1: 2010/06/30(水) 11:35:51.57 ID:KLS6yLYSO
澪「ん…?あぁ、別にいいけど。ほら一切れあげるよ」ヒョイ

唯「わーい有り難う、澪ちゃん!この恩は一生涯忘れないよ」モシャモシャ

澪「卵焼きくらいで大袈裟だなぁ」

梓「む!唯先輩ばっかりずるいですよ。私も下さい卵焼き!」ヒョイ

澪「あ、ちょっとそれ私の食べかけだぞ」

唯「ぶッ~~ピィッッッ!!?ィィィィイィィ゛ーーッ!!」ゲロゲロ

律「ちょ汚な!お前制服に掛かるだろが!?」
けいおん!highschool (まんがタイムKRコミックス)
2: 2010/06/30(水) 11:37:57.05 ID:Z+NOlpKLP
ちょっと何言ってるかわかんないですね

4: 2010/06/30(水) 11:41:00.08 ID:haQhDxeIP BE:1724512379-PLT(27127)
どうすりゃそんな擬音が出るんだよ

6: 2010/06/30(水) 11:46:37.16 ID:KLS6yLYSO
紬「唯ちゃん気をしっかり持って!ほらお水よ」

唯「ゲッホッッ!ゲッィィホッ!!」

律「澪!お前まさか…その卵焼きに毒を仕込んだんじゃ」

澪「馬鹿な事言うなよ!なんで私がそんな事」

梓「そうですよ、澪先輩が毒なんか使う訳ないじゃないですか!ドラムのくせにいい加減な事言わないで下さい!!」モシャモシャ

紬「梓ちゃんそれは言い過ぎよ…律っちゃんに謝って」

梓「いやですよ!元はといえば律…ぶッ~~ピィッッッ!!?ィィィィイィィ゛ーーッ!!」ゲロゲロ

律「お前!?思いっきり私の顔に掛かってんぞ!」

7: 2010/06/30(水) 11:53:00.34 ID:KLS6yLYSO
紬「梓ちゃんまで!一体どうして…」

梓「ギィッホッッ!ギッィィホッップッ!!」

律「どうしてもこうしても無いぜ!もう言い逃れは出来ないぞ澪!!」

澪「な、なにがだよ!そんな事より早く唯達を保健室に」

律「誤魔化そうとしても無駄だぜ!こいつら二人がこんなになったのは全部お前の毒のせいだろ」

澪「ち、違う!私は毒なんて…」

梓「ギィィッホッ!!ギィィィッホ!」ピクピク

紬「どうしたの梓ちゃん!?何か言いたいのかしら」

9: 2010/06/30(水) 12:00:27.42 ID:KLS6yLYSO
梓「ムッホッッ!ギッッィィッパイ!!」ピクピク

紬「梓ちゃんの嘔吐物…、これがどうしたのかしら」ペロッ

澪「な、何してるんだよムギ!?汚いじゃないか!」

律「おい、早く吐き出せ!お前まで毒にやられちまうぜ!!」

紬「あ……甘い」ペロッ

律「甘いだって?何言ってんだ、梓が食べたのは卵焼きなんだぞ!」

紬「これは……お砂糖よッ!」ペロッ

律「な、なんだってッ!?」

澪「何を驚いてるんだ…二人とも」

11: 2010/06/30(水) 12:11:06.81 ID:KLS6yLYSO
唯「ゲッピッッッパッ!……そ、そうだよ。澪ちゃんは…卵焼きに砂糖を」ピクピク

紬「大丈夫?ほら新しい嘔吐袋よ」サッ

律「一体どういうつもりだ、唯達になんの恨みがあって卵焼きに砂糖を入れたんだ!」

梓「ズピッッッパァッ!!……返答次第じゃいくら澪先輩といえども、然るべき処分をさますよ」ピクピク

紬「もう一杯で漏れて来てるわ、ほら新しい嘔吐袋」サッ

澪「な…何を言ってるんだよお前達!卵焼きに砂糖なんて普通じゃないか」

唯・梓・律・紬「…ッ!?」

15: 2010/06/30(水) 12:25:01.82 ID:M3V5kQS2O
砂糖入った甘い玉子焼きおいしいです

16: 2010/06/30(水) 12:26:28.82 ID:KLS6yLYSO
律「み…澪のヤツ、一体何を口走ってるんだ」

唯「律っちゃんが分からないのに、私なんかに皆目見当も付かないよ」

梓「やっぱり日々のストレスとベースが原因で、脳細胞が…」

紬「めっ!そんな事言っちゃダメよ。澪ちゃんも好きでベースなんかやってないのよ…分かってあげて」

唯「けいおん部の尊い犠牲になったんだよ、澪ちゃんは……」

澪「なんだよその憐れんだ目は!」

律「大丈夫だ、心配すんな。脳細胞がおかしくなっても澪は澪だからな」

澪「おかしくない!いつもママが入れてくれるもん!美味しいもん!」

21: 2010/06/30(水) 12:41:58.66 ID:KLS6yLYSO
紬「お母さん……が?」

律「おい、唯。ミザリィって映画知ってるか?看護師が介護としょうして、入院患者をなぶり頃しにするんだ…」

唯「見た事あるよ!あのおばチャンの演技が凄いんだよね」

梓「ま、まさか澪先輩の家庭って……」ガクガク

澪「なんだよ梓…?なんで顔が真っ青なんだよ」

律「すまん澪ッ!小さい頃から一緒にいるのにお前の母ちゃんがそんなだったなんて」ガシッ

澪「そんなってどんなだよ…」

紬「安心して澪ちゃん。すぐに市役所に駆け込んでお母様から児童保護の申請をするから!」

澪「だから何を言ってるんだ!?別に私とママは仲良いよ!」

32: 2010/06/30(水) 12:55:03.25 ID:KLS6yLYSO
梓「ダメですね…完全に脳細胞の一つ残らず洗脳されてるみたいです」

律「幼少の頃の情操教育ってコエーな…」

唯「お母さんの性で味覚障害を患ってるんだね…。ムギちゃんなんとかならないのかな!」

紬「亜鉛含有胃潰瘍治療剤とかを投与すれば…、少しあたってみるわね」

澪「好き勝手言うなよ!腹立つなコノヤロー。私の事はいいけどママの事を悪くいうなよ!」

紬「澪ちゃん…。そんなにお母様の事を」

梓「そうですね、確かに言い過ぎました…ゴメンなさい。ベース先輩」

澪「……ベースの悪口も止めて」

41: 2010/06/30(水) 13:08:02.27 ID:KLS6yLYSO
澪「分かったよ!そこまでお前達がママの卵焼きを馬鹿にするならこうしようじゃないか」

律「な、なんだよ…?」

澪「明日、全校生徒に私の卵焼きとお前達の卵焼きを食べ比べしてもらいます!」

唯「そ、そんな勝敗が火を見るより明らかになってる勝負をしてどうするの…?誰も澪ちゃんのなんか」


澪「そんなのやってみないと分からないだろ!」

梓「そうですねぇ、別にいいんじゃないですか?」

紬「あ、梓ちゃん!?何を言い出すの、澪ちゃんを大衆の目前で恥をかかせるつもり」

梓「一つ条件があります。私達が勝ったらちゃんと病院で然るべき治療を受けて下さい」

澪「いいよ、治療でも何でも受けてあげるよ。でも私が勝ったらママとエリザベスに土下座で謝罪の言葉を絞り出してもらうからな!」

49: 2010/06/30(水) 13:19:48.54 ID:KLS6yLYSO
=唯ハウス=

唯「良かったのあずにゃん?澪ちゃんきっと大衆の目前で悔し涙を晒す事になっちゃうよ」

律「そうだぜ、その性で性格が歪んで後々の付き合いに支障が生じたらどうするんだよ」

梓「その可能性も否めませんが…、これで確実に澪先輩を病院で治療させる事が出来ます」

唯「そ、そっか。確かに素直に従ってくれるような雰囲気じゃ無かったもんね!」

律「偉いぞ梓!マスタングなんてやってる癖に」

梓「いえ、マスタングは余計です」

憂「なんだか大変そう…。台所好きに使っていいからねお姉ちゃん」

唯「え…?なんでそんな質問投げ掛けるの」

憂「投げ掛けるのって言われても…。練習しておかないとダメじゃない」

56: 2010/06/30(水) 13:28:15.58 ID:KLS6yLYSO
唯「心配性この上ないなぁ、憂は。卵焼きなんて簡単に出来るから練習なんて不要だよ」

憂「えっ?で、でも備えあれば憂いなしって言うし…」

律「いいって、いいって!んじゃ、ミザリィ観賞しようぜ」ゴソゴソ

梓「憂も一緒にDVD観賞する?面白いらしいよ」

憂「あ、私は洗い物があるから観賞は遠慮しておくね」トテトテ

紬「駄目よ梓ちゃん。こんな怪談映画を憂ちゃんに見せたら恐怖におののいちゃうわよ」

59: 2010/06/30(水) 13:38:23.63 ID:KLS6yLYSO
=翌日=

和「家庭科室の使用許可証、確かに受理したわよ」

澪「有り難う和、恩に着るよ。これで用意は全て抜かり無く調ったな」

和「今度は一体何をしでかすつもり?証拠を隠蔽する作業は骨が折れるからほどほどにしてね」

澪「あぁ、しっかり肝に命じて置くよ。…それよりこれを一つ食べてくれないか?」カパッ

和「なにかしらそのタッパーに収まってる物は…卵焼き?」

澪「何も言わずに食して欲しいんだ…」

和「別に構わないけど」モシャモシャ

澪「ど…どうかな?」

和「うーん、少し砂糖が多いんじゃないかしら?別に嫌いじゃないけど」

澪「そうか…、でもこれで勝負を仕掛けるよ。これがママの卵焼きだから」

65: 2010/06/30(水) 13:49:57.72 ID:KLS6yLYSO
=放課後=

律「さーて、んじゃそろそろ始めるか!」

澪「おい、ちゃんとエプロンと三角巾を着用しろよ。お客さんに振る舞うんだからな」

律「分かった、分かった。卵焼きくらいで大袈裟だなぁ澪は」マキマキ

紬「こっちの方は準備完了よ、澪ちゃんの方はどうかしら?」

澪「こっちも準備完了だ。それじゃ、始めるとしようか」

唯「和ちゃーん、始めてもいいって!」

ザワザワザワ

和「分かったわ!ちょっと皆押さないで、ドミノ倒しになって氏傷者がでるわよ!!」

ザワワザワザワ

律「たかが卵焼きにこんなに人が集まるとはな、群衆心理ってやつはコエーな」

梓「来ますよ。早く卵焼きの調理と、配布準備に手を付けて下さいよ!」

67: 2010/06/30(水) 14:00:19.90 ID:KLS6yLYSO
唯・梓『ぶッ~~ピィッッッ!!?ィィィィイィィ゛ーーッ!!』ゲロゲロ

澪「…!?な、なんだ頭上のブラウン管から昨日の映像が?」

律「あぁ、どっちも見た目は一緒だからな。参考資料として用意させて貰ったぜ!」

澪「だからって何でこの映像を資料なんだよ!?もっと好印象を与えるようなVTRを用意しろよ」

紬「ゴメンなさい澪ちゃん…、これも治療の為に仕方なくなのよ」

ザワワザワワザワ

唯「モーゼの海水の如く澪ちゃんの配布スペースに空白が出現したよ!」

梓「効果は抜群ですね」

澪「くそっ、情報戦とは小癪な真似をするじゃないか…。ムギの入れ知恵か!」

律「ほれほれ!もっと卵をボールに勢い良く衝突させろ!」ガンガン

70: 2010/06/30(水) 14:18:16.08 ID:KLS6yLYSO
紬「それにしても凄い勢いで作り置きが消費されていくわね…感嘆するわ」

律「放課後の丁度小腹の空いた時間と一致するからな。ちょろいちょろい!」

梓「ほら、ちゃんとネギと海苔も入れて下さいよ!唯先輩」カチャカチャ

唯「でも早くしないと間に合わないよぉ」ジュウジュウ

律「んなもんいいんだよ!食べられさえすれば勝ってに捌けていくんだらな」

梓「もう、そんないい加減な…」

澪「私の卵焼きはまだ一つも食して貰っていない…、どうすれば」

71: 2010/06/30(水) 14:30:26.49 ID:KLS6yLYSO
バッタン!

さわ子「ちょっと!?貴方達生徒だけで、勝手に家庭科室を使用して事なきを得ると思っているの!」

唯「え!?違うよ、ちゃんと家庭科室の使用許可証を受理して貰ってるよ?ねぇ和ちゃん」

和「えぇ…。先生、こちらに申請を受理した用紙が」ピラっ

さわ子「……確かに捺印されているわね。私の勘違いかしら」

律「しっかりしてくれよな!若年性アルツハイマーってコエーんだぜ」

さわ子「失礼ね!アルツハイマーも更年期障害も当分先生とは縁が無いわよ」

澪「(……さわ子先生の乱入による戸惑いにより、一時勢いが止まった?これはチャンスかも)」

さわ子「それより、貴方達大勢で、わざわざ家庭科室を使用して何を食しているの?」

75: 2010/06/30(水) 14:40:01.86 ID:KLS6yLYSO
澪「先生ッ!この卵焼きを食して…」

律「唯!さわちゃんに今直ぐ卵焼きを食して貰え」グイグイ

澪「(くっ!律め先手をとって私の行動を封じるつもりか!?)」

唯「ちょ!?そんなに急かさないでよぉ!」ガチャガチャ

梓「あぁ、もう!だからそんな適当に卵焼きを調理しちゃダメですよ」

唯「えいしゃおらー!出来たよ、調理したての卵焼きが!」ドンッ

さわ子「…………」

紬「あら?どうしたんですか先生。卵焼きを凝視したたままですけど」

78: 2010/06/30(水) 14:53:07.13 ID:KLS6yLYSO
さわ子「……それじゃ今から少し頂くわね」ムシャムシャ

澪「先生、次は私のたま…」

さわ子「ぶッ~~バッッィッッッン!!?ィィィィイィィ゛ーーーッ!!」ゲロゲロ

唯「めッ!目がァァえいしゃおらー!!?」バタバタ

梓「なっ!?毒霧の要領で嘔吐物を利用し、唯先輩の視界を奪った!」

紬「何をするんですか先生!?今直ぐ唯ちゃんに深々と謝罪して下さい」

さわ子「何をするって、それは私の台詞よ!この卵焼きは食べられた物じゃないわ!何を入れたの」

唯「何って、といた黄身と白身と味の素をよく掻き混ぜて火を通したんだよ」


87: 2010/06/30(水) 15:06:48.40 ID:lz6hoi95O
だし入れたらだし巻きじゃねーの
卵焼きは甘い…家の何入れてんのかな

ほんのーり甘い卵焼きが一番うまいんだよ

93: 2010/06/30(水) 15:19:47.77 ID:KLS6yLYSO
さわ子「たったそれだけ…?火の通りもムラだらけだし、味の素の入れ過ぎで卵本来の味も完全に損なわれてしまっているわ。こんな物を皆に食べさせていたの!?」

ザワワザワザワ

梓「で、でも最初はちゃんとネギとか海苔を入れてたんですよ」

さわ子「黙らっしゃい!安定した品質で提供出来ない時点で料理人として失格なのよ!」ビシッ

唯「そ、そんなぁ…。科学調味料美味しいのになぁ」


律「ちっ…さわちゃんを取り込む作戦が裏目に出たか…、不味いな」

澪「先生!それじゃ次こそ私の…」

さわ子「貴方達!明日またこの時間にこの場所に来なさい。本当の卵焼きを見せてあげるわ」スタスタ

バタンッ!

澪「………え?」

97: 2010/06/30(水) 15:27:57.48 ID:KLS6yLYSO
唯「ほらほら、遠慮せずにもっと食してよー。科学調味料美味しいよぉ」スッ

生徒A「え……あ、うんちょっと今は遠慮しておくわ、ちょっと気分が優れなくて…」

唯「えぇ!?そんなの我慢すればなんとかなるよ、お願いだからぁ」

生徒B「だって平沢さんの顔…嘔吐物にまみれてるし……」

梓「ちょっと、早く顔の嘔吐物を拭いて下さいよ!ほらタオル」サッ

唯「あ、有り難うあずにゃん、恩に着るよ」フキフキ

紬「急にお客さんが減っちゃったわね。一体全体どうしたのかしら」

和「(先生の嘔吐と講釈を聞いて生徒達の食欲が一気に削がれたようね。これならまだ澪にもチャンスがあるかも)」

100: 2010/06/30(水) 15:39:23.65 ID:KLS6yLYSO
バッタン!

生徒E「澪先輩すいません!部活動に勤しんでいた為に遅れちゃいました」バッ

生徒F「すいませんでした澪先輩!右に同じです」バッ

澪「あぁ、別に構わないけど……。(誰だったかな、近い間に合ったような気がしないでもないんだけど)」

唯「あれ?確かあの子達って、澪ちゃんのファンクラブに所属してる…」ジュウジュウ

梓「ちょっと!ちゃんと前を向いて調理して下さいよ!!味の素のフタが取れてます」

律「なんでアイツらが!?澪のファンクラブ含めて親しい人物には情報がいかないように工作活動してたのに!」

梓「そんな事までしてたんですか?用意周到というかなんというか…」

律「ライオンは崖から這い上がってきた我が子を、叩き落とすって言うだろ?あれだよアレ」

梓「違いますよ、這い上がってきたらゴールですよ…。どれだけドSなんですか」

102: 2010/06/30(水) 15:52:02.61 ID:KLS6yLYSO
生徒E「では、有り難く頂きますね。先輩!」ムシャムシャ

澪「あぁ。ど…どうかな味の方は、昨日から色々調合比率なんかを調整したんだけど…」

生徒F「凄い美味しいですよ!こんな食べ物口に入れた事が無いです!!」

澪「そ、それは本当か!?ドンドン食べてくれ、まだまだ作り置きが沢山あるんだ」ドンッ

ザワワザワワ

唯「あれ?なんだかあの子達、普通に澪ちゃんが調理した卵焼きを笑顔で食してるよ」

梓「そ、そんな馬鹿な!?あの強烈な味に口内と胃が絶えきれるはずが…」

生徒F「疲れた身体には甘い物がピッタリですね!このお菓子なんていうんですか」

澪「お菓子…?いや、これは卵を調理して火を通した卵焼きだよ。ちょっと冷めてるけど」

律「一体全体何が起こってるんだ!この家庭科室で」

和「どうやらそういう事のようね…」

唯「し、知っているの和ちゃん!?」

104: 2010/06/30(水) 16:07:04.81 ID:KLS6yLYSO
和「貴方達は澪の卵焼きを卵焼きだと認識して食したでしょ?」

唯「それはそうだよ、至極当然の理じゃないのかな」

紬「そ、そうよ!もしかして、先入観を拭った事による結果なのかしら」

和「その通りよ、貴方達はいつもの卵焼きの味だと思って口に入れた為に、澪の甘い卵焼きの味との違和感で吐き気を催したのよ」

律「な、なんだって!?それじゃ、唯達が汚物まみれになったのは澪の卵焼きが不味いからじゃ無かったっていうのか」

生徒A「あの子達美味しそうに食してるわね…、一度試食してみる?」

生徒B「そうね、虎穴はいらんば虎児を得ずね。田井中さんの事だから、頭上のVTRもさっきみたいな工作だったのかも」スタスタ

紬「あらあら、完全に策士策に溺れる結果になってしまったわね」

律「チクショォォォ!!唯が完全な卵焼きを調理していればこんな事には!」

唯「えー!?調理してた背後でやんややんや急かしたのは律ちゃんだもん!」

梓「ちょっと!こんな時には仲間割れは止めて下さいよ!こういう時こそギターとドラム仲良くしないと」

106: 2010/06/30(水) 16:27:28.26 ID:KLS6yLYSO
ザワワザワワ

紬「瞬く間に澪ちゃんの卵焼きが捌けて行くわね。それに比べて私達の所には…」

唯「まるでモーゼの海水の如く空白が出現しちゃってる!万事休すだよ」

梓「時間帯的にもオヤツの時間に差し掛かってますし…、甘い物が肉体的にも欲して止まないんでしょう」

律「くっそォォォッ!何か良い知恵は無いのかムスタング!」ジタバタジタ

梓「ありませんよ、お手上げもいいところです。今の内に土下座の練習でもしたらどうなんですか」

唯「任せて律っちゃん!私が至高の卵焼きを調理してあげるから」ジュウジュウ

律「おうよ!私は一途の希望をお前に託す!頼むぜ唯」

梓「あいも変わらず負けず嫌いこの上ない性格ですねぇ」

ザワワザワワ

澪「おっと、ゴメン。ちょっと通行させてもらうよ」トテトテ

紬「あら…?向こうから歩を進めて来るのは澪ちゃんかしら」

107: 2010/06/30(水) 16:36:37.97 ID:KLS6yLYSO
律「なんだよ澪!?私達を敗者と確信して嘲笑いに来たのかよ!」

澪「そう突っ掛かるなよ、誰もそんな事言ってないだろ。ほら食べて見ないかコレ」サッ

梓「これは…。澪先輩のダークマ…いや、卵焼きじゃないですか」

律「私達を毒頃して完全なる勝利を手にして、部長の座まで得るつもりか!」

澪「それと…これも一緒にどうだ」サッ

梓「これは部室のティーセットじゃないですか?」

澪「すまないなムギ、許可を得ず勝手に持ち出してしまって」

紬「いえ…それは一向に構わないけど。…こうして見ると本当にお菓子みたいね」

唯「なんだかお腹がすいて来たせいでお菓子以外の何物にも見えないよ!」ヒョイパクッ

109: 2010/06/30(水) 16:43:26.34 ID:KLS6yLYSO
澪「ど、どうだ唯。食してみた味の感想は?」

唯「すほふおいひいほ!!りつひゃんほたへへみ、ィィィィイィィ゛ーーッ!!」ゲロゲロ

律「ギャァァアァッ!目がァァアッ!?」ジタバタ

澪「だ、大丈夫か唯!?やっぱり味が…」

紬「安心して、澪ちゃん。今度のは物を咀嚼しながら喋るから、気管に詰まっちゃったみたいね」

梓「ちょっと!?呑気に解説してないで、早くタオルとか嘔吐物を拭き取る物を!」

111: 2010/06/30(水) 16:52:41.80 ID:KLS6yLYSO
律「……………」ムシャムシャ

澪「ど、どうだ律…?私的には上手くママの卵焼きの味を出せたと思うんだが…」

律「ん……。甘くて、美味しい」モシャモシャ

唯「律っちゃんから美味しい頂きましたーぁッ!おめでとう澪ちゃん!」

澪「ゆ…唯。あぁ、有り難うとっても嬉しいよ」

律「いっほふが!おいひいのはおまへのははであっへィィイ゛ィイィィ゛ーーッア!!」ゲロゲロ

唯「目ッッ!!?目がぁぁぁぁあぁッッえいしゃおらぁーッ!!!」ジタバタ

梓「だから!口に物を入れながら喋るなって言ってるじゃないですか!!学習して下さい」

113: 2010/06/30(水) 17:07:01.42 ID:KLS6yLYSO
律「ゲッホッッ!ゲッィィホッ!……と、とにかく、美味しいって言ったのはお前の母ちゃんだからな!勘違いすんなよ」

澪「あぁ、それでも嬉しいよ律!」

梓「全くトコトン負けず嫌いを患ってますね」モシャモシャ

唯「お客さん皆美味しそうに食べてるし…やっぱり甘い卵焼きの方が美味しかったって事かな」

和「そうかしら?私は…そうは思わないわね」

唯「和ちゃん?一体どういう事なの」

和「確かに唯達の卵焼きはさわ子先生の舌を満足させる事が出来なかったた。でも、それは唯達が卵焼きに掛ける愛情の性だったのよ」

唯「卵焼きに掛ける愛情…?」

和「卵焼きにダシが入っていようが、砂糖が入っていようが、創り手がたかが卵焼きと思ってしまった時点でもう終了なのよ」

律「そ、それは……」フキフキ

和「甘いも辛いもショッパイも関係無い…、ただ創り手がその創作物に愛情を注げるかどうか。ただそれだけの事なのよ」

唯「た、確かに和ちゃんの言う通りだね…。私達卵焼きの事を少し侮っていたかもしれない」

116: 2010/06/30(水) 17:20:14.65 ID:KLS6yLYSO
澪「だったら創ればいいだけの事じゃないか。唯達の究極の卵焼きを」

紬「そうよね、私達軽音部ならきっと出来るわ」

唯「でも、私の創ってる卵焼きは究極じゃなくて至高だけどね」

梓「……ん?至高といえば唯先輩、さっき創ってた卵焼きどうなったんですか」

唯「……………え?」

ゴゥゥゥウ゛ゥゥウ゛ゥゥゥゥッ!!!

梓「ちょっと!?火を点けっ放しにしてたから火炎が渦を巻いてるじゃないですか!」

律「唯ッ!は、早くコンロのフライパン!」

唯「分かったよ律っちゃぁん!!えいしゃおらぁぁぁぁーーッッ!!!」ブォン

ガッッシャアァァゴォォオンッ!!

律「火を消せって言ったんだよ!!なんで窓硝子突破って外に投げ捨ててんだ!」

唯「だって火種を完全に消滅させないと怖いじゃん!」

律「いや、どう思案しても完全にお前の方が百倍コエーよッ!?」

119: 2010/06/30(水) 17:33:15.50 ID:KLS6yLYSO
=唯ハウス=

唯「憂ィィー…酷く精神的に疲弊したよぉ」フラフラ

憂「お、お姉ちゃん!?大丈夫、しっかりして。痛い所とか無い」

唯「多数の教職員に土下座して回った性で額が痛いよぉ」サスサス

憂「可哀相なお姉ちゃん…、和さんの隠蔽も空しく責任と言う言葉が重くのし掛かったのね」

唯「そうなんだよー、よく知ってるね憂」

憂「私、あのフライパンが落下した地点のすぐ近くにいたんだよ」

唯「そうなんだ、通りで詳しいわけだね」

憂「詳しい話は後で聞かせて。まずはご飯食べよ、すぐ用意するね」

唯「有り難う憂ィ!お腹ペコペコで飢餓に喘ぎそうだよぉ」

121: 2010/06/30(水) 17:48:56.61 ID:KLS6yLYSO
憂「そっかー、結局どっちの卵焼きが優れてるか勝敗が付かずに有耶無耶になっちゃったんだ」モシャモシャ

唯「和ちゃんはどっちも美味しいって言ってたよ。律っちゃんは納得してなかったけど」モシャモシャ

憂「和さんも律さんどっちもらしいね。でもその結果が一番良かったのかもね」モシャモシャ

唯「そうだね。あの甘い卵焼きも美味しかったけど憂の作ってくれるダシ巻き卵も美味しいんだもん!」モシャモシャ

憂「えへへ、そう言って貰えると嬉しいな。今日も作ったから沢山食べてね」サッ

唯「ありがと!憂ィィィィイ゛ィィ゛ンィィーーッッパ!!」ゲロゲロ

憂「お、お姉ちゃん!?どうしたのいきなり勢い良く嘔吐して。具合でも悪いの」サスサス

唯「ゲィッポッ!ゲィッッポ!……ち、違うよ憂、今日甘い卵焼きを食べ過ぎた性でダシ巻卵の味に胃がビックリしただけだよ…」

憂「だったら良いんだけど、胃の入口の絞まりが少し悪くなってるのかな?」サスサス

126: 2010/06/30(水) 18:08:54.51 ID:KLS6yLYSO
=翌日=

梓「さぁて、程よく疲労が重なって来たんで少し休憩しましょうか」

律「そうだな、よしムギ!お菓子の準備を頼むぜ」

澪「ちょっと待ってくれないか皆。今日は私が作って来たんだ」カパッ

唯「わぁ、澪ちゃんのママの卵焼きだ!美味しそうだね」

澪「実は、今日は私が究極の卵焼きを目指して、独自に味付けしてみたんだ。是非感想を聞かせてくれないか」

梓「究極の卵焼き…か。なんだか見てるだけで涎が垂れて来そうですね!」

紬「待っててね、直ぐにお茶の準備をするから」ダッ

130: 2010/06/30(水) 18:21:09.67 ID:KLS6yLYSO
律「へんっ、そんなの待ってられるかよ!澪の究極の卵焼き一番乗りだぜッ!!」ヒョイッパク!

唯「あ、律っちゃんずっこい!?じゃあ私二番目だよ!」ヒョイッパク!

澪「おいおい、そんなに慌てなくてもまだまだ沢山…」

唯・律「ぶッ~~ピィィィンッッッバッ!!?ィィィィイィィ゛エェンーーッッバァァ!!!」バシャバシャ!

澪「って、えぇ!!?どうしたんだよお前らっ!」

131: 2010/06/30(水) 18:22:15.39 ID:KLS6yLYSO
ペロッ

梓「ブッッ!あ゛、甘ッッ!!?」

紬「もしかして、澪ちゃんって物凄い甘党だったのかしら……」

梓「ど、どうやらその様ですね……」

澪「おい!?唯、律、しっかりしろ!どうしたんだよ!おいッ」ユサユサ

唯「え…、えいしゃおらぁー……」ガクッ

=おしまい=

さわ子「やれやれ、あんな卵焼き達を美味しいと言ってるようじゃ、先が思いやられるわね」

ガチャリ

和「あぁ、居たいた。先生、家庭科室の申請書、ここ間違ってますよ」ペラッ

さわ子「あら、ごめんなさいね。直ぐ書き直すわ」カキカキ

和「お手数おかけして申し訳ありません。では生徒会室に戻りますね」ペコリ

バタンッ

さわ子「………誰もこないわね。あんな卵焼きよりずっと美味しい卵焼きを御覧に入れるのに」

133: 2010/06/30(水) 18:27:51.93 ID:KLS6yLYSO
最後までお付き合い頂き有り難うございました!
卵焼きエピソードの多さにはビビったw
それではまた!

134: 2010/06/30(水) 18:29:46.47 ID:9pjw15X8O
最後までゲロとは

135: 2010/06/30(水) 18:37:42.65 ID:n8t0D41Q0

たしかに甘い玉子焼きはほぼ結構な割合でお菓子っぽい

引用: 唯「澪ちゃーんその卵焼き頂戴」