455:◆6J9WcYpFe2 2018/03/21(水) 13:36:18.56 ID:oZ5EiIs10


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



あけましておめでとうございます(白目)
憤怒の街リターンズの続き、投下しますー

456: 2018/03/21(水) 13:38:38.23 ID:oZ5EiIs10
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ユウキ達が憤怒の街の森に入って少しした後。
憤怒の街の検問所にて―――

「どういうことだ!? 既に入って行ったGDF隊員がいるだと!?」

検問所の前に止まる輸送ヘリ。そして怒号。

輸送機に乗っていたGDF隊員が、検問所のGDF隊員に対して怒鳴りつけているのだ。

「だ、だから我々は、応援が来るとしか聞かされていなくて・・・・・・っ!」

「だからと言って、こんな危険なところに確認もせずに入れる馬鹿がいるか!!
 無認可の奴を入れたんだぞ、お前らは!!」

「基地司令にも確認取って間違いないって聞いたから入れたんです!!」

「………くそっ!!」

先に入って行ったGDF隊員がいるという事実。

何故入れてしまったのか、あるいは何故入れてしまったのか。何故、入ろうと思ったのか。

いずれにしても、我々と勘違いして入れてしまったGDFの隊員がいる。

その事実があって、なおこの対応。

彼は苛立ち、検問所の壁を思いっきり蹴る。
壁はガンッ!と音をたて、その周りにいた兵士たちが委縮した。

「―――それで、許可は?」

「い、いえっ!それがっ! うまく通信がつながらず――――」

「ふざけるなっ!!」

基地司令と連絡が取れないという事実が、さらにその男の苛立たせた。

これはこいつらの職務怠慢だ。

こいつらの怠慢で、GDFの仲間の命が危ぶまれている。

「このことは上にしっかりと報告するからな!
 あと、憤怒の街には入らせていただく!!」

そういって男は、検問所の兵士の静止の声も聞かず、ヘリに乗り込んだ。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



457: 2018/03/21(水) 13:40:20.99 ID:oZ5EiIs10
「あの、何かあったんですか?」

コクピットのスピーカーから女性の声が聞こえる。

「緊急事態だ! お前達に成りすまして、勝手に入った奴らがいる!」

「「「ええっ!?」」」

「何のために入ったかは知らんが、そいつらを捕まえるためにも、現場に急がねばならん!
 シンデレラ1、第1種戦闘配置だ!
 憤怒の街のカースのデータは届いているな?」

「はい! ばっちりです!」

そうして慌ただしく離陸したヘリが憤怒の街の中へと入っていく。

「俺がヘリで空から目標を発見する。
 シンデレラ1-1から1-3は発見し次第、地上機動戦装備で降下、目標を捕まえろ。
 コラプテットビークルが厄介だが、お前達ならやれないことはないはずだ。安全を確保しつつ返り討ちにしてやれ。」

「「「了解!!」」」

「その後、目標を確保。安全を確保したうえで、このヘリに乗せる。
 抵抗するようであれば、多少懲らしめても構わん!!」

「えっ、同じGDF隊員なのに、ですか?」

「GDF隊員に成りすましている可能性もあるからな。
 最悪、この混乱に乗じて乗り込んできたテ口リストかもしれん。」

だがまぁ、とその男は続ける。

「どんな相手でも、お前らなら大丈夫だ。 軽く懲らしめて―――
 ん? 通信が入った。」

男はヘリの通信機を手に取り、応答する。

「こちらシンデレラ1。」

『先ほどはすまなかった。 私はここの基地司令だ。
 このあたりはカースの被害がひどくてね。 通信するのも一苦労だ。』

そうか、カースの被害か。
そういえば、GDFの新兵器がこの街に投入された際、まったく使い物にならなかったという話を聞いたことがある。
ならば……この件での八つ当たりは見当違いだったかもしれない。

458: 2018/03/21(水) 13:41:36.95 ID:oZ5EiIs10
「なるほど。 そのあたりは考慮不足だった。
 だが、部外者を危険な憤怒の街に入れたお前らの怠慢はどう説明する?」

『そのことについても謝罪する。演技がうますぎて、あの時点では気付かなかった。
 だが……今しがた調べたら大変な事実が分かった。
 単刀直入に言うと、貴君らに扮して入った奴らの正体は、この騒ぎに乗じて潜伏していたテ口リストであるとわかった。
 しかも厄介なことに能力持ちの連中だ。
 恐らくは最近世間を騒がしているイルミナティっていう奴らかもしれん。』

「・・・・・・なんだと?」

「そうでなくても、この街はGDFの管轄だ。
 そこにテ口リストなんかが潜伏してみろ。
 GDFの信用問題に関わる。」

「・・・・・・つまり俺達はそいつらを捕まえてくればいいんだな?」

『その通りだが、生氏は問わん。
 テ口リストと見抜けなかった失態は詫びよう。
 だが今は、そのテ口リストの排除が先である。』

「・・・・・・なるほど、その通りだ。
 だが、その入っていった奴らがテ口リストである確証はどこから来ているんだ?
 そもそも奴らは何者だ?」

『それを伝えることはできない』

「・・・・・・何故だ?」

『機密情報だからだ。
 お前達は黙って命令どおりに侵入者を排除すればいい。』

『ああ、それと』と、基地司令が話を続ける。

『今から送るデータを見てもらいたいのだが、この赤く塗られている場所には近づかないでいただきたい。』

そう言われ、男はヘリのコンソールに送られてきた地図データを見た。
赤く塗られた場所は、病院を円の中心としていた。

459: 2018/03/21(水) 13:42:33.28 ID:oZ5EiIs10
「それは、何故だ?」

『それも機密情報だ。教えられない。』

「何か俺達に教えられる情報はないのか? このままでは納得しかねる。」

『後でテ口リストが乗っていた車両のデータを送ってやる。
 それをもとにテ口リストを捜索しろ。』

「他にはないのか?」

『いいからつべこべ言わずにやれ!!
 それともお前はテ口リストを野放しにするつもりか!?』

「・・・・・・了解した。シンデレラ1、出撃する。」

『今から画像のデータを送る。では、ご武運を。』

基地司令との通信が切れる。

機内音声で聞いていたため、後ろで準備している響子と美羽、そして柑奈も聞いていた。

「パイロットさん、先に入った人たちって」

「悪い人たちなら、やっつけないと!」

「パイロットさん、今すぐ私達を現場に!」

通信を聞いた響子と美羽は意気揚々としていたが、男の表情はそのことを怪しむかのような表情をしていた。

460: 2018/03/21(水) 13:43:38.77 ID:oZ5EiIs10
「胡散臭いな………」

「? 何がですか?」

「今通信をかけてきた基地司令とやらは信用ならん」

「えっ・・・?」

「あいつは機密情報を盾に奴らの情報を渡さなかった。
 だが、あんな臨時の基地司令程度のやつが知っているような機密情報とは何だ?」

それでも釈然としない顔の3人。
それを見た男は少し咳ばらいをした。

「これでも俺はGDFの暗部ってやつを見てきている。
 お前達の正体はわからんが、どうせ碌でもないもんだというのはわかる。
 それも相当な・・・・・・子供を兵器みたいに扱うようなひどいもんなんじゃないかとも思っている
 その経験則から言わせていただくと・・・・・・今回のは嘘なんじゃないかと思っている。」

「・・・・・・あの基地司令が嘘を言っていると言うんですか?」

「ああ。第一、目標が本当に基地司令とやらが言っていたテ口リストかどうかもわからんのに、
 テ口リストだと断定して、排除しろだの言っている時点でおかしい。
 大方ばれちゃまずいものがこの街にあるとみて間違いはない。」

「じゃあ、あの基地司令の方を懲らしめる?」

「いや、それは早計だ。ただの経験則だしな。
 何をするにもまずは目標の確保だ。シンデレラ1、いつでも出撃できるように待機しておけ。」

「「「了解!!」」」

そうしてヘリは離陸し、憤怒の街へと入った。

461: 2018/03/21(水) 13:45:57.68 ID:oZ5EiIs10
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「ハァイ。 イギリスのGDFからやってきたケイトヨ。」

そう愛想よく挨拶しているケイトさん……ですが、

「………お姉ちゃん、あの人こわい」

見た目GDFの女性隊員の方が、ガタイの良い大男のようなのを殴り飛ばした挙句、
その男?を足蹴にしている光景は、まさしくチカちゃんの言う通り、怖い人でした。

「ターイムっ!☆作戦ターイムっ☆」

私、ああいう人、知ってますっ。

「チカちゃん、ああいう人とは関わり合いにならない方がいいですよっ
 上空からお姫様抱っこされて落ちてくるとか、非常識にもほどがありますっ」

「そうなの、ユウキお姉ちゃん?」

「しかも抱っこしてた男を殴り飛ばした挙句にマウントパンチだしね。
 なんなのあの馬鹿力。 ちょっと解析してみたい。」

「ちゃんと丁寧に降ろしてやってたのに殴り飛ばして足蹴にするとか、恩を仇で返してるようなもんだしな☆
 おい、てめー! 恩を仇で返すようなことしちゃいけないって、ばあちゃんが言ってたぞ☆」

「あっ! そういえばほんとだ! ひどーい!!」

「うるさいわネっ! 部下に嵌められてこうなったのヨ!!」

「いったいどう嵌められたらそうなるんですかっ!?」

「というか嵌められたって、人望もないんだな………」

「それは我が否定させていただこうか」

と、ケイトさんに足蹴にされていた男の人?が声をあげます。

「ケイトはな、部下にとてもとーっても信頼されておる!
 そして、我もケイトのことはそれなりに好いておる!
 だから我が、いつか行う時のためのドッキリサプライズ用にその部下と一緒に考え出したのだ!」

どうだぁっ!!と言わんばかりに、足蹴にされながらもドヤ顔してますっ

462: 2018/03/21(水) 13:47:55.21 ID:oZ5EiIs10
「私、勘違いしてましたっ
 ………おかしいのはケイトさんじゃなくて、あの男の人?だったんですねっ」

「褒めるな。照れる」

「どこをどう聞けば褒めてるって言うんだよ、おい☆」

「というか、あんたは知ってるはずデショ、シュガーハート!?」

「あー・・・・・・最近人と出会うことが多くてな・・・・・・わかんねぇ☆」

「ワタシヨ、ケイトよ!!
 ほら、あの時一緒に戦った!!」

「あー、そういやそういうこともあったっけな? まあ、覚えてたけど☆」

「覚えているなら誤解を解いてヨ!!」

それはさておき・・・・・・

「まあ、空からお姫様抱っこしてきた事実とかは置いといて・・・・・・ <誤解ヨ!!>
 英国のGDFが、ここに何しに来たんだよ?」

はぁとさんがそういうと、ケイトさんの足元にいた黒い男の人が、
踏んでいた足をパシパシと叩いたからか、ケイトさんは足をどけました。

「何しに来た、だと?
 むしろ、これほど興味の湧く物ばかりのところに行くなというのが無理というものよ」

黒い姿をした男の人は立ち上がると、腕を組み、私達を見てこういいました。

「なるほど、面白い
 やはり日本には、相当な手練れが多くいるというのは間違っていないようだぞ、ケイト」

「当たり前デショ。
 ここは対カースの最前線ともいうべきところヨ。
 ・・・・・・最も、私達も引けを取らないでしょうケド。」

「うむ、お主等もなかなかのものだが、こいつらはそれだけじゃない。
 なぜかカースも混ざっているが、問題はそこではない。
 ―――お前ら、本当に人間か?」

463: 2018/03/21(水) 13:50:22.62 ID:oZ5EiIs10
「・・・・・・明らかに怪しい人から、人間じゃないと言われてますよ、私達っ」

「いや、そこに俺を含めないでくれるか?」

「はぁとも違うぞ☆」

「私も人間だよ。」

「??? チカは魔法少女だよ?」

「・・・・・・そういう意味で言ったんじゃないと思うヨ?」

黒い男は顎に手をやって、私たちをじっと見つめてきていますっ

「ふむ・・・・・・どうやらケイトと同等の力を持ってるようだな、シュガーハートとやらは。」

「なっ・・・・・・!?」

「ええまあ、彼女は私と一緒に戦った戦友ヨ?
 ・・・・・・向こうはそんな風に思ってくれてなかったようダケド」

「年下だからいじってるんだよ☆
 だけどそいつ、なんでわかったんだ?」

「それは・・・・・・我も同じようなものだからだ!」

それを聞いたはぁとさんは黒い男の人?をまじまじと見つめてーーー

「・・・・・・えっ、やだ☆」

「いきなり拒絶から入るのは良くないぞ?」

「だって・・・・・・黒いし☆」

その言葉に、隣のケイトさんはうなづいていました。

464: 2018/03/21(水) 13:51:41.45 ID:oZ5EiIs10
「仕方なかろう、カースドウェポンなんだから。」

「・・・・・・今さらっとやべえこと言わなかったか、おい☆」

はぁとさんがジト目でケイトさんのほうを見ると、ケイトさんは肩をすくめました。

「勝手に話さないでくれないカシラ?
 まあ、シュガーハート達に隠し事をしても仕方がケド」

「カースドウェポンって、カースの核を武器にくっつけたものだと思うんだけど・・・・・・」

「よく知って・・・・・・るわな、ひなたん星人にあったことあるんだしな」

「ほう、日本にもカースドウェポンがいるのか。会ってみたいものだな!」

「私も会ってみたいわネ。
 まあ、それはそれとして、そのとおり、こいつは鎧のカースヨ。」

「鎧のカースドウェポン・・・へぇ・・・」

あ、なんか目が輝いちゃってます。
なんだか新しいおもちゃを見つけた様な顔をしちゃってます。

それに気づいたのか、ケイトさんは凛さんを見て

「・・・あげないわヨ? 一応これはGDFの備品なんだからネ?」

「ちぇっ」

ですよねっ

しかし、あのカースドウェポン、ちょっと気になりますねっ
なんだか・・・私の本来の力に似た感じがしますっ

465: 2018/03/21(水) 13:52:56.32 ID:oZ5EiIs10
「ところで、貴方達は何しにここにいるのカシラ?」

「あっ、はいっ! お手紙を届けにきましたっ!」

「・・・お手紙・・・レター・・・?
あ、ナルホド、暗号ネ!」

あ、あれっ?

「でもワタシには何の暗号なのかサッパリだわ。後ででも良いから教えてネ?」

「あ、あのっ!暗号じゃないですっ!」

「・・・・・・what's?」

「ですから、この憤怒の街のとある住宅に、お手紙を届けに来たんですっ」

「・・・・・・・・・」

ケイトさん、はぁとさんを手招きして、何やらコソコソ話しちゃいました
・・・・・・何があったんでしょう?

「・・・・・・いや、当然の反応だと思う」

「そうだな」

ああもうっ、どういうことなんですかっ!?

「???」

チカちゃんはよくわかんないって言うような顔をしてますねっ

私もわかんないですっ!

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466: 2018/03/21(水) 13:54:23.23 ID:oZ5EiIs10
しばらくして。

「まあ、なぜこんなところに?っていう疑問はあるケド、アナタの目的、とてもいい目的じゃナイ!
 ワタシも協力するワネ」

「うむ、我も協力しよう。乗りかかった船というのもあるからな。」

といった感じで、英国GDFの2人を乗せて、車は目的地へと向かいましたっ

「ずいぶんにぎやかになったね」

「まあ、旅は多いほうが楽しいもんだぞ☆ 旅ってほど長時間動くわけじゃねぇけどな☆」

はぁとさんは助手席からこっちに移動し、代わりにケイトさんが助手席に座っています。

「しかしまあ、チカちゃんって本当に似てるよなぁ・・・・・・」

「確かに・・・・・・似てますよねっ」

「?? 何に似てるの?」

「ラブリーチカですっ はぁとさんが好きなアニメですっ」

「はぁとだけじゃなくて、あの頃の少女達のほとんどは好きだったと思うぞ☆
 それをモチーフとしたらしい魔法少女とかいう奴らも現れたし☆」

「そんなにすごい影響を与えたアニメだったんだ」

「まあ、ラブリーチカも十数年ぶりに限定フィギュアが出たし、魔法少女に関しても最近活動を再開したと聞くしな☆
 しかしまあ十数年か、はぁとも年をとっちゃ・・・・・・って、何言わせんだよこのこのー☆」

「いや、今のは自分から言っちゃってますよねっ?」

「ふーん、似てる、かぁ・・・・・・」

「似てるんじゃなくて、本物だよ!」

「そっかそっか~☆ よしよーし☆」

「もーっ!!」

そんな感じで話していると、車が止まりました。

「ユウキちゃん、ついたぜ」

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467: 2018/03/21(水) 13:56:23.88 ID:oZ5EiIs10
私たちが車から降りると、そこは憤怒の街の入り口のほうと同じような風景が広がっていました。

目的の建物は・・・・・・あ、まだ建ってましたっ

「ここが目的地?」

見た目は廃墟と化した一軒家。

窓ガラスは割れているし、荒らされている様子も見えます。

庭は人が誰もいないせいで、草が伸び放題です。

だけど、表札には「横山」という文字。

ここは依頼主さんから依頼されたところで間違いありません。

「・・・・・・・・・」

そして、その家を茫然と見つめるチカちゃん。

「ここ・・・チカのお家・・・・・・」

・・・・・・やっぱり、そうでしたかっ

普通であれば、ここで家族と一緒に暮らしていたはずです。

カースに襲われなければ、ただの仲睦ましい夫婦でいれたはずなんですからっ

あっ、でもフィギュア捨てられてかなり怒っていたといってましたし、どうなんでしょうかっ?

「チカちゃん、一緒に入りましょうっ」

「・・・・・・うん」

「待って」

その言葉に振り向くと、凛さんが真剣な表情でいました。

468: 2018/03/21(水) 14:01:09.52 ID:oZ5EiIs10
「私も一緒に行っていいかな?」

たぶん、そういうと思いましたっ
凛さんはカースの研究をしているって言ってましたからね。
そのカースがここを自分の家と言った。
であれば、どういうことが起きるのか、見てみたいと思うはずです。

「私は構わないですけど・・・・・・チカちゃんはっ?」

・・・・・・まあ、私には止める理由はありませんっ

「いいよ」

「わかった、ありがとう」

「はぁとさんたちは留守番でお願いしますっ」

「ああ・・・・・・っと、ちょっとその前にっと」

はぁとさんはアイテムボックスから無線機を取り出し、私に投げてきました。

「何かあったら、これで連絡するんだぞ☆」

「ありがとうございますっ!」

「気をつけてネ」

「じゃあ、行きましょうかっ! おじゃましまーす!」

「お、おじゃましまーす」

「・・・・・・ただいま」

そうして3人で、家の中に入りました

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469: 2018/03/21(水) 14:02:19.15 ID:oZ5EiIs10
私はユウキちゃん達が家の中に入るのを見届けた後、ケイト達に話しかけた。

「ところで、ケイト達がここに来たのって、あの森のせいか?」

「まあ、そうネ。一体あの森は何なのヨ?」

「正直わかんね☆
 でもまあ、心当たりがないわけじゃねえんだけどな☆」

「心当たり?」

そう、心当たりはある。
あるし、説明はできるんだが、えーっと・・・・・・

「あー、えー・・・・・・
 そこん所の説明任せた、ポストマン!」

めんどくさくなったので、ポストマンに投げちゃおっと☆

「おいおい、心当たりがあるって言っておいてそりゃねぇだろ。
 まあいい、俺から話そう
 憤怒の街の事件は知っているか?」

「大量のカースがこの街にあふれかえって、この通り壊滅した事件デショ?
 イギリスでも大きなニュースになったから覚えてるワ」

「イギリスだけじゃなくて全世界中で大注目になったってわけだがな。」

「で、アイドルヒーロー同盟が中心となって事態解決にあたった事件で、
 GDFとしては新兵器が全く役に立たず、何の活躍も上げられなかった事件よネ・・・・・・」

「ああ、あれは痛恨だった・・・・・・」

470: 2018/03/21(水) 14:03:03.39 ID:oZ5EiIs10
「まあ、それはそれとしてだ」とポストマンは話を続ける。

「その中で、今は森の中にある病院があったんだが。
 当時はあそこに住人が避難して来てな。
 そこを何人かの能力者が中心となって守ってたんだ。

 で、そのなかでもとある3人組の能力者ーーー確かナチュルスターといっただろうか。
 そいつらがカースの気を浄化させるために、雨を降らせて木を生やした
 と聞いている。」

「日本の能力者はそんなことまで可能なの!?
 伊達に対カース戦線の最前線と言われてないわネ。」

「昔っからにはなるが、アイドルヒーローじゃない能力者でも、実力のある奴は結構いるのが日本だ。
 だが、こいつらはとびっきりの規格外ではあるがな。」

「ってことは、この森はその3人組が作ったのネ?」

「ああ。
 もっとも、そのナチュルっていうのも3人でそれぞれ役割があって、
 マリンとスカイが雨を降らしてカースを浄化し、
 アースがそれによって消耗した力を、木を作ることによって癒していたといわれている。」

「ってことは、あれはその副産物?」

「ということになるな。
 だが、木は一本だけだと聞いてはいたが―――」

471: 2018/03/21(水) 14:03:52.19 ID:oZ5EiIs10
「ほほう、副産物としてはなかなか大層なものを作ってくれたものだな」

と、これまで傍で聞いていた黒いカースドウェポンが口を開いた。

「あの森は周りのカースの残滓を吸い取っている。」

「・・・・・・なんだって!?」

「それだけではない。その吸い取った残滓を癒しの力に変えて発散しておる。
 いわば対カース用の浄化槽といったところだ。」

「浄化槽・・・・・・ってことは、あの森ができた原因って」

「大方、吸収したカースの残滓を癒しの力にして増やしたのだろうな」

「そういえば、凛があの森の枝を無理やり採ろうとした時、
 その時に手を傷つけたらしいが、その傷がすぐに治ってたな☆
 あと、カースのチカちゃんが力を発揮できないって言ってたし・・・・・・
 カースの特効薬って言ってたのって、あながち間違いじゃねぇのか☆」

「カースの特効薬か、なるほどな
 煎じて飲めば、カースドヒューマンのカース化が治るかもしれんぞ」

「そいつはすげぇな・・・・・・今あるカースの問題の半分が何とかなっちまうぞ」

確かにそうだ。

憤怒の街に限らず、カースによる影響でカースドヒューマンになり、
GDFの隔離房にいれている人は少なからずいる。
そうでなくともカースに攻撃され傷ついたのに、呪いの影響により治療の難しい患者も多いのだ。
そんな人達が、あの森で全て治療出来てしまう。
まさしくカース問題に対する、一つの突破口と言える代物であった。

「まさしく特効薬ってやつだな☆」

472: 2018/03/21(水) 14:05:20.53 ID:oZ5EiIs10
「だけど、疑問が残るわネ」

「ああ。
 なんでそんな代物を、ウサミン製の認識阻害装置を使ってまでひた隠しにしたんだってことだよな☆」

「普通そんな物を手に入れたら、GDFのどっかに情報として降りてくるもんだが、
 今回に限っては、そんな物一切聞いたことがねぇ」

「What's? ポストマンってそんなに偉い立場の人間ナノ?」

「いや、俺は上から下までいろんなところに知り合いを持ってるだけさ。
 それこそ新司令官様の側近レベルの奴にもな。
 だが、その知り合いからもそんな知らせは聞いたことがねぇ。
 単に上が極秘情報として持っているだけか―――」

「あるいは情報がここで止まっているか、だよな☆」

「まあ、極秘情報だからという理由であればいいんだがな。
 ―――しかし、それでは俺達に出した任務の意味が無い」

「それって・・・・・・どういうコト?」

「ここにはGDF関係者しかいないから行っちゃうけど、
 はぁとたちの任務は、『憤怒の街の実態調査』だから☆
 知っている情報を調査って、おかしいよな☆」

「・・・・・・まさか!?」

「そのまさか、だろうよ」

そんなときに聞こえてきたヘリの音。
私達は戦いの予感を感じ得ずにはいられなかった。

473: 2018/03/21(水) 14:11:07.33 ID:oZ5EiIs10
今回はここまでです。
鈍足だけど、ちゃんと進んでるよー

次回か次々回くらいでユウキちゃんの目的は達成して、そのあとは戦闘回になりそう。

475: 2018/03/29(木) 22:39:03.90 ID:s8lVgOFa0
おつでしてー
しっかりと核心へ近づきつつありますな!このメンバーでの戦闘回も楽しみにしております



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13