1: 2016/11/22(火) 14:09:02.91 ID:kwDqUzZr.net
真姫「花陽…花陽!///」

バタン

凛「今日も凛が一番乗りにゃ~!!」

花陽・真姫「!?」ビクッ

凛「えっ…か、かよちんと、真姫ちゃん…?」

凛「なにしてるの…?」

4: 2016/11/22(火) 14:14:02.66 ID:kwDqUzZr.net
凛「今、なにしてたの…」

花陽「……」

真姫「……」

凛「……」

???「あら、凛じゃない!」

凛「あっ…にこちゃん」

にこ「あんた相変わらず早いわね~」

にこ「部長より早く来るそのやる気は感心するわよ」

5: 2016/11/22(火) 14:19:16.94 ID:kwDqUzZr.net
凛「えへへ…もちろんにゃ~…」

にこ「さ、早く入るわよー」

花陽「……」

真姫「……」

にこ「あら、あんた達も先に来てたの?珍しい」

花陽「きょ、今日の1年生は課外授業だったからいつもより早いんです…」

にこ「あ~なるほどねぇ」

7: 2016/11/22(火) 14:24:11.10 ID:kwDqUzZr.net
にこ「よいしょ」

凛「……」

にこ「凛はなにずっと立ってんの」

にこ「ほら座ったら」

凛「う、うん!ありがとうにこちゃん」

にこ「やけに素直ね」ジトー

8: 2016/11/22(火) 14:30:19.43 ID:kwDqUzZr.net
ポチッ、ブオーン

カチカチッ

にこ「お~っ、μ'sのランキング上がってるじゃない!」

にこ「それにこれ!花陽も見てみなさいよ!」

花陽「わ、わぁ~…」

にこ「ついにここまで来たのねっ」ガッポーズ

にこ「何だか、毎日ページの更新をこの部室で見るのが楽しみになってこない?」

花陽「う、うん…!」

9: 2016/11/22(火) 14:36:47.90 ID:kwDqUzZr.net
ーーーー
ーーー
ーー

真姫「…凛」

凛「……えっ、う、うん…なに?」

真姫「今日の授業ペン一式ありがとうね」スッ

真姫「遅くなったけど返すわ」

凛「あぁ、別に気にしなくていいにゃ~」アセアセ

凛「凛もホームルーム後すぐ呼び出されちゃったし…」

凛「仕方ないよ~」

10: 2016/11/22(火) 14:45:57.98 ID:kwDqUzZr.net
真姫「……」クルクル

凛「……」

凛「ね、ねぇ真姫ちゃ───

ガチャ

穂乃果「おー、やっぱり凛ちゃんたち早いね!」

ことり「たしか課外授業だったよねぇ?お疲れ様♪」

海未「穂乃果、廊下を走らないでください!ことりもですよ!」

穂乃果・ことり「ゴメンナサーイ」

11: 2016/11/22(火) 14:49:17.92 ID:kwDqUzZr.net
穂乃果「真姫ちゃーん!今日の授業どうだった!?」ガシッ

真姫「ヴェェ」///

穂乃果「今日は1年生にとって初めての課外授業でしょ~」グイー

真姫「クッ、クッツカナイデ!」

にこ「何だか一気に騒がしくなってきたわねぇ」

花陽「あ、あはは…」チラッ

凛「……」

13: 2016/11/22(火) 14:55:31.37 ID:kwDqUzZr.net
海未「凛、どうかしましたか?」

凛「…なんでもないにゃ~!」

凛「部活に向けて瞑想してたんだーっ!」

海未「そうですか、それなら温めておいた特別練習でも───

凛「わーっ!!冗談だよぉ」

海未「えぇ、私も冗談です」クスッ

凛「も~っ」

花陽「……」

16: 2016/11/22(火) 15:04:41.63 ID:kwDqUzZr.net
~屋上~

絵里「ふぅ~、今日はここまでかしら」

海未「そうですね、凛たちは1日歩いてるわけですし」

絵里「みんな、柔軟しましょう」

希「にこっち~今日こそ逃さんよ」ニヤニヤ

にこ「あんたと柔軟すると変なとこ触ってくるじゃない!」

希「問答無用や~っ」

ワイワイ、ツカレタネー

17: 2016/11/22(火) 15:08:17.12 ID:kwDqUzZr.net
花陽「り、凛ちゃん一緒に…」

凛「か、かよちんは真姫ちゃんとしたらいいよ!」

凛「え~と、凛は海未ちゃんと特別練習するんだー!」

花陽「でも…」


ダッ

凛「海未ちゃーん!やってやるにゃー!」ウオー

海未「うわっ、凛!なんですか!」

海未「いきなり飛びかかっ──

凛「にゃ~っ」\>ω</

ドターン!

19: 2016/11/22(火) 15:12:58.95 ID:kwDqUzZr.net
ワイワイ、アハハ

ウミ『リ~ン~!』

リン『エヘヘー』

ホノカ『ズルーイ、ホノカモォ!』ワーイ

コトリ『ンミチャーン♪』ギュー

海未『もうっ、何なんですかぁ~っ!────

花陽「……」

真姫「は、花陽…」

花陽「私達もしょっか」

21: 2016/11/22(火) 15:19:14.06 ID:kwDqUzZr.net
ーーーー
ーーー
ーー

海未「さ、て」

穂乃果・ことり「……」ブルブル

海未「練習はここまでにします」

絵里「なんだか最後はよくわからないことになってたから、家に帰ってからサボらず身体を伸ばすのよ」

海未「本当です」

穂乃果・ことり「……」アセアセ

海未「誰とは言いませんがやる気に満ちあふれているようなので今後数人には特別練習を検討したいと思います」

穂乃果・ことり「……」ガックリ

22: 2016/11/22(火) 15:25:40.97 ID:kwDqUzZr.net
海未「他に連絡がある人は…」

希「あっ、あるある」

海未「そうですか、それではどうぞ」

希「さっきえりちと部室に行ったとき気づいたんやけど部室の扉の建付けが悪くなってるみたいなんよ」

凛・花陽・真姫「!」

絵里「そういえばそうだったわね」

にこ「あぁ、去年からガタはきてたわよ、生徒会に言っても予算的に整備は難しいって言ってたけれども~」ジトー

23: 2016/11/22(火) 15:32:56.69 ID:kwDqUzZr.net
絵里「あはは…」

希「そんでどうやら錠前も壊れちゃってて力入れたり思いっきり押しちゃうと開いちゃうっぽいから扉の前には物を置いたりしないようになぁ」

にこ「椅子の位置、変えたほうが良さそうね」

希「人が立ってても普通に危ないし直さなきゃいけないんやけどなぁ」

にこ「危ないわよねぇ…」チラリ

絵里「希、あなたも生徒会よね…」

24: 2016/11/22(火) 15:36:49.55 ID:kwDqUzZr.net
絵里「…怪我人がでそうな案件だし掛け合ってみるわ」

にこ(やったにこー♪)

希「はい、ウチからは以上です」

穂乃果「新しい扉楽しみだね!凛ちゃん」

凛「うん…そうだねぇ」

海未「どなたか他にありますか?」

25: 2016/11/22(火) 15:40:53.89 ID:kwDqUzZr.net
海未「…なさそうですね」

海未「それでは穂乃果、お願いします」

穂乃果「扉も新しくなるっぽいし私達も気分新たに明日からも頑張るよーっ!」

オーッ!


凛「……」

26: 2016/11/22(火) 15:48:58.29 ID:kwDqUzZr.net
花陽(扉…壊れてたんだ…)

真姫「ね、ねぇ、凛」

花陽(真姫ちゃん!?)

真姫「その…今日も一緒に帰りま───

凛「凛は…必要かな?」

花陽「り、凛ちゃん!?」

真姫「な、なに言って!──

ダッ

27: 2016/11/22(火) 15:55:10.10 ID:kwDqUzZr.net
真姫「待ってよ!凛!」

花陽「凛ちゃん!」

うるさい

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい

凛(嫌だ、嫌だ、嫌だ)

凛(戻りたくない、いたくない)

凛(なんで…どうして)

凛(わからない…)

凛(凛は…?どうしたらいいの)

嫌だ

28: 2016/11/22(火) 16:03:15.31 ID:kwDqUzZr.net
~凛s部屋~

凛(かよちんと真姫ちゃん…)

凛(…キスしてた)

凛(どうして…?)

凛(なんで…?)

凛(……なにもわからない)

29: 2016/11/22(火) 16:08:38.14 ID:kwDqUzZr.net
凛(でもキスしていたってことは…)

凛(……)

凛(いつから?)

凛(かよちんが?)

凛(真姫ちゃんが?)

凛(……)

凛(なんで隠してたの)

凛(なんでこっそりしてたの)

30: 2016/11/22(火) 16:14:53.05 ID:kwDqUzZr.net
ーーーー
ーーー
ーー

凛(凛は何に腹をたててるんだろう)

凛(何が悲しいんだろう)

凛「かよちんは好きだし」

凛「真姫ちゃんも好きだよ」

凛「2人が仲良しなのはうれしい」

凛「でも、嫌だったんだ…」

凛「逃げ出しちゃうくらい一緒にいたくないくらい」

凛「学校行きたくないな…」

64: 2016/11/23(水) 22:17:16.82 ID:Dl7gSojR.net
ーーーー
ーーー
ーー

ピコーン♪

凛(……)パチリ

凛「あれ……いま何時」ゴシゴシ

凛「そっか…いつの間にか寝てたんだ…」

通知1

凛「…誰からだろう」

65: 2016/11/23(水) 22:22:21.62 ID:Dl7gSojR.net
海未 : 凛、練習お疲れ様です


凛「海未ちゃんか…」


凛 : 海未ちゃんもお疲れ様

凛 : どうかしたの?

海未 : はい、特別練習についてです

凛 : えぇ~本当にやるんだ…

海未 : 当たり前です!

66: 2016/11/23(水) 22:33:21.92 ID:Dl7gSojR.net
凛 : お手柔らかに頼むよ~

海未 : 敢えて凛の不得意な点に絞っての練習ですが

海未 : 凛ならすぐこなせますよ、期待してます

海未 : 大変だと思うのは穂乃果とことりでしょうね…2人には付きっきりになりそうです

凛 : あはは、もう1日中一緒になりそうだね

68: 2016/11/23(水) 22:39:01.17 ID:Dl7gSojR.net
凛(穂乃果ちゃんとことりちゃんとかぁ…)ポチポチ

凛(そういえば海未ちゃん達って3人とも幼馴染なんだよね)ポチポチ

凛(……海未ちゃんならどう思うんだろう)ポチポチ


凛 : ねぇねぇ、海未ちゃん

海未 : なんでしょう?

凛 : もし穂乃果ちゃんとことりちゃんがね

凛 : 海未ちゃんの知らないところですごく仲良くなってたらどう思う?

71: 2016/11/23(水) 22:48:33.88 ID:Dl7gSojR.net
海未 : どう思う…ですか

海未 : もちろん、大好きな2人が仲良くなるのはとても嬉しいことです

海未 : …もしかして2人とも何かしてるんですか!?

凛 : そんなことないよぉ>ω</

凛 : ただ聞いてみただけ

凛 : 変なこと聞いてごめんね

72: 2016/11/23(水) 22:57:05.14 ID:Dl7gSojR.net
凛(うれしい…ことなんだよね)

凛(2人が…かよちんと、真姫ちゃんが─ても)

凛(でも…何で…喜べないよ…うれしくないよ…)

凛(嫌だよぉ…)

凛「凛は…どうしてこんなこと考えちゃうんだろう」

凛「……」

73: 2016/11/23(水) 23:03:51.29 ID:Dl7gSojR.net
凛 : 海未ちゃん

海未 : はい

凛 : 実は今日、課外授業の後から調子悪くて…

凛 : 練習もちょっと無理して参加してたんだけど、家帰ってから完全に体調壊しちゃったみたいで…

凛 : 明日から暫く学校お休みするんだ

海未 : そうですか…

海未 : 確かに今日は少し空元気だったというか…練習が終わるまで少し気分が悪そうでしたね

75: 2016/11/23(水) 23:13:49.29 ID:Dl7gSojR.net
海未 : わかりました、皆には伝えておきます

海未 : しっかり休むんですよ

凛 : ありがとう

海未 : それでは、お大事に


凛(これでいい…)

凛(きっと…しばらく一人になれば落ち着くよね…)

凛(そう、一人になれば…)

一 人 に …

76: 2016/11/23(水) 23:19:35.27 ID:Dl7gSojR.net
~音ノ木坂学院・屋上~

海未「今日はここまでです」

ことり「もう…ダメ…」バタン

穂乃果「凛ちゃんがいないからって穂乃果達にばっかり!海未ちゃんの鬼!!」

海未「おや、まだ元気があるようですね?」

穂乃果「こっ、ことりちゃん!柔軟の時間だよ!」

ことり「ちょっと休ませてぇ~」

ワイワイ、オツカレ、サスガニコネ

77: 2016/11/23(水) 23:23:21.04 ID:Dl7gSojR.net
花陽「…凛ちゃん、今日も来なかったね」

真姫「えぇ…」

花陽「……」

真姫「…私ね、今日会いに行ってみようかと思うの」

花陽「えっ!?」

真姫「…本気」

78: 2016/11/23(水) 23:29:32.40 ID:Dl7gSojR.net
花陽「……」

真姫「私が…悪いから」

花陽「そっ、そんなこと!」

真姫「…ごめんね、花陽」

花陽「……」

花陽「花陽が行きます」

花陽「凛ちゃん、ビックリしちゃうと思うから…」

82: 2016/11/23(水) 23:35:57.09 ID:Dl7gSojR.net
真姫「……」

花陽「真姫ちゃんが今思ってることは違うよ」

花陽「大丈夫…だから」

花陽「そんなことないから」

花陽「凛ちゃんは…わかってくれるから」

真姫「…えぇ」

83: 2016/11/23(水) 23:39:35.79 ID:Dl7gSojR.net
花陽「……」

真姫「……」

花陽「…真姫ちゃん、大好きだよ」

真姫「…うん」

84: 2016/11/23(水) 23:45:20.83 ID:Dl7gSojR.net
ーーーー
ーーー
ーー

~凛s部屋~

凛(今日も行けなかったな…)

凛(また、みんなに迷惑かけちゃった…)

凛「……」

トントン

凛(…?)

凛(…お母さんかな)

ガチャ

85: 2016/11/23(水) 23:51:50.43 ID:Dl7gSojR.net
花陽『凛ちゃん…?』

凛(……!?)

凛「かよ…ちん」ドクン

花陽「あの…連絡したんだけど──

凛(なんで)ドクン

花陽「返事なかったから…凛ちゃんのお母さんに入れてもらって──

凛(どうして)ドクン

花陽「プリントとか…あと──

86: 2016/11/23(水) 23:55:28.16 ID:Dl7gSojR.net
凛(せっかく)ドクン

花陽「お話があってきたの──

凛(一人で)バクバク

凛(一人…?)バクバク

花陽「あのね…真姫ちゃ───

凛「帰 っ て」

87: 2016/11/24(木) 00:00:47.71 ID:UImJR53M.net
花陽「えっ…待って!話を──

凛「帰って!!!!」

花陽「凛…ちゃん…」

花陽「違うの…お願い…少しだけ──

凛「触らないで!!!!!」

花陽「……」

花陽「ご…めんな…さい…」

89: 2016/11/24(木) 00:06:04.34 ID:UImJR53M.net
花陽「ごめんなさい…ごめんなさい…」

凛(違う)

花陽「うっ…うぅ…ごめんな…さい」

凛(違うよ)

花陽「私…私…」

凛(そうじゃない)

90: 2016/11/24(木) 00:09:47.73 ID:UImJR53M.net
花陽「…急に…ごめんね」

凛(凛は)

花陽「帰り…ます…」

凛(なんてことを)

花陽「凛ちゃん…早く来てね…花陽は…待って…る…からぁ…」


凛(言ってしまったんだろう)

93: 2016/11/24(木) 00:20:01.70 ID:UImJR53M.net
ーーーー
ーーー
ーー

真姫「ごめんなさい…花陽ごめんなさい…」

花陽「うっ…うぅ…あぁぁぁぁ!」

真姫「ごめんね…ごめんね…」

花陽「凛…ちゃん……」

真姫「………」ギュッ

花陽「……グスン…凛ちゃん…凛ちゃん…」

96: 2016/11/24(木) 00:28:15.14 ID:UImJR53M.net
~同刻、矢澤にこ~

にこ(もうこんなに暗くなるのねぇ…)

にこ(最近は日が落ちるのほんと早くなったわ)

にこ(まぁ、安売りの時間も早くなるから助かるんだけど♪)

にこ(…今夜はチビ達、喜ぶだろうなぁ)ワクワク

にこ「ん?」

にこ「あそこにいるのは…真姫と…花陽?」

97: 2016/11/24(木) 00:31:01.83 ID:UImJR53M.net
今日はここで終わりにします
更新遅くて本当に申し訳ありません

109: 2016/11/24(木) 22:38:52.30 ID:Gt6j/kNV.net
にこ(……何であんなくっついてんのよ)

にこ「仲がいいのは結構なことだけど知ってる人に見られたらどうすんのよ」ジトー

にこ「まったく、アイドルとしての心構えを教えなきゃいけないようね」

グスン

にこ「……?」

にこ(…えっ)

にこ(…花陽、泣いてる?)

110: 2016/11/24(木) 22:52:11.84 ID:Gt6j/kNV.net
真姫(…私のせいだ)

グスン…ッ……

真姫(花陽が腕の中で泣いているのも)

真姫(凛があんなにも傷ついてしまったのも)

ゴメンネ…リンチャン…ゴメンネ……

真姫(私のわがままが全部壊してしまったんだ)

真姫(こんなことになるくらいだったら初めから私が……)

真姫「花陽……」ギュッ


『真姫!花陽!』

111: 2016/11/24(木) 22:58:45.73 ID:Gt6j/kNV.net
真姫・花陽「!」ビクッ

真姫「にこちゃん…?」

花陽「…っ」ゴシゴシ

花陽「こんばんは」ニコッ

にこ「…どうしたの」

花陽「……べ、別になんでも───

にこ「なんでもないわけ無いでしょ!」

112: 2016/11/24(木) 23:10:06.74 ID:Gt6j/kNV.net
にこ「どうして泣いてたの」

花陽「花陽は…泣いてなんか…」

にこ「いい加減にしなさい」

真姫「ちょっと、にこちゃ──

にこ「真姫は教える気がないなら黙ってなさい」

真姫「……」

にこ「…花陽」

花陽「…にこちゃん…ごめんなさい」

113: 2016/11/24(木) 23:14:57.17 ID:Gt6j/kNV.net
にこ「……」

真姫「…今日のことは見なかったことにして欲しい」

真姫「…それが今は一番だから」

にこ「…っ」

真姫「…にこちゃん、お願い」

花陽「お願い…し…ます」

にこ「……」

116: 2016/11/24(木) 23:22:35.97 ID:Gt6j/kNV.net
にこ「放っておけるわけないでしょ…」

にこ「あんな人目をはばからず泣いて…」

にこ「…でも、あなた達がそうしてほしいなら今はそっとしておく」

真姫「…ありがとう」

にこ「花陽、これ」

にこ「涙…ちゃんと拭きなさい」

花陽「えへへ…ありがとう、にこちゃん」グスン

117: 2016/11/24(木) 23:30:09.06 ID:Gt6j/kNV.net
にこ「真姫、あなたにも」

真姫「別に、私は…泣かない…わよ」

真姫「…っ……」グスン

にこ「何かっこつけてんのよ」

にこ「あ、安売りしてたハンカチだし返さなくてもいいから」フフッ

にこ「それじゃ……2人とも気をつけて帰りなさいよ」

花陽「…うん、またね」

真姫「…また」

118: 2016/11/24(木) 23:36:31.42 ID:Gt6j/kNV.net
ーーーー
ーーー
ーー

にこ(…なにが見なかったことにして欲しいよ)

にこ(…なにがそれが今は一番だからよ)

にこ(…ぬわぁにが今はそっとしておくよ!にこ!!)

にこ(本当に良かったのかしら…) 

にこ「はぁ……」

119: 2016/11/24(木) 23:45:20.40 ID:Gt6j/kNV.net
~後日、音ノ木坂学院・屋上~

海未「今日はここまでです」

穂乃果「ことりちゃん!こことかこの前よりだいぶ良くなってきてない!?」クルッ

ことり「うんっ、特別練習の効果…でてきたねぇ♪」

絵里「さて、身体が温かい内に柔軟に移りましょう」

希「にこっち~♪」ニコニコ

にこ「!」

120: 2016/11/24(木) 23:50:11.64 ID:Gt6j/kNV.net
にこ「おかしいでしょ!その手の動き!」

にこ「冗談じゃないわっ」ダッ

チラッ

花陽『……』

真姫『…大丈夫?』

花陽『うん…心配してくれてありがとう』

にこ(……)

にこ「…海未!私と組みましょう!」

121: 2016/11/24(木) 23:55:03.63 ID:Gt6j/kNV.net
海未「えぇ、構いませんよ」

にこ「ふぅ…良かった」

ノゾミ『モォ~』プンプン

ヤワラカクナッタネェ! スゴイデショ!

ーーーー
ーーー
ーー

122: 2016/11/24(木) 23:59:51.36 ID:Gt6j/kNV.net
海未「せーのっ」グーッ

にこ「…ちょっと、強くない?」ノビー

海未「にこは華奢ですからね」

にこ「うれしいこと言ってくれるじゃない」

海未「なら良かったです」

にこ「…ふ~」ノビー

123: 2016/11/25(金) 00:06:21.27 ID:hqy6c3UR.net
海未「何だか新鮮です」

にこ「なにがよ」

海未「にこと組むのがです」

にこ「…まぁ確かにそうね」

海未「せっかくの機会をくれた希には感謝ですね」

にこ「感謝ってあんた」

にこ「…まぁ今日は希関係なしに海未と組む予定だったわ」

124: 2016/11/25(金) 00:11:49.32 ID:hqy6c3UR.net
海未「?」

海未「それはどういう…」

にこ「最近の1年生、どう思う」

海未「凛たちですか?」

にこ「そうよ」

海未「元気印の凛がいないからというのもありますが…暗いですね」

にこ「…そうよね」

126: 2016/11/25(金) 00:19:48.82 ID:hqy6c3UR.net
にこ「…つい先日ね、スーパーの帰り道で花陽と真姫を見かけたの」

にこ「…2人とも泣いてた」

海未「それは…」

にこ「なんか知らない?」

海未「すみません…まったく…」

にこ「まぁそうよね、そうだろうとは思ってたし気にしないで」

にこ「…話聞いてほしかっただけだから」

127: 2016/11/25(金) 00:30:41.05 ID:hqy6c3UR.net
海未「私にですか?」

にこ「真姫に言われたのよ…今日見たことは見なかったことにしてって」

にこ「今はそっとしてって」

にこ「私も何が正しいのかわからなくて…了解しちゃってさ」

にこ「それをちょっと後悔してて…」 

にこ「…海未なら、言いたいことわかるでしょ」

海未(見なかったことにですか…)

海未「…私もにこからは何も聞かなかったことにします」

128: 2016/11/25(金) 00:38:52.09 ID:hqy6c3UR.net
にこ「なら良かったわ」

にこ「あぁ~愚痴をこぼせてスッキリした」ノビー

海未「あ、1つだけいいですか?」

にこ「なに?」

海未「にこはいつもどちらのスーパーに?」

にこ「あぁ、──辺りにあるスーパーね」

海未(……そこは確か凛と花陽の家の近くの)

海未「わかりました、ありがとうございます」

130: 2016/11/25(金) 00:49:23.04 ID:hqy6c3UR.net
にこ「よし、じゃあ次は海未の番ね」

にこ「力抜くのよ」グイッ

海未「にこ」

にこ「どうかした?」

海未「あなたは素敵な先輩ですよ」

にこ「……何言ってんのよ、当たり前でしょ」

にこ「素敵な後輩に恵まれたアイドル研究部の部長なんだもの」

海未「えぇ、そうですね」

131: 2016/11/25(金) 01:02:53.84 ID:hqy6c3UR.net
ーーーー
ーーー
ーー

海未(花陽と真姫が涙を…ですか)

海未(…さっぱりわかりません)

海未(凛に聞こうにも休んでいて知るはずもありませんよね…)

海未「……どうしたものでしょう」ポチポチ


海未 : 凛、今日は──の練習をしました

海未 : それと、最近冷え込んでますから身体を冷やさないように休むのですよ

海未 : あなたの復帰を待ってます

132: 2016/11/25(金) 01:16:37.55 ID:hqy6c3UR.net
凛 : 毎日ありがとう、海未ちゃん


海未(久しぶりに返信来ましたね)

海未(あの日から毎日連絡しているのですが…)

海未(なかなか返ってきませんからね…)

海未(本当に調子悪いんでしょうね…)ポチポチ

海未(おっ、ありました)ポチポチ

海未(この日からですね)ポチポチ

133: 2016/11/25(金) 01:23:25.25 ID:hqy6c3UR.net
海未「おや?」

海未「そういえばこれ…」

~~~~~~

凛 : ねぇねぇ、海未ちゃん

海未 : なんでしょう?

凛 : もし穂乃果ちゃんとことりちゃんがね

凛 : 海未ちゃんの知らないところですごく仲良くなってたらどう思う?

~~~~~~

凛 : ただ聞いてみただけ

凛 : 変なこと聞いてごめんね

~~~~~~

海未「……」

152: 2016/11/26(土) 22:08:42.09 ID:iscihhq2.net
ーーーー
ーーー
ーー


~放課後・部室~

海未「2人ともお見舞いに行きませんか?」

真姫「えっ?」

花陽「お見舞い…ですか」

海未「はい、凛の元へ」

154: 2016/11/26(土) 22:10:58.96 ID:iscihhq2.net
海未「もちろん無理にとは言いません」

真姫「…いつ?」

海未「今からです」

真姫「いっ、今!?」

海未「えぇ、ですから無理には誘いません」

海未「2人にも用事というものがあるでしょうし…」

155: 2016/11/26(土) 22:13:39.74 ID:iscihhq2.net
海未「…行けますか?」

真姫「……」チラッ

花陽「……」ブルブル

真姫「…花陽、あなた今日は久しぶりに祖父母が来るから早く帰らなきゃいけないって言ってなかった?」

花陽「…えっ?あっ…うん…」

花陽「ごめんなさい…海未ちゃん

156: 2016/11/26(土) 22:17:18.20 ID:iscihhq2.net
海未「いえいえ気にしないでください」

海未「花陽の件はわかりました」

海未「真姫はどうしますか?」

真姫「私は…」

花陽「…」トントン──


スッスッ×


真姫「…私も今日は無理ね」

真姫「作曲でだいぶ焦ってて…」

157: 2016/11/26(土) 22:21:23.02 ID:iscihhq2.net
海未「……なるほど…」

海未「わかりました」

海未「あなたにはいつも作曲を任せっきりですみません」

海未「今回も素敵な楽曲をお願いします」ニコッ

真姫「えぇ…任せて」クルクル

海未「それでは行ってきます」

ガチャ

海未「そうです、何か…凛に伝えておいてほしいことはありますか?」

158: 2016/11/26(土) 22:26:09.67 ID:iscihhq2.net
花陽「えっ…?」

海未「伝言です。せっかく会いに行くのです、伝えておきますよ」

花陽「……それなら、待ってるからって!」

花陽「私も…真姫ちゃんも…凛ちゃんが早く来てくれるのを待ってるからって」

花陽「お願いします…」

海未「えぇ、わかりました」

159: 2016/11/26(土) 22:31:04.34 ID:iscihhq2.net
海未「真姫はありますか?」

真姫「…私も花陽と同じよ」

真姫「待ってるって」

海未「そうですか…」

海未「一緒に行けないのは残念ですが…聞きたかった言葉は聞けました」

花陽「……」

海未「2人の伝言は伝えておきます」

160: 2016/11/26(土) 22:33:44.30 ID:iscihhq2.net
海未「それではまた明日」

花陽「…さようなら」

真姫「…また」

バタン

花陽「……」

真姫「……」

161: 2016/11/26(土) 22:35:47.21 ID:iscihhq2.net
ーーーー
ーーー
ーー

~真姫s部屋~

花陽「…んっ…ぁ…」ギュッ

真姫「花陽…はぁ……」タラァ

花陽「…はぁ…はぁ……」

162: 2016/11/26(土) 22:39:30.38 ID:iscihhq2.net
花陽「さっきは…ありがとう」ハァ…ハァ…

花陽「思い出したら…声出なくなっちゃって…」

真姫「……」

花陽「もっと…強く抱きしめてもらってもいい…?」

真姫「…えぇ」グッ

花陽「ありがとう…」

164: 2016/11/26(土) 22:44:46.09 ID:iscihhq2.net
花陽「真姫ちゃんは…優しいね」

真姫(チクッ───)

真姫「…優しくなんか」

真姫「私は…優しくなんかないわよ」

真姫「今だってあなたの不安と罪悪感を利用してるだけ…」

花陽「えっ…」

真姫「優しいのは…あなたよ」

花陽「…真姫…ちゃん?」

166: 2016/11/26(土) 22:50:59.71 ID:iscihhq2.net
真姫「初めて私を受け入れてくれた日だってそうよ…花陽は優しいから…」

真姫「私のわがままを受け入れてくれた!」

真姫「でも……こんなことになるなら…特別になりたいなんて思わなかった!」

真姫「大好きな2人を傷つけたくなんて…なかった」

真姫「今さらあなたから離れても元に戻せるとは思えないけど…離れたいとも思えない…」

真姫「私は…優しくなんかない!」

167: 2016/11/26(土) 22:55:51.21 ID:iscihhq2.net
花陽「…やめてよ」

真姫「やっぱり私はね、2人みたいにはなれない…」

花陽「…もうやめて」

真姫「凛と花陽の…2人の繋がりは私のとは違う」

花陽「…真姫ちゃん」

真姫「私は、あなたにとっての凛のようにはな───

花陽「もうそんなこと言わないで!!!!」

168: 2016/11/26(土) 23:00:25.06 ID:iscihhq2.net
真姫「……」

花陽「……」

真姫「ごめんなさい……」

花陽「そんな事ないよ…あの時言った言葉は優しさなんかじゃない…私には2人とも特別な人なんだよ」

花陽「…それに真姫ちゃんにまでそんなこと言われたら…私…わたしっ…」

真姫(チクリ───

169: 2016/11/26(土) 23:06:02.68 ID:iscihhq2.net
花陽「真姫ちゃんにはね…二度とそんなこと思わせたくなかったの…」

花陽「だから…私もごめんなさい」

真姫「花陽は謝らないでよ…」

花陽「真姫ちゃんは…今の凛ちゃんの気持ちがわかるんでしょ…?」

花陽「だから不安と罪悪感に押しつぶされそうなのは本当は私より真姫ちゃんの方でしょ…?」


ギュッ


真姫「…っ…うぅ…」

170: 2016/11/26(土) 23:11:12.72 ID:iscihhq2.net
真姫「それ以上…優しくしないでよぉ…」

真姫「なんで…突き放さないのよぉ…」

花陽「花陽は…あの日、凛ちゃんを思って一緒に帰ろうって誘ってくれた真姫ちゃんが──

花陽「花陽よりも先に凛ちゃんを追いかけてくれた真姫ちゃんが──

花陽「怖くて逃げていた花陽と違って会いに行きたいって言ってくれた真姫ちゃんが──

花陽「そんな…優しい真姫ちゃんが大好きだからっ……!」

171: 2016/11/26(土) 23:17:20.00 ID:iscihhq2.net
真姫「…うぅ…グスン…ごめんな…さい…」

真姫「元に…戻りたい…っ…花陽と…凛がぁ…2人が笑っていてくれた…」

真姫「3人一緒だったころに…戻りたいよぉ……」

花陽「…花陽のときと同じだよ…凛ちゃんもわかってくれる」

花陽「真姫ちゃんの本当の気持ちを知ったら必ずわかってくれるから…」

花陽「……もう自分を嫌いにならないで」

172: 2016/11/26(土) 23:22:59.11 ID:iscihhq2.net
花陽「…真姫ちゃん、キスしよ」

花陽「初めて2人でキスした時みたいに」

グスン……グスン…

花陽「……そうしたら思い出してくれるかな、あの時の花陽の気持ち」


花陽「顔……上げて」

真姫「……」グスン


花陽「真姫ちゃん……大好き……」

真姫「…私もっ……あなたが大好き…っ」


ーーーー
ーーー
ーー

173: 2016/11/26(土) 23:29:25.53 ID:iscihhq2.net
~凛s部屋~

『帰って!!!!』

『触らないで!!!!!』

『ご…めんな…さい……』

『───待って…る…からぁ…』 

ーーーー
ーーー
ーー

ガバッ!

凛「……」

凛「…またこの夢」

174: 2016/11/26(土) 23:32:37.90 ID:iscihhq2.net
凛(それに…すごい汗…)ダラダラ

凛「……」

凛「…どうしてあんなこと言ってしまったんだろう」

凛「かよちん…泣いてた」

凛「当たり前だよね…あんなこと言われたら…」

凛「……」

175: 2016/11/26(土) 23:35:23.26 ID:iscihhq2.net
『その…今日も一緒に帰りま──』

『待ってよ!凛!』


凛「…真姫ちゃんは…帰ろうって誘ってくれた」

凛「すぐに追ってきてくれた…」

凛「でも凛は…逃げ出しちゃったんだ…」

凛「……」

176: 2016/11/26(土) 23:39:34.03 ID:iscihhq2.net
凛「凛は……何も聞かないで、2人から逃げ出しちゃったんだ」

凛(きっと……もう戻れないよね…3人一緒だった…親友同士だった頃には)

凛(仲直りもできるかもわからないけど…)

凛(これからは一年生の3人と…──の2人…)

凛(そういう関係か…)

凛(いつか受け入れることができるのかな…)

177: 2016/11/26(土) 23:44:44.62 ID:iscihhq2.net
ピコーン♪

凛「…また海未ちゃんかな」


海未 : 凛、体調はどうですか?


凛「…やっぱり」


凛 : 少し良くなったよ

凛 : 今日も連絡ありがとう

海未 : あなたがいないと寂しいのですよ

海未 : 早くお話したいんです

178: 2016/11/26(土) 23:47:33.17 ID:iscihhq2.net
凛 : えへへ、うれしいこと言ってくれるにゃ

凛 : 凛も海未ちゃんといっぱいお話したい

海未 : それなら良かったです

海未 : 毎日連絡しては迷惑かと思ってましたから

凛 : そんなことないよ

凛 : だって海未ちゃんだもん

海未 : …うれしいです

179: 2016/11/26(土) 23:50:42.47 ID:iscihhq2.net
海未 : そうです、実は今日お見舞いに行きたいのですが…

海未 : 会ってくれますか?…

凛 : え~と…うれしいんだけど病気うつしちゃうかもしれないから…

凛 : あまり人は呼べないや

海未 : 私だけで行こうかと思うのですが…ダメですか?

海未 : もちろん備えはしていきますよ

海未 : 長居もしません

181: 2016/11/26(土) 23:56:01.29 ID:iscihhq2.net
凛 : う~ん…まぁ、それなら大丈夫かな

凛 : 待ってるにゃ

海未 : 良かったです!それでは、また後ほど

凛 : うんっ


凛(……海未ちゃんとなら…大丈夫だよね)

ーーーー
ーーー
ーー

182: 2016/11/27(日) 00:00:05.96 ID:tUAXgEkT.net
トントン


『海未です、入りますよ』


凛「うん…」

ガチャ

海未「お久しぶりですね、凛」ニコリ

凛「お久しぶりにゃ…」ゴホンゴホン

海未「凛の大好きなカップラーメン…はどうかと思ったのでプリンや軽いお菓子を買ってきました」

海未「あとで召し上がってくださいね」サッ

凛「ありがとう…海未ちゃん…」

184: 2016/11/27(日) 00:04:59.00 ID:tUAXgEkT.net
海未「…さて、そちらに行ってもいいでしょうか?」

凛「あ、立ちっぱなしにさせちゃってごめんね…」

凛「いいよ…」ゴホゴボ

海未「それでは…」

フワッ

海未「ずいぶん柔らかいベットですね」

海未「寝心地がよさそうです」

凛「えへへ…そうかなぁ」

海未「えぇ…とても…」

185: 2016/11/27(日) 00:09:28.20 ID:tUAXgEkT.net
ーーーー
ーーー
ーー

凛「…練習参加できなくてごめんね」

海未「仕方がないことです、気にすることはありませんよ」

海未「それに今まで凛が練習を休むことなんてありませんでしたし、たまに丁度いいくらいではありませんか?」フフッ

凛「海未ちゃんは凛がいなくて寂しくないのぉ?」ム~

海未「寂しいですよ、言ったじゃないですか」

186: 2016/11/27(日) 00:14:07.50 ID:tUAXgEkT.net
海未「早く元気になって来てほしいと思ってます」

凛「……」

海未「やっぱり凛がいないと雰囲気が暗くなるんです」

海未「特に…一年生は」

凛「…」ピクッ

海未「凛が休んだ日からほとんど口を開かなくなりましたし…」

187: 2016/11/27(日) 00:20:05.65 ID:tUAXgEkT.net
凛「2人も……」

凛「元気ないの?…」

海未「それはもう…」

海未「よっぽど心配してるんでしょうね…」

海未「今日は2人を置いてきましたが『待っているから、早く来てほしい』という伝言を預かってます」

凛「……」

海未「あの2人は特に会いたがってるみたいですよ…」

188: 2016/11/27(日) 00:25:27.35 ID:tUAXgEkT.net
海未「それに…私個人としても凛に早く来て欲しい理由があるんです」

海未「…一人に…なってしまいましたから」

凛「えっ…?」ドキン

海未「…喧嘩したんです」

海未「穂乃果と…ことりと…」

海未「2人とも…もう口を利いてくれなくて…」

海未「…一人ぼっちが嫌だったからあなたに毎日連絡していたんです」

189: 2016/11/27(日) 00:30:58.17 ID:tUAXgEkT.net
海未「みっともないですよね…」

凛「…そんな…他のみんなは?穂乃果ちゃんとことりちゃん以外のみんなとは…」

海未「その…私がみんなの前で見せつけるようにしたんです…」

海未「ですから…話しかけづらくて…」

海未「必要最小限…でしか…」

190: 2016/11/27(日) 00:37:55.52 ID:tUAXgEkT.net
凛「…どうして、喧嘩なんて」

海未「…嫉妬してしまったんです、2人に」

凛(……)ドキッ

海未「私だけ…私だけ仲間はずれにされたようで悲しくて…悔しくて…」

凛(……)ドキドキ

海未「気付いたら身体が先に動いていました」

海未「酷いことを言って…酷いことをたくさんしてしまいました」

192: 2016/11/27(日) 00:43:16.25 ID:tUAXgEkT.net
海未「2人を傷付けて…私だけになってしまって」

凛(……)バクンバクン

海未「元の関係には…戻れないかもしれなくて…」

凛(……)バクバク

海未「私、一人だけに───

凛「ちっ、違うよ!!」

凛「海未ちゃんは…一人なんかじゃ…っ!!」

凛「一人…なんかじゃ…ないよ…」

凛「2人とも…話せば…っ」

凛「あれっ…ご、ごめんね…涙が…」

193: 2016/11/27(日) 00:48:54.28 ID:tUAXgEkT.net
凛「…凛は…味方だからっ…」

凛「…仲直りだって…できる…から」ポロポロ

凛「2人だって…海未ちゃんのことを本当に…嫌いになるわけ…うぅ…」

凛「一人ぼっち…なんかじゃ…────

ギュッ


『あなたもですよ…凛』


凛「うっ…うぅ…あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

194: 2016/11/27(日) 00:52:57.46 ID:tUAXgEkT.net
海未「あなたも一人なんかじゃありませんよ…」

海未「私は凛の味方です」

海未「2人だってあなたを嫌いになるわけありません」

海未「仲直りだって…できるはずです」

海未「あなたを…待っているのですよ…凛…」グッ


…グスン…グスン……グスン…


ーーーー
ーーー
ーー

205: 2016/11/28(月) 00:42:31.90 ID:O3M8WAZy.net
~翌朝~

タッタッタッ

花陽「おはよう、真姫ちゃん」

真姫「…おはよう」

花陽「ちょっと…待たせちゃったかな」

真姫「いいわよ、べつに」

真姫「それじゃ行きましょう」

花陽「うん」

206: 2016/11/28(月) 00:44:27.27 ID:O3M8WAZy.net
花陽「あっ…待って」

真姫「どうかしたの?」

花陽「手、繋いでいこう」

真姫「…えぇ」ギュッ

真姫「…ありがとう」

花陽「うん」ニコリ

208: 2016/11/28(月) 00:47:23.88 ID:O3M8WAZy.net
ーーーー
ーーー
ーー

オハヨー、アッニシキノサン、オハヨウハナヨチャン

ワイワイ、ガヤガヤ

真姫「なにしてるの花陽?さ、入りましょ」

花陽「えへへ…ごめんね」

ガラッ

209: 2016/11/28(月) 00:48:24.51 ID:O3M8WAZy.net
真姫・花陽「!」

真姫「えっ…」

花陽「凛…ちゃん…?」

凛「……」

真姫「…」

花陽「…」

210: 2016/11/28(月) 00:50:15.14 ID:O3M8WAZy.net
真姫「…おはよう」

凛「…うん、おはよう」

凛「…かよちんも」

花陽「えっ」ビクッ

花陽「うん…おはよう、凛ちゃん」

凛「……」

ガラッ、オーシ、セキニツケー

211: 2016/11/28(月) 00:51:24.21 ID:O3M8WAZy.net
~1限後~

花陽「あのっ…」

花陽「…凛ちゃん…次は移動教室で…」

凛「…わかってるよ、大丈夫」

凛「…それじゃ」

タッタッタッ

花陽「……」

212: 2016/11/28(月) 00:52:56.12 ID:O3M8WAZy.net
~3限目前~

真姫「りっ、凛…!」

凛「…」ビクッ

真姫「次の授業…課題が出てて…」

凛「隣の人に見せてもらうからいい…」

凛「ごめん…」

真姫「…別に、気にしないで」

真姫「……」

213: 2016/11/28(月) 00:54:50.08 ID:O3M8WAZy.net
~お昼~

キーンコーンカーンコーン♪

ワーイオヒルダー、イッショニタベヨー、ワイワイ

凛「……」ガタッ

タッタッタッ

花陽「……」

真姫「……」

214: 2016/11/28(月) 00:56:37.33 ID:O3M8WAZy.net
花陽「凛ちゃん…すぐ出てっちゃったね…」

真姫「えぇ…」

花陽「花陽達を…避けてるよね…」

真姫「仕方…ないわよ…」

花陽「そうだよね…」

花陽・真姫「……」

216: 2016/11/28(月) 01:00:14.85 ID:O3M8WAZy.net
花陽「手…」

真姫「うん…」ギュッ

花陽「凛ちゃんは必ず心を開いてくれるから…」

真姫「うん…」

花陽「わかってくれるはずだから…」

真姫「うん…」

217: 2016/11/28(月) 01:01:52.31 ID:O3M8WAZy.net
花陽「…」

花陽「真姫ちゃんも…そんな顔しないで…」

真姫「……えぇ」

ーーーー
ーーー
ーー

218: 2016/11/28(月) 01:03:48.83 ID:O3M8WAZy.net
~屋上~

凛(…また逃げちゃった)

凛(受け入れようって決めたのに…)

凛(勇気が出ないんだ…)

凛(凛は…弱いから)

凛(…2人ともごめんね)

ガチャ

『あれ、誰かいる…?ん……凛!?』

219: 2016/11/28(月) 01:05:49.98 ID:O3M8WAZy.net
タッタッタッ

にこ「久しぶりじゃない!!」

凛「にこちゃん!…久しぶり」

にこ「身体の方は大丈夫なの?」

凛「おかげさまで…バッチリ…かな?」アハハ…

にこ「ふ~ん…」ジー

にこ「ま、いいわ!来てくれたんだし!」

220: 2016/11/28(月) 01:07:33.10 ID:O3M8WAZy.net
凛「…」

にこ「心配してたのよ!!いつまで経っても来ないし…ヤバい病気にでも掛かったんじゃないかって!」

凛「まぁ…ヤバかったにゃ」

にこ「とにかく…本当に良かった」

にこ「待ってたわよ、凛」

凛「…ありがとう」

221: 2016/11/28(月) 01:09:37.09 ID:O3M8WAZy.net
凛「にこちゃんはどうしてここに…?」

にこ「私は…自主練ね」

凛「今から!?」

にこ「えぇ、お昼食べた後は少しは動くって決めてるの」

凛「知らなかった…偉いね」

にこ「…といっても軽くよ?ほんと軽く」

凛「それでも偉いよ…」

222: 2016/11/28(月) 01:12:25.08 ID:O3M8WAZy.net
にこ「…な、なに?別に褒めても何も出せないわよ」ジトー

凛「別に裏はないよ」

にこ「ならいいけれど」

凛「…いつからしてるの?」

にこ「いつから…?部員が私一人だった頃もそれなりにはしていたけど…」

にこ「完全に習慣になったのはμ'sに入ってからね」

凛「…やっぱりにこちゃんはすごいや」

223: 2016/11/28(月) 01:14:20.68 ID:O3M8WAZy.net
にこ「あんた…本当に大丈夫?まだ熱とか…ないわよね」ペトッ

凛「むぅ、その扱いはひどいにゃ」

凛「…にこちゃんはさ、どうしてそんなに頑張れるの?」

凛「μ'sとして活動する前だってそうだよ、一人でも頑張り続けてたんだもん」

凛「強いよ…にこちゃんは」

にこ「…別に強くもすごくも偉くもないわよ」

224: 2016/11/28(月) 01:16:38.97 ID:O3M8WAZy.net
にこ「昔の私は…そうね、アイドルが誰よりも好きだった…ただ、それだけよ」

凛「…今は?」

にこ「あんた達と最高の思い出を作りたいから」

にこ「一緒に過ごせる時間はね…残り少ないのよ、私たち3年生は」

にこ「残り少ない時間で…私の出来る限りの全てを出し切りたいの…あんた達と最高のライブをしたいの」

にこ「…それだけ」

凛「……にこちゃん」

225: 2016/11/28(月) 01:19:25.72 ID:O3M8WAZy.net
にこ「…時間ってのはね、貴重なの」

にこ「私だってもっと凛たちと部活動をしたい、でもそうはいかない」

にこ「この学校で、この”メンバー”で、一緒にいられるは今だけ」


にこ「だからね…凛、そんな大切な時間を無駄にしないで」


凛「えっ…?」

にこ「…あなただって本当は強いはずよ」ポンッ

にこ「それじゃ、そろそろ教室戻りなさい」

ガチャ

凛「……」

バタン

226: 2016/11/28(月) 01:22:27.10 ID:O3M8WAZy.net
ーーーー
ーーー
ーー

~放課後、夕暮れの屋上~

穂乃果「凛ちゃん!穂乃果はずっっっと待ってたよ!!」

ことり「本当に良かったぁ…心配だったの」

凛「…心配かけてごめんね」

227: 2016/11/28(月) 01:24:25.81 ID:O3M8WAZy.net
希「2人とも、気持ちはわかるけれどガッツキ過ぎや」

絵里「希の言う通りよ、まだ病み上がりなんだから」

凛「絵里ちゃん達にも迷惑かけちゃったね…ごめんなさい」

絵里「何言ってるの…気にすることはないわよ…」

希「…これからは無理せんでね」

凛「うん…」

228: 2016/11/28(月) 01:26:05.11 ID:O3M8WAZy.net
絵里「さ、柔軟をして切り上げましょう!」

穂乃果「明日からの土日は久しぶりの休みだっ!」

ことり「この頃ずっと練習漬けだったもんねぇ」

ワイワイ、ガヤガヤ、エリ!ソコハチガウワヨ!

凛「……」

海未「凛、相手をお願いします」

凛「海未ちゃん…」

229: 2016/11/28(月) 01:27:55.92 ID:O3M8WAZy.net
海未「ちゃんと来てくれましたね…やっぱりあなたは強い子です」グーッ

凛「でも、言えなかったんだ…」ノビー

凛「凛はね、また逃げだしちゃった」

海未「…いいんです、それでも2人は待っていてくれます」

海未「今日、学校に来てくれた…まずはこれだけでも充分です」

凛「……」

230: 2016/11/28(月) 01:31:42.43 ID:O3M8WAZy.net
凛「どうしても勇気が出ない」

凛「今日も2人は話しかけてくれた」

凛「凛だけなんだよ…向き合えないのは…」

海未「凛…」

凛「海未ちゃんはどうするの…?」グーッ

海未「私ですか…?」ノビー

凛「うん…」

231: 2016/11/28(月) 01:34:40.47 ID:O3M8WAZy.net
海未「…そうですね、あなたにばかり言ってはズルいですよね」

海未「私は…今日、勇気を出します」

凛「えっ…」

凛「……怖くないの?」

海未「凛に力をもらいましたから」フフッ

凛「そんなこと…」

海未「次は私の番です」

海未「あなたが少しでも勇気を出せるよう…その助けになれたら、うれしいです」

海未「本当に…今日はよく来てくれました」ニコリ

232: 2016/11/28(月) 01:37:33.01 ID:O3M8WAZy.net
絵里「みんな、集合よ!」

絵里「……次はなんて言うんだったかしら?」

希「えりち…嘘やろ…」

にこ「連絡よ!れ・ん・ら・く」ジトー

絵里「そう連絡よ!誰かあるかしら?」

8人「……」

絵里「……無さそうね、それじゃあ穂乃果お願い」

233: 2016/11/28(月) 01:41:05.23 ID:O3M8WAZy.net
穂乃果「明日からは久しぶりの休みです!しっかり休んで来週からの練習も頑張ろう!」

穂乃果「練習お疲れ様でした!」

オツカレサマー!


海未「…穂乃果!ことり!!」

凛「!」ビクッ

穂乃果「…海未ちゃん?」

ことり「どうしたの…?」

234: 2016/11/28(月) 01:43:23.37 ID:O3M8WAZy.net
海未「大切な話があります」

海未「……一緒に帰りませんか」

穂乃果「ねぇ、ことりちゃん…」

ことり「…うん」

穂乃果「もちろんだよっ!」グッ

ことり「ことりはずっと話せなくて悲しかったんだからねぇ!」ギュッ

海未「2人とも…」

235: 2016/11/28(月) 01:46:08.00 ID:O3M8WAZy.net
海未「本当に申し訳ありませんでした…お詫びしたいので寄り道していきませんか?」

穂乃果「うん!最近行きたかった場所があるんだ」

ことり「楽しみぃ♪」

海未「…えぇ、付き合います」

にこ「……」ジーッ

海未「…さぁ、行きましょう」チラッ

にこ「ふ~ん……」

236: 2016/11/28(月) 01:49:56.87 ID:O3M8WAZy.net
にこ「…絵里!希!」

絵里「なにかしら」

希「にこっち?」

にこ「たまには…一緒に帰ってみない?」

絵里「わっ、私は構わないけれど…」

希「…ウチもええよ」

にこ「じゃあ決まり、先行ってて」

絵里「…ふふっ、行きましょう希」ニコッ

希「にこっちが…ウチらをねぇ」ニコニコ

237: 2016/11/28(月) 01:51:27.03 ID:O3M8WAZy.net
海未「凛、あなたのおかげですよ」ボソッ

凛「…!」

バイバーイ!エリチャンタチ、マタネェ、サヨウナラ

ガチャ…バタン

タッタッタッ

にこ「凛っ!」

凛「…えっ!?ど、どうかしたの?」

238: 2016/11/28(月) 01:54:33.37 ID:O3M8WAZy.net
にこ「あんたにこれ、預けとくわ」

凛「…鍵?」

にこ「この屋上の鍵よ、全員帰ったの見届けたら掛けといて」

凛「なっ…なんで凛がっ────

にこ「あなたに”確認”をしてほしいからよ」

凛「えっ…?」

にこ「それに凛なら大丈夫だから」


にこ「さ、行っておいで──トン

250: 2016/11/29(火) 00:39:00.85 ID:AnIOLAU3.net
───スタッ…

凛「……」

花陽「…」

真姫「…」

ガチャ……バタン!

凛「…」

花陽・真姫「…」

251: 2016/11/29(火) 00:40:11.38 ID:AnIOLAU3.net
凛・真姫『あの…っ!』

凛「あっ…ごっ、ごめん…」

真姫「ううん、私も…」

凛「…2人は、どうする?」

花陽「どうって…?」

凛「この後…」

252: 2016/11/29(火) 00:41:27.83 ID:AnIOLAU3.net
真姫「……」

真姫「話したい!…凛と花陽と3人で」

花陽「花陽も」

凛「…うん、凛も」

凛「……」

凛「今日まで、2人のこと避けててごめん…」

凛「逃げ出しちゃって…ごめんなさい…」

253: 2016/11/29(火) 00:43:03.75 ID:AnIOLAU3.net
真姫「あなたは悪くないわ…」

花陽「うん…気にしなくてもいいよ」

凛「真姫ちゃんは凛のことを気にかけてくれたのに…」

凛「追いかけてくれたのに…」

凛「怖かったから…凛が弱かったから…」

凛「…真姫ちゃんの優しさを踏みにじってしまって」

真姫「そっ、そんなことっ!」

255: 2016/11/29(火) 00:45:11.46 ID:AnIOLAU3.net
凛「…かよちんにはっ!」

花陽「…うん」

凛「本当に酷いことを言っちゃった…」

凛「──ッ…凛の…大切な人だったのに…」

真姫「!」ビクッ

花陽「…」ギュッ

凛「!」

真姫「は、花陽…今…手なんか…っ」

花陽「……」

凛「……」

257: 2016/11/29(火) 00:47:04.46 ID:AnIOLAU3.net
花陽「大丈夫…花陽は大丈夫だから、もう気にしてないから」

花陽「凛ちゃんも自分を責めないで…」

凛「ごめんなさい…」

凛「……」

花陽・真姫「……」

凛「…あのね」

凛「2人は……」

『付き合ってるの…?』

258: 2016/11/29(火) 00:49:02.96 ID:AnIOLAU3.net
真姫「そっ…それは…」

花陽「うん、付き合ってる」

凛「!」

凛「そう…なんだ…」

凛「かよちんは…真姫ちゃんのことが好きなんだ…」

花陽「…うん」

凛「真姫ちゃんは…かよちんのことが…好きなんだ」

真姫「…」

真姫「……好き」

259: 2016/11/29(火) 00:49:55.98 ID:AnIOLAU3.net
凛「……そっか」

凛「…そ…っか…」

凛「…うっ…ん…わかった…よ」

262: 2016/11/29(火) 00:51:53.42 ID:AnIOLAU3.net
凛「グスン…ぅ…うぅ…」

凛「…うんっ…グスン」

凛「…グスン……凛は…ちゃんと…」

凛「…受けっ…入れる…か────


『違う…違うのっ!!』


『あなたのことも好きなの!!!』


凛「……何っ…言って────

真姫「私には…!2人が!!凛と花陽が特別なの!!!」

263: 2016/11/29(火) 00:53:05.92 ID:AnIOLAU3.net
『そして……ずっと壁を感じていた』

264: 2016/11/29(火) 00:54:16.03 ID:AnIOLAU3.net
真姫「私…凛と花陽の関係に…ずっと嫉妬していた!」ポロポロ

凛「えっ…?」

花陽「……」

真姫「…2人は私にとって初めて出来た友達」

真姫「…居場所をくれた特別な人」

真姫「いつも…側にいてくれて…っ」

265: 2016/11/29(火) 00:56:22.30 ID:AnIOLAU3.net
真姫「でもっ、私がどんなに2人を特別に思っても…あなた達がそれぞれを思う気持ちには勝てない…っ」

真姫「だって、幼馴染で親友の2人と仲のいい3人!!そういう関係だもの!!」

真姫「ずっと…ずっと一緒の…幼馴染な2人には…」

凛「そ、そんな…こと…」

真姫「私もなりたかった!!2人みたいに!!もっと前から出会いたかった…!」

真姫「…この前ね、花陽が家に来たの」

真姫「そこで私は…花陽の優しさに甘えた」

花陽「…真姫ちゃん」

266: 2016/11/29(火) 00:57:26.91 ID:AnIOLAU3.net
真姫「幼馴染のようにはなれなくても…違う形でもいいから…特別な存在にになりたかった」

真姫「…だから花陽にキスをした」

花陽「違うよ…それは花陽がっ!───

真姫「あなたは優しいから…でも、もういいの」

真姫「凛にもいつか言いたかった」

真姫「大好きだって」

268: 2016/11/29(火) 00:59:14.03 ID:AnIOLAU3.net
真姫「幼馴染にはなれなくても…あなたにとっての特別な人にしてくださいって…」

凛「……」

真姫「でも怖くて言えなかった…花陽の優しさに甘えてるだけだとしても…私は花陽の恋人だったから」

真姫「…今みたいに…なっちゃうと思ったから」

真姫「……」

真姫「2人にとって…の…特別な存在になんて…なれるわけっ…なかった…っ」

真姫「こんなことになるならっ…私は…仲のいい3人としての関係が…1番だった…」

269: 2016/11/29(火) 01:01:27.62 ID:AnIOLAU3.net
真姫「……」ポロポロ

真姫「ごめんなさい…っ」

真姫「凛…あなたの花陽を奪ってっ…あなたを一人にして…ごめん…なさい…っ」

花陽「真姫ちゃ──


『真姫ちゃん!!!!!』


凛「真姫ちゃん!…真姫ちゃん!!」ギュッ

凛「そんなことないっ!そんなことない!!」

凛「真姫ちゃんは初めから!出会った時から!凛にとっての特別な人!!」

凛「大好きな人!!」

271: 2016/11/29(火) 01:03:32.97 ID:AnIOLAU3.net
凛「かよちんとは違う!?そんなことない!凛には同じくらい大切な人!!」

凛「そんなこと感じさせてるなんて知らなかった!ずっとそんな思いさせてたなんて気付かなかった!」

凛「…大好きな人なのにっ」

凛「特別な人なのにっ…本当にごめん!!!」

真姫「うぅぅ…グスン……うぁぁぁぁぁ!」

凛「時間じゃない…大好きって気持ちは…そんなんじゃない」

真姫「…!」ポロポロ

花陽(…凛ちゃん)

凛「二度とそんなこと思わせないし言わせないっ」

272: 2016/11/29(火) 01:05:35.27 ID:AnIOLAU3.net
凛「……」

凛「真姫ちゃん…凛とキスしてほしい」

真姫「…えっ」グスン

凛「凛を…」

凛「凛を…あなたにとっての特別な人にしてください」

真姫「…っ…凛…りん…っ」


『…大好きだよ、真姫ちゃん」


─────
────
───
──

273: 2016/11/29(火) 01:07:37.90 ID:AnIOLAU3.net
凛「これで、真姫ちゃんは凛にとっての特別で…大切な人」

凛「凛も真姫ちゃんにとっての特別で大切な人」

凛「そういう…ことだよね」ギュッ

凛「もう…ずっと泣いてばかりじゃ、わからないよ」

真姫「ありが…とうっ…ありがとう…っ」グスン

花陽「…凛ちゃん」

凛「かよちん…」

275: 2016/11/29(火) 01:09:30.13 ID:AnIOLAU3.net
花陽「凛ちゃんは…花陽が信じてたことをしてくれたよ」

凛「…うんっ」

凛「……」

凛「あのね、やっぱりかよちんには一度謝りたい」

凛「…本当に酷いことをしたから」

花陽「……」

花陽「それなら…花陽にもキスしてくれますか?」

277: 2016/11/29(火) 01:12:17.13 ID:AnIOLAU3.net
凛「…うん!」

凛「…かよちん、酷いこと言ってごめんなさい」

凛「仲直りしてほしい」

凛「凛の…特別で大切な人だから」

花陽「…うん、私もだよ」


『…かよちん、大好き』

『…うん、私も』

─────
────
───
──

278: 2016/11/29(火) 01:14:41.70 ID:AnIOLAU3.net
花陽「えへへ…うれしい」

花陽「やっと…キスしてくれたね」

花陽「凛ちゃん、ありがとう」

凛「…うんっ」

花陽「真姫ちゃんのおかげで花陽の夢が叶ったよ」

花陽「3人それぞれが…お互いの特別な人になれた」

花陽「…ありがとう」

279: 2016/11/29(火) 01:17:55.97 ID:AnIOLAU3.net
真姫「2人とも……本当に大好き…っ」ギュッ

凛「うん」ギュッ

花陽「私も」ギュッ


花陽「卒業してバラバラの道に進むことになってもこの気持ちは変わらない」

凛「凛たちはそれぞれが特別で大切な人」

凛「それに…この学校では3年間も一緒に過ごせるんだ」

凛「だからこそ、その時間を」

花陽「3人で大切にしていそう」

真姫「…うんっ!」


ーーーー
ーーー
ーー

281: 2016/11/29(火) 01:19:22.62 ID:AnIOLAU3.net
~喫茶店~

穂乃果「海未ちゃん!あ~ん♪」

海未「まっ、またですか…///」パクッ

ことり「次はこっちだよぉ!はい、あ~ん♪」

海未「あっ、あなたもですかっ///」パクッ

穂乃果「よし、それじゃあこれも───

海未「ちょっ、ちょっと待ってください///」

穂乃果「もぉ~なに?」

283: 2016/11/29(火) 01:20:43.65 ID:AnIOLAU3.net
海未「なぜ私は先ほどからこんなに食べさせられるのですっ!」

穂乃果「それはねぇ…ことりちゃんっ」

ことり「ご褒美♪」

海未「はい?」

穂乃果「だって海未ちゃん、最近穂乃果たちに隠れて何か頑張ってるでしょ~」

海未「なっ!そっ、それは…そんなことは…ありませんっ」

ことり「あぁ~っ、とぼけてるぅ!」プクー

穂乃果「ふ~ん…」ジトー

海未「そんなことより!今日は私が2人にお詫びをするためにですね!」

284: 2016/11/29(火) 01:22:32.23 ID:AnIOLAU3.net
穂乃果「あぁ~っ!そうだよぉ!なに今日の!!」

ことり『ことり!穂乃果!今日は一日…私に話しかけないでください!』

ことり「や~ん、海未ちゃんひどいよぉ」ギューッ

海未「ちょっと、こんなところでくっつかないでくださいっ!」

穂乃果「極めつけにお昼なんて穂乃果たちを放置してどこかに行っちゃうし!」

穂乃果「さすがに傷ついたんだからね!!」ギューッ

海未「あーっ、もう!だからお詫びすると言ったのです!」

285: 2016/11/29(火) 01:24:51.47 ID:AnIOLAU3.net
ことり「許さないもんっ」プイッ

海未「はぁ…そこをどうか…」

穂乃果「…じゃあお泊りとかどう?」

ことり「あっ、それいい♪」

穂乃果「ことりちゃんのお家で3人でお泊りだよっ!」

穂乃果「もちろん、ケータイは置いて穂乃果たちとおしゃべりだからねっ!」

ことり「そうだよぉ!海未ちゃんお詫びするとか言っておいて、ずっとケータイで何か確認してるみたいだしぃ!」プンプン

286: 2016/11/29(火) 01:27:05.78 ID:AnIOLAU3.net
海未「2人には敵いませんね…」

海未「…すみませんでした」

海未「もちろん、2人の希望通りにしますとも」

海未「どうやらもう、確認はできたようですし」フフッ


凛 : ありがとう>ω</

287: 2016/11/29(火) 01:28:18.87 ID:AnIOLAU3.net
~希s部屋~

グツグツ

にこ「やっぱりこの時期は鍋に限るわねぇ!」

希「……」

絵里「……」

にこ「…なに固まってんのよ、食べないの?」

絵里「い、いやぁ…だってその…」

希「にこっちが帰りに誘ってきた上に一緒に鍋食べようだなんて…」

希「…これ何にも入れてへんよね?」

にこ「ぬわぁんでよ!!!」

288: 2016/11/29(火) 01:29:37.24 ID:AnIOLAU3.net
にこ「一緒に具材買って作ったでしょうが」

にこ「…まぁたまにはね、こういうのもいいんじゃないかなって」

にこ「3年生だけでのこういう時間も…大切にしようかなって思っただけ」

絵里「……///」

希「……///」

にこ「って、なにマジ照れしてんのよっ!///」

絵里「ふふっ…まぁ、にこも丸くなったわね」ニコリ

にこ「あんたには言われたくないわよっ!」

289: 2016/11/29(火) 01:31:58.38 ID:AnIOLAU3.net
希「ほらっ…えりち、あ~ん」

絵里「おぉ!ハラショー」モグモグ

希「そういえばにこっち、最近セーターどうしたん?」モグモグ

にこ「えっ?あぁ、いつものね」

にこ「真姫の家に置いてきちゃったのよ、毎回持ってきてって言うの忘れちゃって…」

にこ「予備もあるちゃあるんだけれど…その、穴とかほつれが…ね」

絵里「かわいそうに…私のでよければ貸すわよ」

希「えりち…サイズっ…サイズ考えようっ」ププッ

にこ『うっさいわね!!!!』


チカッチカッ

凛 : 確認できたよ>ω</

290: 2016/11/29(火) 01:34:38.01 ID:AnIOLAU3.net
~真姫s部屋~

真姫「それで…なんで私の家なのよ!」

凛「だって一番大きいんだもーん!」

花陽「3人で寝れるベッドなんて普通の家には…」

真姫「と言っても…さすがに狭くない?」

凛「じゃあ寄っちゃうにゃ!」グイッ

花陽「花陽も寄っちゃいます」グイッ

真姫「ヴェェ///」

真姫「狭いってベッドのサイズがじゃなくて!」

291: 2016/11/29(火) 01:36:03.69 ID:AnIOLAU3.net
真姫「…まぁいいけど」

凛「真姫ちゃんいい匂い」スリスリ

真姫「ちょっ、ちょっと!///」

凛「凛はね…真姫ちゃんとの時間をいっぱい増やすんだ」

凛「明日も明後日もたっくさん遊ぶんだ」

真姫「…別にいいわよ」

凛「えっ…?」

真姫「…だって、時間じゃないでしょ、そういうのは」

292: 2016/11/29(火) 01:37:51.82 ID:AnIOLAU3.net
凛「かよちん…」

花陽「凛ちゃん…」

真姫「…?」

凛・花陽『真姫ちゃん、だ~い好きっ!』バッ

ドターン!

真姫「もっ、もぉ~っ///」

真姫「クッツカナイデ!」

293: 2016/11/29(火) 01:39:54.14 ID:AnIOLAU3.net
凛「えへへ…やっぱり凛はこの3人でいるときが一番好き」

花陽「…うんっ」

真姫「…そうね」

凛「…時間じゃない、時間じゃないんだ」

ギュッ

花陽「真姫ちゃん…?」

真姫「…明日遊ぶんでしょ、そろそろ寝ましょう」

真姫「それにその…寒いからもっと寄ってよ」

295: 2016/11/29(火) 01:40:56.13 ID:AnIOLAU3.net
花陽「ふふっ…」

凛「うん、そっち行くね」

凛「…温かい」

真姫「えぇ」

花陽「…落ち着く」

真姫「そうね」

凛・真姫・花陽「……」

296: 2016/11/29(火) 01:44:00.81 ID:AnIOLAU3.net
『今日は、ありがとう』

『うん…凛も感謝してる』

『花陽も本当に嬉しかった』

『……』

『これからも…よろしくね』

『うん』

『さて、そろそろ本当に寝ないと』

『そうだね…おやすみなさい』

『おやすみ』

『おやすみなさい…』


『…ありがとう…大好き…』ギュッ


おわり

297: 2016/11/29(火) 01:45:45.31 ID:AnIOLAU3.net
遅い更新でしたが最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。

こちらは過去作でこのssのプロローグです。
おさんぽ疲れした花陽ちゃん、今日も真姫ちゃんのお家で休憩中

読んでもらうと背景にあった気持ちや話の繋がりが更にわかると思います

300: 2016/11/29(火) 01:52:04.36 ID:T+8uwgI+.net
おつ
かよちんは真姫ちゃんの凛ちゃんへの気持ちも知ってたんだな…

301: 2016/11/29(火) 01:53:41.88 ID:Fzl522Zu.net
学年はそれぞれの良さがあっていいよな

308: 2016/11/29(火) 09:07:41.74 ID:UAo++IVA.net

引用: 花陽「んっ…あっ、真姫ちゃん…///」