122: 2013/11/17(日) 11:56:30.25 ID:FziztUDHo

最初から:モバP「小早川紗枝が実は人間じゃなかった」

前回:モバP「岸部彩華が実はFBAだった」

塩見周子(18)



 ガチャッ…

P「ただいまー……ん?」

周子「あ、おかえりー♪」モチモチ…

P「周子だけか? ……何食べてるんだ?」

周子「んー、実家から『いつもお世話になってるんだから』って持ってくように言われたんだよねー」モチモチ…

P「思いっきり今、ひとりで、食べてたよな?」

周子「美味しいよ? あたしが保証しちゃう」モチモチ…

P「しゅーこー?」

周子「……食べる?」

P「……はぁ。じゃあもらおうかな」

124: 2013/11/17(日) 12:02:23.20 ID:FziztUDHo
P「……うん、美味いな」

周子「でしょ? うんうん、八つ橋もいいけどおまんじゅうも結構美味しいんだよねー。今度取り寄せてみる?」

P「あー……悪くないかもしれないな……」

周子「おぉ、ノリノリ? じゃあお礼にサービスしちゃおっかなー? なーんて♪」

P「サービスねぇ」

周子「うん。はいプロデューサー、あーん♪」ヒョイッ

P「あーんってお前……」

周子「あれ、いらない? おっかしーなー」

P「……そういうサービスはいいんです、まったく」

周子「Pさんってばノリわるーい……」

P「だいたい、食べようとしたら自分で食べるだろ周子」

周子「あ、バレてた? 鋭いね、さっすがー」

125: 2013/11/17(日) 12:07:16.05 ID:FziztUDHo
P「そりゃあ、結構な付き合いだしな」

周子「んー、そっか。そうだよねぇ……」

P「………」

周子「ん、何かついてる? こっち? こっち?」

P「いや、別にそういうわけじゃないよ」

周子「そう? いや、あたしも一応プロだしねー。餡子つけたまま外歩くわけにもいかないじゃん?」

P「そんなことしたら食いしん坊アイドルって言われちゃうな?」

周子「あー、みちるちゃんに言いつけたろー」

P「……本人も否定しないんじゃないか」

周子「……あ、うん。やっぱそう思う?」

P(……しかし周子はいつもの調子だなぁ)

P(正体ねぇ……いったいなんだろう? 気になるけど――)

周子「あ、そうだ。ねぇPさん――」


>>127
周子の正体

127: 2013/11/17(日) 12:08:47.88 ID:PfgKthmpo
女郎蜘蛛

129: 2013/11/17(日) 12:14:13.06 ID:FziztUDHo
周子「そっちのとってー」

P「そっち? こっちのやつか?」

周子「じゃなくて、えっと……まぁいっか、よっ」シュルッ パシッ

P「えっ」

周子「ん、どーしたの?」

P「……それ、なんだ?」

周子「これ? しゅーこの糸だけど」シュルシュル…

P「……そーなのかー」

周子「うんうん、そーなのだー」

130: 2013/11/17(日) 12:21:28.08 ID:FziztUDHo
周子「やっぱりねー、同じ味ばっかだと飽きるよね」シュルルッ…ヒョイッ

P「……普通に使ってるが、いいのかそれ?」

周子「んー? だってちひろさんが『プロデューサーさんはみなさんの正体を知りたがってるみたいですよ♪』みたいなこと言ってたし、もう隠さなくてもいいかなーって」

P「それもそうだけどなぁ……」

周子「でっしょー? 便利なんだよね、コレ。遠くのものも取れるし」

P「……羨ましいな、それ」

周子「えっへん。まぁあたしは鍛錬とかしてないから眷属とかはいないんだけどね」

P「眷属?」

周子「うん、クモ。お母さんとかすっごいよ、本気出したら糸だけで家作らせれるんだもん」

P「……お母さんもなのかー」

周子「あたしは半妖ってやつ? 女郎蜘蛛と人間のハーフ♪」

131: 2013/11/17(日) 12:36:46.32 ID:FziztUDHo
P「ハーフか。その髪もその影響だったりするのか?」

周子「んー、どうなんだろ? 自分ではあんまり意識したことないかな」

P「そういうもんか?」

周子「そういうもんだよ。京都って悪さしない分には居心地いいんだよねぇ、れーみゃく? も巡ってるしさ」

P「……バリアン人にも心地いいのかな、霊脈」

周子「さー、どうなんだろ? あたしは追い出された時に結構ゼツボーしそうになったけど」

P「家出娘だったもんなぁ。拾ってよかったのか」

周子「よかったんだと思うよー。こうやって仕送りもらえるのも、仲直りできたのもプロデューサーのおかげだし?」

P「そうか……」

周子「そうそう。あー……ん、そうだ、あたしの特技見せよっか?」

P「特技?」

周子「うん。こうやって糸出して……ちょちょちょいのちょい、っと♪」シュルルルッ

P「お、おぉぉ……?」

周子「じゃーん、東京タワー」

P「……あやとり?」

周子「うん♪ どーよ、初披露♪」

134: 2013/11/17(日) 13:42:55.35 ID:FziztUDHo
P「器用なもんだなぁ……」

周子「んー、暇つぶしにはちょうどいいんだよね。何にももってなかったし?」

P「そうか……しかし綺麗な糸だなぁ」

周子「そう? 褒められると結構照れるかも」

P「周子の髪にもちょっと似てるけど、キラキラ光ってるしさ」

周子「んー、なんか……こう……もやもやするなぁ……」

P「どうしてだ?」

周子「なんかね、あれだよ。この糸もあたしの一部なわけだし……綺麗だーって言われるとさ、ね?」

P「そういうものなのか……」

周子「そういうもんなの。いや、嫌じゃないよ?」

P「そうか」

周子「うん、そう」

135: 2013/11/17(日) 13:46:10.45 ID:FziztUDHo
P「でもなぁ、綺麗なもんは綺麗だし」

周子「……そんなに気に入ったんならさ」

P「うん?」

周子「ちょっと待ってね……んー……」シュルシュルシュル…

P「お、おぉ……!? 手からだけじゃなく、口からも……!?」

周子「やば、やっぱ量出すとこっちの方が楽……ちょ、待って。なんか涎でてるみたいで恥ずかしいかも」

P「いや、なんか……」

P(……色っぽいな、なんて言ったら軽蔑されるかな)

周子「Pさん?」

P「あ、いや。なんでもない……」

136: 2013/11/17(日) 13:50:48.72 ID:FziztUDHo
周子「これを……ちょちょいのちょーい♪」シュピッ

P「……あみぐるみ?」

周子「ん。ちゃんと手からのほうで編んだよ? この前千枝ちゃんと仁奈ちゃん連れて鈴帆ちゃんに教わってみちゃったんだー♪」

P「へぇ、立派なもんだなぁ。半透明で、神秘的だ」

周子「でしょでしょ、よかったら持ってっていいよ?」

P「……あー、じゃあせっかくだし。ありがとう」

周子「どいたまー♪ 結構ガンジョーだから、お守りにしてもいいかもね」

P「それもいいなぁ……」

周子「んー……っと、それじゃ、しゅーこはそろそろアイドル活動しなきゃいけないし。お留守番しててね、Pさん?」

P「おう、いってらっしゃーい」

周子「いってきまー……と、ありゃ? >>139ちゃんおはよー」

139: 2013/11/17(日) 13:52:32.82 ID:9zgt0tOSo

引用: モバP「アイドルたちが実は人外ばかりだった」