738: 2011/07/29(金) 22:19:28.90 ID:sSXEYu1H0



前回までのあらすじ
QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」首領パッチ「ヒロインになれるのね!」第四話


さやかがヤっちまったらしいよ



まどか「何このめちゃくちゃテキトーなあらすじ!?」

さやか「これじゃ何一つ分からないじゃない!」

杏子「アタシの初登場には一切触れないのかよ……」



第五話 「紅海なんてあるわけない」
真説ボボボーボ・ボーボボ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

741: 2011/07/29(金) 22:20:53.36 ID:sSXEYu1H0



  ~学校~


仁美「ふわぁ~……あ、はしたない、ごめんあそばせ」

さやか「仁美どうしたのぉ? 寝不足~?」

仁美「ええ、昨日病院やら警察やらで夜遅くまで」

さやか「えぇっ!? 警察ぅ!? あんた何かやったの?」


首領パッチ「違法賭博……だろ?」

仁美「っ! な、何のことかしら?」

天の助「隠しても無駄ですよ、志筑さん。幹部は皆、洗いざらい吐いたんです……」

首領パッチ「チェックメイトだ」

742: 2011/07/29(金) 22:24:00.39 ID:sSXEYu1H0

仁美「くっ、何故……! 私の計画は完璧だったはず……!」

天の助「サイコロ……ですよ。あなたの組織は証拠を残さない為、チンチ口リンのサイコロはサイコロステーキを使っていた」

首領パッチ「本来ならばお前が全て食し、証拠を隠滅していたはずだった。しかし、あの日のお前は昼にケーキを食べ過ぎてお腹がいっぱいだった」

天の助「家に帰って食べるつもりだった指紋入りのサイコロステーキ……。あなたの家の冷蔵庫から発見しました」

仁美「…………かないませんわね。ホント人生って賭博みたい……。サイコロ次第でこんなにも変わるなんて……」

首領パッチ「お前はまだ若い。残りの人生でいくらでも罪を償える」

天の助「6だけが出る人生なんて、つまらないでしょう?」

仁美「……ある意味、今日はツいていましたわ。あなた方のような人に出会えるなんて……」

首領パッチ「では、行きましょうか……」

仁美「ええ……」


ファンファンファンファン……




土曜ヒステリック 「パッチと天」 完


さやか「何やってんのあんたら……」

まどか「仁美ちゃんって、結構こういうのノるよね」

ほむら「意外……ね(もしかして一番バカ共に順応しているのって……)」

743: 2011/07/29(金) 22:25:51.97 ID:sSXEYu1H0


仁美「まあ、冗談はさておき。私、夢遊病らしきものになったらしくて……」

さやか「夢遊病~~!?」

仁美「それも私と同じ症状の方が大勢いて。気が付いたら、皆同じ場所に倒れていたんですの」

さやか「えぇ~、何それ~!」

首領パッチ「夢遊病か……俺もたまにあるぜ」ヘヘッ


――――――
――――
――


雛パッチ『ピーピーピーピーピー!』ピーチク

親鳥ボーボボ『ピーピーピー!』パーチク

雛パッチ『ピピッピ、ピーピー!』

親鳥ボーボボ『ピッピ、ギエピー!』

雛パッチ『……』

親鳥ボーボボ『……』



雛パッチ『……!』ガシッ!

親鳥ボーボボ『……!』ヒシッ!




    <  停  戦  協  定  >



――
――――
――――――

744: 2011/07/29(金) 22:27:27.78 ID:sSXEYu1H0


まどか「何これッ!?」マドーン!

ほむら「夢遊……病?」ホムーン…


仁美「お医者様の話では集団幻覚だとか何とか……。今日も放課後に病院へ精密検査へ……、はぁ、面倒くさいですわ」

さやか「そんなら、学校休んじゃえばいいのにさ」

仁美「それはいけませんわ! それではまるで本当に病気にみたいで、家の者がますます心配してしまいますわ」

さやか「さっすが優等生! さやかちゃんとは出来が違いますわ~!」


まどか(……さやかちゃん)

ほむら(……美樹さやか)

天の助(……)

ゲームボーイブタ(……)ピコピコ

首領パッチ(……)


首領パッチ「っ!? お前はゲームボーイブタ!!」

天の助「お前も来ていたとは……!!」

まどか「だ、誰?」

ほむら「放っといたらどんどん増えてきそうで怖いわ……」ホムーン…

745: 2011/07/29(金) 22:28:34.82 ID:sSXEYu1H0



  ~河原~


さやか「う~~ん! ひっさしぶりにいい気分! 爽やかだわー!」ノビ~

首領パッチ「爽やかー!」

天の助「爽やかすぎてー! 爽やかすぎてー!」

首領パッチ「思わず獣人化!」クワッ!

天の助「俺も!!」グワッ!

さやか「超爽快~~!」


746: 2011/07/29(金) 22:30:45.26 ID:sSXEYu1H0


まどか「さやかちゃんはさ、怖くないの?」

さやか「ん? そりゃ、確かにちょっとは怖いよ」

さやか「でもさ、マミさんやボーボボ達や心強い仲間って奴? 皆がいるから安心だよ。ちょーっと、他力本願かもねっ」

さやか「あの後、転校生から聞いたキュゥべえの話には驚いたけどさ。一応あいつには感謝してるんだよ」

さやか「あたしの願い事、叶えてくれた訳だし」


首領パッチ「ガルルルル!」

天の助「グルルルル!!」


さやか「あたしももっと強くならないとなー! 昨日魚雷先生が来てくれなかったら、まどか達が大変なことになってたかもしれないもん」

さやか「マミさん達に戦い方教えてもらわないとね。これからは皆で見滝原の平和をガンガン守りまくっちゃいますよー!」

747: 2011/07/29(金) 22:32:05.00 ID:sSXEYu1H0


まどか「……後悔とか、全然ないの?」

さやか「後悔ねぇ……。強いて言うなら、迷ってたことが後悔かな?」

さやか「もっと早く魔法少女になっていたら、恭介に辛い思いさせなかったかもしれないし。マミさん達の負担も減らせたかもしれない」

まどか「さやかちゃん……」


田楽マン「きゅーん、きゅーん」プルプル

首領パッチ「ガアァァァァッ!!」

天の助「グルルァァァァッ!」


748: 2011/07/29(金) 22:33:12.35 ID:sSXEYu1H0


まどか「さやかちゃん、私……私は……」

さやか「さーてーは、またなんか変なこと考えてるの? あんたは他人の悩みまで抱えちゃういい子だからね」

さやか「こんな事になっちゃった後だから言えるんだけどね、私はさ、なるべくして魔法少女になった? みたいな?」

さやか「命に代えてもいいって思う願い事が見つかったんだもん。私はそれに気づくのが遅かったことが後悔」

まどか「……」

さやか「だから、まどかが引け目を感じることはないよ。魔法少女にならずに済んだっていう、ただそれだけのこと」

まどか「うん……」


首領パッチ「    」チーン

天の助「    」チーン

田楽マン「    」チーン


さやか(全滅してる……)

749: 2011/07/29(金) 22:35:07.95 ID:sSXEYu1H0


ほむら「とても高貴な考えね、美樹さやか」

まどか「ほむらちゃん……! いつからここに!?」

ほむら「最初からいたわよ……」ホムーン…


さやか「どういう意味よ、転校生。皮肉のつもり?」

ほむら「いいえ、今のは本心よ。私の心からのね」

ほむら「ただしね、美樹さやか。どうかその思想を最後まで貫いてちょうだい」

ほむら「例えどんなに辛く厳しい現実を突きつけられても……」

まどか「ほむらちゃん……」

さやか「何々~? さやかちゃんが心配なの~? あんた意外と可愛いとこあんじゃなーい!」

ほむら「フザケてるんじゃないのよ。私はかなり本気で……」

さやか「分かってる、分かってるって! 今のさやかちゃん、やる気まんまんですから~!」

750: 2011/07/29(金) 22:36:07.38 ID:sSXEYu1H0


さやか「そ、れ、じゃ! あたし行くところがあるから!」スクッ

首領パッチ「もう行っちまうのかー?」

まどか「何か用事でもあるの?」

さやか「まあ、ちょっとね。じゃ、またね~!」手フリフリ

まどか「うん、また明日……」手フリフリ

首領パッチ「高速で手を振ることによって、まるで千手観音のように!」手シュバババババ

田楽マン「負けるかぁ!」手シュバババババ

ほむら「…………」


ほむら(昨日、美樹さやかにはまどか達にしたのと同じ話をした)

ほむら(キュゥべえの目的、奴が人間をどう思っているのかを)

ほむら(彼女は口では『理解した』と言っていたけど、果たして……)

ほむら(最悪の事態にならなければいいけど……)

751: 2011/07/29(金) 22:37:48.96 ID:sSXEYu1H0


さやか「…………」スタスタ


キイィーーン…


さやか<居るんでしょ? キュゥべえ>

QB<やぁ、さやか。暁美ほむらがずっと近くに居て、中々話しかけられなかったよ>

さやか<昨日、転校生から話を聞いた。あんた、悪~い宇宙人なんだって?>

QB<……彼女の話はある一点から見た僕を忠実に表している、とだけ言っておこうかな>

QB<失望したかい? 口も利きたくないかい?>

さやか<確かにあんたは胡散臭いとも思っていたし、イラッときたことも何度かあった>

さやか<でも、あたしは願いを叶えてくれたあんたに恩を感じてるよ>

QB<……>

さやか<だから、今は転校生とあんた、どっちを信じるかは保留……って感じ>

QB<ありがとう、とても嬉しいよ>

752: 2011/07/29(金) 22:40:12.12 ID:sSXEYu1H0


QB(残念だったね、暁美ほむら)

QB(今の所、美樹さやかの信頼を勝ち得てるのは僕のようだ)

QB(君たちは、いかにもな"犬猿の仲"だものね)

QB(しばらくは美樹さやかに着いて回ろう。上手く計画通りに駒を進めたいしね)


さやか<……でも>

QB<ん?>

さやか<でも、あんな汚い手でまどかと契約しようとしたこと。まどかを危険な目に合わせたことだけは、絶対に許さないから!>キッ

QB<……>

QB<ごめんよ、僕には宇宙を救うっていう使命があってね。なりふり構ってられなかったのさ>

QB<まどかのエネルギーは凄まじく、それさえ手に入れれば……>

さやか<ふざけないで。もう一度でもあんなことしたら、あたしがあんたを八つ裂きにする>

QB<分かったよ。今後、まどかに無理な勧誘はしないと誓おう>

さやか「ふんっ」スタスタ

753: 2011/07/29(金) 22:41:39.30 ID:sSXEYu1H0


QB(……やれやれ。何で人間は友情だとかいう下らないものを大切にするのかな)

QB(目に見えず、確かめようもない物を守って何か得でもするのだろうか)

QB(しかし、彼女らの至高とするこの"友情"も僕の計画に利用できるかもね……)


さやか<用がないなら、もう話しかけてこないでね>

QB<分かった。魔女の出現や緊急時以外では黙っておこう>


さやか「あー、イライラする……」スタスタ




天の助「…………」コソッ

754: 2011/07/29(金) 22:43:04.63 ID:sSXEYu1H0



  ~喫茶店~


ガヤガヤ


マミ「…………」

ボーボボ「どうした、マミ。お前が紅茶を前にして人間のように大人しくしているとは珍しい」

マミ「どういう意味ですか」

マミ「ちょっと考えごとをしていたんです」

ボーボボ「言わずとも何を考えていたかは分かる」

マミ「……」

ボーボボ「まさか、さやかが……」

マミ「ええ……」

ボーボボ「チャーリーズエンジェルだったとはな」

マミ「何の話ッ!?」マミーン!?

755: 2011/07/29(金) 22:45:06.84 ID:sSXEYu1H0


マミ「そうじゃないでしょう。魔法少女ですよ、魔法少女」

ボーボボ「ああ、そっちか。そっちで攻めたか」

マミ「いや、そっちも何も、それしかないでしょう……」

ボーボボ「お前はどう思っている?」つ角砂糖 ガシッ

マミ「何だか今は、心の中がごちゃごちゃしてて……」

ボーボボ「……」アフロ<パカッ

マミ「美樹さんはきっと、この前話していた男の子の為に願いを叶えたんでしょうね。それがいけない事とは思わない。きっと美樹さんが心から叶えて欲しかった願いのはず」


アフロ< 水戸黄門「おや、助さん。角さんは何処に?」

      助さん「はて、おかしいですね。さっきまで確かにここに……?」


マミ「でも、美樹さんはまだ魔法少女を甘く見ているような気がするんです。……私が言えた義理じゃないですけどね」

757: 2011/07/29(金) 22:47:17.12 ID:sSXEYu1H0

ボーボボ「キュゥべえの野郎はまだ帰ってないのか」つ角砂糖 スッ

マミ「ええ、あれっきり……。美樹さんも契約してから見ていないと言ってました」

ボーボボ「相変わらず、気に入らねー奴だ」つ   角砂糖 ポイッ


アフロ< 角砂糖「   」コロコロ

      水戸黄門「角さん、どこに行っていたのですか?」

      助さん「心配したぞ」

      角砂糖「   」


マミ「私が美樹さんを支えないと……、先輩としてあの子を引っ張ってあげないとって、昨日から考えているんです」

マミ「まだあの子は魔法少女に大きな理想を抱いている。それはとっても素敵なことですが、同時に危ういことでもあるはずです」

ボーボボ「お前の言うとおりだな。先輩が板に付いてきたじゃないか」

マミ「え、えへへ……」マミマミ

758: 2011/07/29(金) 22:49:38.34 ID:sSXEYu1H0


アフロ< 水戸黄門「まあ、取り立てて騒ぐことでもないでしょう。ところで今度の町はどんな所なのですか?」

      助さん「ええ、温泉街として有名です。何でも万病に効く幻の湯があるとか無いとか」

      角砂糖「   」

      水戸黄門「ほほう、それは楽しみですねぇ」

      角砂糖「   」



      黄門 助「「……って」」

      黄門 助「「これ角砂糖やないかーーーい!!」」ズコー


アフロ<カポッ


ボーボボ「そろそろ魔女探しに行くか」スクッ

マミ「え、ええ……(何、今の……)」マミーン…

760: 2011/07/29(金) 22:51:33.28 ID:sSXEYu1H0



  ~店外~


杏子「…………」コソッ

杏子「ふーん。あれがキュゥべえの行ってたイレなんとかか」

杏子「確かに体はゴツいけど、大したことなさそうじゃん」モグモグ

杏子「マミの奴も腑抜けきってやがる。あーいらつくー」モグモグ


ボーボボ「~~~」

マミ「~~~」


杏子「流石に何話してるかはここからじゃ分かんねーな。もっと近づいてみっか」モグモグ

761: 2011/07/29(金) 22:52:57.73 ID:sSXEYu1H0


ボーボボ「……!」クルッ


杏子「―――なっ!?」ガバッ

杏子(いきなりこっちを見た!? 気配は完全に消してたはずなのに!)

杏子(それに、何て殺気だ……。心臓に刃物でも突きつけられた気分だ)

杏子(どうやら、マジでキュゥべえの言う通りかなりの実力者らしいな……)ゴクリ

762: 2011/07/29(金) 22:54:34.76 ID:sSXEYu1H0



ボーボボ「…………」ジー

マミ「どうしたんですか、ボーボボさん。 向こうに何か……?」

ボーボボ「何者かの視線を感じた……」

マミ「え……」

ボーボボ「どうにも怪しげな視線だったな。今の気持ちを表すならば……」


ボーボボ「んもぅ~~~~! えOち!!」クネッ


マミ「」

ボーボボ「……」

マミ「…………」

ボーボボ「…………」

763: 2011/07/29(金) 22:57:08.15 ID:sSXEYu1H0



  ~病院~


さやか「そっか、退院はまだなんだ」

恭介「足のリハビリの方はまだ済んでないしね。まだ補助なしじゃ歩くのも難しいんだ」

恭介「手の方も何で突然治ったのか……。医者が驚いてたよ、こんなの有り得ない!ってさ」

さやか「へぇ、お医者さんでも分からないの? 恭介、解剖されちゃうかもね~」

恭介「はは、それは遠慮したいなぁ」

さやか「ふふふ。それで、恭介自身はどうなの? どっか体におかしい所とかはない?」

恭介「うん、無さ過ぎて怖いっていうか……。何で病院のベッドで寝ているのか不思議に思うほどだよ」

さやか「そう! よかった……!」

764: 2011/07/29(金) 22:58:46.81 ID:sSXEYu1H0

恭介「さやか……」

さやか「ん? どしたの?」

恭介「さやかの言った通り、これって奇跡だよね」

恭介「さやかには随分と酷いこと言っちゃったよね。いくら気が滅入っていたからって、今までお見舞いに来てくれたのに……」

さやか「変なこと思い出さなくていいの」

さやか「奇跡が起こったんだから。今の恭介なら大喜びしても罰は当たらないのに、何しんみりしちゃってんの」

恭介「まだあまり実感がなくてね」

さやか「まあ、無理もないよね」


ドア <ギイィッ


さやか「 ! 誰!?」

恭介「うわっ!?」ビクッ

さやか「誰か外にいるんでしょ? 出てきなさい!」


ドア <……


765: 2011/07/29(金) 23:00:48.91 ID:sSXEYu1H0


ドア <ガララッ


天の助「へへへ、旦那ぁ。良いお天気で……へへへ」

さやか「天の助……」

恭介「やぁ、天の助」

さやか「何の用?」

天の助「み、見舞いに決まってんだろ! つーか何でそんなに冷たいんだよ、お前!」

恭介「そうだよ、さやか。わざわざ来てくれたんだしさ」

さやか「……ごめん」

さやか(転校生が尾けてきたのかと思った……)

766: 2011/07/29(金) 23:02:32.66 ID:sSXEYu1H0


天の助「お、おい恭介、お前ホントに手が治ったのかよ?」

恭介「え? うん、そうだけど……早いね、もう知ってるなんて」

天の助「あ、え、えっと、さっき医者達が話してたぜ」

恭介「そうだったんだ。困ったな、こういうことで有名人になりたくないのになぁ」


さやか<ホントに何しに来たのよ、あんた>

天の助<だから見舞いだっつってんだろ>

さやか<嘘。転校生に言われて見張りにきたんじゃないの?>

天の助<はぁ? 何で俺がそんなことを……>

さやか<どうだか>

767: 2011/07/29(金) 23:03:27.63 ID:sSXEYu1H0


さやか「ん。そろそろ時間だね。それじゃ行こうか恭介」

恭介「 ? 行くって……どこに?」

さやか「それは、お た の し み!」

天の助「お、俺も行くぜっ!」

さやか「あんたは呼んでない」

天の助「うっせぇ! 恭介、おめーまだ歩けねぇよな? 俺が車椅子押してやるよっ!」

恭介「あ、うん、ありがとう天の助」

さやか「……」

さやか(本当にこいつは何が狙いなの……?)

768: 2011/07/29(金) 23:04:54.52 ID:sSXEYu1H0



  ~屋上~


医者A「……」

医者B「……」

ナースA「……」

ナースB「……」

恭介父「……」

恭介母「……」


恭介「あっ……みんな」

さやか「本当のお祝いは退院してからだけど……、足より先に手が治っちゃったからね」

恭介父「……」つバイオリン スッ

恭介「それは……」

恭介父「お前からは処分してくれと言われていたが、どうしても出来なかったんだ」

恭介「父さん……」

恭介「……」つバイオリン スッ

769: 2011/07/29(金) 23:05:52.85 ID:sSXEYu1H0


恭介父「さあ、弾いてごらん。怖がらずに……」

恭介「……」コクリ



 ♪~ ♪~ ♪~



さやか(みんな、あたしの願い、叶ったよ)



 ♪~ ♪~ ♪~



さやか(後悔なんて、あるわけない)

さやか(あたし、今最高に幸せだよ)

770: 2011/07/29(金) 23:08:07.28 ID:sSXEYu1H0



恭介「……ふぅ」


 パチパチパチパチパチパチパチパチ


恭介母「うぅ……」ポタポタ

恭介「母さん、父さん……僕は……」

恭介父「お前の言いたいことは分かっている。ちゃんとした話は退院した後にゆっくりとしよう」

恭介「うん……」

さやか「さ、病人は病室に戻ろっか」

天の助「俺に任せな」カラカラ

恭介「ありがとう、天の助」


天の助「……」カラカラ

天の助「……さやかに感謝すんだぞ?」ボソッ

恭介「うん、もちろんだよ。今までずっとお見舞いを……」

天の助「そんだけじゃねぇんだよ、ぼっちゃんが」カラカラ

恭介「えっ?」

さやか「ほら、何してんの早く行くよ!」

天の助「へいへい」カラカラ


771: 2011/07/29(金) 23:11:59.07 ID:sSXEYu1H0



  ~展望台~


杏子「…………」ジー

QB「見えたかい? あれがこの町の新しい魔法少女。美樹さやかだ」

杏子「……えーと、ちょっと待てよ。今この町には魔法少女が何人居るんだ?」

QB「マミにさやか、そしてイレギュラーの暁美ほむらを入れて三人だね」

杏子「一つの町に三人って……、よく争いが起きねぇな」

QB「さらにこの間教えた鼻毛男達がいるよ」

杏子「何だかメンドクサくなってきたなー」

QB「頼むよ杏子。今の僕には君だけが頼りなんだよ」

杏子「任しとけって。適当に見て回ったけど、どうやらあいつらの中で一番強いのはあのアフロ野郎のようだね」

杏子「奴にさえ注意すれば、よゆーよゆー。マミは腑抜けてるし、新人も弱そうだし」

772: 2011/07/29(金) 23:13:37.35 ID:sSXEYu1H0


QB「……杏子、まさか魔法少女達も始末する気かい?」

杏子「ん? ったりまえじゃん。特にあの新人野郎は気に入らないからね」

QB「正気かい? 僕が依頼したのはあの鼻毛男達だけだよ」

QB「魔法少女も消えてしまえば、誰がこの町の魔女を……ハッ」

QB「まさか、君はこの町も自分のテリトリーに……」

杏子「……へへっ」ニヤリ

杏子「最近、こっちの魔女のグリーフシードの出が悪いんだよね。ほら、備えあればなんちゃらなんちゃらって言うじゃん」

773: 2011/07/29(金) 23:15:10.75 ID:sSXEYu1H0


QB「全てが君の思うように動くとは限らないよ? 特に暁美ほむらには要注意だ」

QB「鼻毛男程とは言えないが、彼女も桁外れなイレギュラーだ」

杏子「ふーん、そいつ何者なの?」

QB「僕にもよく分からない」

杏子「はぁ~? 何よそれ。そいつもアンタと契約したんでしょ?」

QB「そうとも言えるし違うとも言えるね」

QB「彼女にも謎の部分が多い。僕でさえ未だに彼女の能力を把握していないんだ」

QB「僕から言えることは、くれぐれも鼻毛男や暁美ほむらには注意しろ……って事だけだね」

杏子「へっ、上等じゃん。最近弱っちい魔女ばっかで退屈してたんだよね」

774: 2011/07/29(金) 23:16:38.32 ID:sSXEYu1H0


QB(自分で画策しておいてなんだけど、佐倉杏子を連れてきて何だか心配になってきた)

QB(まさか魔法少女の一掃も考えるとは。僕としては鼻毛男を始末してくれればそれで良いんだけどね)


杏子「げっ」

QB「ん、どうしたんだい?」

杏子「見ろよ、ソフトンが追っかけてきてやがる」



ソフトン「  」キョロキョロ



杏子「後を尾けてきてたか。アタシを探してんな」

QB「……彼は一体何なんだい?」

杏子「アタシにも分かんねーよ。とにかく見つからない内にトンズラするわ」


QB(……)

QB(どうにもイヤな予感がするぞ。彼には要注意だな……)


775: 2011/07/29(金) 23:20:06.75 ID:sSXEYu1H0



  ~町中~


ほむら(まどかからお呼ばれがかかったわ!)ホムホム

ほむら(大事な話があるから喫茶店に来て……だなんて。興奮してきたわ!)ホムホムーン!

ほむら(……ま、今までのループから考えると、美樹さやかのことについてなんでしょうけどね)

ほむら(それでも、まどかからの呼び出しなら興奮せずにはいられない!)ホムホムーン!

776: 2011/07/29(金) 23:22:10.45 ID:sSXEYu1H0


 ドン!

???「……!」

ほむら「あ、ごめんなさい」

ほむら(興奮の余り注意力が散漫になっていたわ。これではいけない。私はCOOL THE ほむほむ。ちょっとやそっとでは動揺しない精神力を……)



ソフトン「すまない、大丈夫か?」

ほむら「」

778: 2011/07/29(金) 23:23:50.18 ID:sSXEYu1H0



ほむら「ウンコだぁぁーーーーーッ!?」ホムーン!?

ソフトン「!?」

ほむら「あ、いえ、その、やだ私ったら気が動転して……」アセアセ

ほむら(なななな何よこのウンコ!? この衝撃、首領パッチ達との初対面の比じゃないわ!)

ソフトン「本当に大丈夫か? どこか怪我をしたとか……」

ほむら「そんな! ぶつかったのはこっちで……(……ん?)」

ソフトン「しかし、こっちも不注意で……」つiphone



iphone < Google検索「マップ 使い方」



ほむら(このウンコ最近iphone買ったばかりでまだ使いこなせてないっぽいーーーーーッ!!!)ホムーン!

779: 2011/07/29(金) 23:26:12.89 ID:sSXEYu1H0



ほむら「ま、マップなら青い丸が自分よ。それで目的地の住所を検索すれば自動でそこまでの最短ルートを教えてくれたりするけど……」

ソフトン「ん? あ、ああ、すまない。どうにもこういうハイテク機器は苦手でな」

ほむら「道が分からないのなら案内しましょうか?」

ソフトン「いや、流石にそれは悪い」

ほむら「時間はあるから構わないわ(最悪送った後に時を止めてまどかの下に向かえばいいしね)」

ソフトン「やはり君に申し訳ない。それに、俺が探しているのは場所では無く、連れの子供なんだ」

ほむら(子供……?)

ほむら「その子の特徴は?」

ソフトン「君と同じくらいの年で、赤髪のポニーテールだ」

ほむら「!」

781: 2011/07/29(金) 23:31:48.50 ID:sSXEYu1H0


ほむら(佐倉杏子! 間違いないわ。そろそろ来る頃とは思っていたけど……)

ほむら(彼女とこの男(人間なのかしら?)は一体どういう関係で……?)


ほむら「それなら仕方ないわね。それと、マップを拡大したいのなら、指で……こう広げれば……」スッ

ソフトン「おお! ありがとう。これで街の中も探しやすくなった」


ほむら(ボーボボ達の知り合いかしら? 悪そうには見えないけれど……)


ほむら「私もその子のことを探しておくわ。見つけたら連絡するから、アドレスを教えてちょうだい」 つiphone スッ

ソフトン「何から何まですまない。よろしく頼む」 つiphone スッ

ほむら「……」

ソフトン「……」

782: 2011/07/29(金) 23:32:54.06 ID:sSXEYu1H0


ほむら「あー、その……iphoneには赤外線が無いわ」

ソフトン「なっ!? 本当か?」

ほむら「ええ。iphone同士ならBumpというアプリを使えばすぐにアドレス交換できて便利よ」

ソフトン「うーん、これなら前のケータイのままの方が……」

ほむら「うふふ」クスッ


ほむら(やっぱり悪人ではないでしょうね。ウンコなんて言って悪いことしてしまったわ)

ほむら(…………)

ほむら(いや、やっぱウンコだわ)

783: 2011/07/29(金) 23:35:18.56 ID:sSXEYu1H0



  ~十分後 喫茶店~


ほむら「話って何?」

まどか「あのね、さやかちゃんのことなんだけど……」

ほむら「……」


マミ「鹿目さん、遠慮せず言えばいいわ」

ロボーボボ「ガ・ン・バ・レー。ガ・ン・バ・レー」ウィーンウィーン

首領パッチ「さあ、オジサンに話してごらん?」

ほむら(やっぱりこいつらもいるのね……)ホムーン…

784: 2011/07/29(金) 23:37:16.36 ID:sSXEYu1H0


まどか「あ、あの子は、思いこみが激しくて、意地っ張りで、結構すぐに人とケンカしちゃって……」

首領パッチ「今やってる映画のネタバレとかしちゃって……」


   さやか『あ、謎のプリンスってスネイプだよ。しかもダンブルドア頃すし』

   首領パッチ『!!??』


ボーボボ「さらに仲間内のルールで禁止されてるのに平気でチートキャラを選んじゃったりして……」


   さやか『ホントだってば! 絶対、アンクは使わないって!』

   画面 <ムウン!レッドバインド! ムウン!レッドバインド! ムウン!レッドバインド!

   ボーボボ『!!??』


まどか「でもね、すっごくいい子なの! 優しくて、勇気があって、誰かの為に頑張りすぎちゃって……」

ほむら「そう……」

ほむら「……」

ほむら(途中の二つは何なのよ……)


785: 2011/07/29(金) 23:38:35.89 ID:sSXEYu1H0


ほむら「魔法少女としては、致命的ね」

まどか「……っ」

ほむら「度を越した優しさは甘さに繋がる。勇気と無謀は別物なのよ」

ほむら「そして、どんな献身にも見返りなんてない」

ほむら「それをわきまえなければ魔法少女は勤まらない。だから巴マミも命を落とした」

まどか「 ! そんな言い方止めてよッ!」

首領パッチ「てめぇ、言って良い事と悪い事があんじゃねーか、おい!」

ボーボボ「マミの氏を愚弄する気か!」

ほむら「そんな気はないわ。事実を言っただけ」


 ギャーギャーワーワー


マミ「…………」


マミ(何コレ、新手のイジメ?)

786: 2011/07/29(金) 23:40:22.98 ID:sSXEYu1H0


  肩ポンポン


マミ(……ん?)チラッ

田楽マン「へへッ」b <グッ!




マミ「ティロ・フィナーr」

ほむら「じょじょじょ冗談はさておき」

まどか「そそそそうだね、ちょっと話が脱線しちゃちゃったねね」

マミ「次やったらマジで解ってんな?」

ほむまど「「はい」」


田楽マン「」チーン

788: 2011/07/29(金) 23:44:12.72 ID:sSXEYu1H0



まどか「さやかちゃん、まだ魔女も使い魔も倒してないって言ってたの。もしかすると強い魔女に会っちゃって、やられちゃうかもしれない……」

まどか「マミさんやほむらちゃんに戦い方を教えてもらうともいってたけど、あの子一人で何でも解決しようと張り切っちゃうから……」

まどか「魔法少女じゃない私じゃ、直接さやかちゃんの力になってあげれないから」

まどか「だから、ほむらちゃんやマミさん。ボーボボや首領パッチ君にお願いしたいの。さやかちゃんの横で助けてあげて欲しい」

マミ「あれ、天の助君は?」

まどか「天の助君は、私のお願いでもうさやかちゃんの側にいるんです。何だかんだ言って、さやかちゃんと一番仲がいいのは天の助君だから」

マミ「天の助君、意外と優しいのね」

ほむら(ボーボボに殺されたくないからだと思うけど……)


まどか「ほむらちゃん達は魔法少女としてもベテランだし、ボーボボ達はすごく強くて頼りになるし。皆が側にいればさやかちゃんも安心すると思うの」

まどか「それに魔女をやっつける時も皆で協力して戦えば、ずっと安全なはずだよね?」

ほむら「……」

789: 2011/07/29(金) 23:45:36.59 ID:sSXEYu1H0


ほむら(まどか、あなたはやっぱり優しいわね。しかし、この懇願に二つ返事でYESと答えるのは馬鹿のやること)

ほむら(確かにチームで協力すれば大きな力を手に入れられる。しかし、それは信頼関係があればの話)

ほむら(私に美樹さやかに巴マミ。こんな見事にバラバラのチームでは使い魔すら倒せるか怪しいほどよ)

ほむら(気軽に了承していい問題ではない。ここは遠回しに拒否するべきね)

ほむら(別に美樹さやかを見捨てるのではない。もちろん彼女も救いたい)

ほむら(でも無理に慣れないチームで戦って、もしも最悪の結果になったら? 誰かが氏ぬかもしれない、絶望に染まるかもしれない)

ほむら(その場合、まどかは自分を責めてしまうはず。皆を助けるために契約……ということも有り得る)

ほむら(遠回しに拒否をして、別の案を考えましょう。例えば、陰で支える程度ならb)


マミ「もちろんよ、鹿目さん!」手ギュッ

まどか「マミさん……!」手ギュッ

ほむら「」

790: 2011/07/29(金) 23:46:57.49 ID:sSXEYu1H0



ほむら(ととっとっっととと巴マミィィィィイイイィィイイィィ!!!!)ホムーン!!

ほむら(あなたはッ! どこまでッ!! 愚かなのォォォォォオオオォォォォ!!??))

ほむら(そして、さり気なくまどかの手を握ってるんじゃねぇええぇぇぇ!!)



<ほむほむメーター>

安らぎ       楽しみ      まどまど      無情       怒り        憤り
  ┝━━━━━━┿━━━━━━┿━━━━━━┿━━━━━━┿━━━━━━┥

                                                   ここ↑ <ピコーン

791: 2011/07/29(金) 23:48:07.79 ID:sSXEYu1H0



マミ「その通りよ、鹿目さん。魔法少女は皆友達。力を合わせれば勝てない敵なんていないんだから!」

まどか「マミさん……! 私、マミさんに相談して良かったです!!」ダキッ

マミ「ふふ、鹿目さん、安心してね」ナデナデ

ほむら「」

792: 2011/07/29(金) 23:49:09.65 ID:sSXEYu1H0



ほむら(うううううぅぅおおおおぉぉぉぉぉおおおぉおぉッ!!!)ホムホムーン!!

ほむら(まどかが、抱きつ、抱きつききつき抱きき抱きぃぃいいいぃぃぃぃ!!!)



<ほむほむメーター>

  楽しみ      まどまど      無情       怒り        憤り       修羅
━━┿━━━━━━┿━━━━━━┿━━━━━━┿━━━━━━┿━━━━━━┥

                                                    ここ↑ <ピコーン


793: 2011/07/29(金) 23:50:20.23 ID:sSXEYu1H0


ほむら「ぎぎぎぎぎぎぎいぃ~~~!!」ギギギギギ

ボーボボ「うおぅ!? 何て歯ぎしり!!」

首領パッチ「落ち着け! 落ち着けほむら!」

ほむら「これが落ち着いていられるもんですか!!」ギギギギ

首領パッチ「落ち着けよ! 今のお前……お前……!」

794: 2011/07/29(金) 23:51:38.11 ID:sSXEYu1H0





首領パッチ「リアクションが大げさすぎる若手芸人みたいでそんなに面白くないわ」





<ほむほむメーター>


  怒り        憤り       修羅
━━┿━━━━━━┿━━━━━━┥     ピューーーーーーーーーー!

                       三三三三三三三三三三三三三 ここ↑ <ガシャーン

795: 2011/07/29(金) 23:54:17.88 ID:sSXEYu1H0



田楽マン「」ピクピク

首領パッチ「」チーン


ほむら「巴マミ、何を考えているの? 絶対に出来るとは言い切れないことをそんな簡単に承諾するなんて正気じゃないわ」

マミ「確かに容易なことではないと理解はしているわ。でも私は美樹さんを導いてあげたいの」

マミ「これは後輩にいい所を見せるとかじゃない。私の本心で、美樹さんには魔法少女として正しい道を歩んで欲しいと考えてのことなのよ」

ほむら「でも、リスクが高すぎるわ!」

まどか「ほむらちゃん……ダメなの?」ウルウル

ほむら「!」

まどか「ほむらちゃんは諦めちゃってるの? 自分のことも、他の子のことも全部」ウルウル


ほむら(まどかにこんな目で見つめられたら私は、私は……)

ほむら(でもリスクが……でもまどかが……うう~)

797: 2011/07/29(金) 23:55:29.16 ID:sSXEYu1H0


ボーボボ「ここで分岐点!」

ボーボボ「ほむらがまどかの願いを承諾するかどうかは君たちが決めるんだ!」

ボーボボ「このレスから下の5レスの内、多数決でYESかNOか決定するぞ!」

ボーボボ「ほむら達の運命は君たちの手に掛かってる! それではよーーい、スターt」

ほむら「分かったわ、まどか。YESよ」

まどか「本当!? ほむらちゃん!」

ほむら「ええ、あなたのお願いは断れないもの」キリッ

ボーボボ「」

798: 2011/07/29(金) 23:56:59.89 ID:sSXEYu1H0


田楽マン「」ピクピク

首領パッチ「」ピクピク

ボーボボ「うううぅ……せっかく僕考えたのに……」グスグス


まどか「ありがとう、ほむらちゃんマミさん!!」

マミ「頑張りましょうね、暁美さん」

ほむら「ええ、もちろんよ」


ほむら(勢いでYESと言ってしまったけれど、どうしましょう。あの美樹さやかが快く私とチームを組むなんてあり得ない……)

ほむら(作戦は、まず巴マミが近づきバディを組みしばらく共闘し、後から私が出来るだけ腰を低くしてそこに入る)

ほむら(乗せられやすい美樹さやかならば、この作戦でいける……といいのだけど……ん?)

ほむら(今、店の外に……)

799: 2011/07/29(金) 23:58:36.24 ID:sSXEYu1H0



QB「  」ヒョコッ



ほむら( ! インキュベーター!?)


QB「   」タタタッ


ほむら(逃げた! 追わなければ!!)


ほむら「ごめんなさい、急用が出来たわ。少し抜けさせてもらうわね!」スタッ

まどか「ええ!?」

マミ「どうしたの暁美さん!」

ほむら「キュゥべえが外にいたのよ」

マミ「キュゥべえが!? 待って、それなら私もあの子と話したいことが!」

ほむら「ダメよ、奴を追うのは私の仕事。あなたは私の分まで美樹さやかのサポートをしてちょうだい」

まどか「でも、ほむらちゃん! ほむらちゃんもさやかちゃんと仲良くならないと……!」

ほむら「ごめんなさい、まどか。あいつに今度は何を企んでいるのか問いたださないと!」


シュン!


まどマミ((消えた……!))

800: 2011/07/30(土) 00:01:29.07 ID:i0XarD3e0


マミ「暁美……さん……」

まどか「…………」


ヴヴヴヴヴ!


まどか(あ、私のケータイ……)ケータイ<パカッ

まどか「……マミさん。天の助君が、さやかちゃん今からパトロールに行くって……」

マミ「そう。じゃあ、早く会いに行かないと……キュゥべえのことは暁美さんに任せましょう」

マミ「安心して、私がきっと美樹さんを守ってみせるわ」

まどか「はい……!」

801: 2011/07/30(土) 00:02:35.37 ID:i0XarD3e0



マミ「それで、そこの氏人達はどうしましょ……」


田楽マン「」

首領パッチ「」

ボーボボ「ううぅ……」グスグス


まどか「うわー……、ホントどうしよう……」

827: 2011/08/05(金) 21:24:56.62 ID:3LZ5iL/00



  ~さやかs'マンション~


さやか「すーー、はーーーっ」深呼吸サヤサヤ

さやか「よしっ! 魔女退治行っちゃいますかーあははは」


自動ドア<ウイィーーン


さやか「ま、まあ、魔法少女プリティさやかちゃんにかかれば、どんな魔女だってちょちょいのちょいって感じ?」スタスタ

天の助「嘘こけ。足震えてんぞ」

さやか「うぇッ!? て、天の助! あんたいつの間に!?」

天の助「ずっとここにいたっつーの」

天の助「んなことより、さやかよー。緊張しすぎだろ、そんなんじゃロクに戦えねぇぞ」

さやか「う、うっさいなー! あたしは本番に強いタイプなの!」

天の助「ゲームとは違ぇんだぞ? マミやほむらに手伝ってもらえば……」

さやか「転校生に頼るのなんか絶対にイヤ」

天の助「うおぅ……キッパリだなぁ。何でだよ、あいつすげぇ強くて頼りになるみてーだぞ?」

さやか「…………」

828: 2011/08/05(金) 21:26:35.14 ID:3LZ5iL/00


さやか「転校生はさ、キュゥべえの邪魔ばかりしてるじゃん」

さやか「それは新しい魔法少女が生まれるのを防ぐ為。これがどういうことか分かる?」

天の助「あ? いやそれは、キュゥべえが悪党だからで……」

さやか「違う。確かにキュゥべえは聖人君子の超イイヤツじゃないってのは分かってる」

さやか「でもね、転校生のやっている行為は一つの奇跡を潰してるということなの!」

さやか「誰かが叶えたかった奇跡を! 誰かが望んでいた奇跡を! それを潰していい権利なんてあいつには無いはずでしょ!」

さやか「私は自分の奇跡に満足してるの。キュゥべえに感謝もしている」

さやか「キュゥべえと無理にでも仲良くなれとは言ってない。でも、実現するはずだった奇跡が消えていくことは、どうしても許せない」

さやか「だから転校生は……なんだかイヤ……」


829: 2011/08/05(金) 21:28:11.44 ID:3LZ5iL/00


天の助「…………」ポカーン

天の助「何かよぉ、お前少しおかしいぞ……」

天の助「俺、頭ワリーし食品だから巧く言えねぇけど」

天の助「奇跡=キュゥべえ、みたいになってるぞ。過大評価っていうか何ていうか」

さやか「は? あたしの望んだ結果に対して過大評価って何よ?」

天の助「うーん、そういうキツい意味合いじゃなくて……。夢見すぎの少女っつーか……」


天の助「アレだ。元々お前ほむらのこと嫌いじゃん。その奇跡がどうちゃらって話、ほむらを嫌うダシに使ってる気がするわ」


830: 2011/08/05(金) 21:31:06.34 ID:3LZ5iL/00


さやか「 !! そんな訳ないでしょ! ふざけないで!」

さやか「私は奇跡に満足していて、転校生は奇跡を潰している! こんな簡単な話がどうして分からない

の!?」

さやか「転校生の話だってどこまでが本当か確かめようが無いじゃん! 宇宙人だとかエネルギーだとか

、あいつの作り話かもしれない!」

天の助「おい、落ち着けよ!」

さやか「どいて! あたしパトロールに行くから!」

天の助「だから一人じゃ……」ガシッ

さやか「離して!」ジタバタ

831: 2011/08/05(金) 21:32:31.62 ID:3LZ5iL/00



     「さやかちゃん!」



さやか「あ……まどか……」

まどか「どうしたの、何かあったの……?」

マミ「天の助君に何かされたの?」

首領パッチ「天の助に何されたんだ?」

ボーボボ「おい、天の助。何したんだ?」

天の助「何で全員俺が何かしたと思ってんだよ!!」ガーン!?


832: 2011/08/05(金) 21:33:34.45 ID:3LZ5iL/00


首領パッチ「いや、お前以外に誰が罪を犯すんだよ」

ボーボボ「人を疑うならまずところてんから、という故事もあるしな」

マミ「ごめんなさい、今までの前科から考えると……」

天の助「そんなヒドい! それでも僕はやってない!!」

833: 2011/08/05(金) 21:35:00.15 ID:3LZ5iL/00


さやか「な、何でもないよ。安心してまどか。サッサトハナセヨ」手バシッ

天の助「お、おう」

さやか「それより何でまどかがここに? ボーボボやマミさんまで……」

まどか「うん、さやかちゃんが心配になってね。一人でパトロール行く気だったでしょ?」

さやか「う……、いや、そのね、マミさん達の迷惑になるかもと思ってさ」

マミ「迷惑なんてとんでもないわ。初めてのパトロールでいきなり強力な魔女に出くわすこともあるのよ」

マミ「魔法少女はみんな友達なんだから、遠慮する必要なんかないわ」

さやか「マミさん……、すみません……」

ボーボボ「何はともあれ、間に合って良かった」

834: 2011/08/05(金) 21:36:08.58 ID:3LZ5iL/00


まどか「あのね、さやかちゃん。私、みんなとお話したんだけどさ」

さやか「え?」

まどか「マミさんやボーボボ達、それにほむらちゃんも一緒に戦ってくれるって!」

マミ「そうよ、可愛い後輩だもの。それに一人よりもチームの方が魔女も楽に倒せるはずだわ」

さやか「て、転校生が……?」

さやか「それで……その転校生は?」

まどか「あ……今はね、キュゥべえに話を聞くために追いかけてる、と思う」

さやか「 !! 」

まどか「ど、どうしたの……?」

さやか「い、いやね、転校生が意外だな~って! 何だかんだ言ってあいつもさやかちゃんのことが好きなんだね~! あははは!」

天の助「おい、俺の時と露骨に反応が違くね?」

さやか「うるさい」


さやか(キュゥべえを追いかけている? やっぱり転校生は危険……)

さやか(何でまどかもマミさんもボーボボ達も、転校生を少しも怪しんでないの!?)

さやか(まさか、みんな転校生とグルなの……?)

838: 2011/08/05(金) 21:39:01.71 ID:3LZ5iL/00


まどか「さやかちゃん……」

さやか「ん? どうしたの?」

まどか「あのね、私、マミさん達みたいに何か出来る訳じゃないし、足手まといにしかならないって分かってるんだけど……」

まどか「私もさやかちゃんを支えたいの! お願い! 邪魔にならないところまででいいからついていきたい!」

さやか「まどか……」

さやか「まどか、あんたってホント優しい子だね」

さやか「あたしね、口では平気とか大丈夫とか言ってるけど、内心怖くて仕方がないんだ」

さやか「さっき天の助に指摘された通り、体も震えてたし。だからすっごく心強い」

さやか「何も出来ないなんて言わないで。まどかは側に居てくれるだけであたしの力になってくれるんだから」

まどか「さやかちゃん……!」

839: 2011/08/05(金) 21:40:09.79 ID:3LZ5iL/00


マミ「それじゃ、パトロールを始めましょっか。美樹さん、先輩が手取り足取り教えてあげるからねっ!」

さやか「お手柔らかにお願いしますよ~?」

ボーボボ「強い魔法少女になるには生半可な覚悟では足りないからな。厳しい修行が待っているぞ」

首領パッチ「まずはこの焚き火の中の甘栗を火傷せずに素手で取ってもらおうか」メラメラ

さやか「火中天津甘栗拳!? あんたはあたしをどうしたいのよ!!」サヤーン!?

天の助「ならば俺は究極奥義<猛虎落地勢>を伝授しよう!」

さやか「それただの土下座でしょうが!? さてはあんたら、らんまの再放送見たでしょ!!」

まどか「うぇ、ウェヒヒ……」マドマド


さやか(あたしって、ほんとバカ)

さやか(こんなに優しいまどか達が、転校生みたいな危ない考えをもってる訳ないじゃない)

さやか(少しでもみんなを疑った自分が恥ずかしい……)

さやか(ということは………)

840: 2011/08/05(金) 21:40:54.37 ID:3LZ5iL/00


さやか(みんな転校生に騙されてるんだ)

さやか(まどかもマミさんも優しいから、転校生の奴そこにつけ込んで……)

さやか(あたしが何とかしなくちゃ。あたしが転校生からみんなを守らないと……)


842: 2011/08/05(金) 21:42:59.66 ID:3LZ5iL/00



  ~町中~


QB「   」タッタッタッタッ

ほむら「待ちなさい!」ダッダッダッダ


ほむら(ちょこまかと本当に腹の立つ奴! 今度は一体何を企んでいるの!?)


QB「   」タッタッタッタ

ほむら「止まらないと撃つわよ!!」バキューンバキューン!

QB(撃ちながら言うなよ……)タッタッタッタ


ほむら(まどか達は大丈夫かしら……。今までのループから考えると今日は、美樹さやかと佐倉杏子の初対面)

ほむら(そして、こいつは二人の戦いをダシにまどかに契約を迫る)

ほむら(今回は巴マミやボーボボ達が美樹さやかの側に居るから大丈夫だとは思うけれど……、万が一ということもある)

ほむら(まどか達に近づく前にこいつを捕まえないと……!)


844: 2011/08/05(金) 21:44:17.73 ID:3LZ5iL/00


???「待てッ!!」ダッ

QB「 !! 」

ほむら「 !! あなたはッ!?」

ソフトン「君はさっきの……?」ダッダッダッダ


ほむら「暁美ほむらよ。確か……ソフトン。あなたはどうしてここに?」ダッダッダッダ

ソフトン「君も奴を追っているのか? 奴ならば連れの居場所を知ってるかと思ってな。しかし何故君もキュゥべえを?」ダッダッダッダ

ほむら「あなたの連れ、佐倉杏子と同じ魔法少女だからよ」ダッダッダダッダ

ソフトン「杏子の名を……! なるほど、相当詳しいようだな」ダッダッダッダ

ほむら「ええ。今はお互いの利害が一致しているわ。何とかして奴を捕らえましょう」

ソフトン「ああ、任せろ」ダッ!!

QB「 !? 」

ほむら「は、速い……何てスピードなの!」

846: 2011/08/05(金) 21:45:22.64 ID:3LZ5iL/00


ソフトン「取ったッ!」バッ

QB「くッ!」シュバッ!

ほむら「惜しい! もう少しだったのに路地裏に……!」

QB「   」タッタッタッタッタッ

ソフトン「身軽な体を生かした逃走方法だな……」

ソフトン「だが……」


  ズゴゴゴゴゴ…


QB「なっ!?」

ほむら「 ! 前方に壁が……!?」

847: 2011/08/05(金) 21:46:29.89 ID:3LZ5iL/00


  ゴゴゴゴゴゴ…



  バビロン真拳奥義<カラクームの密室迷宮>



ソフトン「一本道の路地裏に逃げ込んだのが間違いだったな。壁さえ作ればもうどこにも逃げられない」

ほむら「これで奴は袋小路に追い込まれたという訳ね」

ソフトン「さあ、話を聞かせてもらおうか」

QB「…………」

848: 2011/08/05(金) 21:49:37.85 ID:3LZ5iL/00



  ~町中~


首領パッチ「そして俺はジョンの奴に言ってやったんだ。『HEY、ジョン! そいつは熊じゃなくて君のお袋さんだぜ』ってね!」

ボボ天「「HAHAHAHAHAHA!!!」」ゲラゲラ

マミ「あ、あはははは……?」

まどか「マミさん、無理して笑わなくていいんですよ」

さやか「うるさいよ、あんたら」

首領パッチ「おいおいおい、冗談キツいぜキャサリン~」

さやか「誰がキャサリンよ!!」サヤーン!

849: 2011/08/05(金) 21:51:05.83 ID:3LZ5iL/00


まどか「ここらへんに魔女はいないみたいだね」

マミ「ソウルジェムにも反応は無いわ。これが本来最も良いことなんだけどね」

さやか「あたしとしては、出てきてほしい気持ちとそうじゃない気持ちが半々って感じですね」

さやか「何せ、ぺーぺーの素人なんですから。出来れば弱い魔女とかがいいな~」

まどか「あ……さやかちゃん、アレ!」


落書き使い魔「ブーーン! ブッブブーーン!」ブーン


さやか「 ! あれって……」

マミ「使い魔ね。追いましょう!」


落書き使い魔「ブブーン! ブンブンブーン!!」ブーン

851: 2011/08/05(金) 21:53:05.81 ID:3LZ5iL/00



  ~路地裏~


落書き使い魔「ブンブーン! ブーンブンシャカ!」ブーン

マミ「美樹さん、変身を!」

さやか「はい!」

首領パッチ「おう!」

天の助「合点!」

さやか「あんたらはいいから!」

852: 2011/08/05(金) 21:54:14.21 ID:3LZ5iL/00


マミさやパチ天「「「「変身!」」」」


   ピカーーーッ!


マミ「うふふ」キュピーン!

さやか「さぁ、やっちゃいますよ!」キュピーン!

首領パッチ「世界の半分をお前にやろう」キュピーン!

天の助「さあ、我が腕の中で息絶えるがよい!」キュピーン!


まどか「何故か魔王が紛れてるーーーッ!?」マドーン!

854: 2011/08/05(金) 21:56:01.03 ID:3LZ5iL/00


落書き使い魔「ブーンブーン!!」ブーン

まどか「ああッ! 逃げちゃう!」

マミ「逃がすわけないでしょ」チャキッ

さやか「当たり前!」シャキーン

まどか「うわっ! さやかちゃん、その剣、どこから!?」

さやか「えへへ、マミさんの銃みたいにあたしも出せるようになっちゃいましたー!」

マミ「美樹さん、投擲は出来る?」

さやか「やったことないけど……頑張ってみます!」

まどか「マミさんは銃を使って、さやかちゃんは剣を投げて……! これなら遠くの使い魔もやっつけれるね!」

マミ「その通り。いくわよ、美樹さん」スチャッ

さやか「はい、マミさん!」シャキン!!

855: 2011/08/05(金) 21:56:48.78 ID:3LZ5iL/00

まどか「二人とも頑張って! ……ん?」


落書き使い魔「ブーーン! ブーーン!」ブーン

ミツバチボーボボ「逮捕するー逮捕するーー」ブーン


まどか「何か変なのがいるぅーーーッ!?」マドーン


マミ「SHOOOT!」ドキューン!

さやか「ぇえいッ!」ブン!


まどか「二人とも気にせず攻撃したぁーーーッ!? ワザト?」

856: 2011/08/05(金) 21:58:05.56 ID:3LZ5iL/00


落書き使い魔「ビガッビガッ!?」ビクッ

ミツバチボーボボ「何をする貴様らー!」


ヒューーーーン


まどか「このままじゃ、使い魔もろともボーボボが!」

首領パッチ「ッッしゃあ!」ハイタッチ!

天の助「YES!!」ハイタッチ!

まどか(うわ、心の底から嬉しそう……)


ヒューーーーン!


落書き使い魔「ブゥゥーーーン!!」アタフタ

ミツバチボーボボ「うわわわわっ!」アタフタ



 ガキィーーーン!

857: 2011/08/05(金) 21:59:37.70 ID:3LZ5iL/00


剣<カランカラン


まどか「!」

さやか「!」

マミ「!」


杏子「ちょっとちょっと。何やってんのアンタら。アレ使い魔じゃん」スタッ

858: 2011/08/05(金) 22:00:48.73 ID:3LZ5iL/00


落書き使い魔「ガンバンベー!」ヒューーー!

まどか「使い魔が逃げちゃった……!」

ミツバチボーボボ「ぐふぅ! 俺だけ全部被弾……」ボロロッ

パチ天「「ぎゃっはっはっはっはっ!! ざまぁーみろぉー!!」」ゲラゲラ

859: 2011/08/05(金) 22:02:16.37 ID:3LZ5iL/00


マミ「さ、佐倉さん……」

さやか「な、何よあんた。何やってんのよ!」

杏子「何でキレてんの? 見て分からない? アレは使い魔。魔女じゃないしグリーフシード持ってないわけ」

さやか「何言ってるの! 例えグリーフシードを持ってなくても、使い魔を放っておいたら誰かが殺されるのよ!?」

杏子「だからー、4~5人くらい食って魔女になるのを待てっての。そうすりゃちゃんとグリーフシード孕むんだから」

杏子「卵産む前の鶏シメちゃってどうすんの?」

さやか「な……! 魔女に襲われる人達を、見頃しにするって言うの!?」


ミツバチボーボボs「「「「「「兄弟の敵じゃぁーーーーッ!!」」」」」」ブブブブブーーン!

首領パッチ「ぎゃあああぁッ! 一族総出で復讐に来たぁーーッ!?」

天の助「つーか、何で俺らなんだよ! さやか達が加害者だろうがーー!!」

860: 2011/08/05(金) 22:04:19.21 ID:3LZ5iL/00


杏子(な、何コイツら……。マジに訳分かんねぇ)

杏子「はぁ……、アンタもマミと同じ激甘な考えなわけぇ? なーんか根本的に勘違いしてるよ、アンタ」

杏子「何だったっけ……、そう、食物連鎖だ。弱い生き物が強い生き物に食われる……これが自然の摂理でしょ」

杏子「弱い人間を強い魔女が食って、その強い魔女をメチャ強いアタシらが食う。これが世間一般普通なの」


まどか「マミさん……、この子と知り合いなんですか?」

マミ「ええ。名前は佐倉杏子、古い元友人よ。考えの不一致から疎遠になったけど」

さやか「分かります。こいつの考えは気に入らない」

マミ「私も。でも、隣町に住んでいるこの子が、どうしてここに……」

861: 2011/08/05(金) 22:05:31.24 ID:3LZ5iL/00


杏子「何こそこそ話してんだよ。おい、青いの」

さやか「あ、青!? よりによってその呼び方選ぶ!?」

杏子「うっせぇ、特徴それくらいしかねーじゃん」

杏子「まさかとは思うけど。人助けとか正義の味方気取りとか……、そんなくっさい戯れ言吐くために、アイツと契約したんじゃないよね?」

さやか「 ! だったら、何だって言うの!」バッ!

マミ「待って美樹さん!」ガシッ

さやか「マミさん離して! そいつ殺せない!」ジタバタ

マミ「魔法少女同士で争ってどうするの! ここはじっと堪えるのよ!」

さやか「でも、あいつは許せない! こんなふざけたことを抜かすなんて!」

まどか「ダメだよ、さやかちゃん!」

マミ「美樹さん、抑えて!」

864: 2011/08/05(金) 22:07:11.04 ID:3LZ5iL/00


杏子「いいじゃんか、離してやれよ。アタシもそいつを軽くボコってやりたいわ」つタイヤキ スッ

マミ「佐倉さん。いくらなんでも質が悪いわ。これ以上この子を挑発しないで」キッ

杏子「いやいや、アタシは親切で言ってあげてんだよ。あの使い魔が逃げた先って、診療所や介護施設が多い地区だったけどー?」つタイヤキ モグモグ

まどさやマミ「「「!!」」」


杏子「その新人をここに置いて、さっさと使い魔倒しにいったほうが良くない? アンタの立派な考えなら、『弱い人が食べられちゃう! 助けないと~!』ってなるよね」つタイヤキ モグモグ

マミ「あなた……!」

さやか「………」

865: 2011/08/05(金) 22:08:28.73 ID:3LZ5iL/00


さやか「マミさん、行ってよ。こいつはあたしがギタギタにする」

マミ「なッ!? 嘘でしょ、美樹さん! 佐倉さんは無視して、私と一緒に使い魔を倒しに行きましょう!」

さやか「それは出来ないよ。あたし、どうしてもこいつにさっきのことを訂正させてやりたい」

さやか「マミさんなら遠距離戦も得意だし、すぐに倒して戻ってこれますよね」

さやか「後でいくらでも叱ってくれて構いません。お願いだからこいつはあたしに任せて」

マミ「でも、そんなの……! そんなのって……!」

866: 2011/08/05(金) 22:09:52.10 ID:3LZ5iL/00


ボーボボ「さやかの言うとおりにさせてやれ、マミ」

マミ「ボーボボさん! でもそれじゃ……!」

ボーボボ「男にも女にも、譲れない信念というものがある。さやかはその信念を汚した相手をどうしても許せないんだ」

天の助「俺の信念はレンタルビデオを借りたら二日以内に見終わること」キリッ

首領パッチ「俺の信念は酢豚パインを愚弄するやつに天罰を下すこと」キリッ

まどか「黙っててね」

868: 2011/08/05(金) 22:11:25.04 ID:3LZ5iL/00


マミ「ボーボボさん……。それでも佐倉さんと美樹さんじゃ実力差があまりにも……」

ボーボボ「安心しろ。俺もこの戦いに参戦させてもらう」

マミ「えッ!?」

ボーボボ「さやかと同じように、俺も奴に信念を傷つけられた一人という訳だ」

さやか「ボーボボ……」

首領パッチ「俺達もだ。俺達もボーボボと同じ信念を持っている」

天の助「この信念に泥を塗られちゃ黙ってられねぇな」

さやか「首領パッチ、天の助……」

ボボパチ天「「「…………」」」


ボボパチ天(((あの野郎、タイヤキを頭から食いやがった! 許せねぇ!!)))

まどか「ええぇぇーーーッ!? これが信念!?」マドーン!?


870: 2011/08/05(金) 22:14:20.93 ID:3LZ5iL/00


マミ「………分かったわ。絶対に無理だけはしないでちょうだいね」

さやか「ありがとう、マミさん。そしてごめんなさい……」

マミ「いいのよ、美樹さん」


マミ(思えば私は、あの佐倉さんと別れた時……自分の信念を貫き、伝えることからある意味逃げていたのかもしれないわね……)


マミ「すぐに戻ってくるからね!」シュバッ


871: 2011/08/05(金) 22:15:43.69 ID:3LZ5iL/00


杏子「おうおう、行っちまった。さ、て、と。んでアンタはどうすんの?」

さやか「言うまでもないでしょ。あたしはあんたをぶっ潰す」

杏子「へぇ~、面白い。そこのアフロ野郎達もまとめてかかって来な。青いのだけじゃ弱すぎて退屈しちゃうもん」

さやか「黙れ……!」チャキッ

ボーボボ「安い挑発だ、いちいち相手をする必要は無い」

首領パッチ「やってやろうじゃん」パキポキ

天の助「お手並み拝見ですね」メガネクイッ

まどか「み、みんな……」


まどか(これは本当に正しいことなの? 魔法少女同士で争うなんて……)

まどか(でもこれに疑問を感じているのは私だけ? みんなは魔法少女だったり強い力を持っていたりするから普通なの?)

まどか(それとも、信念ってものを私が持っていないから?)

まどか(みんな………)


杏子「さ! かかってきなよ!」ダッ!

さやボボパチ天「「「「うおおおぉぉーーーーッ!!」ダッ



ドゴオオオオォォォン!!

872: 2011/08/05(金) 22:17:14.24 ID:3LZ5iL/00



  ~町中~


ソフトン「さぁ、話してもらおうか。杏子はどこにいるのか。そして貴様は何を考えているのか」

ほむら「あなたに黙秘権なんかないわよ」

QB「…………」


QB「………」ニヤリ

ソフほむ「「!!」」

873: 2011/08/05(金) 22:18:30.33 ID:3LZ5iL/00


ほむら「フザケないで! 何がおかしいの!?」

QB「何がおかしいだって? 君たちがまんまと僕の策にハマってくれて、あまりにも滑稽でね」

ソフトン「何だと?」

QB「君たちは僕の肉球の上で踊っていたに過ぎないのさ。全ては鹿目まどかから君たちを遠ざける為の策」

ほむら「なっ!? まどかですって!?」

QB「そうさ。今頃、佐倉杏子と美樹さやかが交戦しているだろう。親友が戦っていて窮地に陥る……、かなり契約しやすい環境だ」

ソフトン「杏子が……!?」

QB「その場に君たちがいるとどうしても邪魔なんだよね。だからこの町外れの場所に誘導させてもらった」

874: 2011/08/05(金) 22:19:48.56 ID:3LZ5iL/00

ソフトン「しかし、貴様もここにいて、どうやってその子と契約すると言うんだ?」

QB「簡単なことさ」スッ


 つ小型ナイフ キラン


ほむら(ナイフ!? こいつそんなものをどこに隠して……、いや、それよりも)

ほむら「そのナイフで何を………まさか!?」

876: 2011/08/05(金) 22:21:30.68 ID:3LZ5iL/00

QB「おやおや、気づいたのかい暁美ほむら。君は僕の事をどこまで知っているんだい? まったく末恐ろしいよ」つ小型ナイフ

ソフトン「何を言っている! 何をするつもりだ!?」

QB「すぐにでも分かるさ。それじゃあ、ほむら。次の僕によろしくね」つ小型ナイフ ヒュンッ!


ブスッ!


QB「」ガクッ

878: 2011/08/05(金) 22:22:29.59 ID:3LZ5iL/00


ソフトン「自らを……。自殺だと?」

ほむら「違うわ! 計られてしまった!」

ソフトン「どういうことだ?」

ほむら「奴は命を無限に持っている! 氏ねば記憶を共有した新しい個体が現れるの!」

ほむら「おそらく奴は今頃、まどかや佐倉杏子の近くに転生しているはず……!」

ソフトン「な、何と言うことだ……!」

879: 2011/08/05(金) 22:24:07.80 ID:3LZ5iL/00

ソフトン「すぐに向かわなければ! しかし、場所が……」

ほむら「居場所なら少し心当たりがあるわ」

ソフトン「本当か!」

ほむら「ええ。でも、必ずそこにいるという確証は無いわ」

ほむら(今までのループの統計が必ず当たるとは限らない。もしかすると前回とは全く別の場所で戦っているかもしれない)

ソフトン「例え確率が低くとも、君を信じよう」

ほむら「それじゃあ、すぐに向かいましょう。ここからかなりの距離よ」

ソフトン「よし、足を用意しよう」

880: 2011/08/05(金) 22:24:42.73 ID:3LZ5iL/00


ソフトン「失われし太古の聖馬車……」

ソフトン「バビロン35号!!」


 ボワン!

<バビロン35号>ジャーーーン!


ほむら「ロクな車じゃねぇーーーッ!?」

ほむら(でも、『ぬ』とか書いてる車よりはマシね)

881: 2011/08/05(金) 22:25:46.30 ID:3LZ5iL/00



  ~路地裏~


天の助「ウンコに負けたぁーーーッ!! ショック!」

まどか「わ!? どうしたの、天の助くん!?」

天の助「いや、何か急に叫びたくなって……」

首領パッチ「フザケてる場合じゃねーぞ。あの野郎、中々の実力者だ!」

まどか「そ、そうなの……?」

首領パッチ「ああ、俺達4人をまとめて相手してるってのに、全ての攻撃を捌いてやがる」


杏子「ほらほら、どうしたんだよ! さっきの威勢はどこいった?」ズガン!ガキン!

さやか「くぅ……!(強い! 防御しか出来ないなんて!)」キン!カキン!

882: 2011/08/05(金) 22:27:14.88 ID:3LZ5iL/00

ボーボボ「さやか! 鼻毛真拳奥義<ノルウェーのタモリ>!!」


鼻毛<ヒュンヒュンヒュン!!


杏子「おおっと! おもしれぇ技を使うじゃん!」キン!キン!

杏子「でもね、アタシの獲物もそれくらい出来るよ!」


槍<ジャラララッ!


ボーボボ「何ッ!?」

まどか「や、槍が蛇みたいに曲がった!?」


杏子「おりゃあッ!」ブン!


ドゴォォン!!


ボーボボ「ぐおッ!?」ズサー!

まどか「ぼ、ボーボボ!!」

883: 2011/08/05(金) 22:28:33.67 ID:3LZ5iL/00


杏子「おっと。何だまだいたのか、ちんちくりん。部外者は危ないから下がっててよ」

まどか「え……」

杏子「ほいっと」シュン


柵<キュオーーーン!

まどか「な、何コレ……!」


さやか「あんた! まどかに何するつもり!?」

杏子「べっつに~。こいつには関係が無いからね。怪我でもしてもらったら気が悪いから隔離しただけ。むしろ感謝して欲しいんだけど?」

さやか「うるさい!」シュバッ!

キィン!

杏子「マジで弱っちいな。張り合いがねぇ」グググ

さやか「う……!(奴は片手なのに、何て力!? 押し負ける……!)」ググググ…

884: 2011/08/05(金) 22:29:46.33 ID:3LZ5iL/00


首領パッチ「おい、さやかが危ねぇぞ!」

天の助「おっしゃあ、助太刀するぜ!」ダッ!

首領パッチ「おう!」ダッ!


パチ天「うおおおぉぉぉ!!」ダッダッダッダ

杏子「ふん。何をするつもr」

首領パッチ「記念写真撮ッテクダサーイ!!」つカメラ バキィッ!

杏子「ガッハァ!?」メキャァ!

まどか「カメラで殴ったぁーーーッ!?」マドーン!?

885: 2011/08/05(金) 22:31:57.02 ID:3LZ5iL/00


天の助「僕達、アメリカカラ来マシータ! ニッポン大好キデース!」ポカポカ!

杏子「くっ!! 止めろッ!」ガード!

首領パッチ「写真撮ッテクダサーイ! 後、金閣寺ッテドコデスカー!?」ポカポカ!

杏子「止めろぉぉッ!!」ガード!

天の助「サムライ超クールデース! 忍者モ格好イイデース!!」ポコポコ!

杏子「………」ワナワナ

首領パッチ「寿司ベリーデリシャスデース! 好キナデッキハ、トゥーンデッキデース!」ポコポコ!

杏子「止めろ………」ピキピキ


杏子「つってんだろうーーーーッ!!!」ブン!

ゴシャアアァッ!

パチ天「「ぎゃあああぁぁッ!?」」ズサーー


<津 典太郎 (つ てんだろう)>
 1922~1998
日本の数学者。相対性理論と食い込みパンツの関係性の研究で有名。
日本で初めてオイラーの最終定理を理解した振りをしたことでも知られる。


杏子「失せろぉーーーッ!!」ズガン!

津 典太郎「ぎゃああぁぁぁッ!?」グシャッ!

886: 2011/08/05(金) 22:34:08.29 ID:3LZ5iL/00


杏子「はぁ…はぁ…、あーうっぜぇ! ふざけた技使ってんじゃねぇぞ!」

ボーボボ「それはどうかな?」

杏子( !? さ、さっき吹っ飛ばしたはずなのに、いつの間に真後ろに!?)

さやか「ボーボボ! やっぱりスゴい!」

首領パッチ「背後を取るとはやるな!」

天の助「よしっ! 残虐奥義をかましたれぇーーッ!」

まどか「ざ、残虐奥義!?」

887: 2011/08/05(金) 22:35:20.35 ID:3LZ5iL/00


杏子「何をするつもり……!(う、動けない!? こいつ、いつの間にか鼻毛で拘束を!!)」グググ

ボーボボ「皆の期待を一心に受けた残虐奥義……食らいやがれ」

鼻毛<シュルシュルシュル

杏子(こ、腰が後ろに曲がっていく……!? まさかこいつ、背骨を折るつもりか!?)

杏子「や、止めろぉぉーーーッ!?」グギギギギ…

ボーボボ「その名の通り悪逆非道の禁じ手。鼻毛真拳残虐奥義……」

杏子「うおおおぉぉッ!?」ググググ…




ボーボボ「無理矢理イナバウアー♪」クネッ

杏子「   」キュピーン!


バーーーーン!!



まどか「」

さやか「」

888: 2011/08/05(金) 22:36:42.76 ID:3LZ5iL/00



まどさや((ざ……残虐?))

さやか「ね、ねぇ天の助、あれってホントに効果があ……」

パチ天「「」」ガタガタガタガタ!

さやか「めちゃくちゃ怖がってる!? いや、でもあれってただイナバウアーしてるだけじゃん! 全然残虐じゃないじゃん!」

杏子「ぐ……ゴハァッ!!!!」ドボドボドボドボッ!!

さやか「めっちゃ血吐いたぁーーーッ!? やっぱり残虐だった!?」サヤーン!

まどか「というより、アレが大ダメージ!?」マドーン!?


杏子「ぐおおぉぉッ! 離せぇッ!!」ブチブチィ!

ボーボボ「 ! 鼻毛の拘束を引きちぎるとは……!」

杏子「ふん!」ブン!

ボーボボ「ぐわぁッ!?」ドゴーン!

まどか「ボーボボ!」

杏子「中々やるじゃんか! さあ、もっと来いよ!」

889: 2011/08/05(金) 22:38:25.52 ID:3LZ5iL/00



さやか「そんな! あいつ、あんな攻撃を受けてもまだピンピンしてる!」

天の助「ああ、かなりの耐久力だ」

首領パッチ「攻撃力も規格外だぞ。あの野郎、松竹梅で例えるならばコスモスくらいのランクだな……!」

さやか「松竹梅で例えろよ」


天の助「こうなったら力技で押し切る! さやか!首領パッチ! 三人の力を合わせてトリプルアタックだ!」

首領パッチ「そうだな、俺たちは竹馬の友。誰よりも心が通じあった仲だ」

さやか「なるほど、親友同士ならば息も合うし、強力な攻撃を繰り出せるというわけね!」

天の助「よし、行くぞ! えいえい……」

さやか「おーッ!!」
天の助「ところってーん!!」
首領パッチ「ハジケ完了ォーッ!!」

まどか「うわ、見事にバラバラ……」


さやパチ天「「「うおおおぉぉぉぉッ!!」」」ダッダッダッダ!

杏子「へっ。雑魚がどれだけ合わさっても無駄無駄」スチャッ

890: 2011/08/05(金) 22:39:56.91 ID:3LZ5iL/00



ボーボボ「待つんだ、お前らッ!!」ドン!




杏子「!」

さやか「!」

首領パッチ「!」

天の助「!」

まどか「!」



 『ウミウシカフェ HANAGE』


ウミウシA「  」ウネウネ

ウミウシB「  」ウネウネ

ウミウシC「  」ウネウネ

ボーボボ「都会のオアシス……ウミウシカフェだ」

892: 2011/08/05(金) 22:41:33.59 ID:3LZ5iL/00


全員「「「「………」」」」


ボーボボ「さあ、和んでけ」

ウミウシA「  」ウネウネ

ウミウシB「  」ウネウネ


パチ天「「超可愛いーーーーッ!!」」キラキラ

まどか「嘘ぉーーーッ!?」マドーン!?

さやか「ナマコみたいのしか居ないじゃん!」サヤーン!


首領パッチ「この子、マジ可愛いー!」

ウミウシA「  」ウネウネ

天の助「癒されるわーー!」

ウミウシB「  」ウネウネ

ボーボボ「西日本への展開も構想しています」


杏子「ふん!」ブン!


ガシャーーーン!


パチ天「「ぐばぁッ!!」」ズサー

ボーボボ「店がぁ! まだローン残ってるのに!!」ガーン

893: 2011/08/05(金) 22:43:12.64 ID:3LZ5iL/00

杏子「フザケてんじゃねーぞ、コラ」イライラ

ボーボボ「とんでもないことをしてくれたな……。ウミウ神様の逆鱗にふれたぞ……」

杏子「は? どーいう意味?」

まどか「う、ウミウ神様?」

天の助「ウミウシの中の神様のことさ。万物の創造主だ……。まさか、ボーボボの奴、ウミウ神様を呼び寄せるつもりか……!?」

ボーボボ「御降臨なさってください、ウミウ神様!!」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ


ウミウ神「あいよー」ヒョイッ


まどか「めっちゃ軽いノリで出てきたぁーーーッ!?」

さやか「うわ、ドデカいウミウシ……、グロっ」

894: 2011/08/05(金) 22:45:08.87 ID:3LZ5iL/00

首領パッチ「お、恐ろしい……。ウミウ神様の怒りが炸裂するぞ……」


ウミウ神様「マジ許せんわー」


 <ウミウ神の九十九神罰 第六章十三節『我罪ニ罰ヲ欲スル者ナリ』>


ドドドドドオオオォォォォォン!!!


杏子「ぐおおおぉぉッ!?」ドゴーン! ズゴーン!

まどさや「「ドすごい技出したぁーーーッ!?」」ガビーン!

895: 2011/08/05(金) 22:47:12.43 ID:3LZ5iL/00


ボーボボ「感謝します、ウミウ神様」

ウミウ神様「どういたしまー」スゥー…


しゅ~~~~


まどか「煙で何も見えないよ……」

さやか「あいつはどこに?」

天の助「ウミウ神様の怒りを買ったんだ。跡形も残ってはいないさ」

さやか「ならいいんだけどね……」

896: 2011/08/05(金) 22:49:31.73 ID:3LZ5iL/00


しゅ~~~~


キラン


さやか「 ! 」

杏子「甘いぜ?」


ブンッ!!


ドグシャァッ!!


さやか「きゃああぁぁッッ!?」ドゴーーン!

まどか「さ、さやかちゃん!?」

ボーボボ「何ィ!?」

首領パッチ「あの攻撃を受けてまだ……」

天の助「さやかぁッ!?」


杏子「確かに今のは効いたけど、防ぎきれないってほどじゃないよ」

杏子「それにしてもそこの新人、ほんっと甘ちゃんだね。敵の氏体見てから武器下ろせっての」

897: 2011/08/05(金) 22:50:19.11 ID:3LZ5iL/00


さやか「」


まどか「さやかちゃん! さやかちゃん!!」

柵<ギシギシッ!

杏子「無駄だって。そいつは魔法少女でもないお子ちゃまの力じゃ壊せないよ」

杏子「さて、新人は再起不能。内臓グチャグチャになってるだろうから、ほっといたら氏ぬかもね」

杏子「次はお前らの番だよ。一瞬で終わらしてやるよ」スチャッ

ボーボボ「……」

首領パッチ「てめぇ……!」

天の助「よくもさやかを……!」

杏子「ふふん!」スッ…


杏子「………」

杏子「っかしーな……」

杏子「全治三週間ってくらいには痛めつけたのに……」

まどか「え……」

898: 2011/08/05(金) 22:51:33.31 ID:3LZ5iL/00


さやか「く……うぅ……」ヨロヨロ


まどか「さやかちゃん!」

パチ天「「さやかッ!」」


杏子「そういや、あんた他人の怪我治すために契約したんだって? なるほど、願いが癒しならしぶといサンドバッグが出来上がるわけだ」

さやか「黙れぇッ!!」

杏子「おうおう、腕の骨折も治ってんじゃん、すげーなその回復力。アタシにもちょっぴり分けてくれよ」

さやか「ああああぁぁぁッ!!」ダッダッダ!

899: 2011/08/05(金) 22:52:38.30 ID:3LZ5iL/00


カキィィン!


杏子「真っ直ぐ突っ込むとか芸がねぇな。イノシシかよ」ググググ

さやか「黙れ黙れ黙れぇッ! あんたは絶対に許さないッ!」グググ

杏子「うぜぇ。超うぜぇ」グググッ

杏子「そもそも先輩に対する口の効き方がなってないよね。ぶっ飛ばしちゃうよ?」

さやか「誰があんたなんかにィッ!!」

杏子「ふん。眠ってろ、トーシロが」


バキィッッ!!


さやか「ぐぅ、あああッッ!?」ズサーー

まどか「さやかちゃん!!」

900: 2011/08/05(金) 22:54:56.75 ID:3LZ5iL/00


杏子「口で言ってもわからねぇ、殴ってもわからねぇバカとなりゃあ……、後は頃しちゃうしかないよねぇッ!?」ヒュン


ボーボボ「マズい! さやかは今無防備だ!」

首領パッチ「俺たちが壁となって守るしかねぇ!」

天の助「他でもないさやかの為だ! 行くぞッ!」

まどか「みんな……!」



   協力奥義<鉄壁の要塞 ~友を守る最強の壁~>

『ダンボール』『ダンボール』『ダンボール』『ダンボール』『ダンボール』『ダンボール』


ボボパチ「「さあ、来い!!」」

まどか「守るつもり微塵も無ぇーーーーーッ!?」マドーン!?


天の助「ふざけんなよ、お前ら! それでも仲間かよ!!」

まどか「て、天の助くん……!」


天の助「さあ来やがれ、俺が壁になってやる! どんな攻撃も防いだらぁーーッ!!」

バーーーーン!


まどか(まだ、ダンボールの方が効果ありそうな気がする……)


901: 2011/08/05(金) 22:56:24.50 ID:3LZ5iL/00


杏子「退いてなッ!」ブン!

ドゴォーーン!

天の助「ぎゃあああぁぁぁッ!?」

『ダンボール』『ダンボール』<グシャァッ


ボーボボ「な、何ィッ!? 天の助も加わった鉄壁の防御が!?」ガーン

首領パッチ「こんなことって……!?」ガーン

まどか「大丈夫。誰も期待してないから」


さやか「う、ううぅ……」ヨロヨロ

杏子「おねんねの時間だ、新人ッ!」シュバッ!

まどか「さやかちゃーーーん!!」

902: 2011/08/05(金) 22:59:03.49 ID:3LZ5iL/00



ギィーーーン!


まどか「あぁッ!」

さやか「はぁ…はぁ……!」グググッ

杏子「なッ!?」グググ

杏子(アタシの攻撃を受け止めただと!? バカな、こんな奴に見切られるハズが無ぇ!)

さやか「負けない……! あんたなんかに負けるもんかぁーーッ!」

ガキィンッ!

杏子「うわッ!?」ズサー!

903: 2011/08/05(金) 23:02:44.02 ID:3LZ5iL/00

杏子「へへっ! おもしれぇじゃんか!」


キィン! ガキィン! キィン!


まどか(こんなことって! やっぱり良くないよ!)


天の助「ところて連打!」プルンプルン!

さやか「はあぁぁーーッ!!」キン!キィン!

首領パッチ「ハジケハジケハジケーーーッ!!」ドガガッ!

ボーボボ「アチョーッ!!」ヒュンヒュン!

杏子「せいッ! おらぁッ!!」ガキン!キィン!


まどか「みんな止めて! こんなのおかしいよ! 魔女でもないのに味方同士で戦うなんて!」

まどか「みんな、話を聞いてよ!」


ガキン! キン! ドゴォーン!


まどか(みんな聞こえてないみたい……。この柵さえ無ければ……)

まどか「どうすれば……」

904: 2011/08/05(金) 23:06:15.84 ID:3LZ5iL/00



QB「今の君ではどうしようもないね」



まどか「 ! き、キュゥべえ!?」

ボーボボ「何ッ!?」

さやか「あいつ……!」

首領パッチ「何だと!?」

天の助「あ、あの野郎……!」


まどか「キュゥべえ、あなたがどうしてここに!?」

QB「僕がどこにいようが僕の勝手さ。それよりも今は美樹さやかの心配をしたほうがいいんじゃないかい?」

QB「杏子との実力差は大きすぎる。杏子はさやかを中心に攻撃しているだろう。いくらボーボボ達が助太刀してもあれでは長く保たない」

まどか「う……」


さやか「キュゥべえ! まどかとの契約は……!」

杏子「どこ見てんだ! まだ終わっちゃいねぇ!」

ガキィン!

さやか「くぅ……!」グググ

906: 2011/08/05(金) 23:09:14.29 ID:3LZ5iL/00


ボーボボ「糞っ! 奴に契約をさせるなッ!」

首領パッチ「だが、どうする!? この柵はちょっとやそっとじゃ壊れやしないぞ!」

ボーボボ「安心しろ、コイツに行かせる」ガシッ

天の助「え?」ガシィッ

ボーボボ「めんそぉーーれぇーッ!!!」ブン!!

ヒューーーーー!

天の助「ぎょへええぇぇ!? 俺ですかーーー!?」


柵<ガンッ!

天の助「ぶへぇッ!?」


柵<にゅる~~ん

天の助A「」ニュル~ン

天の助B「」ニュル~ン

天の助C「」ニュル~ン

天の助D「」ニュル~ン

まどか「きゃあぁぁッ!? 分裂しながら柵の隙間を通過してきたぁ!?」マドーン!

907: 2011/08/05(金) 23:12:10.45 ID:3LZ5iL/00

首領パッチ「よしッ! 向こう側に行けた! 天の助、キュゥべえの野郎をぶっ飛ばせ!」


天の助A「あ、合体するのに3分くらいかかるんだけど」プルン

天の助B「少し待ってね」プルルン

天の助C「大兄弟~♪」プルルン


全員(((((うわぁ~……、コイツ使えねぇ……)))))


QB「さあ、バカは放っといて。まどか、今の君ではどうしようもないよ」

QB「彼女や彼らには譲れないモノがあるのだろう。口で言っても無理ということは身にしみたんじゃないかい?」

まどか「………」

QB「でもどうしても止めたいというのなら、方法が無いという訳じゃない」

まどか「え……」

QB「この戦いに割り込むには、同じ魔法少女でなければダメだ」

QB「君にはその資格がある。君がそれを望むのならね」

まどか「契約をしろってこと……?」

QB「そうさ。君のたった一言が親友を救うことが出来る」

まどか「さやかちゃんを……」

908: 2011/08/05(金) 23:15:33.38 ID:3LZ5iL/00


さやか「ダメだよ、まどかッ!!」

杏子「よそ見すんじゃねぇ!」

ガキィン!

さやか「うわああぁッ!?」ドゴォッ!


まどか「さやかちゃん………」

まどか「………」

天の助D「天の助が集まって、キング天の助になった~~♪」プルルン

909: 2011/08/05(金) 23:18:56.36 ID:3LZ5iL/00


杏子「おらぁぁぁッ!!」ダッ

ブン!

さやか「うおおぉぉッ!!」ダッ


ボーボボ「なんてパワーだ! あれではどちらかが大怪我を負うぞ!」ビリビリ

首領パッチ「な、何だって!?」ビリビリ


まどか「私が契約すれば……」

まどか「キュゥべえ……私……!」

910: 2011/08/05(金) 23:22:11.28 ID:3LZ5iL/00





        「それには及ばない」




  バビロン真拳奥義<タキシラの継承者>!!



ガキイイィィィン!!


912: 2011/08/05(金) 23:27:52.87 ID:3LZ5iL/00


杏子「なっ!?」

さやか「え……!?」


柵<サラサラ……


まどか「柵が……」


ボーボボ「お前は……!」

首領パッチ「まさか……!?」

天の助「てめぇもここに……!」

QB「………」

???「………」シュゥゥゥ…

913: 2011/08/05(金) 23:32:42.40 ID:3LZ5iL/00


まどか(嘘!? あの人、さやかちゃん達の攻撃を片手で……!!)

さやか「だ、誰……?」

杏子「お前、どうやって嗅ぎ付けやがった!!」


杏子「ソフトn『ボボ天パチ「「「Mr.ウンコッティー!!!」」」』


ソフトン「………」

ドドーーーン!!



ほむら「私の出番……」

マミ「帰ってきてみたら、何この状況……」

まどか「あ、ほむらちゃんにマミさん」



第五話 「紅海なんて、あるわけない」 完


914: 2011/08/05(金) 23:36:44.99 ID:3LZ5iL/00
これにて第5話終了です
ギャグもシリアスも難しいですね
両方を尊重することがこんなに困難とは
次回も書き上がり次第の投下になると思います

それでは

915: 2011/08/05(金) 23:39:24.90 ID:vGpFlHC0o

引用: QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」