1: 2016/11/17(木)18:43:36 ID:ZuD
山賊「やいやいやい!強盗だ!金目のものを出せ!」

女騎士「・・・。」

山賊「おい、俺の声が聞こえないのか?金を出せと言っているんだ。おとなしく出せば命だけは許してやる!」

女騎士「・・・くっ・・・殺せ・・・頃してくれぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

山賊「え?」

女騎士「いいから早く頃して暮れええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)

2: 2016/11/17(木)18:46:41 ID:ZuD
山賊「お、おい嬢ちゃん・・・命が惜しくないのか?」

女騎士「命なんかあってもしょうがねえ!いっそのこと頃してくれぇぇぇぇ!!!!」

山賊「おいおい、落ち着けや、いったいどうしたっていうんだい?」

女騎士「頃してくれねえなら、自分で氏ぬ!!!いいからそのダガーを貸してくれ!!!!!」

山賊「ちょ!まて!待てよ!」

3: 2016/11/17(木)18:49:37 ID:ZuD
山賊「解った!解ったから!まずは落ち着こうな。とりあえず深呼吸だ!」

女騎士「ハァ・・・」

山賊「・・・。」

女騎士「・・・。」

山賊「落ち着いたか?」

女騎士「・・・。」

山賊「悪かった・・・俺が悪かったから、とりあえず事情を話してくれないか。悩み事とかあるんだろうけどさ、この際誰でもいいから言ってしまえば楽になるってもんよ。」

女騎士「も、もう終わりだ・・・。」

4: 2016/11/17(木)18:57:28 ID:ZuD
女騎士「・・・借金まみれで・・・もう何もかも持ってかれてしまった・・・」

山賊「もう何もって・・・確かに屋敷の中は何も無いな・・・だけどよ、お嬢ちゃん、諦めちゃいけねえ!どんなにどん底でも、ちゃんとまともに働いていけばいつかちゃんと報われるってもんよ」

女騎士「しかし・・・城の騎士団もクビになり、馬や剣や鎧も全部借金取りに持ってかれてしまった・・・。」

山賊「そいつは可愛そうだ・・・しょうがない、使えるかどうか解らないが、このダガーをくれてやるから、また一から生計たてなってば」

女騎士「そいつはすまねえ・・・だが、もう・・・だめだ・・・げほげほ」

山賊「まだなにかあるっていうんかい?」

7: 2016/11/17(木)19:02:17 ID:ZuD
女騎士「流行の病に掛かってしまってな・・・もう復帰も望めない・・・もう氏ぬのを待つだけだ・・・。だったらいっそのこと・・・。」

山賊「だめだ!弱気になっちゃだめだ!生きていれば何か挽回するチャンスはある!そうだ、少ないけど、この金で医者に行って、性のつくものを食べなさい。」

女騎士「かたじけない・・・だが、医者へ行く体力も、食事を作る力も無い・・・」

山賊「解った。医者も呼んでくる。飯もとりあえず作ってやる・・・だから、氏ぬなんて弱気な事言っちゃだめだ!」

9: 2016/11/17(木)19:08:18 ID:ZuD
女騎士「そ、そうだ・・・私はかき揚そばが好きなんだ・・・」

山賊「解った。かき揚そばでもなんでも作ってやるよ。とりあえず料理が出来るのと医者が来るまで横になって待ってな。」

女騎士「見ず知らずの私のためにすまない・・・。」

医者「あ、お待たせしました。患者さんはどこです?」

山賊「このお嬢ちゃんだ。」

医者「これは酷い・・・。」

山賊「そんなに酷い病気なのか?」

医者「とんだぺちゃぱい女じゃないか・・・悪いがこんな奴見てもつまらないから帰らせてもらう。」

女騎士「くっ!頃す!」

山賊「おいおいおい!ちょっと待て!」

女騎士「どっからあんな医者つれてきたんだよ。」

山賊「悪ぃ・・・俺も医者雇える金が無くてな・・・女騎士を見てくれと言ったら、格安で見てくれる医者を見つけてきたんだが・・・。」

10: 2016/11/17(木)19:11:23 ID:ZuD
女騎士「とりあえず、かき揚そばを食べて少しは元気が出た・・・しかし、流行病が・・・。」

山賊「やっぱりちゃんとした医者に診てもらわないと駄目か・・・。」

女騎士「山賊、もういい、今までありがとう・・・最後にいい思いをさせて貰った・・・それだけで充分だ。」

山賊「いやいやいや、まだ諦めちゃだめだ・・・そうだ!俺に良い案がある。戻ってくるまでちょっと待っててくれ。」

12: 2016/11/17(木)19:15:08 ID:ZuD
女騎士「夜が明けた・・・結局あいつは戻って来なかった・・・。今朝は特に外の騎士隊が騒がしい・・・だけど、隊を離れた私には知ったこっちゃ無い・・・。」

ガラガラガラ

山賊「またせたな・・・お嬢ちゃん。」

女騎士「いったい今まで何をしてたんだ?」

山賊「城に火を放ってきた。」

女騎士「え?」

山賊「だから、城に火を放ってやってきたんだよ。」

13: 2016/11/17(木)19:18:20 ID:ZuD
女騎士「そんなことしたら、お前捕まるぞ!」

山賊「ああ・・・」

女騎士「人生棒に振っていいのか?」

山賊「ああ、そうさ・・・だから・・・」

女騎士「まさか・・・」

山賊「今回の放火で俺の懸賞金も大きく跳ね上がったはずだ!俺を捕まえて騎士団に差し出せば、ちゃんとした医者にも診てもらえるだろ。」

14: 2016/11/17(木)19:20:09 ID:ZuD
女騎士「それから、私は医者のお陰で健康を取り戻し、放火犯を捕まえた功績により騎士団に復帰する事になった。」

それから・・・

15: 2016/11/17(木)19:26:17 ID:ZuD
国王「それでは、女騎士よ。魔王討伐を頼んだぞ・・・。」

王暦634年、魔族いる魔王軍が魔界ゲートから突如として人間界に現れ、王都目がけて進軍を開始。
王国は精鋭部隊を送るも、尽く撃破された。
主力部隊を失った王国は、魔王討伐のために女騎士を刺客として送る事を決めた。

女騎士「国王様、必ずや魔王軍を倒して見せます。」

あの山賊がどうなったかは解らないが、私の冒険は始まったばかりだ・・・


16: 2016/11/17(木)19:27:04 ID:tdb
オークが出てないぞ

17: 2016/12/12(月)21:06:34 ID:zTF
>>16
オークが出るのは魔王討伐の道中だよ

引用: 山賊「よし、この屋敷に決めた!」