56:◆TLyYpvBiuw 2014/07/06(日) 20:35:47.33 ID:lkKsN7/Bo
57: 2014/07/06(日) 20:36:29.45 ID:lkKsN7/Bo
食堂
電「はぁ……」チラ
彼女の目線の先には吹雪型駆逐艦の四女、深雪が映っている。
電は深雪と浅からぬ関係にあった。
史実において彼女は演習中の事故で深雪に衝突、そのまま深雪は海底へと沈んでしまった。
そのことを電は気にしており、謝りたいと考えている。
しかし、踏ん切りがつかずにいた。
電「どうすればいいのかなぁ…」
雷「なになに?なんか悩み?」
暁「なんでも相談しなさいよね!」
電「な、なんでもないのです」
雷「ほんとにぃ~?」
電「本当なのです」
暁「ちぇっ残念」
電(何が残念なのよ)
58: 2014/07/06(日) 20:37:28.77 ID:lkKsN7/Bo
こういうことは先延ばしにすれば、それだけ言いにくくなるものである。
たとえそれが些細なことであっても、たった一言であっても。
電もその状態でずっと先延ばしにし続けてきた。
そう、長波のSSのように…
長波「じゃあ露骨な工口で攻める、と」カキカキ
そして電はある日の任務中、負傷をしてしまった。
電「じゃあ私入渠してきますから」
天龍「おう、行ってきなよ」
59: 2014/07/06(日) 20:39:25.68 ID:lkKsN7/Bo
入渠ドック
電「はぁ~…」
「よっ!電じゃねーか!」
電「え?」
深雪「そーいや、あんまり話したことないなぁ元気か?」
偶然、深雪も入渠していた。
電(まさか、こんな時に。千載一遇のチャンス!これを逃したら二度と言えない気がする!)
深雪「あっ、入渠中の患者に元気かって聞くのは問題だったな」ハハハ
電「あ、あの!」ザバッ
深雪「うおっ、なんだ立ち上がって」
電「深雪さんに、言いたいことが、あるのです…」
深雪「なんだぁ?改まって」
電「とっても、大事なことなのです」
深雪「おう」
電「もっと、深雪さんと近づくにはこれを言うしかないのです」
深雪「!?それってつまりそのーアレか」
電「アレのことなのです」
深雪「そ、そうか。まあーうん。とりあえず聞くだけ聞くよ。何かの間違いかもしれないし」
60: 2014/07/06(日) 20:40:04.98 ID:lkKsN7/Bo
電「前からずぅーっと思ってたことなのです」
深雪「そそそそーなの?」
電「だからこういう機会だし、思い切って言うのです」
深雪「いやーでも困る、困るなそういうのはちょっとよくわからないからさ」
電「?すぐにわかると思うのです」
深雪「すぐに!?今!?急すぎないか!?」
電(あからさまに避けようとしている?でも、ここを逃したら!)
電「電はもう十分に待ったのです。でもなかなか会う時が無かったから」
深雪「そ、そう。気持ちは嬉しいんだけどさ、あたしにも心の準備ってもんがあるからさ」
電「受け入れて…くれないのですか?」
深雪「えーっと、そのなんだ。あたしにだって選択する権利はあるし」
電「そう…ですか…」ショボーン
深雪「いや!受け入れないとは言ってないよ?うん。そんなつもりはぜーんぜん無い」アセアセ
電「じゃ、じゃあ…」
深雪「ただちょっと、考えさせてくれよ。お前の気持ちはよくわかった」
電「わかりました」
深雪「じゃあ、あたし時間だからあがるわ。またな!」ザバッ
電「はい」
61: 2014/07/06(日) 20:41:03.38 ID:lkKsN7/Bo
電はひどく落ち込んだ。彼女が謝罪を受け入れてくれないとは考えもしなかったからだ。
電「そうよね、考えてみれば謝れば受け入れてくれるなんて甘かったのかも」
彼女はその夜、ベッドで人知れず泣いた。
一方深雪は…
深雪「……」ボー
初雪「どしたの、柄にもなく月なんか眺めちゃって」
深雪「電に告白された」
初雪「ふーん」
…
初雪「えっ」
ガチャッ
磯波「今!恋バナしてたよね!よね!」キラキラ
初雪「うわ、めんどくさいのが来たよ。どっから聞いてたの」
磯波「こっちの部屋も窓開けてたの」
深雪「はぁ~、どうすればいいのかなぁ」
磯波「ぜひ相談に乗らせてよ~!」
62: 2014/07/06(日) 20:42:48.03 ID:lkKsN7/Bo
翌日
電「クシュン」
電は軽い風邪を引いてしまっていた。
落ち込んでいるときは悪い方悪い方考えてしまうし、悪いことが起きるのである。
>>1もこのスレ立てた直後は「もうやめちまおうか」と思ったものだ。
臭い寒いは予定調和だが二度と書くなとまで言われるとは思わなかったものだ。
あのくそったれ評論家気取りが!!!じゃあテメーはどんな作品書くってんだクソカス!!
このボケが!氏ね!氏ね!氏ね!氏ねええええええええええええ!!!!
あー失礼とにかく、落ち込んでるときは何もかもお先真っ暗だし、何をやってもぜーんぜんうまくいかない。
天龍「どうした、電。今日は調子悪いな」
電「いえ、別に大丈夫なのです」
提督「いや、調子悪い時は休んだ方がいい。電と入れ替えで誰かいないか!」
綾波「あ、私が空いてます」
提督「では綾波、任せたぞ」
電「あの、大丈夫ですから」
天龍「いいからいいから、ゆっくり休め、な。よぉし、天龍水雷戦隊、出撃するぜ!」
雷「ゆっくり休むのよ!」
綾波「代わり、きっちりこなしますから!」
提督「雷の言うとおりだ。しかし今日は二人目だぞ、なんか流行っているのか?」
明石「そういう兆候は見られませんがねー。まあたまたまでしょう」
電「……ハァ」
63: 2014/07/06(日) 20:43:53.69 ID:lkKsN7/Bo
「よっ」
電「え?」
深雪「あんたも休みか」
電「深雪さんも?」
深雪「昨日のあん時な、冷えちまったみたいで。まあ気にしなくていいよ。お互い様みたいだし」ゴホゴホ
電「…」
電(今聞くのは、ちょっと気が早いかな…)
深雪「そ、そんな思いつめて…いるのか?」
電「だって…」
深雪「うー…」
電「だって、姉妹だし、深雪さんのことも大好きだから…」
深雪「姉妹って、だったら余計問題だってもんだぜ!?」ギョッ
電「どうしてですか?」
深雪「どうしてって、あたしも好きだけどさ、あんたのこと!」ダラダラ
電「それなのにどうして受け入れてくれないのですか?」
深雪「あうーそのー…あ、そうだあたしちょっと用事があるの忘れてたよまた後でな!」ピュー
電「あ、行っちゃった…」
電(謝罪っていうのは無理言って受け入れさせるものじゃないってわかってるけど…ワガママだなぁ私)シュン
64: 2014/07/06(日) 20:44:52.87 ID:lkKsN7/Bo
電の気分はどんどん落ち込むばかりであった。
これは好きな作家の新刊を発売日になってから知ったの秋雲の心境に似ていた。
秋雲「無い、無い、無い、どこに行っても売り切れ」ショボーン
彼女は自室のベッドの中でこのことを悔やんだ。
黙ってうやむやにしてしまえばよかったとすら思ったのであった。
悲しみはいつまでも消えないし、そのくせ涙は溢れてくる。
人間っていうのは面倒くさい生き物だ。もっとも彼女の場合は艦娘であるが。
65: 2014/07/06(日) 20:45:44.79 ID:lkKsN7/Bo
そんな電の部屋に来客者が現れた。
コンコン
電「……」
「入るよ、いるんでしょ」
ガチャ
初雪「…」
電「初雪さん…」
初雪「深雪に振られちゃった?」
電「いや……でももう仲良くなるなんて無理なのです」ポロポロ
初雪「そうかなぁ、まだまだチャンスはあるよ」
電「そうでしょうか、もうダメなのです。やっぱり私は…」
初雪「そんなことないよ。深雪は姉妹想いだから。
電の望んだ結果になるかどうかはわからないけど、まあ笑っていられるよ」
電「それじゃあ、意味がないのです」
初雪「意味があるかないかは、そうなってみないとわからないと思う」
電「…」
初雪「あなたは一番可愛い末っ子だから、遠慮してるんじゃない」
電「遠慮、ですか?」
初雪「独り占めにしちゃまずいだろうって」
電「遠慮することなんてないのに…」
初雪「それじゃあ、深雪は押しに弱いから、とことん押せばすぐに落ちるよ」
電「…わかりました。やってみるのです!」
初雪「じゃ、お節介はこれで…」
ガチャッバタン
電「よし、ちょっと図々しいかもしれないけど、電の本気を見るのです!」フンス
66: 2014/07/06(日) 20:46:52.85 ID:lkKsN7/Bo
深雪の部屋
深雪「はぁ~…」
深雪は、なんかまんざらでもなかった。
自分をこんなに思ってくれているのかと考えると
なんかこう胸がぶぁーってなってなんか小っ恥ずかしかった。
深雪(いやいや、変だよ、女の子同士だぜ?そんな…でも大井と北上さんは…)
コンコン
深雪「ひょっ!?」ビクッ
コンコン
深雪「はいはいどうぞ」
ガチャ
電「こんにちは、なのです」
深雪「うお、あんたか」
電「そういえば、深雪さんも風邪ひいてましたよね?看病に来たのです」
深雪「風邪ひいてるのはあんたも同じだろ」
電「電のは軽いのです」
深雪「あたしのだって軽いけど」
電「いいから!」
深雪「う~ん…」
67: 2014/07/06(日) 20:48:41.98 ID:lkKsN7/Bo
電「ほら、おかゆ、あ~ん」
深雪「自分で食えるよ」
電「あ~~ん」
深雪「…あ~ん」パク
電「どうなのです?」
深雪「不味い、お粥だし」
電「そういうものなのです」
深雪「もういいって、寝てれば治るんだから」
電「でもきちんとご飯を、あら?」フラッ
パタリ
………
電「う、う~ん」
深雪「ベタなことするよな、あんたって」
電「あれ?私…どうして一緒に寝てるの?」
深雪「悪化しちゃったみたいだな。まああたしにもあんたを部屋に運ぶ体力はなかったんだけど」
電「いいのですか…?」
深雪「なにが?」
電「だって私のこと…」
深雪「今更だなぁ、受け入れなかったら、看病なんて黙ってさせるわけないだろ」
電「じゃ、じゃあ!」
深雪「ああ」
ギュッ
深雪「いいよ、あんたのこと。受け入れるよ。たまにはこういう二人がいてもいいじゃないか」
電「あの、あの……ありがとう」ギュッ
深雪「しっかし驚いたよ、電。あんたがまさかそのー…レOだったとは」
電「えっ」
深雪「あれ」
68: 2014/07/06(日) 20:50:49.18 ID:lkKsN7/Bo
かくして、めでたく電の謝罪を受け入れた深雪であったが、重大な齟齬が発生していたのであった。
深雪は衝突のことなど気にも留めていなかったようで、思い浮かばなかったそうだ。
ちゃーんと一から十まで喋ってたらこんなことにならなかったんだけどね。
その後、磯波のお節介やらなんやらが非常に鬱陶しく、しつこく、しかも強引であったために
二人は初めての共同作業を行う羽目になった。
憲兵「ふうむ、それが彼女を頃した理由かね」
深雪「どんな罰でも受け入れますぅ…」
電「なのです…」
次回も見てください。お願いします。
磯波「あ、私生きてますよ~ちょっと~」
憲兵「お前は窓から突き落とされて氏んだの。もう今回の話は終わりだから帰ってくれ」
69: 2014/07/07(月) 16:53:32.99 ID:CaGPkZ+AO
オチが酷すぎるわw
次回:変な艦これ劇場 第五回
引用: 変な艦これ劇場
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