40: 2019/01/03(木) 19:42:55.95 ID:p8Id/7Jt0
前回:だいたいなんでも解決してくれる杏ちゃん~岡崎泰葉編~
~鷹富士茄子編~
41: 2019/01/03(木) 19:43:36.02 ID:p8Id/7Jt0
杏(あー、学校疲れた)
杏(今日はレッスンもないし、さっさと帰ってダラダラしよっと)トコトコ
杏「…………」トコトコ
杏「…………?」トコトコ
杏(なんだろ……? 今日、ぜんぜん信号につかまんないな……)トコトコ
茄子「杏ちゃん!」バッ
杏「そういうことかよ」
杏(今日はレッスンもないし、さっさと帰ってダラダラしよっと)トコトコ
杏「…………」トコトコ
杏「…………?」トコトコ
杏(なんだろ……? 今日、ぜんぜん信号につかまんないな……)トコトコ
茄子「杏ちゃん!」バッ
杏「そういうことかよ」
42: 2019/01/03(木) 19:44:38.59 ID:p8Id/7Jt0
茄子「偶然ですね♪ ちょうど杏ちゃんに会いたかったんですよ~」
杏「嫌だなあ……」
茄子「そんなこと言わないで!」
杏「いちおう聞いとくけど、杏になにか用?」
茄子「はい、実は……ご相談がありまして」
杏「またなの? こんどはなにさ」
茄子「『デレぽ』、あるじゃないですか」
杏「うん、あるね。……そいえば最近見てないな、BOTどうなってんだろ?」
茄子「朝のあいさつのやつですね、元気に稼働中ですよ」
杏「マジか。邪魔かもしれないし、そろそろ止めてもらった方がいいかな?」
茄子「そのままでいいんじゃないですか? もうみんな日付変更線みたいに思ってますよ」
杏「日付変更線」
杏「嫌だなあ……」
茄子「そんなこと言わないで!」
杏「いちおう聞いとくけど、杏になにか用?」
茄子「はい、実は……ご相談がありまして」
杏「またなの? こんどはなにさ」
茄子「『デレぽ』、あるじゃないですか」
杏「うん、あるね。……そいえば最近見てないな、BOTどうなってんだろ?」
茄子「朝のあいさつのやつですね、元気に稼働中ですよ」
杏「マジか。邪魔かもしれないし、そろそろ止めてもらった方がいいかな?」
茄子「そのままでいいんじゃないですか? もうみんな日付変更線みたいに思ってますよ」
杏「日付変更線」
43: 2019/01/03(木) 19:45:16.48 ID:p8Id/7Jt0
杏「……まあいいか。それで、デレぽがどうかした?」
茄子「デレぽでほたるちゃんが投稿するじゃないですか」
杏「うん」
茄子「それに私がコメントをつけますね」
杏「……うん」
茄子「返信がこないんです!!」
杏「だからなんだってんだ!」
茄子「不安になるじゃないですか! 実は嫌われてるんじゃないかって!」
杏「茄子、そんなネガティブ人間だったっけ?」
茄子「『アイツちょっと愛想よくしたら勘違いしちゃってマジうぜー』とか思われてたら……」
杏「それはもはやほたるちゃんじゃないよ」
茄子「デレぽでほたるちゃんが投稿するじゃないですか」
杏「うん」
茄子「それに私がコメントをつけますね」
杏「……うん」
茄子「返信がこないんです!!」
杏「だからなんだってんだ!」
茄子「不安になるじゃないですか! 実は嫌われてるんじゃないかって!」
杏「茄子、そんなネガティブ人間だったっけ?」
茄子「『アイツちょっと愛想よくしたら勘違いしちゃってマジうぜー』とか思われてたら……」
杏「それはもはやほたるちゃんじゃないよ」
44: 2019/01/03(木) 19:47:36.19 ID:p8Id/7Jt0
杏「ていうかね、なんでそれを杏に相談するの?」
茄子「『杏さんは頼りになりますから』って」
杏「マイルドな言い方なら許されると思うなよ。それ言ったの誰?」
茄子「ふみ――コホン、いえ、名前は伏せますが……」
杏「うちの事務所に『ふみ』から始まるのはひとりしかいないんだよ。なにも伏せられてないよ」
茄子「そこは置いといて。杏ちゃんは、どう思いますか?」
杏「どうもこうも、茄子の考えすぎだよ。女子中学生か」
茄子「ほたるちゃんは私のこと嫌っていないと?」
杏「うん」
茄子「むしろ大好きだと?」
杏「そこまでは言ってない」
茄子「では、なぜ返事をくれないんでしょう?」
杏「さあ……それは杏には……」
『ピローン』
茄子「!! いま、ほたるちゃんが投稿しました!」
杏「なんだその通知」
茄子「『杏さんは頼りになりますから』って」
杏「マイルドな言い方なら許されると思うなよ。それ言ったの誰?」
茄子「ふみ――コホン、いえ、名前は伏せますが……」
杏「うちの事務所に『ふみ』から始まるのはひとりしかいないんだよ。なにも伏せられてないよ」
茄子「そこは置いといて。杏ちゃんは、どう思いますか?」
杏「どうもこうも、茄子の考えすぎだよ。女子中学生か」
茄子「ほたるちゃんは私のこと嫌っていないと?」
杏「うん」
茄子「むしろ大好きだと?」
杏「そこまでは言ってない」
茄子「では、なぜ返事をくれないんでしょう?」
杏「さあ……それは杏には……」
『ピローン』
茄子「!! いま、ほたるちゃんが投稿しました!」
杏「なんだその通知」
45: 2019/01/03(木) 19:48:44.75 ID:p8Id/7Jt0
茄子「…………なんてこと!」ポチポチ
杏「なに? ほたるちゃんどうかした?」
茄子「飴の袋を開けたら中身が吹っ飛んでドブにホールインワンしたそうです」
杏「通常営業だよね、言っちゃ悪いけど」
茄子「ちょうどいいです。私がコメントをつけてみますね」
杏「メンタル弱いのか強いのかはっきりして」
茄子「『飴だったらお姉さんが山ほど買ってあげますよ』、と」ポチポチ
杏「それ誘拐犯か烈海王のセリフだよ」
茄子「よし、送信!」ポチッ
杏「杏、もう帰っていい?」
茄子「…………」
杏「…………」
茄子「…………」
杏「…………?」
茄子「返事がきません!」
杏「気が短い」
杏「なに? ほたるちゃんどうかした?」
茄子「飴の袋を開けたら中身が吹っ飛んでドブにホールインワンしたそうです」
杏「通常営業だよね、言っちゃ悪いけど」
茄子「ちょうどいいです。私がコメントをつけてみますね」
杏「メンタル弱いのか強いのかはっきりして」
茄子「『飴だったらお姉さんが山ほど買ってあげますよ』、と」ポチポチ
杏「それ誘拐犯か烈海王のセリフだよ」
茄子「よし、送信!」ポチッ
杏「杏、もう帰っていい?」
茄子「…………」
杏「…………」
茄子「…………」
杏「…………?」
茄子「返事がきません!」
杏「気が短い」
46: 2019/01/03(木) 19:49:35.34 ID:p8Id/7Jt0
杏「ほたるちゃんもそんな四六時中スマホいじってないでしょ、女子中学生じゃないんだから」
茄子「女子中学生ですよ」
杏「女子中学生だったね」
茄子「まあたしかに、うちのアイドルってあまり学生感のない学生が多いですよね」
杏「うん、杏なんかたまに自分が女子高生であることも忘れるよ」
茄子「――――!」ハッ
杏「なんだその反応。言っとくけど杏いま制服姿だよ、学校帰りなんだから」
茄子「学校……行ってるんですか」
杏「いちおうね。めんどうくさいけど」
茄子「ナナちゃんはどうなんでしょうね?」
杏「なんでみんなすぐ菜々ちゃんに振るの?」
茄子「女子中学生ですよ」
杏「女子中学生だったね」
茄子「まあたしかに、うちのアイドルってあまり学生感のない学生が多いですよね」
杏「うん、杏なんかたまに自分が女子高生であることも忘れるよ」
茄子「――――!」ハッ
杏「なんだその反応。言っとくけど杏いま制服姿だよ、学校帰りなんだから」
茄子「学校……行ってるんですか」
杏「いちおうね。めんどうくさいけど」
茄子「ナナちゃんはどうなんでしょうね?」
杏「なんでみんなすぐ菜々ちゃんに振るの?」
47: 2019/01/03(木) 19:51:18.03 ID:p8Id/7Jt0
茄子「それよりも、返事がきません……」
杏「ほたるちゃんのことだし、なんかあってスマホ見れない状況だったりするんじゃない?」
茄子「たとえば?」
杏「百でも二百でも思いつくよ。スマホ落として割っちゃったとか」
茄子「お姉さんがスマホを買ってあげる……」
杏「やめなよ、あまり高価なものもらうと本格的に怖いから」
茄子「予備を含めて、トラック一台分ぐらい」
杏「落ち着いて。てか、その単位流行ってるのか」
茄子「ほたるちゃん……どうして……」グスグス
杏「情緒不安定すぎる……ん? 茄子、スマホ見せて」
杏「ほたるちゃんのことだし、なんかあってスマホ見れない状況だったりするんじゃない?」
茄子「たとえば?」
杏「百でも二百でも思いつくよ。スマホ落として割っちゃったとか」
茄子「お姉さんがスマホを買ってあげる……」
杏「やめなよ、あまり高価なものもらうと本格的に怖いから」
茄子「予備を含めて、トラック一台分ぐらい」
杏「落ち着いて。てか、その単位流行ってるのか」
茄子「ほたるちゃん……どうして……」グスグス
杏「情緒不安定すぎる……ん? 茄子、スマホ見せて」
48: 2019/01/03(木) 19:52:02.24 ID:p8Id/7Jt0
茄子「え、はいどうぞ」スッ
杏「ほたるちゃん、写真付きで投稿したんだね」
茄子「はい、飴をドブに落としてもほたるちゃんはかわいいです」
杏「それは褒めてるつもりなの?」
茄子「それで、写真がどうかしたんですか?」
杏「んー……」
杏(やっぱり、背景に見覚えある。ほたるちゃんは徒歩だよね。時速4~5キロとして……)
杏「タクシー乗ろう」
茄子「へ? はい」サッ
タクシー「ハァイ」キキッ
杏「ノータイムで捕まえるな」
杏「ほたるちゃん、写真付きで投稿したんだね」
茄子「はい、飴をドブに落としてもほたるちゃんはかわいいです」
杏「それは褒めてるつもりなの?」
茄子「それで、写真がどうかしたんですか?」
杏「んー……」
杏(やっぱり、背景に見覚えある。ほたるちゃんは徒歩だよね。時速4~5キロとして……)
杏「タクシー乗ろう」
茄子「へ? はい」サッ
タクシー「ハァイ」キキッ
杏「ノータイムで捕まえるな」
49: 2019/01/03(木) 19:52:55.65 ID:p8Id/7Jt0
『ブロロロロ……』
杏「〇×神社の、ふたつ先の通りを右曲がったとこまで」
タクシー「ヘェイ」
茄子「??」
『キキッ』
杏「よし、たぶんぴったり、降りて降りて」
茄子「杏ちゃん? ここは?」
杏「めんどうくさいから、本人に直接訊いてよ」
茄子「本人?」
ほたる「あ、茄子さん……?」
茄子「!! ほたるちゃん……」
杏「あ、車出しちゃって。ウチまでね」
タクシー「ヘェイ」ブロロロロ……
杏「なんで『ウチ』でわかるんだ」
杏「〇×神社の、ふたつ先の通りを右曲がったとこまで」
タクシー「ヘェイ」
茄子「??」
『キキッ』
杏「よし、たぶんぴったり、降りて降りて」
茄子「杏ちゃん? ここは?」
杏「めんどうくさいから、本人に直接訊いてよ」
茄子「本人?」
ほたる「あ、茄子さん……?」
茄子「!! ほたるちゃん……」
杏「あ、車出しちゃって。ウチまでね」
タクシー「ヘェイ」ブロロロロ……
杏「なんで『ウチ』でわかるんだ」
50: 2019/01/03(木) 19:54:03.54 ID:p8Id/7Jt0
*
――翌日
ほたる「杏さんおはようございます。昨日は、ありがとうございました」
杏「あ、ほたるちゃんおはよ。あれ、結局どういうことだったの?」
ほたる「その、茄子さんにはいつもお世話になっているので、デレぽのことも含めて、できれば直接会ってお礼を言いたかったんですが……」
杏「……だけど運悪くスケジュールが噛み合わず、すれ違い続けて、機会がぜんぜんなかったってところかな?」
ほたる「はい……。それで昨日、茄子さんから、杏さんが連れてきてくれたと聞きまして」
杏「いいよべつに。正直、相手するの面倒で押し付けただけだし」
ほたる「それでも……お礼代わりといってはなんですが、もしよろしければこれを……」
杏「うん、なんとなく想像はつくけど、なにその大量の飴」
ほたる「茄子さんに買っていただきました」
杏「だろうと思ったよ」
ほたる「トラック1台分」
杏「バカじゃないの」
<鷹富士茄子編、終わり>
次回:だいたいなんでも解決してくれる杏ちゃん~宮本フレデリカ編~
――翌日
ほたる「杏さんおはようございます。昨日は、ありがとうございました」
杏「あ、ほたるちゃんおはよ。あれ、結局どういうことだったの?」
ほたる「その、茄子さんにはいつもお世話になっているので、デレぽのことも含めて、できれば直接会ってお礼を言いたかったんですが……」
杏「……だけど運悪くスケジュールが噛み合わず、すれ違い続けて、機会がぜんぜんなかったってところかな?」
ほたる「はい……。それで昨日、茄子さんから、杏さんが連れてきてくれたと聞きまして」
杏「いいよべつに。正直、相手するの面倒で押し付けただけだし」
ほたる「それでも……お礼代わりといってはなんですが、もしよろしければこれを……」
杏「うん、なんとなく想像はつくけど、なにその大量の飴」
ほたる「茄子さんに買っていただきました」
杏「だろうと思ったよ」
ほたる「トラック1台分」
杏「バカじゃないの」
<鷹富士茄子編、終わり>
次回:だいたいなんでも解決してくれる杏ちゃん~宮本フレデリカ編~
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