1: 2016/11/01(火) 19:33:14.97 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「そこから一歩でも動いてみなさい……このビスケットは粉々になるわよ」

にこ「くっ……! 絵里あんた、自分が何してるか分かってんでしょうね!」

絵里「……口の利き方には気をつけてくれる?」 ポロポロ

にこ「ちょ……絵里!!」

絵里「次は真ん中から真っ二つよ」

にこ「うぐうぅ~……!」

7: 2016/11/01(火) 19:50:26.53 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「ねえにこ、ここらで手打ちにしない? 私だっていたずらにビスケットの命を奪いたいわけじゃないの」

にこ「冗ッ談じゃない……こっちだってはらわた煮えくり返ってんのよ」

絵里「そう……残念だわ。これで私は奥の手を使わなくちゃいけないんだもの」 スッ

にこ「な、何よそれ……チョコレート……?」

絵里「ええ、売れ残ってて安かったハロウィン仕様のパンプキン・チョコ(六個入り)……でも、ただのチョコじゃあないのよねぇ」

にこ「……ただのチョコにしか見えないんだけど」

絵里「ふふ……ハロウィンといえばパーティでしょう? そしてこれは、お菓子というよりパーティグッズ」

にこ「……まさか!」

8: 2016/11/01(火) 19:56:23.07 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「そう! これは六個のうちひとつに激辛チョコが紛れ込んでいるロシアン・チョコレート! 他のお菓子と一緒にテーブルにぶちまけて、知らずに食べた友人を笑い飛ばしたりもできる優れものよ!」

にこ「……生徒会長のあんたが、そんな“食べもので遊ぶな法”スレスレの危険物を持ち歩いて、あまつさえ部室に持ち込むなんて……タダですむと思ってんの?」

絵里「あらにこ、見くびらないで? これは“私が生徒会長であるからこそ持ち歩いているのよ”」

にこ「……! 癒着……!」

絵里「さぁて、そろそろ……終わらないパーティ、はじめましょう?」

9: 2016/11/01(火) 20:02:38.13 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「ほらにこ、アーンして? 私が食べさせてあ・げ・る♡」

にこ「じっ……冗談じゃないわよ! 食品の食べさせ合いは完全に“食べもので遊ぶな法”に抵触するのよ!? それにそんな……か、辛いものなんて食べたら……!」

絵里「ふぅん……食べないの?」

にこ「食べないわよ!」

絵里「じゃあ……仕方ないわね。ビスケットは……」 ポロポロ

にこ「ぁっ……! や、やめてっ!」

絵里「やめてほしいなら、それなりのお願いのしかたがあるわよねぇ」 ポロポロ

にこ「ううっ……!!」

10: 2016/11/01(火) 20:09:11.84 ID:wHJSl0Ci.net
にこ「た、食べるっ! 食べるからっ!」

絵里「違うでしょ」 ミシ…

にこ「ぅ……! そ、そのチョコレート、いやしんぼのにこのお口に食べさせてくださいぃ……!」

絵里「あらぁ……ふふ、そんなに食べたいの? それならまあ、私も鬼じゃないし……食べさせてあげる。はい、アーン♡」

にこ「あ、あーん……」 モグモグ

にこ「……おいし♡」

13: 2016/11/01(火) 20:15:55.80 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「ふふっ、ひとつ目はセーフだったみたいね。でも、ふたつ目はどうかしらぁ?」

にこ「あむ……ん。このチョコふつうにおいしいわね」

絵里「あら余裕ね。はい、みっつ目どうぞ♡」

にこ「ぅ、はむ……あまい」

絵里「ふふふ、いくつ目に引くかな~~?」

にこ「あんたはシンか」

15: 2016/11/01(火) 20:30:15.11 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「はい、よっつ目~♡」

にこ「んむ……ん゛ん゛っ!!?」

絵里「!」ニヤ

にこ「んっ! んむむー! ん゛ん~~~~ッ!!」

絵里「ふっ、ふふ……引いてしまったようね、にこ……♡」

にこ「ん゛に゛ぃいい~~~~!!」ポカポカポカ

絵里「ふふ……あははは! その苦痛にゆがむうるんだ瞳! 吐き出そうにも吐き出せない育ちの良さ! 行き場をなくして振るわれる細腕! 最ッ高よにこ!!」

19: 2016/11/01(火) 20:40:44.19 ID:wHJSl0Ci.net
にこ「ん゛ん゛~~……っ!!」ゴクン

にこ「はあ、けほっ……う、はあ、辛い辛いからいぃ……! 吐く息がからい……!!」

絵里「ふふっ……ふふふ。舌を出して喘ぐ姿も扇情的でステキよ、にこ……♡」

にこ「うっ、うう……どうしてこんなぁ……」

絵里「さて、にこ……私の手にふたつのチョコが余ったわ。そして辛いのは今にこが食べちゃった……この意味が分かるわよねぇ」

にこ「……!」バッ

絵里「そうよ、にこ、このチョコは“ふたつとも甘い”」

20: 2016/11/01(火) 20:49:23.79 ID:wHJSl0Ci.net
にこ「ち、ちょうだい……ちょこぉ……おねがいだからぁ」

絵里「あらあら、ずいぶん舌足らずねぇ。そんなに辛かったの?」

にこ「からいの……ねぇえり、おねが」

絵里「あむ」パクッ モグモグ

にこ「……!!」

絵里「んふ、おいし♡ あーん」パクッ

にこ「ぁ……あ……」ガクッ

絵里「あっはははは! にこ、あなたほんとうにステキな表情するのね! さすがは大銀河宇宙ナンバーワンアイドルだわぁ!!」

22: 2016/11/01(火) 21:00:06.26 ID:wHJSl0Ci.net
にこ「うっ、う……ふぇ」

絵里「……!」

にこ「うぇぇ……な、なんでこんなことすんのよぉ……! ばかぁ……!」

絵里「ああ、にこ……! あなたってば、ことごとく私の予想を超えていくのね……!!」ゾクゾク

にこ「もうやだぁ……!」

絵里「なんなの? ねえ、にこは私を頃したいの? これが萌えってヤツね? にこは私を萌え頃すつもりなのね?」

23: 2016/11/01(火) 21:11:35.46 ID:wHJSl0Ci.net
絵里「ああ、にこ……あなたほんとうに素晴らしいわぁ……」

にこ「うれしくないわよぉ……」

絵里「そんなにこには……ご褒美が必要よね?」

にこ「……?」

絵里「私ね、チョコが好きなの……知ってるでしょう?」

絵里「ねえにこ。そんな私が──他にチョコを持ってないわけがないと思わない?」スッ

にこ「ぁっ……ど、どうせまたくれないんでしょ……」

絵里「いいえ、あげるわ。はい、アーン♡」

にこ「んむっ……あまい……♡」

絵里「おいしい?」

にこ「おいしい……おいしいよぅ……♡」

絵里「ふふ……堕ちたわね……あっははははは!!」



花陽「はわわわ……!!」

凛「……なにあれ?」

真姫「さぁ……」

24: 2016/11/01(火) 21:14:25.33 ID:wHJSl0Ci.net
──数日後

にこ「動くんじゃないわよ、絵里……一歩でも動いたらこのペリメニにきざみのり(梅風味)をぶっかけるわ」

絵里「!!?」




ハッピーエンドね

25: 2016/11/01(火) 21:15:05.12 ID:wHJSl0Ci.net
俺何やってんだバカじゃねえの
おそまつ じゃあの

28: 2016/11/01(火) 21:19:41.88 ID:PmTmH1zp.net
おつ
楽しそう

引用: 絵里「動かないで」