140:◆TLyYpvBiuw 2014/07/12(土) 19:33:29.72 ID:h+pMXUuBo






変な艦これ劇場 第十回

涼風「前回までのあらすじでい!ペットショップが吹き飛んだ!」

電「変な艦これ劇場、はじまるのです!」

141: 2014/07/12(土) 19:34:20.84 ID:h+pMXUuBo

深海棲艦輸送船団が任務を遂行していた……。

「待つでち!武装解除するでち!」

ホ級「むむ!何奴!」

ドォオン

ホ級「ぎゃああああ」

伊58「抵抗するとああなるでち。見ればわかるがゴーヤは魚雷を二発持っている。

   いや一発は撃ったけどもう一発ある、計算では一人氏ぬでち!」

輸送船団「……」

伊58「運が悪いと当たるでち、あえて危険は冒すな、ゴーヤは射撃がうまいんでちからね。

   毎日練習してるんだ、いやたまにはサボるけど。だいたい毎日でち、雨が降ると休むけどね。

   週に四、五日だよ、少なくとも…最低四、五日でち、時には日曜日もでち!

   ただ先週はちょっと忙しかったから休んだ。

   理屈っぽいけど!結論として毎週、週に四日は練習してるよ!最低。

   例えば、あそこのあの岩に当てる!あそこの島の向こうの岩でち!

   あの大きい島じゃなくてちっちゃい島のことだあの岩、見えるよね?

   ほら、あの左から三番目の岩だよ、わかったらすぐ頷いてよ」

輸送船団「……」ドレ?ドレ?
Model Graphix ARCHIVES 艦隊これくしょん -艦これ-
142: 2014/07/12(土) 19:35:17.16 ID:h+pMXUuBo

伊58「五発撃ったら四発当たる。天気が良ければね、でも今日は風があるから、十発のうち七発か」

ワ級「ええ!?あの岩を!?」

伊58「どの岩?」

ワ級「あのー、大きな岩。てっぺんが苔むしてる」

伊58「だから違うって」

ヌ級「違うわよ、アレのこと言ってるのよ。ほら!あの岩見える?」

ワ級「うんうん」

ヌ級「あの岩の二つ右の岩」

チ級「あの、小さな茂みがある島の?」

ヌ級「いえ、その後ろの岩よ!」

ワ級「あ~、あの岩か」

伊58「いや、あの岩でち。ってそんなことはどうでもいいんでち!十発中七発命中させられるって言ってるんでち!

   さあ淑女諸君、迷わないのは身のためでち。持ってるだけの赤賀を差し出すがいい」

143: 2014/07/12(土) 19:36:25.25 ID:h+pMXUuBo

ワ級「赤賀!?」

伊58「うん、赤賀だ。さあ早く出せ!」

ホ級「赤賀って何?」

伊58「可愛くないなぁ~とぼけちゃって」

ホ級「いやあの、赤賀の画像ですか?」

伊58「そういうこと。SSでもいいよ」

ワ級「そんなものは持っとらん」

ヌ級「ありません!」

伊58「ごまかしても無駄でち。ゴーヤはこれが赤賀輸送船団だと知っているんでちからね」

ワ級「頭がおかしいんじゃないのか」

伊58「手を挙げて並ぶでち!早く!」

ゴソゴソ

伊58「……あるじゃないの。では一同、これでさらばでち。いざ甲標的!」バッ

甲標的「ドルルン」

ワ級「あーあ、大事にしてたのに」

144: 2014/07/12(土) 19:37:18.00 ID:h+pMXUuBo

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 砲弾の雨をくぐり抜け

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 愛馬甲標的に跨り

♪富める者から奪い

 貧しき者に与える

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 義賊ゴーヤ


とある貧乏泊地

伊58「取っておくでち!さらばでち!」ポイッ

天龍「……」

龍田「……」

つづく

145: 2014/07/12(土) 19:38:40.28 ID:h+pMXUuBo

ところでここは執務室、また鬼怒と提督がなんかやってる

鬼怒「提督、鬼怒もう我慢できないよ……」

提督「何がだ?」

鬼怒「だって鬼怒の気持ち全然わかろうとしないんだもん」

提督「ほぉ?気持ちは口に出さんとわからんぞぉ言ってみな?」

鬼怒「鬼怒は提督と、せ、セッ……」

提督「せ?」

バンッ!

金剛「それ以上は言わせないヨ!」

KINU「Say You'll Be There」

TEITOKU「I'm giving you everything all that joy Can bring this I swear」

金剛「そう……一味違うのね……」

金剛はその日、とある手紙をしたためた。

146: 2014/07/12(土) 19:40:21.73 ID:h+pMXUuBo

雷「みんな!私にどんどん悩みをぶつけてね!じゃあ答えるわ!」

「今日は何の日?」

雷「知らないわよ!カレンダー見なさい!」

「誰も自分を怖がってくれません」

雷「恐怖を感じない理由があるんじゃないかしら?例えば性能が低いとか」

「駆逐艦と仲良くなりたい!」

雷「その口ぶりだと無理そうね」

「大好きなあの人が振り向いてくれません」

雷「その人きっとレOじゃないのよ」

電「何一つ解決になってないのです!!」ガビーン

雷「じゃあもう一つ」

「提督が振り向いてくれまセーン!」

雷「ふーむ」

電「今度こそ真面目に答えるのです!」

雷「まあそれは置いといて、こういう童話があったわ……」

電「置いといたらダメなのです!」

147: 2014/07/12(土) 19:41:40.50 ID:h+pMXUuBo

とある豪華な鎮守府

わいわい

千歳「ワインはいかが?」

提督「いただこう」

暁「こういうの憧れだったのよね!」

白雪「素敵ですね」

ガシャアン

伊58「無駄な抵抗はよせ!」

「義賊ゴーヤ!」

伊58「その通り!さて紳士淑女方、赤賀をいただこうか!」

白雪「ねのくま?」

伊58「とぼけずに出しなっさーい!」

白雪「どういう意味です!」

伊58「命が惜しくば、赤賀を差し出すがよい!」

ゾロゾロ

伊58「ケチケチせずに全部でち!」

提督「なけなしの赤賀なのに……」

伊58「かたじけないでち。それではさらば!」シュゴー

キィィィン

暁「飛ぶこともできるなんて!」

提督「義賊ゴーヤのやつめ神出鬼没だ!赤賀だけを奪う義賊という噂だが」

千歳「小癪なやつ!赤賀を全部持ってかれたわ!」

白雪「いえ、ここにまだあります!」ヌギッ

提督「おお!パンツの中に!気持ちは悪いが」

千歳「やることは素早い!」

バンザイ!

148: 2014/07/12(土) 19:42:42.76 ID:h+pMXUuBo

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 闇を駆け抜け

♪国中の赤賀

 手中に収め

♪富める者から奪い

 貧しき者に与える

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 義賊ゴーヤ


とある貧乏泊地

天龍「食べなきゃダメだ……氏んじゃうぞ」

龍田「うん…」

149: 2014/07/12(土) 19:43:32.66 ID:h+pMXUuBo

ガチャッ

天龍「ああ、ゴーヤ様。妹はもうダメです」

伊58「心配するなでち。いいものを持ってきたよ!」

天龍「薬ですか!?」

伊58「いーや?」

天龍「食べ物!?」

伊58「いや!」

天龍「では毛布とか着る物?暖炉の薪?」

伊58「違う……赤賀だ!」

天龍「あああ!!!またかよぉ!!」

伊58「好きでしょ?」

天龍「いい加減にしてくださいよ!」

龍田「私もよ!」ゴホッゴホッ

150: 2014/07/12(土) 19:44:41.15 ID:h+pMXUuBo

天龍「妹が氏にそうだってのにくれるものは赤賀ばっかりだ!

   この一ヶ月食ったものと言ったら赤賀同人誌だけ!

   赤賀スープ、ロースト赤賀、蒸し赤賀、炒め赤賀の赤賀ソース掛け、

   赤賀スパゲティの赤賀ソテー添え、赤賀メレンゲパイ、赤賀シャーベット!

   猫の餌も赤賀だよ!?赤賀を暖炉で燃やして、着てる服まで赤賀だよもう!!」

伊58「いや、でも、似合ってるよ」

天龍「似合わないの!!!赤賀を見るだけで氏ぬ思いだ!!」

ニャアン、ドタッ

天龍「ほらドタってほら、見ろよ!猫が赤賀見てショック氏したじゃないか!

   オレはもう氏ぬまで赤賀なんか見たくもねんだよ!!

   くれるんなら役に立つもの持って来いよ!!」

伊58「どんなものよ」

天龍「だから、鋼材とか燃料とか、着る物、薪、弾薬……」

伊58「あやや、待ってよメモ取るから」

天龍「これだもん」

151: 2014/07/12(土) 19:45:41.63 ID:h+pMXUuBo

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 闇を ふんふんふん

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 らんらんらん 誓う

♪盗み…らんらんらん

 ふんふふんふんふ~ん

♪義賊ら~ん ふんふんゴー

 らんらんらんっと


とある豪華な鎮守府

わいわい

千歳「ねえ、提督。今度はどこに遊びに行く?」

提督「そうだなぁ、素敵な旅にしたいものだ」

ガシャアン

暁「ああ!またかよぉ!」

提督「また来たよ!」

白雪「またぁ!?」

伊58「おとなしく差し出すんでち!燃料と弾薬とそれからえーっと……」ゴソゴソ

パッ

伊58「あったあったえー、着ている服と薬、置物、ガラス器、子猫ちゃん」

提督「赤賀じゃないのか?」

伊58「時計、弾薬、それからえーっと」

152: 2014/07/12(土) 19:46:46.58 ID:h+pMXUuBo

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 海を駆け抜け

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 大きな袋携え

♪貧しき者に与え

 富める者から奪う

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 義賊ゴーヤ


とある貧乏泊地

伊58「おまたせ!」

天龍「おお!」

龍田「よかった」

つづく

153: 2014/07/12(土) 19:47:32.66 ID:h+pMXUuBo



比叡「これで一巻の終わり、なーんて思ったでしょー?ハハハハー!残念まだつづくの」



154: 2014/07/12(土) 19:48:29.44 ID:h+pMXUuBo

とある貧乏だった泊地

伊58「また来たよー。これをやる、さらば!」ポイッ

天龍「ああ、ハハハハ」


とある豪華だった鎮守府

提督「やはり下着だとこの季節でも寒いものだ」

千歳「でもこーやってくっついていられるから別にいいわ」

白雪「集まるとあったかいですね」

暁「司令官の膝の上は暁よ!」

155: 2014/07/12(土) 19:50:18.12 ID:h+pMXUuBo

ガシャアン

伊58「みなーさま!ごめんくださーい!」

暁「嫌よ!」

伊58「皆様が私の言うことに従わなければ、両目の真ん中を撃ち抜きますよ!」

えぇー!?

伊58「いや、正確にじゃないけど、つまりその、両目の真ん中ということはその辺りという意味でちて、

   その辺りということで、つまり厳密に言うと両方の目を繋いでその線の中心辺りを撃つ訳でち。

   私にとってはその辺で……」

白雪「何が言いたいんですか、なぜここにいるのですか!?」

伊58「それを聞いちゃうわけ?つまりー、泥棒にとってその質問は辛いのよねぇ~。

   突き詰めるとでちねぇ……」

提督「望みを聞いているのだ」

伊58「望みなんてのはごく平凡なものでちて、カッコイイ旦那さんと」

千歳「違う違う違う!あなたの要求!私たちへの」

伊58「あーそういうことね、お持ちの金目のものを!」

提督「ぜーんぶ持ってったじゃないか」

白雪「もう何も残ってません」

伊58「じゃあ……その下着をいただこう」

提督「あ、待った。この赤賀も持っていけ!」

伊58「悪いけど、そのシーンはもう終わりなのでち」

156: 2014/07/12(土) 19:51:40.59 ID:h+pMXUuBo

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 以下省略 以下省略


とある貧乏だった泊地

天龍「今日は何持ってきた?」

伊58「ああ、やっとのことででちね。下着を持ってきましたでち」

天龍「ふざけんじゃねーよ!こんなガラクタ持ってきやがってもう!」

龍田「こんな物なんかうちにはいらないわよ!

   先週お前が持ってきたキャンドルも、たかが16金じゃない!」

天龍「そうだよ、もっとマシなもん持ってこいよ!最近出たでかい古時計とかお前」

龍田「豪華な掛け軸とかね。トイレに飾るから」

伊58「わ、わかりましたよぉ」

157: 2014/07/12(土) 19:52:34.14 ID:h+pMXUuBo

♪義賊ゴーヤ 義賊ゴーヤ

 荒波を駆け抜け

♪国中の赤賀

 追われる如く

♪貧しき者から奪い

 富める者に与える

♪単なる馬鹿

伊58「今なんて歌った?」

貧しき者から奪い、富める者に与える

伊58「そう……富の再分配とは難しいものでち」

158: 2014/07/12(土) 19:53:32.77 ID:h+pMXUuBo

伊58「止まれ!金目のものを出してくだち!」

荒潮「まあ!」

伊58「さあ早く早く、さっさと出して。あー、それで全部?」

時雨「そうさ」

伊58「彼女の方がたくさん持ってるから少しもらいなさいよ」

チャリン

時雨「このくらいかな?」

伊58「あーごめん、少し返す。こっちは九つだからあなた方は……ああ、まだ多すぎる。

   あんたいくつ、あんたの方が多くなりすぎてるから返しましょう。

   あーっと、じゃあこうしましょうか。この髪飾りをあげて、そして、あんたが……。

   彼女の小銭を少しもらって、うーん、それも飾り?隠す気でちたね?

   うーん、どうぞ。結構。そうそうよろしい、ではもう何もありませんか?

   それで公平かな?あなたは箱持ってますね?ほかの人ティアラ持ってますか?

   帽子も脱いで帽子も……いい加減にしてくださいよ、ごまかしたら公平に分配できませんよ?

   やらなきゃなんないんでちから全くもう……」

………

……


159: 2014/07/12(土) 19:56:53.20 ID:h+pMXUuBo

~ここはいつものペットショップ~

夕立「うわああ!」

卯月「ぴょん?どうしたぴょん?」

夕立「ペットショップが爆発する夢見たっぽい」

卯月「そんな馬鹿なっぴょん」

夕立「だよねぇ」

店員「いいから、店の残骸片付けるの手伝って二人とも」

提督よ、忙しいなら、次回の変な艦これ劇場を見るのもまた、提督のあり方だ。なに?つまらないだと?それはすまなかった。




引用: 変な艦これ劇場