146: 2012/02/24(金) 02:30:23.44 ID:x7A8QCaD0
IDの数だけこんな展開…っていうノリで書いたら長くなった


今日の体育はバレーだ。

京子(私球技ってあんまり得意じゃないんだよなあ…)

なんてことを考えながら、壁に向かってボールを打ってみる。
しかし、ボールは真っすぐには飛ばず、壁に跳ね返ってあらぬ方向へ飛んで行った。

京子(うおっ、めんどくさい…)

取りに行こうとは思えず、チラリとコートで試合をしているだろう結衣に視線を移す。
そこには丁度、綺麗なテイクバックを腕で描いて飛びあがる結衣の姿があった。
端正な横顔、少し食いしばった歯、ボールを睨む目、ダイナミックな動きのスイング。
そして次の瞬間

バシーン!

結衣のアタックしたボールが相手コートを叩く、強烈な音。
水を差したように、一瞬静まり返る体育館。
皆がそのアタッカーを見ていた。

京子「…!」

…私も例に洩れず、結衣に…今更結衣なんかに、強烈に見とれてしまった。
ゆるゆり なちゅやちゅみ!+ +1

147: 2012/02/24(金) 02:31:14.09 ID:x7A8QCaD0
「ゲームセット!」

「「キャーー!」」

響き渡る審判のコールと黄色い悲鳴。結衣のもとに走りよるチームメイトたち。
みんなが騒ぐ中、一方の私は何も考えられず、一歩も動けず、
…ただ皆にもみくちゃにされる結衣を見ていた。

京子(不意討ちでかっこいいことしやがってー…!)

悔しまぎれに心の中で呟いてみても、見とれてしまった事実は変わらない。
しかし見つめすぎたか。
私の視線に気づいた結衣が、
落ち着きを取り戻したチームメイトの輪を離れてこちらにやってきた。
やってきた…?

京子(え、ちょっと、なんでこっち来んのさー!なんか今はダメだって!
   凄く恥ずかしいから!ダメだっていってんだろ!止まれ!止ま…ん?
   ……恥 ず か し い?)

京子(恥ずかしいって何が?
   結衣がこっちに来るのが?結衣に声かけられるのが?
   結衣が私を見てるのが…恥ずかしい!?)

148: 2012/02/24(金) 02:32:14.92 ID:x7A8QCaD0
京子(ないない!ないって!絶対ないって!だって今更じゃん!
   確かに結衣はかっこいいけど!女だし!
   何回も泊まり行ってるし!有り得ない、
   有り得ないかr 結衣「京子?こっちをずっと見てたけど、どうかしたか?」

京子「!!い、いやあ!さすが結衣さんかっこいいではないかー!」
  
京子(いきなり話しかけんなっつーの!びっくりするだろ!
   そしてびっくりしたからだろ!?この胸のドキドキは!
   そうであってくれ…!)

結衣「別に、ってお前…顔赤いぞ?熱でもあるんじゃないか?」

そう言った結衣の手が、私の額に伸びる。

京子(おでこに手!)

そう思った瞬間、私は勢いよく飛びのいていた。

結衣「うわっ!な、なんだよ」

京子「へ!?いや、…その…ゆ、結衣にデコピンされるかと思ったよ!うん、あははは…」

何とかごまかせたかな、と思った次の瞬間。

結衣「ハア…するわけないだろ」

そう言った結衣のツッコミのチョップが、私の頭にトン、と入った。

149: 2012/02/24(金) 02:33:18.36 ID:x7A8QCaD0
京子「~~!!ぎゃあぁぁぁ!!」

触った。結衣の手が。私の頭を。触った!
それだけで私の思考は混乱する。

京子(恥ずかしい!なんで?なんでこんなに恥ずかしいの!?訳がわかんない!)

思考が。

京子(訳わかんないよ!わかんない…うう…分かんないよぉ…)

懐かしいような、知らないような気持が。

京子(教えてよ、胸が痛いよ、何かに掴まれたみたいに痛いよぉ…
   なんなのこの気持ちは…ねえ、結衣ぃ)

溢れだした。

京子「う、うぇぇ~ん!結衣ぃ~!」

結衣「え…泣い…!?京子!?ごめん痛かった!?」

京子「うわぁ~ん!違うよぉ~!結衣ぃ~!」

「結衣ちゃん、京子ちゃんどうしたの…?」「大丈夫京子ちゃん?」ザワザワ

みんなが集まってくる。どうしたかなんて私がききたいよ…!

結衣「わ、分かんない。さっきからちょっと体調悪そうだったから…
   ちょっと保健室に連れていくよ」

150: 2012/02/24(金) 02:34:27.26 ID:x7A8QCaD0
結衣「ほら、京子。歩けるか?肩貸そうか?」

そう言って私に触れようとする結衣。
これ以上触れられたらどうなっちゃうかわからない。
私は泣きながら必氏に首を横に振った。

京子「うああ~ん!だ、大丈夫だからぁ!」

結衣「そ、そうか?それじゃ付き添うから一緒に行こう」

結衣に優しくされて、また私の胸は締め付けられる。
でもこれ以上泣き叫ぶわけにはいかないから、なんとか我慢して歩き出す。

結衣「ほら、靴履き替えろ」

京子「うっ、ぐす…ありがとう」

そうして私たちは本校舎へと歩き出す。
体育館からの渡り廊下を、泣きながら結衣の後ろについて歩く。

京子(結衣の後ろを歩くのは何年ぶりだろ…)

なんてことを思う。この光景、この気持ち。いつか味わった、気がする。
いつからか、忘れていたのか、押し頃していたのか。
止まらない涙は、今まで知らないふりをされてたこの気持ちの、何年分もの涙なんじゃないだろうか?

京子(…らしくない。何考えてんだろ)

151: 2012/02/24(金) 02:35:12.60 ID:x7A8QCaD0
分からない。この気持ちがいつから私の中にあったかなんて。
結衣と最初に出会ったとき?結衣が初めていじめっ子から守ってくれたとき?
転んだ私の傷をなめてくれたとき?それとも、さっき結衣がアタックを決めたとき?
分からない。

京子(考えるだけ無駄…かな)

今は、この気持ちがここにある。それだけで十分なことじゃないか。

渡り廊下を歩く結衣と私。
ふと、私の頬を撫でる、少し暖かい風。
ああ、長い冬を越えて、ようやく、春が訪れようとしている。
せっかくこれから楽しい季節だというのに。泣いてるなんて、なんだか損だ。
笑っていないと。

京子(そう、私はスーパープリチーな歳納京子ちゃんなのだから!)

京子「う、ぐす…くくくく…あはははは!!」

結衣の右を走り抜けて、その腕を引っ張り、校舎に走り込む。

結衣「!?京子!?どうし…っておい!急に引っ張るな!」

152: 2012/02/24(金) 02:35:46.06 ID:x7A8QCaD0
京子「ぐすん…えへへ。ほらー結衣!早く保健室に行くぞー!」

左手に感じる結衣の体温は、やっぱり私の胸を締め付ける。
でも、もう泣かない。泣く必要はない。
この気持ちは、もう押し殺さない。
だから、

京子「結衣ー!覚悟しとけよーー!!」

結衣「?」



おわゆり

153: 2012/02/24(金) 02:38:15.16 ID:x7A8QCaD0
眠いしチェックもしてないのでミスあるかも
どこか違和感だとか変なところがあれば指摘をお願いします

IDの数だけこんな展開があるので、780回もこんなことやるんですね
めんどくせえバカップルだぜ(歓喜)

154: 2012/02/24(金) 02:39:15.84 ID:a6AkHkoQO
すばらしい青春やね

引用: 【ゆるゆり】船見結衣ちゃん応援スレ