383:◆6J9WcYpFe2 2017/05/03(水) 01:49:41.09 ID:RKjkGrA70


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ


  いろいろと時期を乗り逃してますが、やっと書き進められたので投下します。

384: 2017/05/03(水) 01:52:46.59 ID:RKjkGrA70
憤怒の街の上空。

その上空には、一機の輸送機が飛んでいた

『ここが日本………日本?
 日本って、カースの被害がひどいのかしら?』

『隊長、あそこは憤怒の街と呼ばれる地域です
 あの残骸はカース大量発生の被害の爪痕であり………我々GDFの汚点でもあります』

『………ひどい有様ね』

『全くです』

そう言い交わす彼ら、あるいは彼女らが使う言語は英語。
英国GDFのエンブレムが付いた輸送機の中には、彼女らのほかに2人の兵士と―――
一人の黒い男がいた。

その黒い男が言う。

『………ふん。我も同じカースではあるが、こっぴどくやってくれたものよ。―――だが。』

そう言葉をつづけながらも、男の顔がにやついていく。

『カースに襲われたというのに、全体的にカースの力というものが異常に弱まっておるな
 それにあの樹はなんだ? すごく異質な力を感じるぞ?』

『樹? そんなのどこにあるというの?』

『貴様らの言うステルスとやらで隠蔽されておるが………この我の眼はごまかせんよ。
 そうだな、我が指を指す方に、その大きな樹がある。』

そういって、指を指す方を兵士たちは見たが、何も見えない。

それを受けて、兵士たちは推測する。

『ステルス………となると、意図的に見えなくしていると?』
『そんなこと可能なのか?』『いや、可能ではあるだろう。ウサミン星の技術を使えばな。』
『だが何のために?』『誰かに見つかるのを恐れたのか?』
『カースに襲われた街に樹が生えているというのも、変な話ではあるが………それを隠す意味はあるのか?』

真相はわからない。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



385: 2017/05/03(水) 01:55:51.71 ID:RKjkGrA70
『我にもわからん。 だが興味は沸いた。
 なので、今からそれを見に行こうと思うが―――』

そう言いかけた彼だが、傍らで座っていた女性が銃を向ける。

『勝手な行動は許さないわよ、カースドウェポン。
 我々が輸送任務中だってこと、忘れてないわよね?』

カースドウェポンと呼ばれた彼は、核に銃口を当てられながらも、不敵に笑う。

『忘れてはいないとも。
 だが、興味をそそられるのだから、仕方あるまい?
 それに―――』

『それに?』

『この輸送機の中で、我々が戦ったらどうなる?
 確かに主無しの我には、お前は倒せん。
 だが、抵抗するぐらいならばできるぞ?
 そうしているうちに、この輸送機はどうなる?』

『・・・・・・っ!!』

そう指摘され、銃口を下す女性。

『いいでしょう。
 ですが私は不本意ながらも、あなたの輸送を任された者。
 その私を連れていくことで、今回は手を打ちましょう。』

『許す。 我の伴をせよ。』

女性は不本意ながらも、その気持ちをぐっと抑えて命令する。

『パラシュートの準備を―――』

『その必要はない』

そういうと、黒い男は話していた女性の膝の裏を、左腕でひょいと持ち上げ、右腕で女性の背中を支える。

『!!?』

これはまさしく、お姫様抱っこの姿であった。

386: 2017/05/03(水) 01:57:04.00 ID:RKjkGrA70
『なっ・・・なっ・・・・・・!?』

勝手に命令する黒い男、なぜかノリの良い部下、お姫様抱っこされる女性のGDF隊員。

かくして、輸送機のハッチは開けられた。

『ちょっ、ちょっと待ちなさいあなた達!?』

『大丈夫っすよ! 予行演習はバッチリなんで!』

『そこのカースドウェポンが傷一つ付かせず、地上まで送り届けてくれますので!!』

『まったく。 お姫様抱っこされながらのスカイダイビングなんて羨ましいですよ、隊長!
 ―――まあ、私もやったんですけどね。(遠い目』

そして、人の姿をしたカースドウェポンは、勢いをつけて輸送機の外へと飛び出す。

『いざ! 新たなる冒険の舞台へ!!』

それをサムズアップで、GDF隊員は見送った。

『ケイト隊長! お元気で!!』

『おーぼーえーてーろぉぉぉー!!!』

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387: 2017/05/03(水) 01:59:19.29 ID:RKjkGrA70
憤怒の街にできた自然の中を、私たちが乗った車が進みます。

やはり街路樹の根っこなどが道にまで伸びていたりするためか、道がでこぼこしています。

「まあ、通れないほどではないな。少し揺れるが我慢してくれ。」

そうポストマンさんが言いながら、ゆっくりと車を進めています。

そして、私と凛さんは窓の外を見ていました。

「………ありえない。」と、凛さんが言い始めました。

「あの事件が起こってからそれなりに時間は経ってるけど、それでもこんなところに森みたいなのができるなんて、やっぱりおかしい。
どうやったら、こんなことになるの?」

「………カースの影響なのでしょうかっ?」

「たぶん………カースの影響ではないと思う。むしろその逆のような気がする。
でも、調べてみないことには何もわからないよ。」

そうして、物惜し気に外を見つめる凛さん。

「………土とか葉っぱの一部だけでもいいから持って帰れないかな?」

そういって、窓を開けて手を伸ばす凛さん。

「ちょっ、危ないぞおいっ!」

はぁとさんが助手席からこっちに向いて注意を促しますが、それを無視して、木から伸びた枝をつかみました。

雨が降っていたのか、葉の水滴などが凛さんの手にかかりましたが、ポキッという音とともに、折れた枝を手にしていました。

「………随分、無茶なことしますね………っ?」

「今の折れなかったら、腕持ってかれてたぞ☆」

「進むスピードもゆっくりだったし、引っ張って取れるような枝を選んだつもりだよ」

そうして凛さんは、取った枝葉をじっくりと観察します。

388: 2017/05/03(水) 02:01:17.49 ID:RKjkGrA70
「見た目は普通の木の枝だね」

そういって、手の指で枝を回転させながら観察する凛さんでしたが………私は凛さんの足のケガに気づきました。

「あれ? 凛さん、足ちょっとケガしてませんか?」

「うん。さっき逃げようとしてこけたときにすりむいちゃって。」

「ああ、あの時ですか。私が手当てしますね」

そういって近くの救急箱を手に、凛さんの傷の手当をしようとしたとき、葉にちょっとだけついていた水滴が凛さんの傷口にかかりました。

「………えっ?」

「なっ………!?」

水滴がかかった凛さんのすりむき傷がみるみるうちにふさがっていきます。

まさに一瞬のうちに、凛さんの足のケガは跡もなく消えてしまいました。

「………」

凛さんは治った足をまじまじと見ています。

「何これ………」

「どういうことなんでしょうっ?」

「一体何の力が働いてこうなったのかはわからない。
 けど、この木の枝に溜まっていた水滴が傷口に落ちた瞬間、なんだか傷口から癒されてる感じなのかな?そんな感じがした。」

「そして、傷口が見る見るうちにふさがった………っ」

「明らかにカースの仕業ではないけど………予想外のものが出てきたね」

「おいおい、まじかよ☆」

はぁとさんが見るからに嫌そうな顔をしています………っ。

389: 2017/05/03(水) 02:03:22.95 ID:RKjkGrA70
「普通こんなのがあったら、まずGDFのほうに話が上がってくるよね」

「ポストマン、どうなんだよ、おい☆」

「いや、そんなものがあるっていう話は聞いたことがない」

「じゃあ、気付かなかった……ってことはないよね」

「この森自体を見えなくしていたっぽいから、ね☆」

「ってことは、これ、GDFの機密情報?」

「その可能性はあるだろうが………一体何のためだ?」

「いや、ポストマンにわからないんだったら、はぁとにもわかんねぇよ☆」

と、そんな感じではぁとさん達が話している傍らで、チカちゃんがちょっと不思議そうな顔をしていました。

「どうしたの、チカちゃんっ?」

「………よくわかんない」

「………まあ、確かによくわかんないことばっか続いてたしな☆」

「そうじゃなくて………なんか変なの。
 ここはすごく気持ちがいいんだけど、ここにいたらチカの魔法が使えなくなっちゃうみたいなの」

「魔法が……使えなく………?」

それを聞いた凛さんが、また何やら難しそうな顔をして考え込んでいました。

「魔法を使うカース………? 確かにそういうのもいるかもしれないけど………。
この場合は、カースの力が使えなくなってるっていうことなのかな?」

「だとしたらこの森、カースの特効薬なんじゃ………っ?」

「でも、まだわからない………。とにかくこの枝を持ち帰って―――」

390: 2017/05/03(水) 02:05:44.12 ID:RKjkGrA70
「おーい、ちょっといいか?」

そんな声と共に、はぁとさんが手を挙げていました。

「えっと………なに?」

「いやまあ、傷が治ったこととか、カースの特効薬とか、色々と疑問ではあるんだけどさ
――ーチカちゃんってカースなのかよ、おい☆」

・・・・・・・・・

『しまった………っ!!』

「ああいやまあ、そんな気はしてたけどな☆
そんで、お前らがそれを隠そうとしていた理由も何となくわかるぞ☆
はぁとが同じ立場だったら、同じことしてたかもしれないしな☆」

そして、一息ついたはぁとさんは正面に向きなおして、こう言いました。

「この森とか、チカちゃんのこととか、色々わかんない事がいっぱいだけどな♪
はぁと的には、こっちの敵でなければどうもしないし、味方なら歓迎するだけだぞ☆
な、ポストマン?」

そういって、ポストマンさんにバトンを渡したはぁとさんでしたが………

「―――チカちゃんがカースだってことが分からないおろか、勘づきもしなかった俺はどう反応すればいいんだ?」

「知るかバーカ☆」

………台無しです、いろいろとっ

391: 2017/05/03(水) 02:16:22.64 ID:RKjkGrA70
『!? てんてーん!!』

凛さんのポケットからハンテーンさんの慌てた声が聞こえました。

「? どうしたの、ハンテーン―――!?」

みんなで覗き込んだ端末には―――目の前にカースの反応がありました。

「ポストマン! 目の前にカースがいる!!」

その瞬間、車の正面の方向から、何かが壊れたような大きな音が聞こえます。

「ああ、確認した・・・・・・! 建物の中から戦車だ!!
 くそっ! 待ち伏せされたか!?」

私達が乗る車の前には、GDFの戦車。

既に砲身は私達の車に向けていました。

そうして、悠然とした態度で迎え撃つ戦車は―――突然爆発しました!?

「―――えっ?」

一瞬、何が起きたのかわかりませんでしたが・・・・・・更に、

「フハハハハハ!!』

この高笑い。 一体何が起こったんですかっ!?

『さあついたぞ、ケイト。
 我と共に、憤怒の街の探索と行こうじゃないか!!』

そういう声が、壊れた戦車が巻き上げる煙の中から聞こえ、姿を現しました。

そうして出てきたのが―――まるで全裸な黒い男の人と、それに抱き上げられた軍服姿の女性でしたっ!?

そして男の人は、女性の方を下ろすと………

『なにするのよっ!!』

ああっ! きれいな右ストレートが男の人の顔面にクリーンヒットですっ!

そのまま女性の方がマウント体制っ! 右っ!左っ!右っ!左っ!!

「………」

あまりの展開に、私たちは呆然としていました………っ

「!?」

あっ、女性の方がこっちに気づきましたっ! そして、固まっちゃいました………っ

・・・・・・・・・

少しの沈黙の後、女性の方は、まるで何もなかったかのように立ち、服の埃を払うような動作をして笑顔を見せました

「………ハァイ!」

………また、おかしな人が増えましたっ!?

392: 2017/05/03(水) 02:28:57.84 ID:RKjkGrA70
今回は以上で。
………なんだか、寄り道ばかりしてるな?orz
たぶん登場人物はまだ増えます。(新しいのはもう出ないとは思う)

憤怒の街の樹とかは、どこかの能力者3人組が作ったアレが元になってます。(お分かりかもしれませんが)
あと、英国GDFが運んでいたカースドウェポンについては、いずれ設定書きます。(ケイトも)
しゅがはさんについても、設定を付け足す必要があるかも? というか、ユウキちゃんもだ・・・・・・。

いろいろ考えだすと、止まらないねぇ・・・・・・

393: 2017/05/03(水) 12:17:11.63 ID:MCxtRWL5O
乙でしてー
人型カースドウェポンは設定開示が待ち遠しいですねぇ…
樹を巡ってどうなっていくかも気になるところ
次回もお待ちしておりますぞー



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13