369: 2013/11/04(月) 01:42:34.57 ID:W/uIdoQR0

最初から:モバP「小早川紗枝が実は人間じゃなかった」

前回:モバP「横山千佳が実は魔女だった」

佐城雪美(10)



P「雪美の仕事が終わりか。寮まで送ってやって……今日の業務は概ね終了か」

P「……なんだかあっという間に時間が過ぎた感じだな」

P「一日でいろいろ約束もできたし、覚えておかないと……」

P「おっと、待たせちゃまずいな。さっさといこう」

 ガチャッ  パタンッ

370: 2013/11/04(月) 01:44:54.92 ID:W/uIdoQR0
――――

――


雪美「…………」

P「おーい、雪美ー!」

雪美「………P……?」

P「うん。お待たせ……仕事、終わってたんだな」

雪美「……今……終わった………」

P「そうか。どうだった?」

雪美「…………ぐっじょぶ……?」グッ

P「やるなぁ、雪美。えらいぞー」ナデナデ

雪美「………うん……」ギュッ…

371: 2013/11/04(月) 01:48:13.27 ID:W/uIdoQR0
P「よーし、雪美。そろそろ……」

雪美「………」ギュ…

P「……仕事、うまくいったんならごほうびに何か買ってもいいんだぞ?」

雪美「……いい………」フルフル

P「そうか……じゃあ、帰るか?」

雪美「………もう少し……このまま………」

P「そうか……せめて、車に乗らないか? 寒さと……あと、周りの目もあるしさ」

雪美「……すぐに……いかないなら………乗る……」

P「わかった。しばらく話でもしよう?」

雪美「………うん……」

372: 2013/11/04(月) 01:51:46.46 ID:W/uIdoQR0
P(さーて、車に乗り込んだが……)

雪美「……P……」チョコン

P(運転席の膝上と来たもんだ。こりゃあ出発できないぜHAHAHA!)

雪美「………?」

P「あぁ、いや。なんでもないよ……ただ今日はいろいろあったなぁって思ってるだけさ」

雪美「…いろいろ……?」

P「うん、いろいろ。みんなの秘密を知ったというか、教えられたというか……」

雪美「………秘密…………」

P「そう。約束もしたし………」

雪美「……ズルい………私も…………」

P「え? 雪美……?」

雪美「……秘密………私……あなた……繋ぐ…………絆……」パァ…


>>377
雪美の正体

377: 2013/11/04(月) 01:53:27.78 ID:wUTjJ3MG0
小豆洗い

384: 2013/11/04(月) 01:54:22.79 ID:4cYWR5L+0
良い妖怪だネ

386: 2013/11/04(月) 01:55:46.13 ID:p/6SScNS0
やはり妖怪なのね

387: 2013/11/04(月) 01:58:29.87 ID:W/uIdoQR0
P(雪美の身体がほんのり光って……)

P「いったい何が……」

雪美「…………」シャカシャカ…

P「……えっ」

雪美「………小豆……あらおか……」シャカシャカ…

P「……え?」

雪美「……おちつく…………」シャカシャカ…

P(……すごく手慣れた手つきで、どこからか取り出した小豆を洗ってる……といでるのか?)

雪美「………秘密……」ムフー

P(あ、少し得意げだ。なんだこれ可愛いな)

388: 2013/11/04(月) 02:03:45.66 ID:W/uIdoQR0
P「えっと、雪美は………」

雪美「……私………小豆洗い…………」シャカシャカ…

P「やっぱり、そうなのか……」

雪美「………驚いた……?」

P「え、いや……」

雪美「……どきどき………」ジー…

P「お、おどろいたなー! すごいな、雪美が妖怪だったなんて!」

雪美「………秘密は……女を美しくする…………」ムフー

P「そうかー、のあさんか日菜子か、それとも紗理奈かわからないけど大人に教わったかー」

雪美「……そう…………」シャカシャカ…

P「小豆洗いだもんなー、すごいなー」

390: 2013/11/04(月) 02:06:26.12 ID:MmJXXI360
ぬ~べ~だと心を洗ってくれる妖怪だったな
確かに癒やされますわ

391: 2013/11/04(月) 02:07:23.53 ID:W/uIdoQR0
雪美「…………」シャカシャカ…

P(可愛らしいなぁ。小豆洗いか……なんか不思議とリラックスできるなぁこの音……)ナデナデ…

雪美「………♪」シャカシャカ…

P(まぁ、雪美らしいし……大抵のことはもう受け入れられる気もするなぁ、俺……)ナデナデ…

雪美「……!」ピタッ

P「ん、どうした雪美?」

雪美「………P……」

P「お、おう」

雪美「……私………怖い……?」

P「へ?」

雪美「…………教えて……」

P(こ、これはどっちだ? 妖怪のプライド的に『怖い』か? それとも、子供心で怖がられるのが怖くなったとか……)

392: 2013/11/04(月) 02:10:13.35 ID:W/uIdoQR0
雪美「………P……」

P「あ、あー……そうだな……」

雪美「………」ジーッ…

P「……怖くないよ。雪美だから、怖くない」

雪美「………本当………?」

P「本当だとも。プロデューサーウソつかない」

雪美「……そう…………」

P(……あ、あっれー? 無反応……間違えたかな……)

雪美「…………♪」シャカシャカシャカ…

P(……あ。間違ってなかった。よかった、ちょっと勢いでばらして焦ってたんだな。可愛いなもう)

393: 2013/11/04(月) 02:14:32.96 ID:W/uIdoQR0
P「……なぁ雪美」

雪美「………なに……?」シャカシャカ…

P「妖怪でも雪美は雪美だもんな。これからもいっしょだから大丈夫だよ」

雪美「………うん………」シャカシャカ…

P「秘密って言うのも、結構いろいろあるんだ。蛇さんだったりネコさんだったりウニさんだったりな……」

雪美「……うに……?」シャカ…

P「うん、ウニ。それでも明日からも変わらない……そういうもんなんだよ、きっと」ナデナデ…

雪美「…………うん……」シャカシャカ…

P「そろそろ、送るよ。雪美のおかげで元気出たし、明日からも頑張れそうだ」ナデ…

雪美「……よかった………」シャカシャカ…

394: 2013/11/04(月) 02:18:29.49 ID:W/uIdoQR0
――――

――

P(今日は、ラジオなんかもかけないでいいかな……)

P(エンジンの音。タイヤの音。街の音。それから――)

雪美「………♪」シャカシャカ…

P(小豆の音。おかげで今日の出来事もあったかく受け入れられそうだ)


P「雪美、ありがとう」

雪美「……?」シャカ…

P「あぁ、なんとなくだよ。今日もお疲れ様、明日も頑張ろうな?」

雪美「………うん……がんばる……」


P(雪美を送ったら事務所に戻って、明日の準備だけして帰宅かな……あぁ、いい日だった)

395: 2013/11/04(月) 02:20:38.69 ID:W/uIdoQR0
 


P「ただいま帰りましたー」

ちひろ「あらプロデューサーさん。おかえりなさい♪」

P「ちひろさん、まだ残ってたんですか?」

ちひろ「えぇ、プロデューサーさん1人に任せるのも忍びないですし」

P「あはは、ありがとうございます」

ちひろ「いえいえ。私は事務員さんですから」

P「事務員さん……今日は本当、いろいろあってついていくので精一杯でしたよ……」

ちひろ「ふふっ、ついてこられるだけでもすごいですよ♪」

396: 2013/11/04(月) 02:23:33.19 ID:W/uIdoQR0
P「……さて、明日の支度はだいたい終わりましたかね?」

ちひろ「そうですね、お疲れ様です」

P「ちひろさんこそ、ありがとうございました」

ちひろ「いいえ、こちらこそあの子たちを受け入れてくださってありがとうございました♪」

P「……まぁ、なんか割とすんなりいけるもんですねぇ」

ちひろ「身近なところにいるものですよ。道を歩いていてアイドルに会うのも人外に会うのもおんなじぐらいのものなんですから」

P「そうなんですか……?」

ちひろ「私が言うからには間違いありませんよ?」

P「ははは、確かに……最後にひとつだけ、いいですか?」

ちひろ「なんでしょう?」

P「ちひろさんの正体って、なんなんです?」

ちひろ「私ですか? 私の正体は――――」

397: 2013/11/04(月) 02:24:58.21 ID:W/uIdoQR0
  




ちひろ「事務員。千川ちひろですよ♪」

P「……それで通すんですね」

ちひろ「通しますとも、通りますとも。さ、帰りましょう?」

P「そうですね……お疲れ様でした」

ちひろ「はい、お疲れ様でした。おやすみなさい!」

P「おやすみなさい」


おわり

398: 2013/11/04(月) 02:25:49.29 ID:W/uIdoQR0
以上、お粗末様でした

思ったより綺麗だった。ちひろさんはちひろさんなの

399: 2013/11/04(月) 02:29:10.19 ID:m1VzhRSh0
おつおつ

400: 2013/11/04(月) 02:29:33.64 ID:p/6SScNS0
守銭奴ちひろ

404: 2013/11/04(月) 02:35:14.91 ID:SQ4PaXok0
乙。
ちひろさんの正体を探ると正気度判定が行われるんですね。わかります

続きます

引用: モバP「アイドルたちが実は人間じゃなかった」