1: 2012/02/07(火) 12:47:32.02 ID:GfyxE0Eo0
勇者「もっと強い敵と戦いたいけど、皆平和ボケしちゃって…」

賢者「いいじゃないですか、平和で」

勇者「でも僕、今更農家なんてしたくないし…」

賢者「じゃ、じゃあ、私と一緒に学校を開きましょう!」

賢者「それであわよくば結婚なんて事に…」

勇者「いっそ、僕が魔王になってみようかなぁ」

賢者「えっ」


8: 2012/02/07(火) 13:36:55.84 ID:FPsEjJr+O
賢者「勇者さまが厨2病を患っているのは知ってましたけど流石にそれはちょっと…」

勇者「わりと本気なんだけどなぁ」

賢者「そもそも魔王なんかになってどうするつもりなんです」

賢者「平和になった世界で幸せに暮らしちゃダメなんですか?私は平和を取り戻す使命なんてなくても、傍でお支えしますよ///」

勇者「平和と言ってもそれは人間側の話だよね?」

勇者「魔王って支えを失った魔族がどうしていいか分からず暴走してる」

勇者「魔王に守られてきた魔界も人の侵略を受けてる。これは僕が求めてた平和とは形が違ってるんだ…」

9: 2012/02/07(火) 13:40:38.43 ID:FPsEjJr+O
勇者「だからいっそ僕が魔王になっちゃえばさ!」

賢者「勇者さま…」

勇者「人魚や妖精達にワーキャットの事をほっとくなんて僕には出来ないよっ!」

賢者「勇者さま…?」

11: 2012/02/07(火) 13:47:51.09 ID:FPsEjJr+O
勇者「さぁ、真の平和を取り戻す為に出発だ!」

賢者「…勇者さまにそんな性癖があったなんて」

勇者「ん?何の事?賢者は僕を支えてくれるんだよね、優しいなぁ」

賢者「え?そ、それはそうですけど///」

勇者「さ!行こうか!」

賢者「なんだか言いくるめられてしまった気が…あ!待って下さい勇者さまっ」

13: 2012/02/07(火) 13:59:06.58 ID:FPsEjJr+O
賢者「そもそも魔王ってどうやってなるものなのでしょうか…」

勇者「…もう反対はしてないの?」

賢者「はぁ。勇者さまはどんなに止めても聞かないじゃないですか。諦めましたよ」

勇者「ははは、ありがとう。魔王になる方法の目星は付いてるんだ」

賢者「もうっ。どんな方法なんですか?」

勇者「魔王城に魔王が使ってた水晶があったよね。あれは魔族に意見を発信したり出来るものだと思うんだ」

勇者「あれを使って僕が新・魔王だぁ!って言えばいいかなって」

賢者「随分と威厳に欠ける魔王ですね」

15: 2012/02/07(火) 14:04:12.89 ID:FPsEjJr+O
勇者「それじゃ魔王っぽく振る舞う練習してみる」

賢者「…やってみてください」

勇者「我輩が魔王ざます!人間共に恐怖と混沌をもたらすざます!」

賢者「下等な吸血鬼ですか?」

勇者「流石に自分でもこれはないなって思ったざます」

17: 2012/02/07(火) 14:10:05.05 ID:FPsEjJr+O
勇者「この問題は追々考える事にしよう…」

賢者「そうですね…」

勇者「さて、魔王城まで転移呪文でバビューンと行きますか」

賢者「今まで歩いてたのには一体どんな理由が」

勇者「ノープランだとグダグダになるのはデートも魔王になるのも同じって事だね!」バビューン!

22: 2012/02/07(火) 14:36:27.36 ID:FPsEjJr+O
勇者「着いた着いた。確か玉座にあったっけ?魔王城は玉座まで遠すぎるから嫌いだな」

賢者「そうですね、城の最深部に籠ってて恥ずかしくないんでしょうか魔を統べる者なのに」

勇者「まぁ戦略的には賢いのかもしれないよ」

賢者「いいえ、頭悪いですっ!その玉座に至る道に強力な武具やアイテム置いときますか?普通」

勇者「たしかに…」三頭犬「グガァーーーッ!」

勇者「煉獄切り」ザンッ
賢者「強束縛魔法」ブォン

三頭犬「ガフッ!」

24: 2012/02/07(火) 14:49:09.16 ID:FPsEjJr+O
賢者「なんで煉獄切りなんですか?ケルベロスに炎は効かないじゃないですか」

勇者「だからだよ、手加減って難しくてさ。でも頃したくはなかったから」

勇者「ほれほれ新しいご主人様だぞぅ。これからよろしくな」

三頭犬「グルルッ!」

賢者「なつくものなんでしょうか」

勇者「魔王なら手なづけたいところだ…宿題が増えた」

賢者「そういえばさっきデートがどうのって言ってましたけど、勇者さまそんな経験…あるんですか?」

勇者「ん?今こうして賢者と一緒に歩いてるのってデートって言わないかなぁ」

賢者「へ?そ、それはちょっと違うと思いますよ///」

勇者「ははは。賢者は可愛いなぁ」

賢者「ぁぅぅ///(なんだかはぐらかされた気がします///)」

25: 2012/02/07(火) 15:03:58.26 ID:FPsEjJr+O
賢者「そうこうしてる間に着きましたね」

勇者「水晶はーっと、コレだね」

賢者「さて、後回しにしていた魔王としての威厳の問題を解決しないとなりませんね」

勇者「あぁ、あれは冗談だってば。その気になれば勇者演技力でどうにかなるさ!」

賢者「そんな能力値があったなんて初耳です」

勇者「でも魔族っぽい見た目じゃないのが痛いなぁ」

賢者「人間にしても強そうには見えませんしね…」

勇者「そいつは聞き捨てならないぞ!ふんっ、呪われた兜に鎧装備したら鬼の用に強そうに見えるもんね!」

賢者「それは威張るところじゃないですよ勇者さま」

勇者「という訳だから、解呪の呪文かけてよ。この際性能が落ちようと大した問題じゃないからさ」

賢者「はぁ、わかりました」ポゥ

27: 2012/02/07(火) 15:32:29.75 ID:FPsEjJr+O
もしもしだがニコ厨と一緒にされるのは心外だ。ってスクリプトちゃんか

勇者「ありがとう、これでいけるッ」ガチャガチャ

賢者「はぁ、上手くいくんでしょうか。心配です…」

勇者「オホン!」ピカーッ

勇者「…よく聞け魔族の者共よ!魔王が討たれたのは知っておるな…?」

勇者「まとまりを失った魔族は愚かで卑しい人間共に侵略され、以前の生活を失い、獣と変わらない扱いを受けるであろう」

勇者「魔王が倒れた今こそ真に我らが1つにならねばならぬ時ではないか!我はその柱として新・魔王なることをここに宣言する!」

勇者「まず部族の代表と話がしたいのだ。2日後の夜、魔王城に集う事を命ずる。その際には部族の美しい娘を忘れるでないぞ?クハハハハ!!」

勇者「我の実力に疑問がある者、従えぬ者も来るといい…いつでも相手をしてやろうぞ!クハハ!クハハハハハー!!」

28: 2012/02/07(火) 15:42:49.09 ID:FPsEjJr+O
賢者「」

勇者「どう?名演技だったでしょ?」

賢者「…部族の美しい娘をクハハハハー!ってなんなんですか!!」

賢者「大体、私というものがありながらッ」プンスカ

勇者「ん?これぐらい言っといた方が魔王ぽいかなって」

勇者「ははは、賢者は可愛いなぁ」

賢者「ぁぁぅ///(あれデジャブ?)」

31: 2012/02/07(火) 16:05:07.21 ID:FPsEjJr+O
賢者「勇者さまは変わらないですね、正しいと思った事には一直線で自分の事は省みずいつも他の誰かの事ばかり。私はそういう所尊敬してるんですよ?///」

勇者「ははっ尊敬だなんて大袈裟だなぁ賢者は。僕、こっちを掃除するから賢者はあっちをお願い出来るかな?」

賢者「はいっ!」テッテッテ

勇者「…ふへ……獣耳…っぽ……」

賢者「勇者さま、何か言いました?」

勇者「ん?なんにも?」

33: 2012/02/07(火) 16:31:42.28 ID:FPsEjJr+O
会議の夜

ザワザワ
竜族長「オォイ!急に現れて魔王を名乗りヤガッた馬鹿は何処ダァ!」

獣人族長「そんな風に怒鳴り散らすのはやめましょうよ」

勇者「…我だ」

竜族「こンナ身体の小さイ奴が魔王と?笑わせるなァ!!」ブンッ!

勇者「竜族は相手の力量をはかることも出来んのか…」スッ

竜族長「…!グヌッ…」

「いつの間に剣を抜いたんだ…」ザワザワ
「あの名高い竜王をだまらせてしまったぞ…」

賢者「魔王さま、喉元に剣を突き付けられては会議になりませんよ」

37: 2012/02/07(火) 17:07:01.06 ID:FPsEjJr+O

賢者「それに、竜族の誇りを乏しめる事が魔王さまの目的ではないでしょう?」

魔王(勇「ふむ…側近の言う通りだ」チャキッ

竜族長「…ハァッ…ハァッ」

魔王(勇「他に我の力に疑いを持つものはいるか…?その身体に刻み込むことも吝かではないぞ」クハハ

40: 2012/02/07(火) 17:12:13.31 ID:FPsEjJr+O
賢者(ちょっとやり過ぎなんじゃないですか?)ヒソヒソ

勇者(いやぁ魔王らしく恐怖で忠誠を得ようかなって)

賢者(皆さん引いちゃってますよ!魔族の平和の為にもフレンドリーな一面を見せておいた方がいいんじゃないですかっ?)

勇者(…やってみるよ!)

41: 2012/02/07(火) 17:21:44.91 ID:FPsEjJr+O
魔王(勇「ふっ…いでよケルベロス!」

三頭犬「グルルァ!」

「前魔王様でさえ手を焼いたという魔獣を…!?」ザワザワ

魔王(勇「クハハ…お手をするのだ…」
三頭犬「グルルッ」スッ

魔王(勇「…次はわかっておるな?おかわりだ…」
三頭犬「ガウッ」スッ

魔王(勇「クハハッお前にプライドはないのか?」バーン
三頭犬「クーン」ゴロン

賢者「えっ」

44: 2012/02/07(火) 17:31:52.73 ID:FPsEjJr+O
賢者(皆さん違う意味でドン引きです…)

魔王(勇「我にかかればこんなものよ…」クハハ

魔王(勇「今宵、お前たちをここに招いたのには3つ程理由がある…」キリッ

魔王(勇「まず、再び魔族の結束の必要があることを告げるためだ」

魔王(勇「我らの誇りを守る為にはどの部族も欠けてはならぬ」

46: 2012/02/07(火) 17:41:31.01 ID:FPsEjJr+O
魔王(勇「次に、人間共の動向を逐一報告し指示を仰ぐこと忘れるな…」

魔王(勇「人間共はこれ以上好き勝手にさせぬ…」

魔王(勇「最後に我への忠誠の証として各々美しい娘を献上するのだ…!クハハハハ!!」

賢者「おい魔王」

54: 2012/02/07(火) 18:17:15.48 ID:FPsEjJr+O
魔王(勇(…僕と魔族の間を繋ぐ特使と各々の事情に詳しい人って必要でしょ?)ヒソヒソ

賢者(わ、私ったら馬鹿な事を考えてました…恥ずかしいばかりです)

魔王(勇(ははは、賢者はドジっ子さんだなぁ)

賢者「…ぁぁぅ///なんでもございません魔王さま」

58: 2012/02/07(火) 18:39:24.93 ID:FPsEjJr+O
魔王(勇「どうだ…?我に忠誠を誓う者は杯を手にするがいい…」

魔王(勇「クハハ…皆手にしたようだな。魔族の繁栄を永遠のものにしようぞ!」

オォーーーー!!!マオウサマバンザーイ!!

魔王(勇「竜族長よ…先の非礼は水に流そうぞ。幾千の時を連ねてきた竜族にはこの魔族の結束の中で核になってもらわねばならぬ。そなたには期待しておるのだ…。」ヒソヒソ

竜族長「…魔王、様…。」

魔王(勇「…今宵は宴を楽しむがよい。しかし、羽目を外して献上すべきものを忘れるでないぞ」フッ

61: 2012/02/07(火) 18:50:00.95 ID:FPsEjJr+O
魔王(勇「はぁ、疲れたぁ」

賢者「…驚きました。勇者さまにこんな才能があったんですね」

魔王(勇「皆の希望になることには慣れっこなだけだよ」ニコッ

賢者「ふふっ、そうですね。…何て言うか、惚れ直しちゃいました///」

魔王(勇「賢者の支えがあったのが大きいよ」ナデナデ

賢者「ぁぁぅ…ゆ、勇者さまぁ///」

67: 2012/02/07(火) 19:17:46.97 ID:FPsEjJr+O
?「ぁ、あのっ…」

賢者「ゆ、魔王さま!魔族の方ですよ!」

魔王(勇「待ってましたッ!」

妖精「あ、あのっ今日から魔王さまのお世話をさせていただきたくございます、木の精の妖精でございますっ」アワアワ

妖精「…ま、魔王のご命令とあればどんな事でもさせていただきますので、何なりとご申し付けぐださいっ」アワアワ

魔王(勇「そんなに肩肘張らなくていいよ」ニコッ

賢者「え?魔王さま、クハハハハー!ってキャラ止めたんですか!?」

魔王(勇「この子に僕は恐怖を持ってして忠誠を得ようなんてことは出来ないよ」

魔王(勇「よろしくね!」ニコッ

72: 2012/02/07(火) 19:37:54.48 ID:FPsEjJr+O
妖精「…あのっ私は何をしたら」(恐ろしい方だとお聞きしてたけど違うのかなっ?)

魔王(勇「うーん、緊張してるのかな?ごめん側近、一度二人っきりにしてくれるかな」

賢者「は、はい…」ガタン

73: 2012/02/07(火) 19:39:02.06 ID:FPsEjJr+O
応接間

魔王(勇「ねぇねぇ妖精ちゃん」

妖精「は、はいっなんでしょうか!」

魔王(勇「僕にどんな事を命令されると思ってたのか聞いてもいいかな?」

妖精「そ、それはその…///」

魔王(勇「どうしたの?教えてよ」

妖精「…夜のお相手かとっ///」

魔王(勇「…それでそんなに緊張してたんだ?」ハハッ

妖精「ぅ…申し訳ありませんっ///」

魔王(勇「謝らなくていいよ。でも、そんな小さな身体でどうやってするのかな?」ニコッ

妖精「ぁぅ…そのぅ…///」

ドンドン
賢者「魔王さま、他の方がお見えになってますよー?」

魔王(勇「今行くよー」チッ

76: 2012/02/07(火) 19:46:36.25 ID:FPsEjJr+O
妖精「私はお城のお掃除でもしていますねっ///」

賢者「?」

魔王(勇「待たせちゃって悪いね僕が魔王。よろしくね」ニコッ

猫娘「いえ、気にしないでくださいにゃ!」

猫娘「申し遅れました、獣人族の代表で参りました猫娘ですにゃ!」

77: 2012/02/07(火) 19:55:38.07 ID:FPsEjJr+O
魔王(勇「へぇ!白毛の獣人族は見たことなかったよ!」

猫娘「はい!数が少ないので今回白羽の矢が当たった感じですにゃ」

魔王(勇「見てみて側近!耳もフワフワ!」サワサワ

賢者「そ、そうですね」

魔王(勇「それにこの尻尾!もっふもふだよ!」サワサワ

猫娘「…ふにゃ…くすぐったいにゃぁ///」

賢者「ま、魔王さま!!」

魔王(勇「あ、ごめんねついつい」ハハッ

78: 2012/02/07(火) 20:02:48.13 ID:FPsEjJr+O
賢者「大勢の方々が集まってくださいましたね、勇者さま」

魔王(勇「そうだね賢者。そうだ、もう僕の事は魔王で通してくれていいよ。もう勇者じゃないし」

賢者「そうですか…そうですね。それじゃ私の事は側近と…?」

魔王「二人っきりの時は今まで通り賢者じゃダメかなぁ」

賢者「ゆ、勇者さまっ///」

魔王「ほらっ呼び方が戻ってるよ。賢者は可愛いなぁ」ハハ

賢者「ぁぁぅ///」

96: 2012/02/07(火) 21:07:05.69 ID:FPsEjJr+O
賢者「魔王さま!また奉公にきた方が!」

魔王「え?まだいたんだ、今行く!」

骨「後れ馳せながら、わたくすはアンデット族の代表とすて参りますた」

魔王「・・・」

骨「仲間には、おめぇが一番べっぴんだがら魔王のとご嫁いでけって///」

魔王「…白くて綺麗で素晴らしい骨格だね」

骨「まあそんな勿体ねぇお言葉です///」

魔王「君にはとりあえず側近の補佐をお願いするね!」ニコッ

100: 2012/02/07(火) 21:21:58.60 ID:FPsEjJr+O
魔王「これで揃ったかな」

賢者「はい、あの会議にいた部族の方々の人数と同じですね」

魔王「賢者はそんな事まで覚えてくれてたんだ、優秀だなぁ」

賢者「仮にも側近ですからね///」

魔王「それで、皆には何をやってもらってるのかな」

賢者「皆さん思い思いに出来ることをなさってくれてます」

賢者「お掃除でしたり、お食事の用意でしたり…」

魔王「そっか。それじゃ僕も本格的に仕事しないとなぁ」

賢者「具体的にはなんですか?」

魔王「部族の話を聞いたり仲良くなったり。個別で部屋に招いていこうと思ってるんだ」ニコッ

賢者「でもこれだけの人数となると1人辺り30分程度でスケジュールを組んだ方が良さそうですね。私は準備してくるので魔王さまは応接間でお待ちくださいね」

魔王「う、うん!」

102: 2012/02/07(火) 21:29:17.70 ID:FPsEjJr+O
賢者「魔王さま、お連れしました」

魔王「はぁ…はいどうぞー」

竜娘「は、入るわよ」

魔王「はい座って座って」

竜娘「なんでアンタの隣なのよ!」

魔王「親睦を深める為だよ。部族間の絆を深める上でまず僕と仲良くなってもらわないと」

魔王「それに仮にも僕は魔王なんだけど、敬語は兎も角アンタは困るなぁ…」

竜娘「だ、だってお父様の話に聞いてた魔王と全然違うんですもの!」

104: 2012/02/07(火) 21:41:48.19 ID:FPsEjJr+O
魔王「…じゃあ、強く恐ろしい魔王だったらよかった?」ガタン

竜娘「え?」

魔王「強引で自分の力を信じて疑わない、美しい娘を献上させる欲望のままに動く魔王がよかったの?…こんな風に」ガバッ

竜娘「あっ…い、やっ…そんな…」カーッ

魔王「魔王様と呼べないのなら、ご主人様と呼んでもらおうか?」

竜娘「…ご…ご主人、様…///」
スッ
魔王「ははは、驚かせちゃってごめんね。とりあえず、竜族について話を聞かせてくれるかな?側近に怒られちゃうからね」ニコッ

107: 2012/02/07(火) 21:51:38.08 ID:FPsEjJr+O
コンコンッ
賢者「それでは魔王さま次の方よろしいですか?」

魔王「どうぞー」

ラミア「失礼いたしますわ魔王様ぁ」

魔王「話を聞くのが遅くなっちゃってごめんね」

ラミア「どうかお気になさらないでくださいませ?魔王様ぁ」

ラミア「ラミアは魔王様のご都合に合わせて、いつなんどきでも求めに応じますから」フフッ

魔王「それじゃ話を聞かせてくれるかな?」

ラミア「部族の事でしょうか?…それともラミアの事でしょうか?」フフ

魔王「両方頼むよ」ニコッ

111: 2012/02/07(火) 22:02:26.71 ID:FPsEjJr+O
魔王「流石に疲れたなぁ」

賢者「1日で話を聞くのは少し無理がありましたか?すみません…詰め込みすぎてしまって」

魔王「いや、いいんだ。やると決めたことだから」

賢者「…あの///」

魔王「ん?どうしたの?」

賢者「…今日の夜のお相手をと仰った方々がいたのですが、魔王様はそんなつもりで皆様を招いたのではないからとお伝えしておきました」タタッ

魔王「そ、そっか」

魔王「で、でも!それが好意からくるものなら無下には

賢者「おやすみなさい、魔王さま!」

魔王「おやすみー」チッ

114: 2012/02/07(火) 22:14:34.60 ID:FPsEjJr+O
賢者「おはようございます」

魔王「おはよー」

賢者「どうです、よく眠れましたか?」

魔王「うん、お陰様でぐっすりだよ」ニコッ

賢者「魔王さま今日のご予定は?」

魔王「うーん、人魚族がここにくることが難しいかったみたいでまだ会えてないから会い行こうかなって」

賢者「そういえば見てませんでしたね、ご一緒します!」

魔王「何から何までありがとう。助かるよ」ニコッ

116: 2012/02/07(火) 22:23:39.13 ID:FPsEjJr+O
バビューン!
人魚の岬

魔王「この辺りだったと思うんだけど…」

賢者「姿が見えませんね…」

魔王「水晶使って呼びかけてみるか」ピカーッ

魔王「人魚族よ…約束の夜に現れなかっただけでなく、わざわざ出向いてやった我の前に姿を表さぬとは、余程怖いもの知らずとみえる…」クハハ

賢者(あっ、そのキャラでいくんですね)

118: 2012/02/07(火) 22:34:50.34 ID:FPsEjJr+O
ザザーン
賢者「わっ人魚達がこんなにたくさん!」

人魚姫「た、度重なる御無礼をどうか…どうか御許し下さいませ魔王様!」

魔王「ふむ…どうやら訳があったように見える。我に言い訳してみせよ…」

人魚姫「私達人魚は、尾ひれを乾かす事で一時的に人のように歩くことも出来ますが、乾燥が進み過ぎると氏んでしまうのです」

人魚姫「ですがそれが本題ではなく問題は人間に執拗な襲撃を受けていることにあるのです…」

121: 2012/02/07(火) 22:47:45.64 ID:FPsEjJr+O
賢者「そんな事が…」

人魚姫「今までも私達の血や肉を求めて現れる人間はいましたが少数で、私達の歌をもって惑わす事で大きな問題にはならなかったのです」

人魚姫「しかし前の魔王様が亡くなってから、昼夜問わず大勢の人間が…」

人魚姫「私達は常に皆で歌い続け、移動し自らの身を守る事で精一杯だったので御座います!そんな状況で、陸にあがる事を許す事は私には出来なかったので御座います!」

人魚姫「全ての責任は私に御座います、私はどうなっても構いません…どうか海の民をお守り下さいまし!」

魔王「クハハッ…その願い聞き届けよう!」

124: 2012/02/07(火) 23:00:06.70 ID:FPsEjJr+O
魔王「しかしその前に、聞いておこう…」

魔王「約束の夜、城に現れなかったお前達だ。我に忠誠を誓うのか?」

人魚姫「勿論で御座います、魔王様の為にこの身の全てを捧げましょう」

魔王「…身よりその美しい心を差し出して欲しいものだが」

人魚姫「ま、魔王様///」

魔王「クハハ…まぁよい。お前達人魚族はこれより我の物だ。さすれば我が我の物を人間共に与える理由なぞない!」

126: 2012/02/07(火) 23:06:45.98 ID:FPsEjJr+O
賢者「ちょ…ちょっとかっこつけすぎやしませんか魔王さま///」

魔王「いやぁ、テンション上がっちゃって」ハハ

賢者「…それで、どうするんですか?人魚を襲う人達をふるぼっこにするんですか?」

魔王「それは一時的にしか効果がないだろうなぁ。魔王であることを名乗りあげるなら別だけど」

賢者「そういえば世間ではまだ魔王は倒されたままになってるんでしたね」

魔王「…まだその時ではないと思うんだよね。他の方法を考えないとなぁ」

131: 2012/02/07(火) 23:17:42.54 ID:FPsEjJr+O
魔王「お、良いこと思いついた」

賢者「流石魔王さま頼もしいです!」

魔王「なんだっけ…海の伝説の生き物いたよね?アイツ躾られないかなぁ」

賢者「伝説って…クラーケンですか!?駄目です!危険すぎます!」

魔王「そうかな?最近腕が鈍ってるからリハビリにいいと思うんだけど」

賢者「魔王さま、そもそもクラーケンはただの怪物ではありません悪魔です!魔族の位には収まらない、神に近しい存在なんですよ!」

魔王「神職やってたからって大袈裟だなぁ。海を知り尽くしてる人魚達に協力を仰ぐしイケるって!」

133: 2012/02/07(火) 23:21:49.92 ID:FPsEjJr+O
賢者「はぁ。魔王様は一度言い出したら聞かないですからね。私もお供します」

魔王「ははは、ありがとう。賢者ほど僕の理解者はいないよ」ナデナデ

賢者「…ぁぁぅ///」

138: 2012/02/07(火) 23:34:36.27 ID:FPsEjJr+O
魔王「人魚姫…お前に聞きたい事があるのだ」

人魚姫「はい魔王様。私に知っている事なら何なりとお話致します」

魔王「クラーケンは何処にいる?」

人魚姫「!!!…あの恐ろしい悪魔の居場所など魔王様のお耳にいれることでは…」

魔王「我の身を案じているのか?想い憂う乙女は美しいが、我が魔王であるからに憂いなど必要のないことだ…」クハハ!

人魚姫「ですが魔王様…」///

142: 2012/02/07(火) 23:43:25.05 ID:FPsEjJr+O
魔王「場所はわかったよ、近くまでは人魚達が先導してくれる」

賢者「それでは行きましょうか!」

魔王「賢者はお留守番で!」

賢者「え!?」

魔王「相手は海の悪魔なんだ、賢者は浮遊術の類いは使えないし」

賢者「そんな!でも!」

魔王「ついでに言えば泳げないよね」

賢者「ぐぐぐ…」

魔王「だから、賢者には出来る限りの補助魔法をかけてもらって、後は人魚達を守って欲しいんだ」

賢者「…わかりました。絶対に帰ってきてください…」

魔王「ははは、賢者はすぐ涙目になるんだから」ヨシヨシ

144: 2012/02/07(火) 23:48:04.99 ID:FPsEjJr+O
人魚姫「この辺りです…魔力の流れを感じて現れると伝えられてます…」

魔王「…もうよい。下がれ」

人魚姫「ですが…」

魔王「下がれといっている…!」

人魚姫「は、はいっ!」

154: 2012/02/08(水) 00:06:12.31 ID:hmhPP6AyO
魔王(おかしいな…鈍ってるどころか魔力が溢れてくる…)ゴゴゴ

魔王「獄炎魔法!」ゴッ!!

人魚姫(まるで太陽の様な…!魔王様はあの身体にどんなお力を…)


クラーケン「キシャーーーーーーッ!!!!」

魔王「現れたか」クハハ

クラーケン「我ニ楯突クトハ愚カナリ人間ヨ!!!」

魔王「一人称が被るのはいただけないな、悪魔」

クラーケン「何ヲフザケタ事ヲ!!!」

156: 2012/02/08(水) 00:09:43.79 ID:hmhPP6AyO
>>152
あとでこっそり見てこよっと

161: 2012/02/08(水) 00:23:05.04 ID:hmhPP6AyO
魔王「クハハ…お前には我の僕になってもらおうと思ってな」

魔王「今忠誠を誓えば苦痛を味あわずにすむのだが…どうだ悪魔?」

クラーケン「下等生物ガ!!!」グオォ!!

魔王「クハハ…言葉が通じぬなら身体に教えてやろう」ザンッ

クラーケン「グォォ…!我ヲ幾ラ斬ロウトモ、効カヌワ!!」ブォン!!

魔王「ほぅ…再生するのか」

クラーケン「ソシテ魔法デハ我ノ体躯ノ全テヲ焼キ尽クス事ナド出来ヌ!!」ブゥン!!

魔王「…僕には得意な魔法があってさ」シュンッ

163: 2012/02/08(水) 00:30:52.11 ID:hmhPP6AyO
クラーケン「ゴァッ!?グァァ!!ガァッッ!!」

魔王「ただの転移魔法なんだけど、展開速度には自信があってさ」ザンッ!ザンッ!ザンッ!

魔王「これが勇者と呼ばれた所以なんだろうね」ザンッ!ザンッ!ザンッ!

魔王「氏の手前で考えてみてよ。プライドってそんなに大事なものだったかさ」ザンッ!ザンッ!ザンッ!

166: 2012/02/08(水) 00:37:31.74 ID:hmhPP6AyO
賢者「魔王さまお帰りなさい!」

魔王「ただいまー」

賢者「遠視魔法で見てました。また強くなってないですか?」

魔王「なんでだろうね。もうレベルはカンストしてるものだと思ってたけど」

賢者「…でもそんな事より、ご無事で何よりですっ!」

魔王「見てたんなら心配することなかったんじゃないかな?賢者は可愛いなぁ」

賢者「…ぁぁぅ///」

169: 2012/02/08(水) 00:53:07.24 ID:hmhPP6AyO
魔王「クラーケンには契約をさせた。我の物を守る限り海を与えると」

魔王「卑しい人間共は、悪魔を見て考えを改める事になろうぞ。クハハハハ!」

人魚姫「魔王様には人間だけでなく悪魔までも…。返そうにとも返すことの出来ない程の大恩を…我ら人魚族はこの先、永劫従順な魔王様の僕で御座います」

魔王「では約束の物を人魚姫。」

人魚姫「し、失礼ながら約束の物とは何で御座いますか?魔王様」

魔王「クハハ!我々に身を捧げるのであろう?」

人魚姫「///…はい、魔王様///」

賢者「おい魔王」

171: 2012/02/08(水) 00:59:14.25 ID:hmhPP6AyO
魔王「ん?各魔族の事情に詳しい人は必要だって前にも…」

賢者「…そう、ですね」

魔王「もしかして妬いちゃったかな?賢者は可愛いなぁ」ナデナデ

賢者「…ぁぁぅ///」

172: 2012/02/08(水) 01:01:58.38 ID:hmhPP6AyO
誤字多すぎワロエナイ

返そうにとも×
返そうとも○
我々に×
我に○

176: 2012/02/08(水) 01:14:42.76 ID:hmhPP6AyO
間違って消してもうた…

「姫様ー!どうかご達者で!」ワーワー


魔王「我も族長を…というのは些か気がねするな」クハハ

人魚姫「わ、わたくしは人魚族の中で美しいと自負して御座いますっ!」

人魚姫「はっ!?へ?いえ、そんな!違っ!ですが…!」アワアワ

177: 2012/02/08(水) 01:17:47.50 ID:hmhPP6AyO
魔王「…我と共に在ればその身体が乾くことはないだろうぞ」

人魚姫「ま、魔王様///」

賢者「魔王さま!早く城に帰りましょう!」プンスカ

180: 2012/02/08(水) 01:26:55.05 ID:hmhPP6AyO
酉なくても、もう大丈夫だよね ニコッ


魔王「はぁー。流石にちょっと疲れたよ」

賢者「城に着いた途端普段通りの口調なんですね。私はこっちの方が好きです」

魔王「…という訳なんだ人魚姫!」

人魚姫「私は魔王様がどんなお人でしても、お慕いしている事には変わりは御座いません///」

魔王「ははは、とりあえずお風呂に入りたいなぁ。髪がバリバリだよ」ニコッ

人魚姫「…はい///」

賢者「人魚さんには特別なお部屋がいいですね!こちらです!」

魔王「さて温まってくるかな!」チッ

183: 2012/02/08(水) 01:33:38.59 ID:hmhPP6AyO
ハーピー「魔王サマ!言われてキタ物買ってきましタ!」パタパタ

魔王「ありがとう。本当は僕が行けばよかったんだけど…この首飾りは君の物だよ」ニコッ

ハーピー「魔王サマ///」

魔王(麝香、マタタビ、ニンニク…よしよし)

184: 2012/02/08(水) 01:43:08.97 ID:hmhPP6AyO
妖精「まっ、魔王さまっ!」

魔王「どうしたの?妖精ちゃん」

妖精「あのっ、妖精は、植物からっ、」

魔王「落ち着いて。そんなに急がなくても僕は妖精ちゃんの前からいなくなったりしないよ?」ニコッ

妖精「は、はいっ///」

妖精「あのっ、妖精は植物から力を得たり植物そのものってお話させてもらったことがあるですよねっ?」

186: 2012/02/08(水) 01:53:53.74 ID:hmhPP6AyO
魔王「うん。もしかして妖精の国に何か…?」

妖精「…はいっ」

妖精「最近、北の方から流れてきた雲が変な雨を運んでくるそうです…」

妖精「その雨を浴びるとお花さんや、木が痛いって…土まで泣いてるんですっ」

妖精「大樹様が雨を受けてくれてるから、まだ私たちは大丈夫なんですっ…でもこれ以上あの雨が降り続くことがあったらぁ!」グスンッ

魔王「わかった。僕がどうにかするから。妖精ちゃんは泣いちゃだめだよ」

魔王「妖精ちゃんが皆に大丈夫だよって元気をあげなくっちゃ」ニコッ

妖精「ふぇぇ…魔王さまっ!」ギュッ

188: 2012/02/08(水) 02:00:52.10 ID:hmhPP6AyO
魔王「賢者、どういうことだと思う?」

賢者「植物を苦しめる雨…ですか」

賢者「そんな魔法は私も聞いた事がありません」

魔王「だよね。うーん、どういう事なんだろう」

賢者「…北の方からというのが気になりますね。確か妖精の国の北東には」

魔王「…鉄の国があるね。」

賢者「はい。調べてみる価値はあるかと思います」

189: 2012/02/08(水) 02:08:14.83 ID:hmhPP6AyO
骨「あのう側近様。わたくす、鉄の国の鉱山におる仲間に聞いてみたんですが、最近人間が慌ただすくって安らかに眠れやしねぇって言ってますた!」

賢者「ありがとう、骨さん!…魔王さま、鉄の国で間違いないかと」

魔王「それじゃあいこうか鉄の国に…」

192: 2012/02/08(水) 02:23:26.31 ID:hmhPP6AyO
ラミア「お待ちください魔王様ぁ!」

魔王「どうしたの?」

ラミア「魔王様のお力になれる訳でもなくって伽のお相手も出来ないのでしたらぁ、ラミアはどうすればいいんですの?」

魔王「ごめんね、君のことを蔑ろにしたい訳じゃないんだけど…」

ラミア「魔王様はお優しいんですのね…ラミアの事も大事になさってくれてるのはわかってますわ」

ラミア「ですから、私にも魔王様のお手伝いをさせてくださいませ」

魔王「今回は人間の国に行くんだ。悪いけどラミアは連れてけないよ…」

ラミア「この蛇の身体ですの?」シュルン

ラミア「こんな風に人に化ける事なんてラミアには雑作もないことですわ」フフッ

193: 2012/02/08(水) 02:32:07.60 ID:hmhPP6AyO
賢者「それではラミアさんもご一緒に?」

ラミア「あら側近さん、いらしたの?」

賢者「…わ、私は魔王さまのお傍には常にいます!」

ラミア「魔王様はお優しいから、余計なお世話だなんて仰らないだけできっと迷惑してますわ」フフッ

賢者「…氷葬魔hぐむん!」

魔王「ほらほら僕から離れないでね!」ニコッ

バビューン!

212: 2012/02/08(水) 03:55:37.94 ID:hmhPP6AyO
鉄の国

魔王「一応いっとくけど、魔族である事がばれないように気を付けようか…」

賢者「ですってラミアさん。獣臭ぷんぷんさせてて気付かれちゃうかもしれませんし帰ったほうがいいんじゃないでしょうか」

ラミア「魔王様ぁ、魔王様はまるで人間の様なお姿ですけれど、それが魔王様の本当の姿なんですの?」

賢者「ぐぬぬ…!」

214: 2012/02/08(水) 04:02:33.71 ID:hmhPP6AyO
魔王「クハハ…我はまだ変身を2回残しておるぞ…!」

ラミア「きゃー!その魔王様も素敵ですわぁ」

賢者「あの…。ばらしたいのかばらしたくないのか、はっきりさせて下さい魔王さま」

魔王「ごめんなさい」

215: 2012/02/08(水) 04:14:38.36 ID:hmhPP6AyO
魔王「うんうん、真面目に仕事しなくちゃね」

賢者「そうですよ!それにしてもこの雲の色は…」

ラミア「ここはなんだか空気が汚いですわ…」

魔王「…やっぱり何か燃やしてるみたいだね」

賢者「あの施設…煙突から黒煙が」

魔王「大体状況は読めてきたよ。妖精の国だけの問題ではすまなそうだ…」

218: 2012/02/08(水) 04:22:01.23 ID:hmhPP6AyO
賢者「ここからは単独行動してみるのはどうでしょう魔王さま」

魔王「そうだね、僕たち3人じゃ目立つだろうし手分けしたほうがよさそうだ」

ラミア「魔王様と離れるのは寂しいですけどお役に立つ為に頑張りますわ」フフッ

魔王「うーん…僕は水晶を通じて二人の動向を見てるから危なくなったりしたらすぐに向かうよ」

220: 2012/02/08(水) 04:31:01.42 ID:hmhPP6AyO
賢者「私はあの施設に魔法で姿を隠して潜入しますね」

ラミア「ラミアは町で情報収集してみますわ」

魔王「僕は二人からの情報をまとめる役に徹する事にするよ」

魔王「二人とも気をつけてね。身の危険を感じたらすぐに…」

賢者(あんな蛇女に負けるもんですかっ!)

222: 2012/02/08(水) 04:44:23.68 ID:hmhPP6AyO
施設内部
カンカンカン!カンカン…
賢者(鉄を打ちつける音でしょうかあちこちから聞こえますね)

賢者(凄い量の石炭ですね…これが黒雲の正体でしょうか)

「はぁ終わりが見えねぇなぁ…」カンッ!カンッ!
「全くだぜ!こんな鉄板一体なんに使うんだってんだ」カンカンカン
「まぁ鎧の方の持ち場よりは楽でいいんだろうけどよ。ありゃ複雑で俺には駄目だわ」ハハハッ

賢者(これは一体…)

224: 2012/02/08(水) 04:57:03.55 ID:hmhPP6AyO
酒場

ラミア「あらっそこの素敵なおじ様、私にもそのワインわけて下さらないかしら?」キュウン…!

恰幅のよい男「ほっほっ、こいつは至極上等なワインでな、別嬪さんの頼みでも…!」

ラミア(魔王様には効かないのが残念で仕方ないですけど、この人間には充分効果あるみたいですわ)フフッ

恰幅のよい男「よいよい!飲んだらよい!じゃからもっとこっちへ近寄ってくれはせんか…」ポーッ

ラミア「まぁ嬉しい!おじ様はお金持ちなんですのね?」

225: 2012/02/08(水) 05:05:28.47 ID:hmhPP6AyO
賢者(ここでは鉱山で得た鉄鉱石で武具を作っているようです)

賢者(何と言いますか、こんな大規模な工房他に私は知りません…異常です)

賢者(魔王さま、この施設ですけどこの際私が壊してしまいましょうか?)

魔王(うん…そうしてもらいたいけど、情報を充分に得てからお願いするよ)

227: 2012/02/08(水) 05:20:27.49 ID:hmhPP6AyO
ラミア(魔王様みてくださってますの?)

魔王(見てるし聞こえてるよ)

ラミア(あの施設というか工場では武器や兵器を作っているようです)

ラミア(もう目標の5割には達したと人間めが言っていましたので、既に相当量の兵器が作られてるようですわ)

ラミア(そしてそれは連合国の中心で勇者を抱えてると言われてる中央王国に…)

魔王(…やるんだろうなぁ、戦争)

228: 2012/02/08(水) 05:35:59.60 ID:hmhPP6AyO
魔王(状況はわかった、賢者頼むよ。出来る限り人を巻き込まないように出来るかな?)

賢者(はい…重要箇所を魔法陣でマークしてます、ですが事故に偽装する為に全域を炎で…)

魔王(ごめんよ…)

賢者「…超範囲火精霊術」ボソッ

「おい!?火の気があがってるぞ!」
「この勢いでは消火は無理だッ!早く…!早く逃げろぉ!!」ドーン!!
「誰か助けてくれ!うわぁあぁぁぁああ!!!」


賢者(覚悟はしてましたけど…もう私達は人間の敵、なんですね…)

252: 2012/02/08(水) 10:43:02.87 ID:hmhPP6AyO
魔王「これでもうあの雨が降ることはないと思うよ」ニコッ

妖精「ふぇぇ…ありがとうございますぅ…」グスン

魔王「僕ではなくて側近に感謝してやってよ。黒い雲を魔法で大規模な風魔法で散らしてもらったりしたからさ」

妖精「…私は、私たち妖精は魔王さまたちに一緒お供しますぅ!」ダキッ

魔王「ははは、それじゃあ最初にするつもりだった事、してくれたりするのかな?」ニコッ

妖精「ふぇぇ魔王さまぁ///」

254: 2012/02/08(水) 11:01:29.59 ID:hmhPP6AyO
賢者「魔王さま…少しよろしいですか?」

魔王「ん?こんな夜更けにどうしたの?今回は賢者も疲れたろうしゆっくり休まないとダメだよ」

賢者「…戦争、起きるんでしょうか…」

魔王「…このままだと」

魔王「中央王国としてはただの大規模魔界侵略なんだろうけど、おめおめと侵略させるがままにしておく魔王でいることは出来ないんだよね」

魔王「…ありがとう」

賢者「へ?」

魔王「今まで共に生きて、守るために戦った人々に剣を向ける事は僕一人じゃ耐えられなかったよ」

賢者「魔王さま…」

魔王「だから、賢者も辛い時は僕に甘えてくれていいんだよ」ナデナデ

賢者「魔王さま…ぁ」

魔王「賢者は可愛いなぁ」ニコッ

賢者「ぁぁぅ///」

258: 2012/02/08(水) 11:24:24.16 ID:hmhPP6AyO
ラミア「おはようございます魔王様ぁ。昨晩はお楽しみでいらしたの?」

賢者「ちっ、違います!」

魔王「おはよー」

ラミア「あら、一晩共にしていながら何もなさらなかった…そう仰るのかしら側近さん」

賢者「そうですっ!」

ラミア「プププ!!それって…側近さんには魅力を感じないって事じゃないかしら?」

賢者「え!?」

ラミア「側近さんの悟りを開かざるをえない起伏に欠ける身体よりもラミアのような実りある肢体の方が良いってことですわ」フフン

魔王「今日も平和だなぁ」

259: 2012/02/08(水) 11:27:48.52 ID:hmhPP6AyO
賢者「うっうっ…」

魔王「揉めば大きくなるっていうよ!」

賢者「へ?」

魔王「うん?」ニコッ

262: 2012/02/08(水) 11:44:02.87 ID:hmhPP6AyO
賢者「ぎゃーー!なんですかその破廉恥な格好は!」

竜娘「これはそのっ…お父様が!」カーッ

魔王「竜族長が?」

竜娘「その…アンタに///」

魔王「あんた?」

竜娘「///…ご、ご主人様との子供を早くもうけてまこと強き血を残せってお父様が…ッ」

賢者「だ、だから魔王様は妾として招いた訳ではないと!…それにご主人様ってなんですかっ!」

魔王「うーん…魔族の平和の為には良い事だし、好意を無下には…」ボソッ

賢者「はやく着替えてきてください!」プンスカプン!

287: 2012/02/08(水) 13:32:39.56 ID:hmhPP6AyO
猫娘「…ふっ…ふにゃ……」

猫娘「…腰が…ッ!…勝手に動いちゃうにゃ…ぁ」

猫娘「なんでお部屋にマタタビが…にゃんッ…っ」フーッフーッ

猫娘「にゃ…魔王さまっ…魔王さまっ!…にゃぅ…んッ!」

―――
賢者「魔王さま、水晶で何を見ているんですか?」

魔王「ん?獣人族の様子をね」ニコッ

297: 2012/02/08(水) 14:04:37.02 ID:hmhPP6AyO
魔王「前から気になってたんだけどさ、なんで城内でもごっつい胸当てしてるの?」

半馬娘「こ、これは…こういう訳なのです魔王様///」

賢者「で、でか…」

半馬娘「走る上でとても邪魔なので困ってるのです」

賢者「ぐぬぬ…!」

301: 2012/02/08(水) 14:08:55.80 ID:hmhPP6AyO
ぐぬぬ、隠れて書くの無理っぽいすまん

330: 2012/02/08(水) 17:34:26.42 ID:hmhPP6AyO
魔王「ちょっといいかな?」

スライム「!ボクはわるいスライムじゃないよぉ」プルプル

魔王「驚かせちゃった?ごめんよ」

スライム「ごめんなさいっ!いじめないでくださいぃ!」

魔王「いじめないよ、聞きたいことがあるんだ」ツンツングリグリ

334: 2012/02/08(水) 17:42:01.32 ID:hmhPP6AyO
魔王「中央王国には人間と共存していたスライムがいたと思うんだけど」ウリウリ

スライム「ひんッ!」

魔王「中央王国の近況について細かく報告して欲しいんだ」プニプニ

スライム「ゎ!わかりましたっ!……うゎぁん!そんなに突っつかないでくださいっ」プルプル

魔王「ごめん反応が可愛いから」ニコッ

336: 2012/02/08(水) 17:48:29.41 ID:hmhPP6AyO
賢者「まだ中央王国は動き出す気配はないと?」

魔王「うんスライムの話だとね。あの工場が機能しなくなったのが大きいかな」

賢者「…それに、勇者が不在なのも理由の1つになってるんじゃないでしょうか」

魔王「そうだね…」

賢者「魔王さま…」

337: 2012/02/08(水) 17:55:50.12 ID:hmhPP6AyO
半馬娘「失礼します魔王様、お客様がいらっしゃいました」

魔王「わかった、玉座と応接間のどっちがいいと思う?」

半馬娘「…玉座が宜しいかと。では私はこれで失礼します」

賢者「どなたでしょう、魔王様」

魔王「うーん、話は聞いてないなぁ」

340: 2012/02/08(水) 18:14:48.63 ID:hmhPP6AyO
魔王「クハハ…よく来たな我が居城に」

エルフ「どうか突然のご訪問をお許しください魔王殿」

エルフ「魔王殿のお話は、妖精族や人魚族に半馬族から聞いております。これ程になく素晴らしいお方だと」

魔王「クハハッそうか。…して、常に中立を保ってきたお前達エルフが我に何の用だ?」

エルフ「…はい」

342: 2012/02/08(水) 18:28:43.06 ID:hmhPP6AyO
エルフ「しかし、まずはお礼を言わせてください。ありがとうございました、エルフ共々感謝しております」

エルフ「魔王殿に黒い雲を退け妖精の国を救っていただいた事でいくつかの森が救われました。」

魔王「気にすることはない。我は我の物を守ったまで」

エルフ「それでもお礼を…森は我々エルフには大切で神聖な守るべきものなのです」

魔王「クハハ…それで今我の元に参ったのは我に黒き雲から森を守って欲しいということか?」

エルフ「いいえ、そうではございません。我等が棲む森は魔法によって守られているのです」

エルフ「問題はその魔法を求めて人間が現れた事にあるのです…」

349: 2012/02/08(水) 18:53:54.70 ID:hmhPP6AyO
エルフ「我々は古代から存在するルーンを読み解く事が出来るのですが、その技術を求めて人間が度々訪れるようになったのです」

エルフ「しかし、魔法やルーンは軽んじてはならぬもの。女王は人間の求めをお断りになられたのです」

魔王「・・・」

エルフ「それからは嫌がらせの様に森を徘徊し悪戯に動物を頃したり、私達には手の届かぬ森で無計画に木々を伐採したり…!」

魔王「・・・」

354: 2012/02/08(水) 19:16:35.54 ID:hmhPP6AyO
エルフ「そして若いエルフを脅し、無理矢理にルーンの読み取り方を聞き出す始末…」

魔王「…人間共に目に物を見せてやればよいではないか」

エルフ「女王様が、今は我慢なさいと…。人間は戦争を行うだけの理由が欲している、大義名分を得た時には悦び勇み向かってくるだろうと…」

魔王「・・・」

エルフ「今の人間は勢いがあり数が圧倒的に多いのです。それに我々は無益な争いを好みません。我々が剣を持たぬ者を見逃しても人間は違うでしょう…」

魔王「それで我に女王はなんと…?」

エルフ「出来る事ならば我等が女王と直接お話なさっていただけないでしょうか…?」

エルフ「女王様は人間を警戒し揺れ動く里を離れる訳にはならなかったのです、どうかご容赦ください」

魔王「クハハハ!暇潰しにはなるか…」

エルフ「魔王殿それでは…!?」

魔王「我を顎で使うなど高くつくぞ…クハハハ」

361: 2012/02/08(水) 19:45:40.30 ID:hmhPP6AyO
賢者「どうしてこうなっちゃったんでしょうか…」

魔王「連合国に魔族と戦う為に結成されたものだったよね。今までは魔族との戦いで消耗することで力や大きさのバランスがとれてたんだと思うんだ」

魔王「でも僕が魔王を倒してからバランスが大きく人間に傾いたんだ。勝利の味を覚え、消耗することのなくなった王国は…」

賢者「その力を向ける先を求めて暴走してるって事ですね…」

魔王「…僕の責任だよ」

賢者「そんなことないですっ!絶対です!」

魔王「賢者は優しいなぁ」ギュッ

賢者「魔王さま…」

364: 2012/02/08(水) 19:58:06.59 ID:hmhPP6AyO
バビューン!

エルフの里

魔王「女王よ!この我がわざわざ出向いてやったぞ」

エルフ女王「魔王殿、御足労いただき感謝致しますわ…」

魔王「なに、暇潰しだ」クハハッ

魔王「凡その話は遣いに聞いた。…して我に何を望むというのだ?」

エルフ女王「その話は後程にさせていただきたいのですが…お呼びしておきながら申し訳ありません」

370: 2012/02/08(水) 20:12:54.22 ID:hmhPP6AyO
魔王「…まぁよい。我も人間共の動向について聞いておきたいと思っていたところだ」

女王「私の知るところなら何でもお話し致しますわ」

魔王「…人間共がルーンを求める理由は?」

女王「わかりません…。彼らは何故更なる力を求めているのでしょうか…向上心というのは時として恐ろしくもあることを今回知りました」

魔王「そうか」

女王「人間に襲われたエルフに聞きましたところ、ゴーレムのような自律式魔法人形に刻まれているルーンについて特に執拗に…と」

魔王「…しかしわからぬ。そのような人間、何故放っておく?」

女王「…娘をここに」

エルフ「はっ!」

373: 2012/02/08(水) 20:21:38.00 ID:hmhPP6AyO
幼エルフ「はいここに、お母様っ」

魔王「あ」

女王「どうかなさいました魔王殿?」

魔王「クハハッ!!なにがだ?」

女王「私の娘の幼エルフで御座います。至らぬことかと思いますが、どうか話を聞いてやってくださいませ」

383: 2012/02/08(水) 20:33:12.87 ID:hmhPP6AyO
魔王「女王の娘よ、我に話とはなんだ?臆する事なく言ってみせよ」クハハ

幼エルフ「ま、まおうさま。に、にんげんはみんながワルい人じゃないんですっ!」

魔王「・・・」

幼エルフ「わたしが、もりの外れであったにんげんのお兄ちゃんは…とてもわたしにやさしくしてくれましたっ」

幼エルフ「そのお兄ちゃんがにんげんの町をいっしょに歩いてくれたときにあった、ほかの人たちもあったかくて…とってもいい人たちだったんですっ!」

魔王「・・・」

389: 2012/02/08(水) 20:45:19.55 ID:hmhPP6AyO
幼エルフ「そのお兄ちゃんはいってました…戦争では相手がいい人でもワルい人でも敵になっちゃうのが悲しいって…」グスン

幼エルフ「…だから戦争はぜったいにダメです」

幼エルフ「…まおうさまは、まぞくの人たちに、にんげんをおそっちゃダメだよっていってるってききました」

幼エルフ「まおうさまもわたしと、いっしょですか?」

魔王「・・・」

396: 2012/02/08(水) 21:00:46.93 ID:hmhPP6AyO
賢者「魔王さま…」

魔王「…我は」

魔王「…我も、無益な戦いは愚かな事であると考えておる…」

魔王「異種族であるから理解出来ぬ事はあろうとも、異種族だから頃し奪ってよい理由などないと考えているのだ」

魔王「エルフ、お前に妖精や半馬族の友は?」

エルフ「…います。魔王殿」

魔王「人間の友は?」

エルフ「いません…」

魔王「姿形はエルフと人間の方が近しいのに皮肉なものだな」

398: 2012/02/08(水) 21:10:54.27 ID:hmhPP6AyO
女王「魔王殿…いえ魔王様」

魔王「…なんだ女王よ」

女王「…我等エルフは魔王様に忠誠を誓いたくございます」

魔王「どういうことだ?古くからエルフ族は中立を貫いてきたではないか」

女王「魔王様、あなた様こそが中立であるからですわ」

魔王「…さてな。我は人間の街の一部を焼き払ったこともある」

賢者「・・・」

402: 2012/02/08(水) 21:29:20.21 ID:hmhPP6AyO
女王「深い考えがあってのことなのは先ほどのお話をお聞ききすれば、わかりますわ」

女王「どうか魔王様が求める世界を…我等エルフも傍らで共に見せていただきたいのです!」

女王「…忠誠を誓うのはただただ魔王様に守っていただきたいからではないと分かっていただく為ならば命を差し出すこともいといません…」

魔王「クハハ…!クハハハハ!!…気にいった。今をもってしてお前達エルフは我の物だ!…忠誠の証としてその娘を献上してもらおうか?」

エルフ女王「幼エルフ…」

幼エルフ「いいんです、お母さま。まおうさまのおやくにたてるよう、がんばりますっ!」

404: 2012/02/08(水) 21:35:19.25 ID:hmhPP6AyO
魔王「賢者は幼エルフとちょっと待っててくれないかな?」

賢者「…魔王さまは何を?」

魔王「いきたいとこがあってさ」

賢者「何処へですか?」

魔王「ちょいと中央王国まで!」バビューン!

賢者「ま、魔王さま!」

408: 2012/02/08(水) 21:45:49.77 ID:hmhPP6AyO
中央王国城門

魔王「はぁ…流石に結界魔法張ってあってダイレクトに侵入はさせてもらえないかぁ…」

魔王「まぁ、壊しちゃえばいいんだけどね」フォン…!

「…!き、貴様何奴!」
「それ以上進んでみろ!即刻貴様の頭と胴体は永久の別れをすることになるぞ!」

魔王「…我が魔王と知ってなお、その恥ずかしい台詞が言えたら大したものだ」

ドーーン!

416: 2012/02/08(水) 22:09:18.35 ID:hmhPP6AyO
「陛下ッ!お逃げくだsぐあぁ!!」

王「ひいぃッ!」

魔王「ご機嫌如何かな?人間の王よ」

魔王「…歓迎してほしいところではあるが、幾分か城を崩してしまった手前期待はせん方がようだろうな」クハハハ!

魔王「我がわざわざ足を運んだのは魔を統べるものとして一度挨拶しておこうと思ってな」

魔王「今日は1つ警告にきたのだ…」

魔王「我は物を大事にするたちでな、我以外の者に壊されたくはないのだよ」

魔王「魔族の領土や人魚に妖精にエルフの里も私の物なのだが…、どうもそれを盗もうとする卑しい者がいるようなのだ…」

王「わしはしらん!わしはしらんのじゃ!」

魔王「ほう?」

419: 2012/02/08(水) 22:19:05.18 ID:hmhPP6AyO
王「あれはワシが命じたことではないっ!…そうだ!勇者が勝手にやったこと!先の魔王を倒した勇者じゃ!」

魔王「…では、王よ。勇者に伝えておいてくれぬか?」

魔王「『…迂闊に我の物に触れてくれるな!』と」ダンッ!

王「」ビクッ!

魔王「…では、私は帰るとしよう。邪魔したな」バビューン!

424: 2012/02/08(水) 22:26:02.88 ID:hmhPP6AyO
魔王「はぁ…疲れた」

賢者「魔王さま!…ご無事で何よりです」グスッ

魔王「すぐに泣いちゃうんだから賢者は可愛いなぁ」ナデナデ

賢者「…ぁぁぅ///」

425: 2012/02/08(水) 22:29:16.77 ID:hmhPP6AyO
魔王「王様ってあんなに小者だったかな…」

賢者「勇者さまや私が攻めいる隙を見て侵略を進めたりと、そういった知恵の働く人だとは思ってました…」

魔王「僕あの頃は何にも見えてなかったんだなぁ」

魔王「権力者なんてそんなもんなんだね…」

賢者「それじゃ魔王さまは権力者ではないんでしょうか?」クスッ

428: 2012/02/08(水) 22:38:08.30 ID:hmhPP6AyO
魔王「ひとまずこれで時間は稼げたかな」

賢者「これで全て解決って訳じゃないんですか?」

魔王「今日の出来事で人々は魔王の恐怖に怯えることになると思う」

魔王「魔族と人々の関係も何ら変わってないし…」

魔王「僕はどうしたら…」

賢者「…魔王さま!一度考えるのは止めにして幼エルフちゃんに会ってきたらどうですか?」

賢者「くははははー!って変な笑い方の練習してましたよ?」フフッ

447: 2012/02/08(水) 23:12:46.14 ID:hmhPP6AyO
幼エルフ「くははははー!われにしたがうのだクラーケン!」

猫娘「わ、わかったにゃ!…しかしお前は一体にゃんにゃんだー!」ゴロニャーン

魔王「ははは、楽しそうだね」ニコッ

幼エルフ「へ?お…兄ちゃん?」

魔王「うんうん」

454: 2012/02/08(水) 23:20:26.45 ID:hmhPP6AyO
幼エルフ「お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃんお兄ちゃんっ!」ダキッ

魔王「久しぶり。ちょっと大きくなったかな?」ニコッ

猫娘「にゃっ!魔王さまにそんなズルいにゃあ!」

幼エルフ「へ?まおうさまって?」

魔王「僕、お兄ちゃん兼魔王なんだ。気付かなかった?」

459: 2012/02/08(水) 23:27:39.94 ID:hmhPP6AyO
幼エルフ「へ?どういうこと?」

魔王「側近ー、あれとってー」

賢者「フフッ。はい魔王さまっ」スチャッ

魔王「クハハッ…クハハハハー!!幼エルフよ…我の真の姿を見たからには生きて帰さぬぞ!」

幼エルフ「ええええええー!!!」

猫娘「魔王さま私も抱っこしてくださいにゃ!」

465: 2012/02/08(水) 23:38:45.00 ID:hmhPP6AyO
幼エルフ「そっか、お兄ちゃんはまおうさまだったんだね!」

魔王「やっと、わかってもらえたようで何より」

幼エルフ「でも、おに…まおうさまは、にんげんだとおもってたよ…ましたっ!」

魔王「お兄ちゃんでいいよ」

幼エルフ「でも」

魔王「お兄ちゃんでいいんだ」ニコッ

魔王「そうだなぁ…。昔は人間だったんだけど今は魔族になったんだ。これは秘密ねっ」ヒソヒソ

幼エルフ「うんっ!わかったお兄ちゃん!」

472: 2012/02/08(水) 23:48:23.03 ID:hmhPP6AyO
賢者「はっ!前にデートしたことがあると仄めかす事を言ってましたけど、お相手は幼エルフちゃんだったんですね」

魔王「ん?そうそう」

幼エルフ「あっ!お兄ちゃんあのときわたしに、大きくなったらおよめさんにしてくれるっていってたよね!」

幼エルフ「わぁーい!ほんとにおよめさんになっちゃったー!なっちゃったー!」

賢者「フフッ。ずいぶん可愛らしいお嫁さんですね」

魔王「幼エルフちゃんは可愛なぁ」

賢者「ダメです!!それは私のだから絶対ダメでーす!!」

474: 2012/02/08(水) 23:59:00.87 ID:hmhPP6AyO
「わ、吾輩は…」

魔王「なんだか、幼エルフちゃんと遊ぶ方が疲れちゃったよ」

賢者「私はまだあの事許してませんからねっ!」

「そ、その…」

魔王「ん?何のこと」

賢者「あれは私専用なんですからっ!」

賢者「あれ?吸血鬼さんどうしたんですか?」

吸血鬼「わ!吾輩は魔王様に…」

魔王「吸血鬼ちゃん、そんな影にいないでもっとこっちにおいでよ」ニコッ

吸血鬼「な!なななんでもないでござるっ!」

賢者「…ござる?」

476: 2012/02/09(木) 00:08:10.64 ID:g4fVKjG+O
魔王「吸血鬼ちゃんは恥ずかしがりやさんなのか、近くにきてくれないんだよ」

賢者「私と話す時は今までそんな事は無かったですけど…はぁ」

魔王「ため息なんてついてどうしたの?」

賢者「いいえ、気にしないでください魔王さま。側近と名乗るようになってから、この悩みは解消されることはないと理解はしてるんです…」

魔王「ん?そっか。それでさ、今度買っておいたニンニク使って捕まえて徹底的にお話しようかと思ってるんだけど…」

賢者「…却下します。側近の意見は聞くものですよ魔王さま」

477: 2012/02/09(木) 00:10:27.33 ID:g4fVKjG+O
3日目とか俺きめぇ。ここまできたら頑張るわ

483: 2012/02/09(木) 00:21:24.63 ID:g4fVKjG+O
人魚姫「魔王様、お帰りになられたんですね」

魔王「人魚姫はもうここの生活に慣れたかな?」

人魚姫「はいっ皆様よくしてくださいます」

人魚姫「そうです、ラミアさんに素晴らしい物をいただきましたの」

賢者「あのラミアさんにですか?」

人魚姫「このヌルっとした液体を使えば、私でしても乾くことを気にせずに魔王様の床の相手を致すことができるそうです///」

賢者「はい没収っ!」

487: 2012/02/09(木) 00:28:18.91 ID:g4fVKjG+O
竜娘「あっ」

魔王「ただいま竜娘」ニコッ

竜娘「え、えっと///」

魔王「教えたはずだよ?」ニコッ

竜娘「…ぉかえりなさいませご主人様///」

竜娘「こっ!これはご主人様の為に作ったわけじゃないんだけど!そのっ…」

賢者「それでは私がいただきます!」プンスカ

490: 2012/02/09(木) 00:41:43.07 ID:g4fVKjG+O
幼エルフ「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

魔王「うん、どうしたの?」

幼エルフ「チューして?///」

賢者「」

魔王「どうしてかな?」ニコッ

幼エルフ「…だってね?およめさんになるときにね?チューするんでしょ?///」

賢者「…幼エルフちゃんはまだ小さいし早いんじゃないかな?」

幼エルフ「おっきくなったもん!およめさんだもん!」

495: 2012/02/09(木) 00:49:00.58 ID:g4fVKjG+O
魔王「それじゃ髪をよけてお顔もっと見せてくれるかな?」

賢者「あっ!」

幼エルフ「んっー」デコチュッ

幼エルフ「ふへへ///お兄ちゃんだいすきっ」

賢者「…なんで私がドキドキしなくちゃならないんでしょうか魔王さま」

魔王「うん?」

499: 2012/02/09(木) 00:53:47.50 ID:g4fVKjG+O
賢者「魔王さま」

魔王「ん?どうしたの?」

賢者「その…」

賢者「・・・」

魔王「どうしたの賢者らしくないよ?」

賢者「…私は子供じゃないですよ?//」

516: 2012/02/09(木) 01:46:10.16 ID:g4fVKjG+O
賢者「最初に言っておきますけど、今日の私は『ん?どうしたの?』『なんのことかな?』で騙されませんからねっ!」

魔王「ははは、そっか。…賢者…そばにきてくれるかな?」

賢者「はい…」

魔王「もっと近くにきてほしいんだ」

賢者「魔王さま…」

賢者「こ、これ以上近くには物理的にその…ん!っー!……はむ…///」

魔王「…賢者は可愛いなぁ」

賢者「…///」ギュッ

518: 2012/02/09(木) 02:01:35.20 ID:g4fVKjG+O
賢者「…ふふふふ~ん♪」

ラミア「あら、側近さん。勇者さまの鎧を磨いてるんですの?」

賢者「おはようございますラミアさんっ♪」

ラミア「…何だか、ずいぶんと陽気な頭をしてるようでなによりですわ」

賢者「ふふふ!ふふふふふ!」

ラミア「ひっ!」(だ、誰がコンフュかけたのかしら)

525: 2012/02/09(木) 02:19:02.09 ID:g4fVKjG+O
三頭犬「…!グルルァ!!」

ハーピー「ケルベロスおすわリ」

三頭犬「クーンッ」

ハーピー「…ハァ。最近お前は寂しくテ誰にでもなついてるよナ」

三頭犬「ガルルァ!」

ハーピー「ア、アタシは寂しく何てないさ!魔王サマとはお使いを頼まれる時ニお話できてるし!」

ハーピー「そ、それに!魔王様から首飾りを頂いタのはアタシだけだぞ!」

三頭犬「ガルルァ!!」

ハーピー「な、なに!自分の方ガ先に首輪を頂いただと…!」

ハーピー「お!お前は魔銃だしカウントに入らないンだよ!」

ギャース!……

骨「よっこらせぃ」

530: 2012/02/09(木) 02:32:31.72 ID:g4fVKjG+O
人魚姫「本日集まっていただいたのは、側近さんの様子が可笑しい兼についてでして…」

ラミア「あれは明らかに異常ですわ」

妖精「も!もしかして魔王さまと何かっ!」

竜娘「そう考えるのが一番自然ね…ぐっ!」

吸血鬼「吾輩は…まだちゃんとお話すら出来てないのだ…」

幼エルフ「ねー!ねー!なんのおはなしー?」

532: 2012/02/09(木) 02:45:52.74 ID:g4fVKjG+O
吸血鬼「そもそも魔王様の笑顔は眩しすぎるのと思うのだ」

猫娘「わかるにゃ…ふにゃぁ、ってなっちゃうにゃ!」

ラミア「最近は魅惑の呪を使ってるのだと思えてきましたわ…」

ハーピー「魔王サマ…」

・・・

妖精「あっ!論点がずれてる気がするんですけど…」

人魚姫「妖精ちゃんの言う通りでしてよ。今、重要なのは側近様がどこまで魔王様と…」

幼エルフ「ねーねーなんのお話?」

536: 2012/02/09(木) 02:57:14.06 ID:g4fVKjG+O
人魚姫「ごめんなさい。このお話は幼エルフちゃんにはまだ早いお話ですの」

幼エルフ「まだ早くないもん!もう大きくなったからお兄ちゃんとチューしたもん!」

「「「「  」」」」

半馬娘「皆落ち着くんだ!まだ年端もいかぬ子じゃないか!」

―――――

魔王「…いっきし!後でお茶でも淹れてもらおうかなぁ」

611: 2012/02/09(木) 11:56:38.38 ID:g4fVKjG+O
賢者「ふふふ…!」

魔王「やぁ賢者ご機嫌だね」

賢者「ま、魔王さま///」

魔王「あのさ、悪いんだけど後で紅茶を淹れて僕の部屋にもってきてくれるかな?」

賢者「お部屋に!?…その…ぅ心の準備が…//」

賢者「…そっそれに!私ったら磨き油で汚れちゃってて汚いですし//」

魔王「それじゃ着替えてきたら?」ニコッ

賢者「…ぁぁぅ///わかりました」

魔王「賢者は可愛いなぁ」

617: 2012/02/09(木) 12:24:17.94 ID:g4fVKjG+O
魔王「ありがとう賢者。他に誰も捕まらなくてさ。みんな何処にいるんだろうね?」

賢者「城の管理はともかく魔王さまのお世話なら私一人でも出来るので問題はないと…」モジモジ

魔王「お世話かぁ。そうだ、最近は夜のお世話を!って皆迫ってこなくなったよね」ハハッ

賢者「…その、魔王さまは…そういったこと」

魔王「ん?どのこと?」

賢者「…わかってらっしゃるくせにっ//」

魔王「ははは、顔が真っ赤だよ?賢者は可愛いなぁ」

賢者「…ぁぁぅ///」

620: 2012/02/09(木) 12:36:33.88 ID:g4fVKjG+O
賢者「…魔王さま…。」

コンコンコンッ
骨「魔王様、お客様がいらっしゃいますた」

賢者「な!」

魔王「今行くよー」

賢者「ぐぬぬ…」

骨「…今までのツケが返ってきたんですよ側近さん」ボソッ

賢者「なんですと!」

骨「…返事がない ただの屍のようだべ」

賢者「嘘おっしゃい!」プンスカプン

626: 2012/02/09(木) 12:57:42.75 ID:g4fVKjG+O
妖弧「魔王様、夜分に失礼いたす…しますのじゃ」

魔王「…いいよ言葉遣い無理しなくって」

妖弧「///…有り難う御座います、魔王様。ご活躍は遠く東のわしらの耳にも届いておって、先日の人間の城に単身で攻めいられた話などお聞きした時には歓喜に震える想いじゃったのです」

魔王「それはよかった。…そっか取り戻して欲しいんだね」

妖弧「うむ…その通りじゃ。我らの地を再び我らの元に。というのが今日魔王様の城に参った理由じゃ」

637: 2012/02/09(木) 13:15:40.70 ID:g4fVKjG+O
賢者「…いくつか人間に奪われた魔族の地があるのは知ってましたけど」

魔王「うん。争うことをせずに取り返すことは出来ないし、魔族の皆には我慢してもらってたんだよね」

魔王「それに、魔王の存在を人間に公にせずにいたかったからなぁ」

賢者「…どうするんです?」

魔王「・・・」

賢者「私は…どんな時も魔王と一緒ですから」

魔王「ありがとう、賢者は優しいなぁ」ニコッ

賢者「…ぁぁぅ///」

644: 2012/02/09(木) 13:27:53.42 ID:g4fVKjG+O
魔王「おまたせ」

魔王「妖狐、今はあの辺りに住んでた魔族はどうしてるの?」

妖狐「散りじりに…しかし他の魔族の手助けを得てみな無事に暮らしておるはずじゃ」

魔王「皆を集めて欲しいんだ。僕は他の部族にも声をかけてみるから」

妖狐「…それでは魔王様!」

魔王「うん君たちの事は無下にはしないよ」ニコッ

646: 2012/02/09(木) 13:43:31.33 ID:g4fVKjG+O
幼エルフ「お兄ちゃん…戦争…するの?」

魔王「うーん…上手くいけば戦争なんて大事にはならないと思うんだけど」

魔王「ごめんね、誰も血を流すことはないって約束は出来ないよ…」

魔王「でも、仲良くなるには喧嘩することだって必要だと思うんだ。わかってくれるかな?」

幼エルフ「ちがうの…。お兄ちゃんがあぶない目にあうのがこわいの…」

魔王「…大丈夫だよ」ヨシヨシ

幼エルフ「ふぇぇんお兄ちゃんっ」

647: 2012/02/09(木) 13:58:43.41 ID:g4fVKjG+O
マオウサマバンザーイ!

魔王「クハハ…よく参った部族長達よ!」

魔王「今宵招いたのは人間共に奪われた我等魔族の地について事である…」

魔王「よく耐えた…。」

魔王「人間に誇りを踏みにじられようとも我の命を守った事を我は嬉しく思うぞ!クハハハハ!」

魔王「しかしもうよい!時はきた!再び我等が元に取り戻そうぞ!」

656: 2012/02/09(木) 14:38:06.39 ID:g4fVKjG+O
竜族長「では人間共を1人残らず血祭りにあげようぞォ!」

オオーーーッ!!

魔王「ならん!」

魔王「…噛みつかれたから噛みつき返すとは獣となんの違いがある?ましてや噛み頃すとは獣以下だ」

竜族長「しかし魔王様ッ!」

魔王「古の時代、竜族は人間の信仰の対象だったと聞く。人間は圧倒的な力を有す竜族に恐怖し尊敬し憧れを持っていたのだ」

662: 2012/02/09(木) 15:03:43.77 ID:g4fVKjG+O
魔王「では何故、今は違うのだと思う半馬族長?」

半馬族長「それは…人間の力が大きくなったからではないかと…魔王様」

魔王「では何故、人間の力は大きくなった?エルフ女王」

女王「それは…。…人間の持つ向上心でしょうか」

魔王「ふむ、その通りだ」クハハ

魔王「人間は願い求める力を持つ。たとえ、今は我等が人間を滅ぼそうと戦おうとも何れは人間の変化の波に呑まれ、変わらぬ魔族は消えてしまうだろう…」

ザワザワザワ…

魔王「クハハ…案ずるでない。我が魔族の更なる栄光を望もう!」

魔王「我がお前達魔族の行く末を照らす灯火となってみせようではないか!」

魔王「魔族も変わる時がきたのだ…」

魔王「我が剣となりて共に負の連鎖を断ち切ろうぞ!!」

オォーーー!!

666: 2012/02/09(木) 15:20:56.68 ID:g4fVKjG+O
魔王「具体的な作戦の思案は明日行うとしよう…今日は魔族の永劫の繁栄を願って宴にしようぞ」クハハハ!!

―――……
竜娘「すごいです…すごいです魔王さまっ」ポロポロ

魔王「えっ!何で泣いてるの!?」ワタワタ

竜娘「魔族がこのように1つになった様なんて未だかつて無かったでしょう…」

竜娘「私は魔王様のお側にいれて幸せです…」ウッウッ

魔王「ははは、ご主人様はどうしちゃったの?」

竜娘「ご主人様は嫌いですっ…すぐそんな風に誤魔化すんだからっ///」

669: 2012/02/09(木) 15:29:34.23 ID:g4fVKjG+O
賢者「もうっ…本当に魔王さまは心を奪うのがお上手ですね!」

魔王「そうかな?」ハハッ

スライム「ボクもそう思いますぅ」

魔王「そっか、ありがとう!」ウリウリ

スライム「ひッひゃあ!//」

魔王「あ、吸血鬼。そのワイン僕も欲しいなぁ」

吸血鬼「はっ!ははーッ!///」

賢者「流石にちょっとは自重してくれていいと思いますけど!」プンスカ

679: 2012/02/09(木) 16:12:34.84 ID:g4fVKjG+O
魔王「クハハッ昨晩は各々楽しんだか?…では本題に入ろう」

魔王「まずは、東の妖魔族の地から取り戻そうと思う」

獣人族長「人間を殺さずに…?」

魔王「我等が力を合わせれば出来るはずだ」

魔王「なに、簡単な事だ」

魔王「…隊列をなして正面から堂々と攻めいって欲しいのだ」

竜族長「ほう…」ニヤリ

魔王「この作戦、名付けて百鬼夜行。人間に我らの力魅せてやろうぞ…クハハハハー!」

賢者(流石に恥ずかしいです…)

710: 2012/02/09(木) 18:08:31.23 ID:g4fVKjG+O
魔王「お前達には防壁を突破し、魔王が奪還に現れた事を宣言してもらいたい」

魔王「その間に我が領主を捕らえる」

鳥人族長「囮…ということですね?」

魔王「そうだ。が、違うとも言える」

魔王「…危険を伴う事は間違いない。やってくれるか?」

竜族長「フン。その程度で怖じ気づく竜族ではないわッ!」

妖精族長「妖精族に何が出来るかわかりませんが、魔王様の為とあればどんな事でもさせていただきましょう」

「勿論です魔王様!」
「魔王様のお心のままに!」

賢者「皆さん…!」

718: 2012/02/09(木) 18:28:47.91 ID:g4fVKjG+O
魔王「クハハハ!竜族長、お前には夜行の先陣を頼もう。お前にしか出来ん」

竜族長「フハハハ!!竜王と呼ばれる所以、人間に教えてやろう!」

魔王「エルフには魔法による守りを頼みたい。竜族やオークの蛮勇達も矢や砲弾は退けることは出来ないだろう、お前達が頼りだ」

エルフ女王「お任せ下さい。必ずや魔王様の期待に応えてみせましょう」

魔王「クハハ!頼もしいばかりだ」

魔王「歯向かう者は拘束しろ。逃げる者は放っておけ。常に列を乱さず魔族同士協力することを忘れるでないぞ」

魔王「さぁ部族の者を集めろ。…先に潜入したラミアの密使が帰り次第、決行する!」

オォーーー!!

721: 2012/02/09(木) 18:39:56.78 ID:g4fVKjG+O
魔王「ふぃー。疲れた」ガッチャン

賢者「あぁ、そんな風に鎧を放り出さないでくださいっ」

魔王「うんうん。妖魔族であの町に詳しい人を呼んでくれるかな?」

賢者「はい魔王さま」タタッ

ドンドン
竜族長「魔王…様。話が…」

魔王「し、しばし待たれよ!」ガチャガチャ

726: 2012/02/09(木) 18:54:11.44 ID:g4fVKjG+O
魔王「話とはなんだ?」キリッ

竜族長「わ、我が娘の事だッ!」

竜族長「めとっておきながら、手を出さずにいるとは…どういうつもりなのだァ!」

竜族長「我が娘は、里に帰るたび魔王様、魔王様と聞いてもおらぬ事を鳥人族の様にペチャクチャと…ッ!」

竜娘「…この声は…へ?お、お父様!?」

竜娘「お父様やめてください!//」

竜族長「娘の幸せの為に動いて何が悪いッ!」

魔王「ふふ」

賢者「?魔王さま、お連れしましたよ」

魔王「その事については、またの機会に話し合おうぞ竜族長」クハハ!

729: 2012/02/09(木) 19:04:39.42 ID:g4fVKjG+O
雪女「来ました…」

魔王「ねぇ、あの町で一番目立つとこってどこかな?」

雪女「…社…です」

魔王「社?」

雪女「烏の…神様…を」

魔王「なるほど。それじゃあ百鬼夜行の終点はそこかな」

魔王「…僕が怖いの?」

雪女「…喋るの…が」フルフルッ

魔王「苦手なんだ?それにしても白くて綺麗な肌だね!触ってもいいかな」ペタッ

雪女「…!」

魔王「ひんやりしてて気持ちいいね」ニコッ

雪女「と、溶ける…からっ…///」

735: 2012/02/09(木) 19:17:24.37 ID:g4fVKjG+O
魔王「密使により、領主の詳しい位置も砲や兵の配置もわかった」

魔王「皆の者、抜かりはないな?それでは行こうぞ!」

半馬娘「いえ魔王様!我らが寝ずに早駆けしても3日はかかる距離です…食料や野営の準備が…」

賢者「この方は魔王さまなんですよ?」フフッ

魔王「…いざ妖魔の地へ!」バッビューン!!

749: 2012/02/09(木) 20:04:32.80 ID:g4fVKjG+O
妖魔の地

魔王「…我はこれより魔法障壁を破り次第、側近と共に領主を捕らえに向かう」

魔王「竜族長よ…頼んだぞ」

竜族長「話は終わってはおらん!我が娘を流すでないぞ…」

魔王「クハハ!行くぞ側近!」

賢者「はい魔王さま!」バビューン!

エルフ女王「準備は出来ました…」

竜族長「…殺さず、喰わず、奪わず、嬲らず。血が滾ろうともそれを制して戦う事に意味があると魔王は言った」

竜族長「我等が忠誠が飾りでは無い事を証明する時がきた」

竜族長「我らここにあり!魔王の耳に届くよう朗々と歌い上げるのだ人魚族!…百鬼夜行、いざ威風堂々と参ろうぞッ!!」

オォーーーッ!!!

755: 2012/02/09(木) 20:15:23.51 ID:g4fVKjG+O
――

賢者「歌声が…」

魔王「心を強く保てない者は、惹かれ従ってしまうだろうね」

賢者「頼もしいばかりですね!隔絶魔法」フォンッ

賢者「これで見えることも聞こえることもないです…てあれ?」シュウン

魔王「僕には効かないみたいだ…。昔はこの魔法には頼りっぱなしだったのに」

賢者「障壁は破壊したのに妙ですね…」

魔王「…これはたぶん…。さして問題ないだろうし行こう」

賢者「そうですね…身を隠されたら面倒です」

759: 2012/02/09(木) 20:34:20.55 ID:g4fVKjG+O
「ま、魔族共だぁ!!」
「おわりだ…あんな大軍見たことない…」ガクガク
「ヒィィ!狐火が!」
「も、門を氏守しろ馬鹿共が!」
「た、隊長…後ろ!」


アラクネ「縛られることはお好きかしら?」

スライムA「久しぶりに合体しようよ!」
スライムB「合点承知だいっ」
スライムC「ボクもボクもー」

猫娘「108式猫パンチを受けてみろにゃーッ!」

ゾンビ娘「ぁの…私の目を見ませんでしたか…」

764: 2012/02/09(木) 20:43:30.70 ID:g4fVKjG+O
賢者「ここですね…」

「きさまら何者…ぐっ身体…が…」

魔王「クハハ!手を触れるまでもないわ。魔王がきたと領主に伝えるがよい!」クハハハハ

賢者「やっぱりそのキャラでいくんですね…」

魔王「クハハハ!待っておれ領主、今行くぞ!」

765: 2012/02/09(木) 20:48:30.67 ID:g4fVKjG+O
領主「…領主は私だ」

賢者「フフフッ覚悟は出来たようですね」キラリ

魔王「僕が魔王だよ。話をしにきたんだけど」ニコッ

賢者「えええ!」

774: 2012/02/09(木) 21:09:48.31 ID:g4fVKjG+O
半馬娘「もう抵抗する兵もいないようです!」

竜族長「社だな…」

竜族長「聞け!人間よ!我は竜王!魔王の命を執行する者」

竜族長「我等が魔王は、歯向かう者の命さえ奪わず、抵抗しないものは傷一つ付けるなと仰せだ!」

竜族長「我が魔王の慈悲にすがり感謝するがいい」

狂戦士「…」チャキン

竜族長「ほう…面白い。我も退屈していたところだ…」

788: 2012/02/09(木) 21:51:25.96 ID:g4fVKjG+O
領主「圧倒的な劣勢だな…」

領主「ここに住む者は連合国の兵だけではなく、その家族や新天地での商いを夢見てやってきた者もいるのだ…どうか、民を見逃してやってはくれぬだろうか…」

賢者「この方は、あの王のように権力に溺れてる訳じゃないようですね魔王さま」

魔王「綺麗な人に悪い人はいないんだね」ニコッ

賢者「」

魔王「勿論、傷つけることはしないよ」

領主「…本当か?では、民を誘導して早急に立ち去ればよいのだな?」

魔王「それはダメだよ。ここは他の国と離れすぎているから、加減をしたとはいっても怪我人には耐えられず氏者がでるかもしれない」

領主「ではどうしろと?」

魔王「ここを魔王の直轄地にする。人間はここを出ずに魔族と共に暮らして欲しいんだ」

789: 2012/02/09(木) 21:52:50.17 ID:g4fVKjG+O
領主「そんな植民地支配のような事を?人間は魔族の奴隷になれというのか!」

魔王「奴隷のような扱いは絶対にしない。魔法で誓いをたててもいいよ」

魔王「出入りも人の自由にしたいとこなんだけど…それには領主さんの協力が必要だろうなぁ」

領主「し、しかし何故そんなことを?」

賢者「…人間と魔族が共存共栄出来るか知りたいのです」

領主「でもしかし魔族言うことなど私は信じられ…」

魔王「僕は魔王で魔族の味方だけど人間で人間の味方なんだ」ニコッ

魔王「…僕と世界の新しい形を見てくれないかな」

801: 2012/02/09(木) 22:10:36.60 ID:g4fVKjG+O
バビューン!

竜族長「…遅かったな、グッ…」ハァハァ

魔王「!側近早く手当てを!」

賢者「はい!」フォンン!

竜族長「…この程度の傷他愛ない…わッ」ハァハァ

魔王「一体、何が?」

雪女「妙な鎧の…」

エルフ女王「人魚族の歌やエルフの魔法も効かず、何度竜族長様が退けようと立ち上がって…」

竜族A「竜王様は頃してはならぬと…存分に力を発揮出来ぬ状況でなければあんな奴には…」グッ

809: 2012/02/09(木) 22:34:23.32 ID:g4fVKjG+O
魔王「ありがとう…」

竜族長「ふん!あの妙な笑いはどうした魔王ッ…!」

賢者「ふふっ」

魔王「…クハハハ!よくやってくれた我が忠臣たちよ!」

魔王「そして聞くがよい人間達!」

魔王「(領主さんここで…)」

領主「ここは魔王の直轄地となった…」

ザワザワ…

領主「…だが、魔王は私の民に手を出さぬと約束した!」

領主「どうか、争うことはせずに従ってほしい!」

817: 2012/02/09(木) 22:54:52.52 ID:g4fVKjG+O
魔王「はぁ…やっと城に帰ってこれたよ。流石に今回は本気で疲れた…」

賢者「3度目の百鬼夜行からもう1ヶ月も経つんですね…」

賢者「あちこちでいさかいが起きる度にバビュンと飛んでいって」

魔王「幼エルフちゃんが場を収めてくれた事もあったね」ヨシヨシ

幼エルフ「お兄ちゃんのまねしてただけだよ?//」

魔王「共に行動したり交易で少しずつだけど…」

賢者「はいっ!この世界はもう、私の知らない世界です!」

822: 2012/02/09(木) 23:13:07.59 ID:g4fVKjG+O
領主「魔王殿はいらっしゃるか?」

魔王「いないよ!」

領主「魔王殿…」

魔王「もう妖魔の地は僕が介入しなくたって領主さんや妖弧達で充分にやっていけるよ」ハァ…

魔王「ハーピーとマンドレイク達の園の問題もやっと終わりそうなんだ」ハァ…

魔王「氏者の都も骨が頑張ってくれてはいるけど偏見はなかなか消えないし…」ハァ

魔王「…ケルベロス、僕はもう疲れたよ。少し眠ってもいいかい?」

三頭犬「クーンッ」

836: 2012/02/09(木) 23:43:45.01 ID:g4fVKjG+O
賢者「フフッ地獄にでも連れていってもらうつもりですか?魔王さま」

領主「今日来たのは、政治だとかそういった話ではなくてだな…」

魔王「そっか!なにかな?あっ、猫娘!紅茶淹れてきてくれる?」

猫娘「にゃ!」ピューン!

領主「その…魔族達の聞いたんだが各部族に娘を献上させたというのは本当か?」

賢者「それは部族との特使が必要だったから…だそうですよ」ジトーッ

領主「やはりそうか…」

領主「そ、そのだな。人間との間を繋ぐその特使というのはいるのだろうか…」

領主「もしよかったらだが、私がその…///」

猫娘「にゃンッ!熱いにゃ!」ガシャン!!

賢者「あぁもう魔王さまはっ!」プンスカプン

844: 2012/02/10(金) 00:06:01.30 ID:26WLj1azO
幼エルフ「お城にみんないるのってひさしぶりだねっ!」

竜娘「ご、ご主人様何か私に出来ることって」

魔王「マッサージとかしてくれたら幸せだなぁ」ニコッ

竜娘「はいっ///」

スライム「あ!ボク、マッサージ得意ですっ!」

魔王「そっか、ありがとう」ウリウリ

幼エルフ「私もお兄ちゃんとあそびたいのにっ!」

幼エルフ「…そうだ!今日はお兄ちゃんといっしょにねちゃだめかなっ?」

吸血鬼「だぁーーッ!!」

856: 2012/02/10(金) 00:22:33.46 ID:26WLj1azO
魔王城近郊上空―――

ハーピー「なんデ魔王様は定期的にマタタビを買われるだろウ…」パタパタ

ハーピー「気にしても仕方ないことカ……アレは?」パタパタ

妖魔の地―――

座敷わらし「領主さまっ!妖弧さまっ!大変です!!」

氏者の都―――

ゾンビ娘「うぁぁー目はどこにー…!あった。」

ゾンビ娘「…なに…これ?」

861: 2012/02/10(金) 00:34:36.12 ID:26WLj1azO
賢者「こんな風に大変でも、優しい世界に向かうずっと幸せな日々が続いたらいいですね…」

魔王「…うん、そうだね」

賢者「…たまにラミアさんと喧嘩したり幼エルフちゃんを叱ったりしながら、私は魔王さまのお傍でずっと支え続けるんです…」

賢者「それで年をとってもたまには私のこと可愛いって言ってくださいね?//」

魔王「…賢者は可愛いなぁ」チュッ

賢者「…ぁぁぅ///」

魔王「…!なんだこの気配…」

ハーピー「魔王サマ!魔王サマ!…ハァ…ハァ…敵襲です!」

864: 2012/02/10(金) 00:36:51.58 ID:26WLj1azO
ハーピーは誤字や脱字しても気付かなくてごめんね!
買われるだろウ×
買われるんだろウ○

868: 2012/02/10(金) 00:51:30.57 ID:26WLj1azO
ズン…ズン…ズン…

魔王「…これは…」

ラミア「鉄で出来たゴーレムでしょうか…なんて量ですの…恐ろしいですわ…」

半馬娘「…あれは!妖魔の地での百鬼夜行で竜王様に手傷を与えた狂戦士と同じ鎧の者も多数見受けられます…」

賢者「魔王さま!直轄地の3つも恐らく目の前と同じ軍に…」

魔王「賢者…結界の準備を…」

871: 2012/02/10(金) 01:04:17.78 ID:26WLj1azO
魔王「遠視魔法」フォン

魔王「…幼エルフちゃん。あれに刻まれてるのはルーンで間違いないかな?」

幼エルフ「え?そんな!なんで?」

幼エルフ「ぅ…お兄ちゃんごめんなさいぃ!」ボロボロ

魔王「…幼エルフちゃんもエルフの皆も、何も悪くないよ?」

幼エルフ「でも……ぐすっ…だってぇ…」

魔王「…僕が所詮は時間稼ぎしかしてなかったのがいけないんだ」

881: 2012/02/10(金) 01:33:53.72 ID:26WLj1azO
?「―…っと早くせんか!役立たずの魔術師めっ!」

魔術師「申し訳ありません!国王陛下!ただいま拡声呪文を…」

?「皇帝じゃ!たわけ者めが!!」ガッ!

皇帝「―…聞こえるか魔王!」

皇帝「わしの城に乗り込み破壊の限りを尽くしただけでなく、わしの民を奴隷にした罪を償ってもらう時がきたぞ!」

皇帝「…どうだ?わしの魔導機兵団と狂戦士が貴様と魔族共の喉元に剣を突きつける感触は?」

皇帝「許しを請うても、もう遅いぞ?そもそも魔族共に慈悲など必要ないがのぉ!」クカーッカッカッカ!

魔王「・・・」

皇帝「半時だけ時間を与えてやろう…わしが貴様に味わった苦痛を存分に味わうがいいわ!」

903: 2012/02/10(金) 02:34:01.03 ID:26WLj1azO
魔王「水晶をここに…」

猫娘「にゃ!」

ピカーッ!
魔王「直轄地に住まう魔族の者共よ、戦いに備えるのだ。エルフや魔法が使える者は、側近と共に結界魔法を重ねてほしい。この水晶を介して行えば可能なはずだ」

魔王「敵はルーンで強化された狂戦士と機兵だ。どちらも生半可な攻撃ではダメージを与えることも叶わないだろう。結界魔法が保てなくなるまでは直轄地の中で待機していてほしい」

魔王「…この戦いは確かに不利だ。…だが希望がない訳ではない。何故なら我が魔王であるからだ!クハハハ!」

905: 2012/02/10(金) 02:49:43.63 ID:26WLj1azO
魔王「…これは人間の軍による攻撃ではあるが、人間を憎しみ怨む事はあってはならない」

魔王「理由はお前達が最も知っておろう?」

魔王「お前達は我の希望なのだ。世界を変える希望、幾末を照らす光だ」

魔王「ならばお前たちの希望には我がなろう。我が力と言の葉をもってしてお前たちの心に消える事のない光を灯そうぞ!」

907: 2012/02/10(金) 02:53:18.03 ID:26WLj1azO
魔王「それじゃ賢者。距離がある上に4箇所も大変だろうけど結界魔法をお願いできるかな?」

賢者「…嫌です」

911: 2012/02/10(金) 03:09:09.38 ID:26WLj1azO
魔王「え?」

賢者「嫌です!」

魔王「だって、皆を守る為には…」

賢者「…魔王さまは1人で戦いになるおつもりでしょう?そんなのダメだって言ってるんです!」

魔王「でも…」

賢者「嫌!いかないでください魔王さま…」ポロポロ

賢者「ぐすッ…私は…どうでもいいんです…魔族と人間の未来なんて…」

賢者「…私にとっての世界は…魔王さまが笑ってる世界だけが大切なんです…!」

賢者「…ぅっ…お願いです…ッ…ぃかないで…!勇者さま!!」ヒシッ

914: 2012/02/10(金) 03:27:56.83 ID:26WLj1azO
賢者「…ひっく…ぉ願いしま…すっ…転移魔法で何処かへ…」

魔王「…賢者は可愛いなぁ」ヨシヨシ

賢者「…勇者…さ…ま…?」

魔王「それは出来ないよ」

魔王「だって、僕はここで逃げたら…その世界で笑ってられないよ」

魔王「僕のことを信じてほしいんだ!」

魔王「氏を覚悟してたけど…受け入れる気はないよ。賢者の元に必ず帰るって約束する」

魔王「それに!僕は一度言い出したら聞かない事を一番よく知ってるのは賢者だよ?」ニコッ

916: 2012/02/10(金) 03:40:06.30 ID:26WLj1azO
魔王「そんなに泣いてちゃ皆とシンクロして魔法を維持出来ないよ!頑張って!」

魔王「…もう半時になるかぁ」

魔王「いってくるね!」バビューン!

賢者「…超拒絶結界を発動します!結界に触れないよう離れてくださいッ…!」ドーン!

920: 2012/02/10(金) 04:07:05.55 ID:26WLj1azO
皇帝「のこのこと目の前現れるとは…よほどの馬鹿とみた!」

皇帝「城の奥深くに籠って魔族共の断末魔を聞きながら惨めに震えていてもよいのだぞ?」クカーッカカカ!

皇帝「貴様が妙な魔法を使うのは知っておるがこの数には敵うまい!」

魔王「…転移魔法が得意なだけの若者だったんだけどなぁ」

皇帝「我が首をとろうとも無駄な事!あの襲撃後に国中の魔術師を集めたわ!」クカカカッ!

魔王「…魔王城は特異な力を持ってるとは思ってたけど、賢者に変化がないところを見ると玉座に何かあったんだろうなぁ。城の最深部にあるのにも理由があったわけだ」

皇帝「何をさっきからごちゃごちゃと!どこまでもわしを愚弄するか!もうよい全軍攻撃開始!」

魔王「ぐっ、グぁアぁアあァあア!!」

922: 2012/02/10(金) 04:30:36.07 ID:26WLj1azO
妖魔の地―――
領主「い、一体何が?機兵凄まじい勢いで…」

妖狐「…魔王様?じゃがしかしこの魔力の質は魔王様の…」

マンドレイク達の園―――
鳥人族「これが…魔王様のお力…」

アルラウネ「…まるで光ですわ」

氏者の都――――
骨「魔王様は…。人間の皆さん、避難すてください!あの機兵は人も骨も関係ねぇみてぇに結界に攻め行ってます!」

927: 2012/02/10(金) 04:49:55.08 ID:26WLj1azO
魔王「ォアア!」ズギャギャギャギャ!

皇帝「…なんじゃあの化物は…速すぎて姿が見えぬぞ…」

皇帝「よ、よし!軍の指揮は必要ない!わしはもう下がるぞ!」

フォンッ!
魔王「待て…」

皇帝「ヒィィ!!」

皇帝「ま、魔術師たち!どうした話が違うぞ!わしを守るのだ!」

皇帝「ま、まて魔王!貴様は人間を殺さぬと聞いたぞ!

魔王「魔族の地で、魔族と人間が共存しようとしてることは耳に入ってたのか!」

皇帝「ヒィィ!」

魔王「そうだろうな、中央王国とも交易の流れで繋がっていたからな!」

魔王「お前はそれで何故あの地を攻撃しようなどと考えたんだ!」

皇帝「い、今だ やれいっ!」

931: 2012/02/10(金) 05:06:36.30 ID:26WLj1azO
魔王「グ…ゴァ…ッ」ポタポタ

狂戦士ABCDEF「…」ザシユッ

皇帝「…クク…クカカカカ!油断しおって馬鹿め!」

皇帝「何故攻撃するのかと?簡単な事、気に食わんからじゃッ!」

皇帝「それの何が悪い!力を持ち、それを使い、奪う事で、国が潤う!民はわしを咎めるどころか感謝してるぞ!」

皇帝「貴様の目を見ていると…理想論ばかりで現実を見れぬ勇者を思い出し虫酸が走る!」

皇帝「さぁ…首を落として止めを!!」

ザンッ!

934: 2012/02/10(金) 05:20:08.86 ID:26WLj1azO
狂戦士ABCDEF「…グハァッ!」

竜族長「ほう?人間は辞めたのか?魔王よ」

竜族長「我は選ぶぞ。人を頃し誓いを破る事になろうとも貴様を生かす事を」

魔王「りゅ、竜族長…」

竜族長「こいつはどうする…?」ググッ

皇帝「ひッ!い、息が…」

魔王「…生かしておく」

竜族長「この期に及んでまだそんな甘い事を言うのか!」

魔王「違うんだ…こんな奴でも一国の王なんだ。頃してしまっては…グハッ」

竜族長「わかった…」パッ

943: 2012/02/10(金) 05:38:02.87 ID:26WLj1azO
魔導機兵「ガガガッ…」
狂戦士「…」


竜族長「…囲まれたか」

魔王「…ゴフッ…竜族の皆は?」

竜族長「…我と共にある」

魔王「そっか…。」

魔王「やっぱりさ…被り物の魔王なのってバレてたの…ッかな?」

竜族長「フハハ!娘はよく喋るからな」

竜族長「しかしお前は魔王だろうよ…」

魔王「はは…ッ!…ツンデレって意味知ってる?」

竜族長「それもまたの機会に聞かせてもらおう…客を待たせたままだ」

魔王「…そうだね」ニコッ


魔王「…行くぞ竜王!」

竜族長「ゴァァッ!!!」

14: 2012/02/10(金) 06:05:54.00 ID:26WLj1azO
学舎―――


賢者「――…後に、妖魔の地の領主が人間と魔族の間をとりつなぎ、幾つかの平等な条約を結ぶことになりました。」

賢者「魔族と人間の関係は、その時にもたらされた『光』によって少しずつ、世界を優しく変えていくでしょう…」

幼女「せんせー!じょーやくってなんですかっ?」

幼竜族「やくそくのことだよ!あったま悪いなぁ!」

幼女「ムキーッ!」

賢者「あぁこら、喧嘩しないの!!」

魔王「せんせー!先生は好きな人っているんですかっ?」

賢者「ま、魔王さまっ//」

幼竜族「ひゅーひゅー!」

賢者「せ、先生をからうんじゃありませんっ!///」

魔王「賢者は可愛いなぁ」ニコッ

27: 2012/02/10(金) 06:21:08.48 ID:26WLj1azO
何だかんだ楽しかったけどこれでおしまい。竜王さまがドンドンイケメン化して最初の人と違う人になっちゃったのが心残り

腱鞘炎の治療費は何処に請求すればいいのかな。おやすみケルベロス

29: 2012/02/10(金) 06:23:09.21 ID:QCFuG0Et0

起きたら続き書けよ

32: 2012/02/10(金) 06:25:45.78 ID:O3uo13xH0

引用: 勇者「魔王倒したら暇になっちゃった」