312: 2011/10/09(日) 20:31:46.21 ID:2KFT97JM0



前回までのあらすじ
QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」首領パッチ「ヒロインになれるのね!」第六話

スマート諸葛亮「やあ! 諸葛孔明ことスマート諸葛亮だよ!」

スマート諸葛亮「じゃ、前回までの『手のひら三国志』、あらすじを始めるよ!」

スマート諸葛亮「曹操軍のまさかの水攻めには驚かされたけれど、流石私の策は大陸一! 綿密に練られているから最小限の被害ですんだね」

スマート諸葛亮「しかし、こんな方法で起氏回生を図るなんて、敵軍も中々頭がキレるようだ」

スマート諸葛亮「優秀な軍師がいるのかな? でも曹操軍にそんな奴いたっけ? まあ、記憶に無いから大した奴ではないだろうけど」

スマート諸葛亮「それでは、『手のひら三国志』第24話 <無双みたいな鎧が欲しい>。始まるよっ!」



マミ「だ、誰ですか、あなた……」

さやか「全然違う話のあらすじになってるじゃん……」


  第七話 「本道 清志 と向き合えますか?」



真説ボボボーボ・ボーボボ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)


313: 2011/10/09(日) 20:34:18.63 ID:2KFT97JM0



QB「どうして僕がそんなこと言われなければならないんだい。まったく訳が分からないよ」

QB「聞かれなかったから答えなかっただけなのに。気づかずに一生を終える子だっているんだよ?」

QB「それにしても人間は魂の居場所だとか言うものを、妙に大切にしているよね。脳も心臓もタンパク質の集まりだというのに」

QB「そもそも人間の身体は弱くて脆過ぎるんだよ。槍の一本でも刺されば一歩も動けなくなってしまうほど、神経と肉体がリンクしている」

QB「実に不合理だ。君たちは僕のお陰で強大な魔女と互角に戦えているというのに……」

QB「感謝こそあれ、恨まれる筋合いなんて無いよ」

QB「むしろ喜ぶべきさ。君たちは貧弱な人間とは根本的に違う存在になれた、とね。理論上は不老不氏と同義でもある」

QB「君たちは魔法少女になるとともに、願いとは別にそういう幸運なオプションが付いてきてると思えばいい。だから……」

QB「だから……」

314: 2011/10/09(日) 20:35:07.70 ID:2KFT97JM0



    大砲 <「だからさ……」




QB「だから落ち着いて話し合おうじゃないか。こんなことをしたところで何の意味も……」

ボーボボ「点火」つ マッチ シュボッ


  ドオオォォーーーーンッ!!


QB「きゅっぷいぃーーーーーーーー!?」ドゴォーーン!!

首領パッチ「まあ、綺麗な花火」

天の助「君の方が美しいよ」

首領パッチ「お上手なのね」


316: 2011/10/09(日) 20:36:17.42 ID:2KFT97JM0


さやか「……」フラフラ

まどか「さやかちゃん……」

さやか「……」

さやか「ごめんね、まどか……今は一人にさせて。先に帰るね……」フラフラ…

まどか「あ……さやか…ちゃん…」


杏子「アタシもだ。アタシも抜けさせてもらうよ……」スッ

ソフトン「……」

杏子「へぇ。今度は止めないんだ?」

ソフトン「……」

杏子「…………あばよ」


  シュン!


まどか「そんな……、こんなことって……」

マミ「落ち着いて鹿目さん。美樹さんも佐倉さんも強い子よ。きっと乗り越えれるはず……」

まどか「マミさん……、あっ」

317: 2011/10/09(日) 20:37:36.77 ID:2KFT97JM0

マミ「…………っ」カタカタ

まどか(震えてる……。マミさんもやっぱり不安なんだ……)


ほむら「……」

ほむら(これは仕方のないこと。いつかは皆が知らなければならなかったこと……)



 ~~~~~~~~~~~~
       O
      0
     。
首領パッチ「…………」ホワンホワン

まどか「首領パッチ君、黙っちゃってどうしたの……?」

首領パッチ「あらすじがロクに機能してなかったから、昨日のあの後の出来事を簡単に思い出していたんだ」

まどか「だったら、ちゃんとあらすじしようよ……」

天の助「ちなみに、今は翌日でここは学校ですぜ!」

ほむら「誰に言っているのよ」


318: 2011/10/09(日) 20:38:47.50 ID:2KFT97JM0


魚雷ガール「はーい! 着席しなさーい、調きょ…授業の時間よ」

首領パッチ「せんせー! 美樹さんがお休みでーす!」ハイッ

魚雷ガール「職員室にも連絡が来てるわ。でも、元気の有り余るあの子が休むなんて、何だか心配ね」


    さやか席 < ガラーン…


まどか(さやかちゃん……)

仁美「どうしたのかしら、さやかさん……」

ほむら「……」


魚雷ガール「まあ、いいわ。授業を始めるとしますか……」

魚雷ガール「っと! ハイ、中沢君! 目玉焼きには黒色火薬派? それとも下瀬火薬派!?」ビシィッ!

中沢「え、ええっ!? 不意打ち!? ていうか、目玉焼きに火薬って……」

魚雷ガール「早く答えなさい。5…4…3…2…」ギロン

中沢「ヒィッ!?(冷血動物の目だ!)」ビクッ


中沢「え、え~と……。その、どっちでもいいと……思います……」


319: 2011/10/09(日) 20:39:32.77 ID:2KFT97JM0


魚雷ガール「この草食系弱小男子がぁーーーーー!!」ドゴォォン!

中沢「ぎゃあああああああぁぁぁ!!??」ゴシャーーン!

魚雷ガール「女の子は! リードしてくれる男が好きなの! どっちでもいいなんて、軟弱よ! 軟弱!」プンプン!

中沢「」ピクピク

魚雷ガール「……でも」

魚雷ガール「でも、そういう守ってあげたくなる男の子も……キライじゃないぞ☆」ウィンクパチン


  全員((((((うぜぇ……))))))



魚雷ガール「ちなみに私は何もかけない派」


320: 2011/10/09(日) 20:40:51.21 ID:2KFT97JM0



  ~昼休み 屋上~


まどか「ほむらちゃんはさ……知ってたの? ソウルジェムのこと」

ほむら「ええ」

マミ「暁美さんが、いつか私たちに話す魔法少女の真実っていうのは、コレだったのね……」

ほむら「そうよ」

ほむら(巴マミ……、思ったより強いのね。美樹さやかと同じで休むかと思っていたけど)


まどか「どうして……」

まどか「どうして、言ってくれなかったの? あらかじめ知っていれば、みんなあんなことに……」

ほむら「……」

マミ「鹿目さん。暁美さんを責めるのは筋違いよ」

まどか「マミさん……。でも、でも……!」

マミ「ほとんどの魔法少女は……、例え魂がソウルジェムに変えられると知っていたとしても、結局は契約をしていたと思うの」

マミ「私なんかは特にね」

321: 2011/10/09(日) 20:42:11.16 ID:2KFT97JM0

ほむら「……」

まどか「……」

マミ「でも、怒っていないわけじゃないわ。私の時は別として、忠告も無く契約を結ぼうとするキュゥべえに、大きな憤りを感じているわ」

マミ「そして、自分自身にも……」ギリッ

まどか「マミさん……」


ほむら「まどか。私の認識も甘かったわ」

ほむら「この事は慎重に明かすつもりだったの」

ほむら「前もって話しても信じてくれないことがほとんどだし、仮に信じてくれたとしても大きな凝りを残してしまうことになる」

ほむら「私たちが皆、心で信じ合う仲になってから話すつもりだったけれど……、考えてみれば相手を信じていないのは私の方だったわ」

ほむら「特に美樹さやか。彼女には、完全に嫌われてでも言い聞かせるべきだった」


322: 2011/10/09(日) 20:43:12.94 ID:2KFT97JM0


まどか「さやかちゃん達はもう、元の暮らしには戻れないの……?」

ほむら「魔法少女から人間に戻ったなんて話は聞いたことがないわ」

まどか「そんな……、酷いよ、酷すぎるよ……」

まどか「さやかちゃんはただ……好きな子の怪我を治そうと……」ポタポタ

まどか「マミさんだって、今までみんなを守ってきたのに……」

マミ「鹿目さん……」ギュッ

まどか「マミさぁん……」グスグス

マミ「泣かないで、鹿目さん……ひっく」ポタポタ

まどか「うぅ……」ポタポタ

ほむら「まどか……。許してとは言わないわ」

ほむら「ただ理解して欲しい」

323: 2011/10/09(日) 20:44:07.75 ID:2KFT97JM0


  ドア < ガチャッ


天の助「おーい、パン買ってきてやったぜ」

首領パッチ「俺らにパシらせるとはいい度胸……って、何で泣いてんだお前ら?」

ほむら(シリアスな雰囲気の時、こいつらには席を外してもらうのが一番ね……)

ほむら「色々あったのよ。まどかも巴マミもすぐに泣き止むと思うわ」

ほむら「ヤキソバパン……ありがと。200円だったわよね?」サイフゴソゴソ

天の助「いやいやいやいや」ブンブン

ほむら「何よ? まさかパシリ料を払えだとか……」

首領パッチ「いや、ほむらよぉ…」



首領パッチ「オメーも泣いてんぞ?」

324: 2011/10/09(日) 20:44:56.19 ID:2KFT97JM0


ほむら「………え?」ツーー

ほむら「そんな……え、私が……?」ゴシゴシ

首領パッチ「どうやらマジに気づいてなかったみてーだな」

天の助「なんだほむら。お前冷たい奴だったと思ってたら案外優しいじゃん」

ほむら「…………」ツーー

ほむら(…………私もまだ、人間だったのかしら)


325: 2011/10/09(日) 20:46:00.76 ID:2KFT97JM0



  ~放課後 教室~


     キリーツ キョーツケー レーイ サヨウナラー


仁美「皆さん、ごめんなさい。今日は急ぎの用がありますから、お先に失礼させていただきますわ」

まどか「ううん、いいよ仁美ちゃん」

首領パッチ「またお稽古か?」

仁美「ええ、今日はフィーエルヤッペンですの」

まどか「ふぃ、フィーエ……?」

ほむら「フィーエルヤッペン。棒高跳びの要領で運河を飛び越えるマイナースポーツよ」

仁美「あら、お詳しいのですわね。それでは皆さん、ごきげんよう」スタスタ

首領パッチ「またな」

天の助「しかし、彼女の背中はどこか影を帯びていた……」

まどか「ばいばい」

326: 2011/10/09(日) 20:48:29.72 ID:2KFT97JM0


魚雷ガール「あら、あなた達。ちょうどいい所にいたわね」

まどか「あ、魚雷先生。どうしたんですか」

魚雷ガール「今から休んでいるあの子に、宿題や学校の連絡プリントとかを届けに行くのよ。付いてきてくれるかしら」

まどか「さやかちゃんに……? はい! もちろんです!」

天の助「俺達も行こうと思ってたんですよ! いやぁ、流石先生!」

ほむら「私も同行させてもらうわ」

首領パッチ「じゃあ、さっそく美樹家へ……」



パチ天魚雷「「「レッツゴー!!」」」ピョーーン!

まどか「テレビ番組とかで場面転換の時に行われるジャンプだーーー!?」

ほむら「ジャンプしたらタレントが消えて、次の瞬間目的地にワープしているあのジャンプね!」

パチ天魚雷「「「……」」」シュタッ…

スタッフ「はい、OKでーす」

まどか「誰ッ!?」

327: 2011/10/09(日) 20:51:01.91 ID:2KFT97JM0



  ~さやルーム~


さや母「さやか、お昼ご飯くらい食べたら……」

さやか「いらない」

さや母「そ、そう? 部屋の前に置いておくから、お腹が空いたら食べてね」コトッ

 スタスタスタ…


さやか「………はぁ」

さやか(これが……、このちっぽけな宝石があたしの魂……)

さやか(そして、あたしはゾンビ……。こんな体で、どんな顔して恭介に会えばいいんだろう……)

さやか(でも……)

さやか(これはもしかすると自業自得?)

さやか(思い返すと、転校生は必氏にあたし達の契約を止めようとしていた……。それはこんな裏があったから?)

さやか(それなのに、あたしは転校生を悪者扱いしたり……)

さやか(あたしってバカだなぁ……)

328: 2011/10/09(日) 20:51:47.20 ID:2KFT97JM0


  <いつまでメソメソしてんだよ、ボンクラ>キーン


さやか「!!」

さやか(この声……!)ガバッ

カーテン < カラカラカラ


杏子「………」つ林檎 モグモグ

杏子<ちょいと面貸しな。話がある>

さやか「……」


329: 2011/10/09(日) 20:53:11.22 ID:2KFT97JM0



  ~町中~


天の助「もちろんワープなんて出来るわけもなく、歩いてさやかん家に向かってます」スタスタ


魚雷ガール「そう、そんなことがあったの。そのキュベレイとかいう奴、ずいぶんとふざけてるわね」スタスタ

まどか「き、キュゥべえです、先生」

首領パッチ「もうすぐ、さやかん家だぜー」スタスタ

ほむら「そういえば……佐倉杏子は……」

まどか「え、杏子ちゃんがどうしたの?」

ほむら(彼女はソウルジェムの真実を知って、どう動くか。まさか、もう美樹さやかと接触を……)

まどか「杏子ちゃん、あの後どうしたんだろう……。ソフトンさんと一緒にいるのかな……?」

魚雷ガール「ソフトン様!?」ガタッ

まどほむ「「ひっ!?」」ビクッ

330: 2011/10/09(日) 20:54:13.96 ID:2KFT97JM0


魚雷ガール「ちょっと! 今、ソフトンって言ったわね!? どういうこと!? 答えなさい!」ガシッ

まどか「え、え、あ、あの……!?」

ほむら「そ、ソフトンなら佐倉杏子と一緒に行動していると思うけど……」

魚雷ガール「そう! やっぱりこの世界にソフトン様はいたのね! きっとこれは運命に違いないわ!」

魚雷ガール「魚雷は恋にまっしぐらーーーー!!」ダッ


   チュドオォォーーーーーン!!


首領パッチ「ぐっはぁっ!?」ドォーン!

天の助「ごばぁっ!?」ズゴォーン!

まどか「首領パッチ君達をハネながら空の彼方に消えていったーーー!!」

パチ天「「うわあああぁぁぁぁ!!??」


     ヒューーーーーー…


ほむら「ハネられた奴らもどこかに吹っ飛んでいったわね……」

まどか「みんな居なくなっちゃったから、二人だけでお見舞いに行こっか……」

ほむら「そうね……」



331: 2011/10/09(日) 20:56:50.86 ID:2KFT97JM0



  ~並木道~


杏子「アンタさぁ、やっぱり後悔してんの? こんな体にされてさ」スタスタ

さやか「……」スタスタ

さやか(もうすぐ隣町……。こいつ、どこに連れていくつもり?)

杏子「アタシはさ、まぁいっかって思ってるんだ。何だかんだでこの力のおかげで好き勝手出来てた訳だし」

杏子「後悔するほどでもないってね」

さやか「……好き勝手って? 魔法少女の力を犯罪とかにでも使ってたの?」

杏子「んんー? そりゃねぇ、せっかく手に入った力だよ? それにアタシは文ナシ職ナシ住所ナシ。使わねぇ方がオカシイって」

杏子「魔法少女の力は自分自身以外に使っちゃダメな訳。自分だけが得する使い方が本来正しいの」

さやか「…………」

杏子「……ありゃ? 前みたいにキレないの? また勝負仕掛けてくるかと思ったんだけど」

さやか「あんたって正直じゃないよね」

杏子「は?」

さやか「そうやって嘘ついてて楽しい?」

杏子「……どーゆー意味だよ」

さやか「あんたって本当は結構優しいんじゃないかな……って思ってるよ。あたし」

杏子「は、はああぁぁ!?」

332: 2011/10/09(日) 20:57:56.88 ID:2KFT97JM0


杏子「わ、ワケ分かんねーよ!! 一体いきなり何言ってやがる!!」

さやか「何かさ、あたしにはあんたが無理して悪人ぶってる気がするの」

杏子「な、な、何を証拠に!」

さやか「勘……かな?」

杏子(コイツ……ソフトンみてーなこと言いやがって……!)

さやか「それにさ」

杏子「あ?」

さやか「ソフトンさんを見てたら分かるよ。あんなにいい人があんたを庇ってるんだ。だったらあんたが悪人な訳ないじゃん」

杏子「……」

さやか「あたしよく考えたらさ、あんたに偏見持ってたよ。頭から悪い奴って決め込んじゃってさ」

さやか「思えば、そういう考え方になる背景ってもんがあるよね。それも分からず、親の仇のようにさ」

さやか「ゴメンね、杏子」

杏子「……!」

333: 2011/10/09(日) 20:59:42.97 ID:2KFT97JM0


杏子「な、何だよ、何なんだよ! いきなり……」

杏子「そーやって何でも簡単に信じたら、後で痛い目に合うんだぞ!」

さやか「ふーん。それじゃあ、あたしを連れ出したのは痛い目に合わせる為?」

杏子「い、いや、今日はしけたオメーをちょっと励ます為に……」

さやか「やっぱ優しいじゃん」

杏子「あっ! 違う! そーいうんじゃ無ぇ!!」プンプン!

さやか「ふふっ。あんた結構カワイイじゃん」

杏子「な、かわ、え、なああぁ!?」カアアァッ


  ヒューーーーー……  ウワアアァァァ


さやか「ん?」

杏子「……あ? 何だこの悲鳴?」

さや杏「「上から……?」」チラッ


ヘリコプター < バララララララッ!!

首領パッチ「糞っ! テイルローターをやられた! スーパー61墜落する!!」

天の助「ブラックホークダウン! ブラックホークダウン!!」


さや杏「「な、何じゃあああああああぁぁぁッ!?」」ガビーーン!?


     チュドーーーーーン!!


全員「「「「ぎゃああああああぁぁぁぁッ!!??」」」」


334: 2011/10/09(日) 21:01:40.19 ID:2KFT97JM0



  ~さやか'sマンション~


まどか「え、いないんですか?」

さや母「そうなのよ、気づいたらもう部屋に居なくてね。どこにいっちゃったのかしら……」

さや母「プリントありがとうね、まどかちゃん。さやかが帰ってきたら連絡するわ」

まどか「はい、さようなら……」

 ドア < バタン

まどか「さやかちゃん、どこに……」

ほむら(まさか、佐倉杏子がすでに?)


335: 2011/10/09(日) 21:02:55.16 ID:2KFT97JM0



  ~マミルーム~


マミ「…………」

ボーボボ「入っていいか、マミ」天板ガタッ

マミ「ドアから入ってください……」

ボーボボ(ツッコミに力が無い。相当堪えているな……当然か)シュタッ

マミ「はぁ……。私ってゾンビだったんですね……」

マミ「動いているこの体は仮のモノ。本体はこんなちっぽけな宝石だなんて……」つソウルジェム スッ

マミ「鹿目さんには気にしないでとか言ったけれど、やっぱり……キツイですね」

マミ「私って一体……」

ボーボボ「…………」


ボーボボ「マミ。俺はキュゥべえの野郎がどうしても許せねぇ。必ずぶっ潰してやるつもりだ」

ボーボボ「だが、それが直接お前を救うことになるとも思っていない」

ボーボボ「その体については俺にはどうすることも出来ないだろう」

マミ「…………」

ボーボボ「お前の考え方しだいだ」

336: 2011/10/09(日) 21:04:22.74 ID:2KFT97JM0


ボーボボ「おっと。それより、客が来たようだな」

マミ「……え?」


     ピンポーン…


マミ「だ、誰? 鹿目さん? いやさっき別れた所だし……」

ボーボボ「行ってみるといい」

マミ「は、はい」タッタッタ


 ドア < ガチャッ


マミ「どなたですk……あ」


OL「あ、あの! この間は本当にありがとうございました!」

絶望君「感謝感激雨霰」

337: 2011/10/09(日) 21:05:15.86 ID:2KFT97JM0


マミ「あ、あなた達は……!」

OL「はい、あなたに助けてもらった者です!」

絶望君「ふがいない」

OL「この間、何故だかあんなことになってしまって……。でもぼんやりだけど、あなたが助けてくれたということだけは覚えていたんです」

OL「それで、同じように助けてもらったという絶望君さんと一緒にお礼を……」

絶望君「絶望君 決して恩は 忘れない」

マミ「そ、そうですか……。でもどうして私の家が……」

OL「それは、そこのアフロの人に教えてもらって……」

マミ「え、ボーボボさん!?」

ボーボボ「さあ? 何のことやら?」ヤレヤレー

338: 2011/10/09(日) 21:06:52.26 ID:2KFT97JM0


OL「あの時、あなたが居なければ、私は……!」

絶望君「まさに絶望」

マミ「そんな! 私は当然のことをしたまでで……!」

OL「その当然のことに感謝したいんです! これ、つまらない物ですけど……」つ 菓子折り スッ

絶望君「俺からも……」つ 顔を隠す袋×50枚 スッ

マミ「あ、ありがとうございます……」


マミ(この感覚……久しぶり。思えば、魔法少女をやっていて感謝されたことなんて殆ど無かった)

マミ(でも……)

OL「本当に感謝してもしきれません!」ニコニコ

絶望君「あなたは希望です」

マミ(忘れてたわ……。私はこの笑顔の為に戦ってた……)

マミ(そうよ、ゾンビなんて関係無い……。私はこれからも、この笑顔を守る為に戦い続ける……!)

339: 2011/10/09(日) 21:08:05.94 ID:2KFT97JM0


マミ「皆さん、よろしければ紅茶でもどうですか? ごちそうしますよ?」

OL「え、いいんですか?」

マミ「はい! 折角のお礼の品ですが、みんなで食べた方が美味しいでしょうし」つ菓子折り

絶望君「クッキー! クッキー!」

OL「絶望君さんも言っていますし……それじゃ、お言葉に甘えて……」

マミ「すぐに支度しますね! さあ、上がってください」

絶望君「クッキー!!」ドタドタ

OL「ふふ、絶望君さん、クッキーは逃げませんよ?」クスクス


マミ「ボーボボさん、ありがとうございます」

ボーボボ「一体何の話だ?」

マミ「ふふ、とぼけちゃって……。私、まだまだやっていけそうです」

ボーボボ「そうか……、それは良かった」

340: 2011/10/09(日) 21:10:18.92 ID:2KFT97JM0



  ~杏子の教会 略して杏会~


杏子「酷い目にあった……」ボロ…

さやか「全くよ……」ボロ…

首領パッチ「お前らいつも人に迷惑かけるよな」ボロッ

天の助「被害を受けるこっちの身にもなってくれよ」ボロッ

さや杏「「お前らだろうがッ!!」」


さやか「何なのよあんた達。いきなり空から落ちてきて……」

首領パッチ「RPGにやられたんだよ」

杏子「意味が分かんねーよ」

341: 2011/10/09(日) 21:11:41.23 ID:2KFT97JM0

天の助「つか、お前らこそ何やってんだよ。このツーショットって中々無いだろ」

さやか「あ、そういえば。杏子、何の為にここまで呼んだの?」

杏子「い、いきなり名前で呼ぶなよ。今までは、あんたとかお前とかだったのに……」

さやか「じゃ、あたしの事さやかって呼んでいいからさ」

杏子「いや、そういうのじゃ……」

首領パッチ「何だ何だ? 二人ともいつの間にか仲良くなりやがって」

天の助「ま、まさか、今日さやかが休んだのって……」


天の助「一流不良の杏子に弟子入りしたからかーーー!!」

首領パッチ「何ィーーーー!?」


  さやか『姐さん! あたしを立派な不良にしてください!』

  杏子『アタシのシゴキはキツイよ? まずは学校をサボリな!』

  さやか『なっ! あ、姐さん、いくら何でもそれはワル過ぎじゃ……!?』

  杏子『アタシの言うことが聞けないのかい? サボりなんて初歩の初歩だよ!』

  杏子『アタシレベルになると、図書館の本を返さないとか、試食を何個も食うとか、トイレを流さないとか悪行三昧だ!』

  さやか『さ、流石姐さん! シビれるっす!!』


さやか「違うわ、アホ!!」サヤーン!

杏子「つか、何だその小学生が考えそうな不良像は!!」アンアン!

342: 2011/10/09(日) 21:13:13.28 ID:2KFT97JM0


杏子「アタシはコイツが落ち込んで……」

さやか「さやかちゃんの名前はコイツじゃないですよー」

杏子「ちっ! さやか! が落ち込んで氏人みてーになってるだろうと思って、ちょっくら励ましてやろうと思ったんだけど……」

杏子「どーやらその必要は無いみてーだ。元気が有り余ってやがる、どこにこんなゾンビがいるんだよ」

さやか「ふーんだ! ゾンビーノとゾンビランドを抑えているさやかちゃんにそんな罵倒は効かないのだ!」エッヘン!

杏子「何だその威張り」

首領パッチ「俺たちも立派なゾンビだぜ! ハワイや沖縄に飛ばしてやる!」

天の助「お前に数億の借金を背負わせてやるぜ!」

さやか「それボンビー」

343: 2011/10/09(日) 21:14:26.56 ID:2KFT97JM0


さやか「でもさ、こんなところに呼んだってことは、やっぱ何か話すことがあるんでしょ? あたし、知りたいよ」

杏子「……ちょっとばかり長い話になるがいいか?」

さやか「いいよ、別に。とことん付き合おうじゃない」

パチ天「「右に同じ」」

杏子「分かった」ゴソゴソ


    つリンゴ スッ

     ヒョイッ

さやか「ん?」つリンゴ パシッ

天の助「お?」つリンゴ パシッ

首領パッチ「ほ?」つリンゴ パシッ


杏子「長いし、退屈するかもだからね」

杏子「食うかい?」


344: 2011/10/09(日) 21:16:13.23 ID:2KFT97JM0


さやか「……」つリンゴ

天の助「最澄!」ガツガツ!

リュークパッチ「人間って面白っ!」ガツガツ!


さやか「一つ訊いていい?」

杏子「何だよ?」

さやか「このリンゴはどうやって手に入れたものなの? あんたの好意は受け取りたいけど、盗んで手に入れたモノとかは嫌だな……」

さやか「さっき、文ナシって言ってたよね? 疑いたくは無いけど、確認しないとって思ってさ」

杏子「う……」

さやか「言えないの……? まさか……」

杏子「いや、ちが……!」

まどパッチ「何でだろ、私、杏子ちゃんのこと信じたいのに、嘘つきだなんて思いたくないのに……」オロオロ

杏子「完食したお前は黙ってろ!」

さやか「で、どうなのよ」

杏子「う、……わ、笑うなよ?」



杏子「そ、ソフトンからのお小遣いで買った……」カアアッ

345: 2011/10/09(日) 21:18:00.05 ID:2KFT97JM0


さやか「………」

首領パッチ「………」

天の助「………ぷっ」

杏子「だから言いたくなかったんだよ……。アタシのイメージが……」

さやか「何か、その…ゴメンね」

杏子「謝るくらいなら食えよ……」ウゥ…

さやか「あ、うん、分かってるって!」アワワ


     シャリ…


さやか「 ! 美味しい!」

杏子「ふふふ、だろ? アタシのイチオシだ」

杏子「ちゃんと残さず食えよ? アタシは食い物を粗末にする奴が大嫌いだからな!」フフン!


杏子肩 < とんとんとん


杏子「ん?」クルッ

347: 2011/10/09(日) 21:19:10.96 ID:2KFT97JM0

天の助「………」ニコッ


     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


杏子「……え? な、何……?」

天の助「クイモノヲ……」


     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


天の助「ソマツニスルナ……トイウコトダナ?」

杏子「ま、まさか……」

348: 2011/10/09(日) 21:20:52.28 ID:2KFT97JM0

杏子「その、アタシは、食えるものを食う主義で……。しょ、賞味期限切れは……」



      ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




天の助「コロスゾ?」




杏子「ひ、ひいいぃぃッ!?」ビクッ

さやか「お、落ち着いて、天の助……(何この執念……)」ガシッ

天の助「離せ! 離せよぉッ! 俺はこの口だけ野郎に全ての食品を代表して天誅を与えるんだ!!」ジタバタ

さやか「暴れないで! あんた、ただ食べてもらいたいだけでしょ!」

天の助「そうだよ、悪いかよ! 食べられもせず食品としての尊厳を失い、罵倒されるだけの日々も知らないで……」

天の助「食い物を粗末うんぬん、語ってんじゃねーぞコラァッ!!」クワッ

さや杏「「顔恐ろしッ!!」」

349: 2011/10/09(日) 21:24:31.31 ID:2KFT97JM0


天の助「ぐあああぁぁぁ!! うおおおおぉぉぉ!!」ジタバタ

杏子「な、何なんだよ、このゼリーお化けは!」

首領パッチ「落ち着け、いつもの発作だ」

さやか「そうなの!? こんな天の助見るの初めてなんだけど!?」

天の助「オレタチ人間食ウ……。人間ヤッツケルチカラ欲シイ、ダカラ食ウ」ボソボソ

首領パッチ「不味いな、もう理性が無ぇ。こういう時は特殊な治療が必要だ……」

さやか「だ、大丈夫なの?」

首領パッチ「一か八かだ。いくぞ……」



首領パッチ「部屋とYシャツと!!」ブン!

天の助「大五郎ッ!?」ボゴォッ!!

さやか「普通にぶん殴ったーーー!?」サヤーン!

天の助「お、俺は今まで何を……?」ヨロヨロ

さやか「それで治るの!?」

首領パッチ「己の心の闇に飲まれておったぞ」フガフガ

天の助「ろ、老師!?」

首領パッチ「これからは肉体だけでなく精神も鍛えるのじゃ……」

天の助「ハッ!」ピシッ

杏子「そろそろ、初めていいかい……?」

さやか「うん、話進まないもんね」



杏子「ここはね、アタシの親父の教会だった。正直過ぎて、優しすぎる人だった……」


350: 2011/10/09(日) 21:26:01.60 ID:2KFT97JM0



 ~再現VTR~


  ~教会~

   チュンチュンチュン…

杏子「お父さんおはよー」

 「……」

杏子「お父さん……?」

 「……」ツー

杏子「泣いてるの? お腹痛いの?」

 「見なさい、杏子。この新聞を」

杏子「え?」

 「毎日、戦争でたくさんの人々が命を落としている。お前のような歳の子供も、お年寄りもだ」

 「何故人間は、人間同士で争わねばならないんだ……」

杏子「お父さん……」

杏子「大丈夫だよ! 神様の教えは正しいんだから、お父さんの話を聞いたらみんなケンカなんて止めちゃうよ!」

 「ふふ、ありがとな、杏子」



父パッチ「それじゃ、朝食にしようか」

351: 2011/10/09(日) 21:28:57.75 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「おい」

首領パッチ「何だよ、早く続き言えよ」

杏子「何で、アタシの記憶の中の親父がお前になってんだよ!!」

首領パッチ「いいじゃねえか、別に。再現VTRなんだし」

杏子「良くねーよ! アタシの過去を知れる貴重なシーンなんだぞ! お前はしゃしゃり出てくるな!」

天の助「そうだぞ、首領パッチ。いくらなんでもおふざけが過ぎる」

首領パッチ「ちっ、なに優等生ぶってんだよ、天の助」

杏子「ゼリー野郎……」ジーン…

天の助「さ、話を続けてくれ」

杏子「ああ、ありがとな」ジーン…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「朝ご飯だぞー!」

 「わーい、ご飯だー!」タッタッタ

杏子「こらこら、朝のあいさつはどうした?」

 「ごめんなさい、お姉ちゃん」

杏子「よし。おはよう」ニコッ




妹の助「うん、おはよう!」ニコッ


352: 2011/10/09(日) 21:30:15.05 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「テメーも出てんじゃねーかああぁぁぁぁッ!!!」ギリギリギリ

天の助「ぎゃあああぁぁぁ! ギブギブ! 間接技は止めて!」バシバシ

さやか(どこに間接があるのよ……)

首領パッチ「もういいじゃねーか。早く続き見ようぜ」ポチッ

  リモコン < ピッ

杏子「あっ! 勝手に再生するんじゃねぇ!!」

さやか(あれ、この回想の仕組みってどうなってんの?)


353: 2011/10/09(日) 21:32:23.23 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「なんか、お前見てない内に角張ったな……」

妹の助「 ? 何言ってるの、お姉ちゃん?」

杏子「そういえば、お父さんも何か金平糖みたいだったような……」

妹の助「お姉ちゃん、大丈夫?」

杏子「いや、お前らのせいで全然大丈夫じゃない。でも、これで進めないといけないからアタシが無理して話を合わせてるんだよ……」ドンヨリ…

妹の助「変なお姉ちゃん。ねえ、朝ご飯食べに行こっ?」

杏子「何で親父や妹がコイツらなんだよ……。これで本当にアタシの悲惨な過去を演出できるんだろうな……?」


父パッチ「来たか、遅いぞ」

杏子「こいつを起こすのに時間がかかっちゃった」

妹の助「てへへ☆」

母さやか「ふふ、いつまで経っても甘えんぼなんだから」

354: 2011/10/09(日) 21:33:22.77 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「おい、さやか」

さやか「いや~……、やっぱバレた?」

杏子「当たり前だろ! 何でお前まで紛れ込んでるんだよ!?」

さやか「首領パッチ達にどうしてもってお願いされちゃってさ。お母さん役が空いてるって」

杏子「空いてるって何だよ! 意味分かんねーよ!! お前らはアタシの過去をどうしたいんだよ!!」

首領パッチ「おい、そろそろCM終わるぞ?」

天の助「この映画CM多いよな」リンゴモグモグ

杏子「おい、待てよ! アタシが主役だぞコラ!」

さやか「だから、どうなってんのよコレの構造……」

356: 2011/10/09(日) 21:35:14.70 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


信者A「おはようございます」

信者B「今日もいい天気で」

  ゾロゾロ…

佐倉一家「「「「おはようございます」」」」


杏子(佐倉一家っていう括りにして欲しくない……)


母さやか「あなた、もうすぐ時間よ」

父パッチ「ああ、すぐ行く」

杏子「お父さん、頑張って!」

妹の助「頑張って!」

父パッチ「お前達は外で遊んでてもいいんだぞ?」

杏子「ううん、アタシもお父さんのお話が聞きたいんだ!」

父パッチ「はは、将来有望だな」

母さやか「あなた……」

父パッチ「ああ」スタスタ


父パッチ(これからの時代、既存の教えだけではいけない。例え私個人の考えであっても、皆に伝えなければ……)スタスタ


父パッチ「皆さん、ごきげんよう。まずは神への感謝の祈りを捧げましょう……。我らが神は常に私たちを見守っており……」

杏子(やっぱりお父さんはかっこいいなぁ。みんなもお父さんの言うことを真剣に聞いている……!)

357: 2011/10/09(日) 21:36:21.23 ID:2KFT97JM0


父パッチ「……よって我らが神は唯一の救世主であるのです」


   パチパチパチパチパチッ


父パッチ「ところで、話は変わりますが……。皆さんは何故この世界で戦争が消えないか分かりますか?」

父パッチ「今、この世界では多くの幼い子供や老人が飢えと病気に苦しんでいます。それはこの世界情勢の……」

   ざわざわ…

信者A「な、なんだこれは……」

信者B「佐倉さんは一体何を言っているんだ?」

   ざわざわ…

杏子「お父さん……?」

母さやか「あなた……」


父パッチ「この紛争は我らが神でも止めることは出来ません。私達一人一人、個人の問題なのです」

信者C「なっ!? 我らが神になんということを!」

信者D「聖教者でありながら何たる無礼を!」

    ざわざわ…

父パッチ「落ち着いてください! これは大切なことです!」

父パッチ「世界から戦争が消えない理由……、それは……それは……」




 父パッチ「鞄の中に入れておいたイヤホンのコードが絡まりまくるからです!」キリッ


358: 2011/10/09(日) 21:37:49.93 ID:2KFT97JM0





母さやか(ええーーー……)

杏子「…………」

母さやか「き、杏子、やっぱり怒ってる? いくら何でもこんな改変……」

杏子「……いや」

母さやか「へ?」

杏子「これ、合ってるんだよね……」

母さやか「え」



父パッチ「人はイヤホンの絡まりによって多くの血と涙を流してきました! それが憎しみを生み、戦争を作り出すのです!」

信者D「どういうことだ!」

信者E「教義にも教典にも無いことを!」


母さやか「ええええええぇぇーーーーッ!? 合ってるって、これ再現出来てるの!? 正真正銘の再現VTRなの!?」

杏子「  」コクッ

母さやか「あんたの父親バカじゃねーの!?」

359: 2011/10/09(日) 21:39:29.65 ID:2KFT97JM0


信者R「我ら、『紐状のモノの絡まりに興奮を覚える教』に対する冒涜だ!」

母さやか「何その宗教!? しかもそんな教会にいるのにあんな事言っちゃった訳!? 教義うんぬん以前の問題じゃん!!」

信者F「一信者として理解できん!」

母さやか「信者じゃなくても理解できないよ!!」


信者U「こんな所にいれるか! もう帰るぞ!」

信者G「そうだ、こいつは反逆者だ!」

信者W「このことは本部に通告させてもらう!」

  ぞろぞろぞろ……

父パッチ「待ってくれ、話を聞いてくれ! イヤホンのコードの絡まりは興奮では無く、もどかしさだ! こっちは早く音楽を聞きたいんだ!」

父パッチ「五分でいいんだ! 話を聞いてくれぇーーー!!」


360: 2011/10/09(日) 21:40:36.44 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


さやか「……ホントに合ってるの?」

杏子「役者がお前らってところ以外はほぼ事実だよ……。宗教も親父が話した内容も……」

さやか「ちょっと本気で訳分からないわ」

杏子「安心しろ。アタシも、何で昔はあんなことを大真面目に信じていたのか心底不思議だよ……」

さやか「でもあんた、さっき悲惨な過去って……」

杏子「悲惨だろ? ある意味な」

さやか「そ、そうね……」

首領パッチ「ちくしょー、泣けるぜ!」ボタボタ

天の助「俺も思わず男泣き!」グスグス

さやか(同レベルのバカには受けるのかな……)


361: 2011/10/09(日) 21:42:18.05 ID:2KFT97JM0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


父パッチ「ちくしょう、世間が悪いんだ……。俺は何も悪くない……」つ酒 グビグビ

母さやか「あなた……、ちょっと飲み過ぎじゃない?」

父パッチ「うるせぇ! さっさと注げ! スクリュードライバーだ!」つ酒 ガン!

母さやか「カクテル!? バーじゃないんだから無理よ!」

妹の助「お父さん……」

杏子「……」


杏子(お父さんの言っていることは間違っていない……。五分でも聞いてくれれば、正しいってことが分かるんだ)

父パッチ「え……マジで? あの親父意味分からないっしょ」

妹の助「流石の俺も、あの宗教はどうかと思うわー」

母さやか「ごめん、あたしも……」

杏子「さ・い・げ・ん・VTR!! 今は思ってないから!! つーか、急に素に戻るな! やるんなら最後まで付き合えよ!」アンアン!

さやパチ天「「「ごめん」」」シュン

杏子「ほら、もういいから持ち場に戻れ」シッシッ

362: 2011/10/09(日) 21:44:02.46 ID:2KFT97JM0



  ~町中~


父パッチ「お願いです、話を聞いてください!」

杏子「お願いします!」

男A「俺は宗教なんかに興味ねーんだよ!」つバケツ バシャッ

妹の助「きゃあっ! 冷たい!」

杏子「くっ! 酷い……」

父パッチ「私は無力だ……。本部からは追放され、こんな幼い子供達に辛い思いを……」

杏子「お父さん……。アタシ、大丈夫! 平気だよ!」

父パッチ「……すまない、本当に」


363: 2011/10/09(日) 21:45:07.74 ID:2KFT97JM0


  ~公園~


妹の助「お腹空いた……」

杏子「ほら、リンゴあげるよ」

妹の助「え……。でも、それ、お姉ちゃんが買った奴じゃ……」

杏子「アタシはいいよ、お腹いっぱいだもん」

妹の助「わーい! ありがとう、お姉ちゃん!!」モグモグ

杏子(アタシは別にいいが、コイツにだけは辛い思いをさせたくない……)

杏子「お前は先に帰りな。お父さん達が心配するだろ」

妹の助「お姉ちゃん、信者さん達が戻って来……、あ、ヤベ。え~と何ページだっけ」台本ペラペラ

杏子「五ページ三行目」ボソッ

妹の助「あ、ここか。え~と、お姉ちゃんは一緒に帰らないの?」

杏子「後から行くよ。お姉ちゃんちょっと用事があるんだ(やるんなら台詞は完璧に覚えとけよ、糞が……)」

364: 2011/10/09(日) 21:47:12.24 ID:2KFT97JM0


  ~町中~


杏子「一万円とか落ちてない……よね。やっぱ探しても小銭がちょっとしか落ちてない」トボトボ

杏子「はあ……。お父さんの話は正しいハズなのに……。みんながお父さんの話を聞くようになればなぁ……」

杏子「でも、そんなうまい話なんて……」







杏子「……」

杏子「あ~あ、お父さんの話をみんなが聞くようにならないかな~」チラッ







杏子「………」

杏子「この願いが叶えられたら、魔女でも何でも一生倒し続けてやるのにな~」チラッ







杏子「…………」

杏子「な、何か、願いと引き替えに人を魔法少女的なアレに変えて色々やる、白くて小さい獣みたいなソレとかいないかな~」チラッチラッ

365: 2011/10/09(日) 21:48:29.52 ID:2KFT97JM0








杏子「早く出てこいやキュゥべえええええぇぇッッ!!!」アンアーン!!

妹の助「うわ、ビックリした!」

杏子「何でだよ! さっきからいらない奴らは出まくるのに肝心なアイツが出ないでどうするんだよ! 話進まねーよ!!」

父パッチ「いや、だってここにキュゥべえいないじゃん。それに役者の数も俺たちだけだから足りないし」

杏子「別にお前らが何かしらの役をしないといけない訳じゃねーから! しかもさっき山ほど信者がいたじゃねーか! 役者ぜんぜん足りてるじゃん!」


杏子「そこはご都合主義で出てくる流れでいいんだよ! 信者Aとか男Bとかの流れでいいの!」

父パッチ「よし分かった、そうしよう。んじゃ、さっきの場面からね」

杏子「本当だな? ちゃんとやれよ」

366: 2011/10/09(日) 21:50:04.39 ID:2KFT97JM0




杏子「はあ……。お父さんの話は正しいハズなのに……。みんながお父さんの話を聞くようになればなぁ……」

杏子「でも、そんなうまい話なんて……」



    「あるよ。たった一つだけね」



杏子「だ、誰!? どこにいるの!?」キョロキョロ

    「こっちだよ、こっち」

杏子「えっ!?」クルッ

杏子(な、何アレ……。犬? 猫?)

    「こんにちは、佐倉杏子。僕の名はキュゥべえ」

    「君にお願いがあるんだ」


男QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」


367: 2011/10/09(日) 21:51:07.41 ID:2KFT97JM0


杏子「ちっがあああああああああうぅッッ!!!」アンアーン!!

父パッチ「今度は何が不満だよ」

杏子「アタシが言ってるのは男Bが出てくるように自然にキュゥべえ出せってことだよ! 誰が男QBを連れてこいって言った!!」

杏子「つーか、男QBってなんだよ! ただの人間じゃねーか!」

妹の助「ホント、注文多いなお前」

杏子「当然のクレームだろうが!!」

男QB「あのー、僕はどうすれば……」

母さやか「と、とりあえず楽屋に戻ればいいと思うけど……」

368: 2011/10/09(日) 21:53:20.42 ID:2KFT97JM0


妹の助「それじゃ、キュゥべえは無しで。なんやかんやで契約したってことで」

杏子「そのなんやかんやが一番重要だろうが……」



  ~教会~

信者A「……」ゾロゾロ…

信者B「……」ゾロゾロ…

  ぞろぞろぞろ…

父パッチ「み、皆さん、戻ってきてくれたのですね……!」ジーン…

妹の助「お姉ちゃん、信者さん達が戻って来たよ!」

杏子「そうだな。良かった、本当に良かった……」

父パッチ「さっそく、イヤホンコードの悪行とワイヤレス式の素晴らしさを説いてくる!」タッタッタ

杏子(お父さんも元気になったし、信者さん達も戻ってきたし……。これでもう、辛い思いはしなくていい……!)

    キーーーン!

杏子( ! )

杏子(これは……魔女の気配だな! よーしさっそくぶっ倒してやる!)




   こうして杏子は家族に内緒で魔法少女として戦い続けた。

         しかし、そんなある日…

369: 2011/10/09(日) 21:54:33.25 ID:2KFT97JM0



  ~教会~


父パッチ「おかしいと思ってたんだよ……」

杏子「ごめんなさい……」

父パッチ「信者の目がなんかリンゴになってたし……。大体、私みたいなゴミくず野郎の話なんて聞く人間がいる訳ないし……」

母さやか「うわ、すっごい卑屈! この場面転換の間にお父さんに一体何があったの!?」


父パッチ「ちくしょう! お前は魔女だ! 人の心を惑わせる魔女なんだ!」バシィッ!

杏子「きゃあぁっ!」ズサー!

妹の助「お姉ちゃん!!」

母さやか「あなた、いくら何でも……!」

父パッチ「うるさい! こいつは魔女なんだぞ! イヤホンのコードの絡まりの原因だ!」

母さやか「いや、それは違うっしょ……」

父パッチ「二度と私達に近寄るな! 魔女め!」

妹の助「お姉ちゃーーん!!」

  ドア < バタン!


杏子「く、お父さぁん……。何でこんなことに……!」ヨロヨロ


370: 2011/10/09(日) 21:55:47.90 ID:2KFT97JM0



  ~町中~


杏子(キュゥべえに頼んで元に戻してもらおう……。私の願いも消えていいから……魔法少女の力もいらないから……)

杏子「どこに行ったんだよ、アイツ……」トボトボ

男QB「……」チラッ

杏子「…………」

男QB「……」チラチラッ

杏子「……もう、お前でいいや」

男QB「あ、妥協なんですか……」


杏子「キュゥべえ! アタシの願いはナシでいいから、元に戻してくれよ!」

男QB「それはダメだ、佐倉杏子。一度魔法少女になった者はもう戻ることは出来ない」

杏子「そ、そんな……」

男QB「残念だけどね。さて、僕は次の魔法少女を探しに行くとするよ」タッタッタ

杏子「ま、待って! ……ああ」

杏子「……」

杏子(あいつ、バカ共よりよっぽど真面目に演じてやがる……。何か複雑な気分……)アンアン…


372: 2011/10/09(日) 21:57:19.11 ID:2KFT97JM0



  ~教会~


杏子「結局戻ってきちゃった……。やっぱり入れてもらえないよね……」

杏子「ん? 玄関の前に張り紙……? 何だこれ?」



    『 杏子へ

      お前のことを魔女と罵ってしまったことは

      本当に後悔しています。

      どうにか許してほしく思い、お父さん達は

      徳川の埋蔵金を探すことにしました。

      今度お前に会う時、それは埋蔵金を見つけ、

      大金持ちになった時です。

      もう決してお前に苦労は掛けさせません。

                             父より 』



杏子「…………」


杏子「えぇーー……」



   ~再現VTR終了~

373: 2011/10/09(日) 21:59:16.80 ID:2KFT97JM0



さやか「…………」

杏子「…………」

さやか「マジで?」

杏子「マジで」

首領パッチ「何ていい話なんだ~!!」ボタボタ

天の助「感動巨編だぜ!」グスグス


さやか「それで、お父さん達今はどうしてるの……?」

杏子「さあな。今もどこかで徳川埋蔵金を発掘してるんじゃねーかな」

さやか「あんたはそれでいいの?」

杏子「なーんかさ、吹っ切れちまって。だったらこっちはこっちで好き勝手やってやろうと思ってね」

374: 2011/10/09(日) 22:00:36.38 ID:2KFT97JM0


さやか「何でこんな話をあたしに? 本当に励ますだけの為?」

杏子「うん。アタシの悲惨でおちゃらけた昔話を聞けば元気になるかなってさ」

杏子「奇跡ってのは生まれると同時に、訳の分からないモノを引き連れて来ることもあるって話よ」

杏子「結局は差し引きゼロ。だからアンタも開き直って好き勝手やればいいんだよ。今までのマイナスを取り戻すって位にね」

さやか「どうしてあたしを励ましてくれるの? 今まで敵だったのに」

杏子「アンタもアタシと同じ間違いから始まったんだよ」

杏子「これ以上後悔を続ける必要は無い」


杏子「アタシはそれを弁えてるけど、アンタは今も間違い続けてる。それが見てられないんだ」

さやか「………」

さやか「杏子ってやっぱ優しいんだね」ニコッ

杏子「ぐっ! まだ言うかテメー……」

さやか「うん、ホントに優しいんだもんっ。さやかちゃんの事をそんなに心配してくれるなんて嬉しいわー!」

375: 2011/10/09(日) 22:01:39.11 ID:2KFT97JM0


さやか「でもね、やっぱあんたが言ってるようなことは無理」

杏子「なっ!?」

杏子「何言ってるんだよ、お前はもう十分過ぎる対価を払ったんだぞ!?」

さやか「確かにゾンビになちゃったのはキツイよ。でもね、あたしは自分の願いに後悔なんてしたことは一度も無い。間違ってるなんて思ってない」

杏子「ーーーーっ!」

さやか「あたしはこれからも自分のやり方で行くつもり。あんたが言っていることは間違ってると思うの」

杏子「ばっ、バカ野郎! アタシ達は魔法少女だぞ!? 他に同類なんて居ないんだぞ!!」

さやか「…………」


さやか「やっぱりあんたって嘘ついてるね」

さやか「自分でもこのやり方は良くないって思ってるんでしょ? あたしにはすごく無理してるように見える」

杏子「……ちっ! またかよ! ソフトンもテメーも、アタシをどういう目で見てんだ!」

さやか「うーん、ソフトンさんの気持ち分かるな~。あんた素直じゃないし、何とかして守りたいって奴?」

杏子「い、意味分からねー……」

さやか「うーーん……、あ、そうだ」




さやか「杏子、あたし達と一緒に戦わない?」



376: 2011/10/09(日) 22:02:47.89 ID:2KFT97JM0




杏子「へ?」

さやか「そうだよ、それがいいよ! アンタって認めたくは無いけど強いし! これならどんな魔女でも怖くないね!」

杏子「……」ポカーン…

さやか「ねえ、あんた達はどう?」

天の助「別にいいんじゃねーか?」

首領パッチ「ま、最初は下っ端だがな」

杏子「お、おい、なに話を進めてやがる……!」

杏子「どういうことだよ、オイ! アタシが一緒に!? お前らの仲間になれってこと!?」

さやか「そうだけど? え、ダメなの?」キョトン

QBパッチ「僕と契約して雑用係になってよ!」

杏子「そのしゃべり方止めろ、イラつく!」

377: 2011/10/09(日) 22:04:37.64 ID:2KFT97JM0


杏子「い、意味分かんねー。魔法少女同士で徒党を組んで? 仲良しこよし? 馬鹿じゃねーの!?」

さやか「でも、マミさんが魔法少女達はみんな友達だって……」

杏子「それは奴の頭がお花畑だからだ!」

杏子「普通の魔法少女はそんなことしねーよ。メリットデメリットを考えたら……」

さやか「えー。友達ってのはメリットデメリットで動くものじゃないでしょ?」

杏子「た、確かにそうだけど……、いや! アタシはお前らと友達じゃない!」

さやか「今からなればいいじゃん。というより、あたしはもうあんたを友達って思ってるよ」

さやか「だって、赤の他人に自分の過去を晒してまで励まそうとしないじゃん」

杏子「く、くそう。ああ言えばこう言いやがる……!」


杏子「だ、大体、アタシがいきなり仲間になれる訳ないだろ……。マミとは印象最悪のままだし、他の奴らだって……」

さやか「ちゃんと話せば分かるって。あたしだって全く気にしてないし!」

杏子「群れるのは性に合わないんだよ……」

さやか「何もいつも一緒に居ろって話じゃないって。ちょっと戦闘するだけ」

杏子「しゅ、集団戦とかしたこと無いぞ、アタシ……」

さやか「それはみんな同じじゃん。みんなで一から学んでいけばいいのよ」

杏子「うぅ……」

378: 2011/10/09(日) 22:05:35.50 ID:2KFT97JM0


さやか「ねえ、あたしは杏子と一緒に戦いたいな。だってあたし達どこか似てるんだもん」

さやか「マミさんだって転校生だってまどかだって、ボーボボ達だって……、きっと杏子のことを受け入れてくれるよ」

さやか「それでも……ダメ、かな?」

天の助「うんまい棒を十本つけるぞ?」

杏子「…………」




   「分かったよ、仕方ねーな」




杏子パッチ「その代わり、味はハンバーガー味しか認めないぜ!(うんまい棒! うんまい棒!)」ワクワク

さやか「邪魔」ドカッ

杏子パッチ「ぎゃああっ!」

天の助「貴様に食わすには埃すら惜しい」バキッ

杏子パッチ「うぎゃぁぁっ!!」


379: 2011/10/09(日) 22:07:42.15 ID:2KFT97JM0


さやか「話が逸れたけど……。で、どうなの?」

杏子「………」

杏子(仲間を持てば……変わるのかな?)

杏子(アタシも仲間を持てば……、あのアフロ野郎の様に強くなれるのかな……?)

杏子(あいつらみたいに、強くて意味不明で優しくて……)

杏子「…………」


杏子「……分かった、アタシの負けだ」

杏子「ほんのちょっとだけなら手を貸してやってもいい」

さやか「ホントに!?」キラキラ

杏子「あ、ああ(どんだけ嬉しいんだよ……)」

天の助「はい、うんまい棒」スッ

杏子「おお、さんきゅ……」


   つ『うんまい棒 ところてん味』


杏子(い、いらねぇ……)タラー…

天の助「クイモノヲソマツニ……」

杏子「ひっ!? 分かった、食うよ! 食うから!」


380: 2011/10/09(日) 22:11:01.43 ID:2KFT97JM0


さやか「めでたく杏子が仲間になったー!」

さやか「んじゃ、さっそくみんなの所に行こっか!」

杏子「は!? 今から!?」

さやか「今すぐじゃないと意味ないじゃん! 早く行こ!」

杏子「いや、待てよ! アタシらがゾンビって判明した今日昨日だぞ!? 他の奴らだって落ち込んで……」

さやか「まどかやマミさんはあたしより全然強いから大丈夫だって! 転校生は何かもう知ってたみたいだけど」

杏子「で、でもこれは流石になんか……」

さやか「つべこべ言わない!さ、出発」グイグイ


天の助トレイン「駆け込み乗車はご遠慮くださーい」


さやか「みんなの所まで超特急で!」

天の助トレイン「畏まりましたー」プシュー!

首領パッチ「切符拝見しまーす」

さやか「まどかやマミさんにもメールしとこっ」ピポピポ

杏子(な、何なんだよ。こいつらの無茶苦茶具合……!? 訳が分からねー!)

杏子(で、でも……)



杏子(案外こういうのも悪くないかも……?)


381: 2011/10/09(日) 22:11:57.11 ID:2KFT97JM0



第七話前半はこれで終了です
今回の首領パッチ復活を期に、澤井先生もジャンプ連載復活しないかな…と妄想したりしちゃいます…


443: 2011/10/30(日) 00:33:08.96 ID:2004qN3S0




  ~町中~


  ピ口リ口リン♪ ピ口リ口リン♪


まどか「あ、メール……ええっ!?」

ほむら「どうしたの、まどか?」

まどか「さ、さやかちゃんからメールが来たの!」

ほむら「本当に!? それで、内容は?」

まどか「杏子ちゃんとお友達になったって…」

ほむら「はぁッ!?」


446: 2011/10/30(日) 00:34:21.53 ID:2004qN3S0



  ~マーミーマンション~


OL「今日は、本当にありがとうございました!」

絶望くん「クッキー……、それは永久に続く荒野に差し込んだ一筋の光」

マミ「それじゃあ、お気をつけて!」

ボーボボ「また来いよ」


マミ「こんなに楽しいのは久しぶり……。あ、もちろんボーボボさん達と一緒にいるのが楽しくない訳ではないですよ」

ボーボボ「一瞬、氏を考えた」ズーン…

マミ(めちゃくちゃ落ち込んでる!? どうしよう!?)


  ピ口リ口リン♪ ピ口リ口リン♪


マミ「あら? メール…?」

マミ「美樹さんから……? さ、佐倉さんが!?」


447: 2011/10/30(日) 00:36:42.71 ID:2004qN3S0



  ~道中~


天の助トレイン「最速! 俺はまさに風!」


 ゴオオオオォォォー!


首領パッチ「ママー、すごく速いよー」

さやか「こら、座席に靴で登らないの」メッ!


男A「な、何だあのゼリー……ぐばぁっ!!」バキィッ!

天の助トレイン「はっはっはっはーーー!!」

杏子「交通ルールガン無視じゃねぇか……」


さやか「あ、杏子。マミさんの家で歓迎パーティ開くことになったから」つケータイ

杏子「あ、アタシの知らない間にどんどん話が進んでやがる。つーか他の奴らの都合は……」

さやか「だいじょーぶ。みんな、あんたを歓迎してるから!」

杏子「だといいけどよぉ……ん?(今、外に見覚えのあるとぐろ頭が……)」

448: 2011/10/30(日) 00:38:15.20 ID:2004qN3S0


杏子「お、おい! ちょっと停めてくれ!」

さやか「どうしたの?」

杏子「さっきソフトンを見たんだ……、アイツに話さねぇといけないことが……! おい、停めろっつってんだろ天の助!」

天の助トレイン「光速をーーーーーー超える!」ゴーー!

杏子「超えんな! 停めろ!」

首領パッチ「無駄だ、今のこいつは正に暴走機関車! 停めるには少々骨が折れる……だが、」


首領パッチ「………」

杏子「………?」

さやか「………?」


首領パッチ「………俺なら止めれる!」キリッ!

さや杏「「何故、今タメた!?」」

449: 2011/10/30(日) 00:40:12.30 ID:2004qN3S0


さやか「やれるんなら、ちゃっちゃとやりなさいよ!」

杏子「そうだ、そうだ!」

首領パッチ「やりましょう」深呼吸スーー…



アシタカパッチ「鎮まりたまえー! 何故そのように荒ぶるのかーー!!」

さやか「それ、絶対鎮まらないヤツじゃん! よりによってそれかよ!!」サヤーン!

天の助トレイン「ドンストッピーナ~ウ~♪ フンフフフンフ~ン♪」

杏子「止まる気ゼロじゃねーか!! ノリノリで『Don't stop me now』歌ってやがる!!」アンアーン!!


天の助トレイン「ハッハッハッハ!! 俺はもう絶対に停まらないぜ!!」

さやか「ふざけてんじゃないわよ、このゴミ虫!!」

天の助トレイン「ご、ゴミ虫……!?」ピクッ



――――――
――――
――


450: 2011/10/30(日) 00:41:00.46 ID:2004qN3S0



   思えば、あの時もこんなことを言われたな……


息子の助「父ちゃん、もう止めてよ~! もう、家にはお金が無いんだから、競馬なんて……!」

天の助「うるせー! この馬は絶対に勝つ! 前のレースだって一番人気のデーブインパクトを……」

母の助「あなた……」


息子の助「いいかげんにしてよ、このゴミ虫!!」

天の助「ご、ゴミ!? 父親に向かってなんだその口は!!」

 ボキャッ!

息子の助「うわあぁッ!?」ズサー

母の助「あなた、止めて!!」

天の助「うっせぇ!!」

 ドゴッ!

母の助「きゃあぁぁッ!!」



  今考えると、あの時が引き返せるチャンスだったんだ……

        だけど、俺は停まれなかった

451: 2011/10/30(日) 00:41:55.91 ID:2004qN3S0



天の助「と、東京の大学!? そんな金、家にはねーぞ!」

息子の助「親父に内緒でバイトして貯めてたんだ……。それに授業料だって、バイトを掛け持ちして奨学金で何とか……」

天の助「……ふん! オメーが金を全部払うというんなら、勝手にしやがれ!」

息子の助「親父も一緒に行こうよ」

天の助「何言ってやがる。そんな金どこにも……」

息子の助「お金とかの問題じゃないよ。このままじゃ入院中のお袋が可哀想だよ!」

天の助「……っ!」

息子の助「お袋言ってたよ。初めての東京旅行でプロポーズされたって」

天の助「…………」

息子の助「もう、長くないってことくらいお袋だって気づいてるよ。最後に一度くらい、思い出の東京に……!」

天の助「……」スクッ

息子の助「お、親父!どこへ!?」

天の助「気がわりーからパチンコ行ってくる」

息子の助「親父……! あんたって人は!」

天の助「……」スタスタ

452: 2011/10/30(日) 00:42:45.79 ID:2004qN3S0



     停まれなかった。停まろうともしなかった。

        そして、残ったものは……。



    ピーーーーーッ!


医者「ご臨終です」

息子の助「お袋! お袋ぉーーーー!!」

天の助「…………」

息子の助「あんたのせいだぞ!! 何でそんな顔していられるんだよ!」

息子の助「このゴミ虫!!」

天の助「……」



      そうだ、その通りだ。俺はゴミ虫だ……。

  あの時は停まることが出来なかった。ちっぽけなプライドのせいで。

          今度は……今度こそは……


             停まれるかな……



453: 2011/10/30(日) 00:43:36.20 ID:2004qN3S0



――
――――
ー――――――



天の助トレイン「停"ま"れ"る"がな"ぁ"ーーーーッ!!」ボタボタボタ!


 キキイィーーーーーーーッ!!


杏子「停まったぞ!」

さやか「やった、何か知らないけど突然号泣しだして停まった!」

杏子「ソフトンの所に行ってくる!」ダッ

さやか「あ、あたしもついてくよ!」パッ

イヌパッチ「走るモノを追いかけるのが犬の本能だワン!」タタタッ

天の助「停"め"れ"だ! 停"ま"れ"だぞ! 息"子"よ"ォーーーーッ!!」ボタボタ!


454: 2011/10/30(日) 00:45:23.34 ID:2004qN3S0



  ~バス停前~


杏子「ソフトン!」タッタッタ

ソフトン「……杏子? どうして、お前がここに?」

杏子「色々あってな。さやかやバカ共にちょっと世話になってね」

さやか「あははー、どうも」エヘヘ

首領パッチ「それで、お前は何してるんだよ?」

ソフトン「…………」

杏子「ど、どうしたんだよ、言えねーようなことなのか?」

ソフトン「……聖地バビロンに帰ろうかと思ってな」

さや杏「「ええっ!?」」

首領パッチ「何ィーーーーーーッ!?」ガビーン!

天の助「もう首領パッチの目玉が飛び出す季節か」つお茶 ズズズ…

455: 2011/10/30(日) 00:49:31.12 ID:2004qN3S0


杏子「ど、どういうことだよ、オイ! 帰るって……!」

ソフトン「聖地バビロンのバビロン寺院にて、俺は修行をしていた」

ソフトン「そこはバビロンのあらゆる知恵が学べる、まさに英知の結晶……」

ソフトン「そして、修行中に一度聞いたことのある伝説がある。バビロンには氏者の魂を呼び戻す禁術があると……」

杏子「なっ!?」

ソフトン「構造は違えど、お前たち魔法少女を元の体に戻す手がかりになるはずだ」

杏子「そ、ソフトン……、お前まさかアタシ達の為に……!?」

さやか「ソフトンさん……」

杏子「だ、だけどそんなことって……!」

ソフトン「ああ。勿論、到底信じられるものではない。何者かが創った与太話かもしれない。ただの噂話かもしれない」

ソフトン「だが、俺はその僅かな可能性に賭ける。お前たち、未来ある少女を絶望させない為に」


ソフトン「たとえ、俺がその禁術によってバビロンを追放されようとも、俺の命と引き替えになろうとも……」

杏子「ソフトン、何でそこまで……」

456: 2011/10/30(日) 00:50:31.51 ID:2004qN3S0



ソフトン「時間はあまり無い。ボーボボにはお前たちから伝えてくれ」

ソフトン「今ここを起たなければ、次のバビロン界行きに間に合わない」

運転手「お客さーん、乗らないんですかー?」

ソフトン「あ、もうちょっと待ってください」

さやか(大型バスで行くんだ……)

杏子(日帰りの観光かよ……)


杏子「ソフトンっ! いいんだよ、お前がそこまでしてくれなくても!」

杏子「アタシはこの体のままでもいいんだ! 魔法少女になったことを後悔なんてしない!」

ソフトン「だが、杏子……」

杏子「ソフトンがそんな辛い目に合ってまでも、元の体に戻りたいなんて思わねぇ!」

ソフトン「!」


457: 2011/10/30(日) 00:51:55.34 ID:2004qN3S0


杏子「アタシさ、こいつらと組もうと思ってるんだ」

ソフトン「何? 本当か?」

杏子「うん。上手くやっていけるかは分からないけど、チャレンジしてみよっかなって……」


杏子「アタシは仲間っていうかダチっていうか、そんな存在が今まで居なくてもやっていけると思ってた」

杏子「でもそれは間違いだったよ。だって、アタシの側にはいつもアンタが居てくれたもんな」

ソフトン「…………」

杏子「アタシはこの体でもやっていける。もちろん、元の体に戻りたい訳でもねぇ。でも、誰かの犠牲の上で希望を得るなんてもうまっぴらだ!」

杏子「魔法少女のこの性質を肯定する訳じゃねーが、全否定する気もない」

杏子「だって、魔法少女にならなかったら、アタシはアンタと出会えなかったもん!」

ソフトン「杏子……」


運転手「お客さーん?」

ソフトン「…………」

458: 2011/10/30(日) 00:53:19.22 ID:2004qN3S0


ソフトン「…行ってくれ」

運転手「いいんですか?」

ソフトン「ああ」


  バス < ブロロロロロ…


さやか「あ、行っちゃった……」


ソフトン「俺が間違っていた。確かに、こんな方法では誰も喜ばない。俺の、俺だけの自己満足だろう」

ソフトン「そして、お前がボーボボ達に歩み寄ってくれたことが何よりも嬉しい。仲間を持つことで互いに強く成長していくことになる」

ソフトン「ならば、俺も共に戦わなければなるまい。お前達の側にいよう」

杏子「ソフトン……!」

さやか「良かったね、杏子!」

杏子「ああ!」

さやか「そうだ、ソフトンさん。今から、マミさんの家に行く予定なんです。杏子が仲間になってくれた歓迎会を兼ねて」

さやか「ソフトンさんもご一緒にどうですか?」

ソフトン「喜んで同行させてもらおう」

さやか「それじゃ、さっそく……」

首領パッチ「おう!」

459: 2011/10/30(日) 00:54:33.52 ID:2004qN3S0



サツキパッチ「メイが迷子になっちゃったの! 今頃、きっとどこかで泣いてるわ!」

サツキパッチ「お願いメイを探して!」

ととろ天の助「ヴオオオオオオオォーーー!!」


ネコバスの助「ミャアアアアーーーッ!」キキーー!

 ドア < ホワァ~~ン


首領パッチ「準備完了だぜ」

さやか「よし、さっそく乗ろっか!」

杏子「お、おう(この演出は必要か?)」

ネコバスの助「にゃおぉ~~ん」

   <見滝原総合病院>カシャン

   <見滝原中学校>カシャン

   < マ  ミ >カシャン

杏子(あ、行き先変わった)


460: 2011/10/30(日) 00:55:50.85 ID:2004qN3S0



  ~マミマミホーム~


まどか「さやかちゃんまだかな……」

ほむら「それにしても、あのメールは本当かしら? 佐倉杏子が仲間に…なんて、にわかに信じ難いわ」

マミ「美樹さんのことを信じましょ。意味のない嘘をつく子じゃないわ」

マミ「紅茶のお代わり入れるわね」スッ

まどか「ありがとうございます、マミさん」

ボーボボ「俺もアフロに頼む」カパッ

マミ「え、アフロの中に…、え、えぇ?」アセアセ

ほむら「相手にしなくていいと思うわ」


  ピンポーーーン!


まどか「 ! きっとさやかちゃんだよ!」

マミ「今開けてくるわ!」

  タッタッタッタ

  ドア<ガチャッ


マミ「美樹さんね!?」

さやパッチ「YES」

さやの助「よく分かったな」

さやか「ハイハイ、あんたらは退いててね」

461: 2011/10/30(日) 00:56:35.48 ID:2004qN3S0


杏子「じゃ、邪魔するぜ……」

ソフトン「失礼する」

マミ「佐倉さんにソフトンさん……! それじゃメールの内容はホントだったのね!」

さやパッチ「サヤカ嘘ツカナイ」

さやか「お前じゃねぇ」


マミ「佐倉さんっ!」ギュッ

杏子「うわわ!? な、何だよ急に!?」

マミ「私、あなたに酷いことを言ってしまったわ……。あなたのことを何も知らないで……!」

杏子「うっ……。別にそんな気にしてねぇよ……。その、アタシだって、マミに、その、悪いこと……」ゴニョゴニョ

天の助「まあまあ積もる話は部屋に入ってからで」スタスタ

さやか「それはマミさんの台詞でしょ」

462: 2011/10/30(日) 00:57:36.73 ID:2004qN3S0



  ~マァミィルーム~


さやか「と、いうさやかちゃんの働きのお陰で、めでたく杏子が仲間になったのでーす!」サヤサヤ!

まどか「さやかちゃんすごーい!!」マドマド

ボーボボ「やんややんやー!」

ほむら「今の話は本当なの?」

杏子「ま、まあ、大方合ってるよ」

ほむら「そう……。中々やるのね、美樹さやか」

さやか「どんなもんだーい!」エッヘン!

マミ「新しい仲間も増えて……。これならどんな魔女にも負ける気がしないわ!」

首領パッチ(チッ! 俺の出番がますます減るじゃねぇか!)

463: 2011/10/30(日) 00:59:17.81 ID:2004qN3S0


杏子「あ、あのさぁ……。アンタらは本当にこれで良いわけ? アタシ、いわゆる危険思想の持ち主なんだよ?」

杏子「この前だって、アンタ達に手を出した訳だし……。何でそんな簡単に仲間に出来るんだよ」

さやか「そんな決まってるじゃん、杏子!」

杏子「え?」

さやか「みーんな杏子を信頼してるからだよ!」

さやか「杏子はホントは優しいことだって知ってるし、仲間になって欲しいって思ってるの」

さやか「それなら、仲間にしない方がオカシいじゃん!」

杏子「……」ポカーン


マミ「その通りよ、佐倉さん」

マミ「私、あなたにしてしまったことを後悔してるの。だから、もう逃げない。自分から心を開かないと、お友達なんて出来ないものね」

まどか「私も杏子ちゃんとお友達になりたい! あの時だって、私が怪我しないように魔法で柵を作ってくれたもん!」

ほむら「あなたの戦闘能力は私たちの大きな力になるはず。それに、私個人としてもあなたと親しくなりたいと思っているわ」

ボーボボ「戦隊ヒーロー的に考えて、赤の要素が欲しいと思っていたところだ」

杏子「お前ら……」

ソフトン「杏子」

杏子「あ、ソフトン……」

ソフトン「言っただろう? お前が心を開けば、向こうもそれに答える。奴らは小さなことは気にしない主義だからな」

杏子「……うん」

464: 2011/10/30(日) 01:02:33.49 ID:2004qN3S0



杏子「よし、分かった! アンタらがどーしても仲間になって欲しいって言うのなら、本当に仕方なくだけどなってやるよ!!」

杏子「その報酬と言っちゃなんだけど、何か奢れよコノヤロー!」

さやか「もう、調子いいんだから」ププッ

ほむら「すっかり元の佐倉杏子に戻ったわね」

さやか「あ、そうだ。転校生、あんたに話があるんだけど」

ほむら「え?」


さやか「あたしさ、転校生に謝ることがいっぱいあるんだよね」

さやか「ずっと、あんたのこと信じないで勝手なことばかり言ってさ。今考えてみると、酷いもんだよね」

ほむら「……別に気にしてはいないわ」

さやか「転校生の話だって間違ってなかったし。今回のソウルジェムのことだって、忠告を聞かなかったあたしの自業自得な部分もあるよね」

さやか「ごめん、転校生っ!」

465: 2011/10/30(日) 01:03:41.05 ID:2004qN3S0


ほむら(美樹さやかからこんな言葉を聞けるなんて……。この子はまるで絶望をしていない。暗い闇の中でも一筋の光を探し続けている……)

ほむら(美樹さやか、あなたを絶望に染まらせたりはしない。私もあなたを含んだみんなと、希望に溢れた未来を歩みたい)


ほむら「私の方こそ、あなたへの態度に問題があったわ。あんなのじゃ、信じないのも無理ないもの」

さやか「許してくれるの?」

ほむら「ええ」ニコリ

さやか「ありがとうっ! ほむらっ!」

ほむら「ほ、ほむぅッ!?」ビクッ!


ほむら「な、な、何を急に名前で……!?」アセアセ

さやか「だって、もうあたしら友達じゃん! いつまでも『転校生』って呼ぶわけにはいかないでしょっ!」

ほむら「そ、それは確かにそうかもしれないけど……!」アセアセ

さやか「それと、あたしのことはフルネームじゃなくて『さやか』って呼んでね」

ほむら「ほむむぅッ!?」ビクビクーン!

466: 2011/10/30(日) 01:06:44.71 ID:2004qN3S0



杏子「そりゃ、いい考えだ。"友達"をフルネームで呼んだりはしねーもんな。アタシのことは『杏子』って呼んでくれよ~」ニヤニヤ

マミ「そうよね、鹿目さんだけ名前呼びなんて不公平よね! あ、私のことは『巴さん』でお願いねっ! あれから呼んでくれないんだもん」

ほむら「あ、あなた達~……! わ、私はこの呼び方が癖になってるし、そんな恥ずかしいこと……!」

まどか「えぇー? 私も、そうした方がほむらちゃんがみんなともっと仲良くなれると思うのに! 名前を呼ぶって、とってもステキなことだと思うな!」

ほむら「う、うぅ……」


ほむら「よ、よろしく…さやか、杏子、巴さん」カァァッ…

さやか「こちらこそね、ほむら!」

杏子「ずいぶん態度が違うんだな……」

マミ「ああ! いいわ、『巴さん』って! 何かいいわ!」マミマミ!


    ワイワイガヤガヤキャーキャーウフフ

467: 2011/10/30(日) 01:07:58.43 ID:2004qN3S0



       キィーーーーン!!


ほむさやマミ杏「「「「 !! 」」」」

さやか「この感じ……!」

マミ「ええ、魔女ね」

まどか「えぇっ!?」

ソフトン「なに!?」

杏子「こんな時に来るなんて空気の読めねーヤローだな」

ほむら「まったくね」

ボーボボ「しかし、ちょうどいい練習となる」

まどか「どういうこと?」


ボーボボ「実はマミ達は未だに集団戦というものは経験していない。つまり、みんな完全な初心者ということだ」

ボーボボ「この度、めでたく杏子が仲間になった。今の内に集団戦の練習をしておけば、強力な魔女との戦いも有利に進められるようになるぞ」

さやか「た、確かに……。あたしなんて初心者過ぎてヤバイし……」

マミ「私も二人以上での共闘はしたことがないわ」

杏子「マミと同じだぜ」

ほむら(私は一応、やったことがあるけどね)

468: 2011/10/30(日) 01:08:58.18 ID:2004qN3S0


さやか「それじゃあ、さっそく行こうよ。善は急げだよね!」

首領パッチ「うおおぉぉッ! 暴れさせろぉーー!」

天の助「血が疼くぜ……!」

ボーボボ「マミ、魔女の反応は?」

マミ「こっちの方向です。確か向こうには廃工場があったはずです」

ソフトン「魔女の好みそうな場所だな」

ボーボボ「よっしゃぁーー、殴りこみに行くぜぇーー!!」



  ~マミルーム外~


QB「どういうことだ。彼女たちの顔、希望に満ちているじゃないか!」

QB「それもやせ我慢ではなく、本当に絶望を感じていないようだ」

QB「大抵の魔法少女は、ソウルジェムの仕組みを知ると大きな精神的負担を受け、魔女化への一歩となる場合が多い」

QB「しかし、まさかこんな状況になるとは……」

QB「彼女たちが絶望しない限りはエネルギーの回収も見込めない……」

QB「さらに、あんな状態の彼女達が側にいれば、ますます鹿目まどかとの契約が難しくなる」

QB「……さて、どう動くべきか」


469: 2011/10/30(日) 01:10:08.55 ID:2004qN3S0



  ~廃工場~


マミ「ここね、大きな魔力の反応を感じるわ」

杏子「そして、あそこが結界の入り口か……」


     結界入り口 < ゴゴゴゴゴ…


さやか「うわぁ、いかにもボスが待ってますって雰囲気……」

天の助「怖いのなら帰ってもいいんですよ、さやかさん」ニヤニヤ

さやか「な、何をーーーっ!? さやかちゃんをナメるなー!」


ほむら「まどか、今回の魔女はかなり凶悪よ。危険だからこの場に残っていてちょうだい」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん。でも私、みんなと一緒にいたいの」

まどか「自分は何の役にも立たないって分かってる……。でもせめて側にいたいの……」

ほむら「まどか……」


ほむら「分かったわ。あなたは私が守る。絶対に危険に晒させたりしないわ」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「あら、こっちも忘れてもらったら困るわね。私も全力で鹿目さんを守るわ」

まどか「マミさん……!」



ボーボボ「よし、結界の中に入るぞ!」

全員「「「「おー!!」」」」


  ギュオオォーーーン!


470: 2011/10/30(日) 01:11:36.86 ID:2004qN3S0




  ~結界内~


 ゴゴゴゴゴゴゴ……


まどか「うわわ、何ここ!? 崖になってる!?」ギュッ

ほむら「ほむっ!?」ビクッ

まどか「あっ、ごめんねほむらちゃん。服伸びちゃうね」パッ

ほむら「いいえ、構わないわ。落ちてしまったら大怪我は必至よ」

まどか「そ、そうだよね。じゃあ、お言葉に甘えて……」ギュッ

ほむら「ええ、しっかり掴まって(暁光♪暁光♪)」ホムホムホーム


さやか「みんな、見て! 崖の先にいるのって、魔女じゃない!?」



  エルザマリア「…………」


首領パッチ「ポニョ!?」

マミ「違うわね」

杏子「でも、何も仕掛けて来ねぇな。これならサックリ殺れるんじゃね?」

ほむら「甘いわよ、杏子。あの魔女の性質は『独善』。自分の祈り以外には何の興味を示さないけれど、祈りを邪魔する者は徹底的に潰す魔女よ」

さやか「なんか随分と詳しいね……。まるで前に戦ったみたいじゃない」

ほむら「む、昔に似たような魔女と戦ったことがあるのよ」

471: 2011/10/30(日) 01:12:56.73 ID:2004qN3S0



ボーボボ「あ! いっけなーい! いつの間にかお祈りの時間だったわー!」ダッダッダ

まどか「 !? ぼ、ボーボボ!?」

さやか「ちょ、ちょっといきなり魔女の所に行ったら危険だよ!?」


  エルザマリア「…………」

  首領パッチ「遅いわよ、シスターボボンソワーズ」

  天の助「もう、いつも遅刻するんだから!」

  ボーボボ「ごめんなさい、シスターパチジェリカ、シスター天ジャミン!」


まどか「あれれぇーー!? すでに向こうに人がいるぅーーーっ!?」マドーン!!


  エルザマリア「…………」

  ボーボボ「おはようございます、シスターエルザ!」


杏子「で、でも攻撃しねーぞ。以外と溶け込めてるんじゃ……?」

472: 2011/10/30(日) 01:14:05.78 ID:2004qN3S0


  エルザマリア「…………」ジー

  ボーボボ(神様、いつかオバマ大統領とカラオケでデュエットさせてください……!)お祈り中…

  天の助(辛そうで辛くない少し辛いところてんをヒットさせてください……!)お祈り中…

  首領パッチ(水道は止まってるがガスは出る……、そんな小さな幸せ!)お祈り中…

  エルザマリア「…………」


  触腕 < ブン!


  ドゴオオオオオォォーーーーン!!


  三馬鹿「「「ぎゃああああぁぁッ!?」」」


マミ「やっぱり駄目だったぁーーーーーッ!?」マミーン!?

ほむら「邪心を見抜かれたのね……」


 触腕 < ゴゴゴゴゴ!!


杏子「糞っ、バカ共のせいでこっちにまで攻撃が来やがった!」

さやか「まどか、危ないから離れて!」

まどか「う、うん!」マドマド…

473: 2011/10/30(日) 01:15:54.06 ID:2004qN3S0


首領パッチ「ちっ! 聖教につく者でありながら暴力とはな!」

天の助「これは神罰を与える必要がありますな」眼鏡クイッ

ボーボボ「フォーメーションGで行くぞ!」ダッ

パチ天「「おう!」」ダダッ

まどか「フォーメーションG!?」

ほむら「い、一体どんな作戦なの……」


ボーボボ「おりゃおりゃおりゃ~~!!」カサカサカサ!

首領パッチ「どりゃどりゃどりゃ~~!!」カサカサカサ!

天の助「ちぇや~~~~~~!!」カサカサカサ!


さやか「うわあああぁぁ!? ゴキブリみたいに走ってるーー!?」キモチワルッ!

まどか「GってゴキブリのG!?」

杏子「普通に走った方がいいんじゃね?」

マミ「しかも、ボーボボさんは鼻毛で触覚を模していて、かなり本格的だわ!」

ほむら「そんな本格さはいらないわ……」オエップ…

474: 2011/10/30(日) 01:17:12.83 ID:2004qN3S0


三バカ「「「あらゆる環境を支配下に置くゴキブリの猛攻を防げるかーーーっ!?」」」カサカサカサ!


  エルザマリア「………!!」


  触腕 < ビターーーン!!


  三バカ「「「ぶべらっ!?」」」


さやか「ほ、本物のゴキブリ相手のように叩き潰した……」

ほむら「魔女も『女』よ。全ての女性が忌み嫌うモノになればああもなるわ……」


三バカ「「「」」」チーン


まどか「あわわ、三人とも地面に埋まっちゃったよ!」

マミ「ボーボボさんと首領パッチ君は、アフロとトゲの先がちょっと出てるけど…」

杏子「天の助は完全に埋没してるな」


三バカ「「「」」」ググググ…


さやか「周りの土が盛り上がってきた! 出てくるつもりだ、あいつら!」

まどか「三人とも頑張って!」


475: 2011/10/30(日) 01:19:05.79 ID:2004qN3S0


   グググググ……


   ガババーーッ!!


ボーボボ「氏ネ! グランドウォーカー!!」ダダッ

首領パッチ「ツマラン人間メ!!」ダダッ

天の助「グオオオオオォォォッ!!!」ダダッ


さやか「ローカストになって帰ってきたーーーッ!?」サヤーン!?

ほむら「地底にいる間に一体何が……」


ボーボボ「そのまま奥義<ベルセルク走り>だ!!」ダダダダダッ!

パチ天「「ウガアアアアアアァァッ!!!」」ダダダダダッ!

ソフトン「まさに猪突猛進だな」

まどか「で、でもあのスゴイ突撃なら魔女の攻撃も弾いて……」


 触腕 < ブン!

  ドゴォーーーン!

 三バカ「「「ぐぎゃああぁーーー!?」」」

マミ「全然ダメじゃないっ!?」マミーン!?

ほむら「待ち受けてたのは物理的ドーンハンマーだったわけね……」

476: 2011/10/30(日) 01:20:48.76 ID:2004qN3S0


ボーボボ「ぐぐぐ、何て威力だ……」ボロッ

パチ天「「」」チーン

杏子「ほいっと」ピョーン!

ボーボボ「!」


まどか「あっ、杏子ちゃんが前線に…!」


杏子「へへへっ、次はアタシにやらせろよ!」タッタッタッ

ボーボボ「よすんだ、杏子! まだお前の出番ではない!」ダッダッダ

杏子「うっぜーな。アンタみたいなヘマはしねーよ。それにそっちはさっき散々だったじゃん」タッタッタ

杏子「今度はアタシの番って訳。なんか文句あんの?」タッタッタ

ボーボボ「待てと言っているのに……仕方ない」

ボーボボ「杏子、これを見ろ!」

 アフロ < パカッ

杏子「あ?」

477: 2011/10/30(日) 01:21:45.73 ID:2004qN3S0


 アフロ < 田楽マン「ドゥン!ドゥン!ドゥン! アナザーワンバイツァダスッ♪」

      田楽マン「デン!デン!デン! アナザーワンバイツァダスッ♪」


杏子「…………」

ボーボボ「…………」


 アフロ < 田楽マン「ふふふんふん、ふふふんふん♪ ふふふんふふふふん♪」

      田楽マン「ヘイッ! ふふんふんふんふん♪ アナザーワンバイツァダスッ♪」


ボーボボ「…………」

杏子「…………」

ボーボボ「隙アリ! 田がQUEENアタック!!」

 アフロ < ボヨン!

田楽マン「わぶッ!?」メキッ!!

杏子「ぶへッ!?」バキィッ!!

478: 2011/10/30(日) 01:22:59.09 ID:2004qN3S0


杏子「いってぇ~~、鼻が…! てめぇ、何しやがる!?」アンアーン!

ボーボボ「今回の戦いはさやかの初陣だ」

杏子「は!? アイツまだ魔女と戦ったことが無かったのかよ!?」

ボーボボ「ああ。俺たちはさやかも経験を積めるように戦わなければならない」

ボーボボ「お前は確かに強いが、一人だけで突出することはチーム戦では最悪だぞ」

杏子「そ、そうか、そうだよな……。悪かったな、ボーボボ」

ボーボボ「いや、分かってくれたならそれで……?」  オラー!>

杏子「ん?」  シネヤー!>



 首領パッチ「はっはっはっは! 氏ね氏ね!!」バキドゴッ!!

  触腕 < バキィッ! メキィッ!

 首領パッチ「この首領パッチ様が華麗にぶっ倒してやるぜ!!」ドガッメキョッ!

479: 2011/10/30(日) 01:23:39.43 ID:2004qN3S0



杏ボボ「「…………」」

杏子「なあ、アレって……」

ボーボボ「………」スタスタ

杏子「あ、おいってば……」


ボーボボ「……」スタスタ

首領パッチ「お、ボーボボか? へへ、下がってな、お前に手柄はやらねーぜ?」

ボーボボ「……」つ拳銃 スッ

首領パッチ「え」



                      パン! パンパン!



ボーボボ「……」スタスタ

杏子「……」

ボーボボ「お前は何も見ていない」


ボーボボ「お前は 何も 見ていない」

杏子「お、おう……(マジ怖ぇ……)」

480: 2011/10/30(日) 01:25:52.77 ID:2004qN3S0



天の助「さやか! お前も来いよ! がくしゅうそうちなんてねぇんだから、後ろで見てても成長しないぜ!」

さやか「うぅ、そうだよね。アタシも一人でも魔女を倒せるようにならないとね!」

マミ「美樹さん、安心して! こっちも援護をするし、危なくなったら助けに入るわ!」

ほむら「私もよ、さやか」

さやか「マミさん、ほむら……ありがとう! ふっふっふ、さやかちゃん、やる気出ちゃいましたよーー!!」

ボーボボ「作戦はこうだ。前衛は俺と天の助の二人。その後ろにさやか。後衛はマミ、ほむらで遠距離攻撃だ」

ボーボボ「手薄になっているさやかの側面はそれぞれ左右にソフトンと杏子をつける」




              <天の助>    <ボーボボ>

         <ソフトン>    <さやか>      <杏子>




             <マミ>         <ほむら>


481: 2011/10/30(日) 01:27:05.68 ID:2004qN3S0





ソフトン「攻撃も防御も完璧な布陣だな」

マミ「なるほど、前衛の取り損ねた触手を後衛の私達が担当……」

ほむら「それで、無防備なまどかに敵の攻撃が向かわないように、二段階に分けているのね」

杏子「前衛を二人にすることで、さやかに掛かる負担も分割しているってことか」

さやか「はぁ~~~! よく考えてあるな~!」


まどか「…あれ、首領パッチ君は?」

ボーボボ「ソンナ奴、知リマセーン」

まどか「きゅ、急にカタコトになった!? 今まで普通にしゃべってたじゃん!」

ボーボボ「アイキャントスピークジャパニーズ」

まどか「白々しい! 首領パッチ君に何があったの!?」

杏子「まどか、落ち着け。奴は最初からこの場に居なかった……そうだろ?」

まどか「何を言ってるのか分からないよ杏子ちゃん! ねえ、何で目を合わそうとしないの杏子ちゃぁん!?」

ほむら「と、とりあえず首領パッチのことは置いておきましょう(前線に行っている間に何があったのかしら……?)」

482: 2011/10/30(日) 01:28:16.50 ID:2004qN3S0


  触腕 < ゴゴゴゴゴゴゴ!!


マミ「どうやら魔女の方も、これ以上放っておいてはくれなさそうね」

杏子「本格的に邪魔になったから潰しにきやがったか!」

ボーボボ「さっそくさっきのフォーメーションで向かうぞ!」

全員「「「「おう(ええ)!!」」」」



ボーボボ「行くぞ!」ダダッ

天の助「食品代表ところ天の助……、いざ参らん!!」ダダッ

ソフトン「かの者にバビロンの裁きを」ダダッ

杏子「さやか、無茶すんなよ!」ダダッ

さやか「ありがとね、杏子! 頑張っちゃいますよ~あたし!」ダダッ

マミ「こんなに大勢で戦うなんて、初めて!」ダダッ

ほむら「まどか、あなたを怪我させたりはしないわ」ダダッ

まどか「うん、頑張ってねみんな!!」手フリフリ

首領パッチ「う、うぅ~~……酷い目にあったぜ……」ヨロヨロ

まどか「あれ、首領パッチ……君?」


まどか「な、何だか顔がレンコンみたいになってるんだけど……大丈夫?」

首領パッチ「大丈夫なもんかよ……。くそ、ボーボボの野郎!」

483: 2011/10/30(日) 01:29:24.20 ID:2004qN3S0



  触手A < ヒュン!

  触腕B < ゴオオーーッ!

  触手C < ブン!!


ボーボボ「第一波が来たぞ、天の助!」

天の助「おう!」


   協同奥義<ほぼ三分間クッキング>!!

     テテレッテテテ♪ テテレッテテテ♪


さやか「何か変なのが始まった!?」


  ボーボボ「今日は魔女の触手の唐揚げを揚げたいと思います」ニコニコ

  天の助「はい、先生」ニコニコ

  ボーボボ「それではまず材料の触手をちょうどいい大きさに切りましょう」シュン!

  触腕 < ズパッ!!

杏子(素手で!?)

484: 2011/10/30(日) 01:30:13.54 ID:2004qN3S0


  ボーボボ「あとは適当に調理して油で揚げれば完成です」ニコニコ

  鍋 < ジュウウゥゥ~!

  天の助「先生……俺……俺!」

  ボーボボ「どうしました?」

  天の助「俺も食材なんですよ! それなのに、先生はいつも料理は違う食材ばっかり……!」

  天の助「俺だって料理されたいのに! ところてんの極上料理になりたいのに!」

  ボーボボ「だまらっしゃい!!」バキッ!

  天の助「うぎゃぁッ!?」ドゴォッ!

  ボーボボ「そんなに調理されたいなら思う存分してあげるわ!」グイグイ

  鍋 < ジュワワワワッ!!

  天の助「ガボッゴボボボ!? ありがとうございゴボッ!! ありがとうございますッ!!」ジュウ~!

  ボーボボ「ホラ! これがいいの!? これがいいのかしら!?」グイグイ

  天の助「ゴボボボボボ!! ありがガボボッ!!!?」ゴボゴボ


さやか「どんな料理番組だーーーッ!?」サヤーン!?

485: 2011/10/30(日) 01:30:57.20 ID:2004qN3S0


ボーボボ「さやか、パスだっ!」つところてん添え触手唐揚げ ポイッ

さやか「うわわ、調理されたモノが来た!?」

さやか(で、でもこれならあたしでも倒せる!)つ剣 チャキッ

さやか「おりゃぁ~~~!」

   スパッ!!

さやか「や、やった切れた!!」

杏子「上出来だぜ、さやか!」

さやか「うん、ありがと……う」つ剣 ポタポタ

さやか「…………」つ剣 ポタポタ



さやか(剣が油まみれだぁーーー……)ズーン…



マミ「そ、そりゃそうなるでしょうね」

ほむら「ええ(何だか気の毒……)」

486: 2011/10/30(日) 01:32:10.41 ID:2004qN3S0


  触腕 < ビュン!!

マミ「おっと、上手くかいくぐって来たようね。でも通したりはしないわ」チャキッ

ほむら「当然ね」チャキッ

    パン! パン!

   触腕 < ボトッ

   触腕 < ピクピク…

マミ「ごめんなさいね♪」

ほむら「まどかには指一本触れさせないわ」

まどか「すごいや、マミさん、ほむらちゃん!!」

487: 2011/10/30(日) 01:33:43.92 ID:2004qN3S0



   触手A < ヒュンヒュン!!

   触手B < ブン!

杏子「横からも来やがったか!」

さやか「うわわ!?」アセアセ

ソフトン「安心しろ、俺たちがいる」スッ

杏子「だなっ!」バッ


   バビロン真拳奥義<オシュ=マハアルの落日>!!

    触手A < バシュゥ…

ソフトン「バビロンは『守り』の戦いであっても遅れをとることは無い」


杏子「うおりゃぁッ!!」つ槍 ブン!

    触手B < ズバァァン!!

杏子「へへっ、ちょろいちょろい」


さやか「二人とも、ありがとう……!」

ソフトン「礼は後でいい」

杏子「その通り、今は自分の敵に集中しな。横槍を入れてくる相手はアタシらが殺っちまうからよ!」

さやか「分かった!」

488: 2011/10/30(日) 01:34:29.70 ID:2004qN3S0



まどか「すごいよ! 初めてやる戦い方のはずなのに、まるで何年も共闘してきたかのように息ピッタリ!!」

首領パッチ「ん、あいつら何やってんの?」

まどか「え、何って……魔女と戦ってるよ?」

首領パッチ「何だとォ!? 俺様を放っといて、勝手に戦闘を始めるなんて許せねぇ!!」

首領パッチ「俺より目立つんじゃねぇーーーッ!!」ダッダッダッ!!

まどか「ど、首領パッチ君!? ……行っちゃった」

489: 2011/10/30(日) 01:35:58.16 ID:2004qN3S0



  ~最前線~


さやか「だいぶ、魔女の近くまでやってこれたね」

ボーボボ「気をつけろ。接近すると共に攻撃も激化する」

さやか「た、確かに攻撃の間隔がどんどん短くなってる……」


   触手 < グオオオオッッ!!


天の助「おいでなすった!」ザッ!

ボーボボ「みんな、構えろ!」


   触手 < グインッ!


さやか「 ! きゅ、急上昇!?」


   触手 < グオンッ!


天の助「今度は急降下だ!」

杏子「これってまさか……」

ソフトン「前衛を飛び越えての中央狙い! こいつ、最初から……!」

ほむら「最も経験の浅いさやか狙いよ!!」

490: 2011/10/30(日) 01:36:47.94 ID:2004qN3S0


   触手 < ゴオオオオォォーーッ!


杏子「さやか、避けろ!!」

さやか「……いや、あたし一人でやるッ!」つ剣 チャキッ

杏子「ばっ!? 無茶を言うな!」


   触手 < ゴオオオオォォッ!!


さやか「てええぇぇいッ!!」つ剣 ブン!


杏子「さやかぁぁーーーーッ!!」

マミ「美樹さん!!」

まどか「さやかちゃん!!」





     スパァァン!!






   触手 < ゴトン…


杏子「   」

ほむら「   」

マミ「   」

まどか「   」





さやか「あれ、ホントに出来ちゃったや」

491: 2011/10/30(日) 01:37:45.19 ID:2004qN3S0


杏子「ま、マジかよ……」

マミ「す、すごいわ美樹さん!!」

ほむら「まさかまさかね……」

まどか「すっごい、さやかちゃーん!」手ブンブン!

さやか「う、うへへへ! いやあ、舞い上がっちゃってますね、あたし!」エヘヘー!


ソフトン(この少女……学習能力の高さや、実践での勝負強さも去ることながら……)

ボーボボ(生まれつき備わっている戦闘のセンスが高い……!)



ほむら「いい反応よ、さやか。でもね、今回は運が良かっただけと考えなさい」

ほむら「一人で先行することなく、ちゃんと周りの意見にも耳を傾けるのよ」

さやか「分かってるって! つか、ほむらが褒めてくれるって珍しいね。さやかちゃんに惚れちゃったのか~い?」クスクス

ほむら「バカ言いなさい」フン

492: 2011/10/30(日) 01:39:19.15 ID:2004qN3S0



 触腕s < ゴオオオォォォッッ!!



天の助「うおっ、何つー数の攻撃! 向こうも躍起になってきやがった!」

ボーボボ「フォーメーションを崩すな! 冷静に対処すれば切り抜けられる!」

さやか「分かった!」


 ダッダッダッダッダ…


さやか「……ん?」クルッ

ほむら「何かしら……」クルッ

マミ「この音?」クルッ

杏子「何かが近づいてるような……?」クルッ




ネコパッチ「フガフガフガフガガガァーーーーーッッ!!!(ボーボボ、この野郎ーーーッ!!!)」『ネコ科代表首領パッチ』 ダッダッダッダッダッッ!!


さやほむマミ杏「「「「な、何ィーーーーーーッ!!」」」」ガビーーン

493: 2011/10/30(日) 01:41:08.24 ID:2004qN3S0



ネコパッチ「フガガフガフガーーーッ!(皆が託してくれたこのタスキ!)」つ『ネコ科代表首領パッチ』ギュッ

ネコパッチ「フガフガガフフガァーーーーッ!!(そして、強走効果のある口に押し込んだ増えるワカメ!!)」ダッダッダッダッダッ

ネコパッチ「フガガガフガ、フガ!!(この二つを背負い、今!!)」ダッダッダッダ!



      ボ ー ボ ボ に 復 讐 し ま す

                          ドドン!!



ネコパッチ(フッ、決まった……!)ダッダッダッダ!


さやか「何アレ……」サヤーン…

494: 2011/10/30(日) 01:41:51.40 ID:2004qN3S0



ボーボボ「上等だ! かかって来いやぁーーーーッ!!」キシャー!

ネコパッチ「フガガフガッ!!(退け、小娘どもッ!!)」ドカッッ!

マミ「きゃあッ!?」ステン!

杏子「何しやがる!」ヨロッ

ネコパッチ「フガガフガガフフガ!(俺の狙いはボーボボ一人!)」ダッダッダッダ!

ネコパッチ「フガフガフガフガガ……フゴッ!(この増えるワカメ装備の俺様の前ではテメーごとき……フゴッ!)」

ネコパッチ「ゴフォッ!!(喉に詰まった!? ば、馬鹿な!?)」

杏子「馬鹿だな」

495: 2011/10/30(日) 01:42:54.83 ID:2004qN3S0


ネコパッチ(ぐおおおおぉぉッ!! 復讐を果たせず力尽きてたまるか~~~~……)ジタバタジタバタ

ネコパッチ(そ、そうだ、こんな時こそ皆の応援メッセージ!!)つメッセージ スッ

ネコパッチ(復讐に向かう俺の為に、皆がメッセージをくれたんだ!)


   ネコA『おやびん、頑張ってくださいニャー』

   ネコB『これ、僕たちの応援の手紙ニャ。苦しくなったら読んでほしいニャー』


ネコパッチ(今こそ使わしてもらうぜ、お前たち!!)つメッセージ ババッ



     『ニャニャニャ、ニャーニャーニャニャ

      ニャンニャ、ニャナニャンにゃー、

      ニャーミャーニャニーニャンニャナン

      ニャッキ、ニャンニャマニャン。  』



ネコパッチ「読めねぇーーーーーーーーーッッ!!」ゴバァッ!!

さやか「何がしたいのあんた!!」サヤーン!?

496: 2011/10/30(日) 01:43:53.53 ID:2004qN3S0


ネコパッチ「ま、まだだ……。まだ、この皆が手作りしてくれたタスキがある限り、俺はまだ…………ん?」つ『ネコ科代表首領パッチ』


         『ネコ科代表首領パッ≪テ≫』


ネコパッチ(微妙に間違えてる…………)ガーン…

ボーボボ「ねこたち町に帰れぇーーーーッ!!」バキィッ!!

ネコパッチ「万策尽きたかぁーーーーッ!」ヒューーー!



ボーボボ「ふん、手間かけさせやがって……」

マミ「ぼ、ボーボボさん!」

ボーボボ「!」

497: 2011/10/30(日) 01:45:24.73 ID:2004qN3S0


  触腕s < シュゴオオオオォォォォッッ!!


さやか「あ、ああ……!」

杏子「さやかッ!!」


ボーボボ(しまった! あの馬鹿(>>>1)のせいでフォーメーションが崩れた!)   >>>1 首領パッチのこと

マミ(全ての攻撃がさっきみたいに美樹さん狙い……!)

ソフトン(いくら彼女でも、あの量の攻撃を受けてしまえば……)

ボーボボ(くそッ! あのハゲチャビン出っ歯太郎次郎(>>>2)め!!)   >>>2 首領パッチのこと

ボーボボ(俺からは間に合わん! ならば一番近くにいる……)


ボーボボ「天の助! さやかのサポートを頼む!」バッ



天の助「……」つ『ラバランプ2000円』ゴポゴポ



マミ「小洒落たインテリアになろうとしてるぅーーッ!!」マミーン!

498: 2011/10/30(日) 01:46:27.25 ID:2004qN3S0


天の助(冗談じゃねぇ! あんな攻撃食らったらところてんじゃなくてもバラバラになるわ!)ガタガタ

天の助(と、とりあえず今は雑貨屋とかにある、色の付いた液体が上がったり下がったりする電気スタンドのフリをして、この場をやり過ご……)ガタガタ

さやか「早く助けなさいよッ!」バキッ!

天の助「うごぉッ!? 何故バレた!?」ドガッ!

さやか「何、我関せずっつう風に佇んでるのよ! さやかちゃんがピンチでしょうがーーッ!」ギャーギャー!

天の助「うっせぇ、ボケ! 俺を巻き込むんじゃねぇ!」ギャーギャー!

天の助「つーか、いきなり殴るなよ! あのラバランプを割っちまって、水浸しになった部屋を片づける虚しさが分かるのかよ!」ギャーギャー!


     天の助『あ……、あー……あぁ』

     天の助『やっちまった……』


さやか「知るわけないでしょ、つかそれ以前にあんたところてんだし!!」ギャーギャー!

まどか「さ、さやかちゃんッ!」

499: 2011/10/30(日) 01:48:08.88 ID:2004qN3S0


 触腕s < ゴオオオオォォォォッッ!!


さやか「げっ、もう目の前に……!」

天の助「ひいぃ、もう体バラバラネタはイヤだ!! あれ、平気そうに見えて無茶苦茶イテーんだぞ!」

さやか「あーー、仕方ない! こうなったらヤケクソで相手してあげるわ!」チャキッ!

杏子「よせ、さやか!! さっきの攻撃とはワケが違うんだぞ!」

ほむら「逃げなさい、さやか!」


 触腕s < ゴゴオオオオオォォォォッ!


さやか「そんなこと言われたって、ここまで来たらもう逃げれないよ!」

天の助「ちっくしょー! 俺もヤケだ!」


     プルプル真拳奥義<ヤクザっぽい顔で睨んだら引き返してくれるといいなぁ>


天の助「やんのか、コラ!!」オラオラ!

さやか「いや、奥義じゃなくて願望じゃん!!」

500: 2011/10/30(日) 01:49:34.98 ID:2004qN3S0



マミ「このままじゃ二人とも……!」

ボーボボ「くっ……!」

田楽マン「シーズキラァクイィーーン♪」

ボーボボ「……」


ボーボボ「よし」スッ

田楽マン「え」ガシッ

ボーボボ「行ってこい、田楽」

田楽マン「いやいや! 無理っすよ! 自分クズっすから、誰からも必要とされませんって! 行っても迷惑ですって!」ブンブンブン!

ボーボボ「やってみなくちゃ分からねーだろ! チャレンジ6年生ーーーーッッ!!!」ブン!

田楽マン「ぎょへえええぇぇぇッ! 絶対無理だってぇぇぇぇ!」ヒューー!

501: 2011/10/30(日) 01:50:38.01 ID:2004qN3S0



  キラン☆

さやか「ん? 何かが光って……」

天の助「あれは、きっとボーボボからのヘルプアイテムだ!」

さやか「え!? ってことはきっとすごいモノが……!」


  田楽マン「ぎゃああぁぁぁぁぁ!! 誰か止めてぇぇぇッ!」ヒュー



天の助「……チッ」

さやか「……ハァ」


  田楽マン(滅茶苦茶イラついてらっしゃる!?)ナンデ!?


502: 2011/10/30(日) 01:51:58.29 ID:2004qN3S0


田楽マン「おっと着地」スタッ

田楽マン「ちょ、ちょ、ちょっと! 何で喜ばないのら!? 折角僕が助けに来たっていうのに!」プンプン

天の助「……」

さやか「……」


田楽マン「こっちだって、命がけでやってきたのに、そういう態度は……!」

天の助「なぁ」

田楽マン「大体、この前だって……、え?」

天の助「黙れ」

さやか「……」コクッ


まどか(あ、あんな冷めた顔の二人初めて見た……)マドーン…

503: 2011/10/30(日) 01:53:24.88 ID:2004qN3S0



天の助「お前さぁ、こっちは命がけな訳よ。それなのに、そういうノリで来るってどうよ?」

田楽マン「え、あの、その……」

天の助「ハッキリしゃべれよ」

さやか「さっきはあんなに威勢良かったじゃない」

田楽マン「あ、あの僕……その……」


まどか「そのまま説教に!? ちょっと二人とも! 状況をよく考えて! すぐそこに魔女の攻撃が!」

504: 2011/10/30(日) 01:54:32.94 ID:2004qN3S0


 触腕s < グオオオオオオォォッッ!!


田楽マン「で、でも僕は皆の為になると思って……」ガシッ

天の助「その割には随分と行くの渋ってたよな?」ガシッ

さやか「あんたさ、戦いナメてんの?」ガシッ


マミ「あぁっ! 三人とも魔女に捕まったわ!」

杏子「ていうか、説教に夢中で全然気づいてねーじゃん!!」

505: 2011/10/30(日) 01:55:32.87 ID:2004qN3S0


  グググググググ……


        触腕塊 < ガッキーーン!!


ソフトン「触手同士が絡み合い、まるで木の幹のように太く……!」

ほむら「三人が閉じこめられた!」

まどか「さやかちゃぁーーーーーんッ!!」



   触腕塊 < 僕トシテハ反省シテマシテ…

        誠意ガ見エナインダヨ、誠意ガ!

        フザケルノモイイ加減ニシテヨネ…


まどか「まだ説教やってたッ!?」マドーン!



506: 2011/10/30(日) 01:57:27.00 ID:2004qN3S0



杏子「くっ! さやか、今助けるぞっ!」ダッ

ボーボボ「待て!」

杏子「な、何だよ! このままじゃさやか達が絞め殺されちまうぞ!」

ボーボボ「ここはひとまず三人に任せてみよう」

杏子「はぁッ!?」


杏子「正気かよ! さやか達は今にも魔女に握り潰されそうだってのに……!」

マミ「そ、そうですよ、ボーボボさん! 美樹さんはまだルーキーの域を越えていません! 無茶です!」

ソフトン「落ち着け、二人とも。ボーボボにも考えがあるんだ」

ほむら「その考えとやらを早急に教えてほしいわ。さやかが氏んでしまうより前にね」


ボーボボ「確かに、今は危機的状況だ。ボンバーマンで開幕真横に爆弾置きをしてしまったくらいにな」

ボーボボ「だが、このピンチをチャンスに変える技術が戦士に必要だ。もしもさやかが自分の力でこの窮地を脱することが出来れば、名実ともに本物の魔法少女になれるだろう」

杏子「た、確かにそうだけど……」

ボーボボ「さやかの成長の為にも、今は堪えて待つべきだ」アフロパカッ


 アフロ < ミニボボ「さやかは助けたいけど、側にいるバカ二人の為に動くのはすげぇだりー」ダラダラ


マミ「本心! 本心が見えてますよっ!」マミーン!

507: 2011/10/30(日) 01:58:31.17 ID:2004qN3S0


ソフトン「俺もボーボボの意見に賛成だ。今はさやかの側に奴らがついている。不安要素は残るが最悪の事態は避けられるはずだ」

ボーボボ「それに、俺たちも忙しくなりそうだからな」


  触手s < ゴオオオオオォォォォォッッッ!!!


マミ「また攻撃が来た……!」

ほむら「物量で押し切れると踏んだようね……。厄介だわ」

ソフトン「俺たちはこの攻撃に対処し、今捕らえられているさやか達に新たな攻撃が加わることを阻止しなければならない」スッ

杏子「くそっ! さやか……、絶対出てくるんだぞ!」チャキッ!



508: 2011/10/30(日) 01:59:56.95 ID:2004qN3S0




  ~触腕塊~


天の助「で、ここどこよ?」

さやか「あれ? みんな居ないし暗いし狭いし……。あたし達どうなったの?」

田楽マン「多分敵の攻撃を受けたんだと思うのら」

天の助「ってことはアレか? 俺たち、あのニョロニョロしたのに閉じ込められてるってことか」

さやか「あ~、通りで暗くて狭いわけだ」

田楽マン「俺たち結構ピンチなのら~」アハハハハ

天の助「だよなー。これって敵の手に握られてるとの同じじゃ~ん」アハハハハ

さやか「それマジでヤバイじゃん、あたし達~」アハハハハハ


    アハハハハハハ~



さや天田楽「「「って、えええええぇぇぇぇーーーーーッッ!?」」」ガビーン!!



  ダイナシン『これは漫才や漫画によくある時間差リアクリョンだ!』

  ダイナシン『突然起こった驚愕的な事態にまるで大したことないように振る舞い、時間差で過剰な反応をして笑いを取るテクニックである!』


『ギャグにすかさず解説を入れて面白さを半減させる台無し怪人 <ダイナシン>』


509: 2011/10/30(日) 02:01:19.68 ID:2004qN3S0



さやか「ど、ど、ど、どーすんのよ! あたし達絶体絶命じゃない!」

天の助「どーするもこーするも……」


   ググググググ…


田楽マン「ひっ! 間隔が狭くなってきた! このまま握り潰すつもりなのら!!」

天の助「な、何ィーーーーッ!?」

さやか「ええぇーーーッ!? 確かに最近ダイエットしてたけど、こんな過激なのはヤダぁ!!」

田楽マン「ま、マズイのら! どうしようどうしよう!!」オロロ

天の助「ん!? おい、田楽! そのポシェットを寄越せ!」つ 田楽ポシェット バッ

田楽マン「あぁッ! 僕のポシェット返すのら!」

天の助「何かこの場をやり過ごすアイテムとかねーのかよ!」ゴソゴソ!

田楽マン「そ、そんな美味い話はないのら……。そのポシェットだってライバルであり強敵ドラえもんのポケットには流石に負けるのら……」

さやか(ライバル視してたんだ……)

510: 2011/10/30(日) 02:02:48.81 ID:2004qN3S0


天の助「おっ! いいのがあるじゃねーか!! これならこのピンチも打開できるぜ!」ガシッ

さやか「ほ、ホントに!?」ワクワク

田楽マン「マジで!? 僕のポシェットにそんな奇跡的アイテムが!?」

天の助「てめー、わざわざ隠しやがって!あるじゃねーか、ほら……」


天の助「大阪おばちゃんが5ダースも!」バッ

  おばちゃんA「奥さん、佐藤さんのお子さんがね……」ベラベラ

  おばちゃんB「えぇっ、ホンマにー!?」ベラベラ


田楽マン「何だそれ!? 入れた覚えねーぞ、そんなの!!」ガビーン!?

さやか「しかも、5ダースって何!? 単位おかしいでしょ!!」サヤーン!

天の助「このおばちゃんを使えば……!」ババッ!


  超絶奥義<大阪おばちゃん異常発生 ~シーズン2~>!!


  おばちゃんC「そんでな、うちのお父んがな……」

  おばちゃんD「飴ちゃんいるか?」

  おばちゃんE「あんた、アホ言っとったらしばくで!」


 ドドドドドドドドオオオォォォォォッッッ!!!


さやか「と、とんでもない量のおばちゃんが、小さなポシェットの中から溢れてきた……!」

田楽マン「5ダースって60人!? どう考えても入らねーだろ、そんなに!!」

511: 2011/10/30(日) 02:04:39.54 ID:2004qN3S0


天の助「だが、このおばちゃん達が壁を押さえているおかげで、スペースが出来たぜ! これで俺らが潰される心配は無くなった!」


   おばちゃんF「この前、『欧米か!』やる人見てな……」ペチャクチャ

   おばちゃんG「あの人、テレビで見るより太っとうよな」ペチャクチャ


さやか「この状況下でもおしゃべりしてる……」


田楽マン「でも、マジにどうするのら? このおばちゃん達も長くは持たないだろうし」

さやか「う……、確かにヤバイね」

天の助「ふっふっふ~。天ちゃん、またまた妙案が浮かんじゃいましたよ!」

さや田「「えっ!?」」

天の助「このでっけぇ触手は魔女に直接繋がっている。つまり、ここを掘り進んでいけば本体にダイレクトアタック出来るわけだ」

田楽マン「すごいのら、天の助!!」

さやか「天の助にしては冴えた考えじゃない! 体内に入って攻撃って何だかSFみたいっ!」

天の助「それじゃ、さっそく掘りまくるぜーーー!!」

さや田「「おおーーーッ!!」



     協力奥義<夢見る者達のプリズンブレイク>!!


田楽マン「おい! 看守が来たぞ、早く戻れ!」コソコソ

天の助「あと10センチだけ! もうちょっとでこの監獄から出られるんだ!!」つ スプーン ガリガリガリ!

さやか「いや、看守とか居ないから。それにスプーンより、あたしの剣の方が掘りやすいと思うんだけど」つ さやかちゃんソード ブォン!

天田「「俺達の努力はッ!?」」


512: 2011/10/30(日) 02:06:02.21 ID:2004qN3S0



  ~~~


杏子「ちっ、潰しても潰しても……」ザシュッ!

ほむら「どんどん湧いてくるわね!」パァンパァン!

ボーボボ「鼻毛旋風!」バシュバシュッ!

ソフトン「ふん!」シュバッ!


   触手s < ゴゴゴゴゴゴゴゴオォォ!!


まどか「み、みんな押されてる……。このままじゃ負けちゃうよぉ……!」



杏子「くそっ! いつになったらアイツら出てくるんだよ! こっちもそろそろしんどくなってきたぞ!」ハァハァ

マミ「た、確かにキツイわね」

ボーボボ「奴らを信じるんだ。今の俺たちにはそれしか出来ない」


   触腕塊 < シーン…


ほむら「でも、もう何分も反応がないわ……。そろそろ救出も想定して動かなければ……」


   触腕塊 < グググググ…


513: 2011/10/30(日) 02:06:58.05 ID:2004qN3S0


ほむら「こ、これはっ!?」

マミ「軋みが聞こえるわ……、まさか……!」

杏子「アイツらついにやりやがったか!」


   触腕塊 < ギギギギギ!!


ほむら「で、出てくるわよっ!」


   触腕塊 < ボゴォッ!

        おばちゃんA「   」ズボォッ!


ほむマミ杏「「「おばちゃんが出てきたぁーーーーーッッ!?」」」ガビーン!


おばちゃんA「…………」ジー…

おばちゃんA「何見とんのや」

ほむマミ杏「「「す、すみません……」」」

514: 2011/10/30(日) 02:07:47.24 ID:2004qN3S0


杏子「な、何でおばちゃんが出てくるんだよ!? さやか達はどうしたんだよ!」

ほむら「こ、このおばちゃんはどこから……!?」

ソフトン「おい、あれを見ろ!」

ほむマミ杏「「「えっ!?」」」クルッ


  触腕塊 < おばちゃんD「これな、3000円やってんで!」

        おばちゃんE「うっそぉ、めっちゃ高そうや~ん」

        おばちゃんF「どこで買うたん?」


ソフトン「大量のおばちゃんが突き抜けている……」

ほむマミ杏「「「うわあああぁぁ!? 気持ち悪ーーーいッ!?」」」

515: 2011/10/30(日) 02:09:14.34 ID:2004qN3S0


ボーボボ「あれはまさしく、田楽マンの大阪おばちゃんズ! 奴らめ、あんな方法で切り抜けるとは……!」ニヤリ

杏子「あ、アレはいいことなのか!? つまり、さやか達は無事なんだな!?」

ボーボボ「ああ」

マミ「で、でもそれなら、何で美樹さん達は脱出しないんですか!? 穴も空いているっていうのに……!」

ソフトン「あいつら……まさか」

杏子「ど、どういうことだ?」

ソフトン「おそらく魔女を体内から攻撃するつもりだ」

マミ「な、何ですって!?」

ほむら「そんな倒し方、前代未聞よ!」

杏子「さやか……!」


516: 2011/10/30(日) 02:10:02.64 ID:2004qN3S0



  ~触腕塊~


天の助「だいぶ掘れたな」フゥ…

さやか「でも、今どれくらいなんだろう……。半分くらい掘れてたらいいんだけどさ……」ハァハァ

田楽マン「手がマメだらけなのら……」

天の助「多分そろそろ本体だ! いっちょやるぞ!」

さや田「「おぉーーーッ!」」



      ~ Now 掘ぅding~


さやか「よいしょっ!」ザクッ

さやか「ふぅ、手が痺れてきちゃったよ……」

さやか「ん?」

517: 2011/10/30(日) 02:12:16.91 ID:2004qN3S0


天の助「おらおらおら!」ザクザクッ!

田楽マン「そいやそいやっ!」ザクザクザクッ!

さやか「ね、ねぇみんな!」

天田「「あ"?」」ギロン!

さやか(え、何でそんなキレかけなの!?)


さやか「こ、コレ見て!」ホラホラ!


     核 < ドクン…ドクン…


天の助「こ、こりゃ魔女の"コア"って奴じゃないか!?」

田楽マン「つまりコレを壊せば……!」

さやか「魔女を倒せるって訳ね!」

田楽マン「やっとゴールなのら!」

天の助「手間かけさせやがって…」

さやか「よーし! それじゃ、さっそくぶっ壊そうかっ!」

518: 2011/10/30(日) 02:14:28.14 ID:2004qN3S0



  天田さや協力奥義<ファフロッキーズ ~剣、時々ところてん及び田楽の雨が降るでしょう~ >



さやか「さやかちゃんの猛攻撃をくらえーーっ!」

  ザシュザシュザシュッ!!


天の助「お食べなさい! お食べなさい!」

  ドドドドドドドドォッ!!


田楽マン「ブリキの傘が必要な一日になります」

  ドゴォーーーーン!!


     核 < パリィーーーンッ!



  ~~~

519: 2011/10/30(日) 02:15:14.78 ID:2004qN3S0



エルザマリア「………!」ビクッ!


エルザマリア「」 ガクン


杏子「な、なんだ!? 急に魔女の動きが止まったぞ!」

マミ「一体何が……!」


 触腕 < サラサラサラ…


ほむら「魔女が消えていく……まさか!?」


   ドッゴォーーーーン!


天の助「ぶはぁっ!! 数週間ぶりの新鮮な空気っ!」ガバッ

田楽マン「シャバの空気は最高なのら!」ガバッ

さやか「よっしゃぁ、出れたッ!」ガバッ


マミ「美樹さん! みんな!!」

ボーボボ「フ、やってくれたな」

杏子「まさか、マジで中から魔女を倒すとは……」


    ぐにゃぁ~~…


まどか「結界が消えていく……。さやかちゃん、魔女を倒せたんだね!」

520: 2011/10/30(日) 02:16:29.53 ID:2004qN3S0



  ~廃工場~


まどか「さやかちゃんすごいよ!!」マドマド!

さやか「い、いやぁ~照れるなぁ!」サヤサヤ!

ほむら「見事よ、さやか」

ソフトン「初陣でこの戦績は素晴らしい」

杏子「やるじゃねーか」

マミ「すごいわ、美樹さん!」

さやか「みんなまで……。あたし参っちゃうなぁ~!」

天の助「アレ!? 俺たちの活躍は!?」

田楽マン「ちくしょう! ヒドいのら~!」


ボーボボ「さやか」

さやか「あ、ボーボボ……」

ボーボボ「ほら、お前の分だぞ」つ グリーフシード スッ

さやか「グリーフシード! そっか拾いそびれてた……、ありがとっ!」

さやか「でも、みんなで戦ったんだし、みんなで分けなきゃ……」

ボーボボ「お前のソウルジェムが一番濁っていることはお見通しなのさ」ババーン!

さやか「う……、バレてたの?」

ボーボボ「ああ。この場合ソウルジェムが濁りが激しい者を優先すべきだ」

さやか「そ、それじゃあ、みんな、お先に……」つグリーフシード スッ

マミ「いいのよ。私はまだ、ソウルジェムに余裕があるしね」

杏子「アタシもだ。グリーフシードならちょっと余分に蓄えがあるんだよ」

さやか「それじゃ、遠慮なく……」

521: 2011/10/30(日) 02:18:08.13 ID:2004qN3S0


   ソウルジェム < パアァァーーーッ


さやか(あ……)

さやか(一回だけじゃ完全にキレイに出来ないんだ……)

さやか(このグリーフシードはもう一回使えるみたいだけど……)

さやか(…………)


さやか「はい、ほむら」つグリーフシード スッ

ほむら「え?」

ほむら「それはあなたのモノよ? あなたが使えばいいのよ、私はまだ……」

さやか「そんなこと言っちゃって~。あたし、ほむらのソウルジェム、ちらっと見ちゃったんだから」

ほむら「!」ホムッ!?

マミ「どういうこと……?」

杏子「おい、ほむら。ソウルジェムを見せろよ!」

ほむら「…………」つソウルジェム スッ


マミ「た、確かに酷いとは言えないまでも濁っているわね」

杏子「お前、何で黙ってたんだよ?」

ほむら「…………」

ほむら(最近は忙しいこと続きで、ついグリーフシードの使用を忘れていたわ……)

522: 2011/10/30(日) 02:19:30.25 ID:2004qN3S0


ほむら「でも、あなたのソウルジェムだって完全に澄み切ってるわけじゃないんじゃ……」

さやか「だ、大丈夫だって! あたしもう最高に回復しちゃったもん!」


さやか(今まで、ほむらに酷いこと言っちゃったもん。これくらいは返さないと……)

さやか(ちょっとだけ、ソウルジェムのことは心配だけど……)


ほむら(正直なところ、ソウルジェムの濁りは問題ではない……。グリーフシードのストックはまだある)

ほむら(でも、ここはさやかの好意を素直に受け取るべきね……)


ほむら「分かったわ。ありがとう、さやか」

さやか「ふふふ、いいってことよ!」

523: 2011/10/30(日) 02:20:46.75 ID:2004qN3S0


まどか「さやかちゃん優しいね!」

さやか「そんなに誉めないでよ! あ、そうだ! まどかもありがとうね!」

まどか「えっ!? 私は何も……」

さやか「戦ってる間も、まどかの応援は感じていたよ。あんたのお陰で頑張れたの。ありがとね!」

まどか「ティヒヒ、そんな私は何も……」

天の助「俺たちには何もナシかよ」

田楽マン「ホントホント~」

さやか「あんたらにも一応、ありがと!」


さやか(何だか、気持ちが楽になっちゃった。自分の体がたとえゾンビでも、あたしにはこんなに良い仲間達がいる……)

さやか(明日、恭介に思いを伝えよう……。拒まれても絶対に後悔はしない……!)

524: 2011/10/30(日) 02:21:59.44 ID:2004qN3S0




  しかし、この時のあたしはあんな事になるなんて夢にも思いませんでした。


  ~同時刻~




仁美「…………上条君」

仁美「私は……、何て罪深いことを……! さやかさん……」



  まさか、あんな事態になるなんて……。





首領パッチ「ところで、あれから一切僕の出番が無いことに、誰か一人でも気づいたでしょうか……」シクシクシク

まどか「ど、首領パッチ君……」



  第七話 「本道 清志 と向き合えますか?」 完


525: 2011/10/30(日) 02:22:45.56 ID:2004qN3S0


第七話はこれで終了です
早い内に投下出来るよう、>>1も尽力するつもりです
それでは八話の執筆に戻るとします…


527: 2011/10/30(日) 02:27:39.60 ID:lme6zbYAO

相変わらず素晴らしい

528: 2011/10/30(日) 02:33:20.14 ID:LQBu9XyHo

引用: QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」2