1: 2015/08/07(金) 17:22:09.25 ID:wXs9QzeU.net
ー青の国ー


花陽「どうしよぉ…」

花陽「みんな探してるだろうな…」

花陽「だ、誰かタスケテーっ!」


ガササッ

花陽「ぴゃぁぁぁ!!」ビクッ

凛「あれっ」

凛「ここでなにしてるのー?」

2: 2015/08/07(金) 17:27:44.80 ID:wXs9QzeU.net
花陽「あ、あ、えっ…と」

凛「…だいじょうぶ?」

花陽「う、はい…!」

凛「助けてーって聞こえたけど」

花陽「お家に、帰れなくなっちゃって…」

凛「ってことは迷子ってやつかにゃ」

花陽「……」ウルウル

凛「わっ、ごめん泣かないで!」

3: 2015/08/07(金) 17:31:23.23 ID:wXs9QzeU.net
花陽「ふぇぇぇ…」グスッ

凛「うーん、困ったなぁ…」

凛「そうだ!凛が探してあげるよ!」

花陽「凛…ちゃん?」

凛「うん、そうだよ!」

花陽「……私は花陽って言うの」

凛「花陽、花陽…じゃあかよちん!」

凛「ほら、探しにいくにゃー!」

4: 2015/08/07(金) 17:45:04.00 ID:wXs9QzeU.net
花陽「…ありがとう、凛ちゃん」

凛「うん!」

凛「どんなところに住んでるの?」

花陽「えーと…」

凛「ここは端っこのほうだから…遠いかな?」

花陽「え、端っこ?」

凛「青の国のスタースカイ森だよ!」

花陽(あ、青の国…!?!?)

花陽「……」

花陽「た、多分向こうの方だと思うけど…」

凛「じゃああの川の辺まで歩こっか」


ーーー

凛「ここまで来ちゃうと赤の国何だけど…」チラッ

凛「ほら、見張ってる人がいるにゃ」

5: 2015/08/07(金) 17:50:52.82 ID:wXs9QzeU.net
花陽「あ、あのね凛ちゃん…」

凛「…うーん、あんまり近づいちゃダメって言われてた気がするなぁ」

花陽「凛ちゃん!」

凛「な、なに?」

花陽「花陽は、赤の国に住んでるの…」

凛「え……」

花陽「ごめんねっ、でも助けてくれたの嬉しかった…」

凛「赤の国なんだっ!」パァァ

花陽「えぇぇぇ!?」

6: 2015/08/07(金) 17:55:37.53 ID:wXs9QzeU.net
凛「どんな国なの?ねぇねぇ!」ピョンピョン

花陽「ち、近いよぉ…//」

凛「だって、みーんな言うんだよ?」

凛「赤の国には何も無くて、悪い人しかいないって」

花陽「そんなことないよ…?みんな優しいし、いっぱい楽しいところもあるし」

凛「そうなんだぁ~」

花陽「あ、青の国には…何があるの?」

凛「えっとね!」


ーーーーー

花陽「いっぱい話しちゃったね…」

7: 2015/08/07(金) 18:04:28.08 ID:wXs9QzeU.net
凛「うん!すごく楽しかったにゃー♪」

花陽「花陽も…。あんまり皆と遊べないから」

凛「あ、凛もそうなの!」

花陽「…いろいろ同じだね」クスッ

凛「だからまた会おうね?かよちん」

花陽「…うんっ!」

凛「目瞑って?」

花陽「へ…」

チュッ

花陽「ふぁぁ///」

凛「あはは、ほっぺにちゅーしただけだよ♪」

8: 2015/08/07(金) 18:18:03.84 ID:wXs9QzeU.net
凛「じゃ、またね!」タタッ

花陽「…凛ちゃん」

花陽「あ、夕日が沈みそう…」



ーーーーーー
赤の国

真姫「ちょっと!まだ見つからないの!?」

兵士「すいません…」

にこ「…どこ行っちゃったのかしら、花陽」

真姫「こんなこと今までに無かったのに…」

兵士「真姫様!にこ様!」ダダッ

兵士「花陽様がつい先度見つかったと報告が!」

9: 2015/08/07(金) 18:24:41.02 ID:wXs9QzeU.net
青の国

凛「今日のご飯はなんだろ~♪」

絵里「あっ!ちょっと凛!」

絵里「どこを出歩いてたの?」

凛「ま、町の中をちょっとだけ…」

絵里「また護衛を振り切って?」

凛「うぅ…だって」

希「…まぁまぁ、そこら辺にしたって?」

希「凛ちゃん、遊びたい年頃やと思うし」

絵里「あのねぇ…」ハァ

希「でも、いくら国の中やからって気をつけなあかんよ?」

凛「うん、わかってるよ」

11: 2015/08/07(金) 18:39:38.38 ID:wXs9QzeU.net
ー5年後

花陽「この染物は貴方が?」

女「はい!うちの家業で、昔から」

花陽「すごく綺麗ですね、よい物だと思います」

女「…!ありがとうございます!」



にこ「花陽はしっかりしてきたわね」

真姫「…昔はいろいろ心配だったけど」

にこ「そーね。花陽が何かする度にこっそり見てたぐらいだもの」

真姫「なっ、なんで知ってるのよ…」

にこ「家臣が楽しそうに話してくれるわ」

真姫「ぐっ、あいつら…!」

12: 2015/08/07(金) 18:53:17.93 ID:wXs9QzeU.net
外務「外務から、宜しいでしょうか」

真姫「どうぞ」

外務「今期の貿易収入はこの資料の通りとなっております。同盟関係にある緑の国には武器を、そして…」

軍部「それはこちらから。緑の国に派遣した騎士団は先程ほぼが帰還しました」

真姫「そう」

真姫「紫の国は青の国と繋がってるからね。いくらでも援助すればいいわ」

花陽「あのー…」

にこ「どうしたの?花陽」

花陽「青の国とは、何も交流はないの…?」

13: 2015/08/07(金) 19:00:01.92 ID:wXs9QzeU.net
ザワ…ザワ…


にこ「…ないわよ」

真姫「あんな国と交流するとしたらそれこそ戦争の時ぐらいじゃない」

花陽「どうして…なんだろう」

にこ「教育係に習わなかった?昔から色々あるのよ」

花陽「でも昔のことだよね…」

真姫「なら花陽は青の国と交流を持ちたいってことね?」

真姫「認めないわ。この国の王は私」

花陽「…何も異論はないよ」

15: 2015/08/07(金) 19:08:37.26 ID:wXs9QzeU.net
絵里「さっさと捕まえなさいっ!」

騎士「只今っ!!」

希「あはは…凛ちゃん足早いし」

絵里「この年にもなって政務から逃げるなんて…先が思いやられるわ…」

希「えりちは厳しいからなぁ…」

絵里「もぅ、希っ!」

希「もー、ごめんやん?」ニコ


ーー

凛「はぁはぁ…振り切ったかな」

凛「息苦しいよぉ、あんなの」

凛「絵里ちゃんが王様なんだから決めればいいのにー」

凛「今日は何処に行こうかな~」

16: 2015/08/07(金) 19:13:09.17 ID:wXs9QzeU.net
騎士「凛様!帰りましょう!」ガシッ

凛「わわっ、何処に隠れてたの!?」

騎士「私共が絵里様に怒られますので!!」

凛「むむ…希ちゃんの命令は聞いた?」

騎士「希様も連れ戻すようにと」

凛「えーー!じゃあもう何も言えないにゃぁ…」

ーーーーー

凛「た、ただいま~」ソロソロ

希「あーお帰り、凛ちゃん」

凛「…絵里ちゃんは?」

希「城下町の方に出掛けたで」ニコ

凛「よかった~~♪」

17: 2015/08/07(金) 19:18:31.39 ID:wXs9QzeU.net
希「あのなぁ、凛ちゃん。ちょっと話があるんやけど…」

凛「なにー?」

希「そろそろお姫様、見つけななぁ」

凛「え…?」

希「結婚相手、えりちが何人か選んだみたいやからまた訪ねてくるって」

凛「ぇぇぇ!?」

凛「やだやだ!したくないにゃ!」

希「うーん…でも、えりちとうちみたいに結婚して、凛ちゃんは将来王様になるんやから」

凛「…王様なんて嫌だよぉ」

18: 2015/08/07(金) 19:25:12.10 ID:wXs9QzeU.net
ー深夜
スタースカイの森


コツコツ、コツコツ

花陽「…いるよ」ボソッ

凛「こんばんわ、かよちんっ」

花陽「しー、まだ近くに人がいたから…」

凛「そ、そうだね…ごめんにゃ」ヒソヒソ

花陽「ううん、会いに来てくれるだけで嬉しいから//」ニコ

凛「衛兵の人、たまに寝てるよね♪」

花陽「あはは、眠たいんだね…」

凛「そう言えば、なんでかよちんは青の国まで入れるの?」

花陽「昔の、あの時にみつけたルートがあるんだよ♪」

19: 2015/08/07(金) 19:28:56.38 ID:wXs9QzeU.net
凛「そうなんだ!また凛にも教えてね」

花陽「うん!」

凛「今日はね、仕事しろって言われたから逃げたんだけど捕まっちゃった」

花陽「凛ちゃん頑張らないと…」

凛「かよちんは凄いよね~。ちゃんとこなしてるし」

花陽「うん…だけど、明日はお見合いがあるの」

凛「お見合い?」

花陽「私の…結婚相手がいろんな所から王宮に来るんだって」

凛「あ、凛もそれ言われたにゃ!」

花陽「凛ちゃんも…なんだね」

20: 2015/08/07(金) 19:32:52.60 ID:wXs9QzeU.net
凛「結婚かー…このままでいいけどなぁ」

花陽「大変だね、お互い…」

凛「結婚するなら、かよちんがいい」ニコ

花陽「へっっ…!///」

凛「だってこーんなに優しいし、可愛いし、凛のことわかってくれるし」

花陽「…私も、凛ちゃんがいいな//」

凛「あ、う、うん…//」カァァ

花陽「自分で言って照れてる…」

凛「も、もう//茶化しちゃだめにゃ!」

21: 2015/08/07(金) 19:39:08.75 ID:wXs9QzeU.net
花陽「だけど…無理だよ」

花陽「私達の国、仲悪いから」

凛「…うぅ」

凛「だ、だけどこれからいろいろ繋がりを持てばいいと」

花陽「今日、言ってみたんだけど…聞く耳も持たないって感じで」

凛「…めんどくさいにゃー」

花陽「そうだね…」

凛「でも、明日言ってみるよ」

凛「かよちんと結婚したいって」

花陽「え、ぇぇぇ!?」

24: 2015/08/07(金) 19:52:20.89 ID:wXs9QzeU.net
凛「やって見なきゃわかんないよ!」

花陽「そう、なのかな…」

凛「うん!」

花陽「私の親は目の敵にしてるしなぁ…」

凛「ならかよちんは言わなくていいよ!」

凛「ちゃんと、真面目に話してみる。いつもは好き勝手に遊んでるけど…」

凛「わかってくれるかもしれない」

花陽「…うん」

凛「かよちん、大好きだよ?」ギュッ

花陽「私も…//」ギュッ

凛「よし、今日は帰ってしっかり寝よう♪」

花陽「…そうだね♪また、夜にくるから」

凛「うん!明日、ここで」

25: 2015/08/07(金) 19:58:51.43 ID:wXs9QzeU.net
青の国

絵里「凛。もうすぐ時間よ、準備しておきなさい」

凛「…あ、あのね!話があるの」

希「うん?…どうかしたん」

凛「結婚したい人がいて…もう決まってるの」

希「そ、そうなん!?」

絵里「…!私の選んだ相手の中にいるの?」

凛「…いないと思う」

絵里「ならどこの家の者か言いなさい。調べさせるわ」

凛「…かよちん。花陽ちゃん」

希「花陽ちゃんって子なんやね。同い年?」

凛「うん!隣の国の」

26: 2015/08/07(金) 20:07:45.04 ID:wXs9QzeU.net
絵里「隣って…黄の国の者なの?」

凛「ちがう、赤の国のお姫様」

希「へっ…」キョトン

絵里「……」

希「あかん…えりちが固まっとる」

絵里「り、凛!何を言ってるかわかってるの!?」

凛「なんで?赤の国の人とはいけないの?」

絵里「教わったでしょう!あの国とは…!」

凛「国なんて興味ないよ!かよちんだけだもん!」

絵里「そのかよちんって子は赤の国の、よりによって王族なんでしょう!?」

27: 2015/08/07(金) 20:12:55.28 ID:wXs9QzeU.net
凛「赤の国と青の国でいろいろ揉めたのは、昔でしょ!」

凛「国交回復させればいいのに!」

絵里「政治に関わらず仕事も放棄してるあなたに言えること?」

凛「そ、それは…!これからしっかりするから、」

希「凛ちゃん…いくら言っても無理や」

凛「の、希ちゃん…!」

絵里「馬鹿なこと言ってないで、準備を済ませておきなさい」


バタン

凛「……馬鹿はどっちにゃ」

30: 2015/08/07(金) 20:20:54.05 ID:wXs9QzeU.net
真姫「はい。次」

貴族「私は、この国に昔から遣わさせて頂いた家の者です」

貴族「趣味は読書、あとは…」

花陽(退屈だなぁ…)

花陽(みんな凄く必氏。やっぱりこの地位が魅力的だからだよね…)

にこ「花陽…?大丈夫?」

花陽「あ、うん。ごめんね」

にこ「あなたのこれからのパートナーなんだから、しっかり選びなさい」

にこ「じゃないと真姫ちゃんみたいに気難しい人と結婚しちゃうかもよ」チラッ

真姫「…」ジトー

花陽(…凛ちゃん)

31: 2015/08/07(金) 20:27:07.37 ID:wXs9QzeU.net
ー深夜
スタースカイ森

コツン、コツン

花陽「…凛ちゃん」

凛「…ごめんね。無理だった」

花陽「仕方ないよ…」

凛「………っ」

凛「うぅ…悔しいよ…」グスッ

花陽「な、泣かないでよぉ…っ、私まで…」ウルウル

凛「かよちん…っ」ギュウウ

花陽「凛ちゃん…」

33: 2015/08/07(金) 20:32:24.58 ID:wXs9QzeU.net
凛「…もういいや」

花陽「…凛ちゃん?」

凛「……逃げちゃおっか」ニコ

花陽「え、ぇぇ…!」

凛「仕事も、地位も、全部捨てて。でもかよちんと一緒に暮らせる」

凛「…それって幸せだと思うにゃ」

花陽「で、でも…家族とか」

凛「…子どものことを何もわかってくれない親なんて…家族じゃないよ」

花陽「……」

凛「辛いかもしれない。苦しいかもしれない」

凛「だけど、凛が守るから!だからきて!」

34: 2015/08/07(金) 20:35:46.92 ID:wXs9QzeU.net
花陽「…っ、凛ちゃんっ」ウルウル

凛「凛と一緒に、行こう?」

花陽(真姫ちゃん、にこちゃん、可愛がってくれた皆……)

花陽(ごめんなさい)

花陽「……うん」

花陽「凛ちゃん、これからもよろしくね//」ニコ

凛「…!」パァァ

凛「ありがと…//幸せにするから…!」

35: 2015/08/07(金) 20:40:30.91 ID:wXs9QzeU.net
花陽「だけど…逃げるって何処に?」

凛「……うーーん」

花陽「ま、まさか決めてな」

凛「大丈夫っ!なんとかなる!なんとかするからっ」

花陽「赤の国は、私の顔がよく知られちゃってるから無理だと思う…」

凛「じゃあ、赤の国でも青の国でもない…他の国とか?」

花陽「ほ、他の国!?」

凛「よし、とりあえず陸続きの黄の国に行こう!」

花陽「この森からは遠いよ…っ」

36: 2015/08/07(金) 20:43:46.54 ID:wXs9QzeU.net
凛「一度青の国の王宮に帰って、馬を2頭とりに行こう」

花陽「大丈夫なの…?私がいたら」

凛「赤の国のお姫様なんてみんな知らないよ!」

凛「それに、顔を隠して召使いっぽく…すれば」

凛「そうと決まれば!日が昇りそうだし出発にゃー!」グイッ

花陽「ちょ、ちょっと待ってぇ…!」

37: 2015/08/07(金) 20:48:42.52 ID:wXs9QzeU.net
花陽「うわぁぁ…!」パァァ

凛「あ、びっくりした?この湖きれいでしょ~」

花陽「凄いね…赤の国にはこんな大きな湖ないよぉ」

凛「小さい頃はここでよく泳いだな~…」

凛「希ちゃんがね、つまらなさそうにしてる絵里ちゃんを無理やり押して…」

花陽「…凛ちゃんっ」

凛「あっ、そうだね…ごめん」ハッ

花陽「ううん、頑張ろうね」ニコ

凛「うん…!この湖の向かい側が黄の国だよ」

38: 2015/08/07(金) 20:54:51.50 ID:wXs9QzeU.net
凛「えっとね…確か…」

凛「6時くらいに貿易の荷車が関所を通るはずだったと思う」

花陽「そっか…なら、それを利用するしかないね」

凛「だね!こっそり荷物の中に紛れたらわからないと思う」

花陽「馬は…ここにつなぐとバレるから放してあげよう」

凛「うん。あと、マント被るのも忘れないで」

凛「ここはまだ青の国だから」


ガラガラッ


花陽「…きた」

凛「この木の前を通ったら後ろから、ね」

39: 2015/08/07(金) 21:07:00.55 ID:wXs9QzeU.net
召使「し、失礼しますっ!」ガチャ

真姫「……なんなの…騒々しい」

真姫「うるさい。にこちゃんが起きる」

にこ「…だいじょうぶ、おはよ」

召使「も、申し訳ありません!しかしっ」

召使「花陽様がお部屋に居らっしゃらず、何処を探しても…!」

にこ「いつも私達より早く起きてる花陽が…?」

真姫「よく探したの?」

召使「はい…!」

真姫「…使用人全てに探させなさい」

召使「かしこまりました!」ガチャ


にこ「…変ね。こんな事一度も」

真姫「本当にいないとしたら有り得るのは朝帰りか誘拐ね」

にこ「…この国に、あの子に限ってそんな」

40: 2015/08/07(金) 21:15:29.79 ID:wXs9QzeU.net
希「あれ、凛ちゃん朝ごはん食べへんの?」

絵里「さぁ…寝過ごしてるんでしょう」

希「…それなら起こされてる頃かな」

絵里「…はぁ」

希「えりち、朝からため息ついたらあかんよ?」ニコ

絵里「あぁ…ごめんなさい」ニコ


ガチャ、 バーン!

召使「また凛様が部屋に居ませんっ!!」

騎士「捜索隊を準備しました…」

絵里「……」

希「朝から悪いんやけど…頑張ってな」

絵里「その必要はないわ、放っておきなさい」

絵里「反抗期か何かでしょう。あの子に構っていたら仕事が回らない」

絵里「…そのうち戻ってくるわよ」

41: 2015/08/07(金) 21:22:09.14 ID:wXs9QzeU.net
衛兵「毎度ご苦労様。荷物を調べさせてもらうぞ」

商人「あぁ。あんたらも大変だね、もうすぐ交代かい?」

衛兵「…そうだな」フワァ


凛「…だいじょうぶ、体を動かさないで」ヒソヒソ

花陽「……うん」ドキドキ


ガサガサ…ゴソッ


衛兵「よし、通れ」



ガラガラッガラガラッ

花陽「やった…!やったよ凛ちゃんっ」

凛「うん、ここ黄の国だよっ」

42: 2015/08/07(金) 21:29:16.54 ID:wXs9QzeU.net
凛「馬車が止まったら…凛から降りるから」

花陽「うん、わかった…、」


ゴトン

凛「……っ」ヒョイ

凛「かよちん、大丈夫。きてっ」

花陽「うんっ…」ヒョイ


ー黄の国

花陽「うわぁ…」パァァ

凛「黄の国って…凄く市場が栄えてるんだね!」

花陽「…うん!」

凛「それに…こんな人がいっぱいのところ初めて!」

花陽「…うん!」

43: 2015/08/07(金) 21:34:22.33 ID:wXs9QzeU.net
凛「かよちん、興奮しすぎだにゃ~」

花陽「はっ、ご、ごめん…///」

花陽「あんまり王宮から出して貰えなかったから…珍しい物がいっぱいで」

凛「…でもわかるよ?」

凛「凛も、遊びに行くのは森とか山とか湖だったし」ニコ

花陽「遊びに行ってたんだ…いいなぁ…」

グーッ

花陽「…っっ///」

凛「あはは、かよちんお腹空いたんだね♪」

花陽「恥ずかしい…です//」

凛「お金持ってきたし…何か買おっか」

44: 2015/08/07(金) 21:43:21.58 ID:wXs9QzeU.net
花陽「このお店、いっぱい物が売ってるね…」

凛「あ、この果物美味しそうだよ?」

花陽「わぁ、ほんとだ…!」

凛「…2つでいくらですか?」

店主「あぁ?そこに書いてあるだろう」

凛「あっ…そっか」

凛「どうしよう…青の国のお金しかないよぉ」

花陽「お、お金って国によって違うの…!?」

店主「青の国から来たのか?なら青の国の通貨でいいぞ」

凛「で、でもどれくらいかわからな」

店主「そうだな、これぐらいだな」ゴソッ

花陽「これ2つでそんなにするの…?」

店主「値段がわからないって言うから教えてやってるんだろう!」

凛「…っ」ビクッ


「そうですねぇ…それだとこの棚の商品全部買えるね♪」

45: 2015/08/07(金) 21:49:45.25 ID:wXs9QzeU.net
店主「あ、あんたは…!!」

花陽「えっ、えっとぉ…」チラチラ

凛「この棚の全部買えちゃうの…?」

?「うん♪買い占めだね~」

店主「ちょ、ちょっと待てよ!冗談だぜ」

店主「この札でいいんだ」

?「あれ、じゃあ詐欺って言うんじゃ…」

店主「は、ははっ。勘弁してくれよ~、ことりさん」

ことり「このおじさん、お金払わなくてもそれくれるって」

花陽「へ…?」

店主「お、おう!冗談のお礼だ」

46: 2015/08/07(金) 22:00:09.48 ID:wXs9QzeU.net
凛「あの…ありがとう」

ことり「ううん、いいんだよ~」

ことり「ああゆう店も多いからね」

花陽「…こわいよぉ」

凛「かよちん、大丈夫だよ」ナデナデ

ことり「青の国から何をしに?」

凛「…あ、遊びにきたの!」

ことり「2人だけで…?よく通れたね~」

花陽「そんな厳しいんですか…?」

ことり「最近はどの国も一触即発って感じだし」

凛「そうなんだ…」

ことり「国交が悪化してる国もあるけど、干ばつが続いたから。…どこも国民は苦しいよ」

ことり「そうだ、良かったら家にこない?」ニコ

47: 2015/08/07(金) 22:11:11.04 ID:wXs9QzeU.net
ー南家

花陽「他のお家と比べると…大きいですねっ」

ことり「そんなことないよ♪」

凛「わぁ、この紅茶美味しいにゃー!」

ことり「私もそれ好きなの♪黄の国の紅茶だよ」

凛「あれ…飲んだことある気がするんだけど…」

ことり「青の国に輸出してるからじゃない?けどこれ高値の紅茶なのに、凄いね」

凛「な、なるほど~…」

花陽「…青の国と黄の国は仲良しなんですね」

ことり「仲良しかぁ…うーん。青の国は、赤の国と黄の国に挟まれてるでしょ?」

ことり「戦争になったとき、黄の国が赤の国の味方になると苦しいから」

ことり「だから、青の国は必氏なんだと思う」

花陽「ことりさんは詳しいんですね…」

ことり「んー、私もみんなも何となく察してるだけだと思う」ニコ

49: 2015/08/07(金) 22:18:32.57 ID:wXs9QzeU.net
ことり「と、まぁ…こんな話つまらないよね…ごめんね」ニコ

花陽「い、いえ!とても…勉強になりました」ニコ

凛「あ、あのー…出来ればなんだけど」

凛「今日だけここに泊めて貰えないかなぁ…」

花陽「へ…?」

凛「い、いや…さっきのでちょっと慣れるまで時間が欲しいなぁって」

ことり「私は構わないよ♪」

ことり「むしろ、大歓迎だから!2人の話もいろいろ聞きたいし」

ことり「結婚してるの?」

花陽「へっ…///」

凛「!?」

ことり「あ、いや…なんか雰囲気がそんな感じだったから…」

51: 2015/08/07(金) 22:23:38.25 ID:wXs9QzeU.net
花陽「い、いやまだ…//」

凛「そ、そうだにゃ!!」

花陽「凛ちゃん!?」

ことり「わぁ//新婚さんだ~♪」

花陽「ふぇぇ…//」

ことり「あ、でも私夜は仕事があって…抜けなきゃいけないの」

ことり「だから晩ごはんは外で何か買って食べてね。ごめんね~」

ことり「青の国のお金、両替しておくから」ニコ

凛「両替してもらって…大丈夫なの?」

ことり「ちょっとだけ多くお金持ってるから…大丈夫だよ♪」

花陽「いろいろありがとうございます…」

ことり「うん♪あ、あとこれ」ジャラ

凛「これなぁに?」

ことり「プレゼント!可愛いネックレスでしょ~♡」

52: 2015/08/07(金) 22:32:20.08 ID:wXs9QzeU.net
ー市場

凛「夜の町って、きれい…」ハァ

花陽「光が1つ1つ、芸術みたいだね…!」

凛「うん…♪」

凛「あ、いっぱいお店があるよ!」

花陽「食べたことないものがいっぱい…」

凛「向こうも何かあるっ!」ダッ


ドンッッ

凛「っ…!いったぁ」

「あっ…!」

ゴロゴロッ


花陽「…あ、あの…果物がいっぱい落ちましたけど…」ヒロイ

店員「盗人だ!!捕まえろーーっ!」

花陽「へ…?」

凛「いてて…ちょっと、謝るにゃ!」グイッ

「は、はぁ!?それどころじゃないからっ!」

53: 2015/08/07(金) 22:37:31.19 ID:wXs9QzeU.net
店員「そこだ!そこの3人っ、捕まえてくれ!!」

花陽「3…人?」


「あぁもう!逃げるよっ!」グイッ

凛「わわっっ!」ダッ

花陽「ま、待ってぇ…!」ダッ

騎士「待てーーっ!」ダダダ

凛「追いつかれるよっっ」

「氏にたくなかったら走るの!」

花陽「だ、誰かタスケテーっ!」

「そこの路地を右!次は左っ!」

凛「かよちん、頑張って…!」ハァハァ

花陽「わ、わぁっ!」ドテッ

「……!」クルッ

54: 2015/08/07(金) 22:41:30.28 ID:wXs9QzeU.net
凛「かよちんっ!!」ダッ

花陽「だ、だめぇ!凛ちゃんっ」


騎士「観念しろっ!!」タタッ


シュッ

騎士「な、なんだ貴様はっ!」ガッ

??「………」


花陽「あの人っ…危ないよっ!」

凛「かよちん立って!はやくっ」

「あの人なら大丈夫だから。走って」

55: 2015/08/07(金) 23:16:15.90 ID:wXs9QzeU.net
花陽「はぁっ、はぁはぁ…」

凛「ひゅー…疲れた…」

「…撒いたね」バタン


凛「…、何してくれたのっ!」

「それはこっちの台詞だよっ、邪魔するからでしょ!」

凛「かよちんが危ない目に…」

花陽「や、やめて凛ちゃん…大丈夫だから」

「……助けてあげただけ感謝して欲しいのに」

花陽「あ、あの」

花陽「あの人、あんな大勢の騎士に…大丈夫ですか?」

「…あの人は大丈夫だよ」チラッ

凛「…」ムスッ

「……」ハッ

「そのネックレス…何処で手に入れたの」

56: 2015/08/07(金) 23:21:56.07 ID:wXs9QzeU.net
花陽「えっと…ことりさん、という方に」

「あっ…まずい」

凛「??」

「とりあえず名前、聞いてもいいかな」

花陽「えっと、私は…」

凛「人に尋ねる前に自分から言うんだよ!」

「…ぐっ」

「…穂乃果」

花陽「私は花陽、こっちは凛ちゃんですっ」

穂乃果「あーごめんね。さっきのこと」

凛「いきなり変わりすぎだにゃー」


ガチャッ

穂乃果「…ごめんっ、お疲れ様!海未ちゃん」

57: 2015/08/07(金) 23:27:40.82 ID:wXs9QzeU.net
海未「はぁ…騒がしいと思って引き返してよかったです」

穂乃果「いやー…流石だよね」アハハ

凛「あれだけの数を相手にしたの??」

海未「はい、ですが頃してはいませんので。向こうは仕事ですし」

穂乃果「まぁ海未ちゃんは元騎士団だから…」

花陽「騎士団だったんだぁ…」

海未「それで?何があったんです」

穂乃果「途中でこの子にぶつかって…ばれちゃった」

凛「お金は払うって凛でも習ったにゃー」

穂乃果「もう!しつこいよぉ…」

花陽「なんか、全然悪い人に見えないけど…」

58: 2015/08/07(金) 23:31:39.02 ID:wXs9QzeU.net
穂乃果「と、とりあえず!ことりちゃんの家に集まろう、ね?」

凛「ことりさんと知り合いなの…??」

穂乃果「こっちの台詞っ!」

海未「仲良しじゃないですか」ニコ

花陽「あはは…」



ーことり家

ガチャ

ことり「あれ~、4人になってる…」

海未「お仕事お疲れ様です、ことり」

穂乃果「お疲れ様!」

59: 2015/08/07(金) 23:38:14.13 ID:wXs9QzeU.net
ことり「あ、久しぶり♡」

ことり「凛ちゃん花陽ちゃん、ご飯食べられた?」

凛「いろいろあって食べられなかったにゃ」

ことり「なら…ちょうどパン買ってきたから、これ食べながら話そっか♪」


ーーーーー

ことり「こっちは穂乃果ちゃん。私と幼馴染みで地下街のチームのリーダーなんだよ」

穂乃果「あ、言っちゃうんだ…」

花陽「地下街…?」

海未「特に貧しい者が集まるところです。ここらに住んでいる者は比較的裕福なほうなので」

ことり「穂乃果ちゃんは、そこの人達に食べ物をあげたりいろいろ支援してるの」

60: 2015/08/07(金) 23:46:51.22 ID:wXs9QzeU.net
凛「じゃあ食べ物を盗んでたのも…」

穂乃果「…あいつら、安く仕入れて高く売ることしか頭にないから」

穂乃果「食糧難のこの時期に、買い占めをして貧しい人達に食べ物が回らなくなってる」

穂乃果「そうなってても対応すら雑な王政のせいでもあるんだけどね…」

凛「…そうなんだ」

ことり「こっちは海未ちゃん。同じく幼馴染みで、元騎士団。すっごく強いんだよ♡」

花陽「なんで辞めたのかは聞いても大丈夫…?」

海未「…組織に嫌気が差したからです」

海未「国を守るための騎士団は、今や国民を怖がらせる騎士団に成り下がってますからね」

穂乃果「いろいろあったんだって、同僚達に」

花陽「…難しいね」

61: 2015/08/07(金) 23:52:44.10 ID:wXs9QzeU.net
穂乃果「まぁ、ここまでのことをしてるんだから報復はあると思ってる」

穂乃果「…だから私は和菓子屋の実家を出て、行方不明ってことにしてるんだ」

穂乃果「私のせいで家族に飛び火したら嫌だからね」

凛「家を…捨てたんだね」

穂乃果「うん、そうだね」

海未「相当覚悟のいることですから…だからこそ私は一緒に居るのですがね」

花陽(家を捨てることは…覚悟がいること)

花陽(私にその覚悟は本当にあったのかな…)チラッ

凛「……」シュン

62: 2015/08/08(土) 00:05:41.41 ID:6sUZ1fEP.net
ことり「よし、もうそろそろ…寝よっか?」

海未「おやすみなさい、いい夢を」

穂乃果「2人ともごめんね!おやすみ~」

凛「あれ、何処か行っちゃうの?」

海未「ことりは役人ですので。まぁ万が一の可能性も考えてですね」

ことり「また会いにきてね?」

穂乃果「もちろんだよ!」


ガチャッ

花陽「…あのぉ、今日の仕事は何だったの?」

ことり「明日それぞれの国の王様が集まって、会議されるから」

ことり「そのことについてね」

ことり「ほら、今回は黄の国であるでしょ?」

凛「へ…」

71: 2015/08/08(土) 08:27:01.98 ID:6sUZ1fEP.net
ー赤の国


真姫「まだみつからないの…!?」

騎士「王都の警備隊にも協力させていますが」

騎士「未だに行方は…っ」

にこ「…花陽。何処にいるの…」グスッ

真姫「…にこちゃん」ギュウ

真姫「もう日が落ちる…」

真姫「これ以上探させるのは危ないわね」

騎士「…はい。朝からずっと命についている者が多く、体力的にも…」

真姫「……帰還させなさい」

騎士「…はっ!」

バタン

72: 2015/08/08(土) 08:40:19.63 ID:6sUZ1fEP.net
にこ「誰にも言わずに出かけるなんて、あの子は一度もしたことがないじゃない…」

真姫「…それだったらいいわね」

真姫「王宮の中だし、考えられないけど誘拐されてたならば…」

にこ「でも、それだと向こうから要求を持ちかけてくるはずって大臣が言ってたわ」

真姫「…そうね」


ガチャッ

参謀「殿下、ご報告が」

参謀「ある旅人が花陽様を青の国で見かけたと」

参謀「そして…黄の国の商人によりますと、青の国の王子が花陽様のことを寵愛なさっていることを王宮で耳にしたと…っ」

73: 2015/08/08(土) 08:47:05.45 ID:6sUZ1fEP.net
真姫「は、はぁぁ!?」

真姫「なんで花陽と向こうに面識があるのよ…!!」

にこ「しかも、寵愛って…」

にこ「…結婚するの?」

参謀「そこまでは…しかし、花陽様は赤の国には居られないと推測します」

真姫「……よりによって青の国」ギリッ

にこ「…面倒なことになりそうね」

にこ「花陽は、青の国と国交を持たないのかって疑問に思ってたわね」

にこ「…もしかしたら、嫁ぎに」

真姫「な訳ないでしょ!?」

真姫「花陽ならこんな勝手な行動はしないっ」

74: 2015/08/08(土) 08:57:49.80 ID:6sUZ1fEP.net
真姫「きっと攫われたのよ…そうに違いないわ」

真姫「大体、私は青の国の奴との結婚なんて認めないからっ!」

にこ「…それは私もよ」

にこ「まだ決まったわけじゃないけど、花陽は青の国にはいるでしょうね」

にこ「とりあえず生きててくれて…安心はしたわ」ハァ

真姫「安心なんて出来ないわよっ、向こうで何されるかって考えるだけで…」

参謀「し、失礼しますっ…。明日、集会が黄の国でありますが」

真姫「…問い詰めてやるわよ」

真姫「そして、返事次第では戦争になるわ」

75: 2015/08/08(土) 09:04:48.15 ID:6sUZ1fEP.net
ー青の国


希「もう日が沈みそう…」


パカラッパカラッ


希「えりち…、おかえりっ」

絵里「はぁっ…ただいま」

騎士「絵里様、お体をお休めになさってください…」

絵里「大丈夫よ…」

希「何かわかった?」

絵里「…ううん、何も」

絵里「夜にふらっと帰ってきそうなものだけど…昨日、きつく叱ってしまったから」

絵里「…私のせいね」

希「…えりちのせいやないよ」ギュ

76: 2015/08/08(土) 09:12:16.13 ID:6sUZ1fEP.net
希「あの子が可愛いからこそきつくなってしまっただけ」

希「…怒っててもえりちは凛ちゃんのこと、いつも気にかけてるやん」

絵里「……うん」

絵里「凛は、赤の国の子と結婚したがっていた」

絵里「向こうに行っちゃったのかしら…」

希「それはわからへんよ…黄の国にいるかもやし、もっと遠くにも」

希「でも…これだけ探してもいいひんなら青の国にはいないかも…」

絵里「…はぁ」

絵里「もう…休むわ」

78: 2015/08/08(土) 09:21:49.67 ID:6sUZ1fEP.net
ー黄の国

凛「ふわぁ…いい朝だねっ」

花陽「うんっ、おはよ凛ちゃん♪」

凛「誰かに起こされない朝って最高だにゃ~」ゴロン

花陽「凛ちゃん、いつまでも寝ちゃってるからだよぉ…」


ことり「起きたかな~?」ガチャ

花陽「あ、はい!おはようございますっ」

凛「おはよ~♪」

ことり「おはよう♡」

ことり「朝ご飯できちゃってるから、食べてね」

79: 2015/08/08(土) 09:29:13.06 ID:6sUZ1fEP.net
ことり「今日帰るのかな?」

凛「あーえっと…」チラッ

花陽「と、とりあえずこれ以上お世話になるのはあれなので…」

ことり「私は別に構わないよ?」

ことり「訳ありみたいだし、ね」

凛「あの…旅をしようと思ってて」

凛「それで、何処かに2人で住むの!」

ことり「そうなんだ…」

花陽「凛ちゃん…//」

ことり「まぁ、出かける前まではここにいていいよ♪」

ことり「話相手がいると楽しいし」

80: 2015/08/08(土) 09:34:45.48 ID:6sUZ1fEP.net
ガチャッ

穂乃果「おっはよー♪」

海未「おはようございます」

花陽「穂乃果さん…海未さん?」

ことり「町を回るなら、この2人に案内してもらうといいよ~♪」

凛「それはありがたいにゃー」

ことり「私は、仕事だから…」ムゥ

海未「頑張ってくださいね、ことり」

ことり「は~い…」

穂乃果「何処か行きたいところあるの?」

凛「何がどこにあるのかわかんないよ」

海未「まぁ出かける前に、その装飾品は外した方がいいですね」

花陽「このペンダントとか…?」

海未「狙われますよ、いろんな人に」

花陽「ぴゃぁぁ!?」

81: 2015/08/08(土) 09:40:21.97 ID:6sUZ1fEP.net
穂乃果「ここは学校だね~」

凛「わっ、子ども達がいっぱいいる」

穂乃果「全員が教育を受けられるわけじゃないから、ここにいる子達はラッキーなんだよ」

花陽「そう…なんだ」

海未「貧富の差は仕方ないことではありますが…最近は広がりすぎていますから」

凛「そっかぁ…」

穂乃果「ところで2人は、学校行ってないの?」

凛「行ってないよ?」

海未「それにしては教養がありますね」

花陽「あ、あ…えっと、近くに住んでる人に教えてもらってたの!」

82: 2015/08/08(土) 09:55:17.97 ID:6sUZ1fEP.net
ー市場

凛「いーっぱい食べたにゃ~♪」

穂乃果「そだね…いっぱい食べたね」フルフル

花陽「あの、お金出してくれてありがとうございます…!」

海未「いいんですよ、奢ると言ったのは穂乃果ですから」

穂乃果「そうだけどさぁ~」

凛「あ、これ美味しそー!」

穂乃果「さっき食べたでしょ~っ」グニッ

凛「いふぁいにゃぁ~!」

凛「ほっぺなんて引っ張られたことないのにぃ!」

穂乃果「あれ、ないの?」

凛「ないよ~っ」

穂乃果「大事に育てられたんだねぇ…」

84: 2015/08/08(土) 10:01:55.90 ID:6sUZ1fEP.net
海未「穂乃果はいたずらばかりしていたからだと思いますよ」ニコ

穂乃果「もうっ、海未ちゃん!」

花陽「大事にかぁ…」

凛「かよちん、だめ」ヒソ


ザワザワ

凛「あれ…?なに、あの行列」

穂乃果「し、知らないの!?」

花陽「あ、王様の…ですよね?」

海未「はい、そうです」

海未「旗からして、青の国みたいですが」

花陽「…!」

凛「わっ…!」

86: 2015/08/08(土) 10:10:55.45 ID:6sUZ1fEP.net
凛「まずい…あれ絵里ちゃんだ」ボソ

海未「絵里ちゃん…?」

花陽「な、なんでもないですっ!」

穂乃果「青の国の王様って、瞳がすごくきれいなんでしょ?穂乃果見たことないけど…」

穂乃果「あれ、なんで凛ちゃん隠れてるの?」

花陽「と、とりあえず向こうの方に行きましょうっ…!」グイッ

海未「…??」


ーーーーー

花陽「あぶなかったぁ…」

海未「…青の国から追われてるのですか?」

穂乃果「追われてるの??2人って悪い子だったんだ!」

花陽「ち、ちがうよぉ…」

凛「悪くないにゃ!」

88: 2015/08/08(土) 10:15:04.86 ID:6sUZ1fEP.net
穂乃果「っとまぁ、とりあえず帰ろうか…」

花陽「どうして??」

穂乃果「黄の王宮で話し合いあるでしょ?だから騎士とかが町をうろうろするんだよね」

海未「物凄く混むので、なかなか帰れなくなります」

凛「ふぇ…そうなんだね」

花陽(話し合いって…会議のことだよね)

89: 2015/08/08(土) 10:30:20.32 ID:6sUZ1fEP.net
ー黄の王宮


あんじゅ「それではぁ、これより始めさせていただきますね」

あんじゅ「規定にのっとり黄の王である私が進めます~」

英玲奈「まずは私からいこう」

英玲奈「わが紫の国と緑の国との紛争は和解で解決した」

ツバサ「えぇ。これ以上続けてもお互いに辛いだけだったもの」

ツバサ「飢饉が続いてしまってる今は助け合いましょう」

亜里沙「領土問題は解決できていないのに…?」

雪穂「それを白の国のあなたが言っちゃうんだね…」

亜里沙「雪穂の国だって、うちとのあの件はどうなったの?」

雪穂「だから、黒の国は無関係だって何度言ったら…!」

90: 2015/08/08(土) 10:42:54.78 ID:6sUZ1fEP.net
真姫「…」ギロッ

絵里「…」ジーッ

真姫「あー、ちょっといいかしら」

絵里「奇遇ね、私からもあるわ」

あんじゅ「どうぞ?」ニコ

真姫「うちの子どもが失踪したの」

雪穂「ええっ!?」

真姫「誘拐なんて趣味悪いことやってくれるじゃない。流石青の国ね」

絵里「…はぁ?」

絵里「あなたが何を言ってるのか全くわからないわ」

絵里「連れ去ったのはそっちでしょう!」

亜里沙「ふぇ…?」

91: 2015/08/08(土) 10:49:58.77 ID:6sUZ1fEP.net
真姫「っっ!!」

真姫「適当なこと言ってこれ以上とぼけると許さないわよ!」

絵里「……なるほど、自分から突っかかってくるわけね」

絵里「こっちが切り出す前に」

真姫「意味わかんないこと言ってんじゃないわよ!」

絵里「凛は花陽と結婚したかった。私は反対した。ここから導かれる答えは…」

英玲奈「あぁ、赤の国で結婚でもしたのか…」

真姫「あのねぇ…!」

ツバサ「…話がわからないわね」

93: 2015/08/08(土) 10:57:10.07 ID:6sUZ1fEP.net
真姫「凛が花陽のことを好きだからこっちから攫ったんでしょっ!」

真姫「周りも違う解釈してるんじゃないわよ!」

雪穂「わ、私は真姫さんのほうが正しい気がして…きたかな」

亜里沙「今の感じだと絵里さんほうがあってそうですけど?」チラッ

雪穂「なんなの…」ムッ

真姫「大体青の国なんて、こっちからお断りよ」

絵里「珍しく気が合うわね…」ニコ

あんじゅ「いずれにせよ、他の国の王族と勝手に結婚させるのは問題だわぁ…」

真姫「昔と変わらずほんとに頭固いのね」

絵里「そんな理論でよくこれたわね、騙せると思った?自分の国で引きこもってなさい」

95: 2015/08/08(土) 11:02:54.32 ID:6sUZ1fEP.net
真姫「このぽんこつ!!」ガシッ

真姫「花陽を返しなさいっ!」

絵里「何するのよ、っ!」グッ

絵里「赤の国に凛がいるのはわかってるのよ!」

ツバサ「ちょ、ちょっと…!この会議では暴力は禁止されているはずよ!」

英玲奈「…頭に血がのぼっているようだ」

あんじゅ(あらあら…)

召使「だめですっ、真姫様!」グイッ

真姫「離しなさいよっっ」

96: 2015/08/08(土) 11:08:54.03 ID:6sUZ1fEP.net
召使「絵里様、いけません!」

絵里「はぁ、はぁっ…」ギロッ

真姫「……いいわよ」フッ

真姫「そっちがその気ならやってやるわ」

真姫「青の国、これは宣戦布告よ」

絵里「…上等じゃない」

絵里「ただし凛を傷つけでもしたら王国ごと壊滅させるからね」

真姫「だからいないって言ってんでしょ!」

あんじゅ「とりあえず…今日はこれでおわりよっ」


ことり(うわぁ…)

97: 2015/08/08(土) 11:16:04.74 ID:6sUZ1fEP.net
まとめ
赤の国 真姫
青の国 絵里
黄の国 あんじゅ
緑の国 ツバサ (赤と同盟)
紫の国 英玲奈 (青と同盟)
黒の国 雪穂 (緑と同盟)
白の国 亜里沙 (紫と同盟)

110: 2015/08/09(日) 23:21:54.00 ID:5h8CoOSM.net
ーことり家(空き部屋)


凛「みてみて、教わった通りに作ってみたよ」

花陽「うわぁ…凛ちゃん上手だね!」

凛「ほんと?」

凛「お菓子なんて作ったこと無かったからすごく楽しかったにゃ♪」

花陽「あむっ…うん、美味しい♡」モグモグ

凛「えへへ、わぁーい!」


ガヤガヤ

花陽「あれ…町が騒がしいね?」

凛「んーなになに??」ヒョイ

花陽「凛ちゃんっ、そんな窓から危ないよぉ…!」

112: 2015/08/09(日) 23:26:27.05 ID:5h8CoOSM.net
男「おい、戦争になるらしいぞ…」

商人「はぁ?誰から聞いたんだよ。また酔ってんのか」

男「騎士どもが話してるのをたまたま耳に挟んだのさ!」


凛「戦争…?」

花陽「それって、国と国が争いになることだよね」

凛「黄の国とどこの国が戦争になるんだろう」

花陽「もし、ここが戦場になっちゃうなら…離れないと」

凛「…そうだね。凛たちには関係ないもんね」

凛「…西にいけば白の国がある、そっちに渡ってからまた考えよ」

花陽「馬で?」

凛「うーん、だね」

花陽「……」

凛「かよちん…こわい?」チラ

花陽「ううん、大丈夫。」ニコ

花陽「凛ちゃんと…一緒だから」

凛「…ずるいにゃー//」


ガタン

花陽「穂乃果ちゃんたち?」チラ

「ーーが……で………」

凛「…なにかあったのかなぁ」ギィ

113: 2015/08/09(日) 23:30:01.30 ID:5h8CoOSM.net
ー黄の国 (王宮)


あんじゅ「ことり、あなたの町の義勇軍は何人くらい集まりそうなの?」

ことり「えぇと…そんなに多くは」

ことり「自分達のための戦いでもないですから」

あんじゅ「まぁ当然よね」フフ

ことり「あ、あのー…どっちの味方を?」

あんじゅ「どうしようかしらね」

あんじゅ「本音を言うと、参加したくないわね」

あんじゅ「だけど絵里からはすごーく協力を頼まれてるし…」

あんじゅ「真姫には資金援助をする見返りに、赤の国につくように言われたわ~」

114: 2015/08/09(日) 23:35:52.05 ID:5h8CoOSM.net
ことり「黒の国と緑の国は、やっぱり赤の国につくんでしょうか…」

あんじゅ「まぁつくでしょう。士気は低そうだけど」

あんじゅ「紫の国と白の国は、当然青の国につくわねー」

ことり「じゃ、じゃあ…世界大戦ってことに」

あんじゅ「…人間っていうのは愚かな歴史を何度も繰り返すものなのね」

あんじゅ「双方の戦力はほぼ同じでしょう」

あんじゅ「私たちの国にどれだけの価値があるか、わかる?」ニコ

ことり「え……」

あんじゅ「赤の国と青の国には潰しあってもらって…」

あんじゅ「美味しいところをいただきましょう」

ことり「…」ゾクッ

115: 2015/08/09(日) 23:44:37.18 ID:5h8CoOSM.net
ーことり家(居間)


海未「まぁ言いたいのはそれだけでなく…私にも招集がかかりました」ハァ

穂乃果「えぇぇ!?海未ちゃん騎士団やめたのにっ?」

海未「経験があるものは皆、呼ばれているみたいで」

穂乃果「うちの国はどことするの…?」

海未「いや、それがまだ決まってないというか…知らされていなくて」

海未「赤の国のお世継ぎが青の国に攫われたとか何とか」

海未「あれ…反対でしたっけ」

116: 2015/08/09(日) 23:47:07.64 ID:5h8CoOSM.net
穂乃果「あそこって仲悪かったよね…?」

穂乃果「冷戦状態だったのにそんなことするのかな??」

海未「よくわかりませんが、それが火種となったのでしょう」

穂乃果「お世継ぎの争いに世界で戦争か…」ハァ

穂乃果「民をなんだと思ってるんだろ」



ドサッ

凛「……っ!」

花陽「…ぁ」

花陽「わ、…わたしの…っ」

凛「…」グイッ

凛「…かよちんっ」

花陽「…だめ、だ、よ」

凛「……」シュン

花陽「私のせいだ…っ」

117: 2015/08/09(日) 23:52:58.35 ID:5h8CoOSM.net
ことり「はぁぁ…」ガチャッ

穂乃果「あ、ことりちゃんお疲れ様だね!」

ことり「…うん」

海未「大丈夫ですか?顔色が」

ことり「…ありがとう」

ことり「あのね、戦争は戦争でも…すごく大きくなるかもしれない」

穂乃果「えぇ…!なんで??」

ことり「国と国は同盟を結んでるから。これが主な理由で参戦するんだろうけど」

ことり「…今日、行方不明になってるお姫様たちの絵が貼りだされたの」

ことり「連れてきた者には褒美を与える…」

海未「…なるほど」

海未「成果に応じてさらに報酬が」

海未「同盟国の士気は高まり」

海未「しかも関係のない賞金稼ぎや盗賊たちも黙っていませんね」

118: 2015/08/09(日) 23:56:21.59 ID:5h8CoOSM.net
ことり「その通り…」

ことり「これのせいで、無関心だった層も争いに傾いてる」

穂乃果「そっか…そのお姫様が赤の国にいるとしたら、王宮を攻め落とせば」

海未「青の国から褒美、ですか」

海未「んー、お互いをお互いに窮地に追い込んでいるような気が…」

ことり「何としてでも連れ戻したいんだと思う…」

ことり「…あんまり言っちゃだめなんだけど」

ことり「うちの国は、あんまり良くないことを考えてて」

ことり「ついていけないよぉ…」

穂乃果「ことりちゃん…」ギュ

119: 2015/08/10(月) 00:01:16.14 ID:Xg72wQVU.net
海未「…はぁ」チラ

海未「これですか、そのお姫様の絵は」ペラッ

海未「まだ幼そうな顔ですね…ん、でもどこかで」


海未「………あれ」

ことり「もー、今日は飲むぞぉー!」オー

穂乃果「よーし、付き合うぞー!」オー

海未「……穂乃果、ことり」ボソ



凛「ま、まずい…!!」

花陽「凛ちゃぁん…!」グス

凛「かよちん、窓から逃げようっ」

花陽「待ってぇ…っ」

バァン!

穂乃果「……なんで、ここに」

ことり「花陽…様と、凛…様でいいのかな」

121: 2015/08/10(月) 00:08:11.41 ID:Xg72wQVU.net
花陽「ひぅ…!!」ビクッ

凛「…!」バッ

凛「…だとしたら?」

凛「何が何でもっ、かよちんには指一本触れさせないにゃー!」

穂乃果「えぇぇ!」

海未「…驚きました」

凛「騎士団にでも突き出すの…?」

穂乃果「何もしないよっ、あ、しませんよ…」

ことり「…困ったね」

ことり「今この状況で人が入ってきたら…」

海未「まぁ…間違いなく私たちが殺されますね」

穂乃果「えぇえ!?」

海未「穂乃果はうるさいですっ!」

花陽「あれ…何もしないの…?」ウルウル

122: 2015/08/10(月) 00:17:57.72 ID:Xg72wQVU.net
海未「何もしません。しかし、何故ここに居るのかぐらいは聞いてもいい筈だと」

凛「…結婚するために逃げてきたの」

ことり「結婚、とは言ってたね…」

穂乃果「なんで逃げてまで?あ、逃げてまでですかっ、」

花陽「やめて、穂乃果ちゃん…普通にして」

凛「国が仲悪いから、できないの」

凛「だから…国を離れることになっちゃうけど。一緒になろうって」

花陽「…それしか方法が無かったんです」

海未「…んん」

海未「懸命な判断だとは思えませんね」

海未「いま、この状況をつくったのは貴方達です…」

凛「わかってるよ!!」

凛「けどっ、戻って謝ったって…一緒にいられない」

123: 2015/08/10(月) 00:25:46.37 ID:Xg72wQVU.net
凛「それどころか、一生会えなく…」

穂乃果「…よしっ!」

花陽「穂乃果ちゃん…??」

穂乃果「私たち、協力するよ」

ことり「え゛っ」

海未「へ」

穂乃果「花陽ちゃんと、凛ちゃんはお姫様だったけど…」

穂乃果「花陽ちゃん、普通にしてって言ってくれたし!」

穂乃果「それに私たち、友達でしょ?」ニコ

凛「穂乃果ちゃんっ!」パァァ

花陽「ありがとうございます…!」パァァ


海未「私…たち?」

ことり「ホノカチャン…きっと何も考えてないよぉ…」フルフル

海未「…いつものことですけどね」

124: 2015/08/10(月) 00:26:49.72 ID:Xg72wQVU.net
更新遅くなるかも…

139: 2015/08/11(火) 23:24:29.76 ID:E1VSpW3k.net
ー青の国


絵里「…っ」ガシャッーン

召使「…!」ビク

希「えりち、物に当たったらあかんよ?」

絵里「……うるさい」

希「どうしたん、そんなイライラして…」

希「えりちらしくないやん」

絵里「黄の国が…赤の国に近づいてるみたいなのよっ」

絵里「有り得ないでしょ…っ、あのフルハウス!!」

絵里「青の国がどれだけよくしてあげたと思ってるの!?」

希「…もしそうなら、不味いね」

絵里「西からは赤の国、北からは黄の国…後ろは海」

絵里「ふふ、最高じゃない…」フラッ

希「…えりちっ!」ギュッ

絵里「…凛」

希「大丈夫っ!?なぁ、」

絵里「…大丈夫よ」

絵里「まだ氏ねないわ」

140: 2015/08/11(火) 23:27:27.09 ID:E1VSpW3k.net
ー緑の国


ツバサ「で、あなたは赤の国につくの?」

雪穂「…まぁ」

ツバサ「紫の国との戦いが終わったばかりで、うちは消耗しきってる」

雪穂「うちは赤の国とは直接は関係ないけど…白の国が向こうにつく以上、ですよ」

ツバサ「困ったわね…」

ツバサ「同盟を組んでる以上参戦しないわけにはいかないし」

雪穂「子どもはどっちにいると思います?」

ツバサ「さぁ…検討もつかないわ」

ツバサ「というか、あの状態で勝手に連れ去ると思えないのよ」

雪穂「でも実際にいないんじゃ」

ツバサ「…はぁ」

ツバサ「あー、あと」

141: 2015/08/11(火) 23:31:13.48 ID:E1VSpW3k.net
雪穂「まだなにか?」

ツバサ「他の国の盗賊たちがうちの国の中をうろつき始めたらしくてね」

ツバサ「王宮に置いておくのは危ないから他の国に逃がすと予想して、手当たり次第探ってるみたいなのよ」

雪穂「えぇ…、じゃあうちの国にも」

ツバサ「金貨を捕まえる感覚なんでしょうね」

雪穂「ただでさえ戦争で、税もあげないとだし…武器も作らないとだし」

雪穂「盗賊となったら治安も悪くなるし…」

雪穂「めんどうだな…」フゥ

ツバサ「まぁ、あなたの国が保護してあげたらいいんじゃない」

ツバサ「私は王宮にいないと思ってるからね」

ツバサ「案外遠い白の国にいたり…とか」

雪穂「ないですよ~そんなの」

142: 2015/08/11(火) 23:34:06.61 ID:E1VSpW3k.net
ー黄の国(ことり家)


凛「でも…どうやって?」

穂乃果「これから考えるんだよ♪」

穂乃果「ね、海未ちゃん!ことりちゃんっ」

ことり「ほらぁ…」チュン

海未「あのですね…たかが3人にどうにか出来るとでも?」

海未「相手は国家になりますが…」

花陽「だよね…迷惑ですよね」

海未「いや、迷惑とは…」

143: 2015/08/11(火) 23:35:51.60 ID:E1VSpW3k.net
穂乃果「…ねぇ、覚えてる?」

穂乃果「穂乃果たちが子どもの時に、迷子の子を家まで送り届けてあげたよね」

穂乃果「今だって同じだよ」

ことり「…海未ちゃん」チラ

海未「…はぁ」

海未「わかりました」

ことり「…うんっ」

ことり「穂乃果ちゃんは、昔も今も…変わらないね」ニコ

海未「なら私たちもついていくのみです」ニコ

穂乃果「2人とも…ありがとう!」

凛「ありがとっ!これで5人だねっ」

花陽「感謝しきれないです…」ウルウル

海未「泣くのは王宮に着いてからですよ?」

ことり「大丈夫だよ…きっとたどり着ける」

144: 2015/08/11(火) 23:37:43.77 ID:E1VSpW3k.net
穂乃果「とりあえず、2人が結婚するためには国の争いを止めなきゃいけないんだよね?」

ことり「…でも、簡単にはいかないと思う」

海未「私たちが行って説得しても切り捨てられるだけでしょうし」

海未「なのでこの2人に話してもらうしかありませんが…」

ことり「それだと争いは止まるけど、今後一生会えないかもしれない…」

穂乃果「うーーん…」

花陽「あ、あの…」

花陽「そもそも…なんで赤の国と青の国はこんなにも仲が悪いんだろう?」

凛「うーん、凛は勉強の時サボってたしなぁ…」

花陽「私は、昔の歴史は教えてもらってなくて」

穂乃果「ことりちゃん、わかる?」

ことり「…少しだけ、聞いたことはあるよ」

146: 2015/08/11(火) 23:40:19.93 ID:E1VSpW3k.net
ことり「赤の国と青の国は1つの国だった時があるって」

凛「えぇ!?」

花陽「へ…」

ことり「でも、争いがあって2つの国になったとか」

花陽「国の中でってこと…かな」

海未「なるほど、そこが今の情勢の元のようですね」

凛「1つの国だったって、2つの国はあんなに大きいのに?」

花陽「今から考えると不思議だよね…」

穂乃果「なんで争いはおきたの?」

ことり「そこまでは…結構昔のことみたいだし」

ことり「歴史書か何かがあればわかると思うんだけど」

穂乃果「そっか、歴史書かぁ…」

147: 2015/08/11(火) 23:43:25.57 ID:E1VSpW3k.net
海未「しかし、歴史書は王宮の書物庫に…」

穂乃果「歴史書を見ればわかるんだよね?」

ことり「そうだけど…」

ことり「無理だよ、関係者以外には非公開だと思うし…」

穂乃果「穂乃果たちは無理だけど…」チラッ

花陽「…」チラッ

凛「…」チラッ

海未「…あ」チラッ

ことり「…?」

ことり「わ、私なのっ!?」

ことり「ふぇぇぇ…」

穂乃果「お願いっ!」

穂乃果「ことりちゃんにしかできないの!」ガシッ

ことり「う、うん…っ」

ことり「がんばるよ…!」

148: 2015/08/11(火) 23:49:27.05 ID:E1VSpW3k.net
ー赤の国


真姫「…」イライラ

にこ「ねー、真姫ちゃん…最近寝てないでしょ?」

真姫「別に平気よ」

にこ「嘘。さっきだってねむそうにしてたもん」

真姫「兵の配置とか、黄の国とか…色々忙しいのよ」

真姫「あと国民にも準備させないといけないし」

にこ「…そっか、だよね」

真姫「…………」

にこ「…戦争しないと、解決できないのかな」ボソ

真姫「はぁ?」

真姫「ならにこちゃんは、話し合いで何とかなると思うの?」

149: 2015/08/11(火) 23:50:48.31 ID:E1VSpW3k.net
真姫「絵里のあの態度…返す気はさらさら無いでしょっ」

にこ「…そうよね」シュン

真姫「なに?希が心配だから?」

にこ「…!」

真姫「知ってるのよ。希とにこちゃんは、腹違いの子なんでしょう」

真姫「幼い頃も一緒にいたのよね」

にこ「……えぇ、そうよ」

真姫「…だからって戦争はやめるわけにはいかないから」

にこ「わかってるわよ」

真姫「…そう、ならいいの」

真姫「花陽は気が小さくて…すぐ泣いちゃうし…けどすごく優しい子で」

真姫「きっと怖がってるに違いないわ」

にこ「花陽を助けたいのは私も同じよ…」

真姫「…私が助けてみせる。大丈夫よ」

150: 2015/08/11(火) 23:53:31.52 ID:E1VSpW3k.net
ー黄の国(ことり家)


ことり「赤の国と青の国は…昔はそれぞれに国としてあった」

ことり「だけど、財政難などの問題もあって…他の国から領土を守るため両者の利害が一致したことにより合併」

穂乃果「それが1つの国って言われてた時期なんだね」

花陽「想像できないです…」

ことり「この国は金の国と呼ばれた」

海未「なぜ金の国なのです?」

ことり「んー…あ、金のペンダントが建国の証として作られたからみたい」

ことり「このペンダントは王様がつけてたんだって」

凛「へー…」

151: 2015/08/11(火) 23:55:46.68 ID:E1VSpW3k.net
ことり「話を持ちかけた青の国の王から2年、赤の国の王が2年…と2年ごとに権力がうつることになっていた」

凛「そんなうまくいくの??」

ことり「うん…この体制は約300年続き、金の国は領土も広げ大国へと成長した」

穂乃果「結構長く続いたんだね~」

ことり「だけど、ある年に青の国の王様が若くして病に倒れ…亡くなってしまった」

ことり「世継ぎはいたが、幼い子どもだったため16歳になるまでは赤の国の王が政権をとることになった」

海未「その時点で嫌な予感がしますね…」

ことり「青の国の世継ぎは16歳になったが、赤の国の王は様々な理由をつけ先延ばしにしようとした」

ことり「そして…ある日何者かによって赤の国の王が暗殺された」

花陽「ひぃぃっ!?」

152: 2015/08/11(火) 23:57:25.98 ID:E1VSpW3k.net
ことり「証拠などは無かったが、赤の国の家臣たちは青の国の王の取り巻きが行った犯行と断定」

ことり「金の国の中で…紛争がおこった」

凛「ずっと仲良くしてきたのにね…」

ことり「赤の国、青の国とこだわってたのは王宮の人達だけだと思う…」

ことり「金の国を治めるための証である金のペンダントを巡って戦いは泥沼化」

海未「ペンダントはどちらが?」

ことり「ペンダントは…行方不明」

穂乃果「えっ!無くしちゃったの??」

ことり「うーん…どっちの王の手にもペンダントは渡らずって書いてある」

ことり「その後、金の国はスタースカイ森を境に赤の国と青の国に分裂」

153: 2015/08/12(水) 00:00:29.10 ID:CsJNFRn6.net
ことり「家族や恋人なども関係なく、ね」

花陽「そんな…酷すぎます」

凛「それで、100年たった今でも仲悪いんだね」

穂乃果「100年って…その時に生きてた人はもういないのに」

海未「教育でしょう。子孫に過去の記憶を受け継がせているのです」

花陽「そんなのって…」

凛「…そのペンダントは?」

ことり「へ?」

凛「その金のペンダントは今どこにあるの?」

花陽「ま、まさか凛ちゃん…」

凛「うん!それがあれば国を1つにできるんでしょ?」

海未「まぁ、そう言う事になりますね…」

凛「とりにいくの!」

穂乃果「凛ちゃんっ、それナイスアイデアだよ!」パァァ

154: 2015/08/12(水) 00:02:30.72 ID:CsJNFRn6.net
凛「でしょ~♪」

海未「いや、どこにあるかわかるんですか?」

凛「あ」

穂乃果「え、わかんないの?」キョトン

花陽「それがわかったら…!」

ことり「………わかるかも」ボソ

ことり「私の実家に、ある書物があってね」

ことり「先祖の人の日記みたいなの」

ことり「小さい頃に…見たことがあるだけだけど、金のペンダントのことが書いてあった」

海未「っ、な、なら…」

穂乃果「今すぐことりちゃんの実家に行って、確かめにいこうよ!」

穂乃果「そして、金のペンダントを持って争いを止めるんだよっ」

155: 2015/08/12(水) 00:04:48.57 ID:CsJNFRn6.net
凛「うん、赤の国と青の国を1つにすることができる」

花陽「でも、昔みたいに……」シュン

凛「金の国を治めるのは凛とかよちんだよ!」

凛「そんなことはさせない…。笑う人と、泣く人がいる国にはしたくない」

凛「ここに来て…いろんなことを学んだよ」

花陽「…凛ちゃん」

海未「ことりの実家は、同じ黄の国にあるとはいえこの町からは離れています」

海未「旅立つ前に言っておきますね」

海未「私たちは、約束した以上…貴方達が国に帰れるまでお供します」

海未「しかし、それにも限界があります…」

花陽「どういうこと…?」

156: 2015/08/12(水) 00:09:38.85 ID:CsJNFRn6.net
穂乃果「自分の身は自分で守らないとだめだよってこと!」ニコ

花陽「…うんっ」

凛「大丈夫、かよちんは凛が守るよ?」

ことり「…よし、行くんだね」フゥ

海未「…」チラ

海未「あの……やっぱりことりにはここにいて欲しいです」

ことり「…?」

海未「危ないですから」

ことり「こ、ことりだって…やる時はやるもんっ」

海未「し、しかし…あなたは剣術の経験が」

穂乃果「ことりちゃんは土地勘があるし、治療もできるよ?」

海未「…うぅ」

ことり「…決まりだね」ニコ

穂乃果「海未ちゃんは過保護すぎるんだよ~、穂乃果のことは止めないのに」ムゥ

海未「言い出したのは貴方でしょう!それに…大概のことではやられそうにないので」

穂乃果「それどーいう意味なのぉー!」グイッ

海未「うぐっ!…く、くるしいですっ」ジタバタ

157: 2015/08/12(水) 00:13:27.16 ID:CsJNFRn6.net
ことり「仲良しだね♡」

花陽「だね♪…って、」

花陽「あれ、ことりちゃんに貰ったネックレスがないよぉ…」

凛「かよちん落としちゃったの…?」

花陽「ごめんね…せっかくくれたのに」ウルウル

ことり「あ、いいよ~大丈夫!」

ことり「それは練習用みたいなものだから…」

ことり「昔にね、お父さんと一緒に作ったブレスレットがあるの」ガサゴソ

ことり「ちょうど2つあるし…花陽ちゃんと凛ちゃんに♪」

花陽「わぁ、すっごくきれい…」

凛「わー…こんないいものもらっていいの??」

ことり「うんっ♪」

ことり「この旅が上手くいく御守りだよ」ニコ

170: 2015/08/12(水) 21:11:17.78 ID:CsJNFRn6.net
ー黄の国


穂乃果「わー、ことりちゃんの家だ!懐かしいね~」

海未「10年ぶり…ぐらいでしょうかね」

ことり「書斎は地下にあったはずだから、みてくるね!」タタッ

花陽「…ふわぁ」

凛「かよちん疲れちゃった?大丈夫?」

花陽「ううん…!平気だよ」

海未「…無理はよくありません。体調が悪くなったらすぐ言ってくださいね」

花陽「ありがとう」ニコ

穂乃果「穂乃果はお腹すいたな~」

海未「さっき食べたでしょう!」

穂乃果「携帯食ってなんであんなに美味しくないんだろうね」ハァ

172: 2015/08/12(水) 21:14:54.96 ID:CsJNFRn6.net
海未「…なら町を通る時に果物でも買いましょう」

穂乃果「やったー!」

凛「でも馬って、ずっと乗ってると疲れちゃうんだね」

花陽「うん…私は乗馬はあんまりさせて貰えなかったし、乗れただけでも奇跡なんだけど」

穂乃果「そんな風には見えなかったよ?馬もすぐ懐いたし」

海未「そういえば犬も懐いてましたね。花陽には動物に好かれる何かがあるんでしょう」

花陽「そうなのかな…えへへ」

凛「かよちんはいい匂いするからね~♪」

花陽「り、凛ちゃん…っ//」


ことり「あったよー!」タタッ

ことり「よいしょっ、と!」ドサッ

穂乃果「埃かぶってる…」

173: 2015/08/12(水) 21:18:07.38 ID:CsJNFRn6.net
ことり「……ふむふむ」

海未「…何かわかりましたか?」

ことり「えっと…そのまま読むね」

ことり「金のペンダントは争いの中で、様々な人の手に渡っていたようだ」

ことり「あの金の国の争いから何年かたったある日、私は町に出掛け骨董品を売っている店に行った」

ことり「そこで…金のペンダントを見つけた」

ことり「紛れもない、金の国の王の証であるものだ」

花陽「えぇぇ!!そんな簡単にウラレテタノォ!?」

海未「ペンダントの実物のデザインを知っていたのは王族ぐらいでしょうから…有り得ない話ではないかと」

穂乃果「それでそれで??」

ことり「私が魂を込めて作ったものであるから、この出会いは偶然ではないだろう」

凛「え、ことりちゃんの祖先の人が作ってたんだね…」

ことり「うちは昔からそういう装飾品を作ってたみたい…」

174: 2015/08/12(水) 21:21:17.51 ID:CsJNFRn6.net
穂乃果「ってことは…そのペンダントはここにあるんじゃない?」

ことり「ううん…」

ことり「争いの元凶となったこれは、もう2度と人の手に渡らないところに置かねばならぬと思った」

海未「え゙…」

ことり「この日記を読んでいるのは私の子孫だろう。だから氏ぬ前にここに書きとめておく」

ことり「紫の国のゲルド山」

ことり「私は仕事用に、そのふもとに小屋を建てた」

ことり「本棚を動かすと地下へ続く階段が隠してある」

ことり「…金のペンダントはその中だ」

凛「地下室なら、きっとまだ誰にも見つけられてないよ!」

花陽「そうだね…この日記を読まないとわからないと思う」

175: 2015/08/12(水) 21:23:32.42 ID:CsJNFRn6.net
穂乃果「…紫の国かぁ」

凛「ここからは北に行けばいいんだよね?」

海未「そうですね」

海未「…しかし、少し遠いです。それに」

ことり「…その辺りは治安がよくない」

花陽「そ、そうなんだ…」

穂乃果「でも、目的地がわかったのは大きいね」ニコ

穂乃果「よーっし、がんばろう!」

凛「おっー!」

海未「ことり、あれを」

ことり「わかった!」タタ

花陽「ことりちゃん、またお家に戻っちゃったけど…」

176: 2015/08/12(水) 21:28:10.11 ID:CsJNFRn6.net
ことり「よいしょ、うーんしょ…」ズルズル

凛「大きな箱だにゃ」

ことり「いろいろ入ってるよ、海未ちゃん」

海未「ありがとうございます」

海未「花陽、凛、これを」

凛「なにー?…って、剣だ」

花陽「ふぇ…初めて持つよ」

凛「凛は、剣術教えてもらってたよ!」

凛「…絵里ちゃんにだけど」

海未「そうですか、なら頼もしいです」ニコ

花陽「重たいんだね…」カチャ

海未「花陽には重たいですか…ならこの短剣を」

花陽「うん、これなら大丈夫そう」

海未「護身用にでいいので持っていて下さい」

177: 2015/08/12(水) 21:31:27.22 ID:CsJNFRn6.net
穂乃果「んー…」ガサゴソ

穂乃果「うん、マントも5つあるよ!」

ことり「姿は隠せるほうがいいからね♪フードもちゃんと被ってね」

花陽「はいっ」

凛「これあったかいにゃ~…」

海未「必要なものは揃いましたね…」

海未「私とことりが先頭を走ります」

海未「凛と花陽はその後ろを」

海未「穂乃果は最後、任せます」

穂乃果「りょーかいっ!」ビシッ

ことり「よし…まずはこの国から出なきゃね」

178: 2015/08/12(水) 21:34:59.39 ID:CsJNFRn6.net
ー黄の国.紫の国(関所)


ことり「…止まって!」

凛「ど、どうかしたの??」

穂乃果「わっ!ぶつかるとこだったよ…」

海未「関所ですので。衛兵が居ます」

花陽「凛ちゃん、私たちも渡ったよ…?」

凛「あ、そうだよね…」

穂乃果「どうやって渡るの?穂乃果たちはともかく、2人は」

花陽「だよね…顔でバレちゃうし」

海未「いえ、ことりがいれば通ることは出来ると思います」

海未「幸いなことに衛兵は今は2人しかいないようですし、ね」チラ

179: 2015/08/12(水) 21:38:16.77 ID:CsJNFRn6.net
衛兵1「そこの一行、止まれ」

ことり「どうかしました?」ニコ

衛兵1「身分は?何の目的で紫の国に行く?」

ことり「えぇと…」ヒョイ

衛兵2「…あぁ、王都の役人ですか」

ことり「ちょっと私用で…使用人も連れて紫の国に」

衛兵1「王の許可はとってありますか?今は紫の国には入れない筈ですが」

ことり「え、どうして…?」

衛兵2「我国は赤の国についたからです。なので紫の国とは敵国同士となります」

凛「…っ」

ことり「そんな…!」

180: 2015/08/12(水) 21:43:55.43 ID:CsJNFRn6.net
衛兵1「認められませんので、お引き取り願います…」

海未「…ことり、どうしますか」ボソ

ことり「………」

ことり「…あなたたちはこの時間、ここでしっかり仕事をしていて」

ことり「誰にも関所を通らせなかった」ポン

衛兵2「…!!」

衛兵1「こ、こんな量の金貨…っ」

ことり「…だよね?」ニコ

衛兵2「…は、はっ!」

衛兵1「お気を付けて…」


ギィィィ


凛「汚職にゃー…」ボソ

穂乃果「…まぁ通してくれたから」ニコ

海未「ことり、大丈夫なのですか?」

ことり「お金ならまだあるから…」

ことり「あんなとこで止まれないでしょ?」

花陽「ありがとうございます…」

ことり「ううん、気にしないで♪」

182: 2015/08/12(水) 21:47:50.14 ID:CsJNFRn6.net
ー紫の国(ヴィリー町)


穂乃果「あー…やっとついた…」

花陽「ずっと走りっぱなしだったもんね…」


ガヤガヤ

凛「…」キョロキョロ

凛「……なんかこの町」チラ

海未「えぇ」

ことり「私たちがいた町よりは治安が悪いから…気をつけて」

海未「ですが、時間的にここに留まるしかないんです」

凛「そっかぁ…」

凛(なんか怪しいものが売り買いされてるし…路地裏には怖そうな人がいるし…)

183: 2015/08/12(水) 21:49:32.98 ID:CsJNFRn6.net
穂乃果「あ、あそこで美味しそうなの売ってるよ!」

花陽「…!?」

花陽「行きましょう、穂乃果ちゃんっ」タタッ

穂乃果「うん!」

海未「ちょっと…、穂乃果!」

穂乃果「すぐ戻るよ~」タタッ

海未「…もう」ハァ

ことり「あんまりお腹いっぱい食べれてないし…仕方ないよ」ニコ

凛「かよちんはお腹空くとあーなっちゃうの…」

ことり「私たちは先に宿に行っておこう?」

凛「かよちんたちはいいの?」

海未「宿の名前は穂乃果に伝えてあるので大丈夫かと…」

184: 2015/08/12(水) 21:54:43.58 ID:CsJNFRn6.net
ーヴィリー町(路地)


凛「こんなところに宿なんてあるの~…?」

凛「建物の影で道が暗いよ…」

ことり「不気味だよね…」キョロキョロ

ことり「…わっ」ドンッ


男1「…っいてぇな!」クルッ

ことり「あ、ごめんなさい…!」

男2「…ん、ここら辺じゃ見ない格好だな。何処からきた?」

ことり「……」

男1「っていうか可愛い顔してんじゃねえか」グイッ

ことり「や、やだっ」

海未「触らないでもらえます?」グイッ

男1「なんだよ!ぶつかってきたのはそっちだろう」

185: 2015/08/12(水) 21:58:05.02 ID:CsJNFRn6.net
海未「彼女は謝りましたよね?」

男1「はぁ!?俺たちが誰かわかってんのか?」グイッ

海未「…」

ピトッ

海未「興味ないです」

男1「ひっ…」ビク

海未「これ以上突っかかるならもう2度と話せなくしてあげますが」

男1「ま、まて!そう早まるな…」ハハ

男2「悪かったよ…、見逃してくれ」

海未「…」パッ

海未「2人とも、行きますよ」

凛「う、うん…っ」

ことり「…海未ちゃん、ごめんね」

海未「…構いませんよ」ニコ

186: 2015/08/12(水) 22:01:08.68 ID:CsJNFRn6.net
ーーーーー


男1「お、おい…!あいつやばくないか!?」

男1「首に剣先突きつけられるまでわからなかったぜ…」

男2「それはお前が鈍いからだろ」

男1「はぁぁ!?」

男2「そんなことよりも…」

男2「後ろにいてフード被ってたガキ」

男1「そんなやついたか?」

男2「お前は相変わらずだな…」ハァ

男2「…俺の見間違いじゃなけりゃ、あれは」

197: 2015/08/15(土) 20:09:10.23 ID:uEFg4fZB.net
ー宿屋


穂乃果「うーん、美味しい♪」モクモグ

花陽「このお菓子はどうやって作ったんでしょうか…」ジー

凛「…ほんとだ、美味しいにゃ」モグモグ

ことり「それはね、ちょっとお酒を混ぜて…」

海未「おしゃべりも楽しいですが…明日に備えて寝ますよ」

穂乃果「はぁーい」

凛「そうだね、おやすみ~」

花陽「おやすみなさい!」

ことり「日が昇る前くらいに出ないとね」

海未「私が起こしてあげますので」

穂乃果「明日も、みんなでがんばろうね!」

198: 2015/08/15(土) 20:11:29.37 ID:uEFg4fZB.net
ー紫の国(ワッチャドゥ森)


ことり「わー…この森暗いね」

凛「いっぱい木があるからかなぁ」

花陽「はぐれちゃいそうだね…」

海未「この森を抜ければ近道ですから」

穂乃果「なら早く行こう!」

ことり「うん、私が先導するね」


ガサッ

花陽「ん…?」クル

凛「かよちんどうしたの?」

花陽「…ううん、何もないよ」ニコ

199: 2015/08/15(土) 20:14:04.16 ID:uEFg4fZB.net
凛「まだ先なの…?」ハァハァ

ことり「方向はあってるから…半分は過ぎてると思うけど」

凛「まだなんだぁ…この森ちょっと怖いよ」

海未「もう少し頑張りましょう」

花陽「でも、この子疲れてないかなぁ…」サワ

海未「その馬はこれぐらいでは疲れませんよ」ニコ


穂乃果「…!!」ハッ

海未「…穂乃果?」

穂乃果「海未ちゃん!後ろから何かが来てる!」

ことり「え…!?」

海未「なっ、追っ手ですか…!」

200: 2015/08/15(土) 20:15:45.62 ID:uEFg4fZB.net
穂乃果「わかんないっ、けど5、6…こっちよりは人数は多いよ!」

花陽「わ、私たち…、見つかっちゃったの!?」

凛「どうするの!?」

海未「スピードを緩めてはなりません!」

海未「この森は視界が悪い、振り切れる筈ですっ」

ことり「方向転換は私の支持に…わぁ!」

海未「矢…!?」

穂乃果「右だよ!右から狙撃してきてる!」

花陽「ことりちゃん大丈夫っ?」

ことり「大丈夫だよ…」フゥ

凛「右から足音が近づいてくるにゃー!」

海未「私は穂乃果のところまで下がります、ことりは先導だけに集中してください」

ことり「任せて…!」

穂乃果「花陽ちゃんと凛ちゃんも離れないで!」

201: 2015/08/15(土) 20:17:18.44 ID:uEFg4fZB.net
盗賊1「待てこらぁ!!」

盗賊1「青の国のガキがいるのはわかってんだよ!」

凛「な、なんで…!?」

海未「…奴ら、私が追い返した男のグループみたいですね」

海未「盗賊団…厄介なところに関わってしまったものです」

花陽「後ろから追ってくるグループと、右で併走するグループがいるみたい…!」

ことり「なら、左寄りに走るよ!」

穂乃果「…だめ、このままだと追いつかれる」ボソ

海未「く…っ、戦いますか?」

202: 2015/08/15(土) 20:18:35.01 ID:uEFg4fZB.net
穂乃果「人数が多すぎる、それに2人がいるし守りきれないよ」

海未「どうすれば…!」

穂乃果「……」


ーーーーー


盗賊1「ちっ、後ろの奴らは何してんだよ!」

盗賊2「慌てるな。こっちの馬の方が早い」

盗賊2「追いつくのは時間の問題だ」

盗賊3「捕まえたら優しくしねぇとな…」

盗賊3「王宮まで連れてくだけで大金持ちだぜ」

盗賊2「他の奴らはいい、オレンジ色の髪のガキだけ探せ!」

盗賊4「了解、兄貴!」

203: 2015/08/15(土) 20:20:41.71 ID:uEFg4fZB.net
盗賊1「…あっ」

盗賊3「おい!あいつら、大きな木にぶつかって2手に分かれたぞ!」

盗賊1「おい、どっちだ!?」

盗賊2「…右だ!!右を追え」

盗賊2「茶色の馬に乗ってる奴だ」

盗賊3「はは、道がわかんねぇみたいだな…どんどん奥へと入っていくぞ」

盗賊4「おい、矢はガキに当てるなよ!?」

盗賊1「わかってるよ、馬に当てて止めるんだろ!」ヒュッ


ヒヒーン!


「…っっ!」ドサッ

204: 2015/08/15(土) 20:22:30.01 ID:uEFg4fZB.net
盗賊2「落ちたぞ!囲め!」

盗賊3「鬼ごっこは終わりだ、お嬢さん」

盗賊3「抵抗しなければ何もしないからな、大人しくしろ」

盗賊1「いやー俺のおかげだな、金貨何千枚だぜ?」

盗賊4「兄貴、後ろを追ってた奴らも全員合流しました」

盗賊2「…そうか」

「……」

盗賊1「なんだ泣いてんのか?さっさと立て!」グイッ


ザクッ

盗賊1「っ…がぁ…!」ドサッ

205: 2015/08/15(土) 20:23:59.54 ID:uEFg4fZB.net
盗賊3「!?…なんだこいつ!」



「…残念だったね」


穂乃果「揃いも揃って騙されるなんて…その仕事向いてないんじゃない?」

盗賊2「…ちっ、やられた」

盗賊3「くそぉ!許さねぇ!」

穂乃果「…いいよ。相手してあげる」

穂乃果「時間は稼がしてもらうから、ね」

盗賊2「自ら氏にに来るとは…大したもんだな」


盗賊2「やっちまえ」

206: 2015/08/15(土) 20:25:29.60 ID:uEFg4fZB.net
凛「なんで!?なんで…そんなことしたのっ」

ことり「…穂乃果ちゃん」グス

花陽「そんな…今まで一緒にやってきたのに…そんなのって、」ウルウル

海未「…ならあそこで全滅したかったのですか?」

凛「だからって穂乃果ちゃんだけ置いていくの!?」グイッ

海未「穂乃果からの提案です、私はそれ以外の解決策が見つかりませんでした」

凛「うぅ…なんで…」ドサ

凛「凛が捕まればよかったんだよ…穂乃果ちゃんが氏ぬ事なんてなかった」

ことり「…穂乃果ちゃんは、接近戦なら海未ちゃんよりも強いよ」

207: 2015/08/15(土) 20:27:47.12 ID:uEFg4fZB.net
花陽「けど!あの数で…っ」

海未「…はい」

海未「生きては帰れないでしょう」

凛「平然というんだね…見損なったよ、海未ちゃん」

海未「…何とでもどうぞ」

凛「…っ」ガッ

ことり「だめ…!凛ちゃんっ」ガシッ

凛「穂乃果ちゃんは凛にいろんなことを教えてくれた!友達って言ってくれた!」

凛「穂乃果ちゃん…っ」グスッ

ことり「一番辛いのは、海未ちゃんなんだよ…?」

208: 2015/08/15(土) 20:29:22.88 ID:uEFg4fZB.net
海未「…」

花陽「2手に分かれる判断をしたのも、海未ちゃんだったね…」

海未「…穂乃果は私に言いました」

海未「このままでは追いつかれる」

海未「けど、ここで負けるわけにはいかない」

海未「凛が認知されているなら、髪の色が似てる私を間違えるはず…」

海未「幸いこの森は薄暗い…可能性はある」

海未「だからここは任せてくれ、と」

花陽「……穂乃果ちゃん」

209: 2015/08/15(土) 20:30:44.29 ID:uEFg4fZB.net
海未「私は止めました。しかし穂乃果は更に続けました」

海未「その代わり、3人のことは私に任せると」

海未「だから私は…貴方達を命をかけて送り届けましょう」

海未「それ、が、最後の……穂乃果との約束…です」グスッ

ことり「…海未ちゃんっ」ギュッ

花陽「…うぅ」シュン

凛「……そっか」

凛「進もう」

凛「止まってる暇なんて無いよ」

花陽「凛、ちゃん…」

220: 2015/08/16(日) 13:36:40.17 ID:vsQWQb7o.net
花陽「っ…はぁ…はぁ」

ことり「…ふぅ」

海未「…少し休みましょう」

凛「なんで!もう少しで着くのにっ」

海未「チームで動く以上、自分勝手な行動は許しません」

凛「…」ムス

海未「不満でも?」

凛「…ないよ」

花陽「凛ちゃん、ほら…あそこまでお水飲みに行こう?」クイ

凛「うん…」スタスタ

221: 2015/08/16(日) 13:42:53.09 ID:vsQWQb7o.net
ーーーーー


海未「…はぁ」

ことり「無理もないよ…気持ちが先にいっちゃうんだと思う」

海未「次の王とはいえまだ子どもですからね。凛は」

海未「勇気はあっていいとは思いますが、暴走しがちです」

ことり「うん…そうだね」

ことり「だけど、私と初めて会った時よりは成長してると思うの」

ことり「花陽ちゃんも…」

海未「花陽は本当に優しい子です」

ことり「あとは自分の気持ちを、行動にうつせたら…きっといい王様になると思うよ」

海未「…まぁ、怖がりみたいですからね」

ことり「早く…見つけないとね」

海未「えぇ」

224: 2015/08/16(日) 21:38:42.41 ID:vsQWQb7o.net
ーゲルド山


花陽「ここが…!」

ことり「大きい山だね…」

凛「ふもとの小屋でしょ?探そう」

海未「はい」

ことり「でも…あんな昔の小屋なんて残ってるのかなぁ」

海未「使われていなければ残ってはいそうですが…ボロボロでしょうね」

花陽「木が生い茂ってるし…時間かかるかも」フゥ

凛「やっと手に入るんだよ…、かよちん」ニコ

花陽「…うんっ」ニコ

225: 2015/08/16(日) 21:45:48.42 ID:vsQWQb7o.net
ーーーーー


ことり「ここから…南東の方角に」

海未「…見つかりました?」

ことり「うー…」

凛「こんな高いとこから見てわかるのかにゃー」

花陽「とりあえずは高いところから探すといいって…真姫ちゃんも言ってた」



ことり「…あれ」

凛「…見つかったのかにゃ?」

ことり「あそこだけね…木が生えてないの」

226: 2015/08/16(日) 21:48:22.85 ID:vsQWQb7o.net
ことり「…ん、小屋っぽいものがあるよ!」

海未「なら、それですね」

花陽「やったぁ!」

凛「なら早く取りにいこっ!」タタッ

海未「待ってください」グイ

凛「ぅっ…!」

海未「私とことりで行ってきます」

凛「どうして?」

海未「何があるかわからないので。保険です」

海未「2人はここの洞窟に隠れててください」

ことり「そうだね…人数も少ない方がいいよ」

227: 2015/08/16(日) 21:51:04.13 ID:vsQWQb7o.net
花陽「で、でも…っ」

海未「心配いりません、ペンダントをとって帰るだけなので」ニコ

凛「何が起こるかわからないよ?」

ことり「…もし、何かあってもペンダントだけは守るから」

海未「ことり、案内お願いします」

ことり「うんっ」

海未「大人しくしていてくださいね」



花陽「…いっちゃった」

凛「はぁ…」ゴロン

花陽「凛ちゃん…」

228: 2015/08/16(日) 21:53:12.18 ID:vsQWQb7o.net
凛「結局…海未ちゃん達も、絵里ちゃん達と同じだよ」

凛「子どもだからって…」ムッ

花陽「…仕方ないよ」

凛「……穂乃果ちゃん」

花陽「だめだよ」

花陽「この旅が終わるまではだめ」

凛「かよちん…」

凛「そうだね」

花陽「…海未ちゃん、離れちゃだめって言ってたけど」

花陽「すぐ近くに果物がなってたから…とってくるね」

凛「なら凛もいく」

凛「言ったでしょ、かよちんは凛が守るにゃ」

229: 2015/08/16(日) 21:55:27.87 ID:vsQWQb7o.net
ー小屋


ことり「うわ、すごい軋むね」

海未「気をつけてください」

ことり「…本棚にいろんな文献がある」

海未「ここで書いていたんでしょうか…」

ことり「かもね…んーっ!」グッ

海未「手伝います」グッ


ギギギ…


ことり「…ほんとに下が階段だね」

海未「ずっと密閉されていたのなら、中のものはそんなに傷んではいないかと」

ことり「…よし、カンテラもついたよ」

海未「…行きましょう」

230: 2015/08/16(日) 21:57:45.66 ID:vsQWQb7o.net
凛「ねー…危ないよぉ」

花陽「平気だよ!」

凛「かよちんって木登りとかは普通にしちゃうんだね…」

花陽「王宮の敷地内でしか遊ばして貰えなかったから…」

花陽「小さい頃は、こうやって1人であそんでたの」

花陽「…真姫ちゃんには絶対だめって言われたけど、にこちゃんがこっそり遊ばしてくれた」

凛「へぇ…そうなんだぁ」

凛「うちもね、希ちゃんも凛が外に出ることに何も言わなかったし」

231: 2015/08/16(日) 21:59:37.40 ID:vsQWQb7o.net
凛「絵里ちゃんはすぐ怒るけど」

花陽「…凛ちゃんが心配なんだよ」ニコ

凛「そうかな~…」

花陽「あ、これ美味しそう」プチ

花陽「落とすよ~?」

凛「おっけー!」


ワン!ワン…


花陽「ふぇ…」

凛「かよちーん!まだー?」

花陽(犬の鳴き声…?)

232: 2015/08/16(日) 22:02:18.54 ID:vsQWQb7o.net
花陽「…!」ハッ

ガサッ!…タン

凛「わっ!急に降りてきて…どうしたの?」

花陽「た、大変だよぉ!」

花陽「海未ちゃんとことりちゃんが危ないっ」

凛「え…?」

花陽「さっきの人達がまだ追ってきてる…」

凛「そんなぁ!」

凛「こっちに向かってるの!?」

花陽「ううん…向かってるのは」


花陽「小屋の方だよっ!」

233: 2015/08/16(日) 22:11:13.00 ID:vsQWQb7o.net
凛「…!!」

花陽「ど、どうしよう凛ちゃんっ」

凛「助けに行きたいけどっ…!」

凛「でも…ここから動くなって」

凛「それに凛達が行ったところで…!」

花陽「…で、でも!見頃しにできないよぉ」

凛「わかってるっ!凛だってやだよ!」

花陽「うぅ…どうすれば」

凛「……」スゥ

凛(剣術は絵里ちゃんに教えてもらった)

凛(…けど、ちゃんと話聞いとけばよかったな…)

凛「…凛だけ、行ってくる」

凛「かよちんはここにいて…?」

235: 2015/08/16(日) 23:17:41.81 ID:vsQWQb7o.net
ー地下室


ことり「うぅ、蜘蛛の巣がいっぱいだよ」

海未「私がとりましょうか?」

ことり「ううん…」

ことり「金のペンダントなんてないよぉ…」

海未「こちらにもそれらしきものは…」

ことり「…ここにはないのかも」

海未「希望を捨ててはいけません。きっとあるはずです」

ことり「…うん」

ことり「この錆びた鎖…邪魔だな」ジャラ

ことり「ん…?」

236: 2015/08/16(日) 23:20:16.41 ID:vsQWQb7o.net
海未「…ことり?」

ことり「海未ちゃんっ、これって!」パァァ

海未「っ、これです!」

ことり「すごく錆びちゃってるけど…絵で見たものとデザインが全く同じ」

海未「間違いなく金のペンダントですね」

ことり「無くさないように…ことりの首にかけとくね」

海未「はい、それでは2人のところに早く戻りましょう」


ギィィ…


ことり「うぅ…地下室、すっごく暗かったから」パチ

海未「少し眩しいですね…」

237: 2015/08/16(日) 23:25:23.29 ID:vsQWQb7o.net
ことり「この小屋の扉も…古いから壊れそう」

海未「よく残っていたとは思いますよ」ギィ


ザクッ

海未「っ…ぁ!」

ことり「海未ちゃんっっ!!」


盗賊2「よう、久しぶりだな」

盗賊A「っと!こいつら武器もってるぞ!」

ことり「…海未ちゃん!」

海未「大丈夫です…っ」フラ

盗賊2「腹刺されて平気なわけないだろ」

盗賊B「やっちゃっていいんすか?」

盗賊2「勝手に動くな」

盗賊2「とりあえず武器を取り上げて地面に押さえつけろ」

238: 2015/08/16(日) 23:28:09.28 ID:vsQWQb7o.net
盗賊C「おらぁ!」ヒュッ

海未「…っ!」ザクッ

盗賊C「がぁっ!!」ドサ

盗賊B「おい…こいつも強いぞ」

盗賊2「慌てんな。こいつは左の脇腹を庇ってる」

海未「この前も思いましたが…あなただけはある程度の…知識があるようですね…」ゼェ

盗賊2「あぁ、騎士団出身でね」

盗賊2「腐ってたんでやめたんだ」

海未「…なぜこの場所がわかったのです」

239: 2015/08/16(日) 23:30:14.53 ID:vsQWQb7o.net
盗賊2「ほらよ」ヒラ

海未「…この血染めの布切れは」

盗賊2「お友達のだ」

盗賊2「犬に匂いを嗅がせて追いかければここってわけよ」

海未「…っ」

ことり「…穂乃果ちゃん」

海未「ことり」

海未「早く逃げなさい」ボソ

ことり「…でもっ」

盗賊2「言っておくが逃げようなんて思わないんだな」

盗賊2「囲まれてるのが見えねぇのか?」

241: 2015/08/16(日) 23:33:38.94 ID:vsQWQb7o.net
海未「…ちっ」

ことり「…私も、戦うよ」

ことり「もう逃げたくない…」

盗賊A「おいおい、足が震えてるぜ」

盗賊B「こっちからいくぞっ!」


ーーーーー


盗賊E「くそ…手間取らせやがって」

盗賊F「何人やられたんだ…」ゼェゼェ

盗賊2「ほら、吐け」グイッ

盗賊2「あのお嬢様たちをどこにやった?」

海未「……」

盗賊2「意識飛んでるのか?」ハァ

242: 2015/08/16(日) 23:36:05.58 ID:vsQWQb7o.net
盗賊2「…ならこっちの奴に聞いてみるか」グイ

ことり「うぅ…っ」

海未「っ、やめろ…!」

盗賊2「どこだ?言わなければ待ってるのは」

盗賊2「氏のみだ」

ことり「……っ」フルフル

盗賊2「…仕方ないな」ハァ

盗賊2「無理やり吐かせるか」

盗賊D「くく、ちょっと痛いぜ…」

ことり「……いやぁ!」



「はぁぁぁっっ!」シュッ

243: 2015/08/16(日) 23:39:10.16 ID:vsQWQb7o.net
盗賊D「ぐっ…ぅ」ドサ

盗賊2「なんだ、自分から来てくれたのか…」ニヤ

凛「海未ちゃんとことりちゃんを離せーっ!」ブンッ

ことり「…凛ちゃんっ!だめ!」

海未「……あぁ」

盗賊2「ガキが…」ブンッ


キィン…

凛「くっ…」

盗賊2「んーそうだな…勢いはいいがもっと手首を使うべきだ」

244: 2015/08/16(日) 23:42:37.51 ID:vsQWQb7o.net
凛「…いやだ」

凛「離せぇぇっ!」ダッ

盗賊2「素手で突っ込むのか…」ハァ

盗賊2「よっ」クルッ

凛「あっ…!」ドサ

盗賊2「甘々なそれじゃあ俺達には勝てねぇよ」

盗賊2「面倒だから縛っとけ」

盗賊E「はい」

凛「うぅ…っ、触るなぁっ!」ジタバタ

盗賊E「くそ…こいつ、大人しくしろ!」グイッ

ことり「…凛ちゃん」

245: 2015/08/16(日) 23:46:01.59 ID:vsQWQb7o.net
盗賊2「さてと…目的も達成出来たことだし」

盗賊2「氏んでもらうか」チラ

ことり「…っ」

海未「…待ちなさい」

海未「頃すなら…私だけに」

盗賊2「大丈夫だ、俺にも情はある」

盗賊2「両方楽に氏なせてやるよ」

海未「ぐっ…外道が」

ことり「海未ちゃんっ…」グス

海未「…」ギュ

246: 2015/08/16(日) 23:48:40.42 ID:vsQWQb7o.net
凛「やめて、やめてよっ…!!」

盗賊2「あの世で会えるぞ」サッ


「だめっ!!」


盗賊2「なっ…!?」


花陽「その人達を離して!」

盗賊E「あんたは…」

花陽「私は赤の国の次期国王…!」

花陽「言う事を聞いてくれないのなら…ここで」スチャ

花陽「…氏にます!」

凛「かよちん!?」

247: 2015/08/16(日) 23:52:22.51 ID:vsQWQb7o.net
海未「…なぜです」

海未「なぜ私たちのために…」

花陽「私の友人である以上、もう命を落とすことは認めませんっ!」

ことり「花陽、ちゃん…」

盗賊E「ど、どうするんです…兄貴」

盗賊2「…めでたく報酬は2倍になったわけだ。そこはいい」

盗賊2「氏なれるのは困る。要求は飲もう」

花陽「…はぁ」

盗賊2「だが、こいつらをここに置いて行くのは不味いな…」チラ

248: 2015/08/16(日) 23:58:18.73 ID:vsQWQb7o.net
盗賊2「後を追いかけられでもしたらたまんねぇ」

盗賊2「…4人とも馬車に乗せて連れていく」

盗賊2「それでいいかい、お嬢様」

花陽「…はい」

盗賊2「…交渉成立だ」

ことり「待って…このままじゃ海未ちゃんが氏んじゃう」

ことり「手当てさせて下さい…」

盗賊2「……いいだろう」

盗賊2「ガーゼと包帯を持って来い!」

盗賊F「は、はい!」

ことり「海未ちゃん…氏なないで」

海未「…平気、です…」ヨロ

海未「……穂乃果」

259: 2015/08/18(火) 23:43:08.92 ID:DMBlChkV.net
ガタンガタン


花陽「……」

凛「……」

花陽「海未ちゃんは大丈夫…?」

ことり「…わからない」

ことり「けど出血は止まってきたの」

ことり「今は眠れてるみたいだし…」

花陽「そっかぁ…よかった」ホッ


ことり「そうだ…これ、2人に」ジャラ

花陽「…これって!」

260: 2015/08/18(火) 23:44:32.92 ID:DMBlChkV.net
ことり「金のペンダントだよ。錆びちゃってるけど」

花陽「すごい、手に入れてたんだね」

凛「…意味ないよ」

凛「このまま連れて行かれて終わりだもん」

ことり「…」シュン

花陽「…諦めちゃだめ」

花陽「ここで希望を捨てちゃほんとに終わっちゃうよ…!」

凛「無理だよ」

凛「…穂乃果ちゃんと海未ちゃんでさえ敵わなかった」

花陽「それはっ…」

261: 2015/08/18(火) 23:46:41.93 ID:DMBlChkV.net
凛「…凛が、もっと…っ、強ければ」グッ

凛「…悔しいよ」ポロポロ

ことり「凛ちゃんのせいじゃないよ…」

凛「…」

花陽(無理もないけど…重い空気が流れてる)

花陽(うぅ…どうすれば)


ガタッ

盗賊D「おい、飯だ」

盗賊D「…あとご要望の新しい包帯も持ってきたぞ」

263: 2015/08/18(火) 23:50:35.67 ID:DMBlChkV.net
ことり「なんで…」

花陽「私が言っておいたの。海未ちゃんに必要でしょ」

ことり「そっか…ありがとう。滲んじゃってたし有難いよ」ニコ

ガシャ

凛「…こんな不味い飯なんて食べれないにゃ」

花陽「凛ちゃん、少しでも体力つけるために…食べないと」

凛「うー…」

凛「外の空気吸ってくる」ガタ

ことり「え、勝手に出たらだめなんじゃ…」

花陽「1人になりたいのかも…」ハァ

264: 2015/08/18(火) 23:52:48.25 ID:DMBlChkV.net
ーーーーー


盗賊E「おいふざけんな!戻るんだよ」

凛「うるさいにゃ。偉そうに指図しないで」

盗賊E「こいつ…!」

凛「ふん、やれるもんならやってみなよ」

盗賊E「ぐ…」

凛「…あれ、この湖って」

盗賊E「は?そーだよネイラル湖だ」

盗賊E「さっさと戻れ!」グイ

凛「むー、引っ張るなぁ!」

265: 2015/08/18(火) 23:54:40.56 ID:DMBlChkV.net
海未「…ん」パチ

ことり「ごめん海未ちゃん…起こしちゃったね」グイ

海未「…っ、い、痛いっ…!」

ことり「ちょっとだけ我慢して…包帯巻き替えないと」

海未「…うぅ」

花陽「海未ちゃんご飯食べられる?」

海未「ぅ…いえ、水を下さい…っ」

花陽「わかった…」ニコ

ーーーーー

凛「…あいつ絶対許さないにゃ」ガタ

ことり「あ、おかえり…」

266: 2015/08/18(火) 23:57:38.50 ID:DMBlChkV.net
凛「…」ムス

海未「凛…どこに行っていたのです」

凛「外に出ただけだよ」

海未「…そうですか」

ことり「凛ちゃん、今どの辺りかわかる?」

凛「…ネイラル湖って言ってたから。今は少し通り過ぎたとこかな」

ことり「ネイラル湖…確か紫の国の下の方だったと思う」

花陽「…じゃあやっぱり紫の国から赤の国に入ろうとしてるんだね」

海未「ならば時間はないようですね…」

267: 2015/08/19(水) 00:00:02.51 ID:0YrDbcoX.net
凛「……」

花陽「凛ちゃん…」チュ

凛「ふぇ…///」ビク

ことり「…花陽ちゃん//」

海未「っ…//」フイ

花陽「凛ちゃん。あのね、聞いて」

花陽「イライラしちゃうのもわかる、焦っちゃうのもわかるよ…」

花陽「だけど感情のままに動くのはよくないと思うの…」

凛「…うん」シュン

凛「ごめん。見失ってたね」

268: 2015/08/19(水) 00:02:10.97 ID:0YrDbcoX.net
凛「諦めちゃ…だめだよね」

ことり「…そうだね。ここまで来た意味がなくなっちゃう」

花陽「今は何も出来ないけど…気力だけは高めておかないと」

海未「…まぁ向こうは確実にこちらを舐めてますね。手を縛られてるのは私だけですから」

海未「隙があれば何とかなるかもしれません」

凛「…海未ちゃん」

凛「凛に剣術を教えて欲しいの」

海未「…イメージで教えることになりますが」

凛「少しでも皆を守りたい。もう何も出来ないのは嫌なの」

269: 2015/08/19(水) 00:05:42.15 ID:0YrDbcoX.net
盗賊D「日が落ちてきましたね」

盗賊2「…そうだな」

盗賊2「しかしもうすぐ赤の国だ。夜に関所を越えて休みをとる」

盗賊D「なぜ夜に?」

盗賊2「こっちも人数が減ったからな」

盗賊2「町で物資を揃えたり…休養をとったりで大きく遅れている」

盗賊2「だから今日のうちに紫の国を出たい」

盗賊F「…了解っす」

270: 2015/08/19(水) 00:07:34.51 ID:0YrDbcoX.net
ーーーーー

衛兵A「そこの一行止まれ」

衛兵B「…紫の国の使いか?」

盗賊2「役人ではないな。金儲けだよ」

衛兵A「…なら商人か」

盗賊2「俺達は国同士の戦争になんぞ興味はないんだ」

盗賊2「通して貰おうか」

衛兵B「…なら持ち物と関所を通りたい人間全ての顔を見せろ」

衛兵B「それが規則だ」

盗賊2「…わかったよ」

271: 2015/08/19(水) 00:09:13.03 ID:0YrDbcoX.net
盗賊E「…どうするんです、兄貴」ボソ

盗賊E「ここでばれちゃおしまいですぜ」

盗賊2「…お嬢さん以外の2人を馬車から出せ」

盗賊2「奴らは中までは見ない。2人出てくれば信じるだろ」


ーーーーー

衛兵C「…武器が多いな。本当に商売しにきたのか?」

盗賊G「疑ってもらっちゃ困るな。最近は物騒だからこうやって俺みたいな傭兵が雇われてるんじゃないか」

盗賊E「…それに武器の半分ほどは商品だ」

衛兵C「…そうか」

272: 2015/08/19(水) 00:11:59.95 ID:0YrDbcoX.net
ーーーーー

盗賊2「いいか、余計なことを言ってみろ」

盗賊2「馬車の中にいるうちのどっちかを痛い目にあわせてやる」

盗賊2「さっき教えた通りに言え」

ことり「…」コク

海未「この縄は解かないんですね」

盗賊2「…ちっ。賢く行動するんだな」パシッ


衛兵A「2人は何の職業だ?」

ことり「…私は、料理係で雇われていて」

海未「……同じです」

273: 2015/08/19(水) 00:15:09.96 ID:0YrDbcoX.net
盗賊2「もういいだろ。こんなとこで時間使ってられないんだ」

衛兵A「…そうですね、長々と失礼致しました」

盗賊2「…くくっ」

盗賊2「よしお前ら、片付けの」


ザシュッ

盗賊2「…かはっ…何だ…っ」

ことり「…!?」

海未「…なっ」


「…また会えて嬉しいよ」

275: 2015/08/19(水) 00:19:05.37 ID:0YrDbcoX.net
盗賊2「お前…っは、なぜ、だ…!」ドサ


ことり「穂乃果ちゃんっ!?」

穂乃果「ごめん、遅くなっちゃった」ニコ

海未「……っ、穂乃果ぁ」ウルウル

穂乃果「ほら、泣くのは後。今は戦わなきゃね」ヒョイ

穂乃果「はい、好きな武器をどうぞ!」

海未「…ことり、あなたは」

ことり「私も自分の身くらいは自分で守るよ…だから気にしないで」

276: 2015/08/19(水) 00:21:16.57 ID:0YrDbcoX.net
ワァァァ

海未「…!不味い、馬車の方に人が」

穂乃果「友達がそっちに行ってくれてる大丈夫だよ」ニコ

ことり「…友達?」

穂乃果「さ、海未ちゃんことりちゃん!行くよーっ!」


ーーーーー

花陽「ぴゃぁぁ…!危な…っ」

凛「かよちん!凛の後ろに隠れて!」ブンッ

盗賊H「ぐぅ…っ!」ドサ

凛「絶対守るから!」

278: 2015/08/19(水) 00:23:16.45 ID:0YrDbcoX.net
盗賊F「なんでこのガキ強くなってんだよ…!」

盗賊D「くそ!何なんだこの状況!!」

盗賊E「兄貴がやられた…っ!もうこいつらだけ攫えばいい!」

凛「2人に4人がかりなんてかっこ悪いにゃー!」

盗賊G「何とでもいいやがれ!いくぞっ!」シュッ


ドサッ…ザクッ

盗賊G「な、なんだ…!?」クルッ

279: 2015/08/19(水) 00:26:02.59 ID:0YrDbcoX.net
衛兵A「案外強くないね」

衛兵B「背後とられても気づかないんだもんね~」

衛兵C「あ、まだ1人残ってた」

盗賊G「なっなぜだ…!?」

ザシュッ

花陽「…うぅ、終わったの?」

衛兵B「いえまだですよ~」

衛兵A「向こうのほうにはまだいるけど…うん」

衛兵C「…あの暴れようじゃもうすぐ終わりそう」ニコ

凛「…??」

花陽「これはどういうこと…?」

花陽「…急に馬車の中に、この剣が投げ込まれて外に出てみたら…」

衛兵B「あぁそれはね…」

280: 2015/08/19(水) 00:29:36.13 ID:0YrDbcoX.net
穂乃果「そっか…金のペンダント、手に入ったんだ」ニコ

ことり「うんっ!今は花陽ちゃんが持ってるんだよ」

穂乃果「てことは…もう準備はバッチリなんだね」

穂乃果「あ、そういえば海未ちゃん怪我してるでしょ?」

海未「うぐ…わかりますか」

穂乃果「わかるよ~何かぎこちなかったし」

海未「穂乃果にはかないませんね…」

ことり「穂乃果ちゃんも怪我大丈夫なのかな…?」チラ

穂乃果「あれ、わかっちゃうんだ…」ニコ

281: 2015/08/19(水) 00:30:43.37 ID:0YrDbcoX.net
凛「穂乃果ちゃーーんっ!」タタタッ

穂乃果「わっっ!」ギュッ

凛「穂乃果ちゃん…っ」スリスリ

穂乃果「…い、痛いぃ」ウルウル

衛兵A「あぁだめだめ!傷口開いちゃうよ」

凛「あっ…ごめんね」

花陽「穂乃果ちゃん…!生きててくれて嬉しいです…っ」グスッ

穂乃果「あはは、穂乃果は氏なないよ~」ナデナデ

海未「あの、あなた達は…」

穂乃果「そうだ、紹介しないとね!」

282: 2015/08/19(水) 00:33:58.95 ID:0YrDbcoX.net
穂乃果「この3人は衛兵なんかじゃなくて…ヒデコ、フミコ、ミカって言うんだよ!」

ヒデコ「私達は3人で暮らしてるんだけど…たまたま、森のはずれで倒れてるこの子を見つけてね」

フミコ「悪そうな人じゃなかったし…家に連れて帰って手当てしたの!」

ことり「そうなんだ…ありがとう、穂乃果ちゃんを助けてくれて」

ミカ「意識取り戻してからすぐ何処かに行こうとするから…いろいろ話してもらって」

花陽「それで協力してくれたんですね…」ニコ

ヒデコ「まぁここの関所で待とうって言ったのは穂乃果なのよ」

凛「…へ、なんでなの?」

283: 2015/08/19(水) 00:35:34.06 ID:0YrDbcoX.net
穂乃果「だって、こんな広いのに闇雲に探したって見つからないでしょ?」

穂乃果「だから絶対に通る所で待てばいいって思ったんだ!」

海未「…珍しく考えたのですね」ニコ

穂乃果「海未ちゃん酷いよぉ!」

花陽「でもよかった…こうして会えたんだもん」

凛「うん…!諦めないでよかったにゃ」

フミコ「…感動に浸ってるところ悪いんだけど…あんまり時間ないよ」

ミカ「…明日の朝に、赤の国と青の国がぶつかるみたい」

284: 2015/08/19(水) 00:39:21.03 ID:0YrDbcoX.net
穂乃果「そ、そうだった!」

花陽「忘れてたの…?」

凛「明日の朝って…!?もう夜だよ…っ」

ことり「…夜通し馬を走らせれば間に合うとは思う」

海未「間に合わなければ解決するのは難しくなります…急ぎましょう」

花陽「うんっ…!」

ヒデコ「目指すのはラネールの谷だよ!そこは住民の避難命令が出てるみたいだから…!」

穂乃果「わかった!ありがとう、3人とも!」

ヒフミ「また会おうね、だから氏んじゃダメだよ!」

ミカ「またねー!」


穂乃果「よし、飛ばすよ!」

海未「…穂乃果」

穂乃果「…どうしたの?」

海未「もう…離れないで下さいね」ニコ

299: 2015/08/20(木) 23:22:31.59 ID:7GIhTbBV.net
亜里沙「…うぅ」

英玲奈「なんだ、顔色が悪いが」

亜里沙「いやそんなことないですよ…」

絵里「…戦う前から諦めてはいけないわ」

英玲奈「単純な計算では数でこちらは負けている。勝算でもあるのか?」

絵里「数で劣っていても1人のノルマは2人以上、こう考えたらどうかしら」

英玲奈「…なるほど。少しでも前向きに考えるべきだな」

絵里「…それにあんじゅはこちらに寝返る」

絵里「もう交渉済よ」

亜里沙「ハラセォ…!」

300: 2015/08/20(木) 23:24:06.61 ID:7GIhTbBV.net
雪穂「…いよいよですね」

真姫「そうね…絶対に負けない」

ツバサ「偵察部隊が帰ってきたわ。向こうも揃ってるみたいね」

あんじゅ「ならお互い準備はできたのね~」

雪穂「いやあ…あんじゅさんが味方なら負けないですね!」

あんじゅ「…任せて」ニコ

あんじゅ(うーん…とりあえず戦況次第で判断しましょうか)

あんじゅ(これで全てが私のもの…)

真姫「日が昇ってきたわ。進むわよ」

301: 2015/08/20(木) 23:26:37.45 ID:7GIhTbBV.net
ーラネールの谷


穂乃果「わ、日が昇ってきたよ!」

花陽「うぅ…間に合うの?というか兵はどこに…」

ことり「この崖の下でぶつかるんだと思う…」

海未「…なら少しずつ下りて行きましょう」

凛「うん…」

花陽「…凛ちゃん大丈夫?」

凛「えへへ、ちょっと緊張してきちゃったよ」

花陽「私もいるから…ね」ニコ

凛「うん!」

302: 2015/08/20(木) 23:27:31.91 ID:7GIhTbBV.net
穂乃果「これって段取りあるの?」

海未「まず争いが止まるのかが心配ですが…凛や花陽がいればそれは大丈夫かと」

ことり「問題は凛ちゃんと花陽ちゃんが両方の国を説得出来るか、だよね…」

凛「…任せて、昨日話した通りにするよ」

花陽「だけどね…ちょっと変更したの」

穂乃果「変更?」

花陽「あのね…」


ダダダダダ

凛「…!」ハッ

ことり「この音って…」

303: 2015/08/20(木) 23:29:01.55 ID:7GIhTbBV.net
海未「っ、まずいです、両方向から兵士が!」

穂乃果「まだ下にも降りれてないよ!?」

花陽「早く下に…!」

凛「だめ、そんなんじゃ間に合わないよ」

海未「ならばどうやって!?」

凛「馬に乗ったまま崖を降りるよ!」

海未「え゙」

凛「ほらかよちん!いっくにゃー!」ダダッ

花陽「ま、待って凛ちゃんっっ!」ダッ

穂乃果「よーし!続けー!」ダダッ

海未「無茶です…!そんなっ」

ことり「ほんとに行っちゃった…」

海未「…お、追いかけますよ!ことりっ」

ことり「私たちも行くの!?」

304: 2015/08/20(木) 23:31:10.95 ID:7GIhTbBV.net
ワァァァァァ

赤の騎士「いくぞっ、覚悟しろ!」

青の騎士「望むところだっ!」


「待って!!」ザッ


凛「こんな戦争に意味はない!武器を捨てて!」

花陽「と、止まりなさい…!」

「なっ、あれは凛様…!?」

「…花陽様!今まで何処に!?」

凛「絵里ちゃんはどこ?」

花陽「…伝令を走らせて下さい、今すぐに来て欲しいと」

305: 2015/08/20(木) 23:33:50.10 ID:7GIhTbBV.net
ーーーーー

絵里「凛っ!」タタッ

凛「う…ごめんなさい、こんなふうに皆に迷惑かけて」

凛「だけど…間違ったことしたなんて思ってない、例え怒られてもそれはっ」

絵里「…よかった」ギュ

凛「へ…」

絵里「無事だったのね…」グス

凛「…絵里ちゃん」



真姫「今まで何処にいたのよ…っ」ギュ

花陽「ま、真姫ちゃん苦しいよぉ…」

真姫「あの子に連れ出されたの…?怖かったでしょう?」

花陽「…勝手なことしてごめんなさい、だけど凛ちゃんについていったわけじゃないよ。そして私は…もう今までの私じゃないの」

真姫「…花陽?」

306: 2015/08/20(木) 23:36:19.36 ID:7GIhTbBV.net
ーーーーー


凛「…青の国の皆!赤の国の皆!聞いて欲しいことがあるの」

花陽「今、この時を持って…2つの国は1つとなります!」

騎士「は、はぁ!?」

穂乃果「おにーさんお静かに、ね」

花陽「…この金のペンダント」ジャラ

花陽「これを王の証とし、私たちは金の国として栄華を誇ってきました…」

花陽「…けれど、王族同士の勝手な争いで再び2つの国となってしまった」

307: 2015/08/20(木) 23:39:22.50 ID:7GIhTbBV.net
凛「その時に生きていた人はもういない…なのにいがみ合うのはおかしいにゃ!」

凛「だから凛達が新しく国を作る…」

凛「この銀のブレスレットで!」

海未「へっ…」

ことり「そ、それ私が2人にあげたものだよ?」アセ

穂乃果「金のペンダントじゃなくていいの…?」

花陽「…この銀のブレスレットは金のペンダントを作った者の子孫が作ってくれたもの。劣ることは全くないよ」

凛「金の国は過ちをおかして滅んだ、だから新しく銀の国としてやり直そう!」

308: 2015/08/20(木) 23:41:07.48 ID:7GIhTbBV.net
真姫「待ちなさい…そんなうまくいくはずないわ」

絵里「…そうよ、今までこんなにっ」

花陽「憎しみあっていたのは私たち王族だけ…、国民達を巻き込んではいけません」

花陽「それに皆が幸せに暮らせる国にしたい。今までのやり方じゃだめ…」

真姫「花陽…凛に流されてるんじゃないの?あなたはそんな子じゃ」

花陽「もう泣き虫な私じゃない。これは私の意志なの!」

真姫「は、花陽…」

凛「この旅はね、穂乃果ちゃん達が協力してくれたんだよ」

309: 2015/08/20(木) 23:45:34.78 ID:7GIhTbBV.net
凛「彼女たちがいなければたどり着けなかったし…ここに戻ってくる事もなかったかもしれない」

絵里「…そう、この3人がここまで送り届けてくれたのね。ありがとう」

穂乃果「いやいやそんな~」ニコ

海未「ちょっ、穂乃果…!」

ことり「あはは…」

絵里「銀の国、ね…」

凛「絵里ちゃん、お願いしますっ…」ペコ

絵里「…」

絵里「政務から逃げ出してばかりだった凛が…ふふ、私は嬉しいわ」

凛「…認めて、くれる?」

絵里「えぇ…頑張りなさい」

310: 2015/08/20(木) 23:48:35.88 ID:7GIhTbBV.net
真姫「…あなた、そんな簡単に」

真姫「王の座を降りることになるのよ?」

絵里「交代する時はいつか来るわ。いずれにせよ…もうすぐその時だったのよ」

絵里「それに。こんなにしっかりしてくれたんだものね」

真姫「……」

真姫「…花陽」

花陽「…!」ピク

真姫「あなたの聡明さと優しさがあればきっといい国になるはずよ」

真姫「そしてその勇気もね」

花陽「真姫ちゃん…」ウルウル

真姫「…凛、花陽のこと泣かせるようなことがあれば」

凛「わ、わかってる…!」

凛「かよちんのことは凛が守るんだもん!」

311: 2015/08/20(木) 23:50:18.25 ID:7GIhTbBV.net
ことり「穂乃果ちゃん、もう右足は痛まない?」

穂乃果「うん!もうジャンプも軽々できるし」
ピョン

ことり「そっかぁ…よかった。3日で治っちゃうなんて凄いね」ニコ

穂乃果「海未ちゃんはー?」

ことり「外で凛ちゃんに剣術教えてるよ」

穂乃果「うひゃー…厳しいのによくやるよねぇ」

ことり「あはは…まぁ王様だからね、凛ちゃんは」

穂乃果「でも花陽ちゃんも王妃って位だけど実質変わりないんでしょ?」

312: 2015/08/20(木) 23:51:59.98 ID:7GIhTbBV.net
ことり「うん、何でも2人で相談して決めてるんだって」

ことり「ちょっと花陽ちゃんのほうが強いみたいだけど」ニコ

穂乃果「あはは、仲良しだね~♪」


凛「うぅ…肩の関節が外れそうにゃ」ガラ

穂乃果「あ、凛ちゃんおかえり~」

海未「その程度ではまだまだのようですねガラ

凛「海未ちゃんハードすぎるよぉ…」

穂乃果「海未ちゃんは怪我大丈夫なのー?」

海未「私自身は振ってませんからね。凛がひたすら素振りですよ」

ことり「凛ちゃん、海未ちゃんは弓矢のほうが得意なんだよ?」ニコ

凛「そうなんだけど…穂乃果ちゃん教えてくれないんだもん」

313: 2015/08/20(木) 23:54:51.33 ID:7GIhTbBV.net
穂乃果「だって穂乃果のはちゃんとした剣術じゃないし…足とか使っちゃうからね!」

海未「穂乃果のは地下街で鍛えたものですからね…勝つためなら何とでも、でしょう」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果に負けたことがまだ悔しいんだ~」ニヤ

海未「…なっ、そんなことはありません!」

海未「大体あれは引き分けでしょう」

穂乃果「あー、後からそんなこと言うなんて卑怯だよ!」

海未「あんなやり方するほうが卑怯です!」

ガラッ

花陽「凛ちゃんご飯…あ、3人ともいたんだね♪」

花陽「みんなでお昼ご飯食べよう?」

314: 2015/08/20(木) 23:57:26.50 ID:7GIhTbBV.net
ーーーーー


真姫「ん…これ何なの」

希「それはな、グーズベリーっていう果物なんよ」

真姫「ふぅん」

にこ「真姫ちゃんそれ美味しいの?」ニコ

真姫「…まぁ」

真姫「青の国の果物も悪くはないわね」ボソ

希「…ふふ」

穂乃果「んー♪これも美味しいな…ん、これも…っ、ごほっ、ごほ…!」

ことり「ハノケチュン!?」ガタ

315: 2015/08/20(木) 23:59:05.43 ID:7GIhTbBV.net
絵里「もう…そんなに急いで食べなくてもなくならないわよ?」ニコ

海未「…お恥ずかしいです」

花陽「はい、凛ちゃんあーん」

凛「あーん♪」パク


絵里「あ、そうだ真姫」

真姫「…なによ」

絵里「食事が終わったら流鏑馬でもどうかしら」

真姫「い、嫌よ…!」

絵里「あれ…出来なかったっけ」

真姫「いや出来るにきまってるでしょ!?」

にこ「真姫ちゃん運動神経悪いじゃない…」

真姫「にこちゃんだまってて…!」ヒソ

316: 2015/08/21(金) 00:02:26.61 ID:zbsKA4zK.net
希「まぁえりちもさっきチェスで真姫ちゃんに負けたから悔しいんやんな?」

絵里「べ、別にあれはたまたまだから…!」

真姫「悪いけど楽勝だったわ」フン

絵里「な、なんなのよ…!流鏑馬で勝負しなさい!」

真姫「だから私は…汗かきたくないのよっ!」

にこ「あーもう。また喧嘩するの?」

希「今日もえりちと真姫ちゃんで寝るん?」

絵里「うっ…それは嫌」

真姫「もう一緒に寝るなんてごめんだわ…!そもそも、にこちゃんと希が一緒とかおかしいでしょう」

にこ「仲良くして欲しかったからよ?ね、希」

希「そやで?」

絵里「な、なによ…仲いいわよ?ね、ね…真姫」

真姫「………当たり前じゃない」

317: 2015/08/21(金) 00:05:03.02 ID:zbsKA4zK.net
ことり「政務はうまくいってる?」

花陽「うん…いい感じ。まずは子ども達全員に教育が行き渡るようにしたんだ」

ことり「…素敵だね、きっといい国になるよ」

花陽「凛ちゃんも頑張ってくれてるからできるの、私だけじゃ無理だよ」ニコ

花陽「それに真姫ちゃんや絵里ちゃん、にこちゃんや希ちゃんにも役職についてもらってるの」

ことり「その人達から助けてもらってるのは心強いね♪」

花陽「うん、ほんとにそうなの…」

花陽「でも…3人が居てくれたらもっと心強い」

花陽「上流貴族の位と…内政の役職をあげます」

花陽「あんなに辛い思いして、功績には見合ってないと思うんだけど…」

花陽「3人には銀の国で一緒にいてほしいの」

ことり「…ありがとう」ニコ

ことり「海未ちゃんや穂乃果ちゃんにも話してみるね?」

花陽「うん!」

318: 2015/08/21(金) 00:07:52.78 ID:zbsKA4zK.net
あんじゅ「まったく。とんだ騒動に巻き込まれちゃったわね」

雪穂「まぁ争いにならなくてよかったですけどね…」

英玲奈「ほう…どっちの国にも同じようなことを話していたらしいあんじゅがよく言えたものだ」

あんじゅ「もぅ、それは秘密でしょ?」

ツバサ「…黒いわよ」

亜里沙「赤の国と青の国が一緒になって銀の国…もうどこも敵わないですね」

あんじゅ「いや、うちと対等くらいよね~」

ツバサ「まぁこれで国は6つになったのよ。これからもよろしくね」

雪穂「はい、また会議で会いましょう」

亜里沙「しばらくは平和ですね、素晴らしいことです」

英玲奈「よろしく頼むぞ」

あんじゅ「平和になるのを私も願ってるわよ♪」

あんじゅ(銀の国ね…正直面白くないわ)

319: 2015/08/21(金) 00:09:35.30 ID:zbsKA4zK.net
ーヒュン

絵里「ハラショー…海未は百発百中ね」

海未「…嬉しいです」ニコ

絵里「その強さにきっと凛は惹かれたのね」

絵里「ここに帰ってきてからあなたの話ばかりしてるわよ?」

海未「いえ…私だけでは守りきれませんでしたから」

海未「それに凛に勇気を与えたのは穂乃果だと思います」

絵里「穂乃果は明るくていい子よね…急に抱きつかれてびっくりしたけど、すぐに打ち解けたわ」

海未「…またあの子は。すいません…」

絵里「ふふ、全然いいのよ♪」

絵里「…あなた達には大変な体験をさせてしまったわ。3人は幼なじみ?」

海未「はい、同じ年に上京して…仕事が違えどずっと一緒です」

絵里「そうなの…もっと聞かせて?」

320: 2015/08/21(金) 00:10:55.16 ID:zbsKA4zK.net
真姫「へぇ…そんな組織があるのね」

穂乃果「うん!黄の国にあるくらいだからここにもあるんじゃないかな…?」

にこ「反王国組織って今凄いこと言ったけど…」

穂乃果「黄の国は貧富の差が広がっちゃって大変なの!食べれない子もいるからね」

希「…うん、やっぱり今までの制度やと問題が多いな。役人の賄賂とかも取り締まれへんし」

真姫「そこのあたりも考え直しましょ」

321: 2015/08/21(金) 00:12:17.41 ID:zbsKA4zK.net
穂乃果「なんか…王族の人って気難しくてわがままな人ばっかりだと思ってたよ」

穂乃果「すごく不思議」

にこ「ふふ、なによそれ」

穂乃果「ここの国の人はみんな優しくしてくれて…嬉しいな」

真姫「…私たちも、穂乃果たちの話はよりリアルなことも聞けて勉強になるわ」

希「穂乃果ちゃんは地下街に潜る前は何の仕事してたん?海未ちゃんは騎士団でことりちゃんは役人やろ?」

穂乃果「お店だよ!…でも、あることがきっかけで辞めたの」

穂乃果「それでレジスタンス!えへへ」

にこ「いや…私たちからしたら怖いから」

323: 2015/08/21(金) 00:13:56.87 ID:zbsKA4zK.net
凛「うー…覚悟してたけど激務だよね」

花陽「最初のうちはね…早く統制しなくちゃいけないから仕方ないよ」ニコ

凛「…よし、がんばろう」

穂乃果「あのー…ちょっといい?」ヒョコ

花陽「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんもいるよ!」

凛「わぁ…!どうしたの?」ニコ

ことり「あのね、この前の話の返事をしにきたの」

花陽「あ、うんっ!」

324: 2015/08/21(金) 00:16:20.35 ID:zbsKA4zK.net
海未「すごく魅力的なお誘いですが…私たちは黄の国に帰ります」

凛「…へ」

穂乃果「ごめんね、この国が嫌ってわけじゃないんだよ?」

穂乃果「みんないい人だし…好きだけど、私たちはやっぱり黄の国にいたいなって」

ことり「うん…ごめんね」

花陽「…そっか。寂しいけど仕方ないね」

凛「…せっかく友達になれたのに残念だにゃ」

ことり「きっと銀の国はいい国になると思う…だから私たちの国もよくしたいの」ニコ

凛「いつ帰っちゃうの…?」

海未「早く帰るようにと令がきているようで…怪我もよくなってきたので、明日に」

花陽「…じゃあ今日はお別れパーティーしなくちゃね」

凛「…うん、飛びっきり派手にしよう!この国の英雄なんだもんね」

325: 2015/08/21(金) 00:23:58.66 ID:zbsKA4zK.net
海未「わざわざ護衛までつけて下さって…ありがとうございます」ニコ

絵里「当たり前のことよ?恩人だものね」

真姫「…向こうに帰っても元気でやるのよ」

穂乃果「わぁ、真姫ちゃん優しいね~♪」

にこ「…また会いましょうね」

希「うん、こっちは大歓迎やで?」

ことり「…嬉しいです」ニコ

凛「凛たち、頑張るから…」

凛「だから忘れないでね…」ウルウル

穂乃果「…忘れられるわけないよ?」ナデナデ

花陽「また、いつでも遊びに来てね…待ってますから」

海未「はい、ありがとうございます」

ことり「じゃあ…行くね」ニコ

穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃん!」

穂乃果「ファイトだよっ!」

326: 2015/08/21(金) 00:26:12.77 ID:zbsKA4zK.net
凛「…ねぇ、覚えてる?」

凛「初めて会った時のこと…一緒に逃げようって約束した時のこと」

花陽「うん…覚えてるよ」

凛「…凛って幸せなんだね」

凛「いろんな人に支えられて愛されて…かよちんとも結婚できた」

花陽「私はね、あの時凛ちゃんが強引にでも連れ出してくれたおかげだと思ってるよ」

凛「…あの時は子どもだったから後のことなんて何にも考えなかったんだと思う」ニコ

花陽「…ふふ、だから好きでいれたのかも」

凛「もう…照れちゃうよ」

花陽「これからもよろしくね、凛ちゃん」

凛「うん。かよちんのこと、ずっと守るよ」

327: 2015/08/21(金) 00:28:19.56 ID:zbsKA4zK.net
終わりです。レスありがとう

328: 2015/08/21(金) 00:30:09.75 ID:yclV8wJN.net

329: 2015/08/21(金) 00:38:10.65 ID:bIFNdwQ/.net

333: 2015/08/21(金) 01:15:26.15 ID:Yj20EQnF.net
黄色の国の統治はこれからか…
あんじゅの野望は収まってないようだし
ここからは黄色の2年組が主役だね
まだ読みたいけど、今は乙

引用: 花陽「あれ…ここどこだろう」