1: 2016/12/18(日)05:32:01 ID:Kow
SSです
元ネタは漫画家の奥たまむし先生が先日Twitterに上げた漫画です
後半シリアスです、sageでゆっくり貼っていきます

2: 2016/12/18(日)05:33:35 ID:Kow
「彼女とコネクト!」


ーー教室の片隅で


女生徒A「えーなになに、見たいー」

女生徒B「これなんだけどさー」アハハ



花音「ゞ〆〃ー?」

私「へー...」

花音「~~〃♀」

私(花音は割と美形だし、かわいい)

私(でも私以外、友人がいない)
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)
3: 2016/12/18(日)05:34:37 ID:Kow
私(それというのも)

花音「ゞー〃ゝ~〆ーヾー〆£♀%」

私(滑舌が悪くて、一切なにを話しているか分からないのだ...)

花音「〆ヾーゝ@>?」

私「え、うん...」

私(私はそれに対してテキトウに相槌をうっている)

私(わずらわしい人間関係より、そのほうが楽だからそうしたんだけど...)

4: 2016/12/18(日)05:35:17 ID:Kow
花音「♪」

私「えっ何を」

花音「♪♪」ちゅっ

私(はあっ!?)

5: 2016/12/18(日)05:36:58 ID:Kow
私「な、何だったの、昼間のアレは...」

私「女同士で、口でちゅーとか...」

私「......」

私「か、考えがまとまらない...(赤面)」

私「そうだメール、メールで聞こう」

私(めるめる)【今日のキスはなに?】

私「......」

私「返信来た」

花音【キスしていい? って聞いてキスしただけだよ?】

花音【つきあって結構たつし、嬉しかったな>_<】

私(マ ジ か)

6: 2016/12/18(日)05:38:03 ID:Kow

ーー翌日 登校中


私(そういえば今までも)

花音「ヾ~¢∠∃」(腕を組む)

私(妙にスキンシップが多いと)

花音「ゝ〆〃♀ゝー@」(頬をすり寄せる)

私(思ってたけど...)

花音「♀~¢?」

私「えっ、うん...」

花音「♪」ちゅーーーっ

私(舌入ってるーーーーーーっっっ!!!)

7: 2016/12/18(日)05:39:43 ID:Kow
ーー昼休み


女生徒A「あのふたり、一緒にいすぎじゃない? ちょっと気持ちわるい」ヒソヒソ

女生徒B「それ言ったらダメでしょw」


私「......」

私(普通に私は花音と別れるべきだ)

私「でもそもそも私が花音と一緒にいたのは」

花音「>〃<ーゝ〆〆ゞ」

花音「~♪」

私(それなりに彼女に、惹かれていたからで...)

私「うん...」

私(今だってこうして、花音に相づちしてしまうのは)

私(花音のことを少しは「好き」だからで...)

私(...でも相変わらず、なに言ってるか分かんないのよね...)

花音「ゞゝ→><♀ヾー⊂∧」にこにこ

8: 2016/12/18(日)05:42:17 ID:Kow
私「花音からメールだ」

花音【今日のお泊まり楽しみだなあ、どんな服着てきてくれるのかなあ?】

私「お泊まり!?」

私「あっ、昼間のあれ、急にニコニコしだしたと思ったら...」

私「......」

私「ど、どど、どうしよう」

私「え、ええと、マクラ、じゃなくてパジャマ...」

私「と、とりあえず歯を磨こう」

私「......ぱ、パンツの替えはいるよね...」

私「一枚...」

私「...と、特に理由はないけど三枚持っていこう...」

9: 2016/12/18(日)05:43:15 ID:Kow
私「こんばんは...」

花音「⊂→~♪」

私(花音、嬉しそうだなあ...)

私「大きな家だね...、花音の部屋は二階?」

花音「¢∧」コクコク

私「えっと、ご両親とかは...」

花音「?」

私「っとかは、いなくてよかったね、うん」

花音「♪」こくこく

私(違う、たまたま今日いないんじゃない)

私(今日は両親がいないから、泊まりに来てって話になってたんだ)

花音「¢♀Ρ~Ψ♪ゞ」

私「え、うん...?」

私(......、お、お風呂に案内された...)

10: 2016/12/18(日)05:44:29 ID:Kow
私「......」ざぱーん

私「広いお風呂だなあ...」

私「じゃなくて...こ、このパターンは漫画とかだと...」

花音「Ф⊆→♪」がらっ

私(やっぱり入ってくるのね...)

花音「~♪」

私(だ、大丈夫、クラスメートとお風呂ぐらい、修学旅行でもあったしセーフ)

私(...、せ、背中を流してあげるべきだよね)

11: 2016/12/18(日)05:45:58 ID:Kow
私「......」ごしごし

花音「Ф>ヾ<♀」

私(ホクロが一つもない...色も白いし、すごく綺麗な背中...)

私(髪も漆器みたいに綺麗な黒...、手に持つとしっとりとした重さがある...こういうの日本髪って言うのかな...)

私(......私の髪は明るい色に染めてるけど...こういう綺麗な髪にも憧れるな...)

花音「ヱГ∋£≧ゝー〃〆」

私「え? あ、わ、私は自分でやるからいいよ...」

花音「ゝ<Фゝ」

私(......不自然だったかな)

12: 2016/12/18(日)05:46:53 ID:Kow
私(だって、花音の肌ってすごく綺麗なんだもん...)

私(私は古い傷とかもあるし、恥ずかしいから...)

私(......)

私(や、やっぱり、私も湯船に入らなきゃ駄目よね...)

花音「〆~ゝ∋♪」

私(うう、揉まれちゃってる...)

花音「£→ヾ♀ゝ<~♀?」

私「え、うん...」

花音「......」ちゅーーっ

私(吸われてるーーーーーー!!!)

13: 2016/12/18(日)05:48:03 ID:Kow
私(な、なんかどっと疲れた...)

私(あのあと、お菓子食べながらテレビの映画見て)

私(も、もう夜中の2時だし、あとは寝るだけ)

花音「ヾФ<∋>〆」

私「うん、そうね...」

花音「♪」

私(脱 ぎ だ し た)

14: 2016/12/18(日)05:49:10 ID:Kow
私(だ、大丈夫、たぶん寝るときは何も着ないタイプなだけ)

花音「......」

私(み、見つめられてる...)

私(や、やっぱり、私が脱ぐのを待ってるんだよね...)

私(うう...)

花音「♪」

私(で、でも)

私(やっぱり、よくわからないまま、女の子同士でこういうのは...)

花音「......?」

15: 2016/12/18(日)05:50:09 ID:Kow
私(一度ちゃんと確認しないと、言葉が聞き取れなくても、筆談とかで...)

花音「ゝ>≧♪~ゝヾヱ?」

私(私たち、いつから付き合ってる事になってるのかとか、私とどんなことをしたいのか、とか...)

花音「ゝ∽∃⊇∋〆ゝ〃ーヾゝー??」

私「......っ」

私(......、そ、そんなこと...)

私(言えるわけ、ない...)

私「花音...」ちゅー

花音「!」

花音「♪」ちゅー

私(何も話さなくていいように、長いキスをしよう...)

私(それから、花音のしたいように任せよう...)

私(......大丈夫、私たちは「好き」同士だから)

私(私が花音に応えていれば、それで大丈夫だったから...)

16: 2016/12/18(日)05:51:11 ID:Kow
私(......)

私(朝だ...)

私(...お、女の子同士って、あんな感じでいいのよね...?)

花音「ーゝヾ〃⊇」

私「うん、おはよう...」

私(たぶん、花音もよくわかってなかったと思うけど...)

私(......ふ、深く考えるのはやめよう...)

花音「~♀Ф」ぎゅう

私(しがみついてる...まだ学校へ行くには早いし、もう少し寝ていよう)

私(......)

私(......なんだか)

私(こうやって花音にしがみつかれるの、前にもあったような...)

17: 2016/12/18(日)05:52:45 ID:Kow
私(そうだ、あれは去年、私が転校してきた頃...)

私(胴にしがみつく花音と...)

私(セーラー服の不良が何人か倒れてて...)

私(花音は泣いていて...)

私(......)

私(あれ...? 何だっけそれ...)

私(普通に考えれば...花音がイジメられてるところを助けた...みたいなことかな)

私(それから懐かれた感じに...?)

18: 2016/12/18(日)05:53:46 ID:Kow
私(よく思い出せない...昔はしょっちゅうケンカしてたから...)

私(......なんだか、思い出すのがすごく億劫な気がする...)

私(疲れてるのかな...運動したし)

私(......そ、そう、運動、あれは運動だからセーフ...)



ーー次の日

女教師「はい、この部分を誰かに音読してもらいましょう...」

私(...うう、授業受けてても、昨日の光景が頭から離れない...)

19: 2016/12/18(日)05:55:04 ID:Kow
私(花音ってば、平然とノート取ったりして...)

私(いや、私が意識しすぎなだけ...?)

女教師「ええと、昨日は竹田さんまで当てましたね、じゃあ今日は...津田さん」

私「え?」

女教師「? どうしました?」

私「竹田さんの次なら花音なんじゃ...」

クラス「......!」ざわざわ

花音「!」

私(しまった!)

私「な、何でもないです」

女教師「......津田さん、37ページのはじめから読んでください」

津田「は、はい」

20: 2016/12/18(日)05:56:21 ID:Kow
私(しまった、私なんてことを...)

花音「......」


ーー昼休み 屋上

私「......花音、ねえ機嫌なおしてよ...」

花音「......」

私「ほら、私の玉子焼きあげるから...」

花音「......」

私「...本当に悪かったと思ってる、ちょっとぼうっとしてたの...」

花音「......⊇〆Ф∋」

私「え、うん...」

21: 2016/12/18(日)05:57:53 ID:Kow
花音「♀♪ゝ~≧ヾ〆≧§$♀≧£℃%%ヾ′~ゞヾ≧=」

私「......」

花音「ヾ£=≧♪⊇∀←£♀ゝ~〃⊂←ΔゑΛ
Ο≦>♀@~Ο⊂♀ーゝ£∃∇×ゝ〆ゑゞ〃ヽ@ゝ£⊂」



私「試すようなことはやめて」

花音「!」

私「そうよ、聞き取れてなかった」

22: 2016/12/18(日)05:59:00 ID:Kow
私「いま、わざと早口で一気にたくさん喋ったよね? 聞き取れてないって薄々分かってたんでしょ?」

私「でもそれでもいいじゃない、今までうまくやれてたはず」

私「花音だって、ただ私のそばにいられればよかったんでしょ」

花音「......」

私「私以外に友達いないからね、というよりも、私から離れてるときっとイジメにあうから、
だから適当に相槌を打つだけの私と一緒いたんでしょ」

花音「......」

23: 2016/12/18(日)06:00:36 ID:Kow
私「今までだっておかしいと感じたことはあったはず、私が拒まないからってレO行為まで」

パシイッ

私「......」

花音「......!」

私(花音の平手打ちか、痛いな...)

私「...もういいでしょ」

花音「......」ちゅー

私「えっ...?」

私(な、なんでこの流れでキス?)

私(うわモノスゴく舌入ってくる)

私(こ、拒むべきよね?)

私「や、やめてよっ」どん

花音「......」走り去る

私(わ、わからない...)

24: 2016/12/18(日)06:01:36 ID:Kow
ーー1ヶ月後

私(あれから、花音とは話さなくなった)

私(花音はというと...休み時間は本を読んで静かに過ごしてる)

私(私はもともと授業もろくに聞いてなかったし)

私(友人のいない学校も退屈なので、学園の裏手などで過ごすことが多くなった)

私(西日のさす、校舎の裏手)

私(コンクリートにもたれかかり、煙草をふかす)

25: 2016/12/18(日)06:02:47 ID:Kow
私(どこにいても、退屈なことには変わりない)

私(人生なんてこんなものだろう、という暗い安穏もある)

私(花音と出会う前に戻っただけのことだ)

私(......?)

私(出会う前...?)

不良女生徒A「なに煙草ふかしてんの?」

私「......」

26: 2016/12/18(日)06:04:09 ID:Kow

不良女生徒A「あんた最近評判悪いよ、クソ生意気になったって」

不良女生徒B「ここは私らの場所、他の誰も来てほしくないって言ったはずだけど?」

私(誰だったか、たしか先輩たちだ)

私(敬語を使うの使わないので、何度か殴りあった気がする)

私(花音と過ごすようになってから会わなくなっていた)

私「あんたら、まだ退学してなかったの?」

不良女生徒A「てめえ」

27: 2016/12/18(日)06:05:04 ID:Kow
ーーーー

女生徒A「ねえ、校舎裏でケンカらしいよ」

女生徒B「うん聞いた、二体一で凄いことになってるとか」

花音「......!」

ーーーー

28: 2016/12/18(日)06:05:56 ID:Kow

......

私(......)

私(...全身が痛い)

私(やっぱりブランクが大きかったな)

私(目に血が入ってくる、顔が切れてるかも...)

私(...仕方ないか、不良たちが独占してた場所を、荒らしたんだし)

私(......)

私(......?)

私(あの時...)

29: 2016/12/18(日)06:06:50 ID:Kow
私(この場所で、花音があいつらにいじめられて、た...?)

私(バカじゃないの、私...。花音みたいな子を、わざわざ呼び出してまでいじめるわけない...)

私(不良が何人か倒れてて)

私(花音は泣いていて...)

私(......そうだ)



私(リンチを受けていたのは、私...)

30: 2016/12/18(日)06:07:44 ID:Kow
私(あの時はぎりぎりで勝てたけど、血まみれで...)

私(花音は泣いていて...)

私(私は、学校が退屈で)

私(世の中に、飽きていて)

私(わずらわしい人間関係から、遠ざかって)

私(何も考えず、覚えようとせず)

私(ただひたすらに、一人だった...)

31: 2016/12/18(日)06:09:18 ID:Kow
私(そんな私のために、泣いてくれたのが...)

私(生返事だけの私に、ずっと話しかけてくれたのが...)

私「花音...」

「>~ゞ£!!」

私「......!」

「∃ゑ>¢≧!!」

私(大粒の涙が、私の顔に落ちる)

私(私はゆっくりと起き上がって、ぐしゃぐしゃに泣いている花音を見つめる)

32: 2016/12/18(日)06:10:31 ID:Kow
私「花音...泣かないで」

私(そうだ、今なら分かる)

私(花音も、自分の言葉が聞き取りにくいことはわかってた)

私(だから行為で私を愛した)

私(花音の行為の全てが、私への言葉)

私(ではキスとは?)

私(それは、考えるまでもない)

私「......」

花音「...!」

花音「......」

私(そう、花音にとっての)


私(「愛してる」)



(おしまい)


引用: 「彼女とコネクト!」【SS 】