憂「そんな恰好つけて答えても駄目だよ！」

唯「ぶーでもバンドやる以外にやりたいことないんだもん」

憂「やりたいとかやりたくないじゃなくて生きるために働かなくちゃだめなんだよ！」

唯「でっでもでも専業主婦は働かなくても生きていってるよ！」

憂「おねえちゃん結婚してないじゃん……」

唯「じゃあ憂の専業主婦になる！」

憂「それは良いか……って駄目！」

唯「なんで？」

憂「だって私たち結婚できないし」

唯「じゃあ専業家政婦になる！」

憂「ていうかそもそも家事全般やってるの私だから……」

唯「まさかおねえちゃんいらない子！？」

憂「だから働いてってばぁー」

唯「……」

憂「……」

唯「……憂」

憂「なに？」

唯「働くってとても素晴らしいことだって」

憂(まさかやる気になってくれた？)

唯「人間を人間たらしめる所以でもあるとも思う」

唯「でもだからこそその働くという行為に喰われたら負けなんじゃないかと」

唯「おねえちゃんはそう思うんだ……」

憂「……」

唯「……」

憂「じゃっじゃあ考え方を変えようっ！」

唯「？」

憂「さっきギター以外にやりたいことないって言ったけど」

憂「専業主婦とか家政婦とかは興味があるの？」

唯「興味があるっていうかまあやってもいいかなって」

憂「じゃあ他にそういう感じの仕事ってないかな？」

唯「うーん……」

憂「例えばOLさんとか」

唯「OLさんかぁ……」

おーえる！！

唯「課長お茶です」

課長「ありがとう」

唯「今日は玉露入りにしてみました」

課長「おぉどうりで旨いわけだ！いや細かい気配りができていいね」

唯「ありがとうございます」

課長「仕事のほうはなれたか？」

唯「あのそれが一つ聞きたいことがあるんですけど」

課長「なんだ言ってみたまえ！新人のうちは聞くことが大事だからな」

唯「OLって何するんですか？」

課長「えっ？」

唯「憂ぃ……クビになっちゃったよぉ」ｼｸｼｸ

憂「えっ！雇われてもないのにクビに！？」

唯「OLが何するかわからないって課長さんに聞いたら」

憂「それは怒られるよぉ……」

唯「とりあえずOLはわからないからパスです！」

憂「OLが駄目となると……先生とかはどうかな」

唯「先生！さわちゃんみたいになれば……」

せんせい！！

唯「みんなー英語の授業始めるよー」

生徒「あれ唯ちゃん髪切った？」

唯「おぉ！さすが若者！よく気づいたね！」

生徒「もしかして彼氏でもできた？」ﾆﾔﾆﾔ

唯「ぶぶー！割引券が昨日までだったからです！」

生徒「唯ちゃんおばさんっぽいー」

唯「何をー！これでもまだピチピチの20代ですのよ」

生徒「自分でピチピチってでも唯ちゃん可愛いのになんで」

ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ

唯「憂！大変だ！授業が進まないよ！」

憂（生徒たちと雑談でもしてたんだね）

唯「でもOLよりは想像できたし楽しそうかも」

憂「それならよかった！でも先生になるには免許取ったりしなきゃいけないから」

唯「免許？オートマならもってるよ」

憂「車のじゃないよお姉ちゃん！教員免許！」

唯「そうなんだー大変そうだね」

憂「うん。だからもっと他のものも考えてみよっ」

唯「えーもう疲れたよ」

憂「お姉ちゃん！！」

唯「うーじゃあ他にどんなのがあるかな？」

憂「その意気だよお姉ちゃん！」

唯「何かもっと興味のある分野でないかなぁ」

憂「じゃあ音楽系？」

唯「音楽系……」

憂「あっさっきの案と合わせて音楽教室の先生とかは？」

唯「音楽教室の先生……」

おんがくきょうしつのせんせい！！

唯「今日はドレミの歌をやります」

生徒「はーい」

唯「どーはどーなつのどー♪」

唯（懐かしいなー）

――数分後

唯「ぶんぶんぶん♪はちがとぶ♪」

生徒「せんせーい！ぼくたちも歌いたいー」

唯「あ……忘れてた」

唯「子供たちのこと忘れてた……」

憂「歌のほうに熱中しちゃったんだね……」

唯「先生はどうやら向いてないみたい」

憂「じゃあ音楽機材のお店で働くのは？」

唯「りっちゃんみたいに？」

憂「あっそういえば律さん楽器屋で働いてるんだっけ」

唯「そだよー」

憂「じゃあお姉ちゃんにも向いてるんじゃ」

唯「うーん……」

唯「ういー、セールスマンになったよ！」

憂「良かったね、お姉ちゃん！」

唯「うん！でねー、憂にも会員になってほしいんだ。」

憂「お姉ちゃんのためなら、もちろんOKだよ。」

唯「じゃあ、この化粧品100セット、買って」

憂「えっ」

唯「だいじょーぶ。憂は純ちゃんとかあずにゃんとかに売ればいいんだよ。こうすればみんな幸せになれるんだ」

憂「」




唯「・・・？」

マルチwwwwww

唯「憂、わたし目を覚ましたよ！マルチはダメ、ゼッタイ！」

憂「よかったぁ・・・。」

唯「今度こそ人を幸せにするものを売ることにしたよ。」

憂「お姉ちゃんすごい！なにを売るの？」

唯「幸せになる薬！」

憂「えっ」

唯「砕いて鼻から吸うんだって。おもしろいお薬だよね」

憂「」




唯「・・・？」

憂「大事になる前に足を洗えてよかったね、お姉ちゃん。」

唯「反省してます」ｼｭﾝ

憂「で、仕事だけど・・・」

唯「3度目の正直だよ！人を幸せにするよ！」

憂「で・・・何を売るの？」

唯「あったかお布団だよ！」

憂「ほっ」

唯「説明会に来てくれた人にはお菓子をプレゼント！」

憂「えっ」

唯「最終日には真夜中までかけて、このお布団の良さを親切丁寧にアピールするよ！」

憂「」




唯「・・・？」

唯『もしもし、ういー。わたしだよ、わたし』

憂「あ、お姉ちゃん、どうしたの？」

唯『そう、お姉ちゃんだよ！じつはさー、接触事故起こしちゃって・・・』

憂「えっ」

唯『相手が高級車だから、修理費払えって脅されていて・・・うい？ういー？』

憂「」




唯『・・・？』

唯「」ｼﾞｬｰ

唯「憂、見て見てー」

憂「コップに・・・水？」

唯「そう、台所で汲んできた水道水！」

唯「ここに、この錠剤を入れると・・・」ｺﾎﾟｺﾎﾟ

憂「えっ」

唯「はいっ、色が変わりました！これはねー、消毒のために入れてる塩素が・・・」

憂「お姉ちゃん」

唯「はい？」

憂「浄水器、いくつ押し付けられてきたの？」

うちにもそれ来たwww

唯「やっぱり、他人に物を売りつけようとしてたのがいけなかったんだよ」

憂「よかった、気づいてくれて」

唯「これからは、自分で仕事をして稼いでいくよ」

憂「そうだね。で、何をやるの？」

唯「やることは会社の人が教えてくれるって。とりあえず、このパソコンだけあればいいらしいよ」

憂「えっ」

唯「最新型の高級品だから、処理もすごく早いんだって。『うちの会社で仕事するにはこれくらいのスペックが必要だから』って言われちゃってさ」

憂「」




唯「・・・？」

女「で、『キミみたいな素敵な女性には素敵な絵が似あうから』って100万円もする絵を勧められて・・・彼の気分を害したくなくて、つい・・・。」

唯「うんうん、雰囲気に飲まれちゃう、ってあるよね。わたしもよく分かるよ。」

女「それで、クーリングオフ期間を過ぎた途端に連絡がつかなくなっちゃって・・・ううっ・・・！」

唯「なるほど、デート商法だね・・・。メールのログとかは、残してあるでしょ？一緒に頑張って解決しようね。」

女「ありがとうございます！」

男「定年後を考えて、自宅でできる内職を探してたんです。そしたら『パソコンでデータ入力するだけの仕事です、誰でも簡単にできます』ってが・・・。」

唯「ふむふむ・・・それで『パソコンの資格をとるためにこの教材を買うように』とか指示されなかった？」

男「え、なんで分かるんですか？！まさか、やっぱり・・・。」

唯「かなり怪しいケースだねー。実は、私も似たようなのに引っかかったことあるんだ。てへへ。」

唯「まだ契約は結んでいないんだよね？じゃあ、わたしが一緒に業者さんから話を聞いてあげる！」

男「経験豊富な先生が一緒にいてくれれば、百人力です！助かります！」

唯「まかせておきなさーい」ﾎﾟﾝ


憂「お姉ちゃん、本当に人を幸せにする仕事に巡り会えて、良かったね」

唯「うんっ！」ﾆｺ

唯「じゃ、次の依頼者さんのところに行ってくるからね。また後で！」

-true end-

( ；∀；)ｲｲﾊﾅｼﾀﾞﾅｰ

良かった乙

原作では「もうニートでいいや・・・」とか言ってたけどな・・・