりです。

子供達がいなくなった頃、まどかは寂しさをまぎらわす為、外で雪ダルマを作りました。

290: 2012/05/23(水) 21:59:11 ID:U.Kb5Tx2
一生懸命に作った雪ダルマはとても出来が良く、嬉しくなったまどかは自分の服や手袋で飾り付けをしました。

まどか「名前は何にしようかな?」

ほむら「ほむらと申します」

まどか「わわ!雪ダルマが喋った!」

雪ダルマはそう名乗ると、見る見る内に体に色がつき美しい女の子になりました。

291: 2012/05/23(水) 22:03:00 ID:U.Kb5Tx2
それを見たまどかは大喜びです。

まどか「ほむらちゃん…私の友達になってくれる?」

ほむら「勿論です。まどか」

まどか「うん!うん!…あ、でも友達だから敬語はやめてね?ほむらちゃん!」

ほむら「あ…はい。まどか」

その日から、まどかとほむらは毎日仲良く過ごしました。

292: 2012/05/23(水) 22:06:21 ID:oUqLo6wg
二人がとても楽しそうに遊ぶので、まどかの周りにも次第に友達が増え始めました。

たくさんの友達と遊んだ後、家で二人は遅くまでお話をしました。

まどかは、ほむらといる毎日が夢の様に幸せだったのです。

293: 2012/05/23(水) 22:08:22 ID:AlpZbGWg
ピチョン…ピチョン…

ほむら「まどか?これは何の音かしら?」

まどか「…屋根の雪が溶けているんだよ…完全な雪解けまではまだあるけど…」

ほむら「そう…」

まどか「春になったらね、とても綺麗な秘密の場所があるの!ほむらちゃんにだけ案内してあげるね!」

ほむら「ありがとう、とても…楽しみだわ」ニコ

まどか「うん!」

ピチョン…ピチョン…

294: 2012/05/23(水) 22:10:58 ID:AlpZbGWg
少し溶け…

また雪が積もり…

また少し溶け…

繰り返し繰り返し日々は過ぎていきます。

295: 2012/05/23(水) 22:13:34 ID:PjfWPV3Y
そして春も近い、ある晩に、まどかはほむらに揺り起こされました。

まどか「ふぁ…どしたの?ほむらちゃん?」

ほむら「私…私ね…」

まどか「?」

ほむら「もう、お別れしなきゃいけないの…」

まどか「嘘…だよ…ね?」

296: 2012/05/23(水) 22:20:27 ID:p5cDV2Oo
ほむら「私は雪の精だから…雪解けが済めば消えてしまう…」

まどか「やだ…やだよ!そんなのやだ!」

ほむら「ごめん…ごめんなさい…まどかとの日々が楽しくて…どうしても言い出せなくて…」

まどか「だって…そしたら…ヒック…私また一人になっちゃう…」ポロポロ

ほむら「…たくさん友達も出来たじゃない…もう大丈夫…大丈夫だよね?」

297: 2012/05/23(水) 22:24:24 ID:P33zl8k.
まどか「でも、でも…」ポロポロ

まどかの涙は止まりません…まどかはとても後悔しました…いずれ消えてしまうほむらに未来の話を何度もしたのです。

それを笑って聞いてくれたほむらの気持ちを考えると涙が止まりませんでした。

まどか「ごめん…ごめんね…」

ほむら「まどかが謝る事なんて一つもないわ…貴女は私に心をくれた、想い出をくれた…冷たいだけの私の体に暖かさをくれたわ」ナデ

298: 2012/05/23(水) 22:27:11 ID:P33zl8k.
まどか「うん…うん…でも、ほむらちゃんはこれで良いの…?」

ほむら「辛い事を聞くのね…」

まどか「あ…ごめんなさい…」

ほむら「少しでも…長くいたいから…泣くのは我慢してたのに…」

まどか「ほむらちゃん…」

299: 2012/05/23(水) 22:31:54 ID:s68UGXAM
ほむらはたった一粒、涙をこぼしました。

それは雪の結晶となって、キラキラと地面に落ちて行きます。

ほむら「出来る事なら…もっとたくさん…もっと…まどかと…もっと…」

朝日と共に光が溢れ、ほむらは溶けて消えました。

300: 2012/05/23(水) 22:37:20 ID:PjfWPV3Y
まどかはその日、一日泣き続けました。

次の日、まどかが外に出ると光る物が落ちています。

それは雪の結晶でした。

ほむらが流した涙の粒は、けして溶けない雪の結晶になっていました。

まどかは、それを拾い上げ…大切にしまいました。

301: 2012/05/23(水) 22:42:34 ID:rkUhz1c.
その日から、またまどかは笑うようになりました。

結晶を肌身離さず持ち歩き、ほむらに話した未来の事を一つづつ、こなして行きました。

そして、とても天気のよい日…ほむらに話した秘密の場所に向かいます。

そこは、春になると一面が花に覆われる広場でした。

302: 2012/05/23(水) 22:45:38 ID:oUqLo6wg
春の間だけの綺麗な場所。

まどか「ほむらちゃん…綺麗な場所でしょ?…ちゃんと案内したかったな…」

まどかがそう呟いて一粒涙を流すと、合わせる様に雪の結晶は溶けて地面に落ちてしまいました。

まどか「そっか、ほむらちゃんも気に入ってくれたんだね…」

そう言って、まどかは腰をおろします。

暖かな陽気も重なり、いつの間にかまどかは眠っていました。

303: 2012/05/23(水) 22:48:45 ID:K4WuiR.I
そして不思議な夢を見たのです。

花が土が集まって、雪の結晶を形作る夢。

暖かな風が吹きます。

微睡みの中でまどかは確かな温もりを感じました。

ゆっくりと目を開きます…







ほむら「…ただいま」

~めでたしめでたし~

304: 2012/05/23(水) 22:49:45 ID:K4WuiR.I
杏子「へへっ、どうだった?」

ほむら「…」

まどか「…」

マミ「…」

仁美「…」

さやか「…」

QB「人間には様々な葛藤があるみたいだね…」

杏子「どういう事?」

QB「まぁ、悪い印象は無いみたいだよ?」

杏子「そっか、なら良いや」

305: 2012/05/23(水) 23:03:03 ID:15J/Ly6E
本日はこれにて。

最後の「雪娘」は特に印象深い童話です。
機会があれば読んでみてください…軽く鬱になれます。

因みに、明日、明後日は書けないかも知れません。

次も読んでくれたら嬉しいです。

ありがとう、おやすみなさい。

310: 2012/05/26(土) 19:30:22 ID:SzK/kLKg
~まどかと星の金貨~

ある所にまどかという女の子がおりました。

まどかは服と一切れのパンをもって、宛もなく歩いておりました。

道で出会った男が言いました。

311: 2012/05/26(土) 19:35:40 ID:SzK/kLKg
中沢「あぁー、お腹空いたなー」チラッ

まどか「…」

中沢「このままだと氏んじゃうなー」チラッチラッ

まどかは自分のもっていたパンを、男にあげました。

まどか「この人に神様のご加護がありますように…」

312: 2012/05/26(土) 19:54:46 ID:qbV3azAQ
今度は幼い子供に出会いました。

たつや「まろかー、ほむー、まろかー!…へっくち!」

まどか「そんな格好じゃ風邪引くよ、ちょっと待ってて…」

まどかは自分の上着を、子供にあげました。

まどか「この子に神様のご加護がありますように…」

313: 2012/05/26(土) 19:55:18 ID:Z6e6CgKs
次に泣いている娘に出会いました。

さやか「うぅ、謎の女に身ぐるみ剥がされた…下が寒い」

まどか「…」

さやか「さやかちゃんが可愛いからかー!可愛いすぎるからかー!?」グスッ

まどかは自分のスカートを、娘にあげました。

まどか「この娘に神様のご加護がありますように…」

314: 2012/05/26(土) 19:56:37 ID:qbV3azAQ
辺りもすっかり暗くなった頃、全裸で仁王立ちの女の子に出会いました。

ほむら「あら、ようやk…旅の人かしら?」

まどか「あの、どうして裸なのかな?」

ほむら「着るものを奪われたからよ」ファサッ

まどかは自分の下着を、女の子にあげました。

315: 2012/05/26(土) 20:03:10 ID:63w.2p.g
女の子は下着を着ずに大切そうに抱き締めたまま消えてしまいました。

するとどうでしょう、まどかの周りに沢山の星が降り注いだのです。

星をよく見てみると、それは沢山の金貨でした。

きっとあの女の子は神様の使いだったんだ。

まどかは感謝し、幸せに暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

316: 2012/05/26(土) 20:08:09 ID:qbV3azAQ
仁美「以上ですわ」

杏子「…感謝と信仰を忘れんなって話だな」

ほむら「まどかが幸せならそれで良いわ」

まどか「てぃひひ」///

マミ「…」

マミ「…私が純粋じゃ無いだけかしら」

さやか「…わかります」

マミ「ねぇ」

さやか「えぇ」

317: 2012/05/26(土) 20:43:25 ID:SzK/kLKg
~槍盾~

とある商人のお話。

商人が物珍しい武器を売るのです。

さやか「やぁやぁ、こちらは杏子の槍!いかな防御をも貫く強者の槍だよ!」

客はざわめきます。

318: 2012/05/26(土) 20:51:43 ID:ZYx1kzBM
さやか「やぁやぁ、こっちはほむらの盾!いかな攻撃をもすり抜ける強者の盾だよ!」

客の一人が言いました。

中沢「だったら、その槍で、その盾を攻撃したらどうなるんだい?」ニヤニヤ

商人は少し考えた後、無言で客を盾に吸い込みます。

319: 2012/05/26(土) 20:52:20 ID:SzK/kLKg
さやか「さぁさぁ、収納にも便利だよ!」

客の一人が言いました。

QB「キュププ…結局、盾の方が高性能なんだね?」

商人が静かに槍を構えると、槍は長く伸び客の額を貫きます。

320: 2012/05/26(土) 21:05:27 ID:ZMDx/Plo
さやか「さぁさぁ、腕力に自信が無くても安心だよ!」

杏子「おい」

さやか「あ」

ほむら「愚かな美樹さやか…覚悟は出来てるわね」

さやか「ほんの出来心です…」

客はざわめきます。

321: 2012/05/26(土) 21:16:18 ID:63w.2p.g
杏子「おらぁ!」ガスッ

さやか「ピャー!」

ほむら「せっ!」メシッ

さやか「ピャー!」

槍も盾も大変怖いものでした。

マミ「何故マスケット銃はワゴンで投げ売りされてるのかしら…」ニコ

そして、それ以上に怖いものも知りましたとさ…

~めでたしめでたし~

322: 2012/05/26(土) 21:17:00 ID:63w.2p.g
まどか「てぃひひ」

さやか「…」

まどか「てぃひひ」

さやか「…まさか、ケーキの苺を食べただけでこんな話をされるとは…」

まどか「てぃひひ」

さやか「ごめんなさい、ほんの出来心です…」

ほむら「てい!」ポカッ

さやか「ピャー!」

324: 2012/05/26(土) 22:17:23 ID:TH/dhoM2
~ほむ兎とさや亀~

昔々、仲の悪い兎と亀がおりました。

兎の馬鹿にした態度についに亀が怒りの声を上げました。

さやか「こら!ほむら!あんたの根性叩き直してやるわ!」

ほむら「あら根性なんて言葉、よく知ってたわね…偉い偉い」

さやか「キィーッ!かけっこだ!かけっこで勝負だ!」

325: 2012/05/26(土) 22:36:02 ID:63w.2p.g
ほむら「トロ臭い貴女の相手は疲れるのよ…それに勝っても何の利益も無いし」

さやか「ある。負けた方は何でも一つ命令を聞くのよ!」

ほむら「いらない」

さやか「ウオーーッ!」

326: 2012/05/26(土) 22:47:30 ID:IVa/tztM
仁美「他にもメリットはございますわ」

二人のやり取りに木菟が割って入りました。

ほむら「…何があるってのよ?」

仁美「賞品を差し上げますわ」

そう言って、紙袋を二つ見せました。

327: 2012/05/26(土) 22:48:39 ID:IVa/tztM
仁美「ほむらさんが勝ったら、脱ぎたてのまどかパンツを差し上げますわ」

まどか「わわっ!?」

まどか「…」ポフポフ

まどか「わーーっ!いいついついつ?!」///

ほむら「受けて立つわ、さやか!」キリッ

328: 2012/05/26(土) 23:17:46 ID:pIP97Y5Q
仁美「さやかさんが勝ったら、脱ぎたての恭介パンツを差し上げますわ」

恭介「…!」

恭介「あ、本当だ!スースー!スースーする!」

仁美「昨日、夜中にモゾモゾやってたまま変えてませんでしたわ」

恭介「ぎゃーーーっ!!」

さやか「…やる」

329: 2012/05/26(土) 23:31:06 ID:IVa/tztM
こうして、兎と亀の一世一代のかけっこ勝負が始める事にしたのです。

当日。

一目二人の勝負を見ようと、たくさんの動物があつまっています。

仁美「それではこれより兎vs亀かけっこ対決を開催いたします」

仁美「勝者にはこちら!」ババーン

まどか&恭介『ぎゃーー!!』///

330: 2012/05/26(土) 23:36:38 ID:mC4RnfEw
仁美「それでは位置について…よーい、どん!」

開始の合図と共に、兎が消え、コースの中間地点に大穴が空き、叫び声が聞こえてました。

ほむら「汚いわ美樹さやか!落とし穴なんて!」ヨジヨジ

さやか「時間止めたやつに言われたく無いわ!」スタコラ

亀は落とし穴でもたつく兎を抜き去ります。

331: 2012/05/26(土) 23:39:38 ID:Bg9KWtIM
さやか「あっはっは、こりゃ余裕かな?」

ブロロロ…

さやか「へ?」

亀が後ろを向くと、猛スピードでタンクローリーが追いすがってきました。

ほむら「負けないわ」

さやか「どっちが卑怯だ!チキショー!」

兎はあっさりと亀を抜き去ります。

332: 2012/05/26(土) 23:44:15 ID:boBkyb6I
タンクローリーを止めようと、亀は剣を投げつけますが、タンクに刺さるだけで止まりません。

そのまま、兎はゴールしました。

ほむら「ま、当然ね」ファサッ

その勝負をゴール側最前列で見て、はしゃいでいた牛が勝利の祝砲を上げました。

333: 2012/05/26(土) 23:48:43 ID:evuLjDjU
マミ「おめでとう!暁美さん!」パンッ

カッ

突然光が走り、ゴール付近の動物達は吹き飛ばされてしまいました。

タンクローリーから何かが揮発していく音を聞いていた兎だけが上手く回避し立っておりました。

しかし賞品は灰になり、至近距離にいた亀と牛も炭化していました。

やはり争いは何も生まない。

兎はパンツの灰を握りしめ、巣に帰りましたとさ…

~めでたしめでたし~

334: 2012/05/26(土) 23:52:10 ID:I/Q96pQU
仁美「うふふ」

ほむら「貴女の話だと私が常に変態なのは何故?」

さやか「そんな事より、何故仁美の方が恭介に近い位置にいたのさ?」

仁美「あら、現状そうでしょう?」

さやか「うぬぬ」

ほむら「そんな事…だと…」

杏子「その男もさっさと、どっちかと付き合ったら良いのに…」

まどか「バイオリン屑だからね…」

ほむら「そこは馬鹿で良かったんじゃ…何より兎と亀関係ないし…」

338: 2012/05/27(日) 20:00:45 ID:jSUh8SgY
~醜くないしアヒルどころか鳥ですらない~

ある小さな泉の脇でアヒルが卵を温めておりました。

しばらくすると、卵から可愛い雛が生まれました。

そのなかで一つだけ中々割れない卵がありました。

アヒルはあまりにも生まれないので、一旦餌を求めに巣を離れました。

アヒルが戻ってくると、卵かけ御飯を食べている杏子が生まれておりました。

杏子「旨い旨い」

339: 2012/05/27(日) 20:09:50 ID:lo18OgB.
思いっきり人間でしたが、杏子は巣を動こうとはしませんでした。

アヒルや雛につつかれても微動だにしません。

杏子「…」

340: 2012/05/27(日) 20:28:45 ID:dXbmDqt.
アヒルが雛に魚を捕ってくると、雛に紛れて平然と魚を焼いて食べていました。

もはや、アヒルも雛も怖くて突っ込めませんでした。

雛達が泳げる様になった頃も、杏子はビートバンで追随してきます。

杏子「水冷たい」バシャバシャ

341: 2012/05/27(日) 20:30:06 ID:dXbmDqt.
この頃になると、アヒルも雛も麻痺してきたのか違和感すら感じていませんでした。

杏子は誰よりも上手に魚を捕まえて焼いて食べました。

因みに一切、他の雛に譲ることはしません。

しばらくたち、雛達が大人になり始めた頃の事です。

342: 2012/05/27(日) 21:35:31 ID:W1ZPZ8WM
いつも腹が減ったと騒いでる杏子が静かに寝ていました。

アヒルは珍しい事もあると、驚きました。

そして、もう一つ驚く事がありました。

雛が一匹巣立っていたのです。

343: 2012/05/27(日) 21:36:25 ID:hy6ZuYtc
アヒルは喜び、他の雛を応援します。

そして、その日から雛達は一羽ずつアヒルの目を盗んで巣立って行きました。

そして最後に…

杏子「次を探すか…」

満足そうな顔で杏子が巣立ったのです。

無事雛達を育て終え、安心したアヒルは静かに飛び立って行きましたとさ…

~めでたしめでたし~

344: 2012/05/27(日) 21:38:07 ID:hy6ZuYtc
ほむら「実に微笑ましいエピソードだったでしょ?」

マミ「正直怖かったわ」

さやか「杏子ならやりかねない」

杏子「?…何が?」

まどか「大丈夫だよ!杏子ちゃんはそんなことしないよ!」

ほむら「まどか…全力でフォローするのも、どうかと思うわ」

杏子「えっ?えっ?」

347: 2012/05/27(日) 23:10:04 ID:1oSsVbAg
~マミの恩返し~

昔々、あるところに心優しい夫婦まどかとほむらがおりました。

ほむらが山に薬草取りに出ていると、猪用の罠にかかったマミを見つけました。

マミ「イタタタタ…もげるもげる!首がもげる!」

ほむらは罠に頭から持っていかれてるマミを不憫に思い助けてあげました。

348: 2012/05/27(日) 23:13:47 ID:HShCT5jw
首かよwww

349: 2012/05/27(日) 23:22:41 ID:HoBaX0fI
マミ「まだある?取れてない?」

ほむら「安心しなさい、繋がってるわ…」

マミ「ありがとう!この借りは必ず返すわ!」スタコラ

マミはそう言うと、リボンで縦横無尽に飛び回り夜の空に消えていきました。

350: 2012/05/27(日) 23:25:36 ID:LUHKozGc
ほむら「…と言う事があったのよ」

まどか「さすが!ほむらちゃんは優しいね!」

ほむら「えへへ」

そして、ある雪の晩の事です。

351: 2012/05/27(日) 23:31:00 ID:rCqyR286
コンコン

夫婦の家の戸を叩く音が聞こえます。

まどか「こんな雪の日に誰だろ?」

まどかが戸を開けると、そこにはグラサンとマスクで顔を隠した女性がおりました。

まどか「どちら様かな…?」

ほむら「あら、マミじゃない」

マミ「…」

マミ「…違います」

352: 2012/05/27(日) 23:38:26 ID:dXbmDqt.
まどか「あぁ、罠にかかってた?」

ほむら「そうそう、首は大丈夫なの?」

マミ「えぇ、お陰様d…違います!私はマミじゃありません!」

ほむら「じゃ誰なのよ…」

マミ「えーと、あー…お鶴!お鶴と申します!」

353: 2012/05/27(日) 23:48:44 ID:lo18OgB.
まどか「じゃあ、お鶴さん。今日はどうされたんですか?」

お鶴?「この雪で道に迷ってしまいました。数日置いていただけないでしょうか?」

まどか「構わないよね?ほむらちゃん?」

ほむら「えぇ、知らない仲じゃ無いんだし」

お鶴?「は、じ、め、ま、し、て!」

354: 2012/05/27(日) 23:57:36 ID:dXbmDqt.
マミは夫婦の家でただお世話になるわけにはいかないと、家事全般をこなしてくれました。

しかしお風呂と料理中だけは、けして覗かない様にと夫婦にお願いしました。

その日からマミ特製の極旨料理が食卓に並びます。

マミ自ら、山で材料を捕って来るので食費も浮きました。

355: 2012/05/28(月) 00:02:46 ID:16rHIVW6
しかし、ある時何気無く、台所を夫婦が覗いてしまいました。

お鶴?「はっ!」

それはマミが味見の為、丁度マスクを外している時でした。

なんとマミは、あの時助けたマミだったのです!

357: 2012/05/28(月) 00:38:22 ID:.m6XJKPQ
マミ「正体がばれたからには、もうここにはいられません」

マミは悲しそうに言いました。

ほむら「今さら?」

まどか「まぁまぁほむらちゃん…気を使わせまいと隠してくれてたんだし…」

マミ「…」

マミは悲しそうにだんまりを決め込みました。

358: 2012/05/28(月) 00:43:28 ID:miGoCBs.
ほむら「第一、それは何処ルールなの?」

マミ「え?」

まどか「確かに…ここに居ても御咎め無さそうだし…」

マミ「…」

マミ「そう言われてみるとそうね…」

359: 2012/05/28(月) 00:47:07 ID:Xb0dZpTE
ほむら「猟師が仕掛けたマミ用の罠もあるんだから、ここに居なさい…新型のEHOーMAKIはとても危険よ?」

まどか「そうだよ、捕まったら首切られて食べられちゃうよ?」

マミ「…」ガクガクブルブル

マミ「…やっぱり、お世話になります」

こうして、夫婦とマミは仲良く3人で暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

360: 2012/05/28(月) 00:51:12 ID:pXNhL5xU
さやか「大作だった…」フゥ

マミ「私の謎の生物率、高すぎじゃないかしら?」

さやか「そうですか?」

マミ「でも良いわね…3人でルームシェア…夢だわぁ」

ほむら「…」ギクリ

杏子「…」ドキリ

マミ「でも、そんな話受け入れてくれる人は居ないものね…」チラッチラッ

ほむら「…」

杏子「…」

QB「この話は長くなるね…」

364: 2012/05/28(月) 19:44:44 ID:YYWd/Z4Y
~金遣いの荒い若者とさやか~

その若者はとても金遣いの荒い若者でした。

消費する事でしか、ストレスを発散できなかったのです。

とうとう手持ちの品はブランケット一つになってしまいました。

ブランケットは春が来るまで手放す訳にはいきません、まだかまだかと若者は春を待ちました。

365: 2012/05/28(月) 19:47:44 ID:YpnrJrWA
そんなある日、目の前をタンクトップのさやかが通りました。

若者は遂に春が来たと喜び、さっそく手持ちのブランケットを売り払ってしまいました。

しかし、次の日からまた寒くなったのです。

実は冬はまだまだ終わっておらず、ブランケットの無い若者は震えながら惨めに町を彷徨きます。

366: 2012/05/28(月) 19:53:43 ID:YhG6mmMs
すると目の前に、タンクトップのさやかが元気に歩いておりました。

若者はようやく、さやかがアホの子である事に気づきましたとさ…

愚か者の意見を参考にする者はそれ以上の愚か者である、と言う事を説いたお話です。

~めでたしめでたし~

367: 2012/05/28(月) 19:54:29 ID:YYWd/Z4Y
杏子「分かりやすかった」パチパチ

さやか「私、ほむらに恨まれるような事したっけ?」

ほむら「えぇ」

さやか「即答かい!」

まどか「何かしたなら謝った方が良いよ?」

さやか「え?」

マミ「そうよ、きちんと謝るのは大事な事だわ」

さやか「え?え?…?…えーと、ごめん」

ほむら「何に対しての謝り?」

さやか「うざっ」

368: 2012/05/28(月) 20:23:37 ID:bMRo9TqQ
~美女と魔獣~

昔々ある所に、美しい3姉妹がおりました。

中でも末妹のほむらは心優しく物静かな娘でした。

商人である父親は、次の仕入れに行くときにそれぞれのお土産を聞いたのです。

マミ「美味しい茶葉とお茶請けをお願いね」

さやか「お土産かー、悩みますなー!…じゃあ、美しいドレスを買って貰いたいですなー!」

369: 2012/05/28(月) 20:24:46 ID:YhG6mmMs
上の姉はそれぞれ欲しい物を言いましたが、ほむらだけは特に無いと遠慮しました。

父親は、どうしても何か買ってあげたかったので、何か無いかほむらに尋ねます。

ほむら「じゃあ…綺麗なリボン…」

ほむらはおねだりをした事がなかったので、父親は嬉しくなり必ず買ってくると言って仕入れに向かいました。

370: 2012/05/28(月) 20:29:33 ID:AaajIH9Q
仕入れも終わり、帰途に着く父親はがっかりした様子でした。

ほむらに似合うリボンが無かったのです。

ほむらに何と説明しようか悩んでいると、見たことも無い道に出ていました。

少し先に大きな屋敷を見つけた父親は近付いてみることにしたのです。

371: 2012/05/28(月) 20:34:26 ID:16rHIVW6
屋敷は誰もいないかの様に静かでした、庭を歩いてみると欄干にたくさんのリボンが干してあります。

そのリボンはとても綺麗で、これならほむらに似合うと一つ拝借したのです。

これでほむらの喜ぶ顔が見れると、父親が帰ろうとした時、屋敷に声が響き渡りました。

372: 2012/05/28(月) 21:45:38 ID:YYWd/Z4Y
魔獣「こらっ!リボン盗んだな!」

父親は色んな部分がモザイク処理された大男をみて、竦み上がりました。

魔獣「代償に子供を奉公にだせ!」プンスカ

魔獣はそう脅すと、父親を解放したのです。

家に戻った父親は3姉妹に事の顛末を話しました。

373: 2012/05/28(月) 21:46:16 ID:YhG6mmMs
ほむら「私が我が儘を言ったせいだし…その屋敷には私が行くわ…」

そう言って、父親の制止も聞かず、屋敷に向かったのです。

ほむらが屋敷に付くと、魔獣が到着を待っていました。

ほむらは魔獣のあまりのモザイクに、これからの屋敷での生活を想い怯えました。

374: 2012/05/28(月) 21:57:23 ID:YhG6mmMs
魔獣「部屋は右だよ」

ほむら「ほむ?…ありがとう…」

魔獣はそれだけ言うと広間に消えて行きました。

提供された部屋もとても綺麗にしてあり、監視カメラや仕掛けの類いも見つかりませんでした。

ほむら「見た目だけで誤解してたかしら…」

ほむらは壁を叩きながら、そう呟きました。

375: 2012/05/28(月) 22:05:12 ID:YpnrJrWA
こうして、屋敷での生活が始まったのですが、魔獣から接触してくる事はほとんどありませんでした。

ほむら「ほむほむ…」カチャカチャ

魔獣「あ、ごめん」

ほむら「ゴクン…待って、食事は?」

魔獣「これから」

ほむら「だったら一緒に食べましょう?」

魔獣「良い?」

ほむら「良いわ」

魔獣は静かに食べました、醤油とかも取ってくれました。

376: 2012/05/28(月) 22:18:26 ID:YpnrJrWA
ほむら「暇だわ…」

魔獣「暇」

ほむら「暇よね…歌でも歌う?」

魔獣「親父は無口なぁ、方が良んいぃ♪」

ほむら「知らないから歌えないわ…」

魔獣は演歌しか知らなかったので、ほむらは誰もが知ってる歌を教えました。

377: 2012/05/28(月) 22:18:57 ID:YhG6mmMs
ほむら「見たい場所が見える鏡?」

魔獣「…」コクコク

ほむら「本当だわ!姉さん達が見える!」

魔獣「似てない」

ほむら「よく言われるわ…にしても凄いわねこれ…表示の更新も速いし」

魔獣「更新?」

ゆっくりとほむらと魔獣の距離は近くなって行きました。

378: 2012/05/28(月) 22:27:07 ID:YYWd/Z4Y
ほむら「昼間のぉパパはぁいい汗かいて、るぅ~♪」

魔獣「くぁっこいいぃ!」

ほむら「すっかり覚えたわね」ホムホム

魔獣「演歌の方が」

ほむら「…」ジッ

魔獣「何でもない」

ある時、ほむらが鏡で実家を見ると父親が酷い病にかかっていました。

379: 2012/05/28(月) 22:34:24 ID:bMRo9TqQ
ほむら「必ず戻るから、父のお見舞いに行ってきて良いかしら?」

魔獣「戻るなら良いよ」

ほむら「ありがとう、様子を見てくるわね…」

父親はほむらが戻ると、少しずつ体調も良くなっていきました。

380: 2012/05/28(月) 22:35:08 ID:YYWd/Z4Y
ほむら「心労に因るものね…」

マミ「それはそうよ、貴女を行かせてしまった事をずっと悔いてたから…」

さやか「まぁ、無事みたいだし父さんも良くなるでしょ?」

ほむら「じゃあ、そう言う事で…」

さやか「待ちなよ!」ガッ

マミ「全快するまで居てくれない?」ガッ

ほむら「ほむ…」

魔獣の屋敷に帰ろうとするも姉達に止められ、屋敷に戻れない日が続きました。

381: 2012/05/28(月) 22:43:50 ID:CJBbNYiI
ほむら「怒ってないかしら?」

ほむらは鏡で魔獣の様子をみることにしました。

なんと、鏡には倒れている魔獣が映ったのです。

ほむら「病気だったの?…大変!モザイクが消えかかってる…」

モザイクが消えてしまえば、魔獣は社会的に氏んでしまいます。

ほむらは急いで屋敷に戻りました。

383: 2012/05/28(月) 22:51:43 ID:.m6XJKPQ
ほむら「大丈夫!?」バンッ

魔獣「約束守ったね」

ほむら「あぁ…もうこんなにクッキリしてる…ごめんなさい、もっと早く戻っていれば…」

魔獣「もう道徳的に駄目」

ほむら「諦めては駄目よ!」

ほむらが魔獣の手を強く握った時、魔獣は輝き始めたのです。

384: 2012/05/28(月) 22:57:29 ID:miGoCBs.
そして、みるみる内にほむらと同じくらいの少女になりました。

まどか「てぃひひ、ほむらちゃん…心から私を想ってくれてありがとう!」

ほむら「ドキーン!?」///

魔獣は少女が呪いをかけられた姿でした。

心から想ってくれる者が現れない限り呪いは解けないモノだったのです。

ほむらは大興奮。

385: 2012/05/28(月) 23:04:59 ID:CJBbNYiI
まどか「てぃへへ…布一枚は恥ずかしいね…服貸してくれる?」///

ほむら大興奮。ほむら大興奮です。

まどか「ほむらちゃん?」///

大興奮したほむらは大興奮させたまどかに服を貸せるとあって大興奮です。

そして大興奮のまま、まどかの下で奉公し続ける事を大興奮で誓いました。

こうして、ほむらとまどかは仲良く屋敷で暮らしましたとさ…

~めでたしめでたし~

386: 2012/05/28(月) 23:05:55 ID:CJBbNYiI
杏子「魔獣ってさ…」

ほむら「何?」

杏子「なんで袈裟着てんの?」

マミ「お坊さんぽいからじゃないかしら?」

杏子「あーそっかー…ハゲだしね、なるほどね」

さやか「そう言う事だったのかー!」

ほむら「納得できた意味が解らないけど…」

まどか「なむなむ?」

ほむら「?…ほ、ほむほむ?」

389: 2012/05/29(火) 00:16:45 ID:ANwVkhiI
~歌う中沢~

ある時代の話。

マミという少女が村に住んでおりました。

マミは中沢というストーカーから嫌がらせを受けていましたが、ある日、中沢を意図せず頃してしまいました。

マミ「どどどうしよう…郵便受けにQBの氏体を押し込んでたから、カッとなってやっちゃったけど…」

390: 2012/05/29(火) 00:17:58 ID:sImCnnZU
中沢は王の近衛兵隊でした。

いかな理由が有ろうと権力が違います、投獄されるのは目に見えてました。

幸いマミの放った銃撃で下半身は消しとんでいたので一人でも運べそうです。

マミ「こうなった以上、森に埋めるしか無いじゃない…」ズルズル

391: 2012/05/29(火) 00:24:21 ID:O3wQNxfU
しばらくの後。

森を弦楽弾きの恭介が歩いておりました。

あまり良い詩が出来ないので気分転換に森林浴と洒落こんでいたのです。

恭介が一休みしていると、どこかから美しい歌声が聞こえました。

392: 2012/05/29(火) 00:34:45 ID:aDiWPn72
マミめっちゃ怖い、マミめっちゃ怖い♪

氏体を送っただけなのに♪

自分が氏体にされちゃった♪

服を奪っただけなのに♪

自分は未来を奪われた♪

歌の聞こえた方に向かうと、なんと中沢の骸骨が歌を歌っていたのです。

393: 2012/05/29(火) 00:40:55 ID:fpLu3fYI
恭介「凄い!なんてメッセージ性のある歌なんだ…もっと聞かせてもらえるかい?」

中沢「マミめっちゃこw…

恭介「それはいいや、他ので」

中沢「…」

恭介「他ので」

394: 2012/05/29(火) 00:49:25 ID:w6u.1o/c
マミのおっOい世界一♪

部屋にカメラを設置して♪

観察したから間違いない♪

張りよし、艶よし、形よし♪

中沢はさっそく骸骨を連れて帰り、町でコーラスを歌ったのです。

395: 2012/05/29(火) 00:57:47 ID:BSKy2p16
中沢の歌と恭介の演奏は人々を惹き付け、マミのおっOいは瞬く間に評判になりました。

さやか「ねぇ恭介…」

恭介「あ、さやかじゃ無いか」

さやか「マミって誰?」ニコ

恭介「骸骨が作った歌だからね…僕はよく知らないんだ…」

さやか「信用すると思う?」

396: 2012/05/29(火) 01:02:46 ID:aDiWPn72
恭介「どうして?僕はやましい事なんて…」

さやか「仁美」

恭介「メッサァッ!…ど、どうしてその名を…」ガクガク

中沢「…」

仁美「私も聞きたい事がありますわ」ニコ

恭介「キャパァ!…ひ、ひ仁美!」

二股がばれてしまった恭介は必氏に言い訳しますが、弱点の腕を叩き折られたショックで氏んでしまいました。

中沢「…」

397: 2012/05/29(火) 01:08:27 ID:fpLu3fYI
さやか「まさか…まさかトルチョック程度で昇天するなんて…」

仁美「心も体も弱い方でしたわね」

さやか「どうしよっか?」

仁美「森に埋めましょう」

さやか「それだ!」

こうして、何故か中沢も再度森に連れていかれ、また土に埋まりました。

398: 2012/05/29(火) 01:11:52 ID:A4G72veA
さらにしばらくの後。

森に入ったほむらと言う猟師は骸骨達のこんな歌を聞いたそうです。

399: 2012/05/29(火) 01:15:56 ID:w6u.1o/c
女めっちゃ怖い、女めっちゃ怖い♪

体液送ったはずなのに♪

自分は鉛を返された♪

二人を交互に抱いてたら♪

二人に交互に殴られた♪

ほむら「自業自得じゃない…」

ほむらが二つの骸骨を粉々に砕き、更に地中深く埋め直すと、二度と歌が聞こえる事は無くなりましたとさ…

~めでたしめでたし~

400: 2012/05/29(火) 01:20:35 ID:w6u.1o/c
マミ「私って汗っかきじゃない?」

ほむら「知らないわよ」

さやか「ご存知のテンションで言われましても…」

マミ「…」

マミ「まぁ、それで体育の後なんかに男子がチラチラ見てくるのよね…」

ほむら「魔性の乳の自覚はあるのね」

さやか「私だって見ますよ、そんな状況なら」

QB「ただの脂肪と乳腺じゃないか」

マミ「QB、明日からご飯抜き…」

QB「重すぎる!」

401: 2012/05/29(火) 01:26:56 ID:WDBvBukA
眠るよ…

やっと400…800とか900とか行ってるスレ主は凄いね、尊敬します。

それでは、本日も読んでくれてありがとう。

おやすみなさい。

402: 2012/05/29(火) 01:55:18 ID:64r8sUuc
お休み( ^ω^)っ④"

まぁ長けりゃいいって訳でもないけどね

403: 2012/05/29(火) 21:29:14 ID:gRaZvoHw
~浦島ほむら~

昔々、ある所に浦島ほむらと言う、若者がおりました。

ほむらは村でも評判の、たいそう真面目な若者でした。

ある日、釣りの帰りに浜辺を歩いていると子供らが集団で亀を虐めておりました。

さやか「ウワーン!私が何したってのさー!」

405: 2012/05/29(火) 21:35:14 ID:9plEMJEQ
中沢「おらぁ!卵産んでみろ!」ガス

中沢「目の前で焼いて食ってやるよ!」ゲシ

中沢「堅焼きもよし!」ポカポカ

中沢「半熟もよし!」ペチペチ

すぐに、ほむらは止めに入ります。

406: 2012/05/29(火) 21:40:09 ID:y.wHVtC2
>>404

??…なんぞ?

407: 2012/05/29(火) 21:41:10 ID:sImCnnZU
ほむら「やめなさい。母沢に言うわよ!」

中沢「卑怯だぞ!」

中沢「母沢は怒ると怖いんだよ?」

ほむら「だったらやめなさい。大体、卵なんて産めるわけ無いでしょ?」

さやか「た、助かった…」ボロッ

408: 2012/05/29(火) 21:46:55 ID:0itTRQDw
ほむら「相手が居ないと卵は出来ないのよ?…その亀が卵を産む事は一生無いわ」

さやか「…」

中沢「…」

中沢「何か…ごめんな」ポム

さやか「釈然としない…」

410: 2012/05/29(火) 21:54:11 ID:osSDu5oc
子供達が居なくなると亀はほむらにお礼を言いました。

さやか「ありがとー助かったよ!…お礼に竜宮城へお連れしますです!」

ほむら「竜宮…?…何それ?」

さやか「まぁ、いいから…来たら分かるよ!」

ほむらは何だか良く解らないまま、竜宮城に案内してもらう事になりました。

411: 2012/05/29(火) 22:02:43 ID:fpLu3fYI
ほむら「どうやって行くの?」

さやか「私に乗ってよ!」

ほむら「無理でしょ…小さすぎるわ」

さやか「大丈夫!大丈夫だって!」

ほむら「…」

ほむらは片手で甲羅を鷲掴みにすると、言われたまま海に飛び込みました。

412: 2012/05/29(火) 22:12:32 ID:a9BN/kwU
亀は海をぐんぐん潜って行きます。

ほむら「ブバッ…」

さやか「何?楽しみ?」

ほむら「ガバァ…ゴボゴボ…」

さやか「ふんふーん、もうすぐ見えてくるよ!」

ほむら「ゴボォ…アバババ…」ビタンビタン

さやか「もう少し、もう少しだから!着いたら空気はあるから!」

413: 2012/05/29(火) 22:22:09 ID:gRaZvoHw
亀に連れられ到着した竜宮城は、海の底にある立派なお城でした。

ほむら「助けた亀に殺されて~♪…笑えない…」

さやか「水にも酸素は含まれてるって聞いてたのに」

ほむら「酸素だけを肺に取り込む術は無いわ…」

さやか「悪かったって!」

414: 2012/05/29(火) 22:30:31 ID:ANwVkhiI
ほむら「まぁ良いわ…確かに凄い綺麗な場所だし…」

さやか「じゃあ、主のマミ姫様に会いに行こう!」

そう言って二人が広間に向かうと、とても美しい女性がたっておりました。

マミ姫「亀を助けてくれて、ありがとう」

ほむら「お気遣いなく」

415: 2012/05/29(火) 22:41:03 ID:e3WwSh46
マミ姫が手を叩くと何処からともかく魚達が出てきて、料理を運んで来ました。

マミ姫「お礼に宴を用意しております。ごゆっくり御滞在ください」

ほむら「結構です」

マミ姫「はい?」

416: 2012/05/29(火) 22:43:33 ID:iacWB9XQ
ほむら「素晴らしい城も見れたし帰るわね」

マミ姫「え?ど…どうして」

ほむら「まどかが居ないから」ウズウズ

マミ姫「はぁ…」

ほむらは家で待っているまどかに会いたくて、仕方ありませんでした。

417: 2012/05/29(火) 22:52:14 ID:e3WwSh46
ほむら「帰るわよ、さやか」ワシッ

さやか「亀使いが荒いなぁ…」プラーン

マミ姫「ではせめて、こちらの玉手箱をお持ちください」

ほむら「中身はまどかが喜びそうな物かしら?」

マミ姫「さぁ?…本来開けてはならないものですので…」

ほむら「じゃあ、結構です」スタスタ

マミ姫「えぇぇ……」

418: 2012/05/29(火) 22:59:40 ID:fpLu3fYI
こうして、ほむらが家に戻ると泣きじゃくるまどかにしこたま怒られました。

話を聞くと、ほむらは一週間ほど行方不明だったそうです。

ほむらはまどかを撫でながら、二度と竜宮城には行くまいと心に誓いましたとさ…

~めでたしめでたし~

419: 2012/05/29(火) 23:00:45 ID:fpLu3fYI
杏子「おしまい」

ほむら「とうとう、杏子にまで私のイメージが…」

まどか「あれ?さやかちゃんは?」

マミ「私が街路樹に縛り付けた男の子を殴りに行ったわ」

まどか「あぁ、中沢君か…」

マミ「ベランダから侵入しようとしてた時は、ゾッとしたわよ」

まどか「ベランダからは怖いですよね、わかります」

ほむら「…」ギクリ

420: 2012/05/30(水) 00:00:45 ID:zr2x910o
~走れさやか~

さやかは激怒した。

必ず、王の鼻をへし折ってやらねばならぬと決意した。

さやかには大抵の事はわからぬ。

しかし、馬鹿にされてるなぁ…と言う空気には敏感であった。

421: 2012/05/30(水) 00:07:19 ID:.0fMHjeA
今日未明さやかは、野を越え山越え、10里も離れた町にやって来た。

さやかには竹馬の友があった。

杏子である。

久しく会わなかったその友を、これから訪ねて見るつもりなのだ。

揚々と歩いているうちに、やけに寂しい町の様子を怪しく思った。

422: 2012/05/30(水) 00:16:34 ID:xb3X7lus
通りを歩いていた中沢を掴み、体を揺すり恫喝に近い質問をした。

中沢は人目をはばかり、僅か答えた。

中沢「王は人を頃します」

さやか「なんで?」

中沢「(頭が)悪い者を頃すと言ってるけど、そうそう絶望的に悪い人はいないんだ」

423: 2012/05/30(水) 00:22:52 ID:dArBsUlg
さやか「結構殺されたり?」

中沢「今日だけで6人が殺され、エネルギーにされた」

聞いて、さやかは激怒した。

さやかは単純であった。

目的も忘れ、のこのこ王城へ入って行った。

捕まった。

424: 2012/05/30(水) 00:31:04 ID:7Es6U7bY
さやか「王に話があんの!放せ!」

QB「僕に何の様だい?」

さやか「悪い人を何故頃すのさ!」

QB「そういう質問は城門前の投書箱にって、御触れを出したはずだけど?」

さやか「投書箱?お弁当箱みたいな奴?」

QB「あぁ…君も結構アレだね。氏んでエネルギーになってよ!」

425: 2012/05/30(水) 00:38:06 ID:uwgYBaVQ
さやか「えー…やだよ!」

QB「君に選択権など無いよ」

さやか「無理無理、やだもん」

QB「…君はまず状況を見る事から始めようか」

さやか「うぬぬ…せめて、3日待って!友人が結婚するから、晴れ姿を見ときたい」

426: 2012/05/30(水) 00:45:58 ID:oEUKOF4Q
QB「キュププ…そんな事言って、逃げるつもりだろ?」

さやか「逃げないっての!そんなに疑うなら杏子をここに置いてくよ!」

杏子とは誰だ?その辺の説明を省くからお前は愚かなのだと、王は嘲笑した。

さやかは口惜しく、地団駄踏んだ。

427: 2012/05/30(水) 00:49:31 ID:aetqxshA
竹馬の友、杏子は深夜、王城に召された。

杏子「なんで私が身代わりなんだよ!」

さやか「絶対戻るから大丈夫だって!」

杏子「信用出来ねー」

さやか「大丈夫だって!」

杏子「なんか普通に忘れそうだし…」

さやか「忘れるかー!」

428: 2012/05/30(水) 00:58:54 ID:uwgYBaVQ
杏子「お前を?信用?するの?」

さやか「疑いすぎ!!」

杏子は頷き、さやかを抱き締めた。

抱き締めたと言うよりは羽交い締めであった。

友と友の間はそれで良かった。

その日の内にさやかは走って、村に向かった。

429: 2012/05/30(水) 01:02:29 ID:uwgYBaVQ
しかし、式は明日の夕暮れである事を思いだし、悠々歩いた。

途中、道草などした。

さやかが村へ到着したのは、翌る日の午後、式の目前であった。

430: 2012/05/30(水) 01:09:27 ID:JG9qFFv6
さやか「ようよう、やっとるかね」

まどか「さやかちゃん、遅い!もう来ないかと思っちゃったよ!」

さやか「しかし、まどかが結婚か…幸せになりなよ!」

新郎「当たり前よ…幸せにしてみせる」ファサッ

式が始まり、それは美しいモノであった。

この頃には、杏子の事など忘れ、まどかの花嫁姿に酔いしれた。

431: 2012/05/30(水) 01:14:07 ID:ulCkRdBI
さやかは一生このままここにいたいと、思った。

まどか「氏が二人を分かつまで、ずっと一緒だよ」

新郎「ままままどかぁーーー!」

さやか「氏が…氏…?…あ!殺される!」

良かった、思い出した。

さやかは友の為、戻らねばならなかった。

432: 2012/05/30(水) 01:20:07 ID:E58TozF6
狼狽するさやかに、まどかは違和感を感じ、質問を浴びせた。

さやかはあっさり答えた。

まどか「それって大事なんじゃ…」

さやか「やっぱり?今からだと走らないと間に合わないしね」

まどか「でも、たとえ間に合ってもさやかちゃんが…」

433: 2012/05/30(水) 01:25:18 ID:41KYI9Bk
さやか「杏子を見捨てるよりずっと良いよ…しかし間に合うかな」

新郎「私が送れば、すむ話じゃない?」

まどか「あ!」

さやか「どういう事?」

そうして直ぐに、新郎の、言葉では言い表せない、ある助力によって、さやかはさしたる労苦なく町に着いた。

434: 2012/05/30(水) 01:36:59 ID:y73xb/2Y
約束の時間より半日程、余裕があった。

当然、疲労困憊でもなく意気軒昂そのもので、王の心打つものではなかった。

しかし、仲間を思う気概だけは認めようとしていた。

QB「キャップイ!本当に戻って来るとはね…」

さやか「当たり前だ!疑ってすいませんって言え!」

435: 2012/05/30(水) 01:46:51 ID:dArBsUlg
QB「君が仲間を思う気持ちは、正直僕には理解出来ないものだ…しかs

さやか「謝れバーカ、バーカバーカ!」

QB「…しかし、君の様に多少アレでも生かす価値h

さやか「言ってごらん!ご、め、ん、な、さ、い!ほら!」

QB「…」

QB「…すまn

さやか「バーカ」

杏子は解放された。

さやかはエネルギーにされた。

~めでたしめでたし~

436: 2012/05/30(水) 01:48:40 ID:4E3iCHlU
マミ「しかし、さやかは我等四天王の中で最弱…」

ほむら「その続きはいらないわ」

さやか「あれ?私氏んだ?」

まどか「氏んじゃったね…」

仁美「安らかにお眠りください」

マミ「美樹さんならバッドエンド感が無くていいかなって…」

ほむら「個人的な経験だとバッドエンド感しか無いけどね…さやかは」

さやか「…泣くぞー!泣いちゃうぞ!」

447: 2012/06/02(土) 21:17:49 ID:JkEUj/cc
~杏子の白い馬~

モンゴルの草原に杏子という少女がマミさんと暮らしておりました。

杏子は毎日、羊を追いかけまわす仕事をしていましたが、ある春の晩に不思議な生き物に出会いました。

杏子「何だお前?」

QB「キュップイ!UMAだよ!」

448: 2012/06/02(土) 21:25:27 ID:KqdZM1y6
杏子「私の知ってる馬と違う気がするけど、まぁ本人が言ってんだから間違いないよな!」

杏子は子馬を連れて帰る事にしました。

杏子「マミー、ウマー…」

マミ「また何か食べt…何それ?」

杏子「だから馬」

449: 2012/06/02(土) 21:33:14 ID:KqdZM1y6
マミ「色々言いたいけど、まずそれは馬ではないわよ?」

QB「UMAだよ!」

マミ「えぇー…馬どうこうより喋ったし…」

杏子「今日から、こいつも家族だからな!馬もちゃんとマミの言う事聞くんだぞ?」

QB「一つよろしく」

450: 2012/06/02(土) 21:42:11 ID:JkEUj/cc
こうして子馬は杏子に可愛がられ大事にされました。

杏子と子馬はいつも一緒で、マミをして、二人は兄弟の様だと言わしめる程でした。

ある日、杏子達は一つの話を聞きました。

珍しい物好きの村長ほむらが、第一回ご自慢!家の珍獣コンテストを開催すると言うのです。

金一封も出るとあって、杏子達は参加する事にしました。

451: 2012/06/02(土) 21:51:34 ID:JkEUj/cc
そして当日。

中沢「鳴き声が歌っている様に聞こえる犬です!」

犬「ワンワン!ワンワンワン!」

ほむら「…」

中沢「ほら!」

ほむら「…次」

452: 2012/06/02(土) 22:13:12 ID:KqdZM1y6
まどか「エイミーって言うの!可愛い猫だよ!」

ほむら「優勝」

ブーブー…フツウスギルダロー…ブーブー

ほむら「ちっ…」

まどか「そうだよね…珍しくはないかな…」シュン

ほむら「気を落とさないで、すぐ三日後に可愛い動物コンテストをやるからその時エントリーしてくれない?…必ず優勝出来るはずだから…なんならまどか本人が(以下略)

453: 2012/06/02(土) 22:24:30 ID:KqdZM1y6
まどか「ばいばーい」フリフリ

ほむら「ほむほーむ…次」

いよいよ杏子の番です。

杏子「はい、これ」

QB「やぁ!」

ほむら「…」

454: 2012/06/02(土) 22:25:09 ID:p9k.o..k
杏子「馬だよ!」

QB「間違いなくUMAだよ!」

ほむら「見つけたわ…」ボソ

杏子「?」

全ての動物の紹介が終わり、とうとう優勝の発表です。

455: 2012/06/02(土) 22:35:30 ID:VsNYvlDk
ほむら「優勝は…杏子の馬!」

杏子と子馬はとても喜びました。

村長は杏子に賞金を渡し、一つお願い事をしました。

ほむら「その馬を譲ってくれない?」

杏子「え?やだよ?」

ほむら「悪い事は言わないわ、そいつと居るとひどい目に会うかもしれないわよ?」

実は村長は以前、子馬に似た生物にひどい目に会わされた過去がありました。

456: 2012/06/02(土) 22:36:19 ID:RfpYPav.
その生物を探すため、こうしてコンテストを開いていたのです。

杏子「…」

杏子「やっぱり、やだ!」

ほむら「…そう」

話し合いは物別れにおわり、杏子達は家路につきました。

457: 2012/06/02(土) 22:47:43 ID:YjKcrzI.
杏子「何だってんだよな!」

QB「きっと、別の個体だね…人間を喰いものにする奴が居るって聞いた事がある…」

杏子「そうなんだ…」

二人で話していたその時です。

突然、目の前で子馬が穴だらけになりました。

458: 2012/06/02(土) 22:53:06 ID:YjKcrzI.
ピクリとも動きません。

状況を理解して、杏子はとても悲しみました。

そして、泣きながらマミの待つ家に亡骸を運んだのです。

マミ「遅かったじゃない!…馬だけ先に帰ってきたから心配したのよ!」

杏子「マミー、馬がー…あれ?」

459: 2012/06/02(土) 22:57:46 ID:YjKcrzI.
QB「やあ!僕の氏体を回収してくれたんだね!ありがとう!」

杏子「え?…え?何で?」

QB「僕らの体は替えがきくんだ!心配させてごめんよ!」

杏子「馬ー!」ヒシッ

こうして、二人と一匹はまた幸せに暮らし始めましたとさ…

460: 2012/06/02(土) 22:58:40 ID:YjKcrzI.
杏子「…」スピョスピョ

マミ「…」スヤスヤ

QB「…ふぅ」

QB「…上手く穏健派の個体を始末できたもんだ…しかし、ほむらもしつこいね…今回ばかりは感謝するけどさ」

QB「さて、後はこの二人も契約させれば僕のノルマは達成だ…キュップイ!」

~めでたしめでたし~

461: 2012/06/02(土) 23:00:22 ID:FR2XoWt2
QB「ふぅ」

エイミー「…」

QB「ベランダで猫に話して聞かせる…」

エイミー「ニャ?」

QB「なんて寂しいんだ…」

エイミー「…」ゴロゴロ

QB「しかし、このての話はほむらに殺されかねないしね…」

エイミー「ニャー」

QB「キュップイ!…僕にそんな気は更々無いよ…もうね」

463: 2012/06/02(土) 23:34:21 ID:e8X.0ZOQ
~花咲かまどか~

昔々、まどかという心優しい者がおりました。

まどかが家で料理をしていると、隣に棲んでいる中沢が叫んでいました。

中沢「人ん家の畑に勝手に入ったな!鍋にして食ってやる!」

まどかが外に出て見ると、痩せて傷だらけの猫がフラフラ足元に来ておりました。

464: 2012/06/02(土) 23:40:03 ID:e8X.0ZOQ
まどかは優しく抱き上げると、すぐに中沢がやってきます。

中沢「鹿目さん、そいつを渡すんだ!罰として主に食べなきゃならない!」

まどか「酷いことは駄目だよ!許してあげて!」

そう言って頭を下げ、作ったばかりの料理を中沢にあげました。

465: 2012/06/02(土) 23:44:23 ID:JBqdM4eM
中沢「今度入ってきたら、ポン酢とネギでシャッキリポンだからな!」モグモグ

中沢は怒って行ってしまいました。

まどかは、この猫をエイミーと名付け飼うことにしたのです。

まどかはエイミーをとても大事に可愛り、痩せていたエイミーも見る見る元気になりました。

467: 2012/06/02(土) 23:48:57 ID:.fzlvNL6
ある日、エイミーがジッとまどかを見ておりました。

気付いたまどかが近づくと、少し離れジッと見てきます。

そうして、エイミーは桜の木の下で立ち止まりました。

まどか「ここに何かあるの?」

頷くエイミーを信じたまどかは、スコップで木の根本を掘りました。

468: 2012/06/02(土) 23:51:35 ID:e8X.0ZOQ
すると、なんと千両箱が出てきたのです。

家に戻り開けてみると、中にはぎっしりと小判が敷き詰められておりました。

まどかは、初めて見た小判に大はしゃぎです。

その様子を壁の隙間から見ている者がおりました。

中沢です。

470: 2012/06/02(土) 23:56:58 ID:KqdZM1y6
中沢「目的とは違うものが見れたが、こいつはラッキーだな…」

次の日、中沢はまどかの留守を狙い、昼寝しているエイミーを頭陀袋に入れ、下着とともに奪って行きました。

そして、無理矢理エイミーに宝探しをさせたのです。

471: 2012/06/02(土) 23:58:43 ID:sIrOZi9c
しばらくしてエイミーが弱々しく鳴く場所を中沢は掘りました。

しかし、掘っても掘っても何も出てきません。

中沢がもたつく様を、頭陀袋から抜け出したエイミーは静かに見ておりました。

中沢「やい!猫!何も出てこないじゃないか!」

2m程掘って、ついに中沢は怒りました。

472: 2012/06/03(日) 00:02:53 ID:VLfkJOcU
中沢は怒り、持っていた鍬でエイミーを殺そうとしたのです。

しかし、エイミーは避けます。

あの時は衰弱していたエイミーも今は健康体です。

エイミーはすり抜けざまに中沢の足を引っ掻きました。

中沢「ギャァアア!」

473: 2012/06/03(日) 00:05:33 ID:uJeU.egs
エイミー「…」

中沢「もう、許さん!僕の五臓六腑にお前の味を教えてやる!」

中沢は突進してきます。

エイミーが肉球に力を入れると、プニプ肉球が岩のように固くなりました。

エイミー「愚かなり…」

すぐさま、中沢のマウントを取ると、両手で顔面を殴り始めました。

474: 2012/06/03(日) 00:10:08 ID:Fyl1wPT6
ほむら「突然ですが実況のほむらです!」

ほむら「エイミー強い!エイミー強い!」

ほむら「中沢何も出来ない!」

ほむら「誰が予想出来ましたでしょうか!氏合いは一方的な展開になってきたぁ!」

ほむら「おぉっと…あれは?…中沢タップだ!タップのようだぞ!」

ほむら「しかしエイミー、攻撃の手を緩めない!中沢の人生ごとKOするつもりかー!?」

475: 2012/06/03(日) 00:13:47 ID:dDqYr6CY
中沢も多少は抵抗しますが、普段からゴロゴロしている中沢と、傷だらけになりながらもヒグマとの戦闘から生還したエイミーとでは力の差は歴然でした。

エイミーは動かなくなった中沢を口にくわえ、ズルズルそのまま掘った穴に落とします。

ほむら「決着ー!エイミーの圧倒的勝利だー!」カンカンカーン

ショウリダー…ョウリダー…リダー…ダー…

476: 2012/06/03(日) 00:19:04 ID:MWi5y19M
ほむら「…」フゥ

ほむら「じゃ、後は私がやるから…」ファサッ

ほむらは中沢の懐から純白の布を取り出すと大切に仕舞い、坦々と土をかけ始めたのです。

エイミーはそのままスタスタとまどかの所に戻りました。

477: 2012/06/03(日) 00:22:10 ID:fkETAmVg
それからというもの、入れ替わるように隣に越してきた、ほむらとも仲良くなり、まどかとエイミーは幸せに暮らしました。

中沢は文字どおり墓穴を掘りましたとさ…

余談ですが、まどかは庭に様々な花を育てており、栽培の難しい植物もあることから、皆に[花咲かまどか]と呼ばれているそうですよ。凄いですね。

~めでたしめでたし~

478: 2012/06/03(日) 00:23:33 ID:BJ7CA4oc
さやか「一回、ほむらに紹介してもらったけどエイミー可愛いよね!」

ほむら「エイミーがひどい目に会わなくて良かったわ…」ホッ

まどか「ほむらちゃん、凄く仲良いもんね」

マミ「今度、私にも紹介してね」

ほむら「もし、エイミーが氏ぬような展開になってたら、私はさやかを…」

さやか「怖っ!最後まで言えよ!」

マミ「今度、私にも紹介してねってば!」

ほむら「半分冗談だから安心なさい」

さやか「もう半分は!?」

482: 2012/06/04(月) 21:23:49 ID:rYHZ/sL2
~杏子と豆の壺~

杏子はお腹が空いていた。

辺りを見回すと、細長い壺を見つけた。

驚くほど床に固定されていてビクともしない壺だ。

中を覗くと、ぎっしり豆が入っている。

483: 2012/06/04(月) 21:29:23 ID:qT0PfkZU
杏子は喜び、壺に手を突っ込んだ。

しかし、杏子は欲張りなので豆をたくさん握り混んだ。

杏子「あれ?抜けない?」グイグイ

どうやっても抜けない。

皆様はお気付きだろうが、豆を離さない為である。

484: 2012/06/04(月) 21:38:27 ID:LhI2BoQo
一度、手にした食べ物を手放す事など杏子には出来ない。

と、言うか無意識でやっていた。

杏子「んーっ!何で?」

あまりに抜けないので、杏子は一生このままなのではと考えた。

485: 2012/06/04(月) 21:47:57 ID:5yiWonGM
杏子「ふぐぅ…」ジワッ

泣きそうになっていると、マミが通りかかった。

マミ「何してるの?」

杏子「抜けなくなったんだよ!」

マミ「何で?」

杏子「知るか!豆がいっぱいあったから食べようと思って手を突っ込んだら…」

すぐにマミは全てを理解した。

486: 2012/06/04(月) 21:56:23 ID:prGyc8Ks
マミは近くに行って、杏子の脇腹をくすぐった。

杏子「ちょっ…イヒャヒャ、ヤブッ…バカッ…」///

スポンッ

杏子「あ…抜けた」

力の抜けた、杏子の手から豆が離れたからだ。

487: 2012/06/04(月) 22:03:17 ID:CWCa0.mU
杏子はマミにとても感謝した。

マミ「こういうものは、少しずつ取れば良いでしょう?」スッ

キュ

マミ「あら?…え?嘘!?豆すら触ってないのに?」

杏子「あー…そりゃそうだよ。入口は私の手でもギリギリだったもん」

マミ「ちょっと!?それじゃ私の腕が佐倉さんより俄然太いみたいじゃない!?」

488: 2012/06/04(月) 22:12:14 ID:hIAg2rzY
杏子「みたいって言うか…うーん」

マミ「ンググ…」プルプル

杏子は油を探しにいった。

戻って来た時には何故かほむらもついてきた。

489: 2012/06/04(月) 22:18:07 ID:IrNfmaNs
ほむら「巴さん…」

マミ「こんな時だけ、さん付けで呼ばないでくれる!?」

杏子「ごめんマミ!油無かった!」

ほむら「ぺぺしか無かったけど良い?」

マミ「この際、何だって良いわよ!」

こうして、数時間にも及ぶプレイの末、マミの腕は無事抜けた。

口に入れても問題ないタイプなので、豆も無事だった。

マミは壺が嫌いになり、超音波振動の器具を腕につけるようになった。

~めでたしめでたし~

490: 2012/06/04(月) 22:25:42 ID:qT0PfkZU
マミ「美樹さん、覚悟は良いわね?」

さやか「杏子が細いだけですって!」

杏子「てか、さすがの私でもここまで食い意地はってないっての」

ほむら「杏子、この花瓶に干し葡萄が入ってるわよ?」

杏子「いっただきー」ズボッ

まどか「…」

杏子「あれ?抜けない?」

マミ「…活けてあった花は?」

492: 2012/06/04(月) 23:13:32 ID:vobM5om6
~ハメルンの弓笛鳴らし~

昔、ハメルンと言う町でほむらが大繁殖し人々を困らせていました。

不衛生なほむらから疫病が蔓延すれば大変です。

そこで、町の人達はお金を出し合い、駆除専門の人を雇うことにしたのです。

町に来たのはまどかと言う、女の子でした。

493: 2012/06/04(月) 23:21:13 ID:CWCa0.mU
まどか「わかりました!ほむらちゃんは私が責任をもってここから離れさせます!」

中沢「まじで頼むよ?…高い金払うんだから」

その夜、まどかは弓笛を携えて現れました。

そして、空に向かって構えたのです。

495: 2012/06/04(月) 23:28:39 ID:uLjx4Hg2
ピュィイーーーーー……

笛矢の鋭い音が響くと町の至るところで、ほむらが顔を出してます。

マドカ?…マサカマドカ?…マドカァー?…

続けざまに今度は町の外に向かって、構えました。

496: 2012/06/04(月) 23:45:24 ID:ltczJQS6
ヒュルルル…

今度は、穏やかな音が、山の向こうに消えて行きます。

すると、どうでしょう。

ホム!?…マドカダワ…マドカァー!…

音が消えた山に向かってほむらは、一斉に移動を始めました。

497: 2012/06/04(月) 23:51:19 ID:prGyc8Ks
朝になる頃には、町にほむらは一匹もいなくなりました。

しかし、一息付くまどかに町の人達は言いました。

中沢「見事な手際だったね」

まどか「ありがとうございます」

498: 2012/06/04(月) 23:53:09 ID:vobM5om6
中沢「でも、凄いのは君じゃなくて、弓笛だろ?それさえあれば誰だってこなせる…だから君にお金は払わないよ」

まどか「えぇっ!そんな…」

中沢「第一、手際が良すぎる。いるんだよね…自分で問題を起こして金を稼ごうって輩がさ…」

まどか「…」

まどか「そうですか…では失礼します」

まどかは頭を下げます。

499: 2012/06/04(月) 23:58:42 ID:2sT2a.6A
まどか「仕事を途中で投げ出すのは不本意ですが…」スタスタ

まどかは町を出ていきました。

中沢「…?…途中で?…途中ってどう言うこと?ねぇちょっと?…弓笛使いさぁーーん!?」

そうなのです、実はこの後重要な仕事が残っていたのです。

それは、ほむら達に会う必要があるということ。

500: 2012/06/05(火) 00:06:25 ID:prh0rJQo
弓笛は[まどかがこっちに居るよ~]と言う、ただの合図でした。

今頃、ほむら達は笛矢の落ちた辺りで血眼になって、まどかを探している事でしょう。

そして居ないとわかると、騙された事への悲しみ、ぬか喜びが怒りとなって押し寄せます。

501: 2012/06/05(火) 00:16:02 ID:MUu.gKUc
生粋のマドカーであるほむら達にとって最も残酷な嘘なのです。

ダレがダマした?

ダレがカタった?

怒り狂うほむら達の矛先は…

~めでたしめでたし~

502: 2012/06/05(火) 00:16:36 ID:.ngAf8.Q
マミ「暁美さんにはホラーが似合うわ、怖くても行動する感じ」

ほむら「その割に、私自身が恐ろしさ全開だったけど…」

さやか「ホラーって言うか、サスペンスな感じ…犯人側の」

ほむら「あなたは、コメディだものね…失恋系の」

さやか「ムキィー!」

ほむら「杏子はヒューマンで、まどかはファンタジーかしら?」

マミ「私は?やっぱりヒーr…

一同『パニック』

505: 2012/06/05(火) 21:37:39 ID:260yiKtQ
~気狂いさやか~

ある日、さやかが狂いました。

ほむら「何て事かしら…正常な時でさえ手を焼くのに、あんな風になったら何をしでかすかわからないわ」

杏子「一週回って、大人しくなるなもよ?」

ちょっとだけ、ほむらは期待しました。

さやか「うっひょー!うひょはー!」ケタケタ

まぁ、どうにもなりませんでしたが…

~めでたしめでたし~

506: 2012/06/05(火) 21:38:10 ID:WA0CHALM
さやか「…」

さやか「なにこれ?」

ほむら「イソップでも、特に短い部類の話よ」

杏子「手がつけられない奴は、どう転んでも手がつけられないって話」

さやか「…」

507: 2012/06/05(火) 21:50:37 ID:iXpkmnSQ
~欲張りなマミ~

ある日、マミはケーキを食べていました。

もちろん、一人です。

ふと、前をみると鏡の中でもケーキを食べているマミがいます。

マミ「あら?貴女の苺の方が少し大きかったかしら」クスクス

そう言ってマミは鏡に手を当てました。

マミ「やっぱり入れない…か」

~めでたしめでたし~

508: 2012/06/05(火) 21:51:13 ID:iOpRMQHc
ほむら「寂しい…寂しすぎる…」

マミ「やってないわよ!」///

まどか「だ、大丈夫ですよ!私も鏡に話し掛ける事ありますから!」///

マミ「…鹿目さん…そういう話では…」

まどか「え?…あっ!」

さやか「まどかが勝手に自分の恥ずかしい趣味を暴露した…」

まどか「しゅ、趣味じゃないよ!」///

ほむら「可愛いわ」ホムホム

509: 2012/06/05(火) 22:03:31 ID:iXpkmnSQ
~ほむらと鼠~

ある家にたくさんの鼠がおりました。

それを聞きつけた猫のほむらが、家にやって来たのです。

QB「キュップアー!…ほむらが来るぞー!」

ほむらは次から次へと鼠を食べてしまいました。

すると、当然鼠は隠れてしまいました。

ほむらは鼠を誘き寄せるため、病気の振りをして倒れました。

510: 2012/06/05(火) 22:11:22 ID:HRi8moyM
しかし、倒れているほむらに鼠は言いはなったのです。

QB「キュププ、騙されないよ…君が骨になったって信用するもんか!」

ほむらが悔しがった、その時です。

女の子が家に入ってきました。

まどか「わわ、猫さんが倒れてる!病気かな?…大丈夫?」ダキッ…ナデナデ

ほむらはどうでも良くなりましたとさ…

~めでたしめでたし~

511: 2012/06/05(火) 22:12:16 ID:VmU/NIDs
ほむら「イソップは短いのが多すぎて、いじり辛いわ…」

QB「言う割にいじり倒してるけど…」

まどか「ほむらちゃんは本当にQBに容赦ないよね…」

杏子「でも、家に上げたりもしてるよな…」

マミ「最近はQBも暁美さんの側に居る事が多いし…」

さやか「あぁー!まさかツンデレ?…それだけのキャラを持ちながら更に属性を追加しようとは、ほむらは策士ですなー!」

ほむら「ちっ」

さやか「うん…友達にマジ舌打ちは、やめようか…」

512: 2012/06/05(火) 22:43:15 ID:iXpkmnSQ
~悪賢いほむら~

昔、ある土地は日でり続きで、食べ物があまり取れませんでした。

そこに住んでいたほむらも、食べ物が無い為、痩せてゆくばかりです。

そこでほむらは杏子が住む草原の城へ出かけました。

ほむら「杏子様…私は、水上の城のさやか様の使いで参りました。さやか様は、毎日魚ばかりで食事に飽きております」

杏子「まぁ、魚は旨いけど、毎日はなぁ…」

513: 2012/06/05(火) 22:51:22 ID:MUu.gKUc
ほむら「ケーキが食べたいと抜かしましたが、麦がございません。そこで百籠程、麦を譲っていただけないでしょうか?…お礼に城で一番立派なマミを差し上げると申しております」

杏子「マミか…良いよ!引き受けた!」

杏子はすぐに百籠分の麦を用意させました。

514: 2012/06/05(火) 22:56:18 ID:MUu.gKUc
ほむらは杏子の兵隊に言いました。

ほむら「後は私が引き受けます。どうか 帰って休んでください」

兵隊が行ってしまうと、ほむらは麦を全て盾へ入れてしまいました。

翌日、ほむらはさやかの住む水上の城へ行きました。

515: 2012/06/05(火) 23:10:18 ID:.ngAf8.Q
ほむら「私は、杏子様の使いで参りました。草原の城にはケーキを焼く麦はございますが、スープに入れる魚が一匹もありません」

さやか「確かに出汁は大事だかんねー」

ほむら「そこで百籠程、魚を譲っていただけないでしょうか?…お礼に城で一番立派なマミを差し上げると申しております」

さやか「マミさーん!よいぞよ!引き受けた!」

さやかはすぐに、百籠の魚を用意させました。

516: 2012/06/05(火) 23:18:13 ID:.ngAf8.Q
ほむらはさやかの兵隊に言いました。

ほむら「後は私が引き受けます。どうか 帰って休んでください」

兵隊が行ってしまうと、ほむらは魚を全て盾へ入れてしまいました。

ほむら「これだけあれば、困る事は無いわ」

満足したほむらは、盾から長い長いロープを取り出しました。

517: 2012/06/05(火) 23:32:13 ID:ZISA8Sh2
それから数日後、杏子がほむらを呼びました。

杏子「マミが一向に届かないけど?」

ほむらは長い長いロープの片方を杏子に握らせました。

ほむら「どうかご安心ください。お届けしようと思っていたところでございますがマミが色々ブーたれて、なかなかお連れする事が出来ません」

杏子「まじか…しょうがねぇなぁマミの奴」

518: 2012/06/05(火) 23:33:28 ID:ZISA8Sh2
ほむら「申し訳ありませんが、マミをこのロープの先に繋ぎますので、明日の正午に引っ張ってもらえませんでしょうか?」

草原の城を出たほむらは、そのままロープの片側を持って草原の城へ行きました。

ほむら「さやか様、マミの準備が出来ました。しかしマミはあまり動きたがらないので、なかなかお連れすることが出来ません」

さやか「マミさん…さすがマミさん」

ほむら「申し訳ありませんが、 マミをこのロープの先に繋ぎますので、明日の正午に引っ張ってもらえませんでしょうか?」

519: 2012/06/05(火) 23:46:27 ID:3M98V6hk
次の日。

マミ「暁美さん?これは何?」

ほむら「…」クルクル

マミ「説明してもらえると助かるのだけど…」

ほむら「…」ギュッ

マミ「無言で縛られると、怖いんだけど…」

ほむら「…」グイグイ

マミ「喋って!お願いだから!」ガクガク

ほむら「いいから…動かないで…」チッ

520: 2012/06/05(火) 23:56:46 ID:pp5.hfSg
マミ「ほっ…私に固定している、このロープは何?」

ほむら「さぁ?さやかと杏子からのサプライズみたいだけど?」

サプライズと言う言葉が大好きなマミは大人しくギチギチに縛り上げられました。

ほむらは当初、首に回すように引っ掻けるつもりでしたが、悪のりが過ぎると思いやめました。

521: 2012/06/06(水) 00:13:31 ID:mlUVZXig
そして、正午。

杏子と兵隊が、ロープを引っ張り始めました。

同時にさやかと兵隊も、ロープを引っ張り始めました。

杏子「おおっ、マミの奴どんだけ動きたくねぇんだよ!」グググ

さやか「さすがマミさん!なんて力!」ギギギ

522: 2012/06/06(水) 00:14:51 ID:sD6pojVc
杏子とさやかが頑張るなか、マミは大変な事になっていました。

マミ「割れる!分離しちゃう!アタッカーとナッターになる!」

杏子「オーエス!オーエス!」

さやか「オーエス!オーエス!」

マミ「んぎぎぎギギギ…」ギリギリ

杏子「オーエス!オーエス!」

さやか「オーエス!オーエス!」

マミ「んごごごゴガガ…」ギリギリ

523: 2012/06/06(水) 00:21:10 ID:pThsChqM
あまりのマミの力に杏子もさやかも一旦休憩しました。

マミ「はぁ…はぁ、そう…そうなのね…これが二人のサプライズと言うわけね…」

マミ「…ふふふ」

力の抜けたロープをマミは思いきり引っ張りました。

524: 2012/06/06(水) 00:22:09 ID:pThsChqM
休んでいた杏子とさやかはロープを体にくくりつけたままだったので、あっさりマミの元へ手繰り寄せられました。

マミ「二人とも、サプライズが好きなのよね?」ニコ

さやか「何であんたん所のマミさん、メッチャ切れてんの!?」ヒソヒソ

杏子「お前のマミだろうが!私が知るかよ!」ヒソヒソ

525: 2012/06/06(水) 00:29:51 ID:wfOI0x16
マミ「あなたたちにもサプライズをくれてやるわ」

マミが巨大な銃を構えたかと思うと、閃光がはしり、両者の城はかき消えました。

技名すら言わない程のマミの怒りに二人は怯えました。

マミ「何故、私を引っ張ったのか納得の行く理由を説明してもらえる?」ニコ

526: 2012/06/06(水) 00:46:48 ID:oGrUcxJs
杏子「だって、さやかがマミくれるって…」

さやか「はぁ?くれるのはあんたからでしょうが!」

杏子「?」

さやか「?」

マミ「?」


527: 2012/06/06(水) 00:48:21 ID:j4hoLlSY
杏子「おらぁああ!何処だほむらぁぁああ!!」

さやか「ボコボコにしてやるボコボコにしてやるボコボコニシテヤルボコボコニシテヤル…」

マミ「この辺りを焼き払って、燻し出すのよ!!」

少し離れた場所でほむらは魚と麦を使った出汁茶漬けに舌鼓を打っておりました。

ほむら「あー面白かった」カチッ

ほむらは食事を終えると、世界をやり直しましたとさ…

~めでたしめでたし~

528: 2012/06/06(水) 00:49:28 ID:teIKI3AI
まどか「悪ほむらちゃんだったよ…」

ほむら「まどかにこんな真似した事無いわ!」

さやか「私らにはあるんかい!」

ほむら「この話は、皆生きてる分、可愛いものだわ…」

杏子「私らに何したんだよ…」

ほむら「聞きたい?」

さやか「聞きたくない…」

ほむら「さやかから?…あなたの時は、上條君に告はk…」

さやか「聞きたくない!聞きたくない!」

529: 2012/06/06(水) 00:52:45 ID:teIKI3AI
寝ます。

次は土日です。待っていただければ幸いです。

おやすみなさい、いつも読んでくれてありがとう。

ほむら「世界名作劇場」【後編】

引用: ほむら「世界名作劇場」