1: 2016/11/03(木) 20:35:30.51 ID:VuvcjDZt.net
幼ルビィ「はぁ……」
幼ルビィ(また……、お父さんに怒られちゃいました)
幼ルビィ(ルビィはただ、お姉ちゃんみたいになりたいだけなのに)
幼ルビィ(ルビィのお姉ちゃんはなんでもできるすごいひとです)
幼ルビィ(ならいごとでもわたしなんかよりもずっとずっとすごくて、ルビィのあこがれのひと)
幼ルビィ(そんなお姉ちゃんに少しでも近付きたくて、こうして髪も伸ばしてるのに、ルビィは今日もダメダメです)しゅん
幼花丸「ルビィちゃん、そんなところで黄昏れて、どうしたの?」ひょこ
幼ルビィ「あ、マルちゃん……」
幼花丸「またお父さんに怒られちゃったの?」
幼ルビィ「……うん」
幼ルビィ(また……、お父さんに怒られちゃいました)
幼ルビィ(ルビィはただ、お姉ちゃんみたいになりたいだけなのに)
幼ルビィ(ルビィのお姉ちゃんはなんでもできるすごいひとです)
幼ルビィ(ならいごとでもわたしなんかよりもずっとずっとすごくて、ルビィのあこがれのひと)
幼ルビィ(そんなお姉ちゃんに少しでも近付きたくて、こうして髪も伸ばしてるのに、ルビィは今日もダメダメです)しゅん
幼花丸「ルビィちゃん、そんなところで黄昏れて、どうしたの?」ひょこ
幼ルビィ「あ、マルちゃん……」
幼花丸「またお父さんに怒られちゃったの?」
幼ルビィ「……うん」
2: 2016/11/03(木) 20:44:12.47 ID:VuvcjDZt.net
幼ルビィ「おとうさんがね、お前はダイヤじゃないんだ、って」
幼花丸「?」
幼ルビィ「ルビィはお姉ちゃんみたいになりたいのに、ひどいよ」ぐすっ
幼花丸(ああ、そういうこと)
幼花丸「……ルビィちゃんはダイヤさんになりたいの?」
幼ルビィ「うん! ルビィはお姉ちゃんになりたいんだ」
幼花丸「そっか」
幼ルビィ「お姉ちゃんはね、凄いの。ルビィにないものを全て持ってて、ほんとうにすごいの」
幼花丸「……ねえ、ルビィちゃん。今からマルのお寺来て」
幼ルビィ「?」
幼花丸「?」
幼ルビィ「ルビィはお姉ちゃんみたいになりたいのに、ひどいよ」ぐすっ
幼花丸(ああ、そういうこと)
幼花丸「……ルビィちゃんはダイヤさんになりたいの?」
幼ルビィ「うん! ルビィはお姉ちゃんになりたいんだ」
幼花丸「そっか」
幼ルビィ「お姉ちゃんはね、凄いの。ルビィにないものを全て持ってて、ほんとうにすごいの」
幼花丸「……ねえ、ルビィちゃん。今からマルのお寺来て」
幼ルビィ「?」
4: 2016/11/03(木) 20:49:41.38 ID:VuvcjDZt.net
幼花丸「ただいまー」
幼ルビィ「お、お邪魔します」おどおど
幼花丸「ああ、そうだ。今アイス持ってくるずら」すたすた
幼ルビィ「ね、ねえ、マルちゃん」
幼花丸「?」
幼ルビィ「何か怒ってる?」
幼花丸「……怒ってないズラ」ぷいっ
幼ルビィ(ふゅ……嘘だ、絶対怒ってるよぉ)
幼ルビィ「お、お邪魔します」おどおど
幼花丸「ああ、そうだ。今アイス持ってくるずら」すたすた
幼ルビィ「ね、ねえ、マルちゃん」
幼花丸「?」
幼ルビィ「何か怒ってる?」
幼花丸「……怒ってないズラ」ぷいっ
幼ルビィ(ふゅ……嘘だ、絶対怒ってるよぉ)
5: 2016/11/03(木) 20:56:48.38 ID:VuvcjDZt.net
幼花丸「はい、アイス」
幼ルビィ「マルちゃん、ありがと」
幼花丸「……」じーっ
幼ルビィ「な、なに?」
幼花丸「ルビィちゃんはどうしてダイヤさんになりたいの?」
幼ルビィ「それはさっきも言ったよ? お姉ちゃんはルビィにないものを全て持ってて、それが凄く羨ましいなって」
幼花丸「……だからお姉ちゃんになりたいんだ」
幼ルビィ「うん」
幼ルビィ「でもそれはつまりダイヤさんはルビィちゃんの良いところは何も持ってないってことだよね?」
幼ルビィ「えっ……」
幼ルビィ「マルちゃん、ありがと」
幼花丸「……」じーっ
幼ルビィ「な、なに?」
幼花丸「ルビィちゃんはどうしてダイヤさんになりたいの?」
幼ルビィ「それはさっきも言ったよ? お姉ちゃんはルビィにないものを全て持ってて、それが凄く羨ましいなって」
幼花丸「……だからお姉ちゃんになりたいんだ」
幼ルビィ「うん」
幼ルビィ「でもそれはつまりダイヤさんはルビィちゃんの良いところは何も持ってないってことだよね?」
幼ルビィ「えっ……」
6: 2016/11/03(木) 20:57:53.73 ID:VuvcjDZt.net
>>5
間違えた
幼ルビィ「それはつまりダイヤさんはルビィちゃんの良いところは何も持ってないってことだよね?」✕
幼花丸「それはつまりダイヤさんはルビィちゃんの良いところは何も持ってないってことだよね?」〇
間違えた
幼ルビィ「それはつまりダイヤさんはルビィちゃんの良いところは何も持ってないってことだよね?」✕
幼花丸「それはつまりダイヤさんはルビィちゃんの良いところは何も持ってないってことだよね?」〇
8: 2016/11/03(木) 21:08:13.15 ID:VuvcjDZt.net
幼花丸「だってそうだよね。ルビィちゃんに持ってないものを全てダイヤさんが持ってるってことは、ルビィちゃんの持ってるものはダイヤさんは持ってないってことずら」
幼花丸「良いところも、ね」
幼ルビィ「ルビィの良いところ……」
幼花丸「うん。ルビィちゃんは表面的なものに捕らわれすぎて、人間の本質を分かってないずら」
幼花丸「確かにダイヤさんのなんでもできるというのも良いところだけど、それは表面的なものだよ?」
幼ルビィ「お、お姉ちゃんの良いところは表面的なものだけじゃなくて、すっごく優しいし」
幼花丸「くすっ、優しさならルビィちゃんだって凄いずら」
幼ルビィ「え?」
幼花丸「良いところも、ね」
幼ルビィ「ルビィの良いところ……」
幼花丸「うん。ルビィちゃんは表面的なものに捕らわれすぎて、人間の本質を分かってないずら」
幼花丸「確かにダイヤさんのなんでもできるというのも良いところだけど、それは表面的なものだよ?」
幼ルビィ「お、お姉ちゃんの良いところは表面的なものだけじゃなくて、すっごく優しいし」
幼花丸「くすっ、優しさならルビィちゃんだって凄いずら」
幼ルビィ「え?」
10: 2016/11/03(木) 21:19:54.45 ID:VuvcjDZt.net
幼花丸「ルビィちゃんはマルが聖歌隊に誘われた時のことを覚えてる?」
幼ルビィ「……うん、覚えてるよ」
幼花丸「あの時、マルの背中を押してくれたのは、ルビィちゃんだよ」
幼ルビィ「違うよ。あれはマルちゃんの力で」
幼花丸「ううん。あの時、実はマルは聖歌隊に入ることは諦めようと思ってたんだ」
幼花丸「家がお寺だから、自分が目立つのが苦手だから、そんな逃げ口上を使って」
幼花丸「でもね、ルビィちゃんが私の背中を押して、逃げ道から遠ざけてくれたんだよ?」
幼ルビィ『マルちゃん、すごいね! マルちゃんは歌が上手いし、きっと大丈夫だよ!』
幼花丸『でも、おじいちゃんが多分許してくれないずら』
幼ルビィ『ならルビィがマルちゃんのおじいちゃんを説得するよ! だから、ね! やろうよ』
幼花丸『ルビィちゃん……』
幼花丸「あの時、ルビィちゃんの後押しがなかったら多分マルは諦めてた」
幼ルビィ「マルちゃん……」
幼ルビィ「……うん、覚えてるよ」
幼花丸「あの時、マルの背中を押してくれたのは、ルビィちゃんだよ」
幼ルビィ「違うよ。あれはマルちゃんの力で」
幼花丸「ううん。あの時、実はマルは聖歌隊に入ることは諦めようと思ってたんだ」
幼花丸「家がお寺だから、自分が目立つのが苦手だから、そんな逃げ口上を使って」
幼花丸「でもね、ルビィちゃんが私の背中を押して、逃げ道から遠ざけてくれたんだよ?」
幼ルビィ『マルちゃん、すごいね! マルちゃんは歌が上手いし、きっと大丈夫だよ!』
幼花丸『でも、おじいちゃんが多分許してくれないずら』
幼ルビィ『ならルビィがマルちゃんのおじいちゃんを説得するよ! だから、ね! やろうよ』
幼花丸『ルビィちゃん……』
幼花丸「あの時、ルビィちゃんの後押しがなかったら多分マルは諦めてた」
幼ルビィ「マルちゃん……」
11: 2016/11/03(木) 21:27:42.15 ID:VuvcjDZt.net
幼花丸「ダイヤさんに憧れるのはいいけど、自分の良さまで否定しないで」
幼花丸「ルビィちゃんはルビィちゃんなんだから」
幼ルビィ「ルビィはルビィ……」
幼花丸「うん。勿論、ダイヤさんはカッコイイし、憧れるのは分かるけど」
幼花丸「ただ、ルビィちゃんだって嫌だよね。マルがダイヤさんみたいになったら」
幼ルビィ「ふふ、それは嫌かも」
幼花丸「だからね、ルビィちゃんはルビィちゃんのままでいて?」
幼ルビィ「……うん。ありがと、マルちゃん」
幼ルビィ「今のマルちゃん、なんだかスッゴクお寺のひとみたいだよぉ」
幼花丸「そ、そうかな」
幼ルビィ「うん!」
幼花丸「ルビィちゃんはルビィちゃんなんだから」
幼ルビィ「ルビィはルビィ……」
幼花丸「うん。勿論、ダイヤさんはカッコイイし、憧れるのは分かるけど」
幼花丸「ただ、ルビィちゃんだって嫌だよね。マルがダイヤさんみたいになったら」
幼ルビィ「ふふ、それは嫌かも」
幼花丸「だからね、ルビィちゃんはルビィちゃんのままでいて?」
幼ルビィ「……うん。ありがと、マルちゃん」
幼ルビィ「今のマルちゃん、なんだかスッゴクお寺のひとみたいだよぉ」
幼花丸「そ、そうかな」
幼ルビィ「うん!」
12: 2016/11/03(木) 21:36:07.59 ID:VuvcjDZt.net
幼ルビィ(ルビィはルビィ)
幼ルビィ(どうして分からなかったんだろ)
父『ルビィ、お前はダイヤではない。自分を捨ててまでダイヤになりきろうとするな』
幼ルビィ(お父さんは別にルビィのことを否定したわけじゃなかった)
幼ルビィ(むしろ、肯定してくれていた)
幼ルビィ(ルビィは馬鹿です。大馬鹿者です)
幼ルビィ(だからそんな自分とはもうさよならです)
チョキチョキチョキ
幼ルビィ(どうして分からなかったんだろ)
父『ルビィ、お前はダイヤではない。自分を捨ててまでダイヤになりきろうとするな』
幼ルビィ(お父さんは別にルビィのことを否定したわけじゃなかった)
幼ルビィ(むしろ、肯定してくれていた)
幼ルビィ(ルビィは馬鹿です。大馬鹿者です)
幼ルビィ(だからそんな自分とはもうさよならです)
チョキチョキチョキ
14: 2016/11/03(木) 21:40:32.82 ID:VuvcjDZt.net
幼ルビィ「ただいまー」
幼ダイヤ「ルビィ、今何時だと思ってるんですの!? 遅いですわよ! って、えっ!?」
短髪幼ルビィ「えへへ、どうかな、お姉ちゃん。久しぶりに髪を切った」
幼ダイヤ「よくお似合いですわ! とても可愛い」
幼ダイヤ「ですが、いきなりどうしました? あれだけ髪を切るのを嫌がっていたあなたが」
短髪幼ルビィ「うん、ちょっとした心境の変化があって……」
短髪幼ルビィ「それに明日からは中学生だしね!」
幼ダイヤ「……そうですか」
幼ダイヤ(ルビィ……、成長しましたわね。少し寂しいような……、だけど嬉しい、なんか複雑な気分ですわ)
幼ダイヤ「ルビィ、今何時だと思ってるんですの!? 遅いですわよ! って、えっ!?」
短髪幼ルビィ「えへへ、どうかな、お姉ちゃん。久しぶりに髪を切った」
幼ダイヤ「よくお似合いですわ! とても可愛い」
幼ダイヤ「ですが、いきなりどうしました? あれだけ髪を切るのを嫌がっていたあなたが」
短髪幼ルビィ「うん、ちょっとした心境の変化があって……」
短髪幼ルビィ「それに明日からは中学生だしね!」
幼ダイヤ「……そうですか」
幼ダイヤ(ルビィ……、成長しましたわね。少し寂しいような……、だけど嬉しい、なんか複雑な気分ですわ)
16: 2016/11/03(木) 21:46:50.80 ID:VuvcjDZt.net
父「ルビィ、帰ったか」
幼ルビィ「お父さん、さっきは急に飛び出してごめんなさい」
父(顔付きが変わったな。それにあれだけ髪を切ることを嫌がってたのに)
父「いや、いい」
幼ルビィ「ほんとうにごめんなさい」
父「ルビィ……、その髪型、似合うぞ」
幼ルビィ「!!」
幼ルビィ「えへへ、ありがと、お父さん。あ、そうです」
父「?」
幼ルビィ「お父さん、今の習い事、全部辞めていいですか?」
父「!」
幼ダイヤ「なっ!?」
幼ルビィ「お父さん、さっきは急に飛び出してごめんなさい」
父(顔付きが変わったな。それにあれだけ髪を切ることを嫌がってたのに)
父「いや、いい」
幼ルビィ「ほんとうにごめんなさい」
父「ルビィ……、その髪型、似合うぞ」
幼ルビィ「!!」
幼ルビィ「えへへ、ありがと、お父さん。あ、そうです」
父「?」
幼ルビィ「お父さん、今の習い事、全部辞めていいですか?」
父「!」
幼ダイヤ「なっ!?」
17: 2016/11/03(木) 21:58:19.66 ID:VuvcjDZt.net
幼ダイヤ「ど、どうしてですの、ルビィ。あれだけ頑張っていたのに」おろおろ
幼ルビィ「お姉ちゃん、ごめんなさい。ルビィはね、お姉ちゃんのように上手くはやれないから」
幼ダイヤ「それなら私が教えます!」
幼ルビィ「ううん、それはダメだよ」
幼ルビィ(お姉ちゃんには才能がある。それは周りの期待値の高さからも分かるよ。だからルビィは、お姉ちゃんの足を引っ張ることはしたくない)
幼ルビィ「自分の練習に、私のこと、そのふたつを両立することになったらお姉ちゃんが倒れちゃうよ」
幼ダイヤ「ルビィ……」
幼ルビィ「だから、お父さん。習い事、やめてもいい?」
父「……そうか。分かった」
幼ルビィ「!」
父「が、それでも黒澤家の娘として、自堕落な日々を送ることは是とはしない。それは分かっているな?」
幼ルビィ「うん、それは分かってるよ」
父「ならばよし。認めよう」
幼ルビィ「ありがと、お父さん」
父「……ふん」
幼ルビィ「お姉ちゃん、ごめんなさい。ルビィはね、お姉ちゃんのように上手くはやれないから」
幼ダイヤ「それなら私が教えます!」
幼ルビィ「ううん、それはダメだよ」
幼ルビィ(お姉ちゃんには才能がある。それは周りの期待値の高さからも分かるよ。だからルビィは、お姉ちゃんの足を引っ張ることはしたくない)
幼ルビィ「自分の練習に、私のこと、そのふたつを両立することになったらお姉ちゃんが倒れちゃうよ」
幼ダイヤ「ルビィ……」
幼ルビィ「だから、お父さん。習い事、やめてもいい?」
父「……そうか。分かった」
幼ルビィ「!」
父「が、それでも黒澤家の娘として、自堕落な日々を送ることは是とはしない。それは分かっているな?」
幼ルビィ「うん、それは分かってるよ」
父「ならばよし。認めよう」
幼ルビィ「ありがと、お父さん」
父「……ふん」
19: 2016/11/03(木) 22:05:52.20 ID:VuvcjDZt.net
幼ルビィ「……♪」
幼ルビィ(お姉ちゃんの真似して伸ばした髪の毛を切って、真似して始めた習い事も止めた)
幼ルビィ(これでようやく黒澤ルビィになれたような気がします)
幼ルビィ(ただ、今まではお姉ちゃんになるという明確な目標があったけど、それから離れることは少しだけ辛いな)
幼ルビィ(とりあえずまずは聖歌隊のマルちゃんみたいにルビィに向いてることを探さないと)
幼ルビィ「うん、クヨクヨしてる暇はないよね。明日からは頑張ろーっと」
おわり
幼ルビィ(お姉ちゃんの真似して伸ばした髪の毛を切って、真似して始めた習い事も止めた)
幼ルビィ(これでようやく黒澤ルビィになれたような気がします)
幼ルビィ(ただ、今まではお姉ちゃんになるという明確な目標があったけど、それから離れることは少しだけ辛いな)
幼ルビィ(とりあえずまずは聖歌隊のマルちゃんみたいにルビィに向いてることを探さないと)
幼ルビィ「うん、クヨクヨしてる暇はないよね。明日からは頑張ろーっと」
おわり
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