1: 2016/11/22(火) 20:03:28.61 ID:tSUkmGCU.net
千歌「明日は晴れるの! 天気予報で言ってたもん!」

ダイヤ「その予報が変わったって言ってますの! だから明日の放課後はみんなでお勉強会にしますわ!」

千歌「やーだー!! んもー、果南ちゃんも何とか言ってやってよ。ダイヤさんってばチョー頑固!」

ダイヤ「なんですって! 果南さんはどう思ってますの!?」

果南「あはは……そうだねぇ」

どうも、松浦果南です。
この2人はことあるごとに大声あげてケンカするので、どちらの幼馴染でもある私としてはちょっと心配です。

果南「じゃあ明日どうするかは、明日になってから考えようよ」

千歌「なるほど」

ダイヤ「良いアイデアですわ」

2: 2016/11/22(火) 20:07:53.41 ID:tSUkmGCU.net
~別の日~

PC<サァ-ヒュメヲ-

ダイヤ「ほら、ひゅめをーって言ってますわ」

千歌「言ってないもん」

ダイヤ「いい加減認めなさい!」

千歌「言ってないもん!!」

またどうでも良さそうなことでケンカしている。
今日は何で言い争ってるのかな?

3: 2016/11/22(火) 20:12:57.62 ID:tSUkmGCU.net
千歌「ていうかダイヤさんが推してる絵里さんだって、曲の途中に何とかだーにゃって、あれ絶対何か言おうとして噛んだでしょ!」

ダイヤ「あれは噛んだんじゃありませんわ。立派な外国語なんですのよ!?」

千歌「じゃあだーにゃってどういう意味?」

ダイヤ「それは……多分、こんにちはとか、そういう意味ですわ」

千歌「そういう意味ってどういう意味なのーっ!」

ダイヤ「そういう意味はそういう意味なんですのっ!」

千歌「あ、果南ちゃん」

やば、見つかった。

5: 2016/11/22(火) 20:17:30.61 ID:tSUkmGCU.net
千歌「果南ちゃんはどう思う?」

知らないよ。

ダイヤ「こうなったら果南さんにハッキリ言ってもらいましょう」

分かんないって。

果南「うーん、そうだねぇ」

まあいいや。適当に答えちゃえ。

果南「お腹空いたからお菓子買いにいこ」

千歌「そだね」

ダイヤ「ですわ」

それでいいんかい。

7: 2016/11/22(火) 20:24:08.30 ID:tSUkmGCU.net
お菓子を選んでいると、2人がまたケンカを始めた。

千歌「だーめー! みかん味にするの!」

ダイヤ「そんなチョコ絶対ハズレです! 安定した人気を誇る抹茶味にするべきですわ!」

お店の人にも迷惑だし、早く鎮めないと大変だ。
この2人は私が止めないといつまでも争うんだから困ったものです。

果南「ダイヤ? 大きな声でハズレなんて言っちゃ営業妨害だよ」

ダイヤ「う、そんなつもりは……すみません」

千歌「ふっふーんだ」

果南「千歌? みんなで食べるお菓子なんだから自分の好みばかり言っちゃだめだよ」

千歌「うぐ……ごめんなさい」

ダイヤ「まったくですわ」

果南「ていうか、どっちも買えばいいんじゃない?」

千歌・ダイヤ「!」

結論を言うと、みかん味はハズレだった。

8: 2016/11/22(火) 20:28:51.42 ID:tSUkmGCU.net
~ある日~

千歌「あめんぼあかいなあいううぇお」

ダイヤ「千歌さん、途中で妥協したでしょう」

千歌「そんなことないもーん」

ダイヤ「お口を大きく開けて、一音一音しっかり発音するのです」

千歌「あー! めー! んー! ぼーっ!」

ダイヤ「そうそう」

9: 2016/11/22(火) 20:34:38.87 ID:tSUkmGCU.net
ダイヤ「……あわせてぴょこぴょこんぴょこぴょこ」

千歌「あっれー? ダイヤさん早口言葉できてないぞ~~~?」

ダイヤ「今のはたまたまですわ! よーくお聞きなさい!」

ダイヤ「かえるぷこぽこ……」

千歌「ぷっあっはっはっはっ! ぷこぽこって、ぷこぽこってぇ~~!」ケラケラ

ダイヤ「~~っ!」カァ-

10: 2016/11/22(火) 20:39:44.83 ID:tSUkmGCU.net
千歌「うわーん! 果南ちゃーんっ」」

果南「わっ、どうしたの」

千歌「ダイヤさんがほっぺつねるー!」

果南「ダイヤ、大人げないよ」

ダイヤ「千歌さんだって私のほっぺをつねりましたわ!」

果南「千歌、本当?」

千歌「うぇ……」

11: 2016/11/22(火) 20:44:31.22 ID:tSUkmGCU.net
果南「2人とも、お互いにごめんなさいしなさい」

ダイヤ「千歌さん、ごめんなさい……」

千歌「私もごめんなさい……」

果南「よろしい」

果南「ところで何でケンカしてたの?」

千歌「発声練習してたの」

ダイヤ「そしたら千歌さんが私のこと笑うんですのよ! ちょっと噛んだくらいで!」

千歌「だってかえるぷこぽこって言うんだよ!? 笑っちゃうよ!」

果南「ダイヤが、かえるぷこぽこ……ぷっ」

ダイヤ「果南さんまで……」カァ-

果南「ああごめんごめん、ごめんってばっ」

13: 2016/11/22(火) 20:50:26.79 ID:tSUkmGCU.net
~別の日~

PC<~♪ ~♪

千歌「やっぱり穂乃果さんの歌声がμ'sで一番だよね~」

ダイヤ「千歌さんは相変わらず分かってないんですのね。確かに穂乃果さんの歌声は素晴らしいものですが、一番となれば断然絵里さんに決まってますわ」

千歌「むっ。そんなことないもん、穂乃果さんの方が歌上手だし!」

ダイヤ「あなたにはエリーチカの麗らかな美声と豊かな歌唱力が分かりませんの!?」

ああ、また始まった。
仲良く曲を聴いていたかと思えばこれなんだから。

千歌「わーかーりーまーせーん!」

ダイヤ「むっかー!! ですわ!」

14: 2016/11/22(火) 20:55:49.10 ID:tSUkmGCU.net
ガラッ

ルビィ「こんにちは~」

千歌「ルビィちゃん!!」

ルビィ「ピギィ!」

ダイヤ「μ'sで一番は誰ですの!?」

ルビィ「一番? えっと~」

15: 2016/11/22(火) 20:58:11.07 ID:tSUkmGCU.net
ルビィ「ルビィはね~花陽ちゃんが一番好き! えへへ」

千歌「…………」

ダイヤ「…………」

ルビィちゃんの純真な笑顔に心を打たれて、推し争いがバカらしくなったみたい。
2人はイヤホンを分けて、またμ'sの曲を聴き始めた。

千歌「さぁ~ひゅめを~……」ボソッ

千歌もひゅめって言ってるじゃん。

16: 2016/11/22(火) 21:02:34.13 ID:tSUkmGCU.net
~別の日~

ダイヤ「絶対私の方が長いですわ」

千歌「ううん、私だもん」

ダイヤ「私ですわ」

千歌「わーたーしー!」

ダイヤ「わーたーくーしー!」

果南「もう、今度は何で言い争ってるの」

ダイヤ「どちらが果南さんと付き合いが長いか証明しているのですわ」

果南「えっ?」

千歌「私の方が長いもん。ねー果南ちゃん?」

ずいぶん昔のことだからいつ知り合ったのかも覚えてないよ。
でも2人にとって、私との関係が争点になるなんて……照れくさいけどいい気分かも。

18: 2016/11/22(火) 21:08:48.86 ID:tSUkmGCU.net
果南「記憶が曖昧だなぁ。もっと情報が欲しいな」

千歌「はいはいはーい! 私、ちーーーーさい頃から果南ちゃんと遊んでた!」

ダイヤ「小さい頃って具体的に何歳のことなんですの?」

千歌「うっ……いーじゃんそんなこと。とにかく小さい頃なの!」

ダイヤ「はい却下。それなら私だって小さい頃から果南さんとお友達でしたわ!」

千歌「むむむ……」

19: 2016/11/22(火) 21:13:05.57 ID:tSUkmGCU.net
ダイヤ「私と果南さんが出会ったのは桜が舞ったか雪が降ったかしてた頃」

ダイヤ「自然と惹かれ合うものがあったのか、いつしか一緒に遊ぶようになっていたのですわ」

千歌「なにそれ。ダイヤさんだって何一つ具体的じゃないじゃん!」

ダイヤ「仕方ないでしょう、覚えてないくらいちーーーーさい頃のことなんですもの!」

千歌「はーい、小さい頃って何歳のことなんですかー?」

ダイヤ「ぐぬぬ……ああ言えばこう言う……」

20: 2016/11/22(火) 21:17:32.56 ID:tSUkmGCU.net
鞠莉「ちっちっちー。ナンセンス!」

果南「マリー?」

鞠莉「いつ出会ったか? そんな些細なことどうだっていいわ。今一番果南と親しいのはこの私なんですもの!」

火種が増えた。

ダイヤ「なっ、どうしてあなたが一番だと言い切れますの!?」

千歌「私だって仲良しだもん! ねー果南ちゃん、ねー!?」

ダイヤ「どうなんですの果南さん!」

鞠莉「はっきり言っちゃって果南!」

3人でグイグイ言い寄られると怖いなぁ。

21: 2016/11/22(火) 21:22:58.65 ID:tSUkmGCU.net
私はみんなの頭を腕の中に引き寄せて、ギュッと抱き締める。

千歌「ふぁっ」

ダイヤ「な、なんですの……?」

果南「みんな私の一番大好きな友達だよ」

鞠莉「あったかぁい」スリスリ

付き合いの長さとか関係ない。
ここにいるみんなは本当にいい子たちだから、順位をつけることなんて私にはできないよ。

千歌「それじゃ答えになってないよ」

ダイヤ「そうですわ」

果南「…………」

2人のこめかみをグリグリしてやった。

25: 2016/11/22(火) 21:28:32.26 ID:tSUkmGCU.net
~別の日~

果南「あれ? 何してるの」

部室に来てみると、ダイヤに肩車された千歌が奇妙な動きをしていた。

千歌「新しいダンスの振り付けを考えてるの!」

ダイヤ「ステップを私が担当し、その他多様な動きを千歌さんが受け持つことで、1人ではできない複雑なダンスが……実現……」プルプル

果南「いやいや、肩車に精一杯でステップできてないし。千歌もバランス取れてないからフラフラしてるし」

千歌「やっぱ無理か~。いいアイデアだと思ったんだけどな」

ダイヤ「だから言ったでしょう……くっ……だいたい千歌さん、体重が増えたのではなくて……!?」

千歌「ギク」

26: 2016/11/22(火) 21:32:10.01 ID:tSUkmGCU.net
果南「ほら千歌、そろそろ降りてあげて」

千歌「ダイヤさん、しゃがんでー」

ダイヤ「無理ですわ……」

千歌「えっ」

ダイヤ「今の私は立っているだけでやっと……既に限界状態……しゃがめば確実に決壊ですわ……!」プルプル

千歌「そんな!」

27: 2016/11/22(火) 21:38:21.92 ID:tSUkmGCU.net
ダイヤ「千歌さん、今すぐダイエットを……早く体重を減らすのです……っ!!」

千歌「分かった! ふんっ、ふんっ」

千歌は肩車されたまま体操を始めた。

ダイヤ「だめですわ、不規則な震動は……くぅっ……あっ!」グラッ

千歌「わぁー果南ちゃん助けてーっ!」

果南「ちょっ、こっちに来ないで……ぎゃー!!」

決壊した。

29: 2016/11/22(火) 21:43:32.08 ID:tSUkmGCU.net
~ある日~

千歌「もぐもぐ」モグモグ

ダイヤ「千歌さん、ほっぺにお菓子がついてますわよ」

千歌「後で取る」

ダイヤ「だらしないですわ」

千歌「だって今取ったってまたつくかもしれないし」

ダイヤ「横着しないでその都度取りなさい! もう」フキフキ

千歌「んーっ」

30: 2016/11/22(火) 21:47:18.16 ID:tSUkmGCU.net
果南「2人とも、なんだか姉妹みたいだね」

ダイヤ「そうでしょうか」

千歌「じゃあ私がお姉ちゃんね」

ダイヤ「はぁ~? 私が1こ上なんですから、お姉さんは私に決まってますでしょう?」

千歌「だってダイヤさんは子供っぽいところあるしー」

ダイヤ「私が子供なら千歌さんは赤ちゃんですわ」

千歌「むかっ」

果南「あ、あはは……」

なんだか余計なこと言っちゃったみたいだ。

32: 2016/11/22(火) 21:57:50.55 ID:tSUkmGCU.net
千歌「ダイヤさんはもうお姉ちゃんでお姉ちゃんいないんだからお姉ちゃんじゃないほうがいいの!」

ダイヤ「またわけの分からないことを……」ヤレヤレ

千歌「妹は飽きたの。お姉ちゃんがやりたいーっ!」

ダイヤ「仕方ないですわね。ならば私の姉らしい振る舞いをしてみせてくださいな」

千歌「! やったー」

33: 2016/11/22(火) 22:01:22.29 ID:tSUkmGCU.net
千歌「えー、こほん。ダイヤ? 宿題はちゃんとしましたの?」

果南(ダイヤの真似してるだけなんじゃ……)

ダイヤ「宿題なら帰ってからきっちりやりますわ」

千歌「さすが私の妹ですわ。いい子でちゅね~よちよち」ナデナデ

ダイヤ「なんだか妹というより子供扱いされているような気が……」

ブツブツ言ってはいたけど、満更でもなさそうなダイヤだった。

34: 2016/11/22(火) 22:05:33.00 ID:tSUkmGCU.net
~別の日~

ダイヤ「放課後一番に食べるプリンは格別ですわぁ」ウットリ

千歌「あー! ダイヤさん1人でプリン食べてるー!」

ダイヤ「くっ、見つかってしまいましたか……」

千歌「……」ジ-

ダイヤ「……一口、食べますか?」

千歌「うんっ!」

36: 2016/11/22(火) 22:11:50.09 ID:tSUkmGCU.net
千歌「ああ、芳醇な香りとほのかな甘み、そしてとろけるような舌触り」

千歌「プリンさいっこー!」

ダイヤ「はいはい」

千歌「プリンはカラメルと絡むことでもっと美味しくなるんだよね~」

ダイヤ「そうですわね」

千歌「……」ジ-

ダイヤ「もうダメですわよ」

千歌「………………」ジ-----

ダイヤ「くっ……しょ~~~がないですわね! これが最後ですわよ。ほら!」

千歌「わーい! あーんっ」

38: 2016/11/22(火) 22:14:39.75 ID:tSUkmGCU.net
ダイヤ「!!」

千歌「どうしたの?」

ダイヤ「今、果南さんの姿が見えたような……」キョロキョロ

ダイヤ「気のせいですわね。果南さんにも一口あげていたら私の食べる分が無くなってしまうところでしたわ」ホッ


果南(別にいらないけどね。なんだ、思ったより仲良しじゃん)

39: 2016/11/22(火) 22:19:42.95 ID:tSUkmGCU.net
~別の日 部室~

千歌「すぅ……」

果南「あれ? 千歌ってば寝ちゃってるよ」

果南「こんなところで寝てたら風邪引いちゃうよ」

千歌「うぅん……ぐぅ」

果南「しょうがない。シーツか何か掛けるもの探してこよう」

40: 2016/11/22(火) 22:26:03.91 ID:tSUkmGCU.net
果南「ちょっと時間かかっちゃった。千歌、もう起きてるかな」

果南「おや? ダイヤだ」


ダイヤ「千歌さんは本当に世話の焼ける子ですわね」

ダイヤ「ほら、おーきーなーさーいー!!」

千歌「うぅん……」

ダイヤ「ちーかーさーん、朝ですよー!!」

千歌「あぁんうるさーいっ!」


果南(容赦なく起こしちゃうんだ……)

41: 2016/11/22(火) 22:29:11.23 ID:tSUkmGCU.net
果南「じゃあシーツはもういらないね。返してこよっと」

…………
………
……

ダイヤ「部室に来て寝てしまうなんて、時間がもったいないとは思いませんか」

千歌「だってみんなまだ来ないし~」

ダイヤ「せっかくみんなより早く来ているんです。私とお話ししたくありませんの?」

千歌「……したい」

ダイヤ「だから起こしましたの」

千歌「うん。ありがと、ダイヤさんっ」

千歌「えへへ」

42: 2016/11/22(火) 22:33:11.77 ID:tSUkmGCU.net
千歌「だからー手のひらはこう!」

ダイヤ「いいえ、ここはこうやって振りを大きく見せるのですわ!」

千歌「えー絶対こっちの方がいいよ!」

ダイヤ「いーえこっちですわ!」

部室に戻ってきたらまた千歌とダイヤが口論していた。

千歌「あ、果南ちゃん! ねー見て、ここの振りは絶対こうした方がいいよね!」クイッ

ダイヤ「そんなことありません。ここをこうした方がお客さんももっと臨場感を感じられますわ!」クイクイッ

まず何の振り付けなのか教えてほしいんだけど。

48: 2016/11/22(火) 22:39:44.49 ID:tSUkmGCU.net
千歌「だからね、ここをこうすることで白鳥のような華麗さを」

ダイヤ「甘いですわ。獲物を狙う大鷲のような豪快さを表現するべきです!」

果南「2人とも、狭い部室で踊らないでよ。危ないから……」

千歌「あっ」ツルッ
ダイヤ「ちょっ」
果南「えっ待っ……わぁっ!」

スッテ-ン

千歌「いったーい!」

ダイヤ「尻もちついてしまいましたわ……」

果南「あいたたたぁ……まったくもう」

スクールアイドルのこととなればひと一倍熱心になる2人なだけに、一緒になると何をやり出すか分からない。

時にはこうやって巻き込まれてしまうこともある。

果南「千歌とダイヤが絡むとロクなことがないよ」

ダイヤ「果南さん、何を笑ってますの?」

千歌「なんで笑うのー!」

果南「別にー? ふふ」

でも、それが結構好きだったりする。



おわり

49: 2016/11/22(火) 22:42:07.82 ID:tSUkmGCU.net
最後までありがとう

52: 2016/11/22(火) 22:57:36.41 ID:YNbS+1Fb.net
|c||^.- ^|| ハラショーですわ

引用: 果南「千歌とダイヤが絡むとロクなことがないよ」