92:◆TLyYpvBiuw   2015/01/30(金) 23:01:27.46 ID:a1Q0yUvCo


【第五話 北上さんと大井っち】


大井「けけけけけけけ結婚!?北上さんと提督が!?」

北上「『ケッコンカッコカリ』だよー」

大井「で、でも!婚姻、及びそれに準ずるものでしょ!?」

北上「準ずるものってなによ……別にそんな深い意味はないと思うんだけどなー」

大井「はぁ~~~あ!北上さんったらぁ~~!」

北上「提督はいい人じゃないさ。大井っちもそう思うでしょ?」

大井「それは、悪い人ではありませんけど、でもでもぉ」

北上「だーいじょうぶだって、別に襲われても酸素魚雷でドカンだよ。それにさらに強くなれるんだってさ」

大井「ううう……」
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93: 2015/01/30(金) 23:02:23.93 ID:a1Q0yUvCo



大井「ってことが……」

陸奥「別にいいじゃないの。カッコカリ、でしょ?」

荒潮「そうよ~。別に北上さんを奪われたわけでもあるまいし」

大井「でも……」

愛宕「大井ちゃんは北上ちゃんのことになるててんでダメねぇ」

潮「あの、どうしてそんなに北上さんの事を……?」

大井「話せば、長くなるわ……」

94: 2015/01/30(金) 23:03:34.01 ID:a1Q0yUvCo

昔、私達がまだちっちゃかった頃の話……。

ワイワイキャッキャッ

大井「……」ポツーン

私ってば恥ずかしがり屋だったから、いつもひとりぼっちだったの。
他の子達に声もかけれなくて、友達なんて一人もいなかった。
次第に私は、友達なんていらないって思い始めたわ。
でも、そんな殻に閉じこもった私の心に、土足でズカズカと入り込む不届き者が現れた。

「ねえ、なんで一人ぼっちなの?友達いないの?」

驚いたし、すごくムカついたわ。しかもその子すごく無神経でマイペースで、人の気持ちなんてひとっつも考えない。
勝手に『大井っち』だなんてあだ名も付けるし。

95: 2015/01/30(金) 23:05:09.88 ID:a1Q0yUvCo

「ねえ大井っち。暇でしょ?遊ぼう」

大井「今忙しいの!」

「あっちセミがいたんだよいっぱい」

大井「向こう行って!」

「ねえねえ大井っち」グイグイ

大井「引っ張らないでよ!あなたは何なの!」

「アタシ?アタシは……」

そう、それが……。

「アタシは軽巡、北上。まーよろしく。」

あのふてぶてしさったらないわ。思い出しただけで笑いが出ちゃうもの。
でも、『ああ、この人には敵わないな』と思ったの。
それから北上さんと私の関係は始まったのよ。

96: 2015/01/30(金) 23:06:25.10 ID:a1Q0yUvCo


大井「姉妹艦だと知ったのは結構後になってからだったわ」

陸奥「へぇー、そんな過去があったのね」

愛宕「でも今の北上ちゃんに対する態度にしてはちょっと理由が弱くない?」

潮「私も、そう思います」

荒潮「まだ何かあったの?」

大井「そうね、大きなイベントなんかなかったけど、その時からずっと一緒だもの」

陸奥「あー……ひょっとして北上以外に友達がいなかったとか?」

大井「……そうよ」

荒潮「あらら」

大井「そういえば、一つだけあったわね」

97: 2015/01/30(金) 23:07:23.69 ID:a1Q0yUvCo

陸奥の言う通り、私には北上さん以外に友達と言える人はいなかった。今はみんながいるけど。
でも北上さんはそうじゃなかった。私以外の友達なんかたくさんいたわ。
そこで、私が北上さんの負担になってるんじゃないかって思ったのよ。
私は北上さんを避け始めた。

北上「大井っちぃ、一緒に酒保行こー」

大井「ごめんなさい北上さん。私ちょっと用事があるから……」

北上「そっか、残念」

北上さんはやっぱり不自然に思ったのでしょうね。
ついに問い詰められてしまったわ。

98: 2015/01/30(金) 23:07:50.00 ID:a1Q0yUvCo

北上「大井っち、どうしてアタシを避けるの?」

大井「え?避けてなんか」

北上「大井っちがアタシに嘘がつけるわけがない」

大井「嘘だなんてついていません」

北上「嘘つき」

大井「そんな、北上さん?どうしたんですか?」

北上「アタシ何か悪いことした?」

大井「まさかでしょう」

北上「じゃあなんで避けるのさ」

大井「だから避けてなんか」

北上「大井っち!!」

99: 2015/01/30(金) 23:09:12.95 ID:a1Q0yUvCo

大井「!」ビクッ

北上「アタシに何か悪い事があるんならすぐ言って!!勝手にアタシから離れていかないで!!」

大井「き、北上さん……」

北上「何が悪いの!?アタシが何したって言うの!?」

大井「……」

私は全て白状したわ。私が北上さんのそばにいたら、北上さんのためにならないんじゃないかって。
だから離れて行こうとしたって。

北上「そんなこと……ダメだよ、大井っちがいないと、アタシ……」ジワッ

大井「ごめんなさい北上さん」

北上「うぅぅぅ……やだよぉ……勝手にいなくなっちゃうなんて……」グスグス

大井「北上……さん……」

北上「自分を切り捨てないでよ……誰かの為にいなくなろうなんて、間違ってる、無責任だよ……」

この言葉は、なぜだかわからないけど、私の心の奥底、というか魂、のようなものに響いた気がしたの。

100: 2015/01/30(金) 23:10:25.15 ID:a1Q0yUvCo

大井「それ以来、私は北上さんの傍に、ずっといることにしたわ」

陸奥「ほぉ~」

愛宕「いい話じゃない!」

潮「素敵なお話です」ウルウル

荒潮「そうね、感慨深いわぁ」

大井「でも、北上さんったら……」

陸奥「もう答えは出てるんじゃない?」

大井「え?」

101: 2015/01/30(金) 23:11:32.98 ID:a1Q0yUvCo

愛宕「そこまで言った北上ちゃんがあなたから離れていくと思う?それも自分から」

荒潮「本当に『カッコカリ』なのよ」

潮「大井さんはちょっと不安だっただけなんですよ」

陸奥「だから、誰かに話して肯定して欲しかった。でしょ?」

大井「……そうね。そうかもしれないわ。だって北上さんは私の親友だもの。どこかに行ってしまうわけないわ」

陸奥「そうよ、あなたの親友、B.S.B.F.F.よ」

「えぇ?」

陸奥「Big Sister Best Friend Forever.」

「あぁ~」

102: 2015/01/30(金) 23:12:58.06 ID:a1Q0yUvCo

大井「よし、そうと決まったら祝福しなくちゃ!」

「おーーい!大井っちー!」

大井「あ、北上さん!」

北上「やっほー。あ、みんないつも大井っちがお世話になってます~」

愛宕「あら、北上さん。提督とケッコンカッコカリするそうね」

北上「そだよー」

大井「おめでとう、北上さん!」

北上「んー、ありがとー」

大井「B.S.B.F.F.です!」

北上「B……なに?」

大井「ふふふ、なんでもないです」

北上「ふぅん。ま、いいけどね」


.

103: 2015/01/30(金) 23:13:29.20 ID:a1Q0yUvCo

ルールルールルル♪ルールルールルル♪

多摩「クソ辛気臭いお話から変わりまして、『多摩の部屋』へようこそにゃ」

加古「クソ辛気臭いって……あー多摩とあたし加古が送る、ちょっとしたトークショーだ」

多摩「このコーナーではお便りを紹介していくと共に、ゲストとお話をしていくにゃ」

加古「そんじゃあ、今回のゲストは!」

多摩「アニメで大活躍、改二実装で人気沸騰中のあの人!吹雪にゃ!」

吹雪「こんにちは!吹雪です!」

104: 2015/01/30(金) 23:14:15.19 ID:a1Q0yUvCo

加古「アニメの主役に抜擢されたんだってね」

吹雪「そうなんです」

多摩「多摩も出たにゃ」

加古「そうだったな。カッコよかった」

吹雪「はい!多摩さんもすっごくかっこよかったですよ!」

多摩「まあ、戦闘本能がそうさせたにゃ」

加古「それじゃあどんどん質問していこうか。アニメの主役として活躍している吹雪さん!あなたは」

105: 2015/01/30(金) 23:15:01.13 ID:a1Q0yUvCo

多摩「睦月とはぶっちゃけどこまでいってるにゃぁ?」

加古「ちょっと、下世話なことを」

吹雪「チューまで……///」

加古「答えるのかよ」

多摩「睦月といえば4話ラストにゃ。名演技にゃ。アニメが嫌な人でもあそこは見といたほうがいいにゃ、ガチで」

加古「えー、アニメの質問ばっかりしちゃアレだから。改二になった気分はどうよ?」

吹雪「そりゃあもう!嬉しいですよ!」

多摩「吹雪は対空を強化されてたにゃ。いいにゃー改二になれる艦は」

加古「そんな愚痴っぽいこと言うなっつの。まあ球磨型はアレだから言いたくなる気持ちはわかるけどさぁ」

カコモカイニニナレルヨ!

加古「ありがとう」

106: 2015/01/30(金) 23:16:04.84 ID:a1Q0yUvCo

吹雪「多摩さんもきっと改二になれますよ!北太平洋の司令塔のような存在だったじゃないですか!」

多摩「そうにゃ、い~~~いこと言うにゃ~~~吹雪は」

吹雪「南北を駆け回った大武勲艦なんだから今まで改二が来てないのがおかしいんです」

多摩「そうにゃ!もっと言って!」

吹雪「多摩さんすごい!」

多摩「もう一声!」

吹雪「多摩さん素敵!」

多摩「もっともっと!」

吹雪「多摩さん最高!」

キャッキャッ

加古「……まっ、そのうち飽きるか。お便り読んでいく」

107: 2015/01/30(金) 23:16:45.03 ID:a1Q0yUvCo


ゲストリクエストは無視したわけではなかったんだ……ただ「やったね!若葉リクエストしよ!」と思ってたら2レス後に出てきたから……


加古「彼にはわるいことしちゃったな。ゴメンナサイ」

若葉「いるぞ」

加古「だから急に出てくるなっての!」

若葉「次回はこの若葉だ」ピース

加古「という事らしいです。ちょっと順番入れ替わるけどすまんね」

108: 2015/01/30(金) 23:17:55.26 ID:a1Q0yUvCo


最初の方に出てきた島風の妹とかまた見たいなぁ


加古「あーいたな」

ジャアチョットシッピツシテクル!

加古「いってらっしゃ……古鷹が書いてたのか!?」

ウソダヨーン!

加古「そ、そうか。なんかテンション高いな」

若葉「馬鹿姉妹は置いといてスケッチの続きだ」

加古「ちょっと待て誰が馬鹿だ!」

カコ

加古「えーっ!?」

109: 2015/01/30(金) 23:18:46.64 ID:a1Q0yUvCo


食の安全、衛生。食に携わる企業には重要なことです。

間宮「より良い食材、安全な食材にこだわっています」

皆様の食卓に、美味しいと安心を。

藤川食品

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110: 2015/01/30(金) 23:19:48.48 ID:a1Q0yUvCo


榛名「えー、先日行われた粗食グランプリ、優勝はまるゆ選手に決まりました。
   この大会は兵站の重要さを身にしみて味わうために催され、優勝者には金一封と長期休暇が与えられます」

霧島「二位は秋月選手ですが、第11ステージの『ソテツ地獄』でリタイヤ、まるゆ選手は用意された全てのステージをクリア。
   秋月選手に大差をつけ、見事優勝に輝きました。第三位はあきつ丸選手、第7ステージの『磯風クッキング』でのリタイヤでした」

榛名「これについてまるゆ選手は『ガ島に比べたら大したことじゃない』と述べ、自身の境遇を語りました」

霧島「次です。最近鎮守府では親しい友人に『大好き』と伝えるというものが流行っています」

榛名「これは大変素敵なことです!」

霧島「しかしこれにより、一時的に寮がラOホテルのような状態となり、憲兵本部は注意を呼びかけています」

榛名「百合素晴らしい!」

霧島「……そのー『百合素晴らしい!』っていうのも流行ってるんですか?」

榛名「大ブームですよ!霧島は遅れてますねぇ」

霧島「いや、別に……そうですか……」





-Continue to next timeなのです-

111: 2015/01/31(土) 02:40:44.75 ID:hE22XPNIo
妹たちのちょっとイイハナシだったのに、、、
多摩姉ヒドイ

次回:変な艦これ劇場 -お話は変わりまして-【第六話 アニメ制作秘話】


引用: 変な艦これ劇場 -お話は変わりまして-