13: 2016/11/15(火) 00:55:21.67 ID:p8j/ETHd.net
真姫「うぅ、聞いてよ花陽!」

花陽「どうしたの、真姫ちゃん」

真姫「穂乃果ったら、こないだの路上ライブの日にまた電車賃忘れて来たのよ!」

真姫「それでどうするのかと思ったら、当たり前のように電車賃かしてなんて言うのよ!」

花陽「そういえば、海未ちゃんに叱られてたね」

真姫「私だって怒りたいわよ!普通、後輩からお金なんて借りるかしら!?」キーッ

花陽「真姫ちゃん、いつも大変だね。御苦労様」ナデナデ

真姫「はなよぉ……あなただけよ、慰めてくれるのは」シクシク


こうかな

14: 2016/11/15(火) 01:06:53.84 ID:p8j/ETHd.net
真姫「花陽!!」

花陽「ど、どうしたの真姫ちゃん」

真姫「凛ったら、また英語の小テストで赤点とったわよ!」

花陽「青息吐息だったね、凛ちゃん」アハハ

真姫「それで再テストのために勉強見てあげたんだけど……」

真姫「何をどうしたらinterestingとindependenceを間違えるのよ!」

真姫「なんかmissionとかenemyとかlauncherとか、変な単語ばっかり覚えてるし!」

花陽「それ、凛ちゃんの好きなゲームに出てくる単語だから……」

真姫「あんたの教育がなってないのよ!こうしてやるわ!」グニグニ

花陽「いはいいはい」

真姫「おまんじゅうみたいなほっぺして!」フニフニ

花陽「はへははふへへー!!」ナミダメ

19: 2016/11/15(火) 01:22:12.87 ID:p8j/ETHd.net
真姫「うぅ……はーなーよー」

花陽「今日はどうしたの、真姫ちゃん」

真姫「ゆうべエリーからLINEが来たんだけど……」スッ


エリーチカ:【急募】打倒A-RISEのための新曲!!!!


真姫「そんな簡単に新曲が用意できるわけないじゃない!」

真姫「私はドラえもんじゃないのよ!」

花陽「そうだよね、作曲って難しいよね」ナデナデ

真姫「これは列強による搾取よ!南下政策だわ!」キーッ

花陽「ま、真姫ちゃん落ち着いて……」

21: 2016/11/15(火) 01:27:26.50 ID:p8j/ETHd.net
真姫「……」ズーン

花陽「真姫ちゃん、今日はなんだか元気ないね」

真姫「……いつものように希にセクハラされたから」

真姫「お返しに胸をもみ返してやったのよ」

真姫「格の違いを見せつけられたわ……」シクシク

花陽「希ちゃんは別格だからね。しょうがないよ」

真姫「……」

花陽「?」タユタユ

真姫「花陽に慰められると、なんか腹立つのよね」モミュ

花陽「ぴゃっ!?//」

真姫「やっぱり炭水化物……お米がいいのかしら」モミュモミュ

花陽「ぴゃああああああ////」

23: 2016/11/15(火) 01:36:02.67 ID:p8j/ETHd.net
キーンコーンカーンコーン

真姫「休み時間ね」

花陽「はい、真姫ちゃんにもおにぎり作ってきたよ!」

真姫「……ごめんね、ありがとう」

花陽「どういたしまして♪」

花陽「凛ちゃんはいつも購買のスナックを買いにいっちゃうから、一緒におにぎりを食べてくれる人がいると嬉しくなっちゃう」

真姫「花陽はいいお嫁さんになれるわよ」

花陽「ちなみに中身は、真姫ちゃんの大好きなプチトマトです!」

真姫「ヴェエ!?」

25: 2016/11/15(火) 01:46:02.51 ID:p8j/ETHd.net
真姫「……」ムッスー

花陽「今日は機嫌が悪いね、真姫ちゃん」

真姫「こないだの日曜、にこちゃんが一人で映画観に行ったのよ」

真姫「そんなことだから、友達少ないのよね」

真姫「だいたい、受験生なのに自覚が足りないんじゃないかしら」

花陽「……」ニコニコ

真姫「あによ」

花陽「誘ってほしかったんだね」

真姫「……」ペシッ

花陽「……いたい」

26: 2016/11/15(火) 01:49:47.42 ID:p8j/ETHd.net
真姫「……花陽って」

花陽「……なあに?」

真姫「白いご飯と一緒なら、なんでもおいしく食べられるのよね?」

花陽「……たいていのものは」

真姫「……じゃあ、この」



真姫「チーズケーキ入りのお鍋を処理してもらえるかしら」ニッコリ

花陽「ダレカタスケテー」

42: 2016/11/15(火) 19:57:11.01 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……」ゼェゼェ

花陽「真姫ちゃん、今日はお話しする元気もないね」

真姫「……なんでせっかくの合宿なのに、山登りなんてしなくちゃいけないのよ」

花陽「海未ちゃんが楽しみにしてたからね」

花陽「それに、この季節のお山は気持ちいいよ!ほら、紅葉もきれい!」

真姫「花陽って、お人好しよね」

真姫「悪い人に騙されないか、心配になるわ」

花陽「頑張ろう、真姫ちゃん」

花陽「頂上についたら、花陽のおにぎりをわけてあげる」

真姫「……トマト入りはオコトワリよ?」

43: 2016/11/15(火) 20:15:02.90 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……」モグモグ

花陽「私のおにぎりを勝手に食べるのはやめてよぉ……」

真姫「あーっ、もう!」

真姫「にこちゃんったら、本当に頭にきちゃう!」

真姫「せっかくライブの打ち上げ会を企画したのに、出席しないんですって!」

真姫「協調性がないんだから!将来、グループ内でいじめにあっても知りませんよーだ!」

花陽「にこちゃんね」

花陽「お母さんがお留守だから、妹たちの面倒を見に帰らないといけないの」

真姫「……ふーん」

真姫「そうならそうと、言ってくれたらいいのに……」カミノケクルクル

花陽「私から聞いたって、言っちゃダメだよ」

花陽「それより、花陽のお弁当かえしてぇ!」

真姫「ああ、ごめんなさい。はい」

花陽「ひとつしか残ってない……」クスン

真姫「昆布がおいしかったわ」

44: 2016/11/15(火) 20:20:26.61 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……花陽は」

花陽「うん」

真姫「にこちゃんのことは詳しいのね」

花陽「一緒にグッズを見に行ったり、ライブ行ったりしてるからね」

真姫「ふーん……」

花陽「一緒に行ってみたいの?」

真姫「はぁ?べ、別に!」

真姫「私はあなたと違って、にこちゃんのオタクトークなんて付き合ってらんないのよ!」

花陽「そ、そっか……ごめんね」

真姫「……ところで」

真姫「コンビニでチケットが買えるって話を聞いたんだけど」

真姫「売り場に案内してくれるかしら」

花陽「……」ニコニコ

真姫「なによ//」

46: 2016/11/15(火) 20:30:14.07 ID:PEi4ilcn.net
花陽「この機械を操作するんだよ」

真姫「ふーん」

真姫「てっきり、パンや飲み物みたいにチケットが並んでるんだと思ってたわ」ピッ

真姫「……ふーん、プロ野球や遊園地の券も買えるのね」

花陽「すごいでしょ?」

真姫「あっ、見てみて!飛行機も船舶もあるわよ!」

花陽「飛行機もいいけど、たまにはお船でのんびり旅行したいね」

真姫「酔わないかしら?」

花陽「ちゃんとご飯を食べれば、船酔いしないんだって!」

真姫「花陽はご飯の話ばっかりね」

キャイキャイ


後ろの客(まだかなー)

後ろの客(……まあ、いっか)

47: 2016/11/15(火) 20:37:36.02 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……うう、ちゃんと誘えるかしら」

花陽「大丈夫だよ、にこちゃん喜ぶよ」

真姫「でも、今までこんな風に二人きりでお出かけしたことないのよ」

花陽「じゃあ、練習してみようよ」

花陽「私が真姫ちゃんの役をするね」

真姫「じゃあ、私はにこちゃんの役ね」

真姫「……って、ぬゎんでよぉ!」

花陽「あ、今のすごく似てたよ!」

49: 2016/11/15(火) 20:47:06.65 ID:PEi4ilcn.net
にこ(花陽)「にっこにっこにー♪」

真姫「に、にこちゃん」

にこ(花陽)「なによ、真姫ちゃん」

真姫「こ、これ……あの、えっと」

にこ(花陽)「ストップ。何も言わなくてもわかってるわよ」

にこ(花陽)「私のために、アイドルのコンサートに誘ってくれるんでしょ?」

にこ(花陽)「嬉しいわ、喜んでお供させていただくわね。……でも、残念」

にこ(花陽)「だって、隣にこんなに可愛いアイドルがいるんだもの。どんなトップアイドルだって霞んじゃ――」

真姫「ストップ」

真姫「にこちゃんは絶対にそんなこと言わないわよ」

花陽「えぇ……」

真姫「鳥肌たったわ」

51: 2016/11/15(火) 20:53:49.73 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……にこちゃん」

真姫「ここに、コンサートのチケットが二枚あるの」

真姫「べ、別に他の誰でもいいんだけど!にこちゃんなんかと一緒じゃなくてもいいんだけど!」カミノケクルクル

真姫「……ただ」

真姫「にこちゃん、このアイドルグループ好きだって言ってたから」

真姫「どうしてもって言うなら」

真姫「一緒に行ってあげても、いいわよ?//」



真姫「どう?」

真姫「もう少し、素直になった方がいいかしら?……って」

花陽「////」ホケー

真姫「なんで赤くなってんのよっ!////」

52: 2016/11/15(火) 21:05:00.03 ID:PEi4ilcn.net
当日……

花陽「真姫ちゃん、楽しんでるかなぁ」ニギニギ

花陽「きっと楽しんでるよね!私もあのグループは大好きだもん!」ニギニギ

花陽「ちなみに、にこちゃんの妹さんだけど、今夜はことりちゃんが面倒を見てくれるそうです」ニギニギ

花陽「誰に向けて説明してるのかな、私?」ニギニギ

花陽「さて、お夜食のおにぎりもできたし、明日の予習をしないと」

花陽「……あ」

花陽「真姫ちゃんの分まで作っちゃった……」

53: 2016/11/15(火) 21:18:50.54 ID:PEi4ilcn.net
真姫「花陽!花陽!」

花陽「おはよう。ご機嫌だね、真姫ちゃん……」

真姫「昨日はとっても楽しかったわ!コンサートっていいものね!」

花陽「……真姫ちゃん、あのグループ気に入ってくれたんだ」

真姫「気に入ったわ!」

花陽「じゃあ、今度ファーストアルバム貸してあげるね……」

真姫「なによ、今日の花陽は元気ないのね」

花陽「実はゆうべ、お夜食におにぎり作ったんだけど」

花陽「ついうっかり、真姫ちゃんの分まで握っちゃって、それで……」

真姫「……みんな食べちゃったのね」

花陽「またダイエットしないと……」グスッ

54: 2016/11/15(火) 21:24:22.34 ID:PEi4ilcn.net
花陽「今日はいい天気だね」

真姫「そうね」

花陽「どこか遠くにお出かけしたい気分だね」

真姫「そうね」

花陽「考えてみれば、真姫ちゃんと知り合って、もうすぐ一年になるんだね」

真姫「そうね」

花陽「あ!この間貸したファーストアルバムはどうだったかな?」

真姫「……花陽」



真姫「相談が、あるんだけど」

55: 2016/11/15(火) 21:41:22.22 ID:PEi4ilcn.net
花陽「大丈夫だよ、真姫ちゃんなら」

真姫「……うん」

花陽「女の子同士なんて、今時当たり前だよ」

真姫「……そうかしら」

花陽「だって、私にも真姫ちゃんの気持ち……わかるから」

真姫「……じゃあ、花陽も?」

花陽「と、ともかく頑張ってね」

花陽「私、応援してるから」

真姫「ありがとう……花陽には助けられっぱなしね」

真姫「今度、私がお弁当作ってくるわ」

花陽「真姫ちゃんのおにぎり、楽しみにしてるね」

花陽「あっ、もうこんな時間!にこちゃんが待ってるよ!」

真姫「うん……行ってくる」

花陽「行ってらっしゃい!」

56: 2016/11/15(火) 21:46:42.41 ID:PEi4ilcn.net
花陽「……」

花陽「本当に、いいお天気」

花陽「絶好の、告白日和だね」

花陽「真姫ちゃん……頑張ってね」

花陽「……ううん」

花陽「真姫ちゃん、いつも頑張ってるもんね」

花陽「私と違って、勇気があるもんね……」

花陽「……」

57: 2016/11/15(火) 21:51:18.94 ID:PEi4ilcn.net
キーンコーンカーンコーン

カーンコーンソーウサーイ

花陽「……はっ」

花陽「もうこんな時間」

花陽「ついつい、にこちゃん秘蔵のDVDを観すぎちゃった」

花陽「帰らないと……」





花陽「……あれ」

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「……」

59: 2016/11/15(火) 21:54:36.01 ID:PEi4ilcn.net
真姫「花陽」

真姫「まだ、学校にいたのね」

花陽「うん」

花陽「アイドル動画、観すぎちゃった」

花陽「そうだ、にこちゃんは?」

花陽「いいお返事、聞けたよね?」

真姫「……」フルフル

花陽「えっ」

花陽「……ダメ、だったの?」

真姫「……」コク

60: 2016/11/15(火) 21:58:56.24 ID:PEi4ilcn.net
花陽「どっ、どうして!?」

花陽「あんなに、仲良しだったのに!」

花陽「こないだのコンサートだって、大成功だったのに!」

真姫「私はアイドルだから、一人の子だけ贔屓するわけにはいかない」

真姫「――それが、にこちゃんの答えだった」

真姫「にこちゃん、喜んでくれた。ちょっぴり泣いてくれた」

真姫「でも……ダメだった」

花陽「……」

61: 2016/11/15(火) 22:05:46.71 ID:PEi4ilcn.net
真姫「まあ、何となくこうなる気はしたのよね」

真姫「私もにこちゃんの、そんなひたむきなところに惹かれたんだもの」

真姫「だいたい、考えてみれば、にこちゃん風情がこの私と釣り合うわけがないのよね!」

真姫「そうだ、この間のお礼がまだだったわね。どこかでパーっと美味しいものでも食べ」

ヒシッ

真姫「……花陽?」

花陽「真姫ちゃん」




花陽「……頑張ったね、よしよし」ナデナデ

真姫「……っ」ジワッ

63: 2016/11/15(火) 22:11:42.29 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……っ、ひっ……」

真姫「ぁあああああ……」ボロボロ

花陽「……」ナデナデ



花陽「……落ち着いた?」

真姫「……ええ」グズッ

花陽「……」トントン

真姫「……花陽は」

真姫「いつだって、優しいわね」

真姫「いつも私の話を聞いてくれる。困った時はなんでもお手伝いしてくれる」

真姫「私、花陽の優しさに……甘えてばっかりね」

花陽「……違うよ」

64: 2016/11/15(火) 22:18:56.13 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……花陽?」

花陽「ここで嘘ついちゃったら、永遠に後悔すると思うから、正直に言うね」

花陽「真姫ちゃん、私ね」

花陽「本当は……心のどこかで、失敗しちゃえって思ってたの」

花陽「真姫ちゃんがフラれたって聞いた時も、ちょっぴり嬉しくなっちゃったの」

花陽「……最低だよね」

花陽「私、真姫ちゃんが思ってるような……優しい子なんかじゃ、ないの」

真姫「それって、もしかして」

花陽「……」コク



真姫「……それなのに」

真姫「それなのに、ずっと私のこと、応援してくれたのね」

66: 2016/11/15(火) 22:30:56.75 ID:PEi4ilcn.net
ギュッ

花陽「わっ」

真姫「花陽……あなたはバカよ!大バカ!」

真姫「バカで、お人好しで……」

真姫「どこまでも、優しいんだから……」ギュー

花陽「……私のこと、許してくれる?」ジワッ

真姫「許すもなにも……あなたには感謝してるわ。ほんとよ」

花陽「でも、私は……」

真姫「じゃあ、こうしましょう」

真姫「明日もまた、おにぎり作ってきなさいよ」

真姫「……トマト抜きでね」ニコッ

花陽「……うっ、うっ……」ポロポロ

67: 2016/11/15(火) 22:38:10.99 ID:PEi4ilcn.net
数日後……

花陽「真姫ちゃんおはよう!」

真姫「花陽、おはよう」

花陽「すっかり寒くなっちゃったね」

真姫「ほんとね。またピアニストにとって辛い季節がきたわ」

花陽「手が荒れるもんね」

真姫「ちょうどいいわ、こっち来なさい」

花陽「?」

ギュッ

花陽「ぴゃっ//」

真姫「思った通りね。あなたの手、あったかいわ」

真姫「それにこの柔らかさ……花陽はどこもぷにぷにで気持ちいいわ」

花陽「ううぅ……///」

真姫「……ちょっと、何を赤くなってるのよ///」

68: 2016/11/15(火) 22:42:34.86 ID:PEi4ilcn.net
花陽「……ねえ、真姫ちゃん」

真姫「なによ」

花陽「一つだけ聞いていい?」

花陽「私のこと――」




おしまい

引用: 花陽「真姫ちゃんはいつも頑張ってるよね、よしよし」ナデナデ 真姫「はなよぉ……//」ギュー