1: 2016/11/03(木) 17:23:52.44 ID:uzEiL/ve.net
とある夜…

千歌「わあっ!曜ちゃん汚れるよー!」

曜「…いいの!」ギュッ

千歌「もう風邪引くよー!」

曜「いいの!」

千歌「恥ずかしいってー!なんで泣いてるのー!」

曜「いいのー!」ギュゥッ

ーーーー
ーーー
ーー

4: 2016/11/03(木) 17:25:47.55 ID:uzEiL/ve.net
後日、浦の星女学院…

千歌・曜「ふと気づくと重なり合うよ~♪」タッタッ

曜「やった!もう失敗しなくなったね千歌ちゃん!」

千歌「うん♪やっぱり一からステップを変えて良かったね!」

ルビィ「やっぱり幼馴染ですね。息がぴったり!」

果南「これで2人は大丈夫そうだね。本番もその調子でね」

千歌・曜「はいっ!」

果南「マルとルビィも問題ないし、私と鞠莉も上手くいってるね」

鞠莉「イェース!私と果南はイッシンドータイだもの♪」

果南「あとは…」チラッ

5: 2016/11/03(木) 17:26:46.67 ID:uzEiL/ve.net
善子・ダイヤ「一途に~未来を呼ぶ心~…」タッタッ

ドンッ

善子「ふぎゃん!」ドサッ

ダイヤ「…また失敗しましたわ」ハァ

善子「もうっ!だからヨハネが近づいたらステップを合わせるように、って言ってるでしょー!」プンプン

ダイヤ「わたくしのせいだと言いたいの!?あなたの足並みが揃ってないからぶつかるんですわ!」

善子「むきー!なにそれ!人間が堕天使に合わせるのは当然じゃないの!」

ダイヤ「はぁ?堕天使風情が人間様に意見など100年早いですわ!」

<ギャーギャー!

千歌「あの2人はなかなか上手くいかないねぇ…」

花丸「だんだん口喧嘩もレベルが低くなってるずら」

ルビィ「お姉ちゃんも善子ちゃんもダンスは抜群なんですけどね…」

6: 2016/11/03(木) 17:27:41.04 ID:uzEiL/ve.net
果南「こらっ!いつまでやってるの2人とも!」

善子「だ、だってぇ…この金剛石会長が…」

ダイヤ「その呼び方はおやめなさいと言ったでしょう!」

善子「ねぇ、今からダンスパートのメンバーを変えましょうよ」

ダイヤ「わたくしも賛成ですわ。善子さんとやっていては永遠に上手くいきませんもの」

善子「ヨハネよ!それはこっちのセリフよ!」

果南「だーめ。もう時間がないんだから。それに今回変えたところで、また踊る機会があるかもしれないし」

果南「私が見ててあげるからさ、もう一度やってみよ!」

ダイヤ「…果南さんがそう言うなら」

善子「…わかったわよ」

7: 2016/11/03(木) 17:28:45.78 ID:uzEiL/ve.net
善子「ここでターンして…背中を合わせる…と」クルッ

ドンッ

ダイヤ「痛いっ!ちょっと善子さん!こちらに寄りすぎですわよ!」

善子「ふふっ…その衝撃は堕天使の抑えきれないオーラよ…」キメッ

ダイヤ「おだまらっしゃい!自分の非を認めなさい!」

善子「何よさっきから!私は悪くないもん!」プンプン

果南「いい加減にしなっ!」

ゴンッ!

善子・ダイヤ「~~~~っ!?」

鞠莉「ちょっと果南!ゲンコツはダメだよ!」

果南「ご、ごめん!つい…」

4人(い、痛そう…)

9: 2016/11/03(木) 17:29:45.03 ID:uzEiL/ve.net
果南「まったく…ケンカばかりしてたら一向に成功しないよ!」

善子・ダイヤ「…はい」シュン

果南「…2人は居残り!教室で課題点を話し合ってから帰ること!」

善子「えー!?」

ダイヤ「2人きりでですの!?」

果南「…いいね?」キッ

善子・ダイヤ「はい…」

10: 2016/11/03(木) 17:31:07.78 ID:uzEiL/ve.net
校門前…

千歌「ダイヤさんと善子ちゃん大丈夫かな?」

ルビィ「またケンカにならないといいんですけど」

花丸「どっちも意地っ張りなところがあるから…」

果南「千歌と曜だって克服したんだから。あの2人もきっと大丈夫だよ」

曜「…うん、そうだよね」

鞠莉「ダイヤも善子も頑張り屋だからね☆」

11: 2016/11/03(木) 17:31:52.85 ID:uzEiL/ve.net
教室…

ダイヤ「ここでわたくしが一歩下がって…」スッ

善子「そしたら私が横に出るわけよね…」スッ

ダイヤ「こうしてやると問題ないのですが…いざ踊ると失敗するんですよね」

善子「ダイヤさんは年ね。一年生の私の動きについてこれないのよ」ウンウン

ダイヤ「はい?減らず口を叩くのはこの口ですか?」ムニー

善子「い、いひゃいいひゃい!ほっぺた伸びちゃうでしょー!」ビローン

12: 2016/11/03(木) 17:32:45.97 ID:uzEiL/ve.net
善子「あーあ、私のパートナーがルビィか花丸なら良かったなー」

ダイヤ「…なんですって?」ピク

善子「だってスクールアイドルやってたダイヤさんより、あの2人の方が上手いんだもーん」

ダイヤ「お黙りなさい!わたくしだってあなた以外のメンバーなら、こんなに苦労してませんわ!」

ダイヤ「いえ、きっと相手がチンパンジーでもあなたよりはマシですわね」クス

善子「な、な、なっ…!なんですって~!」カァアアア

13: 2016/11/03(木) 17:33:28.30 ID:uzEiL/ve.net
善子「なによ!金剛石!高度1のポンコツ生徒会長!」

ダイヤ「ポ…ポンコツですって!?エリーチカの悪口は許しませんわ!」

善子「いやいや!ダイヤさんのことだけど!?」

ダイヤ「そ、そういうあなたはエセ堕天使ですわ!ポンコツ悪魔!」

善子「むきー!もう知らない!絶対に一緒に踊らないんだからっ!」

善子・ダイヤ「ふんっ!」プイッ

14: 2016/11/03(木) 17:34:31.54 ID:uzEiL/ve.net
津島家…

善子「うぅ~…なんであんなこと言っちゃったんだろ…」

善子「どうしてダイヤさんといるとケンカしちゃうのかしら…そんなつもりは無いのに…」

善子「誰かに相談しようかな…。でももしダイヤさんの耳に入ったら気まずいし…」

善子「そうだわ!東京にいるリリーなら大丈夫よね!」ポチッ

Prrrrr…

梨子『もしもし?よっちゃん?』

善子「リリー!助けてー!」ワーン

梨子『ええっ!?ど、どうしたの?』

15: 2016/11/03(木) 17:35:45.01 ID:uzEiL/ve.net
黒澤家…

ダイヤ「ただいま帰りましたわ…」

ルビィ「おかえりお姉ちゃん!善子ちゃんとの練習はどうだった?」

ダイヤ「え?そ、それはその…」メソラシ

ルビィ(あれれ…うまくいってないのかな…?)

ダイヤ(何であんなことを言ってしまったのかしら。本心では無いのに…)

ダイヤ(こういう時は…)ポチッ

Prrrrr…

果南『はい、もしもし』

ダイヤ「果南さーん!お助けをー!」ワーン

果南『ど、どうしたのダイヤ!?』

16: 2016/11/03(木) 17:36:33.85 ID:uzEiL/ve.net
善子の部屋…

善子「…というわけなの。なぜかダイヤさんとのダンスが上手くいかなくて…」

善子「みんなはちゃんと踊れてるから…それでちょっとイライラしちゃってヒドいことを…」

梨子「そう…だったのね…」

梨子(この前の曜ちゃんみたいな相談ね…)

善子「2人で前に出なきゃいけないところで必ずぶつかるの。もっとダイヤさんが前に行けばいいのよ…」

善子「…私なんかよりもダイヤさんの方が目立つべきなのに…」

梨子「…ん?」

17: 2016/11/03(木) 17:37:13.00 ID:uzEiL/ve.net
ダイヤの部屋…

ダイヤ「…というわけです。あのあと教室で口論になってしまい…」

果南『…そっか。ごめんね、2人だけで残しちゃって』

ダイヤ「いえ…わたくしが悪いんですわ。善子さんを傷つけてしまったのですから…」

ダイヤ「わたくしは、奥手な善子さんをもっと前に出してあげたいだけなんですが…」

果南「…ん?」

18: 2016/11/03(木) 17:38:08.42 ID:uzEiL/ve.net
梨子『よっちゃん、もしかして遠慮してダイヤさんを前に出そうとしてるんじゃない?』

善子「…そ、そんなこと無いわよ!このヨハネが人間に気を使うなんて…」

善子「…」

善子「…あるかもしれない」

梨子『やっぱり』

善子「だ、だって!ダイヤさんは3年生だもん!私はまだ1年だし…」

善子「それに…私がスクールアイドルなんてガラじゃ無いって…今でも考えちゃうの!」

善子「ダイヤさんの方がずっとずっと可愛いし…私なんかより前に出た方がいいだろうし…」

梨子『…』

梨子『はあ…よっちゃん、そんなこと考えていたのね。これは帰ったらお仕置きしないとダメね』

19: 2016/11/03(木) 17:39:07.84 ID:uzEiL/ve.net
善子「ち、ちょっと何よそれ!お仕置きって何する気よ!?」

梨子『おしりペンペンに決まってるじゃない』

善子「ひっど!そこは感動して慰めてくれるとこでしょー!」ムキー

ダイヤ『もしかしたら…ダイヤさんも似たようなことを考えていたんじゃないかな?』

善子『え…?』

ダイヤ『だから同じように動いて…それで失敗してたのかもしれないわ』

善子(ダイヤさんも…?)

20: 2016/11/03(木) 17:39:58.47 ID:uzEiL/ve.net
梨子『…よっちゃん、自分に自信が無くて前に出れなかったのは私も同じ』

梨子『地味な私がスクールアイドルなんて考えられなかったし…』

梨子『大勢の前でピアノを発表するなんて…想像もしていなかった』

善子「あ…そっか、もうすぐピアノの本番…」

梨子『でもね、今は怖くないの。離れていても大切なみんながいるから』

21: 2016/11/03(木) 17:40:47.79 ID:uzEiL/ve.net
梨子『よっちゃん、Aqoursの中で誰が一番とかじゃない。誰かが自分より優れてるなんて関係ない』

梨子『自分にしか出来ないこと。自分がやれることを考えてみて』

梨子『きっと…それが一番ダイヤさんとよっちゃん自身のためになると思うから』

善子「リリー…」

善子「…分かった!今からちょっと行ってくる!」

梨子『え?どこに?』

善子「ダイヤさんのところ!早く行かないとバスが終わっちゃう!」

梨子『…そっか!気をつけてね、よったゃん!』

善子「リリーはあんまり同人誌ばっかり買っちゃダメよ!」

梨子(…え?うそバレてる?なんで!?)ガーン

22: 2016/11/03(木) 17:41:40.65 ID:uzEiL/ve.net
果南『ダイヤ…もしかして無意識に後ろに下がってない?』

ダイヤ「えっ…そ、そんなことは…」

ダイヤ「…」

ダイヤ「…思い当たるかもしれません。わたくし…善子さんを目立たせようとしてるのかも」

果南『やっぱり…なんでそんなこと思ってるの?』

ダイヤ「…練習してるときの善子さん、とってもイキイキしてるんです」

ダイヤ「あの子…堕天使キャラで強がったりしていますが、本当は繊細で傷付きやすいのを知っています」

ダイヤ「だから善子さんの楽しそうな姿を見てると…もっと前に出さないと…!って思ってしまうんです」

果南『…だったら本人に言えばいいのに。あんな喧嘩腰にならなくてもさ』

ダイヤ「そ、それは…!照れ臭いじゃないですか!あの子にそんなことを言うのは…」

果南(…まったくもう。めんどくさいんだから)クスッ

24: 2016/11/03(木) 17:42:17.10 ID:uzEiL/ve.net
果南『ダイヤって意外と引っ込み思案なとこあるからなぁ。小さい頃に鞠莉に話しかける時オドオドしてたし』

ダイヤ「うっ…」

果南『でも…ダイヤがちゃんと踊り切ることができたらさ。それは善子も輝くってことじゃないかな』

ダイヤ「え…?」

果南『どっちかが身を引いたから相手が目立つなんて無いよ。ダイヤと善子、2人で1人なんだから』

果南『私は…息ピッタリな2人のダンスを見てみたいな』

ダイヤ「果南さん…」

25: 2016/11/03(木) 17:43:11.07 ID:uzEiL/ve.net
果南『それに…ダイヤと善子ってどこか似てるしね。きっと相性バツグンだよ!』

ダイヤ「わ、わたくしと善子さんが似てる…?あの堕天使とですか!?」

果南『なんとなくね♪お互い不器用なところがさ』

ダイヤ「不器用…そうかもしれませんわね…」

ダイヤ(善子さんも踊りながら同じように考えていたのでしょうか…)

ダイヤ「…」

ダイヤ「…わたくし、今から善子さんのところに行ってきます」

ダイヤ「おそらく不器用な彼女も…今のわたくしみたいに悩んでるはずですから」

果南『…うん、分かった!行っておいでよ!』

26: 2016/11/03(木) 17:43:52.71 ID:uzEiL/ve.net
三津郵便局バス停…

ブロロロ…

善子「早くダイヤさんの家に行かないと…」

ダイヤ「あっ…善子さん!?」

善子「ダ、ダイヤさん!どうしてここに…」

ダイヤ「それは、その…バスで善子さんの家に行こうかと…」

善子「えっ…?」

善子・ダイヤ「…」

27: 2016/11/03(木) 17:44:42.13 ID:uzEiL/ve.net
善子「わ、私は…」

善子「練習しようと思って来たの!ダイヤさんがいつまでたっても上達しないから!」

ダイヤ「わ、わたくしもそう思ってましたわ!善子さんが足を引っ張りますからね!」

善子「そ、そっちが全然前に出ようとしないから!私が気を遣って…!」

ダイヤ「あ、あなたこそ!自分にもっと自信を持つべきですわ!」

善子・ダイヤ「はぁ…はぁ…」

善子・ダイヤ「…」

善子・ダイヤ「…ぷっ!」

28: 2016/11/03(木) 17:45:11.76 ID:uzEiL/ve.net
善子・ダイヤ「あはははは…!」

善子「なんていうか…」クス

ダイヤ「似てますわね、わたくしたち…素直じゃないところが」クス

善子「2人揃って独り相撲だったみたいね」

善子「…」

29: 2016/11/03(木) 17:46:19.29 ID:uzEiL/ve.net
善子「…ダイヤさん、来てくれてありがとう」

ダイヤ「な、なんですの!突然お礼だなんて…」

善子「いーのー!」ギュッ

ダイヤ「こ、こら離れなさい!暑苦しいですわ!」

善子「ふふーんだ!離さないもーん!」ギュゥッ

ダイヤ「まったく…変な子ですわね」クス

ダイヤ(こちらこそ…ありがとうございます)

30: 2016/11/03(木) 17:47:20.63 ID:uzEiL/ve.net
黒澤家…

ルビィ「~♪」

善子・ダイヤ「一途に~未来を呼ぶ心~」タッタッ…

スタッ

善子「や、やった!出来たわ!」

ダイヤ「やりましたわね、善子さん!アドリブで手を合わせてみましたが、断然こちらの方がいいですわ」

ルビィ「お姉ちゃんも善子ちゃんもすっごくかっこよかったよ!」

善子「ふふっ、当然ね!ヨハネが本気を出したらこんなもんよ!」

ダイヤ「こら!調子に乗るんじゃありません!本番までビシッと仕上げますからね?」

善子「わ、わかってるわよ~!」

31: 2016/11/03(木) 17:48:00.56 ID:uzEiL/ve.net
ダイヤ「…さて、もう遅いですわ。善子さん、今日はウチに泊まりなさい」

善子「え?いいの?」

ダイヤ「ええ」

ルビィ「やったー!善子ちゃん、一緒にお風呂入ろうよー!」グイッ

善子「わ、分かったわよ!引っ張らないでー!」

ルビィ「お姉ちゃんも入ろっ♪」

ダイヤ「ええ、いま行きますわ」フフ

ダイヤ(そう言えば…)

32: 2016/11/03(木) 17:49:56.34 ID:uzEiL/ve.net
ライブ前…

ーそう言えば…前に千歌さんが言っていましたわ。

ー輝くってことは、自分一人じゃ無くて他の誰かと手を取り合うことだと。

ーそれがスクールアイドルの輝き…なのかしら…?

ーええ、きっとそうですわ。…さあ、行きましょう善子さん!ラブライブに向けて…!

ーうん!Aqours…サンシャイン!


ー想いよひとつになれー

ーこの時を待っていたー



おわり

33: 2016/11/03(木) 17:51:26.57 ID:uzEiL/ve.net
|c||´.-`|| おわり。短くてすみませんわ。

35: 2016/11/03(木) 17:53:13.36 ID:Xp/QRWlc.net
|c||^.-^|| いいですわゾ

引用: 善子・ダイヤ「一途に未来を呼ぶ心」